JP2021017884A - 容量制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時の流体排出機能を有しつつ運転効率が良い容量制御弁を提供する。【解決手段】吐出圧力Pdの吐出流体が通過する吐出ポート12、吸入圧力Psの吸入流体が通過する吸入ポート13,15および制御圧力Pcの制御流体が通過する制御ポート14が形成されたバルブハウジング10と、主弁座10aとソレノイド80により駆動される主弁体51とにより構成され主弁体51の移動により吐出ポート12と制御ポート14との連通を開閉する主弁50とを備える容量制御弁Vであって、CS弁体56と、CS弁体56を閉方向に付勢するバネ91とを具備し、制御ポート14と吸入ポート15との間の流体の流れを制御するCS弁57を備え、主弁体51が移動して主弁50を全開から全閉させるまでの間に主弁体51と共に移動する当接部材52がCS弁体56に当接しCS弁57が開放される。【選択図】図2

Description

本発明は、作動流体の容量を可変制御する容量制御弁に関し、例えば、自動車の空調システムに用いられる容量可変型圧縮機の吐出量を圧力に応じて制御する容量制御弁に関する。
自動車等の空調システムに用いられる容量可変型圧縮機は、エンジンにより回転駆動される回転軸、回転軸に対して傾斜角度を可変に連結された斜板、斜板に連結された圧縮用のピストン等を備え、斜板の傾斜角度を変化させることにより、ピストンのストローク量を変化させて流体の吐出量を制御するものである。この斜板の傾斜角度は、電磁力により開閉駆動される容量制御弁を用いて、流体を吸入する吸入室の吸入圧力Ps、ピストンにより加圧された流体を吐出する吐出室の吐出圧力Pd、斜板を収容した制御室の制御圧力Pcを利用しつつ、制御室内の圧力を適宜制御することで連続的に変化させ得るようになっている。
容量可変型圧縮機の連続駆動時(以下、単に「連続駆動時」と表記することもある)において、容量制御弁は、制御コンピュータにより通電制御され、ソレノイドで発生する電磁力により弁体を軸方向に移動させ、主弁を開閉して容量可変型圧縮機の制御室の制御圧力Pcを調整する通常制御を行っている。
容量制御弁の通常制御時においては、容量可変型圧縮機における制御室の圧力が適宜制御されており、回転軸に対する斜板の傾斜角度を連続的に変化させることにより、ピストンのストローク量を変化させて吐出室に対する流体の吐出量を制御し、空調システムが所望の冷却能力となるように調整している。また、容量可変型圧縮機を最大容量で駆動する場合には、容量制御弁の主弁を閉塞して制御室の圧力を低くすることで、斜板の傾斜角度を最大とするようになっている。
また、容量制御弁の制御ポートと吸入ポートとの間を連通させる補助連通路を形成し、起動時に容量可変型圧縮機の制御室の冷媒を制御ポート、補助連通路、吸入ポートを通して容量可変型圧縮機の吸入室へ排出するようにして、起動時に制御室の圧力を迅速に低下させることで、容量可変型圧縮機の応答性が向上されるものも知られている(特許文献1参照)。
特許第5167121号公報(第7頁、第2図)
しかしながら、特許文献1にあっては、起動時に流体排出機能に優れるものの、容量可変型圧縮機の連続駆動時における容量制御弁の通電制御時には、補助連通路が連通しており制御ポートから吸入ポートに冷媒が流れ込むことから、制御室の圧力の制御性が悪く、容量可変型圧縮機の運転効率が下がってしまう虞があった。また、容量制御弁の非通電状態には、補助連通路が連通しており制御ポートから吸入ポートに冷媒が流れ込むことから、短い時間経過後の再起動時の制御性が悪く、容量可変型圧縮機の運転効率が下がってしまう虞があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、起動時の流体排出機能を有しつつ運転効率が良い容量制御弁を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の容量制御弁は、
吐出圧力の吐出流体が通過する吐出ポート、吸入圧力の吸入流体が通過する吸入ポートおよび制御圧力の制御流体が通過する制御ポートが形成されたバルブハウジングと、
主弁座とソレノイドにより駆動される主弁体とにより構成され前記主弁体の移動により前記吐出ポートと前記制御ポートとの間の流体の流れを制御する主弁と、を備える容量制御弁であって、
CS弁体と、前記CS弁体を閉方向に付勢するバネとを具備し、前記制御ポートと前記吸入ポートとの間の流体の流れを制御するCS弁を備え、前記主弁体が移動して前記主弁を全開から全閉させるまでの間に前記主弁体と共に移動する当接部材が前記CS弁体に当接し前記CS弁が開放される。
これによれば、容量制御弁のソレノイドに通電されない非通電時には、主弁は全開となってCS弁が閉塞されるため、制御ポートを通過する制御流体が吸入ポートに流入せず、容量制御弁の運転効率が高い。また、容量可変型圧縮機の起動時には、主弁は全閉となってCS弁が開放され制御ポートと吸入ポートとを連通させることにより、制御室内からCS弁を通して液化した流体を吸入室内に短時間で排出して起動時の応答性を高めることができる。加えて、主弁体と共に移動する当接部材がCS弁体に当接してから主弁が全閉するまでの間にCS弁が開放されていくことにより、制御圧力を低下させる制御の応答性を高めることができる。
前記主弁の全閉時に前記CS弁が全開されていてもよい。
これによれば、主弁の全閉時にCS弁が全開され、CS弁を通して排出される流体の流量が最大となるため、制御圧力を低下させる制御の応答性をより高めることができる。
