JP2021012305A - Aiロボットによる対話型管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】作業員数及び職種がリアルタイムで確認でき、どこからでも作業員の修正や変更が可能であり、作業員に「管理されている」というストレスを感じさせずに管理するAIロボットによる対話型管理システムを提供する。【解決手段】AIロボット100は、作業員3と対話しながら、作業員3の音声データ6aから抽出した音声特徴量6b、作業員3との対話データ7aから抽出した会話特徴量7b、作業員3の画像データ8aから抽出した身体的特徴量8b、又は、作業員3の動画データ9aから抽出した行動的特徴量9bのうちのいずれかの個別特徴量データ5として個別認証データ10と紐付してデータベース4に保存する。【選択図】図1

Description

本発明は、AIロボットによる対話型管理システムに係り、特に、建設現場において協力会社の作業員がICカード等を使用しなくても入退場管理が可能となり、作業員が「管理されている」というストレスをあまり感じることのないAIロボットによる対話型管理システムに関する。
例えば、ビルディング、工場、研究所、流通施設、ダム、橋梁、道路等の建設現場では、いわゆる「元請け」といわれるゼネラルコントラクタ(以下、「ゼネコン」という。)と、いわゆる「協力会社」といわれるサブコントラクタ(以下、「サブコン」という。)とから構成されるのが一般的であり、工事現場の作業員はゼネコンの社員とサブコンの作業員とから構成される。サブコンは、同一業種であっても複数の会社から構成される場合があり、サブコン同士はその建設現場で作業する期間が異なる場合がある。すなわち、建設現場では、曜日によりサブコンの構成が変わり、作業員の構成が変わるのが一般的である。
従来、建設現場における協力会社が派遣する作業員の管理方法は、その協力会社の担当社員が建設現場へ入場する際に、当日入場した作業員を鳶工、鉄筋工、左官工、型枠大工等の業種ごとに集計してゼネコン担当者に報告し、建設現場から退場する際に、翌日の予定入場者を業種ごとに予想してゼネコン担当者に連絡する、という方法が一般的である。
また、一般的なオフィス等では、入退室する社員等の本人認証手段として非接触ICカード等の社員カードを用いて個人認証を行うのが一般的である。しかし、建設現場に入退場する協力会社の作業員は、様々な協力会社に所属するため非接触ICカード等により一括して管理することは難しい。また、上述したように曜日により協力会社が変更される場合もあり、入退場する作業員を確実に把握するには、サブコンからゼネコンに提出される作業員のリストに基づいてゼネコンの作業員が管理するしか方法がない。しかし、建設現場の大型化や複雑化によりゼネコンの作業員の業務は激増しつつあり、作業員の人件費を軽減するために、現場入場者管理システム等の労務管理システムや、入退場認証システム等が提案されている。
一方、近年、いわゆる「コミュニケーションロボット」等と称されるAI機能付き対話型ロボットが実用化され始めている。AI機能付き対話型ロボットは、例えば企業の施設の受付等に配置され、会話能力を駆使した来客への対応が可能となる。この場合の会話というのは、音声認識能力により来客者が話す言葉の内容を理解して、それに対してAI機能により適切な内容の言葉を返すことを意味する。そこで、このコミュニケーションロボットを活用して、企業の施設の受付業務等の人件費を抑えることが提案されている。
特許文献1には、あるプロジェクトにおける作業実績を集計する作業管理システムが開示されている。ここでは、作業管理サーバ、個人端末、ICカードリーダ、入退出管理サーバがネットワークを介して接続されて構成され、作業管理サーバは、個人端末からプロジェクトにおける作業項目を受付けて登録する手段、作業管理サーバ上に登録された作業項目毎のフォルダを階層構造で生成する手段、作業担当者が作業を実施する際に、個人端末の中でアクティブになっているファイルを検出し、そのファイルが属しているフォルダを識別し、そのアクセス時間を収集すると共に、入退出時間管理サーバがICカードから取得した個人端末外での作業時間を収集する手段、各作業項目における累積作業時間を更新する手段、収集された累積作業時間に基づいて、プロジェクトの進捗状況を算出する作業状況管理手段を有することが記載されている。
