JP2017518484A - 時計用磁気エスケープ及び時計用ムーブメントの動作を規制するデバイス - Google Patents

時計用磁気エスケープ及び時計用ムーブメントの動作を規制するデバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2017518484A
JP2017518484A JP2016563129A JP2016563129A JP2017518484A JP 2017518484 A JP2017518484 A JP 2017518484A JP 2016563129 A JP2016563129 A JP 2016563129A JP 2016563129 A JP2016563129 A JP 2016563129A JP 2017518484 A JP2017518484 A JP 2017518484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnet
escape
periodic
combination pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016563129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6220465B2 (ja
Inventor
ドメニコ,ジャンニ ディ
ドメニコ,ジャンニ ディ
Original Assignee
ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP14184158.5A external-priority patent/EP2889701B1/fr
Application filed by ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド filed Critical ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
Publication of JP2017518484A publication Critical patent/JP2017518484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6220465B2 publication Critical patent/JP6220465B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C5/00Electric or magnetic means for converting oscillatory to rotary motion in time-pieces, i.e. electric or magnetic escapements
    • G04C5/005Magnetic or electromagnetic means
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B15/00Escapements
    • G04B15/14Component parts or constructional details, e.g. construction of the lever or the escape wheel

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Electromechanical Clocks (AREA)
  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Abstract

時計用磁気エスケープ(12)及びエスケープを有する規制デバイスであって、このエスケープは、N1個の磁性線状体(4)で形成されている第1の環状網(3)及びN2個の磁性線状体(10)で形成されている第2の環状網(9)を有し、数N2は、数N1とは異なっている。第1及び第2網は、磁気的モアレ効果が発生する組み合わせパターン(14)を定めるように重なり合っている。組み合わせパターンは、機械的な時計用ムーブメントの動作のペースを定めるように、共振器の少なくとも1つの磁石に磁気的に結合している。第1の磁性構造は、エスケープ車によって支持されており、角回転数F1で第2の固定磁性構造に対して回転することができる。組み合わせパターンは、角回転数F1と数N1の積を数N1から数N2を引いた数であるΔNで割った値である、より大きな角回転数F2で回転する。すなわち、F2=F1・N1/ΔNである。【選択図】 図1

