JP2021014087A - 金属張積層板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温時における反りを低減することができる金属張積層板の製造方法を提供。【解決手段】金属張積層板1の製造方法は、樹脂シート2と、金属箔3と、を重ねて積層体4とする工程と、下記式(1)で示される熱履歴Thが500℃・min以上3000℃・min以下の範囲内となるように積層体4に対して加熱を行う処理工程と、を含む。樹脂シート2は、不飽和二重結合を有する基を末端に有する変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)、及び炭素−炭素二重結合を有する架橋剤(B)を含有する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に金属張積層板の製造方法に関し、より詳細には樹脂シートと金属箔とを重ねて加熱を行う金属張積層板の製造方法に関する。
特許文献1には、金属張積層板を作製する方法が開示されている。この方法では、金属張積層板は、プリプレグに金属箔を積層して積層体とし、この積層体を加熱加圧成形して作製される。加熱加圧の条件は、温度を170〜210℃、圧力を1.5〜4.0MPa、時間を60〜150分間としている。
国際公開第2015/064064号
金属張積層板は、例えばビルドアップ法及びめっきスルーホール法などにより、プリント配線板に加工される。このようにして得られたプリント配線板は、マザーボードとして利用される以外に、パッケージ基板としても利用可能である。パッケージ基板には、例えばベアチップ等の半導体チップが搭載される。半導体チップは、リフローはんだ付けによりパッケージ基板に接続される。リフローはんだ付けでは、はんだ合金を溶融するまで加熱するため、パッケージ基板が高温に晒される。この高温によってパッケージ基板に反りが生じ、半導体チップの接続信頼性が低下するおそれがある。
本開示の目的は、高温時における反りを低減することができる金属張積層板の製造方法を提供することにある。
本開示の一態様に係る金属張積層板の製造方法は、樹脂シートと、金属箔と、を重ねて積層体とする工程と、下記式(1)で示される熱履歴Thが500℃・min以上3000℃・min以下の範囲内となるように、前記積層体に対して加熱を行う処理工程と、を含む。前記樹脂シートは、不飽和二重結合を有する基を末端に有する変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)、及び炭素−炭素二重結合を有する架橋剤(B)を含有する。
Figure 2021014087
(式(1)中、Th(℃・min)は熱履歴を示す。Tmax(℃)は最高温度を示し、240≦Tmax≦350を満たす。Ts(℃)は昇温開始温度を示す。Tv(℃/sec)は昇温速度を示す。Ht(min)は最高温度保持時間を示し、1.5≦Ht≦6.0を満たす。)
本開示によれば、高温時における反りを低減することができる。
図1は、ダブルベルトプレス装置を模式的に示す概略正面図である。 図2は、樹脂組成物の硬化反応過程を模式的に示すグラフである。
(1)概要
本実施形態では、金属張積層板1を製造する。金属張積層板1は、プリント配線板を製造するための主要な材料である。
金属張積層板1は、絶縁層5と、金属箔3と、を備える(図1参照)。絶縁層5は、電気的絶縁性を有する層である。絶縁層5は、樹脂シート2が硬化して形成された層である。金属箔3は、絶縁層5の両面又は片面に接着されている。
金属箔3が絶縁層5の両面に接着されている場合、金属張積層板1は、両面金属張積層板とも呼ばれる。金属箔3が絶縁層5の片面に接着されている場合、金属張積層板1は片面金属張積層板とも呼ばれる。以下では、特に両面金属張積層板の製造方法について説明するが、この方法は、片面金属張積層板の製造方法にも適用可能である。
本実施形態に係る金属張積層板1の製造方法は、樹脂シート2と、金属箔3と、を重ねて積層体4とする工程と、積層体4に対して加熱を行う処理工程と、を含む。樹脂シート2は、不飽和二重結合を有する基を末端に有する変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)、及び炭素−炭素二重結合を有する架橋剤(B)を含有する。加熱は、下記式(1)で示される熱履歴Thが500℃・min以上3000℃・min以下の範囲内となるように行う。
Figure 2021014087
(式(1)中、Th(℃・min)は熱履歴を示す。Tmax(℃)は最高温度を示し、240≦Tmax≦350を満たす。Ts(℃)は昇温開始温度を示す。Tv(℃/sec)は昇温速度を示す。Ht(min)は最高温度保持時間を示し、1.5≦Ht≦6.0を満たす。)
