JP2021012154A - 埋設物検出装置および埋設物検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、電磁波を送信アンテナから放射し、受信アンテナで受信された対象物からの反射波を、高速鋸歯状波発生器と低速鋸歯状波発生器および交点パルス発生器を用いて生成したサンプリングパルスによってサンプリングするチャープサンプリング方式地中レーダについて開示されている。
すなわち、上記公報に開示された装置では、高速鋸歯状波と低速鋸歯状波とを比較して、電磁波の反射波を取得するタイミング(ディレイ時間)を調整している。このため、サンプリング期間の途中でノイズが検出された場合でも、再サンプリングを実施するためには、再度、サンプリング期間の最初から1セット分のサンプリングを実施する必要があり、時間がかかってしまう。また、装置が移動している場合には、ノイズが検出された位置で再サンプリングすることはできないため、再サンプリングによってノイズを除去することは困難である。
本発明の課題は、インパルス波の反射波に含まれるノイズを効果的に除去して、埋設物の検出精度を向上させることが可能な埋設物検出装置および埋設物検出方法を提供することにある。
なお、送信部から放射される電磁波としてインパルス波を用いた場合には、例えば、サイン波等の他の電磁波を比較して広い周波数成分が含まれるため、受信部として広帯域アンテナを用いる必要がある。このため、広帯域アンテナを用いた結果、ノイズを受信しやすく除去し難いという課題がある。
これにより、ノイズを受信しやすいインパルス波を電磁波として用いた場合でも、外乱ノイズ等のノイズを検出するとすぐにその位置で反射波を再取得することができる。
この結果、インパルス波の反射波に含まれるノイズを効果的に除去して、埋設物の検出精度を向上させることができる。
これにより、n回目に取得した反射波の値と直前に取得した反射波の値との差が所定の閾値以上であった場合には、直前の(n−1)回目の取得値から大きな差があることから、その差はノイズの影響によるものと判断して、ノイズを含むと判定することができる。
これにより、作業者によって走査される埋設物検出装置の移動速度が大きい場合には、閾値の値を初期設定値よりも大きくすることで、細かいノイズを検出しないようにすることができる。
この結果、埋設物検出装置の移動速度が大き過ぎて、ノイズ検出処理が移動速度に追いつかないという不具合の発生を防止することができる。
この結果、埋設物検出装置の移動速度が小さい場合は、ノイズ検出精度を向上させることができる。
これにより、例えば、移動速度が“高”、“中”、“低”の3段階で設定されている場合には、移動速度“高”に対応する第1閾値(>初期設定値)、移動速度“中”に対応する基準閾値、移動速度“低”に対応する第2閾値(<初期設定値)に、閾値を変更することができる。
これにより、再取得の回数に上限が設定されることで、直前に取得された反射波の値との比較において、何度、再取得しても閾値以上となってしまうことを回避して、次の回(n+1)回目の反射波のサンプリングを実施することができる。
なお、送信部から放射される電磁波としてインパルス波を用いた場合には、例えば、サイン波等の他の電磁波を比較して広い周波数成分が含まれるため、受信部として広帯域アンテナを用いる必要がある。このため、広帯域アンテナを用いた結果、ノイズを受信しやすく除去し難いという課題がある。
これにより、ノイズを受信しやすいインパルス波を電磁波として用いた場合でも、外乱ノイズ等のノイズを検出するとすぐにその位置で反射波を再取得することができる。
この結果、インパルス波の反射波に含まれるノイズを効果的に除去して、埋設物の検出精度を向上させることができる。
これにより、n回目に取得した反射波の値と直前に取得した反射波の値との差が所定の閾値以上であった場合には、直前の(n−1)回目の取得値から大きな差があることから、その差はノイズの影響によるものと判断して、ノイズを含むと判定することができる。
これにより、作業者によって走査される埋設物検出装置の移動速度が大きい場合には、閾値の値を初期設定値よりも大きくすることで、細かいノイズを検出しないようにすることができる。
この結果、埋設物検出装置の移動速度が大き過ぎて、ノイズ検出処理が移動速度に追いつかないという不具合の発生を防止することができる。
この結果、埋設物検出装置の移動速度が小さい場合は、ノイズ検出精度を向上させることができる。