前記CS弁体は円筒形状であって、前記バルブハウジングの内周には環状段部が形成されており、前記環状段部の一部は前記CS弁体が接離するCS弁座をなしていてもよい。
これによれば、CS弁を有する容量制御弁は簡素な構造となる。
前記CS弁体は、前記バルブハウジングの内周に摺動可能に配置されていてもよい。
これによれば、CS弁を有する容量制御弁をコンパクトに構成できる。
前記CS弁体には、径方向に貫通する貫通部が形成されていてもよい。
これによれば、CS弁体と当接部材との当接後に貫通部を通してCS弁により開閉され制御ポートと吸入ポートとを連通させる流路を形成することができる。
前記バネはコイルスプリングであってもよい。
これによれば、CS弁を有する容量制御弁は簡素な構造となる。
前記吸入圧力により開閉する圧力駆動弁を備え、
前記主弁体は中空ロッドの一部をなしており、前記中空ロッドには、前記圧力駆動弁の開閉により前記制御ポートと前記吸入ポートとを連通させることが可能な中空連通路が形成されてもよい。
これによれば、起動時において、圧力駆動弁によっても流体を排出できるから流体排出を迅速に行うことができる。
前記吸入ポートは第1吸入ポートと第2吸入ポートからなり、前記ソレノイド側から、前記第1吸入ポート、前記吐出ポート、前記制御ポート、前記第2吸入ポートの順に配置されていてもよい
これによれば、制御ポートと第2吸入ポートが隣り合うため、CS弁を有する容量制御弁は簡素な構造となる。
前記CS弁は、開閉方向両側に密封部を有しており、両密封部の受圧面積が異なっていてもよい。
これによれば、制御圧力と吸入圧力との差圧をCS弁の開閉方向に作用させることができる。
前記主弁は閉弁直前の開度の減少割合がそれ以前よりも小さくなるように構成されていてもよい。
これによれば、主弁が全閉する主弁体の閉弁位置までストロークする直前に主弁の開度が絞られることにより、主弁とCS弁が同時に開弁しているオーバーラップ領域を少なくすることができるため、容量制御弁の運転効率が高い。
前記主弁座に連なり該主弁座よりも大径かつ前記主弁体が挿入可能とされた軸方向に延びる絞り部が形成されていてもよい。
これによれば、バルブハウジングに主弁座と絞り部を一体に形成できるため、絞り部を有する容量制御弁は簡素な構造となる。
本発明に係る実施例の容量制御弁が組み込まれる斜板式容量可変型圧縮機を示す概略構成図である。 実施例1の容量制御弁の非通電状態において主弁が全開状態に開放され、CS弁が閉塞された様子を示す断面図である。 実施例1の容量制御弁の非通電状態において主弁が全開状態に開放され、CS弁が閉塞された様子を示す図2の拡大断面図である。 実施例1の容量制御弁の通電状態において当接部材がCS弁体に接触した様子を示す拡大断面図である。 実施例1の容量制御弁の最大通電状態(起動時)において主弁が閉塞され、CS弁が全開状態に開放された様子を示す拡大断面図である。 実施例1の主副弁体のストローク位置に対する主弁およびCS弁の開口面積を説明する図である。尚、横軸のストローク位置は、ソレノイドに電流を印加した際に主副弁体が移動する方向(図2における左から右への方向)で示している。 本発明に係る実施例2の容量制御弁の非通電状態において主弁が開放され、CS弁が閉塞された様子を示す拡大断面図である。 本発明に係る実施例3の容量制御弁の非通電状態において主弁が開放され、CS弁が閉塞された様子を示す拡大断面図である。 実施例3の主副弁体のストローク位置に対する主弁およびCS弁の開口面積を説明する図である。尚、実施例1との対比のために、図6における主弁およびCS弁の開口面積のグラフを点線で表示している。
本発明に係る容量制御弁を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る容量制御弁につき、図1から図6を参照して説明する。以下、図2の正面側から見て左右側を容量制御弁の左右側として説明する。
本発明の容量制御弁Vは、自動車等の空調システムに用いられる容量可変型圧縮機Mに組み込まれ、冷媒である作動流体(以下、単に「流体」と表記する)の圧力を可変制御することにより、容量可変型圧縮機Mの吐出量を制御し空調システムを所望の冷却能力となるように調整している。
先ず、容量可変型圧縮機Mについて説明する。図1に示されるように、容量可変型圧縮機Mは、吐出室2と、吸入室3と、制御室4と、複数のシリンダ4aと、を備えるケーシング1を有している。尚、容量可変型圧縮機Mには、制御室4と吸入室3とを直接連通する図示しない連通路が設けられており、この連通路には吸入室3と制御室4との圧力を平衡調整させるための固定オリフィスが設けられている。
また、容量可変型圧縮機Mは、ケーシング1の外部に設置される図示しないエンジンにより回転駆動される回転軸5と、制御室4内において回転軸5に対してヒンジ機構8により偏心状態で連結される斜板6と、斜板6に連結され各々のシリンダ4a内において往復動自在に嵌合された複数のピストン7と、を備え、電磁力により開閉駆動される容量制御弁Vを用いて、流体を吸入する吸入室3の吸入圧力Ps、ピストン7により加圧された流体を吐出する吐出室2の吐出圧力Pd、斜板6を収容した制御室4の制御圧力Pcを利用しつつ、制御室4内の圧力を適宜制御することで斜板6の傾斜角度を連続的に変化させることにより、ピストン7のストローク量を変化させて流体の吐出量を制御している。尚、説明の便宜上、図1においては、容量可変型圧縮機Mに組み込まれる容量制御弁Vの図示を省略している。
