JP5462098B2 - 気象測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、道路管理等を支援する目的で開発された、光学系を用いて降雨や降雪、視程等を計測する低廉で高精度な二次元画像型の気象測定装置である。
降雨や降雪、視程等の観測に関する従来技術は、次のとおりである。
(降水量)
降水量は、雨、雪、霰、霙、雹、霧等の降水を水に換算した量であり、より詳細には、特定の時間内に降った雨、雪、霰、霙、雹、霧等の降水が流れ去らずに地表面を覆った時の水の深さや量、重さで測定する。雪等の固形降水の場合は、溶かして水にして測定する。降雨に関しては、気象業務法で貯水型雨量計または転倒枡型雨量計を用いることが規定されている。なお、降水現象の系統的分類については、例えば、図5に示すような分類が知られている(非特許文献1参照)。
(l)貯水型雨量計
受水器で受けた降水を目盛のついた雨量枡に貯め、その目盛を目視することによって雨量を計測する貯水型指示雨量計と、貯水槽に貯めた降水の重さでペンレコーダを駆動して、ゼンマイ等の動力で回転するドラムに巻かれた記録紙に貯水量の時系列データを自動的に記録する貯水型自記雨量計がある。貯水型自記雨量計は、貯水槽に―定量貯まるとその貯水槽内の水を排水する構造となっており、長期間の連統計測が可能である。
気象用としては、貯水型指示雨量計では雨量10mm以下で0.2mm、雨量10mm以上で雨量の2%、貯水型自記雨量計では雨量20mm以下で0.5mm、雨量20mm以上で雨量の3%の許容誤差となっている。
(2)転倒枡型雨量計
口径20cmの受水器に入った雨や雪等の降水を濾水器で受け、2つの枡がシーソーのような構造になっている転倒枡のどちらかの枡に注ぐ。転倒枡の各枡は、例えば降水量0.5mmに相当する降水が枡に貯まると反対側に転倒して枡内の水を排水する。その枡の左右交互の転倒回数を数えることにより降水量を計測する。
気象用としては、転倒雨量(枡の1回の転倒に必要な降水量)が0.5mmの場合は、雨量20mm以下で0.5mm、雨量20mm以上で雨量の3%、転倒雨量が1mmの場合は、雨量40mm以下で1mm、雨量40mm以上で雨量の3%の許容誤差となっている。
なお、転倒枡型雨量計の精度を向上させるために、転倒トルク補正装置を備えた構成が知られている(特許文献2参照)。
(3)レーダー雨量観測
レーダー波を用いて降水粒子からの電波の反射を観測することにより、降水分布とその強度を求める観測技術である。上空のレーダー反射因子分布と地上雨量分布を関係付けるキャリブレーションを行った上で、レーダー雨量観測を行うことが知られている(特許文献2参照)。
(積雪)
積雪計とは、自然に降り積もって地表面を覆った雪等の固形降水の深さを測定する機器である。一般に積雪計は、2〜4mの高さにレーザー光や超音波等の送受波器を設置し、送波器から送波したレーザー光や超音波等が雪面で反射して受波器に戻ってくるまでの時間によって、送受波器から雪面までの距離を測定するものである。計測方式としては下記の2種類があるが、気象庁では主に超音波式積雪計を使用している。積雪計に関しては各種の障害が発生している。
(1)光電式積雪計
光電式積雪計は、送波器から照射されたレーザー光が雪面で反射して受波器に戻ってくるまでの時間を測定することによって、送受波器と雪面までの距離を求めるものである。
(2)超音波式積雪計
超音波式積雪計は、送波器から送波された超音波が雪面で反射して受波器に戻ってくるまでの時間を、温度による音速の補正を行った上で測定することによって、送受波器と雪面までの距離を求めるものである。
(視程)
視程には、水平方向の見通し距離である水平視程と鉛直方向の見通し距離である鉛直視程がある。視程の計測手段としては、目視式と機械式がある。目視式の場合は、認識が容易な多数の目標物の観測点からの距離を予め計測しておき、実際の測定の際にどの目標物まで目視できるかを判定して、目視できる最も遠い目標物の観測点からの距離をもって視程とする。
一方、機械式の場合は、気象光学的距離MOR(Meteorological OpticaI Range)を求めて視程とする。MORとは、平行ビームとして照射された色温度2700Kの白熱灯光が大気や大気中に浮遊する粒子によって散乱吸収され、その照度が元の値の5%に減少するまでの距離をいう。この方式の視程計ではレーザー光が主に使用され、レーザーの散乱光の強度をレーザー出力部の反対側に置かれた受光部で観測する前方散乱方式と、レーザーの散乱光の強度をレーザー出力部と同じ側に置かれた受光部で観測する後方散乱方式がある。なお、レーザー出力部と受光部については、様々な構成がある。
特開平7−55957号公報 特開平9−101365号公報
インターネット<URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/降水>
貯水型指示雨量計は、取扱いが簡単であり、安価に観察網が構築できる。しかし、雨量枡の容量の限界を超えると測定不能となり、放置しておくと蒸発して不正確になるという欠点がある。
転倒枡型雨量計は、土砂降りのような激しい降雨の場合、転倒枡の転倒動作中に降水を受けるべき枡ではない側の枡でも降水を受けてしまうことによって、測定誤差が生じるという欠点がある。また、口径20cmの受水口の位置を地面から数10cmとする必要があり、設置条件が厳しい。さらに、一般的な転倒枡型雨量計の許容誤差は0.5mmが標準であり、微量の降雨には対応できない。
レーダー雨量観測は、広範囲の降水量を面的に把握(現在は1km格子)できるのが長所である。しかし、レーダー観測だけでは、降水粒子の大きさによる反射強度の違いや風による雨域の変位等に起因する誤差を避けられない。そのため、アメダス(AMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System:地域気象観測システム)の情報等を用いて観測雨量を補正しなければならないという欠点がある。
超音波式積雪計は、温度による音速の補正が必要である。また、観測地点の環境条件としては、風通しや日当たりの良い場所で、自然の風を妨げないような材料で柵を設け、外部からの立入りによる不慮の事故や測器の障害が発生しないよう備える必要があり、その選定や管理が面倒である。
なお、積雪計に限らず、雨量計等も、地面からの日射の照り返しや雨滴の跳ね返りを少なくする等、計測器に望ましい観測環境を考慮して計測器を設置する観測場所を選定する必要があり、その選定や管理が面倒である。
従来の視程計は、レーザー光を使用するため、安全性を考慮しなくてはならず、設置箇所が制約されるとともに装置自体が高価になるという欠点がある。
本発明は、降雨や降雪、視程等の気象観測等において、上記従来の技術の欠点を解決することを目的とするものである。従来の雨量計や積雪計、視程計等のように、降雨や降雪の絶対量を測定するものではなく、降雨や降雪の反射光で撮像した二次元画像の解析領域をフーリエ変換して得られるパワースペクトルを算出することによって、比較的簡単に降雨量や降雪量、視程等を測定することを可能とする、低価格でありながら高精度を有し、しかも設置及び管理が容易となる、二次元画像型の気象測定装置を実現することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、センサ装置と画像解析装置とを備え、センサ装置と画像解析装置は、伝送手段によって情報伝送が可能なように接続され、測定対象空間の被測定物の分光且つ偏光した二次元画像を撮像して、二次元画像を画像解析することで、被測定物の種類を識別するとともに量を測定する気象測定装置であって、センサ装置は、光源と、分光カメラと、偏光フィルタと、制御・通信機器とを備えており、光源は、近赤外線を測定対象空間に向けて照射するものであり、分光カメラは、偏光フィルタが装着され、測定対象空間の被測定物で反射された近赤外線のうち、偏光フィルタの偏光角度と同じ近赤外線を透過することで、当該被測定物の二次元画像を撮像し、制御・通信機器は、光源及び分光カメラの動作を制御するとともに、二次元画像を伝送手段で画像解析装置に送信し、画像解析装置は、被測定物種類識別手段と、被測定物量算出手段と、記憶部とを備えており、被測定物種類識別手段は、二次元画像情報に基づき測定対象空間の被測定物の種類を識別するものであり、被測定物量算出手段は、二次元画像情報に基づき測定対象空間の被測定物の降水量を算出する構成であることを特徴とする被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置を提供する。
被測定物は、雨、雪、霰、霙、雹、霧または霧である。