Description

本発明は、時計用ムーブメントの動作を規制するデバイスの分野に関する。具体的には、本発明は、磁気タイプの時計用エスケープに関し、その通常の機能は、共振器の共振モードを維持することであり、特に、この共振器の慣性部分の連続的な振動又は回転、及び計数機構のペースを定めることである。本発明の範囲内において、磁気エスケープは、共振運動を行う共振器の一部によって支持される少なくとも1つの磁石に磁気的に結合している磁性構造を有するエスケープ車によって、前記の2つの機能を確実にする。
長年、磁気リンクとも呼ばれる電磁結合によって、ローターとも呼ばれる車の速度を規制するデバイスが知られている。時計用のアプリケーションも知られている。この分野に関連する多数の特許出願が、C. F. Cliffordの発明に対してHorstmann Clifford Magnetics社によって出願されている。具体的には、フランス特許FR1113932及び米国特許US2946183の文献を引用する。また、日本国の実開昭52−063453(実願昭50−149018)から、共振器と、2つの同軸の環状の磁気トラックを支持するディスクで形成されているエスケープ車との間の直接的な電磁結合を行う同じタイプの磁気エスケープが知られている。これらの2つのトラックは、実質的に隣接しており(コンティギュアス構成)、各トラックは、高透磁率の磁性材料で作られた個々のプレートで形成されている磁気ゾーンを有する。これらのプレートは、所与の角周期を規則的に有するようにされている。第1のトラックのプレートは、第2のトラックのプレートに対して、半周期分、オフセットないし位相シフトしている。プレートの間には、非磁性ゾーン、すなわち、透磁率が低いゾーンがある。したがって、音叉タイプの共振器の枝部の端によって支持される少なくとも1つの磁石の安静位置(ゼロ位置)に対応する円の両側で交替分布する高透磁率の磁気ゾーンが得られる。共振器の磁石は、第1のトラック及び第2のトラックの磁気ゾーンによって交替的に引きつけられるように、これらの2つの位相シフトしたトラックに磁気的に結合している。このように、エスケープ車は、共振器の振動ごとに前記2つのトラックの1つの角周期を進むような回転速度で回転する。エスケープ車は、電磁結合の磁石を支持する共振器の枝部の振動を維持するのに必要なエネルギーを供給し、この共振器が、エスケープ車の回転速度を制御ないし規制する。4これは、共振振動数に比例する。このようにして、時計用ムーブメントの計数機構の動作を規制するデバイスを共に形成する共振器に、磁気エスケープが接続される。
なお、従来技術において、前記の磁気タイプの規制デバイスが、共振運動を行う各部分が単一の自由度を有するような共振器に対して設けられる。一般的には、共振器は、共振運動を行う要素によって支持される磁石が実質的に半径方向に振動するように設計される。すなわち、2つの環状の磁気トラックに対して実質的に直交に振動するように設計される。この場合、前記の従来技術の形態は、共振器の振動の回転数と、磁性構造を支持するエスケープ車の回転回転数(回転/秒で)との間で回転数を減少することができるという利点を有する。共振振動数の大きさのオーダーの回転数で回転又は振動するような回転可動体はない。減少の係数は、環状の磁気トラックの角周期の値によって与えられる。
単一の自由度を有するこのような共振器の場合には、前記利点には、共振器の振動とエスケープ車の回転との間の回転数の減少に続いて、命題があり、これは、電磁結合力に対して課題を与える。実際に、回転数の減少を大きくするためには、磁気トラックの周期の数を増加させることが必要である。エスケープ車の所与の直径に対して、周期の数が増加することによって、環状トラックの磁気ゾーンの表面が減少する。共振器の磁石が環状トラックの半周期よりも小さい角距離にわたって延在するために、回転数の減少が大きくなる場合には、前記磁石の寸法構成も減少しなければならない。したがって、共振器とエスケープ車の間の磁気的相互作用力が減少することがわかる。このことによって、エスケープ車に与えることができるトルクが制限され、したがって、この共振器とこのエスケープ車の間の同期外れのリスクが増える。ここで、同期によって、共振振動数とエスケープ車の回転回転数との間で所定の比例関係があることがわかる。
最後に、同じ向きに連続的に回転することによって2つの自由度を有する共振器を有する磁気タイプの時計用規制デバイスは知られていない。特に、慣性部分が実質的に円を描く移動軌跡を有するような共振器は知られていない。しかし、計時器の分野において、電磁結合のレベルが減少するような2つの自由度を有するこのような共振器のための磁気タイプのエスケープを設計する必要性がある。この必要性は、共振器が比較的高い共振振動数で機能する場合には、決定的に重要となるように考えられる。例えば、共振要素が毎秒10回転(10回転/秒=10Hz)よりも大きい回転数で回転する共振器においてである。実際に、このような共振要素を可動体に接続することを伴う機械的結合によって、この可動体が共振振動数で回転させられるようになる。回転数が毎秒5又は6回転よりも速い回転可動体には、摩擦によるエネルギー損失という大きな問題が発生し、また、ベアリングのレベルにおける消耗や摩損という問題が発生する。
本発明の目的は、時計用規制デバイスの分野において、特に、環状の共振運動において2つの自由度を有する共振器において、認識されている要求事項を満たし、回転数の減少が大きい既知の磁気エスケープに接続した単一の自由度を有する共振器の場合において弱い磁気的相互作用に関連づけられた問題に対する解決策をみつけることである。
このために、本発明の主題は、機械的な時計用ムーブメントを備える磁気エスケープであって、これは、モーターデバイスによって駆動され当該機械的な時計用ムーブメントの共振器に結合しているエスケープ車を有し、このエスケープ車は、このエスケープ車の非ゼロの半径方向の範囲内において、第1の角周期P1を有する第1の周期的パターンを定めている第1の磁性構造を有し、360°/P1は、第1の整数N1と等しく、前記磁気エスケープは、前記共振器にマウントされ前記エスケープ車に磁気的に結合している少なくとも1つの磁石を有し、これによって、前記機械的な時計用ムーブメントが機能しているときに、前記磁石は共振振動数で周期的共振運動を行い、前記エスケープ車は、この共振振動数に比例した回転数で回転する。前記磁気エスケープは、前記第1の磁性構造と平行な第2の磁性構造を有し、この第2の磁性構造は、前記半径方向の範囲内において、360°/P2が、整数N1とは異なる第2の整数N2であるように、第2の角周期P2を有する第2の周期的パターンを定めており、数N1とN2の間の差の絶対値|ΔN|は、N/2以下の値であり、すなわち、|ΔN|≦N/2であり、ここで、Nは、数N1とN2のうちの小さい方の数である。前記第1及び第2の磁性構造は、前記時計用ムーブメントが機能しているときに、前記第1の磁性構造が、第1の相対的な角回転数F1relで前記第2の磁性構造に対して回転するようにされており、前記第1の周期的パターン及び前記第2の周期的パターンは、これらが、前記第1及び第2の磁性構造と平行な幾何学的面上への射影において、前記半径方向の範囲内で、前記磁石に結合している組み合わせパターンを発生させるように選択され、この組み合わせパターンは、少なくとも数|ΔN|個の第1の磁性面の割合を有する第1のゾーンと、及び少なくとも数|ΔN|個の前記第1の磁性面の割合よりも小さい第2の磁性面の割合を有する第2のゾーンとを交替構成で定め、前記組み合わせパターンは、第2の相対的な角回転数F2relで前記第2の磁性構造に対して回転し、この第2の相対的な角回転数F2relは、前記第1の相対的な角回転数F1relと数N1の積を数N1とN2との差ΔNによって割った値に等しく、すなわち、F2rel=F1rel・N1/ΔNであり、ここで、ΔN=N1−N2である。
角回転数に関連して、毎秒当たりの回転数は、周期的運動の時間的な期間の逆数に対応していることを理解することができるであろう。
好ましい変種の1つにおいて、前記磁石は、組み合わせパターンの幾何学的面に垂直な磁化軸を有する。