例えば、移動速度が“高”、“中”、“低”の3段階で設定されている場合には、移動速度“高”に対応する第1閾値(>初期設定値)、移動速度“中”に対応する基準閾値、移動速度“低”に対応する第2閾値(<初期設定値)に、閾値を変更することができる。
これにより、再取得の回数に上限が設定されることで、直前に取得された反射波の値との比較において、何度、再取得しても閾値以上となってしまうことを回避して、次の回(n+1)回目の反射波のサンプリングを実施することができる。
図1は、本実施形態の埋設物検出装置1をコンクリート(対象物)100上に配置した状態を示す斜視図である。図2は、本実施形態の埋設物検出装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の埋設物検出装置1は、コンクリート100等の対象物の表面100aを移動しながらコンクリート100に向かってインパルス波(電磁波)を放射し、その反射波を受信して解析することによって、コンクリート100内の埋設物101a,101b,101cの位置を検出する。そして、図1では、埋設物検出装置1の移動方向が、矢印Aで示されている。
コンクリート100内に埋設された3本の鉄筋(埋設物101a〜101c)は、それぞれ、コンクリート100の表面100aに略平行な方向に沿って、埋設物検出装置1の移動方向に交差する向きで配置されている。
把手3は、作業者(ユーザ)によって把持される取っ手部分であって、本体部2の上面に設けられている。4つの車輪は、回転可能な状態で、本体部2の下部に取り付けられている。作業者は、コンクリート100内部の埋設物101を検出する際には、把手3を把持して車輪4を回転させながら、コンクリート100の表面100a上で埋設物検出装置1を移動させる。
エンコーダ7は、車輪4に接続されており、車輪4の回転に関する情報を検出する。そして、エンコーダ7は、その検出された情報に基づいて、インパルス制御モジュール5に対して、インパルス波の放射タイミングおよび反射波の受信タイミングを制御するための信号を送信する。さらに、エンコーダ7は、車輪4の回転速度および回転方向の情報を、インパルス制御モジュール5へ送信する。
表示部8は、本体部2の上面に設けられており、埋設物101a,101b,101cの位置を示す画像等を表示する。
図3は、インパルス制御モジュール5の構成を示すブロック図である。
インパルス制御モジュール5は、制御部10と、送信アンテナ(送信部)11と、受信アンテナ(受信部)12と、インパルス生成回路13と、ディレイIC14と、サンプリングパルス生成回路15と、高速サンプル・ホールド回路16と、A/Dコンバータ17と、記憶部18と、を有している。
制御部10は、MPU(Micro Processing Unit)等によって構成されており、エンコーダ入力をトリガとして、インパルス生成回路13にインパルス波の発生を指令する。
さらに、制御部10は、受信アンテナ12において取得した反射波に含まれるノイズの有無を検出するノイズ検出判定処理を実施する。そして、制御部10は、取得した反射波にノイズが含まれると判定した場合には、ノイズを含むと判定されたn回目のサンプリングを再度実施する再取得制御を実施するように、ディレイIC14を制御する。
受信アンテナ12は、本体部2の底面側に設けられた広帯域アンテナ(例えば、0〜5GHz)であって、主に、送信アンテナ11から放射されたインパルス波の反射波を受信する。具体的には、例えば、送信アンテナ11から放射されたインパルス波がコンクリート100内を往復する時間を5ns(=5000ps)とすると、受信アンテナ12は、送信アンテナ11からインパルス波が放射されてから5ns(5000ps)間に受信される反射波を受信することで、図4に示すような受信波形を得ることができる。
ディレイIC14は、制御部10によって制御されており、デジタル信号によって、受信アンテナ12において反射波をサンプリングするサンプリングパルスの遅延時間およびサンプリング期間を設定する。具体的には、ディレイIC14は、例えば、10psの間隔で5ns間、サンプリングパルス生成回路15がサンプリングパルスを生成するように、制御部10によって制御される。これにより、受信アンテナ12は、送信アンテナ11からインパルス波が放射されてから5ns間に受信した反射波を高速サンプル・ホールド回路16に取り込ませることができる。
