JP2021018237A - 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント - Google Patents

周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント Download PDF

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Abstract

【課題】 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメントを提供すること。【解決手段】 計時器ムーブメントは、環状磁化構造(12A)を備えた磁気ガンギ車(6A)と、シャフト(18)が強磁性材料によって形成されたアンクルフォークとで形成された磁気脱進機を備える。環状磁化構造が、環状磁化構造を定義する少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示すという事実によって、アンクルシャフトが、ガンギ車に、磁気外乱トルクを加え、その結果、磁気引力が、ガンギ車の角度位置の関数として変化し、接線成分を有することが観察された。本発明によれば、磁気補償ピン(32)が計時器ムーブメントに組み込まれ、この磁気補償ピンは、この第1の磁気外乱トルクを大幅に補償するために、ガンギ車に加わる第2の磁気外乱トルクが、アンクルシャフトによって生成される第1の磁気外乱トルクに対して角位相シフトを示すように配置される。【選択図】図5

Description

本発明は、計時器ムーブメントの少なくとも1つの磁気システムに関与する少なくとも1つの回転要素を備えた計時器ムーブメントに関し、この回転要素は、環状磁化構造を定義する少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示す環状磁化構造を備えている。
「回転要素」とは、計時器ムーブメントに配置され、所与の方向または両方向に、特定の回転を受けることができる要素を意味する。したがって、この表現は、たとえば、ガンギ車だけでなくテンプにも当てはまる。
計時器ムーブメントの動作に関与する少なくとも1つの磁気システムを備えた様々な計時器ムーブメントは、従来技術から知られている。特に、アンクルフォークによって動かされる少なくとも1つの磁石と、少なくとも1つのアンクルホイールとが関与する磁気システムによって形成される磁気脱進機を備えた既知の計時器ムーブメントがある。そのような磁気脱進機は、特に特許文献EP2887157、EP3128379、EP3128379、EP3208667、EP3217227、およびCH712154に記載されている。停止デバイスのない磁気脱進機を有する既知の計時器ムーブメントもあり、磁気システムの一部は計時器ムーブメントの機械的共振器によって動かされ、他の部分はガンギ車によって動かされる。そのような計時器ムーブメントは、特に特許文献CH709031およびCH713070に記載されている。
EP2887157号 EP3128379号 EP3208667号 EP3217227号 CH712154号 CH709031号 CH713070号
回転要素が、環状磁化構造を動かし、環状磁化構造が、環状磁化構造を定義する少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示す場合、発明者らは、特に回転要素の周囲に配置された少なくとも1つの強磁性部分の存在下で、この強磁性部分が、環状磁化構造に半径方向の引力を加え、回転要素のシャフトの軸受に寄生摩擦力を発生させるだけでなく、回転要素が、回転要素の角度位置の関数として変化する磁気外乱トルクを受けることを発見した。このような磁気外乱トルクは、特に前述した回転要素タイプのガンギ車を有する磁気脱進機の場合、回転要素が関与する磁気システムの適切な動作を妨害する。
この技術的問題を強調して、発明者らは技術的解決策を模索した。想起した最初の考えは、回転要素の近くの磁気要素(磁石と、強磁性材料製の要素)を取り除くか、またはそれらを磁気要素から十分遠くに移動させて、環状磁化構造との相互作用を無視できるようにすることである。しかしながら、計時器ムーブメントの様々な要素や構成要素用に選択された材料を変更することは、しばしば容易ではない。したがって、回転要素のアーバ/シャフトを作成するための既知の非強磁性材料があるが、他の技術的理由または製造コストの問題のために、特にそのようなアーバ/シャフトのために鋼を保持することが好ましい場合がある。次に、計時器ムーブメントの設計を変更せずに、問題となっている回転要素の環境から磁気要素を遠ざけることはしばしば不可能である。たとえば、スチールシャフトを有する磁気アンクルフォークは、磁気アンクルフォークが関連付けられている磁気ガンギ車の周囲に残しておく必要がある。したがって、発明者らは、特定の技術的問題、すなわち、磁気外乱トルクの発現を克服するための技術的解決策を模索することを決定した。この技術的解決策は、少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示す磁化構造を備えた回転要素の環境において、磁気要素の性質を変更する必要がなく、計時器ムーブメントの設計、すなわち、その様々な機能部品およびそれらの間の相互作用を変更する必要もない。
