JP2021014859A - カムローラ装置、燃料供給ポンプ、及び浮動ブッシュ - Google Patents

カムローラ装置、燃料供給ポンプ、及び浮動ブッシュ Download PDF

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Abstract

【課題】損傷リスクを低減可能なカムローラ装置、燃料供給ポンプ、及び浮動ブッシュを提供する。【解決手段】カムローラ装置は、カムシャフトの回転に伴って従節部を周期的に往復動させるためのカムローラ装置であって、カムシャフトと当接するように配置されるとともに、カムシャフトの回転に伴って回転するように構成されたローラと、ローラに挿通されるピン部材であって、ローラから突出する両端部が従節部と当接するように構成されたピン部材と、ローラの内周面とピン部材の外周面との間に配置される浮動ブッシュと、を備える。カムローラ装置は、ピン部材と浮動ブッシュとの間に潤滑油が供給されるように構成されている。浮動ブッシュは、浮動ブッシュの内周面において、浮動ブッシュの軸方向における端部領域における表面粗さをRa1、端部領域に挟まれた中央領域における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たす。【選択図】 図1

Description

本開示は、カムローラ装置、燃料供給ポンプ、及び浮動ブッシュに関する。
近年、高圧化した燃料を蓄えるコモンレールと、コモンレールに対して燃料を供給するための燃料供給ポンプと、を備えるコモンレール式のディーゼルエンジンが普及している(例えば、特許文献1参照)。このようなコモンレール式のディーゼルエンジンに用いられる燃料供給ポンプのローラ部には、片当たり防止や損失低減のため浮動ブッシュが用いられる場合がある。
特開2004−019469号公報
ところで、コモンレール式のディーゼルエンジンに用いられる燃料供給ポンプでは、噴射圧の高圧化により、燃料を噴射するための荷重が増大している。そのため、その荷重を受けるローラ部において損傷が発生しやすい。例えば、浮動ブッシュが回転しない状態となり、浮動ブッシュと回転しているローラとの間で焼き付きが発生し、損傷に至ることがある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、損傷リスクを低減可能なカムローラ装置、燃料供給ポンプ、及び浮動ブッシュを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るカムローラ装置は、
カムシャフトの回転に伴って従節部を周期的に往復動させるためのカムローラ装置であって、
前記カムシャフトと当接するように配置されるとともに、前記カムシャフトの回転に伴って回転するように構成されたローラと、
前記ローラに挿通されるピン部材であって、前記ローラから突出する両端部が前記従節部と当接するように構成されたピン部材と、
前記ローラの内周面と前記ピン部材の外周面との間に配置される浮動ブッシュと、を備え、
前記ピン部材と前記浮動ブッシュとの間に潤滑油が供給されるように構成され、
前記浮動ブッシュの内周面において、前記浮動ブッシュの軸方向における端部領域における表面粗さをRa1、前記端部領域に挟まれた中央領域における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たす。
上記(1)の構成では、カムシャフトの回転に伴ってローラが回転するのに対し、ピン部材は、両端部が従節部と当接しているために回転しない状態となる。浮動ブッシュは、回転しているローラの内周面と回転しないピン部材の外周面との間に位置している。
ここで、本願発明者が鋭意検討した結果、荷重によるピン部材の弾性変形が浮動ブッシュの回転を阻害する一因であることが判明した。本願発明者の知見によれば、ピン部材の両端部が従節部と当接する構成では、ピン部材の両端部に、カムシャフトの回転と従節部の周期的な往復動とに起因する荷重が加わる。この荷重は、ピン部材の両端部が浮動ブッシュの両端領域に接触するようにピン部材を弾性変形させる。このような状態では、浮動ブッシュとピン部材との接触位置で油膜の形成が阻害されやすい。
