WO2024142371A1 - システム、方法、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体 - Google Patents

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Abstract

工事等における請負側の人員変更を容易とするシステムを提供する。システムは、第1のサーバと、第2のサーバと、を含む。第1のサーバは、業務の委託元により管理される。第2のサーバは、業務の委託先により管理される。第1のサーバは、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、第2のサーバが作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する。第2のサーバは、事前に申請した作業者の作業者情報を他の作業者の作業者情報に変更する。

Description

システム、方法、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体
 本発明は、システム、方法、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体に関する。
 工事の発注者の管理責任に係る業務を支援するシステムが存在する。
 例えば、特許文献1には、工事の発注者側と請負者側の双方の労力を軽減でき、請負者の工事申込みの請負許可をする際、発注者の管理責任にかかる業務を容易且つ確実に支援することができる発注者責任支援システムを提供する、と記載されている。
特開2006-268528号公報
 工事等の請負契約において、特許文献1に開示されたように、発注側(業務委託元)は、請負側(業務委託先)の人員に関する管理を行う必要がある。例えば、業務委託元は、業務委託先が事前に提供する作業者リストを使って現場で作業する人員を管理する。しかし、このような事前申請された作業者リストによる管理では、作業日当日等の急な人員変更に対応することができない。
 本発明は、工事等における請負側の人員変更を容易とすることに寄与する、システム、方法、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
 本発明の第1の視点によれば、業務の委託元により管理される、第1のサーバと、前記業務の委託先により管理される、第2のサーバと、を含み、前記第1のサーバは、前記業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記第2のサーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、前記第2のサーバは、前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更する、システムが提供される。
 本発明の第2の視点によれば、業務の委託元により管理される、第1のサーバと、前記業務の委託先により管理される、第2のサーバと、を含むシステムにおいて、前記業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記第2のサーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更する、方法が提供される。
 本発明の第3の視点によれば、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する、認証部と、前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける、委託制御部と、を備える、サーバ装置が提供される。
 本発明の第4の視点によれば、サーバ装置において、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける、サーバ装置の制御方法が提供される。
 本発明の第5の視点によれば、サーバ装置に搭載されたコンピュータに、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する処理と、前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける処理と、を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
 本発明の各視点によれば、工事等における請負側の人員変更を容易とすることに寄与する、システム、方法、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
図1は、一実施形態の概要を説明するための図である。 図2は、一実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。 図3は、第1の実施形態に係る認証システムの概略構成の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る認証システムの動作を説明するための図である。 図5は、第1の実施形態に係る認証システムの動作を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係る認証システムの動作を説明するための図である。 図7は、第1の実施形態に係る認証システムの動作を説明するための図である。 図8は、第1の実施形態に係る委託先サーバの処理構成の一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態に係る作業者候補管理データベースの一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態に係る受託業務管理データベースの一例を示す図である。 図11は、第1の実施形態に係る委託先端末の表示の一例を示す図である。 図12は、第1の実施形態に係る委託先端末の表示の一例を示す図である。 図13は、第1の実施形態に係る委託元サーバの処理構成の一例を示す図である。 図14は、第1の実施形態に係る委託業務管理データベースの一例を示す図である。 図15は、第1の実施形態に係る作業者管理データベースの一例を示す図である。 図16は、第1の実施形態に係る認証部の動作の一例を示すフローチャートである。 図17は、第1の実施形態に係る認証端末の処理構成の一例を示す図である。 図18は、第1の実施形態に係る認証システムの動作の一例を示すシーケンス図である。 図19は、第1の実施形態に係る認証システムの動作の一例を示すシーケンス図である。 図20は、本願開示に係る委託元サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
 はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
 一実施形態に係るシステムは、第1のサーバ101と、第2のサーバ102と、を含む(図1参照)。第1のサーバ101は、業務の委託元により管理される。第2のサーバ102は、業務の委託先により管理される。第1のサーバ101は、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、第2のサーバ102が作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する(図2のステップS1)。第2のサーバ102は、事前に申請した作業者の作業者情報を他の作業者の作業者情報に変更する(ステップS2)。
 第1のサーバ101は、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を実行する。その際、第1のサーバ101は、委託先から作業現場で作業をする作業者として事前に申請された作業者の生体情報を用いて認証処理を実行する。また、第2のサーバ102は、必要に応じて、上記事前に申請した作業者の作業者情報を他の作業者の作業者情報に変更する。このような第1のサーバ101と第2のサーバ102の動作によって、作業現場で作業する作業者の変更が容易になる。即ち、委託先(第2のサーバ102)は、委託元(第1のサーバ101)の許可を取ることなく事前に申請した作業者を新たな作業者に変更できる。また、第1のサーバ101は、業務が行われる作業現場に入場する作業者を認証する際、変更された作業者の情報を使用すればよく、委託元が変更に作業者の管理等を行う必要はない。
 以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
[第1の実施形態]
 第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
[システムの構成]
 図3は、第1の実施形態に係る認証システム(情報処理システム)の概略構成の一例を示す図である。図3に示すように、認証システムには、委託元企業と委託先企業が含まれる。
 委託元企業は、委託先企業に業務を委託する。例えば、委託元企業は、建物の建築等に関する業務や物品の製造等に関する業務を委託先企業に委託する。
 委託元企業は、委託元サーバ10と、認証端末20と、を備える。委託元サーバ10及び認証端末20は、業務の委託元である委託元企業により管理される。
