JP2021013936A - アルミニウムブレージングシートおよび熱交換器の製造方法 - Google Patents

アルミニウムブレージングシートおよび熱交換器の製造方法 Download PDF

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祥基 森
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【課題】フラックスフリーでアルミニウムブレージングシートを用いてろう付を良好に行う。【解決手段】アルミニウム合金芯材の一方または両方の面に、アルミニウム合金ろう材がクラッドされてアルミニウム合金ろう材が最表面に位置し、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被ろう付け部材に、減圧を伴わない非酸化性雰囲気中でフラックスを用いずに接合するろう付に供されるアルミニウムブレージングシートであって、アルミニウム合金ろう材が、質量%でSi:3〜14%、Mg:0.01〜2.0%、Bi:0.005〜0.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、不可避不純物中で、アルカリ土類金属の内で、Ca:0.01%以下、Sr:0.02%以下、Ba:0.03%以下に規制されている。【選択図】図1

Description

この発明は、フラックスを用いることなく減圧を伴わない非酸化性雰囲気中でろう付を行うアルミニウムブレージングシートおよび熱交換器の製造方法に関するものである。
自動車用熱交換器をはじめとしたろう付分野において、アルミニウム合金ろう材を用いたフラックスフリーの工法が提案されている。
フラックスフリーろう付は、ろう材中に添加したMgによる、Al酸化皮膜(Al)の還元分解作用によって接合を可能としている(例えば特許文献1、2参照)。
さらに、ろう材にBiを添加することにより溶融ろうの表面張力が低下し、ろう付性が向上する。また、BiはMgと共にろう材に添加することで、500℃付近のろう付熱処理温度よりも低い温度で溶融する化合物を形成するため、材料作製工程での酸化皮膜の成長は抑制するが、高温となるろう付時にはBiによるろう付性向上効果を発揮することが出来る。
特開2010−247209号公報 特開2015−58466号公報
なお、アルミニウム合金には、母合金に含まれている原料由来のアルカリ土類金属が不可避的に含有している場合がある。さらに、ろう材のSi粒子を微細化させるためにアルカリ土類金属を積極的に添加する場合がある。
しかし、Mg以外のアルカリ土類金属が材料中に存在すると、Biとアルカリ土類金属が反応して、粗大で、かつろう溶融温度よりも高融点な化合物を形成するため、圧延中に材料表面に存在する化合物が粉砕されることにより表面性状の悪化することや、ろう付熱処理中に化合物が溶融しないためBiによるろう付性向上作用が低下する問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、ろう材に含まれるBiとアルカリ土類金属の反応物の生成を抑制してろう付性を向上することができるアルミニウムブレージングシートおよび熱交換器の製造方法を提供することを目的の一つとしている。
そこで、本発明ではAl−Si−Mg−Bi系ろう材に含まれるアルカリ土類金属の内、Ca、Sr、Baの含有量を制限することで、材料作製段階でのBiとCa、Sr、Baの化合物の生成を抑制し、圧延中の材料表面性状の正常化、及びろう付性の向上に寄与するBiの効果を損なわない材料が得らえる事を見出した。
すなわち、本発明のアルミニウムブレージングシートのうち、第1の形態は、アルミニウム合金芯材の一方または両方の面に、アルミニウム合金ろう材がクラッドされて前記アルミニウム合金ろう材が最表面に位置し、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被ろう付け部材に、減圧を伴わない非酸化性雰囲気中でフラックスを用いずに接合するろう付に供されるアルミニウムブレージングシートであって、
前記アルミニウム合金ろう材が、質量%でSi:3〜14%、Mg:0.01〜2.0%、Bi:0.005〜0.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、前記不可避不純物中で、アルカリ土類金属の内で、Ca:0.01%以下、Sr:0.02%以下、Ba:0.03%以下に規制されていることを特徴とする。
第2の形態のアルミニウムブレージングシートの発明は、前記形態の発明において、前記アルミニウム合金ろう材中に含有されているアルカリ土類金属の内、Ca、Sr、Baの合計の原子濃度をXとすると、XとMgの原子濃度比がMg/X=3.0以上であることを特徴とする。
