JP2021004647A - 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 - Google Patents

真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、難燃性を有するとともに、良好な断熱性能を維持できる真空断熱材を製造可能な真空断熱材用外包材、およびそれを用いた真空断熱材ならびに真空断熱材付き物品を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示は、ガスバリア層と、前記ガスバリア層の一方の主面側に配置された熱溶着可能なフィルムと、ガスバリア層の他方の主面側に配置された難燃層とを有する真空断熱材用外包材であって、難燃層は、リン又は臭素を含む化合物と、樹脂成分とを含有し、真空断熱材用外包材の全体厚みに対する、難燃層の厚み比が、0.2以上0.4以下である、真空断熱材用外包材を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1

Description

本開示は、真空断熱材を形成可能な真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品に関するものである。
近年、物品の省エネルギー化を目的として、真空断熱材が用いられている。真空断熱材は、外包材の袋体内に芯材が配置され、上記袋体内が大気圧よりも圧力が低い真空状態に保持されている部材であり、内部の熱対流が抑制されるため、良好な断熱性能を発揮することができる。なお、真空断熱材に用いられる上記外包材のことを、真空断熱材用外包材、または単に外包材と称して説明する。
近年、真空断熱材には難燃性が必要とされる場合があり、例えば特許文献1では、芯材とラミネート構造を有する外被材とを備え、外被材が、熱融着層と、融点200℃以上の自己消火性フィルムとを有する真空断熱材が開示されている。
特開2005−114013号公報
真空断熱材には難燃性が必要とされる場合があるが、鉄道、航空機、住宅等のより高い難燃性が必要とされる用途に対しては、さらなる難燃性が求められる場合がある。
また、真空断熱材の製造時や使用時に真空断熱材用外包材が折り曲げられることがある。良好な断熱性能を維持可能な真空断熱材とするためには、真空断熱材用外包材は、折り曲げられた場合であっても、優れたガスバリア性能を有することが求められる。
本開示は、難燃性を有するとともに、良好な断熱性能を維持できる真空断熱材に用いることができる真空断熱材用外包材、およびそれを用いた真空断熱材ならびに真空断熱材付き物品を提供することを主目的とする。
本開示は、ガスバリア層と、上記ガスバリア層の一方の主面側に配置された熱溶着可能なフィルムと、上記ガスバリア層の他方の主面側に配置された難燃層とを有する真空断熱材用外包材であって、上記難燃層は、リン又は臭素を含む化合物と、樹脂成分とを含有し、上記真空断熱材用外包材の全体厚みに対する、上記難燃層の厚み比が、0.2以上0.4以下である、真空断熱材用外包材を提供する。
また、本開示は、芯材と、上記芯材が封入された外包材とを有する真空断熱材であって、上記外包材が、上述した真空断熱用外包材である、真空断熱材を提供する。
また、本開示は、熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、上記真空断熱材は、芯材と、上記芯材が封入された外包材とを有し、上記外包材が、上述した真空断熱用外包材である、真空断熱材付き物品を提供する。
本開示によれば、難燃性を有するとともに、優れたガスバリア性能を有する真空断熱材用外包材を提供することができるため、優れた難燃性かつ良好な断熱性能を維持できる真空断熱材を提供することができる。
本開示の真空断熱材用外包材の一例を示す概略断面図である。 本開示の真空断熱材の一例を示す概略斜視図および断面図である。 実施例、比較例の外包材の屈曲処理後の酸素透過度及び水蒸気透過度の測定結果を示すグラフである。
本開示は、真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品を実施態様に含む。以下、本開示の実施態様を、図面等を参照しながら説明する。
但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
また、本明細書において、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の構成の直上(又は直下)にある場合のみでなく、他の構成の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の構成の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
以下、本開示の真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品について、それぞれ説明する。
A.真空断熱材用外包材