この目的のために、本発明は、環状磁化構造を定義する少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示す環状磁化構造を備えた回転要素によって、および、1つの機能的磁気要素から、または複数の機能的磁気要素から構成された、第1のセットの磁気要素によって形成される機構を備えた計時器ムーブメントに関し、この第1のセットの磁気要素は、回転要素と回転が一体化されておらず、全体的に環状磁化構造で、回転要素に第1の磁気外乱トルクを生成する第1の磁気相互作用を有する。計時器ムーブメントはさらに、磁気補償要素から、または計時器ムーブメント機構の一部を形成しない複数の磁気補償要素から構成された第2のセットの磁気要素を備え、この第2のセットの磁気要素は、回転要素と回転が一体化されておらず、全体的に環状磁化構造で、回転要素に第2の磁気外乱トルクを生成する第2の磁気相互作用を有する。第2のセットの磁気要素は、第1のセットの磁気要素に対して、第1の磁気外乱トルクの第2の磁気外乱トルクへの加算の結果得られた最大絶対トルク値が、第1の磁気外乱トルクの最大絶対値よりも低くなるように配置される。
主な実施形態によれば、回転要素の角度位置の関数としての第1の磁気外乱トルクは、Nが1より大きい整数(N>1)である場合、360°/Nに等しい角周期を示す第1の正弦波型の曲線を定義する。さらに、第2のセットの磁気要素は、第1のセットの磁気要素に対して、回転要素の角度位置の関数として、第2の磁気外乱トルクも、前記角周期を示す第2の正弦波型の曲線を定義するように、また、第1および第2の磁気外乱トルクが、互いの間に実質的に180°に等しい角位相シフトを示すように配置される。
改良された実施形態によれば、Kが1より大きい整数(K>1)である場合、第2のセットの磁気要素は、同じ構成を実質的に示すK個の磁気補償要素またはK個のグループの磁気補償要素から構成される。K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、Jが、1からKまでの範囲の整数であり、すなわち、J=1,・・・,Kである場合、これらK個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素によって、回転要素にそれぞれ生成されたK個の磁気外乱トルクが、第1の磁気外乱トルクに対して、それぞれが実質的にJ・360°/(K+1)に等しいK個の角位相シフトをそれぞれ示すように配置される。
したがって、本発明の主題の特徴により、環状磁化構造を備えた回転要素に、少なくとも1つの機能的磁気要素によって加えられる全体的な磁気外乱トルクは、この回転要素を取り囲む空間に、少なくとも1つの磁気補償要素を追加することによって低減される。
整数Kが2に等しい有利な実施形態(K=2)では、環状磁化構造が構成され、磁気補償要素は、結果的に得られる前記トルクの最大絶対値が、第1の磁気外乱トルクの最大値の15%未満になるように配置される。
本発明は、非限定的な例として与えられた添付の図面を参照して、以下でより詳細に説明される。
特許文献EP3208667に開示されている磁気脱進機を備えた機械式計時器ムーブメントの部分的な簡略図である。 特許文献EP3208667に開示されているタイプの磁気脱進機の断面図である。 図2の磁気脱進機の部分水平断面図である。 図2および図3の磁気脱進機を使用して、ガンギ車の磁気アンクルシャフトによって生成された外乱トルクの曲線を、前記ガンギ車の角度位置の関数として示す図である。 本発明による機械式ムーブメントの第1の実施形態を部分的に示す図である。 第1の実施形態において、ガンギ車に加えられる残留外乱トルクの曲線を、その角度位置の関数として示す図である。 本発明による機械式ムーブメントの第2の実施形態を部分的に示す図である。 第2の実施形態において、ガンギ車に生成される外乱トルクの曲線を、アンクルシャフトによって、ガンギ車の角度位置の関数として示す図である。 第2の実施形態において、ガンギ車に生成される外乱トルクの曲線を、中間ホイールセットのアーバによって、ガンギ車の角度位置の関数として示す図である。 第2の実施形態において、アンクルシャフトおよび中間ホイールセットのアーバである機能的磁気要素によってガンギ車に全体的に加えられる外乱トルクを示す図である。 第2の実施形態において、ガンギ車に加えられる残留外乱トルクを、その角度位置の関数として示す図である。 本発明による機械式ムーブメントの第3の実施形態を部分的に示す図である。 第3の実施形態において、ガンギ車に加えられる残留外乱トルクを、その角度位置の関数として示す図である。 本発明による機械式ムーブメントの第4の実施形態を部分的に示す図である。 第4の実施形態において、ガンギ車に加えられる残余外乱トルクを、その角度位置の関数として示す図である。
図1から図4を参照して、以下に、そのような計時器ムーブメントによってもたらされる技術的問題をよりよく強調するための従来技術の機械式計時器ムーブメント2について説明し、機械式計時器ムーブメント2は、テンプ4、および、磁気アンクルフォーク8と、図1の変形では6、図2および図3の変形では6Aと付番されたガンギ車とによって形成される磁気脱進機を備えている。磁気アンクルフォークは、2つのアームの自由端に配置された2つの磁気アンクルストーン9、10を備えている。
