JP2021019630A - 抗ホスホリパーゼd4抗体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホスホリパーゼD4(PLD4)に結合する抗体、及び形質細胞様樹状細胞(pDC)の活性の調節方法の提供。【解決手段】ヒト形質細胞様樹状細胞表面のPLD4タンパク質に結合する、特定のアミノ酸配列を有するモノクローナル抗体、その抗原結合領域を含む断片、CDR移植抗体、シングルチェインFv、線状抗体、又は多特異性抗体及びその断片、及び本抗体をコードするポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドを含む発現ベクター、発現ベクターを導入した宿主細胞、宿主細胞を培養することによる本抗体及び抗原結合領域を含む断片の製造方法、ポリヌクオチド又は発現ベクターを投与するpDCの活性の調節方法の提供。【選択図】なし

Description

本発明は、ホスホリパーゼD4に結合する抗体に関する。以下、「ホスホリパーゼD」をPLDと、また「ホスホリパーゼD4」等をPLD4等と略記することもある。
インターフェロン(以下「インターフェロン」をIFNと略記することがある)は、抗ウイルス免疫応答における最も重要なサイトカインである。ヒトの血中のインターフェロン産生細胞(IPC:IPCは、樹状細胞(dendritic cell:DC)の前駆細胞に位置付けられる未分化のリンパ球系樹状細胞である。IPCは、形質細胞様樹状細胞またはプラズマ細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell:pDC)と呼ばれることもある。以下、本願明細書ではIPCとpDCは同義であるとし、以下原則としてpDCと言う用語で統一する。)は、CD4と主要組織適合複合体クラスIIタンパク質を発現する。しかし、このような細胞の数は少なく、急速にアポトーシスを起こし、さらにリニエージ(系統)マーカーを欠いていることから、それらの細胞の単離や詳しい特徴づけは今まで行われていなかった。pDCは、CD4CD11c2型樹状細胞前駆細胞であることが判明しており、またpDCは微生物による刺激後、他の血液細胞よりも、200〜1000倍多いIFNを産生することが明らかにされている。したがって、pDCは抗ウイルス/抗腫瘍免疫応答において決定的な免疫系エフェクター細胞である。
IFNα、およびIFNβは、抗ウイルス活性または抗腫瘍活性を有するI型IFNとして知られている。一方で、IFNαは自己免疫疾患に関連していることも明らかにされている。たとえば、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチのような自己免疫疾患患者においてIFNαの異常産生が報告されている。さらに組み換えIFNα2やIFNの投与によって自己免疫疾患症状が発現または悪化した症例が報告されている。そしてIFNαの中和によって自己免疫症状が緩和される可能性も示唆されている。
またIFNαが、樹状細胞(DC)の分化を誘導していることも明らかにされている。樹状細胞は抗原提示細胞であることから、樹状細胞の分化誘導は、自己免疫疾患における重要なメカニズムを構成していると考えられている。実際、IFNαの樹状細胞の分化誘導は全身性エリテマトーデスの発症と深い関連性があることが示唆されている。上述のように抗腫瘍活性と同様、自己免疫疾患とIFNαの密接な関連性が指摘されている。またIFNαは乾癬の発症にも深く関わっている。
pDCはほんのわずかだけ血中に存在している。末梢血リンパ球に占めるpDCの割合は、1%以下と考えられている。しかしpDCは、きわめて高いIFNの産生能を有する。pDCのIFN産生能は、たとえば3000pg/mL/10cellsに達する。つまり、細胞の数は少ないが、ウイルス感染時に産生される血中IFNαまたはIFNβの大部分は、pDCによってもたらされていると言ってよい。
pDCは、ウイルス刺激によって樹状細胞に分化し、T細胞によるIFN−γやインターロイキン(IL)−10の産生を誘導する。またpDCは、IL−3刺激によっても樹状細胞に分化する。IL−3刺激によって分化した樹状細胞は、T細胞によるTh2サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−10)の産生を誘導する。上述のようにpDCは、刺激の違いによって異なる樹状細胞に分化する性質を有している。
したがってpDCは2つの側面、1つはIFN産生細胞としての側面、もう1つは樹状細胞の前駆細胞としての側面を有する細胞である。いずれの細胞も、免疫システムにおいて重要な役割を担っている。つまりpDCは、様々な面で免疫システムを支える重要な細胞の一つである。
IFNのような液性因子の活性調節には、当該因子を認識する抗体の投与が有効である。たとえばIL−1、またはIL−4に対する抗体によって自己免疫疾患を治療する試みが実用化された。またIFNにおいても同様に、中和抗体が自己免疫疾患の治療薬と思われている。同様のアプローチがIFN産生pDCに有効であろうことは予想できる。しかしこのようなアプローチは、産生された後の液性因子の作用の阻害に基づいている。目的とする液性因子の産生を直接的に制御することができれば、より本質的な治療効果を達成することができる。
ヒトpDCを認識する抗体が報告されている。たとえば、抗BDCA−2モノクローナル抗体は、ヒトpDC特異的なモノクローナル抗体である(Dzionek, A. et al. J.Immunol.165:6037-6046,2000)。抗BDCA−2モノクローナル抗体は、ヒトpDCのIFN産生を抑制する作用を有することが明らかにされている(J.Exp.Med.194:1823-1834,2001)。またマウスのインターフェロン産生細胞を認識するモノクローナル抗体が、インターフェロンの産生を抑制することも報告されている(Blood 2004 Jun 1;103/11:4201-4206. Epub 2003 Dec)。マウスpDCに対するモノクローナル抗体により樹状細胞の数が減少することも報告されている(J.Immunol.2003,171:6466-6477)。
同様にヒトpDCを認識し、その活性を調節しうる抗体が提供されれば有用である。たとえば本発明者らは、既にLy49Qを認識する抗体がマウスpDCに特異的に結合することを明らかにした。しかしLy49Qに対する抗体は、マウスpDCの活性には干渉しなかった(Blood,1 April 2005,Vol.105,No.7,pp.2787-2792)。
PLDはホスファチジルコリンを加水分解してホスファチジン酸とコリンを産生する反応を触媒し、様々な細胞内シグナル伝達を引き起こす酵素である。産生されたホスファチジン酸が脂質性のシグナル分子として機能するものと考えられている。
従来から知られている2種類の哺乳類PLDとしてPLD1とPLD2が知られており、そのN末端領域にはホスファチジルイノシチドに結合しうるPhoxホモロジードメイン(PXドメイン)およびプレクストリンホモロジードメイン(PHドメイン)を含んでいる。両ドメインともPLDの膜ターゲッティングに関与している。
PLD1とPLD2はさらに、二つのHis−x−Lys−x−x−x−x−Asp配列(HKDモチーフ)を含んでいる。このHKDモチーフはPLD活性に必須のドメインである。
PLD1とPLD2により産生されたホスファチジン酸は、細胞骨格の再構成、エキソサイトーシス、食作用、癌化、細胞接着、走化性等に関与し、神経系や免疫系等を中心に作用していると考えられる。
ヒトHu−K4とマウスSAM9は今では公式にPLD3と名づけられているが、PXおよびPHドメインを欠き、2つのHKDモチーフを有しているにもかかわらずPLD活性を示さない。さらに3つのPLDファミリーメンバー、PLD4、PLD5およびPLD6があるが、これらの非古典的PLD類についてはほとんど分かっていない。
マウス小脳発達における遺伝子発現パターンについて小脳発達トランスクリプトームデータベース(CDT−DB)をサーチし、その結果、発達時において制御された転写産物であったPLD4が同定された(Tao et al., Nat.Methods 2(8),591-598(2005)参照)。PLD4の基本特性は報告されていない。PLD4が酵素活性を示すかどうか、またPLD4の脱グリコシル化した形態がPLD活性を有するかどうかは今後決定されるべき事項であるとされている。
PLD4は、配列番号:1に示す506アミノ酸配列である(Tao et al., Nat.Methods 2(8),591-598(2005)およびClark et al.,Genome Res.13(10),2265-2270(2003))。PLD4タンパク質はC末端領域に保存された2つのHKDモチーフ(His−x−Lys−x−x−x−x−Aspアミノ酸配列、xはその他のアミノ酸)で構成される2つの暫定的なPDE領域(ホスホジエステラーゼモチーフ)と、推定的なリン酸化部位(Thr 472)を有する。PLD4タンパク質の構造はII型一回膜貫通タンパク質と予測される。また、PLD4タンパク質のN末端領域には古典的なPLDファミリーであるPLD1とPLD2が有するPX領域とPH領域を持っていない(図1および2)。
一方PLD4は2つのHKDモチーフを有していることからPLDファミリーに属するものではあるが、PXドメインやPHドメインを欠く代わりに推定上の膜貫通ドメイン(トランスメンブランドメイン)を有している。
低レベルから中レベルで特徴的なPLD4mRNAの発現は、生後1週間の、マウスの脳梁や小脳白質を含む白質領域周辺に優先的に局在化した細胞小集団に見出だされた。これらのPLD4mRNA発現細胞は、Iba1陽性ミクログリアとして同定されている(Tao et al., Nat.Methods 2(8),591-598(2005)参照)。
生後1週間の時期は、マウスの脳梁や小脳白質ではミエリンの形成が活発化し始める時期である。この時期に白質内に存在するアメボイド(活性化状態)ミクログリアにおいてPLD4が高発現する。これらの事実から、白質内におけるPLD4発現細胞がこの時期にミエリンの形成に関与している可能性も考えられる。特にPLD4が食胞に集積することも明らかとなっており、PLD4発現細胞が貪食に関与している可能性も示唆されている。活性化状態にあるアメボイドミクログリアから様々なサイトカインや成長因子が分泌されるとともに貪食作用が活発化している。発達期の脳の白質では、余分なオリゴデンドロサイト(軸索に巻きついてミエリンを形成する中枢神経系グリア細胞)がアポトーシスを起こしていると考えられる。アメボイドミクログリアで余分なオリゴデンドロサイトが分解除去され、シグナル分子を分泌することにより白質内のミエリン形成環境を整えている可能性が考えられる。PLD4はミエリン形成を含むこれらの過程に関与していることが示唆されている。
非神経組織においてもPLD4mRNA発現は広く見られるが、主として脾臓に分布している。強いPLD4発現が脾赤色髄の境界域周辺に検出され、細胞内膜フラクションから回収された脾PLD4タンパクは高度にN−グリコシル化されている。PLD4を異種細胞系で発現させたところ、小胞体とゴルジ体に局在化した。異種発現したPLD4はPLD酵素活性を示さなかった(Plos ONE www.plosone.org, November 2010, Volume 5, Issue 11, e13932)。
PLD4の時間的にも場所的にも制限されたその発現パターンから、PLD4は生後初期の脳の発達時のミクログリアや脾臓境界領域細胞の間で共通する機能において役割を演じているであろうことが示唆される。
以上神経組織および非神経組織におけるPLD4mRNA発現とPLD4の分布を概説したが、後述のように細胞種レベルにおいて静止期のpDC細胞(resting pDC)においてPLD4mRNAが特異的に高発現していることを本発明者らは見出した。
全長ヒトPLD4タンパク質に対するマウス抗ヒトPLD4ポリクローナル抗体は市販されている(Abnova社、PLD4 purified MaxPab mouse polyclonal antibody(B01P)、カタログ番号 H00122618-B01P)。しかし、PLD4の特定の部位にのみ結合するモノクローナル抗体や、PLD4に特異的に結合し得るモノクローナル抗体は得られていない。
(1)Tao et al., Nat.Methods 2(8),591-598(2005)
(2)Clark et al., Genome Res.13(10),2265-2270(2003)
(3)Plos ONE www.plosone.org,November 2010,Volume 5,Issue 11,e13932
(4)全長ヒトPLD4タンパク質に対するマウスPLD4ポリクローナル抗体のカタログ(Abnova社、カタログ番号: H00122618-B01P)
(5)Dzionek,A.et al. J.Immunol.165:6037-6046,2000
(6)J.Exp.Med.194:1823-1834,2001
(7)Blood 2004 Jun 1;103/11:4201-4206.Epub 2003 Dec
(8)J.Immunol.2003,171:6466-6477
(9)Blood,1 April 2005,Vol.105,No.7,pp.2787-2792
(10)Nat.Methods 2(8),591-598(2005)
本発明により解決される課題は、PLD4に結合する抗体の提供、並びにpDCの検出、同定、または単離である。また本発明より解決される課題は、pDCの活性の調節である。
本発明者らは、PLD4に関する研究を通じて、PLD4の発現がpDC、特に活性期のpDCに加えて静止期のpDCにおいて特異的に亢進していることを確認した。そこで本発明者は、PLD4の抗体の作製と、その作用の解明を試みた。
生体由来の微量のタンパク質を認識する抗体を得るためには、一般に、遺伝子組み換え技術によって作製されたタンパク質が免疫原として利用される。本発明者らは、既に明らかにされているPLD4のcDNAの塩基配列とそれによってコードされるアミノ酸配列(GenBank Accession No. NM_138790.2)の情報(Nat.Methods 2(8),591-598(2005))を基に、PLD4の発現を試みた。
タンパク質の抗体を得るために、天然のタンパク質の部分アミノ酸配列を免疫原として利用することもしばしば試みられる。しかし、抗体が細胞表面の分子を認識するためには、細胞表面においてエピトープとして抗体に認識される部分を構成している領域を選択することが必要である。したがって、断片アミノ酸配列を免疫原としてPLD4に特異的な抗体を得ることは、現実的でないと考えられた。
このような状況の下で、本発明者らは、特殊な免疫原を利用することによってpDCに結合する抗体が得られることを明らかにした。さらに本発明者らは、こうして得られた抗体がヒトpDCを特異的に認識し、さらにその活性を調節する作用を有することを確認して本発明を完成した。すなわち本発明は、以下の抗PLD4抗体、その製造方法、並びにその用途に関する。
本発明は以下の通りである。
(1)ホスホリパーゼD4(PLD4)タンパク質に結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(2)重鎖の可変領域にCDR1として配列SYWMH(配列番号:2)、CDR2として配列DIYPGSDSTNYNEKFKS(配列番号:3)およびCDR3としてGGWLDAMDY(配列番号:4)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(3)軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASQDISNYLN(配列番号:5)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:6)およびCDR3として配列QQGNTLPW(配列番号:7)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(4)重鎖の可変領域にCDR1として配列SYWMH(配列番号:2)、CDR2として配列DIYPGSDSTNYNEKFKS(配列番号:3)およびCDR3として配列GGWLDAMDY(配列番号:4)を有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASQDISNYLN(配列番号:5)、CDR2として配列YTSRLH(配列番号:6)およびCDR3として配列QQGNTLPW(配列番号:7)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(5)重鎖の可変領域にCDR1として配列TYWMH(配列番号:8)、CDR2として配列AIYPGNSETSYNQKFKG(配列番号:9)および配列CDR3としてGYSDFDY(配列番号:10)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体(3B4抗体)、またはその抗原結合領域を含む断片。
(6)軽鎖の可変領域にCDR1として配列HASQGIRSNIG(配列番号:11)、CDR2として配列HGTNLED(配列番号:12)およびCDR3として配列VQYVQFP(配列番号:13)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(7)重鎖の可変領域にCDR1として配列TYWMH、CDR2として配列AIYPGNSETSYNQKFKGおよびCDR3として配列GYSDFDYを有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列HASQGIRSNIG、CDR2として配列HGTNLEDおよびCDR3として配列VQYVQFPを有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(8)重鎖の可変領域にCDR1として配列DYNLH(配列番号:14)、CDR2として配列YIYPYNGNTGYNQKFKR(配列番号:15)および配列CDR3としてGGIYDDYYDYAIDY(配列番号:16)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体(5B7抗体)、またはその抗原結合領域を含む断片。
(9)軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASENIYSHIA(配列番号:17)、CDR2として配列GATNLAH(配列番号:18)およびCDR3として配列QHFWGTP(配列番号:19)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(10)重鎖の可変領域にCDR1として配列DYNLH(配列番号:14)、CDR2として配列YIYPYNGNTGYNQKFKR(配列番号:15)およびCDR3として配列GGIYDDYYDYAIDY(配列番号:16)を有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASENIYSHIA(配列番号:17)、CDR2として配列GATNLAH(配列番号:18)およびCDR3として配列QHFWGTP(配列番号:19)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(11)重鎖の可変領域にCDR1として配列SYYLY(配列番号:20)、CDR2として配列LINPTNSDTIFNEKFKS(配列番号:21)およびCDR3としてEGGYGYGPFAY(配列番号:22)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体(8C11抗体)、またはその抗原結合領域を含む断片。
(12)軽鎖の可変領域にCDR1として配列TSSQTLVHSNGNTYLH(配列番号:23)、CDR2として配列KVSNRFS(配列番号:24)およびCDR3として配列HSTHVP(配列番号:25)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(13)重鎖の可変領域にCDR1として配列SYYLY(配列番号:20)、CDR2として配列LINPTNSDTIFNEKFKS(配列番号:21)およびCDR3としてEGGYGYGPFAY(配列番号:22)を有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列TSSQTLVHSNGNTYLH(配列番号:23)、CDR2として配列KVSNRFS(配列番号:24)およびCDR3として配列HSTHVP(配列番号:25)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(14)重鎖の可変領域にCDR1として配列SYGMS(配列番号:26)、CDR2として配列TISSGGSYIYYPESVKG(配列番号:27)およびCDR3としてLYGGRRGYGLDY(配列番号:28)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体(10C3抗体)、またはその抗原結合領域を含む断片。
(15)軽鎖の可変領域にCDR1として配列RSSKSLLHSDGITYLY(配列番号:29)、CDR2として配列QMSNLAS(配列番号:30)およびCDR3として配列AQNLEL(配列番号:31)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(16)重鎖の可変領域にCDR1として配列SYGMS(配列番号:26)、CDR2として配列TISSGGSYIYYPESVKG(配列番号:27)およびCDR3として配列LYGGRRGYGLDY(配列番号:28)を有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列RSSKSLLHSDGITYLY(配列番号:29)、CDR2として配列QMSNLAS(配列番号:30)およびCDR3として配列AQNLEL(配列番号:31)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(17)重鎖の可変領域にCDR1として配列SHYYWT(配列番号:32)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:33)およびCDR3としてEGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:34)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体(13D4抗体)、またはその抗原結合領域を含む断片。
(18)軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:35)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:36)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:37)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(19)重鎖の可変領域にCDR1として配列SHYYWT(配列番号:32)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:33)およびCDR3として配列EGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:34)を有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:35)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:36)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:37)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(20)重鎖の可変領域にCDR1として配列SHYYWS(配列番号:38)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:39)およびCDR3としてEGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:40)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体(13H11)、またはその抗原結合領域を含む断片。
(21)軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:41)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:42)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:43)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(22)重鎖の可変領域にCDR1として配列SHYYWS(配列番号:38)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:39)およびCDR3として配列EGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:40)を有し、軽鎖の可変領域にCDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:41)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:42)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:43)を有する前記(1)に記載のモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(23)受託番号NITE ABP−1211、NITE ABP−1212、NITE ABP−1213、NITE ABP−1214として寄託されたハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4およびmp13H11のいずれかが産生するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片。
(24)前記(1)または(2)に記載のモノクローナル抗体のいずれかを産生するハイブリドーマ。
(25)受託番号NITE ABP−1211、NITE ABP−1212、NITE ABP−1213、NITE ABP−1214として寄託されたハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4またはmp13H11。
(26)前記(25)に記載のハイブリドーマを培養し、培養物からモノクローナル抗体を採取する工程を含む、モノクローナル抗体の製造方法。
(27)次の工程を含む、PLD4に結合するモノクローナル抗体を産生する細胞の製造方法;
1)PLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列をコードするリコンビナント PLD4−Ig融合タンパク質を免疫動物に投与する工程、および
2)前記免疫動物の抗体産生細胞から、PLD4に結合する抗体を産生する抗体産生細胞を選択する工程。
(28)PLD4を発現する細胞が、PLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列をコードする外来性のポリヌクレオチドを発現可能に保持する細胞である前記(27)に記載の方法。
(29)前記細胞が動物細胞である前記(28)に記載の方法。
(30)前記細胞がヒト由来の細胞である前記(29)に記載の方法。
(31)前記ヒト由来の細胞が、HEK−293T細胞である前記(30)に記載の方法。
(32)得られた抗体産生細胞をクローン化する工程を付加的に含む、前記(27)〜(31)のいずれか一項に記載の方法。
(33)前記(29)に記載の方法によって得られた抗体産生細胞を培養し、その培養物からモノクローナル抗体を採取する工程を含む、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体の製造方法。
(34)下記の工程によって得ることができる、PLD4を認識するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片:
1)PLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列をコードするリコンビナント PLD4−Ig融合タンパク質を免疫動物に投与する工程、
2)前記免疫動物の抗体産生細胞から、PLD4に結合する抗体を産生する抗体産生細胞を選択する工程、および
3)工程2)で選択された抗体産生細胞を培養しその培養物からPLD4を認識する抗体を回収する工程。
(35)(a)PLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを外来性に発現可能に保持する動物細胞、またはその細胞膜分画を含む、PLD4に結合する抗体を製造するための免疫原。
(36)動物細胞がヒト由来の細胞である前記(35)に記載の免疫原。
(37)PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片を被検細胞と接触させ、該細胞に結合したモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片を検出する工程を含む、形質細胞様樹状細胞の検出方法。
(38)PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片を含む、形質細胞様樹状細胞の検出用試薬。
(39)次の成分のいずれかを形質細胞様樹状細胞に接触させる工程を含む、形質細胞様樹状細胞の活性抑制方法:
(a)PLD4に結合し、形質細胞様樹状細胞の活性を抑制するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片、
(b)モノクローナル抗体(a)の相補性決定領域を移植したイムノグロブリン、またはその抗原結合領域を含む断片。
(40)次の成分のいずれかを生体に投与する工程を含む、生体中の形質細胞様樹状細胞の活性抑制方法:
(a)PLD4に結合し、形質細胞様樹状細胞の活性を抑制するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片、
(b)モノクローナル抗体(a)の相補性決定領域を移植したイムノグロブリン、またはその抗原結合領域を含む断片。
(41)形質細胞様樹状細胞の活性が、インターフェロン産生活性およびインターフェロン産生細胞の生存のいずれか、または両方である前記(39)または前記(40)に記載の方法。
(42)次の成分のいずれかを有効成分として含む、形質細胞様樹状細胞の活性抑制剤:
(a)PLD4に結合し、形質細胞様樹状細胞の活性を抑制するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片、
(b)モノクローナル抗体(a)の相補性決定領域を移植したイムノグロブリン、またはその抗原結合領域を含む断片。
(43)形質細胞様樹状細胞の活性が、インターフェロン産生活性およびインターフェロン産生細胞の生存のいずれか、または両方である前記(42)に記載のインターフェロン産生細胞の活性抑制剤。
本発明は、PLD4を特異的に認識する抗体、その抗体の製造に有用な免疫、およびその免疫原を利用する抗PLD4抗体の製造方法を提供する。PLD4は、PLD4ファミリーに属する膜タンパク質である。本発明者らは、PLD4を特異的に認識する抗体を容易に得られることを明らかにした。本発明によって得ることができる抗PLD4抗体は、他のPLDファミリーを発現している細胞と、ヒトpDCを識別する、高い特異性を有する抗体である。
好ましい態様において、本発明によって提供された抗PLD4抗体は、ヒトpDCと結合する。また本発明の抗体は、ヒトpDCを特異的に認識する。したがって本発明の抗体はpDCの検出や単離に有用である。pDCは、タイプ1IFNの大部分を産生する細胞である。したがってその検出や単離は、自己免疫疾患のような、pDCが関与する疾患の診断や研究において重要である。
さらに、好ましい態様において、本発明によって提供された抗PLD4抗体は、ヒトpDCの活性を調節する作用を有する。したがって、本発明の抗PLD4抗体は、pDCの活性抑制に利用することができる。したがって、本発明の抗体を用いたpDCの活性抑制を利用すれば、IFNαの発現が亢進した自己免疫疾患の患者においても、治療効果を期待することができる。