光源として、互いに異なる波長の近赤外線を照射する複数種の光源が設けられており、偏光フィルタとして、互いに偏光角が異なる複数種の偏光フィルタが設けられており、分光カメラとして、互いに異なる波長選択性を有する複数の分光カメラが設けられており、所定の波長選択性を有する複数の分光カメラは、それぞれ偏光角が異なる偏光フィルタが装着されており、別の波長選択性を有する複数の分光カメラは、それぞれ偏光角が異なる偏光フィルタが装着されている構成とすることが好ましい。
光源として、例えば、互いに異なる第1の波長の近赤外線を照射する第1の光源と、第2の波長の近赤外線を照射する第2の光源が設けられており、偏光フィルタとして、互いに偏光角が異なる第1の偏光フィルタと第2の偏光フィルタが設けられており、分光カメラとして、例えば、第1〜第4の分光カメラの4台が設けられており、第1の分光カメラは、第1の偏光フィルタが装着され、且つ第1の波長の近赤外線を受光し、第2の分光カメラは、第2の偏光フィルタが装着され、且つ第1の波長の近赤外線を受光し、第3の分光カメラは、第1の偏光フィルタが装着され、且つ第2の波長の近赤外線を受光し、第4の分光カメラは、第2の偏光フィルタが装着され、且つ第2の波長の近赤外線を受光する構成であることが好ましい。
被測定物種類識別手段は、複数の分光カメラで撮像した二次元画像の解析領域をフーリエ変換して得られる異なる分光情報と異なる偏光情報の組み合わせを含む複数のフーリエパワースペクトル画像情報と、予め被測定物の種類毎に定められ画像解析装置の記憶部に記憶されている種類識別用教師データとを比較して、被測定物の種類を識別する構成であることが好ましい。
被測定物量算出手段は、複数のフーリエパワースペクトル画像情報について得られる複数の総計パワースペクトルの平均である平均総計パワースペクトルを、予め画像解析装置の記憶部に記憶されている降水量算出用教師データの被測定物の種類毎に定められた降水量回帰曲線に代入して測定対象空間の被測定物の降水量を算出する構成であることが好ましい。
画像解析装置は、視程算出手段を備えており、記憶部は、別途立体計測で算出された複数の測定対象空間を撮像して得られた総計パワースペクトルと複数の視程とが関係付けられた被測定物の種類毎の視程回帰曲線を視程算出用教師データとして記憶しており、視程算出手段は、前記により得られた複数の総計パワースペクトルのうちの1つの総計パワースペクトルを前記視程算出用教師データの前記視程回帰曲線に代入して、センサ装置を設置した周辺の視程をリアルタイムに算出し、視程計として使用可能である構成としてもよい。
本発明によると次のような効果が生じる。
(1)測定対象空間の被測定物である雨、雪、霰、霙、雹、霧等に近赤外線を照射して、その反射光で撮像して得られた二次元画像の解析領域を二次元離散フーリエ変換して求めたパワースペクトルと、雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物の量(例.降雨量、降雪量、霧の濃度、霰の量等)及び奥行き距離を関係付けることにより、比較的簡単な構成の装置及び操作で、降雨、降雪、霧、霰、視程等の観測を可能とするとともに、低価格でありながら高精度を有し、しかも設置及び管理がし易い。
(2)雨の水滴、雪の粒子(雪の結晶が集まった粒)、霧の粒子、霰の粒子等に対して比較的高い吸光率を有する近赤外線域の波長の光を光源して利用し、しかも、波長が異なる複数の光、例えば波長が異なる2種類の光を利用することにより、降雨、降雪、霧、霰等の空間領域を撮像して得られる二次元画像をより解析に適したものとして、被測定物の種類の識別や降水量等の算出の精度をより向上させることができる。
(3)降雨、降雪、霧、霰等の測定対象空間を、それぞれ複数の分光カメラで撮像して得た異なる波長と異なる偏光角による二次元画像の解析領域から算出した総計パワースペクトルの組み合わせによって、測定対象空間における被測定物の種類を識別することができ、さらに総計パワースペクトルの平均値を、予め被測定物の種類毎に作成した降水量回帰曲線に代入することにより、被測定物の降水量を求めることが可能である。
(4)降雨、降雪、霧、霰等の測定対象空間について、上記により被測定物の種類を識別し、立体計測によって被測定物の種類毎に作成された視程回帰曲線へ上記により算出された総計パワースペクトルのうちの1つの総計パワースペクトルを代入することにより、センサ装置を設置した周辺の視程をリアルタイムに算出することができる。
本発明に係る気象測定装置の全体構成を説明する図である。 実施例1の気象測定装置の特にセンサ装置を説明する図である。 実施例1の気象測定装置の特に画像解析装置を説明する図である。 実施例1の気象測定装置の特に画像解析装置を説明する図である。 降水現象の系統的分類の一例を示す図である。 実施例2の気象測定装置の原理、構成、作用等を説明する図である。 実施例2の気象測定装置における視程算出用教師データ作成機能を備えた画像解析装置を説明する図である。
本発明に係る気象測定装置を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
(全体構成)
図1は、本発明に係る気象測定装置1の全体構成を説明する図である。気象測定装置1は、センサ装置2と画像解析装置3とを備えている。センサ装置2と画像解析装置3との間では、伝送手段4により情報伝送が行われる。
センサ装置2は、光源、分光カメラ及び制御・通信機器を備えており、道路、空港の誘導路及び滑走路、山間部、スキー場のゲレンデ等における気象観測の対象とする1または複数の場所(1または複数の観測箇所)に設置され、雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物の二次元画像を撮像するものである。図1に示すセンサ装置2は、一例として、実施例1で後記する、光源11、12、分光カメラ13〜16及び制御・通信機器17を備える。
画像解析装置3は、1または複数のセンサ装置2を管理する基地局等に設置される。画像解析装置3は、通常は、コンピュータが使用され、コンピュータに搭載された専用の制御・画像解析プログラムに従って、センサ装置2の遠隔制御を行うとともに、センサ装置2で撮像した二次元画像の解析領域をフーリエ変換してフーリエパワースペクトル画像情報を得て、これを、統計的分類手段(手法)により、予め作成した被測定物の種類識別用教師データと比較し、測定対象空間における被測定物の種類(雨、雪、霰、霙、雹、霧等)を識別し、識別された測定物の降水量(雨、雪、霰、霙、雹、霧等の降水を水に換算した量)を求めることが可能である。
また、降雨、降雪、霧、霰等の測定対象空間について上記により被測定物の種類を識別し、立体計測によって被測定物の種類毎に作成された視程回帰曲線へ上記により算出された総計パワースペクトルのうちの1つの総計パワースペクトルを代入することにより、視程計測も可能とするものである。なお、当該立体計測については、実施例2で詳述する。
なお、画像解析装置3で二次元画像の画像処理を行い、解析されて得られた気象や視程等の情報は、適宜、その利用目的に従って各種の利用施設6に供される。例えば、画像解析装置3で得られた気象や視程等の情報は、気象測定装置1の利用会社の管理事務所5へ発信され、さらに利用施設6等に送られ、各種の利用目的に沿って利用される。例えば、路側放送を通じて車輌ドライバーへ提供され、或いは道路情報掲示板等に表示される。
或いは、画像解析装置3で得られた気象や視程等の情報は、管理事務所5を介しまたは直接、インターネット等の通信回線7を経て、利用施設6、一般のユーザ8等に提供される。また、画像解析装置3で得られた気象や視程等の情報は、入出力装置9(キーボード、表示装置等)における表示装置等に出力して、適宜表示可能である。
(センサ装置の原理)
本発明の特長とするセンサ装置2の原理をまず説明する。本発明のセンサ装置2は、基本的には、測定対象空間に波長の異なる複数の光を照射し、測定対象空間に存在する雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物からの反射光によって、偏光角が異なる複数の偏光フィルタを装着した複数の分光カメラで被測定物を撮像して二次元画像を得るものである。
センサ装置2で得られた二次元画像は、画像解析装置3に伝送され、画像解析装置3は、異なる波長の光と異なる偏光角のフィルタが組み合わされて複数の分光カメラで撮像された複数の分光画像情報をそれぞれフーリエ変換して得られる複数の総計パワースペクトルに基づき、統計的分類手段(具体的には実施例で後記するが、統計的分類手法として周知なマハラノビス汎距離法)により、雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物の種類を識別するとともに、さらに前記それぞれフーリエ変換して得られる複数の総計パワースペクトルの平均値に基づいて、識別された被測定物の降水量を求めることが可能である。
また、画像解析装置3では、降雨、降雪、霧、霰等の測定対象空間について立体計測(実施例2参照)によって被測定物の種類毎に作成された視程回帰曲線へ上記により得られた複数の総計パワースペクトルのうちの1つの総計パワースペクトルを代入することにより、視程計測も可能とするものである。
