JP2021018364A - 極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いイオンエネルギーを有するイオンの発生を抑制したEUV光生成システムを提供する。【解決手段】チャンバ2と、ターゲット生成部26と、第1プリパルスレーザ光P1、第2プリパルスレーザ光P2及びメインパルスレーザ光Mを出力するレーザシステム3であって、第1プリパルスレーザ光がターゲット27に照射される位置での第1プリパルスレーザ光のフルーエンスが、1.5J/cm2以上、16J/cm2以下となるように構成されたレーザシステムと、ターゲットに対する第1プリパルスレーザ光の照射タイミングから第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、ターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングからメインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間との関係が、第1の遅延時間<第2の遅延時間となるようにレーザシステムを制御する制御部5と、を備える。【選択図】図6

Description

本開示は、極端紫外光生成システム及び電子デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV)光を生成する極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflection optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にパルスレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、シンクロトロン放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
米国特許出願公開第2016/073487号明細書
概要
本開示の1つの観点に係る極端紫外光生成システムは、チャンバと、チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、レーザシステムであって、ターゲットに、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を出力し、第1プリパルスレーザ光がターゲットに照射される位置での第1プリパルスレーザ光のフルーエンスが、1.5J/cm以上、16J/cm以下となるように構成された、レーザシステムと、制御部であって、ターゲットに対する第1プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、ターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対するメインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間との関係が第1の遅延時間<第2の遅延時間となるようにレーザシステムを制御する、制御部と、を備える。
本開示の他の1つの観点に係る極端紫外光生成システムは、チャンバと、チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、ターゲットに、ナノ秒オーダーのパルス時間幅を有する第1プリパルスレーザ光、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する第2プリパルスレーザ光、第3プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光、第3プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を出力するレーザシステムと、制御部であって、ターゲットに対する第1プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、ターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対するメインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間との関係が第1の遅延時間<第2の遅延時間となるようにレーザシステムを制御する、制御部と、を備える。
本開示の1つの観点に係る電子デバイスの製造方法は、チャンバと、チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、レーザシステムであって、ターゲットに、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を出力し、第1プリパルスレーザ光がターゲットに照射される位置での第1プリパルスレーザ光のフルーエンスが、1.5J/cm以上、16J/cm以下となるように構成された、レーザシステムと、制御部であって、ターゲットに対する第1プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、ターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対するメインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間との関係が第1の遅延時間<第2の遅延時間となるようにレーザシステムを制御する、制御部と、を備える極端紫外光生成システムにおいて、ターゲットにパルスレーザ光を照射して極端紫外光を生成し、極端紫外光を露光装置に出力し、電子デバイスを製造するために、露光装置内で感光基板上に極端紫外光を露光することを含む。
本開示の他の1つの観点に係る電子デバイスの製造方法は、チャンバと、チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、ターゲットに、ナノ秒オーダーのパルス時間幅を有する第1プリパルスレーザ光、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する第2プリパルスレーザ光、第3プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光、第3プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光を出力するレーザシステムと、制御部であって、ターゲットに対する第1プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、ターゲットに対する第2プリパルスレーザ光の照射タイミングからターゲットに対するメインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間との関係が第1の遅延時間<第2の遅延時間となるようにレーザシステムを制御する、制御部と、を備える極端紫外光生成システムにおいて、ターゲットにパルスレーザ光を照射して極端紫外光を生成し、極端紫外光を露光装置に出力し、電子デバイスを製造するために、露光装置内で感光基板上に極端紫外光を露光することを含む。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図2は、比較例に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。 図3Aは、比較例における第1プリパルスレーザの構成を示すブロック図である。図3Bは、比較例における第1プリパルスレーザのタイムチャートである。 図4は、比較例における第1及び第2プリパルスレーザ光、及びメインパルスレーザ光の照射条件の例を示すパルス波形図である。 図5は、比較例においてターゲットに第1プリパルスレーザ光を照射したときに発生するイオンのイオンエネルギーを示すグラフである。 図6は、本開示の第1の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。 図7Aは、第1の実施形態における第1プリパルスレーザの構成を示すブロック図である。図7Bは、第1の実施形態における第1プリパルスレーザのタイムチャートである。 図8Aは、第1の実施形態においてターゲットに第1及び第2プリパルスレーザ光を照射したときに発生するイオンのイオンエネルギーを示すグラフである。図8Bは、第1の実施形態における第1プリパルスレーザ光の集光点でのフルーエンスと、最大のイオンエネルギーとの関係を示すグラフである。 図9は、第1の実施形態における第1〜第3プリパルスレーザ光、及びメインパルスレーザ光の照射条件の例を示すパルス波形図である。 図10は、第1の実施形態における第1〜第3プリパルスレーザ光、及びメインパルスレーザ光のエネルギーからEUV光のエネルギーへの変換効率(CE)を示すグラフである。 図11は、第1の実施形態の第1の変形例における第1プリパルスレーザの構成を示すブロック図である。 図12は、第1の実施形態の第1の変形例における再生増幅器の構成を示す。 図13A及び図13Bは、第1の実施形態の第1の変形例における光シャッタの機能を簡略的に示す。図13Cは、第1の実施形態の第1の変形例において第1及び第2プリパルスレーザ光を生成する過程を示すタイムチャートである。 図14は、第1の実施形態の第2の変形例における再生増幅器の構成を示す。 図15A及び図15Bは、第1の実施形態の第2の変形例における光シャッタの機能を簡略的に示す。図15Cは、第1の実施形態の第2の変形例において第1及び第2プリパルスレーザ光を生成する過程を示すタイムチャートである。 図16Aは、第1の実施形態の第3の変形例における第1プリパルスレーザの構成を示すブロック図である。図16Bは、第1の実施形態の第3の変形例において第1及び第2プリパルスレーザ光を生成する過程を示すタイムチャートである。 図17は、第1の実施形態の第4の変形例に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。 図18Aは、第1の実施形態の第4の変形例においてターゲットに第1及び第2プリパルスレーザ光を照射したときに発生するイオンのイオンエネルギーを示すグラフである。図18Bは、第1の実施形態の第4の変形例における第1プリパルスレーザ光の集光点でのフルーエンスと、最大のイオンエネルギーとの関係を示すグラフである。 図19は、本開示の第2の実施形態に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。 図20Aは、第2の実施形態におけるメインパルスレーザの構成を示すブロック図である。図20Bは、第2の実施形態においてマスターオシレータMO1から出力されたパルスレーザ光のパルス波形を示す。図20Cは、第2の実施形態においてマスターオシレータMO2から出力されたパルスレーザ光のパルス波形を示す。図20Dは、第2の実施形態においてビームコンバイナから出射したパルスレーザ光のパルス波形を示す。図20Eは、第2の実施形態において増幅器PA3から出射したパルスレーザ光のパルス波形を示す。 図21は、第2の実施形態の変形例に係るEUV光生成システムの構成を示す一部断面図である。 図22Aは、第2の実施形態の変形例におけるメインパルスレーザの構成を示すブロック図である。図22Bは、第2の実施形態の変形例においてマスターオシレータから出力されたパルスレーザ光B1のパルス波形を示す。図22Cは、第2の実施形態の変形例において電圧波形生成回路から出力された光シャッタ制御電圧のパルス波形を示す。図22Dは、第2の実施形態の変形例において光シャッタを通過したパルスレーザ光B2のパルス波形を示す。図22Eは、第2の実施形態の変形例において増幅器PA3を通過したメインパルスレーザ光のパルス波形を示す。 図23は、第2の実施形態の変形例における第1及び第2プリパルスレーザ光、及びペデスタル部を含むメインパルスレーザ光のパルス波形図である。 図24は、EUV光生成装置に接続された露光装置の構成を概略的に示す。
実施形態
<内容>
1.極端紫外光生成システムの全体説明
1.1 構成
1.2 動作
2.比較例に係るEUV光生成システム
2.1 構成
2.2 動作
2.2.1 ターゲットの出力
2.2.2 パルスレーザ光の出力
2.2.3 パルスレーザ光の伝送
2.2.4 パルスレーザ光の集光
2.3 第1プリパルスレーザの詳細
2.3.1 構成
2.3.2 動作
2.4 照射条件の例
2.5 課題
3.高いイオンエネルギーを有するイオンの発生を抑制したEUV光生成システム
3.1 構成
3.2 動作
3.3 作用
3.3.1 イオンエネルギー
3.3.2 変換効率(CE)
3.4 再生増幅器を含む第1プリパルスレーザ
3.4.1 構成
3.4.2 動作
3.4.2.1 ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合
