JP2007316049A - 路面モニタリングシステム - Google Patents

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Kozo Honma
幸造 本間
Toshiharu Inagaki
敏治 稲垣
Hirokimi Shingu
博公 新宮
Hiromichi Yamamoto
浩通 山本
Yoshitaka Kozakura
義隆 小櫻
Takashi Nagata
考 永田
Kenzo Horii
健蔵 堀井
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Abstract

【課題】路面状態を高精度にリモートセンシングすることが出来る路面モニタリングシステムを提供する。
【解決手段】道路脇に多数かつ異波長のレーザ光を出射するレーザ発信装置10と、そのレーザ光の路面からの反射光を受光する検知センサ20と、これらを駆動制御すると共に信号処理・データ解析を行う検知装置30とを設置し、その解析結果を情報発信装置40により道路掲示板50および管理事務所へ送信する。なお、検知センサ20は、対物レンズ21、リレーレンズ22,24、液晶同調フィルタ(LCTF)23、CCDカメラ25とから成り、選択波長を任意に設定する連続分光と偏光面を光軸の回りに任意に回転させる多偏光とを併用しながら反射レーザ光を受光するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、路面モニタリングシステムに関し、特に高精度に路面の状態を遠隔監視することが可能な路面モニタリングシステムに関するものである。
路面の状態、例えば路面の凍結を検知する方法として、半導体レーザのように波長帯域の狭い光を路面に照射して、路面からの反射光をフォトダイオード等の受光素子で受光し、その反射光量を測定することにより、路面の凍結状態を検知する凍結検知システムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。また、反射光を受光する受光素子の前段にs偏光フィルタまたはp偏光フィルタを設置し、得られるs偏光画像データまたはp偏光画像データを一次元フーリエ変換することにより空間周波数分布を求め、この分布に基づいて路面状態を判別する路面判別装置が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。他方、光ファイバー等を道路上に設置し、又は道路下に埋設して外気温度および路面温度を測定することにより路面の凍結状態を検知する光ファイバ式路面凍結検知システムが知られている(例えば、特許文献3および4を参照。)。
特開平9−318766号公報 特開2003−57168号公報 特開平10−104363号公報 特開平5−071111号公報
上記従来の路面観測装置および路面観測方法は、レーザ光を路面に対して照射し、その反射光を受光して、反射光に関する光量またはスペクトル等の光学特性を解析することにより、或いは光ファイバ等の温度検知センサを使用し路面温度、道路直下の温度を直に求め、その温度計測結果を基に路面の状態を観測するものであった。
しかし、上記従来の路面観測装置等は、レーザ光を点(スポット)照射し、反射レーザ光のある特定の偏光成分のみを受光し、その受光データに基づいて路面の状態を観測するシステムであるため、計測精度が低く信頼性に問題があった。他方、光ファイバ等の温度検知センサを使用した路面凍結検知システムも同様に、点または線で温度を計測し、直接路面を観測していないので、精度が低く信頼性に問題があった。それに加えて、光ファイバ等の温度検知センサを埋設する場合は、道路の閉鎖や交通規制を行う必要があり、経済的負担が大きかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み創案されたものであって、高精度に路面の状態を遠隔監視することが可能な路面モニタリングシステムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に記載の路面モニタリングシステムは、レーザ光を出射するレーザ光発信装置と、該レーザ光の路面からの反射光を受光するレーザ光受信装置と、受光した信号の処理および画像データの解析を行うデータ処理部とを備えた路面モニタリングシステムであって、前記レーザ光発信装置は多数かつ異波長のレーザ光を多重照射して路面に対し面照射を行い、一方前記レーザ光受信装置は該面照射に対する反射レーザ光を連続分光かつ多偏光との併用により受光することを特徴とする。
