JP2024012301A - 自発光型表示体用の封止材シート及びそれを用いた自発光型表示体 - Google Patents

自発光型表示体用の封止材シート及びそれを用いた自発光型表示体 Download PDF

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Abstract

【課題】次世代表示装置として期待が高まりつつあるマイクロLEDテレビ等、各種の自発光型表示体用途に好ましいものとして特化された封止材シートの開発が望まれていた。本発明は、マイクロLEDテレビ等の自発光型表示体用としての適性に特に優れる封止材シートを提供することを目的とする。【解決手段】オレフィン系樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、ビカット軟化点が、60℃を超えて90℃以下であり、190℃におけるMFRが、0.1g/10min以上12.0g/10min未満であり、所定の膜厚均一性試験によって測定される膜厚均一性が、8%未満である、自発光型表示体用の封止材シート1とする。【選択図】図2

Description

本発明は、自発光型表示体用の封止材シート、及び、それを用いた自発光型表示体に関する。
各種の液晶式の表示装置に代わる次世代型の表示装置として、マイクロLEDテレビに代表される自発光型表示体の開発が進んでいる(特許文献1)。
この自発光型表示体においては、LED素子等の発光素子が配線基板に実装されて構成されているLEDモジュールの発光面側の表面に、発光素子を保護するための封止材シートが積層される(特許文献2)。
ここで、特許文献2に開示されている電子デバイス用の封止材シートは、太陽電池等も含む多様な電子デバイスへの適用が広く想定されていて、そのビカット軟化点については、60℃以下、特に好ましくは30~50℃以下という低温度範囲であることが要求されている。これは、同文献に記載の通り、「短時間での熱圧着により高い接着性を発揮」させることを企図したものである。又、従前は、様々な表面形状の電子デバイスの表面の凹凸への封止材シートの十分な埋まり込み性(モールディング性)を確保する上でも、ビカット軟化点が上記の低温度範囲にあるものが好ましいものと考えられていた。
ところが、上述のマイクロLEDテレビの開発の過程において、封止材シートで被覆する対象の電子デバイスの表面が、例えば、マイクロLEDテレビを構成する上記LEDモジュールの発光面のように微小な凹凸しか存在せず、尚且つ、熱プレス加工後における封止材の膜厚の均一性が、映像品位を保持するために、太陽電池モジュール等の場合よりも各段に高水準で要求される場合には、ビカット軟化点が上記のような低温度範囲にある封止材シートが、必ずしも最適であるとは言えないのではないかという疑念が生じるようになった。
封止材シートで被覆する対象面の凹凸が微小な場合、モールディング性の観点からは、ビカッド軟化点を、上記のような低温度範囲(60℃以下)に限定する必要はなく、生産性の面では、特許文献2に記載されているような上記のメリット(熱圧着が短時間で終えられること)よりも、むしろ、封止材シートのブロッキング発生によるトータルの生産性や品質安定性の低下の方が顕在化しやすくなる。
又、封止材シートのビカット軟化点が上記の低温度範囲にある場合、封止材シートの十分な耐熱性を担保するためには架橋剤の添加が必要となり、封止材シートの材料コストの上昇や、製膜温度の制限による生産性の低下という問題も生じる。
このような状況の中で、次世代表示装置として期待が高まりつつあるマイクロLEDテレビ等、各種の自発光型表示体用途に好ましいものとして特化された封止材シートの開発が望まれていた。
特開2018-14481号公報 特開2014-148584号公報
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、マイクロLEDテレビ等の自発光型表示体用としての適性に特に優れる封止材シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、電子デバイス用の封止材シートのビカット軟化点を、従来とは異なる高温範囲に規定し、尚且つ、MFRについては、特定の低MFR範囲に維持することにより、上記課題を解決し、マイクロLEDテレビ等の自発光型表示体用としての適性に特に優れる封止材シートとすることができることを見出すに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) オレフィン系樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、ビカット軟化点が、60℃を超えて90℃以下であり、190℃におけるMFRが、0.1g/10min以上12.0g/10min未満である、自発光型表示体用の封止材シート。
(1)の発明は、電子デバイスを封止する封止材シートにおいて、ベース樹脂のビカット軟化点は、従来品よりも高温度範囲に特定し、尚且つ、同樹脂のMFRについては、従来同様、或いはそれ以下の低MFR範囲に維持するようにしたものである。これによれば、封止材シートの製造過程での耐ブロッキング性、熱プレス加工時のモールディング性、熱プレス加工後の膜厚の均一性及び過剰流動に起因する樹脂のはみ出し抑制の全てにおいて、自発光型表示体用として、特に好ましい水準にある封止材シートを得ることができる。