3.4.2.2 ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加された場合
3.4.2.3 第1及び第2プリパルスレーザ光の生成
3.4.3 作用
3.5 2つのポッケルスセルを含む再生増幅器
3.5.1 構成
3.5.2 動作
3.5.3 作用
3.6 遅延光路を含む第1プリパルスレーザ
3.6.1 構成
3.6.2 動作及び作用
3.7 ナノ秒オーダーの第1プリパルスレーザ光
3.7.1 構成
3.7.2 イオンエネルギー
4.2つのパルスを生成するメインパルスレーザ
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用
4.4 ペデスタル部を含むメインパルスを生成するメインパルスレーザ
4.4.1 構成
4.4.2 動作
4.4.3 作用
5.その他
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.極端紫外光生成システムの全体説明
1.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システム11の構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザシステム3と共に用いられる。本願においては、EUV光生成装置1及びレーザシステム3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、ターゲット生成部26を含む。チャンバ2は、密閉可能に構成されている。ターゲット生成部26は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられている。ターゲット生成部26から出力されるターゲット物質の材料は、スズを含む。ターゲット物質の材料は、スズと、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、又はキセノンとの組合せを含むこともできる。
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられている。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられている。ウインドウ21をレーザシステム3から出力されるパルスレーザ光32が透過する。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されている。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有する。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されている。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が中間集光点(IF)292に位置するように配置されている。EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられている。貫通孔24をパルスレーザ光33が通過する。
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御部5、ターゲットセンサ4等を含む。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有し、ターゲット27の存在、軌跡、位置、速度等を検出するよう構成されている。
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通させる接続部29を含む。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられている。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されている。
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するためのターゲット回収部28等を含む。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えている。
1.2 動作
図1を参照に、レーザシステム3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射する。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内を進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射される。
ターゲット生成部26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力する。ターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射される。パルスレーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光251が放射される。EUV集光ミラー23は、放射光251に含まれるEUV光を、他の波長域の光に比べて高い反射率で反射する。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光を含む反射光252は、中間集光点292で集光され、露光装置6に出力される。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
EUV光生成制御部5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括する。EUV光生成制御部5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理する。また、EUV光生成制御部5は、例えば、ターゲット27が出力されるタイミング、ターゲット27の出力方向等を制御する。さらに、EUV光生成制御部5は、例えば、レーザシステム3の発振タイミング、パルスレーザ光32の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置等を制御する。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
2.比較例に係るEUV光生成システム
2.1 構成
図2は、比較例に係るEUV光生成システム11の構成を示す一部断面図である。図2に示されるように、チャンバ2の内部には、レーザ光集光光学系22aと、EUV集光ミラー23と、ターゲット回収部28と、EUV集光ミラーホルダ81と、プレート82及び83と、位置調整機構84とが設けられている。チャンバ2には、ターゲット生成部26と、ターゲットセンサ4と、発光部45とが取り付けられている。チャンバ2の外部には、レーザシステム3と、レーザ光進行方向制御部34aと、EUV光生成制御部5とが設けられている。EUV光生成制御部5は、EUV制御部50と、遅延回路51とを含む。
ターゲット生成部26は、リザーバ261を含む。リザーバ261は、溶融されたターゲットの材料を内部に貯蔵する。リザーバ261の一部がチャンバ2の壁面に形成された貫通孔2aを貫通しており、リザーバ261の先端の開口262がチャンバ2の内部に位置している。
ターゲットセンサ4と発光部45とは、ターゲット27の軌道を挟んで互いに反対側に配置されている。チャンバ2にはウインドウ21a及び21bが取り付けられている。ウインドウ21aは、発光部45とターゲット27の軌道との間に位置する。ウインドウ21bは、ターゲット27の軌道とターゲットセンサ4との間に位置する。
ターゲットセンサ4は、光センサ41と、集光光学系42と、容器43とを含む。容器43はチャンバ2の外部に固定され、この容器43内に、光センサ41及び集光光学系42が固定されている。発光部45は、光源46と、集光光学系47と、容器48とを含む。容器48はチャンバ2の外部に固定され、この容器48内に、光源46及び集光光学系47が固定されている。
レーザシステム3は、第1プリパルスレーザ35と、第2プリパルスレーザ36と、メインパルスレーザ37とを含む。第1プリパルスレーザ35及び第2プリパルスレーザ36の各々は、例えばYAGレーザ装置を含む。メインパルスレーザ37は、例えばCOレーザ装置を含む。
第1プリパルスレーザ35が出力する第1プリパルスレーザ光P1は、第1の波長成分を含み、偏光方向が紙面に平行な直線偏光である。第2プリパルスレーザ36が出力する第2プリパルスレーザ光P2は、第1の波長成分を含み、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光である。メインパルスレーザ37が出力するメインパルスレーザ光Mは、第2の波長成分を含む。
レーザ光進行方向制御部34aは、高反射ミラー340、341及び342と、ビームコンバイナ343及び344と、を含む。
ビームコンバイナ343は、偏光方向が紙面に平行な直線偏光を高い透過率で透過させ、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光を高い反射率で反射する偏光ビームスプリッタを含む。
ビームコンバイナ344は、第1の波長成分が含まれる光を高い反射率で反射し、第2の波長成分が含まれる光を高い透過率で透過させるダイクロイックミラーを含む。
プレート82は、チャンバ2に固定されている。プレート82には、プレート83が支持されている。レーザ光集光光学系22aは、軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222を含む。
位置調整機構84は、プレート82に対するプレート83の位置を調整可能である。プレート83の位置が調整されることにより、軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222の位置が調整される。軸外放物面ミラー221及び平面ミラー222の位置は、これらのミラーによって反射されたパルスレーザ光33がプラズマ生成領域25で集光するように調整される。
EUV集光ミラー23は、EUV集光ミラーホルダ81を介してプレート82に固定されている。
2.2 動作
2.2.1 ターゲットの出力
ターゲット生成部26は、開口262を介して、プラズマ生成領域25に向けて液滴状のターゲット27を出力する。ターゲット回収部28は、プラズマ生成領域25を通過したターゲット27を回収する。
発光部45に含まれる光源46の出力光は、集光光学系47によって、ターゲット27のほぼ軌道上の位置に集光される。ターゲット27が発光部45の出力光の集光位置を通過するときに、ターゲットセンサ4は、ターゲット27の軌道及びその周囲を通る光の光強度の変化を検出し、ターゲット検出信号を出力する。EUV制御部50は、ターゲット検出信号を受信する。
2.2.2 パルスレーザ光の出力
EUV制御部50は、第1プリパルスレーザ35、第2プリパルスレーザ36、及びメインパルスレーザ37に、パルス時間幅やパルスエネルギーを設定する信号を送信する。
EUV制御部50は、ターゲット検出信号を遅延回路51に出力する。
遅延回路51は、ターゲット検出信号の受信タイミングに対して第1のトリガ遅延時間が経過したことを示す第1のトリガ信号を、第1プリパルスレーザ35に出力する。第1プリパルスレーザ35は、第1のトリガ信号に従って、第1プリパルスレーザ光P1を出力する。
遅延回路51は、ターゲット検出信号の受信タイミングに対して第1のトリガ遅延時間より長い第2のトリガ遅延時間が経過したことを示す第2のトリガ信号を、第2プリパルスレーザ36に出力する。第2プリパルスレーザ36は、第2のトリガ信号に従って、第2プリパルスレーザ光P2を出力する。
遅延回路51は、ターゲット検出信号の受信タイミングに対して第2のトリガ遅延時間より長い第3のトリガ遅延時間が経過したことを示す第3のトリガ信号を、メインパルスレーザ37に出力する。メインパルスレーザ37は、第3のトリガ信号に従って、メインパルスレーザ光Mを出力する。
このように、レーザシステム3は、第1プリパルスレーザ光P1、第2プリパルスレーザ光P2、及びメインパルスレーザ光Mを、この順で出力する。
2.2.3 パルスレーザ光の伝送
レーザ光進行方向制御部34aに含まれる高反射ミラー340は、第1プリパルスレーザ光P1を高い反射率で反射する。
ビームコンバイナ343は、偏光方向が紙面に平行な第1プリパルスレーザ光P1を高い透過率で透過させる。ビームコンバイナ343は、偏光方向が紙面に垂直な第2プリパルスレーザ光P2を高い反射率で反射する。
高反射ミラー341及び342は、メインパルスレーザ光Mを高い反射率で反射する。
