JP2021018062A - 状態判定装置および状態判定システム - Google Patents

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里奈 小笠原
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Abstract

【課題】圧力センサにおける計測状態を判定する。【解決手段】状態判定装置2は、圧力センサ1における複数箇所の温度計測値をそれぞれ取得する温度取得部200と、圧力センサ1の箇所ごとに取得された温度計測値から得られる圧力センサ1の温度分布に基づいて、圧力センサ1における計測状態を判定する判定部202とを備える。【選択図】 図7

Description

本発明は、状態判定装置および状態判定システムに関するものである。
従来より、差圧あるいは圧力を検出する圧力センサとして、例えば半導体ダイアフラムにピエゾ抵抗を形成した半導体ピエゾ抵抗式圧力センサが知られている(特許文献1参照)。
特開2018−048859号公報
例えばサニタリー用途の圧力センサなどの、清浄性が求められる圧力センサは、清浄性を保つために、蒸気洗浄または温水洗浄などの洗浄方法によって洗浄される場合がある。洗浄が行われた場合、圧力センサでは温度分布が発生し、温度分布の発生は圧力センサの信頼性に影響を与える。ここで、圧力センサの信頼性とは、例えば”圧力センサにおける、与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質”を意味する。また、要求された機能としては、例えば圧力の計測誤差が要求範囲内に収まる計測機能が、挙げられる。なお、圧力センサにおける温度分布は、洗浄が行われた場合に発生することに限られず、例えば圧力センサがおかれている状況など様々な要因によって発生しうる。
しかしながら、温度分布の発生により圧力センサの信頼性が影響を受けていることを簡便に判定する方法がないことから、圧力センサにおける計測状態を判定 することが可能な方法が求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、圧力センサにおける計測状態を判定することが可能な、新規かつ改良された状態判定装置および状態判定システムを提供することを目的とする。
本発明の状態判定装置は、圧力センサにおける複数箇所の温度計測値をそれぞれ取得する温度取得部と、前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布に基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定する判定部と、を備えるものである。
また、本発明の状態判定装置の1構成例(第1の実施例)において、前記判定部は、前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値の温度差に基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定するものである。
また、本発明の状態判定装置の1構成例(第2の実施例)において、前記判定部は、前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値のそれぞれに基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定するものである。
また、本発明の状態判定装置の1構成例(第3の実施例)は、前記圧力センサの温度分布と前記圧力センサの圧力の計測状態の判定結果とが関連付けられている第1対象データの集合である、第1データセットに基づいて、前記圧力センサの温度分布に対応する前記圧力センサの圧力の計測状態を学習する学習部をさらに備え、前記判定部は、学習結果と取得された前記温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布とに基づいて、前記圧力センサの圧力の計測状態を判定するものである。
また、本発明の状態判定装置の1構成例(第4の実施例)は、前記圧力センサによって計測された圧力計測値を取得する圧力取得部と、前記圧力センサの温度分布、前記圧力計測値、および前記圧力センサの圧力の計測状態の判定結果が関連付けられている第2対象データの集合である、第2データセットに基づいて、前記圧力センサの温度分布および前記圧力計測値の組み合わせに対応する前記圧力センサの圧力の計測状態を学習する学習部と、をさらに備え、前記判定部は、学習結果、取得された前記温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布、および取得された前記圧力計測値に基づいて、前記圧力センサの圧力の計測状態を判定するものである。
また、本発明の状態判定装置の1構成例(第1〜第4の実施例)は、前記圧力センサの圧力の計測状態の判定結果を通知する通知部をさらに備えるものである。
また、本発明の状態判定装置の1構成例は、圧力を計測する圧力計測部をさらに備え、圧力センサとして機能し、前記温度取得部は、自装置に対応する前記温度計測値を取得し、前記判定部は、自装置における計測状態を判定するものである。
また、本発明の状態判定システムは、圧力センサと、状態判定装置と、を有し、前記状態判定装置は、前記圧力センサにおける複数箇所の温度計測値をそれぞれ取得する温度取得部と、前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布に基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定する判定部と、を備えるものである。
また、本発明の状態判定システムの1構成例において、前記圧力センサは、測定対象の圧力を受ける第1主面および前記第1主面の反対側に位置する第2主面を有するダイアフラムと、前記ダイアフラムの周縁部を支持するハウジングと、前記ダイアフラムの前記第2主面上に配設され、前記ダイアフラムの変形に対応する検出信号を出力するセンシング部と、前記検出信号に対応する圧力計測値を算出する圧力算出部と、備えるものである。
また、本発明の状態判定システムの1構成例において、前記圧力センサは、前記圧力センサにおける前記複数箇所の温度計測値に基づいて、前記検出信号を補正する補正部をさらに備え、前記圧力算出部は、補正された前記検出信号から圧力計測値を算出するものである。
本発明によれば、圧力センサにおける計測状態を判定することができる。
