JP2015130387A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿の過酷な環境下でも、裏側保護基材用部材と封止材との接着性を確保することができる太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】封止材2と第1の裏側保護基材用部材3とを積層して、封止材・裏側保護基材用部材の一体品1(以下、単に一体品1という)を製造する工程1を有し、続いて、表側保護基材、封止材、セル、一体品1、及び、第2の裏側保護基材用部材4を、この順序に重ねて圧着する工程2を有し、第2の裏側保護基材用部材4の一体品1と接する面にコロナ処理がなされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関するものである。
太陽電池モジュールは、一般に、表面(受光面)側から、ガラスが一般的である表側保護基材、エチレン−ビニルアセテート共重合体を主成分とするものが一般的である表面側の封止材、太陽電池セル、裏面側の封止材、及び裏側保護基材が順に積層された構成となっており、それぞれの構成部材を積層させて、圧着して一体化する工程、例えば真空ラミネート工程を経て、太陽電池モジュールが製造される。
一方、太陽電池モジュールの部材の一つである裏側保護基材は、現在までに各種多様な構成のものが考案されているが、その一例として、基材と熱可塑性樹脂を備えた太陽電池用裏側保護基材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、基材との接着性を確保するべく熱可塑性樹脂は、エチレンとアクリル酸などの変性樹脂からなる構成となっている。また、真空ラミネートでの圧着工程において、熱可塑性樹脂は、裏面側の封止材との接着性を確保するべく作用する。
しかしながら、上述の裏側保護基材を得るために基材と熱可塑性樹脂とを一体化する場合、特許文献1では熱可塑性樹脂をPETフィルムからなる基材上に押出しコーティングすることで一体化し、裏側保護基材としている。PETフィルムと熱可塑性樹脂との密着性を向上させるために、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましいとしているが、下記に定義するコロナ処理の処理値には臨界値があり、処理値を高くすればするほど密着性が向上するものではない。つまり、コロナ処理条件の最適化が必要になる。
コロナ処理の処理値=出力(W)/電極幅(m)×速度(m/分)
(ここでいう速度は、コロナ放電電極部を通過する時の速度を指す。)
特開2012−209462号公報
工程1にて、封止材と裏側保護基材用部材1とを積層して、一体品を製造し、続いて、工程2にて、表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着することで得られる太陽電池モジュールの製造方法であって、裏側保護基材用部材2の一体品と接する面に最適化された条件のコロナ処理がなされている太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明は、以下である。
太陽電池モジュールの製造方法であって、
封止材と裏側保護基材用部材1とを積層して、封止材・裏側保護基材用部材1の一体品(以下、単に一体品という)を製造する工程1を有し、
続いて、表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着する工程2を有し、
前記裏側保護基材用部材2の一体品と接する面にコロナ処理がなされていることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
本発明の製造方法によれば、工程1にて、封止材と裏側保護基材用部材1とを積層して、一体品を製造し、続いて、工程2にて、表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着することで得られる太陽電池モジュールの製造方法であって、裏側保護基材用部材2の一体品と接する面に最適化された条件でコロナ処理を実施することで、高温高湿の過酷な環境下でも、裏側保護基材用部材2と一体品の接着性を確保することが可能となる。
太陽電池モジュールの製造前における、本発明の封止材と裏側保護基材用部材1とを積層した一体品と、裏側保護基材用部材2の一例を模式的に示す断面図である。 太陽電池モジュールの製造前における、本発明の封止材と裏側保護基材用部材1とを積層した一体品と、裏側保護基材用部材2の別例を模式的に示す断面図である。 本発明の、太陽電池モジュールの製造方法で得られる太陽電池モジュールの一例(圧着前)を模式的に示す断面図である。 本発明の、太陽電池モジュールの製造方法で得られる太陽電池モジュールの別例(圧着前)を模式的に示す断面図である。 本発明の裏側保護基材用部材2の一体品と接する面にコロナ処理を行うコロナ処理装置の主要部分を側面からみた概略断面図である。 本発明の封止材と裏側保護基材用部材1とを積層した一体品を製造する工程1について、共押出装置の主要部分を側面からみた概略断面図である。 本発明の表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着する工程2について、太陽電池モジュールを製造する際に用いる、真空ラミネート装置を側面からみた概略断面図である。
〔本発明の太陽電池モジュールの製造方法〕
本発明の製造方法は、太陽電池モジュールの製造方法であって、封止材と裏側保護基材用部材1とを積層して、封止材・裏側保護基材用部材1の一体品(以下、単に一体品という)を製造する工程1を有し、続いて、表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着する工程2を有し、裏側保護基材用部材2の一体品と接する面にコロナ処理がなされていることを特徴とする。