図1の変形では、ガンギ車6は、それだけでガンギ車の環状磁化構造を形成する構造化磁化層12が配置された非磁性支持体11を備える。この構造化磁化層は、概して円形の線に沿ってガンギ車のアーバ20を取り囲むが、凸状すなわち外側部分14aと、凹状すなわち内側部分14bとを有する磁化トラック14を有する。さらに、構造化磁化層12は、磁化トラック14の両側にそれぞれ配置され、アンクルフォーク8の磁気アンクルストーンのための磁気バリアを画定する外側磁化領域16および内側磁化領域17を有する。そのような磁気脱進機の動作は、本発明の背景において上記で引用された文献に記載されており、その理解のためにこれらの文献を参照することができる。
図2および図3の変形例では、ガンギ車6Aは、図1の層12とそれぞれ同一であり、対応する層12Bの領域に重ねられた層12Aの領域16、17で互いに軸方向に面して配置される2つの構造化磁化層12A、12Bを備える。2つの層12A、12Bは、非磁気材料製の2つのそれぞれの支持体11A、11B上に配置され、支持体11A、11Bは、ガンギ車6Aの駆動ピニオン22を含むアーバ20に固定して取り付けられる。2つの構造化磁化層は、2つの支持体11A、11Bによって画定される中間空間の側面にあり、アンクルフォーク8の2つのアームのそれぞれの両端が貫通しているため、アンクルフォークの磁気アンクルストーンと、2つの層12A、12Bとの間の磁気相互作用が可能である。2つの構造化磁化層12A、12Bはともに、磁気ガンギ車6Aの環状磁化構造を形成する。2つの層12A、12Bはそれぞれ一定の厚さを有し、その結果、環状磁化構造も一定の軸方向の厚さを有する。
本発明の要約に示されているように、様々な理由により、アンクルシャフト18はここでは強磁性材料製である。一般に、本発明の文脈において、計時器ムーブメントは、この環状磁化構造を定義する少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示す環状磁化構造を備えた回転要素によって、および、少なくとも1つの機能的磁気要素から構成された第1のセットの磁気要素によって形成された機構を備えていると考慮され、第1のセットの磁気要素は、回転要素と回転が一体化されておらず、環状磁化構造と全体的に第1の磁気相互作用を有する。本発明の詳細な説明で考慮された例では、回転要素は磁気ガンギ車である。しかしながら、回転要素は、別の構成要素、特にテンプであり得る。次に、考慮される例では、第1のセットの磁気要素は、強磁性材料製の少なくとも1つのアーバ、特にガンギ車に関連付けられたアンクルシャフト、および/または、このガンギ車の近くにある中間ホイールセットのアーバで構成され、バレルからガンギ車にトルクを伝達する列を形成する。本発明は、強磁性材料製のアーバに単に限定されるものではなく、問題となっている回転要素、特に、磁気ガンギ車の、すぐ外周に配置することができ、環状磁化構造との大きな磁気相互作用を示す他の任意の磁気要素に適合すると理解される。「磁気要素」とは、磁石、強磁性要素、またはその2つの組合せを意味する。
図2および図3で考慮される変形では、環状磁化構造の実質的に2つの物理パラメータは、角度変化、すなわち、各構造化磁化層12A、12Bの半径方向幅と、ガンギ車6Aの回転軸21に対する各磁化構造層の平均距離とを示すことに留意されたい。2つの層12A、12Bの、したがって、環状磁化構造の、半径方向幅と、回転軸に対する平均距離とにおける角度変化は、Nが、1より大きい整数(N>1)である場合、環状磁化構造が360°/Nに等しい角周期を有するように、周期的である。特に、考慮される変形例では、環状磁化構造は、N=6で、360°/N、つまり、60°すなわちπ/3[rad]に等しい角周期PAを有する。
強磁性シャフト18は、回転体が画定する磁性材料の体積が、アンクルフォーク8の角度位置に関わらず不変のままであるように、回転体を形成する。したがって、ガンギ車6Aは、周期的な環状磁化構造を備えるので、磁気シャフト18と、ガンギ車6Aの環状磁化構造12A〜12Bとの間の第1の磁気相互作用は、ガンギ車6Aの角度位置のみに実質的に依存する第1の磁気外乱トルクを前記ガンギ車に生成し、第1の磁気外乱トルクは、考慮される変形例では、環状磁化構造12A〜12Bと同じ角周期PA、ここでは60°すなわちπ/3[rad]を有するガンギ車6Aの角度位置の関数として周期的に変化する。第1の磁気外乱トルク曲線30の一部が図4に示されている。
曲線30は、関数F(θ)=Asinθを正確に定義している訳ではないが、正弦波型からなる。「正弦波型の曲線」とは、正と負が交互する曲線を意味し、近くにある正の極値は通常は同じであるが、わずかに異なる場合がある一方、近くにある負の極値は通常は同じであるが、わずかに異なる場合がある。さらに、正の極値および負の極値は、絶対値において、互いに近く、好ましくはほぼ同一であるが、それらはある程度、たとえば10%から20%まで異なり得る。周期的な特性は、周期が、2つの正の極値間での、または同等の方式で、2つの負の極値間での角距離であるような曲線で識別できる。最後に、このような曲線の周期を形成する2つの半周期は、図4における曲線30の場合のように、異なる値を有することができるが、2つの半周期が、実質的に同じ値を有することが有利である。