図1は、本発明の第1の実施例に係る圧力センサの断面図である。 図2は、本発明の第1の実施例に係る圧力センサと配管との接続構造を示す断面図である。 図3は、本発明の第1の実施例に係る圧力センサのホイートストンブリッジ回路の構成を示す回路図である。 図4は、本発明の第1の実施例に係る圧力センサの電気的な接続を説明するブロック図である。 図5は、センサボディが熱衝撃を受けたときのセンサボディの変形に起因するダイアフラムの変形量と指標の時間変化のシミュレーション結果を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施例に係る圧力センサのセンシング部と補正用パラメータ算出部と出力変動値算出部と出力値補正部と圧力算出部の動作を説明するフローチャートである。 図7は、本発明の第1の実施例に係る状態判定システムの構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の第1の実施例に係る状態判定システムの動作を説明するフローチャートである。 図9は、本発明の第1の実施例における理想温度の1例を示す図である。 図10は、本発明の第1の実施例における閾値の設定例を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施例において圧力センサによって計測された温度計測値の差の絶対値の1例を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施例における閾値の別の設定例を示す図である。 図13は、本発明の第2の実施例に係る状態判定システムの構成を示すブロック図である。 図14は、本発明の第2の実施例における閾値の設定例を示す図である。 図15は、本発明の第2の実施例における閾値の別の設定例を示す図である。 図16は、本発明の第2の実施例における閾値の別の設定例を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施例における閾値の別の設定例を示す図である。 図18は、本発明の第2の実施例における閾値の別の設定例を示す図である。 図19は、本発明の第3の実施例に係る状態判定システムの構成を示すブロック図である。 図20は、本発明の第3の実施例に係る状態判定システムの学習部の動作を説明するフローチャートである。 図21は、本発明の第3の実施例に係る状態判定システムの状態判定動作を説明するフローチャートである。 図22は、本発明の第4の実施例に係る状態判定システムの構成を示すブロック図である。 図23は、本発明の第4の実施例に係る状態判定システムの学習部の動作を説明するフローチャートである。 図24は、本発明の第4の実施例に係る状態判定システムの状態判定動作を説明するフローチャートである。 図25は、本発明の第1〜第4の実施例に係る状態判定装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
[発明の原理]
発明者は、圧力センサのセンサボディの厚さ方向の温度分布を取得することで、温度分布による圧力センサの出力変動を低減する技術を提案した(特願2018−219538)。このような技術は、装置管理の厳密な再現性を維持しようとする機能であることに着眼した。すなわち、センサボディの温度分布の変化度合は、圧力計測状態の変化の度合を示すことになり、かつ再現性が期待できる。そして、温度計測値を長期的にモニタリングしながら、例えば温度計測値と理想状態との差異量を算出し、閾値判定などの処理をすることで、圧力センサの計測状態が適正かどうかを判定できることに想到した。なお、ここでの理想状態とは、必ずしも、温度分布のない(均熱化された)状態ではなく、基準となる温度分布の状態を意味する。例えば、一定条件で行われる蒸気洗浄時の温度分布状態や、一般的なセンサの基準温度(例えば23℃など)で均熱化された状態などが該当し得る。
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る圧力センサの断面図、図2は図1の圧力センサと配管との接続構造を示す断面図である。圧力センサ1は、図1、図2に示すように、ダイアフラム20と、ダイアフラム20の周縁部を支持するハウジング30とから構成されるセンサボディ40を備えている。さらに、圧力センサ1は、ダイアフラム20の変形量を検出するセンシング部50と、センサボディ40上の少なくとも2つの位置の温度を測定する温度測定部60とを備えている。
センサボディ40の下端面41の一部を形成するダイアフラム20は、測定対象の流体から圧力を受ける薄膜状の要素である。ダイアフラム20は、例えば円盤状に薄く成形されたステンレス鋼(SUS)からなるが、セラミックスまたはチタン等の他の材料を用いて成形してもよい。ダイアフラム20は、角形状、凹凸を有する状、空洞を有する形状、複数層からなる構造、異種材料からなる構造であってもよい。ダイアフラム20の下面は、流体と接して圧力を受ける接液面21(第1主面)を形成し、ダイアフラム20の上面は、センシング部50が配設される変形測定面22(第2主面)を形成する。変形測定面22は、例えば、大気圧を受ける受圧面としても機能する。なお、導圧用封入液(オイル等)を介してセンシング部50を配設することも可能である。
ダイアフラム20と共にセンサボディ40を構成するハウジング30は、円筒状を呈した要素であって、ダイアフラム20の周縁部を支持する。ただし、ハウジング30の形状は、円筒に限定されるものではなく、例えば角筒であっても構わない。ハウジング30は、例えば、ステンレス鋼(SUS)からなるが、セラミックスまたはチタン等の他の材料を用いて成形してもよい。ハウジング30の外周縁には、図1、図2に示すように、半径方向外側に向かって突出したフェルールフランジ部30fが設けられており、配管Hの接合端部にもフェルールフランジ部Hfが設けられている。
圧力センサ1と配管Hとは、図2に示すように、ハウジング30のフェルールフランジ部30fと配管Hのフェルールフランジ部Hfとが互いに重なり合い、これらがクランプによって上下方向に挟持されることで互いが連結する構造(いわゆる、フェルール継手構造)となっている。なお、圧力センサ1と配管Hとを連結する構造は、フェルール継手構造に限定されるものではなく、他の継手種(ネジマウント、袋ナット等)を用いても構わない。ハウジング30の内周側壁面30Aは、測定対象の流体が流れる配管Hの内部と隔絶された円柱状の空間をダイアフラム20と共に形成している。この空間にセンシング部50が配設されている。
センシング部50は、ダイアフラム20の変形を検出し、ダイアフラム20の接液面21に印加される圧力と変形測定面22に印加される圧力との差圧Pに対応する電気信号(電圧)を出力する。センシング部50は、例えばダイアフラム20の変形測定面22上に立設された複数の構造体51a,51b,51c,51eと、これら構造体51a,51b,51c,51eによって支持された半導体チップ51とから構成される。半導体チップ51は、例えば平面視正方形状に形成されたSi等の半導体材料からなる基板と、例えば不純物拡散またはイオン打ち込みの技術によって基板に形成されたピエゾ抵抗素子として機能する複数の歪みゲージと、基板に形成されたホイートストンブリッジ回路とを含む。複数の歪みゲージは、例えば基板の4辺のそれぞれの中点付近に形成されている。
