JP2021016611A - 衣類洗浄装置 - Google Patents

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真理子 安藤
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真理子 安藤
裕司 堀端
Yuji Horihata
裕司 堀端
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Abstract

【課題】本開示は、ハンガーに掛けられた衣類を洗浄でき、洗浄で濡れた衣類を効率よく脱水する衣類洗浄装置を提供する。【解決手段】本開示における衣類洗浄装置は、ハンガー5に掛けられた衣類3を収容する衣類収容部2と、衣類3に洗浄水が供給される洗浄水流路と、ハンガー5を所定の周期で復動させるさせる揺動駆動部61と、脱水工程を含む一連の洗浄運転を実行するとともに、揺動駆動部61を制御する制御部と、を備え、制御部は、脱水工程において、揺動駆動部61が所定の周期を変更するように構成される。【選択図】図21

Description

本開示は、衣類等を洗う衣類洗浄装置に関する。
特許文献1の衣類洗浄装置は、洗浄水を使用するものとして、洗濯室で支持棒に掛けて収容された洗濯物に、上下に設けられたノズルから洗濯液を噴射して洗うように構成される。
特許文献2の洗濯機は、ハンガー掛けに加振器を備えて洗濯物に振動を与えるように構成され、洗濯物を振動させながら洗濯物に洗濯水を循環してかけることにより洗浄する構成が開示される。これにより、洗濯水や洗剤の使用量も少なく、しかも洗濯物に殆どしわおよび型崩れが生じないようにして洗濯できる。
特公昭48−12591号公報 特開2001−314686号公報
衣類洗浄装置および洗濯機の形態はいろいろある。例えば、洗濯物を回転槽内で回転翼により撹拌して洗う縦型洗濯機、および、横方向に回転軸を有する回転槽の回転により、洗濯物を回転槽内で持ち上げ落下させて叩き洗いするドラム式洗濯機が普及している。これらの洗濯機は、洗剤の化学力に加えて、洗濯物に機械力を作用させて洗う。さらに、回転槽の高速回転による遠心力を洗濯物に作用させて脱水する。しかし、デリケートな素材で縫製されたおしゃれ着など布傷みや型崩れがしやすい衣類は、機械力により洗濯されたり遠心力で脱水された場合、繊維がほぐれたり強いしわが付いたりして風合いの劣化が生じやすい。
これに対し、特許文献1に記載される洗濯機は、洗濯物を掛けた状態で洗い、すすぎ、しわ伸ばしおよび乾燥を行う。これによって、洗濯物に強い機械力を作用させない洗浄ステップおよび乾燥ステップが保証される。しかし、特許文献1には、洗浄ステップと乾燥ステップについて開示されているが、脱水ステップについては記載されておらず、乾燥ステップに時間が掛かる。
さらに、特許文献2に記載される洗濯機は、洗い、すすぎ、乾燥時に、洗濯物が掛けられるハンガーに振動を与え、洗濯物を振動させる。つまり、洗浄ステップが終了したあとの乾燥ステップでは、振動による水切りによって脱水が促進される。そして、加振器により加える振動として、数ヘルツ程度の横振動および20ヘルツ以下の縦振動について記載されている。しかし、特許文献2には、その振動が騒音とならないようにすることが記載されているが、効率的な振動については開示されていない。
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、ハンガーに掛けられた衣類を洗浄でき、洗浄で濡れた衣類を効率よく脱水する衣類洗浄装置を提供することを目的とする。
本開示における衣類洗浄装置は、衣類が掛けられるハンガーと、前記ハンガーに掛けら
れた衣類を収容する衣類収容部と、前記衣類に洗浄水が供給される洗浄水流路と、前記ハンガーを所定の周期で復動させる揺動駆動部と、脱水工程を含む一連の洗浄運転を実行するとともに、前記揺動駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記脱水工程において、前記揺動駆動部が前記所定の周期を変更するように構成される。
この構成によって、ハンガーに掛けられた衣類の型崩れおよびしわの発生を抑制しつつ、衣類の揺動周期を効果的に変化させて効率よく脱水することができる。
本開示における衣類洗浄装置は、ハンガーに掛けられた衣類に洗浄水を噴射して洗浄し、洗浄により濡れた衣類を揺動させて効率的に脱水できる。そして、洗浄される衣類は、型崩れ、しわの発生および風合いの劣化が抑えられ、使用者は、デリケートな生地で縫製された衣類であっても手軽に洗濯できる。
実施の形態1における衣類洗浄装置の斜視図 実施の形態1における衣類洗浄装置のハンガー保持部が引き出された状態の斜視図 実施の形態1における衣類洗浄装置のドアが開かれた状態の斜視図 実施の形態1における衣類洗浄装置の上部の要部斜視図 実施の形態1における衣類洗浄装置の概略構成を示す模式図 実施の形態1における衣類洗浄装置の給排水タンクの分解斜視図 実施の形態1における衣類洗浄装置の給排水タンクの斜視図 実施の形態1における衣類洗浄装置の給排水タンクに洗浄用の水が貯留された状態を示す模式図 実施の形態1における衣類洗浄装置の給排水タンクに洗浄後の水が貯留された状態を示す模式図 実施の形態1における衣類洗浄装置の循環タンクの平面図 実施の形態1における衣類洗浄装置の洗剤投入部の側面断面図 実施の形態1における衣類洗浄装置の洗剤投入部の断面図 実施の形態1における衣類洗浄装置のハンガーの側面図 実施の形態1における衣類洗浄装置のハンガーの平面図 実施の形態1における衣類洗浄装置のハンガーの側面断面図 実施の形態1における衣類洗浄装置の揺動駆動部近傍の側面図 実施の形態1における衣類洗浄装置の揺動駆動部によるハンガーの揺動を示す平面模式図 実施の形態1における衣類洗浄装置の他の構成の揺動駆動部近傍の側面図 実施の形態1における衣類洗浄装置の他の構成の揺動駆動部によるハンガーの揺動を示す正面模式図 実施の形態1における衣類洗浄装置の衣類乾燥部の側面断面図 実施の形態1における衣類洗浄装置の基本的な衣類洗浄運転のフローチャート 実施の形態1における衣類洗浄装置の脱水工程の時間経過に対する重量変化を示すグラフ 実施の形態1における衣類洗浄装置のハンガーを揺動させる周期に対する衣類の揺動の波の状態の模式図 実施の形態1における衣類洗浄装置の脱水工程の時間経過に対する周期を変化させる制御の一例を示すグラフ 実施の形態2における衣類洗浄装置の衣類洗浄運転のフローチャート 実施の形態3における衣類洗浄装置の洗浄流路の構成を示す模式図
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
実施の形態1に示す衣類洗浄装置は、複数の衣類を1回で洗浄する一般的な洗濯機とは異なる。基本的には、衣類を吊るした状態で一着ずつ洗浄する形態である。このため、衣類洗浄装置はコンパクトに構成され、小さなスペースに設置できる。また、スタイリッシュな形態を実現することができ、リビングや寝室にも設置できる。
また、洗浄方法は、衣類に機械的な力を加え、揉んだり擦り合せたりして洗うような高い洗浄力に重点を置いたものとは異なる。つまり、おしゃれ着などのようなデリケートな衣類に対して、洗浄水を噴射して優しく丁寧に洗浄した後に、余計なしわを残すことなく乾燥させ、優れた仕上がりを得るように構成される。これによって、使用者の、「気に入ったおしゃれ着を大切に長く愛用したい」といった要望に応えることができる。しかも、クリーニング店に依頼することなく、使用者の都合に合わせて自宅で安心して洗濯することができる。
また、使用者が当日着用した汗汚れの付着はあるものの比較的汚れの少ない衣類を洗浄するのにも適している。そして、使用者の就寝中に洗浄を実行し、翌日の朝には着用できるような使い方が可能なように構成されてもよい。この場合、衣類洗浄装置は、運転時の低騒音化を実現し、寝室に設置して夜間に運転が可能なように構成される。
なお、本開示で記載する「衣類」とは、身体に着用する衣類はもちろんのこと、ハンカチ、スカーフおよびマフラーなどの服飾品、さらに、タオルなどの繊維製品を含む。また、袋物類およびバッグ類などを含む。特に、一般的な洗濯乾燥機により機械的な力を加えて洗浄することがためらわれるもの全般を含む。要するに、本開示において、「衣類」は、水で洗浄できるものであれば、特に限定されるものではない。
[1−1.構成]
図1は、実施の形態1における衣類洗浄装置の斜視図である。図2は、実施の形態1における衣類洗浄装置のハンガー保持部が引き出された状態の斜視図である。図3は、実施の形態1における衣類洗浄装置の給排水タンクが引き出された状態の斜視図である。図4は、実施の形態1における衣類洗浄装置の上部の要部斜視図である。図3および図4は、上面および側面を透視して記載される。図5は、実施の形態1における衣類洗浄装置の概略構成を示す模式図である。なお、本実施の形態の説明において、洗浄水については、洗い工程で循環する洗剤を含んで汚れ落としにに寄与するもの、および、すすぎ工程で循環し、洗剤を含まない状態から除去された洗剤を含むもの、いずれについても「洗浄水」と称する。
<衣類収容部>
図1および図2に示すように、本体1は、高さ方向に細長く形成され、内部空間の上部大半を衣類収容部2とし、下部をタンク収容部4として構成される。本体1の前面にドア1aが設けられる。ドア1aは、衣類収容部2およびタンク収容部4の前面の開口を開閉
する。ドア1aは、衣類収容部2の開口を水密状態に閉鎖する。
衣類収容部2には、洗濯される一着の衣類3がハンガー5に掛けて収容される。ハンガー5は、ハンガー保持部6に吊持される。ハンガー保持部6は、衣類収容部2の上面に設けられ、前後にスライド可能に構成される。
図3から図5に示すように、衣類収容部2には、衣類3に向けて洗浄水が噴射される複数の噴射ノズル7が備えられる。具体的には、上面に上ノズル7a、および、側面に横ノズル7bが設けられる。これらの噴射ノズル7は、衣類3を効率よく洗浄できるように配置される。上ノズル7aは、上方から衣類3に洗浄水を勢いよく当てるとともに洗浄水を含ませ、衣類3を伝って流れ落ちる洗浄水を衣類3の全体に行き渡らせる。また、衣類3の隙間から内側に洗浄水を噴射することにより、内側からも衣類3を濡らすことができる。さらに、シャツおよびブラウスなどの汚れが付着しやすい襟部を洗浄できる。横ノズル7bは、シャツなどの腋や袖口部分などの汚れが付着しやすい部分に洗浄水を集中的に噴射することにより、効率的に洗浄できる。洗浄水が流れる経路の詳細については、<洗浄水流路>として後述する。
