JP2021016927A - ロボットハンド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るロボットハンド300は、第1フィンガ310,320、第2フィンガ310,320およびフィンガ移動機構330を備える。第1フィンガは、第1方向Dyに延びている。第2フィンガも、第1フィンガと同様に第1方向に延びている。また、この第2フィンガは、第1フィンガと対向するように配設されている。フィンガ移動機構は、第1フィンガと第2フィンガとの対向方向に沿って第1フィンガおよび第2フィンガの少なくとも一方を移動させる。そして、第1方向において、第1フィンガの先端位置Tm,Tsは、第2フィンガの先端位置Tm,Tsと異なっている。
【選択図】図3
Description
本発明の実施の形態に係る多関節型ロボットアーム200は、図1に示されるように既存の多関節型ロボットアームである。
本発明の実施の形態に係るロボットハンド300は、図2および図3に示されるように、二指型のロボットハンドであって、図1に示されるように多関節型ロボットアーム200の先端に取り付けられている。そして、このロボットハンド300は、図2および図3に示されるように、主に、可動フィンガ310、固定フィンガ320、可動フィンガ昇降機構330、連結部340および撮像部350から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
(1)可動フィンガ
可動フィンガ310は、図2および図3に示されているように基部311、中間部312および爪部313から形成される。基部311は、図2に示されるように略長方形状の厚板部位である。中間部312は、図2に示されるように略台形状の厚板部位であって、基部311の先端から前方Dyに向かって延びている。なお、この中間部312は、前方Dyに向かうに従ってその幅が狭くなっている。爪部313は、図2に示されるように細長い略矩形の厚板部位であって、中間部312の先端から前方Dyに向かって延びている。また、ここで、この爪部313の先端部は図3に示されるように下側に突起した形状となっている。そして、この可動フィンガ310では、図3に示されるように中間部312の基端から爪部313の先端までの部位において中間部312の基端から爪部313の先端に向かうに従って上面が下方に傾斜している。また、図3に示されるように、この爪部313の下面にはラバーシートSrが貼付されている。そして、この可動フィンガ310は、基部311の基端側で可動フィンガ昇降機構330の前側昇降板332f(後述)に固定されている。また、可動フィンガ310と前側昇降板332fの結合強度を高めるために補強板315が配設されている(図2および図3参照)。この補強板315は、可動フィンガ310および前側昇降板332fの両方に固定されている。
固定フィンガ320は、図2および図3に示されているように、基部321、中間部322、爪部323および突出部324から形成されている。基部321は、図2に示されるように略長方形状の厚板部位である。中間部322は、図2に示されるように略台形状の厚板部位であって、基部321の先端から前方Dyに向かって延びている。なお、この中間部322は、前方Dyに向かうに従ってその幅が狭くなっている。爪部323は、図2に示されるように細長い略矩形の厚板部位であって、中間部322の先端側の側面の幅方向中央から前方Dyに向かって延びている。この爪部323の上側には、図3に示されるように切欠きCvが設けられている。この結果、爪部323の先端部は図2に示されるように上側に突起した形状となっている。また、この固定フィンガ320では、図3に示されるように爪部323の中間位置から先端までの部位において中間位置から先端に向かうに従って下面が上方に傾斜している。突出部324は、図2に示されるように爪部323と同幅の細長い略矩形の厚板部位であって、爪部323の先端から前方Dyに向かって延びている。また、図3に示される通り、この突出部324の先端位置Tsは、可動フィンガ310の爪部313の先端位置Tmよりも前側に位置している。すなわち、固定フィンガ320の突出部324は、可動フィンガ310の爪部313よりも前方Dyに突出している。さらにこの突出部324には、滑り止めとしてのラバーシート(ゴムシート)Srが貼付されている。図3に示されるように、このラバーシートSrの貼付部位は、可動フィンガ310のラバーシートSrの貼付位置と対向していない。そして、この固定フィンガ320は、可動フィンガ昇降機構330の支持板331(後述)に固定されている。また、固定フィンガ320と支持板331の結合強度を高めるために左右に一対の補強板325が配設されている(図2および図3参照)。これらの補強板325は、固定フィンガ320および支持板331の両方に固定されている。そして、この固定フィンガ320は、図2および図3に示されるように、可動フィンガ310の昇降方向において可動フィンガ310と対向している。
