JP2019120738A - 液晶パネル製造方法 - Google Patents

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真吾 茅野
Shingo Kayano
真吾 茅野
哲孝 堂園
Tetsutaka Dozono
哲孝 堂園
寛之 山内
Hiroyuki Yamauchi
寛之 山内
康宏 柏原
Yasuhiro Kashiwabara
康宏 柏原
達彦 田村
Tatsuhiko Tamura
達彦 田村
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Abstract

【課題】エッチング処理に伴うマスキング処理を不要にし、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能な液晶パネル製造方法を提供する。【解決手段】液晶パネル製造方法は、改質ライン形成ステップ、エッチングステップおよび切断ステップを少なくとも含む。改質ライン形成ステップでは、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14に対して、液晶パネル10の形状に対応する形状切断予定線に沿って改質ライン20を形成する。改質ライン20は、第1の改質領域201と第2の改質領域202を有している。第1の改質領域201は、パルスレーザから照射されるパルスの単位面積当たりのエネルギ量が第2の改質領域202よりも大きくなるように形成される。エッチングステップでは、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14に対して形状切断線において切断されないようにしつつエッチング処理を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るための液晶パネル製造方法に関する。
一般的に、液晶パネルの製造時には、一組のガラス母材で同時に複数の液晶パネルを製造し、その後にガラス母材を単個の液晶パネルに分断するという手法(いわゆる多面取り)が広く採用されてきた。そして、ガラス母材を分断する際には、スクライブブレーク、レーザアブレーション加工、エッチング処理といった手法が用いられることが多かった。
ところが、スクライブブレークを採用した場合には、丸みを持った輪郭を有するパネルや切欠き部を備えたパネルといった矩形形状以外のパネルを形成することが困難であった。また、レーザアブレーション加工では、加工速度が遅かったり、アブレーションデブリによる汚損が生じたりするといった不具合が発生し易かった。さらに、エッチング処理では、アレイ基板の電極端子部をエッチング液から保護するために適切なマスキング処理を別途行う必要があるため、生産効率を向上させることが困難になることがあった。
そこで、従来技術の中には、カラーフィルタ基板に対する耐エッチング剤の塗布の際に電極端子部も同時にマスキングされるように工夫したエッチング処理を採用するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。このような構成を採用することにより、電極端子部の保護のために別途工程が必要になることがなく、また、電極端子部の保護が確実に行われる、とされていた。
特開2016−224201号公報
しかしながら、上述の従来技術においては、電極端子部の保護のための工程を独立して行う必要はなくなっているが、依然としてエッチング処理においてガラス母材に対するマスキング処理を行う必要があり、エッチング処理後にはこれを剥離する必要があった。また、ガラス母材の厚み方向に直交する方向に進行するサイドエッチングの影響を考慮して、ガラス母材において各液晶パネル間にスペースを設ける必要があるため、多面取り効率が悪くなることがあった。
本発明の目的は、エッチング処理に伴うマスキング処理を不要にし、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能な液晶パネル製造方法を提供することである。
本発明に係る液晶パネル製造方法は、アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るものである。この液晶パネル製造方法は、改質ライン形成ステップ、エッチングステップ、切断ステップを少なくとも含む。