上記路面モニタリングシステムでは、多数かつ異波長のレーザ光を路面に照射して、従来型システムに見られる点照射と異なり、面照射を行い、更に固定された選択波長および選択偏光面ではなくその透過バンド幅および変位角度を連続的に変えながら、その面照射による反射光を受光し、その受光信号を基に信号処理および画像データの解析が行われるように構成されている。これにより、対象物についての波長分光特性および偏光面変位角に応じた種々の画像データが得られることになり、精度良く路面の状態を遠隔監視することが出来るようになる。
前記目的を達成するため請求項2に記載の路面モニタリングシステムでは、レーザ光を出射するレーザ光発信装置と、該レーザ光の路面からの反射光を受光するレーザ光受信装置と、受光した信号の処理および画像データの解析を行うデータ処理部とを備えた路面モニタリングシステムであって、前記レーザ光発信装置は、入射角度を一定に保持した上で多数かつ異波長のレーザ光を多重照射して路面に対し点照射を行い、一方前記レーザ光受信装置は該点照射に対する反射レーザ光を連続分光かつ多偏光との併用により受光することを特徴とする。
上記路面モニタリングシステムでは、従来型システムに見られる点照射であるが、使用されるレーザ光は単一波長のレーザ光ではなく、多数かつ異波長のマルチレーザ光であり、請求項1の路面モニタリングシステムと同様に選択波長および選択偏光面の透過バンド幅および変位角度を連続的に変えながら、その点照射による反射光を受光し、その受光信号を基に信号処理および画像データの解析が行われるように構成されている。これにより、対象物についての波長分光特性および偏光面変位角に応じた種々の画像データが得られることになり、精度良く路面の状態を遠隔監視することが出来るようになる。
請求項3に記載の路面モニタリングシステムでは、前記レーザ光受信装置は、対物レンズ、液晶同調フィルタ、及びCCD検出素子を入射光の通過順に配置して成り、前記液晶同調フィルタと前記対物レンズ及び前記CCD検出素子との間にそれぞれリレーレンズを配置すると共に、前記液晶同調フィルタを前記入射光の光軸回りに回転可能としたことから成ることとした。
上記路面モニタリングシステムでは、上記構成のレーザ光受信装置を使用することにより、多数かつ異波長の反射レーザ光を同時に取り込みながら、透過光に対する波長の連続選択(連続分光)およびフィルタ偏光面の任意選択が好適に成され、高精度のリモートセンシングに寄与するようになる。
請求項4に記載の路面モニタリングシステムでは、前記レーザ光発信装置および前記レーザ光受信装置を道路に沿って複数にわたり設置し、レーザ光による路面の状態についての画像データの解析結果を通信手段によって送信または表示手段によって表示することから成ることとした。
上記路面モニタリングシステムでは、上記構成とすることにより、道路の路面状態を高精度にリモートセンシングすることが出来るだけでなく、そのセンシングした結果をドライバー等の道路利用者に伝達することができ、道路状態に起因する交通事故を未然に防止することが出来るようになる。加えて、路面凍結剤の散布の使用に関し、従来の画一的な路面凍結剤の使用ではなく、道路の路面凍結状態に応じたきめ細かな路面凍結剤の使用が可能となる。これにより、路面凍結防止剤散布費の予算削減だけでなく、路面凍結剤による環境悪化(塩害)を好適に抑制する。また、冬期以外は、乾燥、湿潤、凍結、積雪、圧雪状態の自動検出のみだけでなく道路交通量の観測に使用されている現用のシステムに追加する形で交通量の計測や渋滞状況、落下物の検知、航空機の滑走路の状態等をも観測し認識処理を行うことが出来るようになる。