可動フィンガ昇降機構330は、図2および図3に示されるように、二段ストローク型の昇降機構であって、主に、支持板331、前側昇降板332f、後側昇降板332r、前側エアシリンダ機構333fおよび後側エアシリンダ機構333rから構成されている。支持板331は、後側エアシリンダ機構333rを支持している。後側エアシリンダ機構333rは、複動式のものであって、後側昇降板332rを昇降させるための駆動源である。そして、この後側エアシリンダ機構333rは、上述の通り支持板331に取り付けられている。後側昇降板332rには、前側エアシリンダ機構333fが取り付けられている。前側エアシリンダ機構333fは、複動式のものであって、前側昇降板332fを昇降させるための駆動源である。そして、上述の通り、前側昇降板332fには、可動フィンガ310が取り付けられている。すなわち、後側エアシリンダ機構333rは、後側昇降板332rを昇降させることによって前側エアシリンダ機構333f、前側昇降板332fおよび可動フィンガ310を昇降させる。一方、前側エアシリンダ機構333fは、前側昇降板332fを昇降させることによって可動フィンガ310を昇降させている。また、図2および図3に示されるように、前側エアシリンダ機構333fおよび後側エアシリンダ機構333rにはそれぞれエア給排気口335,336が設けられている。これらのエア給排気口335,336には、エア給排気管(図示せず)が接続されている。
連結部340は、ロボットハンド300を多関節型ロボットアーム200に連結させる部位であって、例えば、フランジ等である。
撮像部350は、例えば、CCDカメラ等の小型カメラであって、図2および図3に示されるように可動フィンガ昇降機構330の支持板331から延びる支持アームSAにより可動フィンガ昇降機構330の右脇に固定されている。なお、この撮像部350は、間欠的に撮像を行いながら撮影した画像の電子データを制御装置(図示せず)に送信する。
ここでは、一例として、本実施の形態に係るロボットハンド付き多関節型ロボットアーム100が紙幣格納容器から紙幣束を抜き出す例を説明する。なお、ここで、紙幣格納容器の一例として、図4に示される紙幣格納容器400を採用する。なお、この例は、本発明を限定するものでないことに留意すべきである。
(1)
本実施の形態に係るロボットハンド300では、固定フィンガ320の先端が可動フィンガ310の先端よりも前方Dyに位置していると共に、固定フィンガ320の先端部位にラバーシートSrが貼付されている。このため、このロボットハンド300では、図4に示される紙幣格納容器400から紙幣束MTを抜き出す際に、紙幣束MTに対して固定フィンガ320の接触面積を広くとることができると共に固定フィンガ320によって紙幣束MTの下側を良好に支持することができ、延いては紙幣束MTを安定して把持することができる。このため、このロボットハンド300は、上述のような紙幣格納容器400から紙幣束MTを高確率で引き出すことができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の可動フィンガ310では、中間部312の基端から爪部313の先端までの部位において中間部312の基端から爪部313の先端に向かうに従って上面が下方に傾斜している。このため、この可動フィンガ310では、紙幣束把持時に可動フィンガ310の付根部位にかかる応力を軽減することができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の固定フィンガ320では、爪部323の中間位置から先端までの部位において中間位置から先端に向かうに従って下面が上方に傾斜している。このため、この固定フィンガ320では、紙幣束把持時に固定フィンガ320の付根部位にかかる応力を軽減することができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の固定フィンガ320の突出部324は、爪部323の幅と同幅である細長い略矩形の厚板部位すなわち側面視においてテーパレス形状となっている。このため、この突出部324は、紙幣格納容器400に差し込みやすく、紙幣束MTとの接触面積を広くとることができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の固定フィンガ320の爪部323の上側には切欠きCvが設けられている。このため、この固定フィンガ320の爪部323は、可動フィンガ310と協働して紙幣束MTの先端部を挟み込んだ状態で、その紙幣束MTの先端部を収容し、紙幣束MTの先端部のバラツキを吸収することができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310の爪部313の先端が下側に突起した形状となっていると共に、固定フィンガ320の爪部323の先端が上側に突起した形状となっている。このため、このロボットハンド300では、爪部313,323の中央部付近が紙幣束MTに接触して撓んでもそれらの爪部313,323の先端部位が紙幣束MTに接触して紙幣束MTをしっかりと把持することができる。