以下に本発明の太陽電池モジュールの製造方法を詳細に説明する。なお、以降の括弧( )内に単独で記載される数字は、各図面の符号と対応している。

[太陽電池モジュール製造方法:工程1]
図1から図2は、太陽電池モジュールの製造前における、本発明の封止材と裏側保護基材用部材1とを積層した一体品と、裏側保護基材用部材2の一例を模式的に示す断面図である。
工程1は、封止材と裏側保護基材用部材1とを積層して、封止材・裏側保護基材用部材1の一体品を製造する工程である。この工程1について、封止材と裏側保護基材用部材1との積層方法は、特に限定されないが、工程1における封止材と裏側保護基材用部材1との積層が、共押出により行われることが好ましい。つまり、図6に示すようなTダイ(14)による共押出装置(13)により、封止材と裏側保護基材用部材1とをニップロール(15)とキャストロール(16)間に共押出し、剥離ロール(17)を経る方法によって、工程1において封止材と裏側保護基材用部材1とを好適に積層することが可能である。
工程1における封止材と裏側保護基材用部材1との積層を共押出により行う場合には、表面に格子柄や梨地柄等のエンボス模様が彫刻されたキャストロール(16)を用いることで、一体品の表面にエンボス模様を転写させることができ、巻き上げ時のブロッキングなどを防ぐことも可能となるために好ましい。
その他、工程1において封止材と裏側保護基材用部材1とを積層する方法としては、エクストリュージョンラミネート(押出ラミネート)、ドライラミネートなどの方法があるが、それぞれ後述する理由で、共押出による一体品積層が最も好適である。
工程1をエクストリュージョンラミネート(押出ラミネート)により行った場合:封止材と裏側保護基材用部材1のどちらか一方を、溶融押出やカレンダー等により製造し、それを基材とする。そして、Tダイ押出し機により加熱溶融した他方の樹脂(封止材の原料である樹脂、又は、裏側保護基材用部材1の原料である樹脂)をスリット状に押し出し、前記基材の上に流し込み、ニップロールとキャストロールで圧着することで積層する方法を言う。この方法では、多数の工程を必要とするため、経済的に不利なものとなることがある。
工程1をドライラミネートにより行った場合:封止材と裏側保護基材用部材1をそれぞれ溶融押出やカレンダー等により別々に製造し、その後、別工程にて接着剤を用いて積層するため、多数の工程を必要とし、さらに接着剤等の材料費が加算されるため、経済的に相当不利なものとなることがある。
次に、工程1にて用いられる封止材と裏側保護基材用部材1(3)について説明する。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法にて用いられる裏側保護基材用部材1(3)とは、太陽電池モジュールの裏側保護基材の一部である。
裏側保護基材用部材1の組成は特に限定されないが、オレフィン樹脂を主成分とする層を有することが好ましい。ここでオレフィン樹脂を主成分とする層とは、着目した層の全成分100質量%において、オレフィン樹脂を50質量%以上100質量%以下含むことを意味し、以下同様である。
オレフィン樹脂とは、ホモポリプロピレンやブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン系樹脂、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、ならびに2種以上のオレフィン樹脂の共重合体、例えばプロピレンとエチレンの共重合樹脂(EPC:thylene−ropylene−opolymer)や、エチレンとプロピレンとブテンの3元共重合樹脂などが好適に使用される。裏側保護基材用部材1中のオレフィン樹脂を主成分とする層として好適に用いられるオレフィン樹脂は、耐クリープ性や工程2後の厚みの減少を防ぐための耐熱性、ならびに封止材との接着性を加味して、ポリエチレンとポリプロピレンの共重合樹脂(EPC)やブロックポリプロピレンが特に好適に使用される。
裏側保護基材用部材1(3)には、太陽電池モジュールのセルとセルの間をすり抜けた光を再度反射させてセルに戻すべく、二酸化チタンや硫酸バリウム等の白色粒子を適宜含有させたり、耐光性をはじめとする耐久性、強度、および裏側保護基材用部材2との接着性を向上させるべく、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、光安定剤、シランカップリング剤などを適宜含有させることができる。
裏側保護基材用部材1(3)の厚みは、絶縁性を確保するための最低厚みとして、50μm以上が好ましく、経済性を考慮して300μm以下が好ましい。
また、裏側保護基材用部材1(3)は、図1に示すように単層であっても、図2に示すように2層構成であっても良い。さらに2層以上の多層であっても構わないが、共押出装置の口金が複雑となり、初期投資額がアップし、生産管理も困難になるため、単層または2層であることが好ましい。
裏側保護基材用部材1(3)が2層以上の構成の場合、裏側保護基材用部材1はオレフィン樹脂を主成分とする層を2層有することが好ましい。ここでオレフィン樹脂を主成分とする層とは、前述の通り、着目した層の全成分100質量%において、オレフィン樹脂を50質量%以上100質量%以下含むことを意味する。
また、裏側保護基材用部材1中の裏側保護基材用部材2と接する側の面を構成する層が、オレフィン樹脂を主成分とする層(以下、オレフィン層1(6)という)であって、オレフィン層1(6)が接着性を有する(以下、接着性を有するオレフィン層1を、接着層1という)ことで、工程2において、裏側保護基材用部材2(4)と圧着される際の接着性が上がるため、好ましい。特に裏側保護基材用部材1(3)が2層以上の構成の場合には、このように裏側保護基材用部材1がオレフィン層1(6)を有し、該オレフィン層1が接着層1であることが好ましい。
