JP2021011406A - ガラス構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空中ディスプレイの高精細化に対応可能であり、かつ、空中ディスプレイ以外の用途にも適用可能なガラス構造体およびその製造方法を提供する。【解決手段】ガラス構造体は、第1の主面102および第2の主面104を少なくとも有する単一の板状を呈している。このガラス構造体は、第1の主面102に複数の第1の微細溝12が設けられる一方で、第2の主面104に複数の第2の微細溝14が設けられている。また、このガラス構造体は、厚み方向の中央部において、第1の微細溝12および第2の微細溝14のいずれもが到達していない非加工部13が設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、微細溝が形成される溝形成領域と、この溝形成領域の外側に連続する周縁領域と、からなる微細溝付きガラス基板を少なくとも1つ有するガラス構造体に関し、特に、空中ディスプレイやマイクロ流路の用途に適用可能なガラス構造体に関する。
近年、ガラス部材と金属等の光反射膜と交互に積層させてなる空中結像用の光学ガラスパネルが使用されることがあった。空中結像用の光学ガラスパネルでは、被写体からの光を一方の主面側から入射することによって、反対の主面側の空中に被写体の立体映像を結像させることが可能になる。このような光学ガラスパネルは、金属膜が形成されたガラス基板を積層させ、ワイヤーソー等で切断することで製造されることが一般的であった。
ところが、上述した従来の製造方法では、積層体を切断する際にガラスにクラックが発生してしまったり、切断面が蛇行してしまったりする不具合が生じてしまうことがあった。
そこで、従来技術の中には、ワイヤーソーによって切断すべき箇所をレーザビームによって変質化させる技術を採用するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。この技術によれば、レーザビームによって変質化した箇所にワイヤーソーを案内させるようにすることで、積層体が蛇行状に切断されたり、クラックが入ってしまったりすることを防止できる、とされていた。
特開2013−220981号公報
しかしながら、上述のような従来技術においては、切断によって得られる微細ガラス片の微細化に限界がある。微細ガラス片の微細化は、例えば、空中ディスプレイの高精細化には不可欠なものであるが、従来技術においては、空中ディスプレイの高精細化に限界が生じていた。
また、従来技術において加工されるガラス部材は、空中ディスプレイ以外の用途に応用することが困難である。好ましくは、高精細の空中ディスプレイに適用可能で、かつ、それ以外の用途にも容易に適用可能な多用途のガラス構造体が望まれるところである。
本発明の目的は、空中ディスプレイの高精細化に対応可能であり、かつ、空中ディスプレイ以外の用途にも適用可能なガラス構造体およびその製造方法を提供することである。
この発明に係るガラス構造体は、第1の主面および第2の主面を少なくとも有する単一の板状を呈している。このガラス構造体は、第1の主面に複数の第1の微細溝が設けられる一方で、第2の主面に複数の第2の微細溝が設けられている。
また、ガラス構造体は、厚み方向の中央部において、第1の微細溝および第2の微細溝のいずれもが到達していない非加工部が設けられている。
このような構成を採用することによって、単一の板状ガラスによって、高精細の空中ディスプレイ用の空中結像用の光学ガラスパネルを実現することが可能になる。また、このようなガラス構造体を複数組み合わせることによって、医療用のマイクロ流路形成部材、および産業用のマイクロ流路形成部材を実現することが可能になる。
上述の構成において、第1の微細溝および第2の微細溝が互いの直交するように延びていることが好ましい。このような構成を採用することによって、高精細の空中ディスプレイ用の空中結像用の光学ガラスパネルに好適な構成を単一の板状ガラスによって実現することが可能である。
また、第1の微細溝および第2の微細溝は、幅500μm以下の微細溝であって、その側面が平滑面によって構成された微細溝であることが好ましい。