第3の形態のアルミニウムブレージングシートの発明は、前記形態の発明において、前記アルミニウム合金ろう材中に含有されているアルカリ土類金属の内、Ca、Sr、Baの合計の原子濃度をXとすると、XとBiの原子濃度比がX/Bi=0.25未満に規制されていることを特徴とする。
第4の形態のアルミニウムブレージングシートの発明は、前記形態の発明において、前記アルミニウム合金ろう材に含まれるMgとBiの原子濃度比が、Mg/Bi=1.5以上であることを特徴とする。
第5の形態のアルミニウムブレージングシートの発明は、前記形態の発明において、前記アルミニウム合金ろう材にさらに、質量%でBeを0.0001〜0.01%含有することを特徴とする。
本発明の熱交換器の製造方法は、前記各形態のずれかのアルミニウムブレージングシートを用いて、酸素濃度300ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中で、加熱温度559〜630℃において、フラックスを用いることなくアルミニウム部材同士の接合を行うことを特徴とする。
次に、本願発明で規定する内容について説明する。
Mg:0.01〜2.0%
Mgは、Al酸化皮膜(Al)を還元分解するので含有させる。ただし、下限未満では、効果が不十分であり、上限を超えると効果が飽和する上に、さらに、材料が硬く脆くなるため、素材製造が困難になる。上記理由によりMg含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で、下限を0.5%、上限を1.5%とするのが望ましい。
Si:3.0〜14.0%
Siは、ろう付時に溶融ろうを形成し、接合部のフィレットを形成するので含有させる。下限未満では、フィレットを形成するための溶融ろうが不足する。一方、上限を超えると効果が飽和する上に、材料が硬く脆くなるため、素材製造が困難になる。上記理由によりSi含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で、下限を5.0%、上限を12.5%とするのが望ましい。
Bi:0.005〜0.5%
Biは、ろう付昇温過程で材料表面に濃化し、緻密な酸化皮膜の成長を抑制する。さらに、溶融ろうの表面張力を低下させることで隙間充填性が向上する。但し、含有量が過小であると、効果が不十分であり、一方、過剰に含有すると、効果が飽和するだけでなく、材料表面でBiの酸化物が生成し易くなり接合が阻害される。このため、Biの含有量を上記範囲に定める。
なお、同様の理由で、下限を0.05%、上限を0.3%とするのが望ましい。
Ca:0.01%以下
Caは、Biと高融点化合物を形成しBiの作用が低下し、ろう付性が不十分となる。また、材料作製時に粗大な化合物が形成され表面性状が悪化し、接合性が低下する。Biの作用が低下する。Ca含有量はさらに0.005%以下とするのが望ましい。
Sr:0.02%以下
Srは、Biと高融点化合物を形成しBiの作用が低下し、ろう付性が低下する。さらに、材料作製時に粗大な化合物が形成され表面性状が悪化し、接合性が低下する。Biの作用が低下し、ろう付性が不十分となる。Sr含有量はさらに0.01%以下とするのが望ましい。
Ba:0.03%以下
Baは、Biと高融点化合物を形成しBiの作用が低下し、ろう付性が不十分となる。また、材料作製時に粗大な化合物が形成され表面性状が悪化し、接合性が低下する。Ba含有量は、さらに0.015%以下とするのが望ましい。
Be:0.0001〜0.01%
Beは、Al酸化皮膜(Al)を還元分解する作用があるので、所望により含有させる。含有量が下限未満であると効果が不十分である。一方、上限を超えると効果が飽和する上に、材料表面にBeの酸化皮膜が形成され接合が阻害される。したがって、Be含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で、下限を0.001%、上限を0.005%とするのが望ましい。
MgとBiの原子濃度比(Mg/Bi):1.5以上
ろう材中にBi単体の粒子が存在すると、ろう付昇温過程でBiの融点である271℃から溶融して材料表面に濃化するが、ろう付昇温過程の低い温度域であるため、ろう材が溶融するまでに材料表面でBiが酸化して堆積することや、早い段階で酸化皮膜が不安定となり再酸化が進み易くなることで接合が阻害されるため、良好な接合状態が得られ難くなる。そこで、ろう材にMgを添加することでBiはMgと化合物を生成し、ろう材中の単体Biの生成を抑制することができる。したがって、所望により上記原子濃度比を求めるものとする。上記原子濃度比が1.5未満であると、単体Biが生成し易くなり、ろう付性が低下する。
