JP2021014555A - 包装用粘着剤 - Google Patents

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崇 口山
Takashi Kuchiyama
崇 口山
田中 秀典
Hidenori Tanaka
秀典 田中
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Abstract

【課題】製造日又は包装日から所定期間が経過したことを確認できる包装用粘着剤を提供する。【解決手段】粘着剤3は、製造日又は包装日から所定期間が経過した場合に、粘着力が増大する。【選択図】図1

Description

本発明は、食品又は薬品等を包装する材料を固定するために用いられる包装用粘着剤に関する。
饅頭等の菓子を合成樹脂製のシートに載置し、菓子をポリエチレン製等の包装材で覆い、包装材の端縁部に設けた接着剤をシートの端縁部、又はシートの裏面に押圧して、菓子を包装材及びシートにより封止することが行われている。接着剤としては、例えば特許文献1の接着剤が挙げられる。
国際公開第2018/021132号
菓子等の食品の賞味期限又は消費期限は、複数の菓子を収容した外箱の側面に記載されていることが多い。従って、外箱から、上述のように包装材及びシートにより封止された個別の菓子を取り出した場合、賞味期限又は消費期限が分からず、誤って賞味期限又は消費期限が切れた菓子を食して、食中毒を起こすことがある。賞味期限又は消費期限が印字していなくても確認できることが望まれる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、製造日又は包装日から所定期間が経過したことを確認できる包装用粘着剤を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る包装用粘着剤は、製造日又は包装日から所定期間が経過した場合に、粘着力が増大する。
本発明によれば、所定期間が経過したときに粘着剤の粘着力が増大するので、消費者は粘着剤を剥がして開封し難くなり、食品又は薬品を飲食、又は使用しないように注意を喚起される。
実施形態1に係るシートに載置した饅頭を示す平面図である。 図1のII−II線断面図である。 日数と粘着剤の粘着力との関係を示すグラフである。 変形例1に係るシートに載置した饅頭を示す平面図である。 変形例2に係るシートに載置した饅頭を示す平面図である。 サケを収容した合成樹脂製のトレイの裏面図である。 日数と粘着剤の粘着力との関係を示すグラフである。 おにぎりを収容したランチボックスを示す断面図である。 薬の内袋を収容した外袋を示す平面図である。 果物を収容した袋を示す平面図である。
(実施形態の概要)
実施形態に係る包装用粘着剤は、製造日又は包装日から所定期間が経過した場合に、粘着力が増大する。
所定期間としては、例えば賞味期限、消費期限、又は使用期限が挙げられる。粘着剤を食品又は薬品等の包装の基材に設け、消費者が基材の粘着剤が設けられた部分を剥がすことで開封できるように構成した場合、所定期間が経過したときに粘着力が増大するので、消費者は前記部分を剥がして開封することが困難になり、食品又は薬品を飲食、又は使用しないように注意を喚起される。
上述の包装用粘着剤は、大気中の水分を吸収することにより硬化してもよい。
上記構成によれば、経時的な水分の吸収により硬化して、粘着力が増大する。
この粘着剤としては、例えばシリコーン系樹脂組成物等が挙げられる。シリコーン系樹脂組成物としては、1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基(水酸基または加水分解性基の結合したケイ素原子を含むケイ素原子含有基であって、シロキサン結合を形成し得る基)、特にメチルジメトキシシリル基を有するオキシアルキレン系重合体をベースにした樹脂組成物、このオキシアルキレン系重合体に反応性ケイ素基を有するアクリル系コポリマーを配合した、アクリル・変成シリコーン系樹脂組成物が挙げられる。アクリル・変成シリコーン系樹脂組成物としては、下記一般式(1)に示すケイ素含有官能基を1分子中に平均して1.7個以上有し、分子鎖が(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)と、
−SiX (1)