pDCは、わずかな細胞で多量のIFNを産生する。IFNの中和には、IFNの分子数に応じた抗体が必要である。しかし本発明においては、産生細胞の活性が直接抑制される。その結果、抗IFN抗体による中和と比較して、より少量の抗体で強力なIFNの抑制効果を期待できる。さらに、持続的にIFNが産生されている場合には、IFNの抗体による中和は一過的な抑制に留まると予想される。しかし本発明においては、pDCの活性が抑制され、このことから長期間にわたるIFN産生抑制効果が期待できる。
図1は、ヒトPLD4(C14orf175)タンパク質のアミノ酸配列(506残基)を示す図である。N末端から31〜53残基は膜貫通領域予測システムである「SOSUI program(http://bp.nuap.nagoya-u.ac.jp/sosui/sosui_submit.html)」を使用した解析により、トランスメンブランドメインであると考えられる。54〜506残基は二つのホスホジエステラーゼモチーフを含んでおり、このタンパク質はII型のトランスメンブランタンパク質であることが予想される。 図2は、ヒトPLD4タンパク質の予想される構造を示す模式図である。アミノ酸506残基中に二つのHKD(HxKxxxxD)モチーフを有し、スレオニン472の残基がリン酸化部位である可能性がある。 図3は、異種動物におけるヒトPLD4タンパク質の相同分子種と相同性を示すグラフである。マウスからヒトまでPLD4タンパク質が進化の過程で保存されている。 図4は、ヒトPLD4タンパク質ファミリー(パラロガス)と相同性を示すグラフである。 図5は、ヒト免疫担当細胞におけるPLD4遺伝子のヒトpDC特異的発現を示すグラフである。PLD4遺伝子の発現は静止期のpDCでは発現が高く、CD19B細胞では発現が低い。 図6は、ヒトPLD4mRNAの組織発現パターンを示すグラフである。脾臓と末梢血白血球では発現が高い。 図7は、組換えヒトPLD4−Ig融合タンパク質の構造を示す模式図である。ヒトPLD4の細胞外ドメイン(56−506アミノ酸)に対応するcDNA断片をPCRにより増幅した。この断片を、N末端にマウスIgκリーダーセグメントとマウスIgG2a重鎖定常Fc領域(ヒンジ+CH2+CH3)とを含むN−Flag pcDNA3.1発現ベクターのBamHI−EcoRIクローニング部位に、挿入した。293F細胞をプラスミドで一時的にトランスフェクトし、培養上清を集めた。 図8は、ヒトPLD4への結合特異性を示すFACS解析図である。mp11G9.6およびch11G9.6抗体はヒトPLD4を特異的に認識するが、ヒトPLD3−293TやPLD5−293Tトランスフェクタントは認識しなかった。 図9は、カニクイザルPLD4への交差反応性を示すFACS解析図である。mp11G9.6およびch11G9.6抗体は293Tトランスフェクタント上でカニクイザルPLD4を認識することができた。 図10は、ヒトPBMCのmp11G9.6抗体による染色を示すFACS測定図である。mp11G9.6抗体はヒトPBMCにおいてBDCA2pDCを強く認識した。 図11は、CAL−1細胞の精製抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。 図12は、ヒトPLD4−CT125安定細胞株の抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。 図13は、ヒトPBMCの抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。すべての抗PLD4抗体はヒトPBMCにおいてBDCA2pDCを認識することができた。 図14は、ヒトPLD,カニクイザルPLD4,アカゲザルPLD4,マウスPLD4タンパク質のmultiple allignmentと相同性を表した図である。 図15は、ヒトPLD4−293T細胞にFlagタグ カニクイザルPLD4発現ベクターを一過性遺伝子導入して、抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。抗Flag抗体でカニクイザルPLD4タンパク質の細胞表面発現を確認した。 図16は、カニクイザルPLD4−CT125細胞の抗PLD4抗体での染色を示すFACS測定図である。抗PLD4抗体のうち7つ(3B4、5B7、7B4、13D4、13H11、14C1および11G9.6)はカニクイザルPLD4−CT125安定トランスフェクタントに結合することができる。 図17は、ヒトPLD4−293T細胞にFlagタグ アカゲザルPLD4発現ベクターを一過性遺伝子導入して、抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。抗Flag抗体でアカゲザルPLD4タンパク質の細胞表面発現を確認した。 図18−1および図18−2は、アカゲザルPBMCの抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。抗PLD4抗体のうち5つ(5B7、7B4、13D4、13H11および14C1)はアカゲザルPBMCにおいてカニクイザルのpDC細胞群(Lineage-CD123+ HLA-DR+)に特異的に結合した。 図18−1および図18−2は、アカゲザルPBMCの抗PLD4抗体での染色を示すFACS解析図である。抗PLD4抗体のうち5つ(5B7、7B4、13D4、13H11および14C1)はアカゲザルPBMCにおいてカニクイザルのpDC細胞群(Lineage-CD123+ HLA-DR+)に特異的に結合した。 図19は、ヒトPLD4−CT125安定細胞株に対する抗PLD4抗体の乖離定数モル濃度(nM単位,Kd値)を示すグラフである。 図20は、10種類の抗PLD4抗体のCDC活性を示すグラフである。標的細胞:ヒトPLD4−CT125(マウス2B4 T細胞リンパ球)安定トランスフェクタント抗体濃度:10μg/mLエフェクター:1%幼若ウサギ補体 図21は、抗PLD4抗体(mp11G9.6抗体とch11G9.6抗体)のCDC活性を示すグラフである。標的細胞:ヒトPLD4−CT125(マウス2B4 T細胞リンパ球)安定トランスフェクタント抗体濃度:0.1μg/mL〜30μg/mLエフェクター:1%幼若ウサギ補体 図22は、抗PLD4キメラ抗体のADCC活性を示すグラフである。標的細胞:ヒトPLD4−CHO安定トランスフェクタント抗体濃度:10μg/mL 図23は、3人の健常人から分離したヒトPBMCにおける抗PLD4キメラ抗体(ch11G9.6)での処理によるIFN−α分泌阻害をELISAで測定したグラフである。 図24は、抗PLD4キメラ抗体での処理後のヒトpDC消失を示す図である。 図25は、ヒト初期pDCに対する抗PLD4キメラ抗体のADCC試験の結果である。 図26は、抗PLD4キメラ抗体の存在下での、CpG2216によるPBMCからのIFNα産生である。
本発明者らはPLD4が、静止期のプラズマ細胞様樹状細(resting pDC)においてmRNAレベルおよびタンパク質レベルで特異的に発現している分子であることを見出した。PLD4を認識する抗体の製造方法は確立されていない。
マウスPLD4は生後初期の小脳や脳梁における発達期のアメボイド(活性化状態)ミクログリアに発現する分子であるという報告があるが、ヒトPLD4の発現については今までまったく知られていない。特に、免疫系においてヒトPLD4の発現、細胞内局在、構造、機能などは今までまったく報告がなかった。本発明により、今まで細胞質内にしか発現しないと考えられたヒトPLD4はtype II膜貫通タンパク質としてヒトプラズマ細胞様樹状細胞(pDC)に発現する細胞表面マーカーであることが確認された。したがって、PLD4抗体がpDCに結合することが可能になり、B細胞、pDC細胞の機能調節を目的とする治療用抗体の分子ターゲットとして有用であることが証明された。
本発明者らは遺伝子発現解析によって、PLD4がヒトpDCにおいて特異的に発現していることを確認した。PLD4を他の分子と免疫学的に識別できる抗体が得られれば、pDCの研究に有用であろうと考えた。ところがPLD4を含むPLDファミリーには、構造の良く似た多くの分子が存在する。PLD4であるPLDを含め、PLD1、PLD2、PLD3、PLD5などの分子は、特に相同性の高いアミノ酸配列を含む(図4)。したがって、PLD4(または細胞外ドメイン)を構成するアミノ酸配列(部分配列)を使ったペプチドを免疫原として使い、これらの分子を相互に識別することができる抗体を得ることは困難であると考えられた。そこで本発明者らは、PLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列をコードするリコンビナントPLD4−Ig融合タンパク質を免疫原として、PLD4に対する抗体の取得を試みた。
本発明者らはPLD4を認識する抗体を取得するために研究を重ね、リコンビナントPLD4−Ig融合タンパク質を免疫原として使うことによって、目的とする抗体を得られることを明らかにして本発明を完成した。すなわち本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片に関する。
本発明において、PLD4はヒトpDCに発現している天然の分子であり、またはヒトpDCに発現しているPLD4と免疫学的に同等な分子である。本発明において、抗体がPLD4に結合することは、たとえば次のようにして確認することができる。
・ヒト細胞との反応性に基づく確認:
本発明者らの得た知見によれば、PLD4は、ヒトpDCに特異的な発現が見られることから、pDCのマーカーとして利用できると考えられる。
このようなPLD4の発現プロファイルに基づけば、まず、pDCの少なくとも一部のサブセットとの結合活性は、本発明におけるPLD4に結合する抗体の重要な特徴の一つである。ある細胞がpDCであることは、各細胞群に固有の細胞表面マーカーによって確認することができる。たとえば、目的とする細胞に対して結合することは、細胞表面マーカーに結合する抗体と、結合活性を確認すべき抗体による二重染色によって確認される。すなわち、本発明におけるpDCは、たとえばBDCA2を発現する細胞を含む。
・PLD4遺伝子を発現する形質転換細胞との反応性に基づく確認:
本発明者らは、特定の条件でPLD4遺伝子を発現させたときに、ヒトpDCで発現しているPLD4の免疫学的特徴が再構成されることを確認した。したがってPLD4をコードする遺伝子を人為的に導入した細胞に対する抗体の反応性に基づいて、PLD4との反応性を確認することもできる。すなわち本発明は、PLD4の細胞外ドメインを構成するアミノ酸配列を細胞外ドメインとして含む分子と結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片に関する。なお細胞外ドメインとは、配列番号1に示したアミノ酸配列のN末端から配列番号1(図1)における54〜506に相当するアミノ酸配列によって構成される。
例えば、PLD4をコードするDNAを含む発現ベクターで形質転換した細胞においては、ヒトpDCで発現しているPLD4の免疫学的特徴が維持される。したがって、PLD4を発現する形質転換細胞は、本発明におけるPLD4の細胞外ドメインに対する抗体の結合性を確認するための細胞として好ましい。本発明において、形質転換細胞によって抗体の反応性を確認するときには、対照として、形質転換されていない細胞を利用するのが望ましい。
次に、本発明におけるPLD4に結合する抗体は、PLD4以外のPLDファミリーを発現していることが知られている細胞群との交差性が見られる抗体であっても、また見られない抗体であってもよい。当該交差性が見られない抗体は本発明におけるPLD4に結合する抗体として好ましい。具体的には、pDCに対する結合を確認した条件と同じ条件の下で、PLD4以外のPLDファミリーを発現していることが知られている細胞群との結合が確認できない抗体は、本発明におけるPLD4に結合する抗体として好ましい。
すなわち本発明におけるPLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体とは、好ましくは、以下の免疫学的特徴を有するモノクローナル抗体を含む。
a) ヒトpDCと結合する、
b) ヒトpDCと結合する条件下で、単球、マクロファージ、CD34陽性細胞並びにこれらの細胞に由来する樹状細胞からなる群から選択される1または複数種の細胞との結合が確認できない。
特に、ヒトpDCと結合する条件下で、単球、マクロファージ、B細胞、CD34陽性細胞およびこれらの細胞に由来する樹状細胞との結合が確認できない抗体は、本発明のモノクローナル抗体として好ましい。
あるいは本発明におけるPLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体とは、好ましくは、以下の免疫学的特徴を有するモノクローナル抗体を含む。
c) PLD4をコードするDNAを発現可能に保持した発現ベクターで形質転換された形質転換細胞と結合する、
d) c)の形質転換細胞と結合する条件下で、c)の形質転換される前の宿主細胞との結合が確認できない。
本発明において、抗PLD4モノクローナル抗体が、PLDファミリーの他の分子と交差しないことは、各PLDファミリーを強制発現させた細胞を使って確認することができる。すなわち、各PLDファミリーのアミノ酸配列をコードするcDNAを適当な宿主細胞に導入して強制発現させる。得られた形質転換細胞に対して、交差性を確認すべき抗PLD4モノクローナル抗体を接触させる。そして、PLD4以外のPLDファミリー分子を発現する細胞に対する結合が見られなければ、その抗体がPLD4を他のPLDファミリー分子と免疫学的に識別できることが確認できる。例えば後に述べる実施例においては、本発明によって得られた抗PLD4モノクローナル抗体のほとんどが、特にPLD4との相同性の高かったPLD3およびPLD5、さらにはPLD1やPLD2とも交差しないことが確認されている。したがって、PLD4と結合し、同じ条件においてPLD3、PLD5、PLD1、PLD2との結合が検出できないモノクローナル抗体は、本発明における好ましいモノクローナル抗体である。これらPLDファミリー分子をPLD4と免疫学的に識別することができる抗体を利用すれば、PLD4の発現の変化を特異的に検出することができる。
結合活性を確認すべきモノクローナル抗体と、各種の細胞との結合は、たとえばフローサイトメトリーの原理で確認することができる。フローサイトメトリーの原理による抗体の反応性の確認のためには、抗体は検出可能なシグナルを生成する分子または原子団で標識しておくと有利である。一般的には、蛍光標識や発光標識が利用される。蛍光標識した抗体と細胞との結合をフローサイトメトリーの原理で解析するために、蛍光標示式細胞分取器(fluorescence-activated cell sorter;FACS)を利用することができる。FACSを利用することによって、複数の抗体と細胞との結合を効率的に確認することができる。
具体的には、たとえばpDCを同定することができることが予め明らかな抗体Aと、pDCとの結合特性を解析すべき抗体Bを同時にpDCを含む細胞群に反応させる。抗体Aと抗体Bには互いに識別できる蛍光シグナルを標識しておく。両者のシグナルが同じ細胞群から検出されれば、それらの抗体が同じ細胞群に結合していることが確認できる。すなわち、抗体Aと抗体Bが同じ結合特性を有していることがわかる。もしも抗体Aと抗体Bが異なる細胞群に結合したときは、両者の結合特性が異なることが明らかである。
本発明における好ましいモノクローナル抗体として、たとえば、
ハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4、mp13H11
が産生するモノクローナル抗体を示すことができる。
ハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4、mp13H11
は、2012年1月27日付けで独立行政法人製品評価技術基盤機構内特許微生物寄託センター(NITE)に対して、
受領番号NITE ABP−1211、NITE ABP−1212、NITE ABP−1213、NITE ABP−1214
として寄託されている。以下に、寄託を特定する内容を記載する。
(1)寄託機関の名称・あて名
名称:独立行政法人 製品評価技術基盤機構産業技術総合研究所 特許微生物寄託センター(NITE)
あて名:日本国千葉県茨城県木更津市かずさ鎌足2−5−8(郵便番号292−0818)
(2)寄託日:2012年1月27日
(3)受託番号NITE BP−1211(ハイブリドーマmp5B7)
NITE BP−1212(ハイブリドーマmp7B4)
NITE BP−1213(ハイブリドーマmp13D4)
NITE BP−1214(ハイブリドーマmp13H11)
本発明のモノクローナル抗体は、その抗原結合領域を含む断片であってもよい。たとえばIgGの酵素的な消化によって生成される、抗原結合部位を含む抗体断片も、本発明における抗体として利用することができる。具体的には、パパインまたはペプシンによる消化によって、FabまたはF(ab’)2などの抗体断片を得ることができる。また、あるモノクローナル抗体のcomplementarily-determining region(CDR)を移植された可変領域を含むイムノグロブリンの断片も抗原結合領域を含む断片に含まれる。これらの抗体断片は、抗原との結合親和性を有する抗体分子として利用しうることは周知である。あるいは、必要な抗原結合活性を維持している限り、遺伝子組み換えによって構築された抗体を用いることもできる。遺伝子組み換えによって構築された抗体の例としては、たとえばキメラ抗体、CDR移植抗体、シングルチェインFv、diabody(diabodies)、線状抗体、および抗体断片より形成された多特異性抗体等を示すことができる。モノクローナル抗体、またはそれを産生する抗体産生細胞をもとに、これらの抗体を得る方法は公知である。
本発明のモノクローナル抗体は、リコンビナント PLD4−Ig融合タンパク質、あるいはヒトPLD4を発現する形質転換細胞を免疫原とすることによって得ることができる。すなわち本発明は、次の工程を含む、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体を産生する細胞の製造方法に関する。
(1)PLD4の細胞外ドメインを含む外来性のタンパク質を免疫動物に投与する工程、および
(2)その免疫動物の抗体産生細胞から、PLD4に結合する抗体を産生する抗体産生細胞を選択する工程。
このようにして得られた抗体産生細胞、または当該抗体産生細胞の不死化された細胞を培養し、その培養物から目的とするモノクローナル抗体を回収することができる。抗体産生細胞を不死化するための方法については種々の方法が公知である。
本発明において免疫原とする形質転換細胞は、たとえば下記のPLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列をコードする外来性のポリヌクレオチド(a)を発現可能に保持した細胞を調製することによって得ることができる。
本発明において、外来性のポリヌクレオチドとは、当該ポリヌクレオチドが人為的に宿主細胞に導入されたものであることを言う。細胞としてヒト細胞を用いる場合には、ヒトの細胞にヒトの遺伝子が導入される。このような組み合わせにおいても、人為的に導入されたポリヌクレオチドは、外来性のポリヌクレオチドと言う。したがって、PLD4の異所性の発現は、外来性のポリヌクレオチドの発現に含まれる。
本発明において、PLD4の細胞外ドメインとは、配列番号1に記載のアミノ酸配列中、その細胞外ドメインに相当する54−506位のアミノ酸配列を言う。例えば、N末端側から、以下の順にしたがって各領域のそれぞれを含むアミノ酸配列は、本発明におけるPLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列として好ましい。
[細胞内領域+膜貫通ドメイン+細胞外ドメイン]
あるいは、下記のように細胞内領域を部分的に欠くアミノ酸配列も、本発明におけるPLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列に含まれる。
[細胞内領域の一部+膜貫通ドメイン+細胞外ドメイン]
さらに、下記のように細胞内領域を欠いた構造も、本発明におけるPLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列に含まれる。
[膜貫通ドメイン+細胞外ドメイン]
前記構造において、細胞外ドメイン以外の領域は、配列番号1に示すアミノ酸配列から選択された配列であることもできるし、その他の相同なアミノ酸配列を組み合わせることもできる。たとえば、シグナル配列、膜貫通ドメイン、および細胞内領域を構成するアミノ酸配列は、PLD4以外のPLDファミリー分子のアミノ酸配列とすることもできる。あるいは、ヒト以外の種のPLDファミリーのアミノ酸配列を組み合わせることもできる。さらに、細胞外ドメイン以外の領域を構成するアミノ酸配列には、各領域の機能を維持できる範囲で、変異を含むことができる。また、各領域の間に、その他の領域を介在させることもできる。たとえば、シグナル配列と細胞外ドメインの間に、FLAGなどのエピトープタグを挿入することもできる。特にシグナル配列は、タンパク質に翻訳された後、細胞膜表面に移送される段階でプロセシングされて除去される領域である。したがって、翻訳されたタンパク質の細胞膜の通過を誘導する任意のアミノ酸配列を、シグナル配列として利用することができる。より具体的には、PLD4のアミノ酸配列(配列番号1)は、PLD4の細胞外ドメインを含むアミノ酸配列として好ましい。
したがって、本発明において、前記ポリヌクレオチド(a)は、前記構造[細胞内領域+膜貫通ドメイン+細胞外ドメイン]を構成するアミノ酸配列をコードする任意の塩基配列とできる。たとえば配列番号1のアミノ酸配列は、配列番号44に記載のcDNA塩基配列によってコードされている。
本発明において、免疫原とするリコンビナント PLD4−Ig融合タンパク質を得るには、適当な宿主細胞に、上記ポリヌクレオチドを発現可能に保持した発現ベクターを導入すればよい。該リコンビナント PLD4−Ig融合タンパク質のcDNAの塩基配列を配列番号125に、アミノ酸配列を配列番号126に示す。
本発明において、好ましい宿主細胞は、哺乳動物細胞である。具体的には、ヒト、サル、マウス、またはラットに由来する細胞を宿主細胞として利用することができる。特にヒト由来の細胞は、宿主細胞として好ましい。例えば、HEK−293T細胞は、本発明における宿主細胞として利用することができる好ましいヒト胚由来の腎細胞株である。HEK−293T細胞は、ATCC CRL-11268として入手することができる。その他、免疫動物に由来する細胞も、宿主細胞として利用することができる。免疫動物に由来する細胞を免疫原として利用すれば、宿主細胞に対する免疫応答が少ない。そのため、外来性に発現しているPLD4の細胞外ドメインに対する抗体を効率的に得ることができる。したがって、たとえば、マウスを免疫動物とするときには、マウス由来の細胞を宿主細胞として利用することもできる。
前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞において発現を誘導できるベクターに搭載して細胞に形質転換することができる。哺乳動物細胞において発現を誘導できる市販のベクターを利用すればよい。例えば、pCMV-Script(R) Vector、pSG5 Vector(Stratagene製)、pcDNA3.1(Invitrogen製)、pMXs-IP retroviral vector(Cell BioLabs製)などの発現ベクターを本発明に利用することができる。
こうして得られた形質転換細胞は、必要に応じてアジュバント等の付加的な成分とともに免疫動物に投与される。アジュバントとしては、フロインドのコンプリートアジュバントなどを利用することができる。マウスを免疫動物に利用する場合、BALB/cマウスに、精製リコンビナントPLD4−Ig融合タンパク質を投与する。アジュバントには、Freund's Adjuvant, CompleteおよびIncomplete(SIGMA製)を用い、初回は200μg/匹、2回目以降4回目までは50μg/匹を投与した。一般に、免疫原は、抗体価が上昇するまで間隔をあけて複数回投与される。たとえば、短期間免疫法の場合は、2〜4日、より具体的には3日間隔で形質転換細胞を投与し、2〜3回の投与の後に抗体産生細胞を回収することができる。また週1回程度の間隔で5〜6回投与した後に抗体産生細胞を回収することもできる。
本発明においては、モノクローナル抗体を得るために、回収された抗体産生細胞がクローニングされる。クローニングのために、抗体産生細胞を不死化するのが好ましい。たとえばハイブリドーマ法に代表される細胞融合法や、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)による形質転換を、抗体産生細胞を不死化するための方法として利用することができる。
抗体産生細胞は、1つの細胞が1種類の抗体を産生している。したがって、1つの細胞に由来する細胞集団を確立すること(すなわちクローニング)ができれば、モノクローナル抗体を得ることができる。ハイブリドーマ法とは、抗体産生細胞を適当な細胞株と融合させ、不死化した後にクローニングする方法を言う。不死化された抗体産生細胞は、限界希釈法などの手法によりクローニングすることができる。ハイブリドーマ法に有用な多くの細胞株が知られている。これらの細胞株は、リンパ球系細胞の不死化効率に優れ、かつ細胞融合に成功した細胞の選択に必要な各種の遺伝マーカーを有している。さらに抗体産生細胞の取得を目的とする場合には、抗体産生能を欠落した細胞株を用いることもできる。
例えばマウスミエローマP3x63Ag8.653(ATCC CRL-1580)やP3x63Ag8U.1(ATCC CRL-1597)は、マウスやラットの細胞融合法に有用な細胞株として広く用いられている。一般にハイブリドーマは、同種の細胞の融合によって作成されるが、近縁の異種間でのヘテロハイブリドーマからモノクローナル抗体を取得することもできる。
細胞融合の具体的なプロトコルは公知である。すなわち、免疫動物の抗体産生細胞を適当な融合パートナーと混合し、細胞融合させる。抗体産生細胞には、脾細胞、リンパ節から採取されたリンパ球細胞、末梢血B細胞などが用いられる。融合パートナーとしては、先に述べた各種の細胞株を利用することができる。細胞融合には、ポリエチレングリコール法や、電気融合法が用いられる。
次に、融合細胞が有する選択マーカーに基づいて、細胞融合に成功した細胞が選択される。たとえばHAT感受性の細胞株を細胞融合に用いた場合には、HAT培地において成育する細胞を選択することによって、細胞融合に成功した細胞が選択される。さらに選択された細胞が産生する抗体が、目的とする反応性を有していることを確認する。
各ハイブリドーマは、抗体の反応性に基づいて、スクリーニングされる。すなわち、先に述べたような方法によって、PLD4に結合する抗体を産生するハイブリドーマが選択される。好ましくは、選択されたハイブリドーマをサブクローニングし、最終的に目的とする抗体の産生が確認された場合に、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマとして選択する。
具体的には、ヒト細胞との反応性、またはPLD4遺伝子を発現する形質転換細胞との反応性に基づいて、目的とするハイブリドーマを選択することができる。細胞に結合する抗体は、イムノアッセイの原理によって検出することができる。たとえば、細胞を抗原として利用するELISAを、目的とする抗体の検出に利用することができる。具体的には、ヒトpDC、または免疫原として利用した形質転換細胞を固定化した担体に、ハイブリドーマの培養上清を接触させる。培養上清が目的とする抗体を含む場合には、抗体が担体に固定化された細胞に捕捉される。次いで、固相を培養上清から分離し、必要に応じて洗浄した後に、固相に捕捉された抗体を検出することができる。抗体の検出には、抗体を認識する抗体を利用することができる。たとえば、マウスの抗体は、抗マウスイムノグロブリン抗体によって検出することができる。抗体を認識する抗体を標識しておけば、その検出が容易である。標識には、酵素、蛍光色素、発光色素などを利用することができる。
一方、細胞を固定化する担体としては、粒子や、マイクロタイタープレートの内壁を利用することができる。プラスチック製の粒子や容器の表面には、細胞を物理吸着によって固定することができる。たとえばポリスチレン製のビーズや反応容器を、細胞を固定するための担体として利用することができる。
ハイブリドーマの選択において、PLD4に対する抗体の産生ではなく、免疫原に用いた形質転換細胞の宿主細胞に対する抗体の産生が予測される場合がある。例えば、実施例に示したように、ヒト細胞を免疫原としマウスを免疫動物に利用すると、ヒト細胞が異物として認識され、それに結合する抗体の産生が予測される。本発明においては、PLD4を認識する抗体の取得を目的とする。したがって、PLD4以外のヒト細胞抗原を認識する抗体を取得する必要はない。このような抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングで排除するために、抗体の反応性の確認に先立ち、目的としない抗体を予め吸収することができる。
目的としない抗体は、存在が予測される抗体が結合する抗原によって吸収することができる。具体的には、例えばPLD4以外のヒト細胞抗原に対する抗体は、PLD4の発現が検出できない細胞によって吸収することができる。本発明において、免疫原に用いた宿主細胞は、目的としない抗体を吸収するための抗原として好ましい。
抗原に対する結合活性が確認されたモノクローナル抗体は、必要に応じて実際にpDCの活性に与える影響が確認される。pDCに対する影響は、たとえば後に述べるような方法によって確認することができる。
本発明のモノクローナル抗体は、それを産生するハイブリドーマを培養し、その培養物から回収することができる。ハイブリドーマは、in vitroまたはin vivoで培養することができる。in vitroにおいては、RPMI1640などの公知の培地を用いて、ハイブリドーマを培養することができる。培養上清には当該ハイブリドーマが分泌したイムノグロブリンが蓄積される。したがって、培養上清を採取し、必要に応じて精製することにより、本発明のモノクローナル抗体を得ることができる。培地には、血清を添加しない方が、イムノグロブリンの精製が容易である。しかし、ハイブリドーマのより迅速な増殖と、抗体産生の促進を目的として、10%程度のウシ胎児血清を培地に加えることもできる。
ハイブリドーマは、in vivoにおいて培養することもできる。具体的には、ヌードマウスの腹腔にハイブリドーマを接種することにより、腹腔内でハイブリドーマを培養することができる。モノクローナル抗体は、腹水中に蓄積する。したがって、腹水を採取し、必要に応じて精製すれば、必要なモノクローナル抗体を得ることができる。得られたモノクローナル抗体は、目的に応じて適宜、修飾、または加工することができる。
本発明のモノクローナル抗体は、当該ハイブリドーマから抗体の抗原結合領域をコードするcDNAを取得し、これを適当な発現ベクターに挿入することによって発現させることができる。抗体の可変領域をコードするcDNAを取得し、適当な宿主細胞に発現させる技術は公知である。また抗原結合領域を含む可変領域を、定常領域と結合させることによってキメラ抗体とする手法も公知である。例えば、可変領域の遺伝子を、それぞれヒトIgG1重鎖定常領域およびヒトIg kappa軽鎖定常領域をコードする遺伝子を結合することにより、キメラ抗体とすることができる。さらに、可変領域を構成するCDRを他のイムノグロブリン分子のフレーム領域に組み込むことにより、モノクローナル抗体の抗原結合活性を他のイムノグロブリンに移植できることが知られている。これを利用して異種のイムノグロブリンが有する抗原結合活性をヒトイムノグロブリンに移植する方法が確立されている。例えば、CDRを支持しているフレーム領域の一部のアミノ酸配列をマウス抗体の可変領域からヒト可変領域に移植する場合がある。次に、これらのヒト型化された再構成ヒト抗体可変領域をヒト抗体定常領域に連結すれば、ヒト化抗体を得ることができる。
本発明における好ましいモノクローナル抗体の例として、例えば、
受領番号NITE ABP−1211、NITE ABP−1212、NITE ABP−1213、NITE ABP−1214としてそれぞれ寄託された、ハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4、mp13H11)などが産生するモノクローナル抗体を示すことができる。
前記可変領域を含むキメラ抗体、または可変領域を構成するCDRを移植したヒト化抗体として、IgGまたはIgM由来の定常領域を有する抗体は、本発明における好ましい抗体に含まれる。特に、可変領域を構成するCDRの配列として、
重鎖 CDR1:DYNLH,CDR2:YIYPYNGNTGYNQKFKR,CDR3:GGIYDDYYDYAIDY,
