JP2021016226A - モータの磁石温度の推定方法、及び、磁石温度の推定装置 - Google Patents

モータの磁石温度の推定方法、及び、磁石温度の推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁束センサを用いることなく永久磁石の磁石磁束鎖交数を算出して永久磁石の推定温度を求めることで、永久磁石の推定温度の精度の向上を図る。【解決手段】モータの制御方法は、トルク指令値に応じた目標電流を流すことによりモータの回転を制御する(15)。モータの制御方法は、目標電流を変化させ(12)、目標電流を変化させる前の第1状態、及び、目標電流を変化させた後の第2状態のそれぞれにおいてd軸磁束鎖交数を求め(21)、第1状態、及び、第2状態におけるd軸磁束鎖交数に基づいて、回転子が備える永久磁石の磁石磁束鎖交数を算出し(22)、算出した磁石磁束鎖交数に応じて、永久磁石の磁石温度を推定する(17)。【選択図】図1

Description

本発明は、モータの磁石温度の推定方法、及び、磁石温度の推定装置に関するものである。
モータの制御精度を向上させるために、回転中のモータの磁石温度を推定し、推定した磁石温度を用いてモータを制御する技術が検討されている。例えば、特許文献1に開示されている技術によれば、コイルエンドに磁束センサを設け、ロータからの漏洩する磁石磁束を磁束センサによって検出し、予め記憶している漏洩する磁石磁束と磁石温度との関係から磁石温度が推定されている。
特開2004−222387号公報
特許文献1に開示されている技術によれば、磁石磁束に加えてコイルに負荷電流が流れることによっても負荷磁束が発生しており、コイルの近傍に存在する磁束センサが負荷磁束と磁石磁束との合計磁束を検出してしまうことがある。そのため、磁石磁束の測定精度が低下してしまい、磁石温度の推定精度が低下するおそれがあるという課題があった。
本発明のモータの磁石温度の推定方法は、トルク指令値に応じた目標電流を流すことによりモータの回転を制御する。モータの制御方法は、目標電流を変化させ、目標電流を変化させる前の第1状態、及び、目標電流を変化させた後の第2状態のそれぞれにおいてd軸磁束鎖交数を求め、第1状態、及び、第2状態におけるd軸磁束鎖交数に基づいて、回転子が備える永久磁石の磁石磁束鎖交数を算出し、算出した磁石磁束鎖交数に応じて、永久磁石の磁石温度を推定する。
本発明のモータの磁石温度の推定方法によれば、磁束センサを用いることなく永久磁石の磁石磁束鎖交数を算出し、この磁石磁束鎖交数に応じて永久磁石の推定温度を求めることで、永久磁石の推定温度の精度の向上を図る。
図1は、第1実施形態のモータシステムの概略構成図である。 図2は、磁石磁束鎖交数算出部の詳細な構成を示すブロック図である。 図3は、磁束鎖交数推定部の詳細な構成を示すブロック図である。 図4は、制御対象へと流れる電流を示す図である。 図5は、第2実施形態のモータへと流れる電流を示す図である。 図6は、第3実施形態のモータへと流れる電流を示す図である。 図7は、磁石磁束鎖交数算出部の詳細な構成を示すブロック図である。 図8は、第4実施形態のモータシステムを構成するニューラルネットワークの構成を示す図である。 図9は、第5実施形態のモータシステムの一部のトルク誤差補償部に関する構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態における磁石温度の推定装置を有するモータシステムについて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の磁石温度の推定装置を有するモータシステムの概略構成図である。
モータシステム10には、制御対象であるモータ1が含まれている。そのため、モータ1以外の点線で示されるA部が、モータ制御装置に相当する。なお、モータ制御装置は、モータ1のロータが備える永久磁石の磁石温度を推定する。さらに、モータ制御装置は、その推定した磁石温度を用いてモータ1の回転動作を制御する。
モータシステム10においては、電流指令値算出部11は、トルク指令値T*に応じてトルク電流指令値id * ,q *が算出される。なお、電流指令値算出部11には、補正部11Aが並設されており、補正部11Aは推定された磁石温度Tmagに応じた補正値を電流指令値算出部11に出力する。例えば、磁石温度Tmagが高くなると出力されるトルク値が小さくなる傾向にあるので、補正部11Aは、トルク電流指令値id * ,q *が大きくなるように正の補正値を出力する。
算出されたトルク電流指令値id * ,q *において、d軸トルク電流指令値id *に対して、微小電流重畳部12から出力される微小電流指令値Δid *が加算器13により重畳される。さらに、重畳されたトルク電流指令値id * ,q *に対して、モータ1からのフィードバック入力である電流値id,qが減算器14により負帰還される。そして、加算器13、減算器14を経たトルク電流指令値id * ,q *が負荷電流制御部15に入力される。