このようなセンサ装置2において、本発明の第1の特長は、照射する光は、近赤外線域の波長を有する近赤外線とすることである。一般的に、光は、雨の水滴、雪の粒子(雪の結晶が集まった粒)、霧の粒子、霰の粒子等に照射されると、反射され、また、照射された光の一部が吸収(吸光)されるとともに、水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の種類、または水滴の直径、雪の粒径、霧の粒径、霰の粒径等に応じて反射率が変化することが知られている。
しかしながら、通常の可視光であると、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等に照射すると乱反射や散乱が生じ、照射した光の反射光の二次元画像を分光カメラによって明瞭に撮像できないという問題がある。
本発明者は、この問題を解決すべく鋭意研究開発をした結果、近赤外線は、通常の可視光に較べて、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子に照射されると吸光されやすい(吸光率が大きく)、吸光特性が優れているという新規な知見を得た。この知見に着目し、近赤外線を水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子に照射し、その反射光を分光カメラで撮像して、波長が異なる複数の分光画像情報を二次元画像情報として取得するという手段を想到した。
このような手段を採用すると、近赤外線を水滴、雪、霧、霰等に照射した場合に、乱反射や散乱が少なく、しかも、水滴、雪、霧、霰等の種類や、それらの径の大小に応じて吸光状態の差が顕著に表れるので、波長が異なる複数の分光画像情報によって、水滴、雪、霧、霰等の径の大小や量に応じた特徴がより明瞭となる二次元画像を分光カメラで撮像することが可能となる。
さらに、波長が異なる複数の近赤外線を使用すると、測定対象空間の被測定物の種類や状況に応じて、その特徴をより明瞭に表す二次元画像を撮像することが可能となる。
近赤外線域の波長の光でも、波長の長短による吸光されやすさ(吸光率)は、波長が長い場合の方が短い場合に較べて大きい。よって反射光の輝度レベルが低くなり、撮像された二次元画像は暗くなる。測定対象空間における水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物の種類や状況に応じて、その特徴を明瞭に表す適当な波長の長短による吸光されやすさ(吸光率)が異なる。
二次元画像を撮像する上で、場合によっては、波長が比較的長くて吸光されやすい方が有利となり、波長が比較的短くて吸光されにくい方が有利となる。例えば、波長が短い場合は、特に雪等で光の散乱が大きくなるので、そのような場合は、波長が比較的長くて吸光されやすい近赤外線域の波長の光を利用して散乱を減じればよい。本発明で使用される複数の分光カメラは、それぞれ互いに異なる波長の光のうち、所定の波長の光に対して受光の感度がよいという、波長選択性を有する分光カメラである。
本発明の第2の特長は、センサ装置2において、分光カメラに複数の偏光フィルタを装着し、偏光フィルタを通して測定対象空間からの近赤外線の反射光を受光し、測定対象空間における被測定物について波長が異なる複数の分光画像情報と偏光角が異なる複数の偏光画像情報からなる二次元画像を撮像する構成とすることである。
本発明者は、測定対象空間における被測定物から反射して分光カメラに入射する近赤外線の強度は、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物の種類や状況と、分光カメラに装着される偏光フィルタの偏光角で制御される偏光方向との間に、一定の対応関係があるという新規な知見を得た。
即ち、分光カメラに所定の偏光角を有する偏光フィルタを装着した場合、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物から反射された近赤外線のうち、雨の水滴から反射された近赤外線は通過するが、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等から反射された近赤外線は通過しにくい、或いは通過しないという光学的な現象が生じる。
要するに、分光カメラに偏光フィルタを装着すると、その偏光角による偏光特性に応じて、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物から反射した近赤外線を選択的に通過させる、通過選択性が生じるということである。
これは、近赤外線が、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物で反射されると、それぞれ特有の偏光角を有する偏光特性が生じるということに起因するものと考えられる。この新規な知見に基づき、分光カメラに所定の偏光角を有する偏光フィルタを装着することで、測定対象空間に存在する被測定物の種類が雨、雪、霰、霙、雹、霧等のいずれかであるかを識別し、さらにそれらの降水量を得ることができる。
前記第1の特長である、近赤外線域の波長の光で、波長の異なる複数の光を照射し、加えて、それぞれの波長について、第2の特長である偏光角が異なる複数の偏光フィルタを装着した複数の分光カメラで撮像することにより、測定対象空間の被測定物の種類や状況等に応じた特徴がより明瞭となる二次元画像を撮像することができる。
例えば、波長が異なる2種類の近赤外線を測定対象空間に照射し、測定対象空間における雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物からの反射光を、偏光角が異なる2種類の偏光フィルタを装着した計4台の分光カメラで受光することにより、測定対象空間の被測定物について、異なる分光画像情報と異なる偏光画像情報から成る4つの二次元画像を撮像する。
このような測定対象空間における水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物の種類や状況に応じて変化する分光特性や偏光特性の違いによって生じる撮像された二次元画像の輝度レベルの高低や輝度レベルの分散状況、濃淡の粗密度等の違いによって、水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物の種類を識別し、それらの降水量を得ることが可能となる。
以上の第1の特長及び第2の特長のとおり、本発明のセンサ装置では、光源として、近赤外線であって互いに異なる波長を照射する複数(m個)の光源が設けられており、偏光フィルタとして、互いに偏光角が異なる複数(n種)の偏光フィルタが設けられており、分光カメラとして、波長選択性を有する複数(m×n個)の分光カメラが設けられており、所定の波長選択性(所定の波長の光に対して受光感度が良い特性)を有する複数の分光カメラは、それぞれ偏光角が異なる偏光フィルタが装着されており、別の波長選択性(別の波長の光に対して受光感度が良い特性)を有する複数の分光カメラは、それぞれ前記同様の偏光角が異なるフィルタが装着されている。なお、上記m、nは自然数である。
要するに、異なる複数の波長の光を照射し、それぞれの波長について、異なる複数の偏光角の偏光フィルタを装着した分光カメラを備えている。しかし、複数の波長の光、複数の偏光フィルタの組み合わせとして、後記する実施例1、図2等では、波長の異なる2種類の近赤外線と、該偏光角が異なる2種類の偏光フィルタを装着した4台の分光カメラを使用する構成について具体的に説明する。
本発明の第3の特長は、本発明のセンサ装置2において、近赤外線及び偏光フィルタを使用し、測定対象空間に存在する被測定物について、分光カメラで二次元画像を撮像し、この二次元画像により測定対象空間に存在する雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の被測定物の種類を識別し、降雨量、降雪量、霧の濃度、霰の量、視程等を算出する構成とすることである。
その具体的な構成については、後記する実施例で説明するが、センサ装置2において、複数の異なる波長の光と複数の異なる偏光角の偏光フィルタが装着された分光カメラの組み合わせで撮像された複数の二次元画像は、それぞれ互いに異なる分光画像情報と偏光画像情報が盛り込まれている。
このような複数の二次元画像の解析領域は、それぞれ画像解析装置3においてそれぞれフーリエ変換して総計パワースペクトル(パワースペクトルの総和)を得て、それらの複数の総計パワースペクトルを、統計的分類手段により、予め作成された被測定物の種類識別用教師データと比較し、雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物の種類を識別し、さらに複数の総計パワースペクトルの平均値に基づいて、予め作成された降水量算出用教師データの被測定物の種類毎の降水量回帰曲線を利用して、当該種類の被測定物の降水量を算出可能とする。