ビームコンバイナ344は、第1の波長成分を有する第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を高い反射率で反射する。ビームコンバイナ344は、第2の波長成分を有するメインパルスレーザ光Mを高い透過率で透過させる。第1プリパルスレーザ光P1、第2プリパルスレーザ光P2及びメインパルスレーザ光Mは、パルスレーザ光32としてレーザ光集光光学系22aに入射する。
2.2.4 パルスレーザ光の集光
レーザ光集光光学系22aに含まれる軸外放物面ミラー221は、パルスレーザ光32を平面ミラー222に向けて反射する。平面ミラー222は、パルスレーザ光32を、パルスレーザ光33として反射する。パルスレーザ光33は、軸外放物面ミラー221の反射面形状に従い、プラズマ生成領域25又はその近傍において集光される。
プラズマ生成領域25又はその近傍において、1つのターゲット27に、第1プリパルスレーザ光P1と、第2プリパルスレーザ光P2と、メインパルスレーザ光Mとが、この順で照射される。液滴状のターゲット27に第1プリパルスレーザ光P1が照射されると、液滴状のターゲット27が複数の微粒子状に破壊されて拡散し、2次ターゲットが生成される。この2次ターゲットに第2プリパルスレーザ光P2が照射されることにより2次ターゲットがさらに微粒子化されて、少なくとも蒸気を含む3次ターゲットが生成される。この3次ターゲットにメインパルスレーザ光Mが照射されることにより、ターゲットが効率よくプラズマ化し、EUV光が生成される。
2.3 第1プリパルスレーザの詳細
2.3.1 構成
図3Aは、比較例における第1プリパルスレーザ35の構成を示すブロック図である。第1プリパルスレーザ35は、モードロックレーザ装置351と、光シャッタ352と、増幅器353と、電圧波形生成回路355と、を含む。
遅延回路51と第1プリパルスレーザ35との間に、第1プリパルスレーザ制御部354が信号線で接続されている。第1プリパルスレーザ制御部354は、EUV光生成制御部5に含まれてもよく、EUV光生成制御部5と一体的に構成されてもよい。
モードロックレーザ装置351は、図示しない光共振器と、図示しない増幅媒体と、図示しない可飽和吸収体とを含むマスターオシレータである。増幅媒体は、例えばNd:YVO(neodymium-doped yttrium orthovanadate)の結晶を含む。モードロックレーザ装置351から出力されるパルスレーザ光B1は、例えば、20MHzの繰返し周波数を有し、個々のパルスはピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する。パルスレーザ光B1の繰返し周波数は、モードロックレーザ装置351に含まれる光共振器の共振器長に依存する。
光シャッタ352は、パルスレーザ光B1の光路に配置されている。光シャッタ352は、例えば、図示しないポッケルスセルと、図示しない偏光子とを含む。光シャッタ352に光シャッタ制御電圧Vが印加されていない状態では、パルスレーザ光B1は光シャッタ352を透過しない。光シャッタ352に光シャッタ制御電圧Vが印加されている状態では、パルスレーザ光B1は光シャッタ352をパルスレーザ光B2として透過する。
増幅器353は、パルスレーザ光B2の光路に配置されている。増幅器353は、例えばNd:YAG(neodymium-doped yttrium aluminum garnet)の結晶を用いた増幅器である。増幅器353は、マルチパススラブ増幅器でもよいし、ファイバー増幅器でもよい。増幅器353は、パルスレーザ光B2を増幅してパルスレーザ光B3として出力する。
電圧波形生成回路355は、光シャッタ制御電圧Vの電圧波形を生成し、光シャッタ制御電圧Vを光シャッタ352に印加する。第1プリパルスレーザ制御部354は、モードロックレーザ装置351と、増幅器353と、電圧波形生成回路355とを制御する。
2.3.2 動作
図3Bは、比較例における第1プリパルスレーザ35のタイムチャートである。図3Bにおいて、横軸は時間Tを示す。縦軸は信号強度又はパルスレーザ光のエネルギーを示す。図3Bにおいて、縦方向の破線は、当該破線上の動作がほぼ同一のタイミングで起こることを示す。
第1プリパルスレーザ制御部354は、遅延回路51から送信された第1のトリガ信号Sに従って電圧波形生成回路355に制御信号を送信する。電圧波形生成回路355は、制御信号に従って光シャッタ制御電圧Vを生成する。光シャッタ制御電圧Vは、例えば、矩形状の電圧波形を含むパルス電圧である。このパルス電圧のパルス時間幅は、パルスレーザ光B1のパルス発生周期と同じかそれより短い時間に設定される。パルスレーザ光B1のパルス発生周期は、パルスレーザ光B1の繰り返し周波数の逆数に相当する。パルスレーザ光B1の繰り返し周波数が20MHzである場合、光シャッタ制御電圧Vのパルス時間幅は50ns以下に設定される。
光シャッタ352は、パルスレーザ光B1に含まれる複数のパルスのうちの、1つのパルス#1をパルスレーザ光B2として通過させる。パルスレーザ光B2は増幅器353によって増幅され、パルスレーザ光B3として出力される。比較例において、パルスレーザ光B3は、第1プリパルスレーザ光P1に相当する。第1プリパルスレーザ光P1は、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する。
2.4 照射条件の例
図4は、比較例における第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2、及びメインパルスレーザ光Mの照射条件の例を示すパルス波形図である。
比較例において、ターゲット27は溶融したスズの液滴とし、直径を21μm以上、22μm以下とした。
第1プリパルスレーザ35は、Nd:YVOの結晶を用いたモードロックレーザと、Nd:YAGの結晶を用いた再生増幅器と、を含む構成とした。第1プリパルスレーザ光P1は、波長を1.06μmとし、半値全幅によるパルス時間幅を14psとし、1/e幅によるスポット直径を70μmとした。なお、1/e幅とは、集光点でのビームプロファイルのうち、ピーク値の1/e以上の光強度を有する部分の大きさをいう。ここで、eはネイピア数である。第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーは、0.25mJ以上、2mJ以下とした。
第2プリパルスレーザ36は、Nd:YAGの結晶を用いたレーザ装置とした。第2プリパルスレーザ光P2は、波長を1.06μmとし、半値全幅によるパルス時間幅を5nsとし、1/e幅によるスポット直径を400μmとした。第2プリパルスレーザ光P2のパルスエネルギーは、1mJ以上、3.4mJ以下とした。
メインパルスレーザ37は、COレーザ装置とした。メインパルスレーザ光Mは、波長を10.6μmとし、半値全幅によるパルス時間幅を15nsとし、1/e幅によるスポット直径を300μmとした。メインパルスレーザ光Mのパルスエネルギーは、135mJ以上、170mJ以下とした。
パルス間の遅延時間D1及びD2の関係は、以下の通りとした。
D1>D2
ここで、本明細書における遅延時間D1及びD2の定義は以下の通りである。
第1の遅延時間D1は、ターゲット27に対する第1プリパルスレーザ光P1の照射タイミングからターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングまでの遅延時間である。
第2の遅延時間D2は、ターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングからターゲット27に対するメインパルスレーザ光Mの照射タイミングまでの遅延時間である。
2.5 課題
図5は、比較例においてターゲット27に第1プリパルスレーザ光P1を照射したときに発生するイオンのイオンエネルギーを示すグラフである。図5の横軸はイオンエネルギーを示す。縦軸はイオン数を示す。ここで、1つの多価イオンは1イオンとして、イオン数がカウントされている。
比較例において、14psのパルス時間幅を有する第1プリパルスレーザ光P1をターゲット27に照射すると、数十keVものイオンエネルギーを有するイオンが発生することがある。高いイオンエネルギーを有するイオンは、EUV集光ミラー23の多層反射膜に衝突し、多層反射膜の内部に侵入し、多層反射膜を劣化させ、反射率の低下を引き起こすことがある。
3.高いイオンエネルギーを有するイオンの発生を抑制したEUV光生成システム
3.1 構成
図6は、本開示の第1の実施形態に係るEUV光生成システム11の構成を示す一部断面図である。第1の実施形態において、第1プリパルスレーザ35は、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を出力する。第2プリパルスレーザ36は、第3プリパルスレーザ光P3を出力する。第2プリパルスレーザ36の構成は、比較例のものと同様であり、第1の実施形態における第3プリパルスレーザ光P3は、比較例における第2プリパルスレーザ光P2と同様である。
レーザシステム3は、第1プリパルスレーザ光P1、第2プリパルスレーザ光P2、第3プリパルスレーザ光P3、及びメインパルスレーザ光Mがこの順でターゲット27に照射されるように、これらのパルスレーザ光を出力する。
他の点については第1の実施形態は比較例と同様である。
図7Aは、第1の実施形態における第1プリパルスレーザ35の構成を示すブロック図である。第1の実施形態においては、電圧波形生成回路355から光シャッタ352に光シャッタ制御電圧Vを印加するために複数の信号線が設けられていてもよい。
他の点については、図7Aに示される第1プリパルスレーザ35の構成は、図3Aを参照しながら説明した第1プリパルスレーザ35の構成と同様である。
3.2 動作
図7Bは、第1の実施形態における第1プリパルスレーザ35のタイムチャートである。図7Bにおいて、横軸は時間Tを示す。縦軸は信号強度又はパルスレーザ光のエネルギーを示す。
第1の実施形態において、光シャッタ制御電圧Vの電圧波形は、第1のパルス電圧V1と第2のパルス電圧V2とを含む。第1のパルス電圧V1と第2のパルス電圧V2とは別々の信号線を介して光シャッタ352に印加されてもよい。第1のパルス電圧V1は、第1の電圧値を有する。第2のパルス電圧V2は、第1の電圧値より高い第2の電圧値を有する。ターゲット27に対する第1プリパルスレーザ光P1の照射タイミングからターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングまでの第1の遅延時間D1が所定値となるように、第1及び第2のパルス電圧V1及びV2の生成のタイミングが設定される。第1の遅延時間D1は、5ns以上、100ns以下が好ましい。第1の遅延時間D1は、EUV制御部50、遅延回路51、又は第1プリパルスレーザ制御部354のいずれかによって設定される。
パルスレーザ光B1に含まれる複数のパルスのうち、光シャッタ352に第1のパルス電圧V1が印加されたタイミングで光シャッタ352に到達したパルスを、パルス#1とする。パルスレーザ光B1に含まれる複数のパルスのうち、光シャッタ352に第2のパルス電圧V2が印加されたタイミングで光シャッタ352に到達したパルスを、パルス#2とする。光シャッタ352は、2つのパルス#1及び#2をそれぞれパルス#10及び#20として通過させる。第1のパルス電圧V1を印加されたときの光シャッタ352の透過率は、第2のパルス電圧V2を印加されたときの光シャッタ352の透過率より低く設定される。この結果、パルス#10はパルス#20より低いパルスエネルギーを有する。
パルス#10及びパルス#20は増幅器353によって増幅され、それぞれ第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2として出力される。第1プリパルスレーザ光P1は第2プリパルスレーザ光P2より低いパルスエネルギーを有する。第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2は、それぞれピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する。本開示において、ピコ秒オーダーとは、0.1ps以上、1000ps未満の範囲をいうものとする。
光シャッタ352及び増幅器353は、モードロックレーザ装置から出力された複数のパルスの内の少なくとも1つのパルスから第1プリパルスレーザ光及び第2プリパルスレーザ光を生成する光学装置の一例である。
以上のようにして、第1の実施形態においては、パルスレーザ光B1に含まれるパルス#1が光シャッタ352に到達する時の光シャッタ352の透過率を第1の透過率とすることにより、第1プリパルスレーザ光P1が生成される。そして、パルス#1より後のパルス#2が光シャッタ352に到達する時の光シャッタ352の透過率を第1の透過率より高い第2の透過率とすることにより、第2プリパルスレーザ光P2が生成される。