特許文献2には、現場での入退場管理機能に加えて、作業員の安全衛生知識の高揚または再確認を促すことができる現場入場者管理システムが開示されている。ここでは、タブレット型管理端末が、表示手段を兼ねたタッチパネルと、出力制御部と、入退場管理機能部と、クイズ出題機能部とを備え、出力制御部が、入場予定の作業員の名札部をタッチパネルに画面表示するようになっている一方、画面上で名札部のタッチ操作が行われた時に、安全衛生知識に関するクイズの問題をタッチパネルに画面表示することが記載されている。
特開2010−39620号公報 特開2017−220072号公報
建設現場の作業員の個人認証を非接触ICカード等により行う場合は、カードの盗用、偽造、紛失、携帯忘れ等の虞がある。また、「友連れ」等の入退場を有効に防止できない等の問題がある。それに対して、顔認証、指紋認証、虹彩認証といった本人固有の身体情報を利用するバイオメトリックス認証は誤認証が無視できない場合がある等の問題がある。
また、建設現場に入場する際に、作業員に電波発生器を貸与し、建設現場内では発生する電波を受信して作業員を管理し、建設現場を退場する際に、作業員から電波発生器を回収する建設現場の入退場管理は、理想的な作業員の管理手法ではあるが、電波発生器を装着しなければならないため、作業員は「管理されている」というストレスを受ける場合がある。
また、建設現場に入退場する作業員は、建設現場に入退場する度に自らの所属先や職種をゼネコンの担当者に申告しなくてはならない。これは、ゼネコンの担当者にとっては、現場管理の基本的な作業であるが、作業員にとっては「管理されている」というストレスを感じてしまう場合がある。
さらに、各作業員が勤務時間内に建設現場から外出する場合、急な用事や都合により作業の変更が発生した場合は、「所属先やゼネコンの担当者の承認を得なければならない」ためストレスを感じてしまう場合がある。これは、近年、主として都市内で犯罪の防止や犯罪者の検挙を目的とした防犯カメラの設置が拡大する等、世の中が「管理社会」になりつつある状況のなかで「常に管理されている」というストレスを感じることによる。
本願の目的は、かかる課題を解決し、協力会社の作業員数及び職種が関係者の各端末からリアルタイムで確認し、作業員数や職種の把握や記録を容易とし、どこからでも作業員の修正や変更が可能となるAIロボットによる対話型管理システムを提供することである。
さらに、作業員とAIロボットとの対話により、作業員本人に対して「管理されている」というストレスを感じさせずに入退場管理するAIロボットによる対話型管理システムを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るAIロボットによる対話型管理システムは、建設現場に入退場する作業員にAIロボットと対話させて管理するAIロボットによる対話型管理システムにおいて、AIロボットは、作業員と対話により、作業員の音声データから音声特徴量を、作業員との対話データから会話特徴量を、作業員の画像データから身体的特徴量を、又は、作業員の動画データから行動的特徴量を抽出し、特徴量を個別特徴量データとしてデータベースに保存する個別特徴量検出部を備えることを特徴とする。
上記構成により、協力会社の作業員数及び職種が建設現場のイントラネットを介してゼネコンの担当者等の所持するPC、携帯端末、タブレット端末等の各端末機器に送信され、作業員数及び職種をリアルタイムで確認することが可能となる。また、ゼネコンの担当者等は、作業員数や職種の修正や変更を建設現場のどこからでも確認でき、記録することが可能となる。
また、建設現場に入退場する作業員は、AIロボットと対話することで個別特徴量データが作成され、本人が気付かないうちに個人認証が行われる。すなわち、本人が「管理されている」というストレスを感じずに必要十分な入退場管理が完了する。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボット、画像データに記録された作業員の作業服又はヘルメット、又は、対話データに記録された作業員との会話特徴量から記作業員の氏名、所属先、及び血液型を検出してデータベースに保存する個別認証データ検出部を備える。これにより、AIロボットは、建設現場の作業員について本人に気付かれずに個人認証することができる。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、個別認証データ検出部、音声データに記録された作業員の言語的特徴量又は音響的特徴量、対話データに記録された作業員との会話特徴量、又は、画像データに記録された作業員の作業服、ヘルメット、又は作業員が所持する工具から作業員の職種を特定してデータベースに保存することが好ましい。これにより、建設現場の作業員は、「自らの所属先を建設現場に入退場する度にゼネコンの担当者に申告しなくてはならない」というストレスが軽減される。