好ましい実施形態において、前記組み合わせパターンは、|ΔN|個の第1のゾーン及び同じ|ΔN|個の第2のゾーンを交替構成で有する周期的組み合わせパターンを定め、 任意の1つの第1のゾーン及び隣接する1つの第2のゾーンは、この周期的組み合わせパターンの角周期P3を定めており、この角周期P3の値は、360°を|ΔN|で割った値であり、すなわち、P3=360°/|ΔN|である。
改善された実施形態の1つにおいて、本発明に係る磁気エスケープは、前記共振器にマウントされ前記共振部分又は前記共振器の別の共振部分によって支持される第2の磁石を有する。この第2の磁石は、前記第1の磁石に対して前記第1及び第2の磁性構造の反対側にて、前記回転軸に実質的に平行な方向にて前記第1の磁石と整列しており、共振振動数で前記第1の磁石と同様な周期的共振運動をするようにされている。
第1の変種において、前記第2の磁石は、前記第1の磁石の磁化軸と平行で反対方向の磁化軸を有する。第2の変種において、前記第2の磁石は、前記第1の磁石の磁化軸と同じ向きで平行な磁化軸を有する。
改善された実施形態の好ましい変種の1つにおいて、前記磁気エスケープは、第1又は第2の磁性構造によって定められる周期的パターンと実質的に同一の周期的パターンを定める第3の磁性構造を有し、前記第3の磁性構造は、前記第1又は第2の磁性構造に重なり合っており、前記第3の周期構造は、前記第1又は第2の磁性構造が回転しているときに、前記第1又は第2の磁性構造と一体的に回転する。同じ周期的パターンを有する前記2つの磁性構造は、異なる周期的パターンを有する磁性構造の両側にそれぞれ位置している。
好ましい変種の1つにおいて、前記第2の磁性構造は、前記時計用ムーブメントに対して固定されており、前記第1の相対的な角回転数F1relは、当該時計用ムーブメントに対する前記エスケープ車の角回転数を定める。
また、本発明は、本発明に係る磁気エスケープ及び共振器を有する時計用ムーブメントの動作を規制する第1のデバイスに関し、前記磁石を支持するその共振部分は、前記時計用ムーブメントが機能しているときに、1つの自由度の発振を行う。前記共振器は、前記エスケープ車の任意の角位置において、安静位置にある磁石の中心が、前記エスケープ車の回転軸を中心とするゼロ位置円に実質的にあるように設計されており、このゼロ位置円は、前記共振器の共振部分の自由度で交差する。前記磁気エスケープによって定められる前記周期的組み合わせパターンは、前記ゼロ位置円の第1の側に位置しており、前記幾何学的面にて垂直方向に突き出ており、前記半径方向の範囲によって定められる前記第1及び第2の磁性構造の環状領域は、振動の各周期の第1の交替において前記磁石に磁気的に結合しており、これによって、この振動の各周期の間に、前記周期的組み合わせパターンは、その角周期P3と等しい角距離の分、回転する。
前記第1の規制デバイスの好ましい実施形態において、前記周期的組み合わせパターンは、第1の周期的組み合わせパターンであり、前記半径方向の範囲は、第1の半径方向の範囲であり、前記第1及び第2の磁性構造は、前記第1の半径方向の範囲に対して、前記ゼロ位置円の反対側に位置している前記エスケープ車の第2の非ゼロの半径方向の範囲内において、交互構成で、|ΔN|個の第3のゾーンと同じ|ΔN|個の第4のゾーンを有する第2の周期的組み合わせパターンを発生させる第3の周期的パターン及び第4の周期的パターンを定めており、前記第3のゾーンは、前記第2の磁性面の割合よりも大きな第3の磁性面の割合を有し、前記第4のゾーンは、前記第1の磁性面の割合及び前記第3の磁性面の割合のいずれよりも小さい第4の磁性面の割合を有し、前記第2の周期的組み合わせパターンは、前記角周期P3を有する。前記第2の周期的組み合わせパターンは、前記第1の周期的組み合わせパターンに対して、前記角周期P3の半分角度的にオフセットしており、前記第2の周期的組み合わせパターンも同様に、前記第1の周期的組み合わせパターンの前記相対的な角回転数F2relで回転し、前記第2の半径方向の範囲によって定められる前記第1及び第2の磁性構造の環状領域は、振動の各周期の第2の交替において前記磁石に磁気的に結合している。
特定の変種において、第1及び第2の周期的組み合わせパターンは実質的に隣接している。
本発明は、同様に、本発明に係る磁気エスケープ及び前記磁石を支持する共振部分を有する共振器を有する時計用ムーブメントの動作を規制する第2のデバイスに関する。前記共振器は、前記磁石の中心が前記回転軸から離れているときに、前記共振部分が前記エスケープ車の回転軸に対しての半径方向の復帰力を与えられ、また、前記磁石の中心が前記回転軸から離れているときに、前記磁石の中心が、共振角回転数で、前記回転軸を中心とする円を実質的に描き、前記磁石が実質的に一定のトルクで回転するようにセットされているようにされている。前記半径方向の範囲によって定められる前記第1及び第2の磁性構造の前記環状領域は、駆動トルクがその有効範囲内において前記エスケープ車に与えられているときに、前記磁石が前記組み合わせパターンの回転に起因する磁気的相互作用トルクによって回転させられるように、前記磁石に磁気的に結合しており、前記組み合わせパターンの角回転数は、トルクの有効範囲内にて共振角回転数に制御されており、この有効範囲は、前記磁気的相互作用トルクが最大の磁気的相互作用トルクよりも低く維持され、前記磁石の中心が描く円が前記有効範囲の任意の駆動トルクに対しても半径方向の範囲内である半径を有するように選択される。
好ましい変種の1つにおいて、前記磁石が前記有効範囲の任意の駆動トルクに対する組み合わせパターン全体の上に重ね合わさるように、前記共振器が設計され前記駆動トルクの有効範囲が選択される。
下の本発明の詳細な説明において、本発明の他の特定の特徴を説明する。
以下、添付図面を参照しながら本発明について説明する。なお、これに限定されるものではない。
本発明に係る磁気エスケープの第1の実施形態において発生する2つの磁性構造及びその重なり合いを概略的に示している平面図である。これは、第1の実施形態を形成している。 本発明に係る磁気エスケープの第2の実施形態において発生する2つの磁性構造及びその重なり合いを概略的に示している平面図である。これは、第2の実施形態を形成している。 図3A及び3Bは、本発明に係る磁気エスケープの部分的な断面図であり、図3Aは、この磁気エスケープの磁石の第1の位置、図3Bは、この磁石の第2の位置を示している。図3Cは、図3A及び3Bに示した磁気エスケープの磁位エネルギー変化を概略的に示すグラフである。 本発明に係る第1の規制デバイスの第1の実施形態を概略的に示している。 本発明に係る第1の規制デバイスの第2の実施形態についての概略的な断面図である。 本発明に係る磁気エスケープの第3の実施形態における2つの部分断面図及びグラフを示しており、これは、図3A、3B及び3Cのものにそれぞれ似ている。 本発明に係る磁気エスケープの第4の実施形態における2つの部分区間及びグラフを示しており、これは、図3A、3B及び3Cのものにそれぞれ似ている。 本発明に係る第1の規制デバイスの第3の実施形態を概略的に示している断面図である。 図8の規制デバイスの変形実施形態を概略的に示している。 本発明に係る第2の規制デバイスの第1の実施形態における平面図を概略的に示している。 図10の規制デバイスの変形実施形態を概略的に示している。 本発明に係る第2の規制デバイスの第2の実施形態の断面図を概略的に示している。
図1に、機械的な時計用ムーブメントを備える磁気エスケープ12の第1の実施形態の構成を部分的に示しており、この磁気エスケープ12は、第1の磁性構造2で形成されているエスケープ車を有しており、この第1の磁性構造2は、環状表面において、磁性材料で作られた線状体4を第1の整数N1個(図示した例において、N1=20)有する第1の環状網3を定めており、線状体4は、空間又は実質的に非磁性の材料によって定められている線状体5によって分離している。したがって、この第1の環状網は、360°/N1である第1の角周期P1を有する。磁気エスケープ12は、さらに、磁性材料で作られた線状体10を数N1とは異なる第2の整数N2個(図示した例において、N2=21)有する第2の環状網9を定める第2の磁性構造8を有する。この線状体10は、空間又は実質的に非磁性の材料によって定められている線状体11によって分離している。したがって、この第2の環状網は、360°/N2である第2の角周期P2を有する。図示した特定の変種において、線状体4は、第1の角周期P1の実質的に半分にわたって延在しており、線状体10は、第2の角周期P2の実質的に半分にわたって延在している。磁性材料であることから、透磁率が高い材料であること、特に、強磁性体であることを理解することができる。