請求項5に記載の路面モニタリングシステムでは、前記レーザ光受信装置から得られた画像データを基に生成された路面画像に映し出された前記反射光の光スポットの、前記液晶同調フィルタの偏光角に対する輝度特性を解析することによって路面の状態を識別することから成ることとした。
本願発明者がレーザ反射光の輝度を鋭意研究した結果、路面の状態、積雪かそれ以外かによって、液晶同調フィルタの偏光角に対する光スポットの輝度特性が異なることを見出した。
そこで、上記路面モニタリングシステムでは、液晶同調フィルタの偏光角に対する光スポットの輝度特性を解析することにより、積雪か否かの路面状態を識別することが出来る。
請求項6に記載の路面モニタリングシステムでは、前記レーザ光受信装置から得られた画像データを基に生成された路面画像に映し出された前記反射光の光スポットの外観特性を解析することによって路面の状態を識別することから成ることとした。
本願発明者がレーザ反射光の路面画像を鋭意研究した結果、路面の状態、例えば乾燥、湿潤、氷膜状凍結、氷板状凍結、圧雪、又は新雪の積雪によって、生成された路面画像における光スポットの外観特性(大きさ、形、ぼかし程度等)が異なることを見出した。
そこで、上記路面モニタリングシステムでは、レーザ反射光の路面画像における光スポットの外観特性(大きさ、形、ぼかし程度等)を解析することにより、路面の状態を識別することが出来る。
本発明の路面モニタリングシステムによれば、多数かつ異波長のレーザ光を路面に面照射又は点照射し、その反射レーザ光を受光しながら信号処理・データ解析を行う。特に、その反射レーザ光を受信するレーザ光受信装置は液晶同調フィルタを入射光の光軸回りに回転可能として構成され、透過光に対する波長の連続選択(連続分光)および偏光面の任意選択が可能である。これにより、選択波長および選択偏光面に対応した分光偏光特性の異なる種々の面画像データを得ることができ、高精度な画像データ解析が成されることになる。また、レーザ光の照射、反射レーザ光の受光、受光した信号の処理および画像データの解析等をコンピュータによってプログラミングされた自動システムとすることにより、道路の路面状況、例えば乾燥、湿潤、凍結、積雪、圧雪状態を高精度で自動的に遠隔監視することが出来るようになる。特に、レーザ光受信装置の液晶同調フィルタの偏光角と生成された路面画像における光スポットの輝度レベルとの相関特性を調べることにより、或いは生成された路面画像に映し出された光スポットの外観特性を調べることにより、遠隔にいながら路面の状況を把握することが出来るようになる。
例えば北海道では平成16年度の冬期の交通事故が約4万件発生し、その内スリップ事故が全体の1/4あり、その原因の一つとして路面凍結検出精度が低く、警報システムとしての信頼性が低いことが考えられる。他方、1シーズンで凍結防止剤が5万トン(約20億円:凍結防止剤のみの費用で散布作業費等は除く)散布されている。従って、本発明の路面モニタリングシステムを適用することにより上記交通事故の防止、凍結防止剤の使用量の削減が可能となる。また、現在各種環境に優しい凍結防止剤が開発されているが、これらの凍結防止剤の削減により道路周辺の凍結防止剤による環境悪化(特に凍結が融ける時期に植生等の塩害)をより良く抑制できるため、これらによる経済効果が期待される。また、東北や北陸などの国道や県道についても同様な状況があり、全国的に本発明に対する潜在的な需要が見込まれる。
また、本発明の路面モニタリングシステムでは、上記レーザ光による検知結果は、通信手段によって送信され又は表示手段によって表示されるように構成されている。
従って、将来カーナビゲーションシステムなどと連動することによりドライバー等の道路利用者に対して路面凍結情報を適時伝達可能である。