具体的には、制御室4内の制御圧力Pcが高圧であるほど、回転軸5に対する斜板6の傾斜角度は小さくなりピストン7のストローク量が減少するが、一定以上の圧力となると、回転軸5に対して斜板6が略垂直状態、すなわち垂直よりわずかに傾斜した状態となる。このとき、ピストン7のストローク量は最小となり、ピストン7によるシリンダ4a内の流体に対する加圧が最小となることで、吐出室2への流体の吐出量が減少し、空調システムの冷却能力は最小となる。一方で、制御室4内の制御圧力Pcが低圧であるほど、回転軸5に対する斜板6の傾斜角度は大きくなりピストン7のストローク量が増加するが、一定以下の圧力となると、回転軸5に対して斜板6が最大傾斜角度となる。このとき、ピストン7のストローク量は最大となり、ピストン7によるシリンダ4a内の流体に対する加圧が最大となることで、吐出室2への流体の吐出量が増加し、空調システムの冷却能力は最大となる。
図2に示されるように、容量可変型圧縮機Mに組み込まれる容量制御弁Vは、ソレノイド80を構成するコイル86に通電する電流を調整し、容量制御弁Vにおける主弁50、副弁55、CS弁57の開閉制御を行うとともに、中空連通路としての中間連通路59における吸入圧力Psにより感圧体61を動作させて圧力駆動弁としての感圧弁53の開閉制御を行い、制御室4内に流入する、または制御室4から流出する流体を制御することで制御室4内の制御圧力Pcを可変制御している。
本実施例において、主弁50は、主弁体および中空ロッドとしての主副弁体51とバルブハウジング10の内周面に形成された主弁座10aとにより構成されており、主副弁体51の軸方向左端51aが主弁座10aに接離することで、主弁50が開閉するようになっている。感圧弁53は、感圧体61を構成するキャップ70と当接部材および中空ロッドとしての感圧弁部材52の軸方向左端に形成される感圧弁座52aとにより構成されており、キャップ70の軸方向右端の外径側に形成されるシール面70aが感圧弁座52aに接離することで、感圧弁53が開閉するようになっている。副弁55は、主副弁体51と固定鉄心82の開口端面、すなわち軸方向左端面に形成される副弁座82aとにより構成されており、主副弁体51の軸方向右端51bが副弁座82aに接離することで、副弁55が開閉するようになっている。CS弁57は、CS弁体56とバルブハウジング10の内周面に形成されるCS弁座10dとにより構成されており、CS弁体56の外周面の軸方向略中央に形成される突端部56aがCS弁座10dに接離することで、CS弁57が開閉するようになっている。尚、CS弁57については後段にて詳述する。
次いで、容量制御弁Vの構造について説明する。図2に示されるように、容量制御弁Vは、金属材料または樹脂材料により形成されたバルブハウジング10と、バルブハウジング10内に軸方向に往復動自在に配置された主副弁体51、感圧弁部材52、CS弁体56と、中間連通路59における吸入圧力Psに応じて主副弁体51、感圧弁部材52に軸方向右方への付勢力を付与する感圧体61と、バルブハウジング10に接続され主副弁体51、感圧弁部材52、CS弁体56に駆動力を及ぼすソレノイド80と、から主に構成されている。
図2に示されるように、ソレノイド80は、軸方向左方に開放する開口部81aを有するケーシング81と、ケーシング81の開口部81aに対して軸方向左方から挿入されケーシング81の内径側に固定される略円筒形状の固定鉄心82と、固定鉄心82の内径側において軸方向に往復動自在、かつその軸方向左端部が主副弁体51の軸方向右端部と接続固定される駆動ロッド83と、駆動ロッド83の軸方向右端部に固着される可動鉄心84と、固定鉄心82と可動鉄心84との間に設けられ可動鉄心84を軸方向右方に付勢するコイルスプリング85と、固定鉄心82の外側にボビンを介して巻き付けられた励磁用のコイル86と、から主に構成されている。
ケーシング81には、軸方向左端の内径側が軸方向右方に凹む凹部81bが形成されており、この凹部81bに対してバルブハウジング10の軸方向右端部が略密封状に挿嵌・固定されている。
固定鉄心82は、鉄やケイ素鋼等の磁性材料である剛体から形成され、軸方向に延び駆動ロッド83が挿通される挿通孔82cが形成される円筒部82bと、円筒部82bの軸方向左端部の外周面から外径方向に延びる環状のフランジ部82dとを備え、円筒部82bの軸方向左端面に副弁座82aが形成されている。
図2に示されるように、バルブハウジング10には、容量可変型圧縮機Mの吐出室2と連通する吐出ポートとしてのPdポート12と、容量可変型圧縮機Mの吸入室3と連通する吸入ポートおよび第1吸入ポートとしての第1Psポート13と、容量可変型圧縮機Mの制御室4と連通する制御ポートとしてのPcポート14と、容量可変型圧縮機Mの吸入室3と連通する吸入ポートおよび第2吸入ポートとしての第2Psポート15と、がソレノイド80側から第1Psポート13、Pdポート12、Pcポート14、第2Psポート15の順に形成されている。
また、バルブハウジング10は、その軸方向左端部に仕切調整部材11が略密封状に圧入されることにより有底略円筒形状を成している。尚、仕切調整部材11は、バルブハウジング10の軸方向における設置位置を調整することで、感圧体61やCS弁57を構成する後述するバネとしてのコイルスプリング91の付勢力を調整できるようになっている。
バルブハウジング10の内部には、主副弁体51、感圧弁部材52、CS弁体56が軸方向に往復動自在に配置され、バルブハウジング10の内周面の一部には、主副弁体51の外周面が略密封状態で摺接可能な小径のガイド面10bが形成されている。また、バルブハウジング10の内周面の軸方向左端部には、バルブハウジング10の軸方向左端面から軸方向右方に延びる第2Psポート15が形成される内周面10cと、内周面10cの軸方向右端から傾斜しながら内径方向に延びCS弁体56の突端部56aが接離するCS弁座10dと、CS弁座10dの内径側から軸方向右方に延びる内周面10eとにより環状段部10fが形成されている(図3〜5参照)。