軽鎖 CDR1:RASENIYSHIA,CDR2:GATNLAH,CDR3:QHFWGTP,
の組み合わせをもつ抗体、可変領域を構成するCDRの配列として、
重鎖 CDR1:SHYYWT,CDR2:YISYDGSNNYNPSLKN,CDR3:EGPLYYGNPYWYFDV,
軽鎖 CDR1:RASQDIDNYLN,CDR2:YTSRLHS,CDR3:QQFNTLP,
の組み合わせをもつ抗体、可変領域を構成するCDRの配列として、
重鎖 CDR1:SHYYWS,CDR2:YISYDGSNNYNPSLKN,CDR3:EGPLYYGNPYWYFDV,
軽鎖 CDR1:RASQDIDNYLN,CDR2:YTSRLHS,CDR3:QQFNTLP,
の組み合わせをもつ抗体はより好ましい抗体である。
本発明者らは、PLD4に対するモノクローナル抗体がPLD4発現細胞に対するCDC作用を有することを確認している。したがって、IgGまたはIgM由来の定常領域を有する抗体は、CDC作用によるPLD4発現細胞に対する細胞障害作用を有する。このような抗体は、pDCなどのPLD4発現細胞の細胞数の抑制に有用である。
PLD4を認識するキメラ抗体、またはヒト化抗体は、それをコードするポリヌクレオチドを利用して遺伝子工学的に製造することができる。
PLD4を特異的に認識できる抗体は得られていない。本発明の免疫原によって、初めてPLD4を認識する抗体が提供された。すなわち本発明は、下記の工程によって得ることができる、PLD4を認識する抗体を提供した。
(1)PLD4の細胞外ドメインを含むタンパク質を免疫動物に投与する工程、
(2)その免疫動物の抗体産生細胞から、PLD4に結合する抗体を産生する抗体産生細胞を選択する工程、および
(3)(2)で選択された抗体産生細胞を培養しその培養物からPLD4を認識する抗体を回収する工程。
PLD4は、ヒトpDCにおいて特異的に発現していることが明らかにされている。本発明者らのSAGEによる遺伝子発現解析においても、ヒトpDCにおける特異的な発現が確認された。しかし過去の報告においては、PLD4の発現レベルはいずれもmRNAに基づいて解析されていた。また、PLD4タンパク質は細胞質内でほんのわずかだけ発現することが知られている。本発明によりPLD4は細胞表面にも発現することが明らかになった。PLD4の検出が可能な抗体が提供されていなかったため、タンパク質の発現状態を解析することは従来行われなかった。本発明によって提供されたPLD4の細胞外ドメインに結合する抗体は、PLD4タンパク質の解析を実現した。
実際に本発明者らが確認したところ、本発明に基づくPLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体は、ヒトpDCを特異的に検出した。すなわち本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片を被検細胞に接触させ、細胞に結合したモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片を検出する工程を含む、形質細胞様樹状細胞の検出方法に関する。
本発明に基づいてPLD4を検出することによって、ある細胞がpDCであるかどうかを確認することができる。すなわち本発明は、PLD4を指標として用いるpDCの同定方法を提供する。あるいは本発明に基づいてPLD4が検出された細胞を分離することによって、ヒトpDCを分離することができる。すなわち本発明は、PLD4を指標とするpDCの分離方法を提供する。
本発明において、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片は、標識しておくことができる。たとえば、発光色素や蛍光色素によって標識することにより、抗体を容易に検出することができる。より具体的には、蛍光色素標識抗体をpDCを含む可能性のある細胞集団と接触させ、本発明の抗体が結合した細胞を蛍光色素を指標として検出することができる。さらに、蛍光色素が検出された細胞を分離すれば、pDCを分離することができる。一連の工程は、FACSの原理により容易に実施することができる。
あるいは本発明の抗体を磁性粒子などの固相担体に結合しておくこともできる。固相担体に結合した抗体がPLD4を認識し、pDCが固相担体に捕捉される。その結果、pDCを検出または分離することができる。
本発明に基づくpDCの検出方法に必要な抗体は、pDC検出用試薬として供給することができる。すなわち本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片を含む、pDCの検出用試薬を提供する。本発明のpDCの検出用試薬には、抗体のほか、陽性対照、または陰性対照を組み合わせることができる。たとえば、免疫原に利用したPLD4の細胞外ドメインを発現する形質転換細胞や、ヒトから採取されたpDCなどを陽性対照として利用することができる。通常、ヒトpDCは末梢血からはわずかしか得ることができない。したがって、特に形質転換細胞は、本発明の試薬における陽性対照として好ましい。一方、陰性対照には、PLD4を発現しない任意の細胞を利用することができる。
すなわち本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片とを含む、ヒトpDCの検出用キットを提供する。
また本発明者らは、PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体がpDCに与える影響を解析した。その結果、PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体は、pDCの活性を抑制することが確認された。すなわち本発明は、次の成分のいずれかをpDCに接触させる工程を含む、インターフェロン産生細胞の活性抑制方法に関する。
(a)PLD4に結合し、pDCの活性を抑制するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片、および
(b)(a)のモノクローナル抗体の相補性決定領域を移植したイムノグロブリン、またはその抗原結合領域を含む断片。
あるいは本発明は、次の成分のいずれかを生体に投与する工程を含む、生体中のpDCの活性抑制方法に関する。
(a)PLD4に結合し、pDCの活性を抑制するモノクローナル抗体、またはその抗原結合領域を含む断片、
(b)(a)のモノクローナル抗体の相補性決定領域を移植したイムノグロブリン、またはその抗原結合領域を含む断片、および
(c)(a)または(b)に記載の成分をコードするポリヌクレオチド。
本発明においてpDCは、IFN産生能を有し、かつ細胞表面にPLD4を発現する細胞をいう。以下、特に断りの無い場合には、pDCは、樹状細胞の前駆細胞である細胞のみならず、IFN産生能を有し、かつ細胞表面にPLD4を発現する細胞を含む。このようなpDCの同定方法は公知である。例えばいくつかの細胞表面マーカーを指標として用い、pDCを他の血液細胞と識別することができる。具体的には、ヒトpDCの細胞表面マーカーのプロファイルは次のとおりである(Shortman, K. and Liu, YJ. Nature Reviews 2: 151-161, 2002)。近年になって、BDCA―2陽性細胞をpDCと位置づける報告もある(Dzionek, A. et al. J.Immunol. 165: 6037-6046, 2000)。
[ヒトpDCの細胞表面抗原のプロファイル]
CD4陽性、CD123陽性、
Lineage(CD3、CD14、CD16、CD19、CD20、CD56)陰性、CD11c陰性
したがって、これらの公知のマーカーの発現プロファイルを持ち、IFN産生能を持つ細胞をpDCということもできる。さらに、これらのマーカーの発現プロファイルの発現パターンとは異なるプロファイルを持つ細胞群であっても、IFN産生能を有する生体中の細胞はpDCに含まれる。
さらに、ヒトpDCに共通して見られる特徴として、以下のような特徴を示すことができる。
[細胞の形態上の特徴]
・プラズマ細胞に似ている
・細胞表面が平滑な丸い細胞
・核が比較的大きい
[細胞の機能的な特徴]
・ウイルス感染時に、短期間に大量のI型IFNを産生する
・ウイルス感染後、樹状細胞に分化する
本発明において、pDCの活性抑制とは、pDCが有する機能の少なくとも一つを抑制することを言う。pDCの機能の例として、IFNの産生と細胞生存が含まれる。細胞の生存は、細胞数と言い換えることもできる。したがって、これらの機能のいずれかまたは両方を抑制することを、pDCの活性を抑制するという。pDCによって産生されるI型IFNが種々の疾患の原因となっていることが明らかにされている。したがって、pDCの細胞数やIFNの産生を抑制することは、それらの疾患の治療戦略として有用である。
例えば、自己免疫性の疾患の病態とIFNαの関連性が指摘されている。IFNαの大部分がpDCによって産生されている。したがってその産生を抑制すれば、IFNαによってもたらされる病態を緩和することができる。なお本発明において、pDCによるIFN産生抑制とはpDCが産生するIFNの少なくとも1種類のIFN産生を抑制することを言う。本発明における好ましいIFNは、I型IFNである。中でもIFNαは重要である。
すなわち本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体を有効成分として含有する、IFN産生抑制剤に関する。あるいは本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体を投与する工程を含む、IFNの産生抑制方法を提供する。さらに本発明は、PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体の、IFNの産生を抑制するための医薬組成物の製造における使用に関する。
pDCには、少数の細胞で大量のIFNを産生する細胞が含まれる。例えば、ウイルスなどで刺激を受けた樹状細胞の前駆細胞は、生体が産生するIFNの大部分を産生する。大量のIFNを産生するpDCの細胞数を抑制することは、結果としてIFNの産生量を抑制することになる。したがって、pDCの細胞数の抑制によっても、IFNαによってもたらされる病態を緩和することができる。
本発明の好ましい態様において、抗PLD4モノクローナル抗体は、PLD4発現細胞に結合し、補体依存性の細胞障害(CDC)作用によって細胞障害作用を与えることが確認された。CDC作用は、抗体医薬の重要な作用機序の一つである。本発明の抗PLD4モノクローナル抗体も、そのCDC作用により、pDCなどのPLD4発現細胞に対する強力な細胞障害作用を有する。つまり、抗PLD4モノクローナル抗体は、好ましい態様において、IFN産生の抑制機構に加えて、pDCに対する細胞障害作用によっても、IFN産生抑制効果を期待することができる。
本発明に用いられるPLD4の細胞外ドメインを認識する抗体は、先に述べたような方法に基づいて得ることができる。本発明における抗体は、任意のクラスであってよい。また抗体が由来する生物種も限定されない。さらに、抗体の抗原結合領域を含む断片を抗体として用いることができる。たとえばIgGの酵素的な消化によって生成される、抗原結合部位を含む抗体断片も、本発明における抗体として利用することができる。具体的には、パパインまたはペプシンによる消化によって、F(ab)またはF(ab’)2などの抗体断片を得ることができる。これらの抗体断片は、抗原との結合親和性を有する抗体分子として利用しうることは周知である。あるいは、必要な抗原結合活性を維持している限り、遺伝子組み換えによって構築された抗体を用いることもできる。遺伝子組み換えによって構築された抗体の例には、たとえばキメラ抗体、CDR移植抗体、シングルチェインFv、diabody(diabodies)、線状抗体、および抗体断片より形成された多特異性抗体等が含まれる。モノクローナル抗体を基に、これらの抗体を得る方法は公知である。
本発明において、抗体は、必要に応じて修飾することができる。本発明によれば、PLD4の細胞外ドメインを認識する抗体は、pDCの活性を抑制する作用を有する。すなわち、抗体そのものがpDCに対する細胞障害作用を有している可能性が考えられた。強いエフェクター作用を示す抗体のサブクラスは公知である。あるいは、抗体を細胞障害物質によって修飾することによって、pDCの活性抑制効果をさらに増強することができる。細胞障害物質の例には、以下のような物質が含まれる。
トキシン類:緑膿菌毒素(PE)、ジフテリアトキシン、リシン
放射性同位元素:Tc99m、Sr89、I131、Y90
抗癌剤:カリキアマイシン、マイトマイシン、パクリタキセル
タンパク質からなるトキシン類は、2官能性試薬によって抗体またはその断片などに結合することができる。あるいは、抗体をコードする遺伝子にトキシン類をコードする遺伝子を接合し、両者の融合タンパク質を得ることもできる。放射性同位元素を抗体に結合する方法も公知である。たとえば、キレート剤を利用して、抗体を放射性同位元素で標識する方法が公知である。さらに抗癌剤は、糖鎖または2官能性試薬などの利用により、抗体に結合することができる。
本発明においては、人為的に構造を改変された抗体を有効成分として利用することもできる。例えば、抗体の細胞障害作用や安定性を改善するための様々な修飾方法が公知である。具体的には、重鎖の糖鎖が改変されたイムノグロブリンが知られている(Shinkawa, T. et al. J. Biol. Chem.278:3466-3473. 2003.)。糖鎖の改変によって、イムノグロブリンの抗体依存性の細胞障害(ADCC)活性が増強された。
PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体は、抗体をpDCに接触させるとpDCの活性を抑制する。したがってこれらの抗体を、pDCの活性抑制剤、または抑制方法に利用することができる。すなわち本発明は、下記(a)−(c)からなる群から選択される少なくとも1種類の成分を有効成分として含む、pDCの活性抑制剤を提供する。あるいは本発明は、下記(a)−(c)からなる群から選択される少なくとも1種類の成分を投与する工程を含むpDCの活性抑制方法に関する。さらに本発明は、下記(a)−(c)からなる群から選択される少なくとも1種類の成分のpDC活性調節剤の製造における使用に関する。
(a)PLD4の細胞外ドメインに結合する抗体、またはその抗原結合領域を含む断片、
(b)(a)の抗体の相補性決定領域を移植したイムノグロブリン、またはその抗原結合領域を含む断片。
本発明において、pDCの活性を抑制するモノクローナル抗体としては、PLD4の細胞外ドメインを認識するモノクローナル抗体を利用することができる。本発明においては、1種類または複数種類のモノクローナル抗体を利用することができる。たとえば、PLD4の細胞外ドメインを認識する複数種のモノクローナル抗体を配合して、本発明に利用することができる。
抗体がpDCのIFN産生活性の抑制作用を有することは次のようにして確認することができる。pDCはウイルスの刺激によってIFNを大量に産生する。pDCに対するウイルス刺激の前、後、またはウイルス刺激と同時に抗体を与え、抗体を与えないpDCを対照として、IFNの産生能を比較する。IFN産生能は、pDCの培養上清中に含まれるIFN−αやIFN−βを測定することによって評価することができる。比較の結果、抗体の添加によって、上清中のIFNの量が有意に低下すれば、試験された抗体は、IFN産生能を抑制する作用を有することが確認できる。これらIFNの測定方法は公知である。pDCは、生体におけるIFNの大部分を産生する細胞である。したがって、pDCのIFN産生能の抑制によって、生体のIFNの産生状態を調節することができる。
本発明において、pDCの活性にはpDCの細胞数の維持が含まれる。したがって本発明におけるpDCの活性の抑制は、pDCの細胞数の抑制を含む。pDCの細胞数が、抗体の存在下で抑制されることを確認すれば、当該抗体がpDCの活性を抑制していることがわかる。比較対照としては、IFN産生と同様に、活性を確認すべき抗体と同じ動物種に由来する不活性なイムノグロブリンを用いることができる。pDCの細胞数は、細胞の計数によって定量的に比較することができる。細胞数は、FACSや顕微鏡によって計数することができる。
また、pDCはウイルスなどの感染の結果Dendritic Cell 2(DC2)というTh2を誘導する細胞へ分化するとも言われている。ウイルス刺激によるIFN産生pDCを抑制できれば、Th2への分化も抑制できる可能性がある。したがって、IFN産生を抑制する本発明のモノクローナル抗体は、各種アレルギー疾患の治療効果も期待できる。
PLD4の細胞外ドメインを認識する抗体を、その抗体が由来する生物種とは異なる宿主に投与する場合には、当該宿主にとって異物と認識されにくい形に抗体を加工するのが望ましい。たとえば、次のような分子に加工することにより、イムノグロブリンを異物として認識されにくくすることができる。イムノグロブリン分子を以下のように加工する手法は公知である。
・定常領域を欠失した抗原結合領域を含む断片(Monoclonal Antibodies : Principles and Practice, third edition, Academic Press Limited. 1995; Antibody Engineering, A Practical Approach, IRL PRESS, 1996)
・モノクローナル抗体の抗原結合領域と宿主のイムノグロブリンの定常領域とで構成されるキメラ抗体(遺伝子発現実験マニュアル 講談社 1994年(石田 功、安東 民衛 編))
・宿主のイムノグロブリンにおける相補性決定領域(CDR)をモノクローナル抗体のCDRに置換したCDR置換抗体(遺伝子発現実験マニュアル 講談社 1994年(石田 功、安東 民衛 編))
あるいは、ファージディスプレー法(McCafferty J. et al., Nature 348:552-554,1990; Kretzschmar T et.al., Curr Opin Biotechnol. 2002 Dec;13(6):598-602.)によって、ヒトのイムノグロブリン可変領域遺伝子を取得することもできる。ファージディスプレー法においては、ヒトイムノグロブリン可変領域をコードする遺伝子がファージ遺伝子に組み込まれる。多様なイムノグロブリン遺伝子をソースとして用い、ファージライブラリーを作成することもできる。ファージは自身を構成するタンパク質の融合タンパク質として、当該可変領域を発現する。ファージによって発現されたファージ表面の可変領域は、抗原との結合活性を維持している。したがって、抗原または抗原を発現した細胞などに結合するファージを選択することによって、ファージライブラリーから、目的とする結合活性を有する可変領域を発現したファージをスクリーニングすることができる。さらに、こうして選択されたファージ粒子の中には、目的とする結合活性を有する可変領域をコードする遺伝子が保持されている。すなわち、ファージディスプレー法においては、可変領域の結合活性を指標として、目的とする結合活性を有する可変領域をコードしている遺伝子を取得することができる。
本発明によるpDCの活性抑制剤、または抑制方法において、PLD4の細胞外ドメインを認識する抗体、またはその少なくとも抗原結合領域を含む抗体断片は、タンパク質として、あるいはそれをコードするポリヌクレオチドとして、投与することができる。ポリヌクレオチドを投与するには、目的とするタンパク質を発現できるように、適当なプロモーターの制御下に目的とするタンパク質をコードするポリヌクレオチドを配置したベクターを利用するのが望ましい。ベクターには、エンハンサーやターミネーターを配置することもできる。イムノグロブリンを構成する重鎖と軽鎖の遺伝子を保持し、イムノグロブリン分子を発現することができるベクターが公知である。イムノグロブリンを発現することができるベクターは、細胞に導入することにより投与することができる。生体への投与にあたっては、生体への投与によって細胞に感染させることができるベクターはそのまま投与することができる。あるいは、いったん生体から分離したリンパ球にベクターを導入して再び生体に戻すこともできる(ex vivo)。
本発明に基づくpDCの活性抑制剤、または抑制方法において、生体に投与されるモノクローナル抗体の量は、イムノグロブリンとして体重1kgあたり、通常0.5mg〜100mg、たとえば1mg〜50mg、好ましくは2mg〜10mgである。生体への抗体の投与間隔は、治療期間中の生体内におけるイムノグロブリンの有効濃度が維持できるように適宜調節することができる。具体的には、例えば、1〜2週間間隔で投与することができる。投与経路は、任意である。当業者は、治療に際して効果的な投与経路を適宜選択することができる。具体的には、投与経路の例として、経口的に、または非経口的な投与が挙げられる。たとえば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、または皮下注射等により、全身または局所に抗体を投与することができる。本発明における非経口投与に適当な製剤の例として、注射剤、座剤、噴霧剤などが挙げられる。またイムノグロブリンを細胞に与える場合には、培養液中に通常1μg/mL、好ましくは10μg/mL以上、より好ましくは50μg/mL以上、さらに好ましくは0.5mg/mL以上のイムノグロブリンを与える。
本発明のpDCの活性抑制剤または抑制方法において、モノクローナル抗体は、任意の方法により生体に投与することができる。通常モノクローナル抗体は、薬学的に許容される担体と配合される。モノクローナル抗体には、必要に応じて増粘剤、安定剤、防腐剤および可溶化剤などの添加剤を配合することができる。このような担体または添加剤の例としては、ラクトース、クエン酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、スクロース、デンプン、タルク、ゼラチン、寒天、植物油、エチレングリコールなどが挙げられる。「薬学的に許容される」という用語は、各国政府の監督当局により承認されているか、または各国の薬局方若しくは一般的に認知されている薬局方に動物、哺乳動物、および特にヒトへの使用に関して列記されていることをいう。本発明のpDCの活性抑制剤は、1回または複数回の用量の凍結乾燥粉末または錠剤の形態で供給することもできる。凍結乾燥粉末または錠剤には、さらに、投与の前に該組成物を所望の濃度となるように溶解するための注射用の滅菌済みの水、生理的食塩水または緩衝液を組み合わせることもできる。
さらに、イムノグロブリンを発現するベクターとして本発明のpDCの活性抑制剤を投与する場合には、重鎖と軽鎖を別のプラスミドとしてコトランスフェクトするとして、体重1kgあたり各プラスミドを0.1〜10mg、例えば1〜5mgを投与することができる。また in vitro において細胞に導入するためには、1〜5μg/10cellのベクターが用いられる。以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
なお本明細書において引用されたすべての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
A.PLD4の発現解析
A−1)SAGEライブラリーを用いた解析
Resting pDC細胞、ヒト単球、および不活性ヘルペスウイルス(HSV−1)を処理した活性化pDC細胞における遺伝子の発現を、SAGETM(Serial Analysis of Gene Expression)法により比較した。解析方法は次のとおりである。
ヒト末梢血より、単球をCD14陽性細胞として、ヒトpDC細胞をBDCA−4陽性細胞としてBDCA-4+ isolation kit(Miltenyi Biotec社)とMACS system(Miltenyi Biotec社)で分離した。さらに、ヒトpDC細胞を不活性HSV−1存在下で12時間培養して活性化pDC(pDC+HSV)を調製した。それぞれの細胞より全 RNAを抽出し、I-SAGETMkit(Invitrogen社)を用いて、SAGEライブラリーを作製した。得られた約10万タグの塩基配列データを、SAGE2000 Analysis Software(Invitrogen社)で解析した。その結果、単球/pDC/pDC+HSVのスコア値が0/9/0の遺伝子、すなわちresting pDC細胞特異的な発現を示す遺伝子として、既知の遺伝子であるPLD4(Phospholipase D family, member 4, C14orf175; GenBank Accession Number: NM_138790.2)が見出された(図1、Tao et al., Nat. Methods 2(8), 591-598(2005); Clark et al., Genome Res. 13(10), 2265-2270(2003)。PLD4は、配列番号:44に示す塩基配列によってコードされる506アミノ酸配列(配列番号:1)である。PLD4タンパク質はC末端領域に保存された2つのHKDモチーフ(His-x-Lys-x-x-x-x-Aspアミノ酸配列, xはその他のアミノ酸)で構成される2つの暫定的なPDE領域(Phosphodiestrase motif)と、暫定的なリン酸化部位(Thr 472)を有する。PLD4タンパク質の構造はtype II型一回膜貫通タンパク質と予測される。また、PLD4タンパク質はN末端領域には古典的なPLDファミリーであるPLD1とPLD2が有するPX領域(Phoxホモロジードメイン)とPH領域(Pleckstrinホモロジードメイン)を持っていない(図1および2)。
A−2)定量リアルタイムPCRによるPLD4 mRNAのヒト各種免疫担当細胞における発現解析
PLD4 mRNAの血球細胞での発現をより詳細に検討した。ヒト末梢血から、セルソーターによって各細胞を分取した。分取した各細胞群からRNAを抽出し、cDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、定量リアルタイムPCRを行い、PLD4 mRNAの発現レベルを解析した。
定量リアルタイムPCR反応はPlatinum SYBR Green qPCR Super Mix-UDG kit(Invitrogen社)を用いて、ABI PRISM 7000により定量PCRを行った。データ解析にはSequence Detection System Software(Applied Biosystem社)を用いた。PCR反応条件と使用したプライマーの塩基配列は下記である。
PLD4用フォワードプライマー: 5' ATG GAC TGG CGG TCT CTG 3'(配列番号:45)
PLD4用リバースプライマー: 5' TGG AAG GTC TTC TCC AGG TC 3'(配列番号:46)
GAPDH用 フォワードプライマー: 5' AGC CAC ATC GCT CAG ACA C 3'(配列番号:47)
GAPDH用リバースプライマー: 5' GCC CAA TAC GAC CAA ATC C 3'(配列番号:48)
58℃ 2分を1サイクル、
95℃10分を1サイクル、
[95℃15秒、60℃ 60秒]を50サイクル、
pDC、HSVで刺激したpDC(pDC+HSV)、B細胞(CD19+細胞)、活性化B細胞(CD19+細胞)、T細胞(CD3+細胞)、InomycinとPMA(Phorbol 12-myristate 13-acetate)で刺激した活性化T細胞、について検討した。その結果、PLD4発現が静止期のpDC特異的に高く、CDI9B細胞では発現が低いことが示された。その他のヒト血液分画cDNAはBDTM MTC Multiple Tissue cDNA Panels(Cat.No.636750 、Takara Bio社)を用いた(図5)。
A−3)定量リアルタイムPCRによるヒト組織におけるPLD4 mRNAの発現解析
さらに、その他の臓器、組織における発現をABI PRISM 7000(Applied Biosystem社)を用いた定量PCRにより検討した。cDNAパネルとして、BDTM MTC multiple tissue cDNA panel(Human I; Cat.No.636742, Human immune; Cat.No.636748;いずれもTakara Bio社)を用いた。使用したプライマーの塩基配列を以下に示す。
PLD4用フォワードプライマー: 5' ATG GAC TGG CGG TCT CTG 3'(配列番号:49)
PLD4用リバースプライマー: 5' TGG AAG GTC TTC TCC AGG TC 3'(配列番号:50)
GAPDH用 フォワードプライマー: 5' AGC CAC ATC GCT CAG ACA C 3'(配列番号:51)
GAPDH用リバースプライマー: 5' GCC CAA TAC GAC CAA ATC C 3'(配列番号:52)
Platinum SYBR Green qPCR Super Mix-UDG kit(Invitrogen社)を用いて、ABI PRISM 7000により定量PCRを行った。解析にはSequence Detection System Software(Applied Biosystem社)を用いた。反応条件は次のとおりである。
ステップ1:50℃, 2分を1サイクル
ステップ2:95℃, 10分を1サイクル
ステップ3:95℃, 15秒、60℃, 1分を50サイクル
恒常的に発現していることが知られているGAPDH(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)遺伝子の発現レベルで標準化することにより、PLD4遺伝子の発現を各組織間で比較した。その結果、PLD4 mRNAは脾臓と末梢血白血球に比較的高い発現を示していた。また、他の組織にも広範囲にPLD4 mRNAが発現していることが明らかになった。ただし、そのPLD4 mRNAの発現レベルはresting pDC細胞の発現レベルの100倍以下であった(図6)。
ヒトPLD4発現ベクターの作製
ヒトPLD4タンパク質を発現させるため、PLD4遺伝子の発現ベクターの作製を行った。pCR4-TOPOクローニングベクターに組み込まれたPLD4 cDNA clone(Open Biosystem, Cat. No. MHS4771-99610856)からPLD4遺伝子のみをEcoRI酵素で取り出し、pcDNA3.1発現ベクターに組み込んだ(PLD4-pcDNA3.1 ベクター)。得られたヒトPLD4-pcDNA3.1プラスミドを鋳型として用い、EcoRI、Not I、およびKozak sequence(GCC GCC ACC)を含むプライマーでPLD4遺伝子を増幅した(プライマーの情報は下記に示す)。PCR産物はpMX-IP レトロウイルスベクターにEcoRIとNot Iサイトでクローニングされた(ヒトPLD4-pMX-IP レトロウイルスベクター)。PCR反応にはKOD Plus DNA polymerase(TOYOBO社)1ユニットを用い、反応条件としては、94℃2分を1サイクル行った後、[94℃15秒、68℃ 1分30秒]を25サイクルとした。
フォワードプライマー(配列番号:53): 5' ttt GAA TTC gcc gcc acc ATG CTG AAG CCT 3' (30-mer)
リバースプライマー(配列番号:54): 5' aaa gcg gcc gcT CAG CCC TGC CAA ACG CAG TCC T 3' (34-mer)
シークエンス解析とともに、HEK(Human Embryoinc Kidney)-293T細胞(以下、293T細胞)にヒトPLD4-pMX-IP レトロウイルスベクターを一過性トランスフェクションし、ヒトPLD4が293T細胞の表面に発現するかを細胞染色後に、FACS方法で確認した。
実施例2
抗ヒトPLD4抗体の特異性の検討
抗PLD4モノクローナル抗体が、PLDファミリーの他の分子と交差しないことは、各PLDファミリーを強制発現させた細胞を使って確認することができる。ヒトPLD4はPLDファミリーに属し、相同性の高い分子が複数存在し、ヒトPLD4はヒトPLD3と約41%,ヒトPLD5とは約29.3%の相同性を示す(図4)。
1)ヒトPLD3とヒトPLD5の発現ベクター作製
ヒトPLD3(cDNA 配列番号:55、アミノ酸 配列番号:127)およびヒトPLD5(cDNA 配列番号:56、アミノ酸 配列番号:128)については、pCMV-SPORT6 vectorに取り込まれたhuman PLD3 clone(K.K. DNAFORM社, Cat. No. 5189261)とpCR-Blunt II-TOPO vectorに取り込まれたhuman PLD5 clone(K.K. DNAFORM社, Cat. No. 40025860)からPLD3とPLD5遺伝子のみをPCRで増幅させ、それぞれの遺伝子をFlag tagged付きでpcDNA3.1(Invitrogen社)のHindIII、EcoRI部位にクローニングされ、発現ベクターを作製した(primerの情報は下記に示す)。