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボット、建設現場に入場する作業員と対話して取得した個別認証データ及び登録個別特徴量データと、データベースに登録された登録個別認証データとを照合して作業員を個人認証して新規入場者と登録入場者とのいずれであるかを判断し、新規登録者の場合は、個別認証データ及び個別特徴量データをデータベースに新規登録することが好ましい。これにより、建設現場の作業員は、「自らの職種を建設現場に入退場する度にゼネコンの担当者に申告しなくてはならない」というストレスが軽減される。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボットが、作業員の職種が登録個別認証データに登録された職種と異なる場合は、作業員を多能工としてデータベースに登録することが好ましい。これにより、ゼネコンの担当者は、特定の職種において作業員が不足した場合に、AIロボットの協力により工事スケジュールを調整することができる。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボットが、データベースのうち、過去の建設現場における工事進捗状況と、職種別の作業員数との関係をビッグデータとし、現在の建設現場における工事進捗状況からビッグデータに基づき必要な作業員数及び職種を予測することが好ましい。これにより、ゼネコンの担当者は、AIロボットの協力により複雑な工程管理を簡単にこなすことができる。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボットが、協力会社に必要な作業員数と職種とを提示し、協力会社から派遣可能な作業員数及び職種を申告させ、必要な作業員数と派遣可能な作業員数とに差異がある場合は、協力会社と対話により交渉することが好ましい。これにより、ゼネコンの担当者と協力会社の担当者とは、AIロボットを介して間接的に交渉することが可能となり、ストレスを余り受けずに交渉できる。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボットが、派遣可能な作業員数及び職種に変更が発生した場合は、修正された作業員数及び予定職種を対話によりAIロボットに申請することが好ましい。これにより、建設現場の作業員は、勤務時間内に建設現場での予定に変更が発生した場合であっても、所属先やゼネコンの担当者の承認を得るというストレスのかかる手続きに対し、AIロボットに申請するというストレスを余り受けない手続により完了させることができる。
また、AIロボットによる対話型管理システムは、各作業員が、勤務時間内に建設現場から外出する場合は、外出先及び建設現場へ戻る予定日時を対話によりAIロボットに申請することが好ましい。これにより、申請を受けたAIロボットは、対話によりその作業員から事情を聞き出し、関係者に伝達する。従って、建設現場の作業員は、勤務時間内に建設現場から外出する場合であっても、所属先やゼネコンの担当者の承認を得るというストレスのかかる手続きに対し、AIロボットに申請するというストレスを余り受けない手続により完了させることができる。
さらに、AIロボットによる対話型管理システムは、AIロボットが、作業員数及び職種に関する情報を建設現場内のイントラネットを介して関係者の端末に送信し、情報に修正又は変更が発生した場合は、訂正した情報を前記関係者に送信することが好ましい。これにより、建設現場において協力会社の作業員数及び職種を、ゼネコンの関係者間で共有することができる。
以上のように、本発明に係るAIロボットによる対話型管理システムによれば、協力会社の作業員数及び職種が関係者の各端末からリアルタイムで確認できるため作業員数や職種の把握や記録が容易となり、どこからでも作業員の修正や変更が可能となる。
また、本発明に係るAIロボットによる対話型管理システムによれば、作業者に対して「管理されている」というストレスを低減して作業者の入退場管理ができる。
本発明に係るAIロボットによる対話型管理システムの一つの実施形態の概略構成のブロック図である。 作業員の氏名、所属先及び血液型を検出してデータベースに保存する個別認証データ検出部の概略構成を示すブロック図である。 作業員の職種を特定してデータベースに保存する個別認証データ検出部の概略構成を示す説明図である。 作業員の個人認証方法、及び新規作業員の登録方法を示す説明図である。 作業員数及び職種に関して協力会社との交渉を示す説明図である。 本発明で用いられるAIロボットの一つの実施形態の構成を拡大した正面図で示す。 本発明で用いられるデータベースの概略構成を示すブロック図である。