また、バルブハウジング10の内部には、Pdポート12と連通され主副弁体51の軸方向左端51a側が配置される第1弁室20と、第1Psポート13と連通され主副弁体51の背圧側、すなわち軸方向右端51b側が配置される第2弁室30と、Pcポート14および第2Psポート15と連通され感圧体61と共にCS弁体56が配置される感圧室40と、が形成されている。尚、第2弁室30は、主副弁体51の外周面と、固定鉄心82の軸方向左端面と、バルブハウジング10のガイド面10bよりも軸方向右側の内周面とにより画成されている。
図2に示されるように、感圧体61は、コイルスプリング63が内蔵されるベローズコア62と、ベローズコア62の軸方向右端に設けられる円板状のキャップ70と、から主に構成され、ベローズコア62の軸方向左端は、仕切調整部材11に固定されている。
また、感圧体61は、感圧室40内に配置されており、コイルスプリング63とベローズコア62によりキャップ70を軸方向右方に移動させる付勢力によりキャップ70のシール面70aを感圧弁部材52の感圧弁座52aに着座させるようになっている。
図2および図3に示されるように、主副弁体51は、略円筒形状に構成されており、軸方向左端部には、感圧弁部材52が接続固定され、軸方向右端部には、駆動ロッド83が接続固定されており、これらは共に軸方向に移動するようになっている。尚、主副弁体51の外周面とバルブハウジング10のガイド面10bとの間は、径方向に僅かに離間することにより微小な隙間が形成されており、主副弁体51は、バルブハウジング10に対して摺動して軸方向に円滑に相対移動可能となっている。
また、主副弁体51および感圧弁部材52の内部には、中空孔が接続されることにより軸方向に亘って貫通する中間連通路59が形成されている。尚、中間連通路59は、駆動ロッド83の軸方向左端部に形成される連通孔83aを介して第2弁室30と連通可能となっている(図2参照)。尚、説明の便宜上、図示を省略するが、容量可変型圧縮機Mが停止状態で長時間放置されることにより制御室4で高圧となった流体が液化することがあるが、容量可変型圧縮機Mを起動するとともに容量制御弁Vを通電状態とすることにより、主弁50が閉塞されるとともに副弁55が開放され、さらに中間連通路59における高い吸入圧力Psにより、感圧体61が収縮して感圧弁53が開弁されることにより、制御室4の液冷媒を中間連通路59を介して吸入室3に短時間で排出できるようになっている。
図3〜図5に示されるように、感圧弁部材52は、主副弁体51の軸方向左端部が接続固定される円筒部52bと、円筒部52bの軸方向左端部の外周面から外径方向に延びる環状のフランジ部52cと、フランジ部52cの軸方向左側においてフランジ部52cよりも小径に形成され感圧体61を構成するキャップ70のシール面70aと接離する感圧弁座52aが形成される当接部52dと、を有するフランジ付き略円筒形状に構成されている。
図3〜図5に示されるように、CS弁体56は、感圧室40内において感圧体61および感圧弁部材52の外径側に同心状に配置され、軸方向右端部における基部56bと、基部56bの軸方向左側において基部56bよりも大径に形成されバルブハウジング10の内周面に形成されるCS弁座10dと接離する突端部56aが形成される当接部56cと、基部56bの軸方向右側かつ内径側において基部56bよりも小径に形成される延出部56fと、から段付き円筒形状に構成されている。尚、基部56bの外周面とバルブハウジング10の内周面10eとの間、当接部56cの外周面とバルブハウジング10の内周面10cとの間は、径方向に離間することにより隙間がそれぞれ形成されており、CS弁体56は、バルブハウジング10に対して摺動により、軸方向に円滑にスライド移動可能となっている。
また、CS弁体56には、基部56bの外周面の軸方向左端部に内径方向に凹む環状凹部56dが設けられることにより、環状凹部56dとバルブハウジング10の内周面10eとの間に環状の空間が形成されている。また、環状凹部56dには、径方向に貫通し、上述した環状の空間と感圧室40とを連通する連通孔56eが設けられている。
また、CS弁体56の軸方向右端、すなわち延出部56fの軸方向右端56nは、感圧弁部材52のフランジ部52cの軸方向左端面52eと当接可能となっている(図4および図5参照)。また、延出部56fには、径方向に貫通し、感圧室40においてCS弁体56の内径側と外径側とを連通する貫通部としての連通孔56mが設けられている。尚、該貫通部は孔に限らず切り欠きでもよく、CS弁体56に設けることで単純な構造とすることができるが、感圧弁部材52に設けてもよいことは言うまでもない。また、延出部56fは、感圧弁部材52のフランジ部52cと外径が略同一寸法となるように形成されているため、主弁50の開放時にPdポート12からPcポート14へ流れる流体の流路を大きく確保することができる。
また、CS弁体56の内側には、当接部56cの軸方向左端の内径側が軸方向右方に段状に凹む凹部56gが形成され、凹部56gには、コイルスプリング91の軸方向右端部が内嵌されている。
尚、コイルスプリング91の軸方向右端は、凹部56gの底面に当接し、コイルスプリング91の軸方向左端は、仕切調整部材11の内径側に形成される凹部11bの底面に当接することにより、CS弁体56を閉弁方向である軸方向右方に付勢している。また、コイルスプリング91は圧縮バネである。