ホイートストンブリッジ回路53の構成を図3に示す。ホイートストンブリッジ回路53は、図3に示すように、半導体チップ51の基板に形成された歪みゲージR1〜R4を含み、ダイアフラム20の変形に応じた電圧Vrを出力する。すなわち、ダイアフラム20が変形すると、歪みゲージR1〜R4が伸縮して、その抵抗値Rが増減する。この抵抗値Rの変化を、一定の電流Iが流れるホイートストンブリッジ回路53を用いて、歪みゲージR1とR4の接続点Aと、歪みゲージR2とR3の接続点Bとの間の電圧Vrの変化として検出する。
なお、本発明の圧力センシング方式は、半導体ピエゾ抵抗式に限定されるものでなく、例えば、静電容量式、金属歪みゲージ式、抵抗ゲージをスパッタ等により成膜した方式を用いたセンシング方法であってもよい。また、ホイートストンブリッジだけでなく、ハーフブリッジ方式なども適用可能である。
温度測定部60は、センサボディ40上の少なくとも2つの位置の温度を測定する複数の温度センサからなる。図1の例では、温度測定部60は、2つの位置の温度を測定する2つの温度センサ60−1,60−2からなる。2つの温度センサ60−1,60−2は、センサボディ40上の異なる2つの位置にそれぞれ貼設された熱電対によって構成されている。
ただし、本発明の温度センサ60−1,60−2は、熱電対に限定されるものでなく、例えば白金温度センサ、サーミスタを用いても構わない。また、圧力センサ計測機能部に集積化(1つのチップ内に圧力計測部と温度計測部とを形成)されていてもよい。
以下、温度センサ60−1が配置される位置を第1温度測定位置N1とし、温度センサ60−2が配置される位置を第2温度測定位置N2とする。第1温度測定位置N1と第2温度測定位置N2とは、熱衝撃が加わることで生じるセンサボディ40の温度分布を検出できる位置にあることが望ましい。このため、第1温度測定位置N1と第2温度測定位置N2とは、熱衝撃が加わる接液面21に垂直な方向、換言すれば、円筒状を呈したハウジング30の軸心が延在する方向(図1、図2上下方向)に沿って離間していることが望ましい。例えば、本実施例では、温度センサ60−1がダイアフラム20の変形測定面22に設けられ、温度センサ60−2がハウジング30の上端面32に設けられている。
なお、面内方向の温度分布により出力誤差が生じる場合は、その温度分布を検出できる位置に第1温度測定位置N1と第2温度測定位置N2を設定することが望ましい。すなわち、第1温度測定位置N1と第2温度測定位置N2とを、接液面21に水平な方向に沿って離間させてもよい。例えば、圧力センサ1を横向きに取付ける場合、ドレンが不均一に接液するため、面内方向の温度分布も生じ得る。
第1温度測定位置N1および第2温度測定位置N2は、上述した2つの位置に限定されるわけではない。また、温度測定部60を構成する温度センサの数は、2つに限定されるわけではなく、3つ以上であってもよい。3つ以上の温度センサ60−w(wは3以上の整数)を、ダイアフラム20の接液面21に垂直な方向に沿って離間するように配設することによって、センサボディ40の温度分布をより高い精度で検出することができる。
上記のように、ダイアフラム20の接液面21に水平な方向に沿って離間するように配設してもよい。
次に、圧力センサ1における圧力の補正方法について説明する。図4は圧力センサ1の電気的な接続を説明するブロック図である。
補正用パラメータ算出部71は、センシング部50から出力された電圧Vrを補正するための補正用パラメータ、例えば、温度センサ60−1によって計測された温度計測値T1と温度センサ60−2によって計測された温度計測値T2との温度差δTを時系列的に算出する。
出力変動値算出部72は、補正用パラメータ算出部71によって算出された温度差δTと後述する係数aとを用いて、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形に起因する出力変動に対応する電圧Vhを算出する。
出力値補正部73は、出力変動値算出部72によって算出された電圧Vhとセンシング部50から出力された電圧Vrとに基づいて、上記の出力変動を排除した補正電圧Vcを求める。
圧力算出部80は、補正電圧Vcに対応する補正圧力Pcを、例えば所定の較正曲線を用いて時系列的に算出する。
ダイアフラム20の接液面21に高温の流体や蒸気が触れると、ダイアフラム20の温度は急激に上昇する。これに対し、熱源である流体や蒸気から離間しかつ外気に触れているハウジング30の上端面32の温度は、時間の経過と共に次第に上昇していく。ここで、一般的な金属材料においては、その性質上、温度に略比例して熱膨張する。このため、金属製のセンサボディ40において下部が高温状態で上部が低温状態という温度分布が生じると、センサボディ40全体が下方へ突出するようにして熱変形することが想定される。
そこで、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形に起因する出力変動を補正するために、次のような前提事項を考える。
(I)熱衝撃を受けたときのダイアフラム20の変形は、接液面21に加わる流体や蒸気の圧力に起因する変形に、ハウジング30の変形に起因する変形が加わる。
(II)温度分布によるセンサボディ40の変形は、ダイアフラム20の接液面21に垂直な方向に沿って温度勾配が生じるような温度分布に依存する。
(III)センサボディ40の温度分布は、センサボディ40上の異なる複数の位置で測定された温度を指標として近似的かつ部分的に把握することができる。
(IV)上記の指標として、例えば、異なる複数の位置で測定された温度の差δTを用いることができる。
(I)〜(IV)に基づけば、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形と温度差δTとの間には相関があり、この相関を利用することによって、温度差δTからセンサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形量を算出できることになる。
図5は、センサボディ40が熱衝撃を受けたときのセンサボディ40の変形に起因するダイアフラム20の変形量と指標の時間変化のシミュレーション結果を示す図である。図5のDはダイアフラムの変形量、αは指標である。ただし、図5では、指標αとして温度差δTの代わりにT1とT2の温度比を用いている。図5から、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形量Dと指標αとの間には、強い相関関係があることが分かる。