降雨、降雪、霧、霰等の測定対象空間について立体計測(実施例2参照)により得た視程算出用教師データの被測定物の種類毎に作成された視程回帰曲線へ上記により得られた複数の総計パワースペクトルのうちの1つの総計パワースペクトルを代入することにより、視程計測も可能とするものである。
本発明に係る気象測定装置の実施例1を、図1に加えて、図2〜5において説明する。この実施例1の気象測定装置1は、図1に示したとおり、センサ装置2と画像解析装置3とを備えている。センサ装置2と画像解析装置3との間では、周知の伝送手段4によって情報伝送が行われるように構成されている。
そして、気象測定装置1は、雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物の二次元画像をセンサ装置2によって撮像し、この二次元画像に基づいて画像解析装置3で被測定物の種類が雨、雪、霰、霙、雹、霧等のいずれであるかを識別した後、さらに雨、雪、霰、霙、雹、霧等の降水量を求めるものである。センサ装置2と画像解析装置3を中心に以下、その具体的な構成について説明する。
(センサ装置の構成)
実施例1の気象測定装置1におけるセンサ装置2は、図2に示すように、第1の光源11、第1の分光カメラ13及び第2の分光カメラ14と、第2の光源12、第3の分光カメラ15及び第4の分光カメラ16と、制御・通信機器17とを備えている。
センサ装置2には、測定対象空間18(正確には測定対象空間18の1点P)からほぼ等距離となるように、第1の光源11、第1の分光カメラ13及び第2の分光カメラ14と、第2の光源12、第3の分光カメラ15及び第4の分光カメラ16と、が配設されている。
なお、上記「ほぼ等距離」について補足すると、原理を説明する上で、図2でも2つの光源11、12及び4つの分光カメラ13〜15を湾曲線上に並び、等距離なるように記載したが、実際は、測定対象空間18に向けて横方向或いは縦方向に直線状に並べて配設されたものでもよい。
第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16は、いずれもCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)を利用する。その理由は、通常のCCDイメージセンサ (Charge Coupled Device Image Sensor)を利用したカメラは、波長域が900nm付近の光についての感度が限界であり、これに対して、CMOSイメージセンサを利用したカメラは、近赤外の波長域の光についての感度が良いことによる。
第1の光源11と第2の光源12は、互いに異なる第1の波長λ1と第2の波長λ2の近赤外線域の光を発光するもので、例えば、LEDランプを使用する。
第1、2の分光カメラ13、14と第3、4の分光カメラ15、16は、近赤外線域内の互いに異なる波長λ1と波長λ2についての波長選択性を有する。
第1の光源11から波長λ1の近赤外線を測定対象空間18に向けて照射し、測定対象空間18における被測定物19からの反射光を第1の分光カメラ13及び第2の分光カメラ14で受光して、それぞれ二次元画像を撮像する。
また、第2の光源12から波長λ2の近赤外線を測定対象空間18に向けて照射し、測定対象空間18における被測定物19からの反射光を第3の分光カメラ15及び第4の分光カメラ16で受光して、それぞれ二次元画像を撮像する。
第1の分光カメラ13及び第3の分光カメラ15は、第1の偏光角θ1を有する第1の種類の偏光フィルタ21(「第1の偏光フィルタ21」という)を装着している。第2の分光カメラ14及び第4の分光カメラ16は、第2の偏光角θ2を有する第2の種類の偏光フィルタ22(「第2の偏光フィルタ22」という)を装着している。
第1の偏光角θ1と第2の偏光角θ2は、互いに異なる直線偏光の偏光角である。即ち、第1の偏光フィルタ21及び第2の偏光フィルタ22は、それぞれ第1の偏光角θ1及び第2の偏光角θ2の角度方向に近赤外線を直線偏光するフィルタである。
従って、第1の分光カメラ13は、第1の偏光フィルタ21が装着され、第1の波長λ1で偏光角θ1の近赤外線を受光して撮像し、第2の分光カメラ14は、第2の偏光フィルタ22が装着され、第1の波長λ1で偏光角θ2の近赤外線を受光して撮像し、第3の分光カメラ15は、第1の偏光フィルタ21が装着され、第2の波長λ2で偏光角θ1の近赤外線を受光して撮像し、第4の分光カメラ16は、第2の偏光フィルタ22が装着され、波長λ2で偏光角θ2の近赤外線を受光して撮像する。
制御・通信機器17は、第1、2の光源11、12及び第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16のそれぞれに接続されており、第1、2の光源11、12及び第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16の動作を制御するとともに、第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16がそれぞれ撮像した二次元画像を伝送手段4を介して画像解析装置3に伝送する。
センサ装置2は、画像解析装置3からの遠隔操作制御信号を伝送手段4を介して受信して、第1、2の光源11、12及び第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16の動作を、制御・通信機器17で制御するような構成とする。
しかし、センサ装置2に、光源11、12を発光動作するための操作スイッチ及び分光カメラ13〜16を動作する操作スイッチ等(図示せず)を付設する構成とし、この操作スイッチ等を観測箇所において操作することにより、制御・通信機器17で制御して、光源11、12及び分光カメラ13〜16を動作させるような構成としてもよい。
(画像解析装置)
画像解析装置3は、図3に示すように、CPU25、メモリ26、記憶部27、バス(データ、アドレス)28、入出力インターフェース部29、及び通信インターフェース部30を備えた通常のコンピュータが使用される。
そして、画像解析装置3は、センサ装置2で撮像した二次元画像を入出力インターフェース部29(または通信インターフェース部30)を介して入力し、この二次元画像を、記憶部27に記憶搭載された専用の制御・画像解析プログラムに従って動作するCPU25によって、画像処理し、解析することにより、測定対象空間18の被測定物19の種類、被測定物19の降水量、視程(視程については実施例2参照)等を算出する装置である。
図4は、画像解析装置3において、専用の制御・画像解析プログラムに従ってCPU25が動作して機能する手段(CPU機能手段)の機能ブロック図を示す。画像解析装置3は、図4の機能ブロック図に示すように、被測定物種類識別手段31と、被測定物量算出手段34と、視程算出手段40とを備えている。
被測定物種類識別手段31は、異なる波長の近赤外線を照射し、且つ異なる偏光角を有する偏光フィルタを通して得られた二次元画像情報に基づき、統計的分類手段(手法)により、被測定物19の種類(雨、雪、霰、霙、雹、霧等)を識別する機能を有するものであり、フーリエ変換部32と被測定物識別部33とを備えている。
なお、被測定物種類識別手段31に種類識別用教師データ作成部37を設け、後記する被測定物の種類識別用教師データを予め作成する機能を備えるようにしてもよい。但し、このような種類識別用教師データ作成部37は、予め種類識別用教師データを作成し、本発明に係る気象測定装置を一般の利用事業者に提供する気象測定装置の開発事業者の画像解析装置3が備えていればよいのであり、一般の利用事業者の画像解析装置3は、提供者から受けた種類識別用教師データを記憶部27に記憶しておき利用すればよいのであって、必ずしも必要ではない。
フーリエ変換部32は、第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16で撮像した4つの二次元画像の解析領域について、それぞれ二次元離散フーリエ変換を適用してフーリエパワースペクトル画像情報を得るとともに、総計パワースペクトル(パワースペクトルの総和)を算出する。要するに、4つの二次元画像の解析領域にそれぞれ対応した4つの総計パワースペクトルを算出する機能を有する。
被測定物識別部33は、4つの総計パワースペクトルに基づき、予め種類識別用教師データ作成部37で作成され記憶部27に記憶されている種類識別用教師データを基に、統計的分類手段(手法)により、測定対象空間18における被測定物19について、雨の水滴、雪の粒子、霧の粒子、霰の粒子等の種類を識別する機能を有する。