 委託元サーバ10は、委託元企業の業務委託に関する処理を担うサーバである。委託元サーバ10は、委託元企業の建物内に設置されていてもよいし、ネットワーク(クラウド)上に設置されたサーバであってもよい。
 認証端末20は、建設現場や工場等の作業現場に設置される端末である。作業現場には、委託元企業の従業員、委託先企業の従業員等が出入りする。認証端末20は、作業現場に入ろうとする入場者(特に、委託先企業からの作業者)を認証し、認証に成功した人物の入場を許可する。認証端末20は、例えば、カメラ装置を備えるタブレット又はサイネージ型の端末である。あるいは、認証端末20は、ゲートを備えた装置である。
 委託先企業は、委託先サーバ30を備える。委託先サーバ30は、業務の委託先である委託先企業により管理される。
 委託先サーバ30は、委託先企業の業務委託に関する処理を担うサーバである。委託先サーバ30は、委託元企業の建物内に設置されていてもよいし、ネットワーク(クラウド)上に設置されたサーバであってもよい。
 図3に示すように、認証システムに含まれる各装置(委託元サーバ10、認証端末20、委託先サーバ30)は相互に通信可能に接続される。例えば、委託元サーバ10と認証端末20は、有線又は無線の通信手段により接続される。
 なお、図3は例示であって、本願開示の認証システムの構成等を限定する趣旨ではない。例えば、委託元企業や委託先企業には2台以上のサーバ(委託元サーバ10、委託先サーバ30)が含まれていてもよい。また、図3には2つの作業現場を図示しているが、システムに含まれる作業現場の数を限定する趣旨ではない。認証システムには、少なくとも1以上の作業現場が含まれていればよい。
[概略動作]
 続いて、第1の実施形態に係る認証システムの概略動作について説明する。
<作業者候補登録>
 委託先企業は、作業者の候補に関する情報を委託先サーバ30に登録する(図4参照)。具体的には、委託先企業の従業員等は、作業者候補の氏名、性別、住所、生年月日、連絡先、生体情報、能力証明情報等を委託先サーバ30に登録する。
 生体情報には、例えば、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)が例示される。あるいは、生体情報は、顔画像、指紋画像等の画像データであってもよい。生体情報は、利用者の身体的特徴を情報として含むものであればよい。本願開示の実施形態では、人の「顔」に関する生体情報(顔画像又は顔画像から生成された特徴量)を用いる場合について説明する。
 能力証明情報は、作業者候補が有する能力を証明する情報である。例えば、能力証明情報として、作業者が有する資格に関する情報、作業者の経歴や経験に関する情報等が例示される。
 例えば、特殊車両や重機等の免許証が能力証明情報として例示される。あるいは、医師であることを示す医師免許証が能力証明情報として例示される。あるいは、雇用主が発行する、建築業務等に携わっている年数の証明書が能力証明情報として例示される。あるいは、所定の職業訓練等の受講が修了したことを示す修了証書が能力証明情報として例示される。
 委託先サーバ30は、各作業者候補の情報(例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を任意の手段を用いて取得する。例えば、委託先サーバ30は、作業者候補の顔画像を生体情報として取得する。また、委託先サーバ30は、作業者候補が所持する免許証が写る画像データを能力証明情報として取得する。
 ここで、委託先企業が、委託元企業から業務を受託する際の要件として、作業者が所定の能力を有していることが求められる場合がある。委託先企業は、当該要求に対する備えとして、当該求められる能力等に関する確証を事前に作業者候補から取得し、委託先サーバ30に登録する。例えば、建設現場で操作が必要な重機に関する免許証等の画像データが、作業者に求められる能力の確証(能力証明書情報)として委託先サーバ30に登録される。
 委託先企業の従業員等は、委託先端末40を用いて上記作業者候補の情報(例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を委託先サーバ30に登録する。
 委託先サーバ30は、作業者候補の情報を作業者候補管理データベースに記憶する。作業者候補管理データベースの詳細は後述する。
<業務委託情報の登録>
 委託元企業は、委託する業務に関する情報(業務委託情報)を委託元サーバ10に登録する(図5参照)。具体的には、委託元企業の従業員等は、業務委託を識別する業務委託ID、委託する業務の概略、委託先の情報、委託期間、作業現場の情報等を委託元サーバ10に登録する。
 さらに、委託元企業の従業員等は、委託先企業に求める要件を「業務要件」として委託元サーバ10に登録する。例えば、委託元企業の従業員等は、委託元端末41を操作して、業務元企業が必要とする作業者の必要人数や作業者に求める能力(要求能力;例えば、重機の運転)等を「業務要件」として委託元サーバ10に登録する。
 業務要件を含む業務委託情報を取得した委託元サーバ10は、委託先企業の委託先サーバ30に対して、業務委託ID、委託期間、作業場所、業務要件等を含む「委託内容通知」を送信する。
 委託内容通知を受信すると、委託先サーバ30は、その旨を委託先企業の従業員等に通知する。具体的には、委託先サーバ30は、委託内容通知に含まれる業務要件や業務委託の詳細(委託期間、作業現場等)を上記従業員等に提示する。従業員等は、通知された内容を確認し、依頼された業務を受託するか否か決定する。
 業務を受託する決定が行われると、委託先サーバ30は、業務要件を満たすように作業者候補のなかから作業者を選択する。具体的には、委託先サーバ30は、委託元企業から通知された業務要件に含まれる要求能力に合致する作業者(作業者候補)を作業者候補管理データベースのなかから抽出する。委託先サーバ30は、委託元企業が要求する能力を持った作業者候補のなかから、当該委託元企業が求める人数の作業者を選択する。
 委託先サーバ30は、選択した各作業者の情報(作業者情報;例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を委託元サーバ10に送信する。具体的には、委託先サーバ30は、要求を受けた必要人数分の作業者情報を含む「作業者通知」を委託元サーバ10に送信する。
 委託元サーバ10は、取得した作業者情報を作業者管理データベースに記憶する。作業者管理データベースは、業務ごと(業務委託情報ごと)に作成される。作業者管理データベースの詳細は後述する。
<作業者の認証>
 業務委託が開始すると、作業者は、作業現場(例えば、建設現場、工場等)を訪れ、認証を受ける。認証システムによる認証が成功した作業者が、作業現場に入場できる。
 認証端末20は、自装置の面前に立つ被認証者(作業現場に入場しようとする作業者)の生体情報を取得する。認証端末20は、取得した生体情報及び端末IDを含む認証要求を委託元サーバ10に送信する(図6参照)。
 端末IDは、各作業現場に設置された認証端末20を識別するためのIDである。端末IDには、認証端末20のMAC(Media Access Control)アドレスやIP(Internet Protocol)アドレスを用いることができる。
 なお、端末IDは、委託元サーバ10と認証端末20の間において任意の方法によって共有される。例えば、委託元企業は、各認証端末20の端末IDを決定する。委託元企業は、決定した端末IDを委託元サーバ10と認証端末20に設定する。
 委託元サーバ10は、認証要求に含まれる生体情報と作業者管理データベースに記憶された生体情報を用いた照合処理により認証端末20の面前に立つ被認証者(作業者)を特定する。また、委託元サーバ10は、認証要求に含まれる端末IDを用いて当該特定された作業者が訪れた作業現場を特定する。
 作業現場及び作業者が特定されると、委託元サーバ10は、当該特定された作業者が特定された作業現場に入場する資格(権限)を備えているか否か判定する。具体的には、委託元サーバ10は、特定された作業者が訪れた場所、訪れた日時、特定された作業者が備える能力等に基づいて認証処理を行う。
 例えば、業務要件の要求能力に「重機の運転」が設定され、対応する重機の免許証が作業者管理データベースに登録されている場合、委託元サーバ10は、被認証者の認証に成功したと判定する。
 委託元サーバ10は、認証結果(認証成功、認証失敗)を認証端末20に通知する。
 認証成功が通知された場合、認証端末20は、被認証者(面前の作業者)が作業現場に入場することを許可する。認証失敗が通知された場合、認証端末20は、被認証者が作業現場に入場することを拒否する。
 また、委託元サーバ10は、定期的又は所定のタイミングで、委託先企業からの作業者に関する状況を委託先サーバ30に通知する。より具体的には、委託元サーバ10は、作業者の状況に関する詳細を含む「作業者状況通知」を委託先サーバ30に送信する。
 例えば、作業現場における作業開始時刻において、業務要件で定められた必要人数の作業者が作業現場に入場していない場合、委託元サーバ10は、「必要人数不足」を含む作業者状況通知を委託先サーバ30に送信する。
 あるいは、作業現場における作業開始時刻において、業務要件に定められた人数の作業者が入場している場合、委託先サーバ30は、「必要人数充足」を含む作業者状況通知を委託先サーバ30に送信してもよい。