また、衣類を乾燥するために、送風部8が設けられる。具体的には、衣類収容部2の外側の背面から底部にかけて給気ダクト8aが設けられ、衣類収容部2に温風が吹き出すように構成される。送風部8の詳細については、<衣類乾燥部>として後述する。
本体1の壁は、防音性および断熱性を有するように構成される。例えば、衣類収容部2では、洗浄水が噴射され、衝突し、滴下する水音による騒音が発生する。また、衣類収容部2以外からは、洗浄水を圧送するポンプ、送風装置8bおよびリレーの動作音などの騒音が発生する。本体1の壁が防音性を有することにより、これらの騒音が本体1の外部に漏れないように防音される。また、断熱性を有することにより、洗浄水により冷やされて発生する外壁面の結露が防止される。
<洗浄水流路>
衣類3に供給される洗浄水が流れる経路について説明する。図5に示すように、洗浄水流路は、大きく分けて、給水路11と、排水路12と、循環水路13と、を含む。また、給排水タンク9が、衣類収容部2の下方に設けられるタンク収容部4に着脱自在に備えられる。給排水タンク9は、給水タンク9aおよび排水タンク9bを含む。給水タンク9aには、洗浄用に供給されるきれいな水が貯留される。排水タンク9bは、洗浄に使用された排水が貯留される。本実施の形態の衣類洗浄装置において、給排水タンク9は、給水タンク9aおよび排水タンク9bが一体に構成される。給排水タンク9の詳細については<給排水タンク>として後述する。
衣類収容部2の底部に循環タンク10が設けられる。給水タンク9aから循環タンク10まで給水路11が設けられる。給水路11は、給水管11a、給水ポンプ11bおよび注水口11cを含む。洗浄水は、給水タンク9aに貯留される水が給水路11を通じて供給されたものである。
循環タンク10は、上面が開放されて底面の中央付近に送水口10aが設けられ、送水口10aに向かって緩い下り勾配で形成される。送水口10aから排水タンク9bまで排水路12が設けられる。
また、送水口10aから衣類収容部2の噴射ノズル7まで循環水路13が設けられる。循環水路13は、送水管13a、洗浄水を圧送する送水ポンプ13b、および噴射ノズル7、を含む。洗浄水は、循環水路13および衣類収容部2内を循環して衣類3に供給され
る。循環タンク10は、噴射ノズル7から噴射されて衣類3の洗浄に使用され、衣類3から滴下する洗浄水を受け止める。
本実施の形態の衣類洗浄装置において、送水口10aから1本の出口管10bが設けられて三方弁14が備えられる。この区間は排水路12と循環水路13とで兼用される。三方弁14は、出口管10bとの接続部を入口とする。そして、排水管12aとの接続部、および、循環水路13の送水管13aとの接続部、の2か所を出口とし、いずれかに洗浄水が流れるように分岐させる。
三方弁14は、洗い工程において洗浄水で衣類を洗浄するとき、および、すすぎ工程において新たな洗浄水で衣類をすすぐとき、に噴射ノズル7側の循環水路13を形成する。これにより、循環水路13と衣類収容部2とで循環経路が形成され、洗浄水が循環する。
また、三方弁14は、洗い工程が終了したとき、および、すすぎ工程が終了したとき、に給排水タンク9への排水路12を形成する。排水路12は、上り傾斜がないように形成され、洗浄水は重力により排水タンク9bに排出される。
<給排水タンク>
図6は、本実施の形態における衣類洗浄装置の給排水タンク9を斜め前方から見た分解斜視図である。図7は、同給排水タンク9を斜め後方から見た斜視図である。図8は、同給排水タンク9に洗浄用のきれいな水が貯留された状態を示す模式図である。図9は、同給排水タンク9に洗浄後の汚れた水が貯留された状態を示す模式図である。
給排水タンク9は、洗浄に使用する水が貯留され給水タンク9aとなる給水バッグ91と、外郭を形成するとともに排水タンク9bとなる排水容器92と、排水容器92の上面を覆う容器蓋93と、を含む。柔軟性を有する給水バッグ91は排水容器92の中に入れられ、排水容器92は容器蓋93で上面を覆われる。排水容器92は、回収される排水が貯留される。つまり、排水容器92の内部スペースにおいて、洗浄用のきれいな水と洗浄後の汚れた水とは給水バッグ91で完全に分離される。そして、給水バッグ91から水が供給されて減少すると、収縮するように変形する。このように、給水に必要なスペースと排水に必要なスペースとが共有されるように構成される。
給水バッグ91は、胴部91aが可とう性を有する柔軟で透明な軟質性樹脂材料(軟質ポリ塩化ビニル、軟質ポリエステル樹脂、等)で袋状に形成される。給水バッグ91の前側上部には、給水口91bが、柔軟な胴部91aの内部に連通するように硬質性樹脂材料で形成される。給水口91bには、給水口91bを封止する給水キャップ91cが備えられる。給水バッグ91の後側下部には、給水接続口91dが、柔軟な胴部91aの内部に連通するように硬質性樹脂材料で形成される。
排水容器92の後面下部には、給水接続口91dが貫通する接続口開口92dが設けられる。給水バッグ91が排水容器92に収容されるときに、給水接続口91dが接続口開口92dを内側から貫通し、水密的に固定される。給水接続口91dは、給水管11aに接続される。
排水容器92の後面上部には、排水口92aが設けられ、排水口92aを封止する排水キャップ92bが備えられる。排水口92aに隣接して、排水接続口92cが設けられる。排水接続口92cは、排水管12aに接続される。排水容器92の上部には、給排水タンク9を衣類洗浄装置から取り外して持ち運ぶためのハンドル92eが設けられる。
タンク収容部4には、給排水タンク9が載置されるスライドトレイ4aが設けられる。
給排水タンク9は、スライドトレイ4aに載せてタンク収容部4に出し入れされる。給水接続口91dと給水管11aとの脱着、および、排水接続口92cと排水管12aとの脱着について、給排水タンク9がタンク収容部4に押し込まれるときに自動的に接続される。また、給排水タンク9がタンク収容部4から引き出されるときに自動的に分離される。分離されるとき、給水接続口91dおよび排水接続口92cは、それぞれの内部に組み込まれたシール弁(図示せず)によって、水漏れが発生しないように自動的に封止される。
給排水タンク9がタンク収容部4に出し入れされるとき、衣類収容部2を開閉するドア1aは開かれた状態である。この構成により、給排水タンク9の着脱は容易であり、衣類3が衣類収容部2に出し入れされるのに合わせて確実にセットされる。
給水バッグ91は、柔軟な材料で袋状に形成される。このため、洗浄で使用される水が入れられると膨らみ、図8に示すように、膨満した状態で排水容器92の内部に収まる。また、図9に示すように、貯留された水が給水接続口91dから吸引されて洗浄に使用されると、その分だけ給水バッグ91が収縮する。これによって、給水バッグ91が排水容器92内で占有するスペースは減少し、空きスペースが増加する。そして、洗浄で使用された排水が、排水接続口92cから排水容器92にできた空きスペースに回収される。
このように、給排水タンク9の内部は、洗浄に使用されるきれいな水と、洗浄に使用されて汚れた排水が混ざらないように分離しつつ、収容するスペースを共有するように構成される。これによって、省スペースであるとともに、不衛生にならない状態が保たれる。さらに、使用者は、給排水タンク9を持ち運んで排水を廃棄した後、そのまま給水バッグ91に給水でき、給排水の手間が少なくなる。なお、給排水タンク9の内部が汚れた場合、使用者は、給排水タンク9を分解し、給水バッグ91および排水容器92などを個別に洗浄できる。
なお、給排水タンク9において、給水および排水のスペースを共有する構成としては、上記構成に限られない。例えば、給水用と排水用とに、それぞれ柔軟な袋体を備えるように構成されてもよい。あるいは、袋状には構成されず、タンク内が給水部と排水部に分けられ、これらを仕切る隔壁が柔軟な材料で構成されたり、伸縮可能な材料で構成されたりしてもよい。
<洗浄水生成部>
供給される水に洗剤が混合される洗浄水生成部について説明する。上記したように、衣類収容部2の底部に循環タンク10が設けられる。図10は、本実施の形態における衣類洗浄装置の循環タンク10の平面図である。図10は、洗剤が循環タンク10に流れる給水に混合される様子を模式的に示す。循環タンク10は、給水路11の出口となる注水口11cが設けられる。また、洗剤投入部15が、ドア1aの内側で循環タンク10の上方に近接して備えられ、洗剤吐出口16eが循環タンク10に臨むように設けられる。洗剤投入部15の詳細については、<洗剤投入部>として後述する。
洗い工程およびすすぎ工程において、それぞれの開始時に給水タンク9aの水が、給水ポンプ11bにより注水口11cから循環タンク10に所定量が供給され、貯留される。洗い工程においては、洗剤投入部15から洗剤が同時に供給される。これにより、洗剤と水とが混合され、洗剤を含む洗浄水が生成される。図10に示すように、洗剤投入部15は、給水の流れによって洗剤の混合が促進されるように注水口11cの下流側に配置される。図10において、洗剤投入部15が2つ設けられる構成を示す。洗剤投入部15が複数設けられることによって、異なる洗剤を選択したり、これらを組み合わせたり、洗剤および仕上げ剤をそれぞれタイミングに応じて投入したりするなど、使用者の選択肢を増加させる制御が可能になる。
循環タンク10に貯留される洗浄水は、送水ポンプ13bによって送水口10aから出口管10bおよび三方弁14を介して吸引される。そして、送水管13aを通って噴射ノズル7に圧送されて衣類3に噴射される。噴射された洗浄水は、衣類3に浸透したあと滴下して循環タンク10に戻る。このとき、送水ポンプ13bが空運転にならないようにするため、常に循環タンク10に洗浄水が貯留される状態となるように、給水の所定量が設定される。この所定量が正確に設定されるためには、衣類3の吸水量などが事前に確認されることが望ましい。
<洗剤投入部>
図11および図12は、本実施の形態の衣類洗浄装置における洗剤投入部15の概略構成を示す側面断面図である。図11は、洗剤投入部15から液体洗剤が投入される状態を示す。図12は、ドア1aが開放されて洗剤投入部15に対して洗剤カートリッジ16が着脱される状態を示す。本実施の形態においては、洗剤として液体洗剤を用いた場合について説明する。
