JP2021017124A - 車両用ヒートパイプシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 空調装置の暖房スイッチがオンされてから暖房が効き始めるまでの期間を短くできるとともに、暖房が効き始めた後は安定して暖房を作動させ得る車両用ヒートパイプシステムを提供する。【解決手段】 ヒートパイプシステム1は、排気ガス通路11上に配置された蒸発器2と、上り管路5及び下り管路6を介して蒸発器2と接続された凝縮器3と、連結管路9を介して凝縮器3の容器部3Bと接続された貯留タンク4と、連結管路9に設けられた切り替えバルブ10を備える。ヒートパイプシステム1の始動時に、排気ガス温度が基準温度TS以下であるときには、切り替えバルブ10を開弁して、貯留タンク4内の高濃度の作動液を容器部3Bに導入して、作動液濃度を高める。その後、排気ガス温度が基準温度TSを超えたときには、再び切り替えバルブ10を開弁して、凝縮器3内の高濃度の作動液を貯留タンク4に回収して、作業液濃度を低くする。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車両用空調装置に用いられる車両用ヒートパイプシステムに関するものである。
自動車等の車両に備えられる車両用空調装置(暖房システム)には、作動液の蒸発と凝縮の潜熱を利用して熱を輸送する車両用ヒートパイプシステムが用いられることがある。例えば、特許文献1(特開2012−255624号公報)には、電気自動車に設けられた作動流体の循環経路(ヒートパイプシステム)において、放熱体8の表面からの放熱を車内暖房に活用可能とした構成が開示されている。
特開2012−255624号公報
ところで、このような車両用ヒートパイプシステムには、エンジンの排気熱を利用して作動されるものがある。しかしながら、このような排気熱を利用したシステムでは、エンジン始動後に排気ガス温度が上昇するまで、ヒートパイプシステム内の作動液が十分に暖められていない期間が生じてしまうため、空調装置の暖房スイッチがオンされてから暖房が効き始めるまで、時間がかかってしまうことがある。
本発明は、以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、車両用空調装置に設けられる車両用ヒートパイプシステムにおいて、空調装置の暖房スイッチがオンされてから暖房が効き始めるまでの期間を短くできるとともに、暖房が効き始めた後は安定して暖房を作動させ得る車両用ヒートパイプシステムを提供することである。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、次のような解決方法を採択している。すなわち、請求項1に記載のように、車両用空調装置に設けられる車両用ヒートパイプシステムにおいて、エンジンの排気通路上に設けられた蒸発器と、前記蒸発器に管路を介して接続され、気化した作動液を凝縮させるための熱交換部と、前記熱交換部を収容する容器部とを備えた凝縮器と、車両上下方向における前記熱交換部よりも下方部分において前記容器部に接続され、所定濃度の作動液が貯留されている貯留タンクと、前記容器部と前記貯留タンクの連通状態を切り替えるための切り替えバルブとを備え、前記切り替えバルブは、前記排気通路内の排気ガス温度が予め設定された所定温度以下である場合には、前記車両用空調装置の始動から第1の開弁継続時間にわたって開弁され、前記第1の開弁継続時間が経過した後に閉弁されるようになっている。
上記解決手法によれば、車両用ヒートパイプシステムにおいて、車両用空調装置の始動時に、排気ガス温度が所定温度(暖機完了判定基準温度)以下であり、作動液温度が十分に高くなっていない場合には、第1の開弁継続時間にわたって切り替えバルブが開弁されるので、貯留タンク内に貯留されている高濃度の作動液が凝縮器内に導入される。したがって、ヒートパイプシステムの始動時に、作動液が低温であっても、凝縮器内の作動液濃度が高められ、作動液の気化が促進されるので、ヒートパイプシステムを適切に作動させることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載の通りである。すなわち、請求項1に記載の車両用ヒートパイプシステムにおいて、前記切り替えバルブは、前記第1の開弁継続時間経過後に閉弁された後に、前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度を超えた場合には、第2の開弁継続時間にわたって開弁された後に閉弁されるようになっている(請求項2対応)。この場合、排気ガス温度が所定温度を超えたときには、第2の開弁継続時間にわたって切り替えバルブが開弁されるので、凝縮器で生成された高濃度の作動液が貯留タンクに回収される。これにより、作動液濃度が低下し、作動液の蒸気圧が低下するので、ヒートパイプシステム内の内圧の過上昇が抑制され、管路の破損等が防止される。