高速サンプル・ホールド回路16は、サンプリングパルス生成回路15からサンプリングパルスを受信して、受信アンテナ12において受信した反射波を取り込んで、A/Dコンバータ17へ送信する。
記憶部18は、制御部10に接続されており、A/Dコンバータ17によってA/D変換された反射波に関するデータを保存するとともに、後述する移動速度に応じてノイズ判定用の閾値を変化させるための移動速度と閾値との関係を示すテーブル等を保存している。なお、移動速度に応じて閾値を変更する閾値変更制御については、後段にて詳述する。
また、図4に示すデータは、エンコーダ7の入力があった後、エンコーダ7から次の入力があるまでの受信信号の強度を示すデータである。ディレイIC14によって設定された遅延時間に基づいて、反射波の取得タイミングを除々に遅らせることによって、受信アンテナ12からの距離が長い位置からの反射波を受信するが、エンコーダ7からの入力があると、受信タイミングの遅延が元に戻され、再び受信タイミングを除々に遅らせる。すなわち、移動方向Aにおける所定の計測位置(エンコーダ7からの入力があった位置)における深さ方向Bの反射波を受信する。このような図4に示すエンコーダ7の入力があった後、次のエンコーダの入力があるまでに受信した反射波のデータを、1ライン分のデータという。制御部10は、1ライン分のデータが貯まるごとに、その1ライン分のRF(Radio Frequency)データをメイン制御モジュール6へ送信する。
図5は、メイン制御モジュール6の構成を示すブロック図である。
メイン制御モジュール6は、受信部21と、RFデータ管理部22と、埋設物判定部24と、判定結果登録部25と、表示制御部26と、を有している。
受信部21は、インパルス制御モジュール5の制御部10から送信されるごとに、1ライン分のRFデータを受信する。
RFデータ管理部22は、受信部21が受信した1ライン分のRFデータを記憶する。
なお、埋設物判定部24における埋設物101の検出処理については、受信アンテナ12において受信した複数の1ライン分のRFデータに基づいて、既知の方法を用いて実施すればよい。具体的には、例えば、埋設物101が鉄筋等の金属である場合には、送信アンテナ11から放射されたインパルス波は、その表面において反射される。このため、受信アンテナ12において、このような埋設物101の表面で反射された反射波の速度(強度)と、反射波を受信するまでの時間とを検出することで、コンクリート100内の埋設物101の有無およびその位置を検出することができる。
判定結果登録部25は、埋設物判定部24によって検出された埋設物101の位置をRFデータ管理部22に登録する。
表示制御部26は、移動方向Aと深さ方向Bの平面において信号強度を色で階調処理した画像、および埋設物101の位置を表示するように、表示部8の制御を行う。
本実施形態の埋設物検出装置1では、インパルス制御モジュール5の制御部10が、送信アンテナ11からインパルス波が所定の時間間隔で放射されるように、インパルス生成回路13を制御している。
これに対して、電磁波として用いられるサイン波には、図6(b)に示すように、特定の帯域(例えば、2.4GHz)に限定された周波数成分が含まれている。
このため、送信アンテナ11から放射される電磁波として図6(a)に示すインパルス波が用いられる場合には、その反射波の検出にも、広範囲の周波数成分(例えば、0〜2.4GHz)を検出可能な広帯域アンテナが用いられる。
反射波の波形に外乱電磁波(ノイズ)が含まれる場合には、図7(a)に示すノイズを含まない正常な反射波の波形ではなく、図7(b)に示す一部の波形が乱れた波形に変化する。
そこで、本実施形態の埋設物検出装置1では、図7(b)に示すノイズを含む反射波の波形を検出した場合でも、図7(a)に示すノイズを含まない反射波の波形になるように、ノイズ成分を除去する制御を行う。
本実施形態の埋設物検出装置1では、以上のように、受信アンテナ12として広帯域アンテナが用いられたために生じやすいノイズを含む反射波の波形からノイズ成分を効果的に除去するために、ノイズを含む反射波を取得した同じ遅延時間で反射波を再取得する制御を行う。
より詳細には、制御部10は、まず、受信アンテナ12において受信した反射波がノイズを含むか否かについて、n回目のサンプリングによって取得したA/D変換後の反射波の値を、直前の(n−1)回目のサンプリングによって取得したA/D変換後の反射波の値と比較して、その差が所定の閾値(ここでは、30(デジタル値)に設定)を超える場合には、ノイズ有りと判定する。