ここで、数N1とN2の差の絶対値|ΔN|は、1である(|ΔN|=1)。一般的には、数N1とN2の差の絶対値|ΔN|は、N/2以下であるようにされる。すなわち、|ΔN|≦N/2である。ここで、Nは、数N1とN2のうちの低い方の数である。好ましい変種の1つにおいて、数|ΔN|は、N/3以下である。すなわち、|ΔN|≦N3である。
第1及び第2の環状網は、互いの間隔が比較的小さい平行な形態でマウントされる。第1及び第2の環状網は、時計用ムーブメントが機能しているときに、第1の網が第2の網に対して、エスケープ車の回転軸6のまわりを第1の角回転数F1で回転をするようにされている。所与の例において、第2の磁性構造は、時計用ムーブメントに対して固定されており、これによって、前記回転数F1が時計用ムーブメントにおける第1の環状網の回転数(固定基準を定めている)と同じになる。第1及び第2の環状網は、これらの環状網と平行な幾何学的平面への射影における環状表面(したがって、非ゼロの半径方向の範囲を有する)において、磁性面の割合が大きい第1のゾーン15及び磁性面の割合がより小さい第2のゾーン16を定める組み合わせパターン14を作る。組み合わせパターン14は、共振器(図示せず)の磁石に磁気的に結合している。|ΔN|=1である所与の特定の例の場合において、絶対値が第1の角回転数F1よりもN1倍大きい第2の角回転数F2で組み合わせパターン14が回転するということは注目すべきである。したがって、図1に示すように、20個の線状体を有する第1の環状網3を用いると、組み合わせパターンは、この第1の環状網3よりも20倍速く回転する。なお、組み合わせパターンにおける磁性面の密度は、50%〜100%の範囲で実質的に線形に変わることに留意すべきである。磁性面の割合によって、組み合わせパターンの所与のゾーンの表面全体に対するこのゾーンにおける第1及び第2の環状網の磁性材料によって定められる表面の比がわかる。
光学的モアレ効果と同様に、ここにおいて、様々な磁性面の割合を有するゾーンがある組み合わせパターンが発生することが磁気的モアレ効果であると考える。一般的に、2つの網の間の線状体の数の差|ΔN|があることによって(|ΔN|は、数N1と数N2の間の差の絶対値)、|ΔN|個の第1の磁性面の割合を有する第1のゾーンと、及び|ΔN|個の第2の磁性面の割合を有する第2のゾーンとが交替構成で得られる。この第2の磁性面の割合は、第1の磁性面の割合よりも小さい。組み合わせパターンは、第1の角回転数F1と数N1の積を差ΔN=N1−N2で割った値に等しい第2の角回転数F2で回転する。すなわち、F2=F1・N1/ΔNである。本発明の範囲内において、第1の磁性構造は、エスケープ車を形成する。なお、数ΔNは正又は負でありうることに留意すべきである。数ΔNが正であるとき、組み合わせパターンは、エスケープ車と同じ向きに回転する。数ΔNが負のとき、組み合わせパターンは、エスケープ車の方向とは反対方向に回転する。これは、数学的には、負の回転数に対応している。下で説明するように、磁気エスケープ12は、再び、共振器に固定され第1及び第2の環状網に結合している少なくとも1つの磁石を有する。
図2は、第2の実施形態に係る磁気エスケープ24を部分的に示している。第1の環状網3は、図1のものと同様であるが、より大きな半径方向の距離にわたって延在している。第2の磁性構造18は、隣接している各環状表面に延在している2つの同心の環状網19及び20を形成している。これらの2つの網は、磁性線状体21及び22を同じ数N2有しており、これらの線状体は、空間又は実質的に非磁性の材料によって定められる線によって分離している。したがって、同じ周期P2を有する。環状網19及び20は、半周期P2/2分、角度的にオフセットしており、したがって、180°の位相ずれがある。この例において、N2=N1+2である。2つの磁性構造2及び18を重ね合わせることによって、平行な幾何学的平面への射影において、外側の環状表面に延在する第1の組み合わせパターン25と、及び内側の環状表面に延在する第2の組み合わせパターン26とが得られる。これらの2つの組み合わせパターンどうしは隣接しており、第2の角回転数F2で共に回転する。すなわち、F2=(F1・N1)/(−2)である。数|ΔN|が|ΔN|=2であるので、各組み合わせパターンは、磁性面の割合が大きい2つのゾーン及び磁性面の割合がより低い2つのゾーンを交替構成で有する。
環状網19及び20の間の位相ずれのおかげで、2つの組み合わせパターン25及び26には同様に、180°の位相ずれがある。一般的には、磁性面の割合が大きいゾーン及び磁性面の割合がより小さいゾーンの交替構成によって、角周期P3を有する周期的組み合わせパターンが定まる。角周期P3の値は、360°を数N1とN2の差の絶対値|ΔN|で割った値である。すなわち、P3=360°/|ΔN|である。図2の例において、2つの組み合わせパターン25及び26はそれぞれ、周期P3=360°/2=180°を有する。なお、図2の実施形態は、第2の磁性構造の2つの環状網の2つの同心の環状表面に対応する環状表面に延在するエスケープ車に単一の環状網がある特定の場合のものであることに留意すべきである。変種の1つにおいて、第1の磁性構造は、さらに、同じ周期P1の2つの別個の環状網を有する。例えば、これらの2つの環状網には、P1/4の角度的オフセットがあり、第2の磁性構造の2つの環状網には、P2/4の角度的オフセットがある。また、変種の1つにおいて、第1の磁性構造の2つの環状網は、異なる周期P1及びP2を有しており、また、第2の磁性構造の2つの環状網は、2つの磁性構造の間で周期P1及びP2を逆にした周期を有することに留意すべきである。
図3A及び3Bに示すように、磁気エスケープ24は、少なくとも1つの磁石32を有し、これは、共振器にマウントされ、重なり合った2つの磁性構造に磁気的に結合している。これによって、機械的な時計用ムーブメントが機能しているときに、この磁石は、共振振動数で周期的共振運動をする。本発明によると、2つの磁性構造と磁気的相互作用を行う磁石は、得られる組み合わせパターンに応じた運動を行い、この組み合わせパターンは、エスケープ車よりもはるかに速く回転することができる。図3A及び3Bには、図2の2つの環状網3及び19との磁石32の磁気的相互作用を部分的に断面図で示している。磁石は、組み合わせパターンの幾何学的面に垂直な磁化軸を有する。図3Aにおいて、磁石は、磁性面の割合が大きい組み合わせパターンの第1のゾーンの上に位置している。この第1のゾーンにおいて、2つの網は、磁石の界磁線34Aのための比較的連続的な磁路を共に形成するように、角度的にオフセットしている。この結果として、磁石に対する磁気抵抗が減少する。図3Bにおいて、磁石は、磁性面の割合がより小さい組み合わせパターンの第2のゾーンの上に位置している。この第2のゾーンにおいて、2つの網は、これらの網における磁石の磁路が、磁性線状体の間に存在する空き空間又は非磁性の材料で妨げられるように、実質的に重なり合っている。なお、2つの網の高さレベルにある磁石の界磁線34Bが、空き空間や非磁性領域を通り抜ければならないことがわかる。したがって、磁気抵抗は、図3Aの状況に比べて大きい。この磁気抵抗の変化の結果として、図3Cのグラフ36に示すように磁位エネルギーEpotが変化する。このような磁位エネルギーEpotにおける変化によって、2つの同心の環状の磁気トラックを用いて、回転させ及び/又は共振運動を維持させることが可能になるような磁石に対する力が発生する。
