JP2021019539A - 核酸検出方法及びキット - Google Patents
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Abstract
【課題】核酸を高度に増幅する操作を要することなく、ELISA法のような一般的に使用されている検出法で、特別な技術を必要とすることなく、簡単な操作で、迅速に、高感度で標的の核酸を検出できる方法及びキットを提供する。【解決手段】検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブを用意し、増感プローブの複数個を核酸にハイブリダイズさせ、増感プローブをマーカーとして核酸を検出する。反復配列は、A、G、T及びCからなる群またはA、G、U及びCからなる群より選ばれた4乃至10塩基からなる配列であることが好ましい。検出しようとする核酸は固相に捕捉しておくことが好ましい。増感プローブの核酸配列の一部と相補的な核酸配列及びELISA法で検出可能な物質を備えた検出プローブを、増感プローブにハイブリダイズさせた後、この検出プローブをELISA法により検出してもよい。【選択図】図1
Description
本発明は、核酸を高度に増幅する操作を要することなく、高感度で標的の核酸を検出できる方法及びキットに関する。
核酸の検出方法としては、従来、PCR(polymerase chain reaction)法をはじめとする核酸増幅法が一般的に使用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
しかし、かかる核酸増幅法は、核酸増幅のために、熱変性、アニーリング、伸長反応といった工程を行う必要があり、各工程を異なる温度で実施する必要があるため、温度を上下させるための専用装置が必要であり、かつ、伸長工程では、特殊な核酸増幅酵素(ポリメラーゼ)を用意する必要がある。
また、増幅した核酸は、検出するために電気泳動に供することが必要であり、増幅後すぐに結果を確認することは困難であり、測定の迅速性に欠ける。蛍光分子と専用プローブを利用したリアルタイム核酸増幅法も存在するが、蛍光測定機能を備えた専用核酸増幅機器が必要になる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、核酸を高度に増幅する操作を要することなく、酵素標識抗体を用いたELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)法のような一般的に使用されている検出法で、特別な技術を必要とすることなく、簡単な操作で、迅速に、高感度で標的の核酸を検出できる方法及びキットを提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究した結果、検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブを用意し、検出しようとする核酸に該増感プローブの複数個をハイブリダイズさせた後、該増感プローブをマーカーとして検出することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一の局面は、検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブを用意し、前記増感プローブの複数個を前記核酸にハイブリダイズさせ、前記増感プローブをマーカーとして前記核酸を検出する、核酸の検出方法を提供するものである。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記反復配列は、A、G、T及びCからなる群またはA、G、U及びCからなる群より選ばれた4乃至6塩基からなる配列である。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、検出しようとする核酸は固相に捕捉されている。さらに好ましい実施形態によれば、検出しようとする核酸に特異的な核酸配列に相補的な核酸配列を備えた捕捉プローブを固相に固定させておき、検出しようとする核酸は、前記捕捉プローブにハイブリダイズさせることにより前記固相に捕捉されている。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、上記増感プローブをELISA法又はRIA法により検出する。
さらに好ましい実施形態によれば、上記増感プローブは、ELISA法又はRIA(Radioimmunoassay)法で検出可能な物質を備えている。さらに好ましい実施形態によれば、上記増感プローブの核酸配列の一部と相補的な核酸配列及びELISA法で検出可能な物質を備えた検出プローブを、上記増感プローブにハイブリダイズさせた後、上記検出プローブをELISA法により検出する。さらに好ましい実施形態によれば、上記増感プローブはA、G、T及びCからなる群またはA、G、U及びCからなる群より選ばれた1乃至4塩基からなる塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列を備え、上記検出プローブは上記増感プローブの上記繰り返し配列に相補的な配列を備える。さらに好ましい実施形態によれば、上記増感プローブはpolyT配列を備え、上記検出プローブはpolyA配列を備える。さらに好ましい実施形態によれば、上記検出プローブは、ELISA法で検出可能な標識物質を備え、上記標識物質をALP(Alkaline Phosphatase)標識された抗標識物質抗体を使用したELISA法により検出する。さらに好ましい実施形態によれば、上記検出プローブの標識物質がFITC(Fluorescein isothiocyanate)であり、上記FITCをALP標識された抗FITC抗体を使用したELISA法により検出する。