図5に表される本発明の第1の実施形態では、計時器ムーブメントは、構成される機構に関して上述した従来技術のものと同様であり、磁気シャフト18の形状と同様の磁気補償要素32をさらに備えるか、または、より一般的には、環状磁化構造において、特に、形成された構造化磁化層12Aにおいて、シャフト18によって生成されるトルクと実質的に同じ強度を有するトルクを生成するように構成される(図4)。この磁気補償要素32は、ここでは、磁気ガンギ車の周囲に配置され、強磁性材料によって形成された磁気ピンから構成され、周期的な構造化磁化層12Aの角周期に、したがって、周期的な環状磁化構造の角周期に加えられた磁気シャフトに対する角度オフセットを示すように配置される。磁気ピン32によって生成される第2の磁気外乱トルクは、図4の曲線30と同様の曲線を定義するが、第1および第2の磁気外乱トルクは、それらの間に約180°、好ましくは180°の位相シフトを示す。この180°の位相シフトは、磁気シャフト18と磁気ピン32との間の角位相シフトに対応し、Nが、環状磁化構造の角周期の数、すなわち、表された例ではN=6であり、Mが、N以下の正の整数である場合、[(2M−1)/N]・180°に等しい。
好ましくは、磁気ピン32は、機能的磁気シャフト18によってガンギ車6Aに加えられる磁気引力を大幅に補償するために、機能的磁気シャフト18の直径方向反対側に配置される。第1および第2の磁気外乱トルクの加算の結果得られるトルクが図6に表される。まず、この合成トルクの最大絶対値V2は、図4に表される第1の磁気外乱トルクの最大絶対値V1よりも小さいことがわかる。ここで説明する例では、合成トルクの最大絶対値V2は、第1の磁気外乱トルクの最大絶対値V1の半分よりわずかに小さい。次に、合成トルク曲線34が、構造化磁化層12Aの、したがって、環状磁化構造の角周期PAの半分に等しい周期を有することも観察される。これは、180°位相シフトされた補償シャフトの配置が、ガンギ車6Aの半周期PA/2回転に対して同一である磁気構成を生成するという事実によって容易に説明される。曲線30がフーリエ級数に分解される場合、このような180°の位相シフト曲線を2つ加算すると、ランクn=1(基本周波数とも呼ばれる)の高調波を相殺するが、ランクn=2の高調波は2倍になり、これは、基本周波数周期の半分に等しい周期を有し、基本周波数周期は、第1の磁気外乱トルクの曲線30の周期PAに等しい。
一般に、計時器ムーブメントはさらに、磁気補償要素によって、または、計時器ムーブメント機構の一部を形成しない複数の磁気補償要素によって構成された、第2のセットの磁気要素を備え、第2のセットの磁気要素は、回転要素と回転が一体化しておらず、全体的に環状磁化構造を備え、回転要素に第2の磁気外乱トルクを生成する第2の磁気相互作用を有する。本発明によれば、第2のセットの磁気要素は、第1と第2の磁気外乱トルクの加算から生じる最大絶対トルク値が、第1の磁気外乱トルクの最大絶対値よりも低くなるように、第1のセットの磁気要素に対して配置される。
上述した第1の実施形態が対応する主な実施形態では、回転要素の角度位置の関数としての第1の磁気外乱トルクは、Nが、1より大きい整数(N>1)である場合、360°/Nに等しい角周期を示す第1の正弦波型の曲線を定義する。さらに、第2のセットの磁気要素は、第1のセットの磁気要素に対して、前記回転要素の角度位置の関数としての第2の磁気外乱トルクが、同様に前記角周期を示す第2の正弦波型の曲線を定義し、さらに、第1および第2の磁気外乱トルクが、それらの間に実質的に180°に等しい角位相シフトを示すように配置される。
図7および図8Aから図8Dを参照して、前述した主な実施形態にも対応する第2の実施形態を説明する。図7に部分的に表されている計時器ムーブメントは、図2に示すように、下層38Aのみが図7に現れる2つの構造化磁化層から形成される環状磁化構造を備えた磁気ガンギ車36を備える。ガンギ車は、アーバ20と、下部磁化層38Aを動かす非磁性支持体40とを備える。このガンギ車は、回転軸21の周りを回転するように配置される。回転軸21は、磁気シャフト18Aと、点線で表された2つの非磁気アームとから構成された磁気アンクルフォーク8Aに関連し、それらはそれぞれ自由端において、2つの磁化されたアンクルストーン9、10を動かす。構造化磁化層38Aおよびこの構造化磁化層によって形成される環状磁化構造は、新たな構成によって、層12A、および図5の環状磁化構造と異なる。