被測定物量算出手段34は、パワースペクトル平均処理部35と被測定物降水量算出部36とを備えている。パワースペクトル平均処理部35は、上記4つの総計パワースペクトルの平均値(平均総計パワースペクトル)を算出する機能を有する。
なお、被測定物量算出手段34に降水量算出用教師データ作成部38を設け、後記する被測定物の降水量算出用教師データを予め作成する機能を備えるようにしてもよい。但し、このような降水量算出用教師データは、予め降水量算出用教師データを作成する気象測定装置の開発事業者の画像解析装置3が備えていればよいのであり、一般の利用事業者の画像解析装置3は、提供者から受けた降水量算出用教師データを記憶部27に記憶しておき利用すればよいのであって、必ずしも必要ではない。
被測定物降水量算出部36は、平均総計パワースペクトルを、予め降水量算出用教師データ作成部38で作成された降水量算出用教師データの被測定物の種類毎の降水量回帰曲線へ代入することにより降水量を算出し、センサ装置2で経時的に撮像し、画像解析装置3に伝送される二次元画像の解析領域を上記のとおり解析、処理することで、経時変化する降水量の情報(経時的降水量情報)を逐次出力する機能を有する。
ところで、上記特長を有する本発明のセンサ装置2により雨、雪、霰、霙、雹、霧等の被測定物を撮像し、画像解析装置3のフーリエ変換部32でフーリエ変換すると、被測定物特有のフーリエパワースペクトル画像情報(二次元画像の解析領域をフーリエ変換して得られる画像)が得られる。
このような被測定物特有の4つのフーリエパワースペクトル画像情報から算出される総計パワースペクトルの並び(総計パワースペクトルの「パターン」とも言う。)を被測定物の種類毎に被測定物の色々な状況について多数記録した被測定物の種類識別用教師データとして、種類識別用教師データ作成部37において予め作成し(又は開発事業者の作成したものを)、記憶部27に記憶しておく。ここで、「総計パワースペクトルの並び」とは、単に4つ総計パワースペクトルを順番に記録したものであり、この多数の並びから被測定物の種類毎のχ二乗分布を求める。
そして、実際に測定対象空間の被測定物を撮像して得られる4つのフーリエパワースペクトル画像情報から算出した総計パワースペクトルの並び(パターン)を当該被測定物の種類識別用教師データと統計的分類手段(手法)により比較して被測定物の種類を識別するとともに、当該4つの総計パワースペクトルの平均値である平均総計パワースペクトルを求めることにより降水量の算出を可能とする。
なお、降水量は、後記するが、平均総計パワースペクトルに基づいて、予め降水量算出用教師データ作成部38で作成され記憶部27に記憶された降水量算出用教師データの被測定物の種類毎の降水量回帰曲線に当該平均総計パワースペクトルを代入して得るので、厳密には「算出」するのではなく、「推定」するのであるが、本発明、本明細書及び図面では、「算出」という用語を使用する。
例えば、雨の場合は、波長λ2より波長λ1の近赤外線の方がより吸光率が大きく、偏光角θ2より偏光角θ1の偏光フィルタの方が光を通し易いと仮定した場合は、第1の分光カメラ13で撮像した二次元画像の解析領域について二次元離散フーリエ変換を適用した場合は、総計パワースペクトルが大きいフーリエパワースペクトル画像情報が得られ、第3の分光カメラ15で撮像した二次元画像の解析領域について二次元離散フーリエ変換を適用した場合は、総計パワースペクトルが小さいフーリエパワースペクトル画像情報が得られる。
しかしながら、第2の分光カメラ14及び第4の分光カメラ16では、偏光角θ2の偏光フィルタを光が通りにくいために、ほとんど二次元画像を撮像することができないので、それぞれ総計パワースペクトルがきわめて小さいフーリエパワースペクトル画像情報が得られる。
このようにして、雨の場合は、第1の分光カメラ13で撮像した二次元画像では総計パワースペクトルが大きなフーリエパワースペクトル画像情報となり、第3の分光カメラ15で撮像した二次元画像では総計パワースペクトルが小さなフーリエパワースペクトル画像情報となり、第2の分光カメラ14及び第4の分光カメラ16で撮像した二次元画像ではほとんど総計パワースペクトルがないフーリエパワースペクトル画像情報となる組み合わせの雨特有の種類識別用パターン(雨パターン)が予め得られる。
また、雪の場合は、波長λ1より波長λ2の近赤外線の方がより吸光率が大きく、偏光角θ1より偏光角θ2の偏光フィルタの方が光を通し易いと仮定した場合は、第4の分光カメラ16で撮像した二次元画像では、総計パワースペクトルの大きいフーリエパワースペクトル画像情報が得られ、第2の分光カメラ14で撮像した二次元画像では、総計パワースペクトルの小さいフーリエパワースペクトル画像情報が得られる。
しかしながら、第1の分光カメラ13及び第3の分光カメラ15では、偏光角θ1の偏光フィルタを光が通りにくいために、ほとんど二次元画像が撮像できないので、総計パワースペクトルがきわめて小さいフーリエパワースペクトル画像情報が得られる。
このようにして、雪の場合は、第4の分光カメラ16で撮像した二次元画像では大きな総計パワースペクトルを有するフーリエパワースペクトル画像情報となり、第2の分光カメラ14で撮像した二次元画像では小さな総計パワースペクトルを有するフーリエパワースペクトル画像情報となり、第1の分光カメラ13及び第3の分光カメラ15で撮像した二次元画像ではほとんど総計パワースペクトルがないフーリエパワースペクトル画像情報となる組み合わせの雪特有のパターン(雪パターン)が予め得られる。
以上のとおり、雨、雪等の気象現象に特有のパターンを予め教師データとして得て記憶部に記憶させておき、この教師データにより、被測定物の実際の計測データを統計手段(手法)で処理して、被測定物の種類や降水量が算出される。以下、予め作成する教師データについて具体的に説明する。
(教師データ)
センサ装置2で撮像した、異なる波長及び異なる偏光角の組み合わせの4つの二次元画像の解析領域を、画像解析装置3においてフーリエ変換して得たフーリエパワースペクトル画像情報から総計パワースペクトルを得て、この総計パワースペクトルを、統計的分類手段(手法)を利用して、予め作成された種類識別用教師データと比較し、被測定物の種類を識別し、さらに平均総計パワースペクトルに基づき、予め降水量算出用教師データ作成部38で作成された降水量算出用教師データにより被測定物の降水量を算出することができる。
種類識別用教師データ及び降水量算出用教師データは、被測定物の種類(雨、雪、霰、霙、雹、霧等)毎に予め、種類識別用教師データ作成部37及び降水量算出用教師データ作成部38で作成する。被測定物の種類の分類について、被測定物の種類を降水現象という観点から、参考のために、降水現象の系統的分類を図5に示しておく。被測定物の種類の分類は、使用目的に応じて、例えば、図5中の詳細分類を使用するか、または簡略分類を使用するか、適宜、設定すればよい。
教師データの作成においては、貯水型雨量計や転倒枡型雨量計等を使用して気象業法に規定されている方法で、実際の降水現象における降水量を計測する(実際の気象観測によって計測する)。計測された降水量を計測に要した時間で除して、単位時降水量fを取得しておく。
このような教師データの作成の際に、上記降水量の計測と同時に、本発明に係る気象測定装置1により、種類別の降水現象の二次元画像を撮像する。即ち、測定対象空間18における被測定物19の種類毎に、センサ装置2で、第1の光源11から第1の波長λ1を照射して第1の分光カメラ13及び第2の分光カメラ14で撮像した2つの二次元画像を取得し、この2つの二次元画像の解析領域を画像解析装置3のフーリエ変換部32により、それぞれ二次元離散フーリエ変換を適用して、2つのフーリエパワースペクトル画像情報を得て、これを基に、2つの総計パワースペクトル(パワースペクトルの総和)を算出しておく。
同様に、同一の測定対象空間18における被測定物19について、第2の光源12から第2の波長λ2を照射して第3の分光カメラ15及び第4の分光カメラ16で撮像した際の2つの二次元画像の解析領域について、それぞれ画像解析装置3において、二次元離散フーリエ変換を適用して、2つのフーリエパワースペクトル画像情報を得て、これを基に、2つの総計パワースペクトル(パワースペクトルの総和)を算出しておく。
このようにして、被測定物19の種類毎に、異なる波長及び異なる偏光角の組み合わせ毎の総計パワースペクトルが4つ得られる。さらに、被測定物量算出手段34のパワースペクトル平均処理部35で4つの総計パワースペクトルの平均値である平均総計パワースペクトルを算出する。
以上整理すると、被測定物の種類kn(但しnは種類番号1、2、3………とする。)毎に、次の(1)〜(3)が得られ、これらの被測定物の種類毎のデータを、二次元画像情報として記憶部27に記憶させておく。但し「kn」のmは、被測定物の種類毎の母集団を構成する標本が複数あることを表す。
(1)4つの総計パワースペクトルRn1、Rn2、Rn3、Rn4
Rn1は、波長λ1、偏光角θ1で撮像された二次元画像の解析領域の総計パワースペクトル。