また、本発明の他の局面は、検出しようとする核酸に特異的な塩基配列に相補的な塩基配列を備えた捕捉プローブと、
検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブと、
前記捕捉プローブ及び前記増感プローブがハイブリダイズした核酸の前記増感プローブを検出するシステムと、
を備えた核酸の検出用キットを提供するものである。
検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブと、
前記捕捉プローブ及び前記増感プローブがハイブリダイズした核酸の前記増感プローブを検出するシステムと、
を備えた核酸の検出用キットを提供するものである。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記検出用キットは、さらに、上記捕捉プローブを固定するための固相を備える、さらに好ましい実施形態によれば、上記捕捉プローブは予め固相に固定されている。
本発明によれば、増感プローブが検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えるため、検出しようとする核酸1分子を複数個の検出プローブで標識することができ、検出しようとする核酸が少量でも感度を増幅した検出が可能となる。したがって、核酸を高度に増幅する操作を要することなく、酵素標識抗体を用いたELISA法のような一般的に使用されている検出法で、特別な技術を必要とすることなく、簡単な操作で、迅速に、高感度で標的の核酸を検出できる
検出する核酸
本発明で検出する標的核酸としては、RNA及びDNAが挙げられ、具体的には、ウイルス、細菌、及びその他の生体試料に由来するものが挙げられる。被験試料がウイルス、細菌、及びその他の生体試料である場合、本発明による検出に先立ち、十分な量の標的核酸を生体外に排出させるために、生体試料を公知の方法で前処理しておくことが好ましい。標的核酸が一本鎖DNAやRNAの場合は変性処理することなくそのまま本発明による検出に供することができる。標的核酸が二本鎖DNAの場合は、変性処理を施すことにより一本鎖DNAにした後、本発明による検出に供される。この変性処理としては、熱処理、塩処理(グアニジン酸処理など)、界面活性剤処理、酵素処理などが挙げられるが、その後の反応を考慮すると、熱処理が好ましい。また、DNA又はRNAから、反復配列を多く含む領域を制限酵素などで切り出し、この切り出した断片を本発明による検出に供することにより、さらに高感度化を図ることもできる。なお、本明細書において、本発明で検出する核酸を、「検出しようとする核酸」、「標的核酸」又は単に「検体」ということもある。
本発明で検出する標的核酸としては、RNA及びDNAが挙げられ、具体的には、ウイルス、細菌、及びその他の生体試料に由来するものが挙げられる。被験試料がウイルス、細菌、及びその他の生体試料である場合、本発明による検出に先立ち、十分な量の標的核酸を生体外に排出させるために、生体試料を公知の方法で前処理しておくことが好ましい。標的核酸が一本鎖DNAやRNAの場合は変性処理することなくそのまま本発明による検出に供することができる。標的核酸が二本鎖DNAの場合は、変性処理を施すことにより一本鎖DNAにした後、本発明による検出に供される。この変性処理としては、熱処理、塩処理(グアニジン酸処理など)、界面活性剤処理、酵素処理などが挙げられるが、その後の反応を考慮すると、熱処理が好ましい。また、DNA又はRNAから、反復配列を多く含む領域を制限酵素などで切り出し、この切り出した断片を本発明による検出に供することにより、さらに高感度化を図ることもできる。なお、本明細書において、本発明で検出する核酸を、「検出しようとする核酸」、「標的核酸」又は単に「検体」ということもある。
捕捉プローブ
検出しようとする核酸が、例えば生体試料などの被験試料中に他の夾雑物とともに少量しか含まれていない場合は、当該核酸を予め単離しておくことが好ましい。かかる核酸の単離は、例えば、当該核酸に特異的な塩基配列に相補的な塩基配列を備えた捕捉プローブを用いて捕捉することで行うことができる。捕捉プローブが備える上記相補的な塩基配列が検出しようとする核酸の上記特異的な塩基配列にハイブリダイズすることにより、当該核酸を当該捕捉プローブによって捕捉し単離することができる。
検出しようとする核酸が、例えば生体試料などの被験試料中に他の夾雑物とともに少量しか含まれていない場合は、当該核酸を予め単離しておくことが好ましい。かかる核酸の単離は、例えば、当該核酸に特異的な塩基配列に相補的な塩基配列を備えた捕捉プローブを用いて捕捉することで行うことができる。捕捉プローブが備える上記相補的な塩基配列が検出しようとする核酸の上記特異的な塩基配列にハイブリダイズすることにより、当該核酸を当該捕捉プローブによって捕捉し単離することができる。