これにより、送信アンテナ11からインパルス波を放射し、その反射波を広帯域アンテナ(受信アンテナ12)において受信する場合でも、外乱ノイズ等のノイズを検出するとすぐにその位置で反射波のデータを再取得することができる。
この結果、インパルス波の反射波に含まれるノイズを効果的に除去して鮮明な反射波の画像を得ることができるため、埋設物101の検出精度を向上させることができる。
本実施形態の埋設物検出方法では、上述した埋設物検出装置1を用いてコンクリート100内の埋設物101の検出を行う際に、制御部10が、図9に示すフローチャートに従って、ノイズを含む反射波の再取得制御の処理を実施する。
すなわち、ステップS11では、制御部10が、サンプリング期間の初期値として設定された遅延時間でサンプリングを行うように、ディレイIC14を制御する。
次に、ステップS13では、制御部10が、送信アンテナ11から、基準となるインパルス波の出力を開始するように、インパルス生成回路13を制御する。
次に、ステップS14では、制御部10が、サンプリングパルス生成回路15において生成されたサンプリングパルスに応じて、受信アンテナ12において受信した(n−1)回目の反射波の信号を取得するように、高速サンプル・ホールド回路16を制御するとともに、高速サンプル・ホールド回路16において取得した反射波の信号をA/Dコンバータ17においてA/D変換させる。
次に、ステップS16では、(n−1)回目のサンプリングに対応した反射波の受信が完了したため、制御部10が、繰り返しカウンタを“−1”とする。
次に、ステップS18では、サンプリングパルス生成回路15において生成されたサンプリングパルスに応じて、受信アンテナ12において受信したn回目の反射波の信号を取得するように、高速サンプル・ホールド回路16を制御するとともに、高速サンプル・ホールド回路16において取得した反射波の信号をA/Dコンバータ17においてA/D変換させる。
ここで、閾値30以上である場合には、ノイズを含むと判断し、再度、同じ遅延時間(タイミング)で取得したA/D変換後のデータを再取得するために、ステップS20へ進む。一方、閾値30未満である場合には、ノイズを含まないと判断し、ステップS21へ進む。
よって、制御部10は、ステップS19における比較処理においてノイズを含むと判定された場合には、ステップS20において、ステップS19の比較処理の回数が上限回数に達しているか否かを判定する。
次に、ステップS21では、制御部10が、A/Dコンバータ17においてA/D変換された反射波のデジタルデータを、n回目のサンプリングに対応するデータとして記憶部18に保存させる。
次に、ステップS23では、制御部10が、繰り返しカウンタが“0”になっていないかを確認し、繰り返しカウンタ=0になるまで、すなわち、500回目のサンプリングが完了するまで、ステップS17〜ステップS23の処理を繰り返し実施する。
この結果、インパルス波の反射波に含まれるノイズを効果的に除去して鮮明な反射波の画像を得ることができるため、埋設物の検出精度を向上させることができる。
以上の説明では、n回目に取得した反射波のデータがノイズを含むか否かの判定を、直前の(n−1)回目に取得したデータと比較して、その差が所定の閾値よりも大きいか否かを判定している。
本実施形態の埋設物検出方法では、ステップS19の比較判定で使用される閾値の大きさが、埋設物検出装置1の移動速度に応じて複数段階で設定されていてもよい。
すなわち、ステップS31では、制御部10は、エンコーダ7から車輪4の回転速度に関する情報が入力されると、埋設物検出装置1の移動方向、移動速度を算出する。
次に、ステップS32では、算出された移動速度が、予め設定された「高」、「中」、「低」の移動速度のうち、どの速度範囲に属するかを判定する。
次に、ステップS33では、ステップS32において移動速度「高」と判定されているため、初期設定値(30)よりも大きい第1閾値(例えば、40)に設定を変更する。
この結果、埋設物検出装置1の移動速度が大き過ぎて、ノイズ検出処理が移動速度に追いつかないという不具合の発生を防止することができる。
次に、ステップS35では、ステップS32において移動速度「低」と判定されているため、初期設定値(30)よりも小さい第2閾値(例えば、20)に設定を変更する。