浮動ブッシュとピン部材との接触位置で油膜の形成が阻害されると、ピン部材と浮動ブッシュとの間の摩擦係数が大きくなるため、浮動ブッシュの回転が阻害される。その結果、浮動ブッシュとローラとの間で焼き付きが発生しやすくなり、損傷リスクが増加する。
これに対し、上記(1)の構成では、浮動ブッシュは、端部領域における表面粗さRa1が中央領域における表面粗さRa2より大きい内周面を有している。表面粗さRa1による凹凸は端部領域に潤滑油を引き込むための流路と潤滑油の保持性とを確保する。そのため、浮動ブッシュとピン部材とが接触しやすい端部領域において油膜が形成されやすくなり、浮動ブッシュの回転を円滑化することが可能となる。その結果、浮動ブッシュとローラとの間に焼き付きが発生しにくくなり、損傷リスクを低減できる。
また、中央領域における表面粗さRa2は、表面粗さRa1より小さい。この場合、全体を表面粗さRa1とした場合に比べて、軸受性能の低下を抑えることができ、かつ端部領域における油膜の形成をより確実化することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記ピン部材の内部には、前記ピン部材の外周面と前記浮動ブッシュとの隙間に接続される第1給油流路が設けられ、
前記浮動ブッシュには、前記浮動ブッシュを厚さ方向に貫通する給油孔が設けられる。
上記(2)の構成によれば、第1給油流路からピン部材の外周面と浮動ブッシュとの隙間に潤滑油が供給される。また、その潤滑油の一部は、浮動ブッシュの給油孔を経て浮動ブッシュとローラとの隙間に供給される。特に、ピン部材の外周面と浮動ブッシュとの隙間の油膜形成によって浮動ブッシュの回転が円滑化するため、第1給油流路と給油孔との周方向位置が合致するタイミングが発生し、第1給油流路から給油孔への潤滑油の供給をより確実化することが可能となる。このように、ピン部材と浮動ブッシュとローラとの各々の隙間に油膜を形成しやすくすることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記給油孔は、前記中央領域に設けられ、
前記第1給油流路の前記隙間に面する開口部は、前記中央領域に対向する位置に配置される。
上記(3)の構成によれば、中央領域の表面粗さRa2は、端部領域の表面粗さRa1に比べて小さいため、潤滑油は第1給油流路の開口部から端部領域まで広がりやすい。また、第1給油流路の開口部は、中央領域に対向する位置に配置されているため、中央領域に設けられる給油孔との軸方向距離が小さい。そのため、給油孔に潤滑油を供給しやすくすることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つの構成において、前記端部領域には、深さ5μm以下の複数の窪みが設けられる。
上記(4)の構成では、複数の窪みを設けているため、油膜を保持することができる。また、本願発明者の知見によれば、複数の窪みの深さが5μm以下である場合に、浮動ブッシュとピン部材との摩擦係数の増加を低減し、浮動ブッシュの回転を円滑化することができる。この点、上記(4)の構成では、複数の窪みの深さが5μm以下であるため、浮動ブッシュとピン部材との摩擦係数の増加を低減し、浮動ブッシュの回転を円滑化することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において前記端部領域は、ディンプル加工面を含む。
上記(5)の構成によれば、ディンプル加工面は、窪みを有するため、油膜を保持することができる。また、ディンプルの配列を調整してパターン化することが可能となり、所望の油膜が形成されるように設計することが可能となる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、前記端部領域は、ショットピーニング加工面を含む。
上記(6)の構成によれば、ショットピーニング加工面は、窪みを有するため、油膜を保持することができる。また、窪みは微小であるため、浮動ブッシュとピン部材との摩擦係数の増加を低減し、浮動ブッシュの回転を円滑化することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つの構成において、
前記浮動ブッシュの内周面を形成する表層は、溶射層を含み、
