JP2021020377A - 車両内装用樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

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信太郎 丸山
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Abstract

【課題】車両内装用樹脂成形体及びその製造方法を提供する。【解決手段】補強繊維及び補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂を含有し、幅方向の一方の側端部11を備える板状の基材部1と、射出成形部材からなり、一方の側端部11の端面から、基材部1の板面方向へと延設された一方の延設部21と、を具備し、一方の延設部21の少なくとも先端部側211と、基材部1の一方の側端部11と対向する他方の側端部12であり、射出成形部材からなり、他方の側端部の端面から、基材部1の板面方向へと延設された他方の延設部22を具備し、一方の延設部21及び他方の延設部22の各々の少なくとも先端部側211、221が、連結部3により連結されている車両内装用樹脂成形体である。【選択図】図2

Description

本発明は車両内装用樹脂成形体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、補強繊維を含有する熱可塑性樹脂製の板状の基材部の端面から、板面方向へと延設された補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂製の延設部、並びに基材部及び延設部の変形を抑える結合部を備える車両内装用樹脂成形体及びその製造方法に関する。
従来、樹脂成形体からなる車両内装用基材部の、車室側とは反対側となる裏面には、内装材を車両パネルに取り付けるためのリテーナーブラケット、ボス、ランナー等のアンダー形状構造物が取り付けられている。これらのアンダー形状構造物は、基材部をプレス成形すると同時に、基材部の裏面に熱可塑性樹脂を射出成形することにより設けられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された成形構造体では、トリムボードに溶融樹脂を射出することで、トリムボードと接合されたブラケットが成形されたドアトリムが例示されている。
このように、プレス成形された車両内装用基材部の裏面には、射出成形により各種のアンダー形状構造物が取り付けられている。また、植物繊維等の補強繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いて成形された基材部は、通常、その全面が板状に形成される。そのため、基材部の外縁部に意匠アンダー形状部を有する場合は、基材部を熱プレス成形すると同時に、基材部の端面となる側面に、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂のみからなる樹脂を射出し、基材部の板面方向に延設部が設けられた樹脂成形体及びその製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2013−91287号公報 特開2018−176576号公報
前述のように、基材部の外縁部に意匠アンダー形状部を有する場合は、基材部を熱プレス成形すると同時に、基材部の端面となる側面に、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂のみからなる樹脂を射出し、基材部の板面方向に延設部を設ける方法が知られている。しかし、植物繊維等の補強繊維を含有する熱可塑性樹脂を用いて成形された基材部の端面に、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂のみからなる樹脂を射出し、端面に延設された成形体を形成した場合、成形後の冷却、固化の過程で、補強繊維を含有する熱可塑性樹脂と、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂のみとの熱収縮率の差により、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂のみからなる成形体が変形し、また、この影響により基材部も変形し(図8の変形(拡幅)した基材部1及び延設部24、25参照)、寸法精度が低下するという問題がある。