一方、航空関係では、空港付近に航空地方気象台や航空測候所があり随時気象観測を行っている。近年航空機の離着陸時の凍結による事故は発生していないが、これは多量の凍結防止剤が散布されていることによる。そこで気象観測結果と本システムを併用することにより空港内における誘導路や滑走路の周辺の除雪作業や凍結防止剤散布車(例として1300リットルや2000リットル積載)による融氷作業など凍結防止策を迅速に実施することができ、凍結防止剤の量の削減や除雪、凍結除去機材の運用効率を高めることはもちろん、航空機の円滑な運航が可能となり空港関係全体の運航効率を上げることに貢献できる。本システムのその他の効果として冬期以外の季節では、検知部が二次元画像観測を行うことができるため特に道路の路面検知が可能である。よって交通渋滞や路面落下物検知が可能で一年を通して本システムを使用することが出来る。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の路面モニタリングシステム100を示す構成説明図である。
この路面モニタリングシステム100は、多数かつ異波長のレーザ光を多重出射するレーザ光発信装置10と、路面からの反射レーザ光を受光すると共に所定の画像信号に変換して出力する検知センサ20と、画像信号を信号処理・画像の解析を行うと共に検知センサ20の受光アライメントを調整する駆動機構を備えた検知装置30と、検知装置30による画像解析結果を送信する情報発信装置40と、送信された画像解析結果を表示する道路掲示板50とを具備して構成される。
レーザ光発信装置10は、例えば2以上の互いに異波長のレーザ装置をクラスタ化して構成される。また、図示されてはいないが、いわゆる上下左右の首振り機構を有し、例えば入射角度を上下方向にα°の範囲で可変にしながら左右方向にβ°の範囲で可変にすることにより、路面に対し面照射することが出来るように構成されている。
検知センサ20については、図2を参照しながら後述するが、同調フィルタ(以下、「LCTF」(=Liquid Crystal Tunable Filter)という。)及び光軸の回りに回転可能な直線偏光子を有し、そのLCTFの液晶素子に印加する電圧を変えることにより透過光の波長を連続的に選択する連続分光と、その直線偏光子を回転させることにより透過光の偏光面を任意の角度で連続的に設定する偏光面の任意選択とを可能とする。これにより、選択波長かつ選択偏光面ごとの透過光の受光および受光信号の処理が成され、同一対象物に対する分光偏光特性の異なる種々の面画像観測データが得られ、これらの画像データを基に画像データの解析処理が成されることになる。その結果、対象物の特徴抽出の精度を向上させ、高精度の遠隔監視が行われることになる。ここで、波長分解能の一例を挙げると、波長域が400nmから720nmの可視光域の場合は10nmであり、32バンドに分光することが出来る。一方、直線偏光子の回転変位角度の一例を挙げると、0°から180°の間1°間隔で回転することが出来る。
また、検知センサ20は、レーザ光発信装置10と同様に、上下左右の首振り機構(図示せず)を有し、受光アライメントを変えることが出来る。なお、その首振り機構の制御は、検知装置30によって行われる。
検知装置30は、検知センサ20から出力される画像信号を取り込み、所定の信号処理を行うことにより面画像データを生成し、その面画像データを基に画像データの解析が成され、路面の乾燥、湿潤、凍結、積雪、圧雪を高精度に認識識別するものである。特に、レーザ光の入射角度αおよび反射角度θが53.1°の時、一般的にブリュスター角といわれ、路面が湿潤状態で偏光の水平成分が最小となる一方、垂直成分は大きくなる。この水平成分と垂直成分の強度比から雪や氷をふくむ湿潤状態を知ることができる。検知装置30でのデータ解析は基本的にこの原理を用いており、特長としては、レーザ光の照射角度(α、β)方向による偏光面の違いにより今まで不可能であった受光側(角度θ)の連続分光と多偏光成分を同時観測することにより、ある波長と偏光角のときに乾燥、湿潤、凍結、積雪、圧雪をそれぞれ高精度に認識識別が出来ることである。