(A)
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、固定フィンガ320の先端が可動フィンガ310の先端よりも前方Dyに位置していたが、この関係は逆であってもよい。すなわち、可動フィンガ310の先端が固定フィンガ320の先端よりも前方Dyに位置していてもよい。かかる場合、ロボットハンド300は、紙幣束MTの把持時に多関節型ロボットアーム200により反転された状態とされることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310のラバーシートSrは固定フィンガ320のラバーシートSrと対向していなかったが、可動フィンガ310のラバーシートSrが固定フィンガ320のラバーシートSrと対向するように、可動フィンガ310の爪部313および固定フィンガ320の突出部324の内側にラバーシートSrが貼付されてもよい。なお、かかる場合、固定フィンガ320のラバーシートSrの貼付部位を可動フィンガ310の先端位置Tmよりも後方に延ばすのが好ましい。
(C)
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310の爪部313および固定フィンガ320の突出部324の両方にラバーシートSrが貼付されたが、可動フィンガ310および固定フィンガ320のいずれか一方にラバーシートSrが貼付されてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ310の爪部313および固定フィンガ320の突出部324の内側に滑り止めとしてラバーシートSrが貼付されていたが、これに代えて同部位の内側面が粗面化処理等されてもよい。なお、本変形例は、変形例(B)および(C)に適用してもかまわない。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320が固定され、可動フィンガ310のみが可動したが、固定フィンガ320も可動フィンガ310と同様に可動化されてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ昇降機構330としてエアシリンダ機構が採用されたが、可動フィンガ昇降機構330として他の公知の昇降機構、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構、ボールネジ機構、モータシリンダ機構、電動スライダ機構、ベルトスライダ機構およびリニアスライダ機構などの機構が採用されてもかまわない。また、かかる場合、駆動源として電動機を採用してもかまわない。
先の実施の形態では特に言及しなかったが、制御装置が、撮像部350により撮像された紙幣格納容器400の正面像を画像解析して挟持板411の切欠きRsの位置および支持台412a,412b間のスリットRtの位置を特定し、その後に多関節型ロボットアーム200およびロボットハンド300を制御して可動フィンガ310の位置を調整し、挟持板411の切欠きRsに可動フィンガ310の先端部を差し込むと共に、支持台412a,412b間のスリットRtに固定フィンガ320の先端部を差し込んでよい。
先の実施の形態ではロボットハンド300の把持対象として紙幣束MTが示されたが、ロボットハンド300の把持対象は他の紙葉類や物体等であってもよい。
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図10に示されるように固定フィンガ320の突出部324の先端箇所に、上方に向かって突起する突起部326を配設してもよい。このようにして突起部326を設けることによって、この突起部326により紙幣束MTを引っ掛けて効率よく紙幣束MTを紙幣格納容器400の手前に引き出すことができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ310において中間部312の基端から爪部313の先端までの部位において中間部312の基端から爪部313の先端に向かうに従って上面が下方に傾斜していたが、図11に示されるように、この部位の上面が、基部311の上面と同一面上の水平面とされてもよい。可動フィンガ310の爪部313をこのような形状にすることによって、可動フィンガ310の爪部313の剛性を高めることができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320において爪部323の中間位置から先端までの部位において中間位置から先端に向かうに従って下面が上方に傾斜していたが、図12に示されるように、この部位の下面が、基部321の下面と同一面上の水平面とされてもよい。固定フィンガ320の爪部323をこのような形状にすることによって、固定フィンガ320の爪部323の剛性を高めることができる。