したがって、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形量を温度差δTの一次関数として近似的に表し、このときの傾きに相当する値を、例えば時刻tにおける温度差δTを用いて求めることができれば、時刻t以降の時々刻々と変化するダイアフラム20の変形量の近似値を、温度差δTを用いて算出することができる。
上述したように、ダイアフラム20の変形は、電圧Vrの形で検出される。このため、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形に起因する出力変動に対応する電圧Vhを、指標αの一次関数として近似的に算出することができる。例えば、温度差δTを指標αとし、この指標αに対する電圧Vrの傾きを所定の定数aとした場合、電圧Vhは、Vh=a×δTにより近似的に算出することができる。
図6は圧力センサ1のセンシング部50と補正用パラメータ算出部71と出力変動値算出部72と出力値補正部73と圧力算出部80の動作を説明するフローチャートである。
センシング部50は、上記のとおりダイアフラム20の変形に対応する電圧Vr(検出信号)を出力する(図6ステップS100)。
ここで、ダイアフラム20の変形は、接液面21と接する流体や蒸気の圧力に起因する変形とセンサボディ40の温度分布に起因する変形とを含んでいる。このため、センシング部50から出力される電圧Vrは、接液面21と接する流体や蒸気の圧力に起因する成分Vpと、センサボディ40の温度分布に起因する成分Vhとの合算値(Vr=Vp+Vh)となる。
温度測定部60は、温度T1,T2を計測する(図6ステップS101)。補正用パラメータ算出部71は、指標αとして、温度測定部60によって計測された温度計測値T1とT2との温度差δT=T1−T2を算出する(図6ステップS102)
出力変動値算出部72は、温度差δTに基づいて、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形に起因する電圧Vhを、Vh=a×δT(aは係数)により算出する(図6ステップS103)。
出力値補正部73は、Vc=Vr―Vh、すなわちセンシング部50から出力された電圧Vrから、出力変動値算出部72によって算出された電圧Vhを引いた値を、補正電圧Vc(補正された検出信号)として算出する(図6ステップS104)。
圧力算出部80は、補正電圧Vcに対応する補正圧力値Pcを算出する(図6ステップS105)。補正圧力値Pcは、圧力センサ1の製品特性、より具体的には、センシング部50を構成する半導体チップ51の製品特性である電圧値および圧力に関する所定の較正曲線を用いて算出される。なお、圧力算出部80は、前記較正曲線を用いて、電圧Vrから補正前の圧力Pを算出することも可能である。
以上のステップS100〜S105の処理が、圧力センサ1による計測が停止するまで(図6ステップS106においてYES)、繰り返し実行される。
なお、係数aは、上記のように、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形に起因する電圧Vhを、温度差δTの一次関数で表したときの傾きVh/δTに相当する値である。そして、センシング部50から出力される電圧Vrは、上記のように、接液面21と接する流体や蒸気の圧力に起因する電圧Vpと電圧Vhとの合算値となる。したがって、係数aは、温度差δT、電圧Vr,Vpをパラメータとして、a=(Vr―Vp)/δTから算出することができる。
そこで、事前の試験により、温度差δT、電圧Vrを圧力センサ1から取得すると共に、測定対象である流体の供給源に配設されているリファレンス圧力計から流体の圧力に対応する電圧Vpを取得して、係数aを事前に算出しておけばよい。
または、圧力センサ1による圧力の計測中に、リファレンス圧力計から電圧Vpを取得できる場合には、出力変動値算出部72が、ある時刻における温度差δTと電圧VrとVpとから係数aを算出するようにしてよい。
こうして、本実施例では、圧力センサ1に熱衝撃が加えられる使用環境にあっても、センサボディ40の温度分布によるダイアフラム20の変形に起因する出力変動を抑制することができ、例えば測定対象の流体のゲージ圧を高精度に計測することができる。
次に、本実施例の状態判定システムについて説明する。図7は本実施例の状態判定システムの構成を示すブロック図である。状態判定システムは、圧力センサ1と、状態判定装置2とから構成される。
状態判定装置2は、温度取得部200と、記憶部201と、圧力センサ1の箇所ごとに取得された温度計測値から得られる圧力センサ1の温度分布に基づいて、圧力センサ1における計測状態を判定する判定部202と、圧力センサ1の圧力の計測状態の判定結果を通知する通知部203とを備えている。
上記の圧力センサ1では、高温蒸気による洗浄の結果としてセンサボディ40の温度変化(温度分布の変化)が想定内であれば、圧力センサ1のセンシング部50が出力する電圧Vrに対して洗浄による悪影響は発生しておらず、補正可能な正常な状態と解釈できる。しかしながら、補正のための知見は、特定の範囲内の温度変化と適切な補正方法を予め想定したものであるため、想定を超えるセンサボディ40の温度分布が発生すると、補正可能な範囲外の状況になる。例えば、室温や直前の流体温度の影響で、理想条件よりも放熱量が大きい場合、または洗浄前のセンサボディの温度が理想条件より低い場合、または蒸気温度が理想よりも高い場などには、想定外の温度分布が発生する。本発明は、このような補正可能な範囲外の状況を、不適正な状態として検知するものである。
図8は状態判定装置2の動作を説明するフローチャートである。本実施例では、2箇所の温度情報を取得する場合について説明する。また、温度分布が発生するプロセスとして蒸気洗浄を一例として説明する。蒸気洗浄が通常通り(理想通り)に行われた場合の温度変化を以下のように理想温度(基準温度)とする。ある時刻におけるT1およびT2の状態を温度分布と定義する。本実施例では、温度分布として2箇所の温度の温度差に基づき閾値判定する。
状態判定装置2の温度取得部200は、圧力センサ1の温度センサ60−1によって計測された温度計測値T1と、温度センサ60−2によって計測された温度計測値T2とを取得する(図8ステップS200)。
状態判定装置2の記憶部201には、圧力センサ1の配管Hを介して高温蒸気または温水が供給され圧力センサ1の接液面21が洗浄されたときに、洗浄が理想状態の場合の温度計測値T1,T2である理想温度T1R,T2Rが予め記憶されている。すなわち、記憶部201には、圧力センサ1における温度の計測箇所毎の理想温度が記憶されている。図9に理想温度T1R,T2Rの1例を示す。なお、図9の例では、圧力センサ1の洗浄開始時点(高温蒸気印加開始時点)を時間0とし、理想温度T1R,T2Rの時間変化を示している。また、図9の例では、温度T1Rの飽和温度を1.0とする温度比を縦軸としている。