 作業者状況通知を受信した委託先サーバ30は、当該通知の内容に応じた処理を行う。例えば、「必要人数不足」という通知を受信した場合、委託先サーバ30は、管理者等にその旨を報告する。
<作業者の変更>
 作業者の事情(例えば、急病)等により、委託先企業が委託元企業に事前登録した作業者の変更を希望する場合がある。
 この場合、委託先企業の従業員等は、委託先端末40を操作して委託先サーバ30にアクセスし、作業現場で作業する作業者を変更する(図7参照)。委託先サーバ30は、変更になる作業者及び新たな作業者に関する情報を委託先端末40から取得する。
 委託先サーバ30は、上記変更になる作業者の情報(例えば、氏名、生体情報)及び新たな作業者の情報(例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を含む作業者変更通知を委託先サーバ30に送信する。
 作業者変更通知を受信すると、委託元サーバ10は、当該通知に含まれる情報を用いて作業者管理データベースを更新する。具体的には、委託元サーバ10は、作業者管理データベースから変更になる作業者のエントリを削除し、新たな作業者のエントリ(氏名、生体情報、能力証明情報等を含むエントリ)を当該データベースに追加する。
 委託元サーバ10は、更新された作業者管理データベースを用いて被認証者の認証を行う。
 このように、委託元サーバ10(第1のサーバ)は、業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を実行する。その際、委託元サーバ10は、委託先サーバ30(第2のサーバ)が作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて当該認証処理を実行する。また、委託先サーバ30(第2のサーバ)は、作業者変更通知を委託元サーバ10に送信することで、上記事前に申請した作業者の作業者情報を他の作業者の作業者情報に変更する。
 さらに、委託元サーバ10は、委託先企業の作業者に要求する要求能力を委託先サーバ30に通知する。委託先サーバ30は、当該通知された要求能力に適合する作業者を選択し、選択された作業者が要求能力を備えることを証明する能力証明情報と生体情報を作業者情報として含む作業者通知を委託元サーバ10に送信する。委託元サーバ10は、作業者通知に含まれる作業者情報を作業者管理データベースに記憶すると共に、被認証者の認証を当該作業者管理データベースに記憶された作業者情報を用いて実行する。
 このような委託元サーバ10と委託先サーバ30の動作によって、作業現場で作業する作業者の変更が容易になる。即ち、委託先企業(委託先サーバ30)は、委託元企業の許可を取ることなく事前に申請した作業者を新たな作業者に変更できる。また、委託元企業(委託元サーバ10)は、業務が行われる作業現場に入場する作業者を認証する際、当該作業者が業務の遂行に必要な能力を確認するので、委託先企業の作業者が変更になっても自社の業務には影響がない。
 続いて、第1の実施形態に係る認証システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
[委託先サーバ]
 図8は、第1の実施形態に係る委託先サーバ30の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図8を参照すると、委託先サーバ30は、通信制御部201と、登録制御部202と、受託制御部203と、記憶部204と、を備える。
 通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、委託元サーバ10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、委託元サーバ10に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
 登録制御部202は、作業者(作業者候補)の登録に関する制御を行う手段である。登録制御部202は、任意の手段を用いて作業者の情報(例えば、氏名、性別、住所、連絡先、生体情報、能力証明情報等)を取得する。
 例えば、登録制御部202は、委託先企業の従業員等の操作に応じて、上記作業者の情報を取得するためのGUI(Graphical User Interface)を委託先端末40に表示する。登録制御部202は、委託先端末40から各作業者の情報を取得する。
 登録制御部202は、作業者の情報を取得すると、各作業者を識別するためのID(作業者ID)を生成する。作業者IDは、作業者(作業者候補)を一意に識別できる情報であればどのような情報であってもよい。例えば、登録制御部202は、作業者の情報を取得するたびに一意な値を採番し作業者IDとしてもよい。
 また、登録制御部202は、顔画像を取得すると、当該顔画像から特徴量を生成する。
 特徴量の生成処理に関しては既存の技術を用いることができるので、その詳細な説明を省略する。例えば、登録制御部202は、顔画像から目、鼻、口等を特徴点として抽出する。その後、登録制御部202は、特徴点それぞれの位置や各特徴点間の距離を特徴量として計算する(複数の特徴量からなる特徴ベクトルを生成する)。
 登録制御部202は、生成した作業者ID、生体情報(特徴量)、氏名、性別、住所、連絡先、能力証明情報等を作業者候補管理データベースに記憶する(図9参照)。なお、作業者候補管理データベースの能力証明情報フィールドには、作業者が有する資格を証明する証明書、免許証等の画像データが格納される。
 また、作業者候補管理データベースの状態フィールドは、各作業者候補の業務割り当て状況等を管理するためのフィールドである。業務が割り当てられている作業者の状態フィールドには業務委託IDが設定され、業務が割り当てられていない作業者の状態フィールドには待機中が設定される。
 図9に示す作業者候補管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、作業者の情報が登録された日時が作業者候補管理データベースに登録されていてもよい。
 受託制御部203は、委託先企業における受託業務に関する制御を実行する手段である。
 受託制御部203は、委託元サーバ10から受信した委託内容通知を処理する。受託制御部203は、委託内容通知を受信すると、委託元企業から業務の発注があった旨を委託先企業の従業員等に通知する。
 例えば、受託制御部203は、委託内容通知に含まれる全部又は一部の情報(例えば、業務委託の概略、委託期間、作業場所、業務要件等)を従業員が所持する端末に送信する。受託制御部203は、委託内容通知に含まれる情報を従業員が所持する端末に送信することで、依頼を受けた業務を受託するか否か問い合わせる。
 受託制御部203は、従業員等が所持する端末から問合せの結果(業務委託の依頼を受託又は拒否)を取得する。
 従業員等が業務の受託を拒否した場合、受託制御部203は、その旨を委託元サーバ10に送信する。
 従業員等が業務を受託した場合、受託制御部203は、依頼された業務に割り当てる作業者を選択する。その際、受託制御部203は、委託内容通知に含まれる業務要件(必要人数、要求能力)を満たすように作業者候補管理データベースに登録された作業者候補のなかから作業者を選択する。
 具体的には、受託制御部203は、委託元企業から通知された業務要件に含まれる要求能力に適合し、且つ、業務が割り当てられていない作業者(待機中の作業者)を作業者候補管理データベースのなかから抽出する。受託制御部203は、抽出された作業者のなかから、当該委託元企業が求める人数の作業者を選択する。
 例えば、業務要件が「必要人数:2人」、「要求能力:重機の運転」である場合、受託制御部203は、作業者候補管理データベースに登録された作業者(待機中の作業者)であって、重機の免許を持つ2人の作業者を選択する。
 なお、当該作業者の選択の際、受託制御部203は、作業者候補の属性(性別、年齢、住所等)に基づいて作業者を選択してもよい。例えば、受託制御部203は、作業現場の近くに住む作業者候補を優先的に選択してもよい。
 受託制御部203は、受託した業務に割り当てる作業者を決定すると、当該作業者の状態に上記割り当てた業務の業務委託ID(委託内容通知に含まれる業務委託ID)を設定する。
 また、作業者の選択が完了すると、受託制御部203は、選択した作業者の情報(作業者情報;例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を委託元サーバ10に送信する。具体的には、受託制御部203は、業務要件に含まれる必要人数分の作業者情報を含む「作業者通知」を委託元サーバ10に送信する。
 このように、受託制御部203は、委託元サーバ10から、必要能力(委託元企業が委託先企業の作業者に要求する能力に関する情報)と作業現場で作業する作業者の必要人数を取得する。受託制御部203は、委託元サーバ10から通知された要求能力に適合する、必要人数分の作業者を選択し、当該選択された必要人数分の作業者の作業者情報を含む作業者通知を委託元サーバ10に送信する。
 また、受託制御部203は、受託した業務を、受託業務管理データベースを用いて管理する(図10参照)。図10に示すように、受託制御部203は、業務委託ID、各業務の情報、選択された作業者の作業者ID等を受託業務管理データベースに記憶する。なお、図10に示す受託業務管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