これにより、ユーザ(作業者)によって走査される埋設物検出装置1の移動速度が小さい、つまり、埋設物検出装置1がゆっくり移動している場合には、充分な処理時間を確保できるため、閾値の値を初期設定値(30)よりも小さい値に設定することで、細かいノイズを検出することができる。
なお、ステップS33〜ステップS35における閾値の設定が完了した後、図9に示すフロー(ステップS11)へ進む。
本実施形態の埋設物検出方法では、以上のように、例えば、埋設物検出装置1の移動速度が大きい場合には、ノイズ検出処理に当てられる時間も少なくなるため、細かいノイズを検出しないように、閾値を基準値よりも大きく設定する。反対に、埋設物検出装置1の移動速度が小さい場合には、ノイズ検出処理にかけられる時間を充分に確保することができるため、ノイズの検出精度を向上させるために、閾値を基準値よりも小さく設定する。
これにより、埋設物検出装置1の移動速度に応じて、ノイズの有無の判定に用いられる閾値の大きさを適切な大きさで設定することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、制御部10が、n回目に取得した反射波の値と、(n−1)回目に取得した反射波の値との差が、所定の閾値以上である場合に、n回目に取得した反射波の値にはノイズが含まれると判定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
あるいは、n回目の反射波の値と、(n−1)回目の反射波の値および(n+1)回目の反射波の値とそれぞれ比較して、n回目の値にノイズが含まれるか否かを判定してもよい。
上記実施形態では、制御部10が、埋設物検出装置1の3段階の移動速度(高・中・低)に応じて、ノイズの有無の判定に用いられる閾値を変更する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、埋設物検出装置1の移動速度が、2段階あるいは4段階以上に分類されており、各段階の移動速度ごとに異なる大きさの閾値が設定されてもよい。
上記実施形態では、取得した反射波にノイズが含まれるか否かの判定を行う閾値の初期設定値として、30が設定されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ノイズの有無を判定するために設定される閾値の初期設定値(基準値)としては、対象物や埋設物の種類に応じて、30より小さい値であってもよいし、30より大きい値であってもよい。
上記実施形態では、埋設物検出装置1の移動速度を検出する移動速度検出部として、車輪4に接続されており車輪4の回転に関する情報を検出するエンコーダ7を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、埋設物検出装置の移動速度を検出するセンサ等、他の手段を用いて移動速度を検出してもよい。
上記実施形態では、埋設物検出装置1によって検出される埋設物101として、コンクリート100内の鉄筋を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、他の材料あるいは地中内に存在する異物を検出する用途に使用されてもよい。
上記実施形態では、本発明を、埋設物検出装置および埋設物検出方法として実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した埋設物検出方法における各ステップをコンピュータに実行させる埋設物検出プログラムとして、本発明を実現してもよい。
あるいは、この埋設物検出プログラムを格納した記録媒体として、本発明を実現してもよい。
2 本体部
3 把手
4 車輪
5 インパルス制御モジュール
6 メイン制御モジュール
7 エンコーダ(移動速度検出部)
8 表示部
10 制御部
11 送信アンテナ(送信部)
12 受信アンテナ(受信部)
13 インパルス生成回路
14 ディレイIC(可変遅延素子)
15 サンプリングパルス生成回路
16 高速サンプル・ホールド回路
17 A/Dコンバータ
18 記憶部
21 受信部
22 RFデータ管理部
24 埋設物判定部
25 判定結果登録部
26 表示制御部
100 コンクリート
100a 表面
101a〜101c 埋設物
Claims (14)
- 対象物に対して照射されたインパルス波の反射波を受信して対象物内の埋設物の有無を検出する埋設物検出装置であって、