(Xは水酸基または加水分解性基であり、3つとも同一でも異なっていても良い)
一般式(2):
−Si(R 3-a )Y (2)
(式中、Rは炭素数1から10のアルキル基、炭素数6から10のアリール基または炭素数7から10のアラルキル基を示し、Yは水酸基または加水分解性基を示す。aは1、2または3を示す。RまたはYが2個以上ある場合は、それぞれ同一であってもよく異なっていても良い。)に示すケイ素官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体(B)とを含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中の重合体(A)と重合体(B)との重量比が30/70〜90/10であるものが挙げられる(以下、主剤aという)。
また、(A)ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有する有機重合体、(B)カルボン酸カルシウム、カルボン酸バナジウム、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸ジルコニウムから選ばれる1種以上のカルボン酸金属塩を含有するシリコーン系樹脂組成物も挙げられる。この樹脂組成物において、(A)の有機重合体は、イソブチレンに起因する繰り返し単位を総量で50重量%以上有するのが好ましい(以下、主剤bという)。
上述の包装用粘着剤は、脱水剤又は吸湿剤を含んでもよい。
上記構成によれば、所定期間が経過するまでは、脱水剤又は吸湿剤により脱水又は吸湿されるので、粘着剤の硬化速度が遅くなり、一定期間が経過した時に、脱水剤又は吸湿剤は脱水又は吸湿できなくなるので、粘着剤の主剤が水分を吸収して硬化がより進む。
脱水剤としては、例えば酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、シリカゲル等が挙げられる。そして、粘着剤の主剤が湿式硬化性の樹脂である場合、吸湿剤としてシリコーン系の化合物を含む場合、湿式硬化の際に良好に架橋することができる。
上述の包装用粘着剤は、前記脱水剤又は前記吸湿剤、及び前記脱水剤又は前記吸湿剤の含有量は、所定期間に対応してもよい。
上記構成によれば、期間に応じて脱水剤又は吸湿剤の含有量を決定するので、期間が経過した場合に良好に粘着剤の粘着力が増大する。
例えばポリビニルアルコールは酢酸セルロースより吸水性が高いので、期間が長い食品に使用することで、期間が経過するまでは吸水性が持続し、賞味期限等の期間が経過した場合に吸水性が消失し、粘着剤の主剤が吸水して良好に粘着力を増大させることができる。脱水剤又は吸湿剤の含有量は、期間が長い程、多くする。含有量は実験により求めることができる。例えば食品の賞味期限が5日である場合、脱水剤としての酢酸セルロースを粘着剤の主剤100重量部に対して1重量部含有させ、食品の消費期限が1日である場合、酢酸セルロースを粘着剤に対して0.2重量部含有させる例が挙げられる。
上述の包装用粘着剤は、吸湿又は硬化により変色してもよい。
上記構成によれば、変色により賞味期限、消費期限、又は使用期限等の期間が経過したことを消費者に報知できる。
経時的に変色する脱水剤として、例えば塩化コバルトを含有するシリカゲルが挙げられる。
実施形態に係る包装用粘着剤は、食品が熟成することにより発するガスを吸収して変化する。
上記構成によれば、粘着剤の変化により食品が食べ頃に到達したことを消費者に報知できる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係るシート1に載置した饅頭10を示す平面図、図2は図1のII−II線断面図である。
饅頭10は、例えばポリエチレンやポリエステル等の合成樹脂製であり、矩形のシート1上に載置され、饅頭10の表面はポリエチレン又はポリエステル製であり、透明の包装の基材2により覆われている。基材2は矩形状をなし、裏側の周縁部に粘着剤3が塗布等により設けられ、該周縁部を表側からシート1の表側の周縁部に押圧することにより、粘着剤3がシート1に密着し、饅頭10はシート1と基材2とにより封止されている。
粘着剤3は、上述の主剤a又はb等からなる。粘着剤3は脱水剤31として、塩化コバルトを含有するシリカゲルを例えば主剤100重量部に対して5重量部含む。
図3は、日数と粘着剤3の粘着力との関係を示すグラフである。図3において、横軸は日数(日)、縦軸は粘着力である。