また、CS弁体56の軸方向左端、すなわち当接部56cの軸方向左端56hは、CS弁57の開弁時において仕切調整部材11の軸方向右端面11aに近接可能となっている(図5参照)。
次いで、CS弁57の開閉機構について説明する。図3に示されるように、ソレノイド80への非通電時において主弁50が全開される主副弁体51の開弁位置にある状態では、CS弁体56には、コイルスプリング91により閉弁方向である軸方向右方に付勢力(図4において白矢印で図示)が作用し、CS弁体56の突端部56aは、バルブハウジング10の内周面に形成されるCS弁座10dに当接し、CS弁57が全閉される。尚、CS弁体56の突端部56aがCS弁座10dに当接する密封部Saの受圧面積と、CS弁体56の当接部56cの外周面とバルブハウジング10の内周面10cとが摺接する密封部Sbの受圧面積は同じとなっている。そのため、CS弁57の閉塞時において、CS弁体56の突端部56aがCS弁座10dに当接した状態では軸方向両側から作用する制御圧力Pcの圧力の影響がキャンセルされている。同様に、CS弁体56に対して軸方向両側から作用する吸入圧力Ps影響がキャンセルされている。さらに尚、CS弁57は、CS弁体56の突端部56aとバルブハウジング10のCS弁座10dとの間を完全に閉塞するものに限らず、Pcポート14から第2Psポート15に向かう流体の流れを絞るように構成されるものであってもよい。
また、主弁50が開放された状態からソレノイド80に通電されると、主副弁体51は軸方向左方に移動する。図4に示されるように、主副弁体51の左方への移動により、主副弁体51と共に移動する感圧弁部材52のフランジ部52cの軸方向左端面52eがCS弁体56の延出部56fの軸方向右端56nと当接するストローク位置P(図6参照)に到達するまで、CS弁57は全閉されている。そして、主副弁体51がストローク位置Pからさらに左方へ移動すると、感圧弁部材52のフランジ部52cによりCS弁体56が軸方向左方に押圧されて感圧弁部材52とCS弁体56は共に移動しコイルスプリング91が縮み、CS弁57が開放され始める。このとき、主弁50はまだ閉塞されていない。
ソレノイド80への通電時の最大通電状態においては、図5に示されるように、主副弁体51がさらに軸方向左方に移動し、主副弁体51の軸方向左端51aが主弁座10aに当接して主弁50が全閉され、主副弁体51が閉弁位置にある状態では、CS弁体56の軸方向左端56hが仕切調整部材11の軸方向右端面11aに近接する位置すなわちCS弁体56は最も開方向に最大のストローク位置となって、CS弁57が全開される。
次いで、容量制御弁Vの動作について、通電時の最大通電状態(起動時)、非通電時、通常制御時の順に説明する。
先ず、通電時の最大通電状態(起動時)について説明する。容量可変型圧縮機Mを使用せずに長時間放置した後、容量可変型圧縮機Mを起動するとともに容量制御弁Vのソレノイド80に通電することにより、主弁50が全閉され副弁55が全開される。このとき、図5に示されるように、感圧弁部材52のフランジ部52cがCS弁体56と当接した状態で主副弁体51の閉弁位置までストロークすることにより、CS弁体56の軸方向左端56hが仕切調整部材11の軸方向右端面11aに近接し、CS弁57を全開させPcポート14と第2Psポート15とを連通させることにより、制御室4内からCS弁57を通して液化した流体を吸入室3内に短時間で排出して起動時の応答性を高めることができる。また、主弁50の全閉時にCS弁57が全開され、CS弁57を通して排出される流体の流量が最大となるため、起動時の応答性をより高めることができる。さらに、前述したように、容量制御弁Vは、中間連通路59における吸入圧力Psが高いことから感圧弁53は開放し、制御圧力Pcを中間連通路59および駆動ロッド83の連通孔83aを通して第2弁室30に迅速にリリースすることができるため、CS弁57と感圧弁53とにより開放される2つの流路を利用して、制御室4内から液化した流体を吸入室3内に短時間で排出して起動時の応答性を高めることができる。
さらに、本実施例の容量制御弁Vは、制御室4が最大容量の状態においても、主弁50を閉塞し、CS弁57を開放しPcポート14から第2Psポート15を連通させることにより、制御圧力Pcと吸入圧力Psを均圧(同圧)に維持することができる。そのため、制御室4のシリンダ4a内におけるピストン7のストロークを安定させ、最大容量の状態を維持して運転効率を高めることができる。
次に、非通電時について説明する。非通電時においては、図3に示されるように、主副弁体51、感圧弁部材52が感圧体61の付勢力により軸方向右方へと押圧され主弁50を全開させるとともに、感圧弁部材52のフランジ部52cの軸方向左端面52eがCS弁体56の延出部56fの軸方向右端56nから離間することにより、CS弁体56には、コイルスプリング91から閉弁方向である軸方向右方に付勢力が作用して閉弁位置となり、CS弁57が全閉される。これによれば、Pcポート14を通過する制御流体が第2Psポート15に流入することがないため、容量可変型圧縮機Mを停止して短い時間経過後の再起動時の制御性が高く、容量制御弁Vの運転効率が高い。
次に、通常制御時について説明する。通常制御時においては、容量制御弁Vのデューティ制御により、主弁50の開度や開放時間を調整してPdポート12からPcポート14への流体の流量を制御している。容量制御弁Vのデューティ制御において主弁50を僅かに開いた際にも、主副弁体51がストローク位置P(図6参照)よりも開弁位置側にストロークすることにより、CS弁体56には、コイルスプリング91から閉弁方向である軸方向右方に付勢力が作用し、図4に示されるように、CS弁57が全閉された状態が維持される。これにより、Pcポート14から第2Psポート15への流体の漏れを防止することができるため、容量制御弁Vによる制御圧力Pcの制御精度を高めることができる。