また、図示されてはいないが、検知装置30は検知センサ20の上下左右の首振り機構を駆動制御するように構成されている。
情報発信装置40は、無線または有線を介して検知装置30によるデータ解析結果を管理事務所、道路掲示板50、或いは道路交通情報センタ等の道路監視団体へ送信し、AM波、FM波またはGPS信号波等の電気通信回線を使用して広いエリアの道路利用者に情報を提供する。
道路掲示板50は、情報発信装置40からの信号を受信し、例えばLEDをマトリックス状に配置したパネル上にその信号を表示し、車の運転手または歩行者に注意を促す。
また、本路面モニタリングシステムは、その他の気象情報収集として、気温、湿度、風速、風向、降水量、降雪量、日射量、霧などを計測するとともに路面状況を目視、触診、表面温度計測なども行うように構成されていても良い。
図2は、本発明の路面モニタリングシステム100の検知センサ20を示す説明図である。図2の(a)は、構成ブロック図であり、同(b)は実際の内部構成を示す説明図である。
この検知センサ20は、入射する光の通過順に、対物レンズ21と、前置リレーレンズ22と、LCTF23と、後置リレーレンズ24と、CCDカメラ25とを同一光軸線上に配置して構成されている。
LCTF23は、外部からの印加電圧(電界)を可変供給させることによって、透過光の波長を連続的に選択できる構造となっており、更にフィルタ回転機構26(パルスモータ)によって例えば1°のステップ角で回転駆動され、LCTF23に含まれる直線偏光子の偏光面を光軸の回りに回転変位させることができる構造となっている。
つまり、LCTF23は、透過波長を電子的に制御できる一種のバンドパスフィルタであり、リオフィルタの機能を有する。また、LCTF23は直線偏光子を含むため、それに応じた方向の偏光成分のみを透過させる。また、直線偏光子はフィルタ回転機構26により光軸の回りに回転され、透過光の偏光面と直線偏光子の偏光面との変位角が可変となるように構成されている。これにより、透過光の波長の任意選択だけでなく偏光面の任意選択が可能となり、選択波長および選択偏光面に基づく分光偏光特性の異なる種々の面画像データが生成され、従来、認識識別することが出来なかった対象物の様々な特徴を抽出することが出来るようになる。
また、LCTF23の前後にリレーレンズ22,24が用いられているのは、フィルタ挿入部を平行光線にして、対物レンズ21の焦点距離を見かけ上伸ばすことにより、対物レンズ21とCCDカメラ25との間にLCTF23を装着容易にするためである。
このように、対象物からの反射光が対物レンズ21に入射され、リレーレンズ22によって平行光となってLCTF23に取り込まれる。LCTF23では、外部からの駆動信号によって選択された波長および偏光面を有する光のみが透過し、この透過光がリレーレンズ24を通して結像面のCCDカメラ25のCCD素子で受光され画像信号に変換される。つまり、CCDカメラ25では選択された特定の波長、特定の偏光面の光によって照射された対象物の画像が検出される。
図3は、検知センサ20のLCTF偏光角とレーザスポットの輝度レベルとの相関特性を示すグラフである。なお、このグラフは、同(b)に示すようにレーザ光発信装置10と検知センサ20を入射角α=53°で並列かつ同方向に設置し、検知センサ20のLCTF偏光角を0°、45°、90°に設定し反射レーザ光を受光(分光波長:650nm)し、そのLCTF偏光角とレーザスポットの輝度レベルとの相関特性を調べた結果である。なお、横軸はLCTF偏光角を示し、縦軸は生成された路面画像におけるレーザスポットの輝度レベルを示している。
路面が乾燥、湿潤、凍結、新雪または圧雪状態の何れかであるかは、このグラフに示されるレーザスポットの輝度レベルの大小から識別することが可能である。例えば、LCTF偏光角=0°におけるレーザスポットの輝度レベルは、路面が湿潤、凍結(氷膜)、凍結(氷板)、乾燥、新雪と圧雪の順に大きくなる。従って、各路面状態におけるレーザスポットの輝度レベルの範囲を適切に設定することにより、生成される路面画像におけるレーザスポットの輝度レベルから各路面状態を識別することが可能となる。