(ヒトPLD3用)
フォワードプライマー : huPLD3-IF(HindIII)
配列 : 5' ttt AAG CTT gcc gcc acc ATG AAG CCT AAA CTG ATG TAC 3' (39-mer)(配列番号:57)
リバースプライマー : huPLD4-1518R(EcoRI)
配列 : 5' ttt gaa ttc TCA ctt atc gtc gtc atc ctt gta atc GAG CAG GCG GCA GGC GTT GCC 3' (57-mer)(配列番号:58)

(ヒトPLD5用)
フォワードプライマー : huPLD5-IF(HindIII)
配列 : 5' ttt AAG CTT gcc gcc acc ATG GGA GAG GAT GAG GAT GGA 3' (39-mer)(配列番号:59)
リバースプライマー : huPLD5-1383R(EcoRI)
配列 : 5' ttt gaa ttc TCA ctt atc gtc gtc atc ctt gta atc TAC GTT CCG GGG ATC CTT TCC 3' (57-mer)(配列番号:60)

上記のプライマー配列のうち、下線部は付加したFLAGタグをコードする塩基配列を示し、斜体は制限酵素HindIIIの切断部位あるいはEcoRIの部位を示す。
シークエンス解析とともに、293T細胞にヒトPLD3-pcDNA3.1ベクターあるいはヒトPLD5-pcDNA3.1ベクターを一過性トランスフェクションし、ヒトPLD4が293T細胞の表面に発現するかを細胞染色後に、FACS方法で確認した。
その結果、ヒトPLD3あるいはヒトPLD5が発現していると思われる細胞には抗体が反応しなかったことから、これらの抗PLD4抗体はヒトPLD4分子を特異的に認識することが示唆された(図8)。
ヒトPLD4発現細胞安定株の作製
作製したヒトPLD4-pMX-IP ベクターをretrovirus packaging vectorであるpCL-Eco ベクター(IMGENEX, Cat. No. 10045P)と共に、293T細胞にコトランスフェクトし、遺伝子導入をした。遺伝子導入実験は、FuGENE(登録商標) HD Transfection Reagent(Roche)をトランスフェクション試薬として使用した。2日後に、ヒトPLD4遺伝子を含むレトロウイルスが分泌されている細胞培養上清を回収し、CT125細胞株(2B4マウスT細胞リンパ腫細胞系)に感染させた。pMX-IP レトロウイルスベクターはpuromycin耐性遺伝子を含むことから、感染させたCT125細胞をpuromycin存在下で培養することで、ヒトPLD4を発現する細胞のみが生存できるようになり、セレクションが可能になる。セレクションされたヒトPLD4発現CT125細胞(以下、ヒトPLD4−CT125)はFACSソーティングによって、より高いヒトPLD4発現をするCT125細胞のみを選択し、培養した。ヒトPLD4の発現を確認するため、CT125細胞は5μg/mlで調整した市販のマウス抗ヒトPLD4 ポリクローナル抗体(Abnova, Cat # : HOO122618-B01P)で染色し、FACS解析を行った。その結果、ヒトPLD4−CT125細胞安定株が樹立され、ハイブリドーマのFACSスクリーニングに使用した。
カニクイザルとアカゲザルPLD4発現ベクターの構築、およびヒトPLD4発現細胞安定株の作製
カニクイザルとアカゲザルPLD4タンパク質を発現させるため、サルPLD4遺伝子のクローニングおよび発現ベクターの構築を行った。
1)カニクイザルPLD4とアカゲザルPLD4遺伝子のクローニング
アカゲザルPLD4のcDNA配列はGenbank database(XM_002805227.1)などに報告されているが、一部であり全長のcDNAは報告されていない。さらに、カニクイザル(cynomolgus monkey)PLD4の遺伝子配列はまだ報告されていないため、カニクイザルとアカゲザルのPBMC(それぞれ10 ml; 新日本科学)から遺伝子のクローニングを行った。
サル末梢血よりtotal RNAを抽出し、その5μgより、オリゴdTプライマーおよびSuperScript Choice System for cDNA Synthesis kitを用いてcDNAを合成した。
作製したcDNAを鋳型として、次の塩基配列のプライマーを用いてカニクイザルPLD4とアカゲザルPLD4遺伝子をPCR法により増幅した。

フォワードプライマー(cynoPLD4-32F): 5' AGA TGC TGA AGC CTC TTC GGA GAG Cg 3'(配列番号:61)
リバースプライマー(cynoPLD4-1554R: 5' TCA GCC CTG CCA AAC GCA GTC CTG G3'(配列番号:62)