洗剤投入部15は、交換式の洗剤カートリッジ16を備える。洗剤カートリッジ16は、洗剤が入れられる洗剤バッグ16aと、洗剤バッグ16aから洗剤を押し出すピストン16bと、回転してピストン16bを移動させるスクリュー16cと、これらを収容するケース16dと、を含む。洗剤バッグ16aは、柔軟性を有する材料(例えば、ナイロンやポリエチレンなどの薄膜シート)でジャバラ式の袋状に形成される。その袋に、洗剤が押し出される流路を有する洗剤吐出口16eが設けられる。そして、洗剤バッグ16aは、洗剤吐出口16eがケース16dの一端から突出するように、ケース16dに収容される。ケース16dの他端に、ピストン16bとスクリュー16cが装着される。
また、洗剤投入部15は、洗剤カートリッジ16が装着されたときに上部側となる他端に対向して、スクリュー16cを回転させる駆動接手15aを有する押出し駆動部15bを備える。この構成により、押出し駆動部15bが動作すると駆動接手15aが回転してスクリュー16cが回転する。そして、スクリュー16cの回転に応じて、例えば、ピストン16bがP0の位置からP1の位置に所定の移動量Lだけ移動する。これによって、洗剤バッグ16aが圧縮され、洗剤バッグ16a内の洗剤が洗剤吐出口16eから循環タンク10に滴下する。このようにして、所定量の洗剤が投入される。
なお、カートリッジに半固形物を充填し、ピストンをスクリューで移動させて押し出す構成は、洗剤に限らず公知である。しかし、これらの構成を浸透性が高い液体洗剤に適用しようとすると、スクリュー16cとピストン16b、および、ピストン16bとケース16d、における洗剤の漏れを防止する高精度のシール構成が必要である。その場合、スクリュー16cの回転およびピストン16bの移動において、例えば、ゴムパッキンが摺動するときに大きな負荷が発生し、押出し駆動部15bに大きな駆動力が要求されるなどの課題がある。
本実施の形態において、液体洗剤は洗剤バッグ16aに充填され、洗剤が充填された洗剤バッグ16aが洗剤カートリッジ16に収容される。そして、液体洗剤は、ピストン16bにより洗剤バッグ16aが圧縮されることによって押し出される。この構成により、可動部で高精度にシールする必要がなく、大きな駆動力も必要ない。そして、液体洗剤の漏れを確実に防止することができるとともに、洗剤投入部15をコンパクトに構成することができる。
洗剤投入部15は、衣類3の素材に合わせた洗剤などが収容される複数の洗剤カートリッジ16から使用者が選択し、容易に交換できるように構成される。本実施の形態におい
て、洗剤投入部15は、衣類収容部2の開口を開閉するドア1aの内側に設けられる。洗剤投入部15は、ドア1aを解放した状態でカバー15cが開かれると駆動接手15aが上昇し、洗剤カートリッジ16を着脱できるように構成される。洗剤カートリッジ16が交換される場合、洗剤が滞留する経路が洗剤カートリッジ16以外にはないので、種類の違う洗剤が使用されても混ざるおそれがない。
さらに、洗剤吐出口16eは、洗い工程において水で洗われるように洗剤投入部15に配置される。これによって、洗剤カートリッジ16を交換するときに手に洗剤が付着することが防止される。さらに、取り付けられた状態、および、取り外された状態の洗剤カートリッジ16の洗剤吐出口16eをキャップ(図示せず)が封止するように構成されれば、洗剤吐出口16eで洗剤が固まって詰まることが防止される。
なお、押出し駆動部15bは、循環タンク10に給水されるタイミングに合わせて洗剤を投入するように制御される。これによって、洗剤投入部15から投入される洗剤は、循環タンク10に供給される水に効率よく混合される。
洗剤の種類および投入量の決定は、使用者によりあらかじめ設定されてもよいし、後述する衣類の重量および素材などの衣類3の情報に応じて、所定の種類および量の洗剤が投入されるように構成されてもよい。なお、衣類収容部2に収容される衣類3に、衣類の生産および洗濯などに関する様々な衣類情報が電子的に記録されるタグなどの記録部が設けられ、この情報を通信により読み取る情報取得部(図示せず)が備えられてもよい。このようなシステムが備えられれば、認識される衣類3に応じて、洗いから乾燥までの各工程を通してより好適な洗浄運転が実行される。
ところで、液体洗剤は、衣類洗浄装置の運転にともなう衣類収容部2の温度上昇により膨張する。これに対応して、押出し駆動部15bは、スクリュー16cを反転させ、温度変化による膨張分だけピストン16bを後退させてもよい。これによって、洗剤バッグ16aから液体洗剤が漏れ出すことが防止される。
さらに、洗剤投入部15は、予め、複数の洗剤カートリッジ16がセットされ、1つの押出し駆動部15bを兼用して洗剤カートリッジ16を切り替えるように構成されてもよい。切り替え方法は、例えば、リボルバーのように自動でカートリッジが回転したり、スライドして切り替わるように構成されてもよい。また、複数の押出し駆動部15bを備えてそれぞれに洗剤カートリッジ16が装着され、任意の押出し駆動部15bが駆動されるように構成されてもよい。このとき、複数の洗剤カートリッジ16において、これまで説明した液体洗剤と同様に、柔軟剤、漂白剤および洗濯のりなどの仕上げ剤が収容されるようにし、運転工程に応じて投入されるように構成されてもよい。さらに、これらの各種処理剤は液体に限定されるものではなく、洗剤カートリッジ16の構成を工夫して、粉末の処理剤を使用できるように構成されてもよい。
<送水ポンプ>
図5に示すように、洗浄水を循環させる送水ポンプ13bは、循環水路13の送水管13aに設けられる。そして、本体1の背面側に配置されることによって、送水ポンプ13bの運転騒音が抑制される。送水ポンプ13bは、送水口10aから出口管10bに流入する洗浄水を吸引し、三方弁14および送水管13aを介して噴射ノズル7に圧送する。これによって、洗浄水は、循環水路13および衣類収容部2を含む循環経路を循環する。なお、送水管13aに送水切替部17が設けられ、複数の噴射ノズル7にそれぞれ分岐して連通する送水管13aが切り替えられてもよい。
このような構成により、上ノズル7aまたは横ノズル7bが選択的に切り替えられ、個
別に洗浄水を噴射させることができる。また、複数の噴射ノズル7から同時に洗浄水を噴出させる構成に比べて送水ポンプ13bを小型化できるとともに、低騒音を実現できる。
さらに、図示しないが、横ノズル7bを衣類3の前側および後側(本体1の左右)に分け、上ノズル7aと合わせて3群に分けて配置してもよい。洗浄水が、3群に分けられた噴射ノズル7から送水切替部17によりそれぞれ選択的に噴射されれば、さらに送水ポンプ13bに要求される送水能力は小さくて済み、より小型で低騒音を実現できる。
<ハンガー>
図13Aは、本実施の形態における衣類洗浄装置のハンガー5の側面図である。図13Bは、同ハンガー5の平面図である。ハンガー5は、衣類3が掛けられる肩部5aと、ハンガー保持部6に係合保持されるフック5bと、肩部5aとフック5bとの連結部分に設けられる重量検知部51と、を含む。肩部5aは、衣類3の内側に空間を形成するように幅広に形成される。そして、前後に広がる方向に合わせて下がるように丸みを有する形状に形成されるとともに、複数の開口部5cを1列に有する。これによって、洗浄水が衣類3に行き渡りやすくなるとともに、衣類3の内側に縦方向に空間が形成され、乾燥の送風が衣類3の内側を多量に通過するとともに繊維を透過しやすくなる。また、衣類3が乾いたときにハンガー5の跡が残りにくい。重量検知部51は、検知部カバー51aを備えており、洗浄水で濡れないように保護される。
図14は、本実施の形態における衣類洗浄装置のハンガー5の重量検知部51の側面断面図である。ハンガー5の肩部5aおよびフック5bが、起歪体52で連結するように構成される。起歪体52には、歪ゲージ52aが貼着される。歪ゲージ52aは、検知基板53に接続される。検知基板53は、電源部53a、信号処理部53bおよび通信部53cを有し、制御部(図示せず)と通信するように構成される。
衣類3が掛けられるハンガー5が、フック5bによって吊るされると、肩部5aに掛かる衣類3の重量により起歪体52が変形する。このとき、歪ゲージ52aは、起歪体52の歪の大きさに対応した電気信号を発生する。この電気信号が検知基板53に送られると、検知基板53は制御部と通信する。これによって、制御部は、ハンガー5に掛けられる衣類3の重量および重量の変化に関連する情報を入手することができる。
以上の構成により、制御部は、洗い工程から乾燥工程において、衣類3の重量および重量変化を検知することによって、衣類3の濡れ具合、すなわち衣類3に含まれる水分量(含水量)を正確に検知し、さらに、その含水量の変化を測定し、乾燥度合いとして判定することができる。そして、例えば、洗浄水の水量、洗い工程およびすすぎ工程で割り当てられる洗浄水量、それを循環させるサイクル数および運転時間、乾燥の温度および運転時間、さらに、仕上がり時刻の予測など、さまざまな制御が可能になる。また、衣類3は、内側に空間ができるように掛けられるハンガー5の構成によって、洗浄と乾燥の効率が向上する。
<揺動駆動部>
図15Aは、本実施の形態における衣類洗浄装置の揺動駆動部61近傍の側面断面図である。図15Bは、同揺動駆動部61によりハンガー5が往復回動される状態を示す平面図である。
衣類収容部2の上面には、ハンガー5を保持するハンガー保持部6、および、ハンガー保持部6およびハンガー5が復動するように駆動する揺動駆動部61が備えられる。揺動駆動部61は、揺動モータ61aと、偏心カム61bと、偏心カム61bが噛み合わされる揺動板61cと、揺動板61cに設けられる軸部61dと、揺動板61cおよび軸部6
1dを支持する軸受け61eと、を含む。揺動モータ61aは、シャフトが垂直になるように固定される。偏心カム61bは、揺動モータ61aのシャフトに固定される。偏心カム61bは、揺動板61cの回転軸Cから外れた位置に設けられる窪みに、摺動しながら回転できるように組み合わされる。
軸受け61eは、ボールベアリング62であり、外輪62aが衣類収容部2の上面に固定される。そして、内輪62bに軸部61dが嵌め込まれ、軸部61dに固定されるハンガー保持部6が衣類収容部2内に突出する。ハンガー保持部6は、ハンガー5のフック5bが掛けられるフック受け6aと、フック受け6aを支持する2本のアーム6bを含む。2本のアーム6bは、2本の間隔がフック5bの厚みよりわずかに小さい寸法で弾性があり、ハンガー5の掛け外しが容易で、かつ、揺動駆動部61による揺動を伝えるために挟み込むように構成される。