このような構成を採用することによって、ガラス基板が幅500μm以下の微細溝を有していることから、例えば、この溝幅の2倍程度のピッチ(1000μm以下)で複数の微細溝を配置することが可能になる。つまり、微細溝のピッチの微細化は、従来のような切断された複数の微細ガラス片の微細化に比較して、より一層容易に実現する。このため、空中ディスプレイやマイクロ流路等の精細化にも対応し易くなる。
ここで幅とは、溝の長手方向に直交する短手方向の大きさ(深さ方向において大きさが変化する場合には、それらのうちの最大値)を意味する。また、平滑面とは、スピンドルやカッタ等を用いた機械加工やレーザを用いたアブレーション加工等で発生するような傷(クラック)が存在しない面のことを意味している。より具体的には、平滑面とは、エッチング処理によって形成される面全域の表面粗さSaが1.0μm以下のケミカル処理面を意味している。ただし、平滑面について、表面粗さRaが1.0μm以下であればOKであるとする評価手法を用いても良い。
この発明に係るガラス構造体製造方法は、上述のガラス構造体を製造するためのものである。このガラス構造体製造方法は、微細溝が形成されるべき位置をレーザビームによって走査することによって、この位置にエッチングされやすい性質の改質ラインを形成するレーザ加工ステップと、改質ラインをエッチング処理によって溶解して微細溝を形成するエッチング処理ステップと、を少なくとも含んでいる。
このような製造方法を採用することにより、例えば、エッチング処理によって一度に多量の微細溝の形成が可能になる等、生産性の向上、特に量産性の向上が図られる。また、エッチング処理を採用することにより、加工時に傷等が発生しないためガラス構造体の強度が強くなり、また、超薄化にも対応し易くなる。
レーザのビーム径は一般的に1〜2000μm程度であり、ガラス基板の板厚が薄い場合には、レーザのビーム径とほとんど同じ幅の微細溝を形成することが可能になる。ただし、処理すべきガラス基板の板厚が増すにつれて、エッチング処理時に微細溝の幅が微増する傾向がある。このため、必要な溝幅に応じて、適宜、用いるガラス基板の板厚を選択したり、サイドエッチングが発生しにくいエッチング手法を選択したりすることが好ましい。
この発明によれば、空中ディスプレイの高精細化に対応可能であり、かつ、空中ディスプレイ以外の用途にも適用可能なガラス構造体が実現する。
本発明の一実施形態に係る結像用光学ガラスパネルの概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る結像用光学ガラスパネルの製造方法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る結像用光学ガラスパネルの製造方法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る結像用光学ガラスパネルの製造方法の一例を示す図である。 結像用光学ガラスパネルの製造に用いるエッチング装置の例を示す図である。 微細溝の側面の平坦化の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る結像用光学ガラスパネルの製造方法の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るマイクロ流路形成部材の概略を示す図である。
以下、図を用いて、本発明に係るガラス構造体の一実施形態を説明する。ガラス構造体は、医療用のマイクロ流路形成部材、産業用のマイクロ流路形成部材(インクジェット装置のマニホールド等)、および結像用光学ガラスパネル等の用途に利用可能である。ここでは、ガラス構造体を空中ディスプレイ分野の結像用光学ガラスパネル10に用いる例を説明する。
図1(A)および図1(B)に示すように、結像用光学ガラスパネル10は、第1の微細溝12を有する第1の主面102と、第2の微細溝14を有する第2の主面104とを備えている。第1の主面102および第2の主面104は中央部に溝形成領域20が配置されており、この溝形成領域の外側に連続するように周縁領域22が配置されている。
第1の主面102の第1の微細溝12および第2の主面104の微細溝14は、図1(A)および図1(B)に示すように、互いに直交するように配置されている。第1の主面102の第1の微細溝12および第2の主面104の微細溝14は、2つある側面のいずれか一方側に、光反射膜(図1(B)および図4(B)における符号15を参照)が設けられている。