また、主副弁体51がストローク位置P(図6参照)まで移動し主副弁体51と共に移動する感圧弁部材52のフランジ部52cがCS弁体56の延出部56fに当接してから主弁50が全閉するまでの間に、主弁50が徐々に閉塞されていくとともに、CS弁57が徐々に開放されていく。これにより、主副弁体51のストローク位置Pから閉弁位置までの間に主弁50とCS弁57が共に開放される領域を設定することができ、主副弁体51のストローク位置に応じて主弁50とCS弁57との開口面積のバランスを調整することができるため、制御圧力Pcを低下させる制御の応答性を高めることができる。さらに、主弁50の全閉時にCS弁57が全開されることにより、CS弁57を通して排出される流体の流量が最大となるため、起動時における制御室4からの液冷媒の排出や通常制御時における制御室4の最大容量時において、制御圧力Pcを低下させる制御の応答性をより高めることができる。尚、主弁50の全閉時にCS弁57が全開されなくてもよい。
また、主副弁体51がストローク位置P(図6参照)まで移動する間、主副弁体51に対してコイルスプリング91からの反力が作用しないため、例えば感圧弁部材52のフランジ部52cとCS弁体56の延出部56fとが常時当接するものや、感圧弁部材52のフランジ部52cとCS弁体56との間に別体のバネが介在するものと比べて、主副弁体51がストローク位置Pに移動するまでの駆動電力を小さくすることができる。
また、主弁50の全閉時にCS弁57が全開されることにより、例えば主弁50を全閉させた後、主副弁体51をさらに移動させてCS弁57を全開させる必要がないため、主副弁体51のストロークが短く駆動電力を小さくすることができる
また、CS弁体56は、略円筒形状であって、バルブハウジング10の内周には環状段部10fが形成されており環状段部10fの一部がCS弁体56の突端部56aが接離するCS弁座10dを構成しているため、CS弁57を有する容量制御弁Vを簡素な構造とすることができる。
また、CS弁体56は、基部56bの外周面とバルブハウジング10の内周面10e、当接部56cの外周面とバルブハウジング10の内周面10cとがそれぞれ摺動可能に配置されているため、CS弁57を有する容量制御弁Vをコンパクトに構成できる。
また、ソレノイド80への通電時の最大通電状態においてCS弁57が全開された状態では、主副弁体51の軸方向左端51aが主弁座10aに当接して主弁50が全閉されることにより、CS弁57の最大開口面積が決定されているため、CS弁57を有する容量制御弁Vを簡素な構造とすることができる。
図6に示されるように、CS弁57は、主副弁体51のストローク位置Pから閉弁位置までの移動に伴って全開まで比例して徐々に開度が大きくなるので、制御性に優れるとともに、CS弁57の最大開度を軸方向にコンパクトな容量制御弁Vの構成で実現することができる。
また、CS弁体56には、径方向に貫通する連通孔56e,56mが形成されているため、感圧弁部材52のフランジ部52cの軸方向左端面52eがCS弁体56の延出部56fの軸方向右端56nと当接した状態で、連通孔56e,56mを通してCS弁57により開閉されPcポート14と第2Psポート15とを連通させる流路を形成することができる。
また、容量制御弁Vは、バルブハウジング10の軸方向左端から感圧室40にCS弁体56、コイルスプリング91を挿入した後、仕切調整部材11を圧入して固定する構造であるため、組み立てが簡単である。
また、Pcポート14は、第2Psポート15よりもPdポート12に近い位置に配置されているから、制御時に吐出圧力Pdを制御室4に伝えやすい。
実施例2に係る容量制御弁につき、図7を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
本実施例2の容量制御弁Vにおいて、図7に示されるように、CS弁157は、CS弁体56とバルブハウジング110の内周面に形成されるCS弁座110dとにより構成されており、CS弁体56の外周面の軸方向略中央に形成されるテーパ面56kがCS弁座110dに接離することで、CS弁157が開閉するようになっている。
詳しくは、バルブハウジング110の内部には、バルブハウジング110の軸方向左端面から軸方向右方に延びる第2Psポート15が形成される内周面110cと、内周面110cの軸方向右端から軸方向に略直交しながら内径方向に延びる側面110gと、側面110gの内径側から軸方向右方に延びる内周面110eとにより環状段部110fが形成されている。また、環状段部110fの軸方向左端の内径側、すなわち側面110gと内周面110eとにより形成される端部には、CS弁体56のテーパ面56kと接離するCS弁座110dが形成されている。尚、CS弁体56のテーパ面56kがCS弁座110dに当接する密封部Sa、CS弁体56の当接部56cの外周面とバルブハウジング110の内周面110cとが摺接する密封部Sbが形成されている。
実施例2においては、密封部Saにおける受圧面積、すなわち受圧シール径Aが、密封部Sbにおける受圧面積、すなわち受圧シール径Bよりも小さくなっている(B>A)。これによれば、CS弁157の閉塞時において、CS弁体56には、軸方向右方に向けて制御圧力Pcにより(B−A)Pcの力が作用し、軸方向左方に向けて吸入圧力Psにより(B−A)Psの力が作用している。すなわち、右向きを正として、CS弁体56には、(B−A)Pc−(B−A)Psの力ΔFが作用している。そして、Pc≧Psの場合、制御圧力Pcと吸入圧力Psとの差圧によりCS弁157を閉弁方向である軸方向右方に作用させる力ΔFが生じることにより、CS弁157が閉塞状態に維持されやすくなっている。