ここでオレフィン層1が接着性を有するとは、オレフィン層1が接着性樹脂を含有することを意味する。つまり、接着性樹脂を含有するオレフィン層1を、接着層1という。
ここで接着性樹脂とは、オレフィン樹脂であって、さらにその側鎖の一部を各種官能基で変性させた樹脂を意味する。そのため接着層1の主成分であるオレフィン樹脂としては、接着性樹脂ではないオレフィン樹脂と接着性樹脂とを併用しても良いし、接着性樹脂のみであっても構わない。ここで接着性樹脂とは、例えば、エポキシ変性オレフィン樹脂、酸変性オレフィン樹脂(例えば、無水マレイン酸変性オレフィン樹脂)、アミド変性オレフィン樹脂、シラン変性オレフィン樹脂などがあげられ、特に接着性樹脂は、エポキシ変性オレフィン樹脂、酸変性オレフィン樹脂、アミド変性オレフィン樹脂、及びシラン変性オレフィン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。本発明のコロナ処理がなされた裏側保護基材用部材2との接着性に優れ、また、裏側保護基材用部材2との高温高湿の過酷環境下での接着性の点から、接着層1が含有する接着性樹脂としては、エポキシ変性オレフィン樹脂が好ましく、その中でもエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が最も好適に使用される。エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体としては、例えば、住友化学株式会社製の型番ボンドファーストEがあげられる。
一方、裏側保護基材用部材1中の裏側保護基材用部材2と接する側の面を構成する層がオレフィン層1であって、該オレフィン層1が接着性を有する接着層1の場合には、裏側保護基材用部材1中の他方の面を構成する層も、オレフィンを主成分とする層(以下、オレフィン層2という)であることが好ましい。そしてこの場合には、裏側保護基材用部材1(3)が接着(オレフィン)層1とオレフィン層2の2層構成であって、該オレフィン層2(5)が二酸化チタンや硫酸バリウム等の白色粒子を適宜含有していることが好ましい。この場合の接着(オレフィン)層1とオレフィン層2の厚みについては、その厚みの合計が、絶縁性の観点から50μm以上が好ましく、経済性を考慮して300μm以下が好ましい。
続いて、本発明の太陽電池モジュールの製造方法の工程1にて用いられる封止材(2)について説明する。本発明の工程2では、一体品における封止材面が、発電素子であるセル(10)の裏側(非受光面側)に配置されて圧着される。本発明で用いられる封止材は、その組成は特に限定されないが、オレフィン樹脂を主成分とすることが好ましい。ここで、封止材がオレフィン樹脂を主成分とするとは、封止材の全成分100質量%において、オレフィン樹脂を50質量%以上100質量%以下含むことを意味する。封止材の全成分100質量%において、オレフィン樹脂が50質量%未満となる場合は、オレフィン樹脂の特性が十分発揮できないことがある。
そして封止材を構成するオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン系樹脂、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、ならびに2種以上のオレフィン樹脂の共重合体、例えばポリプロピレンとポリエチレンの共重合樹脂などが好適に使用されるが、セル(10)の裏面との接着性やセルの包埋性などを加味して、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が特に好適に使用される。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)としては、例えば、住友化学株式会社製の型番スミカセン−L GA401やGA701があげられる。
なお、封止材は、太陽電池モジュールのセルとセルの間をすり抜けた光を再度反射させてセルに戻すべく二酸化チタンや硫酸バリウム等の白色粒子を適宜含有させたり、耐光性をはじめとする耐久性、強度、およびセルとの接着性を向上させるべく、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、光安定剤、シランカップリング剤などを適宜含有させることができる。
ここで本発明における封止材とは、融点が130℃以下の層であるものと定義する。この定義条件を満たせば、封止材は単層であっても、2層以上からなる多層構成であってもよい。そして、封止材は、二酸化チタンや硫酸バリウム等の白色粒子を始めとする前記添加剤を全層または一部の層に含有させることができる。なお、封止材が多層構成の場合には、全ての層の融点が130℃以下であることが重要である。
なお、本発明では、融点が130℃以下の層が裏側保護基材中に含まれることを排除しているわけではない。つまり、例えば、本発明で言う、裏側保護基材用部材1のオレフィン層1(オレフィン層1が接着性を有する場合は、接着層1)の融点が130℃以下であっても、封止材と該オレフィン層1の間に融点が130℃を超える層が存在すれば、該オレフィン層1は封止材とは言わない。そのため、裏側保護基材用部材1中の少なくとも封止材と接する面を構成する層には、融点が130℃を超える層が配置されることとなる。
なお、ここでいう融点は、JIS K 7121(1987年)に準拠して、示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置を意味し、着目した層において複数の融点が観測される場合には、含有量の最も多い樹脂に相当するピークを融点とする。