本実施形態では、低温長時間ではなく、高温短時間で金属張積層板1を製造するようにしている。これにより、金属張積層板1の絶縁層5のガラス転移温度(Tg)を低くすることができる。そのため、金属張積層板1の高温での弾性率を低くすることができる。したがって、高温時における反りを低減することができる。
(2)詳細
<材料>
本実施形態に係る金属張積層板1の材料には、樹脂シート2と、金属箔3と、が含まれる。
≪樹脂シート≫
樹脂シート2は、長尺状をなし、巻き取り可能な樹脂製のシートである。樹脂シート2は、樹脂組成物(以下、組成物(X)ともいう)と、基材と、を含む。組成物(X)は、基材に含浸されている。
組成物(X)は、不飽和二重結合を有する基を末端に有する変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)(以下、化合物(A)ともいう)、及び炭素−炭素二重結合を有する架橋剤(B)(以下、架橋剤(B)ともいう)を含有する。すなわち、樹脂シート2は、化合物(A)及び架橋剤(B)を含有する。
〔化合物(A)〕
化合物(A)は、組成物(X)の硬化物の低誘電率化及び低誘電正接化を実現しやすい。化合物(A)は、不飽和二重結合(炭素−炭素不飽和二重結合)を有する基により末端変性されたポリフェニレンエーテルである。すなわち、化合物(A)は、例えばポリフェニレンエーテル鎖と、ポリフェニレンエーテル鎖の末端に結合している不飽和二重結合を有する基とを、有する。
不飽和二重結合を有する基としては、例えば、下記式(2)で表される置換基等が挙げられる。
Figure 2021014087
式(2)中、nは、0〜10の数である。Zはアリーレン基である。R〜Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基である。式(2)において、nが0である場合は、Zがポリフェニレンエーテル鎖の末端に直接結合している。
アリーレン基は、例えばフェニレン基等の単環芳香族基、又はナフチレン基等の多環芳香族基等である。アリーレン基における芳香族環に結合する少なくとも一つの水素原子が、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基等の官能基で置換されていてもよい。アリーレン基は、前記のみには限られない。
アルキル基は、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、又はデシル基等である。アルキル基は、前記のみには限られない。
不飽和二重結合を有する基は、例えばp−エテニルベンジル基、m−エテニルベンジル基等のビニルベンジル基(エテニルベンジル基)、ビニルフェニル基、アクリレート基、又はメタクリレート基等を有する。不飽和二重結合を有する基は、特にビニルベンジル基、ビニルフェニル基、又はメタクリレート基を有することが好ましい。不飽和二重結合を有する基がアリル基を有すれば、化合物(A)の反応性が低い傾向がある。また、不飽和二重結合を有する基がアクリレート基を有すれば、化合物(A)の反応性が高すぎる傾向がある。
不飽和二重結合を有する基の好ましい具体例としては、ビニルベンジル基を含む官能基が挙げられる。具体的には、不飽和二重結合を有する基は、例えば下記式(3)に示す置換基である。
Figure 2021014087
式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、Rは単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基である。Rは炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましい。
不飽和二重結合を有する基は、(メタ)アクリレート基でもよい。(メタ)アクリレート基は、例えば、下記式(4)で示される。
Figure 2021014087
式(4)中、Rは、水素原子又はアルキル基である。アルキル基は、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、例えば、アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、又はデシル基等である。アルキル基は前記のみには制限されない。
化合物(A)は、上記のとおり、ポリフェニレンエーテル鎖を分子中に有している。ポリフェニレンエーテル鎖は、例えば、下記式(5)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 2021014087