負荷電流制御部15は、一般的なPI制御器であって、モータ1における観測値である電流値id,qを用いたフィードバック制御を行う。負荷電流制御部15は、モータ1における電流値id,qがトルク電流指令値id * ,q *に追従するように電圧指令値vd * ,q *を生成して、生成した電圧指令値vd * ,q *をモータ1に出力する。
モータ1は、インバータやセンサを含む構成であってもよい。電圧指令値vd * ,q *の入力に応じてインバータによって生成された三相交流電圧がモータ1のバスバに印加されて、モータ1のロータが回転駆動する。そして、インバータとモータ1との間の配線上に電流センサが設けられており、電流センサにより検出された三相交流電流が相変換されることで、dq軸の電流値id,qを取得することができる。
微小電流重畳部12は、上位装置から磁石温度の推定要求に応じてTrigが入力されると、その期間だけ、直流の微小電流Δidが流れるように、微小電流指令値Δid *を生成する。モータシステム10においては、微小電流指令値Δid *がトルク電流指令値id * ,q *に重畳されることで、後述の磁石温度の推定が行われる。そして、微小電流指令値Δid *が重畳される期間と、重畳されない期間との2つの期間の測定値を用いて、モータ1のロータが備える永久磁石の磁石温度Tmagを推定する。磁石温度Tmagの推定方法の詳細については後に説明する。
磁石磁束鎖交数算出部16には、モータ1への入力となる電圧指令値vd * ,q *、モータ1において検出される電流値id,q、及び、微小電流重畳部12に入力されるTrigに加えて、モータ1のロータの近傍に設けられるレゾルバにより検出される電気位相角θeが入力される。磁石磁束鎖交数算出部16は、これらの入力に基づいてモータ1のロータに設けられる永久磁石に起因する磁石磁束鎖交数ψaを推定する。
磁石温度推定部17は、予め記憶しているテーブルを用いて、磁石磁束鎖交数算出部16により推定された磁石磁束鎖交数ψaと、モータ1において観測される電流値id,qに基づいて、磁石温度Tmagを推定する。
なお、この推定された磁石温度Tmagは、補正部11Aを経て電流指令値算出部10に再帰的に入力され、磁石温度Tmagに応じてトルク電流指令値id * ,q *を変化させることで、モータ1の回転制御の精度を向上させることができる。また、第5実施形態のように、モータシステム10内にトルク誤差補正部(図9参照)を設けて、磁石温度Tmagの推定過程で求められるモータ1の磁束鎖交数を用いて、モータ1の回転制御の精度の向上を図ってもよい。
図2は、磁石磁束鎖交数算出部16の詳細な構成を示すブロック図である。
磁石磁束鎖交数算出部16は、磁束鎖交数推定部21と、磁石磁束鎖交数決定部22とを有する。
磁束鎖交数推定部21は、電圧指令値vd * ,q *、電流値id,q、及び、ロータの電気位相角θeの入力を受け付けると、磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^を推定し、磁石磁束鎖交数決定部22に出力する。なお、磁束鎖交数推定部21における詳細な処理は、後に図3を用いて説明する。また、磁束鎖交数推定部21においてはdq軸磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^が算出されるが、後段の磁石磁束鎖交数決定部22における処理には、d軸磁束鎖交数推定値ψd ^のみが用いられる。
磁石磁束鎖交数決定部22は、磁束鎖交数推定部21により推定されたdq軸磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^のうちのd軸磁束鎖交数推定値ψd ^、電流値id,q、及び、Trigの入力を受け付ける。図1に示された微小電流重畳部12は、Trigが入力されている期間だけ微小電流指令値Δid *を重畳するため、磁石磁束鎖交数決定部22には、Trigが入力されている期間と、入力されていない期間との2つの期間のd軸磁束鎖交数推定値ψd ^が入力される。そして、磁石磁束鎖交数決定部22は、それらの2つの期間のd軸磁束鎖交数推定値ψd ^を用いて、後述の(4)式に従って、磁石温度Tmagを推定する。
図3は、磁束鎖交数推定部21の詳細な構成を示すブロック図である。dq軸はロータと同期した回転座標系であり、αβ軸は静止座標系であるものとする。
磁束鎖交数推定部21は、抵抗値算出部31、dq/αβ変換部32、及び、減算器301からなる電圧モデル部と、インダクタンス算出部33、加算器302、dq/αβ変換部34、減算器303、及び、PI制御器35からなる電流モデル部とを有する。そして、電圧モデル部及び電流モデル部からの出力は加算器304において加算され、加算結果が積分器36において時間積分されることで、αβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^が算出される。最終的に、αβ/dq変換部37を経て、dq軸磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^が出力される。なお、dq/αβ変換部32、dq/αβ変換部34、及び、αβ/dq変換部37における変換処理においては、レゾルバにより検出されるロータの電気位相角θeが用いられる。