なお、同様に理由により、上記原子濃度比はさらに4.0以上であるのが一層望ましい。
MgとCa,Sr,Ba合計の原子濃度Xとの比(Mg/X):3.0以上
Mg、Ca,Sr,BaはBiと化合物を形成するが、Mgに対し、Ca,Sr,Baの割合が増加すると、Ca,Sr,Baを含むろう付熱処理温度以上の高融点化合物の割合が増加し、ろう付性が低下する。そこで所望により上記原子濃度比を求めるものとする。上記原子濃度比が3.0未満であると、高融点の化合物の生成量が過剰となり、ろう付性が低下する。
なお、同様の理由により上記原子濃度比はさらに5.0以上であるのが一層望ましい。
Ca,Sr,Ba合計の原子濃度XとBiの原子濃度比(X/Bi):0.25未満
Ca,Sr,BaはBiとろう付熱処理温度以上の高融点化合物を形成するため、ろう付熱処理時にBiが溶融せず、Biの作用が低下する。そこで、所望により上記原子濃度比を求めるものとする。上記原子濃度比が0.25以上であると、材料に添加されているBiの大部分が高融点化合物となってしまい、ろう付性が低下する。
なお、同様の理由により上記原子濃度比はさらに0.15以下であるのが一層望ましい。
ろう付け温度
本発明においては、アルミニウム合金ろう材の最も低い固相線温度の559℃以上でろう付けができ、当然、従来からのAl−Siろう材によるろう付け温度範囲も使用可能である。具体的には559〜630℃が良い。559℃未満ではろうの溶融が得られずろう付けが得られない。630℃超ではろう侵食が顕著となり、製品形状の維持等に問題が生じるため好ましくない。但し、この温度範囲においても、ろうの合金組成によって固相線温度が低い場合には、ろう侵食が顕著になる場合もあり、その際は、この温度範囲の中で合金組成にあったろう付け温度を選択するのが好ましい。
酸素濃度300ppm以下の非酸化性ガス雰囲気
上記アルミニウムブレージングシートは、酸素濃度300ppm以下の非酸化性ガス雰囲気において、フラックスフリーでろう付を行うことができる。
ろう付炉内雰囲気の圧力は常圧を基本とするが、例えば、製品内部のガス置換効率を向上させるためにろう材溶融前の温度域で100kPa〜0.1Pa程度の中低真空とすることや、炉内への外気(大気)混入を抑制するために大気圧よりも5〜100Pa程度陽圧としてもよい。
非酸化性ガス雰囲気としては、窒素ガス、或いは還元性ガスもしくはこれらの混合ガスが挙げられる。使用する置換ガスの種類としては、アルミニウム材の接合を得るにあたり特に限定されるものではないが、コストの観点より、窒素ガス、不活性ガスとしてはアルゴン、還元性ガスとしては水素、アンモニアを用いることが好適である。雰囲気中の酸素濃度管理範囲としては、300ppm以下が望ましい。300ppm超では被ろう付部材の再酸化が進みやすくなる。なお、さらに100ppm以下とするのが一層望ましい。
本発明によれば、アルミニウム合金ろう材に含まれるアルカリ土類金属の内、Ca、Sr、Baの含有量を制限することで、材料作製段階でのBiとCa、Sr、Baの化合物の生成を抑制し、前記化合物の生成に伴う不具合を回避して、ろう付性を向上させる効果がある。
本発明の一実施形態におけるフラックスフリーろう付用のブレージングシートを示す図である。 本発明の一実施形態におけるアルミニウム製自動車用熱交換器を示す斜視図である。 本発明の実施例におけるろう付評価モデルを示す図である。
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本実施形態の アルミニウムブレージングシート1は、芯材の少なくとも片面の最表層にろう材が位置している。
最表層に位置するろう材用アルミニウム合金として、質量%でSi:3〜14%、Mg:0.01〜2.0%、Bi:0.005〜0.5%を含有し、さらに、所望によりBe:0.0001〜0.1%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、前記不可避不純物中で、アルカリ土類金属の内で、Ca:0.01%以下、Sr:0.02%以下、Ba:0.03%以下に規制されている組成に調製する。
芯材用アルミニウム合金として、例えば、質量%で、Mn:0.1〜3.0%、Si:0.1〜1.2%、Cu:0.1〜3.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成に調製する。芯材用アルミニウム合金には、その他に、Si、Mn、Fe、Mg、Biなどを既知の量で含有してもよい。