この構成によって、揺動駆動部61によって偏心カム61bが回転すると揺動板61cが回転軸Cを回転中心として往復回動し、ハンガー保持部6を略水平に往復回動させる。これによって、図15Bに示すように、保持されるハンガー5が追従して角度Dだけ往復回動し、ハンガー5に掛けられた衣類3が捻じれるように波打って揺動する。
制御部は、複数の揺動周期に対応するパラメータを調節して揺動駆動部61の動作を制御する。これによって、例えば、揺動周期に対応するパラメータを変更することでハンガー5を復動させる周期を変更し、衣類3の揺動周期および揺動強さを変えることができる。
例えば(図19参照)、ハンガー5が速い周期(周期V1)で往復回動すると、吊るされた衣類3のハンガー5に近い上部は、ハンガー5に追随して短い波長で波打つが、下部は不規則に上下する程度であまり揺動しない。それに対して、ハンガー5の往復回動の周期が長くなるにしたがって、衣類3の下部まで波が伝わり、下部も相応の振幅で揺動するようになる。そして、ハンガー5の往復回動の周期が所定の速さ(周期V2)になると、衣類3の下部もスムーズに揺動し、衣類3の下端を振り子のように大きな振幅で揺らすことが可能となる。
本実施の形態において、ハンガー5に掛けられた衣類3は、周期的に発生する波が下方向に伝わることによって変形する。この衣類3の変形により、衣類3に含まれる水分は、重力による降下に加えて衣類3の下端に向けての移動を促進される。また、衣類3の上部で発生する波が、なるべく減衰せずに下端に到達するように揺動周期が制御されることにより、下端の揺動も大きくなり、水滴を振り落として脱離させる効果が大きくなって効率よく脱水することができる。
さらに、衣類3は、回転軸C付近を中心に対向する両側で逆向きに揺れる波が周期的に発生して下方向に伝わることによって、縦横両方向の張力が合成され、縦糸と横糸で織られた織物の生地を両方向に引っ張る作用が発生する。これによって、洗浄時に衣類3にしわが付くことはなく、衣類3が着用されたときに付いたしわを伸ばす効果も大きくなる。
なお、上記の構成においては、揺動モータ61aのシャフトおよびハンガー保持部6の回転軸Cが縦方向に構成され、ハンガー保持部6は、ハンガー5が角度Dだけ往復回動するように復動した。しかし、衣類3を揺動させる構成および揺動の形態については、これに限られない。例えば、図16Aは、本実施の形態における衣類洗浄装置の揺動駆動部61の他の構成を示す側面断面図である。図16Bは、同揺動駆動部61によりハンガー5が往復揺動される状態を示す正面図である。図16Aに示すように、揺動モータ61aのシャフトおよびハンガー保持部6の回転軸Cが前後の横方向に構成されてもよい。この構
成によれば、図16Bに示すように、ハンガー5は振り子のように角度Eだけ左右に揺動する。そして、ハンガー5に掛けられた衣類3は、ハンガー5の揺動周期に応じて波打つように揺動する。
以上説明したように、衣類3を揺動させると、脱水工程における脱水を促進する効果がある。これ以外にも、洗い工程およびすすぎ工程では洗浄ムラの抑制に効果がある。また、乾燥工程では乾きムラやしわの発生の抑制に効果がある。
<衣類乾燥部>
図17は、本実施の形態における衣類洗浄装置の衣類乾燥部の構成を示す側面断面図である。衣類乾燥部は、<衣類収容部>で説明した送風部8により構成される。送風部8は、本体1の外部に開口する給気ダクト8aと、給気ダクト8aに設けられる送風装置8bと、温風ヒータ8cと、給気ダクト8aの終端に設けられる送風チャンバ8dと、を含む。また、送風チャンバ8dに複数の風向板8eが設けられてもよい。送風装置8bは、モータおよびファンを含む。また、衣類乾燥部は、衣類収容部2の上部に設けられて本体1の外部に開口する排気ダクト81を含む。さらに、衣類3の上方で排気ダクト81の入口近傍に、排出される空気の湿度を検知する湿度検知部81aが設けられてもよい。
送風装置8bは、モータによりファンを駆動し、給気ダクト8aを通して衣類収容部2に外気を導入する。温風ヒータ8cは、導入される外気を衣類3の乾燥に適した温度に加熱する。加熱された温風は、送風チャンバ8dから風向板8eの向きに応じて、狭い衣類収容部2に収容される衣類3に向けて吹き出される。この衣類3は、内側に縦方向の空間ができるように掛けられる。吹き出される温風は、無用な空間に流れることなく、濡れた衣類3の内側および外側に接触して湿気を含んだ空気となり、上部に設けられる排気ダクト81から排出される。このように、狭い衣類収容部2において送風チャンバ8dおよび複数の風向板8eが衣類3の下方に配置されることによって、衣類3のサイズおよび形状などが異なっても送風の偏りが抑制され、乾燥効率が向上する。風向板8eは、方向を変更できるように可動式に構成されてもよい。また、防水されたモータとリンク機構などが備えられ、送風中に風向変更できるように構成されてもよい。
なお、本実施の形態の衣類洗浄装置において、送風チャンバ8dは、循環タンク10内に組み合わせて構成されてもよい。このため、洗い工程およびすすぎ工程において、送風チャンバ8dは洗浄水によりほぼ水没する。しかし、このように構成されることにより、洗い工程における洗浄水貯留のための空間と、乾燥工程における送風のための空間とを循環タンク10内で共有することができる。これによって、衣類3の下方から送風する構成を、専用の空間に配置することに比べて、衣類洗浄装置の本体1の高さを抑えて設けることができる。
さらに、送風チャンバ8dは、循環タンク10および給気ダクト8aから着脱可能に構成されてもよい。これによって、洗浄水に浸って汚れても容易に外して洗うことができる。
[1−2.動作]
以上のように構成される衣類洗浄装置について、以下その動作、作用を説明する。なお、制御部(図示せず)は、衣類洗浄装置の構成に含まれるポンプ、弁、送風装置および揺動駆動部などを制御し、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程が適宜組み合わされた各種の運転コースに基づいて衣類洗浄運転を実行する。図18は、基本的な衣類洗浄運転のフローチャートである。
<運転準備>
使用者によって、衣類3および洗浄水がセットされる。まず、本体1の前面のドア1aが開放され、衣類収容部2からハンガー保持部6が引き出される。そして、所定のハンガー5に洗浄される衣類3が掛けられ、そのハンガー5のフック5bがハンガー保持部6のフック受け6aに掛けられて、衣類3のセットが完了する。
次に、タンク収容部4からスライドトレイ4aに載置される給排水タンク9が引き出される。そして、給排水タンク9は水道がある場所へ運ばれ、給水キャップ91cが開かれて、洗浄水となる水道水が、水栓蛇口から給水バッグ91に満水まで入れられる。給水キャップ91cが閉じられ、スライドトレイ4aに給排水タンク9が載せられて所定の位置まで押し込まれると、給排水タンク9の給水接続口91dが給水管11aに接続されるとともに、排水接続口92cが排水管12aにが接続される。これによって、洗浄水のセットが完了する。
さらに、使用者によって、衣類3の素材や使用者の好みに合った洗剤および仕上げ剤がセットされる。すなわち、所定の洗剤カートリッジ16が、解放されたドア1aの内側に設けられる洗剤投入部15にセットされる。そして、ドア1aが閉じられると運転準備が完了する。
なお、スライドトレイ4aは、給排水タンク9と給排水可能に接続される位置付近では引き込む方向に付勢されるが、押し込みが不十分な状態では、ドア1aが閉まらないように構成される。さらに、ドア1aの開閉状態を検知するドアスイッチ(図示せず)を備え、ドア1aが閉じられたことを検知することにより、運転開始可能となる。
<洗浄運転開始>
使用者が操作部(図示せず)を操作して運転コースを設定し、洗浄運転開始の操作をする(S101)。洗浄運転が開始されると、制御部は、まず、洗浄する衣類3の情報を読み取る(S102)。衣類3の情報としては、ブラウスまたはワンピースなどの種類、生地の素材、重量などが含まれる。これらの情報が、操作部から入力されるように構成されてもよい。
また、上記<洗剤投入部>で記載した、衣類情報が記録されたタグ(図示せず)が衣類3に付けられるとともに、情報取得部(図示せず)が設けられ、この情報取得部が、タグに記録された様々な衣類情報を読み取ることができるように構成されてもよい。この構成であれば、例えば、タグに記録された、衣類3が水分を含まない乾燥時重量、および、衣類3が水を飽和状態まで含んだ飽和含水時重量、の情報を情報取得部が読み取り制御部に送信する。さらに、ハンガー5で検知される衣類3の重量情報が、制御部に送られる。制御部は、衣類3のタグに記録された重量情報と、運転中にハンガー5で検知される衣類3の重量変化を照合しながら、指定された運転コースで運転を制御することができる。
なお、基本的な運転コースは、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程を順番に実行するように設定される。そして、使用者が任意で設定できる運転コースも設けられ、例えば、すすぎ工程の回数を変更したり、脱水工程までで終了したり、乾燥工程だけを実行したり、することが可能なように構成される。
<洗い工程およびすすぎ工程>
衣類情報が検知されると、洗い工程が開始される(S103)。洗い工程とすすぎ工程との違いは、給水時に洗剤が投入されるか投入されないかの差である。また、すすぎ工程は、給水から排水までの動作が複数回行われてもよいし、最終回に仕上げ剤が加えられてもよい。
制御部により衣類3が認識されると、給水ポンプ11bが駆動され、衣類3の洗浄に必要な所定量の水が、給水バッグ91から給水管11aを通じて注水口11cから循環タンク10に注水される(S104)。洗い工程においては、注水と同じタイミングで洗剤投入部15から洗剤が投入される。具体的には、押出し駆動部15bが駆動され、セットされた洗剤カートリッジ16の洗剤吐出口16eから所定量の洗剤が投入されて洗浄水が生成される。所定量の洗浄水が供給されて循環タンク10に貯留されると、給水ポンプ11bは停止される。
次に、送水ポンプ13bが駆動される(S105)。三方弁14は、循環水路13が形成される状態に設定される。洗浄水は、循環タンク10の送水口10aから出口管10bに流入し、送水ポンプ13bを介して送水管13aに送水され、噴射ノズル7から衣類3に向けて噴射される。衣類3に吸収されない洗浄水は、循環タンク10に滴下し、再び貯溜される。衣類3に吸収された洗浄水は、衣類3に浸透していく段階で、洗い工程においては汚れを分解する。また、すすぎ工程においては、洗剤成分を薄めながら洗い流す。そして、衣類3に吸収された洗浄水も、衣類3の下端に到達すると、循環タンク10に滴下し、貯溜される。