なお、本変形例は、変形例(J)と併せて適用されてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320の突出部324が、爪部323の幅と同幅である細長い略矩形の厚板部位とされていたが、この突出部324は、図13に示されるように側面視において下面が先端に向かうに従って上方に傾斜していてもよい。固定フィンガ320の突出部324をこのような形状にすることによって、固定フィンガ320を紙幣格納容器400に挿入しやすくすることができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320の爪部323に切欠きCvが設けられていたが、この切欠きCvは、図14に示されるように基部321の基端まで延設されてもかまわない。切欠きCvをこのように延設することによって、固定フィンガ320の剛性を高めることができるだけでなく、紙幣束MTに対する接触面積を広くとることができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ310の爪部313の先端部は下側に突起した形状となっており、また、固定フィンガ320の爪部323の先端部は上側に突起した形状となっていたが、図15に示されるように可動フィンガ310の爪部313の下面がフラット面となっており、また、固定フィンガ320の爪部323の先端側の上面がフラット面となっていてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図16に示されるように可動フィンガおよび固定フィンガがそれぞれ2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、図16中、ハッチング部位が可動フィンガを示しており、ハッチング部位と非ハッチング部位とを合わせた部位が固定フィンガを示しているが、ハッチング部位と非ハッチング部位とを合わせた部位を可動フィンガとし、ハッチング部位を固定フィンガとしても差し支えない。ただし、後者の場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図17に示されるように可動フィンガ(図17のハッチング部位)が1本の棒状部材で構成され、固定フィンガ(図17の非ハッチング部位)が2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、可動フィンガは、図17に示されるように固定フィンガの幅方向中央に配設されている。また、ここで、ハッチング部位を固定フィンガとし、非ハッチング部位を可動フィンガとしてもよい。ただし、かかる場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図18に示されるように可動フィンガ(図18のハッチング部位)および固定フィンガ(図18の非ハッチング部位)がそれぞれ2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、可動フィンガは、図18に示されるように固定フィンガの幅方向中央に配設されている。また、ここで、ハッチング部位を固定フィンガとし、非ハッチング部位を可動フィンガとしてもよい。ただし、かかる場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図19に示されるように可動フィンガ(図19のハッチング部位)が4本の棒状部材で構成され、固定フィンガ(図19の両端のハッチング部位と非ハッチング部位を合わせた部位)が2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、固定フィンガは、図19に示されるように平面視において4本の固定フィンガのうち両端の固定フィンガに重複するように配設されている。また、ここで、ハッチング部位を固定フィンガとし、両端のハッチング部位と非ハッチング部位と合わせた部位を可動フィンガとしてもよい。ただし、かかる場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図20に示されるように可動フィンガ(図20のハッチング部位)および固定フィンガ(図20の非ハッチング部位)がそれぞれ2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、可動フィンガは、図20に示されるように固定フィンガの幅方向中央に配設されている。なお、本変形例では、可動フィンガが固定フィンガよりも長いため、上述の変形例(A)が適用されることになる。
310 可動フィンガ(第1フィンガ,第2フィンガ)
320 固定フィンガ(第1フィンガ,第2フィンガ)
330 可動フィンガ昇降機構(フィンガ移動機構)
Dy 前方(第1方向)
Tm 可動フィンガの先端位置(第1フィンガの先端位置,第2フィンガの先端位置)
Ts 固定フィンガの先端位置(第1フィンガの先端位置,第2フィンガの先端位置)
本発明の実施の形態に係る多関節型ロボットアーム200は、図1に示されるように既存の多関節型ロボットアームである。