 受託制御部203は、委託元サーバ10から受信する「作業者状況通知」を処理する。作業者状況通知を受信すると、受託制御部203は、当該通知に含まれる情報を委託先企業の従業員等に通知する。例えば、受託制御部203は、作業者状況通知に含まれる情報を委託先企業の従業員等が所持する端末に送信する。
 あるいは、受託制御部203は、作業者状況通知に含まれる内容に応じて委託先企業の従業員等に通知を行うか否か判定してもよい。例えば、作業者状況通知に含まれる内容に対して委託先企業として行動を起こす必要がある場合、受託制御部203は、作業者状況通知に含まれる情報を委託先企業の従業員等に通知してもよい。例えば、「必要人数不足」が設定された作業者状況通知を受信した場合、受託制御部203は、その旨を従業員等に通知してもよい。
 さらに、受託制御部203は、委託された業務に割り当てられた作業者の管理を実現する。例えば、受託制御部203は、作業者を管理するためのインターフェイスを委託先企業の従業員等に提供する。
 委託先企業の従業員等が委託先端末40を操作し、委託先サーバ30にアクセスすると、受託制御部203は、業務に割り当てられた作業者を変更するためのGUIを委託先端末40に表示する。
 例えば、受託制御部203は、GUIを介して作業者の変更を行う業務委託の業務委託IDを取得する。受託制御部203は、取得した業務委託IDをキーとして受託業務管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。受託制御部203は、特定したエントリの情報を用いて、変更する作業者を取得するためのGUIを委託先端末40に表示する。例えば、受託制御部203は、図11に示すようなGUIを委託先端末40に表示する。
 その後、受託制御部203は、業務に割り当てる新たな作業者を選択可能とするGUIを委託先端末40に表示する。例えば、受託制御部203は、図12に示すようなGUIを表示する。その際、受託制御部203は、対象となっている業務委託の業務要件(要求能力)を満たし、且つ、待機中の作業者候補を作業者候補管理データベースから読み出して図12に示すようなGUIを委託先端末40に表示する。
 新たな作業者が決定されると、受託制御部203は、変更になる作業者及び新たな作業者の情報を委託元サーバ10に送信する。具体的には、受託制御部203は、対象となる業務委託の業務委託ID、上記変更になる作業者の情報及び新たな作業者の情報(例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を含む「作業者変更通知」を委託元サーバ10に送信する。
 記憶部204は、委託先サーバ30の動作に必要な情報を記憶する手段である。
[委託元サーバ]
 図13は、第1の実施形態に係る委託元サーバ10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図13を参照すると、委託元サーバ10は、通信制御部301と、委託制御部302と、認証部303と、記憶部304と、を備える。
 通信制御部301は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部301は、委託先サーバ30からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部301は、委託先サーバ30に向けてデータを送信する。通信制御部301は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部301は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部301を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部301は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
 委託制御部302は、委託元企業における委託業務に関する制御を実行する手段である。委託制御部302は、任意の手段を用いて、業務委託ID、委託業務の概略、委託先企業の情報(委託先企業の名称、連絡先)、委託期間、作業現場、業務要件等を取得する。例えば、委託制御部302は、委託元企業の従業員等が操作する委託元端末41にGUIを表示し、上記業務委託情報を取得する。
 委託制御部302は、委託業務管理データベースに取得した業務委託情報を記憶する(図14参照)。なお、委託制御部302は、作業現場と当該作業現場に設置される認証端末20の端末IDを対応付けて記憶するテーブル情報を参照し、端末IDを取得する。また、図14に示す委託業務管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、1つのエントリ(作業現場)に複数の端末IDが設定されていてもよい。
 従業員等から業務委託情報を取得すると、委託制御部302は、委託先企業の委託先サーバ30に対して、業務要件等を含む「委託内容通知」を送信する。
 委託制御部302は、委託先サーバ30から委託内容通知に対する応答を受信する。業務の委託が拒否された場合、委託制御部302は、その旨を委託元企業の従業員等に通知する。例えば、通知を受けた従業員等は、新たな委託先を委託元サーバ10に入力する。
 業務が受託された場合(作業者通知を委託先サーバ30から受信した場合)、委託制御部302は、受信した作業者通知に含まれる各作業者情報を作業者管理データベースに記憶する(図15参照)。作業者管理データベースは、業務ごと(業務委託情報ごと)に作成される。図15は、業務委託IDが「gID01」の業務委託に対応する作業者管理データベースである。
 なお、図15に示す作業者管理データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
 また、委託制御部302は、委託先サーバ30から受信した作業者変更通知を処理する。委託制御部302は、委託先サーバ30が事前に申請した作業者の作業者情報を他の作業者の作業者情報に変更することを受け付ける。
 具体的には、委託制御部302は、作業者変更通知に含まれる業務委託IDに基づいて対象となる業務委託の作業者管理データベースを特定する。
 その後、委託制御部302は、作業者変更通知に含まれる変更になる作業者の情報(例えば、氏名)をキーとして上記特定された作業者管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。委託制御部302は、当該特定したエントリを削除する。
 その後、委託制御部302は、作業者管理データベースに新たなエントリを追加し、当該エントリに作業者変更通知に含まれる新たな作業者の情報(例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を記憶する。あるいは、委託制御部302は、上記変更になる作業者のエントリを新たな作業者の情報で上書きしてもよい。
 委託制御部302は、定期的又は所定のタイミングで、委託先企業の作業者に関する状況(とりわけ、出勤状況)を委託先サーバ30に通知する。例えば、委託制御部302は、各作業現場における作業開始時刻において、業務要件で定められた人数の作業者が作業現場に入場していない場合、当該状況を委託先サーバ30に通知する。
 委託制御部302は、作業開始時刻から所定時間経過したタイミング等において、作業者管理データベースの状態フィールドを参照する。委託制御部302は、上記タイミングにおいて、「不在」に設定されたエントリが存在すれば、必要な人数の作業者が作業現場に入場していないと判定する。
 この場合、委託制御部302は、「必要人数不足」を設定した作業者状況通知を委託先サーバ30に送信する。委託制御部302は、作業者状況通知の送信する委託先企業の情報を委託業務管理データベースから取得する。
 委託制御部302は、上記タイミングにおいて、「不在」に設定されたエントリが存在しなければ、必要な人数の作業者が作業現場に入場していると判定する。この場合、委託制御部302は、「必要人数充足」を設定した作業者状況通知を委託先サーバ30に送信する。
 このように、委託制御部302は、予め定めたタイミングにおいて、作業現場に入場している委託先からの作業者の数が必要人数に満たない場合、委託先サーバ30に対して作業現場に入場している作業者の数が必要人数に満たないことを通知する。あるいは、委託制御部302は、予め定めたタイミングにおいて、作業現場に入場している委託先からの作業者が必要人数に達している場合、委託先サーバ30に対して作業現場に入場している作業者の数が必要人数に達していることを通知する。
 認証部303は、作業現場に入場を試みる作業員の認証を行う手段である。認証部303は、認証端末20から認証要求を受信する。
 図16は、第1の実施形態に係る認証部303の動作の一例を示すフローチャートである。図16を参照し、第1の実施形態に係る認証部303の動作を説明する。
 認証部303は、認証要求に含まれる端末IDに基づいて被認証者が検出された作業現場及び当該作業現場で行われる業務委託を特定する(ステップS101)。具体的には、認証部303は、端末IDをキーとして委託業務管理データベースを検索し、対応するエントリを特定する。