インパルス波を前記対象物へ放射する送信部と、
前記インパルス波の反射波を受信するサンプル・ホールド回路を有する受信部と、
放射するインパルス波またはサンプリングパルスをデジタル信号によって任意に遅延させることが可能な可変遅延素子と、
前記受信部において受信した前記反射波がノイズを含むと判定した場合には、前記ノイズを含むと判定したn回目のサンプリングと同じ遅延時間で前記反射波を前記受信部に再取得させるように、前記可変遅延素子を制御する制御部と、
を備えている埋設物検出装置。 - 前記制御部は、n回目に取得した前記反射波の値と、(n−1)回目に取得した前記反射波の値との差が、所定の閾値以上である場合に、n回目に取得した前記反射波の値にはノイズが含まれると判定する、
請求項1に記載の埋設物検出装置。 - 前記対象物の表面に沿って移動する移動速度を検出する移動速度検出部を、さらに備え、
前記制御部は、前記移動速度検出部において検出された前記移動速度の大きさに応じて、前記所定の閾値の値を変更する、
請求項2に記載の埋設物検出装置。 - 前記制御部は、前記移動速度が予め設定された所定速度より大きい場合には、前記所定の閾値を初期設定値よりも大きい値に設定する、
請求項3に記載の埋設物検出装置。 - 前記制御部は、前記移動速度が予め設定された所定速度より小さい場合には、前記所定の閾値を初期設定値よりも小さい値に設定する、
請求項3に記載の埋設物検出装置。 - 前記移動速度の速度範囲として複数段階設定されている場合には、前記制御部は、前記移動速度検出部において検出された前記移動速度の速度範囲が属する段階に応じて、前記閾値を変化させる、
請求項3に記載の埋設物検出装置。 - 前記制御部には、前記反射波が前記ノイズを含むと判定した場合に実施される前記反射波の再取得の繰り返し回数の上限値が設定されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の埋設物検出装置。 - 対象物に対して照射されたインパルス波の反射波を受信して対象物内の埋設物の有無を検出する埋設物検出方法であって、
デジタル信号によって制御される可変遅延素子を用いて、放射するインパルス波または前記反射波をサンプリングするサンプリングパルスの遅延時間を設定する遅延時間設定ステップと、
インパルス波を前記対象物へ複数回放射する送信ステップと、
前記遅延時間設定ステップにおいて設定された前記遅延時間に基づいて、前記インパルス波の反射波を複数回受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記反射波がノイズを含むと判定した場合には、前記ノイズを含むと判定されたn回目のサンプリングと同じ遅延時間で前記反射波を再取得するように、前記可変遅延素子を制御する再取得ステップと、
を備えている埋設物検出方法。 - 前記再取得ステップでは、n回目に取得した前記反射波の値と、(n−1)回目に取得した前記反射波の値との差が、所定の閾値以上である場合に、n回目に取得した前記反射波の値にはノイズが含まれると判定する、
請求項8に記載の埋設物検出方法。 - 前記対象物の表面に沿って移動する移動速度を検出する移動速度検出部において検出された前記移動速度の大きさに応じて、前記所定の閾値の値を変更する閾値変更ステップを、さらに備えている、
請求項9に記載の埋設物検出方法。 - 前記閾値変更ステップでは、前記移動速度が予め設定された所定速度より大きい場合には、前記所定の閾値を初期設定値よりも大きい値に設定する、
請求項10に記載の埋設物検出方法。 - 前記閾値変更ステップでは、前記移動速度が予め設定された所定速度より小さい場合には、前記所定の閾値を初期設定値よりも小さい値に設定する、
請求項10に記載の埋設物検出方法。 - 前記閾値変更ステップでは、前記移動速度の速度範囲として複数段階設定されている場合には、前記移動速度検出部において検出された前記移動速度の速度範囲が属する段階に応じて、前記閾値を変化させる、
請求項10に記載の埋設物検出方法。 - 前記再取得ステップでは、前記反射波が前記ノイズを含むと判定した場合に実施される前記反射波の再取得の繰り返し回数の上限値が設定されている、
請求項8から13のいずれか1項に記載の埋設物検出方法。
Priority Applications (1)
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