(AIロボットによる対話型管理システムの構成)
以下に、図面を用いて本発明に係るAIロボットによる対話型管理システム1につき、まずAIロボット100の概要、及びデータベース4の概要について説明する。
(AIロボットの概要)
図7に、本発明に係るAIロボット100の一つの実施形態の構成を示す。このAIロボット100は、作業員3が入退場する建設現場の入退場口に配置される。そして、建設現場に入退場する作業員3と対話することで作業員3の入退場管理を行う。このAIロボット100には、胸に動作スイッチ105が、お腹にスピーカ102が、顔に表示モニタ103が、頭にアレイマイク104及び撮像カメラ106が設けられ作業員3と対話することができる。なお、撮像カメラ106は、画像データ8a及び動画データ9aの双方を撮像する。また、このAIロボット100は人工知能を搭載し、建設現場における過去の作業員数14及び職種15に関するビッグデータ16から建設現場に必要な作業員数14及び職種15を予測することができる。また、建設現場に入退場する作業員3と対話し、その作業員3の特徴量を人工知能のディープラーニングにより検出し、個別認証することができる。さらに、作業員3の表情や態度からその作業員3の心理状態や健康状態を推測することができる。ゼネコン17bの社員は、社員番号が記録された非接触型ICカード109を常時携帯しているため、非接触型ICカード109による入退場管理が可能である。そこで、AIロボット100の一方の腕部107a又は他方の腕部107bに非接触型ICカード109の読取り装置(リーダーライター)108a,108bを設け、読み取られた社員番号等により建設現場の入退場管理をする。このように、本発明のAIロボット100は、建設現場に入退場するゼネコン17bの社員と、協力会社17aの作業員3とを共に入退場管理することができる。本発明では、AIロボット100を活用した協力会社17aの作業員3の入退場管理について説明する。
(データベース)
図6に、本発明のAIロボットによる対話型管理システム1のデータベース4についての概要を説明する。本データベース4は、登録個別認証データ10a及び登録個別特徴量データ5aから構成される。登録個別認証データ10aは、氏名10c、所属先10d、血液型10e、職種15及びその作業員3の現場履歴25から構成される。また、職種15には、多能工18に関する情報も含まれる。登録個別特徴量データ5aは、音声特徴量6b、会話特徴量7b、身体的特徴量8b、及び行動的特徴量9bから構成される。
(AIロボットによる対話型管理システム)
図1に、AIロボットによる対話型管理システム1の一つの実施形態の概略構成をブロック図にて示す。このAIロボット100による対話型管理システム1は、建設現場に入退場する作業員3に入退場ゲート22(図4参照)に配置したAIロボット100と対話させる。例えば、この対話には「今日もお仕事ご苦労様です。」といった一般的な挨拶に限らず、疲れた様子の作業員3に対する「今日も一日頑張ってください。」等の声掛け、寒そうな作業員3に対する「今日は寒いですね。」等の時候に関する挨拶も含まれる。また、新規の入退場者と思われる作業員3に対しては、「この現場は初めてですか。」と確認し、「それでは、お名前と所属会社を教えてください。」と質問することができる。この作業員3との対話は建設現場の入退場管理では必須なので対話をしない作業員3については入退場ゲート22を開放しない場合もある。また、AIロボット100自体も作業員3に親近感を抱かせるようなキャラクタとなっている。
(個別特徴量データ)
AIロボット100は、図1に示す個別特徴量検出部19、及び図2に示す個別認証データ検出部21を備える。このうち、個別特徴量検出部19は、作業員3と対話をする際に各作業員3の登録個別特徴量データ5aを抽出してデータベース4に登録個別特徴量データ5aとして保存する。すなわち、AIロボット100の個別特徴量検出部19は、作業員3と対話しながら、作業員3の音声データ6aから抽出した音声特徴量6b、作業員3との対話データ7aから抽出した会話特徴量7b、作業員3の画像データ8aから抽出した身体的特徴量8b、又は、作業員3の動画データ9aから抽出した行動的特徴量9bのうちのいずれかを登録個別特徴量データ5aとしてデータベース4に保存し、作業員3の個人認証を行う。