パルス間の遅延時間D1、D3、及びD4は、以下の関係を有することが望ましい。
D1≦D4<D3
ここで、本明細書における遅延時間D3及びD4の定義は以下の通りである。
第3の遅延時間D3は、ターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングからターゲット27に対する第3プリパルスレーザ光P3の照射タイミングまでの遅延時間である。
第4の遅延時間D4は、ターゲット27に対する第3プリパルスレーザ光P3の照射タイミングからターゲット27に対するメインパルスレーザ光Mの照射タイミングまでの遅延時間である。
ここで、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2と、メインパルスレーザ光Mに注目した場合、あるいは、第3プリパルスレーザ光P3を省略した場合、パルス間の遅延時間D1及びD2は、以下の関係を有することが望ましい。
D1<D2
3.3 作用
3.3.1 イオンエネルギー
図8Aは、第1の実施形態においてターゲット27に第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を照射したときに発生するイオンのイオンエネルギーを示すグラフである。図8Aの横軸はイオンエネルギーを示す。縦軸はイオン数を示す。E1は第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーであり、E2は第2プリパルスレーザ光P2のパルスエネルギーである。
図8Aに示されるイオンエネルギーの測定において、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2の各々は、半値全幅によるパルス時間幅を18.8psとし、1/e幅によるスポット直径を50μmとした。
ターゲット27に対する第1プリパルスレーザ光P1の照射タイミングからターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングまでの第1の遅延時間D1は、13nsとした。
図8Aに符号000で示されるように、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1を0mJとした場合には、比較例と同様に、高いイオンエネルギーを有するイオンが発生した。なお、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1を0mJとした場合とは、ターゲット27に第1プリパルスレーザ光P1を照射せずに、第2プリパルスレーザ光P2を照射した場合である。
図8Aに示されるように、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1を以下の順で高くするにつれて、発生するイオンのイオンエネルギーが低下する傾向が見られた。
符号010: E1=0.010mJ
符号017: E1=0.017mJ
符号025: E1=0.025mJ
符号050: E1=0.050mJ
符号078: E1=0.078mJ
符号144: E1=0.144mJ
但し、符号267で示されるように、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1を0.267mJとした場合には、符号050、078、144の各場合よりも、発生するイオンのイオンエネルギーが高くなった。
図8Bは、第1の実施形態における第1プリパルスレーザ光P1の集光点でのフルーエンスF1と、最大のイオンエネルギーとの関係を示すグラフである。図8Bは、図8Aに示される結果から、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1をフルーエンスF1に換算し、最大のイオンエネルギーとの関係を抜き出すことによって作成したグラフである。
図8Bに示されるように、ターゲット27に第1プリパルスレーザ光P1を照射しない場合よりも、第1プリパルスレーザ光P1を照射した場合の方が、最大イオンエネルギーを低減できる。
また、図8Bに近似曲線で示されるように、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1を、1.5J/cm以上、16J/cm以下とすることにより、最大イオンエネルギーを20keV以下に低減することができる。
また、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1を、1.8J/cm以上、13J/cm以下とすることにより、最大イオンエネルギーを10keV以下に低減することができる。
また、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1を、3J/cm以上、9J/cm以下とすることにより、最大イオンエネルギーを5keV以下に低減することができる。
このように、第1の実施形態によれば、ターゲット27に第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を照射したときに発生するイオンのエネルギーを抑制し得る。これにより、EUV集光ミラー23の多層反射膜の劣化や、反射率の低下を抑制し得る。
第2プリパルスレーザ光P2の集光点におけるフルーエンスF2は、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1の2倍以上、100倍以下とするのが好ましい。さらに、符号078及び符号144で示される照射条件において最大イオンエネルギーが最も低かったことから、フルーエンスF2はフルーエンスF1の5倍以上、10倍以下とするのが好ましい。
3.3.2 変換効率(CE)
図9は、第1の実施形態における第1〜第3プリパルスレーザ光P1〜P3、及びメインパルスレーザ光Mの照射条件の例を示すパルス波形図である。
第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1は、0.14mJとした。
第2プリパルスレーザ光P2のパルスエネルギーE2は、0.8mJとした。
第3プリパルスレーザ光P3のパルスエネルギーは、3mJとした。
パルス間の遅延時間D1、D2、及びD4は、以下の通り設定した。
第1の遅延時間D1は、10nsとした。
第2の遅延時間D2は、1.4μsとした。
第4の遅延時間D4は、0.1μsとした。
すなわち、第3の遅延時間D3は、第2の遅延時間D2から第4の遅延時間D4を減算することにより、1.3μsと計算される。
図10は、第1の実施形態における第1〜第3プリパルスレーザ光P1〜P3、及びメインパルスレーザ光MのエネルギーからEUV光のエネルギーへの変換効率(CE)を示すグラフである。図10には、比較例として、第1プリパルスレーザ光P1を照射しなかった場合のCEも示されている。
図10に示されるように、第1の実施形態によれば、比較例におけるCEと比べて遜色のないCEが得られる。
3.4 再生増幅器を含む第1プリパルスレーザ
3.4.1 構成
図11は、第1の実施形態の第1の変形例における第1プリパルスレーザ35の構成を示すブロック図である。図7Aに示される光シャッタ352及び増幅器353の代わりに、第1の変形例においては、再生増幅器356が用いられる。再生増幅器356は、増幅媒体70と光シャッタ75とを含む。
他の点については、第1の変形例における第1プリパルスレーザ35の構成は、図7Aを参照しながら説明したものと同様である。
再生増幅器356は、モードロックレーザ装置から出力された複数のパルスの内の少なくとも1つのパルスから第1及び第2プリパルスレーザ光を生成する光学装置の一例である。
図12は、第1の実施形態の第1の変形例における再生増幅器356の構成を示す。再生増幅器356は、平面ミラー68と凹面ミラー69とで構成された光共振器を含む。この光共振器の光路に、増幅媒体70と、凹面ミラー71と、平面ミラー72と、偏光ビームスプリッタ73と、ポッケルスセルPC1と、λ/4波長板74とが、この順に平面ミラー68側から配置されている。増幅媒体70は、例えば、Nd:YAGの結晶である。ポッケルスセルPC1は、光共振器へのパルスの閉じ込め及び光共振器からのパルスの取り出しを制御する光学素子に相当する。さらに、再生増幅器356は、光共振器の外部から増幅媒体70に励起光を導入するための励起光源61を含む。また、再生増幅器356は、偏光ビームスプリッタ64と、ファラデーアイソレータ65と、平面ミラー66と、平面ミラー67とを含む。ファラデーアイソレータ65は、図示しないファラデーローテータと図示しないλ/2波長板とを含む。
偏光ビームスプリッタ73と、ポッケルスセルPC1と、λ/4波長板74と、凹面ミラー69と、偏光ビームスプリッタ64と、ファラデーアイソレータ65と、平面ミラー66と、平面ミラー67とで、光シャッタ75が構成される。
3.4.2 動作
偏光ビームスプリッタ64は、偏光方向が紙面に平行な直線偏光のパルスレーザ光B1を高い透過率で透過させる。また、偏光ビームスプリッタ64は、後述のように、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光を高い反射率で反射する。
パルスレーザ光B1は、互いに垂直な第1の偏光成分及び第2の偏光成分を含む。第1及び第2の偏光成分の合成ベクトルの方向は、パルスレーザ光B1の偏光方向と一致し、紙面に平行である。
ファラデーアイソレータ65は、図中下側から入射したパルスレーザ光B1の第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相を1/2波長分ずらして透過させる。これにより、ファラデーアイソレータ65は、直線偏光のパルスレーザ光B1の偏光方向を90度回転させて透過させる。また、ファラデーアイソレータ65は、後述のように、図中上側から入射するパルスレーザ光の第1及び第2の偏光成分の位相差を変化させずに透過させる。すなわち、図中上側から入射するパルスレーザ光の偏光方向を回転させずに透過させる。
光共振器内に配置された偏光ビームスプリッタ73は、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光を高い反射率で反射する。また、偏光ビームスプリッタ73は、後述のように、偏光方向が紙面に平行な直線偏光のパルスレーザ光を高い透過率で透過させる。
ポッケルスセルPC1は、電圧波形生成回路355によって電圧V3を印加可能とされている。ポッケルスセルPC1は、電圧V3が印加されていない状態においては、パルスレーザ光の第1及び第2の偏光成分の位相差を変化させずに透過させる。ポッケルスセルPC1は、電圧V3が印加されている状態においては、パルスレーザ光の第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相を1/4波長分ずらして透過させる。ポッケルスセルPC1の代わりに、同様の機能を有する電気光学素子や音響光学素子が用いられてもよい。
λ/4波長板74は、パルスレーザ光の第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相を1/4波長分ずらして透過させる。
3.4.2.1 ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合
ファラデーアイソレータ65から平面ミラー66及び67と偏光ビームスプリッタ73とを介して光共振器に入射したパルスレーザ光は、凹面ミラー69によって折り返されて、偏光ビームスプリッタ73に戻ってくる。このとき、ポッケルスセルPC1とλ/4波長板74とをそれぞれ2回ずつ透過する。ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合には、第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相が合計で1/2波長分ずらされる。従って、パルスレーザ光の偏光方向が90度回転し、偏光方向が紙面に平行な直線偏光のパルスレーザ光として偏光ビームスプリッタ73に入射する。偏光ビームスプリッタ73は、偏光方向が紙面に平行な直線偏光のパルスレーザ光を高い透過率で透過させる。
偏光ビームスプリッタ73を透過して出射したパルスレーザ光B4は、平面ミラー68によって折り返されて、パルスレーザ光B5として偏光ビームスプリッタ73に戻ってくるまでの間に、増幅媒体70によって増幅される。
パルスレーザ光B5は偏光ビームスプリッタ73を高い透過率で透過する。偏光ビームスプリッタ73を透過したパルスレーザ光は、凹面ミラー69によって折り返されて、偏光ビームスプリッタ73に戻ってくる。このとき、ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合には、パルスレーザ光の偏光方向が90度回転し、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光として偏光ビームスプリッタ73に入射する。偏光ビームスプリッタ73は、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光を高い反射率で反射する。
