JP2003035269A - 可変容量圧縮機および可変容量圧縮機用容量制御弁 - Google Patents
可変容量圧縮機および可変容量圧縮機用容量制御弁Info
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Abstract
を提供することを目的とする。 【解決手段】 吐出室の吐出圧力Pdの冷媒を圧力Pc
1にして調圧室へ導入する弁体21と調圧室の圧力Pc
2の冷媒を吸入圧力Psの吸入室へ導入する弁体22が
それぞれ連動して連通および閉塞する構成にし、これら
弁体21,22に対して所定の差圧に対応したソレノイ
ド力を与えるソレノイド部とで構成した。運転容量最小
の制御で、弁体21が全開、弁体22が全閉になり、運
転容量最大の制御では、弁体21が全閉、弁体22が全
開になることで、運転容量移行時の時間が短縮される。
弁体21は感圧用の中央シャフト25と一体に形成し、
弁体22は中央シャフトに当接し、弁体21,22と中
央シャフト25との受圧面積の差を小さくして、弁体2
1,22にかかる受圧面積を小さくし、弁体21,22
の制御用のソレノイド力を小さくした。
Description
び可変容量圧縮機用容量制御弁に関し、特に自動車用空
調装置の冷凍サイクルの中で冷媒ガスを圧縮する可変容
量圧縮機およびこれに使用される可変容量圧縮機用容量
制御弁に関する。
媒を圧縮するために用いられる圧縮機は、エンジンを駆
動源としているので、回転数制御を行うことができな
い。そこで、エンジンの回転数に制約されることなく適
切な冷房能力を得るために、冷媒の圧縮容量を変えるこ
とができる可変容量圧縮機が用いられている。
ンジンによって回転駆動される軸に取り付けられた揺動
板に圧縮用ピストンが連結され、揺動板の角度を変える
ことによってピストンのストロークを変えることで冷媒
の吐出量を変えるようにしている。
縮された冷媒の一部を導入し、その導入する冷媒の圧力
を変化させ、ピストンの両面にかかる圧力の釣り合いを
変化させることによって連続的に変えている。
報に記載の圧縮容量制御装置では、圧縮機の吐出口と調
圧室との間または吐出口と吸入口との間に電磁制御弁を
備えている。この電磁制御弁は、それらの前後差圧を所
定値に保つように連通または閉塞させる制御をしてお
り、差圧の所定値を電流値によって外部から設定するこ
とができるようになっている。これにより、エンジンの
回転数が上昇したときには、調圧室に導入される圧力を
増加させて圧縮できる容量を小さくし、回転数が低下し
たときには、調圧室に導入される圧力を減少させて圧縮
できる容量を大きくするようにして圧縮機から吐出され
る冷媒の圧力を一定に保つようにしている。
ルに使用されている冷媒としては、代替フロンHFC−
134aが一般的に用いられるが、近年、冷媒の臨界温
度を越えた超臨界域で冷凍作用を行わせる、たとえば二
酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルが開発されている。
置の電磁制御弁では、可変容量圧縮機の運転容量を最小
にしようとするとき、調圧室へ導入する冷媒量を最大に
する必要があるが、そのとき弁の大きさが小さいと、導
入される冷媒量が少ないため、最小運転への移行に時間
がかかり制御性が悪化する場合があった。
大きさを大きくすると、弁の受圧面積も大きくなるた
め、弁を制御するには大きなソレノイド力が必要にな
る。特に、冷媒に二酸化炭素を使用しているような冷凍
サイクルでは、冷媒を超臨界域まで昇圧させるため、冷
媒の吐出圧力が非常に高くなり、弁を制御するためのソ
レノイド力も大きくなって、巨大なソレノイドが必要に
なり、その結果、電磁制御弁の大型化を招き、コストア
ップに繋がるという問題点があった。
のであり、運転容量移行時の時間を短縮するとともに、
冷媒量を増やすために弁の大きさを大きくしても大きな
ソレノイド力を必要としないで動作することができる可
変容量圧縮機および可変容量圧縮機用容量制御弁を提供
することを目的とする。
決するために、気密に形成された調圧室内で回転軸に対
して傾斜角可変に設けられて前記回転軸の回転駆動によ
り揺動運動をする揺動体と、前記揺動体に連結されて前
記揺動体の揺動運動で前記回転軸と平行な方向に往復動
することにより冷媒の吸入室からシリンダ内への吸入、
圧縮およびシリンダから吐出室への吐出を行うピストン
とを有する可変容量圧縮機において、前記吸入室の圧力
と前記吐出室の圧力との差圧の変化にもとづいて前記吐
出室から前記調圧室へ通じる第1の冷媒流路および前記
調圧室から前記吸入室へ通じる第2の冷媒流路を連通お
よび閉塞するように、第1の冷媒流路および第2の冷媒
流路を流れる冷媒を連動して流量制御するようにしたこ
とを特徴とする可変容量圧縮機が提供される。
容量が最小の制御時は、第1の冷媒流路を最大に連通さ
せ、これと連動して第2の冷媒流路を閉塞させ、運転容
量が最大の制御時は、第1の冷媒流路を閉塞させ、これ
と連動して第2の冷媒流路を最大に連通させることがで
きる。これにより、運転容量最小の制御時は、調圧室か
ら吸入室への冷媒の導入が禁止されるとともに吐出室か
ら調圧室へ最大流量の冷媒が導入され、運転容量最大の
制御時は、吐出室から調圧室への冷媒の導入が禁止され
るとともに調圧室から吸入室へ最大流量の冷媒が導入さ
れることになるため、それぞれ運転容量を最小または最
大に移行するときの時間を大幅に短縮することができ
る。
出室の圧力との差圧を所定の差圧に保つように前記吐出
室から調圧室に導入する冷媒量を制御して可変容量圧縮
機から吐出される冷媒の容量を変化させる可変容量圧縮
機用容量制御弁において、前記吐出室と前記調圧室との
間および前記調圧室と前記吸入室との間に設けられた冷
媒通路をそれぞれ連動して連通および閉塞する第1およ
び第2の弁体と、前記第1および第2の弁体に対して前
記所定の差圧に対応したソレノイド力を与えるソレノイ
ド部と、を備えていることを特徴とする可変容量圧縮機
用容量制御弁が提供される。
圧縮機の運転容量最小の制御時は、調圧室と吸入室との