本開示の真空断熱材用外包材は、ガスバリア層と、上記ガスバリア層の一方の主面側に配置された熱溶着可能なフィルムと、上記ガスバリア層の他方の主面側に配置された難燃層とを有する真空断熱材用外包材であって、上記難燃層は、リン又は臭素を含む化合物と、樹脂成分とを含有し、上記真空断熱材用外包材の全体厚みに対する、上記難燃層の厚み比が、0.2以上0.4以下である、真空断熱材用外包材である。
本発明者らは、従来の難燃性を有する真空断熱材用外包材は、真空断熱材に用いた場合にガスバリア性能が低下し、真空断熱材が良好な断熱性能を維持することができないことを知見した。
さらに、本発明者らは、従来の難燃性を有する真空断熱材用外包材のガスバリア性能の低下は、難燃層の剛性が比較的高いことから、真空断熱材外包材に難燃層を配置した場合、真空断熱材用外包材全体の可撓性が不十分となるため、真空断熱材用外包材の芯材の角部に相当する部分や、真空断熱材用外包材のヒートシール部の折畳み部分等の一定の歪で屈曲される部分において、ガスバリア層に強い応力がかかり、ガスバリア層の破壊が生じる可能性が生じ、充分な断熱性が得られない場合があることを知見した。
このような観点から鋭意検討した結果、リン又は臭素を含む化合物と、樹脂成分とを含有する難燃層を使用し、真空断熱材用外包材の全体厚みに対する難燃層の厚み比を0.2以上0.4以下とすることで、真空断熱材用外包材が難燃性を有するとともに、十分な可撓性を有することで、優れたガスバリア性能を維持した真空断熱材用外包材とするものである。
図1は、本開示の真空断熱材用外包材の一例を示す概略断面図である。この例の真空断熱材用外包材10は、熱溶着可能なフィルム1、上記熱溶着可能なフィルム1の一方の面に配置されたガスバリア層2、および上記ガスバリア層2の上記熱溶着可能なフィルム1とは反対側の面に配置された難燃層3と、を有するものであり、この例におけるガスバリア層2は、樹脂基材2aの主面に形成されたガスバリア膜2bを有するものである。
上記難燃層は、リン又は臭素を含む化合物と、樹脂成分とを含有し、真空断熱材用外包材の全体厚みに対する難燃層の厚み比(難燃層厚み/外包材全体厚み)が、0.2以上0.4以下である。
本開示の真空断熱材用外包材によれば、難燃層の厚み比が、真空断熱材用外包材の全体厚みに対して0.2以上であるため、優れた難燃性を有するものとなる。また、難燃層の厚み比が、真空断熱材用外包材の全体厚みに対して0.4以下であるため、外包材を屈曲させた際にガスバリア層にかかる剪断応力を抑えることが可能となり、ガスバリア層にクラック等が生じることを抑えることが可能となる。そのため、特に、上記真空断熱材用外包材の芯材の角部に相当する部分や、真空断熱材用外包材のヒートシール部の折畳み部分に対応する屈曲部でのガスバリア層の破壊が生じにくく、ガスバリア性能が良好に保たれる。即ち、耐屈曲性に優れた外包材となる。
さらに、本開示の真空断熱材用外包材は、真空断熱材用外包材の全体厚みに対する難燃層の厚み比が0.4以下であるため、良好な可撓性を有するものとなることから、真空断熱材を装置等に沿わせる目的等で婉曲させることも容易である。更に、真空断熱材製造時の耳折り作業が容易となり、生産性に優れる。
以下、本開示における真空断熱材用外包材の各構成について、詳細に説明する。
1.難燃層
本開示における難燃層は、本開示の外包材におけるガスバリア層の熱溶着可能なフィルムが形成された主面とは反対側の主面に配置されるものであり、本開示の外包材の熱溶着可能なフィルム側とは反対側の最外層に配置されるものである。
難燃層は、難燃材としてリン元素又は臭素元素を含む化合物、及び樹脂成分を含有する。リン元素を含む化合物(リン系難燃材)としては、ファイヤガードFCX−210(帝人株式会社製)、ノーバレッド(燐化学工業株式会社製)、タイエンK(太平化学産業株式会社)、ヒシガード(日本化学工業株式会社製)が挙げられる。臭素元素を含む化合物(臭素系難燃材)としては、ファイヤガードFG(帝人株式会社製)が挙げられる。
リン元素は、内包される難燃層中の炭素元素、酸素元素、リン元素の合計量に対し、4質量%以上含まれることが好ましい。上記含有量以上であれば、十分な難燃性を得られるからである。また、同様に、臭素元素も、内包される難燃層中の炭素元素、酸素元素、臭素元素の合計量に対し、4質量%以上含まれることが好ましい。
リン元素、臭素元素の存在やその含有量は、蛍光X線分析(XRF)によって特定することができる。蛍光X線分析装置としては、例えば、波長分散型蛍光X線分析装置RIX−3100(Rigaku製)が挙げられる。
難燃材としては、特に、リン系難燃材が好ましい。リン系難燃材は、高温分解時に有害ガスを発生する恐れがないノンハロゲン系であり、また、他の難燃材と比較してより高い難燃性を発現できるためである。さらには、難燃材の構造に自由度が高く、幅広い樹脂種に適用可能である。
難燃層は、樹脂成分として、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、及びポリアミド樹脂のいずれか1以上または2以上を含むことが好ましい。これらの樹脂は、極性基を有することで、難燃成分との結合力向上、ひいては濃度向上が見込めるためである。本開示においては、中でもポリエステル樹脂が好ましく、特に、機械的特性、加工性、および耐熱性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリエチレンナフタレート樹脂が好ましい。
