JP2017146300A - 計時器用の磁気式エスケープ車セット - Google Patents

計時器用の磁気式エスケープ車セット Download PDF

Info

Publication number
JP2017146300A
JP2017146300A JP2017017417A JP2017017417A JP2017146300A JP 2017146300 A JP2017146300 A JP 2017146300A JP 2017017417 A JP2017017417 A JP 2017017417A JP 2017017417 A JP2017017417 A JP 2017017417A JP 2017146300 A JP2017146300 A JP 2017146300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
escape
wheel set
escape wheel
track
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017017417A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6285582B2 (ja
Inventor
ドメニコ ジャンニ・ディ
Di Domenico Gianni
ドメニコ ジャンニ・ディ
ドミニク・レショー
Lechot Dominique
ジェローム・ファーヴル
Favre Jerome
ブノワ・レジュレ
Legeret Benoit
ダヴィデ・サルチ
Sarchi Davide
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Swatch Group Research and Development SA
Original Assignee
Swatch Group Research and Development SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Swatch Group Research and Development SA filed Critical Swatch Group Research and Development SA
Publication of JP2017146300A publication Critical patent/JP2017146300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6285582B2 publication Critical patent/JP6285582B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B15/00Escapements
    • G04B15/14Component parts or constructional details, e.g. construction of the lever or the escape wheel
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C5/00Electric or magnetic means for converting oscillatory to rotary motion in time-pieces, i.e. electric or magnetic escapements
    • G04C5/005Magnetic or electromagnetic means
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B15/00Escapements
    • G04B15/06Free escapements
    • G04B15/08Lever escapements
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C3/00Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means
    • G04C3/04Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means wherein movement is regulated by a balance
    • G04C3/047Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means wherein movement is regulated by a balance using other coupling means, e.g. electrostrictive, magnetostrictive