図2に表されるように、構造化磁化層38Aまたは2つのそのような重ねられた層から形成される環状磁化構造は、角周期PAだけ角度シフトされる磁気アンクルフォーク用の磁気バリア17Aを画定する。考慮される有利な変形例では、内側磁化領域17Aのみが提供されていることに留意されたい。層38Aは一定の厚さを有し、可変の半径方向幅を有する磁化トラック14Aを画定する。好ましくは、環状磁化構造は、図7の有利な変形例の場合のように、その外側の輪郭が、実質的に円形で連続的であるように構成される。2つの構造化磁化層を有する構造の場合における「円形の外側の輪郭」は、各層が実質的に円形の外側の輪郭を有することを意味する。そのような場合、好ましくは、2つの構造化磁化層の直径は等しいので、これら2つの層の外側の輪郭は、円筒形状の幾何学面を画定する。環状磁化構造のこのような配置は、一方では、ガンギ車36の周囲の機能的磁気要素(単数または複数)によって生成される第1の磁気外乱トルクを低減することを可能にし、他方では、(第1の磁気外乱トルクと、補償ピンによって生成された磁気外乱トルクとの加算からの)合成トルクの最大絶対値と、第1の磁気外乱トルクの最大絶対値との比を減少させることを可能にする。
第2の実施形態はさらに、ここでは、ガンギ車のすぐ外周に2つの磁気機能要素、すなわち、アンクルフォーク8Aの磁気シャフト18Aと、ガンギ車と計時器ムーブメントのバレルとの間に列を形成し、ガンギ車ピニオンと噛み合う、中間ホイールセットの磁気アーバ42とがあるという点で異なる。図8Aおよび図8Bは、(少なくとも部分的に強磁性材料製である)2つの磁気アーバ18A、42によってそれぞれ生成される個々の磁気トルクを表す。図8Cは、ガンギ車36の環状磁化構造に近接して配置された、アンクルフォークの磁気アンクルストーン以外の機能的磁気要素によって全体的に生成された第1の磁気外乱トルクの曲線44を表す。個々の磁気トルクは、環状磁化構造の角周期PAを有する周期的な曲線を有することが観察され、この角周期PAは30°、つまり、N=12の場合における360°/Nであり、図7の環状磁化構造の角周期の数に対応する。次に、アーバ42によって生成される個々の磁気トルクが支配的であることが観察される。最後に、構造化磁化層38Aの角周期PAに関して、2つのアーバ18A、42の間に比較的小さな角度オフセットがあると仮定すると、第1の磁気外乱トルク(図8C)は、同様に周期PAの、図8Bの曲線に近い曲線44を有し、これら2つの曲線の間には特定の位相シフトがある。
好ましくは、第2の磁気外乱トルクを形成し、ガンギ車に加わる個々の磁気トルクが、強磁性アーバ42の個々の磁気トルク(図8B)とではなく、第1の磁気外乱トルクと180°の角位相シフトを有するように、磁気補償ピン32Aが配置されるが、強磁性アーバ42の個々の磁気トルクが、主に支配的である。次に、機能的磁気要素で構成される第1のセットの磁気要素が、2つの機能的磁気要素を有していると仮定すると、ピン32Aは、生成する補償を最適化するように設計され、特に、その直径および/または回転軸21までの距離は、補償ピン32Aによって生成された第2の磁気外乱トルクの最大絶対値が、第1の磁気外乱トルクに対して最良の補償を提供し、したがって、図8Dに曲線46が与えられ、第1および第2の磁気外乱トルクの加算から得られる合成トルクが、可能な限り最小の振幅、すなわち、可能な限り最小の最大絶対値を有するように調整される。
構造化磁化層38Aの構成、構造化磁化層38Aが形成する環状磁化構造、および磁気補償ピン32Aの配置により、前述した第1および第2の磁気外乱トルクの加算から得られる合成トルクの最大絶対値V4は、第1の磁気外乱トルクの最大絶対値V3の30%未満である。実際に、説明した例では、曲線46の最大絶対値V4と、曲線44の最大絶対値V3との比は、約1/5であることが観察される。
第2の磁気外乱トルク(曲線44)の角位相シフトおよび/または第2の最大絶対値を調整し、したがって、合成トルク曲線(曲線46)、特に、合成トルクの最大絶対値V4を最適化する、すなわち、最大絶対値を、可能な限り最小の値に低減するために、回転軸21に対するその位置を調整できるように、補償ピン32Aが配置されるという点で、第2の実施形態の上記の変形において改善が提案される。より具体的には、ピン32Aは、腕時計製造業者が、回転軸、したがって環状磁化構造までの距離を調整するためのツールを使用して回転させることができる偏心器を形成する。補償ピンの角度位置を変えたくない場合、変形例では、補償ピンを一種の放射状スライドバーに配置することが可能である。当業者は、この補償ピンの半径方向位置および/または角度位置を調整するために必要な手段を提供する方法を知るであろう。
図9から図10を参照して、本発明の第3の実施形態を以下に説明する。この第3の実施形態は、第2の実施形態の単一の補償ピンが、ここで関係する機能的磁気要素のセットを構成する磁気シャフト18と同様の2つの補償ピン50、52に置き換えられている点のみが第1の実施形態と異なる(関係する磁気アーバは、アンクルシャフト、またはガンギ車6Aと噛み合う中間ホイールセットのアーバであり得る)。2つの補償ピンは、それぞれがガンギ車に加わる2つの個別の磁気トルクが、磁気シャフト18によって生成される第1の磁気外乱トルクに対して120°および240°(−120°と等価)だけ位相シフトされるように配置される。言い換えると、この場合、2つの磁気補償要素50、52は、互いに対して角度オフセットを有し、それにより、角周期PAによる整数除算の剰余は、360°/(3・N)に等しく、ここで、Nは、環状磁化構造の角周期の数、すなわち考慮された例ではN=6である。次に、ここでは、1つの機能的磁気要素18のみが考慮されるので、2つの磁気補償要素は、機能的磁気要素に対して2つの角度オフセットを有するように配置され、それにより、角周期PAによるおのおのの整数除算の2つの剰余はそれぞれ、360°/3・Nおよび720°/3・N、すなわち20°および40°に等しい(PA=60°であることに注目されたい)。さらに、2つの磁気補償ピン50、52は、これら2つの磁気補償ピンおよび磁気シャフト18を回転軸の周りにできるだけ均等に分配して、ガンギ車の環状磁化構造に、それぞれによって加えられる磁気引力によるガンギ車軸受の摩擦を最小化するように配置される。