前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度以下である場合、前記車両用ヒートパイプシステム内の作動液の濃度の目標値を、予め設定された輸送熱量を確保可能な濃度範囲のうちで下限値寄りの濃度に設定する(請求項3対応)。この場合、ヒートパイプシステムの始動時においても、作動液濃度が必要以上に高められることがないので、排気ガス温度が所定温度を超えたときには、短時間で作業液濃度を低下させて、ヒートパイプシステムの安定した作動を継続することができる。
前記車両のイグニッションスイッチがオフになったときには、第3の開弁継続時間にわたって前記切り替えバルブを開弁し、前記貯留タンク内の作動液を前記凝縮器の前記容器部内に流入させる(請求項4対応)。この場合、車両が停止されたときに、作動液の濃度が適切に高められるので、車両の停止中における作動液の凍結を防止できる。
また、請求項5に記載のように、エンジンの排気通路上に設けられた蒸発器と、前記蒸発器に管路を介して接続され、気化した作動液を凝縮させるための熱交換部と、前記熱交換部を収容する容器部とを備えた凝縮器と、車両上下方向における前記熱交換部よりも下方部分において前記容器部に接続され、所定濃度の作動液が貯留されている貯留タンクと、前記容器部と前記貯留タンクの連通状態を切り替えるための切り替えバルブとを備え、車両用空調装置に設けられる車両用ヒートパイプシステムの制御方法において、前記排気通路内の排気ガス温度が予め設定された所定温度以下である場合には、前記切り替えバルブを、前記車両用空調装置の始動から第1の開弁継続時間にわたって開弁し、前記第1の開弁継続時間が経過した後に閉弁する。
上記解決手法によれば、車両用ヒートパイプシステムの制御方法において、車両用空調装置の始動時に、排気ガス温度が所定温度(暖機完了判定基準温度)以下であり、作動液温度が十分に高くなっていない場合には、第1の開弁継続時間にわたって切り替えバルブが開弁されるので、貯留タンク内に貯留されている高濃度の作動液が凝縮器内に導入される。したがって、ヒートパイプシステムの始動時に、作動液が低温であっても、凝縮器内の作動液濃度が高められ、作動液の気化が促進されるので、ヒートパイプシステムを適切に作動させることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項6以下に記載の通りである。すなわち、前記切り替えバルブを前記第1の開弁継続時間経過後に閉弁した後に、前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度を超えた場合には、前記切り換えバルブを、第2の開弁継続時間にわたって開弁した後に閉弁する(請求項6対応)。この場合、排気ガス温度が所定温度を超えたときには、第2の開弁継続時間にわたって切り替えバルブが開弁されるので、凝縮器で生成された高濃度の作動液が貯留タンクに回収される。これにより、作動液濃度が低下し、作動液の蒸気圧が低下するので、ヒートパイプシステム内の内圧の過上昇が抑制され、管路の破損等が防止される。
前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度以下である場合、前記車両用ヒートパイプシステム内の作動液の濃度の目標値を、予め設定された輸送熱量を確保可能な濃度範囲のうちで下限値寄りの濃度に設定する(請求項7対応)。この場合、ヒートパイプシステムの始動時においても、作動液濃度が必要以上に高められることがないので、排気ガス温度が所定温度を超えたときには、短時間で作業液濃度を低下させて、ヒートパイプシステムの安定した作動を継続することができる。
前記車両のイグニッションスイッチがオフになったときには、第3の開弁継続時間にわたって前記切り替えバルブを開弁し、前記貯留タンク内の作動液を前記凝縮器の前記容器部内に流入させる(請求項8対応)。この場合、車両が停止されたときに、作動液の濃度が適切に高められるので、車両の停止中における作動液の凍結を防止できる。