本発明としては、芯材用アルミニウム合金の組成は特に限定されるものではないが、MgSiなどを微細析出させることで材料の大幅な高強度化が図れるため、MgとSiを積極添加した合金を好適に用いることができる。従来のフッ化物系フラックスを用いるろう付方法は、フラックスがMgと反応して高融点のフッ化Mgを生成し不活性化するためろう付性が低下することや、この反応によりMgを消費するため高強度Mg添加合金に適用することが難しかったが、フラックスフリーろう付では高強度Mg添加合金が利用可能となる。
なお、ろう材と芯材の間にろう材として機能する中間層を設けるものとしてもよい。
さらに、Znが添加されたアルミニウム合金を犠牲防食層として、ろう材がクラッドされていない芯材表面にクラッドしてもよい。
これらの合金に対し、熱間圧延、冷間圧延を行って芯材の一方または両方の面に、ろう材層が重ね合わされて接合されたクラッド材を得る。
上記工程を経ることにより、図1に示すように、アルミニウム合金芯材2の両面にアルミニウム合金ろう材3がクラッドされた熱交換器用のブレージングシート1が得られる。
アルミニウム合金芯材2は、本発明のアルミニウム合金部材に相当する。なお、ろう材には、中間層を含むものとしてもよい。また、芯材の片面にろう材が位置するものでもよく、他の片面に犠牲材が位置するものであってもよい。
なお、ろう材層は、ブレージングシート1全厚に対し、1〜30%の厚さを有するものとすることができる。ただし、本発明としてはクラッド率が特に限定されるものではない。
ブレージングシート1は、熱交換器のチューブ、ヘッダ、タンク、アウターフィン、インナーフィンなどとして用いることができる。
一方、ろう付対象部材として、例えば、質量%で、Mg:0.1〜0.8%、Si:0.1〜1.2%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるアルミニウム合金を調製し、適宜形状に加工される。ろう付対象部材は、本発明のアルミニウム部材に相当する。なお、ろう付対象部材の組成は本発明としては特に限定されるものではなく、適宜組成のものを用いることができる。
上記ブレージングシート1は、上記ろう材層3が最表面に位置しており、表面酸化皮膜の平均膜厚が15nm以下で、前記表面酸化皮膜中におけるMgO皮膜の平均膜厚が2nm以下に調整されているのが望ましい。
また、ろう付対象部材は、少なくとも接合面において表面酸化皮膜の平均膜厚が15nm以下かつ皮膜中のMgO皮膜厚さが2nm以下に調整されているのが望ましい。
上記表面酸化皮膜は、鋳造後の均質化、熱間圧延前の均熱、冷間圧延後の焼鈍等、各種熱処理時の温度と時間によって調整することができる。
上記ブレージングシート1とろう付対象部材とは、フラックスフリーで、アルミニウム合金芯材2とろう付対象部材との間に、ろう材層3が介在するように配置する。これらを組み付けてろう付用アルミニウム合金組み付け体とする。
上記組み付け体は、常圧下の非酸化性雰囲気とされた加熱炉内に配置される。非酸化性ガスには窒素ガス、あるいは、アルゴンなどの不活性ガス、または、水素、アンモニアなどの還元性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いて構成することができる。ろう付炉内雰囲気の圧力は常圧を基本とするが、例えば、製品内部のガス置換効率を向上させるためにろう材溶融前の温度域で100kPa〜0.1Pa程度の中低真空とすることや、炉内への外気(大気)混入を抑制するために大気圧よりも5〜100Pa程度陽圧としてもよい。加熱炉は密閉した空間を有することを必要とせず、ろう付材の搬入口、搬出口を有するトンネル型であってもよい。このような加熱炉でも、不活性ガスを炉内に吹き出し続けることで非酸化性が維持される。該非酸化性雰囲気としては、酸素濃度として体積比で300ppm以下が望ましい。
上記雰囲気下で、例えば、昇温速度10〜200℃/minで加熱して、組み付け体の到達温度が559〜630℃となる熱処理条件にてろう付接合を行う。
ろう付条件において、昇温速度が速くなるほどろう付時間が短くなるため、材料表面の酸化皮膜成長が抑制されてろう付性が向上する。到達温度は少なくともろう材の固相線温度以上とすればろう付可能であるが、液相線温度に近づけることで流動ろう材が増加し、開放部を有する継手で良好な接合状態が得られ易くなる。ただし、あまり高温にするとろう浸食が進み易く、ろう付後の組付け体の構造寸法精度が低下するため好ましくない。
図2は、上記ブレージングシート1を用いてフィン5を形成し、ろう付け対象材としてアルミニウム合金製のチューブ6を用いたアルミニウム製自動車用熱交換器4を示している。フィン5、チューブ6を、補強材7、ヘッダプレート8と組み込んで、フラックスフリーろう付けによってアルミニウム製自動車用熱交換器4を得ている。
以下に、本発明の実施例を説明する。
