JP2021018084A - 路面状態検知装置および路面情報配信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化および高コスト化を回避しながら、より正確に、路面の摩擦係数に関する情報を取得することが可能な路面状態検知装置および当該路面状態検知装置を用いた路面状態配信システムを提供する。【解決手段】路面状態検知装置10は、路面の状態を検出するための検出部160と、路面の種別に関する特定情報を入力するための入力部140と、検出部160の検出結果および特定情報に基づいて路面の現時点の摩擦係数に関する実摩擦情報を算出する摩擦情報算出部111と、を備える。摩擦情報算出部111は、特定情報に基づいて、路面上の堆積物の種類ごとに堆積物の膜厚と路面の摩擦係数との相関関係を規定し、規定した相関関係と検出部160の検出結果とに基づいて、実摩擦情報を算出する。【選択図】図2
Description
本発明は、路面の状態を検知する路面状態検知装置および当該路面状態検知装置による検知結果に基づいて路面状態に関する情報を車両等に配信する路面情報配信システムに関する。
従来、路面の状態を検知して検知結果を出力する路面検知装置が知られている。たとえば、以下の特許文献1には、白色光を路面に投射するための投光器と、白色光が投射された路面を撮像するカメラヘッドとを備えた路面状態検知装置が記載されている。この装置では、カメラヘッドから出力される信号を処理して、路面の水分量、放射エネルギーおよび反射率が検出され、さらに、撮像した光の色分析が行われる。そして、これらの分析結果に基づき、路面の種類(アスファルトやコンクリート等)と路面の濡れ状態が判別され、判別された路面の種類と濡れ状態に対して標準的な摩擦係数が、テーブルから読み出されて出力される。
上記特許文献1の構成では、路面の種類を判別するために、カメラヘッドで撮像された光の色を分析する色分析回路が用いられる。しかし、色分析回路を用いると、回路規模が大きくなり、装置の大型化および高コスト化につながる。他方、装置の大型化および高コスト化を回避するために色分析回路を省略すると、路面の種類を判別できなくなる。この場合、たとえば、標準的に用いられ得る路面の種類を想定して路面の摩擦係数を求める方法が考えられる。しかし、この方法では、想定された路面の種類と実際の路面の種類とが異なる場合に、出力される路面の摩擦係数が不正確になってしまう。
かかる課題に鑑み、本発明は、装置の大型化および高コスト化を回避しながら、より正確に、路面の摩擦係数に関する情報を取得することが可能な路面状態検知装置および当該路面状態検知装置を用いた路面情報配信システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、路面状態検知装置に関する。本態様に係る路面状態検知装置は、路面の状態を検出するための検出部と、前記路面の種別に関する特定情報を入力するための入力部と、前記検出部の検出結果および前記特定情報に基づいて前記路面の現時点の摩擦係数に関する実摩擦情報を算出する摩擦情報算出部と、を備える。前記摩擦情報算出部は、前記特定情報に基づいて、前記路面上の堆積物の種類ごとに前記堆積物の膜厚と前記路面の摩擦係数との相関関係を規定し、規定した前記相関関係と前記検出部の検出結果とに基づいて、前記実摩擦情報を算出する。
本態様に係る路面状態検知装置によれば、入力部から入力された特定情報に基づいて、路面上の堆積物の種類および膜厚と前記路面の摩擦係数との相関関係が規定される。このため、路面の種別を判別するための構成を設ける必要がなく、装置の小型化とコストの低減を図り得る。また、特定情報により規定される相関関係に基づいて路面の現時点の摩擦係数(滑りやすさ)に関する実摩擦情報が算出されるため、実摩擦情報を正確に算出できる。
本発明の第2の態様は、路面情報配信システムに関する。本態様に係る路面情報配信システムは、第1の態様に係る路面状態検知装置と、前記路面状態検知装置によって配信された情報に基づいて路面の状態を報知するための地図情報を生成して配信する管理サーバと、を備える。
本態様に係る路面情報配信システムによれば、路面の状態をドライバー等に報知することができる。これにより、路面走行の安全性を高めることができる。
以上のとおり、本発明によれば、装置の大型化および高コスト化を回避しながら、より正確に、路面の摩擦係数に関する情報を取得することが可能な路面状態検知装置および当該路面状態検知装置を用いた路面情報配信システムを提供できる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
図1は、路面情報配信システム1の構成を示す模式図である。
路面情報配信システム1は、路面状態検知装置10と管理サーバ20を備える。図1に示す例では、道路31が、橋梁32とトンネル33の出口33aとを通って、トンネル33の内部へと続いている。
路面状態検知装置10は、道路31の側方にポール等を介して設置されるほか、道路31の側方に設置された外灯や壁面等に設置される。路面状態検知装置10は、道路31の路面31aの状態を検出する。図1には、2つの路面状態検知装置10が示されており、手前側の路面状態検知装置10は、橋梁32上に位置する路面31aの領域R1の状態を検知し、奥側の路面状態検知装置10は、トンネル33の出口33a付近に位置する路面31aの領域R2の状態を検知する。以下、路面状態検知装置10が検知対象とする路面31aの領域を、「検知領域」と称する。また、路面状態検知装置10は、路面31aの検知領域における実際の摩擦係数を算出し、算出した摩擦係数を、基地局41およびネットワーク網42を介して管理サーバ20に送信する。