また、封止材の厚みは、封止材が単層構成の場合であっても、多層構成の場合であっても、200〜600μmの範囲内が好ましく、セルの裏面に付設されている配線(配線厚みは200μm程度が一般的)を覆うための必要な最小厚みとして、200μm以上が好ましく、経済性を考慮して600μm以下が好ましい。

[太陽電池モジュール製造方法:裏側保護基材用部材2のコロナ処理工程]
本発明の太陽電池モジュールの製造方法では、工程2で用いる裏側保護基材用部材2の一体品と接する面にコロナ処理がなされていることが好ましい。つまり本発明の製造方法では、工程2の前に、裏側保護基材用部材2の一体品と接する面にコロナ処理する工程(コロナ処理工程という)を有することが重要である。以下、コロナ処理工程について説明する。
コロナ処理工程にて使用される裏側保護基材用部材2(4)について説明する。
本発明における裏側保護基材用部材2は、特に限定されないが、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂など多岐に渡る樹脂を含む層(フィルム)を使用することができる。
その中でも裏側保護基材用部材2としては、経済面を兼ね備えたポリエステル、特にはポリエチレンテレフタレートを主成分とする層(以下、単にポリエチレンテレフタレート層という)を有することが好ましい。ここで、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層とは、着目した層の全成分100質量%において、ポリエチレンテレフタレート樹脂を50質量%以上100質量%以下含む層を意味する。
さらに裏側保護基材用部材2としては、ポリエチレンテレフタレート層を有し、該ポリエチレンテレフタレート層が、白色粒子を1質量%以上30質量%以下含むことが好ましい。ここで白色粒子は、これを含むことでポリエチレンテレフタレート層を白色化せしめるものであり、これによって白色粒子による紫外線吸収能と光反射性を活かして、長期に亘ってシートの劣化による着色を低減するという効果を発揮できる。このような白色粒子としては、二酸化チタン、硫酸バリウムを挙げることができる。
ポリエチレンテレフタレート層の全成分100質量%において、白色粒子が1質量%未満では耐紫外線性が不足する場合があり、30質量%より多いとポリエチレンテレフタレート層の凝集破壊などが起こりやすくなる場合がある。ポリエチレンテレフタレート層中の白色粒子の含有量について、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。さらにポリエチレンテレフタレート層中の白色粒子の含有量について、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。
前述の通り白色粒子としては、二酸化チタン、硫酸バリウムを挙げることができるが、その中でも高い光反射性と耐光性という点で、ルチル型の酸化チタンを用いるのがより好ましい。白色粒子として好適なルチル型の酸化チタンとしては、例えばデュポン株式会社製 型番R−104(平均粒子径0.22μm)や堺化学工業株式会社製 型番SA−1(平均粒子径0.15μm)があげられる。
さらに裏側保護基材用部材2のポリエチレンテレフタレート層に、耐光性をはじめとする耐久性を向上させるべく、酸化防止剤、光安定剤などの添加剤も適宜含有させることができる。
本発明における裏側保護基材用部材2のポリエチレンテレフタレート層の厚みは、絶縁性の観点から50μm以上が好ましく、工程2におけるハンドリング性(取り扱い性)を考慮すると、75μmから125μmの厚みが特に好ましい。上限は、経済性から300μm以下が好ましい。
裏側保護基材用部材2中の裏側保護基材用部材1と接する側とは反対側の面には、光安定剤や紫外線吸収剤などを含むコーティングを別途施すことで、紫外線による耐久性などを好適に向上させることができる。
ここで、図5は、本発明の製造方法であるコロナ処理工程における、コロナ処理装置(29)の主要部分を側面からみた概略断面図であり、前述の裏側保護基材用部材2(4)の一体品と接する面にコロナ処理を行うものである。さらに詳しくは、コロナ放電電極(30)にてコロナ放電を発生させ、シリコンラバーなどの絶縁体を被覆させた処理ロール(31)上を通過する裏側保護基材用部材2の表面(処理ロールとは反対側の面)をコロナ処理するものである。
コロナ処理における下記に定義する処理値が1〜60の範囲内であることが好ましく、処理値が1以下である場合は、コロナ処理の強度が弱いために裏側保護基材用部材2の表面に十分な処理がなされず、結果後述する太陽電池モジュールの製造方法(工程2)にて製造した太陽電池モジュールの一体品と裏側保護基材用部材2の接着性が発現しない。
一方、処理値が60以上である場合は、コロナ処理の強度が強いために裏側保護基材用部材2のポリエチレンテレフタレート層が材料破壊してしまう恐れがある。このことより、処理値は、5〜30の範囲内であることがさらに好ましい。
コロナ処理の処理値=出力(W)/電極幅(m)×速度(m/分)
(速度は、コロナ放電電極(30)を通過する時の速度を指す。)
また、コロナ放電電極でコロナ処理を行う場合、窒素を流して行ってもよく、電極の近傍に窒素ガスを吹き付けるノズルを配置することで好適に処理することができる。また、コロナ処理を行う箇所(コロナ放電部と処理ロール近傍)をチャンバー化することでも好適に処理することが可能となる。
なお、コロナ放電電極と処理ロール間のクリアランス(間隙)については、上述のコロナ処理の処理値に影響するファクターではないが、クリアランスを大きく取りすぎると、コロナ放電により発生したオゾンが酸素に還元し、処理効果を低下させるため、1mm前後にすることが好ましい。