図10は、図9の2つの補償ピンおよび機能的磁気要素によって全体的に加えられる合成トルクの曲線54を示す。まず、曲線54の最大絶対値V5は比較的低いことが観察される。これは、第1の磁気外乱トルク(図4参照)の最大絶対値V1の20%未満である。次に、曲線54は周期的であり、環状磁化構造の角周期PAの3分の1に等しい角周期、すなわちPA/3に等しい角周期を有する。したがって、磁気シャフト18に対する前述の角度オフセットを備えた2つの補償ピンの配置は、第2の磁気外乱トルクを生成し、これは、機能的磁気アーバによって生成された第1の磁気外乱トルクのフーリエ級数分解の第1の2つの高調波(n=1,2)を補償する。しかしながら、第3の高調波は増強され、そのため、周期曲線54は、PA/3に等しい周期で得られる。第3の高調波(n=3)は、比較的低振幅を有するので、合成トルク曲線は、前述した2つの実施形態の対応する値V2、V4よりもはるかに低い最大絶対値V5を有する。第2の実施形態のガンギ車36を採用すると、図12に示されるように、この最大絶対値をさらに低減することができる。
図11および図12を参照して、本発明の第4の実施形態が説明される。この第4の実施形態は、第2の実施形態の単一の磁気補償ピンが、第3の実施形態と同様に配置された2つの磁気補償ピン32B、32Cに置き換えられている点で第2の実施形態と異なる。したがって、これは、第1のセットの磁気要素が、複数の機能的磁気要素、すなわち、説明した変形例の2つの磁気アーバを備え、第2のセットの磁気要素が、複数の磁気補償要素、すなわち、この変形例の2つのピンを備える場合である。2つの補償ピンは、それぞれがガンギ車に加わる2つの個別の磁気トルクが、2つの磁気アーバ18A、42によって全体的に生成される第1の磁気外乱トルクに対してそれぞれ120°および240°位相シフトされるように配置される。言い換えれば、2つの磁気補償要素50、52は、ここでは互いに対して角度オフセットを有し、これによって、角周期PAによる整数除算の剰余は、360°/(3・N)に等しく、ここで、Nは、環状磁化構造の角周期の数であり、すなわち考慮された例ではN=12である。この剰余は、10°に等しいため、2つのピン32B、32Cの間の角度DA5は、図11に表される例では40°、つまり、10°の剰余を加えられた角周期(30°に等しい)に等しい。アンクルシャフト18Aの影響が考慮されるため、アーバ42とピン32Bとの間の角度DA6は、10°が加算または減算される周期PAの整数に一致しないが、アーバ42は、ガンギ車における2つの機能的磁気要素によって生成される第1の磁気外乱トルクにおいて支配的であるため、この角度DA6は、周期PAの整数に近づくことに留意されたい。
第1のセットの磁気要素によって全体的に生成される第1の磁気外乱トルクと、第2のセットの磁気要素によって全体的に生成される第2の磁気外乱トルクとの加算から生じる合成トルク曲線60は、図12に表される。言い換えれば、合成トルクは、考慮された個々のすべての磁気外乱トルクの追加の結果である。第4の実施形態の環状磁化構造が構成され、合成トルクの最大絶対値V6が、第1の磁気補償トルクの最大絶対値V3(図8Cを参照)の15%または12%未満になるように、2つの磁気補償要素が配置される。当業者は、好ましくは同一である2つの補償ピン、特にそれらのそれぞれの直径およびそれらの回転軸からのそれぞれの距離を具体的に構成することによってシステムを最適化することができる。特に、2つのピン32B、32Cは、ここでは、それぞれの構成およびガンギ車36の周囲でのそれらの相対配置において、2つのアーバ18A、42にそれぞれ同一ではないことに留意されたい。これが当てはまる場合、これは、2つのピンがともに、分離できない全体として、そして、個別ではなく、すなわち、個別の磁気外乱トルクが、第1の磁気外乱トルクに対して異なる位相シフトを示し、上記で説明したように選択される2つの別個の補償要素としてではないと見なされる磁気要素のグループを形成する、第2の実施形態の変形例となるであろう。実際、第4の実施形態の文脈では、所望の効果を得るために、すなわち、第1の磁気外乱トルク曲線(図8C参照)の第1の2つの高調波を最もよく補償し、それによってガンギ車の外乱トルクの振幅を最小化するために、2つの補償ピンは、好ましくは、それぞれの構成、特に、それらが作られている寸法と材質、および回転軸に対するそれぞれの配置、特に回転軸からの距離において、第2の実施形態の結果を最適化する第2の実施形態の補償ピン32Aと実質的に同一であるか、または、環状磁化構造に対してこの補償ピン32Aと同じ効果を有するべきである。