基地局41は、通信可能な範囲に路面状態検知装置10を含むように設置され、無線により路面状態検知装置10と通信可能に構成される。また、基地局41は、ネットワーク網42に接続されている。ネットワーク網42は、たとえばインターネットである。管理サーバ20は、路面状況配信センター43等に設置され、ネットワーク網42に接続されている。管理サーバ20は、路面状態検知装置10によって配信された情報に基づいて路面31aの状態を報知するための地図情報を生成し、生成した地図情報を、ネットワーク網42および基地局41を介して車両等に配信する。
図2は、路面状態検知装置10および管理サーバ20の構成を示すブロック図である。
路面状態検知装置10は、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、入力部140と、無線通信部150と、検出部160と、2つの駆動部171、172と、2つの処理部173、174と、を備える。
制御部110は、たとえばCPUやマイクロコンピュータにより構成され、記憶部120に記憶された制御プログラムに従って、路面状態検知装置10内の各部の制御を行う。制御プログラムによる機能として、摩擦情報算出部111と配信部112が、制御部110に設けられる。
摩擦情報算出部111は、検出部160の検出結果に基づいて路面31a上の堆積物の種類(水、雪、氷)および堆積物の厚み(膜厚)を判別し、判別結果と路面31aの種別とに基づいて摩擦係数(路面31aの滑りやすさ)を算出する。配信部112は、摩擦情報算出部111により取得された堆積物の種類、堆積物の厚み、および摩擦係数を、無線通信部150を介して管理サーバ20に配信する。なお、摩擦情報算出部111と配信部112は、制御プログラムによる機能ではなく、ハードウェアとして構成されてもよい。
記憶部120は、メモリを備え、制御プログラムを記憶するとともに、制御処理時のワーク領域として用いられる。記憶部120には、路面状態検知装置10の設置時に、ユーザによって入力部140から入力された路面31aの種別が記憶される。たとえば、ユーザは、路面状態検知装置10の筐体に設けられたカバーを開放し、カバー内に設置された入力部140を操作して路面31aの種別を入力する。路面31aの種別は、官公庁や自治体が作成した道路舗装種別に関する資料を参照することにより得られる。
表示部130は、たとえば液晶パネルにより構成され、制御部110から出力される信号に基づいて画像を表示する。入力部140は、ユーザが各種情報を入力するための操作ボタンにより構成される。なお、表示部130および入力部140に代えて、タッチパネルが設けられてもよい。無線通信部150は、たとえば無線通信インターフェースにより構成される。無線通信部150は、制御部110からの制御に従って、基地局41と通信を行う。
検出部160は、路面31aの検知領域の状態を検出する。検出部160は、2つの光源161、162と、光検出器163と、放射温度センサ164と、を備える。
2つの光源161、162は、たとえば半導体レーザや、LEDあるいは特定波長を通過するフィルタをつけた白色光源により構成される。光源161は、駆動部171から入力される駆動信号に応じて、波長980nm(以下、「参照波長」と称する)の近赤外光を出射する。光源162は、駆動部172から入力される駆動信号に応じて、波長1550nm(以下、「吸収波長」と称する)の近赤外光を出射する。
光検出器163は、たとえば、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオードにより構成される。光検出器163は、光源161、162から出射され対象物で反射された光を受光し、受光した光量に基づく電気信号を処理部173に出力する。処理部173は、光検出器163から入力される電気信号をデジタル信号に変換するとともに対数を取り、制御部110に出力する。
放射温度センサ164は、たとえば、非接触式の温度センサであり、路面31aから放射される赤外放射量を測定することで路面31aの温度を測定する。放射温度センサ164は、測定した温度に基づく信号を処理部174に出力する。処理部174は、放射温度センサ164から入力される信号を処理して、制御部110に出力する。
管理サーバ20は、制御部210と、記憶部220と、表示部230と、入力部240と、通信部250と、を備える。
制御部210は、たとえばCPUにより構成され、記憶部220に記憶された制御プログラムに従って、管理サーバ20内の各部の制御を行う。制御プログラムによる機能として、地図情報生成部211と配信部212とが、制御部210に設けられる。
地図情報生成部211は、通信部250を介して路面状態検知装置10から、路面31aの堆積物の種類、堆積物の厚み、および摩擦係数を受信すると、これらの情報に基づいて、路面31aの状態を報知するための地図情報を生成する。配信部212は、地図情報生成部211により生成された地図情報を、通信部250を介して、車両等に配信する。なお、地図情報生成部211と配信部212は、制御プログラムによる機能ではなく、ハードウェアとして構成されてもよい。
記憶部220は、メモリを備え、制御プログラムを記憶するとともに、制御処理時のワーク領域として用いられる。記憶部220には、複数の路面状態検知装置10から受信した各種情報と、地図情報生成部211により生成された複数の地図情報とが記憶される。また、記憶部220には、管理対象地域の道路路線図に関する情報が記憶されている。
表示部230は、たとえば液晶パネルにより構成され、制御部210から出力される信号に基づいて画像を表示する。入力部240は、ユーザが各種情報を入力するためのマウスやキーボードにより構成される。なお、表示部230および入力部240に代えて、タッチパネルが設けられてもよい。通信部250は、たとえば通信インターフェースにより構成される。通信部250は、ネットワーク網42に接続されている。