前記端部領域における気孔率は、前記中央領域における気孔率より大きい。
上記(7)の構成によれば、気孔率の違いにより、内周面上では表面粗さの差異が生じる。これにより、油膜を保持することができる。また、溶射によって形成するため、製造が容易である。
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る燃料供給ポンプは、
上記(1)乃至(7)の何れか一つに記載のカムローラ装置と、
前記カムローラ装置によって往復動するように構成されたプランジャと、を備える。
上記(8)の構成によれば、上記(1)乃至(7)の何れか一つに記載のカムローラ装置を備えているため、浮動ブッシュとローラとの間に焼き付きが発生しにくい、そのため、損傷リスクを低減可能な燃料供給ポンプを提供できる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る浮動ブッシュは、内周面において、軸方向の端部領域における表面粗さをRa1、前記端部領域に挟まれた中央領域における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たす。
上記(9)の構成では、浮動ブッシュは、端部領域における表面粗さRa1が中央領域における表面粗さRa2より大きい内周面を有している。この場合、浮動ブッシュがカムローラ装置のローラの内周面とピン部材の外周面との間に配置され、ピン部材の両端部が荷重により浮動ブッシュの両端領域に接触するように弾性変形しても、表面粗さRa1による凹凸は端部領域に潤滑油を引き込むための流路と潤滑油の保持性とを確保する。そのため、浮動ブッシュとピン部材とが接触しやすい端部領域においても油膜が形成されやすくなり、浮動ブッシュの回転を円滑化することが可能となる。その結果、浮動ブッシュとローラとの間に焼き付きが発生しにくくなり、損傷リスクを低減できる。
また、中央領域における表面粗さRa2は、表面粗さRa1より小さい。この場合、全体を表面粗さRa1とした場合に比べて、軸受性能の低下を抑えることができ、かつ端部領域における油膜の形成をより確実化することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、損傷リスクを低減可能なカムローラ装置、燃料供給ポンプ、及び浮動ブッシュが提供される。
本発明の一実施形態に係る燃料供給ポンプのカムシャフトの回転軸線に沿った概略断面図である。 図1のA−A断面図である。 一実施形態に係るカムローラ装置におけるピン部材の弾性変形を説明するための概略断面図である。 一実施形態に係るカムローラ装置の拡大断面図である。 一実施形態に係るカムローラ装置の拡大断面図である。 一実施形態に係る浮動ブッシュを展開した概略図である。 一実施形態に係る浮動ブッシュの窪みを拡大した断面図である。 一実施形態に係る浮動ブッシュの窪みを拡大した断面図である。 一実施形態に係る浮動ブッシュを展開した概略図である。 一実施形態に係る浮動ブッシュを展開した概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料供給ポンプ100のカムシャフト1の回転軸線CXに沿った概略断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図1に示すように、燃料供給ポンプ100は、カムローラ装置10と、プランジャ2と、を備える。燃料供給ポンプ100は、例えば、自動車のエンジン等に適用される。
カムローラ装置10は、カムシャフト1の回転に伴って従節部20を周期的に往復動させるための装置である。図1に示すように、カムローラ装置10は、ローラ11と、ローラ11に挿通されるピン部材12と、ローラ11の内周面とピン部材12の外周面との間に配置される浮動ブッシュ13と、を備える。ピン部材12と浮動ブッシュ13との間には潤滑油が供給される。ローラ11及び浮動ブッシュ13は、例えば、中空の円筒形状であり、ピン部材12は、円柱形状である。