(2) 190℃におけるMFRが、5.0g/10min未満である、(1)に記載の封止材シート。
(2)の発明は、(1)の封止材シートについて、ビカット軟化点温度については、上記高温度範囲に保持しながら、MFRについて、更に低く抑えたものである。これにより、(1)の封止材シートの熱プレス加工時の過剰流動を更に抑制して、熱プレス加工後の膜厚の均一性を更に高水準で維持することができる。
(3) 190℃におけるMFRが、0.5g/10min未満である、(2)に記載の封止材シート。
(3)の発明は、(2)の封止材シートについて、ビカット軟化点温度については、上記高温度範囲に保持しながら、MFRを極めて低い範囲に抑えたものである。このような封止材シートは、所謂、弱架橋処理により得ることができる。これにより、(1)の封止材シートの熱プレス加工時の過剰流動を更に抑制して、熱プレス加工後の膜厚の均一性を極めて高水準で維持することができる。
(4) 複数の発光素子が、配線基板に実装されてなる自発光型表示体用の発光モジュールと、前記発光素子を被覆して、前記配線基板の前記発光素子の実装面側に積層されている封止材シートと、前記封止材シートの表面に積層されている表示面パネルと、を備え、前記封止材シートは、(1)から(3)のいずれかに記載の封止材シートである、自発光型表示体。
(4)の発明によれば、(1)から(3)のいずれかの封止材シートが発揮しうる、耐ブロッキング性、モールディング性、及び、膜厚の均一性にかかる有利な効果を享受して、生産性、耐久性、光学特性に優れる、自発光型表示体を得ることができる。
(5) 前記発光素子が、LED素子である、(4)に記載の自発光型表示体。
(5)の発明は、次世代型モニターの主流として期待されるマイクロLEDテレビを代表とする各種の自発光型のLED表示装置への本発明の適用である。これにより、生産性、耐久性、光学特性に優れる、自発光型のLED表示装置を得ることができる。
(6) 前記LED素子が、LED発光チップと該LED発光チップを被覆する樹脂カバーとを有し、該LED素子の幅及び奥行きが、いずれも300μm以下であり、高さが、200μm以下であって、各々の該LED素子の配置間隔が、0.03mm以上12.0mm以下である、(5)に記載の自発光型表示体。
(6)の発明は、多数のLEDチップを基板に直接実装したチップオンボード方式でLED素子を密に実装した高精細度のドットマトリクス表示装置等に、(5)の自発光型表示体を適用したものである。これにより、生産性、耐久性、光学特性に優れる、高精細度のLED表示装置を得ることができる。
(7) 前記LED素子の幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下であって、各々の該LED素子の配置間隔が、0.05mm以上5mm以下である、(6)に記載の自発光型表示体。
(7)の発明は、近年開発が進みつつあり、次世代映像表示装置として期待される「マイクロLEDテレビ」に(5)の自発光型表示体を適用したものである。これにより、生産性、耐久性、光学特性に優れる、超高精細度のLED表示装置を得ることができる。
(8) 複数の前記発光モジュールが、同一平面上において接合されてなる発光面を有し、該発光面上に前記封止材シートが積層されている、(4)から(7)のいずれかに記載の自発光型表示体。
(7)の発明は、(1)又は(2)の封止材シートを用いて構成される自発光型表示体用のLEDモジュールを複数接合して、マイクロLEDテレビを含む各種の自発光型表示体における画面サイズの大型を行なうものである。(1)又は(2)の封止材シートは、熱ラミネーションによる接合後における表面平滑性に優れるため、上記のモジュールの接合に伴う画面品位の低下を生じさせることなく、自発光型表示体の大画面化をフレキシブルに行うことができる。
本発明によれば、マイクロLEDテレビ等の各種の自発光型表示体用途に特に好ましい封止材シートを提供することができる。
本発明の封止材シートが自発光型表示体用の発光モジュール(LEDモジュール)に積層されてなる自発光型表示体の画像表示面の平面図及びその部分拡大平面図である。 図1のA-A部分の断面を表した断面図である。 図1の自発光型表示体用のLEDモジュールを構成するLED素子の斜視図である。
<自発光型表示体>
先ず、本明細書における「自発光型表示体」とは、上記において例示したマイクロLEDテレビに代表される表示装置であり、文字・画像・動画等の視覚情報の表示装置である。この表示装置は、微少且つ多数の発光素子を配線基板上にマトリクス状に実装し、各発光素子をこれに接続された発光制御手段により選択的に発光させることにより、上記の視覚情報を、各発光素子の点滅により直接的に表示画面上に表示することができる表示装置である。
そして、本発明の自発光型表示体用の封止材シート(以下、単に「封止材シート」とも言う)は、「自発光型表示体」の中でも、発光素子としてLED素子を用いるLED表示装置に特に好ましく用いることができる。又、この場合のLED素子は、「微少サイズのLED素子」であることがより好ましい。本明細書においては、「微少サイズのLED素子」とは、具体的に、LED発光チップと、それを被覆する樹脂カバーとを含んだ発光素子全体のサイズについて、幅(W)及び奥行き(D)が、いずれも300μm以下であり、高さ(H)が、200μm以下であるLED素子のことを言うものとする(図3参照)。