図3は、水における光の吸収係数を示すグラフである。図3のグラフにおいて、横軸は波長を示し、縦軸は吸収係数を示している。
図3に示すように、吸収波長における吸収係数は、参照波長における吸収係数よりも大きい。したがって、光源161から出射された参照波長の光が路面31aの検知領域に照射されると、路面31aの水分(水、雪、氷)の有無にかかわらず、参照波長の光は検知領域で反射されやすく、光検出器163で受光される光は多くなる。他方、光源162から出射された吸収波長の光が路面31aの検知領域に照射されると、路面31aに水分がない場合、吸収波長の光は検知領域で反射されやすく、光検出器163で受光される光は多くなる。検知領域に水分がある場合、吸収波長の光は水分により吸収されやすく、光検出器163で受光される光は少なくなる。
本実施形態では、このように参照波長の光と吸収波長の光とが水分に吸収される度合いが異なることを利用して、水以外の物質による吸収や物質の表面で生じる散乱等によるノイズ成分が抑制された状態で、路面31aが乾いているか否かが判定される。
また、本実施形態では、放射温度センサ164により測定された路面31aの温度を利用して、路面31aの堆積物が水であるか否か(雪または氷であるか否か)が判定される。さらに、本実施形態では、参照波長の反射光を利用して、路面31aの堆積物が雪と氷のいずれであるかが判定される。参照波長の光が雪に照射されると、雪の表面で散乱が生じ、光検出器163で受光される光は多くなる。したがって、参照波長の反射光の強度と所定の閾値を比較することにより、路面31aに雪と氷のいずれがあるかを判定できる。
こうして、本実施形態では、路面31aの堆積物の種類が判定される。堆積物の種類の判定は、追って図7を参照して説明する。
次に、路面31aの検知領域に堆積した水、雪、氷の膜厚を算出する手順について説明する。
参照波長の光を、水が堆積した路面31aおよび堆積物のない路面31aに照射した場合に、光検出器163の検出に基づく検出光量を、それぞれIw1、Id1とする。吸収波長の光を、水が堆積した路面31aおよび堆積物のない路面31aに照射した場合に、光検出器163の検出に基づく検出光量を、それぞれIw2、Id2とする。参照波長および吸収波長における水の吸収係数をそれぞれαw1、αw2とすると、路面31aの検知領域における水の膜厚twは以下の式(1)により算出される。
参照波長の光を、氷が堆積した路面31aに照射した場合に、光検出器163の検出に基づく検出光量をIi1とする。吸収波長の光を氷が堆積した検知領域に照射した場合に、光検出器163の検出に基づく検出光量をIi2とする。参照波長および吸収波長における氷の吸収係数をそれぞれαi1、αi2とすると、検知領域における氷の膜厚tiは以下の式(2)により算出される。
雪については、比重0.1の氷とみなして膜厚を計算する。すなわち、氷の吸収係数を用いて計算を行って氷の膜厚tiを算出し、膜厚tiを10の3乗根(=約2.15)倍することで雪の膜厚を算出できる。具体的には、検知領域における雪の膜厚tsは以下の式(3)により算出される。
なお、上記の式(1)〜(3)で用いられる検出光量Iw1、Iw2、Ii1、Ii2は、検出部160の光源161、162の駆動により路面31aの検知領域に光を照射させ、検知領域からの光を光検出器163で受光することにより取得する。また、検出光量Id1、Id2は、路面状態検知装置10の出荷前等にあらかじめ測定した結果に基づいて記憶部120に記憶される。制御部110の摩擦情報算出部111は、光検出器163に基づいて実際に取得した検出光量と、記憶部120に記憶された検出光量とに基づいて、上記の式(1)〜(3)を用いて、それぞれ路面31aの検知領域に堆積した水、雪、氷の膜厚を算出する。
図4は、路面31aに水または氷が堆積している場合に、本実施形態に基づいて取得した膜厚の算出値と、実際に測定を行って取得した膜厚の実測値との関係を示すグラフである。図4において、縦軸は、本実施形態において、上記の式(1)、(2)を用いて取得した膜厚の算出値である。横軸は、実際に測定を行って取得した膜厚の実測値である。また、図4には、実線で近似直線が示されている。
図4に示すように、算出値は、ほぼ実測値と同じ値となっている。したがって、本実施形態の路面状態検知装置10によれば、実測により得られた堆積物の膜厚と同等の膜厚を取得できると言える。
図5(a)、(b)は、膜厚と摩擦係数との関係を模式的に示すグラフである。図5(a)、(b)において、横軸は膜厚を示し、縦軸は摩擦係数を示している。図5(a)、(b)では、標準的な摩擦制止性能のタイヤが想定されている。
図5(a)は、路面31aの種別がアスファルトである場合に、3つの堆積物(水、雪、氷)の膜厚と摩擦係数との関係を示すグラフである。図5(a)では、膜厚が0のときの摩擦係数(初期摩擦係数)は、水、雪、氷のいずれにおいてもF2となっている。このように、1つの路面31aの種別に対して、それぞれ堆積物の種類に応じてグラフが決定する。
図5(b)は、路面31aの堆積物が氷である場合に、3つの路面31aの種別(コンクリート、アスファルト、砂利)における氷の膜厚と摩擦係数との関係を示すグラフである。膜厚が0のときの摩擦係数(初期摩擦係数)は、コンクリート、アスファルト、砂利において、それぞれ、F3、F2、F1となっている。このように、1つの堆積物の種類に対して、それぞれ路面31aの種別に応じてグラフが決定する。