まず、電圧モデル部について説明する。
抵抗値算出部31は、入力される電流値id,qに対して抵抗値Rd,qを乗ずることで、モータ1の巻線抵抗に生じる電圧値を算出する。この値は、後段に設けられるdq/αβ変換部32によってαβ座標の値に変換される。そして、減算器301において、電圧指令値vα * ,β *から、dq/αβ変換部32から出力される巻線抵抗の電圧値を減算することでΔvα,Δvβを算出する。
そして、電圧モデル部から出力されるΔvα,Δvβは、加算器304において、後述のように電流モデル部からの出力値と加算される。積分器36は、加算器304における加算結果に対して積分を行うことで、αβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^を算出する。αβ/dq変換部37においては、入力されるαβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^に対してαβ/dq変換をすることで、dq軸磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^を算出する。
ここで、モータ1においては、磁束鎖交数の時間変化量に応じて誘起電圧が発生しており、この誘起電圧は電圧指令値と巻線抵抗の電圧値との差Δvα,Δvβに相当する。そのため、誘起電圧に相当するΔvα,Δvβを時間積分することで、モータ1における鎖交磁束数を求めることができる。そこで、Δvα,Δvβを後段の積分器36において時間積分することで、モータ1における磁束鎖交数として、αβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^が求められる。
しかしながら、積分処理に起因して不定数である積分乗数が生じてしまう。そこで、積分乗数により生じる誤差を抑制するために、インダクタンス算出部33〜PI制御器35からなる電流モデル部が構成されている。以下では、電流モデル部について説明する。
インダクタンス算出部33は、電流値id,qに対してモータ1のインダクタンス値Ld,qを乗ずることで、モータ1において電流の負荷に応じて発生する磁束鎖交数を算出する。この処理は、一般的な電流、インダクタンス、及び、磁束鎖交数の関係に基づいている。なお、インダクタンス値Ld,qは固定値であるものとする。
加算器302は、インダクタンス算出部33において算出された電流に起因する磁束鎖交数と、磁石磁束鎖交数固定値ψa'とを加算することで、dq軸磁束鎖交数推定値(電流モデル)ψd_i ^ ,ψq_i ^を算出する。なお、磁石磁束鎖交数固定値ψa'は、モータ1において電流が印加されない無負荷状態における永久磁石に起因する磁石磁束鎖交数であって、予め磁束鎖交数推定部21に記憶されている。このように、磁石磁束鎖交数固定値ψa'を予め加算しておくことで、初期状態がない駆動直後などの状態におる誤差を抑制できる。
dq/αβ変換部34においては、dq軸磁束鎖交数推定値(電流モデル)ψd_i ^ ,ψq_i ^に対してdq/αβの変換をすることで、αβ軸磁束鎖交数推定値(電流モデル)ψα_i ^ ,ψβ_i ^を算出する。
減算器303においては、αβ軸磁束鎖交数推定値(電流モデル)ψα_i ^ ,ψβ_i ^から、後段の積分器36から出力されるαβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^を減じることで、Δψα_i,Δψβ_iを算出する。
そして、PI制御器35においては、Δψα_i,Δψβ_iに対してPI制御を行うことにより、αβ軸磁束鎖交数推定値(電流モデル)ψα_i ^ ,ψβ_i ^とαβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^との偏差が小さくなるように制御される。
上述のように電圧モデル部からの出力を積分器36により積分する際に、積分定数が生じて系が不安定となるおそれがある。しかしながら、電流モデル部において、PI制御器35によってフィードバック系が組まれるとともに、減算器301においては初期値として磁石磁束鎖交数固定値ψa’が入力される。このような構成となることで、初期状態を含む任意の状態において、積分定数が不定となることに起因するαβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^の精度悪化を抑制することができる。
ここで、電圧モデル部、及び、電流モデル部それぞれの、dq軸磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^の推定に対する寄与度は、PI制御器35において定めることができる。例えば、PI制御器35におけるゲインが低下するように設計することで、電流モデルに比べて電圧モデルがαβ軸磁束鎖交数推定値ψα ^ ,ψβ ^の推定に強く影響することになる。また、モータ1の回転数が大きい場合には、電流モデル部に設けられるPI制御器35のゲインが低下することが知られており、このような高回転時のゲイン低下が考慮されてPI制御器35が設計される。