本発明の実施の形態に係るロボットハンド300は、図2および図3に示されるように、二指型のロボットハンドであって、図1に示されるように多関節型ロボットアーム200の先端に取り付けられている。そして、このロボットハンド300は、図2および図3に示されるように、主に、可動フィンガ310、固定フィンガ320、可動フィンガ昇降機構330、連結部340および撮像部350から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
(1)可動フィンガ
可動フィンガ310は、図2および図3に示されているように基部311、中間部312および爪部313から形成される。基部311は、図2に示されるように略長方形状の厚板部位である。中間部312は、図2に示されるように略台形状の厚板部位であって、基部311の先端から前方Dyに向かって延びている。なお、この中間部312は、前方Dyに向かうに従ってその幅が狭くなっている。爪部313は、図2に示されるように細長い略矩形の厚板部位であって、中間部312の先端から前方Dyに向かって延びている。また、ここで、この爪部313の先端部は図3に示されるように下側に突起した形状となっている。そして、この可動フィンガ310では、図3に示されるように中間部312の基端から爪部313の先端までの部位において中間部312の基端から爪部313の先端に向かうに従って上面が下方に傾斜している。また、図3に示されるように、この爪部313の下面にはラバーシートSrが貼付されている。そして、この可動フィンガ310は、基部311の基端側で可動フィンガ昇降機構330の前側昇降板332f(後述)に固定されている。また、可動フィンガ310と前側昇降板332fの結合強度を高めるために補強板315が配設されている(図2および図3参照)。この補強板315は、可動フィンガ310および前側昇降板332fの両方に固定されている。
固定フィンガ320は、図2および図3に示されているように、基部321、中間部322、爪部323および突出部324から形成されている。基部321は、図2に示されるように略長方形状の厚板部位である。中間部322は、図2に示されるように略台形状の厚板部位であって、基部321の先端から前方Dyに向かって延びている。なお、この中間部322は、前方Dyに向かうに従ってその幅が狭くなっている。爪部323は、図2に示されるように細長い略矩形の厚板部位であって、中間部322の先端側の側面の幅方向中央から前方Dyに向かって延びている。この爪部323の上側には、図3に示されるように切欠きCvが設けられている。この結果、爪部323の先端部は図2に示されるように上側に突起した形状となっている。また、この固定フィンガ320では、図3に示されるように爪部323の中間位置から先端までの部位において中間位置から先端に向かうに従って下面が上方に傾斜している。突出部324は、図2に示されるように爪部323と同幅の細長い略矩形の厚板部位であって、爪部323の先端から前方Dyに向かって延びている。また、図3に示される通り、この突出部324の先端位置Tsは、可動フィンガ310の爪部313の先端位置Tmよりも前側に位置している。すなわち、固定フィンガ320の突出部324は、可動フィンガ310の爪部313よりも前方Dyに突出している。さらにこの突出部324には、滑り止めとしてのラバーシート(ゴムシート)Srが貼付されている。図3に示されるように、このラバーシートSrの貼付部位は、可動フィンガ310のラバーシートSrの貼付位置と対向していない。そして、この固定フィンガ320は、可動フィンガ昇降機構330の支持板331(後述)に固定されている。また、固定フィンガ320と支持板331の結合強度を高めるために左右に一対の補強板325が配設されている(図2および図3参照)。これらの補強板325は、固定フィンガ320および支持板331の両方に固定されている。そして、この固定フィンガ320は、図2および図3に示されるように、可動フィンガ310の昇降方向において可動フィンガ310と対向している。
可動フィンガ昇降機構330は、図2および図3に示されるように、二段ストローク型の昇降機構であって、主に、支持板331、前側昇降板332f、後側昇降板332r、前側エアシリンダ機構333fおよび後側エアシリンダ機構333rから構成されている。支持板331は、後側エアシリンダ機構333rを支持している。後側エアシリンダ機構333rは、複動式のものであって、後側昇降板332rを昇降させるための駆動源である。そして、この後側エアシリンダ機構333rは、上述の通り支持板331に取り付けられている。後側昇降板332rには、前側エアシリンダ機構333fが取り付けられている。前側エアシリンダ機構333fは、複動式のものであって、前側昇降板332fを昇降させるための駆動源である。そして、上述の通り、前側昇降板332fには、可動フィンガ310が取り付けられている。すなわち、後側エアシリンダ機構333rは、後側昇降板332rを昇降させることによって前側エアシリンダ機構333f、前側昇降板332fおよび可動フィンガ310を昇降させる。一方、前側エアシリンダ機構333fは、前側昇降板332fを昇降させることによって可動フィンガ310を昇降させている。また、図2および図3に示されるように、前側エアシリンダ機構333fおよび後側エアシリンダ機構333rにはそれぞれエア給排気口335,336が設けられている。これらのエア給排気口335,336には、エア給排気管(図示せず)が接続されている。