本発明の裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の水との接触角は、40°〜70°であることが好ましい。さらに好ましくは、50°から65°である。接触角が70°以上になると、後述する工程2後の裏側保護基材用部材2と一体品〔部材2との接触面は、裏側保護基材用部材1のオレフィン層1(オレフィン層1が接着性を有する場合は、接着層1)である〕との接着性を発現することが難しくなる。一方、接触角が40°以下になると、コロナ処理の強度が強いために裏側保護基材用部材2のポリエチレンテレフタレート層が材料破壊してしまう恐れがある。なお、ここでいう接触角は、JIS R 3257(1999年)に準拠して、水液滴をフィルム表面に滴下し、形成した水滴のなす角度を接触角計にて測定するものであることを意味する。
また、本発明の裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の表面自由エネルギーの塩基性パラメーターは、5〜30mJ/mであることが好ましい。
ここで言う塩基性パラメーターとは、協和界面科学株式会社製 型番DMs−400で測定した値(試料の表面自由エネルギーを解析するために使用する表面自由エネルギーが既知の液体としては、水、ジヨードメタンならびにエチレングリコールの3種を使用)であり、塩基性パラメーターが15〜25mJ/mであることが好ましく、15〜20mJ/mであることがさらに好ましい。
さらに、本発明の裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の Van Oss法で表される表面自由エネルギーは、40〜60mJ/mであることが好ましい。Van Oss法とは、Lifshitz-van der Waals非極性相互作用(LW)とLewis酸―塩基(A−B)極性相互作用の二つに分類したものであり、その値は、協和界面科学株式会社製 型番DMs−400(試料の表面自由エネルギーを解析するために使用する表面自由エネルギーが既知の液体としては、水、ジヨードメタンならびにエチレングリコールの3種を使用)で測定することができる。Van Oss法で表される表面自由エネルギーが40mJ/m以下、ならびに60mJ/m以上では、裏側保護基材用部材2と一体品との接着性を発現することが難しくなる。
最後に、本発明の裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の、分散成分、双極子成分、水素結合成分の3成分で表される表面自由エネルギー(3成分法)は、50〜70mJ/mであることが好ましい。3成分で表される表面自由エネルギーが50〜60mJ/mが好ましく、50〜55mJ/mであることがさらに好ましい。3成分で表される表面自由エネルギーの値は、協和界面科学株式会社製 型番DMs−400(試料の表面自由エネルギーを解析するために使用する表面自由エネルギーが既知の液体としては、水、ジヨードメタンならびにエチレングリコールの3種を使用)で測定することができる。

[太陽電池モジュール製造方法:工程2]
本発明の太陽電池モジュールの製造方法であって、表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着する工程2について説明する。
図3〜図4は、本発明の製造方法である工程2における、圧着前の太陽電池モジュール(11または12)の一例を模式的に示す断面図であり、構成は、受光面(表面)側から、表側保護基材(ガラスなど)(8)、受光面側の封止材(9)、セル(10)、一体品(1または7)、及び、一体品と接する面にコロナ処理がなされた裏側保護基材用部材2(4)がこの順で配置された構成であって、これらをこの順序に重ねて、圧着する工程2、例えば、真空状態でラミネートする工程(真空ラミネート工程)を経て、太陽電池モジュールが製造される。なお、圧着する工程2として真空ラミネート工程を採用する場合には、加熱工程を含んで圧着する工程2が好適に採用される。以下加熱工程を含んで圧着する工程2について説明するが、この加熱工程を含んで圧着する工程とは、加熱と同時に圧着する方法や、加熱によって封止材などを十分に軟質化してから、別途圧着する方法などを含む。
図7に、真空ラミネート装置(18)を用いた工程の方法を例示する。真空ラミネート装置(18)を用い、予め130〜180℃に加熱された加熱板(19)の上に、表側保護基材(ガラスなど)(8)、受光面側の封止材(9)、セル(10)、一体品(1または7)、及び、裏側保護基材用部材2(一体品と接する面にコロナ処理がなされている)(4)をこの順に積層して、静置する(以下、工程2を終える前の積層体という)。
しかる後、真空ラミネート装置(18)の上筐体(20)を閉じて密閉し、下筐体(21)に取り付けられた排気管(22)から排気装置(図示せず)で空間部(23)の空気を排気するとともに、同時に上筐体(20)に取り付けられた給排気管(24)からもゴム製ダイアフラム(25)と上筐体(20)とで形成する空間部(26)の空気を排気し、空間部(23)および空間部(26)を減圧状態とする。この状態を数分間保持した後、給排気管(24)から空気を導入して、空間部(23)と空間部(26)の圧力差(大気圧)によりゴム製ダイアフラム(25)を工程2を終える前の積層体に押し当て加圧する。かかる加圧状態は、使用する受光面側の封止材(9)や一体品(1または7)の封止材(2)のラミネート推奨時間にも依存するが、10〜40分間保持することが好ましい。以上のように加熱するとともに真空で圧着する工程2を行うことにより、太陽電池モジュールを製造することができる。真空ラミネート装置(18)の加熱板(19)の温度は使用する受光面側の封止材(9)や一体品(1または7)の封止材(2)のラミネート推奨温度にも依存するが、130〜180℃が好ましい。