カムシャフト1は、円筒状のシャフト部1aと、ローラ11と当接する軸方向位置においてシャフト部1aからシャフト部1aの径方向の外側に突出する一以上のカム部1bとを含む。図2に示すように、カムシャフト1のカム部1bを含む断面は、例えば、楕円形状である。なお、カムシャフト1のカム部1bを含む断面は、長径と短径を有する形状であればよく、楕円形状に限られない。
従節部20は、プランジャ2とプランジャ2に当接するタペット3とを含む。プランジャ2は、ケーシング6に固定されているプランジャバレル5によって支持され、プランジャバレル5の内面に沿って摺動する。プランジャバレル5とタペット3との間には、タペット3をプランジャバレル5から引き離す方向に付勢するためのプランジャスプリング4が設けられている。これにより、タペット3は、カムローラ装置10がカムシャフト1のカム部1bに当接した状態を保持する。ここで、図2に示すように、カムシャフト1が回転すると、カムローラ装置10は、回転軸線CXに対して近づいたり、遠ざかったりして、破線両矢印で示すように往復動する。また、カムローラ装置10と当接する従節部20もカムローラ装置10と共に往復動する。このような往復動の繰り返しによって燃料が圧送される。
ピン部材12は、ローラ11から突出する両端部が従節部20のタペット3と当接するように構成されている。ピン部材12は、タペット3を介してプランジャスプリング4の付勢による荷重を受けるため、カムシャフト1が回転しても回転しない状態となる。
一方、ローラ11は、カムシャフト1のカム部1bと当接し、従節部20のタペット3には当接しないように配置される。そのため、ローラ11は、タペット3を介してプランジャスプリング4の荷重を受けることはない。また、ローラ11は、浮動ブッシュ13を介して、ピン部材12に対して回転可能に外嵌される。そのため、ローラ11は、ピン部材12が回転しない状態であっても、図2において矢印で示すように、カムシャフト1の回転に伴って回転する。なお、浮動ブッシュ13も、タペット3に当接しないため、カムシャフト1の回転に伴って回転する。ただし、浮動ブッシュ13は、回転しないピン部材12との摩擦力によりカムシャフト1の回転に対してローラ11よりも遅い速度で回転する。
ここで、ピン部材12の弾性変形について説明する。図3は、一実施形態に係るカムローラ装置10におけるピン部材12の弾性変形を説明するための概略断面図である。図3に示すように、ピン部材12の両端部は、タペット3から矢印で示す荷重を受ける。その結果、仮想線で示すように、ピン部材12の弾性変形が発生し得る。
本願発明者が鋭意検討した結果、このような弾性変形が浮動ブッシュ13の回転を阻害する一因であることが判明した。本願発明者の知見によれば、ピン部材12の両端部が従節部20と当接する構成では、ピン部材12の両端部に、カムシャフト1の回転と従節部20の周期的な往復動とに起因する荷重が加わる。この荷重は、ピン部材12の両端部が浮動ブッシュ13の両端に位置する端部領域A2に接触するようにピン部材12を弾性変形させる。このような状態に対して何の措置も取らない場合、浮動ブッシュ13とピン部材12との接触位置で油膜の形成が阻害されやすい。
浮動ブッシュ13とピン部材12との接触位置で油膜の形成が阻害されると、ピン部材12と浮動ブッシュ13との間の摩擦係数が大きくなるため、浮動ブッシュ13の回転が阻害される。その結果、浮動ブッシュ13とローラ11との間で焼き付きが発生しやすくなり、損傷リスクが増加する。そこで、後述するように、浮動ブッシュ13には、このような損傷リスクを低減するための構成が適用される。具体的な構成については後述する。
図4Aは、一実施形態に係るカムローラ装置10(10A)の拡大断面図である。図4Bは、一実施形態に係るカムローラ装置10(10B)の拡大断面図である。図5は、一実施形態に係る浮動ブッシュ13を展開した概略図である。図6Aは、一実施形態に係る浮動ブッシュ13の窪み40を拡大した断面図である。図6Bは、一実施形態に係る浮動ブッシュ13の窪み40を拡大した断面図である。図7は、一実施形態に係る浮動ブッシュ13を展開した概略図である。図8は、一実施形態に係る浮動ブッシュ13を展開した概略図である。