又、この「微少サイズのLED素子」のサイズについては、幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下であることがより好ましい。尚、このサイズ範囲は、近年開発が進み、次世代型テレビの主流となることが期待されるマイクロLEDテレビに実装されるLED素子の標準的なサイズである。以下、本明細書においては、幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下の微少サイズのLED素子が、数μm~数十μm程度のピッチで、数1000×数1000程度以上の個数でマトリクス状に配置されている自発光型表示体を「マイクロLED表示装置」と称する。
そして、以下においては、「自発光型表示体」が「マイクロLED表示装置」である場合の実施形態を、本発明の様々な実施形態のうちの特に好ましい具体的な一例として取上げながら、本発明の詳細な説明を行なう。但し、本発明の技術的範囲は「マイクロLED表示装置」のみへの適用に限定されるものではない。上述の定義による「自発光型表示体」全般にも適用可能な技術である。
[マイクロLED表示装置]
図1は、本発明の自発光型表示体の一実施形態であるマイクロLED表示装置100の正面図、及び、その部分拡大図(100A)である。又、図2は、図1のA-A部分の断面を表した断面図であり、図1に示したマイクロLED表示装置100の層構成の説明に供する図面である。このマイクロLED表示装置100は、発光素子として多数の微少サイズのLED素子10が、配線基板20に実装されてなる自発光型表示体用の発光モジュールであるLEDモジュール30を備える自発光型表示装置であり、各々のLED素子10は、別途接合されるICチップ基板等の発光制御手段(図示せず)により、それぞれ個別にその発光が制御される。
又、マイクロLED表示装置100においては、LEDモジュール30のLED素子10の実装面に、LED素子10を被覆する態様で自発光型表示体用の封止材シート1が積層されている。そして、各種の光学フィルムや透明保護ガラス等の表示面パネル2が更に封止材シート1の外表面側(マイクロLED表示装置100における表示面側)に積層されている。
又、複数の自発光型表示体用のLEDモジュール30を、同一平面上においてマトリクス状に接合し、接合されたLEDモジュールに、上記同様に封止材シート1を積層することによって、大型の自発光型表示体用のLEDモジュール、そして、大型のマイクロLED表示装置を構成することができる。この場合に、封止材シート1の熱プレス加工後における優れた膜厚の均一性が、接合される個々のLEDモジュール間の接合部における、表示面の均一性の保持し、そのような大型のマイクロLED表示装置の映像品位の向上にも寄与する。
(マイクロLED表示装置の製造方法)
マイクロLED表示装置100は、配線基板20に、LED素子10を実装してなる自発光型表示体用のLEDモジュール30、封止材シート1、表示面パネル2、及び、必要に応じて配置されるその他の光学部材を積層してなる積層体とし、この積層体を熱プレス加工により一体化することにより製造することができる。尚、必要に応じて一部の積層部材は上記の熱プレス加工前に予め接着剤によって接合しておくことが好ましい。本発明の封止材シート1は、この最終製品としての一体化のための熱プレス加工時において十分なモールディング性を発揮し、又、この熱プレス加工後における膜厚の均一性に極めて優れる点を特徴とする。
(自発光型表示体用のLEDモジュール)
本発明に係る自発光型表示体用の発光モジュールであるLEDモジュール30は、図2に示す通り、支持基板21に配線部22が形成されてなる配線基板20に、LED素子10を実装することによって構成される。
配線基板20は、図2に示す通り、支持基板21の表面に、LED素子10と導通可能な形態で、例えば、銅等の金属やその他の導電性部材によって形成される配線部22が形成されてなる回路基板である。支持基板21は電子回路の基板として従来公知のガラスエポキシ系の硬質の基板でもよいし、或いは、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート等、可撓性を有する樹脂で構成することもできる。
LEDモジュール30においては、図2に示すように、LED素子10が、ハンダ層23を介して、配線部22の上に導電可能な態様で実装される。
LEDモジュール30のサイズについては、特段の限定はないが、対角線の長さが50インチ~200インチ程度のものが、一般的には、コストパフォーマンスの観点から好ましいものとされている。又、上述の通り、複数の自発光型表示体用のLEDモジュール30を、同一平面上においてマトリクス状に接合して、大型のマイクロLED表示装置100等の自発光型表示体の発光面を構成することができる。例えば、対角線の長さが6インチのLEDモジュール30を、縦横に100×100個接合し、対角線の長さが、600インチの大画面を備えるマイクロLEDテレビを構成することもできる。
(LED素子)