改質ライン形成ステップでは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に対して、液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿って形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有するようにパルスレーザのビームによってアレイ基板およびカラーフィルタ基板の厚さ方向に沿って一定の間隔で複数のフィラメントが形成された改質ラインを形成する。また、改質ラインは、第1の改質領域および第2の改質領域を有している。第1の改質領域は、多面取り用ガラス母材の板厚方向の表層部において形成される領域である。第2の改質領域は、第1の改質領域よりも中央側において第1の改質領域に隣接するように形成される領域である。さらに、第1の改質領域は、パルスレーザから照射されるパルスの単位面積当たりのエネルギ量が第2の改質領域よりも大きい。改質ラインを形成するためのレーザ装置の代表例としては、ピコ秒レーザまたはフェムト秒レーザが挙げられる。また、改質ラインの幅は、概ね10μm以下に設定することが好ましい。第1の改質領域と第2の改質領域において、単位面積当たりのエネルギ量を調整する方法としては、パルスの持続時間の制御、パルスのスポット径の調整、パルスの形成間隔の調整等が挙げられる。
エッチングステップでは、アレイ基板およびカラーフィルタ基板に対して、形状切断予定線において切断されないようにしつつ、エッチング処理を行う。エッチング処理が進行するにつれて、形状切断予定線において切断溝等が厚み方向に貫通してしまうことがあるため、10μm/分以下の遅いエッチングレートにて形状切断予定線の状態を確認しつつエッチング処理を行うことが好ましい。
切断ステップでは、エッチング処理の後に、形状切断予定線において切断を行う。エッチング処理後には、形状切断予定線において実質的にほぼ切断された状態になっている。さらに、板厚方向の中央部には第1の改質領域が形成され、ガラス基板を切断し易くなっている。このため、わずかな機械的圧力や熱的応力を加えることによって完全な切断を実現することが可能である。例えば、微小な押圧力を加えたり、微小な超音波振動を与えたり、レーザ等による加熱処理をしたりすることによって、多面取り用ガラス母材を汚損することなく、完全な切断を実現することができる。
本発明においては、形状切断予定線を予め切断し易くした上でエッチング処理を行うため、形状切断予定線のみを選択的にエッチング処理するためのマスキング処理が不要になる。また、形状切断予定線が予め切断し易くなっているため、厚み方向全体をエッチング処理する場合に比較してエッチング量が著しく少なくて済むことから、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能になる。この結果、液晶パネルを近接配置した状態の多面取り用ガラス母材を用いることが可能となり面取り効率が向上する。さらに、切断ステップにおいて分断すべき領域の表層部のエネルギ密度を高めることにより、エッチング処理が進行しやすくなり、エッチング処理後の液晶パネルの端面が丸みを帯びた形状となる。このような形状にすることで、切断処理時に隣接する端面が接触することが抑制され、端面が傷つくことを防止することができる。
また、第1の改質領域は、フィラメントの形成密度が第2の改質領域よりも高いことが好ましい。フィラメントの形成密度は、レーザから照射されるパルスの形成ピッチによって決定されるが、パルスの形成ピッチは、レーザ装置の光学部材の設計によって適宜変更することが可能である。例えば、レーザ装置の集光レンズに表面の凹凸形状を調整したフレネルレンズを使用することで、フィラメントの形成間隔を狭め、第1の改質領域におけるエネルギ密度を高めることが可能となる。改質ラインにおけるフィラメントの形成ピッチは、例えば、1〜50μmの範囲で調整することが好ましい。
この発明によれば、液晶パネルの製造において、エッチング処理に伴うマスキング処理を不要にし、サイドエッチングの影響を最小限に抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る液晶パネルの概略構成を示す図である。 複数の液晶パネルを含む多面取り用ガラス母材の概略構成を示す図である。 多面取り用ガラス母材に対するレーザ加工の概略を示す図である。 形状切断予定線におけるフィラメントの形成について示す図である。 本発明に適用されるエッチング装置の一例を示す図である。 本発明に適用されるエッチング処理のバリエーションを示す図である。 エッチング処理された形状切断予定線の状態を示す図である。 多面取り用ガラス母材の分断処理の概略を示す図である。 液晶パネルの電極端子部を露出させる態様を示す図である。 液晶パネルの分断における他の実施形態を示す図である。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る液晶パネル10の概略構成を示している。同図に示すように、液晶パネル10は、それぞれの板厚が300〜500μm程度のアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14が液晶層を挟んで貼り合わされるように構成されている。アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の構成は、公知の構成と同様の構成が採用可能であるため、ここでは説明を省略する。
