JP2021017497A - 粘着剤組成物及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下でも粘着力を有し、粘着製品を剥離したとき、被着体に糊残り及び貼り跡が残らない粘着剤組成物を提供する。【解決手段】リビングラジカル重合により、所定のアルキル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基含有モノマーと、含窒素ビニルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを、所定量含有するモノマー混合物を共重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物により前記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物及びその利用に関する。
自動車金属部品及び金属建材等を構造物に、例えば溶接及び貫通孔を介したボルトとナットによる接合等により接合する工程においては、粘着テープを使用して自動車金属部品及び金属建材等を構造物に固定した状態で、溶接及び接合等が行われる。また、半導体ウエハの製造における、裏面研削及びダイシング等の半導体ウエハの加工の工程、及びプリント基板への半導体ウエハのはんだ工程において、粘着テープで半導体ウエハを固定した状態で加工及びはんだ付けが行われる。これらの工程では、粘着テープを使用して部品等を固定した状態で、溶接、接合(ドリル等の工作機械で貫通孔を形成することも含む)、加工及びはんだ付けを行うことにより、作業性を改善するとともに、自動車金属部品及び金属建材等、並びに半導体ウエハを保護することができる。
前述の工程では、自動車金属部品及び金属建材等、並びに半導体ウエハが200℃以上の高温に晒される場合がある。特許文献1には、薄い粘着テープでありながら、高温に晒されても剥がれにくい粘着テープとして、加熱重量減少量が所定値以下である(メタ)アクリルポリマー含有粘着テープが開示されている。
特開2015−124301号公報
しかしながら、前述のような従来技術は、粘着テープが200℃以上の高温に晒されても剥がれにくくなっているものの、粘着テープを剥離したときに被着体に糊が残る点、及び被着体に粘着テープの跡が残る点で改善の余地があることがわかった。
本発明の一態様は、200℃以上の高温環境下に晒されても粘着力を発揮しつつ、粘着製品を剥離したときに、被着体に糊残りがなく、かつ、貼り付けた粘着製品の跡が残らない粘着剤組成物及び粘着製品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により得られた、重量平均分子量20万〜80万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜3.0の(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物であって、所定のモノマー混合物を共重合してなる(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物を用いることにより、200℃以上の高温環境下でも粘着力を有するとともに、粘着製品(例えば、粘着テープ)を剥離したとき、被着体に糊残りがなく、かつ、貼り跡が残らない粘着剤組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態には以下の態様が含まれる。
〔1〕 有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により得られた、重量平均分子量20万〜80万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜3.0の(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、全モノマー成分100重量部に占める割合として、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80〜96重量部と、ヒドロキシル基含有モノマー1〜5重量部と、含窒素ビニルモノマー0.1〜15重量部と、カルボキシル基含有モノマー0.1重量部未満と、を含有するモノマー混合物を共重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマーである、粘着剤組成物。
〔2〕 前記含窒素ビニルモノマーは、アミド基含有ビニルモノマーである、〔1〕に記載の粘着剤組成物。
〔3〕 前記含窒素ビニルモノマーは、環状アミド基含有ビニルモノマーである、〔1〕又は〔2〕に記載の粘着剤組成物。
〔4〕 前記含窒素ビニルモノマーは、N−ビニル−2−ピロリドンである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔5〕 前記アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数1〜7のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔6〕 200℃以上の高温加工に使用される、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を含む、粘着製品。
本発明の一態様によれば、200℃以上の高温環境下でも粘着力を有し、粘着製品を剥離したとき、被着体に糊残りがなく、かつ、貼り跡が残らない粘着剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態及び実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。本明細書中、数値範囲に関して「A〜B」と記載した場合、当該記載は「A以上、B以下」を意図する。さらに、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
〔1.粘着剤組成物〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により得られた、重量平均分子量20万〜80万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜3.0の(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、全モノマー成分100重量部に占める割合として、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80〜96重量部と、ヒドロキシル基含有モノマー1〜5重量部と、含窒素ビニルモノマー0.1〜15重量部と、カルボキシル基含有モノマー0.1重量部未満と、を含有するモノマー混合物を共重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマーである。