本開示における難燃層は、UL94規格において、VTM−2以上、好ましくはVTM−1以上、より好ましくはVTM−0以上の難燃性を有するものとすることができる。
上記難燃層としては、具体的には、難燃性ポリエチレンテレフタレートフィルム(テイジンテトロンUF 帝人デュポンフィルム(株))並びに難燃性ポリエチレンナフタレートフィルム(テオネックスQF 帝人デュポンフィルム(株))が挙げられる。
本開示における難燃層は、引張弾性率が1.0GPa以上5.0GPa以下、特に、2.0GPa以上4.5GPa以下であることが好ましい。
このような引張弾性率の範囲を有する難燃層であれば、外包材全体の可撓性を考慮した場合に、より優れたガスバリア性能を有する外包材とすることができる。
引張弾性率の測定方法は、JIS K7161−1:2014(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)に準拠し、難燃層を幅15mmの長方形にカットしてサンプルを採取した後、引張試験機を用いて、チャック間距離100mm、引張速度100mm/min、予備力の使用有り、の条件で、引張弾性率を測定する方法を用いる。測定環境は23℃、湿度55%の環境とすることができる。サンプルの長さは、試験機の軸にサンプルの長さが一致するようにつかみ具を取り付けられかつ測定中につかみ部分がずれない範囲で決定し、例えば120mm程度である。引張試験機は、インストロン5565(インストロン・ジャパン社製)が好ましい。予備力は、例えば、応力をσ0、弾性率をEtとして(予備力のための適切な弾性率や応力が不明なときは事前に試験をして弾性率や応力の予測値を求めておく)、(Et/10000)≦σ0≦(Et/3000)の範囲である。1つの条件では少なくとも5つのサンプルを測定し、それらの測定値の平均をその条件の引張弾性率の値とすることができる。なお、引張弾性率の値は難燃層面内の方向によって異なる場合があるので、面内平均値の使用が好ましい。難燃層の面内方向の条件を概ね22.5度ずつ変えて採取した8つの条件の値の平均を面内平均値とみなすことができる。上記引張試験機としては、例えば、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いることができる。
本開示においては、真空断熱材用外包材の全体厚みに対する難燃層の厚み比が0.2以上0.4以下であり、好ましくは、0.25以上0.4以下、特に好ましくは、0.3以上0.35以下である。
真空断熱材用外包材の全体厚みに対する難燃層の厚み比が0.2未満だと、難燃層の厚み割合が小さく、難燃層以外の可燃層の厚み割合が大きくなるため、難燃性が不十分となる。一方で、難燃層の厚み比が0.4を超えると、外包材の可撓性が不十分となり、特に屈曲部においてガスバリア層の破壊が生じやすく、優れたガスバリア性能を得ることができない。
本開示における難燃層の具体的厚さとしては、例えば、25μm以上70μm以下、好ましくは、35μm以上60μm以下である。
本開示の真空断熱材用外包材は、難燃層を1層又は2層以上有していてもよい。難燃層を2層以上有する場合、各難燃層は、同一組成であってもよいし、異なる組成でもよい。
なお、外包材が難燃層を2層以上有する場合、上記難燃層の厚みは、難燃層全体での厚みをいう。
2.ガスバリア層
本開示におけるガスバリア層は、熱溶着可能なフィルムの一方の面側に配置される。ガスバリア層としては、酸素や水蒸気等のガスに対するガスバリア性能を発揮可能な層であれば特に限定されず、例えば、金属箔や、樹脂基材および上記樹脂基材の一方の面上に配置されたガスバリア膜を有するガスバリアフィルム等を挙げることができるが、本開示においては、薄厚でも高いガスバリア性能を発揮することが可能であり、ヒートブリッジが生じにくい点から、上記ガスバリアフィルムが好ましい。また、ガスバリアフィルムは、金属箔よりも屈曲性が良好であるため、真空断熱材を形成する際に欠陥が生じにくく、欠陥発生によるガスバリア性能の低下が生じにくいために好ましい。
上記金属箔としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタン等が挙げられる。
上記ガスバリア膜としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタン等の金属または合金で形成された金属薄膜;ケイ素(シリカ)、アルミニウム、ステンレス、チタン、ニッケル、鉄、銅、マグネシウム、カルシウム、カリウム、錫、ナトリウム、ホウ素、鉛、亜鉛、ジルコニウム、イットリウム等の化合物で形成された無機化合物膜;M−O−P結合(ここで、Mは金属原子を示し、Oは酸素原子を示し、Pはリン原子を示す。)を有する膜;ポリカルボン酸系重合体の多価金属塩を含む膜;金属元素と酸素元素と親水基含有樹脂とを含有する混合化合物膜等が挙げられる。上記ガスバリア膜は、通常、樹脂基材の少なくとも一方の面と直接接するように形成される。また、上記ガスバリア膜は、コーティング等による塗布膜であっても良く、蒸着膜であってもよい。