本発明は、前述の従来技術の状況に鑑みてなされたものであり、補強繊維及び補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂を含有する基材部の幅方向の一方の側端部に、射出成形部材からなり、基材部の一方の側端部の端面に延設された一方の延設部を具備し、一方の延設部の少なくとも先端部側と、基材部の幅方向における所定部位とが、各々の長さ方向の一部において、射出成形部材の一部からなる連結部により連結され、寸法精度の向上が図られている車両内装用樹脂成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.補強繊維及び前記補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂を含有し、幅方向の一方の側端部を備える板状の基材部と、
射出成形部材からなり、前記一方の側端部の端面から、前記基材部の板面方向へと延設された一方の延設部と、を具備する車両内装用樹脂成形体であって、
前記一方の延設部の少なくとも先端部側と、前記基材部の前記幅方向における所定部位とが、各々の長さ方向の一部において、前記射出成形部材の一部からなる連結部により連結されていることを特徴とする車両内装用樹脂成形体。
2.前記一方の延設部及び前記基材部の前記一方の延設部が延設された端縁部が、前記連結部により連結されている前記1.に記載の車両内装用樹脂成形体。
3.前記所定部位が前記基材部の前記一方の側端部と対向する他方の側端部であり、前記射出成形部材からなり、前記他方の側端部の端面から、前記基材部の板面方向へと延設された他方の延設部を具備し、前記一方の延設部及び前記他方の延設部の各々の少なくとも先端部側が、前記連結部により連結されている前記1.に記載の車両内装用樹脂成形体。
4.前記一方の延設部と前記他方の延設部、並びに前記基材部の前記一方の延設部及び前記他方の延設部の各々が延設された端縁部が、前記連結部により連結されている前記3.に記載の車両内装用樹脂成形体。
5.前記補強繊維は植物繊維である前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の車両内装用樹脂成形体。
6.前記第1熱可塑性樹脂と、前記射出成形部材に含有される第2熱可塑性樹脂と、が同種の熱可塑性樹脂である前記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の車両内装用樹脂成形体。
7.前記1.又は2.に記載の車両内装用樹脂成形体の製造方法であって、
前記基材部の賦形をする熱プレス工程と、
前記一方の延設部及び前記連結部を、射出成形により一体に形成する延設部及び連結部形成工程と、を備えることを特徴とする車両内装用樹脂成形体の製造方法。
8.前記1.3.及び4.のうちのいずれか1項に記載の車両内装用樹脂成形体の製造方法であって、
前記基材部の賦形をする熱プレス工程と、
前記一方の延設部、前記他方の延設部及び前記連結部を、射出成形により一体に形成する延設部及び連結部形成工程と、を備えることを特徴とする車両内装用樹脂成形体の製造方法。
本発明の車両内装用樹脂成形体は、補強繊維及び補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂を含有し、幅方向の一方の側端部を備える板状の基材部と、射出成形部材からなり、基材部の側端部の端面から、基材部の板面方向へと延設された一方の延設部と、を具備し、延設部の少なくとも先端部側と、基材部の幅方向における所定部位とが、各々の長さ方向の一部において、射出成形部材の一部からなる連結部により連結された構成を備える。
このような構成とされているため、基材部の熱プレス成形時に、延設部の少なくとも先端部側と基材部の幅方向の所定部位とが、射出成形部材の一部からなる連結部により連結される。これにより、基材部と延設部との熱収縮率の差による基材部及び延設部の変形を抑えることができ、寸法精度を向上させることができる。また、これまでの延設部を備えない基材部のように、外周端部に生じたバリを除去するため外周をカットし、除去する工程が不要となり、端材が発生しないため、原材料の歩留まりが向上する。更に、樹脂成形体の多くの部分が補強繊維を含有する熱可塑性樹脂により形成されるため、特に補強繊維が植物繊維であるときは、樹脂成形体の軽量化の観点でも有利である。