以上のようにして、パルスレーザ光は、ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合には、光共振器の内部で一往復しただけで光共振器から出力される。
光共振器から出力されたパルスレーザ光は、ファラデーアイソレータ65に図中上側から入射する。ファラデーアイソレータ65は、図中上側から入射した直線偏光のパルスレーザ光を、その偏光方向を回転させずに透過させる。偏光ビームスプリッタ64は、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光を高い反射率で反射する。
偏光ビームスプリッタ64によって反射されたパルスレーザ光B3は、図6に示されたレーザ光集光光学系22aを介してプラズマ生成領域25に導かれる。ただし、再生増幅器356の光共振器内を一往復しただけで出力されたこのパルスレーザ光B3は、仮にターゲット27に照射されても、ターゲット27を拡散させず、ターゲット27をプラズマ化もしない程度の弱い強度を有している。
3.4.2.2 ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加された場合
電圧波形生成回路355は、パルスレーザ光B4が偏光ビームスプリッタ73から出射した後、パルスレーザ光B5として偏光ビームスプリッタ73に戻ってくるまでの間に、ポッケルスセルPC1に印加する電圧V3をOFFからONにしてもよい。ポッケルスセルPC1は、電圧V3が印加されている状態においては、第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相を1/4波長分ずらしてパルスレーザ光を透過させる。
図中左側から偏光ビームスプリッタ73を透過したパルスレーザ光は、凹面ミラー69によって折り返されて、偏光ビームスプリッタ73に戻ってくる。このとき、パルスレーザ光は、λ/4波長板74を2回透過することで偏光方向が90度回転し、且つ、電圧V3が印加されているポッケルスセルPC1を2回透過することでさらに偏光方向が90度回転する。これにより、偏光方向が紙面に平行な直線偏光のパルスレーザ光が偏光ビームスプリッタ73に入射する。偏光方向が紙面に平行な直線偏光のパルスレーザ光は、偏光ビームスプリッタ73を再び透過して、増幅媒体70によって増幅される。ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されている間、光共振器にパルスが閉じ込められた状態となり、増幅動作が繰り返される。
増幅動作が繰り返された後、電圧波形生成回路355は、偏光ビームスプリッタ73から出射したパルスレーザ光B4がパルスレーザ光B5として偏光ビームスプリッタ73に戻ってくるまでの間に、ポッケルスセルPC1に印加する電圧V3をONからOFFにしてもよい。
図中左側から偏光ビームスプリッタ73を透過したパルスレーザ光は、凹面ミラー69によって折り返されて、偏光ビームスプリッタ73に戻ってくる。ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合には、パルスレーザ光は、偏光方向が90度回転し、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光として偏光ビームスプリッタ73に入射する。偏光ビームスプリッタ73は、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光を高い反射率で反射する。このようにして、光共振器からパルスが取り出される。
なお、ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されて増幅動作が繰り返されている間、新たにモードロックレーザ装置351から出力されたパルスレーザ光B1は、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光として光共振器に入射し、ポッケルスセルPC1に入射する。パルスレーザ光は、λ/4波長板74を2回透過することで偏光方向が90度回転し、且つ、電圧V3が印加されているポッケルスセルPC1を2回透過することでさらに偏光方向が90度回転し、偏光方向が紙面に垂直な直線偏光のパルスレーザ光として偏光ビームスプリッタ73に入射する。従って、このパルスレーザ光は、一度も増幅されることなく、偏光ビームスプリッタ73によって反射されて光共振器の外部に出力される。
3.4.2.3 第1及び第2プリパルスレーザ光の生成
図13A及び図13Bは、第1の実施形態の第1の変形例における光シャッタ75の機能を簡略的に示す。ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない状態において(PC1:OFF)、パルスレーザ光B1は、増幅媒体70を含む光共振器においてパルスレーザ光B4及びB5として一往復した後、パルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力される。
パルスレーザ光B4が光シャッタ75から出射した後、パルスレーザ光B5として戻ってくるまでの間に、ポッケルスセルPC1に印加される電圧V3がOFFからONに切り替わると(PC1:ON)、光共振器にパルスが閉じ込められて、増幅媒体70によって繰返し増幅される。このとき、新たに入射するパルスレーザ光B1は、増幅媒体70によって一度も増幅されることなく、パルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力される。ポッケルスセルPC1に印加される電圧V3がONからOFFに切り替わると(PC1:OFF)、光共振器に閉じ込められていたパルスが光シャッタ75を介して取り出され、パルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力される。ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加された状態は(PC1:ON)、光共振器へのパルスの閉じ込めを行う第1の状態に相当する。ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない状態は(PC1:OFF)、光共振器からのパルスの取り出しを行う第2の状態に相当する。
図13Cは、第1の実施形態の第1の変形例において第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を生成する過程を示すタイムチャートである。図13Cにおいて、横軸は時間Tを示す。縦軸は信号強度又はパルスレーザ光のエネルギーを示す。
パルスレーザ光B1は、モードロックレーザ装置351から周期的に出力される。
ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない状態において(PC1:OFF)、パルスレーザ光B1に含まれるパルス#1は、パルスレーザ光B4のパルス#10として光シャッタ75から出射する。このパルスは、増幅媒体70によって増幅され、パルスレーザ光B5のパルス#11として光シャッタ75に戻り、パルスレーザ光B3のパルス#12として再生増幅器356から出力される。パルス#2もパルス#1と同様の経路を通過し、パルスレーザ光B3のパルス#22として出力される。
パルスレーザ光B1に含まれるパルス#3は、パルスレーザ光B4のパルス#30として光シャッタ75から出射する。このパルスを光共振器に閉じ込めるために、パルス#30がパルスレーザ光B5のパルス#31として光シャッタ75に戻ってくるまでの間に、電圧V3の立ち上がりを完了させる(PC1:ON)。すると、このパルスはパルスレーザ光B4のパルス#32として光シャッタ75から再び出射する。その後、このパルスは、パルス#33、#34、#35、#36、#37として光共振器の内部を往復しながら増幅される。
ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されている状態で(PC1:ON)、光シャッタ75に入射したパルスレーザ光B1のパルス#4、#5、#6は、一度も増幅されることなく、パルスレーザ光B3のパルス#40、#50、#60として再生増幅器356から出力される。
第1の実施形態の第1の変形例においては、増幅媒体70から光シャッタ75に戻ってきたパルスレーザ光B5のパルス#37がポッケルスセルPC1を通過するのと同期して、ポッケルスセルPC1に印加される電圧V3をONからOFFに切り替える。より詳しくは、電圧V3の立ち下がりの途中で、パルス#37がポッケルスセルPC1を通過するように、電圧V3の立ち下がりのタイミングを調節する。電圧V3の立ち下がりのタイミングは、例えば、図示しない光検出器の検出結果に基づいて制御されてもよい。
すると、パルス#37の一部はパルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力される。このパルスレーザ光B3は第1プリパルスレーザ光P1に相当する。しかし、パルス#37の他の一部は、パルスレーザ光B3として出力されずに、パルスレーザ光B4のパルス#38として光共振器の内部に残る。パルス#38は、増幅媒体70でさらに増幅されて、パルスレーザ光B5のパルス#39として光シャッタ75に戻ってくる。このとき、ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加されていない場合には(PC1:OFF)、パルス#39はパルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力される。このパルスレーザ光B3は第2プリパルスレーザ光P2に相当する。
3.4.3 作用
第1の変形例によれば、電圧V3の立ち下がりの途中のどの時点で、パルス#37がポッケルスセルPC1を通過するかを微調整することにより、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2のパルスエネルギーの比率を変更することができる。
第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2の出力タイミングの差は、再生増幅器356に含まれる光共振器の共振器長に依存する。例えば、光共振器の共振器長を1.5mとし、真空中の光速を3×10m/sとし、光路内の屈折率を1とした場合、出力タイミングの差は10nsとなる。出力タイミングの差は、ほぼ第1の遅延時間D1に相当する。
3.5 2つのポッケルスセルを含む再生増幅器
3.5.1 構成
図14は、第1の実施形態の第2の変形例における再生増幅器356の構成を示す。第2の変形例において、再生増幅器356は、凹面ミラー69と偏光ビームスプリッタ73との間に、もう1つのポッケルスセルPC2を含む。ポッケルスセルPC1及びPC2は、光共振器へのパルスの閉じ込め及び光共振器からのパルスの取り出しを制御する第1及び第2の光学素子に相当する。
ポッケルスセルPC2は、電圧波形生成回路355によって電圧V4を印加可能とされている。ポッケルスセルPC2は、電圧V4が印加されていない状態においては、パルスレーザ光の第1及び第2の偏光成分の位相差を変化させずに透過させる。従って、ポッケルスセルPC2に電圧V4が印加されていない場合、第2の変形例における再生増幅器356の動作は、第1の変形例における動作と同様である。
ポッケルスセルPC2は、電圧V4が印加されている状態においては、パルスレーザ光の第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相をずらして透過させる。電圧V4の値を変更することにより、これらの偏光成分に与えられる位相のずらし量を変更することができる。
他の点については、第2の変形例の構成は図12を参照しながら説明した第1の変形例の構成と同様である。
3.5.2 動作
図15A及び図15Bは、第1の実施形態の第2の変形例における光シャッタ75の機能を簡略的に示す。ポッケルスセルPC2に電圧V4が印加されていない状態において(PC2:OFF)、光シャッタ75の機能は、図13A及び図13Bを参照しながら説明した第1の変形例における光シャッタ75の機能と同様である。
ポッケルスセルPC2に電圧V3と同じ電圧V4が印加された場合(PC2:ON)、ポッケルスセルPC2は、パルスレーザ光の第1の偏光成分の位相に対して第2の偏光成分の位相を1/4波長分ずらして透過させる。このため、ポッケルスセルPC1及びPC2の両方の電圧をONにした場合の光シャッタ75の動作は(PC1:ON、PC2:ON)、ポッケルスセルPC1及びPC2の両方の電圧をOFFにした場合の光シャッタ75の動作(PC1:OFF、PC2:OFF)と同様となる。