作業員3の音声データ6aから抽出した音声特徴量6bとは、音声データ6aに記録された作業員3の言語的特徴量又は音響的特徴量をいう。言語的特徴量による個人認証とは、認証する作業員3の音素の並び方に関する制約により個人認証を行うことである。また、音響的特徴量による個人認証とは、認証する作業員3の声がどのような周波数特性を持つかを検知して個人認証を行うことである。ここで、「音素」とは、語の意味を区別する音声の最小単位をいう。作業員3の言語的特徴量又は音響的特徴量以外の特徴量についても、その作業員3の音声に関する独自の特徴、例えば、「訛り」や「アクセント」等も対象となる。
作業員3との対話データ7aから抽出した会話特徴量7bとは、AIロボット100との対話において特徴的な話題に関する特徴、例えば、「季節の話題」、「スポーツの話題」、「芸能の話題」、「建設工事に関する話題」等、繰り返し出現する対話のテーマが該当する。また、「愚痴をこぼす」、「人の悪口を言う」等の特徴的な話題の傾向が該当する。このように、建設現場への入退室時においてAIロボット100と対話することは、建設現場における朝のラジオ体操と同様に、その作業員3の精神的なリラクゼーションを図り、危険が潜む建設現場での事故の予防効果があるものと思われる。
作業員3の画像データ8aから抽出した身体的特徴量8bとは、身長や体重等の特徴、体形に関する特徴等が該当する。また、ヘルメット11bの形状、例えば、鳶職の作業員3が履くニッカポッカ、塗装工の作業員3のペンキが付着した特徴的な作業服11aも特徴量データ含まれる。また、作業者3が持参している工具12等も身体的特徴量8bに含まれる。すなわち、作業員3の外観からその作業員3の職種15等が推測可能な特徴であれば全て含まれる。
作業員3の動画データ9aから抽出した行動的特徴量9bとは、歩き方の速度や歩き方の特徴、対話する際のボディアクションの特徴等が該当する。また、行動的特徴量9bには、例えば、人工知能のディープラーニングにより「疲れている」、「しょげている」、「睡眠不足だ」、「ストレスを抱えている」等の作業員3の表情に関する行動的特徴量9bに含まれる。また、人工知能のディープラーニングにより「肩を落としている」、「姿勢が悪い」、「歩き方がおかしい」、「ため息をついている」等の身体の姿勢も行動的特徴量9bに含まれる。さらには、その作業員3の歩き方等からアルコールの摂取により泥酔していることが判明する。この場合、AIロボット100は本人に警告するとともにイントラネット110により関係者の端末機器111にこの警告を報告する。
(個別認証データ)
図2に、作業員の氏名10c、所属先10d及び血液型10eを検出してデータベース4に保存する個別認証データ検出部21の概略構成を示す。個別認証データ検出部21は、氏名検出部21a、所属先検出部21b、及び血液型検出部21cから構成される。AIロボット100による対話型管理システム1は、建設現場に入退場する作業員3に入退場ゲート22(図4参照)に配置したAIロボット100と対話させる。その対話の際に、その作業員3の氏名10c、所属先10d、血液型10e等の個別認証データ10を検出する。但し、個別認証データ検出部21が検出すべき項目はこれらに限らず、他の項目があれば追加することができる。
例えば、AIロボット100は、画像データ8aに記録された作業員3の作業服11a又はヘルメット11bに作業員3の氏名10c、所属先10d、又は血液型10eが記載されていればそれを検出する。通常、作業員3のヘルメット11bには、氏名10,所属先10d,血液型10e等が記載されている。これは、その作業員3が事故に遭遇して意識が無い場合であってもすぐに事故の連絡先に連絡できるようにするためである。また、輸血が早急に必要な場合に備えてその作業員3の血液型10eをヘルメット11bに記録しておく。これは、通常は、そのヘルメット11bは本人専用であるため血液型10eの信憑性が高いからである。また、作業員3の作業服11aには、所属先10dの会社名又は社標が付せられている場合が多い。この会社名又は社標からその作業員3の所属先10dが検出できる。その作業員3から作業員3の氏名10c、所属先10d、又は血液型10eが検出できない場合は、その作業員3との対話データ7aに記録された作業員3のとの会話特徴量7bから作業員3の氏名10c、所属先10d、又は血液型10eを検出することができる。例えば、その作業員3が、新規の入退場者と思われる場合は、「この現場は初めてですか。」と確認し、「それでは、氏名10cと所属先10dと血液型10eを教えてください。」と質問することができる。また、入場する作業員3の氏名10cや所属先10dが外観から判明しないということは、その作業員3が建設現場に不正入場しようとしている可能性がある。そのため、AIロボット100は、入場しようとする作業者3の作業服11a又はヘルメット11b等からその作業員3の氏名10cや所属先10dが判明しない場合は、本人に警告するとともにイントラネット110により関係者にこの警告を報告する。