また、補強繊維が植物繊維である場合は、二酸化炭素排出量削減及び二酸化炭素の固定化等の環境浄化の観点で好ましい。特に、ケナフ等の成長が早く、且つ二酸化炭素吸収量が多い植物資源は、樹脂との複合材料からなる樹脂成形体の原材料として有用である。
更に、第1熱可塑性樹脂と、射出成形部材に含有される第2熱可塑性樹脂と、が同種の熱可塑性樹脂である場合は、基材部と延設部、及びこれらと連結部とが強固に接合された樹脂成形体とすることができるとともに、基体部及び延設部の変形が抑えられることにより、寸法精度を確実に向上させることができる。
本発明の車両内装用樹脂成形体の製造方法は、熱プレス成形等により所定の形状に賦形された基材部を形成し、同時に、射出成形により延設部及び連結部を形成し、延設部と所定部位とを連結部により連結することで、簡易な工程により、基体部及び延設部の変形を抑えることができ、所定の形状、寸法の樹脂成形体を容易に製造することができる。
車両内装材の1種であり、スライドプレートを取り付けるための開口部が設けられたBピラーの模式的な斜視図である。 図1のBピラーのA−A断面であり、一方及び他方の延設部が連結部により連結された形態の模式的な断面図である。 延設部及び基材部の延設部が接合された端縁部が連結部により連結された形態を表す模式的な断面図である。 延設部の先端部が連結部により連結された形態を表す模式的な断面図である。 図3のBピラーにおいて、連結部が、基材部の延設部が延設された端縁部から離間しつつ形成されている形態を表す模式的な断面図である。 車両内装材の1種であるドアトリムの模式的な斜視図である。 図6のドアトリムのB−B断面であり、延設部が連結部により所定部位に連結された形態を表す模式的な断面図である。 連結部が設けられず基材部及び延設部が外方へ拡幅され、変形してしまった形態を表す模式的な断面図である(二点鎖線で図示したものが所定形状の成形体である)。
以下、本発明を図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]車両内装用樹脂成形体
本発明の車両内装用樹脂成形体10(図1、2参照)、20(図6参照)は、補強繊維及び補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂を含有し、幅方向の一方の側端部11を備える板状の基材部1と、射出成形部材からなり、一方の側端部11の端面から、基材部1の板面方向へと延設された一方の延設部21と、を具備する車両内装用樹脂成形体であって、一方の延設部21の少なくとも先端部側211と、基材部1の幅方向における所定部位5(図6参照)とが、各々の長さ方向、即ち、基材部及び延設部の各々の幅方向と直交する方向の一部において、射出成形部材の一部からなる連結部3により連結されている(車両内装用樹脂成形体10では、他方の側端部12及び他方の側端部12の端面から、基材部1の板面方向へと延設された他方の延設部22も具備し、一方の延設部21の少なくとも先端部側211と、他方の延設部22の少なくとも先端部側221とが、連結部3により連結されている)。
基材部1は、補強繊維と、この補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂とを含有する板状体である。補強繊維は特に限定されず、植物繊維、無機繊維及び動物繊維等を用いることができ、植物繊維が特に好ましい。植物繊維は環境の観点で好ましく、通常、熱可塑性樹脂と比べて比重が小さく、樹脂成形体を軽量化することもできる。植物繊維としては、ケナフ、麻、綿、しゅろ繊維、ここやし繊維等が挙げられ、木質茎を有する早育性の一年草であるケナフが特に好ましい。また、無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等が挙げられる。これらの植物繊維及び無機繊維は、通常、解繊された長繊維として用いられる。
特に好ましい補強繊維として用いられるケナフは、木質茎を有する早育性の一年草であり、アオイ科に分類される植物である。学名におけるhibiscus cannabinus及びhibiscus sabdariffa等が含まれ、更に、ケナフには、通称名における紅麻、キュウバケナフ、洋麻、タイケナフ、メスタ、ビムリ、アンバリ麻及びボンベイ麻等が含まれる。