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

【課題】傾斜と障壁によって構成しているエスケープ車セットの幾何学的構成を提供する。
【解決手段】エスケープ車セット1は、磁気特性が繰り返されるスクロール周期に応じた一連の領域がある少なくとも1つの磁化トラック10を有し、この領域はそれぞれ、増加している磁場傾斜を有し、これに続いて、増加している磁場を備え磁場勾配が傾斜のものよりも大きいような磁場障壁を有する。磁化トラック10は、このエスケープ車セット1の周部全体にわたって連続的で閉じられた磁性体層4を有し、磁性体層4は、厚みが一定だが幅が変化しており、磁性体層4の幾何学的構成は、磁気傾斜及び磁場障壁を定めている。このエスケープ車セット1は、極片20を有する回転する磁気式止めメンバー2を介してばね仕掛けバランスと連係しており、極片20は、磁性体層4の内側トラック11と外側トラック12と交互構成で連係するように構成している。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気式の計時器用エスケープ機構のためのエスケープ車セットに関し、磁気特性が繰り返されるスクロール周期に応じた一連の領域がある少なくとも1つの磁化トラックを有し、前記領域はそれぞれ、増加している磁場傾斜を有し、これに続いて、増加している磁場を備え磁場勾配が前記傾斜のものよりも大きいような磁場障壁を有する。
本発明は、さらに、このようなエスケープ車セットを有する磁気式の計時器用エスケープ機構に関し、前記エスケープ車セットには、駆動トルクが与えられ、止めメンバーを介してばね仕掛けバランス共振器と間接的に連係している。
本発明は、さらに、磁気式エスケープ機構のエスケープ車をギヤ列を介して駆動するように構成しているエネルギー源を有する共振器機構に関する。
本発明は、さらに、このような共振器機構を少なくとも1つ有するムーブメントに関する。
本発明は、さらに、この種のムーブメントを少なくとも1つ有する腕時計に関する。
本発明は、計時器用調節機構の分野に関し、特に、磁気的又は静電的なタイプの場の効果を用いる非接触又は低接触のエスケープ機構の分野に関する。
スイス式レバーエスケープにおいて、エスケープ車は、相当に大きい摩擦を発生させてエスケープの効率を減少させる機械的な接触の力に支援されて、パレットレバーと相互作用する。
THE SWATCH GROUP RESEARCH & DEVELOPMENT Ltdによる欧州特許出願EP13199427は、この機械的相互作用を磁気又は静電気に起因する非接触の力に置き換えることを開示している。これは、摩擦による損失を最小限にするなどの特徴を有する。
磁気式レバーエスケープの実際的な実施形態には、上記の文献に述べられているように、傾斜や障壁を用いて相互作用エネルギーを変化させることが必要である。
車セットどうしの磁気的相互作用については、従来技術において、例えば、米国特許US3183426において、他の離散的な磁石と相互作用する離散的な磁石を用いることを記載している。また、フランス特許FR2075383とイギリス特許GB671360のように、鉄の構造体と相互作用する離散的な磁石を用いることが記載されている。鉄は、機械加工が容易であるために用いられる。機械加工が容易であることによって、車の周にわたって規則的に繰り返される小さな構造を作ることができる。しかし、エスケープ車が急に動くときには、磁石どうしの相互作用が好ましい。なぜなら、連続的なシステムと比べて、車を止めるのに必要なエネルギーが大きいからである。また、離散的な磁石を使用しても、穏やかで線形な形態でエネルギーを連続的に変化させて、上記の欧州特許出願EP13199427に記載されているような最適の形態で傾斜を設けることが、容易に可能になるわけではない。
本発明は、磁気的相互作用ポテンシャルを発生させることができるような、傾斜と障壁によって構成しているエスケープ車セット、特に、エスケープ車、の幾何学的構成を工夫することを提案するものである。この車の幾何学的構成は、マイクロ磁石を製造するための現在の技術で実現可能でなければならない。
このために、本発明は、請求項1に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構用のエスケープ車セットに関する。
本発明は、さらに、このようなエスケープ車セットを有する磁気式の計時器用エスケープ機構であって、駆動トルクを与えられ、止めメンバーを介してばね仕掛けバランス共振器と間接的に連係しているようなものに関する。
本発明は、さらに、ギヤ列を介して前記磁気式エスケープ機構の前記エスケープ車を駆動するように構成しているようなエネルギー源を有する共振器機構に関する。
本発明は、さらに、このような共振器機構を少なくとも1つ有するムーブメントに関する。
本発明は、さらに、この種のムーブメントを少なくとも1つ有する腕時計に関する。
添付図面を参照しながら下記の詳細な説明を読むことで、本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
欧州特許出願EP13199427に記載されている磁気式エスケープ機構の概略平面図を示しており、これは、磁気式パレットレバーの極片と連係している内側と外側の磁化トラックを備えたエスケープ車を有する。 図1の機構に関連するグラフであり、エスケープ車と、当該機構が備える磁気式パレットレバーの極片との間の磁気的相互作用エネルギーの変化を示している。 本発明に係る磁気式エスケープ車の概略平面図を示している。これは、バランスと連係する磁気式パレットレバーと連係している。 本発明に係る磁性体層を備えた図3のエスケープ車の構成の概略平面図を示している。 磁性体層におけるポテンシャルの傾斜を、エスケープ車の軸を中心とする極座標表現で示している。 図5に対応する傾斜の形の相互作用エネルギーを示している。 磁性体層におけるポテンシャルの障壁を、エスケープ車の軸を中心とする極座標表現で示している。 図7に対応する障壁の形の相互作用エネルギーを示している。 磁性体層におけるポテンシャルの傾斜とポテンシャルの障壁の組み合わせを、エスケープ車の軸を中心とする極座標表現で示している。 図9に対応する傾斜及び障壁の形の相互作用エネルギーを示している。 補償によって軸方向の力をオフセットする2つの磁化層によって形成された車の概略断面図を示している。この2つの磁化層は両方とも、パレットレバー磁石に反発する。 パレットレバーが2つの極片を有しており、これらの極片が、パレットレバーの極端な角度的位置において、一方の極片が内側トラックと、他方の極片が外側トラックと、交互構成ではたらくように構成しているような好ましい変形実施形態の概略平面図を示している。 磁気的相互作用ポテンシャルの傾斜の線形性を最適化する磁化トラックの狭い部分の概略平面図を示している。 補強スポークによって磁性体層のいくつかの障壁スタッドに接続されている中央リングを有するような車の機械的強化領域の概略平面図を示している。 図11と同様な形態の概略断面図であり、車の磁気シールド又は回路として、特に、鉄で作られた、強磁性層の使用を示している。 図5と同様な形態のグラフであり、磁気的相互作用における非線形性をオフセットするために尖った部分の形態の非線形性が導入された輪郭の変化を示している。 図7と同様な形態のグラフであり、磁気的相互作用における非線形性をオフセットするために尖った部分の形態の非線形性が導入された輪郭の変化を示している。 図9と同様な形態のグラフであり、磁気的相互作用における非線形性をオフセットするために尖った部分の形態の非線形性が導入された輪郭の変化を示している。 図16、17及び18に関連する車の概略平面図を示している。 車及びパレットレバーに対する機械的な止めによって形成されている耐衝撃デバイスの詳細の概略平面図を示している。 バレルからばね仕掛けバランス共振器までの共振器機構全体の概略斜視図を示している。この共振器機構は、ギヤ列と、及び磁気式パレットレバーを備えた磁気式エスケープ機構とを有する。 このような最適化された磁気式レバーエスケープ機構を備えるムーブメントを有する腕時計を示しているブロック図である。 このような磁気式エスケープ機構を有する腕時計の平面図を示している。 このような磁気式エスケープ機構を有する腕時計の斜視図を示している。