さらに、記憶部201には、閾値Eが予め記憶されている。図10に、閾値Eの設定例を示す。図10の例は、閾値Eを経過時間に対し一定とした例である。
状態判定装置2の判定部202は、温度取得部200によって取得された温度計測値T1,T2と、記憶部201に記憶されている閾値Eとに基づいて、圧力センサ1の圧力の計測状態が適正な状態(補正可能な状態)かどうかを判定する(図8ステップS201)。
判定部202は、温度計測値T1と温度計測値T2との差の絶対値|T1−T2|が閾値Eを超える場合、圧力センサ1が不適正な状態(補正不可能な状態)にあると判定する。また、判定部202は、温度計測値T1と温度計測値T2との差の絶対値|T1−T2|が閾値E以下の場合、圧力センサ1が適正な状態にあると判定する。
状態判定装置2の通知部203は、温度計測値T1と温度計測値T2との差の絶対値|T1−T2|が閾値Eを超えたことにより、判定部202によって圧力センサ1が不適正な状態と判定された場合、アラーム出力を行う(図8ステップS202)。
アラーム出力の方法としては、例えばアラーム発生を知らせる表示灯を点灯させたり、アラーム発生を知らせる内容を表示したり、アラーム発生を知らせる音声を出力したり、アラーム発生を知らせる情報を制御端末等の上位機器へ送信したりする等の方法がある。また、通知部203は、判定結果をログデータとして記録・蓄積するようにしてもよい。これにより、メンテナンス作業者が必要なタイミングでエラー判定結果を参照することが可能になる。また、通知部203は、アラームを出すことに限られず、圧力センサ1が適正な状態であることを通知するようにしてもよい。以上のような通知部203の動作は、以降の実施例の通知部においても同様である。
例えば図11の例のように圧力センサ1によって計測された温度計測値T1と温度計測値T2との差の絶対値|T1−T2|が高い場合、|T1−T2|>Eとなるため、アラーム出力が行われる。
なお、圧力センサ1の洗浄開始から特定時間経過後の時点で図8の処理を1回行うようにしてよいし、一定時間毎に図8の処理を行うようにしてよい。状態判定装置2には、例えば圧力センサ1の洗浄実行を通知する洗浄実行通知信号がオペレータによって入力される。これにより、状態判定装置2は、圧力センサ1の洗浄実行を認識することができる。
こうして、本実施例では、圧力センサ1の計測状態を判定することができ、信頼性の高い装置管理を実現することができる。
図12は閾値Eの別の設定例を示す図である。図12の例は、閾値Eを経過時間または温度分布状態(温度差)の値に応じて調整する例である。図12の例は、経過時間や温度差に応じて、圧力センサ出力補正係数が調整される場合や許容値を調整したい場合に好適である(例えば、特に温度や圧力がある程度安定した状態において計測状態を管理したい場合等)。判定部202は、洗浄開始通知からの経過時間に応じて、または温度計測値T1と温度計測値T2との差の変化(または圧力の変化)に応じて閾値Eを設定すればよい。
図10、図12の例では、温度差の絶対値|T1−T2|を参照し、上限のみの閾値Eを設定した場合としており、T1,T2の大小関係は不問としている。絶対値とせず、温度差(T1−T2)と閾値とを比較する場合には、上限閾値(T1−T2>0を想定)および下限閾値(T1−T2<0を想定)を設定してもよい。この場合、判定部202は、温度差(T1−T2)が上限閾値を超える場合、または温度差(T1−T2)が下限閾値を下回る場合、圧力センサ1が不適正な状態にあると判定し、温度差(T1−T2)が下限閾値以上で上限閾値以下の場合、圧力センサ1が適正な状態にあると判定すればよい。
また、温度計測値T1,T2の大小関係等を含めた温度差に基づく判定が必要な場合、T1>a×T2+b(a,bは定数)の場合は適正、T1≦a×T2+bの場合は不適正などの判定式を追加してもよい。
なお、本発明では、圧力センサ1の温度分布に基づいて圧力センサ1における計測状態を判定すればよく、適正な状態か否かの2段階判定だけでなく、計測状態を複数段階で判定してもよい。この場合には、閾値を複数段階設定すればよい。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図13は本実施例の状態判定システムの構成を示すブロック図である。状態判定システムは、圧力センサ1と、状態判定装置2aとから構成される。
状態判定装置2aは、温度取得部200と、記憶部201と、判定部202aと、通知部203とを備えている。
本実施例においても、状態判定装置2aの処理の流れは第1の実施例と同様であるので、図8の符号を用いて説明する。
本実施例では、温度分布として2箇所の個別温度に基づき閾値判定する。閾値は、許容温度分布(例えば適正な計測状態を維持できる温度分布)に基づき設定される必要がある。図14に、本実施例の上限閾値EHおよび下限閾値ELの設定例を示す。図14の例は、上限閾値EHおよび下限閾値ELを経過時間に対し一定とした例である。ここでは、経過時間に対し一定の許容最大温度分布を満たすように、上限閾値EHおよび下限閾値ELを設定している。
第1の実施例と同様に、状態判定装置2aの温度取得部200は、圧力センサ1の温度センサ60−1によって計測された温度計測値T1と、温度センサ60−2によって計測された温度計測値T2とを取得する(図8ステップS200)。
状態判定装置2の判定部202aは、温度取得部200によって取得された温度計測値T1,T2と、記憶部201に記憶されている上限閾値EHおよび下限閾値ELとに基づいて、圧力センサ1の圧力の計測状態が適正な状態(補正可能な状態)かどうかを判定する(図8ステップS201)。
判定部202aは、温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が上限閾値EHを超える場合、または温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が下限閾値ELを下回る場合、圧力センサ1が不適正な状態にあると判定する。また、判定部202aは、温度計測値T1,T2が下限閾値EL以上で上限閾値EH以下の場合(EL≦T1≦EH、かつEL≦T2≦EH)、圧力センサ1が適正な状態にあると判定する。
通知部203の動作は第1の実施例と同じである。
図15は上限閾値EHおよび下限閾値ELの別の設定例を示す図である。図15の例は、上限閾値EHおよび下限閾値ELを経過時間または温度分布状態に応じて調整する例である。図15の例は、ある時点における許容最大温度分布を満たすよう、それぞれ上限閾値EHおよび下限閾値ELを設定している。