一般に、第3および第4の実施形態の文脈では、Kが1より大きい整数(K>1)である場合、第2のセットの磁気要素は、実質的に同じ構成を有するK個の磁気補償要素またはK個のグループの磁気補償要素が構成される。K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、Jが、1からKまでの範囲の整数、すなわち、J=1,・・・,Kである場合、これらK個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素によって環状磁化構造を備えた回転要素にそれぞれ生成されるK個の磁気外乱トルクが、機能的磁気要素によって生成された第1の磁気外乱トルクに対して、J・360°/(K+1)にそれぞれ実質的に等しいK個の角位相シフトをそれぞれ示すように配置される。
好ましい実施形態では、整数Kは2に等しく(K=2)、2つの磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は互いに類似しており、2つの磁気補償要素またはグループの磁気補償要素のうちの1つは、他方に対する角度オフセットを示し、これにより、前記角周期による整数除算の剰余は、360°/(3・N)に等しく、Nは、第1の磁気外乱トルク曲線の360°範囲における周期の数である。
整数Kが2より大きい(K>2)他の実施形態では、K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、互いに類似しており、前記K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素のうち、特定の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、他の補償磁気要素またはグループの磁気補償要素に対して、K−1個の角度オフセットを示し、これによって、角周期によるおのおのの整数除算のK−1個の剰余は、Jが、1からK−1までの範囲の整数、つまり、J=1,・・・,K−1である場合、それぞれJ・360°/[(K+1)・N]に等しい。
最後に、考慮される第1のセットの磁気要素が、単一の機能的磁気要素で構成される特定の実施形態では、正の整数Nは、環状磁化構造によって示される角周期の数に等しく、K個の磁気補償要素は、単一の機能的磁気要素に対して、K個の角度オフセットを示すように配置され、これによって、角周期によるおのおのの整数除算のK個の剰余は、Jが、1からKまでの範囲の整数、すなわち、J=1,・・・,Kである場合、それぞれJ・360°/[(K+1)・N]に等しい。
2 機械式計時器ムーブメント
4 テンプ
6 ガンギ車
6A ガンギ車
8 アンクルフォーク
8A アンクルフォーク
9 アンクルストーン
10 アンクルストーン
11 支持体
11A 支持体
11B 支持体
12 構造化磁化層
12A 構造化磁化層
12B 構造化磁化層
14 磁化トラック
14A 磁化トラック
14a 外側部分
14b 内側部分
16 外側磁化領域
17 内側磁化領域
17A 内側磁化領域
18 磁気シャフト
18A 磁気シャフト
20 アーバ
21 回転軸
22 駆動ピニオン
30 磁気外乱トルク曲線
32 磁気ピン
32A 磁気補償ピン
32B 磁気補償ピン
32C 磁気補償ピン
34 合成トルク曲線
36 ガンギ車
38A 環状磁化構造
40 非磁性支持体
42 アーバ
44 磁気外乱トルクの曲線
46 合成トルク曲線
50 磁気補償ピン
52 磁気補償ピン
54 合成トルク曲線
60 合成トルク曲線

Claims (14)

  1. 環状磁化構造(12A〜12B;38A)を定義する少なくとも1つの物理パラメータの角度変化を示す前記環状磁化構造を備えた回転要素(6A;36)によって、および、1つの機能的磁気要素(18)から、または複数の機能的磁気要素(18A,42)から形成された第1のセットの磁気要素によって構成される機構を備えた計時器ムーブメントであって、この第1のセットの磁気要素は、前記回転要素と回転が一体化されておらず、全体的に前記環状磁化構造で、前記回転要素に第1の磁気外乱トルク(30;44)を生成する第1の磁気相互作用を有し、前記計時器ムーブメントはさらに、磁気補償要素(32;32A)から、または計時器ムーブメント機構の一部を形成しない複数の磁気補償要素(32B,32C;50,52)から構成された、第2のセットの磁気要素を備え、この第2のセットの磁気要素は、前記回転要素と回転が一体化されておらず、全体的に前記環状磁化構造で、前記回転要素に第2の磁気外乱トルクを生成する第2の磁気相互作用を有し、前記第2のセットの磁気要素は、前記第1のセットの磁気要素に対して、前記第1および第2の磁気外乱トルクの加算から生じる最大絶対トルク値(34;46)が、前記第1の磁気外乱トルクの最大絶対値よりも低くなるように配置されたことを特徴とする、計時器ムーブメント。
  2. 前記回転要素(6;6A,36)の角度位置の関数としての前記第1の磁気外乱トルク(30;44)は、Nが1より大きい整数(N>1)である場合、360°/Nに等しい角周期(PA)を有する第1の正弦波型の曲線を定義し、前記第2のセットの磁気要素は、前記第1のセットの磁気要素に対して、前記回転要素の前記角度位置の関数として、前記第2の磁気外乱トルクも、前記角周期を有する第2の正弦波型の曲線を定義するように、また、前記第1および第2の磁気外乱トルクが、それらの間に実質的に180°に等しい角位相シフトを示すように配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の計時器ムーブメント。