配線基板20に実装されて自発光型表示体用のLEDモジュール30を構成するLED素子10は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。P型電極、N型電極を素子上面、下面に設けた構造と、素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造が提案されている。いずれの構造のLED素子10も、本発明のLED表示装置100に用いることができるが、特開2006-339551号公報に「チップ状電子部品」として開示されているLED素子のような微少サイズのLED素子を特に好ましく用いることができる。同文献に開示されているLED素子は、幅×奥行き×高さのサイズが、概ね25μm×15μm×2.5μmであるとされている。
LED素子10は、LED発光チップ11と、それを被覆する樹脂カバー12とを含んでなるものであることが好ましい。又、この樹脂カバー12としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の有機絶縁材料が用いられ、これらのなかでも、エポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。エポキシ樹脂によって形成される樹脂カバー12は、単にLED発光チップ11を物理的衝撃から保護するのみならず、LED発光チップ11を構成する半導体と空気との屈折率の差に起因する半導体内への光の全反射を抑制してLED素子10の発光効率を高める役割も果たすからである。封止材シート1は、エポキシ樹脂との密着性についても優れるオレフィン系樹脂により形成されている点において、マイクロLED表示装置100に搭載する封止材として好ましい。
本発明の自発光型表示体においては、LED発光チップとそれを被覆する樹脂カバーとを含んでなるLED素子であって、幅と奥行きが、いずれも300μm以下であり、高さが200μm以下のサイズのLED素子を好ましく用いることができる。この場合、このLED素子の配置間隔は、0.03mm以上100mm以下であることが好ましい。
又、本発明の自発光型表示体においては、LED発光チップと、それを被覆する樹脂カバーと、を含んでなるLED素子であって、幅と奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが10μm以下のサイズの極めて微少なサイズのLED素子を、より好ましく用いることができる。この場合、このLED素子の配置間隔は、0.03mm以上100mm以下であることが好ましい。このようなLED素子の実装態様は、具体的にはマイクロLEDテレビにおけるLED素子の標準的な実装態様でもある。
(自発光型表示体用の封止材シート)
本発明の封止材シートは、「自発光型表示体」において、微少且つ多数の発光素子を被覆して配線基板上に積層する樹脂シートとして、特に好ましく用いることができる樹脂シートである。又、この自発光型表示体用の封止材シートは、オレフィン系樹脂をベース樹脂とする封止材組成物を成膜して、シート状の部材としたものである。尚、本発明の封止材シートは、単層フィルムであってもよいが、コア層と、コア層の両面に配置されるスキン層によって構成される多層フィルムであってもよい。尚、本明細書における多層フィルムとは、少なくともいずれかの最外層、好ましくは両最外層に成形されるスキン層と、スキン層以外の層であるコア層とを有する構造からなるフィルム又はシートのことを言う。
この封止材シートの厚さは、50μm以上1000μm以下であれば良く、50μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。又、被覆する対象のLED素子が、高さが10μm以下である極めて微少なサイズのLED素子である場合、封止材シートの厚さは、25μm以上100μm以下であることが好ましい。封止材シートの厚さが、50μm以上であると、LED素子を外部からの衝撃から十分に保護することができる。一方、封止材シートの厚さが、1000μm以下であると、十分なモールディング性を発揮できる。具体的には、LED素子を被覆した状態での熱プレス加工時に、封止材シートを構成する樹脂が、LEDモジュール表面の凹凸に十分に回り込んで隙間のない良好なラミネートを行なうことができる。又、一体化後の自発光型表示体において、封止材シートからなる封止層の光線透過率を十分に確保することもできる。
そして、この封止材シートは、ビカット軟化点が、60℃を超えて90℃以下であり、好ましくは、70℃以上90℃以下である。封止材シートのビカット軟化点を60℃超えとすることにより、封止材シートを用いた自発光型表示体の製造過程におけるブロッキングの発生を抑制して、自発光型表示体の生産性の向上に寄与することができる。又、この温度範囲を90℃以下とすることにより、自発光型表示体用の封止材シートに要求されるモールディング性を維持することができる。
又、封止材シートのビカット軟化点について、より詳しくは、封止材シートの融点に応じて、更に厳密に最適化することが好ましい。具体的に、封止材シートの融点が、50℃~70℃未満の比較的低い範囲にある場合には、熱プレス加工時の過剰流動を抑制するために、ビカット軟化点を60~70℃未満の範囲とすることが好ましい。又、同融点が、70℃以上の比較的高い範囲にある場合は、熱プレス加工時のモールディング性を良好に保持するため、ビカット軟化点を70℃~90℃の範囲とすることが好ましい。