本発明は、磁気式の計時器用エスケープ機構100用のエスケープ車セット1に関する。
この車セット1は、表面Sを有しており、これは、この車セット1の中で最も大きな表面又はこの車セット1の最も大きい表面のうちの1つである。例えば、車セット1がディスクである場合、表面Sは、このディスクの上側面や下側面であることができる。
エスケープ車セット1は、少なくとも1つの磁化トラック10を有し、このトラック10には、磁気特性が繰り返されるスクロール回転周期PDに応じて一連の領域がある。各領域には、増加している磁場傾斜があり、その後に、磁場が大きくなっている磁場障壁が続いている。この磁場障壁における磁場の勾配は、その前の傾斜よりも急である。
本発明によると、磁化トラック10は、連続的で閉じられた磁性体層4を有する。特に、この磁化トラック10は、エスケープ車セット1の全周部にわたる連続的で閉じられた磁性体層4である。
特に、この磁化トラック10は、厚みが一定であるが幅が変化している。
別の特定の実施形態において、磁気的ポテンシャルの変化は、層の厚みの変化によって発生する。
特に、この磁化トラックは、エスケープ車セット1の大きな表面Sにわたって延在しており、表面S上への射影における幾何学的構成が磁場傾斜及び障壁を定めている。
特定の場合において、磁化トラック10は、離散的な要素によって構成している物理的な層を有し、これは、必ずしも単純な幾何学的構成の磁石によって形成されているわけではなく、例えば、曲線部分を有するものによって形成されている。これも、本発明に係る機能的な機構を形成することができる。
また、一定でない残留場を有する層を備えた同様な効果がある磁化トラックを得ることもできる。実際上、このことは、制御された温度まで磁性体層を局所的に加熱することによって、あるいは例えば、SmCoとNdFeBである2つの異なる磁性材料を重ね合わせてSmCoの残留場に影響を与えずにNdFeBの残留場を中和するような温度まで加熱することによって、達成される。
なお、磁場の変化は、磁場の角度的な変化であることができ、傾斜の部分と障壁の間の磁場の勾配の変化は、場の角度的な成分の変化であることもできることを理解することができるであろう。
特定の実施形態において、図面に示すように、エスケープ車セット1は、エスケープ車であり、片側面において磁化トラック10を担持しているような、少なくとも1つのリング又は少なくとも1つの穴空きディスクを有し、そして、特定の形態で(これに制限されない)、車セット1の最大の表面Sを構成している。磁性体層4の幅は、ディスクの軸A1を中心とする半径方向に延在している。
特に、磁化トラック10は、境界Fの両側において、隣接するように、内側トラック11及び外側トラック12を有する。これらは、磁場障壁を有しており、半周期ごとの交互構成で、境界Fに対して互い違いにされている。エスケープ車の場合には、この境界Fは、2つのトラック11及び12と同心である円Cである。
特に、磁気式エスケープ機構100は、このようなエスケープ車セット1を1つ有する。これには、駆動トルクが与えられ、止めメンバー2を介してばね仕掛けバランス共振器と間接的に連係している。この止めメンバー2は、回転式磁気式止めメンバーであり、これは、磁性体層4の内側トラック11及び外側トラック12と交互構成で連係するように構成している少なくとも1つの極片20を有する。
図1は、内側トラック11及び外側トラック12の磁化トラック10を備えたエスケープ車1を有する磁気式エスケープ機構100の原理を示しており、この内側トラック11及び外側トラック12は、上記の欧州特許出願EP13199427に記載されているように、円Cによって分離されており、止めメンバー、特に、磁気式パレットレバー2の極片20と連係している。
車1と、特に少なくとも1つの磁石を有するパレットレバー2の極片20との間の磁気的相互作用エネルギーは、図2のグラフに示すように変化する。この図2には、2つのトラックのそれぞれにおける周期PDを示している。図1及び2において++と印を付けたポテンシャルの障壁131、132には、車1の運動を止める効果がある。内側トラック11と外側トラック12の両方にわたって延在している「−−」領域から「+」領域へのエネルギー傾斜は、エスケープ車1の回転時にパレットレバー2の極片20と遭遇し、エネルギーを蓄積する効果がある。このエネルギーは、パレットレバー2が傾いたときにバランス3のインパルスピン30に伝えられる。
ここにおいて、磁気式エスケープを用いるような特定の実施形態(これに制限されない)を用いて本発明を説明している。しかし、上記の欧州特許EP13199427に記載のような静電気を用いる実施形態にて本発明を実装することができる。
ポテンシャルの障壁と傾斜を形成するための第1の既知の手法は、トラック11及び12のそれぞれに配置された磁石の厚みや磁化の強さを変化させて、パレットレバー2の極片20との相互作用エネルギーを変化させることを伴う。
付加した磁石の厚みの変化によって、パレットレバー2とトラック10の間のエアギャップに変化が発生する。ただし、このような磁石がエスケープ車1に埋め込まれていてパレットレバー2の極片20に同じ高さレベルの表面を出現させるのであればこの限りではない。したがって、さらに発展させるには、トラック11及び12の磁石によって発生する場の勾配の制御を、エアギャップ内における極片20と磁石との間の相互作用の制御と組み合わせることが必要である。この制御は、不連続性のために困難である。
別の選択肢は、磁石又は実際のトラックの磁化の強さを変化させることを伴うものである。これを適切に制御することは困難である。
短く書くと、これらの方法は実験室における試験には適しているが、連続的な生産に適応させることは困難である。
したがって、本発明は、磁石の厚み又は磁石の磁化の強さを変化させるよりも容易な工業的な実装のため手法を提案するものであり、これは、車1の平面内に配置された厚み及び磁化が一定な磁化層4を用いることを伴う。この車1は、特定の表面分布を有し、傾斜と障壁によって形成された所望のエネルギー変化を発生させるように構成している幾何学的構成を有する。
図3は、このような幾何学的構成の例を示している。すなわち、磁化層4が、エスケープ車1上に配置され、磁化トラック10を形成しており、これは、車1の上に位置するパレットレバー2の極片20と、磁気反発の相互作用をする。磁化層4の幾何学的構成は、パレットレバー2の極片20又は磁石との相互作用によって、磁気式レバーエスケープの適切な動作に必要な傾斜及び障壁を発生させるように選択される。