  3. 前記第2のセットの磁気要素は、前記磁気補償要素(32A)のみから構成され、合成トルクの最大絶対値が、前記第1の磁気外乱トルクの最大絶対値の30%未満となるように、前記環状磁化構造(38A)が構成され、前記磁気補償要素が配置されたことを特徴とする、請求項2に記載の計時器ムーブメント。
  4. Kが1より大きい整数(K>1)である場合、前記第2のセットの磁気要素は、同じ構成を実質的に有するK個の磁気補償要素(32B,32C;50,52)またはK個のグループの磁気補償要素から構成され、前記K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、Jが、1からKまでの範囲の整数、すなわち、J=1,・・・,Kである場合、前記K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素によってそれぞれ前記回転要素に生成されたK個の個別の磁気外乱トルクが、前記第1の磁気外乱トルクに対して、それぞれが実質的にJ・360°/(K+1)に等しいK個の角位相シフトをそれぞれ示すように配置されたことを特徴とする、請求項2に記載の計時器ムーブメント。
  5. 前記整数Kは2に等しく(K=2)、2つの磁気補償要素(32B,32C;50,52)またはグループの磁気補償要素は互いに類似しており、前記2つの磁気補償要素またはグループの磁気補償要素のうちの1つは、他方に対する角度オフセットを示し、これにより、前記角周期による整数除算の剰余は、360°/(3・N)に等しいことを特徴とする、請求項4に記載の計時器ムーブメント。
  6. 前記合成トルクの最大絶対値が、第1の磁気補償トルクの最大絶対値の15%未満になるように、前記環状磁化構造(38A)が構成され、前記2つの磁気補償要素が配置されたことを特徴とする、請求項5に記載の計時器ムーブメント。
  7. 前記整数Kが2より大きく(K>2)、前記K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、互いに類似しており、前記K個の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素のうち、特定の磁気補償要素またはグループの磁気補償要素は、他の補償磁気要素またはグループの磁気補償要素に対して、K−1個の角度オフセットを示し、これによって、前記角周期によるおのおのの整数除算の前記K−1個の剰余は、Jが、1からK−1までの範囲の整数、つまり、J=1,・・・,K−1である場合、それぞれJ・360°/[(K+1)・N]に等しいことを特徴とする、請求項4に記載の計時器ムーブメント。
  8. 考慮される前記第1のセットの磁気要素は、前記機能的磁気要素(18)のみから構成され、正の前記整数Nは、前記環状磁化構造によって示される角周期の数に等しく、前記K個の磁気補償要素(50,52)は、前記機能的磁気要素に対して、K個の角度オフセットを示すように配置され、これによって、前記角周期によるおのおのの整数除算のK個の剰余は、Jが、1からKまでの範囲の整数、すなわち、J=1,・・・,Kである場合、それぞれJ・360°/[(K+1)・N]に等しいことを特徴とする、請求項4から7のいずれか一項に記載の計時器ムーブメント。
  9. 前記回転要素は、磁気脱進機を形成する磁気ガンギ車(6A,36)であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の計時器ムーブメント。
  10. 前記機能的磁気要素は、前記磁気脱進機をも形成する磁気アンクルフォーク(8;8A)のシャフト(18;18A)であり、前記シャフトは、強磁性材料によって形成され、前記環状磁化構造は、前記角周期(PA)だけ角度的にオフセットされる前記磁気アンクルフォーク用の磁気バリア(16,17;17A)を画定することを特徴とする、請求項9に記載の計時器ムーブメント。
  11. 前記磁気補償要素は、前記磁気ガンギ車の周囲に配置され、強磁性材料によって形成されたピンであることを特徴とする、請求項9または10に記載の計時器ムーブメント。
  12. 前記環状磁化構造は、一定の厚さを有し、角度が可変な前記物理パラメータは、前記環状磁化構造の半径方向幅であることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の計時器ムーブメント。
  13. 前記環状磁化構造(38A)は、外側の輪郭が円形で連続的であるように構成されたことを特徴とする、請求項9から12のいずれか一項に記載の計時器ムーブメント。
  14. 前記磁気補償要素(32A)は、前記回転要素に対する位置が、前記角位相シフトを調整し、前記合成トルクの最大強度を最適化するように調整されるように配置されたことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の計時器ムーブメント。
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