図15Cは、第1の実施形態の第2の変形例において第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を生成する過程を示すタイムチャートである。図15Cにおいて、横軸は時間Tを示す。縦軸は信号強度又はパルスレーザ光のエネルギーを示す。
ポッケルスセルPC2に電圧V4が印加されていない場合(PC2:OFF)、第2の変形例における光シャッタ75の動作は、第1の変形例における動作と同様である。パルスレーザ光B1に含まれるパルス#3を光共振器に閉じ込めるために、ポッケルスセルPC1に電圧V3が印加される(PC1:ON)。
第2の変形例においては、パルスレーザ光B4のパルス#36が光シャッタ75から出射した後、パルスレーザ光B5のパルス#37として光シャッタ75に戻ってくるまでの間に、電圧V4を所定値まで立ち上げる。電圧V4の所定値は、0より高く、電圧V3より低い値とする。
すると、パルス#37の一部はパルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力される。このパルスレーザ光B3は第1プリパルスレーザ光P1に相当する。しかし、パルス#37の他の一部は、パルスレーザ光B3として出力されずに、パルスレーザ光B4のパルス#38として光共振器の内部に残る。パルス#38は、増幅媒体70でさらに増幅されて、パルスレーザ光B5のパルス#39として光シャッタ75に戻ってくる。
パルスレーザ光B4のパルス#38が光シャッタ75から出射した後、パルスレーザ光B5のパルス#39として光シャッタ75に戻ってくるまでの間に、電圧V3及び電圧V4の両方の印加を解除する(PC1:OFF、PC2:OFF)。これにより、パルス#39はパルスレーザ光B3として光共振器から取り出され、再生増幅器356から出力される。このパルスレーザ光B3は第2プリパルスレーザ光P2に相当する。
あるいは、パルスレーザ光B4のパルス#38が光シャッタ75から出射した後、パルスレーザ光B5のパルス#39として光シャッタ75に戻ってくるまでの間に、電圧V4の印加を解除し、電圧V3は印加されたままとしてもよい(PC1:ON、PC2:OFF)。この場合、パルス#39は光共振器の内部に残り、さらに増幅される。その後、電圧V3の印加を解除することにより(PC1:OFF、PC2:OFF)、このパルスをパルスレーザ光B3として再生増幅器356から出力させることができる。このパルスレーザ光B3は第2プリパルスレーザ光P2に相当する。
3.5.3 作用
第2の変形例によれば、電圧V4の値を調整することにより、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2のパルスエネルギーの比率を変更することができる。第1の変形例における電圧V3の立ち下がりのタイミングの制御に比べて、第2の変形例においては電圧V4の値の制御が安定しやすいため、パルスエネルギーの比率を安定させることができる。
3.6 遅延光路を含む第1プリパルスレーザ
3.6.1 構成
図16Aは、第1の実施形態の第3の変形例における第1プリパルスレーザ35の構成を示すブロック図である。第3の変形例における第1プリパルスレーザ35は、マスターオシレータMOと、リターダ357と、2つの偏光子358及び359と、増幅器353と、を含む。
マスターオシレータMOは、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有するパルスレーザ光B1を出力するレーザ装置である。リターダ357は、例えば、λ/2波長板を含む。マスターオシレータMOから出力されたパルスレーザ光B1の偏光方向に対して、リターダ357を構成する結晶の光学軸の方向の傾きがθであるとすると、リターダ357は、パルスレーザ光B1の偏光方向を2θ回転させて出射する。リターダ357から出射したパルスレーザ光は、互いに垂直な第1の偏光成分及び第2の偏光成分を含む。リターダ357から出射したパルスレーザ光の偏光方向に応じて、第1及び第2の偏光成分の比率が異なる。
偏光子358及び359の各々は、例えば偏光ビームスプリッタで構成される。偏光子358及び359の各々は、第1の偏光成分を高い反射率で反射し、第2の偏光成分を高い透過率で透過させる。これにより、偏光子358は、リターダ357から出射したパルスレーザ光を、第1の偏光成分を含むパルスレーザ光B7と、第2の偏光成分を含むパルスレーザ光B8とに分岐させる。偏光子359は、パルスレーザ光B7とパルスレーザ光B8とを合流させてパルスレーザ光B9として出射する。偏光子358と偏光子359との間のパルスレーザ光B7の光路は遅延光路DP1を含む。偏光子358と偏光子359との間のパルスレーザ光B8の光路は遅延光路DP1より長い遅延光路DP2を含む。偏光子358は本開示の第1の偏光子に相当し、偏光子359は本開示の第2の偏光子に相当する。遅延光路DP1は本開示の第1の遅延光路に相当し、遅延光路DP2は本開示の第2の遅延光路に相当する。
これに限らず、遅延光路DP1が遅延光路DP2より長い代替構成が採用されてもよい。この代替構成においては、遅延光路DP1は本開示の第2の遅延光路に相当し、遅延光路DP2は本開示の第2の遅延光路に相当する。
増幅器353は、マルチパススラブ増幅器、あるいはファイバー増幅器を含む。増幅器353は、パルスレーザ光B9を増幅してパルスレーザ光B3として出力する。パルスレーザ光B3には、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2が含まれる。
3.6.2 動作及び作用
図16Bは、第1の実施形態の第3の変形例において第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を生成する過程を示すタイムチャートである。図16Bにおいて、横軸は時間Tを示す。縦軸はパルスレーザ光のエネルギーを示す。
リターダ357及び偏光子358により、パルスレーザ光B1がパルスレーザ光B7及びB8に分岐される。リターダ357を構成する結晶の光学軸の方向を調整することにより、第1及び第2の偏光成分の比率を調整することができる。第1及び第2の偏光成分の比率を調整することにより、パルスレーザ光B7及びB8のパルスエネルギーの比率を調整することができる。従って、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2のパルスエネルギーの比率は、パルスレーザ光B1の偏光方向に対するリターダ357の結晶の光学軸の傾斜角θによって調節することができる。
偏光子359は、パルスレーザ光B7及びB8を合流させてパルスレーザ光B9として出射する。パルスレーザ光B9に含まれる第1及び第2の偏光成分の時間差は、遅延光路DP1及びDP2の光路長差によって調節することができる。第1及び第2の偏光成分の時間差は、ほぼ第1の遅延時間D1に相当する。遅延光路DP1を通過したパルスレーザ光B7が増幅されることによって第1プリパルスレーザ光P1が生成され、遅延光路DP2を通過したパルスレーザ光B8が増幅されることによって第2プリパルスレーザ光P2が生成される。
上述の代替構成による場合は、遅延光路DP2を通過したパルスレーザ光B8が増幅されることによって第1プリパルスレーザ光P1が生成され、遅延光路DP1を通過したパルスレーザ光B7が増幅されることによって第2プリパルスレーザ光P2が生成される。
第3の変形例によれば、ポッケルスセル等の制御を行わなくても、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を生成することができる。
第3の変形例においては、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2が互いに異なる偏光方向を有しているが、本開示はこれに限定されない。例えば、偏光子359と増幅器353との間に、第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2の偏光方向を一致させる、もしくは互いに任意の偏光方向にするための光学素子が配置されてもよい。
3.7 ナノ秒オーダーの第1プリパルスレーザ光
3.7.1 構成
図17は、第1の実施形態の第4の変形例に係るEUV光生成システム11の構成を示す一部断面図である。第4の変形例において、第1プリパルスレーザ35は、ナノ秒オーダーのパルス時間幅を有する第1プリパルスレーザ光P1を出力する。本開示において、ナノ秒オーダーとは、1ns以上、第3の遅延時間D3未満をいうものとする。あるいは、ナノ秒オーダーは、1ns以上、第2の遅延時間D2未満でもよい。あるいは、ナノ秒オーダーは、1ns以上、1000ns未満の範囲でもよい。
第2プリパルスレーザ36は、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する第2プリパルスレーザ光P2を出力する。
メインパルスレーザ37は、第3プリパルスレーザ光P3とメインパルスレーザ光Mとの両方を出力する。メインパルスレーザ37が第3プリパルスレーザ光P3とメインパルスレーザ光Mとの両方を出力する構成については、図19を参照しながら後述する。あるいは、第3プリパルスレーザ光P3とメインパルスレーザ光Mとを出力するために、図示しない第3プリパルスレーザと、メインパルスレーザ37とが別々に用いられてもよい。
他の点については、第4の変形例の構成は図6を参照しながら説明した構成と同様である。
3.7.2 イオンエネルギー
図18Aは、第1の実施形態の第4の変形例においてターゲット27に第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2を照射したときに発生するイオンのイオンエネルギーを示すグラフである。図18Aの横軸はイオンエネルギーを示す。縦軸はイオン数を示す。E1は第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーであり、E2は第2プリパルスレーザ光P2のパルスエネルギーである。
図18Aに示されるイオンエネルギーの測定において、第1プリパルスレーザ光P1は、半値全幅によるパルス時間幅を6nsとし、1/e幅によるスポット直径を400μmとした。
第2プリパルスレーザ光P2は、半値全幅によるパルス時間幅を18.8psとし、1/e幅によるスポット直径を50μmとした。
ターゲット27に対する第1プリパルスレーザ光P1の照射タイミングからターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングまでの第1の遅延時間D1は、10nsとした。
図18Aに符号000で示されるように、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1を0mJとした場合には、高いイオンエネルギーを有するイオンが発生した。
図18Aに示されるように、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1を以下の順で高くするにつれて、発生するイオンのイオンエネルギーが低下する傾向が見られた。
符号015: E1=1.5mJ
符号017: E1=1.72mJ
符号020: E1=2.01mJ
符号030: E1=3mJ
符号060: E1=6mJ
符号120: E1=12mJ
図18Bは、第1の実施形態の第4の変形例における第1プリパルスレーザ光P1の集光点でのフルーエンスF1と、最大のイオンエネルギーとの関係を示すグラフである。図18Bは、図18Aに示される結果から、第1プリパルスレーザ光P1のパルスエネルギーE1をフルーエンスF1に換算し、最大のイオンエネルギーとの関係を抜き出すことによって作成したグラフである。
図18Bに示されるように、ターゲット27に第1プリパルスレーザ光P1を照射しない場合よりも、第1プリパルスレーザ光P1を照射した場合の方が、最大イオンエネルギーを低減できる。
また、図18Bに近似曲線で示されるように、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1を、1.5J/cm以上、16J/cm以下とすることにより、最大イオンエネルギーを10keV以下に低減することができる。
また、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1を、1.8J/cm以上、13J/cm以下とすることにより、最大イオンエネルギーを5keV以下に低減することができる。
また、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1を、3J/cm以上、11/cm以下とすることにより、最大イオンエネルギーを2.5keV以下に低減することができる。