間の第2の弁体を閉塞し、吐出室と調圧室との間の第1
の弁体を最大開度に開放するようにし、運転容量最大の
制御時は、調圧室と吸入室との間の第2の弁体を最大開
度に開放し、吐出室と調圧室との間の第1の弁体を閉塞
するように、第1および第2の弁体が連動して動作す
る。これにより、運転容量最小の制御時は、調圧室から
吸入室への冷媒の導入が禁止されるとともに吐出室から
調圧室へ最大流量の冷媒が導入され、運転容量最大の制
御時は、吐出室から調圧室への冷媒の導入が禁止される
とともに調圧室から吸入室へ最大流量の冷媒が導入され
ることになるため、それぞれ運転容量を最小または最大
に移行するときの時間を大幅に短縮することができる。
第2の弁体との間を流体的に隔離するホルダに軸線方向
に進退自在に保持され前記第1および第2の弁体よりも
受圧面積の小さな中央シャフトの両端に前記中央シャフ
トよりも細いシャフトを介して一方は前記第1の弁体が
固着され、他方は前記第2の弁体が当接されていて、前
記第1の弁体と前記中央シャフトとの間に前記吐出室の
吐出圧力を受け、前記第2の弁体と前記中央シャフトと
の間に前記吸入室の吸入圧力を受け、かつ前記第1の弁
体の下流側および前記第2の弁体の上流側をそれぞれ2
つの独立した通路によって前記調圧室へ連通させるよう
構成してある。
の両端側に調圧室の同じ圧力を受けることで調圧室の圧
力の影響がキャンセルされ、また、第1および第2の弁
体は、中央シャフトとの受圧面積の差と吐出圧力および
吸入圧力との積で表される小さい力しか作用しない。し
たがって、運転容量移行時に流す冷媒量を増やすために
弁の大きさを大きくしても、弁の大きさに関係なく、第
1および第2の弁体と中央シャフトとの受圧面積の差を
小さく調整することで受圧面積を小さくできるため、ソ
レノイド力は小さくて済み、ソレノイド部を小型化する
ことができる。
を参照して詳細に説明する。図1は本発明による容量制
御弁を適用した可変容量圧縮機の概略を示す断面図であ
る。
室1を有し、中には回転自在に支持された回転軸2を有
している。この回転軸2の一端は、図示しない軸封装置
を介して調圧室1の外まで延びていて、クラッチおよび
ベルトを介してエンジンの出力軸から駆動力が伝達され
るプーリ3が固定されている。回転軸2には、揺動板4
が傾斜角可変に設けられている。回転軸2の軸線の回り
には、複数(図示の例では1つ)のシリンダ5が配置さ
れている。各シリンダ5には、揺動板4の回転運動を往
復運動に変換するピストン6が配置されている。各シリ
ンダ5は、それぞれ吸入用リリーフ弁7および吐出用リ
リーフ弁8を介して吸入室9および吐出室10に接続さ
れている。各シリンダ5の吸入室9は、互いに連通して
1つの部屋になっており、冷凍サイクルの蒸発器に接続
される。各シリンダ5の吐出室10も、互いに連通して
1つの部屋になっており、冷凍サイクルのガスクーラま
たは凝縮器に接続される。
0から調圧室1へ向かう冷媒流路の途中、および調圧室
1および吸入室9へ連通させる冷媒流路に、2つの弁を
備えた容量制御弁11が設けられ、吐出室10と調圧室
1との間、および調圧室1と吸入室9との間には、オリ
フィス12,13が設けられている。なお、これらのオ
リフィス12,13は、可変容量圧縮機のボディの側に
形成したが、容量制御弁11の中に設けてもよい。
ンジンの駆動力によって回転軸2が回転し、その回転軸
2に設けられた揺動板4が回転すると、揺動板4に連結
されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9
の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮さ
れ、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
11は、吐出室10の冷媒の吐出圧力Pdを受けて、吸
入室9の吸入圧力Psとの差圧が所定の差圧に保つよう
に、調圧室1へ導入する冷媒量(このときの調圧室1の
圧力をPc1で示してある)と調圧室1から吸入室9へ
導入される冷媒量(このときの調圧室1の圧力をPc2
で示してある)とを連動して制御する。これによって、
調圧室1内の圧力Pc(=Pc1=Pc2)が所定値に
保たれ、シリンダ5の容量が所定値に制御される。
弁11は、吐出室10から調圧室1へ冷媒を導入する一
方の弁を全開にし、調圧室1から吸入室9へ冷媒を導入
する他方の弁を全閉にして、調圧室1の圧力Pc(=P
c1)が上昇する時間を短縮する。なお、このとき、容
量制御弁11は、調圧室1から吸入室9への冷媒流路を
完全に遮断するが、オリフィス13を介して、微小の冷
媒流量の流れはある。
室10から調圧室1へ冷媒を導入する一方の弁を全閉に
し、調圧室1から吸入室9へ冷媒を導入する他方の弁を
全開にして、調圧室1から吸入室9へ導出される冷媒量
を最大にし、調圧室1の圧力Pc(=Pc2)が低下す
る時間を短縮するように制御する。なお、このとき、容
量制御弁11は、吐出室10から調圧室1への冷媒流路
を完全に遮断するが、オリフィス12を介して冷媒を調
圧室1へ導入するようにしており、これによって冷媒に
混入された潤滑オイルを調圧室1へ供給するようにして
いる。
て詳細に説明する。図2は第1の実施の形態に係る容量
制御弁を示す中央縦断面図である。この容量制御弁11
は、2つの弁体21,22が連動するよう一体となって
構成されている。すなわち、ボディ23の中央開口部に
嵌合されたホルダ24によって軸線方向に進退自在に保
持された中央シャフト25と、この中央シャフト25の
両端に配置されてこれよりも細いシャフト26,27
と、図の下方に配置された弁体21とが一体に形成さ
れ、この一体に形成された図の上方の細いシャフト27
には、もう一方の弁体22が当接されている。ホルダ2
4に保持された中央シャフト25は、弁体21,22の
有効受圧面積より小さな受圧面積を有し、感圧部を構成
している。この中央シャフト25は、また、部分的に縮
径されていて、そこには、たとえばポリテトラフルオロ
エチレン製のパッキン30が填め込まれている。