尚、本実施例においては、バルブハウジング110にCS弁座110dとしての端部を形成することにより、密封部Saにおける受圧シール径Aを密封部Sbにおける受圧シール径Bよりも小さく構成する態様(B>A)について説明したが、これに限らず、CS弁座110dとの接離部分におけるCS弁体の形状やバルブハウジング110の形状を変更することにより密封部Saにおける受圧シール径を密封部Sbにおける受圧シール径よりも小さく構成してもよい。このように、制御圧力Pcと吸入圧力Psとの差圧をCS弁157の開弁方向である軸方向左方に作用させるように密封部Sa,Sbの受圧面積が設定されるものであってもよい。
実施例3に係る容量制御弁につき、図8および図9を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成の説明を省略する。
本実施例3の容量制御弁Vにおいて、図8に示されるように、主弁250は、主副弁体51とバルブハウジング210の内周面に形成されたテーパ面である主弁座210aとにより構成されており、主副弁体51の軸方向左端51aが主弁座210aに接離することで、主弁250が開閉するようになっている。また、主弁座210aの外径端は、軸方向に延びる直線面から形成される絞り部210gの軸方向左端に連なっている。尚、絞り部210gは、主副弁体51の軸方向左端部の外径よりも僅かに大きい内径を有し、主副弁体51の軸方向左端部が絞り部210g内に挿入されることにより、主弁250の開口面積が絞られるようになっている(図9参照)。尚、図8は、容量制御弁Vの非通電状態を示す図であるが、主弁250の拡大部分において二点鎖線により示される主副弁体51の軸方向左端部は、通常制御時において絞り部210g内に挿入されることにより主弁250の開口面積が絞られた状態を示している。
また、CS弁体256は、延出部256fの軸方向右端256nが軸方向右方に長く形成されることにより、感圧弁部材52のフランジ部52cの軸方向左端面52eとの間の隙間が狭くなっている。また、CS弁体256は、当接部256cの軸方向左端256hが軸方向右方に短く形成されることにより、仕切調整部材11の軸方向右端面11aとの間の隙間が広くなっている。
実施例3においては、主弁座210aのソレノイド80側である軸方向右方に絞り部210gが形成されることにより、ソレノイド80への非通電時において主弁50が全開される主副弁体51の開弁位置から通常制御時における主弁250の開口面積Y(図9参照)となるまでの主副弁体51のストロークが短くなる、すなわち主副弁体51の制御ストローク(図9参照)を長くすることができる。また、主副弁体51の制御ストロークにおいて、主弁250が全閉する主副弁体51の閉弁位置までストロークする間に絞り部210gによって主弁250の開口面積が略一定に絞られた状態が維持される範囲が設定される、言い換えれば、主弁250は閉弁直前の開度の減少割合がそれ以前よりも小さくなるように構成されていることにより、主弁250とCS弁257が同時に開弁しているオーバーラップ領域R(図9参照)を少なくすることができるため、容量制御弁Vの運転効率が高い。
また、CS弁体256は、延出部256fの軸方向右端256nが軸方向右方に長く形成されることにより、主副弁体51と共に軸方向に移動する感圧弁部材52のフランジ部52cの軸方向左端面52eがCS弁体256の延出部256fの軸方向右端256nと当接するストローク位置P’(図9参照)が主副弁体51の開弁位置に近づくため、CS弁体256のストロークが大きくなるとともに、CS弁257の全開状態の開口面積を大きくすることができ、CS弁257による液化した流体の排出時間を短縮することができる。
また、バルブハウジング210に主弁座210aと絞り部210gを一体に形成できるため、絞り部210gを有する容量制御弁Vを簡素な構造とすることができる。
尚、本実施例においては、主副弁体51がストローク位置P’まで移動し主副弁体51と共に移動する感圧弁部材52のフランジ部52cがCS弁体256の延出部256fに当接した後、主副弁体51の軸方向左端部が絞り部210g内に挿入されることにより、主弁250の開口面積が絞られる態様(図9参照)について説明したが、これに限らず、主副弁体51がストローク位置P’まで移動する前に主副弁体51の軸方向左端部が絞り部210g内に挿入され、主弁250の開口面積が絞られるように構成してもよい。これにより、主弁250の開口面積が絞られた状態で、CS弁257が開放され始めるため、主弁250とCS弁257が同時に開弁しているオーバーラップ領域Rをさらに少なくして、容量制御弁Vの運転効率を高めることができる。
また、本実施例においては、CS弁257の全開状態の開口面積を大きくするために、CS弁体256の延出部256fの軸方向右端256nを軸方向右方に長く形成してストローク位置P’を主副弁体51の開弁位置に近づける態様について説明したが、これに限らず、例えば感圧弁部材52のフランジ部52cにおける軸方向の厚みを大きくすることでストローク位置P’を主副弁体51の開弁位置に近づけてもよい。
また、絞り部210gは、軸方向に延びる直線面から形成されるものに限らず、テーパ面から形成されてもよい。