本発明によれば、車両用空調装置の始動時には、貯留タンクからの高濃度の作動液がヒートパイプシステム内に導入されるので、作動液は低温であっても気化が促進され、暖房スイッチがオンされてから暖房が効き始めるまでの期間を短くできる。また、排気ガス温度が所定温度を超え、作動液温度が高まった場合には、凝縮器内の高濃度の作動液が貯留タンクに回収され、ヒートパイプシステム内の作動液濃度が低くされるので、ヒートパイプシステムの内圧の過上昇が抑制され、管路の破損等が防止される。
本発明のヒートパイプシステムを備えた車両の構成の一例を示す図。 作業液の濃度と輸送仕事の関係を示す図。 本発明の制御を説明するためのタイミングチャート。 本発明の制御の一例を示すフローチャート。 本発明の制御(運転時通常制御)の一例を示すフローチャート。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明のヒートパイプシステムを備えた車両の構成の一例を示す。ヒートパイプシステム1は、図示されない車両用空調装置(暖房システム)に設けられるもので、図示されるように、蒸発器2と、凝縮器(ヒータコア)3と、貯留タンク4を備えている。蒸発器2と凝縮器3は、上り管路5と下り管路6により互いに接続されている。
蒸発器2は、エンジンEの排気ガス通路11上に配置されており、排気ガス通路11を流れる排気ガスの熱が、熱交換器2Aを介して、蒸発器2内の作動液7(例えば、エタノール水溶液)に付与されるようになっている。これにより、蒸発器2内の作動液7が蒸発して、この蒸気が、上り管路5を通って凝縮器3に供給される。
凝縮器3は、上側の熱交換部3Aと、下側の容器部3Bから構成されている。熱交換部3Aには、上り管路5が接続されており、蒸発器2からの作動液7の蒸気が導入される。熱交換部3Aには、熱交換機構3Cが備えられており、作動液7の蒸気が凝結する際の潜熱が、熱交換機構3Cにより取り出され、空調装置で利用されるようになっている。
容器部3Bは、凝結した作動液7を収容可能となっている。また、容器部3Bは、下り管路6を介して蒸発器2と接続されており、凝結した作動液7は、蒸発器2に還流する。これにより、作動液7が、蒸発器2と凝結器3の間で循環するようになっている。また、容器部3Bには、作動液7の濃度を検出する濃度検出器8(例えば、作動液7の導電率に基づいて作動液濃度を検出する検出器)が設けられている。
貯留タンク4は、凝結器3の容器部3Bの側方(熱交換部3Aの下方)に配置されており、連結管路9を介して容器部3Bと接続されている。貯留タンク4には、所定の高濃度の作動液7が貯留されている。また、連結管路9には、切り替えバルブ10が設けられている。切り替えバルブ10は、例えば電磁ソレノイドバルブであり、コントローラUにより開閉が制御される。この切り替えバルブ10の開弁により、貯留タンク4から容器部3Bへの作動液の導入、又は容器部3Bから貯留タンク4への作動液の回収を行い得るようになっている。
排気ガス通路11には、蒸発器2より上流(エンジンE側)に配置されるように、排気浄化触媒12が配置されている。また、排気ガス通路11の排気浄化触媒12よりも下流側には、排気ガス温度を検出する温度検出器13が設けられている。
コントローラUは、マイクロコンピュータを利用して構成された制御装置であり、温度検出器13により検出された排気ガス温度と、濃度検出器8により検出された作動液濃度の検出値が入力されるようになっている。コントローラUは、これらの検出値と空調装置及び車両の運転状態に基づいて、切り替えバルブ10の開閉を制御する。
詳しく説明すると、コントローラUは、車両の運転状態(イグニッションスイッチがオンの状態)において、空調装置の暖房スイッチがオンされたとき、温度検出器13により検出された排気ガス温度が所定の暖機完了判定基準温度TSよりも低い場合には、切り替えバルブ10を、第1の開弁継続時間t1にわたって開弁する。これにより、貯留タンク4から高濃度の作動液7が凝縮器3の容器部3Bに導入されるので、ヒートパイプシステム1内の作動液7の濃度(エタノール水溶液の濃度)が高められる。この結果、作動液7の気化が促進されるので、作動液7の温度が低い状態でも、ヒートパイプシステム1は適切に作動し、空調装置による暖房を、待ち時間なく開始することができる。なお、第1の開弁継続時間t1の経過後、切り替えバルブ10は閉弁される。
このような空調装置(ヒートパイプシステム1)の始動時における制御において、コントローラUは、濃度検出器8により検出される作動液濃度を監視することにより、ヒートパイプシステム1内の作動液濃度が目標値となるように、第1の開弁継続時間t1を調整する。この場合、作動液濃度の目標値は、ヒートパイプシステム1を安定させるために必要な輸送仕事量(輸送熱量)を確保するために必要となる濃度範囲のうちで、下限値寄りの濃度に設定される。なお、このような作業液濃度の目標値設定の詳細については、図2とともに後述する。
