JP2021015887A - 封止用フィルム、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板および電子機器 - Google Patents

封止用フィルム、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、電子部品搭載基板が電子部品を備えることに起因して形成された凹凸に対して、より優れた追従性をもって被覆することができる封止用フィルム、かかる封止用フィルムを備える封止用フィルム被覆電子部品搭載基板、ならびに、かかる封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を備える信頼性に優れた電子機器を提供すること。【解決手段】本発明の封止用フィルム100は、電子部品搭載基板45を被覆するのに用いられるものであり、樹脂材料を主材料として構成され、封止用フィルム100を、開口部215、225を有する2つの枠体210、220で挟み、枠体210、220に対向配置されたヒーター500を用いて加熱したとき、開口部215、225で形成される平面230と、封止用フィルム100の表面110とで形成される空間Sにおいて、鉛直方向に対する距離が最大となる最大距離H[mm]は0<H<22.3を満足する。【選択図】図3

Description

本発明は、封止用フィルム、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板および電子機器に関するものである。
従来、携帯電話、スマートフォン、電卓、電子新聞、タブレット端末、テレビ電話、パーソナルコンピュータのような電子機器には、例えば、半導体素子、コンデンサー、コイルのような電子部品が搭載された電子部品搭載基板が実装されるが、この電子部品搭載基板は、湿気や埃等の外部因子との接触を防止することを目的に、樹脂により封止がなされることがある。
このような樹脂による封止は、例えば、電子部品搭載基板を金属キャビティ内に配置した後に、流動性の高いウレタン樹脂のような熱硬化性樹脂を注入して封止するポッティング法の他、熱可塑性樹脂を溶融状態で電子部品搭載基板に塗布した後に、固化させることで塗布した領域をコーティング(封止)するコーティング法が知られている。
しかしながら、ポッティング法では、熱硬化性樹脂の硬化に時間を要し、さらには、通常、封止に金属キャビティを要するため、得られる電子機器の重量化を招くと言う問題があった。また、コーティング法では、溶融状態とする熱可塑性樹脂の粘度管理、および、熱可塑性樹脂の塗布領域に対する塗り分けに時間と手間を有すると言う問題があった。
かかる問題点を解決することを目的に、熱可塑性樹脂を含有することで高い伸び率を有する封止用フィルムを電子部品搭載基板に貼付することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
これにより、電子部品搭載基板が電子部品を備えることに起因して形成された凹凸を有するものであったとしても、この凹凸に対する追従性をもって、電子部品搭載基板を封止用フィルムで被覆することができる。そのため、湿気や埃等に対するバリア性を、この封止用フィルムで被覆された封止用フィルム被覆電子部品搭載基板に付与することができる。
しかしながら、この封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を、例えば、信号機および外灯のように屋外に晒される電子機器が備える電子部品搭載基板に適用した場合、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板に、湿気や埃等に対するバリア性をより優れたものとする必要が生じることから、前記凹凸に対して、より優れた追従性をもって電子部品搭載基板を被覆することが求められる。
特開2018−19054号公報
本発明の目的は、電子部品搭載基板が電子部品を備えることに起因して形成された凹凸に対して、より優れた追従性をもって被覆することができる封止用フィルム、かかる封止用フィルムを備える封止用フィルム被覆電子部品搭載基板、ならびに、かかる封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を備える信頼性に優れた電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1) 基板と、該基板上に搭載された電子部品とを備える被着体としての電子部品搭載基板を被覆して用いられる光透過性を備える封止用フィルムであって、
樹脂材料を主材料として構成され、
当該封止用フィルムを、平面視で縦20cm×横35cmの長方形状をなす開口部を有する2つの枠体で挟み、鉛直方向に対して直交する方向に配置した状態で、
平面視で縦50cm×横50cmの正方形状をなす出力7kWのヒーターを、離間距離11cmとして前記枠体に対向させて、前記ヒーターを用いて1分間加熱したとき、
前記開口部で形成される平面と、当該封止用フィルムの表面とで形成される空間において、前記鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離H[mm]は、0<H<22.3なる関係を満足することを特徴とする封止用フィルム。
(2) 当該封止用フィルムは、貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満となる温度が200℃以下である上記(1)に記載の封止用フィルム。
(3) 当該封止用フィルムは、その平均厚さが50μm以上200μm以下である上記(1)または(2)に記載の封止用フィルム。
(4) 前記被着体に接合する接合層と、該接合層上に積層された被覆層とを有する積層体で構成される上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の封止用フィルム。
(5) 前記接合層は、その平均厚さが5μm以上130μm以下である上記(4)に記載の封止用フィルム。
(6) 前記被覆層は、その平均厚さが20μm以上200μm以下である上記(4)または(5)に記載の封止用フィルム。
(7) 前記電子部品は、発光素子である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の封止用フィルム。
(8) 前記基板は、プリント配線基板である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の封止用フィルム。
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の封止用フィルムと、該封止用フィルムにより被覆された前記電子部品搭載基板とを備えることを特徴とする封止用フィルム被覆電子部品搭載基板。