補強繊維と第1熱可塑性樹脂との量比は特に限定されず、車両内装用樹脂成形体の種類(図2のBピラー10及び図6のドアトリム20参照)、用途等によって適宜設定することができる。例えば、補強繊維がケナフ等の植物繊維である場合、植物繊維と第1熱可塑性樹脂との合計量を100質量%としたときに、植物繊維は30〜60質量%、特に40〜50質量%とすることができる。植物繊維の量比が、このような数値範囲であれば、車両内装用樹脂成形体の強度及び軽量化の観点で有利である。
補強繊維と、この補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂とを含有する基材部1は、板状体として熱プレス成形される。そして、車両内装用樹脂成形体が、例えば、Bピラー10(図1、2参照)などのピラーである場合、板状体は、所定部位が基材部1の一方の側端部11と対向する他方の側端部12であり、射出成形部材からなり、他方の側端部12の端面から、基材部1の板面方向へと延設された他方の延設部22を具備し、一方の延設部21及び他方の延設部22の各々の少なくとも先端部側211、221(図2参照、図2のBピラーにはスライドプレートを配設するための開口部4が設けられている)が、射出成形部材の一部からなる連結部3により連結される(図2では一方の延設部21及び他方の延設部22の各々の全面が連結部3により連結されている)。
また、車両内装用樹脂成形体が、例えば、ドアトリム20(図6参照)である場合、板状体は、所定部位が基材部1のアッパートリムの幅方向の中間部5(図7参照)であり、射出成形部材からなり、アッパートリム側端部13の端面から、基材部1の板面方向へと延設されたアッパートリム延設部23を具備する。そして、アッパートリムの幅方向の中間部5と、アッパートリム延設部23の少なくとも先端部側231とが、射出成形部材の一部からなる連結部3により連結される。
本願発明では、基材部1の一方の側端部11及び他方の側端部12等の各々の側端部の端面に、第2熱可塑性樹脂を射出することで、射出成形部材からなる一方の延設部21、他方の延設部22(図2参照)、アッパートリム延設部23(図7参照)などが基材部1の板面方向に設けられる。この場合、射出圧により、それぞれの側端部の端面近傍では、射出された第2熱可塑性樹脂が基材部1側に侵入したり、補強繊維が延設部側に侵入したりすることが有り得るが、これらは特に問題になることではない。
一方、第2熱可塑性樹脂からなる一方の延設部21、他方の延設部22、及びアッパートリム延設部23などの延設部は、補強繊維を含有する第1熱可塑性樹脂からなる基材部1と比べて熱収縮率が大きく、射出成形後の冷却過程においてより大きく収縮する。これにより、例えば、図8のように、基材部及び各々の延設部が変形し、拡幅して、樹脂成形体の寸法精度が低下する。
上述のような変形を抑え、寸法精度を向上させるため、車両内装用樹脂成形体が、例えば、Bピラー10(図1、2等参照)などのピラーである場合、前述のように、一方の延設部21及び他方の延設部22の各々の少なくとも先端部側211、221(図2等参照)が、射出成形部材の一部からなる連結部3により連結されている。また、車両内装用樹脂成形体が、例えば、ドアトリム(図6参照)である場合、前述のように、アッパートリムの幅方向の中間部5と、アッパートリム延設部23の少なくとも先端部側231が、射出成形部材の一部からなる連結部3により連結されている(図7参照)。
連結部3は、基材部1の一方の側端部11及び他方の側端部12等の各々の側端部の端面に、第2熱可塑性樹脂を射出し、一方の延設部21及び他方の延設部22等を設けるときに、成形型が有するトンネルゲートに第2熱可塑性樹脂を射出し、それぞれの延設部と同時に成形することができる。トンネルゲートに射出された第2熱可塑性樹脂は、補強繊維を含有せず、第1熱可塑性樹脂と比べて熱収縮率が大きく、この熱収縮率が大きい第2熱可塑性樹脂は、射出成形後、基材部1と比べて大きく収縮する。
これにより、第2熱可塑性樹脂からなる一方の延設部21、他方の延設部22、及びアッパートリム延設部23などの延設部が、射出成形後の冷却過程において、収縮の大きい連結部3により、基材部1の板面方向から内方へと引っ張られ、基材部1及び延設部21、22、23の拡幅等の変形が抑えられ、樹脂成形体全体の幅方向の寸法精度の低下を抑えることができる。