図4は、モータ1へと流れる電流を示す図である。この図において、x軸は時間を示し、y軸はd軸電流値idを示す。
期間1において微小電流重畳部12は何も出力しておらず、期間2においてはTrigに応じて微小電流重畳部12が微小電流指令値Δid *を出力する。そのため、期間1においてidであった電流値は、期間2においては微小電流重畳部12から微小電流指令値Δid *が重畳されることにより、d軸電流値id’となる。なお、この期間2は、Trigが微小電流重畳部12に入力される期間である。なお、期間1は第1状態の一例であり、期間2は第2状態の一例である。
次に、磁石磁束鎖交数決定部22における磁石磁束鎖交数の算出方法について説明する。
上述のように、磁束鎖交数推定部21は、電流値id,qから磁束鎖交数ψd,ψqを推定する。そして、電流値id,qが流れる間において、モータ1において生じるd軸磁束鎖交数ψdは、磁石磁束鎖交数ψaと、電流に起因する磁束鎖交数との和となる。なお、電流に起因する磁束鎖交数は、d軸インダクタンスLd及びd軸電流値idの積(Ld・id)により定められる。
そのため、期間1におけるd軸磁束鎖交数をψd、d軸電流をidとし、期間2におけるd軸磁束鎖交数をψd’、d軸電流をid’とすると、期間1と期間2とにおいて、それぞれ次式が成立する。
Figure 2021016226
Figure 2021016226
これらの式(1)、(2)のそれぞれについて、インダクタンスLが等しいと仮定すると、(1)式からインダクタンスLは以下のように示すことができる。
Figure 2021016226
(3)式を(2)式に代入すれば、次の式を導出できる。
Figure 2021016226
磁石磁束鎖交数決定部22は、期間1、2の2つの期間における測定値を用いてd軸磁束鎖交数ψd、ψd’を算出し、(4)式に基づいて、d軸磁束鎖交数ψd、ψd’とd軸電流値id、id’とを用いて磁石磁束鎖交数ψaを推定することができる。
磁石温度推定部17は、予め、d軸電流値id、q軸電流値iq、及び、磁石磁束鎖交数ψaと、磁石温度Tmagとを対応つけたテーブルを記憶しており、入力値とテーブルとを用いて、磁石温度Tmagを推定する。なお、磁石温度推定部17は、1つの電流動作点だけでなく多数の電流動作点に対し個々にテーブルを記憶することで、磁石温度Tmagの推定精度を向上させることができる。
なお、テーブル値は、d軸電流値id、q軸電流値iq、磁石磁束鎖交数ψa、及び、磁石温度Tmagの4つのパラメータを持つテーブルであるため、全てのパラメータを精度よく対応させたテーブルを記憶するのは難しい。そこで、入力値がテーブルに存在しない場合には、線形補完などの方法を用いてテーブルを補完する。このようにすることで、予めテーブルの作成に要する時間を短くすることができるだけでなく、磁石温度推定部17が記憶するテーブルの容量を小さくすることができる。なお、第4実施形態において、テーブルを用いずにニューラルネットワークを用いて磁石温度Tmagを推定する説明する。
なお、本実施形態においては、微小電流重畳部12を用いてd軸の微小電流を重畳させる例について説明したが、これに限らない。d軸成分を服務微小電流が重畳されてもよい。例えば、アクセル操作などに応じて所望のタイミングで電流の大きさが変化する場合には、そのタイミングに応じてd軸磁束交鎖数ψdを推定することで、磁石磁束鎖交数ψaを求めることができる。
第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第1実施形態のモータ1の磁石温度の推定方法によれば、微小電流重畳部12は、Trigの入力に応じて、目標トルクに応じたトルク電流指令値id * ,q *に対して、トルク電流指令値id * ,q *よりも小さな微小電流指令値Δid *を重畳することでトルク電流指令値id * ,q *を変化させる。そして、磁束鎖交数推定部21は、微小電流指令値Δid *が重畳される期間1(第1状態)と、重畳されない期間2(第2状態)とのそれぞれにおいてd軸磁束鎖交数推定値ψd ^を推定する。磁石磁束鎖交数決定部22は、期間1と期間2との場合におけるd軸磁束鎖交数推定値ψd ^に基づいて、回転子が備える永久磁石の磁石磁束鎖交数ψaを算出する。そして、磁石温度推定部17は、磁石磁束鎖交数ψaに基づいて永久磁石の磁石温度Tmagを推定する。
また、磁束の変化に応じて生じる誘起電圧に相当するΔvα,Δvβを求め、その誘起電圧を積分器36において積分することで、磁束鎖交数推定値ψd ^ ,ψq ^を推定する。これにより、磁束センサを用いることなく磁石磁束鎖交数ψaを求めることができる。そのため、磁束センサが磁石磁束以外の負荷磁束を測定するおそれがなくなり、磁石鎖交磁束数を精度よく求めることができ、その結果、磁石温度Tmagの推定精度を向上させることができる。その結果、高い精度で推定された磁石温度Tmagを用いて目標電流を制御することで、モータ1の回転制御の精度の向上を図ることができる。