アレイ基板12は、カラーフィルタ基板14と貼り合わされる領域から延び出すように設けられた電極端子部122を有している。この電極端子部122には、複数の電気回路が接続され、液晶パネル10と、それらの電気回路とが筐体に収納されることによって、例えば、図1(B)に示すようなスマートフォン100が構成される。
続いて、液晶パネル10を製造する方法の一例について説明する。図2(A)および図2(B)に示すように、一般的に、液晶パネル10は、これを複数含んだ多面取り用ガラス母材50として製造され、多面取り用ガラス母材50を分断することによって、単個の液晶パネル10が得られる。この実施形態では、便宜上、6つの液晶パネル10が3行2列のマトリクス状に配置された多面取り用ガラス母材50に対する処理について説明するが、多面取り用ガラス母材50に含まれる液晶パネル10の数は適宜増減することが可能である。
多面取り用ガラス母材50は、まず、図3(A)〜図3(C)に示すように、液晶パネル10の形状(輪郭)に対応する形状切断予定線に沿って改質ライン20が形成される。この改質ライン20は、例えば、ピコ秒レーザ(波長515nm)またはフェムト秒レーザ(1030nm)等のパルスレーザから照射される光ビームパルス(ビーム径は1〜5μm程度)によって形成される複数のフィラメント層を配列したフィラメントアレイである。フィラメントは、レーザからのパルスビームによって改質された領域である。このようなフィラメント層を形成するためのレーザ装置としては、例えば特開2017-185547号公報に記載のレーザ装置を使用することができる。レーザ装置からの光ビームは、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板を含む範囲よりも深い焦点深度を備えている。このため、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板において液晶パネル10を分断するための改質ライン20が同時に形成される。
原則として、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の両方の基板を同時に1つのレーザによって処理することが可能であるが、これによって液晶層や液晶層を封止するためのシール材に不具合が生じる場合には、アレイ基板12側からアレイ基板12のみに改質ライン20を形成し、カラーフィルタ基板14側からカラーフィルタ基板14のみに改質ライン20を形成するようにすることで、液晶層への不具合の発生を抑制し易くなる。なお、形状切断予定線において、液晶パネルの貼り合わせに使用されるシール材24が存在する場合は、レーザからの熱影響によりシール材24に不具合が生じないように、レーザの出力や焦点距離を調整する。
改質ライン20は、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の形状切断予定線において板厚方向に沿って複数のフィラメント28が形成されている(図4(B)参照)。改質ライン20は、フィラメント28が一定の間隔でミシン目状に形成されることによって、多面取り用ガラス母材50における他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有している。フィラメント28は、図4(A)に示すように、パルスレーザから照射される複数のビームがガラス基板内で焦点を結ぶことによって形成される。パルスの出力エネルギは、ガラス基板の板厚や組成にもよるが、30〜300μmJの範囲で液晶層等に熱影響を及ぼさないように調整される。アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の板厚方向に沿って形成されるフィラメントの形成間隔は、レーザビームのパルスピッチによって決定される。パルスピッチは、焦点レンズやビームエキスパンダ等の光学要素の調整によって適宜変更することができ、改質ライン20を形成するためには、1〜30μmの範囲で調整することが好ましい。