ガスバリア膜の厚みとしては例えば、5nm以上500nm以下の範囲内とすることができ、中でも10nm以上400nm以下の範囲内とすることができる。ガスバリア膜は、少なくとも樹脂基材の片面に配置されていればよく、樹脂基材の両面にそれぞれ配置されていてもよい。
上記樹脂基材としては、ガスバリア膜を支持することができれば特に限定されず、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン等の公知の樹脂フィルムが挙げられる。本開示においては、中でもポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
上記樹脂基材の厚みは、ガスバリア膜を支持することが可能であれば特に限定されないが、例えば6μm以上200μm以下の範囲内とすることができ、好ましくは9μm以上100μm以下の範囲内である。
本開示におけるガスバリア層としては、上記樹脂基材およびガスバリア膜を有するガスバリアフィルムが好ましく、中でもガスバリア膜が金属であるものが好ましい。この場合、金属としては、アルミニウムを用いたものが特に好ましい。
本開示の真空断熱材用外包材は、ガスバリア層を少なくとも1層有していればよいが、2層以上有していることが好ましく、特に、ガスバリア層を3層有することが好ましい。また、本開示の真空断熱材用外包材が有する複数のガスバリア層は、同じであってもよく、種類や層構成、材質等が異なってもよい。
3.熱溶着可能なフィルム
本開示における熱溶着可能なフィルムは、加熱により溶着可能なフィルムである。上記熱溶着可能なフィルムは、本開示の真空断熱材用外包材の厚み方向において一方の最外層となり、一方の最外面を担う部材である。
また、上記熱溶着可能なフィルムは、本開示の真空断熱材用外包材を用いて真空断熱材を作製する際に芯材と接し、また、芯材を封止する際に、対向する真空断熱材用外包材同士の端部を接合する部材である。
上記熱溶着可能なフィルムとしては、加熱によって溶融し、融着することが可能な樹脂フィルムを用いることができる。このような樹脂フィルムとしては、例えば、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等
のポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリ酢酸ビニル系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等が挙げられる。
上記熱溶着可能なフィルムには、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、充填剤等の他の材料が含まれていてもよい。
上記熱溶着可能なフィルムの厚みは、外包材の全体厚みに対する上記難燃層の厚み比を上記範囲内とすることが可能であり、かつ、対向する真空断熱材用外包材同士を接合したときに所望の接着力を得ることが出来る厚みであれば特に限定されず、例えば、20μm以上100μm以下の範囲内、好ましくは、25μm以上60μm以下の範囲内、より好ましくは30μm以上50μm以下の範囲内とすることができる。熱溶着可能なフィルムの厚みを上記の範囲内とすることで、外包材のガスバリア性の低下を抑制し、また、真空断熱材の製造に際し、2枚の外包材を接合する際に、所望の接着力を得ることができる。
上記熱溶着可能なフィルムの引張弾性率は、0.05GPa以上2GPa以下であることが好ましい。このような引張弾性率の範囲を有する熱溶着可能なフィルムであれば、外包材全体の可撓性を考慮した場合、優れたガスバリア性能を有する真空断熱材用外包材とすることができるからである。なお、熱溶着可能なフィルムの引張弾性率の測定方法は、上述した難燃層のものと同様の方法を用いることができる。
上記熱溶着可能なフィルムの融点は、材料にもよるが、50℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上、特に好ましくは145℃以上である。また、上記融点は、300℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは290℃以下、より好ましくは280℃以下である。
融点は示差走査熱量計を用いてJIS K7121:2012(プラスチックの転移温度測定方法)に準じて求めた値とする。具体的には、外包材から熱溶着可能なフィルムの試料を採取し、試料約10mgをアルミニウム製セルに入れ、窒素雰囲気下で加熱速度10℃/分で20℃から融点より十分高い温度(例えば330℃)まで昇温し、その到達温度で10分間保持した後、冷却速度10℃/分で20℃まで冷却する。この昇温の際に観測されるピークのオンセット温度を求め、これを融点とする。示差走査熱量計は、上市されているものから選択することができ、例えばNETZSCH製「DSC204」を用いることができる。
4.任意の構成
本開示の真空断熱材用外包材は、接着剤層を有していてもよい。上記接着剤層は、例えば熱溶着可能なフィルムとガスバリア層との間、2つのガスバリア層の間、ガスバリア層と難燃層との間等に位置することができる。上記接着剤層の材料としては、従来公知の感圧性接着剤、熱可塑性接着剤、硬化性接着剤等を用いることができる。