第1実施形態のモータ1の磁石温度の推定方法によれば、微小電流指令値Δid *の重畳の有無に応じた期間1、2において、異なるd軸磁束鎖交数推定値ψd ^が求められる。ここで、d軸磁束鎖交数推定値ψd ^の一部である磁石磁束鎖交数ψaは、微小電流指令値Δid *の重畳の有無では変化しないものと仮定する。さらに、d軸磁束鎖交数推定値ψd ^のその他の部分は、d軸電流値idとd軸インダクタンスLdとの積に相当するが、d軸インダクタンスLdは微小電流指令値Δid *の重畳の有無では変化しないものと仮定する。
そこで、まず、微小電流指令値Δid *を重畳しない期間1における場合において、d軸磁束鎖交数推定値ψd ^とd軸電流値idとを用いてd軸インダクタンスLdを算出しておく。そして、算出したd軸インダクタンスLdを微小電流指令値Δid *を重畳する期間2における場合に代入することで磁石磁束鎖交数ψaを求めることができる。詳細には、式(4)を用いることにより、磁石磁束鎖交数ψaを求めることができる。
第1実施形態のモータ1の磁石温度の推定方法によれば、磁石温度推定部17は、予め、d軸電流値id、q軸電流値iq、及び、磁石磁束鎖交数ψaと、磁石温度Tmagとの対応関係を示すテーブルを記憶しており、入力されるこれらのパラメータと、それらの対応関係を示すテーブルとを用いて、磁石温度Tmagを推定する。このようにテーブルを用いることで、磁石温度推定部17の処理負荷を高めることなく、テーブル検索のみで磁石温度Tmagを推定することができる。
また、テーブルに記憶されるサンプル数が少ない場合において、入力されるパラメータがテーブル含まれない場合には、テーブルに存在しないパラメータをテーブルにおいて補完し、補完されたテーブルを用いて磁石温度Tmagを推定する。このようにすることで、磁石温度推定部17の処理負荷は若干高くなるが、テーブルを小さくすることがでるのでメモリ使用量の低減を図ることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、微小電流重畳部12は、期間1において微小電流を出力せず、期間2において正の微小電流を出力したがこれに限らない。第2実施形態においては、微小電流重畳部12は、微小電流の無出力、正の微小電流の重畳、及び、負の微小電流の重畳を繰り返し行ってもよい。
図5は、モータ1に流れる電流を示す図である。期間1において微小電流重畳部12は何も出力しておらず電流値はidである。期間2において微小電流重畳部12は正の微小電流が重畳されるように微小電流指令値Δid *を出力しているので、モータ1に流れる電流値はid2となる。期間3において微小電流重畳部12は負の微小電流が重畳されるように指令値−Δid *を出力しているので、電流値はid3となる。
ここで、期間1及び2と、期間1及び3とにおいては、それぞれに、式(3)の関係が成立するため、次の2つの式が成立する。
Figure 2021016226
Figure 2021016226
ただし、ψa1は、期間1及び2を用いて算出した磁石磁束鎖交数、ψa2は、期間1及び3を用いて算出した磁石磁束鎖交数である。さらに、ψd1、id1は、それぞれ、期間1におけるd軸磁束鎖交数、d軸電流であり、ψd2、id2は、それぞれ、期間2におけるd軸磁束鎖交数、d軸電流であり、ψd3、id3は、それぞれ、期間3におけるd軸磁束鎖交数、d軸電流である。
そして、式(5)、(6)の平均をとることで、磁石磁束鎖交数ψaは次式のように求められる。
Figure 2021016226
このような(7)式を用いることで、微小電流重畳部12の構成を大きく変えることなく、正及び負の微小電流が重畳される状態を用いて磁石磁束鎖交数ψaを算出できるので、推定精度を向上させることができる。なお、本実施形態においては、同じ大きさで符号の異なる微小電流を重畳させたが、これに限らない。異なる大きさの3以上の微小電流を重畳させ、3以上の磁石磁束鎖交数を算出して、これらの平均を求めてもよい。
第2実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
第2実施形態のモータ1の磁石温度の推定方法によれば、微小電流重畳部12は、期間1においては微小電流を重畳せず、期間2においては正の微小電流指令値Δid *を重畳し、期間3において負の微小電流指令値Δid *を重畳する。そして、期間1、2のd軸磁束鎖交数ψdを用いて算出する磁石磁束鎖交数と、期間1、3のd軸磁束鎖交数ψdを用いて算出する磁石磁束鎖交数との平均を、最終的な磁石磁束鎖交数ψaとする。このようにサンプル数を増やすことにより、より高い精度で磁石磁束鎖交数ψaを推定できるので、磁石温度Tmagの推定精度の向上を図ることができる。
(第3実施形態)