図3及び4に示すように、磁化層4によって形成されるこの磁化トラック10は、部分的に内側トラック11上、そして、部分的に外側トラック12上に延在している。この内側トラック11と外側トラック12は、パレットレバー2の極片20の2つの極端な位置(堅固なバンキングに当接する位置)に対応している。内側トラック11は、半径方向の幅R1を有し、外側トラック12は、半径方向の幅R2を有する。R0は、内側トラック11と外側トラック12を分離している円Cの半径である。
図5〜10は、磁性体層4の幾何学的構成を形成する方法を適切に理解するために、エスケープ車1の軸を中心とする極座標表現で磁性体層4を示している。図5、7及び9には、期間PDに加えられる中心角度の関数として表面の相対的な偏心的な構成を示している。また、図6、8及び10はそれぞれ、図5、7及び9に対応する傾斜及び障壁の形の相互作用エネルギーを示している。
図5は、内側トラック11及び外側トラック12の2つの角度的な周期を磁性体層4とともに示している。この磁性体層4は、実質的に対称的な形態、特に、三角形の形態(これに制限されない)、で交互構成となっている連続的であり周期的なパスを追従しており、ポテンシャルの傾斜を発生させている。図6に、極片20とのパレットレバー2の相互作用エネルギーの変化を、極片20が外側トラック12上にある場合(位置1)を実線で、極片20が内側トラック11上にある場合(位置2)を破線で示している。車1の磁化トラック4と、パレットレバー2の極片20との重なり合いが大きくなると、相互作用エネルギーが増加する。周期的パスの輪郭は、所望の傾斜の輪郭に依存して、実質的にシヌソイドなどの形であることができる。この例における直線状の輪郭は、最小の維持トルクCEを低下させてエスケープの動作を可能にするために有利である。
同様に、図7は、内側トラック11及び外側トラック12の2つの角度的な周期を磁性体層4とともに示している。この磁性体層4は、ポテンシャルの障壁を発生させるように離散的な障壁スタッド41によって形成されている。ここにおいて、この障壁スタッド41は、長方形の領域によって形成されている。図8に、図7の構成に対応する相互作用エネルギーの変化を、極片20が外側トラック12上にある場合(位置1)を実線で、極片20が内側トラック11上にある場合(位置2)を破線で示している。
最後に、図9は、内側トラック11及び外側トラック12の2つの角度的な周期を磁性体層4とともに示している。これは、図5の傾斜及び図7の障壁の和である。図10に、相互作用エネルギーにおける対応する変化を、極片20が外側トラック12上にある場合(位置1)については実線で、極片20が内側トラック11上にある場合(位置2)については破線で示している。所望の結果が得られることを観測できた。すなわち、ポテンシャルの傾斜が得られ、その後に、障壁が得られる。これらは、2つのパス11及び12上において順次的に交互構成を有する。
当然、離散的な障壁スタッド41は、ここにおいて、モデリングを容易にするために、長方形である。また、離散的な障壁スタッド41は、他の同様な形であることができる。ただし、これらの形が所望の磁気的ポテンシャルの分布と互換性を維持することを前提とする。
図10の幾何学的構成を直角座標に変換すると、図3及び4に示した磁性体層の幾何学的構成が得られる。ただし、当然、車1の全体をカバーするように必要な回数パターンが繰り返されることを前提とする。図3及び4の車1の例(これに制限されない)の場合、角度的な周期PDの値がPD=2π/6であるように、1回転当たりN=6のステップが選ばれている。もちろん、1回転当たりのステップの数Nとして、他の値を選ぶこともできる。実際上、Nが可能な限り大きいと有利であり、Nの上限は、用いられる技術と、及びパレットレバー2の極片20と車1との間のエアギャップとによって設定される。
なお、磁性体層4の幾何学的構成が車1の幾何学的構成に依存することがわかるであろう。具体的には、車1の直径が小さく、Nが小さい場合、R1がR2よりも大きいことが有利であることがある。これによって、曲率をオフセットし、2つのトラック11及び12に対して同一の傾斜及び障壁の輪郭の特徴を得ることができる。図面の例は、R1とR2が等しいような特定の場合に対応している。
一般的には、異なる変形実施形態を組み合わせることができ、これによって、システムの適切な動作をさらに改善することができる。実施形態によっては、特に、複数の非常に薄い磁性体層4を用いることができ、これは、機械的な方法ではない方法、特に、電気化学的方法、プラズマ蒸着又は他の手段、によって達成することができる。
本発明の特徴の1つによると、磁性体層4は、内側トラック11及び外側トラック12にわたって交互構成で延在している。
特に、磁性体層4は、半周期ごとに、磁場障壁を形成している障壁スタッド41を有する。この磁場障壁は、境界Fの片側のみの上に延在しており、内側トラック11及び外側トラック12に対して交互構成で延在している。
さらに具体的には、これらの障壁スタッド41は、障壁スタッド41の最も小さな幅よりも小さな幅を有するバンド40によって1つずつ接続されている。
さらに具体的には、バンド40は、各障壁スタッド41の両側の間で凹凸性を変え、2つの連続する障壁スタッド41の間では境界Fに対して同じ側を維持する。
具体的には、バンド40は、各障壁スタッド41の隣に狭い部分42を有する。
具体的には、バンド40は、2つの連続する障壁スタッド41の間に、尖った部分46を有する。
図11に示すように、エスケープ車1に与えられる軸方向の応力をオフセットするために、パレットレバー2の極片20が間にある上側層4Sと下側層4Iである2つの磁性体層4を有する車1の変形実施形態を用いることは有利である。磁気反発を介してパレットレバー2の極片20が車1の磁化層4S及び4Iに対して作用することを思い出してみる。当然、高さレベルの数がより大きいようなエスケープ車1を想到することができ、そして、異なる層の異なる磁性体層4によって対で限界が定められる空間の数と同じように大きい数の極片を有するパレットレバー2も想到することができる。これによって、エスケープ機構100が組み入れられるムーブメントにおいて許される垂直方向の空間の範囲内において効果が積み重なる。
したがって、具体的には、エスケープ車セット1は、複数の平行なディスクを有する。これらのディスクどうしの対向する面はそれぞれ、ディスクの共通軸に垂直な正中面に対して互いに対称的な磁化トラック10を担持しており、各磁性体層4の幅は、ディスクの軸を中心とする半径方向に延在している。具体的には、この複数のディスクの2つの端にあるディスクはそれぞれ、当該複数のディスクとは反対の側に、外部磁場から車セットを保護する磁気シールドを形成している強磁性層を有する。
さらに具体的には、磁気式エスケープ機構100は、このようなエスケープ車セット1を有し、止めメンバー2は、各エアギャップ内において少なくとも1つの極片20を有し、面どうしが対向している平行なディスクはそれぞれ、磁化トラック10を担持している。
したがって、パレットレバー磁石のいくつかの段を備え、各パレットレバー磁石がエスケープ車の2つの特定の段の間にてはたらくような構成が可能となる。
図12は、パレットレバー2が2つの極片201及び202を有するような好ましい変形実施形態を示している。この2つの極片201及び202は、パレットレバー2の極端な角度的位置において交互構成で、一方の極片が内側トラック11と、他方の極片が外側トラック12とはたらくように角度的に構成しており、このような状況で、互いに応力を与える。この構成は、多くの利点を有する。第1に、内側トラック11と外側トラック12の間の半径の差に起因するトルクの差がオフセットされる。なぜなら、パレットレバー2の極片のうちの一方が常に内側トラック11上にあり、他方が外側トラック12上にあるためである。次に、ある角度的な周期と別の周期の間の車1の製造の不ぞろいが平均化される。なぜなら、パレットレバーの極片が同じ欠陥に遭遇しないからである。最後に、各振動において伝達されるトルクは、2倍になる。