尚、本明細書における封止材シートの「ビカット軟化点」は、樹脂成分とその他の添加剤を含んでなる封止材組成物を、押出し溶融成形等の成形法によりシート化した封止材シートのシート化完了後の段階におけるビカット軟化点を、ASTM D1525に基づいて測定した値のことを言うものとする。
又、自発光型表示体用の封止材シートは、これを構成する樹脂シートの190℃におけるメルトマスフローレート(MFR)が、0.1g/10min以上12.0g/10min未満であり、好ましくは、0.1g/10min以上5.0g/10min未満であり、更に好ましくは、0.1g/10min以上0.5g/10min未満である。封止材シートのMFRを、0.1g/10min以上とすることにより、自発光型表示体用の封止材シートに要求されるモールディング性を備えることができる。
又、このMFRを12.0g/10min未満とすることにより、自発光型表示装置としての一体化のための熱プレス後における封止材シートの膜厚の均一性を極めて高い水準で保持することができる。マイクロLED表示装置100等の自発光型表示体においては、LED素子の発光面側に積層される封止材シートに特段の膜厚の均一性が求められる。これは、この封止材シートの中央部と談部の膜厚が僅かでも異なると、封止材シートがレンズ状の状態となり、マイクロLED表示装置の表示品位に対して意図しない好ましくない影響を与えてしまうからである。
又、封止材シートのMFRが12.0g/10min未満であることにより、材料樹脂組成物の流動性が低下し、シート押出成形時に高温製膜が可能となり生産性が向上するという利点もある。高温での製膜により、押出機のトルクを下げる事が可能になりシート成形が容易となる。又、高温での製膜の場合、シート成形時のネックインを抑制して幅の広いシートを成形でき、又、シートが得られた場合、押出機内で高温溶融状態となるため、ゲル等が発生しにくく、シートの表面に凹凸が発生しにくく、良好な外観を得やすい。
又、封止材のMFRが12.0g/10min以上の場合には、耐熱クリープ耐性を持たせるために架橋剤等により架橋の処方が必要となり、又、熱プレス加工時の条件もMFRに応じてプレス条件を個々に設定する必要性があり、封止材のMFRが12.0g/10min未満の場合は架橋の処方も必要なく、プレス条件の設定も共通化する事が可能となる。これらの点においても、封止材シートのMFRが12.0g/10min未満とすることが好ましい。
尚、本明細書における封止材シートの「MFR」は、樹脂成分とその他の添加剤を含んでなる封止材組成物を、押出し溶融成形等の成形法によりシート化した封止材シートのシート化完了後の段階におけるMFRを、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した値のことを言うものとする。尚、封止材シートが多層フィルムである場合のMFRについては、全ての層が一体積層された多層状態のまま、上記処理による測定を行い、得た測定値を当該多層の封止材シートのMFR値とするものとする。
封止材シートを形成する封止材組成物のベース樹脂は、ビカット軟化点及びMFRが上記範囲にあるものであれば、オレフィン系の熱可塑性樹脂を広く選択することができる。中でも、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)等のポリエチレン系樹脂を好ましく用いることができる。尚、本明細書において「ベース樹脂」とは、当該ベース樹脂を含有してなる樹脂組成物において、当該樹脂組成物の樹脂成分中で含有量比の最も大きい樹脂のことを言うものとする。
封止材組成物のベース樹脂として用いる上記のポリエチレン系樹脂の密度は、0.870g/cm以上0.910g/cm以下であればよく、好ましくは、0.895g/cm以上0.905g/cm以下である。封止材組成物のベース樹脂の密度を0.910g/cm以下とすることにより、封止材シートの配線基板等への密着性を好ましい範囲に保持することができる。又、同密度を、0.890g/cm以上とすることで、架橋処理を経ることなく、封止材シートに必要十分な耐熱性を備えさせることができる。
ここで、本発明の封止材シートは、製膜後の架橋処理を不要とする熱可塑系の封止材であることを特徴の一つとするが、このような「架橋処理が不要な」封止材シートとして、ポリエチレン系の封止材組成物を弱架橋させてなる「弱架橋系の封止材」を用いることもできる。「弱架橋」とは、その詳細が、国際公開第2011/152314号に開示されている封止材の製造方法にかかる架橋処理技術であり、ゲル分率を0%に保持したままごく弱い架橋を進行させながら封止材組成物の成膜を行う技術である。本明細書においては、この弱架橋処理を経て成膜されている弱架橋済の封止材のことを「弱架橋系の封止材」というものとする。尚、弱架橋系の封止材は、成膜時に弱架橋処理を終えており、成膜後には架橋剤が実質的に残存していないものである。よって、自発光型表示体の製造過程における別途の架橋処理は不要である。
この弱架橋系の封止材は、密度0.870g/cm以上0.890g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、ごく微量の架橋剤を含む受光面側封止材用の封止材組成物を、従来公知の方法で成膜加工する過程で、成膜中に上記の弱架橋処理を施すことにより得ることができる。