したがって、膜厚と摩擦係数との関係を示すグラフは、3種類の堆積物の種類と、3種類の路面31aの種別とに応じて、図6(a)〜(i)に示すように、9種類のグラフが決まることになる。本実施形態では、路面状態検知装置10の出荷前等に、図6(a)〜(i)のグラフに対応するテーブルが記憶部120に記憶され、路面状態検知装置10の設置時に、対象となる路面31aの種別が入力部140を介して入力され、記憶部120に記憶される。そして、上述したように堆積物の種類が判別され、堆積物の膜厚が算出されると、入力された路面31aの種別と、判定された堆積物の種類とに応じて、図6(a)〜(i)のグラフに対応するテーブルから1つのテーブルが決定され、決定されたテーブルと、算出された堆積物の膜厚とにより、摩擦係数が取得される。本実施形態では、雪に関するテーブルは、標準的な雪質(乾き具合)に基づくテーブルである。
図7は、路面状態検知装置10の処理を示すフローチャートである。図7に示す処理は、所定の時間や所定の時間間隔で連続的に実行される。
制御部110は、検出部160を駆動する(S11)。具体的には、制御部110は、駆動部171、172を介して、異なるタイミングで光源161、162から光を出射させる。そして、制御部110は、光源161の駆動に応じて光検出器163から出力される検出信号と、光源162の駆動に応じて光検出器163から出力される検出信号とを、処理部173を介して取得する。また、制御部110は、処理部174を介して放射温度センサ164を駆動し、放射温度センサ164から出力される路面31aの検出温度を、処理部174を介して取得する。
続いて、制御部110の摩擦情報算出部111は、参照波長の検出信号の強度、吸収波長の検出信号の強度、および路面31aの検出温度に基づいて、路面31aの状態を取得する(S12〜S18)。
具体的には、ステップS11で取得した参照波長の検出信号の強度に対する、ステップS11で取得した吸収波長の検出信号の強度の比率を対数変換した値(以下では「強度の比率」という)が、閾値Rth以上であれば(S12:YES)、摩擦情報算出部111は、路面31aが乾いている(路面31aに水、雪、氷のいずれも存在しない)と判定する(S13)。他方、上記強度の比率が閾値Rth未満であれば(S12:NO)、摩擦情報算出部111は、路面31aに水、雪、氷のいずれかが存在するとして、処理をステップS14に進める。なお、閾値Rthは、路面31aが乾いているか否かを判定可能な閾値であり、あらかじめ記憶部120に記憶されている。
ステップS11で取得した路面31aの検出温度が閾値Tth以上であれば(S14:YES)、摩擦情報算出部111は、路面31aに水があると判定する(S15)。他方、ステップS11で取得した路面31aの検出温度が閾値Tth未満であれば(S14:NO)、摩擦情報算出部111は、路面31aに雪、氷のいずれかが存在するとして、処理をステップS16に進める。なお、閾値Tthは、路面31aに水があるか否かを判定可能な閾値であり、あらかじめ記憶部120に記憶されている。この閾値Tthは、たとえば、0℃に設定される。
ステップS11で取得した参照波長の検出信号の強度が閾値Ith以上であれば(S16:YES)、摩擦情報算出部111は、路面31aに雪があると判定する(S17)。他方、ステップS11で取得した参照波長の検出信号の強度が閾値Ith未満であれば(S16:NO)、摩擦情報算出部111は、路面31aに氷がある(路面31aが凍結している)と判定する(S18)。なお、閾値Ithは、路面31aに雪と氷のいずれがあるかを判定可能な閾値であり、あらかじめ記憶部120に記憶されている。
続いて、摩擦情報算出部111は、記憶部120に記憶された路面31aの種別と、ステップS12〜S18の判定処理によって得られた路面31a上の堆積物の種類とから、膜厚と摩擦係数との関係を示すテーブルを決定する(S19)。上述したように、路面31aの種別(コンクリート、アスファルト、砂利など)は、路面状態検知装置10の設置時に入力部140を介して入力され、記憶部120に記憶されている。また、膜厚と摩擦係数との関係を示すテーブルは、図6(a)〜(i)のグラフに対応して9種類あり、記憶部120に記憶されている。
続いて、摩擦情報算出部111は、上述したように、上記の式(1)〜(3)を用いて、検出部160の検出結果から膜厚を算出する(S20)。そして、摩擦情報算出部111は、ステップS19で決定したテーブルと、ステップS20で算出した膜厚とから、実際の路面31aの検出領域における摩擦係数を取得する(S21)。ステップS19とステップS20の順序が入れ替わってもよい。
なお、ステップS13からステップS19へと移行した場合、路面31aには堆積物がないため、ステップS20は省略される。また、この場合、路面31aの種別に応じて摩擦係数が一意の値(図6(a)〜(i)の膜厚0の縦軸にグラフが接する値)に決まるため、ステップS19も省略され、ステップS21では、当該一意に決まる値が摩擦係数として取得される。
続いて、制御部110の配信部112は、ステップS12〜S18の判定処理によって得られた路面31a上の堆積物の種類と、ステップS20で得られた堆積物の膜厚と、ステップS21で得られた摩擦係数とを、無線通信部150を介して管理サーバ20に配信する(S22)。
図8は、路面状態検知装置10から管理サーバ20に配信された情報により、車両に搭載されるカーナビゲーションシステムの表示部70に表示される画面を示す模式図である。
上述したように、管理サーバ20は、路面状態検知装置10によって配信された情報に基づいて、路面31aの状態(路面31aの滑りやすさや危険性など)を報知するための地図情報を生成する。地図情報は、車両の走行経路付近の地図に合わせて路面31aの情報を表示可能な情報である。管理サーバ20は、生成した地図情報を車両等に配信する。
車両に搭載されるカーナビゲーションシステムは、基地局41と無線により通信可能に構成されている。カーナビゲーションシステムは、管理サーバ20から配信された地図情報を受信し、受信した地図情報に基づいて表示部70に周辺の地図を表示させる。