エスケープの最小動作トルクCEを低下させるためには、磁気的ポテンシャルの傾斜が可能な限り線形であることが重要である。このために、磁性体層4の幾何学的構成に対して小規模の調整を行うことができる。例えば、図13に示すように、パレットレバーの極片が隣接トラック上にある障壁の近くを通過するときに、磁性体層4に小さな狭い部分42を設けることが有利である。磁化トラックのこのような狭い部分42によって、磁気的相互作用ポテンシャルの傾斜の線形性を最適化することができる。
また、このような製造は、連続的な生産において重要である。
エスケープ車1の磁性体層4を作る有利な方法の1つは、機械的強度を確実にして磁化層4が上に堆積されるような基材を用いることを伴う。このような基材は、典型的には、NdFeB、SmCo、又はPtとCoの合金である。実際に、希土類含有磁石の薄い層が脆弱であるので、基材を用いてこれを強化することは有利である。このような層は、CVD又はPVDタイプの方法、又は直流電気的な成長によって、堆積させることができる。堆積を実行する前に、取り除くことが可能なマスクを基材の上に配置して、堆積の後にマスクを取り除くことによって、所望の幾何学的構成を得ることができる。また、(CVD、PVD処理又は接合された)基材上に均質な形態で層を堆積させて、その後に、望まない領域のエッチングを行うことができる。これらのすべての状況において、ここまでにおいて示した幾何学的構成を用いることができる。なぜなら、基材によって機械的強度を確実にすることができるからである。このような精巧な方法を用いれば、マルチレベルエスケープ車の利点は明白になる。
別の変形実施形態は、伝統的な手法、レーザー切断、放電加工又は化学的エッチングにかかわらず、所望の幾何学的構成を薄い磁石プレートに機械加工することによって、磁性体層4を製造することに関する。この場合、パレットレバー2がスイープする領域の外における、エスケープ車1の中央領域に延在する補強材44によって磁性体層4を完成させて、製造した部品の機械的安定性を確実にすることは有利である。図14に、機械的強化領域が車1の軸A1の方であって本質的に内側トラック11が外側にあるように延在しているような例を示している。これは、磁性体層4のいくつかの障壁スタッド41に補強スポーク44によって接続している中央リング43を有する。より詳細には、補強スポーク44は、内側トラック11の障壁スタッド41に接続されている。なぜなら、これらの障壁スタッド41は、妨げる場の影響を最も受けない部品であるからである。このように形成された機械的強化領域によって、パレットレバー2と車1の間の磁気的相互作用ポテンシャルを大きく変化させずに、機械的安定性を確実にすることができる。
別の変形実施形態は、車1の磁気シールド又は回路として強磁性層5を用いることを伴う。具体的には、強磁性層5は、鉄で作られている。また、この層を磁化層4のための基材として用いて、機械的強度を確実にすることができる。図15は、図11と同様な構成を示している。これにおいて、車1は、外側の上側強磁性層5S及び外側の下側強磁性層5Iを有し、これらはそれぞれ、上側磁化層4S及び下側磁化層4Iを担持している。この構成によって、エスケープの動作に必要な磁気式エスケープ機構100の内部の磁場から、エスケープに対する影響がないことが望ましい車1の外側の磁場を最良に分離することが可能になる。
強磁性体、特に、鉄、を含有していたり含有していなかったりする車1の構成に、磁性体層4の傾斜の形を適応させることが必要であることがある。実際に、このような強磁性体のシールドの存在によって、パレットレバー及び車の磁気的相互作用に非線形性が導入される。このような非線形性は、可能な限り線形であるようなポテンシャルの傾斜を得るために、オフセットされなければならない。上記のように、狭い部分42を介して磁性体層4の幅の変化を導入することができる。別の方法は、図5に示すような傾斜を発生させるために用いられる三角形の輪郭の形をわずかに変更させることを伴う。例えば、図16においてこの輪郭を、特に、尖った部分46の形態であるような、非線形性45を導入することによって変更して、磁気的相互作用における非線形性がオフセットされる。この輪郭は、次に、図17の障壁スタッド41と組み合わさって、図18の幾何学的構成を極座標で得る。最後に、この幾何学的構成は直角座標に変換されて、図13の幾何学的構成の代替構成である図19の構成が得られる。
図20は、車1上に機械的な止め19があり、これと相補的な機械的な止め29がパレットレバー2上にあるような変形実施形態を示している。これによって、衝撃を受けてもシステムが異常停止しないことが確実になる。これらの止めは、衝撃があった後にパレットレバーの極片が磁気障壁を通過したときに車1の運動を阻むように構成している。
変形実施形態の1つにおいて、このような異常停止回避用の止めは、磁気タイプである。したがって、好ましい変形実施形態は、異常停止回避用の星形部品の各頂点上に小さな磁石と、及びパレットレバー止め上に強磁性片とを有する。この場合、第1のリバウンドにおいて、磁気的な引力によって、第2のリバウンドを止めることによってインパクトが発生させるエネルギーのほとんどすべてを消散させることが可能になる。そして、(車−パレット磁石の間の)メインの磁気的ポテンシャルのおかげで、正しい引き位置に復帰する。第2の変形実施形態において、星形部品の各頂点に位置している磁石は、パレットレバーの異常停止回避用止め上に位置している磁石に対して、磁気反発を介してはたらく。このような場合において、磁気車の設計及び星形部品の指標付けの自由度を大きくしつつ、(止めを破壊してしまう)衝突のリスクのいずれもなくすことができる。
図21は、ここにおいてバランス3及びバランスばね6を備えたバレル7によって構成しているエネルギー源からばね仕掛けバランス共振器までの共振器機構200全体を示している。これは、ギヤ列8と、及び磁気式パレットレバー2を備えた磁気式エスケープ機構100を有している。
当然、説明した例は、車によって形成されるエスケープ車セットに関連しているが、本発明による教示は、任意の形の車セットに適用可能である。例えば、エスケープ車セットがシリンダー又は連続的なバンドであるような欧州特許出願EP13199427の形態を用いることができる。この場合には、磁性体層4の輪郭は、図9又は18のものと比べて直接的であったり、ねじれたエスケープ車セットであったりすることができる。例えば、ポテンシャルの傾斜及び/又は障壁上に設けられるウィングである。なお、これに制限されない。
本発明は、さらに、このような共振器機構200を少なくとも1つ有するムーブメント300に関する。
本発明は、さらに、この種のムーブメント300を少なくとも1つ有する腕時計400に関する。
1 エスケープ車セット
2 止めメンバー
3 バランス
4 磁性体層
7 エネルギー源
8 ギヤ列
10 磁化トラック
11 内側トラック
12 外側トラック
19、29 機械的な止め
20 極片
40 バンド
41 障壁スタッド
42 狭い部分
43 中央リング
44 補強材スポーク
46 尖った部分
100 磁気式の計時器用エスケープ機構
200 共振器機構
201、202 極片
300 計時器用ムーブメント
400 腕時計
A1、A2 軸
C 円
F 境界
PD スクロール周期
S 表面