幾つかの実施形態では、例えば、図4Aに示すカムローラ装置10(10A)のように、ピン部材12(12A)の内部には、ピン部材12(12A)の外周面と浮動ブッシュ13(13A)との隙間に接続される第1給油流路31が設けられる。また、ピン部材12(12A)には、外部と連通し、潤滑油を第1給油流路31に流入させるための流入口が設けられる。ピン部材12(12A)は、第1給油流路31の流入口32から流入する潤滑油が、第1給油流路31を通って、ピン部材12(12A)の外周面と浮動ブッシュ13(13A)との隙間に面する開口部33から流出するように構成される。浮動ブッシュ13(13A)には、浮動ブッシュ13(13A)を厚さ方向に貫通する給油孔30が設けられる。
なお、幾つかの実施形態では、例えば、図4Bに示すカムローラ装置10(10B)のように、給油孔30、第1給油流路31等が設けられていない構成であってもよい。この場合、潤滑油は、例えば、図4Bにおいて矢印で示すように、ピン部材12(12B)の外周面と浮動ブッシュ13(13B)との隙間に直接的に供給される。
ここで、上述した損傷リスクを低減するための浮動ブッシュ13の構成について説明する。浮動ブッシュ13は、例えば、図5、図7及び図8に示すように、浮動ブッシュ13の内周面において、浮動ブッシュ13の軸方向における端部領域A2における表面粗さをRa1、端部領域A2に挟まれた中央領域A1における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たすように構成される。Ra1及びRa2は、算術平均粗さである。端部領域A2は、端部から全体幅W1の10%未満の幅W2の領域である。
浮動ブッシュ13の内周面の全面の表面粗さを大きくした場合(例えば表面粗さRa1とした場合)、油膜圧力が減少してしまう可能性がある。そのため、軸方向の中央付近の油膜圧力が高い部分には表面粗さは大きくせず、油膜圧力が低い端部に近い領域(例えば、端部から全体幅W1の3〜10%の領域)だけ他の領域より表面粗さを大きくすることにより、負荷能力の低下を防止することができる。
このような表面粗さの差異は、例えば、ディンプル加工又はショットピーニング加工によって形成される窪み40の有無によって形成されてもよい。また、浮動ブッシュ13の内周面が溶射によって形成され、中央領域A1と端部領域A2とを異なる気孔率となるように構成することによって表面粗さに差異を生じさせてもよい。なお、図5、図7、図8には、給油孔30が示されている。しかし、浮動ブッシュ13が、図3(A)に示す浮動ブッシュ13(13B)のように給油孔30は設けられていない構成であってもよい。この場合であっても、表面粗さに差異を設けるために、図5及び図7に示すように端部領域A2に窪み40が設けられたり、図8に示すように、端部領域A2に中央領域A1と気孔率が異なる溶射面が設けられたりする。
以上説明したように、カムローラ装置10は、例えば、図1〜図8に示すように、カムシャフト1の回転に伴って従節部20を周期的に往復動させるためのカムローラ装置10であって、カムシャフト1と当接するように配置されるとともに、カムシャフト1の回転に伴って回転するように構成されたローラ11と、ローラ11に挿通されるピン部材12であって、ローラ11から突出する両端部が従節部20と当接するように構成されたピン部材12と、ローラ11の内周面とピン部材12の外周面との間に配置される浮動ブッシュ13と、を備えている。カムローラ装置10は、ピン部材12と浮動ブッシュ13との間に潤滑油が供給されるように構成されている。また、浮動ブッシュ13は、浮動ブッシュ13の内周面において、浮動ブッシュ13の軸方向における端部領域A2における表面粗さをRa1、端部領域A2に挟まれた中央領域A1における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たすように構成されている。
かかる構成では、カムシャフト1の回転に伴ってローラ11が回転するのに対し、ピン部材12は、両端部が従節部20と当接しているために回転しない状態となる。浮動ブッシュ13は、回転しているローラ11の内周面と回転しないピン部材12の外周面との間に位置している。
浮動ブッシュ13は、端部領域A2における表面粗さRa1が中央領域における表面粗さRa2より大きい内周面を有している。表面粗さRa1による凹凸は端部領域A2に潤滑油を引き込むための流路と潤滑油の保持性とを確保する。そのため、浮動ブッシュ13とピン部材12とが接触しやすい端部領域A2において油膜が形成されやすくなり、浮動ブッシュ13の回転を円滑化することが可能となる。その結果、浮動ブッシュ13とローラ11との間に焼き付きが発生しにくくなり、損傷リスクを低減できる。