図8に示す例では、点線で示す部分の路面31aにおいて、堆積物が氷であり摩擦係数が低下しているため、「凍結のおそれ」を示す吹き出し71が表示されている。また、凍結のおそれのある道路を迂回するための道路が太線で示されており、「迂回路」を示す吹き出し72が表示されている。また、近傍の路面31aにおいて凍結が生じていることを示す凍結マーク73が表示されている。これらの表示により、ドライバーは路面31aの状態を把握でき、迂回路等の運転に役立つ情報を確認できる。
<実施形態の効果>
以上、実施形態によれば、以下の効果が奏される。
以上、実施形態によれば、以下の効果が奏される。
路面31aの種別(特定情報)が、路面状態検知装置10が設置される際に、入力部140からあらかじめ入力され記憶部120に記憶される。そして、入力された路面31aの種別に基づいて、図6(a)〜(i)のグラフに応じたテーブル(相関関係)が規定される。このため、路面31aの種別を判別するための構成を設ける必要がなく、装置の小型化とコストの低減を図り得る。また、路面31aの種別により規定されるテーブルに基づいて路面31aの現時点の摩擦係数(滑りやすさ)が算出されるため、実際の摩擦係数を正確に算出できる。
摩擦情報算出部111は、検出部160の検出結果に基づいて、路面31a上の堆積物の種類および堆積物の厚みを判別し、判別結果と路面31aの種別(特定情報)とに基づいて摩擦係数を算出する。堆積物の種類(水、雪、氷)とその厚み(膜厚)とによって、路面31aの摩擦係数(滑りやすさ)が変化する。よって、堆積物の種類およびその厚みと、路面31aの種別とに基づいて摩擦係数を算出することにより、摩擦係数を正確に算出できる。
検出部160の2つの光源161、162は、それぞれ、波長980nm(参照波長)の赤外光と波長1550nm(吸収波長)の赤外光を路面31aに照射し、光検出器163は、路面31aによって反射されるこれらの赤外光の反射光を受光する。このように、波長800nm以上の赤外光が路面31aに照射されると、光検出器163から出力される信号に基づいて、路面31a上の堆積物の種類および厚みを判別できる。
より詳細には、図7のフローチャートにも示したように、参照波長および吸収波長の反射光の強度に基づいて、堆積物がないこと(路面31aが乾いていること)、堆積物が雪であること、および、堆積物が水または氷であることが判定される。そして、放射温度センサ164の検出温度に基づいて、堆積物が水と氷のいずれであるかが判定される。このように、波長800nm以上の2種類の赤外光と、温度を検出するセンサを用いることにより、路面31a上の堆積物の種類を明確に判別できる。また、堆積物の明確な種類が取得されるため、上記の式(1)〜(3)に基づいて、堆積物の厚みを精度よく算出することができる。
無線通信部150は、基地局41との間で無線による通信が可能となるよう構成されている。これにより、無線通信部150は、外部通信網と接続可能になり、管理サーバ20と通信可能になる。そして、配信部112は、無線通信部150を介して、摩擦係数を管理サーバ20に配信する。これにより、管理サーバ20に対して、現在の路面31a摩擦係数(滑りやすさ)を提供できる。また、管理サーバ20が摩擦係数を受信することにより、車両や道路管理施設等に現在の路面31aの摩擦係数を提供できる。
また、配信部112は、無線通信部150を介して、堆積物の種類および堆積物の厚みを管理サーバ20に配信する。これにより、管理サーバ20に対して、堆積物の種類および堆積物の厚みを提供できる。また、管理サーバ20が堆積物の種類および堆積物の厚みを受信することにより、車両や道路管理施設等に堆積物の種類および堆積物の厚みを提供できる。よって、ドライバーは自身が走行しようとする道路に存在する堆積物の種類を把握でき、道路管理者は、管轄する道路に対する除雪の必要性等を把握できる。
管理サーバ20は、路面状態検知装置10によって配信された情報に基づいて路面31aの状態を報知するための地図情報を生成して配信する。これにより、路面31aの状態をドライバー等に報知することができる。図8に示したように、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムに地図情報が配信されると、ドライバー等は、表示部70の表示内容を確認して路面31aの状態を把握できる。これにより、路面31aを走行する際の安全性を高めることができる。
<変更例>
路面状態検知装置10の構成は、上記実施形態に示した構成以外に、種々の変更が可能である。
路面状態検知装置10の構成は、上記実施形態に示した構成以外に、種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施形態では、図6(a)〜(i)のグラフに応じたテーブルに基づいて路面31aの摩擦係数が取得されたが、図6(a)〜(i)のグラフに応じた関数を摩擦情報算出部111に保持させておき、路面31aの種別に応じた関数により摩擦係数が算出されてもよい。すなわち、路面31a上の堆積物の膜厚と路面31aの摩擦係数との相関関係が、テーブルに代えて、関数により規定されてもよい。
また、上記実施形態では、図6(a)〜(i)に示すように、1つの堆積物の種類に対して、路面31aの種別ごとに、路面31a上の堆積物の膜厚と路面31aの摩擦係数との相関関係を規定するテーブルが準備されたが、1つの堆積物の種類に対して、1つの路面31aの種別に対する膜厚と摩擦係数との相関関係を規定する基準テーブルを準備しておき、他の路面31aの種別については、当該基準テーブルを当該路面31aの種別に対応するように修正して用いてもよい。この場合、他の路面31aの種別については、入力された路面31aの種別により、当該路面31aが乾燥状態にある場合(堆積物が存在しない場合)の摩擦係数、すなわち、図5(b)の縦軸にグラフが接する初期摩擦係数が取得される。この初期摩擦係数は、予め、記憶部120に保持されていればよい。そして、この初期摩擦係数から、基準テーブルで規定される摩擦係数の下限値へと徐々に摩擦係数が収束するように、基準テーブルが修正されればよい。基準テーブルに代えて基準関数が準備される場合も、同様に、基準関数を他の路面31aの種別に応じて修正してもよい。