検出しようとする核酸に特異的な塩基配列としては、検出系の特異性が確保できれば特に限定されるものではないが、一般的には検出しようとする核酸の塩基配列中の連続する20乃至30塩基からなる部分が選択される。また、検出しようとする核酸に特異的な塩基配列は、その後実施される増感プローブとの反応条件や、さらにその後に実施される増感プローブと各種試薬との反応条件、例えば、増感プローブのpolyT配列に対する反応条件や、その後実施される増感プローブのELISA等による検出時の反応条件、特に温度条件においても、解離することが無い塩基配列を選択することが必要である。これらの一連の反応のなかで、検出しようとする核酸と捕捉プローブとの反応のみをもって、検出対象に対する特異性を担保しており、当該核酸と捕捉プローブとのハイブリダイズ条件は他の反応条件と比べて厳しい条件とする必要がある。両者がハイブリダイズする塩基配列の長さを調節することにより、ハイブリダイズ条件の強弱を調節することができ、上記のように検出しようとする核酸に特異的な塩基配列が20乃至30塩基からなる塩基配列を備えていれば、当該核酸と捕捉プローブとが容易に解離することはないと考えられる。
検出しようとする核酸の単離操作を容易にするために、捕捉プローブは、固相に固定しておくことが好ましい。捕捉プローブの固相への固定化方法としては、例えば、固相表面の官能基を介した化学結合や、捕捉プローブの末端をビオチン標識し、固相に固定化したストレプトアビジンと結合させる方法などが挙げられる。
固相としては、ELISAプレート及びその他のマイクロプレートなどの反応容器や、ポリスチレンビーズ、アガロースビーズ、磁性ビーズなどのビーズ、ラテックス粒子などを任意に使用することができる。続いて実施される反応における洗浄工程など他の工程を考慮した選択が可能である。
増感プローブ
本発明で使用する増感プローブは、検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備え、その結果、当該反復配列の箇所で当該核酸にハイブリダイズして結合できるものであれば、特に限定されるものではない。本発明において、反復配列とは、検出しようとする核酸の塩基配列中で連続的又は間欠的に複数回出現する塩基配列の繰り返し単位を意味する。反復配列の塩基配列、塩基数及び出現回数は特に限定されないが、増感性の点から、検出しようとする核酸における出現頻度の高い反復配列が好ましい。同様に、増感性の点から、反復配列は、4乃至10塩基からなる配列であることが好ましく、更に好ましくは4乃至6塩基からなる配列である。なお、検出しようとする核酸がDNAである場合、反復配列は、A、G、T及びCからなる群より選ばれた複数塩基、好ましくは4乃至10塩基からなる配列であり、検出しようとする核酸がRNAである場合、反復配列は、A、G、U及びCからなる群より選ばれた複数塩基、好ましくは4乃至10塩基からなる配列である。
本発明で使用する増感プローブは、検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備え、その結果、当該反復配列の箇所で当該核酸にハイブリダイズして結合できるものであれば、特に限定されるものではない。本発明において、反復配列とは、検出しようとする核酸の塩基配列中で連続的又は間欠的に複数回出現する塩基配列の繰り返し単位を意味する。反復配列の塩基配列、塩基数及び出現回数は特に限定されないが、増感性の点から、検出しようとする核酸における出現頻度の高い反復配列が好ましい。同様に、増感性の点から、反復配列は、4乃至10塩基からなる配列であることが好ましく、更に好ましくは4乃至6塩基からなる配列である。なお、検出しようとする核酸がDNAである場合、反復配列は、A、G、T及びCからなる群より選ばれた複数塩基、好ましくは4乃至10塩基からなる配列であり、検出しようとする核酸がRNAである場合、反復配列は、A、G、U及びCからなる群より選ばれた複数塩基、好ましくは4乃至10塩基からなる配列である。
4乃至10塩基からなる配列は、例えば、検出しようとする核酸の塩基配列を予め解析することにより決定することができる。具体的には、検出しようとする核酸の塩基配列の中の連続する4乃至10塩基からなる各配列の出現頻度を計算して、出現頻度の高い配列に対して相補的な塩基配列を増感プローブの反復配列として選択することができる。
また、連続する4乃至10塩基からなる各配列の出現頻度を計算して出現頻度の高い反復配列を複数抽出した後に、検出しようとする核酸における前記反復配列の出現位置を検討することにより、増感プローブのハイブリダイズにおける立体障害や非特異的ハイブリダイズが少ない反復配列を選択することもできる。また、反復配列は、検出しようとする核酸の塩基配列とのハイブリダイズ効率や解離温度条件を考慮して選択することが好ましい。反復配列の最適な実施形態は、検出しようとする核酸において出現頻度が高く、かつ、続いて実施される増感プローブのELISA等による検出時の反応温度においても解離しない塩基配列を備える反復配列である。
本発明は、増感プローブをマーカーとして標的核酸を検出するので、増感プローブは標的核酸に結合するための反復配列に加えて、何らかの手段で検出可能な標識物質と結合しているか、かかる標識物質と結合可能に構成されている必要がある。かかる標識物質としては、代表的にはジゴキシンやFITCのようなELISA法で検出可能な低分子化合物、タンパク質等の物質が挙げられる。当該標識物質は、検出時に増感プローブに結合可能に構成された検出プローブであってもよく、例えば、増感プローブとハイブリダイズできるように、増感プローブの核酸配列の一部と相補的な核酸配列を備えるとともに、ELISA法で検出可能な物質を備えたものが挙げられる。増感プローブが単一塩基の繰り返し配列(例えば、polyT配列)を備え、検出プローブが増感プローブの上記繰り返し配列に相補的な配列(例えば、polyA配列)を備えると、検出プローブを増感プローブに容易にハイブリダイズさせることができるので、好ましい。
核酸の検出方法