判定部202aは、洗浄開始通知からの経過時間に応じて、またはある時点における温度分布状態に応じて上限閾値EHおよび下限閾値ELを設定すればよい。その他の動作は図14の例の場合と同様である。
図16は、図15の例に加えて、温度計測値T1,T2のそれぞれに上限閾値および下限閾値を設定した例を示す図である。
判定部202aは、洗浄開始通知からの経過時間に応じて、またはある時点における温度分布状態に応じて上限閾値E1H,E2Hおよび下限閾値E1L,E2Lを設定すればよい。
判定部202aは、温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が対応する上限閾値E1H,E2Hを超える場合(T1>E1H,T2>E2H)、または温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が対応する下限閾値E1L,E2Lを下回る場合(T1<E1L,T2<E2L)、圧力センサ1が不適正な状態にあると判定する。また、判定部202aは、温度計測値T1,T2がそれぞれ対応する下限閾値E1L,E2L以上で上限閾値E1H,E2H以下の場合(E1L≦T1≦E1H、かつE2L≦T2≦E2H)、圧力センサ1が適正な状態にあると判定する。
図17は、閾値を経過時間に対し一定に設定する場合において、どちらか一方の温度に基づき他方の温度の閾値を設定する例を示す図である。図17の例は、経過時間に対し一定の許容最大温度分布を満たすよう閾値を設定する場合において、温度計測値T2に基づき温度計測値T1の上限閾値E1Hを設定している。その他の閾値E2H,E1L,E2Lは、必ずしも設定する必要がないため、図14と同様に経過時間に対し一定に設定してもよいし、設定しなくてもよい。
本実施例では、判定部202aは、E1H=T2+a(aは定数であり、許容最大温度差)により、上限閾値E1Hを設定すればよい。
判定部202aは、温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が対応する上限閾値E1H,E2Hを超える場合(T1>E1H,T2>E2H)、または温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が対応する下限閾値E1L,E2Lを下回る場合(T1<E1L,T2<E2L)、圧力センサ1が不適正な状態にあると判定する。また、判定部202aは、温度計測値T1,T2がそれぞれ対応する下限閾値E1L,E2L以上で上限閾値E1H,E2H以下の場合(E1L≦T1≦E1H、かつE2L≦T2≦E2H)、圧力センサ1が適正な状態にあると判定する。
図17の例では、10〜30秒の範囲で温度計測値T1が上限閾値E1Hを超えるので、不適正な状態にあると判定される。図17の例とは逆に温度計測値T1に基づき温度計測値T2の閾値を決定してもよい。
図18は、閾値を経過時間または温度分布状態に応じて調整する場合において、どちらか一方の温度に基づき他方の温度の閾値を設定する例を示す図である。図18の例は、閾値を経過時間または温度分布状態に応じて調整する場合において、温度計測値T1と理想温度T1Rとの差分(ずれ分)に基づき温度計測値T2の下限閾値E2Lを設定している。その他の閾値E1H,E2H,E1Lは、必ずしも設定する必要がないため、図16と同様に経過時間に応じて設定してもよいし、設定しなくてもよい。
本実施例では、判定部202aは、E2L=T2R−a+(T1−T1R)(aは定数)により、下限閾値E2Lを設定すればよい。
判定部202aは、温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が対応する上限閾値E1H,E2Hを超える場合(T1>E1H,T2>E2H)、または温度計測値T1,T2のうち少なくとも一方が対応する下限閾値E1L,E2Lを下回る場合(T1<E1L,T2<E2L)、圧力センサ1が不適正な状態にあると判定する。また、判定部202aは、温度計測値T1,T2がそれぞれ対応する下限閾値E1L,E2L以上で上限閾値E1H,E2H以下の場合(E1L≦T1≦E1H、かつE2L≦T2≦E2H)、圧力センサ1が適正な状態にあると判定する。
図18の例では、温度計測値T1は理想温度T1Rよりも到達温度が高く、立ち上がりが遅い状態(温度プロファイル)となっている。立ち上がりの遅い領域、つまり、T1<T1Rの領域では、温度計測値T2の下限閾値E2Lは、温度計測値T1のずれ分を考慮して低く設定される。一方、到達温度付近の領域、つまり、T1>T1Rの領域では、温度計測値T2の下限閾値E2Lは逆に高く設定される。25秒以降で温度計測値T2が下限閾値E2L以上となり、不適正な状態にあると判定される。
図18の例とは逆に温度計測値T2に基づき温度計測値T1の上限閾値E1Hを決定してもよい。また、本実施例ではT1>T2の場合を想定しているが、T2<T1の場合も、上限/下限の関係や符号を調整することで、同様の思想が適用可能である。
なお、第1の実施例と同様に、計測状態を複数段階で判定してもよい。この場合には、上限閾値と下限閾値のそれぞれを複数段階設定すればよい。
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。図19は本実施例の状態判定システムの構成を示すブロック図である。本実施例の状態判定システムは、圧力センサ1と、状態判定装置2bとから構成される。
状態判定装置2bは、温度取得部200と、判定結果取得部204と、状態判定モデル205(判定部)と、学習部206と、通知部207とを備えている。
状態判定モデル205は、重回帰式またはニューラルネットワークにより入力変数(温度計測値T1,T2の時系列データ)から出力変数(状態判定結果)を得るものである。
学習部206は、状態判定モデル205の機械学習(重回帰分析またはニューラルネットワークの学習)を行う。ここで、状態判定処理の前に予め行われる学習動作について、図20のフローチャートを参照して説明する。
例えば圧力センサ1の洗浄試験時に、状態判定装置2bの温度取得部200は、圧力センサ1によって計測された温度計測値T1,T2の時系列データを取得する(図20ステップS300)。
状態判定装置2bの判定結果取得部204は、圧力センサ1の洗浄試験時に、メンテナンス作業者が経験上から判断した圧力センサ1の計測状態の判定結果を取得する(図20ステップS301)。判定結果は、適正な状態か否かの2段階判定だけでなく、複数段階の判定結果でもよい。