表1、表2に示す組成(残部Alと不可避不純物)のろう材と、JISA3003の芯材とをクラッドしたアルミニウム材を用意した。
アルミニウムクラッド材は、各種組成ろう材をクラッド率5%とし、H14相当調質の0.25mm厚に仕上げた。また、ろう付対象部材としてJISA3005合金、H14のアルミニウムベア材(0.1mm厚)のコルゲートフィン11を用意した。
上記アルミニウムクラッド材を用いて幅20mmの扁平電縫管12を製作し、図3(a)に示すように、JIS A3003ベア材のコルゲートフィンと組合せてコア形状とした。コアサイズは、チューブ15段、長さ300mmのコアである。
コアを窒素雰囲気中(酸素含有量50ppm)のろう付け炉にて、560〜600℃まで加熱し、ろう付け後の接合率を以下式にて求め、ろう付け状態を評価した。
フィン接合率=(フィンとチューブの総ろう付け長さ/フィンとチューブの総接触長さ)×100
なお、フィン接合率の判定基準は◎:98%以上、○:90%以上98%未満、△:80%以上90%未満、×:80%未満
その結果を表2に示した。
○接合部幅評価
ろう付接合状態は上記接合率のみではなく、本発明の目的であるフィレット形成能の向上を確認するため、図3(b)に示したような接合部の幅(フィレット形成幅)を各試料で20点計測し、その平均値をもって優劣を評価した。
ろう付後のフィレット長さ◎:1.0mm以上、○:0.8mm以上1.0mm未満、
△:0.6mm以上0.8mm未満、×:0.6mm未満
その結果を表2に示した。
Figure 2021013936
Figure 2021013936
以上、本発明について上記実施形態および実施例に基づいて説明を行ったが、本発明の技術的範囲が上記実施形態および実施例の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは実施形態および実施例に対する適宜の変更が可能である。
1 ブレージングシート
2 アルミニウム合金芯材
3 アルミニウム合金ろう材
4 アルミニウム製自動車用熱交換器
5 フィン
6 チューブ
8 ヘッダプレート
11 コルゲートフィン

Claims (6)

  1. アルミニウム合金芯材の一方または両方の面に、アルミニウム合金ろう材がクラッドされて前記アルミニウム合金ろう材が最表面に位置し、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる被ろう付け部材に、減圧を伴わない非酸化性雰囲気中でフラックスを用いずに接合するろう付に供されるアルミニウムブレージングシートであって、
    前記アルミニウム合金ろう材が、質量%でSi:3〜14%、Mg:0.01〜2.0%、Bi:0.005〜0.5%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、前記不可避不純物中で、アルカリ土類金属の内で、Ca:0.01%以下、Sr:0.02%以下、Ba:0.03%以下に規制されていることを特徴とするアルミニウムブレージングシート。
  2. 前記アルミニウム合金ろう材中に含有されているアルカリ土類金属の内、Ca、Sr、Baの合計の原子濃度をXとすると、XとMgの原子濃度比がMg/X=3.0以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウムブレージングシート。
  3. 前記アルミニウム合金ろう材中に含有されているアルカリ土類金属の内、Ca、Sr、Baの合計の原子濃度をXとすると、XとBiの原子濃度比がX/Bi=0.25未満に規制されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウムブレージングシート。
  4. 前記アルミニウム合金ろう材に含まれるMgとBiの原子濃度比が、Mg/Bi=1.5以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウムブレージングシート。
  5. 前記アルミニウム合金ろう材にさらに、質量%でBeを0.0001〜0.01%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウムブレージングシート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウムブレージングシートを用いて、酸素濃度300ppm以下の非酸化性ガス雰囲気中で、加熱温度559〜630℃において、フラックスを用いることなくアルミニウム部材同士の接合を行うことを特徴とする熱交換器の製造方法。
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