図1に、本発明の核酸の検出方法の一実施形態を示す。この実施形態では、本発明の核酸の検出方法は、標的核酸の捕捉工程(以下、「第一工程」ともいう)、標的核酸への増感プローブの結合工程(以下、「第二工程」ともいう)、及び、標的核酸の検出工程(以下、「第三工程」ともいう)の3つの工程から構成される。
図1に、本発明の核酸の検出方法の一実施形態を示す。この実施形態では、本発明の核酸の検出方法は、標的核酸の捕捉工程(以下、「第一工程」ともいう)、標的核酸への増感プローブの結合工程(以下、「第二工程」ともいう)、及び、標的核酸の検出工程(以下、「第三工程」ともいう)の3つの工程から構成される。
標的核酸の捕捉工程(第一工程)は以下のようにして行われる。まず、標的核酸に特異的な塩基配列に対して相補的な塩基配列を備えた合成DNAにビオチンを結合させた捕捉プローブを用意するとともに、ストレプトアビジンを公知の方法で表面に固相化した96ウェルマイクロプレートを固相として用意する。そして、公知の方法に従い、捕捉プローブをビオチン−アビジン結合により、96ウェルマイクロプレートの表面に固定する。そして、このマイクロプレートの表面に、被験試料を滴下してインキュベートした後、マイクロプレートの表面を洗浄する。被験試料に標的核酸が含まれる場合、この核酸の上記特異的な塩基配列と捕捉プローブの上記合成DNAとがハイブリダイズするので、マイクロプレートを洗浄した後、検出しようとする核酸が表面に吸着、すなわち、捕捉されたマイクロプレートが得られる。
なお、上述のとおり、捕捉プローブの固相への固定化方法としては、上記したビオチン−アビジン結合による方法に限定されず、例えば、固相表面の官能基を介した化学結合等の他の方法も使用可能である。
次に、標的核酸への増感プローブの結合工程(第二工程)は以下のようにして行われる。まず、増感プローブとして、標的核酸の反復配列に相補的な塩基配列を備えた合成DNA配列に酵素標識を施したものを用意する。そして、この増感プローブを適当な溶媒とともに上記固相化マイクロプレートに滴下してインキュベートすると、固相化された核酸の反復配列と増幅プローブの上記相補的な塩基配列とがハイブリダイズして、固相化された標的核酸に増幅プローブが結合する。その際、固相化された標的核酸1分子中に反復配列は複数存在するので、図1に模式的に示されるように、マイクロプレートに固相化された捕捉プローブ1分子に、標的核酸が1分子結合するのに対し、この標的核酸1分子に対して複数の増幅プローブが結合する。したがって、本発明によれば、検出しようとする核酸を増幅しなくても、検出感度を高感度化することができる。なお、図1では、標的核酸1分子中に5つの反復配列が存在し、総ての反復配列に増幅プローブがハイブリダイズした例が示されているが、これに限定されるものではない。
標的核酸の検出工程(第三工程)は、増感プローブを検出できる方法であれば特に限定されないが、この実施形態では、増感プローブが酵素標識されているので、当該酵素標識を検出できる試薬を用いた方法であれば、特に限定されず、通常のELISA法を用いることができる。
本実施形態では、増感プローブは、FITC(Fluorescein isothiocyanate)標識されたものであり、具体的には、FITC標識された検出プローブを増感プローブに結合させることによって標識を行っている。この標識は、より具体的には、図1に模式的に示されるように、増感プローブは、上記反復配列に相補的な配列に加えて、この配列に連結されたpolyT配列を備え、検出プローブは、FITC(Fluorescein isothiocyanate)と、これに連結されたpolyA配列とを備え、増感プローブのpolyT配列に検出プローブのpolyA配列をハイブリダイズさせることにより、増感プローブをFITC標識している。この場合、上記第二工程で得られたマイクロプレートの表面にALP標識された抗FITC抗体を検出試薬として滴下してFITCに結合させ、ALPの量に応じて発色する発色剤(例えば、p-ニトロフェノールホスフェート)とともにインキュベートすることにより生じる発色の度合いを測定することで、被験試料に含まれていた核酸を検出することができる。また発色方法は前記方法に限定されるものではなく、HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)とTMB(テトラメチルベンジジン)の発色方法や酵素サイクリング反応を利用した発色方法など、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、上記第二工程で用いる増感プローブは、予めFITC標識された増感プローブであっても、FITC標識されていない増感プローブであってもよい。FITC標識されていない増感プローブを用いた場合は、polyT配列を備えた増感プローブを反復配列にハイブリダイズさせた後、polyA配列を備えた上記検出プローブを適当な溶媒とともに上記固相化マイクロプレートに滴下して、反復配列に結合した増感プローブのpolyT配列とハイブリダイズさせることにより、増感プローブのFITC標識を行ってもよい。この場合、検出プローブを増感プローブにハイブリダイズさせる工程は、第三工程の一部と考えることもできる。
図1の例で、増幅プローブが備えるpolyT配列は、5塩基以上のTのみからなる塩基配列であることが好ましく、5塩基から100塩基のTのみからなる塩基配列であることがより好ましい。増感プローブは、標的核酸の反復配列にハイブリダイズした状態において、さらに検出プローブをハイブリダイズさせる必要があり、より容易にハイブリダイズする必要があるため、25塩基以上のTのみからなる塩基配列であることがさらにより好ましく、検出効率を考慮すると50塩基以上のTのみからなる塩基配列であることが特に好ましい。