式(5)において、mは、1〜50の数である。R〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基である。R〜Rの各々は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。アルキル基は、例えば、炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、又はデシル基等である。アルケニル基は、例えば、炭素数2〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましい。具体的には、アルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、又は3−ブテニル基等である。アルキニル基は、例えば、炭素数2〜18のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基がより好ましい。具体的には、アルキニル基は、例えば、エチニル基、又はプロパ−2−イン−1−イル基(プロパルギル基)等である。アルキルカルボニル基は、アルキル基で置換されたカルボニル基であればよく、例えば、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基がより好ましい。具体的には、アルキルカルボニル基は、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、又はシクロヘキシルカルボニル基等である。アルケニルカルボニル基は、アルケニル基で置換されたカルボニル基であればよく、例えば、炭素数3〜18のアルケニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルケニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、アルケニルカルボニル基は、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、又はクロトノイル基等である。アルキニルカルボニル基は、アルキニル基で置換されたカルボニル基であればよく、例えば、炭素数3〜18のアルキニルカルボニル基が好ましく、炭素数3〜10のアルキニルカルボニル基がより好ましい。具体的には、アルキニルカルボニル基は、例えば、プロピオロイル基等である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基及びアルキニルカルボニル基は、前記のみには制限されない。
化合物(A)の数平均分子量は、1000以上5000以下であることが好ましく、1000以上4000以下であることがより好ましく、1000以上3000以下であることがさらに好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で得られた測定結果をポリスチレン換算した値である。化合物(A)が、式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有している場合、式(5)中のmは、化合物(A)の数平均分子量が上記の好ましい範囲内になるような数値であることが好ましい。具体的には、mは、1以上50以下であることが好ましい。化合物(A)の数量平均分子量がこのような範囲内であると、化合物(A)は、ポリフェニレンエーテル鎖によって組成物(X)の硬化物に優れた誘電特性を付与し、更に硬化物の耐熱性及び成形性を向上させることができる。その理由として、以下のことが考えられる。変性されていないポリフェニレンエーテルは、その数平均分子量が1000以上5000以下程度であると、比較的低分子量であるので、硬化物の耐熱性を低下させる傾向がある。これに対し、化合物(A)は、末端に不飽和二重結合を有するので、硬化物の耐熱性を高められると考えられる。また化合物(A)の数平均分子量が5000以下であると、組成物(X)の成形性が阻害されにくいと考えられる。よって、化合物(A)は、硬化物の耐熱性を向上できるだけではなく、組成物(X)の成形性を向上できると考えられる。なお、化合物(A)の数平均分子量が1000以下であると、硬化物のガラス転移温度が低下しにくく、このため硬化物が良好な耐熱性を有しやすい。さらに、化合物(A)におけるポリフェニレンエーテル鎖が短くなりにくいため、ポリフェニレンエーテル鎖による硬化物の優れた誘電特性が維持されやすい。また、数平均分子量が5000以下であると、化合物(A)は溶剤に溶解しやすく、組成物(X)の保存安定性が低下しにくい。また、化合物(A)は組成物(X)の粘度を上昇させにくく、そのため組成物(X)の良好な成形性が得られやすい。