を保持しているボディ23の図の下方端によって構成さ
れている。この弁座28の弁孔の内径は、中央シャフト
25を保持する部分のホルダ24の内径より若干大きく
形成されている。
の図の上方端によって構成されている。この弁座29の
弁孔の内径は、中央シャフト25を保持する部分のホル
ダ24の内径より若干大きく形成されている。弁体22
は、また、ボディ23の図の上方開口端部に嵌合された
ばね受け部材31との間に配置されたスプリング32に
よって弁閉方向に付勢されている。
嵌合されている。このボディ33の中央開口部には、ソ
レノイド部の固定鉄芯34およびスリーブ35のそれぞ
れの上端部が固定されている。固定鉄芯34の中央開口
部は、ソレノイド部のシャフト36を軸線方向に摺動自
在に保持するガイドを構成している。このシャフト36
の下端部は、スリーブ35の下端部を閉止しているスト
ッパ37に設けられたガイド38によって軸線方向に摺
動自在に保持され、そのシャフト36の下方部分には、
ソレノイド部の可動鉄芯39が嵌合されている。この可
動鉄芯39は、その上端がシャフト36に嵌め込まれた
止め輪40によって当接されており、ガイド38との間
に配置されたスプリング41によって図の上方へ付勢さ
れている。そして、スリーブ35の外周には、電磁コイ
ル42が配置されている。
ている中央空間に連通する穴を有し、その穴は吐出室1
0から吐出圧力Pdを受けるポート43を構成してい
る。そのポート43の外周には、ストレーナ47が嵌め
込まれている。また、ボディ23は、細いシャフト27
を挿通している中央空間に連通する穴を有し、その穴は
吸入室9から吸入圧力Psを受けるポート44を構成し
ている。ボディ33は、弁体21が配置された空間に連
通する穴を有し、その穴は調圧室1に圧力Pc1を導入
するポート45を構成している。ばね受け部材31は、
弁体22が配置された空間に連通する穴を有し、その穴
は調圧室1から圧力Pc2を導入するポート46を構成
している。ボディ23の先端部分には、ストレーナ47
a嵌め込まれている。
23には、Oリング48,49がそれぞれ周設され、ポ
ート45を挟んでその上下位置のボディ33には、Oリ
ング50,51がそれぞれ周設されている。
係について説明する。まず、吐出室10からポート43
に受ける吐出圧力Pdは、中央シャフト25と弁体21
とに軸線方向逆向きにかかる。弁体21の有効受圧面積
をA、中央シャフト25の有効受圧面積をBとすると、
弁体21には図の下向きの方向にPd・Aの力が働き、
中央シャフト25には図の上向きの方向にPd・Bの力
が働く。弁体21の有効受圧面積Aおよび中央シャフト
25の有効受圧面積Bは、A>Bであるため、結局、弁
体21および中央シャフト25には、図の下向き方向に
開弁する力Pd(A−B)が働く。この差(A−B)が
従来の弁体の有効受圧面積に相当するものであり、従来
では、その有効受圧面積が冷媒を流す量を制限してい
た。しかし、本発明では、Aという大きな有効受圧面積
を有し、冷媒量を増やすことができるにも拘らず、その
弁体21に対して開弁方向に働く力は、Pd(A−B)
という小さな力となる。しかも、調圧室1における圧力
Pc1,Pc2(Pc1=Pc2)は、ポート45,4
6を介して弁体21,22の軸線方向両側からかかって
いるため、弁体21に対する圧力Pcによる影響はキャ
ンセルされている。このように、弁体21とは異なる受
圧面積を持った中央シャフト25を一体に設けることに
より、弁サイズに関係なく、小さな受圧面積(A−B)
を持った弁を構成することができる。
についても、Ps(A−B)の力が開弁する方向に働い
ており、一体となっている弁体21,22の軸線方向両
側に調圧室1の圧力Pc1,Pc2(Pc1=Pc2)
がかかっているため、弁体22に対する圧力Pcによる
影響はキャンセルされている。なお、弁体22および中
央シャフト25の有効受圧面積の比は、弁体21および
中央シャフト25の有効受圧面積の比と同じにしてあ
る。したがって、これらの弁体21,22は、吐出圧力
Pdと吸入圧力Psとの差圧を感じて動作する差圧弁を
構成していることになる。
固定鉄芯34とシャフト36とのクリアランスを介し
て、スリーブ35と可動鉄芯39との間の隙間、可動鉄
芯39とストッパ37との間の隙間にも行っており、ソ
レノイド部の内部は圧力Pc1によって充満されてい
る。
た容量制御弁11において、ソレノイド部の電磁コイル
42に制御電流が供給されていないときには、図2に示
したように、吐出圧力Pdと調圧室1の圧力Pc1との
間の弁体21は全開、圧力Pc2と吸入圧力Psとの間
の弁体22は全閉になっており、スプリング32とスプ
リング41とのばね荷重のバランスでソレノイド部の可
動鉄芯39は固定鉄芯34から離れている。したがっ
て、調圧室1の圧力Pc1は吐出圧力Pdに近い値にな
り、ピストン6の両面にかかる圧力差が最も小さくなっ
て、揺動板4はピストン6のストロークが最も小さくな
るような傾斜角になり、可変容量圧縮機は最小容量の運
転になっている。
御電流が供給されると、可動鉄芯39が固定鉄芯34に
吸引されて図の上方へ移動し、吐出圧力Pdと調圧室1
の圧力Pc1との間の弁体21は全閉、圧力Pc2と吸
入圧力Psとの間の弁体22は全開になる。すると、今
まで、オリフィス13を介して調圧室1の冷媒が吸入室
9へ導入されていたのに加えて、調圧室1に連通された
ポート46から弁体22とその弁座29との間を通って
ポート44から冷媒が吸入室9へ導入される。調圧室1
から吸入室9への導入量が多いので、その分、運転容量
が最大に移行する速度を早くすることができるようにな
る。
御電流が供給される通常の制御をしている場合は、その
制御電流の大きさに応じて可動鉄芯39が固定鉄芯34
に吸引されて図の上方へ移動する。これにより、弁体2
2が閉じているときには、吐出圧力Pdと吸入圧力Ps
との差圧がある設定値より大きくなった場合にだけ、弁
体22が開く。つまり、通常の制御中、容量制御弁11
は差圧弁として動作する。
した可変容量圧縮機の概略を示す断面図である。この図