改質ライン20は、第1の改質領域201と第2の改質領域202とを有している。第1の改質領域201は、アレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の板厚方向における表層部において形成される領域である。第2の改質領域202は、第1の改質領域201よりも中央側において第1の改質領域201に隣接するように形成される領域である。また、第1の改質領域201は、フィラメント28の形成密度が第2の改質領域202より高い領域である。第1の改質領域201におけるフィラメントの形成間隔は、1〜10μmの範囲で調整され、第2の改質領域202におけるフィラメントの形成間隔は、3〜30μmの範囲で調整されることが好ましい。
本実施形態では、フィラメント28の形成間隔を調整するために、図4(A)に示すように焦点レンズとしてフレネルレンズ40を使用した。フレネルレンズ40の凹凸の形成ピッチを調整することによって、第1の改質領域201におけるパルスの形成ピッチを第2の改質領域202におけるパルスの形成ピッチよりも狭めることが可能になる。フィラメント28の形成密度が高まることによって、結果として第1の改質領域201における単位面積当たりのエネルギ量(以下、エネルギ密度ともいう)が第2の改質領域202よりも高くなる。
板厚方向における第1の改質領域201の長さは、少なくとも第2の改質領域202よりも短くなるように形成される。第1の改質領域201の形成領域が大きくなると、表層部においてサイドエッチングが進行し、液晶パネル10の端面にテーパ幅が広がってしまうおそれがある。このため、エネルギ密度が高い第1の改質領域201の形成領域は、100μm以下にすることが好ましい。また、第2の改質領域202におけるエネルギ密度を低くすることによって、エッチングが急激に進行することを抑制することができる。エッチングステップでは、エッチング量のコントロールが重要になるが、エッチングが急激に進行するように改質されると、所望のエッチング量にコントロールすることが困難になる。エッチング量のコントロールを容易にするために、第2の改質領域202では、第1の改質領域201よりもエネルギ密度を低下させることが好ましい。さらに、第2の改質領域202のエネルギ密度を低くすることにより、シール材24に対する熱影響を防止することが可能となる。
また、本実施形態では、パルスの形成ピッチを制御することで、第1の改質領域201と第2の改質領域202におけるエネルギ密度の調整を行ったが、この他にもパルスのスポット径やパルスの持続時間等の調整を行うことで、板厚方向の任意の領域におけるエネルギ密度の調整を行うことが可能である。
改質ライン20の形成が終わると、図5に示すように、多面取り用ガラス母材50は、エッチング装置300に導入され、フッ酸および塩酸等を含むエッチング液によってエッチング処理が施される。エッチング装置300では、搬送ローラによって多面取り用ガラス母材50を搬送しつつ、エッチングチャンバ内で多面取り用ガラス母材50の片面または両面にエッチング液を接触させることによって、多面取り用ガラス母材50に対するエッチング処理が行われる。なお、エッチング装置300におけるエッチングチャンバの後段には、多面取り用ガラス母材50に付着したエッチング液を洗い流すための洗浄チャンバが設けられているため、多面取り用ガラス母材50はエッチング液が取り除かれた状態でエッチング装置300から排出される。
多面取り用ガラス母材50にエッチング液を接触させる手法の一例として、図6(A)に示すように、エッチング装置300の各エッチングチャンバ302において、多面取り用ガラス母材50に対してエッチング液をスプレイするスプレイエッチングが挙げられる。また、スプレイエッチングに代えて、図6(B)に示すように、オーバーフロー型のエッチングチャンバ304において、オーバーフローしたエッチング液に接触しながら多面取り用ガラス母材50が搬送される構成を採用することも可能である。
さらには、図6(C)に示すように、エッチング液が収納されたエッチング槽306に、キャリアに収納された単数または複数の多面取り用ガラス母材50を浸漬されるディップ式のエッチングを採用することも可能である。
いずれの場合であっても、エッチング処理中に、形状切断予定線が厚み方向に貫通して、多面取り用ガラス母材50を分断してしまわないようにすることが重要である。このため、エッチング処理中(特にエッチング処理の後半部分)においては、エッチングレートを遅くして、エッチング量を正確に制御する必要がある。この実施形態では、2重量%以下の薄いフッ酸によって、10μm/分以下の遅い速度にてエッチング処理が進行するようにしているが、この手法に限定されるものではない。