なお、裏側保護基材用部材1と裏側保護基材用部材2とは、本発明の製造方法によって太陽電池モジュール中で積層されて一体となることで、太陽電池モジュールにおいて一般的に用いられる裏側保護基材に必要な特性、つまり、絶縁性、長期信頼性、機械特性(破断強度等)などを有することが大切である。一般的な太陽電池モジュールの製造方法では、先に裏側保護基材を製造して、それを用いて太陽電池モジュールを製造する。しかし本発明では、裏側保護基材用部材1と裏側保護基材用部材2という、裏側保護基材の構成部品を先に製造し、最終的に工程2を経て太陽電池モジュールを製造した際に、裏側保護基材が裏側保護基材用部材1と裏側保護基材用部材2との積層体として形成され、必要な特性を得ることができるように、裏側保護基材用部材1と裏側保護基材用部材2とを設計することが大切である。また本発明では、裏側保護基材を先に製造することなく、最終的に太陽電池モジュールを製造する工程2で、同時に裏側保護基材も製造することとなり、この点で、生産工程を減らすことができるために好適である。
以下、前記工程2で使用される、その他部材について説明する。

[表側保護基材(8)]
本発明の太陽電池モジュールにおいて、好適に用いることができる表側保護基材(8)は、太陽電池モジュールの受光面(表面)側の保護部材として用いられる。表側保護基材の組成は特に限定されないが、一般的にガラスが用いられる。表側保護基材としてガラスを用いる場合には、波長350〜1400nmの光の全光線透過率が80%以上であるガラスが好ましく、より好ましくは90%以上である。表側保護基材として用いられるガラスとしては、赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば、太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラスの機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラスの受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングをしても良い。
[受光面(表面)側の封止材(9)]
本発明の太陽電池モジュールの製造方法に用いられる受光面側の封止材(9)としては、公知の太陽電池用の封止材シートを使用でき、例えば、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)、オレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられるが、本発明における封止材・裏側保護基材用部材1の一体品における封止材(2)との接着性から、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)やオレフィン系樹脂が好ましい。エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)としては、例えばサンビック株式会社製の型番fastcure PV−45FR00Sがあげられる。また、受光面側の封止材シートの厚みに関しては、太陽電池セル(10)を外部環境から保護する役目からも400μm以上が好ましく、費用面から450μm〜800μmがさらに好ましい。
[太陽電池セル(10)]
本発明の太陽電池モジュールの一例における太陽電池セル(10)としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、化合物型など多岐に渡るが、本発明の太陽電池モジュールの製造方法が適用しやすい単結晶シリコン型、多結晶シリコン型が好ましい。
以下、本発明を実施例にて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[特性の評価方法]
(1)融点測定
実施例及び比較例に使用される非受光面側の封止材の各層、裏側保護基材用部材1(オレフィン層1と2)の各層について、JIS K 7121(1987年)に準拠し、株式会社島津製作所製 型番DSC−60を用いて測定した。
(2)接触角測定
JIS R 3257(1999年)に準拠して、水液滴を裏側保護基材用部材2の一体品と接する面に滴下し、形成した水滴のなす角度を接触角計(協和界面科学株式会社製 型番DMs−400)にて測定した。
(3)表面自由エネルギー測定(塩基性パラメータ−、Van Oss法、3成分法)
裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の表面自由エネルギーを解析するために使用する表面自由エネルギーが既知の液体として、水、ジヨードメタンならびにエチレングリコールの3種を用いて、測定器は協和界面科学株式会社製 型番DMs−400を使用し、測定した。
(4)接着強度評価
実施例および比較例の疑似モジュールにおいて、裏側保護基材用部材1の接着層1と裏側保護基材用部材2のコロナ処理がなされた面(各実施例にてコロナ処理の処理値を設定)との接着強度を確認した。
サイズは105mm角とし、以下で別途説明する接着強度評価用の疑似モジュールを使用した。なお、疑似モジュールとは、接着強度評価用として使用するモジュールであり、セルを含まないものである。
接着強度の測定方法は、疑似モジュールのガラス以外の部分を、幅5mm、長100mmの短冊状にカットし、株式会社エーアンド・デイ製テンシロン万能材料試験機RTG−1210を用い、180°剥離法、引張速度200mm/分にて測定した。評価は、計2回行い、その平均値の2倍の値を接着強度とした。なお、短冊状にカットした際、試験機のチャック掴み代が必要となるため、疑似モジュールを作成する際、裏側保護基材用部材1の接着層1と裏側保護基材用部材2のコロナ処理がなされた面の間に離型コートが施されたPETフィルムを掴み代の範囲の部分のみに挟み込むようにして疑似モジュール(工程2)を作製しておく必要がある。