連結部3は、車両内装用樹脂成形体が、例えば、Bピラー10(図1、2等参照)などのピラーである場合、基材部1の一方の延設部21と他方の延設部22との間に架け渡される。この場合、連結部3は、一方の延設部21及び他方の延設部22の各々の少なくとも先端部側211と221とを連結するように設けることができる。このように、各々の延設部の少なくとも先端部側を連結することにより、基材部及び延設部の変形による寸法精度の低下を十分に抑えることができる。
上述のように、各々の延設部の先端部側のみを連結することにより、基材部及び延設部の変形による寸法精度の低下は十分に抑えることができるが、ピラーの形状、寸法、延設部の長さ等により、連結部3により連結する個所は寸法精度を勘案しつつ適宜設定することができる。例えば、図2のように、一方の延設部21及び他方の延設部22の各々の全面に連結部3の両端部側が接合された形態で連結部3を設けることができる。
また、図3のように、一方の延設部21及び基材部1の一方の延設部21が延設された端縁部11に連結部3の一端部側が接合され、他方の延設部22及び基材部1の他方の延設部22が延設された端縁部12に連結部3の他端部側が接合された形態で連結部3を設けることができる。このように、延設部の全面のみでなく、基材部の延設部が延設された端縁部にも連結部を接合させた形態であれば、基材部及び延設部の変形による寸法精度の低下をより確実に抑えることができる。加えて、トリムとドアパネルとの間に十分な空間が生じるため、ピラーをドアパネルに取り付けるときに、パネルに何らかの部材が取り付けられていたとしても、ピラーをパネルに容易に取着することができる。
更に、ピラーの形状、寸法、延設部の長さ等を勘案し、図4のように、一方の延設部21の先端部側211に連結部3の一端部側が接合され、他方の延設部22の先端部側221に連結部3の他端部側が接合された形態で連結部3を設けることができる。このように、延設部の先端部側のみに連結部を接合させた形態であっても、基材部及び延設部の変形による寸法精度の低下を十分に抑えることができる。
また、図3の変形例であるが、図5のように、基材部1の一方の延設部21が延設された端縁部11、及び他方の延設部22が延設された端縁部12に接合された連結部3を、基材部1の端縁部11、12から離間させて湾曲させ、両端部側が湾曲し、両端部側を除く中間部は平坦な連結部3とすることもできる。この場合も、トリムとドアパネルとの間に十分な空間が生じるため、パネルに何らかの部材が取り付けられていたとしても、ピラーをパネルに容易に取着することができる。
更に、連結部3の断面形状は特に限定されず、正方形、長方形等の方形でもよく、円形、楕円形等であってもよい。このように連結部3の断面形状は特に限定されないが、少なくとも各々の延設部及び基材部の延設部が延設された端縁部と、連結部3との接合面は容易に離間してしまわない程度の接合面積を有している必要がある。そのため、連結部3の断面形状が円形、楕円形等であるときも、接合面となる部位は平面である必要がある。
また、ピラー、ドアトリムなどの車両内装用樹脂成形体には、アンダー形状構造物が取り付けられており、また、何らかの部材が取り付けられたパネルなどに取着されて用いられる。そのため、連結部3は、通常、基材部1及び延設部21、23等の全長さに亘って設けられることはなく、長さ方向に間欠的に設けられる。この場合、車両内装用樹脂成形体の長さ方向における連結部3の寸法(幅)、隣り合う連結部3の間隔等は、ピラー、ドアトリムなどの形状、寸法等により適宜設定することができる。例えば、図1、2のようなBピラーの場合、成形後、シートベルトのウェビングを挿通させる開口部、又はスライドプレートを上下動させるための開口部4(図1、2等参照)が設けられるが、これらの開口部は、通常、トムソン刃等により打ち抜くことにより設けられる。そのため、車両内装用樹脂成形体の全長さに亘る寸法精度の向上を勘案しつつ、開口部の形成のし易さなども考慮し、連結部3の寸法(幅)、隣り合う連結部3の間隔等を設定することが好ましい。
基材部1は補強繊維と第1熱可塑性樹脂を用いて形成される。また、一方及び他方の延設部21、22等の延設部、並びに連結部3を構成する射出成形部材は第2熱可塑性樹脂を用いて形成される。第1熱可塑性樹脂と第2熱可塑性樹脂とは、同種の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよいが、基材部の端面と延設部の端面、並びに基材部及び延設部と連結部との接合面を十分に、且つ容易に接合させるためには同種の樹脂であることが好ましい。この同種の樹脂とは、樹脂(重合体)を構成する主たる単量体が同一であるという意味であり、この単量体からなる単独重合体からなる樹脂であってもよく、所定量の他の単量体が共重合された共重合体からなる樹脂であってもよい。