本発明者らは、従来の粘着製品(例えば、粘着テープ。以下、同様。)を200℃以上の高温環境下で使用した後に被着体から剥離したときに、被着体に跡(すなわち、貼り跡)が残るという現象が発生することを見出した。ここで、被着体に貼り跡が残るという現象は、被着体に糊が残るという現象とは異なり、被着体の粘着製品が貼られていた部位のみ、粘着製品が貼られていなかった部位と比較して、被着体の色又は光沢が変化する現象である。粘着製品を使用して部品及び半導体ウエハ等を固定した状態で接合(接合のためにドリル等で貫通孔を形成すると、ドリルの摩擦により貫通孔周辺部が200℃以上に高温になる)及び加工等を200℃以上の高温環境下にて行った後、粘着製品は剥離される。従来の粘着テープでは、被着体に貼り跡が残るという現象が発生するため、接合及び加工等を行った後の被着体の外観が損なわれるという問題があった。本発明者らは、従来、粘着テープとしての凝集力を高めて糊残りを少なくするために、(メタ)アクリル系ポリマーの製造時に用いられていたカルボキシル基含有モノマーの使用量を全モノマー成分100重量部に占める割合として、0.1重量部未満とし、含窒素ビニルモノマーを0.1〜15重量部用いるとともに、所定量の前記モノマーを用いることにより、200℃以上の高温環境下でも粘着力を有し、粘着製品を剥離したとき、被着体に糊残りがなく、かつ、貼り跡が残らない粘着剤組成物を得ることができることを見出した。
〔1−1.(メタ)アクリル系ポリマー〕
(1)リビングラジカル重合
本発明の一実施形態において「(メタ)アクリル系ポリマー」は、有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により得られた(メタ)アクリル系ポリマーである。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の成長末端を失活させる副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合にて重合されることにより、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑えることができる。それゆえ、リビングラジカル重合により得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む接着剤組成物はラジカル重合により得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む接着剤組成物より凝集力により優れ、よって高温に晒されたときにも、優れた粘着力を発揮する。
また、リビングラジカル重合において、有機テルル化合物を連鎖移動剤として用いることにより、例えば、水酸基、アミド基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基を有するビニルモノマーをいずれも保護することなく、同一の連鎖移動剤で重合して均一な分子量及び組成を有するポリマーを得ることができる。それゆえ、前記官能基を有するビニルモノマーを容易に共重合することができる。
有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合としては、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、及び国際公開第2004/096870号に記載された方法を挙げることができる。
前記有機テルル化合物としては、(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート、(2−トリメチルシロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロオピオネート、(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート及び(3−トリメチルシリルプロパルギル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート等を挙げることができる。
また、リビングラジカル重合において、反応促進、分子量及び分子量分布の制御等の目的で、前記有機テルル化合物とともに、有機テルリド化合物及び/又はアゾ化合物を用いてもよい。
前記有機ジテルリド化合物としては、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−s−ブチルジテルリド、ジ−t−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド及びジピリジルジテルリド等を挙げることができる。
前記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等を挙げることができる。
前記リビングラジカル重合は無溶媒でも行うことができるが、重合溶媒を用いる場合、ラジカル重合で一般に使用される非プロトン性溶媒又はプロトン性溶媒を使用し、前記混合物を用いて行なってもよい。使用できる非プロトン性溶媒は、例えば、アニソール、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びトリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、プロトン性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール及びジアセトンアルコール等を例示することができる。
また、重合温度は、重合速度の観点から好ましくは0〜110℃である。
本発明の一実施形態において(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、20万〜80万であることが好ましく、22万〜78万であることがより好ましく、24万〜76万であることがさらに好ましく、26万〜74万であることが最も好ましい。当該構成であれば、200℃以上の高温においても耐えうる良好な耐熱性を得ることができる。また、(メタ)アクリル系ポリマーにおける、重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比である分子量分布(Mw/Mn)は、1.05〜3.0であることが好ましく、1.05〜2.9であることがより好ましく、1.05〜2.8であることがさらに好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下であれば、低分子量成分の生成が抑えられているので、得られる粘着剤組成物が凝集力に優れるという利点を有する。それゆえ、200℃以上の高温においても優れた粘着力を発揮する。
前記重量平均分子量(Mw)及び前記数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したポリスチレン換算の分子量である。
(2)モノマー混合物
本発明の一実施形態において、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、全モノマー成分100重量部に占める割合として、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80〜96重量部と、ヒドロキシル基含有モノマー1〜5重量部と、含窒素ビニルモノマー0.1〜15重量部と、カルボキシル基含有モノマー0.1重量部未満と、を含有するモノマー混合物を、前記有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により共重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマーである。
かかる組成のモノマー混合物を使用することにより、200℃以上の高温環境下でも粘着力を有するとともに、粘着製品を剥離したとき、被着体に糊残りがなく、かつ、貼り跡が残らない粘着剤組成物を得ることができる。
(アルキル(メタ)アクリレート)