光反射膜の例として、Al薄膜およびAg薄膜等の反射率の良い金属薄膜が挙げられる。ここでは、光反射膜15としてAl薄膜が採用されているが、これには限定されない。また、第1の微細溝12および第2の微細溝14の幅を極限まで小さくする場合には、光反射膜15を用いなくても、光反射効果を得ることが可能になる。
この実施形態においては、第1の微細溝12および微細溝14には、第1の主面102と同等の屈折率の透明樹脂剤(図示省略)が充填されている。ただし、この構成はあくまで任意のものであり、このような構成に限定されるものではない。
上述の結像用光学ガラスパネル10の一方の主面に対して、被写体からの光が入射すると、入射側とは反対側の主面から光が出射し、その近傍の空中に被写体の結像映像を映し出すことが可能となる。この結像映像は、第1の微細溝12の配置ピッチ、すなわち光反射膜15の配置ピッチを短くすることによって、より高精細化させることが可能である。
続いて、図2〜図4を用いて、結像用光学パネル10の製造方法の一例を説明する。まず、図2(A)および図2(B)に示すように、第1の主面102における第1の微細溝12の形成予定位置にレーザビームを走査させて、微細溝形成用の改質ライン122を形成する。
レーザビームは、第1の主面102における微細溝形成予定位置をエッチングされ易い性質に改質できる限り、その種類および照射条件は限られない。この実施形態では、レーザヘッドから、短パルスレーザ(例えばピコ秒レーザ、フェムト秒レーザ)から発振されるレーザビームが照射されているが、例えば、CO2レーザ等のガスレーザやその他の種類のレーザ等を用いても良い。この実施形態では、レーザビームの平均レーザエネルギが、約10μJ〜1000μJ程度になるように出力制御が行われている。
微細溝形成予定位置に形成される改質ライン122は、ピコ秒レーザまたはフェムト秒レーザ等のパルスレーザから照射されるレーザビームパルス(ビーム径は1〜10μm程度)によって形成される複数のフィラメント層を配列したフィラメントアレイの形状を呈し、例えば、複数の貫通孔または改質層を有するミシン目状を呈している。改質ライン122は、第1の主面102における他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有している。もちろん、改質ライン122の形状は、この形状には限定されるものではなく、これ以外の形状を呈するものであっても良い。
レーザビームは、適宜、その集光領域が調整されることが好ましい。ここでは、レーザビームの集光領域が第1の主面102の第1の微細溝12の深さ方向の全域にわたるように調整することによって、第1の微細溝12が容易に形成されるようにしている。
第1の主面102に対するレーザ加工に続いて、第2の主面104に対するレーザ加工を行う。ここでは、図3(A)および図3(B)に示すように、第2の主面104における第2の微細溝14の形成予定位置にレーザビームを走査させて、微細溝形成用の改質ライン142を形成する。レーザビームに要求される仕様は、第1の主面102に対するレーザ加工と同じであるため、ここでは説明を省略する。
レーザビームは、第1の主面102に対するレーザ加工の場合と同様に、適宜、その集光領域が調整されることが好ましい。ここでは、レーザビームの集光領域が第2の主面104の第2の微細溝14の深さ方向の全域にわたるように調整することによって、第2の微細溝14が容易に形成されるようにしている。
上述のように、第1の主面102および第2の主面104に対するレーザ加工時において、それぞれ集光領域の調整を行うことによって、結像用光学ガラスパネル10の厚み方向の中央部において、第1の微細溝12および第2の微細溝14のいずれもが到達していない非加工部13が設けられることになる。
上述のレーザ加工処理によって改質ライン122,142が形成された後は、エッチング処理によって、図4(A)に示すように、改質ライン122および改質ライン142がそれぞれ第1の微細溝12および第2の微細溝14となる。その後、図4(B)に示すように、第1の微細溝12および第2の微細溝14にそれぞれ光反射膜15が形成される。
上述のエッチング処理においては、図5(A)に示すように、結像用光学ガラスパネル10は、エッチング装置50に導入され、フッ酸および塩酸等を含むエッチング液によるエッチング処理が施される。通常、フッ酸1〜10重量%、塩酸5〜20重量%程度を含むエッチング液が用いられ、必要に応じて適宜、界面活性剤等が併用される。