上記測定は、高温高湿の環境下(85℃×85%RH×500時間)での保管前後で実施した。なお、高温高湿の環境下での保管は、エスペック株式会社製 恒温恒湿器(型番PH−4KT)を用いて実施した。
合否は、以下の通りとする。
1) 保管前後の接着強度が共に10N/10mm以上のものは「○」
2) 保管前後の接着強度の少なくともいずれかが10N/10mm未満のものは「×」とした。
[共通使用材料(対象:実施例1〜9、比較例1)]
(下記各種材料の頭に付したアルファベットは、別紙の表1のアルファベットと対応する。)
A.表側保護基材
厚み3.2mm、波長350〜1400nmの全光線透過率が90%以上である白板熱処理ガラスを使用した。
B.受光面側封止材
受光面側の封止材シートとして、エチレン−ビニルアセテート共重合体(EVA)(サンビック株式会社製の型番fastcure PV−45FR00S 厚み450μm)を使用した。
C.セル
本実施例では使用しない。
D.一体品
以下に示す工程1にて一体品を作製した。
[工程1]
封止材として、オレフィン樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、住友化学株式会社製の型番スミカセン−L GA701(融点124℃)を用い、裏側保護基材用部材1として、オレフィン層2は、オレフィン樹脂であるエチレンとプロピレンの共重合樹脂(EPC)、住友化学株式会社製の型番ノーブレンFL6412(融点142℃)を用い、オレフィン層1は、接着性樹脂として、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体である住友化学株式会社製の型番ボンドファーストE(融点103℃)を単独で用いた。
なお、上記各原料の融点は、層の融点の測定方法と同様に、JIS K 7121(1987年)に準拠し、株式会社島津製作所製 型番DSC−60を用いて測定した。以下同様である。
前記、封止材と裏側保護基材用部材1(オレフィン層1および2)との一体品作成は、Tダイによる共押出装置により、封止材を250μmの厚みで裏側保護基材用部材1を200μm(オレフィン層1が50μm、オレフィン層2が150μm)の厚みで共押出した。押出幅は、400mmで実施した。
E.裏側保護基材用部材2
裏側保護基材用部材2のポリエチレンテレフタレート層として、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム 東レ株式会社製 型番X10Sを用い、D.一体品と接する側の面に、下記計算式で定めたコロナ処理値を実施例毎に変更してコロナ処理を行った。コロナ処理機は、Roll−to−Rollの公知のものを使用した。なお、窒素環境下で行う場合は、電極の近傍に窒素ガスを吹き付けるノズルを配置し、コロナ処理を行う箇所(コロナ放電部と処理ロール近傍)をチャンバー化した。比較例は、コロナ処理を行わない。
コロナ処理定数=出力(W)/加工速度(m/分)×コロナ電極幅(m)
(実施例1)
[太陽電池モジュールの構成]
受光面側から、A表側保護基材/B受光面側封止材/D一体品/E裏側保護基材用部材2
[太陽電池モジュールの製造方法]
[裏側保護基材用部材2のコロナ処理工程]
裏側保護基材用部材2のポリエチレンテレフタレート層として、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム 東レ株式会社製 型番X10Sを用い、D.一体品と接する側の面に、下記計算式で定めたコロナ処理値を4としコロナ処理を行った。処理環境は空気中とした。
コロナ処理定数=出力(W)/加工速度(m/分)×コロナ電極幅(m)
[工程2]
A表側保護基材/B受光面側封止材/D一体品(封止材側がB受光面側封止材に向くよう配置)/E裏側保護基材用部材2(コロナ処理面が一体品に向くように配置)を、この順序に重ねて、真空ラミネート装置により、後述する方法にて、圧着し、太陽電池モジュールを製造した。
なお、短冊状にカットした際、試験機のチャック掴み代が必要となるため、疑似モジュールを作成する際、D一体品とE裏側保護基材用部材2の間に離型コートが施されたPETフィルム〔例えば東レフィルム加工株式会社製(登録商標)セラピール 型番MF〕を掴み代の範囲の部分のみに挟み込むようにしておく。
具体的な製造方法としては、真空ラミネート装置を用い、予め160℃に加熱された加熱板の上に、A表側保護基材(ガラス:厚み3.2mm)、B受光面側の封止材、D一体品、及び、E裏側保護基材用部材2をこの順に積層して、静置する。
しかる後、真空ラミネート装置の上筐体を閉じて密閉し、下筐体に取り付けられた排気管から排気装置で空間部の空気を排気するとともに、同時に上筐体に取り付けられた給排気管からもゴム製ダイアフラムと上筐体とで形成する空間部の空気を排気し、2カ所の空間部を減圧状態とする。この状態を4分間保持した後、給排気管から空気を導入して、2カ所の空間部の圧力差(大気圧)によりゴム製ダイアフラムを積層体に押し当て加圧する。かかる加圧状態は、16分間保持し、疑似モジュールを製造した。
(実施例2)
裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が8となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が10となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が20となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が40となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例6)
裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が60となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
コロナ処理を行う環境を窒素としたこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例8)
コロナ処理を行う環境を窒素とし、裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が8となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(実施例9)
コロナ処理を行う環境を窒素とし、裏側保護基材用部材2へコロナ処理値が20となるようにコロナ処理したこと以外、実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
裏側保護基材用部材2へコロナ処理をしないこと以外、実施例1と同様に実施した。
Figure 2015130387
表中の斜線は、セルを使用していないことを表す。
Figure 2015130387
表中の斜線は、コロナ処理をしていないことを表す。
(実施例1〜9と、比較例1の比較)
実施例と比較例との比較より、実施例は、裏側保護基材用部材2の一体品と接する面をコロナ処理すること、コロナ処理値を1〜60とすること、水との接触角を40°〜70°にすること、表面自由エネルギーの塩基性パラメーターが5〜30mJ/m2とすること、ならびに分散成分、双極子成分、水素結合成分の3成分で表される表面自由エネルギーが50〜70mJ/m2とすることで、裏側保護基材用部材1の接着層1と裏側保護基材用部材2のコロナ処理がなされた面との接着強度が「○」レベルとなり、実用上十分耐えうる性能といえる。一方、比較例は接着強度が「×」レベルであり、実用上耐えうる性能とはいえない。
1 一体品
2 封止材
3 裏側保護基材用部材1
4 裏側保護基材用部材2
5 オレフィン層2
6 オレフィン層1(接着層1:オレフィン層1が接着性を有する場合)
7 一体品
8 表側保護基材
9 受光面側の封止材
10 セル
11 圧着前の太陽電池モジュール
12 圧着前の太陽電池モジュール
13 共押出装置
14 Tダイ
15 ニップロール
16 キャストロール
17 剥離ロール
18 真空ラミネート装置
19 加熱板
20 上筐体
21 下筐体
22 排気管
23 空間部
24 給排気管
25 ゴム製ダイアフラム
26 空間部
27 内壁面
28 裏側保護基材
29 コロナ処理装置
30 コロナ放電電極
31 処理ロール(シリコンラバー)

Claims (11)

  1. 太陽電池モジュールの製造方法であって、
    封止材と裏側保護基材用部材1とを積層して、封止材・裏側保護基材用部材1の一体品(以下、単に一体品という)を製造する工程1を有し、
    続いて、表側保護基材、封止材、セル、一体品、及び、裏側保護基材用部材2を、この順序に重ねて、圧着する工程2を有し、
    前記裏側保護基材用部材2の一体品と接する面にコロナ処理がなされていることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 裏側保護基材用部材2がポリエチレンテレフタレート層を主成分とする層を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. コロナ処理における処理値が1〜60であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. コロナ処理が窒素を流して行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の水との接触角が、40°〜70°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の表面自由エネルギーの塩基性パラメーターが5〜30mJ/m2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の Van Oss法で表される表面自由エネルギーが40〜60mJ/m2であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 裏側保護基材用部材2の一体品と接する面の、分散成分、双極子成分、水素結合成分の3成分で表される表面自由エネルギーが50〜70mJ/m2であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 裏側保護基材用部材1中の、裏側保護基材用部材2と接する側の面を構成する層が、オレフィン樹脂を主成分とする層(以下、オレフィン層1という)であって、
    オレフィン層1が、接着性を有する(以下、接着性を有するオレフィン層1を、接着層1という)ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 前記接着層1が接着性樹脂を含み、 該接着性樹脂が、エポキシ変性オレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記接着性樹脂が、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体であることを特徴とする、請求項10に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI830948B (zh) * 2019-09-26 2024-02-01 日商東洋紡股份有限公司 積層體

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