5.その他
本開示の外包材の全体厚みは、難燃層の厚み比を上記範囲内とすることが可能であれば特に限定されず、例えば90μm以上200μm以下の範囲内、好ましくは100μm以上150μm以下の範囲内とすることができる。
本開示の外包材は、引張弾性率が、例えば1.5GPa以上5GPa以下の範囲内、好ましくは2GPa以上4GPa以下の範囲内とすることができる。
引張弾性率の測定方法は、JIS K7161−1:2014(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)に準拠し、外包材を幅15mmの長方形にカットしてサンプルを採取した後、引張試験機を用いて、チャック間距離100mm、引張速度100mm/min、予備力の使用有り、の条件で、引張弾性率を測定する方法を用いる。測定環境は23℃、湿度55%の環境とすることができる。サンプルの長さは、試験機の軸にサンプルの長さが一致するようにつかみ具を取り付けられかつ測定中につかみ部分がずれない範囲で決定し、例えば120mm程度である。引張試験機は、インストロン5565(インストロン・ジャパン社製)が好ましい。予備力は、例えば、応力をσ0、弾性率をEtとして(予備力のための適切な弾性率や応力が不明なときは事前に試験をして弾性率や応力の予測値を求めておく)、(Et/10000)≦σ0≦(Et/3000)の範囲である。1つの条件では少なくとも5つのサンプルを測定し、それらの測定値の平均をその条件の引張弾性率の値とすることができる。なお、引張弾性率の値は外包材面内の方向によって異なる場合があるので、面内平均値の使用が好ましい。外包材の面内方向の条件を概ね22.5度ずつ変えて採取した8つの条件の値の平均を面内平均値とみなすことができる。上記引張試験機としては、例えば、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いることができる。
また、本開示の外包材の引張弾性率(E)と厚み(t)の積値(E×t)は、250N/mm以上650N/mm以下となることが好ましい。
本開示の外包材は、優れたガスバリア性能を有する。ガスバリア性能とは、酸素透過度で規定される酸素バリア性能、水蒸気透過度で規定される水蒸気バリア性能をいう。
本開示の外包材の酸素透過度は、低いほど好ましく、例えば、0.5cc/(m・day・atm)以下であることが好ましく、中でも0.1cc/(m・day・atm)以下であることがより好ましい。
酸素透過度は、JIS K7126−2:2006(プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第2部:等圧法、付属書A:電解センサ法による酸素ガス透過度の試験方法)を参考に、酸素ガス透過度測定装置を用いて、温度23℃、湿度60%RHの条件で測定することができる。酸素ガス透過度測定装置としては、例えば、米国MOCON社製の「OXTRAN」を用いることができる。測定は、所望のサイズに切り取った外包材の、厚み方向に対向する2つの最外面を担う層のうち、一方の最外層である熱溶着可能なフィルムとは反対側の最外層の表面が酸素ガスに接するようにして上記装置内に装着し、透過面積約50cm(透過領域:直径8cmの円形)として、キャリアガスおよび試験ガスの状態を温度23℃、湿度60%RHの条件として測定を行う。上記測定の際、上記装置内にキャリアガスを流量10cc/分で60分以上供給してパージする。上記キャリアガスは5%程度水素を含む窒素ガスを用いることができる。パージ後、上記装置内に試験ガスを流し、流し始めてから平衡状態に達するまでの時間として12時間を確保した後に測定する。試験ガスは少なくとも99.5%の乾燥酸素を用いる。酸素透過度の測定は、1つの条件で少なくとも3つのサンプルについて行い、それらの測定値の平均をその条件での酸素透過度の値とする。
また、本開示の外包材の水蒸気透過度は、低いほど好ましく、例えば、0.5g/(m・day)以下であることが好ましく、中でも0.1g/(m・day)以下、特に 0.05 g/(m・day)以下であることが好ましい。水蒸気透過度は、ISO 15106−5:2015(差圧法)に準拠して、温度40℃、相対湿度差90%RHの条件で測定した値とすることができる。
水蒸気透過度の測定は、以下の手順で行うことができる。まず、所望のサイズに切り取った外包材のサンプルを、厚み方向(積層方向)において対向する最表面のうち、一方の最表面層である熱溶着可能なフィルムと反対側に位置する最表面層が高湿度側(水蒸気供給側)となるようにして、上記装置の上室と下室との間に装着し、透過面積約50cm(透過領域:直径8cmの円形)として温度40℃、相対湿度差90%RHの条件で測定を行う。水蒸気透過度測定装置は、例えば、英国Technolox社製の「DELTAPERM」を用いることができる。
本開示の外包材の製造方法としては、例えば、予め製造した各フィルムを上述した接着層を介して貼り合せる方法が挙げられる。また、熱溶融させた各フィルムの原材料をTダイ等で順次押出しして積層することで、本開示の外包材を製造してもよい。