また、上記実施形態では、特許請求の範囲に記載された「特定情報」として、路面31aの種別そのものが路面状態検知装置10に入力されたが、この「特定情報」として、検出対象の路面31aが乾燥状態にある場合の初期摩擦係数が路面状態検知装置10に入力され、入力された初期摩擦係数により、堆積物の種別ごとに、摩擦情報算出部111が、膜厚と摩擦係数との相関関係を規定してもよい。
この場合、図9(a)〜(c)に示すように、摩擦情報算出部111は、堆積物の種類ごとに、摩擦係数の下限値と、当該下限値に飽和する膜厚の範囲の最小値とを保持していればよい。そして、摩擦情報算出部111は、路面状態検知装置10の設置時等に入力された初期摩擦係数(F1〜F3のいずれか)と、堆積物の種類ごとに保持した下限値および最小値とに基づいて、初期摩擦係数が最小値の位置において下限値に到達するように、膜厚と摩擦係数との相関関係を、堆積物の種類ごとに規定すればよい。たとえば、入力された初期摩擦係数がアスファルトに対応するF2である場合、図9(d)〜(f)に示すように、膜厚が0であり摩擦係数がF2である点と、摩擦係数の下限値と膜厚の範囲の最小値とに対応する点とが、破線で示すように曲線で繋がれる。そして、この曲線の右端の点が右方向に延ばされることにより、図6(d)〜(f)と同様、膜厚と摩擦係数との相関関係が規定される。この場合、摩擦情報算出部111は、堆積物の各種類の相関関係を、テーブルにより記憶部120に保持させてもよく、あるいは、関数として保持してもよい。
なお、この変更例において、入力部140を介して初期摩擦係数が入力されることに代えて路面31aの種別が入力されてもよい。この場合、摩擦情報算出部111は、路面31aの種別と初期摩擦係数とを関連付けるテーブルをあらかじめ保持しており、入力された路面31aの種別に応じて初期摩擦係数を取得する。
この他、入力部140を介して入力される情報は、路面31aの種別に限らず、路面31aの種別を特定できる情報であればよい。
また、上記実施形態では、摩擦情報算出部111は摩擦係数を算出したが、これに限らず、摩擦情報算出部111は、摩擦係数に代えて、摩擦係数と同様に路面31aの滑りやすさを示す他の指標を算出してもよい。
また、上記実施形態では、2種類の波長の赤外光と路面温度とを用いて水、雪、氷の判別がなされたが、3種類の波長の赤外光を用いて水、雪、氷の判別がなされてもよい。
図10は、水と氷における光の吸収係数を示すグラフである。
図10に示すように、水の吸収係数と氷の吸収係数は、ピークとなる波長が互いに相違する。すなわち、水の吸収係数では、1450nm付近においてピークが生じ、氷の吸収係数では、1500nm付近においてピークが生じる。この場合、上記参照波長の赤外光以外に、2つの吸収波長の赤外光が用いられる。これら2つの吸収波長は、たとえば、1450nm(他の吸収波長)と1550nm(上記実施形態の吸収波長)に設定される。
これにより、路面31aの堆積物が水の場合、波長1450nmの赤外光の方が波長1550nmの赤外光よりも多く吸収される。他方、路面31aの堆積物が氷の場合、波長1550nmの赤外光の方が波長1450nmの赤外光よりも多く吸収される。このように、路面31aの堆積物が水か氷かによって、より多く吸収される赤外光が切り替わる。よって、これら2つの赤外光の反射光の強度を光検出器163で検出することにより、路面31aの堆積物が、水と氷の何れであるかが判別され得る。
図11は、この変更例に係る路面状態検知装置10の構成を示すブロック図である。
この変更例では、図2に示した路面状態検知装置10の構成と比較して、放射温度センサ164と処理部174に代えて、光源165と駆動部175が設けられる。光源165は、駆動部175から入力される駆動信号に応じて、波長1450nm(他の吸収波長)の近赤外光を出射する。路面の実摩擦情報の算出処理は、堆積物の種類の判別処理を除いて、上記実施形態と同様である。
また、路面状態検知装置10において、検出部160が、路面31aを撮像するためのカメラを含み、カメラにより撮像された路面31aの画像に基づいて、膜厚と摩擦係数との関係が修正されてもよい。
図12は、この変更例に係る路面状態検知装置10の構成を示すブロック図である。
この変更例では、図2に示した路面状態検知装置10の構成と比較して、カメラ166と、処理部176と、劣化判定部113とが追加されている。カメラ166は、検出部160に含まれ、劣化判定部113は、制御部110の制御プログラムによる機能である。なお、劣化判定部113は、制御プログラムによる機能ではなく、ハードウェアとして構成されてもよい。
カメラ166は、たとえば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを搭載したカメラであり、路面31aの検知領域を撮像して、撮像信号を処理部176に出力する。処理部176は、カメラ166から入力される撮像信号を処理して画像を生成し、生成した画像を制御部110に出力する。劣化判定部113は、カメラ166により撮像された路面31aの画像に基づいて、路面31aの劣化具合を判定する。
この変更例では、図6(a)〜(i)のグラフに対応したテーブルの他、路面31aの劣化具合に応じて膜厚と摩擦係数との関係を修正した複数のテーブル(修正テーブル)が、路面31aの種別および堆積物の種類ごとに、あらかじめ記憶部120に記憶される。路面31aの劣化が進むと、乾燥状態(膜厚が0の状態)における摩擦係数が低下する。記憶部120に記憶される修正テーブルは、このような劣化が生じた状態に対応するよう膜厚0付近の摩擦係数が小さくなるように設定される。