また、レーザスポットの輝度レベルのLCTF偏光角に対する挙動(軌跡)から各路面状態を識別することも可能である。すなわち、路面状態が積雪(新雪と圧雪)以外の路面状態におけるレーザスポットの輝度レベルの挙動は、LCTF偏光角=45°において、折れ曲がる特性を示している。従って、生成された路面画像から得られたレーザスポットの輝度レベルの挙動からこの折れ曲がる特性を調べることにより、路面が積雪状態か否かの判断をすることが可能となる。このように、生成された路面画像に映し出されたレーザスポットのLCTF偏光角に対する輝度レベルの特性を調べることにより、遠隔にいながら路面の状態を把握することが出来るようになる。
図4は、各路面状態におけるレーザスポットの外観特性を示す説明図である。なお、図4の(a)は乾燥路面におけるレーザスポット、同(b)は湿潤路面におけるレーザスポット、同(c)は凍結(氷膜)路面におけるレーザスポット、同(d)は圧雪路面におけるレーザスポット、同(e)は新雪路面におけるレーザスポットの特性を示している。
先ず、図4の(a)及び(b)に示すように、路面が乾燥または湿潤状態の場合は、レーザスポットの外観は単なる閉領域となる。この場合、乾燥路面におけるレーザスポットの大きさ(面積)は湿潤路面におけるレーザスポットの大きさに比べ大きいのが特徴である。
次に、図4の(d)に示すように、圧雪路面におけるレーザスポットでは中央部に白部が形成され、更にレーザ光の明部による縞が形成されている。これは、新雪の場合、レーザ光の入射光が路面において反射する際に乱反射するためである。
また、図4の(c)及び(e)に示すように、凍結(氷膜)路面におけるレーザスポットと、新雪路面におけるレーザスポットについてはレーザ光の明部による縞は形成されていないが、中央部に白部が形成されている。ただし、中央部の白部の大きさについては新雪路面におけるレーザスポットの方がはるかに大きく、凍結(氷膜)路面におけるレーザスポットにいたっては中央部に極めて小さく形成される程度の大きさである。
以上、レーザスポットの外観特性による路面状態の識別手順をまとめると、図5のようになる。つまり、ステップS1において、画像に映し出されたレーザスポットが縞状のレーザスポットか否かを判定する。縞状のレーザスポットならば路面は圧雪路面であることが分かる。あるいは、縞状のレーザスポットでなければ、ステップS2に進み、レーザスポットの中央部に白部が形成されているか否かを判定する。白部が形成されているならば、凍結(氷膜)路面か新雪路面の何れかであるから、更にステップS3に進んで、その中央部に形成された白部は極めて小さいか否かを判定する。極めて小さい場合は、路面は凍結(氷膜)路面であり、そうでない場合は、新雪路面ということが分かる。ところで、ステップS2においてレーザスポットの中央部に白部が形成されていない場合は、ステップS4へ進む。ステップS4においてレーザスポットの外観の大小を判定する。大きい場合は乾燥路面であり、小さい場合は湿潤路面であることが分かる。なお、乾燥路面と湿潤路面を区別する定量的なレーザスポットの大きさ(閾値)については、多くのデータを取得することにより決定される。このように、生成された路面画像に映し出されたレーザスポットの外観特性を調べることにより、遠隔にいながら路面の状態を把握することが出来るようになる。
以上、本発明の路面モニタリングシステム100によれば、多数かつ異波長のレーザ光を路面に対して面照射し、その路面からの反射レーザ光を連続分光と多偏光との併用を行うことにより、透過光の波長の任意選択だけでなく偏光面の任意選択が可能となり、選択波長および選択偏光面に基づく分光偏光特性の異なる種々の面画像データが生成され、従来、認識識別することが出来なかった対象物の様々な特徴を抽出することが出来るようになる。その結果、路面の乾燥、湿潤、凍結、積雪、圧雪状態を高精度にリモートセンシングすることが可能となる。これにより、凍結防止剤の使用について路面の凍結状態に応じたきめ細かな凍結防止剤の使用が成され、凍結防止剤散布量の削減、ならびに周辺植生塩害の低減が実現される。