図1の例で、検出プローブが備えるpolyA配列は、5塩基以上のAのみからなる塩基配列であることが好ましく、5塩基から40塩基のAのみからなる塩基配列であることがより好ましく、10塩基から20塩基のAのみからなる塩基配列であることがさらにより好ましい。図1の例では、検出プローブは、その末端がFITCで標識されているが、ジゴキシンなどの他の低分子化合物を標識物質として用いて標識してもよい。この標識物質に特異的に結合する酵素標識抗体を用いてELISAによる検出を行うことにより、標的核酸の検出を行うことができる。上記酵素標識抗体の代わりに、検出プローブにおいて、polyA配列と標識物質との間にスペーサーを入れ、スペーサーを介して両者を結合することも可能である。増幅プローブに対する検出プローブの配合比率を高くするとは増感性が高くなるので、両者の配合比率(増幅プローブ:検出プローブ)は、1:2〜1:300であることが好ましく、1:10〜1:200であることがより好ましい。
図1の例では、増幅プローブを酵素標識する方法として、polyT配列を備えた増感プローブとpolyA配列を備えた検出プローブとをハイブリダイズさせる方法を採用したが、増感プローブと検出プローブを結合させる方法はこれに限定されるものではなく、増感プローブが、A、G、T及びCからなる群またはA、G、U及びCからなる群より選ばれた1乃至4塩基からなる塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列を備え、検出プローブが増感プローブの上記繰り返し配列に相補的な配列を備えるようにしてもよい。このうち、Tのみからなる塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列が上記polyT配列に該当し、Aのみからなる塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列が上記polyA配列に該当する。また、例えば、A及びGからなる2つの塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列としてはAGAGAGAG・・・のような配列が挙げられ、A、C及びGからなる3つの塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列としてはACGACGACG・・・のような配列が挙げられる。増感プローブと検出プローブを結合させるその他の方法としては、polyT配列及びpolyA配列を逆にして検出プローブがpolyT配列を備え、増感プローブがpolyA配列を備えるようにしたり、polyT配列及びpolyA配列の代わりに相補的な一対の制限酵素サイトを用いたり、その他の相補的な塩基配列を利用する方法も使用でき、また、抗体抗原反応を利用した方法も考えられる。
核酸の検出キット
上記した本発明の核酸の検出方法は、検出しようとする核酸に特異的な塩基配列に相補的な塩基配列を備えた捕捉プローブと、
検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブと、
前記捕捉プローブ及び前記増感プローブがハイブリダイズした核酸の前記増感プローブを検出するシステムと、
を備えた核酸の検出用キットを用いることにより、容易に実施することができる。増感プローブを検出する上記システムとしては、例えば、上記した増感プローブの標識物質をELISA法で検出するシステムが挙げられる。
上記した本発明の核酸の検出方法は、検出しようとする核酸に特異的な塩基配列に相補的な塩基配列を備えた捕捉プローブと、
検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブと、
前記捕捉プローブ及び前記増感プローブがハイブリダイズした核酸の前記増感プローブを検出するシステムと、
を備えた核酸の検出用キットを用いることにより、容易に実施することができる。増感プローブを検出する上記システムとしては、例えば、上記した増感プローブの標識物質をELISA法で検出するシステムが挙げられる。
以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
実施例1:増感プローブの設計(標的核酸内の反復配列の解析)
H5N6 influenza A virusのA/black swan/Akita/1/2016株(以下、Akita株と称する。)のHA遺伝子(配列番号1:SEQ ID NO: 1参照)の反復配列を解析した。
例えば、4塩基配列「AATG」であれば「30回」出現することが解析できる。同様の解析により、4塩基配列「AGCA」であれば、「10回」出現することが解析できる。同様にして、任意の塩基配列とその出現頻度を解析した。その結果を表1に示す。
H5N6 influenza A virusのA/black swan/Akita/1/2016株(以下、Akita株と称する。)のHA遺伝子(配列番号1:SEQ ID NO: 1参照)の反復配列を解析した。
例えば、4塩基配列「AATG」であれば「30回」出現することが解析できる。同様の解析により、4塩基配列「AGCA」であれば、「10回」出現することが解析できる。同様にして、任意の塩基配列とその出現頻度を解析した。その結果を表1に示す。
表1の結果より、例えば、任意に選択した4塩基からなるAATGはAkita株のHA遺伝子において、30回出現する配列であり、またAGCAは10回出現する配列であることがわかる。一方、例えば、5塩基からなるTTACCは5回、6塩基からなるATGGAAは7回出現することがわかる。