化合物(A)は分子量13000以上の高分子量成分を含有せず、又は化合物(A)中の分子量13000以上の高分子量成分の含有量が5質量%以下であることが好ましい。すなわち、化合物(A)中の分子量13000以上の高分子量成分の含有量は0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。この場合、硬化物は特に優れた誘電特性を有することができ、かつ組成物(X)は特に優れた反応性及び保存安定性を有することができ、更に特に流動性に優れる。高分子量成分の含有量が3質量%以下であればより好ましい。なお、高分子量成分の含有量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、分子量分布を測定し、測定された分子量分布に基づいて算出することができる。
化合物(A)の1分子当たりの、不飽和二重結合を有する基の平均個数(末端官能基数)は、1個以上であることが好ましく、1.5個以上であることがより好ましく、1.7個以上であれば更に好ましく、1.8個以上であれば特に好ましい。これらの場合、組成物(X)の硬化物の耐熱性を確保しやすい。また不飽和二重結合を有する基の平均個数は5個以下であることが好ましく3個以下であればより好ましく、2.7個以下であれば更に好ましく、2.5個以下であれば特に好ましい。これらの場合、化合物(A)の反応性及び粘度が過度に高くなることを抑制でき、このため、組成物(X)の保存性が低下したり、組成物(X)の流動性が低下したりする不具合を起こりにくくできる。また組成物(X)の硬化後に、未反応の不飽和二重結合を残りにくくできる。なお、化合物(A)の末端官能基数は、化合物(A)1モル中の、1分子あたりの、置換基の平均値である。この末端官能基数は、例えば、ポリフェニレンエーテルを変性して化合物(A)を合成した場合、化合物(A)中の水酸基数を測定して、化合物(A)中の水酸基数の、変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分を算出することによって、得られる。この変性前のポリフェニレンエーテルの水酸基数からの減少分が、末端官能基数である。化合物(A)に残存する水酸基数は、化合物(A)の溶液に、水酸基と会合する4級アンモニウム塩(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)を添加して得られる混合溶液のUV吸光度を測定することによって、求めることができる。
化合物(A)の固有粘度は、0.03dl/g以上0.12dl/g以下であることが好ましく、0.04dl/g以上0.11dl/g以下であることがより好ましく、0.06dl/g以上0.095dl/g以下であることが更に好ましい。この場合、組成物(X)の硬化物の誘電率及び誘電正接を、より低下させやすい。また組成物(X)に充分な流動性を付与することで、組成物(X)の成形性を向上させることができる。
なお、固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、化合物(A)を塩化メチレンに0.18g/45mlの濃度で溶解させて調製される溶液の、25℃における粘度である。この粘度は、例えばSchott社製のAVS500 Visco System等の粘度計で測定される。
化合物(A)の合成方法に、特に制限はない。例えばポリフェニレンエーテルに、不飽和二重結合を有する基とハロゲン原子とが結合された化合物を反応させることで、化合物(A)を合成できる。より具体的には、ポリフェニレンエーテルと、不飽和二重結合を有する基とハロゲン原子とが結合された化合物とを溶媒に溶解させ、攪拌する。これにより、ポリフェニレンエーテルと、不飽和二重結合を有する基とハロゲン原子とが結合された化合物とが反応し、化合物(A)が得られる。
〔架橋剤(B)〕
架橋剤(B)は、化合物(A)と反応することで架橋構造を形成する。
架橋剤(B)は、例えばジビニルベンゼン、ポリブタジエン、アルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカノール(メタ)アクリレート、フルオレン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、及びトリメチロールプロパン(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
このなかでも、低誘電率化の観点から、架橋剤(B)はポリブタジエンを含有することが好ましい。架橋剤(B)の百分比は、化合物(A)と架橋剤(B)との合計量に対して5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上50質量%以下であることが更に好ましい。これらの場合、硬化物が化合物(A)による優れた誘電特性を維持したまま、組成物(X)の成形性が特に向上でき、かつ硬化物の耐熱性も特に向上できる。
〔リン化合物〕