図3に、作業員3の職種15を特定してデータベース4に保存する個別認証データ検出部21の概略構成を示す。個別認証データ検出部21は、作業員3の職種15を検出する職種検出部21d、及び作業員3の職種15から多能工であることを検出する多能工検出部21eから構成される。個別認証データ検出部21は、音声データ6aに記録された作業員3の音声特徴量6b、対話データ7aに記録された作業員3との会話特徴量7b、又は、画像データ8aに記録された作業員3の作業服11a、ヘルメット11b、又は作業員3が所持する工具12、から作業員3の職種15を特定してデータベース4に保存する。
個別認証データ検出部21は、音声データ6aに記録された作業員3の音声特徴量6bから作業員3の職種15を特定することができる。例えば、特定の職種15においてしばしば用いられる話し方の特徴、アクセント等が音声データ6aから検出された場合は、その作業員3の職種15を特定できる。また、対話データ7aに記録された作業員3との会話特徴量7bから作業員3の職種15を特定することもできる。例えば、特定の職種15においてしばしば用いられる専門用語を含む会話が音声データ6aから検出された場合は、その作業員3の職種15を特定できる。さらに、画像データ8aに記録された作業員3の作業服11a、ヘルメット11b、又は作業員3が所持する工具12から作業員3の職種15を特定することができる。例えば、作業服11aやヘルメット11bの形状からその作業員3の会社が特定でき、型枠大工専門の協力会社17aであれば職種が「型枠大工」であることが特定できる。また、鳶職の作業員3が履くニッカポッカ、塗装工の作業員3のペンキが付着した特徴的な作業服11aからその作業員3の職種が特定できる。さらに、作業者3が持参している大工道具から造作大工であることが特定できる。
図4に、作業員3の個人認証方法、及び新規作業員の登録方法を示す。図4に示すように、建設現場の出入口には、作業員3が入退場する入退場ゲート22が設けられ、この入退場ゲート22の出入口にはAIロボット100が配置される。AIロボット100は、開閉ゲート22aを開放して入場が許可された作業員3を通し、開閉ゲート22aを閉鎖して入場が不許可になった作業員3の入場を阻止する。また、AIロボット100は、退場時には、開閉ゲート22aからの退場が許可された作業員3を通し、退場が不許可になった作業員3の退場を阻止する。
AIロボット100は、出入口から入退場する作業員3を許可するか不許可とするかをデータベース4に登録されたデータと照合して判断する入退場照合部24を備える。すなわち、入退場照合部24は、データベース4に登録された登録個別認証データ10a及び登録個別特徴量データ5aから、照合対象の作業員3の個別認証データ10及び登録個別特徴量データ5aについて、データベース4に登録された登録個別認証データ10a及び登録個別特徴量データ5aを検索する。そして、照合対象の作業員3の個別認証データ10及び個別特徴量データ5と、登録個別認証データ10a及び登録個別特徴量データ5aとを照合して本人認証を行う。その結果、入退場する作業員3を許可するか不許可とするかを決定する。AIロボット100は、その作業員3の入場が不許可になった場合は、イントラネット110を介して関係者の端末機器111にこの不許可を送信して報告する。また、AIロボット100は、建設現場に入場する作業員3と対話して取得した個別特徴量データ5と、データベース4に登録された登録個別特徴量データ5aとを照合して作業員3を本人認証して新規入場者と登録入場者とのいずれかを判断し、新規登録者の場合は、データベース4に新規登録する。
建設現場の作業員3は、「自らの氏名10cや所属先10dを建設現場に入退場する度にゼネコン17bの担当者に申告しなくてはならない」というストレスが軽減される。また、「自らの職種15を建設現場に入退場する度にゼネコン17bの担当者に申告しなければならない」というストレスが軽減される。このように、建設現場に入退場する作業員3は、AIロボット100と対話することで個別特徴量データ5及び個別認証データ10が紐付けされて作成される。本人が気付かないうちに個別認証が行われ、「管理されている」というストレスを感じずに必要十分な入退場管理が完了する。