0日の場合、脱水剤31は吸水していない。
賞味期限より十分前である期間aの場合、脱水剤31の一部は吸水し、粘着剤3の主剤は吸水していないので、基材2の粘着力は弱く、消費者は容易に開封することができる。
賞味期限付近の期間bの場合、脱水剤31の吸水量は多くなり、吸水能力が限界に近くなり、主剤も吸水して粘着力は徐々に強くなり、開封に注意を要するようになる。
賞味期限を過ぎた期間cの場合、脱水剤31は吸水できなくなり、粘着剤3の主剤も多量に吸水して、粘着力はさらに強くなる。消費者は容易に開封することが困難になる。開封するモチベーションが下がり、賞味期限が過ぎた饅頭10を食することによる食中毒が防止される。
期間が経過し、吸水量が多くなるのに従い、脱水剤31が濃青から紫、ピンク色に変わり、粘着剤3の色もこれに応じて変化するので、消費者は期間a、b、cを良好に確認することができる。
なお、粘着剤3は基材2の全周縁部に亘って設ける場合に限定されず、基材2の周縁部の四隅に設けてもよい。
図4は、変形例1に係るシートに載置した饅頭10を示す平面図である。図1と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
粘着剤3は、脱水剤31としてポリビニルアルコールを含み、基材2の上側の短辺の両端部に相当する部分に、変色部32及び33を有する。変色部32及び33は、塩化コバルトを含有するシリカゲルを円盤状に配してなる。変色部32は、賞味期限前の前記期間aが経過した場合に吸水してピンク色になるだけのシリカゲルを含む。変色部33は、期間bが経過し、賞味期限が到来した場合に、吸水してピンク色になるだけのシリカゲルを含む。即ち変色部33は変色部32よりシリカゲルの量が多い。
消費者は、変色部32がピンク色になることにより、賞味期限が近いことを確認し、変色部33がピンク色になることにより、賞味期限が到達したことを確認する。
なお、粘着剤3は基材2の全周縁部に亘って設ける場合に限定されず、基材2の周縁部の四隅に設けてもよい。
図5は、変形例2に係るシートに載置した饅頭10を示す平面図である。図1と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
粘着剤3は、脱水剤31としてポリビニルアルコールを含み、基材2の上側の短辺の一端部に相当する部分に、変色部34を有する。変色部34は、塩化コバルトを含有するシリカゲルを矩形状に配してなる。変色部34は、中央部に数字の「2」状に、他部よりシリカゲルの量を少なくした数字部34aを有する。数字部34aは、賞味期限の二日前にピンク色に変色するようにシリカゲルを含有する。消費者は、数字部34aがピンク色に変色したことを視認することにより、賞味期限の二日前に到達したことを知り、食味が良好である時期に饅頭10を食することができる。
なお、粘着剤3は基材2の全周縁部に亘って設ける場合に限定されず、基材2の周縁部の四隅に設けてもよい。
(実施形態2)
図6は、サケ11を収容した合成樹脂製のトレイ12の裏面図である。
トレイ12は角皿状をなし、皿の底面にサケ11を収容している。トレイ12の開口は、ポリエチレン製の基材2により覆われている。基材2の裏側の周縁部には塗布等により粘着剤3が設けられ、該周縁部はトレイ12の裏面側に回し込まれ、押圧することにより、粘着剤3がトレイ12に密着し、サケ11は基材2とトレイ12とにより封止される。
粘着剤3は主剤a又はbからなり、脱水剤31として酢酸セルロースを含む。
図7は、日数と粘着剤3の粘着力との関係を示すグラフである。図7において、横軸は日数(日)、縦軸は粘着力である。
0日の場合、脱水剤31は吸水していない。
消費期限より十分前である場合、脱水剤31の一部は吸水し、粘着剤3の主剤は吸水していないので、粘着力は弱く、消費者は容易に開封することができる。
消費期限に近い場合、脱水剤31の吸水量は多くなり、吸水能力が限界に近くなり、主剤も吸水して粘着力は徐々に強くなり、開封に注意を要するようになる。
消費期限に到達した時点以降は、脱水剤31は吸水できなくなり、粘着剤3の主剤も多量に吸水して、粘着力はさらに強くなる。容易に開封することが困難になる。開封するモチベーションが下がり、消費期限が過ぎたサケ11を食することによる食中毒が防止される。