封止材組成物には、α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体(以下、「シラン変性ポリエチレン系樹脂」とも言う)を、必要に応じて、各封止材組成物に一定量含有させることがより好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材シート1の接着性を向上することができる。このシラン変性ポリエチレン系樹脂の封止材組成物中の含有量は、コア層用の封止材組成物においては2質量%以上20質量%以下、スキン層用の封止材組成物においては、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。特にスキン層用の封止材組成物には、10%以上のシラン変性ポリエチレンが含有されていることがより好ましい。尚、上記のシラン変性ポリエチレン系樹脂におけるシラン変性量は、1.0質量%以上3.0質量%以下程度であることが好ましい。上記の封止材組成物中における好ましいシラン変性ポリエチレン系樹脂の含有量範囲は、上記シラン変性量がこの範囲内であることを前提としており、この変性量の変動に応じて適宜微調整することが望ましい。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003-46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュール用の封止材組成物の成分として用いることにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造しうる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<自発光型表示体用の封止材シートの製造>
各実施例、比較例毎に調合した、下記の封止材組成物を、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/min、膜厚400μmでシート化し、各実施例及び比較例の封止材シートを製造した。尚、Tダイ直下の冷却ロール、及び、ゴムロールについて、冷却ロールは表面粗さRz1.5μmのクロムメッキ仕上げの冷却ロールを使用し、ゴムロールは硬度70度のシリコーンゴムロールを使用した。
(実施例1(1-1~1-2)の封止材シート)
下記のベース樹脂1を100質量部に対して、下記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、実施例1(1-1~1-2)の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂1
:密度0.901g/cm、融点93℃、190℃でのMFRが2.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)
:密度0.919g/cm、190℃でのMFRが3.5g/10分の低密度ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UV吸収剤):0.6質量部。
添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン系樹脂)
:密度0.900g/cm、MFRが2.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。この添加樹脂2の密度は、0.901g/cm、MFRは、1.0g/10分である。
(実施例2(2-1~2-2)の封止材シート)
下記のベース樹脂2を100質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、実施例2(2-1~2-2)の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂2:密度0.898g/cm、190℃でのMFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
(実施例3(3-1~3-2)の封止材シート)
下記のベース樹脂3を100質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、実施例3(3-1~3-2)の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂3:密度0.905g/cm、190℃でのMFRが 3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
(実施例4(4-1~4-2)の封止材シート)
下記のベース樹脂4を100質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、実施例4(4-1~4-2)の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂4:密度0.919g/cm、190℃でのMFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
(実施例5(5-1~5-2)の封止材シート)