増幅された約1521 base pairのカニクイザルPLD4と1521塩基対のアカゲザルPLD4 cDNA断片を、1%アガロースゲルを用いた電気泳動により分離、回収し、Zero Blunt TOPO PCR Cloning kit(Invitrogen社)を用いてpCR4Blunt-TOPO plasmid vector(Invitrogen社)にクローニングした。得られた遺伝子の塩基配列を解析し、配列番号:63および配列番号:124に示す。目的のカニクイザルPLD4とアカゲザルPLD4遺伝子がクローニングできたことを確認した。
ヒトPLD4タンパク質はカニクイザルPLD4(配列番号:129)と約94.4.%のタンパク質配列の同一性、アカゲザルPLD4(配列番号:130)に対しては約94%のタンパク質配列の同一性を示す。図14はヒトPLD4とカニクイザルPLD4、アカゲザルPLD4、およびマウスPLD4(cDNA 配列番号:131、アミノ酸 配列番号:132)のタンパク質配列間の相同性を示す。
2)カニクイザルPLD4発現細胞安定株の作製
作製したカニクイザルPLD4-pMX-IPベクターをヒトPLD4発現細胞安定株の作製方法と同じ方法で、レトロウイルスベクターを感染させたCT125細胞をpuromycin存在下で培養することで、カニクイザルPLD4発現細胞安定株を樹立した。
カニクイザルPLD4の発現を確認するため、細胞をサルPLD4にも交差反応性を示す市販のマウス抗ヒトPLD4 ポリクローナル抗体(Abnova, Cat # : H00122618-B01P)で染色し、FACS解析を行った。その結果、カニクイザルPLD4-CT125細胞安定株が樹立され、ハイブリドーマのFACSスクリーニングに使用した(図16)。
ヒトPLD4−Ig 融合タンパク質の作製
抗ヒトPLD4モノクローナル抗体作製の免疫原に使用するため,ヒトPLD4タンパク質の細胞外領域(56−506 a.a)とマウスIgG2a Fcフラグメント(重鎖のヒンジ部分とCH2, CH3を含む234 a.a.)を融合させた2142 bpのDNA断片を2段階のPCR方法で増幅し,ヒトPLD4-Ig pcDNA3.1とヒトPLD4-Ig pEE14.4 の発現ベクタープラスミドを構築した(cDNAとタンパク質配列は配列表に明記)。
培養上清からタンパク質を得るため,マキシプレップDNAをFreeStyle 293F細胞(以下293F細胞、カタログ番号R790-07;Invitrogen)へ一過性トランスフェクションした。トランスフェクション後、7日目に,コトランスフェクションした293F細胞の培養液を50mLチューブに回収し,2,070g,4℃条件で5分間遠心分離を行った。上清をポアサイズ0.45μmのシリンジフィルター(カタログ番号431220;CORNING)でろ過し、培養上清をひとつにまとめた。
回収した細胞培養上清をAKTA-FPLCシステムのprotein A affinity columnで精製し、組換えヒトPLD4−Ig 融合タンパク質のタンパク質を精製した(図7)。
実施例3
A.抗ヒトPLD4モノクローナル抗体の作製
A−1)免疫
免疫原として、上記の組換えPLD4−Ig 融合タンパク質を用いた。BALB/cマウス3匹の背部皮下に、PLD4−Ig 融合タンパク質を投与した。アジュバントには、Freund's Adjuvant, CompleteおよびIncomplete(SIGMA)を用い、初回は200μg/匹、2回目以降4回目までは50μg/匹を投与した。
A−2)抗血清力価の確認
3回目および、4回目免疫後に採血し、血清中の抗PLD4−Igの力価をELISAで評価した。
96wellマイクロタイタープレートに、PLD4−Ig 融合タンパク質を固相化した。抗血清は1000倍から3倍ずつ段階希釈し、729000倍までの希釈系列を調製した。各サンプルは、抗原固相化プレートに50μLずつ添加し、一次反応を行った。洗浄後、HRP標識抗マウスIgG(κ,λ)抗体で二次反応を行い、OPD(オルトフェニレンジアミン)で発色検出(490nm)した。
A−3)細胞融合
抗血清力価の上昇が認められたマウスから脾細胞を摘出した。摘出した脾細胞とマウスミエローマ細胞(P3U1)を、PEG法で融合させ、HAT培地により融合脾細胞の選択培養を行った。
CAL−1細胞を用いたハイブリドーマのFACSスクリーニング
HAT選択培養により得られた融合脾細胞各クローンの産生抗体について、FACSで評価した。ヒトのpDC様細胞株CAL−1細胞は2x105を下記各ハイブリドーマの培養上清50μlで15分間4℃で反応させた。FACSバッファー(1% FBS+ PBS)で2回洗浄した後、遠心し、上清を除去した。2次抗体としてPE標識抗マウスIgG抗体(BD Bioscience: 550589)を用いて、20分間4℃で反応させた。各クローンの培養上清はHAT選択培養開始後10日目の培養液を原倍で用いた。その結果、ハイブリドーマ培養上清の3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1、11G9.6はCAL−1細胞に良く反応した(図11)。
ヒトPLD4−CT125安定細胞株を用いたハイブリドーマのFACSスクリーニング
HAT選択培養により得られた融合脾細胞各クローンの産生抗体について、FACSで評価した。ヒトPLD4−CT125は2x105を下記各ハイブリドーマの培養上清50μlで15分間 4℃で反応させた。FACSバッファー(1% FBS+ PBS)で2回洗浄した後、遠心し、上清を除去した。2次抗体としてPE標識抗マウスIgG抗体(BD Bioscience: 550589)を用いて、20分間4℃で反応させた。その結果、ハイブリドーマ培養上清の3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1および11G9.6はヒトPLD4−CT125細胞に良く反応した(図12)。
A−5)ヒト末梢血pDCを用いたFACSスクリーニング
[ヒトPBMCの単離]
健常人20ml末梢血を回収し、HISTOPAQUE-1077(SIGMA社)を用いた比重遠心で末梢血単核球(PBMC)を分離した。1x106のPBMCをサンプルごとに染色した。FACS バッファーで細胞を洗浄した後、Fc block reagent(Militenyi社)を5倍希釈で25μl加え、4℃で15分間反応させた。FACSバッファーで洗浄後、各ハイブリドーマの細胞培養上清50μl、およびマウスIgG2b,κを加え、4℃で20分間反応させた。FACSバッファーで細胞を洗浄後、PEラベルされた抗マウス IgG抗体を加え、4℃で20分間反応させた。細胞をFACSバッファーで洗浄後、APCラベルされた抗BDCA2抗体を10倍希釈の50μl加え、4℃で20分間反応させた。細胞をFACSバッファーで洗浄後、300μlのFACSバッファーに細胞を再懸濁し、FACS Calibur(BD)にて解析した。mp11G9.6抗体はpDCに結合を示した。(図10)。
また、3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1の9種類のPLD4抗体はBDCA2陽性細胞であるpDC細胞群に対して特異的な結合反応を示した(図13)。
A−6)抗PLD4抗体のサルへの交差反応性
カニクイザルPLD4−CT125安定細胞株とアカゲザルPLD4−293T一過性トランスフェクタント(transient transfectant)細胞を用いたハイブリドーマのFACSスクリーニング
HAT選択培養により得られた融合脾細胞各クローンの産生抗体をFACSで評価した。ヒトPLD4−CT125は2x105を下記各ハイブリドーマの培養上清50μlで15分間4℃で反応させた。FACSバッファー(1% FBS+ PBS)で2回洗浄した後、遠心し、上清を除去した。2次抗体としてPE標識抗マウスIgG抗体(BD Bioscience: 550589)を用いて、20分間4℃で反応させた。その結果、10種類のPLD4抗体のうち3B4、5B7、7B4、13D4、13H11、14C1、11G9.8抗体の7種類の抗体はカニクイザルPLD4−CT125細胞とアカゲザルPLD4−293T細胞に良く反応した(図15,図16,図17)。
A−7)抗PLD4抗体のサルPBMCへの交差反応性
アカゲザルのPBMCは末梢血(10 ml; 新日本科学)より96% Ficoll-Paque(商標) PLUS(GE Healthcare社、Cat No. 17-1440-02)を用いた比重遠心で分離した。FACSには、1サンプルあたり5x105の細胞を使用した。FACSバッファーで細胞を洗浄した後、FACSバッファーで希釈した10%のカニクイザルの血清を10μl加え、4℃で20分間反応させた。細胞をFACSバッファーで洗浄後、各ハイブリドーマの細胞培養上清100μl、10μg/ mlのマウスIgG2a,κまたはマウスIgG1,κを加え、4℃で15分間反応させた。FACSバッファーで洗浄後、1μg/ mlのAPCラベルされた抗マウスIgG抗体を加え、4℃で20分間反応させた。細胞をFACSバッファーで洗浄後、FITCラベルされた抗Lineage1抗体、PEラベルされた抗CD123抗体、およびPerCP-Cy5.5でラベルされた抗HLA−DR抗体を10倍希釈の25μlで4℃で15分間反応させた。細胞をFACSバッファーで洗浄後、300μlのFACSバッファーに細胞を再懸濁し、FACS caliburにて解析した。使用したハイブリドーマ培養上清は、PLD4特異的で、CAL−1細胞やヒトpDCによく結合する3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1および11G9.6の10種類を選択した。その結果、5B7、7B4、13D4、13H11および14C1の5種類のハイブリドーマ細胞培養上清はカニクイザルのpDC細胞群(Lineage-CD123+ HLA-DR+)に特異的に結合した(図18)。
A−8)限界希釈方法によるハイブリドーマのクローニング
1)限界希釈方法によるクローニングおよび2ndスクリーニング
11G9.6ハイブリドーマを除いて、選択された9種類(3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1)のハイブリドーマをクローニングに供するクローン化するため、限界希釈を行った。限界希釈は96wellプレート2枚に播種し、播種6日後に細胞を顕微鏡下で観察し、モノクローン由来かつ良好な増殖を示す全てのウェルの培養上清を回収した。回収した培養上清をサンプルとしてFACS解析を行った。
FACS解析は、細胞株CAL−1表面抗原を、各クローンの培養上清と2次抗体としてPE標識抗マウスIgG抗体(BD Bioscience: 550589)を用いて染色した。各クローンの培養上清は限界希釈に播種後7日目の培養液を原倍で用いた。
2)クローニングおよび3rdスクリーニング
2ndスクリーニングのFACS解析結果および、各ウェルの細胞の状態に基づき、各クローンから1ウェルを選択して、再度の限界希釈を行った。限界希釈は2)と同様に行い、回収した培養上清をサンプルとしてFACS解析(3rd)を行った。FACS解析データ等に基づき、以下の9種類(3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1)のクローンが限界希釈方法によりクローニングされ、抗ヒトPLD4抗体産生ハイブリドーマが安定細胞株として確立された。
3)11G9.6ハイブリドーマのシングル化
上記の9種類以外の11G9.6のハイブリドーマを回収し、ソーティングバッファー(1%FBS/PBS)で1×105 cells/mlになるように懸濁した。FACS Aria(BD)を用いてsingle cell sortingを行った。データを取り込み、取り込んだデータをX軸:FSCとY軸:SSCの2次元ドットプロットで展開した。そのドットプロット上で生細胞をゲートで囲んだ。生細胞ゲート内の細胞からダブレットを除くためのゲートをかけ、その細胞集団を96穴平底プレートに1cell/wellとなるよう分取した。Single cell sortingした細胞は、HAT培地(RPMI1640+2mM L-Glutamine,10Unit/ml Penicillin-Streptomycin,10mM HEPES,1mM Sodium Pyruvate,50μM 2-ME) + ハイブリドーマ成長サプリメントHFCS(Roche社)で培養した。その後、ハイブリドーマの細胞培養上清を用い、CAL−1細胞、ヒトPLD4−CT125発現安定細胞株、ヒトPBMC、およびサルPLD4−CT125発現安定細胞株を染色し、シングルハイブリドーマの11G9.6を選択した。
4)凍結細胞バイアルの作製と培養上清の回収
以上のFACS解析結果および、各ウェルの細胞の状態に基づき、各クローンから1ウェル選択した。選択したウェルは50mLスケールで拡大培養を行った。培地は10%FCS,ペニシリンストレプトマイシンを含むRPMI1640とした。細胞はサブコンフルエントまで培養し、細胞数1×106 cell/tubeで凍結保存した。凍結保存液としては、バンバンカー(日本ジェネティクス)を用いた。また、この時の培養上清を回収保存した。
実施例4
抗体精製
プロテインAアフィニティーカラム(rProteinA Sepharose Fast Flow(カタログ番号17-1279-01, GE Healthcare社)を用いた精製により、ハイブリドーマの培養上清から10種類(3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1および11G9.6)の精製抗体を得た。Pierce Rapid ELISA Mouse mAb Isotyping Kit(Thermo Fisher Scientific社)を用いてアイソタイプを確認した。その結果、3B4と14C1はマウスIgG1,κで、10C3はマウスIgG2a,κで、その他はマウスIgG2b,κであった。精製抗体にエンドトキシンが含まれていると、性質決定試験の結果に影響を与えることがあるため、エンドトキシン濃度の測定を行った。使用したKitはエンドスペシー ES-50Mセット、トキシカラー DIA-MPセット、およびエンドトキシン標準品 CSE-Lセット(いずれも生化学バイオビジネス社)である。その結果、いずれの精製抗体のエンドトキシン濃度も基準値である0.3EU/mg Ab以下であった。
精製抗体の反応性の検討
精製抗体の結合能をヒトpDC様細胞株であるCAL−1細胞で確認した。その結果、いずれの抗体も細胞表面上のヒトPLD4に対する結合能を維持していることが確認できた(図11)。また、ヒト末梢血のpDC細胞群(BDCA2+)に対しても特異的に結合した(図13)。
精製PLD4抗体のKd値算出
精製抗体の結合能をヒトPLD4−CT125発現安定細胞株を精製PLD4抗体の濃度を低濃度から高濃度まで(0.001μg/ml〜30μg/ml)、陽性染色率が100%近くまで反応させた。細胞の陽性染色率と抗体をGraph Pad Prism version 5 sofwareを利用してデータ解析し、乖離定数モル濃度(Kd value)をnM単位で計算した。抗PLD4抗体のKd値(nM)は3B4と14C1の2 cloneを除いて、全部1nM以下あるいは1nM近くのKd値を示すことから、非常に強くヒトPLD4−CT125細胞に結合した(図19)。
実施例5
抗PLD4抗体のヒトPLD4−CT125発現細胞への捕体依存的細胞障害活性
幼若ウサギ血清を補体源として、ヒトPLD4を発現するCT125細胞安定株(以下HuPLD4-CT-125とする)に対する抗PLD4抗体の補体依存性細胞障害活性(以下CDC活性とする)を測定した。活性の指標は細胞から放出された乳酸脱水素酵素(Lactase dehydrogenase:LDH)の測定値より算出した細胞毒性とした。各細胞を2×104cells/50μl/wellずつ96穴U底プレートに分注した。CDC培地(RPMI1640+ 0.1%BSA+10mM HEPES+2mM L-Glutamine+1% Pen-Strep)で1% Baby rabbit complement(CEDARLANE社)を調製した。10μg/mlのマウスアイソタイプコントロール抗体(マウス IgG2b,κ)と10種類の抗PLD4マウス精製抗体(3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1および11G9.6)を添加し、1時間反応させた。アッセイ系にはCytoTox 96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega社)のKitを用いた。その結果、HuPLD4-CT-125のターゲット細胞に対し、重鎖のアイソタイプがマウスIgG1である3B4と14C1の2種類のPLD4抗体を除いて、8種類のPLD4抗体(5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11および11G9.6)は10μg/mlの抗体濃度で約33.5%から71.1%までのCDC活性を示した(図20)。
実施例6
抗PLD4抗体(11G9.6)の濃度依存的な捕体依存的細胞障害活性マウスアイソタイプコントロール抗体(マウスIgG2b,κ)、抗PLD4マウス抗体(mp11G9.6Ab)、ヒトアイソタイプコントロール抗体(ヒトIgG1,κ)、抗PLD4キメラ抗体(ch11G9Ab)を0.1μg/mlから30μg/mlまでの計6点の抗体濃度で調整した。アッセイ系にはCytoTox 96 Non-Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega社)のキットを用いた。その結果、HuPLD4-CT-125のターゲット細胞に対し、mp11G9.6Abは濃度依存的に3μg/mlの抗体濃度で約70%のCDC活性を示した。一方、キメラ化抗体であるch11G9Abは30μg/mlの高濃度でも10%以下のCDC活性を示した(図21)。
実施例7
キメラ化抗体の作製
マウス抗PLD4抗体を産生するハイブリドーマとして10種類作製し、使用した。
1.定常領域のアイソタイプ確認
抗PLD4抗体を産生するハイブリドーマより産生されたマウス抗PLD4抗体の定常領域のアイソタイプを確認した。10種類(3B4、5B7、7B4、8C11、10C3、11D10、13D4、13H11、14C1および11G9.6)のハイブリドーマの培養上清からPierce Rapid ELISA Mouse mAb Isotyping Kit(Thermo Fisher Scientific社)を用いてアイソタイプを確認した。その結果、3B4と14C1はマウスIgG1, マウスIg kappaで、10C3はマウスIgG2a, マウスIg kappaで、その他はマウスIgG2b, マウスIg kappaであった。
2.マウス抗PLD4抗体の可変領域をコードするcDNAのクローニング
2−1)全RNAの単離
市販のキット「RNeasy Mini Kit」(Qiagen社、カタログ番号:74106)を用いてキット添付の指示書に従い、11G9.6ハイブリドーマから全RNAを単離した。5×106細胞数のハイブリドーマ細胞株から調製して、約79μgの全RNAが得られた。
2−2)マウス重鎖可変領域をコードするcDNAの増幅および断片化
2−1)で単離した全RNAのうち5μgを使用し、5’RACE PCR法によって、マウス重鎖可変領域をコードするcDNAを増幅した。増幅にあたっては、市販キット「5’RACE System for Rapid Amplification of cDNA ENDs, Version 2.0 Kit」(インビトロジェン社、カタログ番号:18374-058)を用いた。詳細は以下の通りである。まず、2−1)で得られた全RNAから逆転写酵素によって、第1鎖cDNAを合成した。このとき、アンチセンスプライマー(GSP1)は以下のものを用いた。cDNAの増幅に使用するGSP1プライマーはそれぞれのマウス重鎖のアイソタイプにより使い分けされる。
たとえば、マウスIgG1重鎖を有する3B4と14C1ハイブリドーマの重鎖可変領域クローニングには以下のアンチセンスプライマーを使用する。
GSP1プライマー : mu IgG1 VH-GSP1
配列: 5'-CCA GGA GAG TGG GAG AGG CTC TTC TCA GTA TGG TGG-3' (36-mer)(配列番号:64)
GSP2プライマー : mu IgG1 VH-GSP2
配列: 5'-GGC TCA GGG AAA TAG CCC TTG ACC AGG CAT CC-3' (32-mer)(配列番号:65)

マウスIgG2a重鎖を有する10C3ハイブリドーマの重鎖可変領域クローニングには以下のアンチセンスプライマーを使用する。
GSP1プライマー : muIgGHγ1-GSP1
配列: 5' TCC AGA GTT CCA GGT CAC TGT CAC 3' (24-mer)(配列番号:66)
GSP2プライマー : muIgGHγ1-GSP2
配列: 5' AGG GGC CAG TGG ATA GAC AGA TGG 3' (24-mer)(配列番号:67)

そして、マウスIgG2B重鎖を有する5B7、7B4、8C11、11D10、13D4、13H11および11G9.6)ハイブリドーマの重鎖可変領域クローニングには以下のアンチセンスプライマーを使用する。
GSP1プライマー : muIgGHγ2B-GSP1
配列: 5' TCC AGA GTT CCA AGT CAC AGT CAC 3' (24-mer)(配列番号:68)
GSP2プライマー : muIgGHγ2B-GSP2
配列 : 5' AGG GGC CAG TGG ATA GAC TGA TGG 3' (24-mer)(配列番号:69)

さらに、第1鎖cDNAの3’-末端に、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)を用いて、ヌクレオチドホモポリマーであるdCを付加した。そして、dC(アンカー配列)に相補的なヌクレオチドポリマーを3’-末端に有しているアンカープライマー(配列番号:70)と、アンチセンスプライマー(GSP2)を用いて、PCR法によってcDNAを増幅した。さらに、得られたPCR産物をテンプレートとし、AUAPプライマー(配列番号:71)と表1に示すアンチセンスプライマー(GSP2)を用いて、Nested PCR法によりcDNAを増幅した。さらに、このPCR産物を1.5%低融点アガロース法によって精製した。
5'RACE用アンカープライマー(配列番号:70)
5'-GGC CAC GCG TCG ACT AGT ACG GGI IGG GII GGG IIG-3' 36-mer)
5'RACE用AUAPプライマー(配列番号:71)
5'-GGC CAC GCG TCG ACT AGT AC-3' 20-mer)
2−3)マウス軽鎖可変領域をコードするcDNAの増幅および断片化
2−1)で単離した全RNAから、2−2)と同様にして、マウス軽鎖可変領域をコードするcDNAを増幅した。このとき、cDNAの増幅に使用するGSP1プライマーはそれぞれのマウス軽鎖のアイソタイプにより使い分けされる。
10種類のPLD4抗体はマウスIg kappa軽鎖を有するため、軽鎖クローニング用として、以下のアンチセンスプライマーを使用する。
GSP1プライマー : mu IgG VL kappa-GSP1
配列 : 5'-CAC TAC TTC CTG TTG AAG CTC TTG ACG ATG G-3' (31-mer)(配列番号:72)
GSP2プライマー : mu IgG VL kappa-GSP2
配列 : 5'-GTG AGT GGC CTC ACA GGT ATA GC-3' (23-mer)(配列番号:73)
得られたPCR産物を1.5%低融点アガロース法によって精製した。
2−4)cDNAの塩基配列の確認とCDR領域の決定
2−2)で得られた重鎖可変領域、および2−3)で得られた軽鎖可変領域のcDNA断片を、それぞれ、市販キット「Zero Blunt TOPO PCR Cloning Kit」(インビトロジェン社、カタログ番号:1325137)を用い、キット添付の指示書にしたがってpCR4Blunt-TOPO ベクターにクローニングし、大腸菌コンピテント細胞に導入して大腸菌形質転換体を得た。この形質転換体からプラスミドを得て、配列解析のために、プラスミドDNA試料をOperon Biotechnology Co. Ltd社(東京)に送付して、プラスミド中のcDNA塩基配列を確認した。配列の解析には「Sequencher DNA sequence assembly and analysis software version 4.2.2(Gene Codes Corporation)」と「GENETYX-MAC Version.11.1.1” software(GENETYX CORPORATION)」ソフトウェアを用いた。
相補性決定領域(以下「CDR領域」と記す)周辺に、フレームシフト、ナンセンス変異等を生じているために不活性RNAとなったものの転写物は除外し、正しい配列のものを抽出した。さらに、当該プラスミド中に含まれるcDNA塩基配列について、Immunoglobulins データベース(IgBLAST, URL:www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/)と相同性を確認し、各々の可変領域内のCDR領域(CDRs; CDR1, CDR2, CDR3)、FW領域(Frame work regions)と可変領域の配列をKabat numbering system(Kabat et al, 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health Publication No. 91-3242, 5th ed., United States Department of Health and Human Services, Bethesda, MD)の解析方法にしたがって決定した。
得られたマウス11G9.6抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:74、アミノ酸配列は配列番号:75である。マウス11G9.6抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4である。
得られたマウス3B4抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:76、アミノ酸配列は配列番号:77である。マウス3B4抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10である。
得られたマウス5B7抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:78、アミノ酸配列は配列番号:79である。マウス5B7抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16である。
得られたマウス7B4抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:80、アミノ酸配列は配列番号:81である。マウス7B4抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16である。7B4抗体は、5B7抗体と重鎖と軽鎖の可変領域CDR配列が同じである抗体である。
得られたマウス8C11抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:82、アミノ酸配列は配列番号:83である。マウス8c11抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22である。
得られたマウス10C3抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:84、アミノ酸配列は配列番号:85である。マウス10C3抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28である。
得られたマウス11D10抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:86、アミノ酸配列は配列番号:87である。マウス11D10抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28である。11D10抗体は、10C3抗体と重鎖と軽鎖の可変領域CDR配列が同じ抗体である。ただし、重鎖のisotype(10C3はマウスIgG2aで、11D10はマウスIgG2bの定常領域)の違いがある。
得られたマウス13D4抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:88、アミノ酸配列は配列番号:89である。マウス13D4抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34である。
得られたマウス13H11抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:90、アミノ酸配列は配列番号:91である。マウス13H11抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40である。
得られたマウス14C1抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:92、アミノ酸配列は配列番号:93である。マウス14C1抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40である。14C1抗体は、13H11抗体と重鎖と軽鎖の可変領域CDR配列が同じ抗体である。ただし、重鎖のisotype(13H11はマウスIgG2bで、14C1はマウスIgG1の定常領域)の違いがある。
マウス11G9.6抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:94、アミノ酸配列は配列番号:95である。マウス11G9.6抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7である。
マウス3B4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:96、アミノ酸配列は配列番号:97である。マウス3B4抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13である。
マウス5B7抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:98、アミノ酸配列は配列番号:99である。マウス5B7抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19である。
マウス7B4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:100、アミノ酸配列は配列番号:101である。マウス7B4抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19である。
マウス8C11抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:102、アミノ酸配列は配列番号:103である。マウス8C11抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25である。
マウス10C3抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:104、アミノ酸配列は配列番号:105である。マウス10C3抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31である。
マウス11D10抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:106、アミノ酸配列は配列番号:107である。マウス11D10抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31である。
マウス13D4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:108、アミノ酸配列は配列番号:109である。マウス13D4抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:35、配列番号:36、配列番号:37である。
マウス13H11抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:100、アミノ酸配列は配列番号:111である。マウス13H11抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43である。
マウス14C1抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:112、アミノ酸配列は配列番号:113である。マウス14C1抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43である。
3.キメラ化抗体11G9.6の発現ベクターの作製
3−1.ヒトIgG定常領域をコードするcDNAのクローニング
ヒトPBMCの全RNAから、ヒトIgG1重鎖定常領域とヒトIg kappa軽鎖定常領域のcDNAをクローニングし、それぞれ、市販キット「Zero Blunt TOPO PCR Cloning Kit」(インビトロジェン社、カタログ番号:1325137)を用い、キット添付の指示書にしたがってpCR4Blunt-TOPO ベクターにクローニングし、大腸菌コンピテント細胞に導入して大腸菌形質転換体を得た。この形質転換体からプラスミドを得て、配列解析のために、プラスミドDNA試料をOperon Biotechnology Co. Ltd社(東京)に送付して、プラスミド中のcDNA塩基配列を確認した。
3−2.キメラ化PLD4抗体の重鎖をコードするcDNAの調製
キメラ化PLD4抗体の重鎖をコードするcDNAを調製するために、2−2で得られたマウス11G9.6抗体重鎖可変領域と、ヒトIgG1重鎖定常領域を持っているpEE6.4 ベクター発現ベクターに融合させて作製した。マウス11G9.6抗体重鎖可変領域をPCR方法で増幅し、約450塩基の長さのPCR産物を得た。このとき、プライマーは、表1に示すとおりである。得られたPCR産物を1.5%低融点アガロース法によって精製した。
2−2で得られたマウス11G9.6抗体重鎖可変領域をPCR法によって「11G9.6重鎖可変領域をコードするPCR product」を得た。11G9.6重鎖可変領域をコードするPCR productをHind IIIとApa I制限酵素で消化し、1.5%アガロースゲル法で精製した。これをddH2Oで溶解し、重鎖可変領域をコードするcDNA断片の溶液とした。
得られたcDNAを、Hind IIIとApa Iをクローニングサイトとして、キメラ化11G9.6のVHコード領域を、pEE6.4 ベクター(Lonza Biologics, Slough製, UK)へのクローニングのための好適な制限部位(HindIIIおよびApaI)ならびに理想的Kozak配列(GCCGCCACC)を導入した、プライマーchi11G9VH-IF(HindIII)およびchi11G9VL-408Rを用いて、11G9.6のVH領域を含むpCR4Blunt-TOPOプラスミドクローンからPCRで増幅した。Chi11G9VH-pEE6.4ベクターは、ヒトIgG1の重鎖定常領域を含む。VHPCR断片を、HindIIIおよびApaIを用いて、インフレームで、pEE6.4ベクターに挿入した。コンストラクトをcDNA塩基配列解析によって調べた。配列解析のために、プラスミドDNA試料をOperon Biotechnology Co. Ltd社(東京)に送付して、プラスミド中のcDNA塩基配列を確認した。
3.3 キメラ化PLD4抗体の軽鎖をコードするcDNAの調製
キメラ化PLD4抗体の軽鎖をコードするcDNAを調製するために、2−3で得られたマウス11G9.6抗体軽鎖可変領域と、3−2で得られたヒトIg kappa軽鎖定常領域を融合したPCRフラグメントを重複伸長PCR方法(overlap extension PCR)法に基づく手法によって約730塩基の長さでPCR産物を増幅した。
11G9.6軽鎖可変領域をコードするPCR productをHind IIIとEcoR I制限酵素で消化し、1.5%アガロースゲル法で精製した。これをddH2Oで溶解し、軽鎖可変領域をコードするcDNA断片の溶液とした。
得られたキメラ化11G9のVLコードするcDNAを、pEE14.4 ベクター(Lonza Biologics製)へのクローニングのための好適な制限部位(HindIIIおよびEcoRI)ならびに理想的Kozak配列を導入した、プライマーchi11G9VL-IF(Hind)およびchi11G9VL-726R(RI)を用いて、11G9.6のVL領域を含むpCR4Blunt-TOPOプラスミドクローンからPCRで増幅した。Chi11G9VL-pEE14.4ベクターは、kappa軽鎖定常領域を含む。VLPCR断片を、HindIIIおよびEcoRIを用いて、インフレームで、pEE14.4ベクターに挿入した。コンストラクトをcDNA塩基配列解析によって調べた。
3.4 キメラ化PLD4抗体(ch11G9VH/VL)ダブルジーンLonza 発現ベクター構築
キメラ化PLD4抗体の重鎖発現ベクター(chi11G9VH-pEE6.4)、およびキメラ化PLD4抗体の軽鎖のベクター(chi11G9VL-pEE14.4)を、標準的なクローニング技術によって、1つの2遺伝子ベクター中で組み合わせたキメラ化PLD4抗体(chi11G9DG ベクター)Lonza 発現ベクターを構築した。
4.293F細胞における一過性発現
一過性発現ベクタープラスミドである chi11G9DG Lonza ベクター DNA,80μgを使用した。
293F細胞をトランスフェクション前日に250mLのErlenmyer flask(カタログ番号431144;CORNING製)に8×105cells/mLで80mLに合わせて37℃,CO2濃度8%の条件で振とう7日間培養した。
7日間培養後に,トランスフェクションを行った293F細胞の培養液を50mLチューブに回収し、2,070g,4℃条件で5分間遠心分離を行った。上清をポアサイズ0.45μmのシリンジフィルター(カタログ番号431220;CORNING製)でろ過を行い,培養上清を抗体精製のためまとめた。
5.抗PLD4キメラ化抗体の精製
回収した培養上清を用いてAKTA-FPLC(GEヘルスケア・ジャパン製)とソフトウエアUnicorn5.0を用いて抗体精製を行った。
キメラ化11G9.6抗体精製用のカラムはHiTrap MabSelect SuRe 1mL(カタログ番号11-0034-93, Lot No.10032458 ; GEヘルスケア・ジャパン製)を使用した。カラム条件は以下の通りである。結合バッファー(20mM Sodium phosphate,0.15M NaCl , pH 7.4)、溶出バッファー(20mM Sodium citrate , pH3.4)を用いてアフィニティー精製した。精製後の抗体のバッファーをPBSに置換するために,Slide-A-Lyzer MINI Dialysis Unit 10kMWCO を用いてバッファーの交換を行った。
精製抗体の濃度は280nmの吸光度を測定し、1mg/mlを1.38ODとして算出した。
精製した抗PLD4キメラ化抗体のch11G9.6Abはフローサイトメトリー方法とSDS−PAGEで、タンパク質の品質を分析した。
実施例8
作製した抗ヒトPLD4キメラ抗体(ch11G9.6Ab)の抗体依存性細胞障害活性(ADCC活性)を測定した。活性は細胞から放出された乳酸脱水素酵素(LDH)の測定値より算出した細胞毒性を指標として用いた。エフェクター細胞となるヒト末梢血単核球はHISTOPAQUE-1077を使った比重遠心で精製した。ターゲットとなる細胞は、CHO−K1細胞株(チャイニーズハムスター卵巣細胞株)を使ったヒトPLD4遺伝子の強制形質転換細胞(以下、HuPLD4-CHO)を用いた(2x104/ well)。エフェクターとターゲット細胞の割合が、10:1、20:1、40:1および80:1になるように混合し、ch11G9.6Abまたはアイソタイプコントロール抗体(ヒトIgG1, κ)を10mg/ mlを加えて、4時間37℃で培養し、抗体の細胞障害活性効果を評価した。その結果、抗hPLD4キメラ抗体のch11G9Abはエフェクター細胞依存的にターゲットであるHuPLD4-CHO細胞を最大約50%程度のADCC活性を示した(図22)。この結果は、作製した抗PLD4キメラ抗体が、PLD4を発現する細胞を選択的に傷害することが証明された。
抗PLD4抗体のpDCへの効果を検討した。ヒト末梢血からPBMCを精製し、10μg/ mlの抗ヒトPLD4キメラ抗体と混合し24時間培養した。その後、pDCに発現しているToll-like receptor 9のリガンドであるCpG2216で24時間刺激し、IFNα産生を誘導した。CpG刺激後、IFNαの産生量を試験すると、抗PLD4キメラ抗体のch11G9Ab処理によってIFNα産生が完全に阻害されていることを確認した(図23)。このメカニズムは、ch11G9Ab処理した24時間後に細胞を回収し、pDC細胞を抗CD123抗体、抗HLA−DR抗体と抗Lineage1抗体の三重染色で確認すると、pDC細胞群がアイソタイプコントロール抗体(ヒトIgG1,κ)処理よりも減少していることがわかった(図24)。これらの結果は、抗PLD4キメラ抗体がPLD4を特異的に発現するpDCを傷害し、その結果、CpG2216刺激によるIFNα産生を阻害したことを示した。
ch11G9.6Abに加え、ch3B4Ab、ch5B7Ab、ch8C11Ab、ch10C3Ab、ch13D4Ab、ch13H11Ab等のキメラ化抗PLD4抗体の生物学的機能をヒトプライマリpDCで調査した。pDCのADCC活性を調査するために、全ヒトPBMCをch3B4Ab、ch5B7Ab、ch8C11Ab、ch10C3Ab、ch13D4Ab、ch13H11Ab、ch11G9.6Ab、アイソタイプAbを加え14時間培養した。細胞を採取し、BDCA2およびBDCA4染色し、フローサイトメトリーでpDCを確認した。キメラ化PLD4抗体との処理は、アイソタイプ抗体と処理されたPBMCと比較してpDCを完全に消失させた(図25)。IFNα産生もまた、キメラ化抗PLD4抗体とPBMCとの培養で測定した。全ヒトPBMCをch3B4Ab、ch5B7Ab、ch8C11Ab、ch10C3Ab、ch13D4Ab、ch13H11Ab、ch11G9.6Ab、アイソタイプAbで処理した。24時間後、IFNα誘発性のCpG2216を培養に加え、さらに細胞を24時間培養した。培養上清を採取し、ELISAでIFNαの産生を測定した。キメラ化PLD4抗体処理されたPBMCはすべてアイソタイプ抗体処理PBMCと比較して完全にIFNα産生を抑えた(図26)。これらの結果は、キメラ化抗PLD4抗体がADCC活性を通じてpDCを消失させることにより、大量のIFNα産生などのpDCの機能を抑えることを示した。
1.得られた抗PLD4マウス11G9.6抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:74、アミノ酸配列は配列番号:75である。マウス11G9.6抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4である。
抗PLD4マウス11G9.6抗体の重鎖可変領域の核酸配列(504bp) [大文字: マウス11G9.6VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域](配列番号:74)
ATGAGATCACAGTTCTCTATACAGTTACTGAGCACACAGAACCTCACCTTGGGATGGAGCTGTATCATCCTCTTCTTGGTAGCAACAGCTACAGGTGTCCACTCCCAGGTCCAACTGCAGCAGCCTGGGGCTGAACTGGTGAAGCCTGGGACTTCAGTGAAAATGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCGGGACAAGGCCTTGAGTGGATTGGAGATATTTATCCTGGTAGTGATAGTACTAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACACATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAACTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTGCAAGAGGAGGGTGGTTGGATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctaagggc
マウス11G9.6抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(168a.a.) [大文字: マウス11G9.6VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す(配列番号:75)。
11G9.6抗体の重鎖可変領域のCDR1
SYWMH (配列番号:2)
11G9.6抗体の重鎖可変領域のCDR2
DIYPGSDSTNYNEKFKS (配列番号:3)
11G9.6抗体の重鎖可変領域のCDR3
GGWLDAMDY (配列番号:4)
得られた抗PLD4マウス11G9.6抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:38、アミノ酸配列は配列番号:39である。マウス11G9.6抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:40、配列番号:41、配列番号:42である。
抗PLD4マウス11G9.6抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(421bp)[大文字: マウス11G9.6VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域] (配列番号:94)
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGGGTAATACGCTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcaagggcgaat
マウス11G9.6抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(140a.a.) [大文字: マウス11G9.6VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す(配列番号:95)。
11G9.6抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RASQDISNYLN (配列番号:5)
11G9.6抗体の軽鎖可変領域のCDR2
YTSRLHS (配列番号:6)
11G9.6抗体の軽鎖可変領域のCDR3
QQGNTLPW (配列番号:7)