第1、2実施形態においては、所定の直流の微小電流を重畳させたがこれに限らない。第3実施形態においては、交流の微小電流を重畳させる例について説明する。なお、この方法によれば、モータ1においては直流成分で制御されており、交流成分は磁石温度の推定にのみ用いられるものとして区別することができるため、磁石温度Tmagの推定精度のさらなる向上を図ることができる。
図6は、第3実施形態のモータシステム10によってモータ1に流れる電流を示す図である。この図に示されるように、微小電流重畳部12は、Trigに応じて、期間2において周波数fHF、振幅iHFの交流電流を出力しており、交流電流がd軸電流値idに重畳される。
図7は、第3実施形態のモータシステム10における磁石磁束鎖交数算出部16の構成を示す図である。本実施形態の磁石磁束鎖交数算出部16は、図2に示された第1実施形態の磁石磁束鎖交数算出部16と比較すると、インダクタンス推定部71が追加されている。
ここで、微小電流重畳部12から交流電流が入力されている期間2においては、モータ1における電圧ベクトルには、インダクタンスLに起因して生じる電圧成分であって、重畳される電流ベクトルに対して90度の位相が進む成分vHF_imgが含まれる。このインダクタンスが寄与する成分であるvHF_imgを測定し、測定したvHF_imgを用いて、次式に基づいてd軸インダクタンスLdを算出することができる。
Figure 2021016226
インダクタンス推定部71には、ロックインアンプなどにより検出されたvHF_imgが入力される。さらに、インダクタンス推定部71は、予め記憶している微小電流重畳部12にて生成する交流成分の周波数fHF、振幅iHFを記憶している。インダクタンス推定部71は、Trigが入力されている区間2において、式(8)に基づいて、d軸インダクタンスLdを推定することができる。
そして、磁石磁束鎖交数決定部22は、次式を用いて磁石磁束鎖交数ψaを推定する。
Figure 2021016226
(9)式は、推定されるd軸磁束鎖交数推定値ψdは、磁石磁束鎖交数ψaと電流に起因する磁束Ld・idとの和であることに起因する。このようにしても、磁石磁束鎖交数ψaを算出することができる。なお、磁石磁束鎖交数ψaの算出は、交流信号が重畳されていない期間1において行う方が、d軸電流値idが安定しており望ましい。しかしながら、これに限らず、期間2において行ってもよい。
第3実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
第3実施形態のモータ1の磁石温度の推定方法によれば、微小電流重畳部12において、交流の微小電流が重畳される。このような交流の電流が重畳される場合においては、モータ1において観測される電圧ベクトルにおいて、インダクタンス成分に起因して、重畳される電流ベクトルに対して90度の位相が進んだ成分vHF_imgが含まれる。そこで、この観測されたvHF_imgと、重畳された交流の微小電流とによって、d軸インダクタンスLdを算出する。このように、d軸インダクタンスLdを直接的に算出することができるため、第1、第2実施形態のようにd軸インダクタンスLdが固定であると仮定する場合よりも、磁石磁束鎖交数ψaの推定精度を向上させることができる。
(第4実施形態)
第1乃至3実施形態においては、磁石温度推定部17において、予め、d軸電流値id、q軸電流値iq、及び、磁石磁束鎖交数ψaと、磁石温度Tmagとを対応つけたテーブルを記憶する例について説明したが、これに限らない。第4実施形態においては、磁石温度推定部17において、ニューラルネットワークを用いて磁石温度Tmagを推測する例について説明する。
図8は、ニューラルネットワークの構成を示す例である。ニューラルネットワークにおいては入力層(Input Layer)と出力層(Output Layer)との間に複数の隠れ層(Hidden Layer)が設けられている。本実施形態においては、入力層には磁石磁束鎖交数ψaが入力され、出力層からは磁石温度Tmagが出力される。また、隠れ層においては、ニューロン1〜4が示されている。なお、この例では、ニューロンにおける発火関数は、非線形関数である1/(1+e-ax)が用いられるものとする。
この例においては、入力層から、それぞれ入力重み付け1〜4(Win-1〜Win-4)を乗じて、ニューロン1〜4へと入力される。そして、ニューロン1〜4においては、それぞれオフセット1〜4が加算された後に、出力重み付け1〜4(Wout-1〜Wout-4)がなされて、出力層へと出力される。なお、出力層においても、オフセット(Offset_out)が付与される。そのため、推定される磁石温度Tmagは以下のように示すことができる。
Figure 2021016226
このように、入力に対して重みの乗算、オフセット値の加算、及び、非線形関数を用いることで、入力データから出力データを近似的に求めることができる。実際の磁石温度推定部17においては、これら重み、オフセット、非線形関数を行列として実装することでニューラルネットワークを実現できる。なおニューラルネットワークに限らずカーネル法等の他の方法を用いても良い。