状態判定モデル205が重回帰式を用いる場合、学習部206は、温度取得部200によって取得された温度計測値T1,T2の時系列データを入力変数とし、判定結果取得部204によって取得された状態判定結果を出力変数として、入力変数と出力変数の集合であるデータセットに基づいて重回帰分析を行い、入力変数と出力変数との関係を示す重回帰式を算出する学習を行う(図20ステップS302)。また、状態判定モデル205がニューラルネットワークを用いる場合、学習部206は、温度計測値T1,T2の時系列データを入力変数とし、判定結果取得部204によって取得された状態判定結果を出力変数として、入力変数と出力変数の集合であるデータセットに基づいて、目的とする出力変数が得られるようニューラルネットワークの学習を行う(ステップS302)。このように状態判定モデル205の機械学習を行うことで、判定精度を向上させることができる。なお、機械学習の方法は周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
図21は状態判定装置2bの状態判定動作を説明するフローチャートである。状態判定装置2bの温度取得部200は、圧力センサ1によって計測された温度計測値T1,T2の時系列データを取得する(図21ステップS400)。
状態判定装置2bの状態判定モデル205は、温度取得部200によって取得された温度計測値T1,T2の時系列データを入力として、重回帰式またはニューラルネットワークにより圧力センサ1の状態判定結果を出力する(図21ステップS401)。
状態判定装置2bの通知部207は、状態判定モデル205によって圧力センサ1が不適正な状態と判定された場合、アラーム出力を行う(図21ステップS402)。
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様に、圧力センサ1の計測状態を判定することができ、信頼性の高い装置管理を実現することができる。また、本実施例では、メンテナンス作業者の専門知識(経験則など)を状態判定に反映させることができ、第1の実施例よりも複雑な判断を行うことができる。
なお、本実施例では、2つの温度計測値T1,T2を取得できる圧力センサ1の例で説明しているが、ダイアフラム20の接液面21に垂直な方向に沿って離間する3つ以上の位置の温度計測値が取得できる圧力センサにも本実施例を適用可能である。
[第4の実施例]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例では、温度計測値に加えて、圧力センサによって計測された圧力計測値も含めて複合判定を行う。第1の実施例で説明した圧力センサ1では、ダイアフラム20に加わる圧力により補正の信頼性が変わる場合、または、加わる圧力により要求される信頼性が変わる場合が有り得るので、温度分布および圧力を用いて複合的に判定することで、より信頼性の高い状態管理が可能となる。加わる圧力により要求される信頼性が変わる場合とは、例えば、測定レンジの中でも、制御範囲を超えた高圧側では信頼性の要求レベルは低いが、低圧側では高い信頼性が求められる場合のことを言う。
図22は本実施例の状態判定システムの構成を示すブロック図である。本実施例の状態判定システムは、圧力センサ1と、状態判定装置2cとから構成される。
状態判定装置2cは、温度取得部200と、判定結果取得部204と、状態判定モデル205c(判定部)と、学習部206cと、通知部207と、圧力取得部208とを備えている。
状態判定モデル205cは、重回帰式またはニューラルネットワークにより入力変数(温度計測値T1,T2の時系列データ、温度計測値T1とT2との差T1−T2の時系列データ、圧力計測値Pの時系列データ)から出力変数(状態判定結果)を得るものである。学習部206cは、状態判定モデル205cの機械学習を行う。状態判定処理の前に予め行われる学習動作について、図23のフローチャートを参照して説明する。
例えば圧力センサ1の洗浄試験時に、状態判定装置2cの温度取得部200は、圧力センサ1によって計測された温度計測値T1,T2の時系列データを取得する(図23ステップS500)。
状態判定装置2cの圧力取得部208は、圧力センサ1によって計測された圧力計測値Pの時系列データを取得する(図23ステップS501)。
状態判定装置2cの判定結果取得部204は、圧力センサ1の洗浄試験時に、メンテナンス作業者が経験上から判断した圧力センサ1の計測状態の判定結果を取得する(図23ステップS502)。メンテナンス作業者は、例えば、圧力センサ1と同じ配管内に取り付けられた他の圧力計の指示値との比較などによって、圧力センサ1の計測状態を判断することができる。
状態判定モデル205cが重回帰式を用いる場合、学習部206cは、温度取得部200によって取得された温度計測値T1,T2の時系列データと、温度計測値T1とT2との差T1−T2の時系列データと、圧力取得部208によって取得された圧力計測値Pの時系列データとを入力変数とし、判定結果取得部204によって取得された状態判定結果を出力変数として、入力変数と出力変数の集合であるデータセットに基づいて重回帰分析を行い、入力変数と出力変数との関係を示す重回帰式を算出する学習を行う(図23ステップS503)。
また、状態判定モデル205cがニューラルネットワークを用いる場合、学習部206cは、温度計測値T1,T2の時系列データと、温度計測値T1とT2との差T1−T2の時系列データと、圧力計測値Pの時系列データとを入力変数とし、判定結果取得部204によって取得された状態判定結果を出力変数として、入力変数と出力変数の集合であるデータセットに基づいて、目的とする出力変数が得られるようニューラルネットワークの学習を行う(ステップS503)。
図24は状態判定装置2cの状態判定動作を説明するフローチャートである。状態判定装置2cの温度取得部200は、圧力センサ1によって計測された温度計測値T1,T2の時系列データを取得する(図24ステップS600)。
状態判定装置2cの圧力取得部208は、圧力センサ1によって計測された圧力計測値Pの時系列データを取得する(図24ステップS601)。
状態判定装置2cの状態判定モデル205cは、温度取得部200によって取得された温度計測値T1,T2の時系列データと、温度計測値T1とT2との差T1−T2の時系列データと、圧力取得部208によって取得された圧力計測値Pの時系列データとを入力とし、重回帰式またはニューラルネットワークにより圧力センサ1の状態判定結果を出力する(図24ステップS602)。
状態判定装置2cの通知部207は、状態判定モデル205cによって圧力センサ1が不適正な状態と判定された場合、アラーム出力を行う(図24ステップS604)。
こうして、本実施例では、第1の実施例と同様に、圧力センサ1の計測状態を判定することができ、信頼性の高い装置管理を実現することができる。また、本実施例では、T1,T2の温度差と圧力計測値Pとメンテナンス作業者の専門知識(経験則など)とを状態判定に反映させることができ、第1の実施例よりも複雑な判断を行うことができる。