脱水剤31として塩化コバルトを含有するシリカゲルを用いた場合、期間が経過するのに従い、脱水剤31が濃青から紫、ピンク色に変わり、粘着剤3の色もこれに応じて変化するので、消費期限の接近、到来を視認することができる。
なお、粘着剤3は基材2の全周縁部に亘って設ける場合に限定されず、基材2の周縁部の四隅に設けてもよい。
(実施形態3)
図8は、おにぎり13を収容したランチボックス6を示す断面図である。
ランチボックス6は、角型のケース61と蓋62とを有する。ケース61及び蓋62はポリエチレンからなり、ともに周縁部が外側に突出しており、ケース61の底部に複数のおにぎり13を収容した後、蓋62の周縁部をケース61の周縁部に嵌合する。蓋62の周縁部の向かい合う二辺の各中央部を、ポリ塩化ビニル又はセロファン製のテープ5,5で止める。テープ5の両端部には、脱水剤31として酢酸セルロースを含む粘着剤3が設けられており、粘着剤3により蓋62がケース61に固着される。
消費期限より十分前である場合、脱水剤31の一部は吸水し、粘着剤3の主剤は吸水していないので、粘着力は弱く、消費者は容易にテープ5を剥がし、開封することができる。
消費期限に近い場合、脱水剤31の吸水量は多くなり、主剤も吸水して粘着力は徐々に強くなり、開封に注意を要するようになる。
消費期限に到達した後は、脱水剤31は吸水できなくなり、粘着剤3の主剤も多量に吸水して、粘着力はさらに強くなる。容易に開封することが困難になる。開封するモチベーションが下がり、消費期限が過ぎたおにぎり13を食することによる食中毒が防止される。
なお、テープ5は蓋62の4箇所に設けてもよい。
(実施形態4)
図9は、薬の内袋14を収容した外袋7を示す平面図である。
外袋7はポリエチレン製であり、一方の平面部の端部を折り曲げてなる折り曲げ部71を開口側に有する。折り曲げ部71の裏側の端縁部には、脱水剤31(不図示)としてポリビニルアルコールを含む粘着剤3が設けられている。外袋7内に、カプセル剤、錠剤、粉薬、湿布薬、目薬等を直接収容し、又はこれらを紙製の内袋14に入れて収容し、折り曲げ部71の端縁部を外袋7の他方の平面部に押圧することにより、折り曲げ部71は該平面部に粘着される。
使用期限より十分前である場合、脱水剤31の一部は吸水し、粘着剤3の主剤は吸水していないので、粘着力は弱く、消費者は容易に折り曲げ部71を剥がし、開封することができる。
使用期限付近の時点においては、脱水剤31の吸水量は多くなり、吸主剤も吸水して粘着力は徐々に強くなり、開封に注意を要するようになる。
使用期限に到達した後は、脱水剤31は吸水できなくなり、粘着剤3の主剤も多量に吸水して、粘着力はさらに強くなる。容易に開封することが困難になる。開封するモチベーションが下がり、使用期限が過ぎた薬を飲用、貼付、又は点眼することによる障害が防止される。
(実施形態5)
図10は、果物15を収容した袋8を示す平面図である。
袋8はポリエチレン製であり、果物15を収容した後、両平面部の端部を粘着剤9により接着し、果物15を封止している。
粘着剤9は、果物15が熟成し、エチレンガスが発生した場合に、エチレンガスを吸着して変色する材料を含む。これにより、消費者は果物15が食べ頃であることを視認し、食味が良好な時期に果物15を食することができる。
また、粘着剤9として、エチレンガスの吸着により分解等し、粘着力が弱まる材料を用い、食べ頃になった場合に消費者が容易に開封できるように構成してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 シート
2 基材
3、9 粘着剤
31 脱水剤
32、33、34 変色部
5 テープ
6 ランチボックス
7 外袋
8 袋
10 饅頭
11 サケ
12 トレイ
13 おにぎり
14 内袋
15 果物

Claims (6)

  1. 製造日又は包装日から所定期間が経過した場合に、粘着力が増大する、包装用粘着剤。
  2. 大気中の水分を吸収することにより硬化する、請求項1に記載の包装用粘着剤。
  3. 脱水剤又は吸湿剤を含む、請求項1又は2に記載の包装用粘着剤。
  4. 前記脱水剤又は吸湿剤の含有量は、前記所定期間に対応する、請求項3に記載の包装用粘着剤。
  5. 吸湿又は硬化により変色する、請求項2から4までのいずれか1項に記載の包装用粘着剤。
  6. 食品が熟成することにより発するガスを吸収して変化する、包装用粘着剤。
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