送水ポンプ13bが駆動される間、洗浄水はこれらの循環を繰り返す。そして、洗浄水が衣類3に吸収されて浸透が進むに従って、ハンガー5で検知される衣類3の重量が増加する。衣類3の全体に洗浄水がいきわたり、十分に濡れた状態になると、衣類3は、飽和含水時重量に達する(S106)。この状態で、さらに洗浄水が噴射されてもハンガー5で検出される重量はほとんど増加しない。しかし、衣類3に浸透する洗浄水は、衣類3の上部で吸収されるとともに下端から滴下することによって入れ替わる。この繰り返しによって、洗い工程において、衣類3に付着した汚れが充分に洗い落とされる(S107のNo)。また、すすぎ工程において、洗剤および汚れが充分にすすぎ落とされる。そして、所定量の洗浄水を循環させる洗浄運転により節水運転が行われる。
なお、洗浄水は複数の噴射ノズル7に送られて衣類3の各部に向けて噴射されるが、必ずしも一斉に噴射される必要はない。例えば、上ノズル7aまたは横ノズル7bのいずれかから選択的に噴射されるように構成されてもよい。そして、衣類3の種類に応じて、あるいは汚れ具合に応じて、それぞれの噴射ノズル7から洗浄水が噴射される時間および水量が調整されるように構成されてもよい。送水ポンプ13bの構成でも説明したように、これによって、送水ポンプ13bに要求される送水能力は小さくて済み、より小型で低騒音を実現できる。
衣類3に応じた所定の運転時間が経過すると(S107のYes)、送水ポンプ13bの駆動が停止される。そして、三方弁14が排水路12を形成する状態に切り替えられる。これによって、循環タンク10に貯留される汚れた洗浄水は、重力によって送水口10aから出口管10bに流入し、排水管12aを介して排水され、排水容器92に回収される(S108)。
基本的な運転コースにおいて、上記一連の動作が、洗い工程において1回行われ、すすぎ工程において2回(2回目に仕上げ剤が投入されてもよい)行われる(S109)。
なお、飽和含水時重量が記録されない衣類3が洗浄される場合、衣類3の重量変化が所定値以下になるのを検知することにより、衣類3全体に洗浄水が浸透して飽和状態に達したと判断することができる。しかし、素材や生地の状態によって、撥水性が強く洗浄水を吸水しにくい衣類3もある。このため、飽和含水時重量に基づいて洗浄が制御されることが望ましく、より確実に汚れを落とす洗い工程を実行することができる。
また、洗い工程およびすすぎ工程において、揺動駆動部61が駆動されてもよい。これによって、衣類3が揺動して噴射される洗浄水が当たる位置が変わるとともに、生地がほぐされて洗浄ムラが抑制され、洗いおよびすすぎがより効率的に行われる。
<脱水工程>
すすぎ工程が終了すると、脱水工程が行われる(S110)。本実施の形態における衣類洗浄装置は、脱水工程において、一般的な洗濯機のように、衣類3に強力な遠心力を作用させたり、ローラーで圧縮したりして、衣類3に皺が付くような方法は行わない。
ハンガー5に掛けられた衣類3に含まれる水分は、繊維を伝わって重力により下方向に移動する。このとき、移動する水分同士が徐々に寄せ集まりながら浸透するので、移動する速度も徐々に速くなる。そして、衣類3の下端に到達した水分が、さらに成長して衣類3で保持し切れない状態になると、水滴になって落下して脱離する。洗い工程およびすすぎ工程が終了した直後において、水滴は衣類3から盛んに落下する。そして、衣類3から水滴が落下するにともない、衣類3の含水量は減少するので、水滴の落下はしだいに減少する。
図19は、脱水工程の時間経過に対する衣類の重量変化を示すグラフである。図19において、脱水工程の時間が経過するにつれて、衣類重量が減少するとともに、その変化量が次第に小さくなることが読み取れる。
しかし、すすぎ工程が終了したあと、濡れた衣類3から、洗浄水の滴下が止まるまで、静止したままで自然落下を待つのでは脱水工程に時間がかかる。また、脱水が不十分な衣類3に水分が多く含まれる状態で、次の乾燥工程を実行すると、多くの電気エネルギーと時間が必要になるとともに、仕上がりも良くならない。そこで、脱水を促進する方法として、濡れた衣類3をハンガー5に掛けた状態で揺動させる方法が採用される。
図20は、ハンガー5を揺動させる周期Vに対する衣類3の揺動の波の状態の模式図である。濡れた衣類3からの滴下による脱水を促進する効果的な揺動については、ハンガー5の揺動による衣類3の波が、衣類3の上方から下方までスムーズに伝わるように、ハンガー5が揺動されることが望ましい。特に、衣類3に含まれる水分の状態に応じて揺動させる周期Vを変化させることが好ましい。具体的には、脱水工程の開始当初から所定の時間、水分が衣類3の下部に移動することを促進する第1の周期V1で揺動させ、その後、水分が衣類3の下端から水滴として脱離することを促進する第2の周期V2で揺動させる。これによって、衣類3の揺動状態を効果的に変化させ、衣類3に含まれる水分を効率よく降下させるとともに脱離させ、脱水効果を向上させることができる。ここで、第2の周期V2を水滴を脱離させる適度な周期とすれば、第1の周期V1は、周期V2より速い周期となる。
つまり、速い周期V1の揺動では、ハンガー5に近い衣類3の上部を素早く揺動させることが可能であるが、衣類3の波は途中で減衰されやすく、衣類3の下端まで伝わらない。この状態では、水分が衣類3の下方に移動することを促進することができる。しかし、衣類3の下端で水滴を振り切る大きな力は発生せず、脱水効果の大きな向上は望まれない。逆に、周期V2より遅い周期V3の揺動では、衣類3は振り子のように揺れて下端の振幅は大きくなり、下方向の遠心力の発生は期待される。しかし、この状態でも下端で水滴を振り切るほどの力は発生せず、脱水効果の大きな向上は望まれない。さらに、下端の揺れ幅が大きくなりすぎると、衣類収容部2の壁面に接触し、衣類3にダメージを与えて仕上がりが悪くなったり、接触による騒音が発生したり、などの不具合が発生する可能性がある。また、さらに遅い周期V4で揺らした場合、衣類3は左右に移動するだけで、静止の状態と同様にほとんど波打たず、脱水効果の向上は望まれない。
そこで、適度な周期V2であれば、衣類3の下端は振幅が大きく、かつ、勢いよく揺動させることができる。これによって、衣類3の下端から水滴を効率よく振り切って脱離させることができる。
したがって、脱水工程の進行に伴う作用効果に配慮すると、以下のような運転が望ましい。つまり、脱水工程の前半では、衣類3の含水量が多く、滴下量が多いので、衣類3の下部に向けて水分を積極的に移動させるように、揺動周期が速い周期V1で制御されることが望ましい。そして、脱水工程の後半では、衣類3の含水量が減少し、滴下量も少なくなるので、衣類3の下端から積極的に振り切るように、揺動周期を遅くして適度な周期V2で制御されることが望ましい。
図21は、脱水工程の時間経過に対する周期Vを変化させる制御の一例を示すグラフである。本実施の形態では、衣類3の種類に応じて設定が自動的に変更されるとともに、脱水工程の時間経過に応じて変化するように制御される。具体的には、脱水工程の開始当初は揺動周期が最も速い周期V1−1に設定され、主に、衣類3の上部の水分が下方向に移動させられる。そして、時間経過に応じて周期V1−2、周期V1−3と段階的に周期Vが遅くなり、最終的に適度な周期V2となるように制御される。さらに望ましくは、周期Vが連続的に変化するように制御されてもよい。このように制御されれば、衣類3に含まれる水分量の連続的な変化に応じて揺動する周期Vを変化させることができるので、より効率よく脱水できる。また、衣類3の重量変化が検知されてフィードバックされることにより、衣類3から水滴が脱離して重量減少が早くなるように周期Vおよびその継続時間が制御されてもよい。
さらに、脱水の進行を検知する脱水検知部(図示せず)が設けられ、制御部は、脱水検知部の検知結果による脱水の進行に応じて揺動駆動部61による周期Vを変更するように構成されてもよい。この構成によって、衣類3の脱水の進行にあわせて衣類3を揺動させる周期Vを的確に変更することができる。
このように脱水の進行を検知する脱水検知部は、タイマー設定による方法であったり、衣類3の重量変化を検知する方法であったり、衣類3から落下する水滴の量をカウントする方法であったり、のいずれかで脱水の進行を検知するように構成される。この構成によって、制御部は、脱水の進行を精度よく検知でき、さらに脱水工程の終了を検知できる。タイマーおよび重量変化を検知する方法であれば、制御部に設けられる構成を利用して制御すればよく、適用が容易である。また、水滴のカウントについては、光学的に水滴の通過を検知するなどすれば可能である。
なお、本実施の形態において、周期Vの具体的な値は以下の通りである。周期V1は、例えば、毎分250往復に設定される。また、適度な周期V2は、例えば、丈の長いコートやワンピースなどは毎分120往復に設定され、丈の短いジャケットなどは毎分180往復に設定される。そして、衣類3の種類などに応じて周期V1から周期V2まで段階的に周期が遅くなるように、制御部によってパラメータを変更して制御される。さらに、周期V2で揺動させる時間が長くなるように時間が配分されてもよい。また、周期V1から周期V2への変更が、例えば同じパターンで、複数回繰り返されように制御されてもよい。これによって、衣類3の上部から下端にかけて、複数回繰り返して水分の降下が促進されるので、より効率よく脱水できる。
なお、ハンガー5を揺動させる適度な周期V2については、衣類3の大きさ、長さ、生地の種類、などによって変化する。さらに、水分の含み具合によっても変化するため、脱水工程の時間経過によっても変化する。これらに対応するために、周期Vについてはそれ
ぞれ実験的に検証されることが望ましい。
なお、ハンガー5の揺動駆動において、一周期の中で揺動速度を変化させてもよい。例えば、重量検知部51にかかる重量において、衣類3を揺らす反転時の極短時間にかかる重量が大きくなるように、揺動速度が設定されてもよい。また、衣類3の重量を検知するときに揺動が一時的に停止されてもよい。これにより、衣類重量および重量変化を精度良く検知でき、脱水の進行および脱水工程の終了をより的確に判定することができる。
以上のように、本実施の形態で説明した構成によれば、ハンガー5に掛けられた衣類3を洗浄水で十分に濡らして洗浄した後、揺動させて効率的に脱水することが可能となり、次の乾燥工程にかかる時間やエネルギーも少なくできる。そして、洗浄される衣類3は、型崩れ、しわの発生および風合いの劣化が抑えられ、使用者は、デリケートな生地で縫製された衣類3であっても手軽に洗濯できる。