本開示の外包材は、真空断熱材に用いることができる。真空断熱材において、本開示の外包材は、熱溶着可能なフィルムが芯材側となるようにして、芯材を介して対向して配置して用いることができる。
B.真空断熱材
本開示の真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する外包材とを有する真空断熱材であって、上記外包材が上述した「A.真空断熱材用外包材」の項で説明したものであることを特徴とするものである。
図2(a)は本開示の真空断熱材の一例を示す概略斜視図、図2(b)は図2(a)のX−X断面図である。図2に例示する真空断熱材20は、芯材11と、芯材11を封入する外包材10とを有し、外包材10が、図1で説明した真空断熱材用外包材である。真空断熱材20は、2枚の外包材10が、それぞれの熱溶着可能なフィルムが向き合うように対向し、端部12が熱溶着により接合された袋体となっており、袋体の中に芯材11が封入され、袋体内部が減圧されている。
本開示によれば、芯材を封入する外包材が、上述した「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した真空断熱材用外包材であることで、良好な断熱性能を維持することができる。
以下、本開示の真空断熱材について、構成ごとに説明する。
1.外包材
本開示における外包材は、芯材を封入する部材であり、上述の「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した真空断熱材用外包材と同じであるため、ここでの説明は省略する。
2.芯材
本開示における芯材は、外包材により封入される部材である。なお、封入されるとは、外包材を用いて形成された袋体の内部に密封されることをいうものである。
芯材は、熱伝導率が低いことが好ましい。また、芯材は、空隙率が50%以上、特に90%以上の多孔質材とすることができる。
芯材を構成する材料としては、粉体、発泡体、繊維体等を用いることができる。上記粉体は、無機系、有機系のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。
芯材は、上述した材料を単独で使用してもよく、2種以上の材料を混合した複合材であってもよい。
3.真空断熱材
本開示の真空断熱材は、外包材の内部に芯材が封入され、上記内部が減圧されて真空状態となっている。真空断熱材内部の真空度は、例えば5Pa以下であることが好ましい。内部に残存する空気の対流による熱伝導を低くすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となるからである。
真空断熱材の熱伝導率は低い程好ましく、例えば熱伝導率(初期熱伝導率)が5mW/(mK)以下であることが好ましい。真空断熱材が熱を外部に伝導しにくくなり、高い断熱効果を奏することができるからである。中でも上記初期熱伝導率は、4mW/(mK)以下であることがより好ましく、3mW/(mK)以下であることがさらに好ましい。熱伝導率は、JIS A1412−2:1999に準拠し、高温側30℃、低温側10℃、平均温度20℃の条件で測定した値とすることができる。
また、本開示の真空断熱材は、上述の外包材を用いたものであるため、断熱性能の劣化が抑制される。
4.その他
本開示の真空断熱材の製造方法は、一般的な方法を用いることができる。例えば、上述した「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した真空断熱材用外包材を2枚準備し、それぞれの熱溶着可能なフィルム同士を向き合わせて重ね、三辺の外縁を熱溶着し、一辺が開口する袋体を得る。この袋体に、開口から芯材を入れた後、上記開口から空気を吸引し、袋体の内部が減圧された状態で開口を封止することで、真空断熱材を得ることができる。
本開示の真空断熱材は、例えば、熱絶性を要する物品に用いることができる。上記物品については後述する。
C.真空断熱材付き物品
本開示の真空断熱材付き物品は、熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、上記真空断熱材が、芯材と、芯材が封入された外包材とを有し、上記外包材が、上述の「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した真空断熱材用外包材である。
本開示によれば、物品に用いられる真空断熱材が「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した外包材により構成されており、真空断熱材を製造し、使用する過程で、外包材に屈曲部分が生じる場合であっても、上記屈曲部分でのガスバリア性能の劣化を抑制することができる。このため、真空断熱材が、長期間、良好な断熱性能を発揮することができ、物品がこのような真空断熱材を備えることで、高温高湿環境となる物品や物品が用いられる対象物の省エネルギー化を達成することができる。
本開示における真空断熱材、およびそれに用いられる外包材については、上述した「B.真空断熱材」および「A.真空断熱材用外包材」の項で詳細に説明したため、ここでの説明は省略する。