連結部340は、ロボットハンド300を多関節型ロボットアーム200に連結させる部位であって、例えば、フランジ等である。
撮像部350は、例えば、CCDカメラ等の小型カメラであって、図2および図3に示されるように可動フィンガ昇降機構330の支持板331から延びる支持アームSAにより可動フィンガ昇降機構330の右脇に固定されている。なお、この撮像部350は、間欠的に撮像を行いながら撮影した画像の電子データを制御装置(図示せず)に送信する。
ここでは、一例として、本実施の形態に係るロボットハンド付き多関節型ロボットアーム100が紙幣格納容器から紙幣束を抜き出す例を説明する。なお、ここで、紙幣格納容器の一例として、図4に示される紙幣格納容器400を採用する。なお、この例は、本発明を限定するものでないことに留意すべきである。
(1)
本実施の形態に係るロボットハンド300では、固定フィンガ320の先端が可動フィンガ310の先端よりも前方Dyに位置していると共に、固定フィンガ320の先端部位にラバーシートSrが貼付されている。このため、このロボットハンド300では、図4に示される紙幣格納容器400から紙幣束MTを抜き出す際に、紙幣束MTに対して固定フィンガ320の接触面積を広くとることができると共に固定フィンガ320によって紙幣束MTの下側を良好に支持することができ、延いては紙幣束MTを安定して把持することができる。このため、このロボットハンド300は、上述のような紙幣格納容器400から紙幣束MTを高確率で引き出すことができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の可動フィンガ310では、中間部312の基端から爪部313の先端までの部位において中間部312の基端から爪部313の先端に向かうに従って上面が下方に傾斜している。このため、この可動フィンガ310では、紙幣束把持時に可動フィンガ310の付根部位にかかる応力を軽減することができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の固定フィンガ320では、爪部323の中間位置から先端までの部位において中間位置から先端に向かうに従って下面が上方に傾斜している。このため、この固定フィンガ320では、紙幣束把持時に固定フィンガ320の付根部位にかかる応力を軽減することができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の固定フィンガ320の突出部324は、爪部323の幅と同幅である細長い略矩形の厚板部位すなわち側面視においてテーパレス形状となっている。このため、この突出部324は、紙幣格納容器400に差し込みやすく、紙幣束MTとの接触面積を広くとることができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300の固定フィンガ320の爪部323の上側には切欠きCvが設けられている。このため、この固定フィンガ320の爪部323は、可動フィンガ310と協働して紙幣束MTの先端部を挟み込んだ状態で、その紙幣束MTの先端部を収容し、紙幣束MTの先端部のバラツキを吸収することができる。
本実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310の爪部313の先端が下側に突起した形状となっていると共に、固定フィンガ320の爪部323の先端が上側に突起した形状となっている。このため、このロボットハンド300では、爪部313,323の中央部付近が紙幣束MTに接触して撓んでもそれらの爪部313,323の先端部位が紙幣束MTに接触して紙幣束MTをしっかりと把持することができる。
(A)
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、固定フィンガ320の先端が可動フィンガ310の先端よりも前方Dyに位置していたが、この関係は逆であってもよい。すなわち、可動フィンガ310の先端が固定フィンガ320の先端よりも前方Dyに位置していてもよい。かかる場合、ロボットハンド300は、紙幣束MTの把持時に多関節型ロボットアーム200により反転された状態とされることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310のラバーシートSrは固定フィンガ320のラバーシートSrと対向していなかったが、可動フィンガ310のラバーシートSrが固定フィンガ320のラバーシートSrと対向するように、可動フィンガ310の爪部313および固定フィンガ320の突出部324の内側にラバーシートSrが貼付されてもよい。なお、かかる場合、固定フィンガ320のラバーシートSrの貼付部位を可動フィンガ310の先端位置Tmよりも後方に延ばすのが好ましい。