2.得られた抗PLD4マウス3B4抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:76、アミノ酸配列は配列番号:77である。マウス3B4抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10である。

抗PLD4マウス3B4抗体の重鎖可変領域の核酸配列(437bp) [大文字: マウス3B4VH可変領域, 小文字: マウスIgG1重鎖定常領域]
ATGGAATGTAACTGGATACTTCCTTTTATTCTGTCGGTAATTTCAGGGGTCTCCTCAGAGGTTCAGCTCCAGCAGTCTGGGACTGTGCTGTCAAGGCCTGGGGCTTCCGTGACGATGTCCTGCAAGGCTTCTGGCGACAGCTTTACCACCTACTGGATGCACTGGGTAAAACAGAGGCCTGGACAGGGTCTAGAATGGATTGGTGCTATCTATCCTGGAAATAGTGAAACTAGCTACAACCAGAAGTTCAAGGGCAAGGCCAAACTGACTGCAGTCACATCCGCCAGCACTGCCTATATGGAGTTCACTAGCCTGACAAATGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTACGGGGGGTTATTCCGACTTTGACTACTGGGGCCAAGGCACCACTCTCACAGTCTCCTCAgccaaaacgacacccccatctgtctatccact

マウス3B4抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(145a.a.) [大文字: マウス3B4VH 可変領域, 小文字: マウスIgG1 重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

3B4抗体の重鎖可変領域のCDR1
TYWMH
3B4抗体の重鎖可変領域のCDR2
AIYPGNSETSYNQKFKG
3B4抗体の重鎖可変領域のCDR3
GYSDFDY

得られた抗PLD4マウス3B4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:96、アミノ酸配列は配列番号:97である。マウス3B4抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13である。

抗PLD4マウス3B4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(459bp)[大文字: マウス3B4VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGATGGTCCTTGCTCAGTTTCTTGCATTCTTGTTGCTTTGGTTTCCAGGTGCAGGATGTGACATCCTGATGACCCAATCTCCATCCTCCATGTCTGTATCTCTGGGAGACACAGTCAGCATCACTTGCCATGCAAGTCAGGGCATTAGAAGTAATATAGGGTGGTTGCAGCAGAAACCAGGGAAATCATTTAAGGGCCTGATCTTTCATGGAACCAACTTGGAAGATGGAGTTCCATCAAGGTTCAGTGGCAGAGGATCTGGAGCAGATTATTCTCTCACCATCAACAGCCTGGAATCTGAAGATTTTGCAGACTATTACTGTGTACAGTATGTTCAGTTTCCTCCAACGTTCGGCTCGGGGACAAAGTTGGAAATAAGAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcagtcgtg

マウス3B4抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(153a.a.) [大文字: マウス3B4VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

3B4抗体の軽鎖可変領域のCDR1
HASQGIRSNIG
3B4抗体の軽鎖可変領域のCDR2
HGTNLED
3B4抗体の軽鎖可変領域のCDR3
VQYVQFP

3.得られた抗PLD4マウス5B7抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:78、アミノ酸配列は配列番号:79である。マウス5B7抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16である。

抗PLD4マウス5B7抗体の重鎖可変領域の核酸配列(475bp) [大文字: マウス5B7VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]
ATGGGATGGAGCTGGATCTTTCTCTTCCTCCTGTCAGGAACTGCAGGCGTCCACTCTGAGGTCCAGCTTCAGCAGTCAGGACCTGAACTGGTGAAACCTGGGGCCTCAGTGAAGATATCCTGCAAGGCTTCTGGATACACATTCACTGACTACAACTTGCACTGGGTGAAGCAGAGCCATGGAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGATATATTTATCCTTACAATGGTAATACTGGCTACAACCAGAAGTTCAAGAGGAAGGCCACATTGACTGTAGACAATTCCTCCGGCACAGTCTACATGGAGCTCCGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGAGGAGGGATCTATGATGATTACTACGACTATGCTATCGACTATTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctaagggcgaat

マウス5B7抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(158a.a.) [大文字: マウス5B7VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

5B7抗体の重鎖可変領域のCDR1
DYNLH
5B7抗体の重鎖可変領域のCDR2
YIYPYNGNTGYNQKFKR
5B7抗体の重鎖可変領域のCDR3
GGIYDDYYDYAIDY

得られた抗PLD4マウス5B7抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:98、アミノ酸配列は配列番号:99である。マウス5B7抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19である。

抗PLD4マウス5B7抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(467bp)[大文字: マウス5B7VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGAGTGTGCCCACTCAGGTCCTGGGGTTGCTGCTGCTGTGGCTTACAGATGCCAGATGTGACATCCAGATGACTCAGTCTCCAGCCTCCCTATCTGTATCTGTGGGAGAAACTGTCGCCATCACATGTCGAGCAAGTGAGAATATTTACAGTCATATAGCATGGTATCAGCAGAAAGAGGGAAAATCTCCTCAGCGCCTGGTCTATGGTGCAACAAACTTAGCACATGGTGTGCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGCACACAGTATTCCCTCAAGATCAACAGCCTTCAGTCTGAAGATTTTGGGAGTTATTACTGTCAACATTTTTGGGGTACTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcagtcgtgtgcttctt

マウス5B7抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(155a.a.) [大文字: マウス5B7VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

5B7抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RASENIYSHIA
5B7抗体の軽鎖可変領域のCDR2
GATNLAH
5B7抗体の軽鎖可変領域のCDR3
QHFWGTP

4.得られた抗PLD4マウス7B4抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:80、アミノ酸配列は配列番号:81である。マウス7B4抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16である。

抗PLD4マウス7B4抗体の重鎖可変領域の核酸配列(470bp) [大文字: マウス7B4VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]
ATGGGATGGAGCTGGATCTTTCTCTTCCTCCTGTCAGGAACTGCAGGCGTCCACTCTGAGGTCCAGCTTCAGCAGTCAGGACCTGAACTGGTGAAACCTGGGGCCTCAGTGAAGATATCCTGCAAGGCTTCTGGATACACATTCACTGACTACAACTTGCACTGGGTGAAGCAGAGCCATGGAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGATATATTTATCCTTACAATGGTAATACTGGCTACAACCAGAAGTTCAAGAGGAAGGCCACATTGACTGTAGACAATTCCTCCGGCACAGTCTACATGGAGCTCCGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGAGGAGGGATCTATGATGATTACTACGACTATGCTATCGACTATTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctaaggg

マウス7B4抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(156a.a.) [大文字: マウス 7B4VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

7B4抗体の重鎖可変領域のCDR1
DYNLH
7B4抗体の重鎖可変領域のCDR2
YIYPYNGNTGYNQKFKR
7B4抗体の重鎖可変領域のCDR3
GGIYDDYYDYAIDY

得られた抗PLD4マウス7B4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:100、アミノ酸配列は配列番号:101である。マウス7B4抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19である。

抗PLD4マウス7B4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(454bp)[大文字: マウス7B4VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGAGTGTGCCCACTCAGGTCCTGGGGTTGCTGCTGCTGTGGCTTACAGATGCCAGATGTGACATCCAGATGACTCAGTCTCCAGCCTCCCTATCTGTATCTGTGGGAGAAACTGTCGCCATCACATGTCGAGCAAGTGAGAATATTTACAGTCATATAGCATGGTATCAGCAGAAAGAGGGAAAATCTCCTCAGCGCCTGGTCTATGGTGCAACAAACTTAGCACATGGTGTGCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGCACACAGTATTCCCTCAAGATCAACAGCCTTCAGTCTGAAGATTTTGGGAGTTATTACTGTCAACATTTTTGGGGTACTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcag

マウス7B4抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(151a.a.) [大文字: マウス7B4VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

7B4抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RASENIYSHIA
7B4抗体の軽鎖可変領域のCDR2
GATNLAH
7B4抗体の軽鎖可変領域のCDR3
QHFWGTP

5.得られた抗PLD4マウス8C11抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:82、アミノ酸配列は配列番号:83である。マウス8C11抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22である。

抗PLD4マウス8C11抗体の重鎖可変領域の核酸配列(462bp) [大文字: マウス8C11VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]
ATGGGATGGAGCTATATCATCCTCTTTTTGGTAGCAACAGCAACAGGGGTCCACTCCCAGGTCCAACTGCAGCAGTCGGGGGCTGAACTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGTTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTATTTGTACTGGGTGAGGCAGAGGCCTGGACAAGGCCTTGAGTGGATTGGACTGATTAATCCTACCAATAGTGATACTATCTTCAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACAAATCCTCCAGCACAGCATACATGCAACTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTACACGAGAGGGGGGATATGGTTACGGCCCGTTTGCTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGCAgccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctaagggc

マウス7B4抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(154a.a.) [大文字: マウス8C11VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

8C11抗体の重鎖可変領域のCDR1
SYYLY
8C11抗体の重鎖可変領域のCDR2
LINPTNSDTIFNEKFKS
8C11抗体の重鎖可変領域のCDR3
EGGYGYGPFAY

得られた抗PLD4マウス8C11抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:102、アミノ酸配列は配列番号:103である。マウス8C11抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25である。

抗PLD4マウス8C11抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(457bp)[大文字: マウス8C11VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTGGTGCTGATGTTCTGGATTCCTGCTTCCAGCAGTGATGTTGTGATGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCACATCTAGTCAGACCCTTGTACACAGTAATGGAAACACCTATTTACATTGGTACCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTTCTGCTCTCACAGTACACATGTTCCATTCACGTTCGGCTCGGGGACAAAGTTGGAAATAAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggag

マウス8C11抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(152a.a.) [大文字: マウス8C11VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

8C11抗体の軽鎖可変領域のCDR1
TSSQTLVHSNGNTYLH
8C11抗体の軽鎖可変領域のCDR2
KVSNRFS
8C11抗体の軽鎖可変領域のCDR3
HSTHVP

6.得られた抗PLD4マウス10C3抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:84、アミノ酸配列は配列番号:85である。マウス10C3抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28である。

抗PLD4マウス10C3抗体の重鎖可変領域の核酸配列(450bp) [大文字: マウス10C3VH可変領域, 小文字: マウスIgG2a重鎖定常領域]
ATGAACTTCGGGCTCAGCTTGATTTTCCTTGCCCTCATTTTAAAAGGTGTCCAGTGTGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGACTTAGTGAGGCCTGGAGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCAGTTTCAGTAGCTATGGCATGTCTTGGTTTCGCCAGACTCCAGACAAGAGGCTGGAGTGGGTCGCAACCATTAGTAGTGGTGGTAGTTACATCTACTATCCAGAAAGTGTGAAGGGGCGATTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAGGAACATCCTGTACCTGCAAATGAGCAGTCTGAAGTCTGAGGACACAGCCATGTATTATTGTGTAAGACTCTACGGTGGTAGGAGAGGCTATGGTTTGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacagccccatcggtctatcca

マウス10C3抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(150a.a.) [大文字: マウス10C3VH可変領域, 小文字: マウスIgG2a重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

10C3抗体の重鎖可変領域のCDR1
SYGMS
10C3抗体の重鎖可変領域のCDR2
TISSGGSYIYYPESVKG
10C3抗体の重鎖可変領域のCDR3
LYGGRRGYGLDY

得られた抗PLD4マウス10C3抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:104、アミノ酸配列は配列番号:105である。マウス10C3抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31である。

抗PLD4マウス10C3抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(423bp)[大文字: マウス10C3VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGAGGTTCTCTGCTCAGCTTCTGGGGCTGCTTGTGCTCTGGATCCCTGGATCCACTGCGGAAATTGTGATGACGCAGGCTGCATTCTCCAATCCAGTCACTCTTGGAACATCAGCTTCCATCTCCTGCAGGTCTAGTAAGAGTCTCCTACATAGTGATGGCATCACTTATTTGTATTGGTATCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCTCAGCTCCTGATTTATCAGATGTCCAACCTTGCCTCAGGAGTCCCAGACAGGTTCAGTAGCAGTGGGTCAGGAACTGATTTCACACTGAGAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATGTGGGTGTTTATTACTGTGCTCAAAATCTAGAACTTTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatc

マウス10C3抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(141a.a.) [大文字: マウス10C3VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

10C3抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RSSKSLLHSDGITYLY
10C3抗体の軽鎖可変領域のCDR2
QMSNLAS
10C3抗体の軽鎖可変領域のCDR3
AQNLEL

7. 得られた抗PLD4マウス11D10抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:86、アミノ酸配列は配列番号:87である。マウス11D10抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28である。

抗PLD4マウス11D10抗体の重鎖可変領域の核酸配列(450bp) [大文字: マウス11D10VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]
ATGAACTTCGGGCTCAGCTTGATTTTCCTTGCCCTCATTTTAAAAGGTGTCCAGTGTGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGACTTAGTGAGGCCTGGAGGGTCCCTGAAACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCAGTTTCAGTAGCTATGGCATGTCTTGGTTTCGCCAGACTCCAGACAAGAGGCTGGAGTGGGTCGCAACCATTAGTAGTGGTGGTAGTTACATCTACTATCCAGAAAGTGTGAAGGGGCGATTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAGGAACATCCTGTACCTGCAAATGAGCAGTCTGAAGTCTGAGGACACAGCCATGTATTATTGTGTAAGACTCTACGGTGGTAGGAGAGGCTATGGTTTGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacacccccatcagtctatcca

マウス11D10抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(150a.a.) [大文字: マウス11D10VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

11D10抗体の重鎖可変領域のCDR1
SYGMS
11D10抗体の重鎖可変領域のCDR2
TISSGGSYIYYPESVKG
11D10抗体の重鎖可変領域のCDR3
LYGGRRGYGLDY

得られた抗PLD4マウス11D10抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:106、アミノ酸配列は配列番号:107である。マウス11D10抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:29、配列番号:30、配列番号:31である。

抗PLD4マウス11D10抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(423bp)[大文字: マウス11D10VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGAGGTTCTCTGCTCAGCTTCTGGGGCTGCTTGTGCTCTGGATCCCTGGATCCACTGCGGAAATTGTGATGACGCAGGCTGCATTCTCCAATCCAGTCACTCTTGGAACATCAGCTTCCATCTCCTGCAGGTCTAGTAAGAGTCTCCTACATAGTGATGGCATCACTTATTTGTATTGGTATCTGCAGAAGCCAGGCCAGTCTCCTCAGCTCCTGATTTATCAGATGTCCAACCTTGCCTCAGGAGTCCCAGACAGGTTCAGTAGCAGTGGGTCAGGAACTGATTTCACACTGAGAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATGTGGGTGTTTATTACTGTGCTCAAAATCTAGAACTTTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatc

マウス11D10抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(141a.a.) [大文字: マウス11D10VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

11D10抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RSSKSLLHSDGITYLY
11D10抗体の軽鎖可変領域のCDR2
QMSNLAS
11D10抗体の軽鎖可変領域のCDR3
AQNLEL

8. 得られた抗PLD4マウス13D4抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:88、アミノ酸配列は配列番号:89である。マウス13D4抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:32、配列番号:33、配列番号:34である。

抗PLD4マウス13D4抗体の重鎖可変領域の核酸配列(472bp) [大文字: マウス13D4VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]
ATGAAAGTGTTGAGTCTGTTGTACCTGTTGACAGCCATTCCTGGTATCCTGTCTGATGTACAGCTTCAGGAGTCAGGACCTGGCCTCGTGAAACCTTCTCAATCTCTGTCTCTCACCTGCTCTGTCACTGGCTACTCCATCACCAGTCATTATTACTGGACCTGGATCCGGCAGTTTCCAGGAAACAAACTGGAATGGATGGGCTACATAAGCTACGACGGTAGCAATAACTACAACCCATCTCTCAAAAATCGAATCTCCATCACTCGTGACACATCTAAGAACCAGTTTTTCCTGAAGTTGAATTCTGTGACTACTGAGGACACAGCTACATATAACTGTGCAAGAGAGGGCCCGCTCTACTATGGTAACCCCTACTGGTATTTCGATGTCTGGGGCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctaagggcg

マウス13D4抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(157a.a.) [大文字: マウス13D4VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

13D4抗体の重鎖可変領域のCDR1
SHYYWT
13D4抗体の重鎖可変領域のCDR2
YISYDGSNNYNPSLKN
13D4抗体の重鎖可変領域のCDR3
EGPLYYGNPYWYFDV

得られた抗PLD4マウス13D4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:108、アミノ酸配列は配列番号:109である。マウス13D4抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:35、配列番号:36、配列番号:37である。

抗PLD4マウス13D4抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(404bp)[大文字: マウス13D4VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGGGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTGACAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATGTTGCCACTTACTTTTGCCAGCAGTTTAATACGCTTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAACTGGAAATCAAAcgggctgatgctgcaccaactgt

マウス13D4抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(134a.a.) [大文字: マウス13D4VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

13D4抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RASQDIDNYLN
13D4抗体の軽鎖可変領域のCDR2
YTSRLHS
13D4抗体の軽鎖可変領域のCDR3
QQFNTLP

9.得られた抗PLD4マウス13H11抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:90、アミノ酸配列は配列番号:91である。マウス13H11抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40である。

抗PLD4マウス13H11抗体の重鎖可変領域の核酸配列(471bp) [大文字: マウス13H11VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]
ATGAAAGTGTTGAGTCTGTTGTACCTGTTGACAGCCATTCCTGGTATCCTGTCTGATGTACAGCTTCAGGAGTCAGGACCTGGCCTCGTGAAACCTTCTCAGTCTCTGTCTCTCACCTGCTCTGTCACTGGCTACTCCATCTCCAGTCATTATTACTGGAGTTGGATCCGGCAGTTTCCAGGAAACAGACTGGAATGGATGGGCTACATAAGCTACGACGGTAGCAATAACTACAACCCATCTCTCAAAAATCGAATCTCCATCACTCGTGACACATCTAAGAACCAGTTTTTCCTGAAGTTGAATTCTGTGACTACTGAGGACACAGCTACATATAACTGTGCAAGAGAGGGCCCGCTCTACTATGGTAACCCCTACTGGTATTTCGATGTCTGGGGCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacaacacccccatcagtctatccactggcccctaagggc

マウス13H11抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(157a.a.) [大文字: マウス13H11VH可変領域, 小文字: マウスIgG2b重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

13H11抗体の重鎖可変領域のCDR1
SHYYWS
13H11抗体の重鎖可変領域のCDR2
YISYDGSNNYNPSLKN
13H11抗体の重鎖可変領域のCDR3
EGPLYYGNPYWYFDV

得られた抗PLD4マウス13H11抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:110、アミノ酸配列は配列番号:111である。マウス13H11抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43である。

抗PLD4マウス13H11抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(414bp)[大文字: マウス13H11VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGGGGCAGCGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTGACAATTATTTAAACTGGTATCAGCAAAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAACAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGTTTAATACGCTTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttc

マウス13H11抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(138a.a.) [大文字: マウス13H11VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