また、中央領域A1における表面粗さRa2は、表面粗さRa1より小さい。この場合、全体を表面粗さRa1とした場合に比べて、軸受性能の低下を抑えることができ、かつ端部領域A2における油膜の形成をより確実化することができる。
なお、浮動ブッシュ13ではなく、ピン部材12に対して、このような表面粗さの差異を設けることが考えられる。しかし、そのような構成を採用しても、ピン部材12と浮動ブッシュ13との接触位置がほとんど変わらず、潤滑油を引き込むための流路と潤滑油の保持性とを確保することは困難である。
幾つかの実施形態では、例えば、図4A、図5、図7及び図8に示すように、ピン部材12(12A)の内部には、ピン部材12(12A)の外周面と浮動ブッシュ13(13A)との隙間に接続される第1給油流路31が設けられる。浮動ブッシュ13(13A)には、浮動ブッシュ13(13A)を厚さ方向に貫通する給油孔30が設けられる。
かかる構成によれば、第1給油流路31からピン部材12(12A)の外周面と浮動ブッシュ13(13A)との隙間に潤滑油が供給される。また、その潤滑油の一部は、浮動ブッシュ13(13A)の給油孔30を経て浮動ブッシュ13(13A)とローラ11との隙間に供給される。特に、ピン部材12(12A)の外周面と浮動ブッシュ13(13A)との隙間の油膜形成によって浮動ブッシュ13(13A)の回転が円滑化するため、第1給油流路31と給油孔30との周方向位置が合致するタイミングが発生し、第1給油流路31から給油孔30への潤滑油の供給をより確実化することが可能となる。このように、ピン部材12(12A)と浮動ブッシュ13(13A)とローラ11との各々の隙間に油膜を形成しやすくすることができる。
幾つかの実施形態では、例えば、図4A、図5、図7及び図8に示すように、給油孔30は、中央領域に設けられ、第1給油流路31の隙間に面する開口部33は、中央領域A1に対向する位置に配置される。なお、第1給油流路31の開口部33と給油孔30とは、軸方向において少なくとも一部が重複するように配置されてもよい。この場合、両者の周方向位置が合致するタイミングで両者を連通させることが可能となる。
かかる構成によれば、中央領域A1の表面粗さRa2は、端部領域A2の表面粗さRa1に比べて小さいため、潤滑油は第1給油流路31の開口部33から端部領域A2まで広がりやすい。また、第1給油流路31の開口部33は、中央領域A1に対向する位置に配置されているため、中央領域A1に設けられる給油孔30との軸方向距離が小さい。そのため、給油孔30に潤滑油を供給しやすくすることができる。
幾つかの実施形態では、例えば、図5〜図7に示すように、端部領域A2には、深さ5μm以下の複数の窪み40が設けられていてもよい。窪み40は、図6Aに示す窪み40(40A)のように、丸みを帯びた断面形状であってもよいし、図6Bに示す窪み40(40B)のように、矩形状の断面形状であってもよい。なお、潤滑油を引き込むための流路と潤滑油の保持性とを確保するために、複数の窪み40のうち少なくとも一つの窪み40は、深さ1μm以上であることが好ましい。
かかる構成では、複数の窪み40を設けているため、油膜を保持することができる。また、本願発明者の知見によれば、複数の窪み40の深さが5μm以下である場合に、浮動ブッシュ13とピン部材12との摩擦係数の増加を低減し、浮動ブッシュ13の回転を円滑化することができる。この点、上記構成では、複数の窪みの深さが5μm以下であるため、浮動ブッシュ13とピン部材12との摩擦係数の増加を低減し、浮動ブッシュ13の回転を円滑化することができる。
幾つかの実施形態では、例えば、図5に示すように、端部領域A2は、ディンプル加工面を含んでいてもよい。ディンプル加工面は、例えば、レーザ照射、鋼球押し付け等によって形成される。
かかる構成によれば、ディンプル加工面は、窪み40を有するため、油膜を保持することができる。また、ディンプルの配列を調整してパターン化することが可能となり、所望の油膜が形成されるように設計することが可能となる。