(10) 上記(9)に記載の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を備えることを特徴とする電子機器。
本発明では、封止用フィルムは、樹脂材料を主材料として構成され、この封止用フィルムを、平面視で縦20cm×横35cmの長方形状をなす開口部を有する2つの枠体で挟み、鉛直方向に対して直交する方向に配置した状態で、平面視で縦50cm×横50cmの正方形状をなす出力7kWのヒーターを、離間距離11cmとして枠体に対向させて、ヒーターを用いて1分間加熱したとき、枠体の開口部で形成される平面と、封止用フィルムの表面とで形成される空間において、鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離H[mm]は、0<H<22.3なる関係を満足する。
このように、ヒーターを用いて封止用フィルムを加熱したとしても、前記最大距離Hすなわち、いわゆるドローダウン量が0超22.3未満に設定されていることから、前記ドローダウン量が不本意に大きくなるのが的確に抑制されていると言うことができる。そのため、電子部品搭載基板が有する凹凸に対して、より優れた追従性をもって、封止用フィルムで電子部品搭載基板を被覆することができる。
したがって、本発明の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を、湿気や埃等に対して、より優れたバリア性を発揮するものとし得ることから、例えば、信号機および外灯のように屋外に晒される電子機器が備えるものに対しても適用することができる。よって、本発明の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を備える電子機器は、優れた信頼性を有するものとなる。
本発明の封止用フィルムの第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す封止用フィルムを、2つの枠体で挟んだ状態で、ヒーターを用いて加熱する加熱方法を説明するための斜視図である。 図2に示す加熱方法で、枠体が備える開口部で形成される平面と封止用フィルムの表面とで形成される空間において、鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離Hを説明するための縦断面図である。 図1に示す封止用フィルムを用いた電子部品搭載基板の封止方法を説明するための縦断面図である。 本発明の封止用フィルムの第2実施形態を示す縦断面図である。 図5に示す封止用フィルムを用いた電子部品搭載基板の封止方法を説明するための縦断面図である。
以下、封止用フィルム、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板および電子機器を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて、詳細に説明する。
本発明の封止用フィルムは、基板と、該基板上に搭載された電子部品とを備える被着体としての電子部品搭載基板を被覆して用いられる光透過性を備えるものであり、樹脂材料を主材料として構成され、この封止用フィルムを、平面視で縦20cm×横35cmの長方形状をなす開口部を有する2つの枠体で挟み、鉛直方向に対して直交する方向に配置した状態で、平面視で縦50cm×横50cmの正方形状をなす出力7kWのヒーターを、離間距離11cmとして前記枠体に対向させて、前記ヒーターを用いて1分間加熱したとき、前記開口部で形成される平面と、当該封止用フィルムの表面とで形成される空間において、前記鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離H[mm]は、0<H<22.3なる関係を満足することを特徴とする。
このように、ヒーターを用いて封止用フィルムを加熱したとしても、前記最大距離Hすなわち、いわゆるドローダウン量が0超22.3未満に設定されていることから、前記ドローダウン量が不本意に大きくなるのが的確に抑制されていると言うことができる。そのため、電子部品搭載基板が有する凹凸に対して、より優れた追従性をもって、封止用フィルムで電子部品搭載基板を被覆することができる。
したがって、本発明の封止用フィルムで電子部品搭載基板が被覆された封止用フィルム被覆電子部品搭載基板(本発明の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板)を、湿気や埃等に対して、より優れたバリア性を発揮するものとし得ることから、例えば、信号機および外灯のように屋外に晒される電子機器が備えるものに対しても適用することができる。よって、かかる構成の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を備える電子機器は、優れた信頼性を有するものとなる。
なお、本発明の封止用フィルムは、信号機および外灯の他、灯台、照明、電光掲示板、野外モニターのような発光素子を電子部品として有する電子機器が備える電子部品搭載基板を被覆するために用いることができ、さらに、太陽光発電システム、防犯カメラのような光電変換素子を電子部品として有する電子機器が備える電子部品搭載基板を被覆するために用いることができる。
以下、この封止用フィルム100について詳述する。
<封止用フィルム>
<<第1実施形態>>
まず、本発明の封止用フィルム100の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の封止用フィルムの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す封止用フィルムを、2つの枠体で挟んだ状態で、ヒーターを用いて加熱する加熱方法を説明するための斜視図、図3は、図2に示す加熱方法で、枠体が備える開口部で形成される平面と封止用フィルムの表面とで形成される空間において、鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離Hを説明するための縦断面図、図4は、図1に示す封止用フィルムを用いた電子部品搭載基板の封止方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1〜図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
封止用フィルム100は、本実施形態では、図1に示すように、接合層12と、この接合層12の一方の面側(上面側)に積層された被覆層11とを備える積層体で構成され、これら接合層12と被覆層11との双方が樹脂材料として熱可塑性樹脂を含有している。