Rn2は、波長λ1、偏光角θ2で撮像された二次元画像の解析領域の総計パワースペクトル。
Rn3は、波長λ2、偏光角θ1で撮像された二次元画像の解析領域の総計パワースペクトル。
Rn4は、波長λ2、偏光角θ2で撮像された二次元画像の解析領域の総計パワースペクトル。
(2)平均総計パワースペクトルrn
Rn1、Rn2、Rn3、Rn4の平均値
(3)単位時降水量fn
貯水型雨量計や転倒枡型雨量計等を使用して気象業法に規定されている方法で計測された、実際の降水現象における降水量を計測に要した時間で除した単位時間当たりの降水量
k1 R11、R12、R13、R14
k1 R11、R12、R13、R14
k1 R11、R12、R13、R14
… … … … …
… … … … …
k2 R21、R22、R23、R24
… … … … …
… … … … …
上記母集団において、母集団を構成する各標本が自己の母集団へ属する確率を算出し、予め定めた確率よりも低い場合は母集団から除外する操作を繰り返して種類識別用教師データを作成する。上記除外されたデータは、上記二次元画像情報からも除外する。
以上のとおり得られた雨特有のパターン、雪特有のパターン等の被測定物の種類特有のパターンの統計的分布とする母集団が種類識別用教師データとして記憶部27に記憶されており、これら被測定物の種類特有のパターンの統計的分布と、被測定物種類識別手段31から入力された4つのフーリエパワースペクトル画像情報を含む測定して得られたパターン(測定パターン)とを統計的分類手段(手法)によって比較分類することにより、測定対象空間18における被測定物19の種類(雨、雪、霰、霙、雹、霧等)を高精度に識別する。
即ち、測定パターンが、雨特有のパターンの統計的分布の中に含まれると判定されれば雨であると識別され、雪特有のパターンの統計的分布の中に含まれると判定されれば雪であると識別される。そして被測定物種類識別手段31は、これらの種類識別結果を、入出力インターフェース部29及び被測定物降水量算出部36にそれぞれ出力する構成とされている。
記憶部27に記憶されている平均総計パワースペクトルrnと前記実際の降水現象における降水量のデータに基づいて、被測定物の種類毎に、平均総計パワースペクトルrnと単位時降水量fとの相関について、二次または三次の放物線への降水量回帰曲線が作成され、記憶部27に記憶されて降水量算出用教師データとして活用される。
(作用)
以上の構成からなる本発明の気象測定装置1を利用し、被測定空間における被測定物を測定して種類を識別し、降水量を算出する場合は、次のようなプロセスで行う。図2に示すセンサ装置2を使用して、その第1の分光カメラ13〜第4の分光カメラ16で、それぞれ、2つの波長λ1、λ2のいずれかと2つの偏光フィルタのいずれかを組み合わせた条件で、撮像した合計4つ二次元画像を得る。
この4つ二次元画像は、画像解析装置3に伝送され、被測定物種類識別手段31のフーリエ変換部32において、それぞれ二次元離散フーリエ変換を適用して、4つのフーリエパワースペクトル画像情報を得て、さらに、これらフーリエパワースペクトル画像情報に基づき4つの総計パワースペクトルを算出する。
4つの総計パワースペクトルは、被測定物識別部33に送られ、記憶部27に記憶された種類識別用教師データにより、統計的分類手段、具体的には、周知であるマハラノビス汎距離法(標本データと分類クラスの特徴との類似度を特徴空間における距離で表し、その距離の最も短いクラスに標本データを分類する方法)による手段を使用して、被測定物の種類を識別する。
そして、被測定物の種類の情報は、被測定物識別部33から被測定物量算出手段34の被測定物降水量算出部36に送られ、予め被測定物の種類毎に作成され記憶部27に記憶されている、当該種類の降水量回帰曲線を特定する。
一方、4つの総計パワースペクトルは、被測定物量算出手段34のパワースペクトル平均処理部35に送られ、そこで平均総計パワースペクトルを算出する。平均総計パワースペクトルは、被測定物降水量算出部36に送られ、そこで当該種類の降水量回帰曲線へ代入することによって降水量を算出し、経時変化する降水量の情報を出力する機能を有する。
測定した被測定物種類識別手段31で得られた被測定物19の種類と、被測定物量算出手段34で算出された被測定物19の降水量に関する情報は、図3に示すように、入出力インターフェース部29または通信インターフェース部30に送られ、さらに入出力装置9における表示装置に出力されて表示されたり、気象測定装置1の利用会社の管理事務所5へ伝送され、管理事務所5を介して、またインターネット等の通信回線7を介して、利用施設6、ユーザ8等の利用に供することが可能となる。
(視程計測)
原理・全体構成:
本発明に係る気象測定装置は、画像解析装置3に備えられている視程算出手段40を利用して、視程を算出する視程計として用いることが可能である。
本発明では、視程は、後記するが、視程算出用教師データを作成する際に使用した波長及び偏光角に該当する総計パワースペクトルに基づいて、予め記憶部27に記憶された視程算出用教師データの被測定物の種類毎の視程回帰曲線に当該総計パワースペクトルを代入して得るので、厳密には「算出」するのではなく、「推定」するのであるが、本発明、本明細書及び図面では、「算出」という用語を使用する。また、視程を計るという意味で視程計測という用語も使用する。
本発明に係る気象測定装置の画像解析装置3を利用して視程計に適用する場合について実施例2として以下、説明する。視程計に適用ために、分光カメラを使用した構成により、視程算出用教師データとして被測定物の種類毎の視程回帰曲線を予め作成する。この視程算出用教師データの作成のために、図6に示す立体計測装置(以下、「視程用の立体計測装置」という)50と、図7に示す視程算出用教師データ作成機能を備えた画像解析装置3’(通常は開発事業者が備えている)とを必要とする。
視程算出用教師データ作成機能を備えた画像解析装置3’では、入出力インターフェース部29に、視程用の立体計測装置50における同じ偏光角度の偏光フィルタが装着された第1のカメラ51、第2のカメラ52及び入出力装置9(キーボード、表示装置等)が接続されている。
図7は、コンピュータに搭載された専用の視程算出用教師データ作成用プログラムに従って、CPU41が動作して機能する手段(CPU機能手段)の機能ブロック図を示す。この視程算出用教師データ作成機能を備えた画像解析装置3’は、図7に示すように、フーリエ変換部32と、パワースペクトル平均処理部35と、視程算出用教師データ作成手段42とを備えている。
視程用の立体計測装置50は、図6に示すように、立体計測の原理に基づくものであり、近赤外線の波長を照射する光源(図示せず)と、同じ偏光角を有する偏光フィルタが装着された2台の分光カメラ(第1のカメラ51、第2のカメラ52)を備えている。
そして、一般の利用事業者(視程用の立体計測装置50や教師データ作成に特化した画像解析装置3’を必ずしも備えていないが、少なくとも気象測定装置3は備えている事業者。)における実際の視程の算出に先立って、予め画像解析装置3、3’の記憶部27に記憶される視程回帰曲線を作成するために、視程用の立体計測装置50によって、被測定物の種類毎に被測定物の色々な状況に応じて多数の測定対象空間について奥行き距離を計測する。この計測で得られた奥行き距離と、2台の分光カメラ51、52で撮像された二次元画像の解析領域に基づいて、視程算出用教師データ作成手段42を備えた画像解析装置3’で視程回帰曲線からなる視程算出用教師データが作成され、被測定物の種類とともに記憶部27に記憶される。
被測定物の種類については、視程用の立体計測装置50によって計測する際に、予め計測者が気象状態を観察して被測定物の種類を決め、図7に示すキーボード等により入力し、記憶部27に記憶させる。
なお、この実施例2では、立体計測の原理等を分かり易く説明する都合上、2台の分光カメラ51、52として以下に説明するが、実施例1に示すセンサ装置2を利用して、2台の分光カメラ51、52に替えて、同じ偏光角を有する偏光フィルタが装着された2台のセンサ装置2、2を利用する構成とすれば、より精度良く視程算出用教師データを作成することが可能となる。
2台の分光カメラ51、52は、実施例1で説明したものと同じCMOS分光カメラであり、第1の分光カメラ51は固定状態とし、第2の分光カメラ52はパルスモータやステッピングモータ等を用いて直線ガイドステージ(図示せず)上を直線軌跡53に沿って駆動可能な構成とする。
第1の分光カメラ51は、基準とする測定対象空間における第1の被写体54と測定対象である測定対象空間における第2の被写体55を通過する直線56に光軸を合わせて直線ガイドステージ上へセットする。この時の直線軌跡53と直線56との挟角を角αとする。第1の被写体54及び第2の被写体55は、明瞭に視準することができる道路用ポール等の実体物とするが、二次元画像の撮像においては、画像解析の妨げにならないように、解析領域から外して撮像するものとする。