<乾燥工程>
脱水工程が終了すると、乾燥工程が実行される(S111)。乾燥工程は、上記<衣類乾燥部>で説明したように、衣類収容部2に収容される衣類3の下方から衣類3に向けて、温風が吹き出されることにより実行される。具体的には、本体1が設置される室内空間から衣類収容部2に、送風部8を通じて加熱された空気が供給される。脱水工程で衣類3から滴下した洗浄水は、乾燥工程を実行する前には既に排水され、循環タンク10には水滴が残留する程度である。
温風が吹き出される送風チャンバ8dが衣類3の下方に備えられる。この効果として、送風の偏りが抑制されて乾燥効率が向上されることは上述した。さらに、他の効果について説明する。濡れた衣類3の水分は、重力によって衣類3の上部から下部に移動する。このため、衣類3は下部ほど含水率が高くなる。そこで、温風が下方から吹き出され、衣類3の下部に、より高温の温風が触れると、衣類3の下部に含まれる水分の蒸発を促進させることができる。さらに、衣類3は、肩部5aが幅広に形成されるハンガー5に、内側に空間を形成するように掛けられる。排気ダクト81が衣類3より上部に配置されることによって、衣類3に接触しながら流れる温風は、上方へスムーズに流れることができ、衣類3全体を効率よく乾燥させることができる。
衣類3は、水分を含まない乾燥時重量が記録されるタグを付けられてもよい。これにより、制御部は、衣類3の乾燥時重量と乾燥工程中にハンガー5で検知される衣類3の重量とを比較して乾燥度合いを判定し、衣類3の重量が乾燥時重量の近くに達したことを検知して、水分が蒸発して十分に乾燥したと判断すると、乾燥工程を終了してもよい。これによって、また、このようなタグが備えられなくとも、衣類3の濡れ具合による重量の変化を検知することにより乾燥度合いを判定し、重量変化が所定値以下となった段階で乾燥終了と判断するように構成されてもよい。
さらに、制御部は、湿度検知部81aで湿度を検知し、所定の湿度以下または湿度変化が所定値以下に達したことにより乾燥度合いを検知して、乾燥終了を判断してもよい。特に、図17に示すように、温風が吹き出される送風チャンバ8dが下方に設けられ、排気ダクト81が上方に設けられ、湿度検知部81aは衣類3の上方に設けられる。上述したように、衣類3は、内側に空間を形成するようにハンガーに掛けられるため、湿度検知部81aは、衣類3の内側を通過した空気および衣類3の外側に沿って上昇した空気の湿度を検知する。このように、制御部は、湿度検知部81aによって衣類3に接触するなどして近傍を通った空気の湿度を検知することができるため、より衣類3の乾き度合いを正確に判定できる。
なお、制御部は、これらの複数の判定方法について、単独で構成されてもよいし、複数を組み合わせて構成されてもよいのは言うまでもない。さらに、衣類3が乾燥して全ての工程が終了すると、衣類収容部2の内壁面やドア1aも乾燥しており、使用者が衣類収容部2から衣類3を取り出すときに衣類3が濡れてしまうおそれがない。
<運転終了>
制御部は、セットされた運転コースの一連の工程が終了すると、衣類洗浄運転を終了して電源を切断する(S112)。使用者は、ドア1aを開いて衣類収容部2から衣類3を取り出し、そのまま着用することができる。また、洗い終わった衣類3を着用するまで保存する保存庫として利用されてもよい。
なお、ドア1aを自動で開閉させる機構を備え、衣類洗浄運転が終了するとドア1aが開放されるように構成されてもよい。この構成によれば、乾燥により温まった衣類3を早く冷ます(クールダウンする)ことができる。また、使用者は、運転が終了したことが一目でわかる。逆に、冬の寒い季節には、衣類3を着用するまで保温しておくこともできる。
以上説明した構成によって、本実施の形態に記載される衣類洗浄装置は、本体1の小型化が実現され、配管工事などを必要とせずに設置の上で制約が少ない。つまり、本実施の形態における衣類洗浄装置は、コンパクトでスタイリッシュな形態を実現でき、居間や寝室などにも設置できる。
さらに、本実施の形態における衣類洗浄装置は、ハンガーに掛けられた衣類3に洗浄水を噴射して洗浄し、洗浄により濡れた衣類3を揺動させて効率的に脱水できる。さらに乾燥もできる。そして、洗浄される衣類3は、型崩れ、しわの発生および風合いの劣化が抑えられ、使用者は、デリケートな生地で縫製された衣類であっても手軽に洗濯できる。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態に開示される衣類洗浄装置は、ハンガー5に掛けられた衣類3を収容する衣類収容部2と、衣類3に洗浄水が供給される洗浄水流路と、ハンガー5を所定の周期で復動させるさせる揺動駆動部61と、脱水工程を含む一連の洗浄運転を実行するとともに、揺動駆動部61を制御する制御部と、を備え、制御部は、脱水工程において、揺動駆動部61が所定の周期を変更するように構成される。この構成によって、ハンガーに掛けられた衣類3に洗浄水を噴射して洗浄し、洗浄により濡れた衣類3を揺動させて効率的に脱水できる。そして、洗浄される衣類3は、型崩れ、しわの発生および風合いの劣化が抑えられ、使用者は、デリケートな生地で縫製された衣類であっても手軽に洗濯できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、少なくとも、衣類3に含まれる水分が衣類3の下部に移動することを促進する第1の周期、または、衣類3の下端からの水分の脱離を促進する第2の周期、に揺動駆動部61を制御するパラメータを有し、脱水工程において、第1の周期から第2の周期に変更するように構成される。この構成によって、衣類3の揺動状態を効果的に変化させ、衣類3に含まれる水分を効率よく降下させるとともに脱離させ、脱水効果を向上させることができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、揺動駆動部61を制御する複数のパラメータを有し、第1の周期から第2の周期に変更されるときに、段階的もしくは連続的に周期が変更されるように構成される。この構成によって、衣類3に含まれる水分量の連続的な変化に応じて揺動する周期を変化させることができるので、より効率よく脱水できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、第1の周期から第2の周期への変更パターンを複数回繰り返えすように構成される。この構成によって、衣類3の上部から下端にかけて、複数回繰り返して水分の降下が促進されるので、より効率よく脱水できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、脱水の進行を検知する脱水検知部が設けられ、制御部は、脱水の進行に応じて揺動駆動部61による周期を変更するように構成される。この構成によって、衣類3の脱水の進行にあわせて衣類3を揺動させる周期を的確に変更することができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、脱水検知部は、タイマー設定による方法、衣類3の重量変化を検知する方法、および衣類3から落下する水滴の量をカウントする方法、のうちいずれかで脱水の進行を検知するように構成される。この構成によって、制御部は、脱水の進行を精度よく検知でき、さらに脱水工程の終了を検知できる。
さらに、本実施の形態に開示される衣類洗浄装置は、ハンガー5に掛けられた衣類3を収容する衣類収容部2と、衣類3に洗浄水が供給される洗浄水流路と、衣類3を乾燥させる衣類乾燥部と、乾燥工程を含む一連の洗浄運転を実行するとともに、衣類3の乾燥度合いを判定し、衣類乾燥部を制御して乾燥工程を実行する制御部と、を備える。この構成によって、ハンガーに掛けられた衣類3に洗浄水を噴射して洗浄し、衣類3の乾燥度合いを判定して効率的に乾燥させることができる。そして、洗浄される衣類3は、型崩れ、しわの発生および風合いの劣化が抑えられ、使用者は、デリケートな生地で縫製された衣類3であっても手軽に洗濯できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、衣類3は、内側に空間を形成するように掛けられ、制御部は、その空間を通過した空気の湿度を検知する湿度検知部を含み、衣類3の乾燥度合いを判定するように構成される。この構成によって、衣類3の内側の空間に空気が送風され、衣類3のサイズや形状が異なっても効率よく乾燥させることができる。そして、衣類3の内側を通った空気の湿度を測定することができるため、衣類3の乾燥度合いを判定できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、衣類3の重量を検知する重量検知部51を含み、衣類3の重量の変化を検知して衣類3の乾燥度合いを判定するように構成される。この構成によって、制御部は、衣類3に含まれる水分量の変化、すなわち、蒸発による水分量の減少を測定することにより、衣類3の乾燥度合いを判定できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、衣類3の情報が記録されるタグから衣類3の乾燥時重量を読み取り、乾燥工程中の衣類3の重量と比較して乾燥度合いを判定するように構成される。この構成によって、制御部は、衣類3の乾燥時重量を読み取り、乾燥工程中の衣類の重量と比較して、衣類3の乾燥度合いを判定できる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、衣類収容部2の底部に設けられ洗浄水を生成する循環タンク10と、衣類3の下方から送風が吹き出される送風チャンバ8dと、を備え、送風チャンバ8dは、循環タンク10内に構成される。この構成によって、温風が吹き出される送風チャンバ8dが衣類3の下方に備えられ、送風の偏りが抑制されて乾燥効率が向上される。また、洗い工程における洗浄水貯留のための空間と、乾燥工程における送風のための空間と、を循環タンク10内で共有することができる。これによって、衣類3の下方から送風する構成を、専用の空間に配置することに比べて、衣類洗浄装置の本体1の高さを抑えて設けることができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、送風チャンバ8dは、送風の方向を変更させる風向板8eが設けられる。この構成によって、送風の方向が制御されて送風の偏りが抑制され、乾燥効率が向上する。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、衣類3を揺動させる揺動駆動部61を備える。この構成によって、衣類3を揺動させると、脱水工程における脱水を促進する効果がある。また、洗い工程およびすすぎ工程では洗浄ムラの抑制に効果がある。また、乾燥工程では乾きムラやしわの発生を抑制し、効率よく乾燥できる効果がある。