この封止用フィルム100に対して、本発明では、図2、図3に示すように、平面視で縦20cm×横35cmの長方形状をなす開口部215、225を有する2つの枠体210、220を用意する。そして、封止用フィルム100を、これら2つの枠体210、220で挟み、鉛直方向に対して直交する方向に配置した状態とし、その後、平面視で縦50cm×横50cmの正方形状をなす出力7kWのヒーター500を、離間距離11cmとして枠体210、220に対向させて、前記ヒーターを用いて1分間加熱する。
このときに、開口部215、225で形成される平面230と、封止用フィルム100の被覆層11側の表面110とで形成される空間Sにおいて、鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足する。
また、封止用フィルム100により被覆される電子部品搭載基板45は、本実施形態では、基板5と、基板5の上面(一方の面)に搭載(載置)された電子部品4とを備えている。このような電子部品搭載基板45において、基板5の上面への電子部品4の搭載により、基板5上に凸部61と凹部62とからなる凹凸6が形成され、この凹凸6が、封止用フィルム100を用いて被覆される。
なお、基板5は、例えば、ガラスエポキシ基板(FR−4)、紙エポキシ基板(FR−3)のようなプリント基板を備えるプリント配線基板の表面を、エポキシ樹脂を主材料として含有するソルダーレジスト(例えば、太陽ホールディングス社製、「X−87」)で被覆したもので構成される。また、基板5上に搭載する電子部品4としては、電子部品搭載基板45が搭載される電子機器が信号機、外灯、灯台、照明、電光掲示板、野外モニター等である場合、発光素子が必須のものとして挙げられ、また、電子部品搭載基板45が搭載される電子機器が太陽光発電システム、防犯カメラ等である場合、光電変換素子が必須のものとして挙げられ、これら以外のものとして、例えば、半導体素子、コンデンサー、コイル、コネクターおよび抵抗等が挙げられる。
このような電子部品搭載基板45の被覆に用いられる、接合層12と被覆層11とを備える積層体で構成される封止用フィルム100は、前述した最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足し得るものであれば、如何なる構成のものであってもよいが、本実施形態では、接合層12と被覆層11との双方が、樹脂材料としての熱可塑性樹脂を主材料として含有して構成される。このように、接合層12と被覆層11との双方を、熱可塑性樹脂を主材料として構成することで、封止用フィルム100を、比較的容易に、前記最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足するものとすることができる。
これら接合層12と被覆層11とを構成する熱可塑性樹脂は、封止用フィルム100の前記最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足し得るように、その種類が選択され、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン共重合体、延伸ポリプロピレン、未延伸ポリプロピレン等のポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−6T、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とからなるナイロン−6I、ノナンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−9T、メチルペンタジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−M5T、カプロラクタムとラウリルラクタムとからなるナイロン−6,12、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とカプロラクタムとからなるナイロン−6−6,6のようなポリアミド系樹脂、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルおよびポリビニルアルコール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのものは、置換基を備えるものであってもよい。さらに、接合層12および被覆層11のそれぞれに含まれる熱可塑性樹脂は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
このような熱可塑性樹脂で構成される接合層12および被覆層11のうち、被覆層11は、本実施形態では、前記最大距離H[mm]が前記範囲内のように小さくなっていることが求められ、さらに、接合層12は、電子部品搭載基板45に対する接合性に優れることが求められる。
このような接合層12と被覆層11とを備える封止用フィルム100において、被覆層11は、ポリエチレンおよびエチレン共重合体のうちの少なくとも1種を主材料として構成されていることが好ましい。被覆層11を、これらを主材料として構成されるものとすることで、封止用フィルム100を、比較的低い温度で被覆可能となる。
さらに、封止用フィルム100において、接合層12は、エチレン共重合体を主材料として構成されることが好ましい。これにより、封止用フィルム100を、前記最大距離H[mm]が0超22.3未満であることを比較的容易に満足するものとしつつ、接合層12に、優れた接合性を付与して電子部品搭載基板45が備える基板5および電子部品4を優れた密着性をもって被覆することができる。
そこで、以下では、被覆層11と接合層12とを備え、被覆層11がポリエチレンおよびエチレン共重合体のうちの少なくとも1種を主材料として含有し、接合層12がエチレン共重合体を主材料として含有する封止用フィルム100を、一例として説明する。
被覆層11は、熱可塑性樹脂としてのポリエチレンおよびエチレン共重合体のうちの少なくとも1種を主材料として構成されることで、加熱されたとしても、前記最大距離H[mm]すなわち、いわゆるドローダウン量が不本意に大きくなるのが的確に抑制された層である。このような被覆層11を、封止用フィルム100の最外層として備えることで、接合層12と被覆層11とを備える積層体で構成される封止用フィルム100を、前述した最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足するものとし得る。
さらに、被覆層11は、熱可塑性樹脂としてのポリエチレンおよびエチレン共重合体のうちの少なくとも1種を主材料として構成されることにより、接合層12を保護する保護層としての機能も発揮する。