第2の分光カメラ52は、第1の被写体54から第2の分光カメラ52に延びる直線57と直線軌跡53とのなす挟角が角αに等しくなる位置で、直線57に光軸を合わせて直線ガイドステージ上へセットする。この時の第2の分光カメラ52の位置を基準位置M1とする。
第2の分光カメラ52は、光軸の角度を上記角αに固定したまま、予め設定しておいた移動ステップにてパルスモータやステッピングモータ等を駆動し、直線ガイドステージ上を直線軌跡53に沿って基準位置M1から順次移動する。なお、分光カメラを移動する方法については、分光カメラ2台をある間隔で設置し、それぞれの分光カメラを回転させることによっても立体視が可能である。
第2の分光カメラ52の光軸が、第2の被写体55から第2の分光カメラ52に延びる直線58と一致するまで移動した時の第2の分光カメラ52の位置を第2の位置M2とする。
ここで、第1の分光カメラ51から第1の被写体54と直線軌跡53が直交する点までの距離をx1とし、第1の分光カメラ51から第2の被写体55と直線軌跡53が直交する点までの距離をx2とする。直線軌跡53から第1の被写体54までの距離y1と直線軌跡53から第2の被写体55までの距離y2の差である奥行き距離は、次の式で算出される。
y1=x1×tanα
y2=x2×tanα
奥行き距離=y2−y1
このようにして、奥行き方向に距離の異なる被写体の奥行き距離を算出することが可能となる。なお、角αは、第1の分光カメラ51の位置と被写体を結ぶ直線と直線軌跡53との挟角であるから、対象とする被写体の方向に対応して適宜変化することになる。
第1の分光カメラ51及び第2の分光カメラ52が同時に、第2の被写体55の二次元画像を明瞭に撮像することができる最長の奥行き距離となる位置において、測定対象空間を2つの分光カメラ51、52でそれぞれ撮像した二次元画像の解析領域から、図7に示すように、フーリエ変換部32で得られたフーリエパワースペクトル画像情報から算出した2つの総計パワースペクトルを、パワースペクトル平均処理部35で平均し、平均総計パワースペクトルを算出する。
視程用の立体計測装置50において、上記立体計測の原理にしたがって算出された上記最長となる奥行き距離と、その時点に第1の分光カメラ51と第2の分光カメラ52によって撮像された測定対象空間の二次元画像の解析領域に基づいてそれぞれ算出された総計パワースペクトルの平均値である上記平均総計パワースペクトルは、逐次、記憶部27に記憶される。
そして、視程算出用教師データ作成手段42は、記憶部27に記憶された、上記最長となる奥行き距離と、上記平均総計パワースペクトルとを関係付けた視程回帰曲線を視程算出用教師データとして作成し、記憶部27に記憶する。
この視程算出用教師データは、開発事業者から、一般の利用事業者にインターネット等の通信回線等を介して提供され、それぞれの画像解析装置3の記憶部27に記憶される。なお、視程算出用教師データ作成手段42を備えた一般の利用事業者の画像解析装置3では、視程算出用教師データをその記憶部27に記憶すればよい。
そして、一般の利用事業者の利用において実際の測定対象空間をセンサ装置2で撮像した複数の二次元画像の解析領域から算出した複数の総計パワースペクトルのうち、当該視程算出用教師データを作成する際に使用した波長及び偏光角に該当する総計パワースペクトルを当該視程回帰曲線へ代入することにより、センサ装置2を設置した周辺の視程をリアルタイムに算出することができる。
(教師データの作成及び視程算出の例)
教師データの作成:
降雨時の場合を例に挙げて以下に具体的に説明する。図6において、光源(図示せず)を近赤外線とし、第1の分光カメラ51及び第2の分光カメラ52には同じ偏光角の偏光フィルタを装着する。
第2の分光カメラ52を、光軸の角度を上記角αに固定したまま、直線ガイドステージ上を直線軌跡53に沿って、パルスモータやステッピングモータ等に予め設定しておいた移動ステップにて基準位置M1から移動し、移動ステップ毎に上記数式で奥行き距離を算出する。
上記と同時に、上記移動ステップ毎に、第1の分光カメラ51と第2の分光カメラ52の光軸の交点の測定対象空間を、第1の分光カメラ51と第2の分光カメラ52で撮像する。
奥行き距離が異なる場合、光源から照射された近赤外線域の波長の光が雨の水滴によって散乱吸収され、上記移動ステップ毎に撮像された第1の分光カメラ51と第2の分光カメラ52の光軸の交点付近の測定対象空間の二次元画像も異なり、撮像された二次元画像の解析領域について二次元離散フーリエ変換を適用して得られるフーリエパワースペクトル画像情報に基づいて算出される総計パワースペクトルも異なる。
第1の分光カメラ51及び第2の分光カメラ52が同時に、第2の被写体55の二次元画像を明瞭に撮像することができる最長の奥行き距離となる位置において、第1の分光カメラ51と第2の分光カメラ52で撮像した上記二次元画像が、それぞれ、図7に示す視程算出用教師データ作成機能を備えた画像解析装置3’に伝送されて、そのフーリエ変換部32によって、2つのフーリエパワースペクトル画像情報が得られ、さらにパワースペクトル平均処理部35によって平均総計パワースペクトルが算出される。この平均総計パワースペクトル及びその時点の奥行き距離は奥行き距離情報として記憶部27に記憶する。
次に、記憶部27に複数記憶された奥行き距離情報に基づいて、視程算出用教師データ作成手段42において、被測定物の種類毎に、平均パワースペクトルと奥行き距離との相関について、二次或いは三次の放物線とした視程回帰曲線を作成し、この視程回帰曲線を、視程教師データとして記憶部27に記憶しておく。
この視程算出用教師データは、前記したとおり開発事業者から、一般の利用事業者にインターネット等の通信回線等を介して提供され、一般の利用事業者の画像解析装置3の記憶部27に記憶される。なお、一般の利用事業者の画像解析装置3についても、視程算出用教師データ作成手段42を備えるようにしてもよいが、その場合は、画像解析装置3が作成した視程算出用教師データをそのまま記憶部27に記憶すればよい。
視程算出:
本発明に係る気象測定装置1で実際の視程算出は、次のように行う。図2に示す気象測定装置1によって、実際の測定対象空間について複数の二次元画像を撮像し、それらの解析領域から、実施例1で説明したように図4に示す被測定物種類識別手段31において、複数の総計パワースペクトルを算出し、これに基づき測定対象空間の被測定物の種類を識別する。
測定対象空間の被測定物の種類は、被測定物種類識別手段31から視程算出手段40に送られる。視程算出手段40は、予め視程算出用教師データとして作成され記憶部27に記憶されている当該種類の視程回帰曲線へ、撮像された複数の二次元画像の解析領域から算出した複数の総計パワースペクトルのうち、当該視程算出用教師データを作成する際に使用した波長及び偏光角に該当する総計パワースペクトルを代入し、視程を算出することができる。その算出された視程を入出力インターフェース部29または通信インターフェース部30を介して出力する。
以上、本発明に係る気象測定装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
なお、以上の本明細書では、色々な用語を記載しているので、ここで、下記のとおり用語の定義、意義等を整理、補足しておく。
(1)フーリエパワースペクトル画像情報
二次元画像の解析領域をフーリエ変換して得られる画像である。
(2)総計パワースペクトル
フーリエパワースペクトル画像情報から抽出したパワースペクトルの総和である。
(3)平均総計パワースペクトル
降水量算出の場合は、異なる波長および異なる偏光角による複数の総計パワースペクトルの平均値で、実際の降水量の算出に使用される。視程算出の場合は、同じ波長および同じ偏光角による2つの総計パワースペクトルの平均値で、視程回帰曲線の作成に使用される。
(4)二次元画像情報
分光画像情報と偏光画像情報からなる情報である。
(5)パターン
被測定物の種類の特徴をあらわす複数の総計パワースペクトルの並びである。
(6)種類識別用教師データ
被測定物の種類毎のパターンの集合を母集団とするデータ群である(母集団はχ二乗分布として表現される)。
(7)単位時降水量
ある瞬間の降水量である。
(8)降水量回帰曲線
平均総計パワースペクトルを代入して単位時降水量を算出するための曲線である。
(9)降水量算出用教師データ
被測定物の種類毎の降水量回帰曲線からなるデータである。
(10)視程回帰曲線
特定の(1種類の)波長および偏光角による総計パワースペクトルを代入して視程を算出するための曲線である(波長および偏光角は、立体計測により視程回帰曲線を作成した時に使用したセンサ装置または分光カメラの波長および偏光角と同じ)。
(11)視程算出用教師データ
被測定物の種類毎の視程回帰曲線からなるデータである。