(実施の形態2)
[2−1.動作]
以下、実施の形態2として、実施の形態1における衣類洗浄装置の基本的な洗浄工程において、衣類3の吸水が激しく含水量が多い場合、制御シーケンスが変更されるフローについて説明する。図22は、実施の形態2における衣類洗浄装置の衣類洗浄運転のフローチャートである。図18に記載したフローチャートに対して、含水量判断のステップおよび判断に伴う工程を追加するとともに、共通ステップについては同じステップの符号を付すとともに一部省略して記載する。
制御部は、それぞれの工程で使用する水量を制御する。洗い工程において、洗浄水が所定量だけ供給され、送水ポンプ13bが駆動されると、洗浄水が衣類3に吸収されて浸透が進む。制御部は、洗浄水を衣類3に浸透させる前後の重量を重量検知部51によって検知し、その変化によって衣類3の含水量を検知する。このとき、衣類3の吸水が激しく含水量が多い場合、衣類3の重量が増加しているにもかかわらず、循環タンク10の洗浄水が不足する可能性がある。このようなとき、制御部は、衣類3の含水量が標準値を超えて洗浄水が不足すると判断し(S120のYes)、制御シーケンスを変更する。
具体的には、まず、所定量の洗浄水を供給したあと、給水を追加する(S121)。このとき、洗剤も追加されてもよい。そして、所定の運転時間が経過すると(S122のYes)、送水ポンプ13bの駆動が停止され、洗浄水は排水され回収される(S123)。そのあと、1回目のすすぎ工程が実施される(S124)。すすぎ工程において、衣類3の吸水に応じて多めの洗浄水が使用される。1回目のすすぎ工程が終了すると、給水タンク9aには新しい水が少ししか残っておらず、2回目以降のすすぎ工程には不足する可能性がある。
そこで、制御部は、給水タンク9aの残水量が不足する場合、使用者に対して、排水タンク9bの洗浄水を廃棄し、給水タンク9aに新しい水を入れるよう、洗浄水の入れ替えを要求する報知を報知部(図示せず)から行う(S125)。報知の方法は、音声および表示など、公知の方法が可能である。この報知により、使用者は、洗浄水の入れ替えを行う(S126)。
洗浄水が入れ替えられると、制御部は、新しい洗浄水を用いて2回目以降のすすぎ工程を実行する(S127)。それ以降は、通常の脱水工程(S109)および乾燥工程(S110)が実行される。このとき、それぞれの工程の完了判定が重量変化で行われれば、自動的に運転時間が長くなる。また、時間設定であれば、含水量などに応じて自動的に時間延長が行われてもよい。そして、乾燥工程が完了することにより、洗浄運転は終了する。
以上説明したように、制御部は、洗い工程において衣類3の含水量を検知し、衣類3の吸水が激しく含水量が多いと判断した場合、洗浄水を追加給水するとともに、途中で使用
者に洗浄水の入れ替えが必要なことを報知するように制御シーケンスを変更し、洗浄運転を継続する。これによって、使用者は適宜洗浄水の入れ替えを行うことができる。そして、給水タンク9aの容量に限界があっても、衣類3の洗い残しおよびすすぎ不足などの不具合を抑制することができる。つまり、衣類洗浄装置は、吸水が激しい衣類3を洗浄することができるとともに、使用者に洗浄水の入れ替えの要求を報知できることにより、水道栓がない場所にも設置が可能である。
なお、制御部は、衣類3の含水量が多いことを検知した場合、洗い工程において洗浄水を間欠的に噴射して循環量を減少させ、洗浄水が滴下して循環タンク10の所定水位に回復するまで待機するように構成されてもよい。このとき、制御部は、追加給水を行ってもよいし、行わなくてもよい。これによって、洗浄水の使用量が削減され、標準量を超える含水量が小さければ、給排水タンクの洗浄水の入れ替え、または、水道栓からの洗浄水の追加を不要とすることができる。衣類3の汚れが軽いものであれば、洗剤の化学作用によって洗浄が可能であり、洗浄水の入れ替え又は追加を必要とせずに洗浄運転を完了するように構成されてもよい。標準量を超える含水量が大きければ、洗浄水の入れ替えの要求を使用者に報知するように構成されてもよいのは言うまでもない。
[2−2.効果等]
以上のように、本実施の形態に開示される衣類洗浄装置は、ハンガー5に掛けられた衣類3を収容する衣類収容部2と、衣類3に洗浄水が供給される洗浄水流路と、衣類3の含水量を検知する含水量検知部と、含水量検知部により検知される衣類3の含水量に応じて制御シーケンスを変更する制御部と、を備える。この構成によって、衣類3の含水量に応じて制御シーケンスを変更し、衣類3に合った効率的な洗浄運転を行うことができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、所定量の洗浄水を供給し、含水量検知部により検知される衣類3の含水量が標準値を超える場合、給水を追加するように制御シーケンスを変更するように構成される。この構成によって、給水の容量に限界があっても、含水量に応じて制御シーケンスを変えることで、衣類3の洗い残しおよびすすぎ不足などの不具合を抑制することができる。つまり、衣類洗浄装置は、吸水が激しい衣類3を洗浄することができる。そして、使用者に洗浄水の入れ替えの要求を報知できることにより、水道栓がない場所にも設置が可能である。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、含水量検知部は、衣類収容部2の底部に溜まる洗浄水の水位を検知する水位センサを含み、制御部は、所定量の洗浄水を供給し、含水量検知部により検知される衣類3の含水量が標準値を超える場合、洗浄水の循環量を減少させ、洗浄水が所定水位に回復するまで待機するように構成される。この構成によって、洗浄水の使用量が削減され、標準量を超える含水量が小さければ、給排水タンクの洗浄水の入れ替え、または、水道栓からの洗浄水の追加を不要とすることができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、制御部は、洗浄水を間欠的に噴射して洗浄水の循環量を減少させるように構成される。この構成によって、洗浄水の循環量を減少させ、洗浄水の使用量が削減される。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、給排水タンク9および報知部を備え、制御部は、洗浄水が不足すると判断する場合、給排水タンク9の洗浄水の入れ替えを要求する報知を行うように構成される。この構成によって、使用者は適宜洗浄水の入れ替えを行うことができる。また、衣類洗浄装置を水道栓がない場所にも設置が可能である。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、含水量検知部は、衣類3の重量を検知する重量検知部を含み、制御部は、衣類3に洗浄水を浸透させる前後の重量の変化から
衣類3の含水量を検知するように構成される。この構成によって、衣類3の含水量を正確に検知することができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、含水量検知部は、衣類収容部2の底部に溜まる洗浄水の水位を検知する水位センサを含み、制御部は、衣類3に洗浄水を浸透させる前後の水位の変化によって含水量を検知するように構成される。この構成によって、衣類3の含水量を容易に検知することができる。
本実施の形態に開示される衣類洗浄装置において、電子的に記録される記録部が設けられる衣類3から衣類情報などを通信により読み取る情報取得部を含み、前記含水量の情報は、衣類情報に含まれる。この構成によって、容易に含水量情報を入手することができる。
(実施の形態3)
[3−1.構成]
以下、実施の形態3として、実施の形態1とは洗浄水流路が異なる構成について説明する。図23は、実施の形態3における衣類洗浄装置の洗浄水流路の構成を示す模式図である。洗浄水が流れる経路は、大きく分けて、給水路21と、排水路22と、循環水路23と、が設けられる点については、実施の形態1における洗浄水流路(図5参照)と同様である。
実施の形態1の洗浄水流路と比較して、実施の形態3の洗浄水流路が異なる部分は、給水ポンプ11bと送水ポンプ13bとの2台を1台の送水ポンプ20にまとめるように構成されることにある。このため、実施の形態1では給水路11が完全に独立していたが、本実施の形態では、給水路21および循環水路23は、送水ポンプ20が設けられる部分を共用する。
給水路21には、給水弁21a、注水弁21bおよび送水ポンプ20が設けられる。排水路22には、排水弁22aが設けられる。循環水路23には、循環弁23a、上ノズル弁23b、横ノズル弁23cおよび送水ポンプ20が設けられる。各水路の切り替えは、三方弁が用いられることなく、これらの複数の弁が開閉されることにより行われる。なお、本実施の形態において、すべての弁は、通電OFF時に閉状態とする。
[3−2.動作]
動作について説明する。給水時、給水弁21a、注水弁21bおよび送水ポンプ20が通電ONになり、給水タンク9aから循環タンク10に洗浄水が供給される。また、洗剤投入部15から、必要に応じて洗剤または仕上げ剤などが投入される。
循環時、循環弁23a、上ノズル弁23b、横ノズル弁23cおよび送水ポンプ20が通電ONになる。これによって、循環タンク10に貯留される洗浄水が、上ノズル7aおよび横ノズル7bから噴射され、衣類3を浸透しながら循環タンク10に滴下して循環する。なお、上ノズル弁23bおよび横ノズル弁23cが個別に制御されてもよいことは言うまでもない。さらに、図23に示すように、上ノズル7aが複数設けられ、それぞれに上ノズル弁23bが個別に設けられ、個別に制御されてもよい。
排水時、排水弁22aが通電ONになり、洗浄水が、循環タンク10から排水タンク9bに排出される。
[3−3.効果]
このように、洗浄水経路が、実施の形態1における三方弁14に代えて複数の切替弁で