これらのうちポリエチレンとしては、前述の通り、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられ、エチレン共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンの少なくとも1種であることが好ましい。これらの材料は、比較的入手が容易であるとともに、これらの材料で構成することで、被覆層11に、優れた前記最外層としての機能を発揮させて、封止用フィルム100を、前記最大距離H[mm]が0超22.3未満であることを比較的容易に満足するものとしつつ、接合層12に、優れた接合性を付与して電子部品搭載基板45が備える基板5および電子部品4を優れた密着性をもって被覆することができる。
なお、被覆層11に含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンおよびエチレン共重合体の他、ポリエチレンおよびエチレン共重合体以外のポリオレフィン系樹脂が含まれていてもよいし、さらには、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのようなポリエステル系樹脂等が含まれていてもよい。
また、被覆層11は、上記のような熱可塑性樹脂の他に、さらに、紫外線吸収剤および酸化防止剤のうちの少なくとも1種を含有していてもよい。これにより、封止用フィルム100の耐候性の向上を図ることができる。
この紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられ、これらのうち1種または2種を組み合わせて用いることができる。
この酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオン系酸化防止剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種を組み合わせて用いることができる。
また、被覆層11の平均厚さは、20μm以上200μm以下であることが好ましく、30μm以上150μm以下であることがより好ましい。被覆層11の平均厚さをかかる範囲内に設定することにより、被覆層11に最外層としての機能をより確実に発揮させて、封止用フィルム100の前記最大距離H[mm]を0超22.3未満に設定することができる。
接合層12は、熱可塑性樹脂で構成され、基板5に対して、優れた密着性を発揮するとともに、接合層12と被覆層11とを備える積層体で構成される封止用フィルム100が、前述した最大距離H[mm]が0超22.3未満であることを満足することを目的に、本実施形態では、エチレン共重合体を主材料として含有する層である。
このように、接合層12は、熱可塑性樹脂としてエチレン共重合体を主材料として含有することで、基板5に対して、優れた密着性を発揮しつつ、封止用フィルム100の最大距離H[mm]を0超22.3未満に設定する接合層としての機能を発揮する。
エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体の少なくとも1種であることが好ましい。これにより、接合層12としての機能を発揮させて、基板5に対する優れた密着性を発揮しつつ、封止用フィルム100の前記最大距離H[mm]を0超22.3未満に設定することができる。
また、接合層12の平均厚さは、5μm以上130μm以下であることが好ましく、20μm以上60μm以下であることがより好ましい。接合層12の平均厚さをかかる範囲内に設定することにより、基板5に対する優れた密着性を発揮させることができるとともに、封止用フィルム100の前記最大距離H[mm]を0超22.3未満に設定することができる。
なお、接合層12に含まれる熱可塑性樹脂としては、エチレン共重合体の他、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのようなポリエステル系樹脂等が含まれていてもよい。
また、封止用フィルム100では、接合層12と被覆層11との間には、接着性を高めるために必要に応じて接着層を設けるようにすることもできる。
接着層に含まれる接着性樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EEA)、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、あるいは、各種ポリオレフィンに、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基性不飽和脂肪酸またはこれらの無水物をグラフトさせたもの、例えば、マレイン酸グラフト化EVA、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体、スチレン系エラストマー、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等、公知の粘着性樹脂や接着性樹脂を適宜使用することができる。
また、封止用フィルム100は、上述したような接合層12と被覆層11とを備える積層体で構成される場合の他、被覆層11の接合層12との反対側に積層された第2被覆層を備えるものであってもよいし、さらに、この第2被覆層と被覆層11との間に第2接着層を備える積層体であってもよい。
この場合、第2被覆層の構成材料としては、接合層12と被覆層11とを構成する熱可塑性樹脂として挙げたのと同様のものを用いることができ、第2接着層の構成材料としては、接合層12と被覆層11とを接着する接着層の構成材料(接着性樹脂)として挙げたのと同様のものを用いることができる。
また、接合層12と被覆層11との間には、封止用フィルム100の前記最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足し得るものであれば、例えば、封止用フィルム100に耐ピン性等を付与するための機能層として機能する中間層が設けられていてもよい。
さらに、封止用フィルム100を構成する積層体が有する各層、すなわち、接合層12および被覆層11は、それぞれ、X線、ガンマ線、電子線等の放射線照射処理や、架橋剤添加による架橋処理が施されたものであってもよい。かかる処理を施すことによっても、封止用フィルム100を、比較的容易に、前記最大距離H[mm]が0<H<22.3なる関係を満足するものとすることができる。
ここで、前述の通り、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を、例えば、信号機および外灯のように屋外に晒される電子機器が備える電子部品搭載基板に適用した場合、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50の湿気や埃等に対するバリア性を、より優れたものとする必要が生じると言う問題があった。