第1及び第2熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、及びポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの各種の樹脂のうちでは、ポリオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン単独重合体等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。尚、これらの熱可塑性樹脂には、所要量の、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等の通常この種の樹脂に用いられる添加剤が必要に応じて所要量配合され、含有される。
本発明の車両内装用樹脂成形体のように、成形体全体の寸法精度を向上させるための連結部は、車両関連分野の広範な製品分野において設けることができる。例えば、ドアトリム、ピラー、ルーフトリム、インストルメントパネル及びコンソールボックス等において設けることができる。また、鉄道車両、船舶及び飛行機等の各種移動手段及び輸送手段等においても同様に利用することができる。
[2]車両内装用樹脂成形体の製造方法
本発明の車両内装用樹脂成形体の製造方法は、基材部1の賦形をする熱プレス工程と、例えば、図7のように、一方の延設部に相当するアッパートリム延設部23及び連結部3を、射出成形により一体に形成する延設部及び連結部形成工程と、を備える。
また、他の本発明の車両内装用樹脂成形体の製造方法は、基材部1の賦形をする熱プレス工程と、例えば、図2のように、一方の延設部21、他方の延設部22及び連結部3を、射出成形により一体に形成する延設部及び連結部形成工程と、を備える。
更に、本発明の車両内装用樹脂成形体の製造方法は、アッパートリム延設部23等の一方の延設部及び連結部3を、射出成形により一体に形成する方法であり、連結部3の一端部側は一方の延設部と接合され、他端部側は基材部1の所定部位、例えば、アッパートリムの幅方向の中間部5と接合される(図7参照)。
一方、他の本発明の車両内装用樹脂成形体の製造方法は、一方の延設部21、他方の延設部22及び連結部3を、射出成形により一体に形成する方法であり、連結部3の一端部側は一方の延設部21と接合され、反対側の他端部側は他方の延設部22と接合される(図2参照)。
基材部1の賦形をするための成形方法は特に限定されないが、通常、熱プレス成形により成形される。また、基材部1には、その側端部の端面に樹脂が射出され、一方の延設部21、アッパートリム延設部23(図2、7参照)等が延設される。このような成形は、例えば、インサート成形によりなされる。インサート成形では、成形型にインサートされる基材部1となる予備成形体として、例えば、植物繊維等の補強繊維と第1熱可塑性樹脂とが混合され、形成されたウェブを用いることができる。ウェブの形成には、第1熱可塑性樹脂は、繊維、粉末等の形態で混合されるが、繊維の形態で混合すれば、ウェブの形成がより容易である。
また、基材部1は、上述のようにして形成されたウェブ等の予備成形体を、第1熱可塑性樹脂の融点等により所定温度に加熱し、その後、所定形状のキャビティを有する成形型内にインサートし、次いで、加圧することにより賦形し、成形することができる。更に、予備成形体を加圧すると同時に、第2熱可塑性樹脂を基材部1の側端部の端面に向けて樹脂が流動するようにして射出し、その後、冷却することにより、基材部1と一方の延設部21、アッパートリム延設部23等とを同時に成形することができる。また、予備成形体が加熱され、加圧されるときに、溶融した第1熱可塑性樹脂により、補強繊維の交絡点が結着され、繊維により補強された基材部1とすることができる。
更に、一方の延設部21、アッパートリム延設部23等を成形するときに、所定の成形型を用いることにより、成形型に設けられた所定形状のトンネルゲートにより連結部3を同時に成形することができる。また、脱型後の車両内装用樹脂成形体(図1、2等及び7参照)では、植物繊維等の補強繊維を含有する第1熱可塑性樹脂からなる基材部1に比べて、熱収縮率の大きい第2熱可塑性樹脂からなる一方の延設部21、アッパートリム延設部23等はより大きく収縮し、この収縮の影響により、連結部3がない場合は、延設部221、23等のみでなく、基材部1も変形(拡幅等)し、寸法精度が低下する。