実施例2:増感プローブの反復配列の反応性
20μg/mlのストレプトアビジンを96ウェルマイクロプレート(NUNC社の製品)に100μL分注し、37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジンを固相化した96ウェルマイクロプレートを準備した。
反復配列としてAATGを選択し、当該配列が10回出現する100塩基からなる核酸サンプル(配列番号2:SEQ ID NO: 2)を合成し、疑似サンプル1とした。当該疑似サンプルの5’末端にビオチンを導入した。また、5‘末端にFITCを導入した反復配列の相補配列であるTTACを、50塩基のTからなるpolyT配列の5‘末端に導入して増感プローブ1を作成した。
同様に、反復配列としてATGGAAを選択し、当該配列が10回出現する100塩基からなる核酸サンプル(配列番号3:SEQ ID NO: 3)を合成し、疑似サンプル2とした。当該疑似サンプル2の5’末端にビオチンを導入した。また、5‘末端にFITCを導入した反復配列の相補配列であるTACCTTを、50塩基のTからなるpolyT配列の5‘末端に導入して増感プローブ2を準備した。
上記核酸サンプルをハイブリダイゼーション用バッファー(10mM Tris-HCl, pH7.5, 50mM NaCl及び1mM EDTA)に溶解し、上記固相化96ウェルマイクロプレートに100μL(0.5 pmol/well)添加し、70℃にて5分間反応させた。
反応終了後、マイクロプレートを洗浄し、ハイブリダイゼーション用バッファー(10mM Tris-HCl, pH7.5, 50mM NaCl及び1mM EDTA)に溶解させた増感プローブ溶液を100μL(1.0 pmol/well)添加し、60℃にて2時間反応させた。反応終了後、30分間かけて室温まで放冷した。
反応終了後、マイクロプレートを洗浄し、ALP標識抗FITCウサギ抗体を100μL添加し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、プレートを洗浄し、pNPP(p-ニトロフェノールホスフェート)からなる発色試薬を100μL添加し、37℃にて90分間反応させ405nmの吸光度を測定した。その結果を表2に示す。
20μg/mlのストレプトアビジンを96ウェルマイクロプレート(NUNC社の製品)に100μL分注し、37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジンを固相化した96ウェルマイクロプレートを準備した。
反復配列としてAATGを選択し、当該配列が10回出現する100塩基からなる核酸サンプル(配列番号2:SEQ ID NO: 2)を合成し、疑似サンプル1とした。当該疑似サンプルの5’末端にビオチンを導入した。また、5‘末端にFITCを導入した反復配列の相補配列であるTTACを、50塩基のTからなるpolyT配列の5‘末端に導入して増感プローブ1を作成した。
同様に、反復配列としてATGGAAを選択し、当該配列が10回出現する100塩基からなる核酸サンプル(配列番号3:SEQ ID NO: 3)を合成し、疑似サンプル2とした。当該疑似サンプル2の5’末端にビオチンを導入した。また、5‘末端にFITCを導入した反復配列の相補配列であるTACCTTを、50塩基のTからなるpolyT配列の5‘末端に導入して増感プローブ2を準備した。
上記核酸サンプルをハイブリダイゼーション用バッファー(10mM Tris-HCl, pH7.5, 50mM NaCl及び1mM EDTA)に溶解し、上記固相化96ウェルマイクロプレートに100μL(0.5 pmol/well)添加し、70℃にて5分間反応させた。
反応終了後、マイクロプレートを洗浄し、ハイブリダイゼーション用バッファー(10mM Tris-HCl, pH7.5, 50mM NaCl及び1mM EDTA)に溶解させた増感プローブ溶液を100μL(1.0 pmol/well)添加し、60℃にて2時間反応させた。反応終了後、30分間かけて室温まで放冷した。
反応終了後、マイクロプレートを洗浄し、ALP標識抗FITCウサギ抗体を100μL添加し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、プレートを洗浄し、pNPP(p-ニトロフェノールホスフェート)からなる発色試薬を100μL添加し、37℃にて90分間反応させ405nmの吸光度を測定した。その結果を表2に示す。
表2の結果より、核酸サンプルに含まれる反復配列に対し、当該配列に相補的な配列を有する増感プローブがハイブリダイズすることが確認された。増感プローブの塩基数が少ないほう吸光度が高かったので、より多くの増感プローブが結合できる可能性が示唆された。
実施例3:増感プローブのpoly T配列と検出プローブのpoly A配列との反応性
20μg/mlのストレプトアビジンを96ウェルマイクロプレート(NUNC社の製品)に100μL分注し、37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジンを固相化した96ウェルマイクロプレートを準備した。
5’末端にビオチンを導入した100塩基のTからなるポリチミンプローブ(以下、poly-Tプローブと称する。)、及び、5‘末端にFITCを導入した6塩基、10塩基、20塩基または40塩基のAからなるポリアデニンプローブ(以下、poly-Aプローブと称する。)をアニーリングバッファー(0.6M NaCl、0.06 M クエン酸三ナトリウム二水和物、pH7.0)にそれぞれ終濃度10nMになるよう溶解し調製した。添加したpoly-Tプローブとpoly-Aプローブの比率(モル比)は1:5に調整した。当該プローブ溶液を37℃または20℃にて2時間反応させ、アニーリングを行った。