図4に、第1の種類に係る規制デバイス40の第1の実施形態を示している。図2に示すように、この規制デバイスは、磁気エスケープ24を有する。上で説明したように、2つの重なり合った磁性構造2及び18によって、2つの周期的組み合わせパターン25及び26が、180°位相シフトする。共振器42は、2つの枝部43及び44を備えた音叉で形成されている。これらの2つの枝部の自由端において、軸方向に磁化された2つの磁石46及び48がそれぞれ固定されている。これらの安静位置において、2つの磁石の中心は、ゼロ位置円を定める円50の上に位置している。この円50は、2つの隣接している組み合わせパターンどうしを分離する円とマージするように選択される。上で背景技術において言及したデバイスと同様に、2つの組み合わせパターンは、発振器の位置エネルギーが周期的変化するような2つの磁気トラックを形成しており、この発振器は、音叉42及び磁気エスケープで形成されている。磁石はそれぞれ、1つの実質的に半径方向の自由度で振動する。磁石は、2つの磁気トラックの低い磁気抵抗のゾーンによって交替構成で引きつけられる。各トラックの上にて、磁石が磁位エネルギーを蓄積させ、エスケープ車にブレーキをかける。磁石はそれぞれ、ゼロ位置円との交差によって、共振を維持するようにはたらくパルスを受ける。これは、2つの周期的組み合わせパターン25及び26の角度的オフセットのおかげで磁位のジャンプを磁石が経験するためである。したがって、エスケープ車に連結される回転基準系において、磁石は、各磁石の自由度に応じて、振動に対応する軌跡50を動く。
音叉の振動回転数Foscと、第1の磁性構造を支持するエスケープ車の回転回転数F1(第2の磁性構造が回転しない場合)との間の減少率に関連して、一方では、組み合わせパターン25及び26の回転回転数F2は、F1・N1/ΔN(ΔNはN1とN2の差)であり、他方では、振動回転数Foscは、F2・ΔNである。ΔNにがいずれであっても、関係Fosc=F2・ΔN=F1・N1が得られる。したがって、減速比は、数ΔNとは独立である。このことから、ΔNが小さいように、特に、|ΔN|=2又は4であるように選択することによって、利点を享受することができる。本発明は、減速比が大きい割には比較的大きな周期を有する周期的組み合わせパターンを得ることができ、したがって、減速比の減少を必要とせずに、組み合わせパターンを定める磁性構造を有する比較的大きな磁気的相互作用ゾーンを有する大きな寸法の磁石を用いることができるという点で顕著である。音叉の磁石を回転軸6に対して対称的に振動させるために、数ΔNは、偶数である。図4において、ΔN=−2である。
図5に、本発明に係る規制デバイス60の第2の実施形態を示しており、これは、第1の環状網3を定める第1の磁性構造2で形成されている磁気エスケープ24Aを有し、この構造2は、シャフトにマウントされ、回転軸6のまわりを回転する。さらに、図2及び4を参照して上で説明したように、磁気エスケープは、2つの位相シフトした環状網を定める第2の磁性構造18によって形成されている。この第2の実施形態は、第1の実施形態と比べて、共振器70の共振部分68が、それぞれが2つの磁性構造の両側に設けられている2つの磁石32及び62を有するという点で識別することができる。これらの磁石32及び62は、磁気エスケープ24Aを形成しているこのような構成によって、2つの磁性構造が、対向しているそれぞれの磁石から実質的に等しい距離に位置している限り、これらの磁性構造による2つの磁石における軸方向の引力の大部分が、相互に相殺し合うということによって、第1の実施形態の課題を解決することができる。同じことを、2つの磁石によって2つの磁性構造の全体に与えられる引力に対して適用することができる。
2つの磁石は、U字形の非磁性要素の両端に固定されている。共振器を概略的にばねで表している。共振部分68は、例えば、音叉の自由端に固定することができる。機能は、第1の実施形態のものと同様である。磁石はそれぞれ、上で説明した形態で、環状網に磁気的に結合している。これらの磁石は、両方がゼロ位置円に垂直であるように、軸方向にて整列している。構造18は、非磁性の材料で作られたディスク66によって固定され支持されている。共振部分68が構造18の下を通ることができるように、このディスクに側方凹部が設けられている。なお、図示した変種において、磁性構造2及び18はそれぞれ、環状網の線状体3、19及び20を接続する内側の環状部及び外側の環状部を有する。
図示した変種において、2つの磁石は、互いに反対方向に軸方向に磁化されている。この構成は、図6に示すように、磁気的相互作用を増幅することができるので有利である。第1の画像(Δx=0)は、図3Bのものと同様な断面であり、第2の画像(Δx=0.5・P3)は、図3Aのものと同様な断面である。第2の画像において、2つの重なり合った環状網が、2つの磁石の間の遮蔽スクリーンを実質的に形成するので、磁気的相互作用は、単一の磁石の場合の約2倍である第1の近似にて発生する。対照的に、第1の画像において、2つの磁石は、磁性線状体の間の空き空間において互いに反発し合う。この斥力は、磁位エネルギーEpotを増加させる。Epotの曲線74は、3Cの曲線36のものと同様な輪郭を有する。しかし、コンピューターシミュレーションによって、周期的曲線74の振幅が、アプリオリで、周期的曲線36の振幅よりも大きいオーダーであることを確立することができるようになった。
図7に示す変種において、2つの磁石は、同じ方向の軸方向の磁化をされている。ここで、環状網の線状体は、より厚いようにされている。磁位エネルギーのグラフにおいて、Epotの曲線76が曲線74の逆であることがわかる。実際に、この変種では2つの磁石の間の磁束が実質的に軸方向に通ることを考えると、組み合わせパターンの磁性面の割合がより大きいゾーンは、2つの磁石が磁性面の割合がより小さいゾーンに対向している場合よりも、これらの2つの磁石に対してより大きな磁気抵抗を発生させる。周期的曲線76の振幅は、アプリオリで、図示した構成において、周期的曲線74の振幅の半分である。
図8に、第1のタイプの規制デバイス80の第3の実施形態を示している。図5の実施形態と共通の要素を再び詳細に説明しない。規制デバイスは、共振器70と磁気エスケープ24Bとを有し、これは、図2の網3と同様な第1の環状網を定めている第1の磁性構造2Aと、及び図2の網19及び20に対応する2つの同心の環状網を定めている第2の磁性構造18Aによって形成されている。なお、この場合において、エスケープ車を形成し軸6のまわりを回転する2つの同心の環状網があり、構造2Aが、時計用ムーブメント内にて固定マウントされている。この第3の実施形態は、その前の実施形態と比べて、本質的に、第1の網のように、構造18Aの第2及び第3の位相シフトした網を有する環状表面に延在する第4の環状網を定める第3の磁性構造82を有するという点で識別することができる。この第3の構造は、第1の構造2Aと一体化されており、第4の環状網は、第1の環状網と同一であり、それらの磁性線状体は、軸方向にて重なり合っている(2つの網の間には角度的オフセットがない)。第1及び第4の網は、第2及び第3の網を形成する磁性構造18Aの両側にそれぞれ位置している。
磁性構造18Aは、中央の環状部を有しており、これは、連続的である。第2及び第3の網の間に、環状の中間部が設けられており、これは、連続的であり、好ましくは、磁性材料で作られている。さらに、同様に、連続的な環状の周部が設けられている。3つの連続的な環状部品によって、2つの端に固定されている2つの網の磁性線状体を有する単一部品の磁性構造18Aを有することが可能になる。連続的な環状のゾーンが磁気エスケープの動作を妨害しないようにするために、環状網が、振動する磁石の半径方向の長さよりも相当に大きな半径方向の長さにわたって延在するようにされる。この構造18Aは、エスケープ車のシャフトにマウントされている非磁性のハブ86にキャッチされる。2つの固定構造物2A及び82はそれぞれ、2つの連続的な環状の周部を有しており、これらは、非磁性の支柱84によって接続している。この実施形態は、第2の実施形態に存在する課題を解決する。実際に、2つの重なり合った磁性構造は、磁石の磁束のために,互いに引きつけられる。3つの磁性構造の重なり合いのおかげで、これらの引力の大部分は、磁気中間構造体が実質的に他の2つの中央に位置しているときに、相殺される。なお、様々な変種を想到することができる。第1の変種において、2つの同心の位相シフトした網が第1及び第3の磁性構造において設けられ、他方で、第2の磁性構造が単一の拡張した環状網を形成している。別の変種の1つにおいて、第1及び第3の外側構造が、エスケープ車のシャフトにマウントされ一体化されて回転し、他方で、第2の中間構造体が時計用ムーブメント内において固定された形態でマウントされている。