一方、本発明及び他の本発明の車両内装用樹脂成形体の製造方法によれば、一方の延設部21、アッパートリム延設部23等と同時に、第2熱可塑性樹脂からなる連結部3が形成される。そして、第2熱可塑性樹脂からなり、熱収縮率の大きい連結部3により、各々の延設部21、23等及び基材部1の変形が抑えられ、寸法精度が向上し、精度要求品質を満足する車両内装用樹脂成形体とすることができる。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施態様を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その態様において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施態様を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明の車両内装用樹脂成形体及びその製造方法は、車両関連分野の広範な製品分野において利用することができる。特に、ピラー、ドアトリム等の車両用内装材の技術分野において有用である。
10、20;車両内装用樹脂成形体、1;基材部、11;一方の側端部、12;他方の側端部、13;アッパートリム側端部、21;一方の延設部、22;他方の延設部、23;アッパートリム延設部、211;一方の延設部の先端部側、221;他方の延設部の先端部側、231;アッパートリム延設部の先端部側、24、25;変形した延設部、201;アームレスト、3;連結部、4;開口部、5;所定部位(ドアトリムのアッパートリムの幅方向の中間部)。

Claims (8)

  1. 補強繊維及び前記補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂を含有し、幅方向の一方の側端部を備える板状の基材部と、
    射出成形部材からなり、前記一方の側端部の端面から、前記基材部の板面方向へと延設された一方の延設部と、を具備する車両内装用樹脂成形体であって、
    前記一方の延設部の少なくとも先端部側と、前記基材部の前記幅方向における所定部位とが、各々の長さ方向の一部において、前記射出成形部材の一部からなる連結部により連結されていることを特徴とする車両内装用樹脂成形体。
  2. 前記一方の延設部及び前記基材部の前記一方の延設部が延設された端縁部が、前記連結部により連結されている請求項1に記載の車両内装用樹脂成形体。
  3. 前記所定部位が前記基材部の前記一方の側端部と対向する他方の側端部であり、前記射出成形部材からなり、前記他方の側端部の端面から、前記基材部の板面方向へと延設された他方の延設部を具備し、前記一方の延設部及び前記他方の延設部の各々の少なくとも先端部側が、前記連結部により連結されている請求項1に記載の車両内装用樹脂成形体。
  4. 前記一方の延設部と前記他方の延設部、並びに前記基材部の前記一方の延設部及び前記他方の延設部の各々が延設された端縁部が、前記連結部により連結されている請求項3に記載の車両内装用樹脂成形体。
  5. 前記補強繊維は植物繊維である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の車両内装用樹脂成形体。
  6. 前記第1熱可塑性樹脂と、前記射出成形部材に含有される第2熱可塑性樹脂と、が同種の熱可塑性樹脂である請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の車両内装用樹脂成形体。
  7. 請求項1又は2に記載の車両内装用樹脂成形体の製造方法であって、
    前記基材部の賦形をする熱プレス工程と、
    前記一方の延設部及び前記連結部を、射出成形により一体に形成する延設部及び連結部形成工程と、を備えることを特徴とする車両内装用樹脂成形体の製造方法。
  8. 請求項1、3及び4のうちのいずれか1項に記載の車両内装用樹脂成形体の製造方法であって、
    前記基材部の賦形をする熱プレス工程と、
    前記一方の延設部、前記他方の延設部及び前記連結部を、射出成形により一体に形成する延設部及び連結部形成工程と、を備えることを特徴とする車両内装用樹脂成形体の製造方法。
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