組成物(X)は、リン化合物(以下、リン化合物(C)ともいう)を更に含有してもよい。すなわち、樹脂シート2は、リン化合物(C)を更に含有してもよい。これにより、金属張積層板1に難燃性を付与することができる。
リン化合物(C)としては、特に限定されないが、例えば、リン酸エステル、及びホスフィン酸塩が挙げられる。特にリン酸エステルは、樹脂を可塑化する効果も併せ持つ。したがって、樹脂シート2にリン酸エステルが含有されていると、ガラス転移温度(Tg)が低下し、リン酸エステルが含有されていない場合に比べて低温で軟化するため、塑性加工が容易になる。一方、ホスフィン酸塩は、黄変などの着色抑制にも有効である。
樹脂シート2がリン化合物(C)を更に含有する場合、リン化合物(C)の含有量は、化合物(A)及び架橋剤(B)の合計100質量部に対して、好ましくは40質量部未満、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。これにより、金属張積層板1を低誘電率化しやすくなる。低誘電率の金属張積層板1は、高周波信号の伝送損失低減に有用である。
樹脂シート2がリン化合物(C)を更に含有する場合、リン原子の含有量は、化合物(A)及び架橋剤(B)の合計100質量部に対して、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4.5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下である。これにより、金属張積層板1を低誘電率化しやすくなる。低誘電率の金属張積層板1は、高周波信号の伝送損失低減に有用である。
〔無機充填材〕
組成物(X)は、無機充填材(以下、無機充填材(D)ともいう)を更に含有してもよい。すなわち、樹脂シート2は、無機充填材(D)を更に含有してもよい。これにより、機械的性質の改善、機能性付与、加工性制御などを有効に行うことができる。
無機充填材(D)としては、特に限定されないが、例えば、シリカが挙げられる。シリカは、線膨張率低減、硬化収縮防止、及び熱伝導性向上などに有効である。シリカには、溶融シリカ等が含まれる。
無機充填材(D)の形状は、特に限定されないが、例えば、球形が好ましい。
無機充填材(D)の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.2μm以上15μm以下の範囲内である。
樹脂シート2が無機充填材(D)を含有する場合、無機充填材(D)の含有量は、化合物(A)及び架橋剤(B)の合計100質量部に対して、好ましくは20質量部以上250質量部以下の範囲内である。
〔溶剤〕
組成物(X)は、溶剤を更に含有してもよい。これにより、組成物(X)をワニスとして基材に含浸させやすくなる。
〔基材〕
基材としては、特に限定されないが、例えば、ガラスクロスが挙げられる。基材の厚さは、特に限定されないが、例えば、8μm以上200μm以下の範囲内である。
樹脂シート2は、組成物(X)を基材に含浸させて得られる。組成物(X)が溶剤を含有する場合、組成物(X)を基材に含浸させた後に、溶剤を除去するために乾燥してもよい。
≪金属箔≫
金属箔3としては、特に限定されないが、例えば、銅箔が挙げられる。金属箔3の厚さは、特に限定されないが、例えば、2μm以上105μm以下の範囲内である。
<製造方法>
本実施形態に係る金属張積層板1の製造方法は、樹脂シート2と、金属箔3と、を重ねて積層体4とする工程と、積層体4に対して加熱を行う処理工程と、を含む。好ましくは、処理工程において、積層体4に対して加熱と共に加圧を行う。以下、金属張積層板1の製造に好適な装置、及び加熱加圧条件について説明する。
≪装置≫
図1にダブルベルトプレス装置100を示す。ダブルベルトプレス装置100は、第1コンベア110と、第2コンベア120と、加熱加圧装置130と、を備える。ダブルベルトプレス装置100は、冷却装置140を更に備えてもよい。
第1コンベア110は、第1ベルト151と、第1入口ロール161と、第1出口ロール171と、を有する。第1ベルト151は、エンドレスベルトである。エンドレスベルトは、無端状に接合したベルトである。第1ベルト151は、スチールベルトであり、例えばステンレス製のベルトである。第1ベルト151は、第1入口ロール161及び第1出口ロール171間に掛け渡されている。第1入口ロール161及び第1出口ロール171は、回転可能に支持され、平行に配置されている。第1ベルト151の速度は調整可能である。
第2コンベア120は、第1コンベア110に対向して配置されている。第2コンベア120は、第2ベルト152と、第2入口ロール162と、第2出口ロール172と、を有する。第2ベルト152は、エンドレスベルトである。第2ベルト152は、スチールベルトであり、例えばステンレス製のベルトである。第2ベルト152は、第2入口ロール162及び第2出口ロール172間に掛け渡されている。第2ベルト152は、第1ベルト151に対向している。第2入口ロール162及び第2出口ロール172は、回転可能に支持され、平行に配置されている。第2ベルト152の速度は調整可能である。第2ベルト152は、第1ベルト151と同期させることも可能である。