エッチング装置50では、搬送ローラによって結像用光学ガラスパネル10を搬送しつつ、エッチングチャンバ内で結像用光学ガラスパネル10の主面にエッチング液を接触させることによって、結像用光学ガラスパネル10に対するエッチング処理が行われる。なお、エッチング装置50におけるエッチングチャンバの後段には、結像用光学ガラスパネル10に付着したエッチング液を洗い流すための洗浄チャンバが設けられているため、結像用光学ガラスパネル10はエッチング液が取り除かれた状態でエッチング装置50から排出される。
結像用光学ガラスパネル10にエッチング液を接触させる手法の一例として、図5(A)に示すように、エッチング装置50の各エッチングチャンバ52において、結像用光学ガラスパネル10に対してエッチング液をスプレイするスプレイエッチングが挙げられる。また、スプレイエッチングに代えて、図5(B)に示すように、オーバーフロー型のエッチングチャンバ54において、オーバーフローしたエッチング液に接触しながら結像用光学ガラスパネル10が搬送される構成を採用することも可能である。
さらには、図5(C)に示すように、エッチング液が収納されたエッチング槽56に、キャリアに収納された単数または複数の結像用光学ガラスパネル10を浸漬されるディップ式のエッチングを採用することも可能である。
上述のエッチング処理によって、第1の主面102の改質ライン122および第2の主面104の改質ライン142が溶解し、第1の微細溝12および第2の微細溝14が形成される。上述の手法によって幅が極限まで最小化された第1の微細溝12および第2の微細溝14を形成することが可能である。第1の微細溝12および第2の微細溝14の幅は、5μm〜500μm程度の範囲で適宜調整することが可能である。
この実施形態では、空中ディスプレイの高精細化のために第1の微細溝12および第2の微細溝14の幅が500μm以下になるようにしている。第1の微細溝12および第2の微細溝14の配置ピッチは、溝幅の2倍程度になるため、例えば、第1の微細溝12および第2の微細溝14の幅を5μm程度にまで極小化すれば、第1の微細溝12および第2の微細溝14の配置ピッチを10〜20μm程度にまで極小化することが可能になる。
原則として、第1の微細溝12および第2の微細溝14の深さが小さいほど、その溝幅を小さくし易くなる。その理由は、エッチング処理において、第1の微細溝12および第2の微細溝14の溝幅がレーザビーム径よりも微増するからである。
この微増化に対する対策として、エッチング処理において、水酸化アンモニウム等のアルカリや酸化チタン等のフッ素錯化剤を添加することにより、エッチング処理における第1の微細溝12および第2の微細溝14の溝幅の微増化が抑制されることが出願人の実験によって明らかになっている。このため、必要に応じて、エッチング液にアルカリやフッ素錯化剤を適量添加することによって、第1の微細溝12および第2の微細溝14の溝幅の調整が可能になる。
また、エッチング処理後に行われる、上述の微細溝の一側面に光反射膜15を形成するための手法として、真空蒸着、スパッタリング、および無電解めっき等が挙げられるが、その他の手法を採用することも可能である。
この光反射膜15の形成に先立って第1の微細溝12および第2の微細溝14の側面の表面粗さが平滑であることが好ましい。上述の手法によって、通常は、図6(A)に示すように、第1の微細溝12の側面全域の表面粗さSa(または表面粗さRa)が数十ナノメートル〜数百ナノメートルになることが多い。
第1の微細溝12の側面全域の表面粗さSa(または表面粗さRa)をさらに小さくするためには、例えば、40〜42℃程度に温度管理された、硫酸35〜95重量%、フッ酸1〜10重量%程度の通常のエッチング処理とは異なるエッチング液を用いて追加的にエッチング処理を用いると良い。これにより、図6(B)に示すように、第1の主面102の第1の微細溝12の側面全体の表面粗さSa(または表面粗さRa)を数ナノメートル程度にまで平滑化させることが可能である。
また、上述した、結像用光学ガラスパネル10の生産効率をさらに高めるために、図7(A)および図7(B)に示すように、結像用光学ガラスパネル10を多面取りするためのガラス母材100に対してレーザ加工、エッチング、成膜等を行い、その後に分断する手法を採用することが好ましい。