3において、図1に示した構成要素と同じ要素には同じ
符号を付してその詳細な説明は省略する。
調圧室1へ向かう冷媒流路の途中、および調圧室1およ
び吸入室9へ連通させる冷媒流路に、2つの弁を備えた
容量制御弁60が設けられ、吐出室10と調圧室1との
間、および調圧室1と吸入室9との間には、オリフィス
12,13が設けられている。
ンジンの駆動力によって回転軸2が回転し、その回転軸
2に設けられた揺動板4が回転すると、揺動板4に連結
されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9
の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮さ
れ、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
60は、吐出室10の冷媒の吐出圧力Pdを受けて、吸
入室9の吸入圧力Psとの差圧が所定の差圧に保つよう
に、調圧室1へ導入する冷媒量(このときの調圧室1の
圧力をPc1で示してある)と調圧室1から吸入室9へ
導入される冷媒量(このときの調圧室1の圧力をPc2
で示してある)とを連動して制御する。これによって、
調圧室1内の圧力Pc(=Pc1=Pc2)が所定値に
保たれ、シリンダ5の容量が所定値に制御される。
弁60は、吐出室10から調圧室1へ冷媒を導入する一
方の弁を全開にし、調圧室1から吸入室9へ冷媒を導入
する他方の弁を全閉にして、調圧室1の圧力Pc(=P
c1)が上昇する時間を短縮する。
室10から調圧室1へ冷媒を導入する一方の弁を全閉に
し、調圧室1から吸入室9へ冷媒を導入する他方の弁を
全開にして、調圧室1から吸入室9へ導出される冷媒量
を最大にし、調圧室1の圧力Pc(=Pc2)が低下す
る時間を短縮するように制御する。
0について詳細に説明する。図4は第2の実施の形態に
係る容量制御弁を示す中央縦断面図である。この容量制
御弁60は、2つの弁体61,62が伝達シャフト63
を挟んで同一軸線上にて軸線方向に進退自在に対向配置
されている。図の上方に配置された弁体61は、感圧部
を構成するピストン64とこれらを接続するシャフト6
5とが一体に形成され、軸線位置には連通孔66が貫通
して形成されている。図の下方に配置された弁体62も
同様に、感圧部を構成するピストン67とこれらを接続
するシャフト68とが一体に形成され、軸線位置には連
通孔69が貫通して形成されている。弁体61,62が
伝達シャフト63に当接している端面は、段差が設けら
れていて、当接状態でもそれらの連通孔66,69とこ
れら弁体61,62が配置されている空間とが連通する
ようになっている。
4を軸線方向に摺動自在に保持するボディ71の図の下
方端によって構成されている。弁座70の弁孔の内径
は、ピストン64を保持するシリンダの内径より若干大
きく形成されている。弁体61は、また、スプリング7
2によって開弁方向に付勢されている。
嵌合されている。このボディ73は、その上部開口部の
下方に順次4段階に縮径された開口部が貫通して形成さ
れている。最初に縮径された部分には、伝達シャフト6
3を軸線方向に進退自在に保持するホルダ74が嵌合さ
れ、次の段差部の開口縁部が弁体62の弁座75を構成
している。次に縮径された部分はピストン67を軸線方
向に摺動自在に保持するシリンダを構成し、次に縮径さ
れた部分はソレノイド部のシャフト76を軸線方向に摺
動自在に保持するガイドを構成している。また、このボ
ディ73の下方部分は、ソレノイド部の固定鉄芯78を
構成している。
螺着されている。このボディ79の下方開口部には、ス
リーブ80の上端部が固定されており、そのスリーブ8
0の下端部は、ストッパ81によって閉止されている。
このスリーブ80内において、シャフト76の下端部
は、ストッパ81に設けられたガイド82によって軸線
方向に摺動自在に保持され、そのシャフト76の下方に
は、可動鉄芯83が嵌合されている。この可動鉄芯83
は、その上端がシャフト76に嵌め込まれた止め輪84
によって当接されており、ガイド82との間に配置され
たスプリング85によって図の上方へ付勢されている。
そして、スリーブ80の外周には、電磁コイル86が配
置されている。
る中央空間に連通する穴を有し、その穴は吐出室10か
ら吐出圧力Pdを受けるポート87を構成している。こ
のポート87には、ストレーナ88が嵌め込まれてい
る。ボディ73は、弁体61のある空間に連通する穴を
有し、その穴は調圧室1に圧力Pc1を導入するポート
89を構成している。また、ボディ73は、弁体62の
ある空間に連通する穴を有し、その穴は調圧室1から圧
力Pc2を導入するポート90を構成している。さら
に、ボディ73は、シャフト68を挿通している中央空
間に連通する穴を有し、この穴に連通するようボディ7
9にも穴を有して、吸入圧力Psの吸入室9に連通する
ポート91を構成している。
73には、Oリング92,93がそれぞれ周設され、ポ
ート91を挟んでその上下位置のボディ79には、Oリ
ング94,95がそれぞれ周設されている。また、ポー
ト91よりもソレノイド部の側におけるボディ73とボ
ディ79との接触部分は、Oリング96によってシール
されている。
係について説明する。まず、吐出室10からポート87
に受ける吐出圧力Pdは、ピストン64と弁体61とに
軸線方向逆向きにかかる。弁体61の有効受圧面積を
A、ピストン64の有効受圧面積をBとすると、弁体6
1には図の下向きの方向にPd・Aの力が働き、ピスト
ン64には図の上向きの方向にPd・Bの力が働く。弁
体61の有効受圧面積Aおよびピストン64の有効受圧
面積Bは、A>Bであるため、結局、弁体61およびピ
ストン64には、図の下向き方向に開弁する力Pd(A
−B)が働く。この差(A−B)が従来の弁体の有効受
圧面積に相当するものであり、従来では、その有効受圧
面積が冷媒を流す量を制限していた。しかし、本発明で
は、Aという大きな有効受圧面積を有し、冷媒量を増や
すことができるにも拘らず、その弁体61に対して開弁