切り替えるように構成され、送水ポンプ20が1台で構成されることによって、コストをより小さくすることができる。また、複数の上ノズル7aに上ノズル弁23bが個別に設けられることなどにより、より多くのバリエーションを有する噴射形態を、容易に実現することができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略、などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1〜3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態も例示する。
実施の形態1では、ハンガー5について、ブラウスおよびジャケットなどが掛けられる形態のハンガー5について説明した。上述したように、本開示において、「衣類」は水で洗浄できるものであれば、特に限定されるものではない。このため、ハンガー5は、ズボン、スカート、タオル、またはカバン類など、それぞれの形態に応じて構成されればよい。
また、重量検知部51がハンガー5に設けられる構成について説明したが、これに限られない。例えば、重量検知部51は、ハンガー保持部6に構成されてもよい。この構成によって、一つひとつのハンガー5に重量検知部51が設けられる必要がなく、合理的である。
実施の形態1では、脱水工程で揺動駆動部61が駆動されることによって、水分の降下と脱離が促進されることを説明した。また、洗い工程およびすすぎ工程において、洗浄ムラが抑制され、乾燥工程において、乾きムラやしわの発生が抑制される効果があることを説明した。
そのほかに、衣類3を濡らす洗い工程に先駆けて衣類3を揺動させ、衣類3の形が整えられるように構成されてもよい。これによって、衣類3が濡れる前であり衣類3を容易に整えられるので、しわの発生を抑えて仕上がりを良くすることができる。また、ホコリなどを払い落とすことができ、濡れることによってホコリが衣類3に余計に付着してしまうことを抑制できる。
また、洗い工程とすすぎ工程との間に、中間脱水工程が設けられ、衣類3が揺動されるように構成されてもよい。これによって、洗剤が含まれる洗浄水がより多く脱離され、衣類3に残留する洗剤成分が少なくなって、すすぎの効果が向上する。
実施の形態1および2では、洗い工程およびすすぎ工程において、洗浄水を循環させることを説明した。洗浄水を循環させている間において、休止時間が設けられてもよい。休止時間は、洗浄される衣類3の含水量が多いほど長く設定されてもよい。休止時間が設けられることによって、衣類3および衣類収容部2の壁面に付着する水が落下して循環タンク10により多く回収され、循環できる水量を確保できる。これによって、送水ポンプ13bの空運転の発生が抑制される。
また、循環タンク10の水位を検知する水位センサ(図示せず)が備えられてもよい。これによって、制御部は、循環タンク10の水位を検知しながらの運転制御ができ、送水ポンプ13bの空運転の発生が抑制される。また、洗浄水を衣類3に浸透させる前後の水位の変化から、衣類3の含水量を検知することができる。具体的には、供給される所定量
の洗浄水の水位と、衣類3に洗浄水が浸透する循環中の水位との変化から、衣類3の含水量を容易に検知することができる。実施の形態1および2において、制御部は、衣類3の含水量を検知するために、ハンガー5に設けられる重量検知部51を利用して重量の変化を検知したが、この水位センサを利用して水位の変化を検知してもよい。すなわち、制御部は、含水量検知部として、少なくとも、重量検知部51または水位センサを含んでもよい。なお、含水量の情報が、タグなどによる衣類情報に含まれてもよいことは言うまでもない。
さらに、循環水路13などに流量計が備えられ、制御部は、洗浄水の循環流量を積算するように構成されてもよい。これによって、制御部は、衣類3に噴射される洗浄水の積算流量を検知した運転制御ができ、洗いやすすぎの進行状況を推測することが可能になる。また、水位センサおよび流量計を組み合わせて衣類3に含まれる水の量を算出することもでき、給水量の制約の中で効率的な運転制御をすることも可能になる。
なお、制御部は、すすぎ工程終了時に、給水タンク9a内のきれいな残水を、循環タンク10を経由して排水タンク9bに移動させてもよい。これによって、排水路12、22および一部の循環水路13、23に残るすすぎ水を洗い流し、配管内をクリーニングできる。
実施の形態1では、衣類3が乾燥して全ての工程が終了すると、衣類収容部2の内壁面およびドア1aも乾燥していると説明した。しかし、使用者は、洗浄運転中に一時停止し、ドア1aを開けたい場合がある。このようなとき、少なくとも、運転中にはドア1aがロックされ、開放できないように構成されることが望ましい。また、ドア1aの閉鎖を検知する検知部が設けられ、ドア1aが完全に閉じられていないときには運転できないように構成されることが望ましい。これらの構成によれば、使用者が意図しない洗浄水の噴射は防止され、洗浄水が外部に飛散することが防止される。
さらに、ドア1aの内側表面に付着した水滴が床面に落下するのを防止するための水滴受け部(図示せず)が設けられてもよい。この構成によって、洗浄運転の途中で一時停止されてドア1aが開けられたとしても床面を濡らす心配がない。また、水滴受け部に溜まる水が循環タンク10に戻るように樋(図示せず)が設けられてもよい。また、衣類収容部2の内壁表面は、親水性を有するように処理されてもよい。これによって、水滴の付着が抑制されるので、乾燥工程で消費されるエネルギーが壁面に付着する水滴に奪われることが抑制される。
実施の形態1では、給排水タンク9を備え、水道設備がなくても洗浄運転できるものとして説明した。しかし、水道設備が備えられる場所であれば、給水タンク9aに代えて給水栓が給水路11に接続され、洗浄に必要な水が供給されてもよい。また、排水タンク9bに代えて排水口が排水路12から接続され、洗浄に使用された水が排水されてもよい。この構成の場合、給排水タンク9は、備えられなくてもよいし、また、備えられて水道設備と切り替えられるように構成されてもよい。給排水タンク9を設ける必要がなければ、衣類洗浄装置は、よりコンパクトに構成される。なお、実施の形態2における衣類洗浄装置であれば、使用者に洗浄水の入れ替えを報知するのではなく、自動的に追加の給水を行うように構成されてもよい。
本開示は、ハンガーに掛けられた衣類を洗浄し、洗浄で濡れた衣類を効率よく脱水できる衣類洗浄装置に適用可能である。
1 本体
1a ドア
2 衣類収容部
3 衣類
4 タンク収容部
4a スライドトレイ
5 ハンガー
5a 肩部
5b フック
5c 開口部
6 ハンガー保持部
6a フック受け
6b アーム
7 噴射ノズル
7a 上ノズル
7b 横ノズル
8 送風部
8a 給気ダクト
8b 送風装置
8c 温風ヒータ
8d 送風チャンバ
8e 風向板
9 給排水タンク
9a 給水タンク
9b 排水タンク
10 循環タンク
10a 送水口
10b 出口管
11 給水路
11a 給水管
11b 給水ポンプ
11c 注水口
12 排水路
12a 排水管
13 循環水路
13a 送水管
13b 送水ポンプ
14 三方弁
15 洗剤投入部
15a 駆動接手
15b 押出し駆動部
15c カバー
16 洗剤カートリッジ
16a 洗剤バッグ
16b ピストン
16c スクリュー
16d ケース
16e 洗剤吐出口
17 送水切替部
20 送水ポンプ
21 給水路
21a 給水弁
21b 注水弁
22 排水路
22a 排水弁
23 循環水路
23a 循環弁
23b 上ノズル弁
23c 横ノズル弁
51 重量検知部
51a 検知部カバー
52 起歪体
52a 歪ゲージ
53 検知基板
53a 電源部
53b 信号処理部
53c 通信部
61 揺動駆動部
61a 揺動モータ
61b 偏心カム
61c 揺動板
61d 軸部
61e 軸受け
62 ボールベアリング
62a 外輪
62b 内輪
81 排気ダクト
91 給水バッグ(給水タンク)
91a 胴部
91b 給水口
91c 給水キャップ
91d 給水接続口
92 排水容器(排水タンク)
92a 排水口
92b 排水キャップ
92c 排水接続口
92d 接続口開口
92e ハンドル
93 容器蓋

Claims (6)

  1. ハンガーに掛けられた衣類を収容する衣類収容部と、
    前記衣類に洗浄水が供給される洗浄水流路と、
    前記ハンガーを所定の周期で復動させる揺動駆動部と、
    脱水工程を含む一連の洗浄運転を実行するとともに、前記揺動駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記脱水工程において、前記揺動駆動部が前記所定の周期を変更するように構成される、
    衣類洗浄装置。
  2. 前記制御部は、少なくとも、前記衣類に含まれる水分が前記衣類の下部に移動することを促進する第1の周期、および、前記衣類の下端からの水分の脱離を促進する第2の周期、に前記揺動駆動部を制御するパラメータを有し、前記脱水工程において、前記第1の周期から前記第2の周期に変更するように構成される、
    請求項1に記載の衣類洗浄装置。
  3. 前記制御部は、前記揺動駆動部を制御する複数のパラメータを有し、前記第1の周期から前記第2の周期に変更されるときに、段階的もしくは連続的に周期を変更するように構成される、
    請求項2に記載の衣類洗浄装置。
  4. 前記制御部は、前記第1の周期から前記第2の周期への変更パターンを複数回繰り返すように構成される、
    請求項2または3に記載の衣類洗浄装置。
  5. 脱水の進行を検知する脱水検知部が設けられ、
    前記制御部は、前記脱水検知部の検知結果に応じて前記揺動駆動部による周期を変更するように構成される、
    請求項1から4の何れか一項に記載の衣類洗浄装置。
  6. 前記脱水検知部は、タイマー設定による方法、衣類の重量変化を検知する方法、および前記衣類から落下する水滴の量をカウントする方法、のうちいずれかで脱水の進行を検知するように構成される、
    請求項5に記載の衣類洗浄装置。
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CN117842519A (zh) * 2024-03-07 2024-04-09 福建金百利纸品有限责任公司 一种具有运输防摩擦的服装转移容器
CN117842519B (zh) * 2024-03-07 2024-06-11 福建金百利纸品有限责任公司 一种具有运输防摩擦的服装转移容器

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