図9を補助的に用いて、変形実施形態の1つを素早く説明する。この規制デバイス90は、エスケープ車の両側に位置している2つの磁性構造2B及び82Aを磁気エスケープ24Cが有するということによって識別することができる。これらの磁性構造2B及び82Aは、2つのブリッジ95及び97の内側で固定されている2つの非磁性支持体94及び96によって時計用ムーブメントに接続されている。さらに、規制デバイス90は、2つの中間の環状網19及び20が二重になっており、エスケープ車を形成する非磁性のディスク92の両側にて設計されているということによっても識別される。
図10を補助的に用いて、時計用ムーブメントの動作を規制する第2のデバイスの第1の実施形態について説明する。図1を補助的に用いて説明したように、規制デバイス100は、磁気エスケープ12を有するが、重なり合った環状網にある磁性線状体が多いという点のみで相違しており、したがって、角周期が短い。しかし、図1のように、磁性線状体の差|ΔN|は、1である(|ΔN|=1)。エスケープ車(全体を示してはいない)は、組み合わせパターン14を形成している2つの磁性構造のうちの1つを支持しており、これらの2つの磁性構造によって定められる環状網の中心軸6のまわりを回転する。規制デバイスは、さらに、共振器102を有し、その共振部分は、磁石104を有する。この共振器は、2つの自由度を有し、磁石104が、自身を回転させずに、共振角回転数で実質的に環状軌跡を動く共振モードを有する。このために、この共振器は、磁石の中心が回転軸6から離れると、その共振部分が回転軸6に対する半径方向の復帰力を受け、規制デバイスが等時性を有するように、この復帰力は、好ましくは、角度的に等方性があり半径方向にて線形であるように設計されている。したがって、共振器は、磁石104の中心が、実質的に、共振角回転数Fresで回転軸を中心とする環状軌跡を、この回転軸から離れている場合に、動くように設計されている。これによって、この磁石は、実質的に一定のトルクで回転させられる。なお、等時性を害さずに、このシステムにおいて前記軌跡が楕円であることができることに留意すべきである。このように軌跡が楕円である場合には、磁石が、重なり合った環状の磁気網によって形成された組み合わせパターンと少なくとも部分的に重なり合っている状態を維持することが確実になる。図10に、このような共振器を概略的に示しており、これは、2つのばね106及び108に接続される磁石104によって特徴づけられており、これらのばね106及び108は、直交しており、実質的に同じ弾性率を有し、これらの2つのばねは、2つの直交しているレール114及び116のそれぞれにて摩擦なしで滑る支持体110及び112にそれぞれマウントされる。このことは、理論上慣性がない車輪を備えた車両によって概略的に示している。ばねの半径方向力のベクトル和によって、復帰力(向心力)が発生する。これによって、共振器の慣性部分が、実質的に円状又は楕円状の軌跡を動くことが可能になる。
ここで、第1及び第2の磁性構造の環状領域は、磁性面の割合が大きい第1のゾーン15と、及び磁性面の割合がより小さい第2のゾーン16とを備えた組み合わせパターン14を定めており、この第1及び第2の磁性構造の環状領域は、磁石104に磁気的に結合しており、これによって、この磁石は、角回転数ωで回転している組み合わせパターンに起因する磁気的相互作用トルクによって回転させられる。組み合わせパターンは、エスケープ車に駆動トルクが与えられるときに、駆動トルクの有効範囲内において回転し、組み合わせパターンの角回転数ωは、このトルクの有効範囲において共振角回転数Fresに制御される。この共振角回転数Fresは、前記磁気的相互作用トルクが、最大の磁気的相互作用トルクより小さく維持するように選択される。これによって、磁石の中心が描く円は、この有効範囲の任意の駆動トルクに対して、組み合わせパターン14の半径方向の範囲内の半径を有する。この共振器における磁気的相互作用は、エスケープ車の角回転数ωを共振器の共振振動数Fresで同期させる効果を有する。組み合わせパターン14によって、磁石の相対的角位置及びこの組み合わせパターンの関数として、磁石が第1のゾーン15の上にあるときの最小エネルギー及び磁石が第2のゾーン16の上にあるときの最大エネルギーの間で、共振器における位置エネルギーEpotが変化する。この位置エネルギーの角度勾配によって、磁石に対する接線方向のエントレインメント力を発生させる。同期外れを回避するために、磁石によってエスケープ車に与えられるブレーキトルクが、位置エネルギーEpotの勾配の最大値に依存して、最大の磁気相互作用トルクよりも小さいままであることを確実にする。
好ましい変種の1つにおいて、駆動トルクの有効範囲は、前記有効範囲の任意の駆動トルクに対する組み合わせパターン14に磁石104が全体的に重なり合うように選択され、そのように共振器が設計されている。
図11は、図10の規制デバイスの変形実施形態を示している。上で既に説明した要素については再び説明しない。この変種は、その前の変種と比べて、磁気エスケープ24Aが、磁性線状体の差の絶対値|ΔN|が2であるような2つの重なり合った環状網で形成されているということによって識別することができる。すなわち、|ΔN|=2である。これは、図2の2つの組み合わせパターンのうちの1つの実施形態と同様である。したがって、組み合わせパターン25Aは、磁性面の割合が大きい2つのゾーン15Aと、及び磁性面の割合がより小さい2つのゾーン16Aとを交替構成で有する。極値の間の磁位エネルギーの差が前の変種のものと実質的に等しいが、この差が半分ほどに小さい角度範囲にわたって影響を与えるとすれば、磁気的相互作用の最大の力は、実質的に2倍ほどに大きい。対照的に、組み合わせパターン25Aの角回転数と、2つの環状の磁気網のうちの1つを支持するエスケープ車の回転の回転数との間の比は、直前の変種の比の半分である。したがって、駆動トルクの有効範囲は増えるが、エスケープ車の回転数と共振振動数との間の倍率が縮小する。磁石104には、90°未満、特に、45°未満の角度的オフセットαがあり、この角度的オフセットが、磁石104と組み合わせパターン25Aの間の磁気的相互作用に起因するトルクの関数として変わることがわかる。
図12は、本発明に係る第2の規制デバイスの第2の実施形態を概略的に示している。この規制デバイス130は、第1の実施形態についての上の説明において言及した物理的特性を実装している特定の実施形態のものである。共振器132は、2つの自由度で弾性変形可能な棒状体134によって形成され、これは、実質的に球体の一部を定めており、この棒状体は、ソケット136内にて固定されている。その自由端において、この棒状体は、磁石104Aを支持している。磁気エスケープ12Aは、図2及び10のために説明したものと同様である。磁気エスケープ12Aは、第1の環状網3Aを形成する第1の磁性構造2Aを有し、その磁性線状体4Aは第1の切頭面に延在しており、磁気エスケープ12Aは、さらに、第2の環状網9Aを形成する第2の磁性構造8Aを有し、その磁性線状体10Aは、第1の切頭面と平行な第2の切頭面に延在する。既に説明したように、上記の組み合わせパターン14と同様な組み合わせパターン14Aが得られる。第1の磁性構造2Aは、シャフト138にマウントされ、このシャフト138は、ブリッジ142の内側に設けられた2つのボールベアリングによって回転可能にガイドされる。第2の磁性構造は、非磁性支持体146に固定されその上に設けられている。構造2Aは、磁性線状体4Aどうしを接続する連続的な内側の環状部を有し、構造8Aは、磁性線状体10Aどうしを接続する連続的な外側の環状部を有する。シャフト138の一端に、切頭部分140が設けられており、これは、磁石104Aのための中央の環状の制限用止めを形成しており、この制限用止めは、ここにおいて第1の磁性構造2A、シャフト138及びピニオン144によって形成されているエスケープ車に駆動トルクが与えられないときには、前記磁石の少なくとも過半部分が組み合わせパターン14Aとの重なり合いを続けるように設計されている。このピニオンは、機械的な時計用ムーブメントの計数機構に接続されており、このピニオンを通して、モーターデバイス(図示せず)によって提供される駆動トルクを受ける。
最後に、一般的には、本発明は、規制デバイスと、この規制デバイスによってペースが定まる計数機構と、及び前記計数機構を駆動し前記規制デバイスの共振モードを維持するモーターデバイスとを有する機械的な時計用ムーブメントに関する。この時計用ムーブメントは、本発明に係る磁気エスケープ又は本発明に係る規制デバイスを有するという特徴がある。