方向に働く力は、Pd(A−B)という小さな力とな
る。しかも、ポート89における圧力Pc1は、中央の
連通孔66を介してピストン64の背圧室の面にもかか
っているため、弁体61に対する圧力Pc1による影響
はキャンセルされている。このように、弁体61とは異
なる受圧面積を持ったピストン64を一体に設けること
により、弁サイズに関係なく、小さな受圧面積の弁を構
成することができる。
についても、開弁する方向にPs(A−B)の力が働い
ており、ポート90における圧力Pc2は、中央の連通
孔69を介してピストン67の背圧室の面にもかかって
いるため、弁体62に対する圧力Pc2による影響はキ
ャンセルされている。なお、弁体62およびピストン6
7の有効受圧面積の比は、弁体61およびピストン64
の有効受圧面積の比と同じにしてある。したがって、こ
の対向配置の弁体61,62は、吐出圧力Pdと吸入圧
力Psとの差圧を感じて動作する差圧弁を構成している
ことになる。
連通孔69を介してピストン67の背圧室をなす空間、
固定鉄芯78とシャフト76との間のクリアランス、固
定鉄芯78と可動鉄芯83との間の空間、スリーブ80
と可動鉄芯83との間の隙間、そして可動鉄芯83とス
トッパ81との間の隙間にも行っているため、Oリング
96よりもソレノイド部側の内部は、圧力Pc2(=P
c)によって充満されている。
た容量制御弁60において、ソレノイド部の電磁コイル
86に制御電流が供給されていないときには、図4に示
したように、吐出圧力Pdと調圧室1の圧力Pc1との
間の弁体61は全開、圧力Pc2と吸入圧力Psとの間
の弁体62は全閉になっており、スプリング72とスプ
リング85とのばね荷重のバランスでソレノイド部の可
動鉄芯83は固定鉄芯78から離れている。したがっ
て、調圧室1の圧力Pcは吐出圧力Pdに近い値にな
り、ピストン6の両面にかかる圧力差が最も小さくなっ
て、揺動板4はピストン6のストロークが最も小さくな
るような傾斜角になり、可変容量圧縮機は最小容量の運
転になっている。
御電流が供給されると、可動鉄芯83が固定鉄芯78に
吸引されて図の上方へ移動し、吐出圧力Pdと調圧室1
の圧力Pc1との間の弁体61は全閉、圧力Pc2と吸
入圧力Psとの間の弁体62は全開になる。すると、今
まで、オリフィス13を介して調圧室1の冷媒が吸入室
9へ導入されていたのに加えて、調圧室1に連通された
ポート90から弁体62とその弁座75との間を通って
ポート91から冷媒が吸入室9へ導入される。調圧室1
から吸入室9への導入量が多いので、その分、運転容量
が最大に移行する速度を早くすることができるようにな
る。
御電流が供給される通常の制御をしている場合は、その
制御電流の大きさに応じて可動鉄芯83が固定鉄芯78
に吸引されて図の上方の所定位置へ移動する。これによ
り、弁体62が閉じているときには、吐出圧力Pdと吸
入圧力Psとの差圧がある設定値より大きくなった場合
にだけ、弁体62が開く。つまり、通常の制御中、容量
制御弁60は差圧弁として動作する。
を示す中央縦断面図である。この図5において、図4に
示した構成要素と同じ要素については、同じ符号を付し
てその詳細な説明は省略する。
0aによれば、弁体61,62に対する圧力Pc1,P
c2の影響をキャンセルする構造を変更している。すな
わち、弁体61、ピストン64およびシャフト65を一
体に形成した部材と、弁体62、ピストン67およびシ
ャフト68を一体に形成した部材は、それぞれ軸線位置
に連通孔を設けないで中実のままとしてある。また、ボ
ディ71には、連通孔97を設けて、ピストン64の背
圧室へ圧力Pc1を導くようにしてある。さらに、ボデ
ィ73にも連通孔77を設けて、ピストン67の背圧室
をなす空間と、Oリング96よりもソレノイド部側の固
定鉄芯78とスリーブ80との間の隙間とにそれぞれ開
口するようにしてある。上記構成により、この容量制御
弁60aは、第2の実施の形態に係る容量制御弁60と
同じように動作する。
を適用した可変容量圧縮機の概略を示す断面図である。
この図6において、図1および図3に示した構成要素と
同じ要素には同じ符号を付してその詳細な説明は省略す
る。
調圧室1へ向かう冷媒流路の途中、および調圧室1およ
び吸入室9へそれぞれ連通させる冷媒流路に、2つの弁
を備えた容量制御弁100が設けられ、容量制御弁10
0と調圧室1との間の冷媒流路は共通にしてある。
ンジンの駆動力によって回転軸2が回転し、その回転軸
2に設けられた揺動板4が回転すると、揺動板4に連結
されたピストン6が往復運動し、これによって吸入室9
の冷媒がシリンダ5に吸入され、シリンダ5内で圧縮さ
れ、圧縮された冷媒が吐出室10へ吐出される。
100は、吐出室10の冷媒の吐出圧力Pdを受けて、
吸入室9の吸入圧力Psとの差圧が所定の差圧に保つよ
うに調圧室1へ導入する冷媒量と調圧室1へ導入される
冷媒量の一部を吸入室9へバイパスする量とを制御す
る。これにより、調圧室1内の圧力Pcが所定値に保た
れ、シリンダ5の容量が所定値に制御される。その後、
調圧室1の圧力Pcは、オリフィス13を介して吸入室
9に戻される。
0は、吐出室10から調圧室1へ冷媒を導入する一方の
弁を全開にし、調圧室1から吸入室9へ冷媒を導入する
他方の弁を全閉にして、調圧室1の圧力Pcが上昇する
時間を短縮する。
0は、吐出室10から調圧室1へ冷媒を導入する一方の
弁を全閉にし、調圧室1から吸入室9へ冷媒を導入する
他方の弁を全開にして、調圧室1から吸入室9へ導出さ
れる冷媒量を最大にし、調圧室1の圧力Pcが低下する
時間を短縮するように制御する。
00について詳細に説明する。図7は第4の実施の形態
に係る容量制御弁を示す中央縦断面図である。この容量
制御弁100は、2つの弁体101,102が同一軸線
上にて軸線方向に進退自在に対向配置されている。図の
上方に配置された弁体101は、感圧部を構成するピス
トン103とこれらを接続するシャフト104とが一体
に形成され、軸線位置には連通孔105が貫通して形成
されている。図の下方に配置された弁体102も同様
に、感圧部を構成するピストン106とこれらを接続す