また、AIロボット100は、作業員3の職種15が登録個別認証データ10aに登録された職種15と異なる場合は、作業員3を多能工18としてデータベース4に登録する。これにより、ゼネコン17bの担当者は、特定の職種15において作業員3が不足した場合に、AIロボット100の協力により工事スケジュールをコントロールすることができる。
(ビックデータを用いたAI管理)
図5に、作業員数14及び職種15に関するAIロボット100と協力会社17aとの交渉の経緯を示す。図5(a)は、予測される必要な作業員数14b及び派遣可能な職種15aがAIロボット100から協力会社17aに提示され、派遣可能な作業員数14a及び派遣可能な職種15aが協力会社17aからAIロボット100に連絡される状況を示す。また、図5(b)は、AIロボット100から協力会社17aに作業員数14の増加又は職種15aの追加又は変更が提示される状況を示す。AIロボット100は、データベース4のうち、過去の建設現場における工事進捗状況と、作業員数14と職種15との関係をビッグデータ16とし、現在の建設現場における工事進捗状況からビッグデータ16に基づき必要な作業員数14b及び必要な職種15bを予測する。これにより、ゼネコン17bの担当者は、AIロボット100の協力により複雑な工程管理を簡潔にこなすことができる。
そして、AIロボット100は、協力会社17aに対し、必要な作業員数14bと必要な職種15bとを提示する。そして、協力会社17aから派遣可能な作業員数14a及び派遣可能な職種15aが申告される。その際に、必要な作業員数14bと派遣可能な作業員数14aとに差異がある場合は、協力会社17aと対話により交渉する。これにより、ゼネコン17bの担当者と協力会社17aの担当者とは、AIロボット100を介して交渉することができるため、ストレスを余り受けずに交渉できる。
AIロボット100は、派遣可能な作業員数14a及び派遣可能な職種15bに変更が発生した場合は、修正された作業員数14及び職種15を対話によりAIロボット100に申請する。これにより、建設現場の作業員3は、勤務時間内に建設現場での予定に変更が発生した場合であっても、所属先10dやゼネコン17bの担当者の承認を得るというストレスのかかる手続きに対し、AIロボット100に申請するというストレスを余り受けない手続により完了させることができる。
(外出の場合の管理)
各作業員3は、勤務時間内に建設現場から外出する場合は、外出先及び建設現場へ戻る予定日時を対話によりAIロボット100に申請する。これにより、申請を受けたAIロボット100は、対話によりその作業員3から外出の目的等を聞き出し、関係者に伝達する。従って、建設現場の作業員3は、勤務時間内に建設現場から外出する場合であっても、所属先10dやゼネコン17bの担当者の承認を得るというストレスのかかる手続きに対し、AIロボット100に申請するというストレスを余り受けない手続により完了させることができる。
AIロボット100は、作業員数14及び職種15に関する情報112を建設現場内のイントラネット110を介して関係者の端末機器111等にこの情報112を送信し、情報に修正又は変更が発生した場合は、訂正した情報112を前記関係者に送信する。これにより、建設現場において協力会社17aの作業員数14及び職種15が、ゼネコン17bの関係者で共有することができる。
以上の実施形態で説明されたAIロボットによる対話型管理システム1の構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1 (AIロボットによる)対話型管理システム、3 作業員、4 データベース、5 個別特徴量データ,5a 登録個別特徴量データ、6a 音声データ,6b 音声特徴量、7a 対話データ,7b 会話特徴量、8a 画像データ,8b 身体的特徴量、9a 動画データ,9b 行動的特徴量、10 個別認証データ,10a 登録個別認証データ、10c 氏名,10d 所属先,10e 血液型、11a 作業服,11b ヘルメット、12 工具、14 作業員数,14a (派遣可能な)作業員数,14b (必要な)作業員数、15 職種,15a (派遣可能な)職種,15b (必要な)職種、
16 ビッグデータ、17a 協力会社又はサブコン,17b ゼネコン、18 多能工、19 個別特徴量検出部、21 個別認証データ検出部,21a 氏名検出部,21b 所属先検出部,21c 血液型検出部,21d 職種検出部,21e 多能工検出部、 22 入退場ゲート,22a 開閉ゲート、24 入退場者照合部、25 現場履歴、100 AIロボット、102 スピーカ、103 表示モニタ、104 アレイマイク、105 動作スイッチ、106 撮像カメラ、107a 一方の腕部,107b 他方の腕部、108a,108b 読取り装置(リーダーライター)、109 非接触型ICカード、110 イントラネット、111 端末機器、112 作業員数及び職種に関する情報。