前記炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートにおいて、炭素数1〜14のアルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状であり得る。当該アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−エチルオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の一実施形態において、前記アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数1〜7のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。炭素数1〜7のアルキル基は、直鎖状、分岐状、又は環状であり得る。炭素数1〜7のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。当該構成であれば、良好な粘着性を有する粘着製品を得ることができる。
本発明の一実施形態において、前記モノマー混合物の全モノマー成分100重量部に占める、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの使用量は、80〜96重量部であり、より好ましくは82〜96重量部、さらに好ましくは84〜96重量部である。炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの使用量が前記範囲内であれば、被着体に糊残りがなく、かつ、貼り跡が残らない粘着剤組成物を得ることができであるため好ましい。
(ヒドロキシル基含有モノマー)
前記ヒドロキシル基含有モノマーとしては、ヒドロキシル基を含むモノマーであれば特に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等のアルコール性水酸基を含有する架橋性モノマー;ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマーが挙げられる。これらのヒドロキシル基含有モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の一実施形態において、前記モノマー混合物の全モノマー成分100重量部に占める、前記ヒドロキシル基含有モノマーの使用量は、1〜5重量部であり、より好ましくは1〜4重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。前記ヒドロキシル基含有モノマーの使用量が1重量部以上であれば、200℃以上の高温環境下にあった粘着製品を剥離した後も、被着体に糊残りがない粘着剤組成物を得ることができる。
(含窒素ビニルモノマー)
前記含窒素ビニルモノマーは、その構造中に窒素原子を含み、且つ、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和二重結合を含む化合物であれば、特に限定されるものではない。前記含窒素ビニルモノマーとしては、例えば、アミド基含有ビニルモノマー、アミノ基含有ビニルモノマー、環状イミド基含有ビニルモノマー、シアノ基含有ビニルモノマー、及びイソシアネート基含有ビニルモノマー等を挙げることができる。
アミド基含有ビニルモノマーは、その構造中にアミド基を含み、且つ、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和二重結合を含む化合物であればよい。前記アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、環状アミド基含有ビニルモノマー、アクリルアミド系モノマー、及びN−(メタ)アクリロイル複素環モノマー等を挙げることができる。
環状アミド基含有ビニルモノマーとは、エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に、直接又は接続基を介して、環状アミド基が結合している化合物であればよい。ここで、環状アミド基とは、環構成原子に窒素原子を含み、当該窒素原子がアミド基を構成する環状の基であれば特に限定されるものではない。また前記環状アミド基の環状骨格は、単環でも多環でもよく、また飽和でも不飽和でもよい。
前記環状アミド基含有ビニルモノマーの好ましい一例としては、例えば、下記一般式(i)で表される、環状アミド基又は環状アミド基に接続基が結合した基が、エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合している化合物を挙げることができる。
Figure 2021017497
一般式(i)中、Aは、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基、これらの2種以上の組合せ、又は直接結合であり、nは1から4の整数である。Aが、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基、又は、これらの2種以上の組合せである場合、Aはさらにオキシアルキレン基−(RO)m−を含んでいてもよい。ここで、Rは炭素数1〜15のアルキレン基であり、mは1〜20の整数である。また、前記炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよい。
一般式(i)に示されるように、前記環状アミド基は、環を構成する窒素原子が結合基を介して又は直接エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合していてもよいし、環状アミド基の環を構成する炭素原子が結合基を介して又は直接エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合していてもよい。
前記一般式(i)で表される、環状アミド基又は環状アミド基に接続基が結合した基が、エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合している化合物としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニルエチル−2−ピロリドン等のN−ビニル基含有ラクタム系モノマー;2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アクリル酸、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アクリル酸メチル、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アクリル酸エチル、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アクリル酸プロピル、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アクリル酸ブチル、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アクリル酸メトキシエチル、2−(2−オキソアゼパン−1−イル)アクリル酸、2−(2−オキソアゼパン−1−イル)アクリル酸メチル、2−(2−オキソアゼパン−1−イル)アクリル酸エチル、2−(2−オキソアゼパン−1−イル)アクリル酸ブチル等の環状アミドアクリレートを挙げることができる。
また、環状アミド基含有ビニルモノマーは、環状アミド基が、前記一般式(i)中で表される環状アミド基において、環を構成する炭素原子の1、2又は3個が、さらに酸素原子、窒素原子、硫黄原子、又はこれらの2種以上の組合せにより置換されたものであってもよい。かかる環状アミド基がエチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に、直接又は接続基を介して結合している化合物としては、例えば、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、及びN−ビニル−3,5−モルホリンジオン等を挙げることができる。