るシャフト107とが一体に形成され、軸線位置には連
通孔108が貫通して形成されている。弁体101,1
02が互いに当接している端面は、段差が設けられてい
て、当接状態でもそれらの連通孔105,108とこれ
ら弁体101,102が配置されている空間とが連通す
るようになっている。
ン103を軸線方向に摺動自在に保持するボディ110
の図の下方端によって構成されている。弁座109の弁
孔の内径は、ピストン103を保持するシリンダの内径
より若干大きく形成されている。弁体101は、これに
嵌め込まれたE型止め輪111とボディ110との間に
配置されたスプリング112によって開弁方向に付勢さ
れている。
部へ嵌合されている。このボディ113は、その上部開
口部の下方に順次三段階に縮径された開口部が貫通して
形成され、最初の段差部の開口縁部が弁体102の弁座
114を構成している。次に縮径された部分はピストン
106を軸線方向に摺動自在に保持するシリンダを構成
し、次に縮径された部分はソレノイド部のシャフト11
5を軸線方向に摺動自在に保持するガイドを構成してい
る。ボディ113は、また、その軸線と平行に、上部開
口部から連通孔116が形成され、その連通孔116の
下方端は側方から連通孔が穿設されて、シャフト115
のガイドを構成する開口部および外周部と連通するよう
になっている。さらに、このボディ113の下方部分
は、ソレノイド部の固定鉄芯117を構成している。
部へ螺着されている。このボディ118の下方開口部に
は、スリーブ119の上端部が固定されており、そのス
リーブ119の下端部は、ストッパ120によって閉止
されている。このスリーブ119内において、シャフト
115の下端部は、ストッパ120に設けられたガイド
121によって軸線方向に摺動自在に保持され、そのシ
ャフト115の下方には、可動鉄芯122が嵌合されて
いる。この可動鉄芯122は、その上端がシャフト11
5に嵌め込まれた止め輪123によって当接されてお
り、ガイド121との間に配置されたスプリング124
によって図の上方へ付勢されている。そして、スリーブ
119の外周には、電磁コイル125が配置されてい
る。
ている中央空間に連通する穴を有し、その穴は吐出室1
0から吐出圧力Pdを受けるポート126を構成してい
る。このポート126には、ストレーナ127が嵌め込
まれている。また、ボディ113は、その上部開口部に
形成された中央空間に連通する穴を有し、その穴は調圧
室1に圧力Pcを導入するポート128を構成してい
る。さらに、ボディ113は、シャフト107を挿通し
ている中央空間に連通する穴を有し、この穴に連通する
ようボディ118にも穴を有して、吸入圧力Psの吸入
室9に連通するポート129を構成している。
ィ113には、Oリング130が周設され、ポート12
9を挟んでその上下位置のボディ118には、Oリング
131,132がそれぞれ周設されている。また、ポー
ト129よりソレノイド部の側におけるボディ113と
ボディ118との接触部分は、Oリング133によって
シールされている。
関係について説明する。まず、吐出室10からポート1
26に受ける吐出圧力Pdは、ピストン103と弁体1
01とに軸線方向逆向きにかかる。弁体101の有効受
圧面積をA、ピストン103の有効受圧面積をBとする
と、弁体101には図の下向きの方向にPd・Aの力が
働き、ピストン103には図の上向きの方向にPd・B
の力が働く。弁体101の有効受圧面積Aおよびピスト
ン103の有効受圧面積Bは、A>Bであるため、結
局、弁体101およびピストン103には、図の下向き
方向に開弁する力Pd(A−B)が働く。この差(A−
B)が従来の弁体の有効受圧面積に相当するものであ
り、従来では、その有効受圧面積が冷媒を流す量を制限
していた。しかし、本発明では、Aという大きな有効受
圧面積を有し、冷媒量を増やすことができるにも拘ら
ず、その弁体101に対して開弁方向に働く力は、Pd
(A−B)という小さな力となる。しかも、ポート12
8における圧力Pcは、中央の連通孔105を介してピ
ストン103の背圧室の面にもかかっているため、弁体
101に対する圧力Pcによる影響はキャンセルされて
いる。このように、弁体101とは異なる受圧面積を持
ったピストン103を一体に設けることにより、弁サイ
ズに関係なく、小さな受圧面積の弁を構成することがで
きる。
も、開弁する方向にPs(A−B)の力が働いており、
ポート128における圧力Pcは、中央の連通孔108
を介してピストン106の背圧室の面にもかかっている
ため、弁体102に対する圧力Pcによる影響はキャン
セルされている。なお、弁体102およびピストン10
6の有効受圧面積の比は、弁体101およびピストン1
03の有効受圧面積の比と同じにしてある。したがっ
て、この対向配置の弁体101,102は、吐出圧力P
dと吸入圧力Psとの差圧を感じて動作する差圧弁を構
成していることになる。
ボディ113に形成された連通孔116を介してスリー
ブ119と固定鉄芯117および可動鉄芯122との間
の隙間、固定鉄芯117と可動鉄芯122との間の空
間、可動鉄芯122とストッパ120との間の隙間にも
行っており、ソレノイド部の内部は圧力Pcによって充
満されている。
た容量制御弁100において、ソレノイド部の電磁コイ
ル125に制御電流が供給されていないときには、図7
に示したように、吐出圧力Pdと調圧室1の圧力Pcと
の間の弁体101は全開、圧力Pcと吸入圧力Psとの
間の弁体102は全閉になっており、スプリング112
とスプリング124とのばね荷重のバランスでソレノイ
ド部の可動鉄芯122は固定鉄芯117から離れてい
る。したがって、調圧室1の圧力Pcは吐出圧力Pdに
近い値になり、ピストン6の両面にかかる圧力差が最も
小さくなって、揺動板4はピストン6のストロークが最
も小さくなるような傾斜角になり、可変容量圧縮機は最
小容量の運転になっている。
制御電流が供給されると、可動鉄芯122が固定鉄芯1
17に吸引されて図の上方へ移動し、吐出圧力Pdと調
圧室1の圧力Pcとの間の弁体101は全閉、圧力Pc