アニーリングさせたプローブ溶液を96ウェルマイクロプレートに100μL添加し、室温にて10分間反応させ、プレートに固相化したストレプトアビジンとプローブ複合体のビオチンとの反応を行った。反応終了後、プレートを洗浄し、ALP標識抗FITCウサギ抗体を100μL添加し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、プレートを洗浄し、pNPP(p-ニトロフェノールホスフェート)からなる発色試薬を100μL添加し、37℃にて90分間反応させ405nmの吸光度を測定した。その結果を表3に示す。
20μg/mlのストレプトアビジンを96ウェルマイクロプレート(NUNC社の製品)に100μL分注し、37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジンを固相化した96ウェルマイクロプレートを準備した。
5’末端にビオチンを導入した100塩基のTからなるポリチミンプローブ(以下、poly-Tプローブと称する。)、及び、5‘末端にFITCを導入した6塩基、10塩基、20塩基または40塩基のAからなるポリアデニンプローブ(以下、poly-Aプローブと称する。)をアニーリングバッファー(0.6M NaCl、0.06 M クエン酸三ナトリウム二水和物、pH7.0)にそれぞれ終濃度10nMになるよう溶解し調製した。添加したpoly-Tプローブとpoly-Aプローブの比率(モル比)は1:5に調整した。当該プローブ溶液を37℃または20℃にて2時間反応させ、アニーリングを行った。
アニーリングさせたプローブ溶液を96ウェルマイクロプレートに100μL添加し、室温にて10分間反応させ、プレートに固相化したストレプトアビジンとプローブ複合体のビオチンとの反応を行った。反応終了後、プレートを洗浄し、ALP標識抗FITCウサギ抗体を100μL添加し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、プレートを洗浄し、pNPP(p-ニトロフェノールホスフェート)からなる発色試薬を100μL添加し、37℃にて90分間反応させ405nmの吸光度を測定した。その結果を表3に示す。
表3の結果より、Poly-Aプローブのアデニン塩基数により反応性が変化することがわかった。Tm値の低いアデニン塩基数6のpoly-Aプローブでは20℃および37℃において反応性が確認されず、poly-Tプローブとのハイブリダイズ反応が起こっていないことが示唆された。一方、アデニン塩基数10のpoly-Aプローブでは、37℃においては反応が確認されず、20℃においてのみ反応が確認され、吸光度の上昇が確認された。本現象は使用したpoly-AプローブのTm値の結果を再現する結果であった。またアデニン塩基数20のpoly-Aプローブおよびアデニン塩基数40のpoly-Aプローブにおいて37℃における反応性が確認され、吸光度の上昇が確認された。本結果よりpoly-Aプローブにおけるアデニン塩基数は少なくとも10塩基以上が好ましいことが確認された。また、使用するpoly-AプローブのTm値が、アニーリング温度よりも高い値である必要があることが確認された。
実施例4:増感プローブのpoly T配列と検出プローブのpoly A配列との反応比
20μg/mlのストレプトアビジンを96ウェルマイクロプレート(NUNC社の製品)に100μL分注し、37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジンを固相化した96ウェルマイクロプレートを準備した。
5’末端にビオチンを導入した100塩基のTからなるポリチミンプローブ(以下、poly-Tプローブと称する。)及び5‘末端にFITCを導入した10塩基のAからなるポリアデニンプローブ(以下、poly-Aプローブと称する。)をアニーリングバッファー(0.6M NaCl、0.06 M クエン酸三ナトリウム二水和物、pH7.0)に溶解し調製した。添加したpoly-Tプローブとpoly-Aプローブの比率(モル比)を1:5、1:20、1:80及び1:160に調整して反応に供した。当該プローブ溶液を37℃または20℃にて2時間反応させ、アニーリングを行った。
アニーリングさせたプローブ溶液を96ウェルマイクロプレートに100μL添加し、室温にて10分間反応させ、プレートに固相化したストレプトアビジンとプローブ複合体のビオチンとの反応を行った。反応終了後、プレートを洗浄し、ALP標識抗FITCウサギ抗体を100μL添加し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、プレートを洗浄し、pNPP(p-ニトロフェノールホスフェート)からなる発色試薬を100μL添加し、37℃にて90分間反応させ405nmの吸光度を測定した。その結果を表4に示す。
20μg/mlのストレプトアビジンを96ウェルマイクロプレート(NUNC社の製品)に100μL分注し、37℃にて1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、ストレプトアビジンを固相化した96ウェルマイクロプレートを準備した。