図13(a)は、この変更例に係る路面状態検知装置10の処理を示すフローチャートである。図13(a)のフローチャートは、図7のフローチャートと比較して、ステップS19に代えて、ステップS31が追加されている。ステップS31において、摩擦情報算出部111は、路面31aの劣化レベルが所定の段階を超えない場合、上記実施形態と同様、路面31aの種別と堆積物の種類とによって、図6(a)〜(i)のグラフに対応したテーブルの中から膜厚と摩擦係数との関係を示すテーブルを決定し、路面31aの劣化レベルが所定の段階を超えた場合は、路面31aの種別と堆積物の種類とに対応付けられた修正テーブルを、膜厚と摩擦係数との関係を示すテーブルに決定する。
ここで、修正テーブルは、路面31aの劣化レベルに応じて複数準備されてもよい。この場合、摩擦情報算出部111は、これら修正テーブルのうち、路面31aの劣化レベルに対応する修正テーブルを、膜厚と摩擦係数との関係を示すテーブルに決定する。
このように、路面31aの劣化具合に基づいて修正テーブルが決定されると、路面31aの劣化具合を摩擦係数の算出に反映させることができる。これにより、算出される摩擦係数の精度を高めることができる。
なお、路面31aの劣化状態に対応した修正テーブルが記憶部120に記憶されることに代えて、摩擦情報算出部111が、劣化判定部113により判定された路面31aの劣化具合に基づいて、劣化が生じていない場合のテーブルを修正してもよい。また、修正テーブルに代えて、膜厚と摩擦係数との間の相関関係を示す関数が用いられてもよい。
また、上記実施形態では、放射温度センサ164により検出された路面31aの温度は、水と氷を判別するために用いられたが、これに限らず、路面31aの温度に基づいて、取得された摩擦係数が修正されてもよい。
たとえば、路面31aの温度が0℃付近であると、実際の路面31aの摩擦係数は、上記実施形態の手順で取得された摩擦係数に比べて小さくなる。したがって、このような場合、上記実施形態と同様の手順で取得された摩擦係数が小さくなるよう、修正されるのが好ましい。
図13(b)は、この変更例に係る路面状態検知装置10の処理を示すフローチャートである。図13(b)のフローチャートは、図7のフローチャートと比較して、ステップS21とステップS22との間に、ステップS32が追加されている。以下、ステップS32の処理について説明する。
ステップS32では、摩擦情報算出部111は、放射温度センサ164により検出された路面31aの温度に基づいて、ステップS21で取得した摩擦係数を修正する。たとえば、上述したように、路面31aの温度が0℃付近の場合、摩擦係数が所定の割合だけ小さく設定される。
このように、路面31aの温度に基づいて摩擦係数が修正されると、路面31aの温度を摩擦係数の算出に反映させることができる。これにより、算出される摩擦係数の精度を高めることができる。
また、摩擦情報算出部111は、放射温度センサ164により検出された路面31aの温度に基づいて、路面が滑りやすいか否かを判定してもよい。
図13(c)は、この変更例に係る路面状態検知装置10の処理を示すフローチャートである。図13(c)のフローチャートは、図7のフローチャートと比較して、ステップS21とステップS22との間に、ステップS33、S34、S35が追加されている。以下、ステップS33〜S35の処理について説明する。
ステップS33では、摩擦情報算出部111は、放射温度センサ164により検出された路面31aの温度に基づいて、路面31aが滑りやすいか否かを判定する。ステップS33の判定では、たとえば、0℃を含む所定の温度範囲に、路面31aの温度が含まれるか否かが判定される。そして、路面31aの温度が0℃付近である場合(S34:YES)、摩擦情報算出部111は、路面31aが滑りやすいことを示す情報を、ステップS21で取得した摩擦係数に追加する(S35)。滑りやすいことを示す情報は、たとえば、「滑りやすくなっています」などの文字列や、滑りやすいことをフラグとして示す文字列などである。そして、ステップS22において、配信部112は、摩擦係数を管理サーバ20に配信する。
このように滑りやすいことを示す情報が摩擦情報に追加されると、路面31aが滑りやすいことをドライバー等に報知することができる。これにより、路面走行の安全性を高めることができる。
また、上記実施形態では、路面状態検知装置10は、管理サーバ20に対して摩擦係数を配信したが、摩擦係数の配信先は管理サーバ20に限らない。たとえば、路面状態検知装置10は、車両、道路管理施設、中継サーバ等に摩擦係数を配信してもよい。また、路面状態検知装置10は、堆積物の種類、堆積物の厚み、および摩擦係数を配信するが、これら3つの情報は、同じ配信先に配信されなくてもよく、別々の配信先に配信されてもよい。また、摩擦係数に代えて、摩擦係数と同様に路面31aの滑りやすさを示す他の指標が配信されてもよい。また、配信される堆積物の種類は、水、雪、氷などの文字列に限らず、水、雪、氷に対応するコード名や画像などでもよい。
また、上記実施形態において、路面状態検知装置10の無線通信部150は、有線で通信を行う通信部でもよく、管理サーバ20の通信部250は、無線で通信を行う無線通信部でもよい。また、管理サーバ20で生成される地図情報は、地図に合わせて路面31aの情報を表示可能な情報であったが、路面31aの情報を含んだ地図の情報でもよい。
また、上記実施形態では、光源161から出射される参照波長の光は、波長980nmの近赤外光であったが、参照波長は980nmに限らず、水による吸収が少ない他の波長であってもよい。また、参照波長の光は、近赤外光に限らず、波長750nm以下の可視光であってもよい。ただし、参照波長の光が可視光であると、路面31aが照らされて道路31の交通に支障が出るおそれがあるため、参照波長の光は近赤外光であるのが好ましい。