このようなヒートパイプシステム1の始動時制御の後、切り替えバルブ10を閉弁した状態で、車両の運転及び空調装置による暖房が継続されると、排気ガス温度の上昇に伴い、ヒートパイプシステム1内の作業液7の温度が上昇し、作業液7の蒸気圧力(ヒートパイプシステム1内の内圧)が上昇する。そこで、本発明では、排気ガス温度が暖機完了判定基準温度TSを超えた時点で、第2の開弁継続時間t2にわたって切り替えバルブ10を開弁することにより、凝縮器3で生成された高濃度の作動液を貯留タンク4に回収する。これにより、ヒートパイプシステム1内の作業液濃度が低下するので、ヒートパイプシステム1内の内圧の過上昇が適切に抑制される。なお、このように作業液濃度を低下させたとしても、作業液温度が十分に上昇しているため、必要な輸送仕事量の確保に問題が生じることはなく(図2参照)、ヒートパイプシステム1は安定的に作動する。
車両の運転中には上記のような制御が行なわれる一方で、運転状態であった車両が停止された場合(イグニッションスイッチがオフされた場合)には、切り替えバルブ10を、第3の開弁継続時間t3にわたって開弁することにより、貯留タンク4内の高濃度の作業液を凝縮器3内に導入して、ヒートパイプシステム1内に作業液濃度を高める。これにより、車両の停止中における作業液の凍結が防止される。
次に、図2のグラフにしたがって、ヒートパイプシステム1の始動時における作業液濃度の目標値設定について詳しく説明する。図2は、ヒートパイプシステム1における作業液濃度と輸送仕事の関係を示すグラフであり、下側の特性曲線R1は、ヒートパイプシステム1の始動時(作業液の低温時)における特性を、また上側の特性曲線R2は、排気ガス温度が暖機完了判定基準温度TSを超えた時点(作業液の高温時)における特性を、それぞれ示している。
特性曲線R1に示されるように、作業液温度が低いときには、作動液濃度に対して得られる輸送仕事量は全体に低くなり、ヒートパイプシステム1を安定作動させるために必要な輸送仕事量の最低ラインW0を確保するためには、作業液濃度が下限値C1から上限値C2の間の値である必要がある。このため、ヒートパイプシステム1の始動時には、作業液濃度の目標値D1を、下限値C1から上限値C2の間の値に設定にすることになるが、本発明では、下限値C1寄りの値に設定するようにする。すなわち、作業液濃度の目標値D1が、予め設定された輸送熱量W0を確保可能な濃度範囲C1〜C2のうちで下限値C1寄りとなるように(必要最低限の濃度となるように)、切り替えバルブ10の第1の開弁継続時間t1が設定される。
これに対して、排気ガス温度が暖機完了判定基準温度TSを超え、作業液温度が高くなった場合には、特性曲線R2に示されるように、作動液濃度に対して得られる輸送仕事量は全体に高くなる。このため、作動液濃度が低い領域においても(始動時における下限値C1を下回った場合でも)、最低ラインW0を超える輸送仕事量を確保できるが、この一方で、作業液濃度は、ヒートパイプシステム1の内圧(作動液の蒸気圧)が過大とならないように、低めに設定されることが望ましい。
そこで、作業液濃度の目標値D2を、始動時における目標値D1よりも低い値(例えば、始動時における下限値C1よりも低い値)に設定し、切り替えバルブ10の第2の開弁継続時間t2にわたる開弁により、作動液濃度を目標値D2まで低下させる。この場合、始動時における作業液濃度の目標値D1は、下限値C1付近の比較的低い値に設定されているため、作業液濃度を目標値D2とするために必要となる低下量は小さくて済む。したがって、切り替えバルブ10の第2の開弁継続時間t2は短くすることができ、作業液濃度を短時間でスムーズに目標値D2に低下させることができる。
図3には、本発明における制御の一例をタイミングチャートで示す。タイミングチャートに示されるように、エンジンの排気ガス温度が暖機完了判定基準温度TS以下であるときに、空調スイッチの暖房スイッチがオンになると、切り替えバルブ10が第1の開弁継続時間t1にわたって開弁される。これにより、第1の開弁継続時間t1にわたって、作業液濃度は徐々に上昇していき、目標値D1に達する。第1の開弁継続時間t1が経過した時点で、切り替えバルブ10は閉弁される。
その後、排気ガス温度が上昇していき、暖機完了判定基準温度TSを超えると、切り替えバルブ10が第2の開弁継続時間t2にわたって開弁される。これにより、第1の開弁継続時間t1にわたって、作業液濃度は徐々に低下していき、目標値D2になる。第2の開弁継続時間t2が経過した時点で、切り替えバルブ10は閉弁される。