前記環状アミド基含有ビニルモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記アクリルアミド系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカアプトメチル(メタ)アクリルアミド、及びメルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
前記アクリルアミド系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記N−(メタ)アクリロイル複素環モノマーとしては、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、及びN−(メタ)アクリロイルピロリジン等を挙げることができる。
前記N−(メタ)アクリロイル複素環モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記アミノ基含有ビニルモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
環状イミド基含有ビニルモノマーは、エチレン性不飽和二重結合と環状イミド基とを含有する化合物であればよく、エチレン性不飽和二重結合は環状イミド基の一部であってもよい。かかる化合物としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に、直接又は接続基を介して、環状イミド基が結合している化合物、及び、マレイミド系モノマー等を挙げることができる。
エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に、直接又は接続基を介して、環状イミド基が結合している化合物において、環状イミド基とは、環構成原子に窒素原子を含み、当該窒素原子がイミド基を構成する環状の基であれば特に限定されるものではない。また前記環状イミド基の環状骨格は、単環でも多環でもよく、また飽和でも不飽和でもよい。
前記エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に、直接又は接続基を介して、環状イミド基が結合している化合物の好ましい一例としては、例えば、下記一般式(ii)で表される、環状イミド基又は環状イミド基に接続基が結合した基が、エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合している化合物を挙げることができる。
Figure 2021017497
一般式(ii)中、Aは、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基、これらの2種以上の組合せ、又は直接結合であり、nは1から4の整数である。Aが、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基、又は、これらの2種以上の組合せである場合、Aはさらにオキシアルキレン基−(RO)m−を含んでいてもよい。ここで、Rは炭素数1〜15のアルキレン基であり、mは1〜20の整数である。また、前記炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の2価の炭化水素基は、飽和でも不飽和でもよい。
一般式(ii)に示されるように、前記環状イミド基は、環を構成する窒素原子が結合基を介して又は直接エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合していてもよいし、環状アミド基の環を構成する炭素原子が結合基を介して又は直接エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に結合していてもよい。
エチレン性不飽和二重結合を構成する炭素原子に、直接又は接続基を介して、環状イミド基が結合している化合物としては、例えば、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピルスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド、及びN−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタルイミド等を挙げることができる。
また、前記マレイミド系モノマーとしては、下記一般式(iii)で表される、化合物を挙げることができる。
Figure 2021017497
一般式(iii)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、又はアルキル基である。また、Xは水素原子、置換又は無置換の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の炭化水素基(芳香環を有するアルキル基を含む)、置換又は無置換の炭素数1〜20の脂環式炭化水素基、又は、置換又は無置換の炭素数1〜20の芳香族炭化水素基である。前記直鎖状又は分岐状の炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基が挙げられる。また、Xが置換された直鎖状又は分岐状の炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基である場合、置換基は、フッ素、塩素、ホウ素、及びヨウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;カルボキシ基;及びニトロ基から選択される1種又は2種以上の組合せである。
前記マレイミド系単量体としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−ターシャリブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ヒドロキシルエチルマレイミド、N−ヒドロキシルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミドなどが挙げられる。これらの中でも入手性や経済性の観点から、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドがより好ましい。
前記環状イミド基含有ビニルモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記シアノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリルを挙げることができる。
前記シアノ基含有ビニルモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記イソシアネート基含有ビニルモノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートを挙げることができる。