本開示における物品は、熱絶縁領域を有する。ここで上記熱絶縁領域とは、真空断熱材により熱絶縁された領域であり、例えば、保温や保冷された領域、熱源や冷却源を取り囲んでいる領域、熱源や冷却源から隔離されている領域である。これらの領域は、空間であっても物体であってもよい。上記物品として、例えば、車両、航空機、船舶等の乗り物、家屋、倉庫等の建築物、壁材、床材、扉等の建築資材、冷蔵庫、冷凍庫、保温器、保冷器等の電気機器、保温容器、保冷容器、輸送容器、コンテナ、貯蔵容器等の容器等が挙げられる。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[材料]
実施例および比較例の真空断熱材用外包材を構成する部材を、以下および表1に示す。
(難燃層)
・難燃PET25:
テイジンテトロンUF(リン元素を含有するポリエチレンテレフタレートフィルム、帝人デュポンフィルム(株)製、UL94規格においてVTM−0、白色、比重1.25g/cm、引張弾性率3.7GPa、厚み25μm)
・難燃PET38:
テイジンテトロンUF(リン元素を含有するポリエチレンテレフタレートフィルム、帝人デュポンフィルム(株)製、UL94規格においてVTM−0、白色、比重1.25g/cm、引張弾性率3.8GPa、厚み38μm)
・難燃PET50:
テイジンテトロンUF(リン元素を含有するポリエチレンテレフタレートフィルム、帝人デュポンフィルム(株)製、UL94規格においてVTM−0、白色、比重1.25g/cm、引張弾性率4.0GPa、厚み50μm)
(ガスバリア層)
・ガスバリアフィルムA:
片面に透明ガスバリア膜を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社クラレ製 クラリスタCF、厚み12μm)
・ガスバリアフィルムB:
片面にアルミニウム膜(Al膜)が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルム(東レフィルム加工株式会社製 VM−PET1519、厚み12μm)
・ガスバリアフィルムC:
金属アルミニウム(Al)膜が片面に蒸着されたエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム(クラレ社製 VMXL、厚み12μm)
(熱溶着可能なフィルム)
・熱溶着可能なフィルムA:直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製 TUX HC−E、厚み50μm)
[実施例1]
難燃PETフィルム25を難燃層として、難燃PETフィルム25、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[実施例2]
難燃PETフィルム38を難燃層として、難燃PETフィルム38、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[実施例3]
難燃PETフィルム50を難燃層として、難燃PETフィルム50、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[実施例4]
難燃PETフィルム38及び難燃PETフィルム25を難燃層として、難燃PETフィルム38、難燃PETフィルム25、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[比較例1]
ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[比較例2]
難燃PETフィルム50及び難燃PETフィルム25を難燃層として、難燃PETフィルム50、難燃PETフィルム25、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[比較例3]
難燃PETフィルム38及び難燃PETフィルム50を難燃層として、難燃PETフィルム38、難燃PETフィルム50、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
[比較例4]
難燃PETフィルム50及び難燃PETフィルム50を難燃層として、難燃PETフィルム50、難燃PETフィルム50、ガスバリアフィルムA、ガスバリアフィルムB、ガスバリアフィルムCおよび熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する真空断熱材用外包材を得た。ガスバリアフィルムAは、PETフィルムよりもガスバリア膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。ガスバリアフィルムBは、PETフィルムよりも金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムC側となるように配置した。ガスバリアフィルムCは、EVOHフィルムより金属アルミニウム膜がガスバリアフィルムB側となるように配置した。