 認証部303は、特定したエントリから対応する業務委託の業務委託ID、委託期間及び要求能力等を取得する。
 認証部303は、認証要求に含まれる生体情報を使った照合処理を実行する(ステップS102)。具体的には、認証部303は、認証要求に含まれる顔画像から特徴量を生成する。認証部303は、当該生成された特徴量を照合対象に設定し、上記特定された業務委託IDに対応する作業者管理データベースに登録された特徴量との間で照合処理(1対N照合;Nは正の整数、以下同じ)を行う。
 認証部303は、照合対象の特徴量と登録側の複数の特徴量それぞれとの間の類似度を計算する。当該類似度には、カイ二乗距離やユークリッド距離等を用いることができる。なお、距離が離れているほど類似度は低く、距離が近いほど類似度が高い。
 認証部303は、作業者管理データベースに登録された少なくとも1以上の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在しなければ、照合処理に失敗したと判定する。
 認証部303は、作業者管理データベースに登録された少なくとも1以上の特徴量のうち、照合対象の特徴量との間の類似度が所定の値以上の特徴量が存在すれば、照合処理に成功したと判定する。
 照合処理に失敗すると(ステップS103、No分岐)、認証部303は、認証結果に認証失敗を設定する(ステップS104)。
 照合処理に成功すると(ステップS103、Yes分岐)、認証部303は、特定された被認証者(作業者)が作業現場(業務が行われる場所)に入場する権限を備えているか否か判定する(権限の有無を判定;ステップS105)。
 具体的には、認証部303は、認証日時が上記端末IDに基づき特定された委託期間に含まれるか否か判定する。認証日時が委託期間に含まれない場合、認証部303は、被認証者が作業現場に入場する権限はないと判定する。
 認証日時が委託期間に含まれる場合、認証部303は、被認証者が委託元企業により求められる能力(資格)を備えているか否か判定する。具体的には、認証部303は、上記端末IDに基づき特定された要求能力に対応する能力証明情報を被認証者が具備しているか否か判定する。
 換言すれば、認証部303は、被認証者が要求能力に対応する能力証明情報(能力の確証)を備えているか否かを判定する。例えば、要求能力が「重機の運転」であれば、認証部303は、被認証者の能力証明情報として重機の免許証が写る画像データが登録されているか否か判定する。
 認証部303は、画像データの判定に機械学習から得られる学習モデルを用いることができる。例えば、認証部303は、画像データを入力すると免許証の種類を出力する学習モデルを用いる。
 なお、当該学習モデルは、数多くの画像データ(各種免許証を撮影することで得られる画像データ)にラベル(免許証の名称)が付与された教師データを用いた機械学習により得られる。学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
 例えば、上記の例では、認証部303は、被認証者の能力証明情報として登録されている画像データを学習モデルに入力し「重機免許証」を取得した場合には、当該被認証者は委託元企業が要求する能力(重機の運転)を備えると判定する。対して、認証部303は、被認証者の能力証明情報として登録されている画像データを学習モデルに入力し「普通自動車免許」を取得した場合には、当該被認証者は委託元企業が要求する能力(重機の運転)を備えていないと判定する。
 被認証者が要求能力に対応する能力証明情報を有していなければ、認証部303は、当該被認証者は作業現場に入場する権限を有していないと判定する。被認証者が要求能力に対応する能力証明情報を有していれば、認証部303は、当該被認証者は作業現場に入場する権限を有していると判定する。
 被認証者が作業現場に入場する権限を有していなければ(ステップS106、No分岐)、認証部303は、認証結果に認証失敗を設定する(ステップS104)。
 被認証者が作業現場に入場する権限を有していれば(ステップS106、Yes分岐)、認証部303は、認証結果に認証成功を設定する(ステップS107)。
 認証部303は、認証結果(認証成功、認証失敗)を認証端末20に送信する(ステップS108)。
 また、認証に成功した場合、認証部303は、認証成功者(認証成功と判定された被認証者)が作業現場に入場済であることを作業者管理データベースに記憶する。認証部303は、被認証者の状態フィールドに「入場」を設定する。
 このように、認証部303は、作業者管理データベースに記憶された生体情報と被認証者の生体情報を使って作業現場を訪れた被認証者を特定する。認証部303は、当該特定された被認証者の能力証明情報が作業現場で行われる業務の要求能力に適合している場合、被認証者の認証に成功したと判定する。
 なお、作業者が作業現場から退場する際にも、当該退場する作業者の認証が行われる。退場者の認証に成功すると、作業者管理データベースの対応するエントリの状態フィールドに「不在」が設定される。作業者の退場時に関する認証処理は、本願開示の趣旨とは異なるので詳細な説明を省略する。
 また、作業現場に委託先企業の作業者とは異なる人物(例えば、委託元企業の従業員)が入場する場合には、委託元サーバ10は、作業者管理データベースとは異なるデータベース(例えば、従業員管理データベース)に被認証者の生体情報を記憶する。委託元サーバ10は、認証要求を処理する際、初めに、従業員管理データベースを使った認証処理を実行する。当該認証処理に失敗すると、委託元サーバ10は、上記説明した認証処理(作業者管理データベースを使った認証処理)を実行すればよい。
 記憶部304は、委託元サーバ10の動作に必要な情報を記憶する手段である。
[認証端末]
 図17は、第1の実施形態に係る認証端末20の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図17を参照すると、認証端末20は、通信制御部401と、生体情報取得部402と、認証制御部403と、記憶部404と、を備える。
 通信制御部401は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部401は、委託元サーバ10からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部401は、委託元サーバ10に向けてデータを送信する。通信制御部401は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部401は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部401を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部401は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
 生体情報取得部402は、カメラを制御し、面前の被認証者(作業者)の生体情報(例えば、顔画像)を取得する手段である。生体情報取得部402は、定期的又は所定のタイミングにおいて自装置の前方を撮像する。生体情報取得部402は、取得した画像に人の顔画像が含まれるか否かを判定し、顔画像が含まれる場合には取得した画像データから顔画像を抽出する。
 なお、生体情報取得部402による顔画像の検出処理や顔画像の抽出処理には既存の技術を用いることができるので詳細な説明を省略する。例えば、生体情報取得部402は、CNN(Convolutional Neural Network)により学習された学習モデルを用いて、画像データの中から顔画像(顔領域)を抽出してもよい。あるいは、生体情報取得部402は、テンプレートマッチング等の手法を用いて顔画像を抽出してもよい。
 生体情報取得部402は、抽出した顔画像を認証制御部403に引き渡す。
 認証制御部403は、被認証者の認証に関する制御を実行する手段である。認証制御部403は、生体情報取得部402から取得した生体情報(顔画像)と自装置に設定された端末IDを含む認証要求を委託元サーバ10に送信する。
 認証制御部403は、認証要求に対する応答(認証成功、認証失敗)を受信する。
 認証失敗を受信した場合、認証制御部403は、被認証者が作業現場に入場することを拒否する。例えば、認証制御部403は、作業現場に入場できない旨のメッセージを出力する。あるいは、認証制御部403は、ゲートを閉じて被認証者の入場を拒否する。
 認証成功を受信した場合、認証制御部403は、被認証者が作業現場に入場することを許可する。例えば、認証制御部403は、作業現場に入場できる旨のメッセージを出力する。あるいは、認証制御部403は、ゲートを開いて被認証者の入場を許可する。
 記憶部404は、認証端末20の動作に必要な情報を記憶する手段である。
[委託先端末及び委託元端末]
 委託先端末40及び委託元端末41には、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム機、タブレット等の携帯端末装置やコンピュータ(パーソナルコンピュータ、ノートパソコン)等が例示される。委託先端末40及び委託元端末41は、利用者の操作を受け付け、委託先サーバ30等と通信可能であれば任意の機器、デバイスとすることができる。また、委託先端末40及び委託元端末41の構成等は当業者にとって明らかであるので、詳細な説明を省略する。