前記イソシアネート基含有ビニルモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、前記含窒素ビニルモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、前記含窒素ビニルモノマーとしては、耐熱性の観点より、アミド基含有ビニルモノマーがより好ましく、環状アミド基含有ビニルモノマー及びN−(メタ)アクリロイル複素環モノマーが更に好ましく、環状アミド基含有ビニルモノマーが特に好ましい。また環状アミド基含有ビニルモノマーの中でも、N−ビニル−2−ピロリドン、及びN−ビニル−2−カプロラクタムが最も好ましい。
本発明の一実施形態において、前記モノマー混合物の全モノマー成分100重量部に占める、前記含窒素ビニルモノマーの使用量は、0.1〜15重量部であり、より好ましくは1〜14重量部、さらに好ましくは3〜13重量部であり、特に好ましくは4〜12重量部である。前記含窒素ビニルモノマーの使用量が0.1重量部以上であれば、含窒素ビニルモノマーが有する極性により、得られる粘着製品において、粘着剤組成物と基材との粘着力、又は、粘着剤組成物と被着体との粘着力が優れる。また、前記含窒素ビニルモノマーの使用量が15.0重量部以下であれば、高タックであるため好ましい。
(カルボキシル基含有モノマー)
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、カルボキシル基を含むものであればよく、例えば、(メタ)アクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、フタル酸、テレフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。前記カルボキシル基含有モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の一実施形態において、前記モノマー混合物の全モノマー成分100重量部に占める、カルボキシル基含有モノマーの使用量は、0.10重量部未満であり、より好ましくは0.08重量部以下、さらに好ましくは0.06重量部以下、特に好ましくは0.04重量部以下、さらに好ましくは0.02重量部以下、最も好ましくは0である。当該構成であれば、200℃以上の高温環境下にあった粘着製品を剥離した後も、貼り跡が残らない粘着剤組成物を得ることができる。
(その他のモノマー)
本発明の一実施形態において、前記モノマー混合物は、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で、上述した炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基含有モノマー、含窒素ビニルモノマー、及びカルボキシル基含有モノマー以外のその他のモノマーを含んでいてもよい。
前記その他のモノマーとしては、具体的には、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等の1つの芳香環を含有するモノマー;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基又はオキシアルキレン基を含有するモノマー;酢酸ビニル;等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、前記モノマー混合物の全モノマー成分100重量部に占める、前記その他のモノマーの使用量は、18.9重量部未満であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましく、5重量部以下であることがさらに好ましい。
〔1−2.架橋剤〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、さらに架橋剤を含み得る。当該架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。中でも、水酸基との反応性の観点から、イソシアネート系架橋剤を用いることがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、多官能イソシアネート(ポリイソシアネート)がより好ましい。前記多官能イソシアネートとは、1分子当たりイソシアネート基を少なくとも2個含む化合物である。すなわち、前記イソシアネート系架橋剤としては、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等のジイソシアネート;アダクトポリイソシアネート化合物;ビュレットポリイソシアネート化合物;イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
前記アダクトポリイソシアネート化合物としては、例えば、「スミジュールL」(住友バイエルウレタン社製);「コロネートL−55E」、「コロネートHL」(いずれも日本ポリウレタン社製)等が挙げられる。
前記ビュレットポリイソシアネート化合物としては、例えば、「スミジュールN」(住友バイエルウレタン社製)等が挙げられる。
前記イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(いずれもバイエルA.G.社製);「コロネートEH」、「コロネートHX」(いずれも日本ポリウレタン工業社製);「タケネートD110N」、「タケネートD120N」(いずれも三井化学社製)等が挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して使用してもよい。また、これらの化合物のイソシアネート基を、活性水素を有するマスク剤と反応させて不活性化した、いわゆるブロックイソシアネートも使用可能である。
前記架橋剤が、例えば、イソシアネート系架橋剤の場合、その含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは0.1〜6重量部である。前記架橋剤の含有量が前記(メタ)アクリル系ポリマーに対して0.05重量部以上であれば、(メタ)アクリル系ポリマーが十分に架橋される。また、8重量部以下であれば、所望される以上に架橋反応が進むことがないので、得られる粘着製品の粘着力の低下させることがない。
〔1−3.有機溶剤〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、有機溶剤をさらに含んでいてもよい。有機溶剤は、粘着剤組成物の粘度を調整する希釈剤として使用される。
前記有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタン、α−ピネン、ターピノーレン、及びリモネン等の脂環族炭化水素;トルエン、キシレン、ベンゼン、及びソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、及び酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノン等のケトン類;等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系ポリマーの製造時に用いた溶媒を有機溶剤として使用してもよい。これら有機溶剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘着剤組成物における有機溶剤の含有量は、所望する粘着剤組成物の粘度に応じて設定すればよく、特に限定されない。すなわち、粘着剤組成物における不揮発分の量(換言すれば、粘着剤組成物中の、(メタ)アクリル系ポリマー等の固形分の割合)は、所望する粘度に応じて設定され得る。