本発明者は、かかる問題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50の湿気や埃等に対するバリア性を、より優れたものとするには、電子部品搭載基板45が備える凹凸6に対して、より優れた追従性をもって、封止用フィルム100で、被覆することが重要であることが判ってきた。
そして、本発明者は、さらに検討を重ねた結果、封止用フィルム100で前記凹凸6を、より優れた追従性をもって被覆するには、封止用フィルム100を加熱した際のドローダウン量が不本意に大きくなるのが的確に抑制されていることが必要であること、具体的には、前記最大距離Hが0超22.3未満に設定されることが必要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、前記最大距離Hが0超22.3未満であればよいが、0超20.0以下であることが好ましく、3.0以上18.0以下であることがより好ましい。これにより、前記ドローダウン量がより小さく設定されていると言え、電子部品搭載基板45が備える凹凸6に対して、特に優れた追従性をもって、封止用フィルム100で、被覆することができる。
具体的には、前記最大距離Hを前記範囲内とすることにより、基板5に設けられた凹凸6における段差が10mm以上のように大きいものであったとしても、封止用フィルム100を凹凸6の形状に対応して、より優れた追従性をもって追従させることができる。
また、封止用フィルム100は、前記最大距離Hが0超22.3未満であることを満足しつつ、JIS K 6251に準拠して求められる軟化点における伸び率が150%以上3500%以下であることが好ましく、2000%以上3500%以下であることがより好ましい。これにより、封止用フィルム100を加熱した際のドローダウン量が大きくなるのを抑制しつつ、封止用フィルム100は、その加熱時に、優れた伸長性を発揮することから、封止用フィルム100により電子部品搭載基板45が備える凹凸6を被覆する際に、凹凸6の形状に対してより優れた追従性をもって封止した状態で被覆することができ、かつ、封止用フィルム100が途中で破断されるのを的確に抑制または防止することができる。そのため、この封止用フィルム100で被覆することにより得られた封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50において、電子部品4が湿気や埃等の外部因子と接触するのをより的確に抑制または防止することができる。
なお、封止用フィルム100の破断伸び(軟化点における伸び率)の測定は、オートグラフ装置(例えば、島津製作所製、AUTOGRAPH AGS−X等)を用いて、JIS K 6251に記載の方法に準拠して測定することができる。
さらに、封止用フィルム100の軟化点は、動的粘弾性測定装置(例えば、セイコーインスツル社製、EXSTAR6000等)を用いて、チャック間距離20mm、昇温速度5℃/分および角周波数10Hzの条件で測定し得る。
また、封止用フィルム100は、その貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満となる温度が200℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましい。封止用フィルム100の貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満となる温度が前記温度以下に設定されている封止用フィルム100を用いることによって、封止用フィルム100の加熱時における、封止用フィルム100の凹凸6に対する形状追従性をより確実に向上させることができる。
また、封止用フィルム100の全体としての平均厚さは、50μm以上200μm以下であることが好ましく、100μm以上200μm以下であることがより好ましい。封止用フィルム100を、かかる範囲内に平均厚さが設定されているものとすることで、封止用フィルム100における、前記最大距離Hすなわちドローダウン量を0超22.3未満の範囲内に比較的容易に設定することができる。
(電子部品搭載基板の封止方法)
次に、上述した封止用フィルム100を用いた電子部品搭載基板45の封止方法について説明する。
封止用フィルム100を用いた電子部品搭載基板45の封止方法は、基板5と電子部品4とを覆うように封止用フィルム100を配置する配置工程と、封止用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、減圧する加熱・減圧工程と、封止用フィルム100を冷却させるとともに、加圧することで、基板5と電子部品4とを封止用フィルム100で被覆する冷却・加圧工程とを有する。
以下、電子部品搭載基板の封止方法の各工程について、順次説明する。
(配置工程)
まず、図4(a)に示すように、封止用フィルム100が備える被覆層11および接合層12のうち接合層12を、電子部品搭載基板45に対向させた状態で、電子部品搭載基板45が備える基板5と電子部品4とを覆うように、封止用フィルム100を電子部品搭載基板45上に配置する。
(加熱・減圧工程)
次に、図4(b)に示すように、封止用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、減圧する。
このように、封止用フィルム100を加熱することにより、封止用フィルム100すなわち被覆層11および接合層12が軟化し、その結果、基板5上に電子部品4を搭載することにより形成された凹凸6の形状に対して、追従し得る状態となる。
また、この際、電子部品搭載基板45および封止用フィルム100を、減圧雰囲気下に配置することで、封止用フィルム100の上側ばかりでなく、電子部品搭載基板45と封止用フィルム100との間の気体(空気)が脱気される。
これにより、封止用フィルム100が伸展しながら、凹凸6の形状、すなわち、基板5上の電子部品4の形状に若干追従した状態となる。
本工程により、電子部品搭載基板45に形成された凹凸6の形状に対して、封止用フィルム100を、追従し得る状態とすることができる。
ここで、本発明では、前述の通り、前記最大距離Hが0超22.3未満に設定されており、封止用フィルム100を加熱した際のドローダウン量が不本意に大きくなるのが的確に抑制されている。そのため、電子部品搭載基板45に形成された凹凸6の形状に対して、追従し得る状態となっている封止用フィルム100が、次工程である冷却・加圧工程に先立って、凹凸6内に不本意に侵入してしまうのを的確に抑制することができる。そのため、冷却・加圧工程において、封止用フィルム100を、凹凸6の形状に対応して、優れた追従性をもって追従させることができる。