例えば、図7(A)に示すような第1の主面102を4行×4列のマトリックス状に配置したガラス母材100は、スクライブブレーク法によって、16枚の結像用光学ガラスパネル10に分断することが可能である。スクライブブレーク法以外では、エッチング処理によって分断することも可能である。エッチング処理によって分断する場合は、第1の主面および第2の主面を保護膜で被覆した後、保護膜における切断箇所に対応する箇所を除去してエッチング処理することで分断することが可能である。
これまで、複数の微細溝付きガラス基板を有するガラス構造体を空中ディスプレイの結像用光学ガラスパネル10に使用する例を示したが、本発明に係るガラス構造体をこれ以外の用途に適用することが可能である。
図8(A)および図8(B)は、ガラス構造体の他の適用例としてのマイクロ流路形成部材の概略を示している。図8(A)は、第1の微細溝12および第2の微細溝14が互いに直交するのではなく、互いに平行するように配置されたガラス構造体11をマイクロ流路として活用する例を示している。このガラス構造体11では、第1の微細溝12および第2の微細溝14をそれぞれ閉塞するようにカバー部材を接着している。カバー部材の接着には、例えば、OCA(Optical Clear Adhesive)フィルム等の透明性の高い接着剤を使用することが好ましいが、これには限定されない。
一方で、図8(B)は、複数のガラス構造体11を互いに接合し、マイクロ流路として活用する例を示している。ガラスは、流路形成用耐薬液部材として広く用いられているPEEK材等と比較しても、同等以上の耐薬品性を備えているため、さまざまな薬液を導入するための流路として活用することが可能である。また、ガラスの透明性により、マイクロ流路の視認性が著しく向上するため、マイクロ流路において不具合が発生した場合でも対処し易くなる。
以上のように、ワイヤーソー等による切断によってガラス微細片を作成する手法に比較して、第1の微細溝12および第2の微細溝14の溝幅の縮小化や溝配置ピッチの縮小化は容易である。このため、本発明に係るガラス構造体を用いることによって、光学パネルやマイクロ流路等の精細化等の好適な作用効果を実現することが可能になる。
また、第1の微細溝12および第2の微細溝14の形成方法は、上述したものには限定されない。例えば、スクライブホイールによってスクライブラインを形成してからエッチング処理を行なったり、スクライブホイールおよびレーザビームの両方を用いてからエッチング処理を行なったりすることも可能である。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10−結像用光学ガラスパネル
12−第1の微細溝
14−第2の微細溝
15−光反射膜
20−溝形成領域
22−周縁領域
50−エッチング装置
100−ガラス母材
102−第1の主面
104−第2の主面
122,142−改質ライン

Claims (4)

  1. 第1の主面および第2の主面を少なくとも有する単一の板状を呈するガラス構造体であって、
    前記第1の主面に複数の第1の微細溝が設けられる一方で、前記第2の主面に複数の第2の微細溝が設けられており、
    厚み方向の中央部において、前記第1の微細溝および前記第2の微細溝のいずれもが到達していない非加工部が設けられることを特徴とするガラス構造体。
  2. 前記第1の微細溝および前記第2の微細溝が互いの直交するように延びていることを特徴とする請求項1に記載のガラス構造体。
  3. 前記第1の微細溝および前記第2の微細溝は、幅500μm以下の微細溝であって、その側面が平滑面によって構成された微細溝であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス構造体。
  4. 請求項1〜3に記載のガラス構造体を製造するためのガラス構造体製造方法であって、
    前記微細溝が形成されるべき位置をレーザビームによって走査することによって、この位置にエッチングされやすい性質の改質ラインを形成するレーザ加工ステップと、
    前記改質ラインをエッチング処理によって溶解して微細溝を形成するエッチング処理ステップと、
    を少なくとも含むガラス構造体製造方法。
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