また、路面モニタリングシステム100は、画像データ解析結果を情報発信装置により無線または有線を介して管理事務所、道路掲示板、或いは道路交通情報センタ等の道路監視団体へ送信し、AM波、FM波またはGPS信号波等の電気通信回線を使用して広いエリアの道路利用者に情報を提供するため、スリップ事故等の交通事故を未然に防止することが出来るようになる。
更に、検知センサ20のLCTF偏光角と生成された路面画像におけるレーザスポットの輝度レベルとの相関特性を調べることにより、或いは生成された路面画像に映し出されたレーザスポットの外観特性を調べることにより、遠隔にいながら路面の状態を把握することが出来るようになる。
本発明の路面モニタリングシステムは、道路、空港の誘導路および滑走路の路面状態の遠隔監視に適用することが可能である。
本発明の路面モニタリングシステムを示す構成説明図である。 本発明の路面モニタリングシステムの検知センサを示す説明図である。 検知センサのLCTF偏光角とレーザスポットの輝度レベルとの相関特性を示すグラフである。 各路面状態におけるレーザスポットの外観特性を示す説明図である。 レーザスポットの外観特性から路面状態を判定する手順を示すフロー図である。
符号の説明
10 レーザ発信装置
20 検知センサ
30 検知装置
40 情報発信装置
50 路面掲示板
100 路面モニタリングシステム

Claims (6)

  1. レーザ光を出射するレーザ光発信装置と、該レーザ光の路面からの反射光を受光するレーザ光受信装置と、受光した信号の処理および画像データの解析を行うデータ処理部とを備えた路面モニタリングシステムであって、前記レーザ光発信装置は多数かつ異波長のレーザ光を多重照射して路面に対し面照射を行い、一方前記レーザ光受信装置は該面照射に対する反射レーザ光を連続分光かつ多偏光との併用により受光することを特徴とする路面モニタリングシステム。
  2. レーザ光を出射するレーザ光発信装置と、該レーザ光の路面からの反射光を受光するレーザ光受信装置と、受光した信号の処理および画像データの解析を行うデータ処理部とを備えた路面モニタリングシステムであって、前記レーザ光発信装置は、入射角度を一定に保持した上で多数かつ異波長のレーザ光を多重照射して路面に対し点照射を行い、一方前記レーザ光受信装置は該点照射に対する反射レーザ光を連続分光かつ多偏光との併用により受光することを特徴とする路面モニタリングシステム。
  3. 前記レーザ光受信装置は、対物レンズ、液晶同調フィルタ、及びCCD検出素子を入射光の通過順に配置して成り、前記液晶同調フィルタと前記対物レンズ及び前記CCD検出素子との間にそれぞれリレーレンズを配置すると共に、前記液晶同調フィルタを前記入射光の光軸の回りに回転可能としたことから成る請求項1又は2に記載の路面モニタリングシステム。
  4. 前記レーザ光発信装置および前記レーザ光受信装置を道路に沿って複数にわたり設置し、レーザ光による路面の状態についての画像データの解析結果を通信手段によって送信または表示手段によって表示することから成る請求項1から3の何れかに記載の路面モニタリングシステム。
  5. 前記レーザ光受信装置から得られた画像データを基に生成された路面画像に映し出された前記反射光の光スポットの、前記液晶同調フィルタの偏光角に対する輝度特性を解析することによって路面の状態を識別することから成る請求項1から4の何れかに記載の路面モニタリングシステム。
  6. 前記レーザ光受信装置から得られた画像データを基に生成された路面画像に映し出された前記反射光の光スポットの外観特性を解析することによって路面の状態を識別することから成る請求項1から4の何れかに記載の路面モニタリングシステム。
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