13H11抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RASQDIDNYLN
13H11抗体の軽鎖可変領域のCDR2
YTSRLHS
13H11抗体の軽鎖可変領域のCDR3
QQFNTLP

10.得られた抗PLD4マウス14C1抗体の重鎖可変領域の核酸配列は配列番号:92、アミノ酸配列は配列番号:93である。マウス14C1抗体の重鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:38、配列番号:39、配列番号:40である。

抗PLD4マウス14C1抗体の重鎖可変領域の核酸配列(470bp) [大文字: マウス14C1VH可変領域, 小文字: マウスIgG1重鎖定常領域]
ATGAAAGTGTTGAGTCTGTTGTACCTGTTGACAGCCATTCCTGGTATCCTGTCTGATGTACAGCTTCAGGAGTCAGGACCTGGCCTCGTGAAACCTTCTCAGTCTCTGTCTCTCACCTGCTCTGTCACTGGCTACTCCATCTCCAGTCATTATTACTGGAGTTGGATCCGGCAGTTTCCAGGAAACAGACTGGAATGGATGGGCTACATAAGCTACGACGGTAGCAATAACTACAACCCATCTCTCAAAAATCGAATCTCCATCACTCGTGACACATCTAAGAACCAGTTTTTCCTGAAGTTGAATTCTGTGACTACTGAGGACACAGCTACATATAACTGTGCAAGAGAGGGCCCGCTCTACTATGGTAACCCCTACTGGTATTTCGATGTCTGGGGCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgccaaaacgacacccccatctgtctatccactggcccctaaggg

マウス14C1抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(156a.a.) [大文字: マウス14C1VH可変領域, 小文字: マウスIgG1重鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

14C1抗体の重鎖可変領域のCDR1
SHYYWS
14C1抗体の重鎖可変領域のCDR2
YISYDGSNNYNPSLKN
14C1抗体の重鎖可変領域のCDR3
EGPLYYGNPYWYFDV

得られた抗PLD4マウス14C1抗体の軽鎖可変領域の核酸配列は配列番号:112、アミノ酸配列は配列番号:113である。マウス14C1抗体の軽鎖可変領域内のCDR1、CDR2、CDR3のアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43である。

抗PLD4マウス14C1抗体の軽鎖可変領域の核酸配列(465bp)[大文字: マウス14C1VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGGGGCAGCGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTGACAATTATTTAAACTGGTATCAGCAAAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAACAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGTTTAATACGCTTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAAcgggctgatgctgcaccaactgtatccatcttcccaccatccagtgagcagttaacatctggaggtgcctcagtcgtgtgcttc

マウス14C1抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列(155a.a.) [大文字: マウス14C1VL可変領域, 小文字: マウスIgκ軽鎖定常領域]下線の配列はシグナル配列、二重下線はCDR領域(CDR1, CDR2, CDR3)を示す。

14C1抗体の軽鎖可変領域のCDR1
RASQDIDNYLN
14C1抗体の軽鎖可変領域のCDR2
YTSRLHS
14C1抗体の軽鎖可変領域のCDR3
QQFNTLP
作製されたキメラ11G9抗体の重鎖、および軽鎖の塩基配列とアミノ酸配列は、それぞれ次の配列番号の通りである。
重鎖
配列番号:120(塩基配列)
配列番号:121(アミノ酸配列)
軽鎖
配列番号:122(塩基配列)
配列番号:123(アミノ酸配列)
11.抗PLD4キメラ11G9抗体の重鎖の核酸配列 (1401bp) [大文字:キメラ11G9VH可変領域, 小文字: ヒトIgG1重鎖 定常領域](配列番号:120)
ATGAAAGTGTTGAGTCTGTTGTACCTGTTGACAGCCATTCCTGGTATCCTGTCTcagGTCCAACTGCAGCAGCCTGGGGCTGAACTGGTGAAGCCTGGGACTTCAGTGAAAATGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCGGGACAAGGCCTTGAGTGGATTGGAGATATTTATCCTGGTAGTGATAGTACTAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACACATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAACTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTACTGTGCAAGAGGAGGGTGGTTGGATGCTATGGACTACTGGGGTCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCAgctagcaccaagggcccatcggtcttccccctggcaccctcctccaagagcacctctgggggcacagcggccctgggctgcctggtcaaggactacttccccgaaccggtgacggtgtcgtggaactcaggcgccctgaccagcggcgtgcacaccttcccggctgtcctacagtcctcaggactctactccctcagcagcgtggtgaccgtgccctccagcagcttgggcacccagacctacatctgcaacgtgaatcacaagcccagcaacaccaaggtggacaagaaagttgagcccaaatcttgtgacaaaactcacacatgcccaccgtgcccagcacctgaactcctggggggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccctgaggtcaagttcaactggtacgtggacggcgtggaggtgcataatgccaagacaaagccgcgggaggagcagtacaacagcacgtaccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcctgcaccaggactggctgaatggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaagccctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaagccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggatgagctgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctatcccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacgcctcccgtgctggactccgacggctccttcttcctctacagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacgcagaagagcctctccctgtctccgggtaaatga
12.抗PLD4キメラ11G9抗体の重鎖のアミノ酸配列 (466a.a.) [大文字:キメラ11G9VH可変領域, 小文字: ヒトIgG1重鎖定常領域](配列番号:121)
MKVLSLLYLLTAIPGILSQVQLQQPGAELVKPGTSVKMSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGDIYPGSDSTNYNEKFKSKATLTVDTSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARGGWLDAMDYWGQGTSVTVSSastkgpsvfplapsskstsggtaalgclvkdyfpepvtvswnsgaltsgvhtfpavlqssglyslssvvtvpssslgtqtyicnvnhkpsntkvdkkvepkscdkthtcppcpapellggpsvflfppkpkdtlmisrtpevtcvvvdvshedpevkfnwyvdgvevhnaktkpreeqynstyrvvsvltvlhqdwlngkeykckvsnkalpapiektiskakgqprepqvytlppsrdeltknqvsltclvkgfypsdiavewesngqpennykttppvldsdgsfflyskltvdksrwqqgnvfscsvmhealhnhytqkslslspgk
13.抗PLD4キメラ11G9抗体の軽鎖の核酸配列 (705bp) [大文字:キメラ11G9VL可変領域, 小文字: ヒトIgκ軽鎖定常領域](配列番号:122)
ATGATGTCCTCTGCTCAGTTCCTTGGTCTCCTGTTGCTCTGTTTTCAAGGTACCAGATGTGATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGGGTAATACGCTTCCGTGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAAcgaactgtggctgcaccatctgtcttcatcttcccgccatctgatgagcagttgaaatctggaactgcctctgttgtgtgcctgctgaataacttctatcccagagaggccaaagtacagtggaaggtggataacgccctccaatcgggtaactcccaggagagtgtcacagagcaggacagcaaggacagcacctacagcctcagcagcaccctgacgctgagcaaagcagactacgagaaacacaaagtctacgcctgcgaagtcacccatcagggcctgagctcgcccgtcacaaagagcttcaacaggggagagtgctag
14.抗PLD4キメラ11G9抗体の軽鎖のアミノ酸配列 (234a.a.) [大文字:キメラ11G9VL可変領域, 小文字: ヒトIgκ軽鎖定常領域] (配列番号:123)
MMSSAQFLGLLLLCFQGTRCDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPWTFGGGTKLEIKrtvaapsvfifppsdeqlksgtasvvcllnnfypreakvqwkvdnalqsgnsqesvteqdskdstyslsstltlskadyekhkvyacevthqglsspvtksfnrgec
PLD4関連分子のcDNAとタンパク質配列

> ヒトPLD4 cDNA(1521bp)(配列番号:44)
ATGCTGAAGCCTCTTTGGAAAGCAGCAGTGGCCCCCACATGGCCATGCTCCATGCCGCCCCGCCGCCCGTGGGACAGAGAGGCTGGCACGTTGCAGGTCCTGGGAGCGCTGGCTGTGCTGTGGCTGGGCTCCGTGGCTCTTATCTGCCTCCTGTGGCAAGTGCCCCGTCCTCCCACCTGGGGCCAGGTGCAGCCCAAGGACGTGCCCAGGTCCTGGGAGCATGGCTCCAGCCCAGCTTGGGAGCCCCTGGAAGCAGAGGCCAGGCAGCAGAGGGACTCCTGCCAGCTTGTCCTTGTGGAAAGCATCCCCCAGGACCTGCCATCTGCAGCCGGCAGCCCCTCTGCCCAGCCTCTGGGCCAGGCCTGGCTGCAGCTGCTGGACACTGCCCAGGAGAGCGTCCACGTGGCTTCATACTACTGGTCCCTCACAGGGCCTGACATCGGGGTCAACGACTCGTCTTCCCAGCTGGGAGAGGCTCTTCTGCAGAAGCTGCAGCAGCTGCTGGGCAGGAACATTTCCCTGGCTGTGGCCACCAGCAGCCCGACACTGGCCAGGACATCCACCGACCTGCAGGTTCTGGCTGCCCGAGGTGCCCATGTACGACAGGTGCCCATGGGGCGGCTCACCAGGGGTGTTTTGCACTCCAAATTCTGGGTTGTGGATGGACGGCACATATACATGGGCAGTGCCAACATGGACTGGCGGTCTCTGACGCAGGTGAAGGAGCTTGGCGCTGTCATCTATAACTGCAGCCACCTGGCCCAAGACCTGGAGAAGACCTTCCAGACCTACTGGGTACTGGGGGTGCCCAAGGCTGTCCTCCCCAAAACCTGGCCTCAGAACTTCTCATCTCACTTCAACCGTTTCCAGCCCTTCCACGGCCTCTTTGATGGGGTGCCCACCACTGCCTACTTCTCAGCGTCGCCACCAGCACTCTGTCCCCAGGGCCGCACCCGGGACCTGGAGGCGCTGCTGGCGGTGATGGGGAGCGCCCAGGAGTTCATCTATGCCTCCGTGATGGAGTATTTCCCCACCACGCGCTTCAGCCACCCCCCGAGGTACTGGCCGGTGCTGGACAACGCGCTGCGGGCGGCAGCCTTCGGCAAGGGCGTGCGCGTGCGCCTGCTGGTCGGCTGCGGACTCAACACGGACCCCACCATGTTCCCCTACCTGCGGTCCCTGCAGGCGCTCAGCAACCCCGCGGCCAACGTCTCTGTGGACGTGAAAGTCTTCATCGTGCCGGTGGGGAACCATTCCAACATCCCATTCAGCAGGGTGAACCACAGCAAGTTCATGGTCACGGAGAAGGCAGCCTACATAGGCACCTCCAACTGGTCGGAGGATTACTTCAGCAGCACGGCGGGGGTGGGCTTGGTGGTCACCCAGAGCCCTGGCGCGCAGCCCGCGGGGGCCACGGTGCAGGAGCAGCTGCGGCAGCTCTTTGAGCGGGACTGGAGTTCGCGCTACGCCGTCGGCCTGGACGGACAGGCTCCGGGCCAGGACTGCGTTTGGCAGGGCTGA

>ヒト PLD4 タンパク質 (506アミノ酸) (配列番号:1)
MLKPLWKAAVAPTWPCSMPPRRPWDREAGTLQVLGALAVLWLGSVALICLLWQVPRPPTWGQVQPKDVPR
SWEHGSSPAWEPLEAEARQQRDSCQLVLVESIPQDLPSAAGSPSAQPLGQAWLQLLDTAQESVHVASYYW
SLTGPDIGVNDSSSQLGEALLQKLQQLLGRNISLAVATSSPTLARTSTDLQVLAARGAHVRQVPMGRLTR
GVLHSKFWVVDGRHIYMGSANMDWRSLTQVKELGAVIYNCSHLAQDLEKTFQTYWVLGVPKAVLPKTWPQ
NFSSHFNRFQPFHGLFDGVPTTAYFSASPPALCPQGRTRDLEALLAVMGSAQEFIYASVMEYFPTTRFSH
PPRYWPVLDNALRAAAFGKGVRVRLLVGCGLNTDPTMFPYLRSLQALSNPAANVSVDVKVFIVPVGNHSN
IPFSRVNHSKFMVTEKAAYIGTSNWSEDYFSSTAGVGLVVTQSPGAQPAGATVQEQLRQLFERDWSSRYA
VGLDGQAPGQDCVWQG

> カニクイザル PLD4 cDNA(1521bp) (配列番号:63)
ATGCTGAAGCCTCTTCGGAGAGCgGCAGTGACCCCCATGTGGCCGTGCTCCATGCTGCCCCGCCGCCTGTGGGACAGAGAGGCTGGCACGTTGCAGGTCCTGGGAGTGCTGGCTATGCTGTGGCTGGGCTCCATGGCTCTTACCTACCTCCTGTGGCAAGTGCGCCGTCCTCCCACCTGGGGCCAGGTGCAGCCCAAGGACGTGCCCAGGTCCTGGGGGCATGGTTCCAGCCCAGCTCTGGAGCCCCTGGAAGCGGAGGTCAGGAAGCAGAGGGACTCCTGCCAGCTTGTCCTTGTGGAAAGCATCCCCCAGGACCTGCCATTTGCAGCCGGCAGCCTCTCCGCCCAGCCTCTGGGCCAGGCCTGGCTGCAGCTGCTGGACACTGCCCAGGAGAGCGTCCACGTGGCTTCATACTACTGGTCCCTCACAGGGCCCGACATTGGGGTCAACGACTCATCTTCCCAGCTGGGAGAGGCCCTTCTGCAGAAGCTGCAGCAGCTGCTGGGCAGGAACATTTCCTTGGCTGTGGCCACCAGCAGTCCAACACTGGCCAGGAAGTCCACCGACCTGCAGGTCCTGGCTGCCCGAGGTGCCCAGGTACGACGGGTGCCCATGGGGCGGCTCACCAGGGGCGTTTTGCACTCCAAATTCTGGGTTGTGGATGGACgGCACATATACATGGGCAGTGCcAACATGGACTGGCGGTCCCTGACGCAGGTGAAGGAGCTTGGCGCTGTCATCTATAACTGCAGCCACCTGGCCCAAGACCTGGAGAAGACCTTCCAGACCTACTGGGTGCTGGGGGTGCCCAAGGCTGTCCTCCCCAAAACCTGGCCTCAGAACTTCTCATCTCACATCAACCGTTTCCAGCCCTTCCAGGGCCTCTTTGATGGGGTGCCCACCACTGCCTACTTCTCAGCATCGCCACCcGCACTCTGTCCCCAGGGCCGCACCCCTGACCTGGAGGCGCTGTTGGCGGTGATGGGGAGCGCCCAGGAGTTCATCTATGCCTCCGTGATGGAGTATTTCCCTACCACgCGCTTCAGCCACCCCCGCAGGTACTGGCCGGTGCTGGACAACGCGCTGCGGGCGGCAGCCTTCAGCAAGGGTGTGCGCGTGCGCCTGCTGGTCAGCTGCGGACTCAACACGGACCCCACCATGTTCCCCTATCTGCGGTCCCTGCAGGCGCTCAGCAACCCCGCGGCCAACGTCTCTGTGGACGTGAAAGTCTTCATCGTGCCGGTGGGGAATCATTCCAACATCCCGTTCAGCAGGGTGAACCACAGCAAGTTCATGGTCACGGAGAAGGCAGCCTACATAGGCACCTCCAACTGGTCGGAGGATTACTTCAGCAGCACGACGGGGGTGGGCCTGGTGGTCACCCAGAGCCCCGGCGCGCAGCCCGCGGGGGCCACGGTACAGGAGCAGCTGCGGCAGCTCTTTGAGCGGGACTGGAGTTCGCGCTACGCCGTCGGCCTGGACGGACAGGCTCCGGGCCAGGACTGCGTTTGGCAGGGCTGA

> カニクイザル PLD4 タンパク質 (506アミノ酸) (配列番号:129)
MLKPLRRAAVTPMWPCSMLPRRLWDREAGTLQVLGVLAMLWLGSMALTYLLWQVRRPPTWGQVQPKDVPRSWGHGSSPALEPLEAEVRKQRDSCQLVLVESIPQDLPFAAGSLSAQPLGQAWLQLLDTAQESVHVASYYWSLTGPDIGVNDSSSQLGEALLQKLQQLLGRNISLAVATSSPTLARKSTDLQVLAARGAQVRRVPMGRLTRGVLHSKFWVVDGRHIYMGSANMDWRSLTQVKELGAVIYNCSHLAQDLEKTFQTYWVLGVPKAVLPKTWPQNFSSHINRFQPFQGLFDGVPTTAYFSASPPALCPQGRTPDLEALLAVMGSAQEFIYASVMEYFPTTRFSHPRRYWPVLDNALRAAAFSKGVRVRLLVSCGLNTDPTMFPYLRSLQALSNPAANVSVDVKVFIVPVGNHSNIPFSRVNHSKFMVTEKAAYIGTSNWSEDYFSSTTGVGLVVTQSPGAQPAGATVQEQLRQLFERDWSSRYAVGLDGQAPGQDCVWQG

> アカゲザル PLD4 cDNA(1521bp) (配列番号:124)
ATGCTGAAGCCTCTTCGGAGAGCGGCAGTGACCCCCATGTGGCCGTGCTCCATGCTGCCCCGCCGCCTGTGGGACAGAGAGGCTGGCACGTTGCAGGTCCTGGGAGTGCTGGCTATGCTGTGGCTGGGCTCCATGGCTCTTACCTACCTCCTGTGGCAAGTGCGCTGTCCTCCCACCTGGGGCCAGGTGCAGCCCAGGGACGTGCCCAGGTCCTGGGGGCATGGTTCCAGCCTAGCTCTGGAGCCCCTGGAAGCGGAGGTCAGGAAGCAGAGGGACTCCTGCCAGCTTGTCCTTGTGGAAAGCATCCCCCAGGACCTGCCATTTGCAGCCGGCAGCCTCTCCGCCCAGCCTCTGGGCCAGGCCTGGCTGCAGCTGCTGGACACTGCCCAGGAGAGCGTCCACGTGGCTTCATACTACTGGTCCCTCACAGGGCCCGACATTGGGGTCAACGACTCATCTTCCCAGCTGGGAGAGGCCCTTCTGCAGAAGCTGCAGCAGCTGCTGGGCAGGAACATTTCCTTGGCTGTGGCCACCAGCAGTCCAACACTGGCCAGGAAGTCCACCGACCTGCAGGTCCTGGCTGCCCGAGGTGCCCAGGTACGACGGGTGCCCATGGGGCGGCTCACCAGGGGCGTTTTGCACTCCAAATTCTGGGTTGTGGATGGACGGCACATATACATGGGCAGTGCCAACATGGACTGGCGGTCCCTGACGCAGGTGAAGGAGCTTGGCGCTGTCATCTATAACTGCAGCCACCTGGCCCAAGACCTGGAGAAGACCTTCCAGACCTACTGGGTGCTGGGGGTGCCCAAGGCTGTCCTCCCCAAAACCTGGCCTCAGAACTTCTCATCTCACATCAACCGTTTCCAGCCCTTCCAGGGCCTCTTTGATGGGGTGCCCACCACTGCCTACTTCTCAGCATCGCCACCCGCACTCTGTCCCCAGGGCCGCACCCCTGACCTGGAGGCGCTGTTGGCGGTGATGGGGAGCGCCCAGGAGTTCATCTATGCCTCCGTGATGGAGTATTTCCCTACCACGCGCTTCAGCCACCCCCGCAGGTACTGGCCGGTGCTGGACAACGCGCTGCGGGCGGCAGCCTTCAGCAAGGGTGTGCGCGTGCGCCTGCTGGTCAGCTGCGGACTCAACACGGACCCCACCATGTTCCCCTATCTGCGGTCCCTGCAGGCGCTCAGCAACCCCGCGGCCAACGTCTCTGTGGACGTGAAAGTCTTCATCGTGCCGGTGGGGAATCATTCCAACATCCCGTTCAGCAGGGTGAACCACAGCAAGTTCATGGTCACGGAGAAGGCAGCCTACATAGGCACCTCCAACTGGTCGGAGGATTACTTCAGCAGCACGACGGGGGTGGGCCTGGTGGTCACCCAGAGCCCCGGCGCGCAGCCCGCGGGGGCCACGGTACAGGAGCAGCTGCGGCAGCTCTTTGAGCGGGACTGGAGTTCGCGCTACGCCGTCGGCCTGGACGGACAGGCTCCGGGCCAGGACTGCGTTTGGCAGGGCTGA

> アカゲザル PLD4 タンパク質 (506アミノ酸) (配列番号:130)
MLKPLRRAAVTPMWPCSMLPRRLWDREAGTLQVLGVLAMLWLGSMALTYLLWQVRCPPTWGQVQPRDVPRSWGHGSSLALEPLEAEVRKQRDSCQLVLVESIPQDLPFAAGSLSAQPLGQAWLQLLDTAQESVHVASYYWSLTGPDIGVNDSSSQLGEALLQKLQQLLGRNISLAVATSSPTLARKSTDLQVLAARGAQVRRVPMGRLTRGVLHSKFWVVDGRHIYMGSANMDWRSLTQVKELGAVIYNCSHLAQDLEKTFQTYWVLGVPKAVLPKTWPQNFSSHINRFQPFQGLFDGVPTTAYFSASPPALCPQGRTPDLEALLAVMGSAQEFIYASVMEYFPTTRFSHPRRYWPVLDNALRAAAFSKGVRVRLLVSCGLNTDPTMFPYLRSLQALSNPAANVSVDVKVFIVPVGNHSNIPFSRVNHSKFMVTEKAAYIGTSNWSEDYFSSTTGVGLVVTQSPGAQPAGATVQEQLRQLFERDWSSRYAVGLDGQAPGQDCVWQG

> マウス PLD4 cDNA(1512塩基対) (配列番号:131)
ATGGACAAGAAGAAAGAGCACCCAGAGATGCGGATACCACTCCAGACAGCAGTGGAGGTCTCTGATTGGCCCTGCTCCACATCTCATGATCCACATAGCGGACTTGGCATGGTACTGGGGATGCTAGCTGTACTGGGACTCAGCTCTGTGACTCTCATCTTGTTCCTGTGGCAAGGGGCCACTTCTTTCACCAGTCATCGGATGTTCCCTGAGGAAGTGCCCTCCTGGTCCTGGGAGACCCTGAAAGGAGACGCTGAGCAGCAGAATAACTCCTGTCAGCTCATCCTTGTGGAAAGCATCCCCGAGGACTTGCCATTTGCAGCTGGCAGCCCCACTGCCCAGCCCCTGGCCCAGGCTTGGCTGCAGCTTCTTGACACTGCTCGGGAGAGCGTCCACATTGCCTCGTACTACTGGTCCCTCACTGGACTGGACATTGGAGTCAATGACTCGTCTTCTCGGCAGGGAGAGGCCCTTCTACAGAAGTTCCAACAGCTTCTTCTCAGGAACATCTCTGTGGTGGTGGCCACCCACAGCCCAACATTGGCCAAGACATCCACTGACCTCCAGGTCTTGGCTGCCCATGGTGCCCAGATACGACAAGTGCCCATGAAACAGCTTACTGGGGGTGTTCTACACTCCAAATTCTGGGTTGTGGATGGGCGACACGTCTACGTGGGCAGCGCCAACATGGACTGGCGGTCCCTGACTCAGGTGAAGGAACTTGGTGCAATCATCTACAACTGCAGCAACCTGGCTCAAGACCTTGAGAAAACATTCCAGACCTACTGGGTGCTAGGGACTCCCCAAGCTGTTCTCCCTAAAACCTGGCCTCGGAACTTCTCATCCCACATCAACCGCTTCCATCCCTTGCGGGGTCCCTTTGATGGGGTTCCCACCACGGCCTATTTCTCGGCCTCCCCTCCCTCCCTCTGCCCGCATGGCCGGACCCGGGATCTGGACGCAGTGTTGGGAGTGATGGAGGGTGCTCGCCAGTTCATCTATGTCTCGGTGATGGAGTATTTCCCTACCACGCGCTTCACCCACCATGCCAGGTACTGGCCCGTGCTGGACAATGCGCTACGGGCAGCGGCCCTCAATAAGGGTGTGCATGTGCGCTTACTGGTCAGCTGCTGGTTCAACACAGACCCCACCATGTTCGCTTATCTGAGGTCCCTGCAGGCTTTCAGTAACCCCTCGGCTGGCATCTCAGTGGATGTGAAAGTCTTCATCGTGCCTGTGGGAAATCATTCCAACATCCCGTTCAGCCGCGTGAACCACAGCAAGTTCATGGTCACAGACAAGACAGCCTATGTAGGCACCTCTAACTGGTCAGAAGACTACTTCAGCCACACCGCTGGTGTGGGCCTGATTGTCAGCCAGAAGACCCCCAGAGCCCAGCCAGGCGCAACCACCGTGCAGGAGCAGCTGAGGCAACTCTTTGAACGAGACTGGAGTTCCCACTATGCTATGGACCTAGACAGACAAGTCCCGAGCCAGGACTGTGTCTGGTAG