第1入口ロール161及び第2入口ロール162は、平行に配置されている。以下、第1入口ロール161及び第2入口ロール162をまとめて入口ロール160という場合がある。第1出口ロール171及び第2出口ロール172も、平行に配置されている。以下、第1出口ロール171及び第2出口ロール172をまとめて出口ロール170という場合がある。
加熱加圧装置130は、入口ロール160と出口ロール170との間に配置されている。加熱加圧装置130の加熱手段及び加圧手段には、公知の手段が適用可能である。加熱加圧装置130は、加熱温度、プレス圧、昇温速度、及び加熱時間を調整可能である。
冷却装置140は、加熱加圧装置130と出口ロール170との間に配置されている。冷却装置140の冷却手段には、公知の手段が適用可能である。冷却装置140は、加圧手段を更に有してもよい。冷却装置140の加圧手段には、公知の手段が適用可能である。冷却装置140は、冷却温度、降温速度、及び冷却時間を調整可能である。冷却装置140が加圧手段を更に有する場合、プレス圧も調整可能である。
このように、本実施形態では、ダブルベルトプレス装置100を用いて、加熱をロールツーロール方式により行うようにしている。より詳しくは、加熱加圧をロールツーロール方式により行うようにしている。したがって、バッチプレス装置を用いたバッチプレス方式に比べて、生産性を向上させることができる。
≪加熱加圧条件≫
本実施形態では、図1に示すダブルベルトプレス装置100を用いて、金属張積層板1として両面金属張積層板を製造する。すなわち、樹脂シート2の両側に金属箔3を配置し、これらを重ねて積層体4とし、この積層体4を入口ロール160側から第1コンベア110と第2コンベア120との間に挿入する。積層体4は、第1ベルト151及び第2ベルト152で挟み込まれて、入口ロール160側から出口ロール170側に搬送される。積層体4は、搬送中に加熱加圧装置130によって加熱加圧される。これにより、積層体4は、金属張積層板1となる。具体的には、樹脂シート2は、絶縁層5となり、両側の金属箔3と接着される。加熱加圧後、金属張積層板1は、必要に応じて冷却装置140によって冷却された後、出口ロール170側から出てくる。
本実施形態では、加熱は、下記式(1)で示される熱履歴Thが500℃・min以上3000℃・min以下の範囲内となるように行う。このように、熱履歴Thを調整することで、金属張積層板1の高温時における反りを低減することができる。高温とは、例えば、リフローはんだ付け時にパッケージ基板が晒される温度である。具体的には260℃程度の温度である。
Figure 2021014087
(式(1)中、Th(℃・min)は熱履歴を示す。Tmax(℃)は最高温度を示し、240≦Tmax≦350を満たす。Ts(℃)は昇温開始温度を示す。Tv(℃/sec)は昇温速度を示す。Ht(min)は最高温度保持時間を示し、1.5≦Ht≦6.0を満たす。)
昇温開始温度(Ts)は、加熱加圧装置130によって積層体4を加熱する直前の温度である。昇温開始温度(Ts)は、特に限定されないが、例えば、15℃以上50℃以下の範囲内の温度である。
次に昇温開始温度(Ts)から最高温度(Tmax)まで加熱加圧装置130によって積層体4を加熱する。このときの昇温速度(Tv)は、特に限定されないが、好ましくは2℃/sec以上8℃/sec以下の範囲内である。すなわち、上記式(1)中、2≦Tv≦8を更に満たすことが好ましい。上記範囲内の昇温速度で加熱すれば、上記範囲外の昇温速度で加熱する場合に比べて、金属張積層板1の高温時における反りを更に低減することができる。最高温度(Tmax)は、240℃以上350℃以下の範囲内の温度である。
一方、昇温開始温度(Ts)から最高温度(Tmax)まで加熱加圧装置130によって積層体4を加圧する。このときの圧力(プレス圧)は、特に限定されないが、例えば、0.5MPa以上5MPa以下の範囲内である。
最高温度(Tmax)に到達してから、最高温度(Tmax)を1.5分以上6.0分以下の範囲で保持する。
一方、最高温度(Tmax)を保持する間の圧力(プレス圧)は0.5MPa以上であることが好ましい。上記範囲内の圧力で加圧すれば、上記範囲外の圧力で加圧する場合に比べて、高温時における反りを更に低減することができる。なお、最高温度(Tmax)を保持する間の圧力の上限値は、特に限定されないが、例えば、5MPaである。
<推定メカニズム>
次に、本実施形態に係る金属張積層板1について、高温時のおける反りが低減される推定メカニズムについて説明する。