なお、封止用フィルム100の加熱と、雰囲気の減圧とは、加熱の後に減圧してもよく、減圧の後に加熱してもよいが、加熱と減圧とをほぼ同時に行うことが好ましい。これにより、軟化した封止用フィルム100を、凹凸6の形状に確実に若干追従した状態とすることができる。
(冷却・加圧工程)
次に、図4(c)に示すように、封止用フィルム100を冷却させるとともに、加圧する。
このように、減圧された雰囲気から加圧することで、前記加熱・減圧工程において、電子部品搭載基板45と封止用フィルム100との間が脱気され、減圧状態が維持されていることから、封止用フィルム100がさらに伸展することとなり、その結果、凹凸6の形状(電子部品4の形状)に優れた密着度(気密度)で追従した状態で、軟化した状態の封止用フィルム100により、基板5と電子部品4とが被覆される。
この際、本実施形態では、封止用フィルム100が、上記のような構成の被覆層11と接合層12とを備える積層体で構成され、前記最大距離Hが0超22.3未満に設定されており、かつ、伸縮性に優れたものであることから、封止用フィルム100は、この加圧時に、電子部品搭載基板45に形成された凹凸6に対してより優れた形状追従性をもって伸展させることができる。そのため、軟化した状態の封止用フィルム100により、基板5と電子部品4とを優れた密着性をもって被覆することができる。
そして、封止用フィルム100により、基板5と電子部品4とを、優れた密着性(気密性)をもって被覆した状態で、前記加熱・減圧工程において加熱された封止用フィルム100が本工程において冷却され、その結果、前記状態を維持したまま、封止用フィルム100が固化する。さらに、この際、本実施形態では、接合層12は熱可塑性樹脂を主材料として構成され、これにより、接合層12が電子部品搭載基板45に対して優れた密着性を発揮するものであるため、封止用フィルム100は、基板5に対して強固に接合される。
なお、本工程における、冷却・加圧とは、前記加熱・減圧工程に対して、冷却および加圧されていればよく、常温および常圧に戻すことを含む。
以上により、電子部品搭載基板45に形成された凹凸6の形状に優れた追従性をもって追従した状態で、封止用フィルム100により、基板5と電子部品4とが被覆された封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50が得られることとなる。そのため、この封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50において、湿気や埃等の外部因子と電子部品4が接触するのをより的確に抑制または防止することができる。したがって、この封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を備える電子機器の信頼性の向上が図られる。
なお、封止用フィルム100の冷却と、雰囲気の加圧とは、冷却と加圧とをほぼ同時に行ってもよいが、加圧の後に冷却することが好ましい。これにより、凹凸6の形状に対応して追従した後に、封止用フィルム100が冷却されるため、凹凸6の形状に対応して、封止用フィルム100をより優れた密着性をもって被覆させることができる。
上記の工程を経ることで、封止用フィルム100により、基板5と電子部品4とが被覆された封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得ることができる。
<<第2実施形態>>
次に、本発明の封止用フィルム100の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の封止用フィルムの第2実施形態を示す縦断面図、図6は、図5に示す封止用フィルムを用いた電子部品搭載基板の封止方法を説明するための縦断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図5、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、第2実施形態の封止用フィルム100、および、この封止用フィルム100で被覆する電子部品搭載基板45について、前記第1実施形態の封止用フィルム100の相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の封止用フィルム100は、第1実施形態の封止用フィルム100と比較して、被覆層11の形成が省略され、接合層12の単層体で構成されていること以外は、図1に示す第1実施形態の封止用フィルム100と同様であり、接合層12の単層体で、前記最大距離H[mm]が0超22.3未満であることを満足している。かかる構成をなす第2実施形態の封止用フィルム100によっても、各電子部品4の絶縁性を確保しつつ、基板5の上面側に形成された凹凸6を、優れた追従性をもって被覆することができる。
(電子部品搭載基板の封止方法)
第2実施形態の封止用フィルム100を用いた、電子部品4を備える電子部品搭載基板45の封止(被覆)は、以下のようにして実施することができる。
すなわち、図6(a)に示すように、配置工程において、基板5と電子部品4とを覆うように、接合層12の単層体で構成される封止用フィルム100を配置し、加熱・減圧工程において、封止用フィルム100を加熱して軟化させた後に、図6(b)に示すように、接合層12により、基板5の上面に設けられた電子部品4を被覆し、その後、冷却・加圧工程を施すこと以外は、前記第1実施形態と同様にすることにより、図6(c)に示すような封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得ることができる。
以上、封止用フィルム、封止用フィルム被覆電子部品搭載基板および電子機器について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の封止用フィルムには、同様の機能を発揮し得る、任意の層が追加されていてもよく、具体的には、例えば、本発明の封止用フィルムは、被覆層の接合層と反対側の面上に、電子部品からの電磁波の出射、または、電子部品への電磁波の到達を抑制する電磁波シールド層を備えるものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<封止用フィルムの製造>
平板状(シート状)をなす封止用フィルムを得るために、形成すべき封止用フィルムの各層を構成する樹脂として、それぞれ、以下に示すものを用意した。
まず、被覆層11に含まれる熱可塑性樹脂として、ポリエチレン(宇部興産社製、「ユメリット4040FC」)、紫外線吸収剤として、Tinuvin 234(BASFジャパン社製)、酸化防止剤として、ヒンダードアミン系光安定化剤(BASFジャパン社製、「Chimassorb 2020」)をそれぞれ用意し、熱可塑性樹脂100重量部に対して、紫外線吸収剤および酸化防止剤をそれぞれ0.25重量部および0.1重量部含有するものを混錬することで、被覆層11を形成するための樹脂組成物を調製した。