エッチング処理の全体においてエッチングレートを遅くするのではなく、当初は速めのエッチングレートを採用しつつ段階的に遅くしていくようにすれば、エッチング処理の時間を短縮することが可能である。例えば、エッチング装置300の後段に進むにつれてエッチング液におけるフッ酸濃度を1〜10重量%程度の範囲内で低下させるような構成を採用すると良い。
多面取り用ガラス母材50がエッチング装置300を通過すると、改質ライン20がエッチングされる。改質ライン20では、多面取り用ガラス母材50の他の箇所よりも速くエッチング液が浸透し、このラインに沿ってガラスが溶解されることによって、切断予定溝26が形成される。また、レーザ照射時においてアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の内部にキズ等が発生していた場合であっても、このキズが消失し易くなる。切断予定溝26は、通常のエッチングで形成される等方性の溝ではなく、幅方向に対して深さ方向のアスペクト比が大きくなる。このため、各液晶パネルが隣接するような多面取り用ガラス母材50であっても液晶パネル10に影響を与えることなく切断予定溝26を形成することができる。切断予定溝26は、アレイ基板12またはカラーフィルタ基板14において、板厚方向に完全に貫通してしまわないように形成される。この際、切断予定溝26の下部の板厚は、100μm以下になるように調整することが好ましい。エッチング未処理部の板厚が100μmを超えると、後述の切断ステップにおける分断が困難になることがある。
多面取り用ガラス母材50において、形状切断予定線は、切断予定溝26およびその下部に存在する改質領域20(第2の改質領域202の一部)によって分断が容易な状態となっている。このため形状切断予定線に対してわずかな機械的圧力を加えるだけで改質領域20に亀裂が生じ、多面取り用ガラス母材50を分割することができる。具体的には、多面取り用ガラス母材50に微小な押圧力を加えたり、微小な超音波振動を与えたり、フィルムによる引張力を利用したりすることによって分断することが可能である。本実施形態では、図8(A)に示すような押圧器具60を用いて液晶パネル10の分断を行った。押圧器具60は、棒状を呈しており、その先端部に球状の回転治具62を有している。回転治具62は、押圧器具60の先端部において回転自在に支持されている。押圧器具60を切断予定溝26に押し当てた状態で、切断予定線に沿って移動させることで、回転治具62が回転するように構成される。押圧器具60により、切断予定溝26の下部にある改質領域20に応力が加わると、亀裂が発生し、液晶パネル10を分断することができる。押圧器具60を用いることで、多面取り用ガラス母材50を汚損や、端面同士の接触を防止しつつ、液晶パネル10を分断することが可能である。
パルスレーザを照射する工程にて、カラーフィルタ基板14の表層側の第1の改質領域201においてエネルギ密度を高めることにより、表層部のエッチングが進行し易くなる。このため、液晶パネル10の主面と端面の交点が丸みを帯びた形状となる。また、サイドエッチングも進行することで、隣接するパネルとの離間距離も大きくなる。図8(B)に示すように、押圧器具60をカラーフィルタ基板14の主面に押し当てると、分断時に隣接するカラーフィルタ基板14の表層側の端面同士が接近する。この際、端面同士が接触してしまうと、カケ等の原因となってしまい、液晶パネル10の強度が低下する。本実施形態では、エネルギ密度の高い第1の改質領域201を表層部に形成してからエッチング処理を行っているので、分断時において端面同士が接触しにくい形状を形成することができる。
続いて、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域を取り除くための切断処理について、図9(A)および図9(B)を用いて説明する。この実施形態では、スクライブホイール(ホイールカッタ)250によって、カラーフィルタ基板14におけるアレイ基板12の電極端子部122に対向する領域の内側を端子部切断予定線に沿って切断する。スクライブホイール250によってカラーフィルタ基板14には、端子部切断予定線に沿って端子部切断溝30が形成される。さらに、この端子部切断溝30に対して、押圧器具60等によって押圧力を加えることで、端子部切断溝30において、カラーフィルタ基板14を取り除くことができる。