> マウス PLD4 タンパク質 (503アミノ酸) (配列番号:132)
MDKKKEHPEMRIPLQTAVEVSDWPCSTSHDPHSGLGMVLGMLAVLGLSSVTLILFLWQGATSFTSHRMFPEEVPSWSWETLKGDAEQQNNSCQLILVESIPEDLPFAAGSPTAQPLAQAWLQLLDTARESVHIASYYWSLTGLDIGVNDSSSRQGEALLQKFQQLLLRNISVVVATHSPTLAKTSTDLQVLAAHGAQIRQVPMKQLTGGVLHSKFWVVDGRHVYVGSANMDWRSLTQVKELGAIIYNCSNLAQDLEKTFQTYWVLGTPQAVLPKTWPRNFSSHINRFHPLRGPFDGVPTTAYFSASPPSLCPHGRTRDLDAVLGVMEGARQFIYVSVMEYFPTTRFTHHARYWPVLDNALRAAALNKGVHVRLLVSCWFNTDPTMFAYLRSLQAFSNPSAGISVDVKVFIVPVGNHSNIPFSRVNHSKFMVTDKTAYVGTSNWSEDYFSHTAGVGLIVSQKTPRAQPGATTVQEQLRQLFERDWSSHYAMDLDRQVPSQDCVW

> ヒト PLD3 cDNA配列(配列番号:55)
ATGAAGCCTAAACTGATGTACCAGGAGCTGAAGGTGCCTGCAGAGGAGCCCGCCAATGAGCTGCCCATGAATGAGATTGAGGCGTGGAAGGCTGCGGAAAAGAAAGCCCGCTGGGTCCTGCTGGTCCTCATTCTGGCGGTTGTGGGCTTCGGAGCCCTGATGACTCAGCTGTTTCTATGGGAATACGGCGACTTGCATCTCTTTGGGCCCAACCAGCGCCCAGCCCCCTGCTATGACCCTTGCGAAGCAGTGCTGGTGGAAAGCATTCCTGAGGGCCTGGACTTCCCCAATGCCTCCACGGGGAACCCTTCCACCAGCCAGGCCTGGCTGGGCCTGCTCGCCGGTGCGCACAGCAGCCTGGACATCGCCTCCTTCTACTGGACCCTCACCAACAATGACACCCACACGCAGGAGCCCTCTGCCCAGCAGGGTGAGGAGGTCCTCCGGCAGCTGCAGACCCTGGCACCAAAGGGCGTGAACGTCCGCATCGCTGTGAGCAAGCCCAGCGGGCCCCAGCCACAGGCGGACCTGCAGGCTCTGCTGCAGAGCGGTGCCCAGGTCCGCATGGTGGACATGCAGAAGCTGACCCATGGCGTCCTGCATACCAAGTTCTGGGTGGTGGACCAGACCCACTTCTACCTGGGCAGTGCCAACATGGACTGGCGTTCACTGACCCAGGTCAAGGAGCTGGGCGTGGTCATGTACAACTGCAGCTGCCTGGCTCGAGACCTGACCAAGATCTTTGAGGCCTACTGGTTCCTGGGCCAGGCAGGCAGCTCCATCCCATCAACTTGGCCCCGGTTCTATGACACCCGCTACAACCAAGAGACACCAATGGAGATCTGCCTCAATGGAACCCCTGCTCTGGCCTACCTGGCGAGTGCGCCCCCACCCCTGTGTCCAAGTGGCCGCACTCCAGACCTGAAGGCTCTACTCAACGTGGTGGACAATGCCCGGAGTTTCATCTACGTCGCTGTCATGAACTACCTGCCCACTCTGGAGTTCTCCCACCCTCACAGGTTCTGGCCTGCCATTGACGATGGGCTGCGGCGGGCCACCTACGAGCGTGGCGTCAAGGTGCGCCTGCTCATCAGCTGCTGGGGACACTCGGAGCCATCCATGCGGGCCTTCCTGCTCTCTCTGGCTGCCCTGCGTGACAACCATACCCACTCTGACATCCAGGTGAAACTCTTTGTGGTCCCCGCGGATGAGGCCCAGGCTCGAATCCCATATGCCCGTGTCAACCACAACAAGTACATGGTGACTGAACGCGCCACCTACATCGGAACCTCCAACTGGTCTGGCAACTACTTCACGGAGACGGCGGGCACCTCGCTGCTGGTGACGCAGAATGGGAGGGGCGGCCTGCGGAGCCAGCTGGAGGCCATTTTCCTGAGGGACTGGGACTCCCCTTACAGCCATGACCTTGACACCTCAGCTGACAGCGTGGGCAACGCCTGCCGCCTGCTCTGA

> ヒト PLD3 タンパク質 (490アミノ酸) (配列番号:127)
MKPKLMYQELKVPAEEPANELPMNEIEAWKAAEKKARWVLLVLILAVVGFGALMTQLFLWEYGDLHLFGPNQRPAPCYDPCEAVLVESIPEGLDFPNASTGNPSTSQAWLGLLAGAHSSLDIASFYWTLTNNDTHTQEPSAQQGEEVLRQLQTLAPKGVNVRIAVSKPSGPQPQADLQALLQSGAQVRMVDMQKLTHGVLHTKFWVVDQTHFYLGSANMDWRSLTQVKELGVVMYNCSCLARDLTKIFEAYWFLGQAGSSIPSTWPRFYDTRYNQETPMEICLNGTPALAYLASAPPPLCPSGRTPDLKALLNVVDNARSFIYVAVMNYLPTLEFSHPHRFWPAIDDGLRRATYERGVKVRLLISCWGHSEPSMRAFLLSLAALRDNHTHSDIQVKLFVVPADEAQARIPYARVNHNKYMVTERATYIGTSNWSGNYFTETAGTSLLVTQNGRGGLRSQLEAIFLRDWDSPYSHDLDTSADSVGNACRLL

> ヒト PLD5 cDNA(1338塩基対) (配列番号:56)
ATGGGAGAGGATGAGGATGGACTCTCAGAAAAAAATTGCCAAAATAAATGTCGAATTGCCCTGGTGGAAAATATTCCTGAAGGCCTTAACTATTCAGAAAATGCACCATTTCACTTATCACTTTTCCAAGGCTGGATGAATTTACTCAACATGGCCAAAAAGTCTGTTGACATAGTGTCTTCCCATTGGGATCTCAACCACACTCATCCATCAGCATGTCAGGGTCAACGTCTTTTTGAAAAGTTGCTCCAGCTGACTTCGCAAAATATTGAAATCAAGCTAGTGAGTGATGTAACAGCTGATTCAAAGGTATTAGAAGCCTTGAAATTAAAGGGAGCCGAGGTGACGTACATGAACATGACCGCTTACAACAAGGGCCGGCTGCAGTCCTCCTTCTGGATCGTGGACAAACAGCACGTGTATATCGGCAGTGCCGGTTTGGACTGGCAATCCCTGGGACAGATGAAAGAACTCGGTGTCATCTTCTACAACTGCAGCTGCCTGGTCCTAGATTTACAAAGGATATTTGCTCTATATAGTTCATTAAAATTCAAAAGCAGAGTGCCTCAAACCTGGTCCAAAAGACTCTATGGAGTCTATGACAATGAAAAGAAATTGCAACTTCAGTTGAATGAAACCAAATCTCAAGCATTTGTATCGAATTCTCCAAAACTCTTTTGCCCTAAAAACAGAAGTTTTGACATAGATGCCATCTACAGTGTGATAGATGATGCCAAGCAGTATGTGTACATCGCTGTCATGGACTACCTGCCTATCTCCAGCACAAGCACCAAAAGGACTTACTGGCCAGACTTGGATGCAAAAATAAGAGAAGCATTAGTTTTACGAAGCGTTAGAGTTCGACTCCTTTTAAGCTTCTGGAAGGAAACTGATCCCCTTACGTTTAACTTTATTTCATCTCTTAAAGCGATTTGCACTGAAATAGCCAACTGCAGTTTGAAAGTTAAATTTTTTGATCTGGAAAGAGAGAATGCTTGTGCTACAAAAGAACAAAAGAATCACACCTTTCCTAGGTTAAATCGCAACAAGTACATGGTGACAGATGGAGCAGCTTATATTGGAAATTTTGATTGGGTAGGGAATGATTTCACTCAGAATGCTGGCACGGGCCTTGTTATCAACCAGGCAGATGTGAGGAACAACAGAAGCATCATTAAGCAACTTAAAGATGTGTTTGAAAGGGACTGGTATTCACCGTATGCCAAAACCTTACAGCCAACCAAACAGCCGAACTGCTCAAGCCTGTTCAAACTCAAACCCCTCTCCAACAAAACTGCCACAGACGACACAGGCGGAAAGGATCCCCGGAACGTATGA

> ヒト PLD5 タンパク質 (445アミノ酸) (配列番号:128)
MGEDEDGLSEKNCQNKCRIALVENIPEGLNYSENAPFHLSLFQGWMNLLNMAKKSVDIVSSHWDLNHTHPSACQGQRLFEKLLQLTSQNIEIKLVSDVTADSKVLEALKLKGAEVTYMNMTAYNKGRLQSSFWIVDKQHVYIGSAGLDWQSLGQMKELGVIFYNCSCLVLDLQRIFALYSSLKFKSRVPQTWSKRLYGVYDNEKKLQLQLNETKSQAFVSNSPKLFCPKNRSFDIDAIYSVIDDAKQYVYIAVMDYLPISSTSTKRTYWPDLDAKIREALVLRSVRVRLLLSFWKETDPLTFNFISSLKAICTEIANCSLKVKFFDLERENACATKEQKNHTFPRLNRNKYMVTDGAAYIGNFDWVGNDFTQNAGTGLVINQADVRNNRSIIKQLKDVFERDWYSPYAKTLQPTKQPNCSSLFKLKPLSNKTATDDTGGKDPRNV

> ヒト PLD4−Ig 融合タンパク質 cDNA(2142bp) (配列番号:125)
ATGGAGTTTCAGACCCAGGTCTTTGTATTCGTGTTGCTCTGGTTGTCTGGTGTTGATGGAgattacaaggatgacgacgataaaGGATCCcccagagggcccacaatcaagccctgtcctccatgcaaatgcccagcacctaacctcttgggtggaccatccgtcttcatcttccctccaaagatcaaggatgtactcatgatctccctgagccccatagtcacatgtgtggtggtggatgtgagcgaggatgacccagatgtccagatcagctggtttgtgaacaacgtggaagtacacacagctcagacacaaacccatagagaggattacaacagtactctccgggtggtcagtgccctccccatccagcaccaggactggatgagtggcaaggagttcaaatgcaaggtcaacaacaaagacctcccagcgcccatcgagagaaccatctcaaaacccaaagggtcagtaagagctccacaggtatatgtcttgcctccaccagaagaagagatgactaagaaacaggtcactctgacctgcatggtcacagacttcatgcctgaagacatttacgtggagtggaccaacaacgggaaaacagagctaaactacaagaacactgaaccagtcctggactctgatggttcttacttcatgtacagcaagctgagagtggaaaagaagaactgggtggaaagaaatagctactcctgttcagtggtccacgagggtctgcacaatcaccacacgactaagagcttctcccggactccgggtaaaCGTCCTCCCACCTGGGGCCAGGTGCAGCCCAAGGACGTGCCCAGGTCCTGGGAGCATGGCTCCAGCCCAGCTTGGGAGCCCCTGGAAGCAGAGGCCAGGCAGCAGAGGGACTCCTGCCAGCTTGTCCTTGTGGAAAGCATCCCCCAGGACCTGCCATCTGCAGCCGGCAGCCCCTCTGCCCAGCCTCTGGGCCAGGCCTGGCTGCAGCTGCTGGACACTGCCCAGGAGAGCGTCCACGTGGCTTCATACTACTGGTCCCTCACAGGGCCTGACATCGGGGTCAACGACTCGTCTTCCCAGCTGGGAGAGGCTCTTCTGCAGAAGCTGCAGCAGCTGCTGGGCAGGAACATTTCCCTGGCTGTGGCCACCAGCAGCCCGACACTGGCCAGGACATCCACCGACCTGCAGGTTCTGGCTGCCCGAGGTGCCCATGTACGACAGGTGCCCATGGGGCGGCTCACCAGGGGTGTTTTGCACTCCAAATTCTGGGTTGTGGATGGACGGCACATATACATGGGCAGTGCCAACATGGACTGGCGGTCTCTGACGCAGGTGAAGGAGCTTGGCGCTGTCATCTATAACTGCAGCCACCTGGCCCAAGACCTGGAGAAGACCTTCCAGACCTACTGGGTACTGGGGGTGCCCAAGGCTGTCCTCCCCAAAACCTGGCCTCAGAACTTCTCATCTCACTTCAACCGTTTCCAGCCCTTCCACGGCCTCTTTGATGGGGTGCCCACCACTGCCTACTTCTCAGCGTCGCCACCAGCACTCTGTCCCCAGGGCCGCACCCGGGACCTGGAGGCGCTGCTGGCGGTGATGGGGAGCGCCCAGGAGTTCATCTATGCCTCCGTGATGGAGTATTTCCCCACCACGCGCTTCAGCCACCCCCCGAGGTACTGGCCGGTGCTGGACAACGCGCTGCGGGCGGCAGCCTTCGGCAAGGGCGTGCGCGTGCGCCTGCTGGTCGGCTGCGGACTCAACACGGACCCCACCATGTTCCCCTACCTGCGGTCCCTGCAGGCGCTCAGCAACCCCGCGGCCAACGTCTCTGTGGACGTGAAAGTCTTCATCGTGCCGGTGGGGAACCATTCCAACATCCCATTCAGCAGGGTGAACCACAGCAAGTTCATGGTCACGGAGAAGGCAGCCTACATAGGCACCTCCAACTGGTCGGAGGATTACTTCAGCAGCACGGCGGGGGTGGGCTTGGTGGTCACCCAGAGCCCTGGCGCGCAGCCCGCGGGGGCCACGGTGCAGGAGCAGCTGCGGCAGCTCTTTGAGCGGGACTGGAGTTCGCGCTACGCCGTCGGCCTGGACGGACAGGCTCCGGGCCAGGACTGCGTTTGGCAGGGCTGA

> ヒト PLD4−Ig 融合タンパク質(713アミノ酸) (配列番号:126)
MEFQTQVFVFVLLWLSGVDGDYKDDDDKGSPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGKRPPTWGQVQPKDVPRSWEHGSSPAWEPLEAEARQQRDSCQLVLVESIPQDLPSAAGSPSAQPLGQAWLQLLDTAQESVHVASYYWSLTGPDIGVNDSSSQLGEALLQKLQQLLGRNISLAVATSSPTLARTSTDLQVLAARGAHVRQVPMGRLTRGVLHSKFWVVDGRHIYMGSANMDWRSLTQVKELGAVIYNCSHLAQDLEKTFQTYWVLGVPKAVLPKTWPQNFSSHFNRFQPFHGLFDGVPTTAYFSASPPALCPQGRTRDLEALLAVMGSAQEFIYASVMEYFPTTRFSHPPRYWPVLDNALRAAAFGKGVRVRLLVGCGLNTDPTMFPYLRSLQALSNPAANVSVDVKVFIVPVGNHSNIPFSRVNHSKFMVTEKAAYIGTSNWSEDYFSSTAGVGLVVTQSPGAQPAGATVQEQLRQLFERDWSSRYAVGLDGQAPGQDCVWQG
NITE BP−1211
NITE BP−1212
NITE BP−1213
NITE BP−1214
配列番号45:フォワードプライマー
配列番号46:リバースプライマー
配列番号47:フォワードプライマー
配列番号48:リバースプライマー
配列番号49:フォワードプライマー
配列番号50:リバースプライマー
配列番号51:フォワードプライマー
配列番号52:リバースプライマー
配列番号53:フォワードプライマー
配列番号54:リバースプライマー
配列番号70:アンカープライマー
配列番号70:nはデオキシイノシンである
配列番号71:AUAPプライマー
配列番号72:プライマー
配列番号73:プライマー
配列番号114:プライマー
配列番号115:プライマー
配列番号116:プライマー
配列番号117:プライマー
配列番号118:プライマー
配列番号119:プライマー

Claims (15)

  1. ヒト形質細胞様樹状細胞表面のヒトホスホリパーゼD4(PLD4)タンパク質に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合領域を含む断片であって、CDR移植抗体、シングルチェインFv、線状抗体、又は多特異性抗体である、抗体またはその断片。
  2. a)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SYWMH(配列番号:2)、CDR2として配列DIYPGSDSTNYNEKFKS(配列番号:3)およびCDR3としてGGWLDAMDY(配列番号:4)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASQDISNYLN(配列番号:5)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:6)およびCDR3として配列QQGNTLPW(配列番号:7)を有する;
    b)重鎖の可変領域に、CDR1として配列TYWMH(配列番号:8)、CDR2として配列AIYPGNSETSYNQKFKG(配列番号:9)および配列CDR3としてGYSDFDY(配列番号:10)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列HASQGIRSNIG(配列番号:11)、CDR2として配列HGTNLED(配列番号:12)およびCDR3として配列VQYVQFP(配列番号:13)を有する;
    c)重鎖の可変領域に、CDR1として配列DYNLH(配列番号:14)、CDR2として配列YIYPYNGNTGYNQKFKR(配列番号:15)およびCDR3として配列GGIYDDYYDYAIDY(配列番号:16)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASENIYSHIA(配列番号:17)、CDR2として配列GATNLAH(配列番号:18)およびCDR3として配列QHFWGTP(配列番号:19)を有する;
    d)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SYYLY(配列番号:20)、CDR2として配列LINPTNSDTIFNEKFKS(配列番号:21)およびCDR3としてEGGYGYGPFAY(配列番号:22)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列TSSQTLVHSNGNTYLH(配列番号:23)、CDR2として配列KVSNRFS(配列番号:24)およびCDR3として配列HSTHVP(配列番号:25)を有する;
    e)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SYGMS(配列番号:26)、CDR2として配列TISSGGSYIYYPESVKG(配列番号:27)およびCDR3として配列LYGGRRGYGLDY(配列番号:28)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RSSKSLLHSDGITYLY(配列番号:29)、CDR2として配列QMSNLAS(配列番号:30)およびCDR3として配列AQNLEL(配列番号:31)を有する;
    f)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SHYYWT(配列番号:32)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:33)およびCDR3として配列EGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:34)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:35)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:36)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:37)を有する;又は
    g)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SHYYWS(配列番号:38)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:39)およびCDR3として配列EGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:40)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:41)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:42)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:43)を有する、
    請求項1に記載の抗体またはその抗原結合領域を含む断片。
  3. それぞれ、受託番号NITE BP−1211、NITE BP−1212、NITE BP−1213およびNITE BP−1214として寄託された、ハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4およびmp13H11のいずれかが産生するモノクローナル抗体のCDR移植抗体、シングルチェインFv、線状抗体、又は多特異性抗体である、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合領域を含む断片。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合領域を含む断片をコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
  5. ヒト形質細胞様樹状細胞表面のヒトホスホリパーゼD4(PLD4)タンパク質に結合する抗体またはその抗原結合領域を含む断片をコードする核酸配列を含む、ポリヌクレオチド。
  6. 前記抗体またはその抗原結合領域を含む断片が、
    a)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SYWMH(配列番号:2)、CDR2として配列DIYPGSDSTNYNEKFKS(配列番号:3)およびCDR3としてGGWLDAMDY(配列番号:4)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASQDISNYLN(配列番号:5)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:6)およびCDR3として配列QQGNTLPW(配列番号:7)を有する;
    b)重鎖の可変領域に、CDR1として配列TYWMH(配列番号:8)、CDR2として配列AIYPGNSETSYNQKFKG(配列番号:9)および配列CDR3としてGYSDFDY(配列番号:10)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列HASQGIRSNIG(配列番号:11)、CDR2として配列HGTNLED(配列番号:12)およびCDR3として配列VQYVQFP(配列番号:13)を有する;
    c)重鎖の可変領域に、CDR1として配列DYNLH(配列番号:14)、CDR2として配列YIYPYNGNTGYNQKFKR(配列番号:15)およびCDR3として配列GGIYDDYYDYAIDY(配列番号:16)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASENIYSHIA(配列番号:17)、CDR2として配列GATNLAH(配列番号:18)およびCDR3として配列QHFWGTP(配列番号:19)を有する;
    d)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SYYLY(配列番号:20)、CDR2として配列LINPTNSDTIFNEKFKS(配列番号:21)およびCDR3としてEGGYGYGPFAY(配列番号:22)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列TSSQTLVHSNGNTYLH(配列番号:23)、CDR2として配列KVSNRFS(配列番号:24)およびCDR3として配列HSTHVP(配列番号:25)を有する;
    e)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SYGMS(配列番号:26)、CDR2として配列TISSGGSYIYYPESVKG(配列番号:27)およびCDR3として配列LYGGRRGYGLDY(配列番号:28)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RSSKSLLHSDGITYLY(配列番号:29)、CDR2として配列QMSNLAS(配列番号:30)およびCDR3として配列AQNLEL(配列番号:31)を有する;
    f)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SHYYWT(配列番号:32)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:33)およびCDR3として配列EGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:34)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:35)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:36)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:37)を有する;又は
    g)重鎖の可変領域に、CDR1として配列SHYYWS(配列番号:38)、CDR2として配列YISYDGSNNYNPSLKN(配列番号:39)およびCDR3として配列EGPLYYGNPYWYFDV(配列番号:40)を有し、軽鎖の可変領域に、CDR1として配列RASQDIDNYLN(配列番号:41)、CDR2として配列YTSRLHS(配列番号:42)およびCDR3として配列QQFNTLP(配列番号:43)を有する、
    請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  7. 前記抗体またはその抗原結合領域を含む断片が、それぞれ受託番号NITE BP−1211、NITE BP−1212、NITE BP−1213およびNITE BP−1214として寄託された、ハイブリドーマmp5B7、mp7B4、mp13D4およびmp13H11のいずれかが産生するモノクローナル抗体またはその抗原結合領域を含む断片である、請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  8. 前記抗体またはその抗原結合領域を含む断片が、キメラ化またはヒト化抗体又はその抗原結合領域を含む断片である、請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  9. 前記抗体またはその抗原結合領域を含む断片が、更にキメラ化またはヒト化されている抗体又はその抗原結合領域を含む断片である、請求項6又は7に記載のポリヌクレオチド。
  10. 請求項4〜9のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  11. 請求項10に記載の発現ベクターを導入した宿主細胞。
  12. 請求項11に記載の宿主細胞を培養して、その培養物から抗体又はその抗原結合領域を含む断片を回収する、ヒトPLD4の細胞外ドメインに結合する抗体又はその抗原結合領域を含む断片の製造方法。
  13. 前記抗体又はその抗原結合領域を含む断片の重鎖の糖鎖を改変し、抗体依存性の細胞障害(ADCC)活性を増強した抗体又はその抗原結合領域を含む断片を得る工程を含む、請求項12に記載の製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の製造方法により製造された、抗体又はその抗原結合領域を含む断片。
  15. 請求項4〜9のいずれかに記載のポリヌクレオチド又は請求項10に記載の発現ベクターを生体に投与する、生体中のpDCの活性を抑制する方法。
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