第4実施形態によれば、このように、定数、および非線形関数を成分とする行列を用いて、ニューラルネットワーク等の方法により磁石磁束鎖交数ψaから、磁石温度Tmagを推定することで、磁石温度推定部17において磁石磁束鎖交数に関するテーブルを記憶する必要がなくなるので、磁石温度推定部17の構成を簡略化することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態においては、モータ1に対する負荷電流制御部15に対する補正として、推定した磁束鎖交数推定値ψd ^、ψq ^に応じた補正を行う例について説明する。なお、この補正は、q軸電流値iqを補正することにより行われる。
ここで、モータ1において生じるトルクTは、磁束鎖交数推定値ψd ^、ψq ^と電流値id、iqとの外積として推定できることが知られており、次式のように示せることが知られている。なお、次式で推定されるトルクは、1極対あたりに生じるトルクである。
Figure 2021016226
図9は、負荷電流制御部15に対してトルク誤差補償を行う場合のブロック図である。
この構成のうち、磁束鎖交数推定部21から、乗算器901、902、加算器903、及び、乗算器904までの構成が、式(11)に相当する。すなわち乗算器901によるd軸磁束鎖交数推定値ψd ^とq軸電流値iqとの積と、乗算器902によるq軸磁束鎖交数推定値ψq ^とd軸電流値idとの積とが、加算器903によって加算されることで、1極対あたりのトルクが算出される。さらに後段の乗算器904によれば、極対数が乗ざれてトルク推定値T^が算出される。
そして、減算器905において、トルク指令値T*からトルク推定値T^が減じられたものがトルク誤差補償部91に入力される。トルク誤差補償部91においては、トルク推定値T^がトルク指令値T*に追従するようにq軸電流補正値が算出され、加算器906においてq軸電流指令値iq *に加算される。
そして、トルク誤差補償部91の前段において、トルク指令値T*に対してトルク推定値T^を減算することでトルク誤差が算出され、トルク誤差補償部91においてはそのトルク誤差が補償されるようなq軸電流補正値が求められる。そして、トルク誤差補償部91の後段において、q軸電流指令値iq *に対してq軸電流補正値が減算補正される。q軸電流値iqはトルク制御に適しているだけでなく、磁石温度測定に用いられる微小電流はd軸電流値idに重畳されておりq軸電流値iqには電流補正値が加減されるだけの余裕がある。そのため、q軸電流値iqを制御することで、トルク誤差を補正することができる。
第5実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
第5実施形態のモータ1の磁石温度の推定方法によれば、推定した磁石温度Tmagを用いてモータ1において生じているトルク推定値T^を推定し、トルク推定値T^がトルク指令値T*に追従するようにq軸電流指令値iq *に対して補正を行う。磁石温度Tmagの測定は、モータ1のトルクへの影響が少ないd軸電流値idに微小電流を重畳させており、q軸電流値iqはトルク制御のための余裕があるため比較的トルク補正を行いやすい。このようにq軸電流指令値iq *に対して補正をすることにより、磁石温度Tmagが考慮されたモータ1の制御が行われるので、トルク変動を低減するとともに、静音化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
10 モータシステム
1 モータ
11 電流指令値算出部
11A 補正部
12 微小電流重畳部
15 負荷電流制御部
16 磁石磁束鎖交数算出部
17 磁石温度推定部
21 磁束鎖交数推定部
22 磁石磁束鎖交数決定部

Claims (13)

  1. トルク指令値に応じた目標電流を流すことによりモータの回転を制御するモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記目標電流を変化させ、
    前記目標電流を変化させる前の第1状態、及び、前記目標電流を変化させた後の第2状態のそれぞれにおいてd軸磁束鎖交数を求め、
    前記第1状態、及び、前記第2状態におけるd軸磁束鎖交数に基づいて、回転子が備える永久磁石の磁石磁束鎖交数を算出し、
    算出した前記磁石磁束鎖交数に応じて前記永久磁石の磁石温度を推定する、モータの磁石温度の推定方法。
  2. 請求項1に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記モータに流れる電圧の測定値と、前記目標電流に応じた電圧指令値との差分を求め、
    前記差分を積分することにより、前記d軸磁束鎖交数を含む磁束鎖交数を求める、モータの磁石温度の推定方法。
  3. 請求項1または2に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記目標電流に対して前記目標電流よりも小さな微小電流を重畳することにより、前記目標電流を変化させ、
    前記第1状態では、前記微小電流が重畳されておらず、前記第2状態では、前記微小電流が重畳されている、モータの磁石温度の推定方法。