〔1−4.その他の添加剤〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、必要に応じて、粘着剤組成物に通常使用されるその他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、粘着付与剤、充填剤、顔料、染料、香料、老化防止剤、酸化防止剤、消泡剤、難燃剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等が挙げられる。これら添加剤は、必要に応じて、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、粘着剤組成物における添加剤の含有量は、所望する粘着剤組成物の物性に応じて設定すればよく、特に限定されない。
前記粘着付与剤としては、(重合)ロジン系、(重合)ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロン系、クマロンインデン系、スチレン樹脂系、キシレン樹脂系、フェノール樹脂系、及び石油樹脂系の粘着付与剤が挙げられる。粘着付与剤を添加する場合、粘着剤組成物における粘着付与剤の含有量は、特に限定されないが、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましく、10〜50重量部であることがより好ましい。粘着付与剤の添加量が当該範囲であれば、粘着付与剤による粘着力向上効果を十分に発揮させることができる。
前記充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、クレー、タルク、珪藻土等の無機化合物;再生ゴム、セルロース粉などの有機物などが挙げられる。粘着剤組成物における充填剤の添加量は、特に限定されないが、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましい。当該構成であれば、粘着剤組成物の粘度を良好に調節することができ、また、粘着剤層において、良好な耐久性及び粘着性を有することができる。
〔1−5.粘着剤組成物の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物の製造方法は、有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により、全モノマー成分100重量部に占める割合として、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80〜96重量部と、ヒドロキシル基含有モノマー1〜5重量部と、含窒素ビニルモノマー0.1〜15重量部と、カルボキシル基含有モノマー0.1重量部未満と、を含有するモノマー混合物を共重合させて(メタ)アクリル系ポリマーを得る重合工程を含んでいればよい。前記重合工程で得られた(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量が20万〜80万であって、分子量分布が(Mw/Mn)1.05〜3.0である。
前記重合工程におけるリビングラジカル重合の重合開始剤、分散安定剤、重合方法、重合溶媒、重合温度、及びモノマー混合物等は、前述したとおりである。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物の製造方法は、さらに、前記モノマー混合物を調製するモノマー混合物調製工程を含んでいてもよい。前記モノマー混合物調製工程における、モノマー成分、モノマー組成、及び溶媒等は前述したとおりである。
また、本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物の製造方法は、さらに、前記重合工程で得られた(メタ)アクリル系ポリマーと、必要に応じて、前記架橋剤、前記有機溶剤、及び前記添加剤等を混合して粘着剤組成物を得る混合工程を含んでいてもよい。
〔2.粘着製品〕
本発明の一実施形態に係る粘着製品は、上述した粘着剤組成物から形成される粘着剤層を含む。当該粘着製品としては、例えば、粘着テープ、粘着ラベル、粘着シート、及び両面テープ等が挙げられる。このような粘着製品は、基材レスで、又は基材に粘着剤の層を形成することにより製造される。
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物から形成された粘着剤層を含む粘着製品は、高温加工用粘着製品であることが好ましい。当該高温加工用粘着製品とは、200℃以上の高温に晒され得る工程、具体的には、自動車金属部品及び金属建材等を構造物に、例えば溶接及び貫通孔を介したボルトとナットによる接合等により接合する工程において、自動車金属部品及び金属建材等を構造物に固定した状態で、溶接及び接合(接合のためにドリル等で貫通孔を形成する工程も含む)等を行うときに、自動車金属部品及び金属建材等を構造物に固定するために使用される粘着製品であり得る。或いは、半導体ウエハの製造における、裏面研削及びダイシング等の半導体ウエハの加工の工程、及びプリント基板への半導体ウエハのはんだ工程において、半導体ウエハを固定した状態で加工及びはんだ付けを行うときに、半導体ウエハを固定するために使用される粘着製品であり得る。
前記高温加工用粘着製品を使用することにより、作業性が改善し、さらに、加工後に粘着製品を剥がした後、被着体に粘着剤組成物の糊残りがなく、かつ、貼り跡が残らないという利点も有する。
前記基材としては、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の従来公知の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフテレート、ポリ塩化ビニル、セロファン等のプラスチック;織布、不織布等の繊維製品等を利用できる。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、板状、発泡体等が挙げられるが、特に限定されるものではない。基材の片面に粘着剤組成物を公知の方法で塗布することによって、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベル等を得ることができる。また、紙、合成紙、プラスチックフィルム等のシート状物に離型剤が塗布されている離型紙等に粘着剤組成物を塗布することにより、基材レス(単層構造)の粘着製品が得られ、基材レスの両面テープとして使用することができる。また、上記基材の両面に同種又は異種の粘着剤組成物を塗布して、両面テープとしてもよい。
粘着剤組成物を基材に塗布する方法は、特に限定されず、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディッピング法等の公知の方法を採用することができる。この場合、粘着剤組成物を基材に直接塗布する方法、離型紙等に粘着剤組成物を塗布した後、この塗布物を基材上に転写する方法等いずれも採用可能である。
粘着剤組成物を塗布した後、乾燥させることにより、基材上に粘着剤層が形成される。乾燥温度は、特に限定されないが、加熱乾燥時に架橋反応が進行するので、架橋剤の種類に応じて架橋反応が速やかに進行する温度で乾燥することが好ましい。なお、用途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗布してもよい。
基材上に形成された粘着剤層の表面には、例えば、離型紙を貼着してもよい。離型紙は剥離紙とも称される。これにより、粘着剤層の表面を好適に保護及び保存することができる。剥離紙は、粘着製品を使用する際に、粘着剤組成物の表面から引き剥がされる。なお、シート状又はテープ状等の基材の片面に粘着剤面が形成されている場合は、この基材の背面に公知の離型剤を塗布して離型剤層を形成することが好ましい。これにより、粘着剤層を内側にして、粘着シート(テープ)をロール状に巻けば、粘着剤層は、基材背面の離型剤層と当接することとなるので、粘着剤層の表面が保護及び保存される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」は「重量部」を意味する。