Claims (25)

  1. 磁気式の計時器用エスケープ機構(100)のためのエスケープ車セット(1)であって、
    当該エスケープ車セット(1)は、当該エスケープ車セット(1)の最も大きい表面である表面(S)又は当該エスケープ車セット(1)の最も大きい表面のうちの1つである表面(S)を有し、
    当該エスケープ車セット(1)は、磁気特性が繰り返されるスクロール周期(PD)に応じた一連の領域がある少なくとも1つの磁化トラック(10)を有し、
    前記領域はそれぞれ、増加している磁場傾斜を有し、
    これに続いて、増加している磁場を備え磁場勾配が前記傾斜のものよりも大きいような磁場障壁を有し、
    前記磁化トラック(10)は、当該エスケープ車セット(1)の最大の表面(S)上に延在している連続的で閉じられた磁性体層(4)を有し、
    前記表面(S)への射影における前記磁性体層(4)の幾何学的構成は、前記磁気傾斜及び磁場障壁を定めている
    ことを特徴とするエスケープ車セット(1)。
  2. 前記磁化トラック(10)は、当該エスケープ車セット(1)の周部全体にわたって連続的で閉じられた磁性体層(4)を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエスケープ車セット(1)。
  3. 前記磁化トラック(10)は、厚みが一定であり幅が変化している磁性体層(4)を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエスケープ車セット(1)。
  4. 当該エスケープ車セット(1)は、少なくとも1つのディスクを有し、このディスクの一方の側が、最大の表面(S)を形成しており前記磁化トラック(10)を担持しており、
    前記磁性体層(4)の幅は、前記ディスクの軸を中心とする半径方向に延在している
    ことを特徴とする請求項1に記載のエスケープ車セット(1)。
  5. 前記磁化トラック(10)は、境界(F)の両側に隣接して、前記境界(F)に対して互い違いにされた半周期ごとの交互構成を有する磁場障壁を有する内側トラック(11)及び外側トラック(12)を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載のエスケープ車セット(1)。
  6. 前記磁性体層(4)は、前記内側トラック(11)及び前記外側トラック(12)上にて交互構成で延在している
    ことを特徴とする請求項5に記載のエスケープ車セット(1)。
  7. 前記磁性体層(4)は、半周期ごとに、前記磁場障壁を形成している障壁スタッド(41)を有しており、
    前記磁場障壁は、前記境界(F)の片側のみにおいて、前記内側トラック(11)及び前記外側トラック(12)上で交互構成で延在している
    ことを特徴とする請求項6に記載のエスケープ車セット(1)。
  8. 前記障壁スタッド(41)は、前記障壁スタッド(41)の最も小さな幅よりも小さな幅を有するバンド(40)によって1つずつ接続されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のエスケープ車セット(1)。
  9. 前記バンド(40)は、前記障壁スタッド(41)のそれぞれの両側の間で凹凸性が変わっており、
    2つの連続する前記障壁スタッド(41)の間においては前記境界(F)に対して同じ側を維持する
    ことを特徴とする請求項8に記載のエスケープ車セット(1)。
  10. 前記バンド(40)は、前記障壁スタッド(41)のそれぞれの隣に狭い部分(42)を有する
    ことを特徴とする請求項9に記載のエスケープ車セット(1)。
  11. 前記バンド(40)は、2つの連続する障壁スタッド(41)の間に尖った部分(46)を有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のエスケープ車セット(1)。
  12. 当該エスケープ車セット(1)は、少なくとも1つのディスクを有し、このディスクの一方の側が、最大の表面(S)を形成しており前記磁化トラック(10)を担持しており、
    前記磁性体層(4)の前記幅は、前記ディスクの軸を中心とする半径方向に延在しており、
    前記磁性体層(4)は、前記内側トラック(11)のいくつかの前記障壁スタッド(41)に補強スポーク(44)によって接続されている中央リング(43)を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載のエスケープ車セット(1)。
  13. 当該エスケープ車セット(1)は、機械的強度を確実にする少なくとも1つの基材を有し、
    この基材は、NdFeB、SmCo、又はPtとCoの合金の磁化層で被覆されており、前記磁性体層(4)を形成している
    ことを特徴とする請求項1に記載のエスケープ車セット(1)。
  14. 当該エスケープ車セット(1)は、複数の平行なディスクを有し、
    このディスクどうしの対向している面どうしは、互いに対して、前記ディスクの共通軸に垂直な正中面に対して対称な前記磁化トラック(10)を担持しており、
    前記磁性体層(4)のそれぞれの前記幅は、前記ディスクの軸を中心とする半径方向に延在している
    ことを特徴とする請求項1に記載のエスケープ車セット(1)。
  15. 前記複数のディスクの2つの端のディスクはそれぞれ、前記複数のディスクとは反対の側に、外部磁場から当該エスケープ車セットを保護する磁気シールドを形成している強磁性層を有する
    ことを特徴とする請求項14に記載のエスケープ車セット(1)。
  16. 請求項1に記載のエスケープ車セット(1)を有する磁気式の計時器用エスケープ機構(100)であって、
    前記エスケープ車セット(1)には、駆動トルクが与えられ、
    止めメンバー(2)を介してばね仕掛けバランス共振器と間接的に連係しており、
    前記止めメンバー(2)は、少なくとも1つの極片(20)を有する回転式磁気式止めメンバーであり、
    この極片(20)は、前記磁性体層(4)の前記内側トラック(11)及び前記外側トラック(12)と交互構成で連係するように構成している
    ことを特徴とする磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  17. 請求項5に記載のエスケープ車セット(1)を有する
    ことを特徴とする請求項16に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  18. 請求項13に記載のエスケープ車セット(1)を有する
    ことを特徴とする請求項16に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  19. 請求項14に記載のエスケープ車セット(1)を有する
    ことを特徴とする請求項16に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  20. 前記止めメンバー(2)は、各エアギャップにおいて少なくとも1つの極片(20)を有し、
    面どうしが対向している平行なディスクはそれぞれ、前記磁化トラック(10)を担持している
    ことを特徴とする請求項19に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  21. 前記止めメンバー(2)は、2つの極片(201、202)を有し、これらの極片(201、202)は、前記止めメンバー(2)の極端な角度的位置において、一方の極片が前記内側トラック(11)と、他方の極片が外側トラック(12)と交互構成ではたらくように角度的に構成している
    ことを特徴とする請求項16に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  22. 前記エスケープ車(1)は、機械的な止め(19)を有し、
    前記止めメンバー(2)は、衝撃を受けた場合に止まることをいずれも回避するように相補的な機械的な止め(29)を有する
    ことを特徴とする請求項16に記載の磁気式の計時器用エスケープ機構(100)。
  23. 請求項16に記載の磁気式エスケープ機構(100)の前記エスケープ車(1)をギヤ列(8)を介して駆動するように構成しているエネルギー源(7)を有する
    ことを特徴とする共振器機構(200)。
  24. 請求項23に記載の共振器機構(200)を少なくとも1つ有する
    ことを特徴とする計時器用ムーブメント(300)。
  25. 請求項24に記載の計時器用ムーブメント(300)を少なくとも1つ有する
    ことを特徴とする腕時計(400)。
JP2017017417A 2016-02-18 2017-02-02 計時器用の磁気式エスケープ車セット Active JP6285582B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16156326 2016-02-18
EP16156326.7 2016-02-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017146300A true JP2017146300A (ja) 2017-08-24
JP6285582B2 JP6285582B2 (ja) 2018-02-28