(12)奥行き距離情報
平均総計パワースペクトルと奥行き距離からなる情報で、視程回帰曲線の作成に使用される。
(13)一般の利用事業者
視程用の立体計測装置や教師データ作成機能付きの画像解析装置は必ずしも有さないが、気象測定装置を備え、気象測定や視程計測を行う事業者である。
(14)開発事業者
視程用の立体計測装置、教師データ作成機能付きの画像解析装置、教師データ作成に特化した画像解析装置等を備え、種類識別用教師データ、降水量算出用教師データ、視程算出用教師データ等の作成等を行う事業者である。
(15)利用施設、ユーザ
気象測定装置で得られた被測定物の種類、降水量、視程等の最終的な算出データを気象測定装置から受けて、それぞれの目的に活用するエンドユーザである。
(16)管理事務所
気象測定装置を利用する会社の管理事務所であり、一般の利用事業者又は開発事業者となる場合もある。
本発明に係る気象測定装置は上記のような構成であり、降雨及び降雪の強度をパワースペクトルとして高い精度で測定するセンサであり、センサ設置箇所周辺における降雨量或いは降雪量を得ることができるから、例えば、道路の路面、空港の誘導路及び滑走路、山間部、スキー場のゲレンデ等のモニタリング装置として利用可能である。
具体的には、道路のモニタリング装置としての適用については、道路周辺における降雨、降雪、霧、霰等の量や視程を正確に把握することは、雨、雪、霰、霙、雹、霧等による視界不良に起因する交通障害や交通事故を抑制する対策として重要である。しかし、降雨量、降雪量、霧、霰の状況等を観測する機器は高価であるため、現状では十分な数量が設置されていない。本発明に係る気象測定装置は、低廉でありながら高い測定精度を有するので、道路の安全運行の支援のためにきわめて有用である。
また、スキー楊のゲレンデ等に設置することにより、降雪、霧、霰の状況、または視程確認等を、ゲレンデ管理棟から、通信による遠隔操作でリアルタイムに観測でき、スキー場の安全管理の支援に供することができる。
さらに、センサ装置を、普通乗用車の通常の運転席高さである地上高1.2m付近へ取り付けた場合は、運転者の視界における地吹雪等の強度も測定することができる。また、画像解析装置の専用ソフトを追加、交換することにより、多方面のニーズに幅広く対応することができる。
(実施例1)
1 気象測定装置
2 センサ装置
3 画像解析装置
3’ 視程算出用教師データ作成機能を備えた画像解析装置
4 伝送手段
5 管理事務所
6 利用施設
7 通信回線
8 一般ユーザ
9 入出力装置(キーボード、表示装置等)
11 第1の光源
12 第2の光源
13 第1の分光カメラ
14 第2の分光カメラ
15 第3の分光カメラ
16 第4の分光カメラ
17 制御・通信機器
18 測定対象空間
19 被測定物
21 第1の偏光フィルタ
22 第2の偏光フィルタ
25 CPU
26 メモリ
27 記憶部
28 バス(データ、アドレス)
29 入出力インターフェース部
30 通信インターフェース部
31 被測定物種類識別手段
32 フーリエ変換部
33 被測定物識別部
34 被測定物量算出手段
35 パワースペクトル平均処理部
36 被測定物降水量算出部
37 種類識別用教師データ作成部
38 降水量算出用教師データ作成部
40 視程算出手段
(実施例2)
41 CPU
42 視程算出用教師データ作成手段
50 視程用の立体計測装置
51 第1の分光カメラ
52 第2の分光カメラ
53 直線軌跡
54 第1の被写体(基準とする測定対象空間)
55 第2の被写体(測定対象である測定対象空間)
56 第1の被写体と第2の被写体を通過する直線
57 第1の被写体から第2の分光カメラに延びる直線
58 第2の被写体から第2の分光カメラに延びる直線

Claims (7)

  1. センサ装置と画像解析装置とを備え、センサ装置と画像解析装置は、伝送手段によって情報伝送が可能なように接続され、測定対象空間の被測定物の分光且つ偏光した二次元画像を撮像して、二次元画像を画像解析することで、被測定物の種類を識別するとともに量を測定する気象測定装置であって、
    センサ装置は、光源と、分光カメラと、偏光フィルタと、制御・通信機器とを備えており、
    光源は、近赤外線を測定対象空間に向けて照射するものであり、
    分光カメラは、偏光フィルタが装着され、測定対象空間の被測定物で反射された近赤外線のうち、偏光フィルタの偏光角度と同じ角度の近赤外線を透過することで、当該被測定物の二次元画像を撮像し、
    制御・通信機器は、光源及び分光カメラの動作を制御するとともに、二次元画像を伝送手段で画像解析装置に送信し、
    画像解析装置は、被測定物種類識別手段と、被測定物量算出手段と、記憶部とを備えており、
    被測定物種類識別手段は、二次元画像情報に基づき測定対象空間の被測定物の種類を識別するものであり、
    被測定物量算出手段は、二次元画像情報に基づき測定対象空間の被測定物の降水量を算出する構成であることを特徴とする被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
  2. 被測定物は、雨、雪、霰、霙、雹、霧または霧であることを特徴とする請求項1記載の被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
  3. 光源として、互いに異なる波長の近赤外線を照射する複数種の光源が設けられており、
    偏光フィルタとして、互いに偏光角が異なる複数種の偏光フィルタが設けられており、
    分光カメラとして、互いに異なる波長選択性を有する複数の分光カメラが設けられており、
    所定の波長選択性を有する複数の分光カメラは、それぞれ偏光角が異なる偏光フィルタが装着されており、別の波長選択性を有する複数の分光カメラは、それぞれ偏光角が異なる偏光フィルタが装着されている構成であることを特徴とする請求項1または2記載の被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
  4. 光源として、互いに異なる第1の波長の近赤外線を照射する第1の光源と、第2の波長の近赤外線を投光する第2の光源が設けられており、
    偏光フィルタとして、互いに偏光角が異なる第1の偏光フィルタと第2の偏光フィルタが設けられており、
    分光カメラとして、第1〜第4の分光カメラの4台が設けられており、
    第1の分光カメラは、第1の偏光フィルタが装着され、且つ第1の波長の近赤外線を受光し、第2の分光カメラは、第2の偏光フィルタが装着され、且つ第1の波長の近赤外線を受光し、第3の分光カメラは、第1の偏光フィルタが装着され、且つ第2の波長の近赤外線を受光し、第4の分光カメラは、第2の偏光フィルタが装着され、且つ第2の波長の近赤外線を受光する構成であることを特徴とする請求項1または2記載の被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
  5. 被測定物種類識別手段は、複数の分光カメラで撮像した二次元画像の解析領域をフーリエ変換して得られる異なる分光情報と異なる偏光情報の組み合わせを含む複数のフーリエパワースペクトル画像情報と、予め被測定物の種類毎に定められ画像解析装置の記憶部に記憶されている種類識別用教師データとを比較して、被測定物の種類を識別する構成であることを特徴とする請求項3または4記載の被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
  6. 被測定物量算出手段は、複数のフーリエパワースペクトル画像情報について得られる複数の総計パワースペクトルの平均値である平均総計パワースペクトルを、予め画像解析装置の記憶部に記憶されている降水量算出用教師データの被測定物の種類毎に定められた降水量回帰曲線に代入して、測定対象空間の被測定物の降水量を算出する構成であることを特徴とする請求項5記載の被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
  7. 画像解析装置は、視程算出手段を備えており、
    記憶部は、別途立体計測で算出された1種類の特定の波長及び偏光角による総計パワースペクトルと奥行き距離とが関係付けられた視程回帰曲線を視程算出用教師データとして予め被測定物の種類毎に記憶しており、
    視程算出手段は、前記視程算出用教師データを作成した時に使用した波長および偏光角による総計パワースペクトルと前記視程算出用教師データとに基づいて、センサ装置を設置した周辺の視程をリアルタイムに算出し、視程計として使用可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の被測定物の種類及び量を測定する気象測定装置。
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