また、接合層12を構成する熱可塑性樹脂として、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(デュポン社製、「エルバロイAC1820」)を用意し、このEMAを混錬することで、接合層12を形成するための樹脂組成物を調製した。
次に、被覆層11を形成するための樹脂組成物と、接合層12を形成するための樹脂組成物とを共押出法により共押出しすることで、被覆層11/接合層12の順に積層された積層体を得た後に、この積層体に対して電子線照射することで実施例1の封止用フィルムを得た。
なお、得られた封止用フィルムの各層の平均厚さ(μm)は、それぞれ、被覆層11/接合層12で80/20μmであり、合計厚さは、100μmであった。
また、封止用フィルムの貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満となる温度を測定したところ、112℃以下であった。
<封止用フィルム被覆電子部品搭載基板の製造>
まず、任意の電子部品搭載基板を用意し、その後、スキンパック包装機(ハイパック社製、「HI−750シリーズ」)が備えるチャンバー内において、図4に示す電子部品搭載基板45が有する基板5と電子部品4とを覆うように、実施例1の封止用フィルム100を、接合層12を電子部品搭載基板45側にして、配置した。
次に、封止用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、チャンバー内を減圧した。なお、封止用フィルム100を加熱した温度は100℃であり、チャンバーの圧力は0.4kPaであり、かかる加熱・減圧の条件を1分間保持した。
次に、チャンバー内を常温・常圧に戻すことで、封止用フィルム100を冷却するとともに、チャンバー内を加圧した。これにより、基板5と電子部品4とが封止用フィルムで被覆された実施例1の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
また、封止用フィルム100を加熱し軟化させるとともに、チャンバー内を減圧する際の、封止用フィルム100を加熱する温度を、100℃に代えて、120℃、140℃、160℃、180℃または200℃とした場合についても、実施例1の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
(実施例2)
実施例2の封止用フィルム100の製造を、以下に示すように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして実施例2の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
<封止用フィルムの製造>
平板状(シート状)をなす封止用フィルムを得るために、形成すべき封止用フィルムの各層を構成する樹脂として、それぞれ、以下に示すものを用意した。
まず、被覆層11に含まれる熱可塑性樹脂として、前記実施例1で用意したものと同様のものを調製した。
また、中間層を構成する熱可塑性樹脂として、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、「ハイミラン1652」)を用意し、このEMAを混錬することで、中間層を形成するための樹脂組成物を調製した。
さらに、接着層を構成する熱可塑性樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、「エバフレックスV5714RC」)を用意し、このEVAを混錬することで、接着層を形成するための樹脂組成物を調製した。
また、接合層12を構成する熱可塑性樹脂として、前記実施例1で用意したものと同様のものを調製した。
次に、被覆層11を形成するための樹脂組成物と、中間層を形成するための樹脂組成物とを共押出法により共押出しすることで、被覆層11/中間層の順に積層された積層体を得るとともに、接合層12を形成するための樹脂組成物を押出法により押出しすることで、接合層12を得た後に、この積層体の中間層側に、接着層を形成するための樹脂組成物が介在した状態で、接合層12を接合し、その後、接着層を形成するための樹脂組成物を乾燥させることで、被覆層11/中間層/接着層/接合層12の順に積層された積層体を得た。そして、この積層体に対して電子線照射することで実施例2の封止用フィルムを得た。
なお、得られた封止用フィルムの各層の平均厚さ(μm)は、それぞれ、被覆層11/中間層/接着層/接合層12で60/30/30/30μmであり、合計厚さは、150μmであった。
(実施例3)
被覆層11の平均厚さを77μm、中間層の平均厚さを40μm、接着層の平均厚さを40μm、接合層12の平均厚さを43μmとすることで、合計厚さを200μmとしたこと以外は、前記実施例2と同様にして実施例3の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
(実施例4)
被覆層11の平均厚さを143μm、接合層12の平均厚さを57μmとすることで、合計厚さを200μmとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして実施例4の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
(実施例5)
被覆層11の平均厚さを157μm、接合層12の平均厚さを43μmとすることで、合計厚さを200μmとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして実施例5の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
(実施例6)
被覆層11の平均厚さを108μm、接合層12の平均厚さを42μmとすることで、合計厚さを150μmとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして実施例6の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
(実施例7)
被覆層11の平均厚さを120μm、接合層12の平均厚さを30μmとすることで、合計厚さを150μmとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして実施例7の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
なお、各実施例の封止用フィルム100の軟化点における伸び率を、オートグラフ装置(島津製作所製、「AUTOGRAPH AGS−X」)を用いて、JIS K 6251に記載の方法に準拠して測定したところ、いずれも、伸び率が150%以上3500%以下の範囲内であることを満足する結果を示した。