第2プリパルスレーザ光P2の集光点におけるフルーエンスF2は、第1プリパルスレーザ光P1の集光点におけるフルーエンスF1の2倍以上、100倍以下とするのが好ましい。さらに、符号060及び符号120で示される照射条件において最大イオンエネルギーが最も低かったことから、フルーエンスF2はフルーエンスF1の4倍以上、8倍以下とするのが好ましい。
4.2つのパルスを生成するメインパルスレーザ
4.1 構成
図19は、本開示の第2の実施形態に係るEUV光生成システム11の構成を示す一部断面図である。第2の実施形態において、メインパルスレーザ37は、第3プリパルスレーザ光P3及びメインパルスレーザ光Mを出力する。
他の点については第2の実施形態は第1の実施形態と同様である。
図20Aは、第2の実施形態におけるメインパルスレーザ37の構成を示すブロック図である。メインパルスレーザ37は、2つのマスターオシレータMO1及びMO2と、ビームコンバイナ373と、複数の増幅器PA1、PA2及びPA3と、を含む。マスターオシレータMO1及びMO2の各々は、例えば、図示しないQスイッチを含むCOレーザ発振器、あるいは、量子カスケードレーザを含む。増幅器PA1、PA2及びPA3の各々は、例えば、COレーザ増幅器を含む。
遅延回路51とメインパルスレーザ37との間に、メインパルスレーザ制御部374が信号線で接続されている。メインパルスレーザ制御部374は、EUV光生成制御部5に含まれてもよく、EUV光生成制御部5と一体的に構成されてもよい。
4.2 動作
図20Bは、第2の実施形態においてマスターオシレータMO1から出力されたパルスレーザ光のパルス波形を示す。メインパルスレーザ制御部374は、遅延回路51から送信されるトリガ信号に従って、マスターオシレータMO1に発振トリガ信号を出力する。マスターオシレータMO1は、この発振トリガ信号に従ってパルスレーザ光を出力する。
図20Cは、第2の実施形態においてマスターオシレータMO2から出力されたパルスレーザ光のパルス波形を示す。メインパルスレーザ制御部374は、遅延回路51から送信されるトリガ信号に従って、マスターオシレータMO2に発振トリガ信号を出力する。マスターオシレータMO2は、この発振トリガ信号に従ってパルスレーザ光を出力する。
図20Dは、第2の実施形態においてビームコンバイナ373から出射したパルスレーザ光のパルス波形を示す。ビームコンバイナ373は、マスターオシレータMO1及びMO2からそれぞれ出力されたパルスレーザ光の光路を結合させ、増幅器PA1に向けて出射する。
マスターオシレータMO2から出力されたパルスレーザ光は、マスターオシレータMO1から出力されたパルスレーザ光に対して所定の時間差を有している。マスターオシレータMO2から出力されたパルスレーザ光は、マスターオシレータMO1から出力されたパルスレーザ光よりも大きいエネルギーを有している。
図20Eは、第2の実施形態において増幅器PA3から出射したパルスレーザ光のパルス波形を示す。増幅器PA1〜PA3は、ビームコンバイナ373から出射したパルスレーザ光を増幅し、第3プリパルスレーザ光P3及びメインパルスレーザ光Mとして出力する。マスターオシレータMO1及びMO2から出力されるパルスレーザ光の時間差が、ターゲット27に対する第3プリパルスレーザ光P3の照射タイミングからターゲット27に対するメインパルスレーザ光Mの照射タイミングまでの第4の遅延時間D4にほぼ相当する。
4.3 作用
第2の実施形態によれば、1つのメインパルスレーザ37から第3プリパルスレーザ光P3及びメインパルスレーザ光Mの両方を出力するので、レーザシステム3の構成をシンプルにすることができる。
第2の実施形態においては、ビームコンバイナ373をマスターオシレータMO2と増幅器PA1との間に配置したが、本開示はこれに限定されない。第3プリパルスレーザ光P3を大きく増幅する必要がない場合、ビームコンバイナ373を、増幅器PA1と増幅器PA2との間、あるいは増幅器PA2と増幅器PA3との間に配置してもよい。
第2の実施形態においては、第3プリパルスレーザ光P3とメインパルスレーザ光Mとを別々のパルスとしてメインパルスレーザ37から出力したが、本開示はこれに限定されない。マスターオシレータMO1及びMO2から出力されるパルスレーザ光の時間差を短い時間に設定することにより、2つのパルスを近接させ、ペデスタル部を有するメインパルスレーザ光としてもよい。
4.4 ペデスタル部を含むメインパルスを生成するメインパルスレーザ
4.4.1 構成
図21は、第2の実施形態の変形例に係るEUV光生成システム11の構成を示す一部断面図である。第2の実施形態の変形例において、メインパルスレーザ37は、ペデスタル部を含むメインパルスレーザ光MPを出力する。
他の点については、図19を参照しながら説明したものと同様である。
図22Aは、第2の実施形態の変形例におけるメインパルスレーザ37の構成を示すブロック図である。メインパルスレーザ37は、マスターオシレータMOと、光シャッタ372と、複数の増幅器PA1、PA2及びPA3と、電圧波形生成回路375と、を含む。
4.4.2 動作
図22Bは、第2の実施形態の変形例においてマスターオシレータMOから出力されたパルスレーザ光B1のパルス波形を示す。メインパルスレーザ制御部374は、遅延回路51から送信されるトリガ信号に従って、マスターオシレータMOに発振トリガ信号を出力する。マスターオシレータMOは、この発振トリガ信号に従ってパルスレーザ光B1を出力する。
図22Cは、第2の実施形態の変形例において電圧波形生成回路375から出力された光シャッタ制御電圧V5のパルス波形を示す。光シャッタ制御電圧V5は、電圧値の低い前半部と、電圧値の高い後半部とを含む階段状のパルスである。
図22Dは、第2の実施形態の変形例において光シャッタ372を通過したパルスレーザ光B2のパルス波形を示す。光シャッタ372は、光シャッタ制御電圧V5の電圧値が低い状態では透過率が低く、光シャッタ制御電圧V5の電圧値が高い状態では透過率が高い。従って、パルスレーザ光B2のパルス波形は、光強度が低く緩やかに立ち上がる前半部と、光強度が高い値まで急激に立ち上がった後、光強度が低下する後半部とを含む。
図22Eは、第2の実施形態の変形例において増幅器PA3を通過したメインパルスレーザ光MPのパルス波形を示す。増幅器PA1〜PA3は、パルスレーザ光B2を増幅してメインパルスレーザ光MPを出力する。メインパルスレーザ光MPのパルス波形は、光強度が低く緩やかに立ち上がるペデスタル部と、光強度が高い値まで急激に立ち上がった後、光強度が低下するピーク部とを含む。
図23は、第2の実施形態の変形例における第1及び第2プリパルスレーザ光P1及びP2、及びペデスタル部を含むメインパルスレーザ光MPのパルス波形図である。
パルス間の遅延時間D1及びD2の関係は、以下の通りとする。
D1<D2
ただし、メインパルスレーザ光Mの代わりにペデスタル部を含むメインパルスレーザ光MPをターゲット27に照射する場合の遅延時間D2の定義は以下の通りである。
第2の遅延時間D2は、ターゲット27に対する第2プリパルスレーザ光P2の照射タイミングからターゲット27に対するメインパルスレーザ光MPの照射タイミングまでの遅延時間である。
4.4.3 作用
第2の実施形態の変形例によれば、ペデスタル部を含むメインパルスレーザ光MPを生成することにより、ターゲット27を効率よくプラズマ化することができる。
光シャッタ制御電圧V5に含まれる前半部及び後半部は、時間的に連続している場合に限らず、時間的に分離され、別々の矩形波のパルスとして生成されてもよい。光シャッタ制御電圧V5の前半部と後半部とを時間的に分離させた場合、パルスレーザ光B2は時間的に分離された2つのパルスとなる。これにより、増幅器PA3から第3プリパルスレーザ光P3とメインパルスレーザ光Mとを出力することができる。
5.その他
図24は、EUV光生成装置1に接続された露光装置6の構成を概略的に示す。
図24において、露光装置6は、マスク照射部600とワークピース照射部601とを含む。マスク照射部600は、EUV光生成装置1から入射したEUV光によって、反射光学系を介してマスクテーブルMTのマスクパターンを照明する。ワークピース照射部601は、マスクテーブルMTによって反射されたEUV光を、反射光学系を介してワークピーステーブルWT上に配置された図示しないワークピース上に結像させる。ワークピースはフォトレジストが塗布された半導体ウエハ等の感光基板である。露光装置6は、マスクテーブルMTとワークピーステーブルWTとを同期して平行移動させることにより、マスクパターンを反映したEUV光をワークピースに露光する。以上のような露光工程によって半導体ウエハにデバイスパターンを転写することで電子デバイスを製造することができる。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかである。また、本開示の実施形態を組み合わせて使用することも当業者には明らかである。
本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語は、明記が無い限り「限定的でない」用語と解釈されるべきである。たとえば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。また、「A、B及びCの少なくとも1つ」という用語は、「A」「B」「C」「A+B」「A+C」「B+C」又は「A+B+C」と解釈されるべきである。さらに、それらと「A」「B」「C」以外のものとの組み合わせも含むと解釈されるべきである。

Claims (19)

  1. チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、
    レーザシステムであって、
    前記ターゲットに、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、前記第1プリパルスレーザ光、前記第2プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を出力し、
    前記第1プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第1プリパルスレーザ光のフルーエンスが、1.5J/cm以上、16J/cm以下となるように構成された、前記レーザシステムと、
    制御部であって、
    前記ターゲットに対する前記第1プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、
    前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記メインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間と
    の関係が
    第1の遅延時間<第2の遅延時間
    となるように前記レーザシステムを制御する、前記制御部と、
    を備える、極端紫外光生成システム。
  2. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、
    前記第2プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第2プリパルスレーザ光のフルーエンスが、
    前記第1プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第1プリパルスレーザ光のフルーエンスの
    5倍以上、10倍以下となるように構成された、極端紫外光生成システム。
  3. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記制御部は、前記第1の遅延時間が、5ns以上、100ns以下となるように前記レーザシステムを制御する、極端紫外光生成システム。
  4. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、複数のパルスを含むパルスレーザ光を出力するモードロックレーザ装置と、前記複数のパルスの内の少なくとも1つのパルスから前記第1プリパルスレーザ光及び前記第2プリパルスレーザ光を生成する光学装置と、を含む、極端紫外光生成システム。
  5. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、
    モードロックレーザ装置と、
    前記モードロックレーザ装置から出力されるパルスレーザ光の光路に配置された光シャッタと、
    を含み、