[システムの動作]
 続いて、第1の実施形態に係る認証システムの動作について説明する。なお、作業者候補の登録処理等に関する動作の説明は省略する。
 図18は、第1の実施形態に係る認証システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図18を参照し、委託元企業から委託先企業に業務が委託される場合の認証システムの動作を説明する。
 委託元サーバ10は、委託元端末41から業務委託情報を取得すると、業務要件等を含む委託内容通知を委託先サーバ30に送信する(ステップS01)。
 委託先サーバ30は、業務要件に含まれる要求能力を満たす作業者を選択する(ステップS02)。
 委託先サーバ30は、作業者の選択に成功すると、当該業務要件に含まれる必要人数に相当する数の作業者情報を含む作業者通知を委託元サーバ10に送信する(ステップS03)。
 委託元サーバ10は、受信した作業者通知に含まれる情報を作業者管理データベースに記憶する(作業者情報を記憶;ステップS04)。
 図19は、第1の実施形態に係る認証システムの動作の一例を示すシーケンス図である。図19を参照し、作業者を認証する場合の認証システムの動作を説明する。
 認証端末20は、面前の作業者の生体情報を取得し、当該取得した生体情報及び端末IDを含む認証要求を委託元サーバ10に送信する(ステップS11)。
 委託元サーバ10は、端末IDを用いて被認証者が訪れた作業現場で行われる業務委託を特定する(ステップS12)。
 委託元サーバ10は、認証要求に含まれる生体情報と作業者管理データベースに記憶された生体情報を使った照合処理を実行し、被認証者を特定する(ステップS13)。
 委託元サーバ10は、特定された業務委託の情報(委託期間、要求能力等)と特定された被認証者の能力証明情報等を用いて被認証者が作業場所に入場する権限を備えているか否かを判定する(権限の有無を判定;ステップS14)。
 委託元サーバ10は、認証結果を認証端末20に送信する(ステップS15)。
 認証端末20は、認証結果に応じた処理を実行する(ステップS16)。
 このように、認証端末20は、被認証者の生体情報を含む認証要求を委託元サーバ10に送信する。委託元サーバ10は、認証要求の受信に応じて認証処理を実行し、認証結果を認証端末20に送信する。認証端末20は、認証結果に応じて、被認証者の作業現場への入場を制御する。
 続いて、第1の実施形態に係る変形例について説明する。
<第1の実施形態に係る変形例1>
 上記実施形態では、作業現場に入場する作業者を認証するために必要な作業者管理データベースは、委託元サーバ10の内部に構築されている場合について説明した。しかし、上記作業者を認証するために必要なデータベースは、委託先サーバ30に構築されていてもよい。
 この場合、委託先サーバ30の受託制御部203は、委託内容通知の受信に従い業務に割り当てる作業者を決定すると、当該決定した作業者の情報をデータベース(作業者管理データベースに相当するデータベース)に記憶する。
 委託元サーバ10の認証部303は、認証端末20から認証要求を受信し、被認証者(作業者)の認証が必要になると、業務委託IDを指定して、委託先サーバ30に上記データベース(作業者管理データベースに相当するデータベース)の提供を要求する。
 認証部303は、委託先サーバ30から提供されたデータベースを用いて上記説明した認証処理(照合処理)を実行する。
 このように、委託元システム(委託元サーバ10)が、作業者を認証する際、委託先システム(委託先サーバ30)に構築されたデータベース(リスト)を参照してもよい。
<第1の実施形態に係る変形例2>
 本願開示の認証システムは、他のシステム(第三者システム)と連携してもよい。例えば、認証システムは、有資格者の情報を集中的に管理するシステム(有資格者サイト)と連携してもよい。
 例えば、有資格者サイトは、資格者の氏名と所有する資格名称を対応付けて記憶する。委託元サーバ10は、生体情報を使って被認証者を特定すると、当該特定した被認証者の氏名等を有資格者サイトに送信する。有資格者サイトは、取得した氏名に対応する資格者が所持する資格名称を委託元サーバ10に送信する。
 委託元サーバ10は、取得した資格名称が業務要件の要求能力を満たすものであれば、被認証者は作業現場に入場する資格を備えると判定する。
<第1の実施形態に係る変形例3>
 委託元サーバ10の認証部303は、照合処理により特定された被認証者の能力証明情報が有効であるか否かを検証し、有効な場合に当該被認証者は作業現場に入場する正当な権限を持つと判定してもよい。即ち、委託元サーバ10は、照合処理により特定された被認証者の能力証明情報が有効な場合に、当該被認証者の認証に成功したと判定してもよい。
 例えば、認証部303は、OCR(Optical Character Recognition)技術を用いて能力証明情報(例えば、重機の免許証等を撮影することで得られた画像データ)に記載された氏名や有効期間(有効期限)を取得する。認証部303は、取得した氏名と被認証者の氏名が一致し、且つ、有効期間が徒過していない場合に、被認証者の能力証明情報は有効であると判定してもよい。
 以上のように、第1の実施形態に係る認証システムでは、委託先企業(委託先サーバ30)が、事前申請した作業者を変更する権限を備えている。委託先サーバ30が、作業者変更の権限を備えることで、作業日当日の急な作業者変更が可能になる。また、委託先サーバ30は、日雇いの作業者を作業日当日に作業者として委託元企業に届け出ることもできる。このような委託先サーバ30による作業日当日の作業者変更、作業者登録は、委託元サーバ10の作業者管理データベースに即時反映される。即ち、本願開示の認証システムでは、作業日当日の急な作業者変更や日雇いの作業者の登録、管理が容易に行える。
 また、委託先企業に作業者変更、作業者登録の権限を委譲した場合、委託元企業は、委託元企業の求める要件に沿った作業者が業務に割り当てられていることを確認する必要がある。本願開示の認証システムでは、委託元の要件に必要な能力等が設定されている場合において、被認証者(作業者)が作業現場に入場する際に当該必要な能力の有無が検証される。即ち、委託元企業が求める要件を満たさない作業者は、作業現場に入場することができないので、委託元企業の従業員等が上記確認等を実施する必要がない。このように、委託先企業へ作業者変更の権限が移譲されても、委託元企業は、自社が求める要件に沿った作業者が実際に作業していることを確認できる。
 さらに、本願開示の認証システムは、作業現場に入場した作業者の数が必要人数を満たさない場合、その旨を委託先企業(委託先サーバ30)に通知する。その結果、様々な理由により作業者が作業現場に現れていない場合であっても、委託先企業は、当該状況に対して迅速な対策を取ることができる。
 続いて、認証システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図20は、委託元サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
 委託元サーバ10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図20に例示する構成を備える。例えば、委託元サーバ10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
 但し、図20に示す構成は、委託元サーバ10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。委託元サーバ10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、委託元サーバ10に含まれるプロセッサ311等の数も図20の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311が委託元サーバ10に含まれていてもよい。
 プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
 メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
 入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
 通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
 委託元サーバ10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
 なお、認証端末20、委託先サーバ30等も委託元サーバ10と同様に情報処理装置により構成可能であり、その基本的なハードウェア構成は委託元サーバ10と相違する点はないので説明を省略する。例えば、認証端末20は、作業者を撮影するためのカメラ装置を備えていればよい。