5’末端にビオチンを導入した100塩基のTからなるポリチミンプローブ(以下、poly-Tプローブと称する。)及び5‘末端にFITCを導入した10塩基のAからなるポリアデニンプローブ(以下、poly-Aプローブと称する。)をアニーリングバッファー(0.6M NaCl、0.06 M クエン酸三ナトリウム二水和物、pH7.0)に溶解し調製した。添加したpoly-Tプローブとpoly-Aプローブの比率(モル比)を1:5、1:20、1:80及び1:160に調整して反応に供した。当該プローブ溶液を37℃または20℃にて2時間反応させ、アニーリングを行った。
アニーリングさせたプローブ溶液を96ウェルマイクロプレートに100μL添加し、室温にて10分間反応させ、プレートに固相化したストレプトアビジンとプローブ複合体のビオチンとの反応を行った。反応終了後、プレートを洗浄し、ALP標識抗FITCウサギ抗体を100μL添加し、37℃にて1時間反応させた。反応終了後、プレートを洗浄し、pNPP(p-ニトロフェノールホスフェート)からなる発色試薬を100μL添加し、37℃にて90分間反応させ405nmの吸光度を測定した。その結果を表4に示す。
表4の結果よりPoly-Aプローブの添加比率が上昇するに伴い、吸光度が上昇することが確認された。本結果は、検出対象とした100塩基のチミンを有するpoly-Tプローブに対し、複数のpoly-Aプローブがハイブリダイズしていることを示す結果であり、検出プローブの添加比率を上昇させることにより検出効率を高めることができることを示す結果である。
また、実施例3の表3の結果(poly-Tプローブとpoly-Aプローブの比率は1:5の場合)と比較して、20塩基からなるpoly-Aプローブでは1:50の場合に2.2倍の吸光度、40塩基からなるpoly-Aプローブでは1:2の場合に1.26倍の吸光度を得ることを確認した。以上より、poly-Aプローブの添加比率を上昇させることにより検出感度を上昇させることができることが示された。
Claims (14)
- 検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブを用意し、前記増感プローブの複数個を前記核酸にハイブリダイズさせ、前記増感プローブをマーカーとして前記核酸を検出する、核酸の検出方法。
- 前記反復配列が、A、G、T及びCからなる群またはA、G、U及びCからなる群より選ばれた4乃至10塩基からなる配列である、請求項1に記載の検出方法。
- 検出しようとする核酸は固相に捕捉されている、請求項1又は2に記載の検出方法。
- 検出しようとする核酸に特異的な核酸配列に相補的な核酸配列を備えた捕捉プローブを固相に固定させておき、検出しようとする核酸は、前記捕捉プローブにハイブリダイズさせることにより前記固相に捕捉されている、請求項3に記載の検出方法。
- 前記増感プローブをELISA法又はRIA法により検出する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検出方法。
- 前記増感プローブは、ELISA法又はRIA法で検出可能な物質を備える、請求項5に記載の検出方法。
- 前記増感プローブの核酸配列の一部と相補的な核酸配列及びELISA法で検出可能な物質を備えた検出プローブを、前記増感プローブにハイブリダイズさせた後、前記検出プローブをELISA法により検出する、請求項5に記載の検出方法。
- 前記増感プローブはA、G、T及びCからなる群またはA、G、U及びCからなる群より選ばれた1乃至4塩基からなる塩基配列を繰り返し単位とする繰り返し配列を備え、前記検出プローブは前記増感プローブの前記繰り返し配列に相補的な配列を備える、請求項7に記載の検出方法。
- 前記増感プローブはpolyT配列を備え、前記検出プローブはpolyA配列を備える、請求項8に記載の検出方法。
- 前記検出プローブは、ELISA法で検出可能な標識物質を備え、前記標識物質をALP標識された抗標識物質抗体を使用したELISA法により検出する、請求項7に記載の検出方法。
- 前記検出プローブの標識物質がFITCであり、前記FITCをALP標識された抗FITC抗体を使用したELISA法により検出する、請求項10に記載の検出方法。
- 検出しようとする核酸に特異的な核酸配列に相補的な核酸配列を備えた捕捉プローブと、
検出しようとする核酸の塩基配列の反復配列に相補的な塩基配列を備えた増感プローブと、
前記捕捉プローブ及び前記増感プローブがハイブリダイズした核酸の前記増感プローブを検出するシステムと、
を備えた核酸の検出用キット。 - さらに、前記捕捉プローブを固定するための固相を備える、請求項12に記載のキット。
- 前記捕捉プローブは予め固相に固定されている、請求項12に記載のキット。
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JP2019138405A JP2021019539A (ja) | 2019-07-27 | 2019-07-27 | 核酸検出方法及びキット |
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CN114107446A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-01 | 福建和瑞基因科技有限公司 | 一种核酸的检测试剂盒及其检测方法 |
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- 2019-07-27 JP JP2019138405A patent/JP2021019539A/ja active Pending
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