Claims (10)

  1. 建設現場に入退場する作業員にAIロボットと対話させて管理するAIロボットによる対話型管理システムにおいて、
    前記AIロボットは、前記作業員と対話により、前記作業員の音声データから音声特徴量を、前記作業員との対話データから会話特徴量を、前記作業員の画像データから身体的特徴量を、又は、前記作業員の動画データから行動的特徴量を抽出し、前記特徴量を個別特徴量データとしてデータベースに保存する個別特徴量検出部を備えることを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  2. 請求項1に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、前記画像データに記録された前記作業員の作業服又はヘルメット、又は、前記対話データに記録された前記作業員との会話特徴量から前記作業員の氏名、所属先、及び血液型を検出して前記データベースに保存する個別認証データ検出部を備えることを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  3. 請求項1又は2に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記個別認証データ検出部は、音声データに記録された前記作業員の言語的特徴量又は音響的特徴量、前記対話データに記録された前記作業員との会話特徴量、又は、前記画像データに記録された前記作業員の作業服、ヘルメット、又は前記作業員が所持する工具から前記作業員の職種を特定して前記データベースに保存することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、建設現場に入場する前記作業員と対話して取得した個別認証データ及び登録個別特徴量データと、前記データベースに登録された登録個別認証データとを照合して前記作業員を個人認証して新規入場者と登録入場者とのいずれであるかを判断し、新規登録者の場合は、個別認証データ及び個別特徴量データを前記データベースに新規登録することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、前記作業員の職種が前記登録個別認証データに登録された職種と異なる場合は、前記作業員を多能工として前記データベースに登録することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、前記データベースのうち、過去の建設現場における工事進捗状況と、職種別の作業員数との関係をビッグデータとし、現在の建設現場における工事進捗状況から前記ビッグデータに基づき必要な作業員数及び職種を予測することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、協力会社に必要な作業員数と職種とを提示し、前記協力会社から派遣可能な作業員数及び職種を申告させ、
    前記必要な作業員数と前記派遣可能な作業員数とに差異がある場合は、前記協力会社と対話により交渉することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  8. (作業員数が足りない場合)
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、前記派遣可能な作業員数及び職種に変更が発生した場合は、修正された作業員数及び職種を対話により前記AIロボットに申請することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記各作業員は、勤務時間内に前記建設現場から外出する場合は、外出先及び前記建設現場へ戻る予定日時を対話により前記AIロボットに申請することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のAIロボットによる対話型管理システムであって、前記AIロボットは、前記作業員数及び職種に関する情報を前記建設現場内のイントラネットを介して関係者の端末に送信し、前記情報に修正又は変更が発生した場合は、訂正した前記情報を前記関係者に送信することを特徴とするAIロボットによる対話型管理システム。

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