と吸入圧力Psとの間の弁体102は全開になる。する
と、今まで、オリフィス13を介して調圧室1の冷媒が
吸入室9へ導入されていたのに加えて、調圧室1に連通
されたポート128から弁体102とその弁座114と
の間を通ってポート129から冷媒が吸入室9へ導入さ
れる。調圧室1から吸入室9への導入量が多いので、そ
の分、運転容量が最大に移行する速度を早くすることが
できるようになる。
制御電流が供給される通常の制御をしている場合は、そ
の制御電流の大きさに応じて可動鉄芯122が固定鉄芯
117に吸引されて図の上方の所定位置へ移動する。こ
れにより、弁体102が閉じているときには、吐出圧力
Pdと吸入圧力Psとの差圧がある設定値より大きくな
った場合にだけ、弁体102が開く。つまり、通常の制
御中、この容量制御弁100は差圧弁として動作する。
を示す中央縦断面図である。この図8において、図7に
示した構成要素と同じ要素については、同じ符号を付し
てその詳細な説明は省略する。
00aによれば、弁体101,102に対する圧力Pc
の影響をキャンセルする構造を変更している。すなわ
ち、弁体101、ピストン103およびシャフト104
を一体に形成した部材と、弁体102、ピストン106
およびシャフト107を一体に形成した部材は、それぞ
れ軸線位置に連通孔を設けないで中実のままとしてあ
る。また、ボディ110には、連通孔134を設けて、
ピストン103の背圧室へ圧力Pcを導くようにしてあ
る。さらに、ボディ113に設けた連通孔116は、ピ
ストン106の背圧室をなす空間と、Oリング133よ
りもソレノイド部側の固定鉄芯117とスリーブ119
との間の隙間とにそれぞれ開口するようにしてある。上
記構成により、この容量制御弁100aは、第4の実施
の形態に係る容量制御弁100と同じように動作する。
室と調圧室との間および調圧室と吸入室との間をそれぞ
れ連動して連通および閉塞する第1および第2の弁体
と、これら第1および第2の弁体に対して所定の差圧に
対応したソレノイド力を与えるソレノイド部とでなる構
成にした。これにより、調圧室から吸入室への冷媒の導
入が禁止されるとともに吐出室から調圧室へ最大流量の
冷媒が導入される運転容量最小の制御と、吐出室から調
圧室への冷媒の導入が禁止されるとともに調圧室から吸
入室へ最大流量の冷媒が導入される運転容量最大の制御
とが可能になり、運転容量移行時間を大幅に短縮するこ
とができる。
をこれよりも受圧面積が小さくて感圧部を構成する中央
シャフトと一体に形成した。これにより、第1および第
2の弁体の受圧面積は、実質的に中央シャフトの受圧面
積との差にすることができ、したがって、運転容量移行
時に流す冷媒量を増やすために弁の大きさを大きくして
も、弁の大きさに関係なく、第1および第2の弁体と中
央シャフトとの受圧面積の差を小さくすることで、第1
および第2の弁体にかかる実質的な受圧面積を小さくで
きるため、第1および第2の弁体を制御するソレノイド
力は小さくて済み、ソレノイド部を小型化することがで
きる。
縮機の概略を示す断面図である。
縦断面図である。
量圧縮機の概略を示す断面図である。
縦断面図である。
縦断面図である。
可変容量圧縮機の概略を示す断面図である。
縦断面図である。
縦断面図である。
Claims (19)
- 【請求項1】 気密に形成された調圧室内で回転軸に対
して傾斜角可変に設けられて前記回転軸の回転駆動によ
り揺動運動をする揺動体と、前記揺動体に連結されて前
記揺動体の揺動運動で前記回転軸と平行な方向に往復動
することにより冷媒の吸入室からシリンダ内への吸入、
圧縮およびシリンダから吐出室への吐出を行うピストン
とを有する可変容量圧縮機において、 前記吸入室の圧力と前記吐出室の圧力との差圧の変化に
もとづいて前記吐出室から前記調圧室へ通じる第1の冷
媒流路および前記調圧室から前記吸入室へ通じる第2の
冷媒流路を連通および閉塞するように、第1の冷媒流路
および第2の冷媒流路を流れる冷媒を連動して流量制御
するようにしたことを特徴とする可変容量圧縮機。 - 【請求項2】 前記第1の冷媒流路は前記吐出室から前
記調圧室へ冷媒を導入する第1のオリフィスと並列に形
成され、前記第2の冷媒流路は前記調圧室から前記吸入
室へ冷媒を導入する第2のオリフィスと並列に形成され
ていることを特徴とする請求項1記載の可変容量圧縮
機。 - 【請求項3】 運転容量最小で運転するとき、前記第1
の冷媒流路は全開、前記第2の冷媒流路は全閉にされ、
運転容量最大で運転するとき、前記第1の冷媒流路は全
閉、前記第2の冷媒流路は全開にされることを特徴とす
る請求項1記載の可変容量圧縮機。 - 【請求項4】 吸入室の圧力と吐出室の圧力との差圧を
所定の差圧に保つように前記吐出室から調圧室に導入す
る冷媒量を制御して可変容量圧縮機から吐出される冷媒
の容量を変化させる可変容量圧縮機用容量制御弁におい
て、 前記吐出室と前記調圧室との間および前記調圧室と前記
吸入室との間に設けられた冷媒通路をそれぞれ連動して
連通および閉塞する第1および第2の弁体と、 前記第1および第2の弁体に対して前記所定の差圧に対
応したソレノイド力を与えるソレノイド部と、 を備えていることを特徴とする可変容量圧縮機用容量制
御弁。 - 【請求項5】 前記第1の弁体と前記第2の弁体との間
を流体的に隔離するホルダに軸線方向に進退自在に保持
され前記第1および第2の弁体よりも受圧面積の小さな
中央シャフトの両端に前記中央シャフトよりも細いシャ
フトを介して一方は前記第1の弁体が固着され、他方は
前記第2の弁体が当接されていて、前記第1の弁体と前
記中央シャフトとの間に前記吐出室の吐出圧力を受け、
前記第2の弁体と前記中央シャフトとの間に前記吸入室
の吸入圧力を受け、かつ前記第1の弁体の下流側および
前記第2の弁体の上流側をそれぞれ2つの独立した通路
によって前記調圧室へ連通させるよう構成されているこ
とを特徴とする請求項4記載の可変容量圧縮機用容量制
御弁。 - 【請求項6】 前記第1の弁体の側に前記ソレノイド部
が配置され、前記第1の弁体にソレノイド力を与える前