 情報処理装置である委託元サーバ10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることで委託元サーバ10の機能が実現できる。また、委託元サーバ10は、当該プログラムにより委託元サーバ10の制御方法を実行する。委託先サーバ30も同様に、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることで委託先サーバ30の機能が実現できる。また、委託先サーバ30は、当該プログラムにより委託先サーバ30の制御方法を実行する。
[変形例]
 なお、上記実施形態にて説明した認証システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
 上記実施形態では、委託元サーバ10に登録された作業者を変更する際、委託先企業の従業員等が新たな作業者を選択する場合について説明した。しかし、当該選択も委託先サーバ30が自動的に行ってもよい。あるいは、委託元企業から業務委託を受託した際(委託元サーバ10から委託内容通知を受信した際)の作業者選択が委託先企業の従業員等に行われてもよい。
 上記実施形態では、委託先企業(委託先サーバ30)は、業務要件に記載された必要人数と同数の作業者を選択し、当該選択した作業者の情報を委託元サーバ10に通知する場合について説明した。しかし、委託先サーバ30は、必要人数よりも多くの作業者を選択し、当該選択した作業者の情報(作業者情報;例えば、氏名、生体情報、能力証明情報等)を委託元サーバ10に送信してもよい。例えば、委託元サーバ10が送信する委託内容通知の業務要件に「必要人数:2人」と記載されていた場合、委託先サーバ30は、3人分の作業者情報を含む作業者通知を委託元サーバ10に送信してもよい。この場合、委託元サーバ10は、作業者を認証する際、被認証者が必要な能力を備えていても、必要人数が既に作業現場に入場している場合には、当該被認証者の認証を失敗として扱ってもよい。即ち、委託元サーバ10は、必要人数より多くの作業者が作業現場に入場することを拒否してもよい。また、委託元サーバ10は、必要人数よりも多くの作業者が作業現場に入場しようとして認証失敗と判定された場合、その旨を委託先サーバ30に通知してもよい。この場合、委託元サーバ10は、「必要人数超過」が設定された作業者状況通知を委託先サーバ30に送信する。
 上記実施形態では、作業現場に入場する作業者(被認証者)が、委託元企業が求める能力を保持していることの確認を当該作業者の入場時に行うことを説明した。しかし、当該能力の確認は、事後的に行われてもよい。即ち、認証時に要求能力に対する確証の検証(正当性の検証)が行われてもよいし、認証時には要求能力の検証は行われなくてもよい。認証時に要求能力の検証が行われない場合、委託元サーバ10は、事後的に要求能力の検証が可能となるように作業者管理データベースのエントリを所定期間に亘り保持していればよい。即ち、作業現場において何らかの問題が発生した場合であっても、有資格者が作業していたことを登録された確証情報(能力証明情報)から検証可能な状況であればよい。このように、本願開示の認証システムは、作業現場への入退管理とエビデンス(確証情報)の取得及び保持を行うことができる。
 あるいは、委託元サーバ10は、作業者通知を受信した場合に、当該作業者通知に含まれる能力証明情報が委託元の求める能力(要求能力)に適合しているか否か検証してもよい。委託元サーバ10は、委託先サーバ30から通知された作業者の能力証明情報が要求能力に適合していれば、当該作業者を受け入れて作業者管理データベースに登録する。一方、委託元サーバ10は、委託先サーバ30から通知された作業者の能力証明情報が要求能力に適合していなければ、当該作業者の受け入れを拒否し作業者管理データベースに登録しない。このような対応により、委託元サーバ10は、認証時に要求能力の検証を省略することもできる。
 上記実施形態では、1社の委託先企業に向けて業務委託の依頼が行われる場合について説明した。しかし、複数の委託先企業に向けて業務委託の依頼が行われてもよい。この場合、委託元サーバ10は、予め定めた複数の委託先サーバ30に向けて委託内容通知を送信する。委託元サーバ10は、各委託先サーバ30から作業者通知を受け取り、業務に必要な人数の作業者が確保された時点で作業者の受け入れを停止してもよい。
 委託先企業が、事前登録した作業者を変更する場合、当該作業者の変更が委託元企業の従業員等に通知されてもよい。具体的には、委託元サーバ10の委託制御部302は、作業者変更通知を受信すると、当該作業者が変更になった旨を従業員が所持する端末等に通知してもよい。
 委託先サーバ30は、業務に割り当てる作業者を選択した際、当該選択された作業者に対して業務を担当するか否かを問い合わせてもよい。委託先サーバ30の受託制御部203は、選択された作業者の連絡先(作業者が所有する端末)に対して上記問合せを行えばよい。受託制御部203は、問合せを受信した作業者が業務を担当することを了承した場合、当該作業者の情報を委託元サーバ10に通知してもよい。
 委託先サーバ30は、作業者の情報を更新する機能を備えていてもよい。例えば、委託先サーバ30は、作業者(作業者候補)が新たな能力、資格を取得した場合、当該新たに取得した能力を証明する能力証明情報を登録するインターフェイス等を委託先企業の従業員等に提供してもよい。
 委託元サーバ10の認証部303は、予め定められた時刻までに作業現場に入場していない作業者が存在する場合、当該存在しない作業者を特定する情報(例えば、氏名)を含む作業者状況通知を委託先サーバ30に送信してもよい。委託先サーバ30は、当該通知を受けた作業者に対して、作業現場に入場していない理由等を問い合わせてもよい。委託先サーバ30は、問い合せに対する回答を委託先企業の従業員等に報告してもよい。
 本願開示の認証システムは、委託先の再委託に対応することもできる。具体的には、再委託先が管理する作業者候補管理データベースの登録内容が、委託先の管理する作業者候補管理データベースに反映されることで、委託元企業と委託先企業の間の処理を変えることなく再委託が実現される。
 上記実施形態では、顔画像から生成された特徴量が作業者管理データベース等に記憶される場合について説明したが、特徴量は当該データベースに記憶されていなくともよい。特徴量に代えて顔画像が作業者管理データベースに登録され、委託元サーバ10は、認証処理のたびに、登録顔画像から特徴量を生成してもよい。
 上記実施形態では、委託元サーバ10の内部に作業者管理データベースが構成される場合について説明したが、当該データベースは外部のデータベースサーバ等に構築されてもよい。即ち、委託元サーバ10の一部の機能は別のサーバに実装されていてもよい。より具体的には、上記説明した「委託制御部(委託制御手段)」、「認証部(認証手段)」等がシステムに含まれるいずれかの装置に実装されていればよい。
 各装置(委託元サーバ10、認証端末20)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、生体情報等が送受信され、これらの情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
 上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
 上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
 上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、工事現場等に入場する作業者を認証する認証システムなどに好適に適用可能である。
 上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
 業務の委託元により管理される、第1のサーバと、
 前記業務の委託先により管理される、第2のサーバと、
 を含み、
 前記第1のサーバは、前記業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記第2のサーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、
 前記第2のサーバは、前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更する、システム。
[付記2]
 前記第1のサーバは、前記委託先の作業者に要求する要求能力を前記第2のサーバに通知し、
 前記第2のサーバは、前記通知された要求能力に適合する作業者を選択し、前記選択された作業者が前記要求能力を備えることを証明する能力証明情報と前記生体情報を前記作業者情報として含む作業者通知を前記第1のサーバに送信し、
 前記第1のサーバは、前記作業者通知に含まれる作業者情報を作業者管理データベースに記憶すると共に、前記被認証者の認証を前記作業者管理データベースに記憶された前記作業者情報を用いて実行する、付記1に記載のシステム。
[付記3]
 前記第1のサーバは、前記作業者管理データベースに記憶された生体情報と前記被認証者の生体情報を使って前記被認証者を特定し、前記特定された被認証者の能力証明情報が前記作業現場で行われる業務の要求能力に適合している場合、前記被認証者の認証に成功したと判定する、付記2に記載のシステム。
[付記4]
 前記第1のサーバは、前記特定された被認証者の能力証明情報が有効な場合に、前記被認証者の認証に成功したと判定する、付記3に記載のシステム。