〔実施例1〕
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度センサーを備えたフラスコに、ブチルアクリレート561g(4377mmol)、N−ビニル−2−ピロリドン30g(270mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート9g(78mmol)、2,2‘−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)148mg(0.48mmol)、酢酸エチル448g仕込み、重合系内を窒素ガスで置換後、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート274.7μl(1.20mmol)を加え、33℃で22時間反応(共重合)させた。
反応終了後、反応溶液に酢酸エチルを加え、重量平均分子量(Mw)が48.7万のアクリル系ポリマーを含む溶液(固形分:27.7重量%)を得た。
得られた溶液(反応混合物)100部に対して架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E:有効成分55%)4.8部((メタ)アクリル系ポリマー100部に対して前記有効性分が5.28部))を添加することにより、粘着剤組成物を得た。
アプリケーターを用いて得られた粘着剤組成物を剥離紙(サンエー化研株式会社製、商品名:K−80HS)に塗布した。次いで、90℃の温度で3分間乾燥させ、剥離紙上に粘着剤層を形成させた。得られた乾燥後の粘着剤層は、厚さ30μmであった。当該粘着剤層上にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム支持体)(厚さ:25μm)を張り合わせることにより、片面が接着面である粘着テープを得た。
〔実施例2〕
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度センサーを備えたフラスコに、ブチルアクリレート531g(4143mmol)、N−ビニル−2−ピロリドン60g(540mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート9g(78mmol)、2,2‘−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)110mg(0.36mmol)、酢酸エチル448gを仕込み、重合系内を窒素ガスで置換後、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート203.5μl(0.89mmol)を加え、33℃で22時間反応(共重合)させた。
反応終了後、反応溶液に酢酸エチルを加え、重量平均分子量(Mw)が66.7万のアクリル系ポリマーを含む溶液(固形分:22.8重量%)を得た。
得られた溶液(反応混合物)100部に対して架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E:有効成分55%)3.9部((メタ)アクリル系ポリマー100部に対して前記有効性分が4.29部))を添加することにより、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を用いて実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
〔比較例1〕
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度センサーを備えたフラスコに、ブチルアクリレート569.4g(4443mmol)、N−ビニル−2−ピロリドン30g(270mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.6g(5mmol)、2,2‘−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)93mg(0.30mmol)、酢酸エチル448gを仕込み、重合系内を窒素ガスで置換後、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート274.7μl(1.20mmol)を加え、33℃で44時間反応(共重合)させた。
反応終了後、反応溶液に酢酸エチルを加え、重量平均分子量(Mw)が43.2万のアクリル系ポリマーを含む溶液(固形分:29.3重量%)を得た。
得られた溶液(反応混合物)100部に対して架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E:有効成分55%)5.1部((メタ)アクリル系ポリマー100部に対して前記有効性分が5.61部))を添加することにより、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を用いて実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
〔比較例2〕
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度センサーを備えたフラスコに、ブチルアクリレート531g(4143mmol)、N−ビニル−2−ピロリドン60g(540mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート9g(78mmol)、酢酸エチル600gを仕込み、重合系内を窒素ガスで置換後、過酸化物系重合開始剤(商品名:ナイパーBMT−K40;日油(株)製)0.6gを加え、80℃で3時間反応(共重合)させた。その後、過酸化物系重合開始剤(商品名:ナイパーBMT−K40;日油(株)製)1.8gを加え、80℃でさらに3時間反応(共重合)させた。
これにより、重量平均分子量(Mw)が67.4万のアクリル系ポリマーを含む溶液(固形分:50.0重量%)を得た。
得られた溶液(反応混合物)100部に対して架橋剤(東ソー株式会社製、商品名:コロネートL−55E:有効成分55%)6.1部((メタ)アクリル系ポリマー100部に対して前記有効性分が6.71部))を添加することにより、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を用いて実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
〔比較例3〕
撹拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度センサーを備えたフラスコに、ブチルアクリレート580.2g(4526mmol)、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.6g(5mmol)、アクリル酸19.2g(266mmol)、2,2‘−アゾビス(4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニトリル148mg(0.48mmol)、酢酸エチル448g仕込み、重合系内を窒素ガスで置換後、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート274.7μl(1.20mmol)加え、33℃で44時間反応(共重合)させた。