Family

ID=55398226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017017417A Active JP6285582B2 (ja) 2016-02-18 2017-02-02 計時器用の磁気式エスケープ車セット

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10095187B2 (ja)
EP (1) EP3208667A1 (ja)
JP (1) JP6285582B2 (ja)
CN (1) CN107092179B (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019211479A (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 モントレー ブレゲ・エス アー トゥールビヨンを備えている計時器
JP2021018237A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント
JP2021096240A (ja) * 2019-12-18 2021-06-24 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス 少なくとも2つの機械部品を製造するための方法
JP2021148780A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント
JP2021148785A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3627242B1 (fr) * 2018-09-19 2021-07-21 The Swatch Group Research and Development Ltd Mecanisme d'echappement d'horlogerie magneto-mecanique optimise
EP3654110B1 (fr) * 2018-11-19 2021-07-28 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Piece d'horlogerie mecanique a affichage anime
US11133993B2 (en) 2019-02-28 2021-09-28 At&T Intellectual Property I, L.P. Augmented/mixed reality virtual venue pipeline optimization
EP3839648A1 (fr) * 2019-12-18 2021-06-23 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Procede de fabrication d'une piece mecanique pourvue d'une zone fonctionnelle magnetique
EP3955063A1 (fr) * 2020-08-12 2022-02-16 The Swatch Group Research and Development Ltd Mecanisme muni d'un engrenage magnetique

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001272250A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Seiko Precision Inc 磁化パターンを有する被検出体および磁気エンコーダ
JP2006214862A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Mitsubishi Electric Corp 位置検出装置
WO2015097066A2 (fr) * 2013-12-23 2015-07-02 Eta Sa Manufacture Horlogère Suisse Mouvement horloger mecanique a echappement magnetique
JP2015121538A (ja) * 2013-12-23 2015-07-02 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 最適化された脱進機