また、上記実施形態の図7のステップS12では、参照波長の検出信号の強度に対する吸収波長の検出信号の強度の比率を対数変換した値が閾値Rth以上であるか否かが判定されたが、これに限らず、吸収波長の検出信号の強度に対する参照波長の検出信号の強度の比率を対数変換した値が所定の閾値以下であるか否かが判定されてもよい。また、これらの強度の比率は、対数変換されることなく閾値と比較されてもよい。また、吸収波長の検出信号の強度と参照波長の検出信号の強度との差が所定の閾値以上であるか否かが判定されてもよい。
また、上記実施形態では、ユーザは、路面状態検知装置10の筐体に設けられたカバーを開放し、カバー内に設置された入力部140を操作して路面31aの種別を入力したが、路面31aの種別の入力方法はこれに限らない。たとえば、ユーザが携帯端末を操作して路面31aの種別を選択すると、選択結果が携帯端末から路面状態検知装置10に無線で送信され、送信された路面31aの種別が記憶部120に記憶されてもよい。あるいは、路面状態検知装置10が自身の位置情報とともに路面31aの種別の送信要求を管理サーバ20に送信し、管理サーバ20から路面31aの種別の情報を取得してもよい。
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 路面情報配信システム
10 路面状態検知装置
20 管理サーバ
31a 路面
111 摩擦情報算出部
112 配信部
113 劣化判定部
140 入力部
150 無線通信部
160 検出部
161、162 光源
163 光検出器
164 放射温度センサ
165 光源
166 カメラ
10 路面状態検知装置
20 管理サーバ
31a 路面
111 摩擦情報算出部
112 配信部
113 劣化判定部
140 入力部
150 無線通信部
160 検出部
161、162 光源
163 光検出器
164 放射温度センサ
165 光源
166 カメラ
Claims (9)
- 路面の状態を検出するための検出部と、
前記路面の種別に関する特定情報を入力するための入力部と、
前記検出部の検出結果および前記特定情報に基づいて前記路面の現時点の摩擦係数に関する実摩擦情報を算出する摩擦情報算出部と、を備え、
前記摩擦情報算出部は、前記特定情報に基づいて、前記路面上の堆積物の種類ごとに前記堆積物の膜厚と前記路面の摩擦係数との相関関係を規定し、規定した前記相関関係と前記検出部の検出結果とに基づいて、前記実摩擦情報を算出する、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項1に記載の路面状態検知装置において、
前記摩擦情報算出部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記路面上の堆積物の種類および当該堆積物の厚みを判別し、当該判別結果と、前記特定情報とに基づいて、前記実摩擦情報を算出する、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項1または2に記載の路面状態検知装置において、
前記検出部は、前記路面に波長800nm以上の赤外光を照射する光源と、前記路面によって反射される前記赤外光の反射光を受光する光検出器と、を備える、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項1ないし3の何れか一項に記載の路面状態検知装置において、
前記検出部は、前記路面を撮像するためのカメラを含み、
前記カメラにより撮像された前記路面の画像に基づいて前記路面の劣化具合を判定する劣化判定部を備え、
前記摩擦情報算出部は、前記劣化判定部により判定された前記劣化具合に基づいて、前記相関関係を修正する、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載の路面状態検知装置において、
前記検出部は、前記路面の温度を検出するための放射温度センサを含み、
前記摩擦情報算出部は、前記放射温度センサにより検出された前記路面の温度に基づいて、前記実摩擦情報を修正する、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項1ないし4の何れか一項に記載の路面状態検知装置において、
前記検出部は、前記路面の温度を検出するための放射温度センサを含み、
前記摩擦情報算出部は、前記放射温度センサにより検出された前記路面の温度が0℃付近である場合に、前記路面が滑りやすいことを示す情報を、前記実摩擦情報に追加する、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項1ないし6の何れか一項に記載の路面状態検知装置において、
外部通信網に接続可能な通信部と、
前記通信部を介して前記実摩擦情報を配信する配信部と、を備える、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項7に記載の路面状態検知装置において、
前記摩擦情報算出部は、前記検出部の検出結果に基づいて前記路面上の堆積物の種類および当該堆積物の厚みを判別し、
前記配信部は、前記判定結果として取得された前記堆積物の種類に関する情報を、前記通信部を介して配信する、
ことを特徴とする路面状態検知装置。 - 請求項7または8に記載の路面状態検知装置と、
前記路面状態検知装置によって配信された情報に基づいて路面の状態を報知するための地図情報を生成して配信する管理サーバと、を備える、
ことを特徴とする路面情報配信システム。
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-
2019
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