第1〜第4の実施例において、状態判定装置2,2a,2b,2cは圧力センサ自体に実装してもよいし、圧力センサとは別体の装置としてもよい。また、圧力の計測ログデータや状態判定結果を状態判定装置2,2a,2b,2cに保存するようにしてよい。
また、圧力センサ1が温度計測機能を有しておらず、温度センサが圧力センサ1から独立したセンサであってもよい。
第1〜第4の実施例で説明した状態判定装置2,2a,2b,2cは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図25に示す。コンピュータは、CPU300と、記憶装置301と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)302とを備えている。I/F302には、圧力センサ1等が接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明の状態判定方法を実現させるためのプログラムは記憶装置301に格納される。CPU300は、記憶装置301に格納されたプログラムに従って第1〜第4の実施例で説明した処理を実行する。同様に、圧力センサ1の補正用パラメータ算出部71と出力変動値算出部72と出力値補正部73と圧力算出部80とについてもコンピュータによって実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲はかかる例に限定されない。本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、様々な変形例に想到しうることは明らかであり、これらの変形例についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
1…圧力センサ、2,2a〜2c…状態判定装置、20…ダイアフラム、30…ハウジング、40…センサボディ、50…センシング部、60…温度測定部、71…補正用パラメータ算出部、72…出力変動値算出部、73…出力値補正部、80…圧力算出部、200…温度取得部、201…記憶部、202,202a…判定部、203,207…通知部、204…判定結果取得部、205,205c…状態判定モデル、206,206c…学習部、208…圧力取得部。

Claims (10)

  1. 圧力センサにおける複数箇所の温度計測値をそれぞれ取得する温度取得部と、
    前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布に基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定する判定部と、
    を備える、状態判定装置。
  2. 前記判定部は、前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値の温度差に基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定する、請求項1に記載の状態判定装置。
  3. 前記判定部は、前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値のそれぞれに基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定する、請求項1に記載の状態判定装置。
  4. 前記圧力センサの温度分布と前記圧力センサの圧力の計測状態の判定結果とが関連付けられている第1対象データの集合である、第1データセットに基づいて、前記圧力センサの温度分布に対応する前記圧力センサの圧力の計測状態を学習する学習部をさらに備え、
    前記判定部は、学習結果と取得された前記温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布とに基づいて、前記圧力センサの圧力の計測状態を判定する、請求項1に記載の状態判定装置。
  5. 前記圧力センサによって計測された圧力計測値を取得する圧力取得部と、
    前記圧力センサの温度分布、前記圧力計測値、および前記圧力センサの圧力の計測状態の判定結果が関連付けられている第2対象データの集合である、第2データセットに基づいて、前記圧力センサの温度分布および前記圧力計測値の組み合わせに対応する前記圧力センサの圧力の計測状態を学習する学習部と、
    をさらに備え、
    前記判定部は、学習結果、取得された前記温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布、および取得された前記圧力計測値に基づいて、前記圧力センサの圧力の計測状態を判定する、請求項1に記載の状態判定装置。
  6. 前記圧力センサの圧力の計測状態の判定結果を通知する通知部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の状態判定装置。
  7. 圧力を計測する圧力計測部をさらに備え、圧力センサとして機能し、
    前記温度取得部は、自装置に対応する前記温度計測値を取得し、
    前記判定部は、自装置における計測状態を判定する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の状態判定装置。
  8. 圧力センサと、
    状態判定装置と、
    を有し、
    前記状態判定装置は、
    前記圧力センサにおける複数箇所の温度計測値をそれぞれ取得する温度取得部と、
    前記圧力センサの箇所ごとに取得された温度計測値から得られる前記圧力センサの温度分布に基づいて、前記圧力センサにおける計測状態を判定する判定部と、
    を備える、状態判定システム。
  9. 前記圧力センサは、
    測定対象の圧力を受ける第1主面および前記第1主面の反対側に位置する第2主面を有するダイアフラムと、
    前記ダイアフラムの周縁部を支持するハウジングと、
    前記ダイアフラムの前記第2主面上に配設され、前記ダイアフラムの変形に対応する検出信号を出力するセンシング部と、
    前記検出信号に対応する圧力計測値を算出する圧力算出部と、
    備える、請求項8に記載の状態判定システム。
  10. 前記圧力センサは、
    前記圧力センサにおける前記複数箇所の温度計測値に基づいて、前記検出信号を補正する補正部をさらに備え、
    前記圧力算出部は、補正された前記検出信号から圧力計測値を算出する、請求項9に記載の状態判定システム。
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