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2690646A (en) * 1948-06-10 1954-10-05 Clifford Cecil Frank Escapement mechanism
GB671360A (en) 1948-07-28 1952-05-07 Smith & Sons Ltd S Magnetic escapements for timepieces
US3183426A (en) 1962-02-14 1965-05-11 Cons Electronics Ind Magnetically coupled constant speed system
US3410083A (en) * 1966-02-04 1968-11-12 Army Usa Timing mechanism
GB1327043A (en) 1970-01-12 1973-08-15 Horstmann Magnetics Ltd Electromechanical oscillators with rotary output
JP5389455B2 (ja) * 2008-02-21 2014-01-15 セイコーインスツル株式会社 摺動部品及び時計
EP2400352A1 (fr) * 2010-06-22 2011-12-28 The Swatch Group Research and Development Ltd. Système d'échappement pour pièce d'horlogerie
EP2781965B1 (fr) * 2013-03-19 2017-11-15 Nivarox-FAR S.A. Cassette de mécanisme d'horlogerie
EP2891930B1 (fr) * 2013-12-23 2018-09-19 The Swatch Group Research and Development Ltd. Dispositif régulateur de la vitesse angulaire d'un mobile dans un mouvement horloger comprenant un échappement magnétique
US9715217B2 (en) * 2013-12-23 2017-07-25 The Swatch Group Research And Development Ltd Device intended to control the angular speed of a train in a timepiece movement and including a magnetic escapement
EP2887156B1 (fr) * 2013-12-23 2018-03-07 The Swatch Group Research and Development Ltd. Dispositif régulateur
EP2889701B1 (fr) * 2013-12-23 2017-07-19 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Mécanisme de synchronisation d'horlogerie
US9746829B2 (en) * 2013-12-23 2017-08-29 Nivarox-Far S.A. Contactless cylinder escapement mechanism for timepieces
CH711402A2 (fr) * 2015-08-04 2017-02-15 Eta Sa Mft Horlogere Suisse Mécanisme régulateur d'horlogerie à bras rotatifs synchronisé magnétiquement.

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001272250A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Seiko Precision Inc 磁化パターンを有する被検出体および磁気エンコーダ
JP2006214862A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Mitsubishi Electric Corp 位置検出装置
WO2015097066A2 (fr) * 2013-12-23 2015-07-02 Eta Sa Manufacture Horlogère Suisse Mouvement horloger mecanique a echappement magnetique
JP2015121538A (ja) * 2013-12-23 2015-07-02 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 最適化された脱進機

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019211479A (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 モントレー ブレゲ・エス アー トゥールビヨンを備えている計時器
US11640141B2 (en) 2018-06-07 2023-05-02 Montres Breguet S.A. Timepiece comprising a tourbillon
JP2021018237A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント
JP2021096240A (ja) * 2019-12-18 2021-06-24 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス 少なくとも2つの機械部品を製造するための方法
KR20210079220A (ko) * 2019-12-18 2021-06-29 에타 쏘시에떼 아노님 마누팍투레 홀로게레 스위세 적어도 2개의 기계 부품들을 제조하기 위한 방법
US11662690B2 (en) 2019-12-18 2023-05-30 Eta Sa Manufacture Horlogère Suisse Method for manufacturing at least two mechanical parts
JP7284140B2 (ja) 2019-12-18 2023-05-30 ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス 少なくとも2つの機械部品を製造するための方法
KR102557070B1 (ko) 2019-12-18 2023-07-18 에타 쏘시에떼 아노님 마누팍투레 홀로게레 스위세 적어도 2개의 기계 부품들을 제조하기 위한 방법
JP2021148780A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント
JP2021148785A (ja) * 2020-03-18 2021-09-27 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント
JP7100733B2 (ja) 2020-03-18 2022-07-13 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント
JP7177199B2 (ja) 2020-03-18 2022-11-22 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気的システムを備えるエスケープを備える計時器用ムーブメント

Also Published As

Publication number Publication date
CN107092179A (zh) 2017-08-25
US20170242403A1 (en) 2017-08-24
JP6285582B2 (ja) 2018-02-28
CN107092179B (zh) 2019-06-21
EP3208667A1 (fr) 2017-08-23
US10095187B2 (en) 2018-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6285582B2 (ja) 計時器用の磁気式エスケープ車セット
JP6059366B2 (ja) 計時器用可動要素の磁気的又は静電気的な回転をガイドする計時器用サブアセンブリー
US9483026B2 (en) Angular speed regulating device for a wheel set in a timepiece movement including a magnetic escapement mechanism
CN103809421B (zh) 钟表的防脱扣机构
US20170068222A1 (en) Magnetic clock escapement and device for regulating the operation of a clock movement
JP6397093B2 (ja) 最適化された計時器用ムーブメント
JP5817260B2 (ja) 磁気ギア装置
JP5976090B2 (ja) 規制デバイス
CN102402178B (zh) 具有音簧隔离器的报时表
TW201440388A (zh) 可動子及線性馬達
JP6315727B2 (ja) 枢動可能な時計構成部品のアーバ
JP6166847B2 (ja) 磁気的及び/又は静電気的な共振器
CN106716264B (zh) 钟表及钟表机构
JP7474826B2 (ja) 磁気ピボット・テンプ輪を備えた機械式時計ムーブメント
CN110928170B (zh) 优化的磁-机械钟表擒纵机构
JP6457675B2 (ja) 複数の離散的な位置に可動要素をポジショニングするデバイスを備える計時器用ムーブメント
TWI576455B (zh) 磁控管源及製造方法
US11822294B2 (en) Timepiece movement comprising a rotating element provided with a magnetized structure having a periodic configuration
TWI352882B (en) Regulating organ for wristwatch and mechanical mov
JP2018146575A (ja) 複数の離散的な位置に可動要素をポジショニングするデバイスを備える計時器用ムーブメント
JPH0793808B2 (ja) 永久磁石可動部材を有する電気モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6285582

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250