下記のベース樹脂5を97質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ1-2)を5質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を5質量部の割合で混合し、弱架橋系の封止材シートである実施例5(5-1~5-2)の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂5:0.880g/cm、190℃でのMFRが3.5g/10minのM-LLDPEペレット100質量部に対して、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン0.041質量部を含浸させて得たコンパウンドペレット。
<封止材の製造>
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例1(1-1~1-2)の封止材シート)
下記のベース樹脂6を100質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、比較例1(1-1~1-2)の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂6:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが2.2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
(比較例2の封止材シート)
下記のベース樹脂7を100質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を3質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を10質量部の割合で混合し、比較例2の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂7:密度0.910g/cm、190℃でのMFRが15.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
(比較例3の封止材シート)
下記のベース樹脂8を100質量部に対して、上記の添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)を5質量部、上記の添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)を20質量部の割合で混合し、比較例2の封止材シートを成形するための封止材組成物とした。
ベース樹脂8:密度0.913g/cm、190℃でのMFRが2.4g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
<封止材シートのビカット軟化点>
実施例、比較例の各封止材シートのビカット軟化点を、ASTM D1525に基づいて測定した。結果を表1に示す。
<封止材シートのMFR>
実施例、比較例の各封止材シートのMFRを、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した。結果を表1に示す。
<評価例1:耐ブロッキング性>
実施例、比較例の各封止材シートについて、耐ブロッキング性を、以下の試験方法により評価した。
[耐ブロッキング性試験]
(試験方法)
実施例、比較例の各封止材シートのブロッキング性を、ASTM D395に準じ、テスター産業株式会社製CO-201永久歪試験機(定荷重式)のブロッキングテスターを用いて測定した。大型試験片29mmφを用いて荷重5kgを掛け、製膜時の冷却ロール面側とゴムロール面側を合わせる形とし、上記各封止材シートを5×5cmのサイズにカットして、大型試験片29mmφの間に挟み、40℃90%の湿熱オーブンにて48時間投入後、23℃50%24時間後のブロッキング状態を確認した。
(評価基準)
A:剥離に力を掛けることなく剥離した。
B:剥離する際に力を掛けて剥離した。
C:剥離する際に力を掛けて、剥離した結果、剥離面に積層した一方の封止材の一部がもう一方に転位し、付着している事が観察された。
評価結果を「耐ブロッキング性」として表1に記す。
<評価例2:モールディング性>
実施例、比較例の各封止材シートについて、様々な凹凸面に対するモールディング性を、以下の試験方法により評価した。
[モールディング性試験用モジュール作成]
試料1(表1のモジュール凹凸の覧において「微小」と記す)
:幅25μm×奥行き15μm×高さ2.5μmの微小サイズのLED素子が、200×300mmサイズのガラスエポキシ配線基板の表面に2mmピッチで配置されているLEDモジュールを用意し、このモジュールのLED素子配置面に、厚さ300μmの各実施例比較例のいずれかの封止材シートを積層し、更に、その封止材シートの上に、表面保護フィルムとして、片面コロナ処理された50μmのエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)フィルムを積層し、太陽電池モジュール製造用の真空ラミネータを用い温度150℃,真空引き時間5分、プレス保持時間10分、上部チャンバー圧力70KPaの条件にて、真空ラミネート処理を行い、モールディング性試験用モジュール(試料1)を作製した。