反応終了後、反応溶液に酢酸エチルを加え、重量平均分子量(Mw)が49.6万のアクリル系ポリマーを含む溶液(固形分:28.8重量%)を得た。
得られた溶液(反応混合物)100部に対して架橋剤(三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドC:有効成分98%)0.2部((メタ)アクリル系ポリマー100部に対して前記有効性分が0.39部))を添加することにより、粘着剤組成物を得た。得られた粘着剤組成物を用いて実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
〔分子量測定〕
(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比、Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。GPCは、測定装置(品番:HLC−8220GPC、東ソー(株)製)を用いた。そして、下記測定条件で測定した値を、標準ポリスチレン(東ソー(株)製)を用いて換算し、得られた換算値を(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)とした。さらに、重量平均分子量と数平均分子量との比から、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
(測定条件)
分離カラム:東ソー(株)製、品番:TSKgel Super HZM−H
抽出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/min
注入量:10μL/回
試料濃度:0.2重量%。
〔粘着テープの評価〕
実施例及び比較例にて得られた粘着テープの評価は以下の方法により行った。
(1)糊残りの試験方法
粘着テープを長さ50mm、幅25mmの長方形に裁断することにより、試験用粘着テープを作製した。得られた試験用粘着テープの剥離紙を剥離し、その剥離面にステンレス鋼板を載置した。そして、質量が2kgのロールをステンレス鋼板上で往復させることにより、当該ステンレス鋼板を試験用粘着テープの剥離面に貼り付け、室温(略23℃)にて20分間静置した。次いで、試験用粘着テープを貼り付けたステンレス鋼板を260℃に加熱したオーブンに入れ、5分間静置した。そして、当該試験用粘着テープを貼り付けたステンレス鋼板をオーブンから取り出し、室温(略23℃)にて2時間静置した。その後、剥離角度180°、剥離速度300mm/minの条件にて、ステンレス鋼板から試験用粘着テープを剥離したときのステンレス鋼板の状態を目視にて観察した。そして、以下の評価基準に基づき糊残りを評価した。
(評価基準)
○:ステンレス鋼板に粘着剤組成物が残っていない(界面破壊)。
△:ステンレス鋼板に粘着剤組成物の跡が「曇り」として残っている(曇り破壊)。
×:ステンレス鋼板に粘着剤組成物が多量に残っている(凝集破壊)。
(2)貼り跡の試験方法
前記(1)糊残りの試験方法と同じ方法にて試験用粘着テープを作製し、同じ方法にて高温に晒した後、同じ方法にて試験用粘着テープをステンレス鋼板から剥離して、当該ステンレス鋼板の状態を目視にて観察した。そして、以下の評価基準に基づき貼り跡(色目)を評価した。
(評価基準)
○:ステンレス鋼板に粘着テープの貼り跡が残っていない(粘着テープ貼付部位の周辺と、粘着テープ貼付部位との色目が同じである)。
×:ステンレス鋼板に粘着テープの貼り跡が残っている(粘着テープ貼付部位の周辺と、粘着テープ貼付部位との色目が異なる、すなわち変色している)。
〔評価結果〕
下記表1に、実施例及び比較例にて得られた粘着テープの、粘着剤組成物の組成、重量平均分子量、分子量分布、及び粘着テープの評価結果を示す。
Figure 2021017497
表1で用いた略称は以下の通りである。
BA:ブチルアクリレート
NVP:N−ビニル−2−ピロリドン
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
なお、表1中、架橋剤の添加量は、モノマー成分100重量部に対する添加量である。
また、本実施例において製造したいずれの粘着テープも、200℃以上の高温に耐えうる良好な粘着力を有していた。
実施例1〜2より、本発明の一実施形態にかかる粘着剤組成物を用いて得られた粘着テープは、被着体であるステンレス鋼板への糊残りがなく、かつ、貼り跡がないことがわかる。
一方、比較例1より、ヒドロキシル基含有モノマーであるHEAの添加量が少ないと、得られた粘着テープは、被着体であるステンレス鋼板への糊残りがあることがわかる。また、比較例2より、ラジカル重合反応により得られた(メタ)アクリル系ポリマーを使用して得られた粘着テープもまた、被着体であるステンレス鋼板への糊残りがあることがわかる。さらに、比較例3より、カルボキシル基含有ポリマーの添加量が多く、窒素基含有ビニルモノマーであるNVPを使用しない(メタ)アクリル系ポリマーを使用して得られた粘着テープは、被着体であるステンレス鋼板への貼り跡が残っている(すなわち、変色している)ことがわかる。
本発明に係る粘着剤組成物は、種々の粘着製品に利用することができる。特に、高温加工用工程として、自動車金属部品の固定、金属建材の固定、半導体の加工における半導体ウエハの固定などにおいて、好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. 有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合により得られた、重量平均分子量20万〜80万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜3.0の(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物であって、
    前記(メタ)アクリル系ポリマーは、全モノマー成分100重量部に占める割合として、炭素数1〜14のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート80〜96重量部と、ヒドロキシル基含有モノマー1〜5重量部と、含窒素ビニルモノマー0.1〜15重量部と、カルボキシル基含有モノマー0.1重量部未満と、を含有するモノマー混合物を共重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマーである、粘着剤組成物。
  2. 前記含窒素ビニルモノマーは、アミド基含有ビニルモノマーである、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記含窒素ビニルモノマーは、環状アミド基含有ビニルモノマーである、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記含窒素ビニルモノマーは、N−ビニル−2−ピロリドンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記アルキル(メタ)アクリレートは、炭素数1〜7のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 200℃以上の高温加工に使用される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を含む、粘着製品。
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