(C)
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310の爪部313および固定フィンガ320の突出部324の両方にラバーシートSrが貼付されたが、可動フィンガ310および固定フィンガ320のいずれか一方にラバーシートSrが貼付されてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ310の爪部313および固定フィンガ320の突出部324の内側に滑り止めとしてラバーシートSrが貼付されていたが、これに代えて同部位の内側面が粗面化処理等されてもよい。なお、本変形例は、変形例(B)および(C)に適用してもかまわない。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320が固定され、可動フィンガ310のみが可動したが、固定フィンガ320も可動フィンガ310と同様に可動化されてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ昇降機構330としてエアシリンダ機構が採用されたが、可動フィンガ昇降機構330として他の公知の昇降機構、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構、ボールネジ機構、モータシリンダ機構、電動スライダ機構、ベルトスライダ機構およびリニアスライダ機構などの機構が採用されてもかまわない。また、かかる場合、駆動源として電動機を採用してもかまわない。
先の実施の形態では特に言及しなかったが、制御装置が、撮像部350により撮像された紙幣格納容器400の正面像を画像解析して挟持板411の切欠きRsの位置および支持台412a,412b間のスリットRtの位置を特定し、その後に多関節型ロボットアーム200およびロボットハンド300を制御して可動フィンガ310の位置を調整し、挟持板411の切欠きRsに可動フィンガ310の先端部を差し込むと共に、支持台412a,412b間のスリットRtに固定フィンガ320の先端部を差し込んでよい。
先の実施の形態ではロボットハンド300の把持対象として紙幣束MTが示されたが、ロボットハンド300の把持対象は他の紙葉類や物体等であってもよい。
先の実施の形態では特に言及しなかったが、図10に示されるように固定フィンガ320の突出部324の先端箇所に、上方に向かって突起する突起部326を配設してもよい。このようにして突起部326を設けることによって、この突起部326により紙幣束MTを引っ掛けて効率よく紙幣束MTを紙幣格納容器400の手前に引き出すことができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ310において中間部312の基端から爪部313の先端までの部位において中間部312の基端から爪部313の先端に向かうに従って上面が下方に傾斜していたが、図11に示されるように、この部位の上面が、基部311の上面と同一面上の水平面とされてもよい。可動フィンガ310の爪部313をこのような形状にすることによって、可動フィンガ310の爪部313の剛性を高めることができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320において爪部323の中間位置から先端までの部位において中間位置から先端に向かうに従って下面が上方に傾斜していたが、図12に示されるように、この部位の下面が、基部321の下面と同一面上の水平面とされてもよい。固定フィンガ320の爪部323をこのような形状にすることによって、固定フィンガ320の爪部323の剛性を高めることができる。なお、本変形例は、変形例(J)と併せて適用されてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320の突出部324が、爪部323の幅と同幅である細長い略矩形の厚板部位とされていたが、この突出部324は、図13に示されるように側面視において下面が先端に向かうに従って上方に傾斜していてもよい。固定フィンガ320の突出部324をこのような形状にすることによって、固定フィンガ320を紙幣格納容器400に挿入しやすくすることができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では固定フィンガ320の爪部323に切欠きCvが設けられていたが、この切欠きCvは、図14に示されるように基部321の基端まで延設されてもかまわない。