図2は、樹脂組成物の硬化反応過程を模式的に示すグラフである。縦軸は、樹脂組成物の溶融粘度を示し、横軸は、樹脂組成物の加熱時間を示す。樹脂組成物には、樹脂A(本実施形態では化合物(A))及び樹脂B(本実施形態では架橋剤(B))が含有されている。曲線C1は、高温短時間での硬化反応過程を示すグラフである。曲線C1は、本実施形態を示すグラフである。曲線C2は、低温長時間での硬化反応過程を示すグラフである。図2中、η(ab)は、樹脂Aと樹脂Bとが架橋可能な最高溶融粘度を示す。
樹脂組成物が加熱される場合、樹脂Aの反応基と樹脂Bの反応基とが出会う確率が高いと、架橋密度が高くなる。上記の確率は、樹脂組成物の溶融粘度に反比例する。すなわち、溶融粘度が低ければ、樹脂A及び樹脂Bが移動しやすくなるので、上記の確率は高くなる。逆に、溶融粘度が高ければ、樹脂A及び樹脂Bが移動しにくくなるので、上記の確率は低くなる。
低温長時間での硬化反応過程では、図2の曲線C2で示すように、加熱するにしたがって緩やかに溶融粘度が低下し、さらに加熱すると、硬化反応が開始して緩やかに溶融粘度が上昇する。このような過程では、昇温速度が遅く、最低溶融粘度が高くなる。曲線C2では、η(ab)から最低溶融粘度を経て再びη(ab)に至るまでの時間(t2)が長くなるため、樹脂Aと樹脂Bとが出会う確率が高くなり、架橋密度が高くなる。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は高くなり、例えば210℃を超えやすくなる。そのため、高温(例えば260℃)での硬化物の弾性率が高くなりやすい。したがって、低温長時間での硬化反応過程を経て製造された金属張積層板1については、高温時において反りやすくなる。
これに対して、高温短時間での硬化反応過程(つまり本実施形態)では、図2の曲線C1で示すように、加熱するにしたがって急速に溶融粘度が低下し、さらに加熱すると、硬化反応が開始して急速に溶融粘度が上昇する。このような過程では、昇温速度が速く、最低溶融粘度が低くなる。曲線C1では、η(ab)から最低溶融粘度を経て再びη(ab)に至るまでの時間(t1)が、上記のt2に比べて短くなるため(t1<t2)、樹脂Aと樹脂Bとが出会う確率が低くなり、架橋密度が低くなる。これにより、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は低くなり、例えば210℃以下となりやすくなる。そのため、高温(例えば260℃)での硬化物の弾性率が低くなりやすい。したがって、高温短時間での硬化反応過程を経て製造された金属張積層板1については、高温時において反りにくくなる。バッチプレス方式では、このような金属張積層板1を得ることが難しい。なお、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは180℃以上である。
(3)変形例
上記実施形態では、ダブルベルトプレス装置100を用いて金属張積層板1を製造しているが、高温短時間での加熱加圧が可能な装置であれば、ダブルベルトプレス装置100に限定されない。例えば、ロール式ラミネート機でもよい。
以下、本開示を実施例によって具体的に説明する。ただし、本開示は、実施例に限定されない。
[金属張積層板]
<材料>
≪樹脂シート≫
樹脂シートは、以下の樹脂組成物を以下の基材に含浸させて得た。
〔樹脂組成物〕
樹脂組成物には、以下の(A)変性ポリフェニレンエーテル(不飽和二重結合を有する基を末端に有する)、(B)架橋剤(炭素−炭素二重結合を有する)、(C)リン化合物、及び(D)無機充填材が表1に示す含有量(質量部)で含有されている。
(A)変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)
・SABICイノベーティブプラスチックス社製、商品名「SA9000」
(B)架橋剤
・日本曹達株式会社製、商品名「B−1000」、ポリブタジエンオリゴマー(1,2−ポリブタジエンホモポリマー)、数平均分子量1200
(C)リン化合物
・リン酸エステル:大八化学工業株式会社製、商品名「PX−200」
・ホスフィン酸塩:クラリアントジャパン株式会社製、商品名「OP935」
(D)無機充填材
・株式会社アドマテックス、商品名「SC−2050MTX」、球状シリカ、平均粒子径0.5μm
〔基材〕
・ガラスクロス:日東紡績株式会社製、商品名「#7628タイプ」、厚さ173μm
≪金属箔≫
金属箔は、以下の銅箔を用意した。
・銅箔:三井金属鉱業株式会社製、商品名「3EC−M3−VLP」、厚さ18μm
<製造方法>
≪装置≫
実施例1〜10及び比較例2〜3ではダブルベルトプレス装置を使用して、両面銅張積層板を製造した。比較例1ではバッチプレス装置を使用して、両面銅張積層板を製造した。