Claims (22)

  1. 機械的な時計用ムーブメントを備える磁気エスケープであって、
    モーターデバイスによって駆動され当該機械的な時計用ムーブメントの共振器に結合しているエスケープ車を有し、
    このエスケープ車は、このエスケープ車の非ゼロの半径方向の範囲内において、第1の角周期P1を有する第1の周期的パターンを定めている第1の磁性構造を有し、
    360°/P1は、第1の整数N1と等しく、
    前記磁気エスケープは、前記共振器にマウントされ前記エスケープ車に磁気的に結合している少なくとも1つの磁石を有し、これによって、前記機械的な時計用ムーブメントが機能しているときに、前記磁石は共振振動数で周期的共振運動を行い、前記エスケープ車は、この共振振動数に比例した回転数で回転し、
    前記磁気エスケープは、前記第1の磁性構造と平行な第2の磁性構造を有し、
    この第2の磁性構造は、前記半径方向の範囲内において、360°/P2が、整数N1とは異なる第2の整数N2であるように、第2の角周期P2を有する第2の周期的パターンを定めており、
    数N1とN2の間の差の絶対値|ΔN|は、N/2以下の値であり、すなわち、|ΔN|≦N/2であり、ここで、Nは、数N1とN2のうちの小さい方の数であり、
    前記第1及び第2の磁性構造は、前記時計用ムーブメントが機能しているときに、前記第1の磁性構造が、第1の相対的な角回転数F1relで前記第2の磁性構造に対して回転するようにされており、
    前記第1の周期的パターン及び前記第2の周期的パターンは、これらが、前記第1及び第2の磁性構造と平行な幾何学的面上への射影において、前記半径方向の範囲内で、前記磁石に結合している組み合わせパターンを発生させるように選択され、
    この組み合わせパターンは、少なくとも数|ΔN|個の第1の磁性面の割合を有する第1のゾーンと、及び少なくとも数|ΔN|個の前記第1の磁性面の割合よりも小さい第2の磁性面の割合を有する第2のゾーンとを交替構成で定め、
    前記組み合わせパターンは、第2の相対的な角回転数F2relで前記第2の磁性構造に対して回転し、この第2の相対的な角回転数F2relは、前記第1の相対的な角回転数F1relと数N1の積を数N1とN2との差ΔNによって割った値に等しく、すなわち、F2relF1rel・N1/ΔNであり、ここで、ΔNN1−N2である
    ことを特徴とする磁気エスケープ。
  2. 前記磁石は、前記組み合わせパターンの幾何学的面に垂直な磁化軸を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気エスケープ。
  3. 前記組み合わせパターンは、|ΔN|個の第1のゾーン及び同じ|ΔN|個の第2のゾーンを交替構成で有する周期的組み合わせパターンを定め、
    任意の1つの第1のゾーン及び隣接する1つの第2のゾーンは、この周期的組み合わせパターンの角周期P3を定めており、
    この角周期P3の値は、360°を|ΔN|で割った値であり、すなわち、P3=360°/|ΔN|である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気エスケープ。
  4. 前記第1のパターンは、空き空間又は実質的に非磁性の材料によって定められる線によって分離される磁性材料で作られた線状体によって第1の環状網を形成し、
    前記第2のパターンは、同様に空き空間又は実質的に非磁性の材料によって定められる線によって分離される磁性材料で作られた線状体によって第2の環状網を形成している
    ことを特徴とする請求項3に記載の磁気エスケープ。
  5. 前記第1の環状網の磁性材料で作られた線状体は、前記第1の角周期P1の実質的に半分にわたって延在しており、
    前記第2の環状網の磁性材料で作られた線状体は、前記第2の角周期P2の実質的に半分にわたって延在している
    ことを特徴とする請求項4に記載の磁気エスケープ。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の磁気エスケープを有する時計用ムーブメントの動作を規制するデバイスであって、
    共振器を有し、磁石を支持する前記共振器の1つの共振部分が、前記時計用ムーブメントが機能しているときに、1つの自由度を有する振動を行い、
    前記共振器は、前記エスケープ車の任意の角位置において、安静位置にある磁石の中心が、前記エスケープ車の回転軸を中心とするゼロ位置円に実質的にあるようにされており、このゼロ位置円は、前記共振器の共振部分の自由度で交差し、
    前記周期的組み合わせパターンは、前記ゼロ位置円の第1の側に位置しており、前記幾何学的面にて垂直方向に突き出ており、
    前記半径方向の範囲によって定められる前記第1及び第2の磁性構造の環状領域は、振動の各周期の第1の交替において前記磁石に磁気的に結合しており、これによって、この振動の各周期の間に、前記周期的組み合わせパターンは、その角周期P3と等しい角距離の分、回転する
    ことを特徴とする規制デバイス。
  7. 前記周期的組み合わせパターンは、第1の周期的組み合わせパターンであり、前記半径方向の範囲は、第1の半径方向の範囲であり、
    前記第1及び第2の磁性構造は、前記第1の半径方向の範囲に対して、前記ゼロ位置円の反対側に位置している前記エスケープ車の第2の非ゼロの半径方向の範囲内において、交互構成で、|ΔN|個の第3のゾーンと同じ|ΔN|個の第4のゾーンを有する第2の周期的組み合わせパターンを発生させる第3の周期的パターン及び第4の周期的パターンを定めており、
    前記第3のゾーンは、前記第2の磁性面の割合よりも大きな第3の磁性面の割合を有し、
    前記第4のゾーンは、前記第1の磁性面の割合及び前記第3の磁性面の割合のいずれよりも小さい第4の磁性面の割合を有し、
    前記第2の周期的組み合わせパターンは、前記角周期P3を有し、
    前記第2の周期的組み合わせパターンは、前記第1の周期的組み合わせパターンに対して、前記角周期P3の半分角度的にオフセットしており、
    前記第2の周期的組み合わせパターンも同様に、前記第2の相対的な角回転数F2relで回転し、
    前記第2の半径方向の範囲によって定められる前記第1及び第2の磁性構造の環状領域は、振動の各周期の第2の交替において前記磁石に磁気的に結合している
    ことを特徴とする請求項6に記載の規制デバイス。
  8. 請求項4に記載の磁気エスケープを有する時計用ムーブメントの動作を規制する請求項7に記載の規制デバイスであって、
    前記第3の周期的パターンは、空き空間又は実質的に非磁性の材料によって定められる線によって分離された磁性材料で作られた線状体によって第3の環状網を形成しており、
    前記第4の周期的パターンは、同様に、空き空間又は実質的に非磁性の材料によって定められる線によって分離された磁性材料で作られた線状体によって第4の環状網を形成しており、
    前記第3及び第4の環状網はそれぞれ、前記第1及び第2の角周期P1及びP2に等しい角周期を有する
    ことを特徴とする規制デバイス。
  9. 第1及び第2の周期的組み合わせパターンは実質的に隣接しており、
    前記第1及び第3の環状網、又は第2及び第4の環状網は、少なくとも前記第1及び第2の半径方向の範囲にわたって延在している同じ環状網を共に形成している
    ことを特徴とする請求項8に記載の規制デバイス。
  10. 前記共振器は、第1の枝部と第2の枝部の2つの枝部を備えた音叉によって形成されており、
    前記磁石は、前記第1の枝部の自由端に固定された第1の磁石を形成しており、
    前記共振器は、さらに、前記第2の枝部の自由端に固定された第2の磁石を有し、
    前記数|ΔN|は、偶数である
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の規制デバイス。
  11. 前記数|ΔN|は、2であり、すなわち、|ΔN|=2である
    ことを特徴とする請求項10に記載の規制デバイス。
  12. 請求項1〜5のいずれかに記載の磁気エスケープを有する時計用ムーブメントの動作を規制するデバイスであって、
    前記磁石を支持する共振部分を有する共振器を有し、
    前記共振器は、前記磁石の中心が前記回転軸から離れているときに、前記共振部分が前記エスケープ車の回転軸に対しての半径方向の復帰力を与えられ、また、前記磁石の中心が前記回転軸から離れているときに、前記磁石の中心が、共振角回転数で、前記回転軸を中心とする円状又は楕円状の軌跡を実質的に動き、前記磁石が実質的に一定のトルクで回転するようにセットされているようにされており、
    前記半径方向の範囲によって定められる前記第1及び第2の磁性構造の前記環状領域は、駆動トルクがその有効範囲内において前記エスケープ車に与えられているときに、前記磁石が前記組み合わせパターンの回転に起因する磁気的相互作用トルクによって回転させられるように、前記磁石に磁気的に結合しており、
    前記組み合わせパターンの角回転数は、トルクの有効範囲内にて共振角回転数に制御されており、
    この有効範囲は、前記磁気的相互作用トルクが最大の磁気的相互作用トルクよりも低く維持され、
    前記磁石の中心の軌跡が前記有効範囲の任意の駆動トルクに対しても半径方向の範囲内である半径を有するように選択される
    ことを特徴とする規制デバイス。
  13. 前記磁石が前記有効範囲の任意の駆動トルクに対する組み合わせパターン全体の上に重ね合わさるように、前記共振器が設計され前記駆動トルクの有効範囲が選択される
    ことを特徴とする請求項12に記載の規制デバイス。
  14. 前記数|ΔN|は、1又は2であり、すなわち、|ΔN|=1又は|ΔN|=2である
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の規制デバイス。
  15. 前記磁石のための中央の環状の制限用止めを有し、
    この制限用止めは、前記エスケープ車に駆動トルクが与えられていないときに、前記磁石の少なくとも過半部分が、前記組み合わせパターンに重ね合わされ続ける
    ことを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の規制デバイス。
  16. 前記磁石は、第1の磁石であり、
    前記磁気エスケープは、前記共振器にマウントされ前記共振部分又は前記共振器の別の共振部分によって支持される第2の磁石を有し、
    この第2の磁石は、前記第1の磁石に対して前記第1及び第2の磁性構造の反対側にて、前記回転軸に実質的に平行な方向にて前記第1の磁石と整列しており、
    共振振動数で前記第1の磁石と同様な周期的共振運動をするようにされている
    ことを特徴とする請求項6〜15のいずれかに記載の規制デバイス。
  17. 前記第2の磁石は、前記第1の磁石の磁化軸と平行で反対方向の磁化軸を有する
    ことを特徴とする請求項16に記載の規制デバイス。
  18. 前記第2の磁石は、前記第1の磁石の磁化軸と同じ向きで平行な磁化軸を有する
    ことを特徴とする請求項16に記載の規制デバイス。
  19. 前記磁気エスケープは、第1又は第2の磁性構造によって定められる周期的パターンと実質的に同一の周期的パターンを定める第3の磁性構造を有し、
    前記第3の磁性構造は、前記第1又は第2の磁性構造に重なり合っており、
    前記第3の周期構造は、前記第1又は第2の磁性構造が回転しているときに、前記第1又は第2の磁性構造と一体的に回転し、
    同じ周期的パターンを有する前記2つの磁性構造は、異なる周期的パターンを有する磁性構造の両側にそれぞれ位置している
    ことを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載の規制デバイス。
  20. 請求項6〜19のいずれかに記載の時計用ムーブメントの動作を規制するデバイスであって、
    前記第2の磁性構造は、前記時計用ムーブメントに対して固定されており、
    前記第1の相対的な角回転数F1relは、当該時計用ムーブメントに対する前記エスケープ車の角回転数を定める
    ことを特徴とする規制デバイス。
  21. 規制デバイスと、この規制デバイスによってペースが定まる計数機構と、及び前記計数機構を駆動し、前記規制デバイスの共振モードを維持するモーターデバイスとを有する機械的な時計用ムーブメントであって、
    前記規制デバイスは、請求項1〜5のいずれかに記載の磁気エスケープを有する
    ことを特徴とする機械的な時計用ムーブメント。
  22. 規制デバイスと、この規制デバイスによってペースが定まる計数機構と、及び前記計数機構を駆動し、前記規制デバイスの共振モードを維持するモーターデバイスとを有する機械的な時計用ムーブメントであって、
    前記規制デバイスは、請求項6〜20のいずれかに記載の規制デバイスである
    ことを特徴とする機械的な時計用ムーブメント。
JP2016563129A 2014-09-09 2015-09-04 時計用磁気エスケープ及び時計用ムーブメントの動作を規制するデバイス Active JP6220465B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14184158.5 2014-09-09
EP14184158.5A EP2889701B1 (fr) 2013-12-23 2014-09-09 Mécanisme de synchronisation d'horlogerie
EP14185638.5A EP2998801A1 (fr) 2014-09-19 2014-09-19 Echappement magnétique horloger et dispositif régulateur de la marche d'un mouvement horloger
EP14185638.5 2014-09-19
PCT/EP2015/070237 WO2016037938A1 (fr) 2014-09-09 2015-09-04 Echappement magnetique horloger et dispositif regulateur de la marche d'un mouvement horloger