試料2(表1のモジュール凹凸の覧において「小」と記す)
:LED素子のサイズを、幅100μm×奥行き200μm×高さ100μmとしたこと、及び、その配置ピッチを10mmとしたことの他は、試料1と同一の材料及び方法により、モールディング性試験用モジュール(試料2)を作製した。
[モールディング性試験]
上記の各試験用モジュールについて、目視観察し、下記の評価基準により、モールディング特性を評価した。
(評価基準)
A:封止材シートが対面するLED素子配置面の凹凸に完全に追従。空隙の形成は観察されなかった。
B:2mm以内の気泡が3個以内観察された。
C:封止材シートの一部が対面するLED素子配置面の凹凸に完全に追従せず、LED
素子の近辺に一部ラミネート不良部分(空隙)が形成された。
評価結果を「モールディング性」として表1に記す。
<評価例3:膜厚均一性>
実施例、比較例の各封止材シートについて、上記モールディング試験で行った真空ラミネート後における、膜厚の均一性について、上記の各試験用モジュールを用いて以下の試験方法により、膜厚均一性を測定して評価した。
[膜厚均一性試験]
30×30cmにカットした実施例・比較例の各封止材シートの表裏に50μmの未処理のETFEを離型フィルムとして積層し、その後更に、30×30cm厚み3mmのガラスを表裏に積層した構成の積層体とし、この積層体を、評価例2と同一の条件で真空ラミネート処理を行った。冷却後ガラス及びETFEを剥がし、封止材の厚みについて、センター部分、及び、コーナーから中央に向かって2cmの箇所、以上2点の膜厚をデジタル膜厚計にて測定して、下記の評価基準により、膜厚均一性を評価した。
(評価基準)
A:中央部とコーナーから2cmの箇所の膜厚差が12ミクロン(3%)未満。
B:中央部とコーナーから2cmの箇所の膜厚差が12ミクロン(3%)以上、32ミクロン(8%)未満。
C:中央部とコーナーから2cmの箇所の膜厚差が32ミクロン(8%)以上。
評価結果を「膜厚均一性」として表1に記す。
Figure 2024012301000002
表1より、本発明の封止材シートは、微細な凹凸面に対する十分なモールディング性を有し、膜厚均一性に優れるものであり、マイクロLEDテレビ等、各種の自発光型表示体用途に好適であることが分かる。
1 封止材シート
2 表示面パネル
10 LED素子
11 LED発光チップ
12 樹脂カバー
20 配線基板
21 支持基板
22 配線部
23 ハンダ層
30 自発光型表示体用のLEDモジュール
100、100A、100B マイクロLED表示装置(自発光型表示体)

Claims (8)

  1. オレフィン系樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、
    ビカット軟化点が、60℃を超えて90℃以下であり、
    190℃におけるMFRが、0.1g/10min以上12.0g/10min未満であり、
    下記の膜厚均一性試験によって測定される膜厚均一性が、8%未満である、
    自発光型表示体用の封止材シート。
    (膜厚均一性試験)
    30×30cmにカットした封止材シートの表裏に50μmの未処理のETFEを離型フィルムとして積層し、その後更に、30×30cmで厚みが3mmであるガラスを表裏に積層した構成の積層体とし、この積層体を、同一の条件で真空ラミネート処理を行う。冷却後、ガラス及びETFEを剥がし、封止材の厚みについて、センター部分、及び、コーナーから中央に向かって2cmの箇所、以上2点の膜厚をデジタル膜厚計にて測定する。このようにして測定した、封止材の上記2点における膜厚差(%)を「膜厚均一性」とする。
  2. 190℃におけるMFRが、5.0g/10min未満である、請求項1に記載の封止材シート。
  3. 190℃におけるMFRが、0.5g/10min未満である、請求項2に記載の封止材シート。
  4. 複数の発光素子が、配線基板に実装されてなる自発光型表示体用の発光モジュールと、
    前記発光素子を被覆して、前記配線基板の前記発光素子の実装面側に積層されている封止材と、
    前記封止材の表面に積層されている表示面パネルと、を備え、
    前記封止材は、請求項1から3のいずれかに記載の封止材シートである、自発光型表示体。
  5. 前記発光素子が、LED素子である、請求項4に記載の自発光型表示体。
  6. 前記LED素子が、LED発光チップと該LED発光チップを被覆する樹脂カバーとを有し、
    該LED素子の幅及び奥行きが、いずれも300μm以下であり、高さが、200μm以下であって、
    各々の該LED素子の配置間隔が、0.03mm以上100mm以下である、請求項5に記載の自発光型表示体。
  7. 前記LED素子の幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下であって、
    各々の該LED素子の配置間隔が、0.05mm以上5mm以下である、請求項6に記載の自発光型表示体。
  8. 複数の前記発光モジュールが、同一平面上において接合されてなる発光面を有し、該発光面上に前記封止材シートが積層されている、請求項4から7のいずれかに記載の自発光型表示体。
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