上記実施例、比較例において、各フィルムは、接着剤層で接合した。接着剤層を形成するための接着剤は、ポリエステルポリオールを主成分とする主剤(ロックペイント社製 製品名:RU−77T)、脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤(ロックペイント社製 製品名:H−7)、および酢酸エチルの溶剤が、重量配合比が主剤:硬化剤:溶剤=10:1:14となるように混合された、2液硬化型の接着剤を用いた。上述した接着剤を外側となる側のフィルムの一方の面に塗布量(固形分)3.5g/mとなるように塗布して接着剤層を形成し、接着剤層が形成された外側となる側のフィルムと内側となる側のフィルムとを接着剤層を間に挟んで加圧した。
[難燃層リン元素含有率]
難燃層中のリン元素含有量を、蛍光X線分析(XRF)により測定し、難燃層中のリン元素量の、炭素元素、酸素元素及びリン元素の合計量に対する比率(wt%)を算出した。
用いた蛍光X線分析装置は、波長分散型蛍光X線分析装置 RIX−3100(Rigaku製)であり、サンプルは、上記で積層した各真空断熱材用外包材から難燃層のみ剥がして準備した。難燃層が2層積層している実施例4、比較例2〜4については、(難燃層/接着層/難燃層)の状態で外包材から剥がし、測定した。今回示すリン元素含有量は、炭素元素と酸素元素およびリン元素中のリン元素の割合として算出した。
[難燃試験]
DIN4102 Class B2着火性試験を基準とし評価した。このうち表面接炎試験のみ実施した。合格相当を○、不合格を×とした。試験サンプルサイズは90mm×230mm、接炎時間は15秒で、接炎開始から20秒以内での150mm標線への燃焼の到達有無で評価した。到達しない場合は〇、到達する場合は×とした。
結果を表2に示す。
[屈曲処理後のガスバリア性能試験]
実施例1〜4、比較例1〜4で得た各外包材について、幅210mm×長さ297mm(A4サイズ)の長方形の試験片(試験片数N=1)をそれぞれ採取した。ASTM F392に準拠して、各試験片に対してゲルボフレックステスター(テスター産業社製、機種名:BE1006)を用いて3回屈曲処理を行った。
3回屈曲処理後の各試験片について、上記「A.真空断熱材用外包材 V.特性」の項で説明した方法および条件により、温度23℃、湿度60%RHの条件での酸素透過度(屈曲処理後の酸素透過度)を測定した。結果を表2及び図3に示す。
3回屈曲処理後の各試験片について、水蒸気透過度(屈曲処理後の水蒸気透過度)の測定は、JIS K7129:2008(付属書B:赤外線センサ法、以下同様とする。)に準拠して、水蒸気透過度測定装置を用いて、温度40℃、相対湿度差90%RHの条件で測定した。水蒸気透過度の測定は以下の手順でおこなうことができる。屈曲処理後の各試験片を所望のサイズに切り出し、上記試験片を、難燃層の面が高湿度側(水蒸気供給側)となるように水蒸気透過度測定装置置に装着し、透過面積約50cm(透過領域:直径8cmの円形)として温度40℃、相対湿度差90%RHの条件で測定を行う。水蒸気透過度測定装置は、例えば、米国MOCON社製の「PERMATRAN」を用いることができる。水蒸気透過度の測定は、1つのガスバリアフィルムにつき、少なくとも3つの試験片に対して行い、それらの測定値の平均をその条件での水蒸気透過度の値とする。結果を表2及び図3に示す。
表2、図3に示されるように、本開示の外包材(実施例1〜4)は、難燃性を有するとともに、優れたガスバリア性能を有するものとなった。一方で、難燃層を有さない比較例1の外包材は、難燃性が劣るものとなった。また、全体厚みに対する難燃層の厚みが0.4を超える比較例2〜4の外包材は、屈曲処理後においてガスバリア性に劣るものとなった。
1 … 熱溶着可能なフィルム
2 … ガスバリア層
3 … 難燃層
10 … 真空断熱材用外包材
11 … 芯材
20 … 真空断熱材

Claims (4)

  1. ガスバリア層と、前記ガスバリア層の一方の主面側に配置された熱溶着可能なフィルム
    と、前記ガスバリア層の他方の主面側に配置された難燃層とを有する真空断熱材用外包材であって、
    前記難燃層は、リン又は臭素を含む化合物と、樹脂成分とを含有し、
    前記真空断熱材用外包材の全体厚みに対する、前記難燃層の厚み比が、0.2以上0.4以下である、真空断熱材用外包材。
  2. 前記難燃層が、前記樹脂成分として、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリエチレンナフタレート樹脂を含むことを特徴とする、請求項1に記載の真空断熱材用外包材。
  3. 芯材と、前記芯材が封入された外包材とを有する真空断熱材であって、
    前記外包材が、請求項1または請求項2に記載の真空断熱用外包材である、真空断熱材。
  4. 熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、
    前記真空断熱材は、芯材と、前記芯材が封入された外包材とを有し、
    前記外包材が、請求項1または請求項2に記載の真空断熱用外包材である、真空断熱材付き物品。
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