切欠きCvをこのように延設することによって、固定フィンガ320の剛性を高めることができるだけでなく、紙幣束MTに対する接触面積を広くとることができる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では可動フィンガ310の爪部313の先端部は下側に突起した形状となっており、また、固定フィンガ320の爪部323の先端部は上側に突起した形状となっていたが、図15に示されるように可動フィンガ310の爪部313の下面がフラット面となっており、また、固定フィンガ320の爪部323の先端側の上面がフラット面となっていてもよい。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図16に示されるように可動フィンガおよび固定フィンガがそれぞれ2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、図16中、ハッチング部位が可動フィンガを示しており、ハッチング部位と非ハッチング部位とを合わせた部位が固定フィンガを示しているが、ハッチング部位と非ハッチング部位とを合わせた部位を可動フィンガとし、ハッチング部位を固定フィンガとしても差し支えない。ただし、後者の場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図17に示されるように可動フィンガ(図17のハッチング部位)が1本の棒状部材で構成され、固定フィンガ(図17の非ハッチング部位)が2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、可動フィンガは、図17に示されるように固定フィンガの幅方向中央に配設されている。また、ここで、ハッチング部位を固定フィンガとし、非ハッチング部位を可動フィンガとしてもよい。ただし、かかる場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図18に示されるように可動フィンガ(図18のハッチング部位)および固定フィンガ(図18の非ハッチング部位)がそれぞれ2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、可動フィンガは、図18に示されるように固定フィンガの幅方向中央に配設されている。また、ここで、ハッチング部位を固定フィンガとし、非ハッチング部位を可動フィンガとしてもよい。ただし、かかる場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図19に示されるように可動フィンガ(図19のハッチング部位)が4本の棒状部材で構成され、固定フィンガ(図19の両端のハッチング部位と非ハッチング部位を合わせた部位)が2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、固定フィンガは、図19に示されるように平面視において4本の固定フィンガのうち両端の固定フィンガに重複するように配設されている。また、ここで、ハッチング部位を固定フィンガとし、両端のハッチング部位と非ハッチング部位と合わせた部位を可動フィンガとしてもよい。ただし、かかる場合、上述の変形例(A)が適用されることになる。
先の実施の形態に係るロボットハンド300では、可動フィンガ310および固定フィンガ320がそれぞれ1本の棒状部材で構成されたが、図20に示されるように可動フィンガ(図20のハッチング部位)および固定フィンガ(図20の非ハッチング部位)がそれぞれ2本の棒状部材で構成されてもよい。かかる場合、紙幣束MTに対する可動フィンガおよび固定フィンガの接触面積を広くすることができ、可動フィンガおよび固定フィンガによる紙幣束MTの把持の確実性を向上させることができる。なお、本変形例において、可動フィンガは、図20に示されるように固定フィンガの幅方向中央に配設されている。なお、本変形例では、可動フィンガが固定フィンガよりも長いため、上述の変形例(A)が適用されることになる。
310 可動フィンガ(第1フィンガ,第2フィンガ)
320 固定フィンガ(第1フィンガ,第2フィンガ)
330 可動フィンガ昇降機構(フィンガ移動機構)
Cv 切欠き(切欠き部)
Dy 前方(第1方向)
Tm 可動フィンガの先端位置(第1フィンガの先端位置,第2フィンガの先端位置)
Ts 固定フィンガの先端位置(第1フィンガの先端位置,第2フィンガの先端位置)
Claims (2)
- 第1方向に延びる第1フィンガと、
前記第1方向に延びており、前記第1フィンガと対向するように配設される第2フィンガと、
前記第1フィンガと前記第2フィンガとの対向方向に沿って前記第1フィンガおよび前記第2フィンガの少なくとも一方を移動させるフィンガ移動機構と
を備え、
前記第1方向において、前記第1フィンガの先端位置は、前記第2フィンガの先端位置と異なる
ロボットハンド。 - 前記第1フィンガおよび前記第2フィンガの少なくとも一方のフィンガの対向側部位は、滑り止め処理されている
請求項1に記載のロボットハンド。
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