記ソレノイド部のシャフトが当接されていることを特徴
とする請求項5記載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項7】 前記第1の弁体と、前記中央シャフト
と、前記中央シャフトの両端に配置されて前記中央シャ
フトよりも細いシャフトとが一体に形成され、前記第1
の弁体の反対側に配置された前記細いシャフトの先端に
前記第2の弁体が当接されていることを特徴とする請求
項6記載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項8】 前記第1および第2の弁体は、同一軸線
上にて軸線方向に進退自在に互いに対向して配置されて
いてそれぞれ軸線方向外側に第1および第2のシャフト
を介して前記第1および第2の弁体よりも受圧面積の小
さい第1および第2のピストンがそれぞれ一体に形成さ
れ、前記第1の弁体と前記第2の弁体との間を流体的に
隔離するホルダとこのホルダに軸線方向に摺動可能に保
持されるとともに前記第1および第2の弁体により挾持
されて前記第1および第2の弁体を軸線方向に連動させ
る伝達シャフトとを備え、前記第1の弁体と前記第1の
ピストンとの間に前記吐出室の吐出圧力を受け、前記第
2の弁体と前記第2のピストンとの間に前記吸入室の吸
入圧力を受け、かつ前記第1の弁体の下流側および前記
第2の弁体の上流側をそれぞれ2つの独立した通路によ
って前記調圧室へ連通させるよう構成されていることを
特徴とする請求項4記載の可変容量圧縮機用容量制御
弁。 - 【請求項9】 前記第1のピストンの背圧室と前記第1
の弁体の下流側との間に設けられて前記調圧室の圧力を
導入する第1の連通孔と、前記第2のピストンの背圧室
と前記第2の弁体の上流側との間に設けられて前記調圧
室の圧力を導入する第2の連通孔とを備えていることを
特徴とする請求項8記載の可変容量圧縮機用容量制御
弁。 - 【請求項10】 前記第1の連通孔は一体に形成された
前記第1の弁体、前記第1のシャフトおよび前記第1の
ピストンの軸線位置に設けられ、前記第2の連通孔は一
体に形成された前記第2の弁体、前記第2のシャフトお
よび前記第2のピストンの軸線位置に設けられ、前記第
1および第2の弁体が前記伝達シャフトに当接している
部分は前記第1および第2の連通孔に連通していること
を特徴とする請求項9記載の可変容量圧縮機用容量制御
弁。 - 【請求項11】 前記第1の連通孔は前記第1の弁体に
対する弁座が形成されている第1のボディに設けられ、
前記第2の連通孔は前記第2の弁体に対する弁座が形成
されている第2のボディに設けられていることを特徴と
する請求項9記載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項12】 前記第2の弁体に対する弁座および前
記第2のピストンを摺動自在に保持するシリンダを有す
るボディを、前記ソレノイド部の固定鉄芯と一体に形成
したことを特徴とする請求項8記載の可変容量圧縮機用
容量制御弁。 - 【請求項13】 前記第1および第2の弁体は、同一軸
線上にて軸線方向に進退自在に互いに対向して配置され
ていてそれぞれ軸線方向外側に第1および第2のシャフ
トを介して前記第1および第2の弁体よりも受圧面積の
小さい第1および第2のピストンがそれぞれ一体に形成
され、前記第1の弁体と前記第1のピストンとの間に前
記吐出室の吐出圧力を受け、前記第2の弁体と前記第2
のピストンとの間に前記吸入室の吸入圧力を受け、前記
第1および第2の弁体が当接している部分に前記調圧室
の圧力を受けるよう構成されていることを特徴とする請
求項4記載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項14】 前記第1および第2のピストンの背圧
室へそれぞれ前記調圧室の圧力を導入する第1および第
2の連通孔を備えていることを特徴とする請求項13記
載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項15】 前記第1の連通孔は一体に形成された
前記第1の弁体、前記第1のシャフトおよび前記第1の
ピストンの軸線位置に設けられ、前記第2の連通孔は一
体に形成された前記第2の弁体、前記第2のシャフトお
よび前記第2のピストンの軸線位置に設けられ、前記第
1および第2の弁体が当接している部分は前記第1およ
び第2の連通孔に連通していることを特徴とする請求項
14記載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項16】 前記第1の連通孔は前記第1の弁体に
対する弁座が形成されている第1のボディに設けられ、
前記第2の連通孔は前記第2の弁体に対する弁座が形成
されている第2のボディに設けられていることを特徴と
する請求項15記載の可変容量圧縮機用容量制御弁。 - 【請求項17】 前記第2の弁体に対する弁座および前
記第2のピストンを摺動自在に保持するシリンダを有す
るボディを、前記ソレノイド部の固定鉄芯と一体に形成
したことを特徴とする請求項15記載の可変容量圧縮機
用容量制御弁。 - 【請求項18】 前記ソレノイド部に供給される制御電
流がゼロの場合、前記調圧室と前記吸入室との間の前記
第2の弁体が閉塞され、前記吐出室と前記調圧室との間
の前記第1の弁体が最大開度に開放されて前記可変容量
圧縮機の運転容量を最小に制御し、前記ソレノイド部に
最大の制御電流が供給された場合、前記調圧室と前記吸
入室との間の前記第2の弁体が最大開度に開放され、前
記吐出室と前記調圧室との間の前記第1の弁体が閉塞さ
れて前記可変容量圧縮機の運転容量を最大に制御するこ
とを特徴とする請求項4記載の可変容量圧縮機用容量制
御弁。 - 【請求項19】 冷媒の臨界温度を越えた超臨界域で冷
凍作用を行わせる冷凍サイクルに用いる可変容量圧縮機
に適用したことを特徴とする請求項4記載の可変容量圧
縮機用容量制御弁。
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