この実施形態では、あえて、エッチング処理によって完全には多面取り用ガラス母材50を切断してしまわないため、エッチング中に分離された液晶パネル10端面どうしが衝突して破損するといった不具合の発生が防止される。また、エッチング処理後の不完全に切断された状態の多面取り用ガラス母材50のまま(大判の状態のまま)、運搬することも可能になる。さらに、エッチング液が電極端子部122に到達することがないため、耐エッチング性を備えたマスキング剤によって電極端子部を保護することが不要になる。また、液晶パネル10の端面における少なくとも中央部以外はエッチング処理が施されているため、レーザ加工のみで切断を行った場合に比較して液晶パネルの強度(例えば、曲げ強度)が高くなる。
図9(C)は、分断後の液晶パネル10の概略構成を示している。同図に示すように、液晶パネル10の端面は主面に対してほぼ直角になっている。例えば、それぞれが0.15mm〜0.25mm程度の板厚のアレイ基板12およびカラーフィルタ基板14の各端面に発生するテーパ幅(図9(C)におけるL1〜L3)を、50μm以下(多くは20〜35μm)に抑えることが可能である。
このように、液晶パネル10を製造するにあたって、サイドエッチングの影響がほとんど発生しないため、液晶パネル10どうしを近接配置した多面取り用ガラス母材50の設計することができる。例えば、レーザ幅2μm+αで合計10μm程度の隙間があれば、多面取り用ガラス母材50を適正に単個の液晶パネル10に分離することが可能である。また、液晶パネルの形状は本実施形態のものには限定されず、例えば、切欠き部を有するもの等も対応することが可能である。
また、上述の実施形態では、多面取り用ガラス母材50から液晶パネル10を分断した後に、電極端子部122と対向する領域におけるカラーフィルタ基板14の除去を行ったが、カラーフィルタ基板14の切断は、任意のタイミングで行うことが可能である。例えば、図10(A)および図10(B)に示すようにエッチング処理後の多面取り用ガラス母材50に対して、スクライブホイール250を用いて、端子部切断予定線に沿って端子切断溝30を形成する。そして、図10(C)に示すように、形状切断予定線に沿って液晶パネル10を分断する際に、形状切断予定線だけではなく端子切断溝30に対しても押圧力を加えることで、液晶パネル10の分断と電極端子部の加工を同時に行うことができる。また、端子切断溝30を一旦形成すれば、液晶パネル10の分断と同時でなくても、例えば後工程の任意のタイミングでカラーフィルタ基板14を除去することができる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10−液晶パネル
12−アレイ基板
14−カラーフィルタ基板
20−改質ライン
30−端子切断溝
40−フレネルレンズ
50−多面取り用ガラス母材
100−スマートフォン
122−電極端子部
201−第1の改質領域
202−第2の改質領域
250−スクライブホイール
300−エッチング装置
302,304−エッチングチャンバ
306−エッチング槽

Claims (2)

  1. アレイ基板およびカラーフィルタ基板を貼り合せてなる液晶パネルを多面取りするための多面取り用ガラス母材から所定形状の液晶パネルを複数得るための液晶パネル製造方法であって、
    前記アレイ基板および前記カラーフィルタ基板に対して、液晶パネルの形状に対応する形状切断予定線に沿って形成される改質ラインであって、他の箇所よりもエッチングされ易い性質を有するようにパルスレーザのビームによって前記アレイ基板およびカラーフィルタ基板の厚さ方向に沿って一定の間隔で複数のフィラメントが形成された改質ラインを形成する改質ライン形成ステップと、
    前記アレイ基板および前記カラーフィルタ基板に対して、前記形状切断予定線において切断されないようにしつつ、エッチング処理を行うエッチングステップと、
    エッチング処理の後に、前記形状切断予定線において切断を行う切断ステップと、
    を少なくとも含む液晶パネル製造方法であって、
    前記改質ラインは、前記多面取り用ガラス母材の板厚方向の表層部において形成される第1の改質領域と、前記第1の改質領域よりも中央側において前記第1の改質領域に隣接するように形成される第2の改質領域と、を有しており、前記第1の改質領域は、前記パルスレーザから照射されるパルスの単位面積当たりのエネルギ量が前記第2の改質領域よりも大きいことを特徴とする液晶パネル製造方法。
  2. 前記第1の改質領域は、フィラメントの形成密度が前記第2の改質領域よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の液晶パネル製造方法。
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