    前記制御部は、前記パルスレーザ光に含まれる複数のパルスの内の第1のパルスが前記光シャッタに到達する時の前記光シャッタの透過率を第1の透過率とすることにより、前記光シャッタを透過した前記第1のパルスを前記第1プリパルスレーザ光とし、前記複数のパルスの内の前記第1のパルスより後の第2のパルスが前記光シャッタに到達する時の前記光シャッタの透過率を前記第1の透過率より高い第2の透過率とすることにより、前記光シャッタを透過した前記第2のパルスを前記第2プリパルスレーザ光とする、極端紫外光生成システム。
  6. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、
    モードロックレーザ装置と、
    前記モードロックレーザ装置から出力されるパルスレーザ光の光路に配置された再生増幅器であって、光共振器と、前記光共振器の光路に配置された増幅媒体と、前記光共振器へのパルスの閉じ込め及び前記光共振器からのパルスの取り出しを制御する光学素子と、を含む前記再生増幅器と、
    を含み、
    前記制御部は、前記パルスレーザ光に含まれる複数のパルスの内の1つのパルスを前記光共振器に閉じ込めた後、前記1つのパルスが前記光学素子を通過するタイミングに同期して、前記光共振器へのパルスの閉じ込めを行う第1の状態から前記光共振器からのパルスの取り出しを行う第2の状態に前記光学素子を変更することにより、前記1つのパルスの内の一部を前記光共振器から取り出して前記第1プリパルスレーザ光とし、前記1つのパルスの内の他の一部を前記光共振器の内部でさらに増幅して前記第2プリパルスレーザ光とする、極端紫外光生成システム。
  7. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、
    モードロックレーザ装置と、
    前記モードロックレーザ装置から出力されるパルスレーザ光の光路に配置された再生増幅器であって、光共振器と、前記光共振器の光路に配置された増幅媒体と、前記光共振器へのパルスの閉じ込め及び前記光共振器からのパルスの取り出しを制御する第1及び第2の光学素子と、を含む前記再生増幅器と、
    を含み、
    前記制御部は、前記第1の光学素子への印加電圧を第1の電圧とすることにより前記パルスレーザ光に含まれる複数のパルスの内の1つのパルスを前記光共振器に閉じ込めた後、前記第2の光学素子への印加電圧を前記第1の電圧より低い第2の電圧とすることにより、前記1つのパルスの内の一部を前記光共振器から取り出して前記第1プリパルスレーザ光とし、その後、前記1つのパルスの内の他の一部を前記光共振器の内部でさらに増幅し、前記第1の光学素子に印加された前記第1の電圧及び前記第2の光学素子に印加された前記第2の電圧の印加を解除することにより前記他の一部を前記光共振器から取り出して前記第2プリパルスレーザ光とする、極端紫外光生成システム。
  8. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、
    マスターオシレータと、
    前記マスターオシレータから出力されるパルスレーザ光の光路に配置され、前記パルスレーザ光を第1の偏光成分を含む第1のレーザ光及び第2の偏光成分を含む第2のレーザ光に分岐させる第1の偏光子と、
    前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光とを合流させて前記第1プリパルスレーザ光及び前記第2プリパルスレーザ光とする第2の偏光子と、
    前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間の前記第1のレーザ光の光路に含まれる第1の遅延光路と、
    前記第1の偏光子と前記第2の偏光子との間の前記第2のレーザ光の光路に含まれる第2の遅延光路であって、前記第1の遅延光路より長い前記第2の遅延光路と、
    を含む、極端紫外光生成システム。
  9. 請求項1に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、前記ターゲットに、第2プリパルスレーザ光が照射された後、前記メインパルスレーザ光が照射される前に、前記ターゲットに第3プリパルスレーザ光が照射されるように、前記第3プリパルスレーザ光をさらに出力する、極端紫外光生成システム。
  10. 請求項9に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記制御部は、
    前記第1の遅延時間と、
    前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記第3プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第3の遅延時間と
    前記ターゲットに対する前記第3プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記メインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第4の遅延時間と
    の関係が
    第1の遅延時間≦第4の遅延時間<第3の遅延時間
    となるように前記レーザシステムを制御する、極端紫外光生成システム。
  11. 請求項9に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、前記第3プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を出力するCOレーザ装置を含む、極端紫外光生成システム。
  12. チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、
    前記ターゲットに、ナノ秒オーダーのパルス時間幅を有する第1プリパルスレーザ光、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する第2プリパルスレーザ光、第3プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、前記第1プリパルスレーザ光、前記第2プリパルスレーザ光、前記第3プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を出力するレーザシステムと、
    制御部であって、
    前記ターゲットに対する前記第1プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、
    前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記メインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間と
    の関係が
    第1の遅延時間<第2の遅延時間
    となるように前記レーザシステムを制御する、前記制御部と、
    を備える、極端紫外光生成システム。
  13. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、前記第1プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第1プリパルスレーザ光のフルーエンスが、1.5J/cm以上、16J/cm以下となるように構成された、極端紫外光生成システム。
  14. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、
    前記第2プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第2プリパルスレーザ光のフルーエンスが、
    前記第1プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第1プリパルスレーザ光のフルーエンスの
    4倍以上、8倍以下となるように構成された、極端紫外光生成システム。
  15. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記制御部は、前記第1の遅延時間が、5ns以上、100ns以下となるように前記レーザシステムを制御する、極端紫外光生成システム。
  16. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記制御部は、
    前記第1の遅延時間と、
    前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記第3プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第3の遅延時間と
    前記ターゲットに対する前記第3プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記メインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第4の遅延時間と
    の関係が
    第1の遅延時間≦第4の遅延時間<第3の遅延時間
    となるように前記レーザシステムを制御する、極端紫外光生成システム。
  17. 請求項12に記載の極端紫外光生成システムであって、
    前記レーザシステムは、前記第3プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を出力するCOレーザ装置を含む、極端紫外光生成システム。
  18. 電子デバイスの製造方法であって、
    チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、
    レーザシステムであって、
    前記ターゲットに、第1プリパルスレーザ光、第2プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、前記第1プリパルスレーザ光、前記第2プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を出力し、
    前記第1プリパルスレーザ光が前記ターゲットに照射される位置での前記第1プリパルスレーザ光のフルーエンスが、1.5J/cm以上、16J/cm以下となるように構成された、前記レーザシステムと、
    制御部であって、
    前記ターゲットに対する前記第1プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、
    前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記メインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間と
    の関係が
    第1の遅延時間<第2の遅延時間
    となるように前記レーザシステムを制御する、前記制御部と、
    を備える極端紫外光生成システムにおいて、ターゲットにパルスレーザ光を照射して極端紫外光を生成し、
    前記極端紫外光を露光装置に出力し、
    電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板上に前記極端紫外光を露光する
    ことを含む電子デバイスの製造方法。
  19. 電子デバイスの製造方法であって、
    チャンバと、
    前記チャンバ内の所定領域に向けてターゲットを出力するように構成されたターゲット生成部と、
    前記ターゲットに、ナノ秒オーダーのパルス時間幅を有する第1プリパルスレーザ光、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有する第2プリパルスレーザ光、第3プリパルスレーザ光及びメインパルスレーザ光がこの順で照射されるように、前記第1プリパルスレーザ光、前記第2プリパルスレーザ光、前記第3プリパルスレーザ光及び前記メインパルスレーザ光を出力するレーザシステムと、
    制御部であって、
    前記ターゲットに対する前記第1プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングまでの第1の遅延時間と、
    前記ターゲットに対する前記第2プリパルスレーザ光の照射タイミングから前記ターゲットに対する前記メインパルスレーザ光の照射タイミングまでの第2の遅延時間と
    の関係が
    第1の遅延時間<第2の遅延時間
    となるように前記レーザシステムを制御する、前記制御部と、
    を備える極端紫外光生成システムにおいて、ターゲットにパルスレーザ光を照射して極端紫外光を生成し、
    前記極端紫外光を露光装置に出力し、
    電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板上に前記極端紫外光を露光する
    ことを含む電子デバイスの製造方法。
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