幾つかの実施形態では、例えば、図7に示すように、端部領域A2は、ショットピーニング加工面を含んでいてもよい。この場合、微粒子ショットによりランダムな窪み40が形成される。
かかる構成によれば、ショットピーニング加工面は、窪み40を有するため、油膜を保持することができる。また、窪み40は微小であるため、浮動ブッシュ13とピン部材12との摩擦係数の増加を低減し、浮動ブッシュ13の回転を円滑化することができる。
幾つかの実施形態では、例えば、図8に示すように、浮動ブッシュ13の内周面を形成する表層は、溶射層を含み、端部領域A2における気孔率は、中央領域A1における気孔率より大きくてもよい。
かかる構成によれば、気孔率の違いにより、浮動ブッシュ13の内周面上では表面粗さの差異が生じる。これにより、油膜を保持することができる。また、溶射によって形成するため、製造が容易である。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 カムシャフト
1a シャフト部
1b カム部
2 プランジャ
3 タペット
4 プランジャスプリング
5 プランジャバレル
6 ケーシング
10 カムローラ装置
11 ローラ
12 ピン部材
13 浮動ブッシュ
20 従節部
30 給油孔
31 第1給油流路
32 流入口
33 開口部
100 燃料供給ポンプ
A1 中央領域
A2 端部領域
CX 回転軸線
W1 全体幅
W2 幅

Claims (9)

  1. カムシャフトの回転に伴って従節部を周期的に往復動させるためのカムローラ装置であって、
    前記カムシャフトと当接するように配置されるとともに、前記カムシャフトの回転に伴って回転するように構成されたローラと、
    前記ローラに挿通されるピン部材であって、前記ローラから突出する両端部が前記従節部と当接するように構成されたピン部材と、
    前記ローラの内周面と前記ピン部材の外周面との間に配置される浮動ブッシュと、を備え、
    前記ピン部材と前記浮動ブッシュとの間に潤滑油が供給されるように構成され、
    前記浮動ブッシュの内周面において、前記浮動ブッシュの軸方向における端部領域における表面粗さをRa1、前記端部領域に挟まれた中央領域における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たす
    カムローラ装置。
  2. 前記ピン部材の内部には、前記ピン部材の外周面と前記浮動ブッシュとの隙間に接続される第1給油流路が設けられ、
    前記浮動ブッシュには、前記浮動ブッシュを厚さ方向に貫通する給油孔が設けられる
    請求項1に記載のカムローラ装置。
  3. 前記給油孔は、前記中央領域に設けられ、
    前記第1給油流路の前記隙間に面する開口部は、前記中央領域に対向する位置に配置される
    請求項2に記載のカムローラ装置。
  4. 前記端部領域には、深さ5μm以下の複数の窪みが設けられる
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のカムローラ装置。
  5. 前記端部領域は、ディンプル加工面を含む
    請求項4に記載のカムローラ装置。
  6. 前記端部領域は、ショットピーニング加工面を含む
    請求項4に記載のカムローラ装置。
  7. 前記浮動ブッシュの内周面を形成する表層は、溶射層を含み、
    前記端部領域における気孔率は、前記中央領域における気孔率より大きい
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のカムローラ装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載のカムローラ装置と、
    前記カムローラ装置によって往復動するように構成されたプランジャと、を備える
    燃料供給ポンプ。
  9. 内周面において、軸方向の端部領域における表面粗さをRa1、前記端部領域に挟まれた中央領域における表面粗さをRa2、とした場合に、Ra1>Ra2の関係を満たす
    浮動ブッシュ。
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