次に、図3及び図4のフローチャートにしたがって、本発明における制御手順の一例を説明する。図4には、車両の運転中における全体制御を示す。この制御においては、まずステップS1において、イグニッションスイッチがオフされたか否かの判定がなされ、オフされた場合には、ステップS2に進み、切り替えバルブ10を開く。
続くステップS3においては、切り替えバルブ10の開弁後、第3の開弁継続時間t3が経過したか否かの判定がなされ、第3の開弁継続時間t3が経過するまで、この判定が繰り返される(切り替えバルブ10の開弁が維持される)。第3の開弁継続時間t3が経過したならば、ステップS4に進み、切り替えバルブ10を閉じて、一巡の処理を終了する。
一方、ステップS1において、イグニッションスイッチがオフされていないと判定された場合には、ステップS5に進み、運転時通常制御に移行する。
図5には、運転時通常制御の一例を示す。運転時通常制御においては、まずステップS11において、空調装置の暖房スイッチがオンされたか否かの判定がなされ、オンされていなければ、そのまま一巡の処理を終了する。
ステップS11において、暖房スイッチがオンされたと判定された場合には、ステップS12に進み、排気ガス温度が暖機完了判定基準温度TS以下であるか否かの判定がなされ、基準温度TS以下であれば、ステップS13に進む。
ステップS13においては、直前に濃度上昇制御(ステップS14からステップS16に至る処理)が実行されたか否かが判定され、直前に濃度上昇制御が実行されていないと判定された場合には、ステップS14に進み、切り替えバルブ10を開く。続くステップS15においては、第1の開弁継続時間t1が経過したか否かの判定がなされ、第1の開弁継続時間t1が経過するまで、この判定が繰り返される(切り替えバルブ10の開弁が維持される)。第1の開弁継続時間t1が経過したならば、ステップS15に進み、切り替えバルブ10を閉じて、一巡の処理を終了する。
一方、ステップS13において、直前に濃度上昇制御が実行されている場合(すなわち、既にステップS14からステップS16に至る処理が実行されており、作動液濃度が高められている場合)には、そのまま一巡の処理を終了する。
ステップS12の判定において、排気ガス温度が暖機完了判定基準温度TS以下でないと判定された場合には、ステップS17に進み、直前に実行された制御が濃度上昇制御であるか否か(すなわち、濃度上昇制御が実行されたにもかかわらず、その後に、この濃度上昇制御で上昇した作動液濃度を低下させる濃度低下制御(ステップS18からステップS20に至る処理)が実行されていない状態であるか否か)が判定される。
このステップS17の判定により、直前に実行された制御が濃度上昇制御である(濃度低下制御でない)と判定された場合には、ステップS18に進み、切り替えバルブを開き、続くステップS19において、第2の開弁継続時間t2が経過したか否かの判定がなされ、第2の開弁継続時間t2が経過するまで、この判定を繰り返す(切り替えバルブ10の開弁を維持する)。第2の開弁継続時間t2が経過したならば、ステップS20に進み、切り替えバルブ10を閉じて、一巡の処理を終了する。
一方、ステップS17の判定により、直前に実行された処理が濃度上昇処理でない(濃度上昇処理後に既に濃度低下処理が実行された、又はそもそも濃度上昇処理が実行されていない)場合には、そのまま一巡の処理を終了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲において適宜の変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、ヒートパイプシステム1の始動時における制御(第1の開弁継続時間t1の決定)のために作動液濃度の検出値を用いているが、本発明はこのような形態に限られるものではなく、他のパラメータ(例えば、作動液温度、作動液の蒸気圧、作動液の液面高さ等)を用いて制御を行うことも可能である。
本発明は、自動車等の車両において、車両用ヒートパイプシステムを用いた車両用空調装置に利用できる。
E エンジン
U コントローラ
1 ヒートパイプシステム
2 蒸発器
3 凝縮器(ヒータコア)
4 貯留タンク
5 上り管路
6 下り管路
7 作動液
8 濃度検出器
9 連結管路
10 切り替えバルブ
11 排気ガス通路
12 排気浄化触媒
13 温度検出器

Claims (8)