  4. 請求項3に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記微小電流は、直流であり、
    前記第2状態におけるd軸磁束鎖交数、及び、前記モータに流れるd軸電流に基づいて、前記モータのインダクタンスを求め、
    前記第1状態のd軸磁束鎖交数から、前記インダクタンスと前記第1状態のd軸電流との積を減じることで、前記磁石磁束鎖交数を算出する、モータの磁石温度の推定方法。
  5. 請求項4に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記磁石磁束鎖交数は、式(1)により算出される、モータの磁石温度の推定方法。
    Figure 2021016226
    dは、前記第1状態における前記d軸電流であり、
    ψdは、前記第1状態における前記d軸磁束鎖交数であり、
    d’は、前記第2状態における前記d軸電流であり、
    ψd’は、前記第2状態における前記d軸磁束鎖交数である。
  6. 請求項3に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    2以上の大きさの異なる微小電流を用いて、2以上の前記磁石磁束鎖交数を算出し、
    算出された2以上の前記磁石磁束鎖交数を平均することで、前記磁石磁束鎖交数を算出する、モータの磁石温度の推定方法。
  7. 請求項3に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記微小電流は、交流であり、
    前記第2状態において、前記モータの電圧ベクトルにおける前記微小電流のベクトルに対する90度の進み成分と、前記微小電流の振幅及び周波数とに基づいて、前記モータのインダクタンスを求め、
    求められた前記d軸磁束鎖交数から、前記インダクタンスと前記目標電流との積を減じることで、前記磁石磁束鎖交数を算出する、モータの磁石温度の推定方法。
  8. 請求項7に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記インダクタンスは、式(2)により求められ、前記磁石磁束鎖交数は、式(3)により算出される、モータの磁石温度の推定方法。
    Figure 2021016226
    Figure 2021016226
    dは、前記インダクタンスであり、
    HF_imgは、前記第2状態において、前記モータへ印加される電圧の電流に対する90度の進み成分であり、
    HFは、前記微小電流の周波数であり、
    HFは、前記微小電流の振幅であり、
    dは、前記モータに流れるd軸電流であり、
    ψdは、求められた前記d軸磁束鎖交数である。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    あらかじめ記憶された、磁石磁束鎖交数、前記モータに流れるd軸電流値、及び、q軸電流値のパラメータと、磁石温度との対応関係を示すテーブル用いて、入力される前記パラメータに応じて、前記永久磁石の温度を推定する、モータの磁石温度の推定方法。
  10. 請求項9に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    入力される前記パラメータが、前記テーブルに含まれていない場合には、該含まれていない前記パラメータを前記テーブルにおいて補完する、モータの磁石温度の推定方法。
  11. 請求項1から8のいずれか1項に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    ニューラルネットワークを用いて、前記磁石磁束鎖交数に応じて前記磁石温度を推定する、モータの磁石温度の推定方法。
  12. 請求項2から11のいずれか1項に記載のモータの磁石温度の推定方法であって、
    前記磁束鎖交数、及び、前記磁石温度に応じて、前記モータにおけるトルク推定値を推定し、
    前記トルク指令値と、前記トルク推定値との偏差が小さくなるように、前記モータに入力されるq軸の前記目標電流を補正する、モータの磁石温度の推定方法。
  13. トルク指令値に応じた目標電流をモータに流すことにより前記モータの回転を制御するモータの磁石温度の推定装置であって、
    前記目標電流を変化させる変化部と、
    前記目標電流を変化させる前の第1状態、及び、前記目標電流を変化させた後の第2状態のそれぞれにおいてd軸磁束鎖交数を求める磁束鎖交数算出部と、
    前記第1状態、及び、前記第2状態におけるd軸磁束鎖交数に基づいて、回転子が備える永久磁石の磁石磁束鎖交数を算出する磁石磁束鎖交数算出部と、
    算出した前記磁石磁束鎖交数に応じて前記永久磁石の磁石温度を推定する磁石温度推定部と、を備えるモータの磁石温度の推定装置。
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