[付記5]
 前記第1のサーバは、前記必要能力に加え前記作業現場で作業する作業者の必要人数を前記第2のサーバに通知し、
 前記第2のサーバは、前記通知された要求能力に適合する、前記必要人数分の作業者を選択し、前記選択された前記必要人数分の作業者の前記作業者情報を含む前記作業者通知を前記第1のサーバに送信する、付記2に記載のシステム。
[付記6]
 前記第1のサーバは、予め定めたタイミングにおいて、前記作業現場に入場している前記委託先からの作業者の数が前記必要人数に満たない場合、前記第2のサーバに対して前記作業現場に入場している作業者の数が前記必要人数に満たないことを通知する、付記5に記載のシステム。
[付記7]
 前記作業現場に設置され、前記被認証者の生体情報を含む認証要求を前記第1のサーバに送信する、認証端末をさらに含み、
 前記第1のサーバは、前記認証要求の受信に応じて前記認証処理を実行し、認証結果を前記認証端末に送信し、
 前記認証端末は、前記認証結果に応じて、前記被認証者の前記作業現場への入場を制御する、付記1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
[付記8]
 前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、付記7に記載のシステム。
[付記9]
 業務の委託元により管理される、第1のサーバと、
 前記業務の委託先により管理される、第2のサーバと、
 を含むシステムにおいて、
 前記業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記第2のサーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、
 前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更する、方法。
[付記10]
 業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する、認証部と、
 前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける、委託制御部と、
 を備える、サーバ装置。
[付記11]
 サーバ装置において、
 業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、
 前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける、サーバ装置の制御方法。
[付記12]
 サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
 業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する処理と、
 前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける処理と、
 を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
 なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
10 委託元サーバ
20 認証端末
30 委託先サーバ
40 委託先端末
41 委託元端末
101 第1のサーバ
102 第2のサーバ
201 通信制御部
202 登録制御部
203 受託制御部
204 記憶部
301 通信制御部
302 委託制御部
303 認証部
304 記憶部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
401 通信制御部
402 生体情報取得部
403 認証制御部
404 記憶部

Claims (12)

  1.  業務の委託元により管理される、第1のサーバと、
     前記業務の委託先により管理される、第2のサーバと、
     を含み、
     前記第1のサーバは、前記業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記第2のサーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、
     前記第2のサーバは、前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更する、システム。
  2.  前記第1のサーバは、前記委託先の作業者に要求する要求能力を前記第2のサーバに通知し、
     前記第2のサーバは、前記通知された要求能力に適合する作業者を選択し、前記選択された作業者が前記要求能力を備えることを証明する能力証明情報と前記生体情報を前記作業者情報として含む作業者通知を前記第1のサーバに送信し、
     前記第1のサーバは、前記作業者通知に含まれる作業者情報を作業者管理データベースに記憶すると共に、前記被認証者の認証を前記作業者管理データベースに記憶された前記作業者情報を用いて実行する、請求項1に記載のシステム。
  3.  前記第1のサーバは、前記作業者管理データベースに記憶された生体情報と前記被認証者の生体情報を使って前記被認証者を特定し、前記特定された被認証者の能力証明情報が前記作業現場で行われる業務の要求能力に適合している場合、前記被認証者の認証に成功したと判定する、請求項2に記載のシステム。
  4.  前記第1のサーバは、前記特定された被認証者の能力証明情報が有効な場合に、前記被認証者の認証に成功したと判定する、請求項3に記載のシステム。
  5.  前記第1のサーバは、前記必要能力に加え前記作業現場で作業する作業者の必要人数を前記第2のサーバに通知し、
     前記第2のサーバは、前記通知された要求能力に適合する、前記必要人数分の作業者を選択し、前記選択された前記必要人数分の作業者の前記作業者情報を含む前記作業者通知を前記第1のサーバに送信する、請求項2に記載のシステム。
  6.  前記第1のサーバは、予め定めたタイミングにおいて、前記作業現場に入場している前記委託先からの作業者の数が前記必要人数に満たない場合、前記第2のサーバに対して前記作業現場に入場している作業者の数が前記必要人数に満たないことを通知する、請求項5に記載のシステム。
  7.  前記作業現場に設置され、前記被認証者の生体情報を含む認証要求を前記第1のサーバに送信する、認証端末をさらに含み、
     前記第1のサーバは、前記認証要求の受信に応じて前記認証処理を実行し、認証結果を前記認証端末に送信し、
     前記認証端末は、前記認証結果に応じて、前記被認証者の前記作業現場への入場を制御する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
  8.  前記生体情報は、顔画像又は前記顔画像から生成された特徴量である、請求項7に記載のシステム。
  9.  業務の委託元により管理される、第1のサーバと、
     前記業務の委託先により管理される、第2のサーバと、
     を含むシステムにおいて、
     前記業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記第2のサーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、
     前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更する、方法。
  10.  業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する、認証部と、
     前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける、委託制御部と、
     を備える、サーバ装置。
  11.  サーバ装置において、
     業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行し、
     前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける、サーバ装置の制御方法。
  12.  サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
     業務が行われる作業現場に入場しようとする被認証者に関する認証処理を、前記業務の委託先により管理される、委託先サーバが前記作業現場で作業をする作業者として事前に申請した作業者の生体情報を含む作業者情報を用いて実行する処理と、
     前記委託先サーバが前記事前に申請した作業者の前記作業者情報を他の作業者の前記作業者情報に変更することを受け付ける処理と、
     を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
PCT/JP2022/048570 2022-12-28 システム、方法、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体 WO2024142371A1 (ja)

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