  1. 車両用空調装置に設けられる車両用ヒートパイプシステムにおいて、
    エンジンの排気通路上に設けられた蒸発器と、
    前記蒸発器に管路を介して接続され、気化した作動液を凝縮させるための熱交換部と、前記熱交換部を収容する容器部とを備えた凝縮器と、
    車両上下方向における前記熱交換部よりも下方部分において前記容器部に接続され、所定濃度の作動液が貯留されている貯留タンクと、
    前記容器部と前記貯留タンクの連通状態を切り替えるための切り替えバルブと
    を備え、
    前記切り替えバルブは、前記排気通路内の排気ガス温度が予め設定された所定温度以下である場合には、前記車両用空調装置の始動から第1の開弁継続時間にわたって開弁され、前記第1の開弁継続時間が経過した後に閉弁されるようになっている車両用ヒートパイプシステム。
  2. 請求項1に記載の車両用ヒートパイプシステムにおいて、
    前記切り替えバルブは、前記第1の開弁継続時間経過後に閉弁された後に、前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度を超えた場合には、第2の開弁継続時間にわたって開弁された後に閉弁されるようになっている車両用ヒートパイプシステム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用ヒートパイプシステムにおいて、
    前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度以下である場合、前記車両用ヒートパイプシステム内の作動液の濃度の目標値を、予め設定された輸送熱量を確保可能な濃度範囲のうちで下限値寄りの濃度に設定する車両用ヒートパイプシステム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ヒートパイプシステムにおいて、
    前記車両のイグニッションスイッチがオフになったときには、第3の開弁継続時間にわたって前記切り替えバルブを開弁し、前記貯留タンク内の作動液を前記凝縮器の前記容器部内に流入させる車両用ヒートパイプシステム。
  5. エンジンの排気通路上に設けられた蒸発器と、
    前記蒸発器に管路を介して接続され、気化した作動液を凝縮させるための熱交換部と、前記熱交換部を収容する容器部とを備えた凝縮器と、
    車両上下方向における前記熱交換部よりも下方部分において前記容器部に接続され、所定濃度の作動液が貯留されている貯留タンクと、
    前記容器部と前記貯留タンクの連通状態を切り替えるための切り替えバルブと
    を備え、車両用空調装置に設けられる車両用ヒートパイプシステムの制御方法において、
    前記排気通路内の排気ガス温度が予め設定された所定温度以下である場合には、前記切り替えバルブを、前記車両用空調装置の始動から第1の開弁継続時間にわたって開弁し、前記第1の開弁継続時間が経過した後に閉弁する車両用ヒートパイプシステムの制御方法。
  6. 請求項5に記載の車両用ヒートパイプシステムの制御方法において、
    前記切り替えバルブを前記第1の開弁継続時間経過後に閉弁した後に、前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度を超えた場合には、前記切り換えバルブを、第2の開弁継続時間にわたって開弁した後に閉弁する車両用ヒートパイプシステムの制御方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の車両用ヒートパイプシステムの制御方法において、
    前記排気通路内の排気ガス温度が前記所定温度以下である場合、前記車両用ヒートパイプシステム内の作動液の濃度の目標値を、予め設定された輸送熱量を確保可能な濃度範囲のうちで下限値寄りの濃度に設定する車両用ヒートパイプシステムの制御方法。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の車両用ヒートパイプシステムの制御方法において、
    前記車両のイグニッションスイッチがオフになったときには、第3の開弁継続時間にわたって前記切り替えバルブを開弁し、前記貯留タンク内の作動液を前記凝縮器の前記容器部内に流入させる車両用ヒートパイプシステムの制御方法。
JP2019133318A 2019-07-19 2019-07-19 車両用ヒートパイプシステム Active JP7307892B2 (ja)

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