(比較例1)
接合層12を構成する熱可塑性樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製、「エバフレックスV5714RC」)を用い、被覆層11の平均厚さを35μm、接合層12の平均厚さを65μmとすることで、合計厚さを100μmとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして比較例1の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
(比較例2)
被覆層11の平均厚さを35μm、接合層12の平均厚さを65μmとすることで、合計厚さを100μmとしたこと以外は、前記実施例1と同様にして比較例2の封止用フィルム100および封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50を得た。
<評価試験>
各実施例および各比較例で作製した封止用フィルムまたは封止用フィルム被覆電子部品搭載基板について、以下に示す評価を行った。
<<ドローダウン量>>
ドローダウン量は、以下のようにして測定した。
すなわち、各実施例および各比較例で作製した封止用フィルムについて、それぞれ、平面視で縦20cm×横35cmの長方形状をなす開口部215、225を有する2つの枠体210、220で挟み、鉛直方向に対して直交する方向に配置した状態とし、その後、平面視で縦50cm×横50cmの正方形状をなす出力7kWのヒーター500を、離間距離11cmとして枠体210、220に対向させて、このヒーターを用いて1分間加熱した。
そして、開口部215、225で形成される平面230と、封止用フィルム100の被覆層11側の表面110とで形成される空間Sにおいて、鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離H[mm]を、ドローダウン量として測定した。
<<形状追従性>>
形状追従性は、以下のようにして評価した。
すなわち、各実施例および各比較例で、それぞれ、封止用フィルム100を加熱した温度を異なるものとして、作製した6つの封止用フィルム被覆電子部品搭載基板50について、被覆した凹凸における空隙の有無により、以下の評価基準に基づいて判断した。なお、空隙の有無は、顕微鏡を用いて観察した。
各符号は以下のとおりであり、◎および○を合格とし、×を不合格とした。
◎:段差の底部にまで、充填された状態で被覆されているものの数が5つ以上、
段差の底部において明らかな空隙が形成された状態で被覆されている
ものの数が1つ以下である
〇:段差の底部にまで、充填された状態で被覆されているものの数が4つ、
段差の底部において明らかな空隙が形成された状態で被覆されている
ものの数が2つである
×:段差の底部にまで、充填された状態で被覆されているものの数が3つ以下、
段差の底部において明らかな空隙が形成された状態で被覆されている
ものの数が3つ以上である
以上のような評価により得られた評価結果を、表1に示す。
Figure 2021015887
表1から明らかなように、各実施例の封止用フィルムでは、前記最大距離H[mm]が0超22.3未満であることにより、段差の底部にまで充填された状態で、電子部品搭載基板に対して封止用フィルムを被覆することができる結果が得られた。
これに対して、各比較例の封止用フィルムでは、前記最大距離H[mm]が0超22.3未満とはなっておらず、これに起因して、段差の底部にまで充填させることができず、段差の底部において明らかな空隙が形成された状態で、電子部品搭載基板に対して封止用フィルムが被覆されている結果を示した。
4 電子部品
5 基板
6 凹凸
11 被覆層
12 接合層
45 電子部品搭載基板
50 封止用フィルム被覆電子部品搭載基板
61 凸部
62 凹部
100 封止用フィルム
110 表面
210 枠体
215 開口部
220 枠体
225 開口部
230 平面
500 ヒーター
H 最大距離
S 空間

Claims (10)

  1. 基板と、該基板上に搭載された電子部品とを備える被着体としての電子部品搭載基板を被覆して用いられる光透過性を備える封止用フィルムであって、
    樹脂材料を主材料として構成され、
    当該封止用フィルムを、平面視で縦20cm×横35cmの長方形状をなす開口部を有する2つの枠体で挟み、鉛直方向に対して直交する方向に配置した状態で、
    平面視で縦50cm×横50cmの正方形状をなす出力7kWのヒーターを、離間距離11cmとして前記枠体に対向させて、前記ヒーターを用いて1分間加熱したとき、
    前記開口部で形成される平面と、当該封止用フィルムの表面とで形成される空間において、前記鉛直方向に対する距離が最大となる位置の前記距離である最大距離H[mm]は、0<H<22.3なる関係を満足することを特徴とする封止用フィルム。
  2. 当該封止用フィルムは、貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満となる温度が200℃以下である請求項1に記載の封止用フィルム。
  3. 当該封止用フィルムは、その平均厚さが50μm以上200μm以下である請求項1または2に記載の封止用フィルム。
  4. 前記被着体に接合する接合層と、該接合層上に積層された被覆層とを有する積層体で構成される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の封止用フィルム。
  5. 前記接合層は、その平均厚さが5μm以上130μm以下である請求項4に記載の封止用フィルム。
  6. 前記被覆層は、その平均厚さが20μm以上200μm以下である請求項4または5に記載の封止用フィルム。
  7. 前記電子部品は、発光素子である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の封止用フィルム。
  8. 前記基板は、プリント配線基板である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の封止用フィルム。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の封止用フィルムと、該封止用フィルムにより被覆された前記電子部品搭載基板とを備えることを特徴とする封止用フィルム被覆電子部品搭載基板。
  10. 請求項9に記載の封止用フィルム被覆電子部品搭載基板を備えることを特徴とする電子機器。
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