≪加熱加圧条件≫
表1に示すように、加熱加圧条件を変えて、両面銅張積層板を製造した。具体的には、昇温速度Tv(℃/sec)、昇温開始温度Ts(℃)、最高温度Tmax(℃)、最高温度を保持する間のプレス圧(MPa)、及び最高温度保持時間Ht(min)のうち、昇温速度Tv(℃/sec)、最高温度Tmax(℃)、及び最高温度保持時間Ht(min)を変えた。これらの数値から熱履歴Th(℃・min)を算出した。
上記のようにして得られた両面銅張積層板について、以下の試験項目で試験を行った。その結果を表1に示す。
[反り]
両面銅張積層板の両面の銅箔を除去して17mm角の基板を得、この基板の片面に15mm角のシリコンチップを実装して試料を得た。この試料の260℃における反りを測定した。具体的には、260℃の雰囲気下において、シリコンチップが上側、基板が下側となるように試料を水平面に配置した。そして、水平面からの試料の最大高さを反りとして測定した。なお、試料が上側に反っている場合は、反りの数値にプラスの符号を付け、試料が下側に反っている場合は、反りの数値にマイナスの符号を付けた。
[比誘電率(Dk)]
10GHzにおける両面銅張積層板の比誘電率を空洞共振器摂動法で測定した。測定には、ネットワーク・アナライザ(キーサイトテクノロジー社製、商品名「N5230A」)を用いた。
[ガラス転移温度(Tg)]
両面銅張積層板の両面の銅箔を除去した。これを試料として、動的粘弾性測定(DMA)により、tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)の最大値をガラス転移温度(Tg)とした。測定には、動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、商品名「DMS6100」)を用いた。引張モジュールで5℃/分の昇温条件にて測定を行った。
[銅箔引きはがし強さ]
両面銅張積層板の絶縁層から銅箔を引きはがした。このときの引きはがし強さをJIS C 6481に準拠して測定した。具体的には、幅10mm、長さ100mmのパターンを形成し、引っ張り試験機により50mm/分の速度で引きはがし、そのときの引きはがし強さを測定した。
Figure 2021014087
実施例1〜10では、いずれも高温時における反りが低減されていることが分かる。
これに対して、比較例1では、最高温度が各実施例に比べて低いにもかかわらず、昇温速度が遅すぎるため、ガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎることが分かる。
また比較例2では、最高温度保持時間が短く、熱履歴の数値が小さくなってしまうので、ガラス転移温度(Tg)が低くなり過ぎることが分かる。つまり、未硬化部分が残ってしまう。
また比較例3では、熱履歴の数値が大きくなってしまうので、ガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎることが分かる。
1 金属張積層板
2 樹脂シート
3 金属箔

Claims (6)

  1. 不飽和二重結合を有する基を末端に有する変性ポリフェニレンエーテル化合物(A)、及び炭素−炭素二重結合を有する架橋剤(B)を含有する樹脂シートと、金属箔と、を重ねて積層体とする工程と、下記式(1)で示される熱履歴Thが500℃・min以上3000℃・min以下の範囲内となるように、前記積層体に対して加熱を行う処理工程と、を含む、
    金属張積層板の製造方法。
    Figure 2021014087
    (式(1)中、Th(℃・min)は熱履歴を示す。Tmax(℃)は最高温度を示し、240≦Tmax≦350を満たす。Ts(℃)は昇温開始温度を示す。Tv(℃/sec)は昇温速度を示す。Ht(min)は最高温度保持時間を示し、1.5≦Ht≦6.0を満たす。)
  2. 前記式(1)中、2≦Tv≦8を更に満たす、
    請求項1に記載の金属張積層板の製造方法。
  3. 前記処理工程において、前記積層体に対して加熱と共に加圧を行い、
    前記最高温度を保持する間の圧力が0.5MPa以上である、
    請求項1又は2に記載の金属張積層板の製造方法。
  4. 前記加熱をロールツーロール方式により行う、
    請求項3に記載の金属張積層板の製造方法。
  5. 前記樹脂シートは、リン化合物を更に含有する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。
  6. 前記樹脂シートは、無機充填材を更に含有する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。
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