また、絞り部は、バルブハウジング210に主弁座210aと一体に形成されるものに限らず、例えば主副弁体51の軸方向左端51aよりも内径側を軸方向左方に円筒状に延出させ、該延出部分を感圧弁部材52の円筒部52bよりも大径かつ感圧弁部材52の円筒部52bが挿通されるバルブハウジングの弁孔に挿入可能とすることにより、主副弁体51側の構成として形成されてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、主副弁体51と感圧弁部材52とを別体で構成する例について説明したが、両者は一体に形成されていてもよい。すなわち、主弁体の一部が当接部材を構成していてもよい。
また、容量可変型圧縮機Mの制御室4と吸入室3とを直接連通する連通路および固定オリフィスは設けなくてもよい。
また、前記実施例では、副弁は設けなくともよく、主副弁体の軸方向右端は、軸方向の荷重を受ける支持部材として機能すればよく、必ずしも密閉機能は必要ではない。
また、バネとしてのコイルスプリング91は、圧縮バネに限らず、引張バネでもよく、コイル形状以外であってもよい。
また、感圧体61は、内部にコイルスプリングを使用しないものであってもよい。
1 ケーシング
2 吐出室
3 吸入室
4 制御室
10 バルブハウジング
10a 主弁座
10b ガイド面
10c 内周面
10d CS弁座
10e 内周面
10f 環状段部
11 仕切調整部材
11a 軸方向右端面
11b 凹部
12 Pdポート(吐出ポート)
13 第1Psポート(吸入ポート,第1吸入ポート)
14 Pcポート(制御ポート)
15 第2Psポート(吸入ポート,第2吸入ポート)
20 第1弁室
30 第2弁室
40 感圧室
50 主弁
51 主副弁体(主弁体,中空ロッド)
51a 軸方向左端
51b 軸方向右端
52 感圧弁部材(当接部材、中空ロッド)
52a 感圧弁座
52b 円筒部
52c フランジ部
52d 当接部
52e 軸方向左端面
53 感圧弁(圧力駆動弁)
55 副弁
56 CS弁体
56a 突端部
56b 基部
56c 当接部
56d 環状凹部
56e 連通孔
56f 延出部
56g 凹部
56h 軸方向左端
56k テーパ面
56m 連通孔(貫通部)
56n 軸方向右端
57 CS弁
59 中間連通路(中空連通路)
61 感圧体
62 ベローズコア
63 コイルスプリング
70 キャップ
70a シール面
80 ソレノイド
82 固定鉄心
82a 副弁座
91 コイルスプリング(バネ)
110 バルブハウジング
110d CS弁座
157 CS弁
210 バルブハウジング
210a 主弁座
210g 絞り部
250 主弁
256 CS弁体
257 CS弁
Pc 制御圧力
Pd 吐出圧力
Ps 吸入圧力
R オーバーラップ領域
Sa,Sb 密封部
V 容量制御弁

Claims (11)

  1. 吐出圧力の吐出流体が通過する吐出ポート、吸入圧力の吸入流体が通過する吸入ポートおよび制御圧力の制御流体が通過する制御ポートが形成されたバルブハウジングと、
    主弁座とソレノイドにより駆動される主弁体とにより構成され前記主弁体の移動により前記吐出ポートと前記制御ポートとの間の流体の流れを制御する主弁と、を備える容量制御弁であって、
    CS弁体と、前記CS弁体を閉方向に付勢するバネとを具備し、前記制御ポートと前記吸入ポートとの間の流体の流れを制御するCS弁を備え、前記主弁体が移動して前記主弁を全開から全閉させるまでの間に前記主弁体と共に移動する当接部材が前記CS弁体に当接し前記CS弁が開放される容量制御弁。
  2. 前記主弁の全閉時に前記CS弁が全開されている請求項1に記載の容量制御弁。
  3. 前記CS弁体は円筒形状であって、前記バルブハウジングの内周には環状段部が形成されており、前記環状段部の一部は前記CS弁体が接離するCS弁座をなしている請求項1または2に記載の容量制御弁。
  4. 前記CS弁体は、前記バルブハウジングの内周に摺動可能に配置されている請求項1ないし3のいずれかに記載の容量制御弁。
  5. 前記CS弁体には、径方向に貫通する貫通部が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の容量制御弁。
  6. 前記バネはコイルスプリングである請求項1ないし5のいずれかに記載の容量制御弁。
  7. 前記吸入圧力により開閉する圧力駆動弁を備え、
    前記主弁体は中空ロッドの一部をなしており、前記中空ロッドには、前記圧力駆動弁の開閉により前記制御ポートと前記吸入ポートとを連通させることが可能な中空連通路が形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の容量制御弁。
  8. 前記吸入ポートは第1吸入ポートと第2吸入ポートからなり、前記ソレノイド側から、前記第1吸入ポート、前記吐出ポート、前記制御ポート、前記第2吸入ポートの順に配置されている請求項1ないし7のいずれかに記載の容量制御弁。
  9. 前記CS弁は、開閉方向両側に密封部を有しており、両密封部の受圧面積が異なっている請求項1ないし8のいずれかに記載の容量制御弁。
  10. 前記主弁は閉弁直前の開度の減少割合がそれ以前よりも小さくなるように構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の容量制御弁。
  11. 前記主弁座に連なり該主弁座よりも大径かつ前記主弁体が挿入可能とされた軸方向に延びる絞り部が形成されている請求項10に記載の容量制御弁。
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