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017518484A true JP2017518484A (ja) 2017-07-06
JP6220465B2 JP6220465B2 (ja) 2017-10-25

Family

ID=51564596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016563129A Active JP6220465B2 (ja) 2014-09-09 2015-09-04 時計用磁気エスケープ及び時計用ムーブメントの動作を規制するデバイス

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9891591B2 (ja)
EP (2) EP2998801A1 (ja)
JP (1) JP6220465B2 (ja)
CN (1) CN106462109B (ja)
WO (1) WO2016037938A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018146577A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 モントレー ブレゲ・エス アー 複数の離散的な位置に可動要素をポジショニングするデバイスを備える計時器用ムーブメント
JP2021018237A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3182225B1 (fr) * 2015-12-18 2018-08-08 Montres Breguet S.A. Mécanisme séquenceur d'horlogerie à roue de passage à frottement réduit
EP3316046B1 (fr) * 2016-10-25 2019-07-31 The Swatch Group Research and Development Ltd Mouvement d'horlogerie optimisé
EP3361325A1 (en) * 2017-02-14 2018-08-15 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) EPFL-TTO Two degree of freedom mechanical oscillator
JP6826673B2 (ja) * 2017-03-28 2021-02-03 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 調整デバイスにより動作が強化されるムーブメントを備えた機械式計時器
CN110520802B (zh) * 2017-03-28 2021-12-07 斯沃奇集团研究和开发有限公司 包括通过调节装置增强其运行的机械机芯的钟表
CH714345A2 (fr) * 2017-11-16 2019-05-31 Eta Sa Mft Horlogere Suisse Dispositif de sélection d'une combinaison de motifs.
EP3579058B1 (fr) * 2018-06-07 2021-09-15 Montres Breguet S.A. Piece d'horlogerie comprenant un tourbillon
EP3654110B1 (fr) * 2018-11-19 2021-07-28 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Piece d'horlogerie mecanique a affichage anime
EP3839647B1 (fr) * 2019-12-19 2023-10-11 The Swatch Group Research and Development Ltd Ensemble de remontage a effet moire pour mouvement automatique de piece d'horlogerie

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2132162A1 (ja) * 1971-03-30 1972-11-17 Horstmann Magnetics Ltd

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR1113932A (fr) 1953-11-07 1956-04-05 Horstmann Magnetics Ltd Mécanisme comportant des systèmes oscillant et rotatif accouplés magnétiquement
US2946183A (en) 1955-06-14 1960-07-26 Horstmann Magnetics Ltd Self-starting magnetic escapement mechanisms
JPS5263453U (ja) 1975-11-04 1977-05-11
ATE481662T1 (de) * 2004-10-26 2010-10-15 Lvmh Swiss Mft Sa Armbanduhr-regulierungsglied und mechanisches uhrwerk mit einem solchen regulierungsglied
EP2463732B1 (fr) * 2010-12-10 2016-03-30 Montres Breguet SA Mécanisme de sonnerie d'une montre ou d'une boîte à musique
EP2466401B1 (fr) * 2010-12-15 2013-08-14 Asgalium Unitec SA Résonateur magnétique pour pièce d'horlogerie mécanique
AT510941B1 (de) * 2011-09-05 2012-07-15 Seh Ltd Magnetvorrichtung
EP2887157B1 (fr) * 2013-12-23 2018-02-07 The Swatch Group Research and Development Ltd. Echappement optimisé
JP6087895B2 (ja) * 2013-12-23 2017-03-01 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 磁気脱進機機構を含む時計ムーブメント内のホイールセットのための角速度調節デバイス
WO2015097172A2 (fr) * 2013-12-23 2015-07-02 The Swatch Group Research And Development Ltd Dispositif regulateur de la vitesse angulaire d'un mobile dans un mouvement horloger comprenant un echappement magnetique

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2132162A1 (ja) * 1971-03-30 1972-11-17 Horstmann Magnetics Ltd

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018146577A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 モントレー ブレゲ・エス アー 複数の離散的な位置に可動要素をポジショニングするデバイスを備える計時器用ムーブメント
JP2021018237A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント

Also Published As

Publication number Publication date
CN106462109A (zh) 2017-02-22
US20170068222A1 (en) 2017-03-09
CN106462109B (zh) 2019-04-19
US9891591B2 (en) 2018-02-13
EP2998801A1 (fr) 2016-03-23
JP6220465B2 (ja) 2017-10-25
WO2016037938A1 (fr) 2016-03-17
EP3191899A1 (fr) 2017-07-19
EP3191899B1 (fr) 2018-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6220465B2 (ja) 時計用磁気エスケープ及び時計用ムーブメントの動作を規制するデバイス
JP6087895B2 (ja) 磁気脱進機機構を含む時計ムーブメント内のホイールセットのための角速度調節デバイス
US9971309B2 (en) Mechanical timepiece movement provided with a feedback system for the movement
CN106030422B (zh) 用于调整包括磁性擒纵器的钟表机芯中的运动件的角频率的装置
JP2007000692A (ja) 振動型アクチュエータ
JP6067936B2 (ja) 機械式腕時計用調整システム
US9772604B2 (en) Timepiece synchronization mechanism
JP6871973B2 (ja) トゥールビヨンを備えている計時器
JP6111380B2 (ja) 等時性が改善された複合共振器
CN105849650B (zh) 用于钟表的非接触式圆柱擒纵机构
JP6368735B2 (ja) 能動型振動制御装置
JP6397093B2 (ja) 最適化された計時器用ムーブメント
CN104730907A (zh) 调节装置
JP6311074B2 (ja) 機械式計時器用ムーブメントの運動を調整するデバイス
JP6166847B2 (ja) 磁気的及び/又は静電気的な共振器
JP6982139B2 (ja) 周期的な構成を有する磁化構造で提供される回転要素を備えた計時器ムーブメント
JP2006158130A (ja) リニアアクチュエータ
CH710132A2 (fr) Echappement magnétique horloger et dispositif régulateur de la marche d'un mouvement horloger.

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6220465

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250