JP2021003843A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Jumpei Takeichi
惇平 武市
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和歌子 田中
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Abstract

【課題】 転写式の記録における記録物の読取り精度の向上【解決手段】 転写体上にインク像を形成する記録手段と、記録媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送される記録媒体に、転写体からインク像を転写する転写手段と、記録媒体にインク像が転写された記録媒体を読み取る読み取り部と、を備えた記録装置であって、記録媒体上のインク像の光沢感を高めるための後処理として、インク像が転写された記録媒体を加圧する後処理手段を更に有し、読み取り部で読み取りを行うメンテナンスパターンを記録した記録媒体に対しては後処理手段による加圧を行う。【選択図】 図10

Description

本発明は、記録装置および記録方法に関する。
インクジェット記録の分野においては、特許文献1で提案されているような所定数のノズル単位で濃度の補正を行うヘッドシェーディング(以下「HS」という)補正技術が知られている。このHSは、印刷されたメンテナンスパターンを読取り、その結果からノズル個々の吐出量に関する情報に応じて画像データを補正するものである。この補正技術によって最終的に記録されるインクドットの数を増加または減少させることでノズル個々の吐出量差を補正し、印刷物のムラを軽減することができる。
特開平10―13674号公報
しかしながら特許文献1のように、印刷されたメンテナンスパターンをそのまま読取る場合には、吐出量差による色変化に対する読取値のダイナミックレンジが十分大きくなければ、読取誤差などのノイズの影響により補正精度が落ちるという課題があった。読取値のダイナミックレンジを広げる手法には、読取後の画像に対してデジタル変調をかける手法が広く知られているが、この手法ではノイズも同時に増幅してしまうため、S/N比が改善されず正しくノズル個々の吐出量差を補正することは困難であった。
本発明は、インク像の形成領域および転写領域を通過する転写体と、所定方向に並ぶ、インクを吐出するための複数のノズルを有し、前記形成領域においてインク像を形成するための画像データに基づいて前記転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される記録媒体に、前記転写体から前記インク像を転写する転写手段と、前記インク像が転写された前記記録媒体を読み取る読み取り部と、を備えた記録装置であって、前記インク像が転写され、搬送されてきた前記記録媒体に対して、前記インク像を平滑化するように前記記録媒体を加圧する後処理を行う後処理手段と、前記複数のノズルそれぞれからインクを吐出して前記転写体上にインク像として形成され、前記転写手段によって前記記録媒体に転写された複数の階調パッチを含む所定のメンテナンスパターンを前記読み取り部が読み取った結果に従って、前記所定方向における画像の濃度むらを抑制するための画像データの補正を行う補正手段と、を更に有し、前記メンテナンスパターンが形成された記録媒体に対しては前記後処理手段による前記後処理を行うことを特徴とする記録装置である。
本発明によれば、被記録媒体上のインク層を平滑化した印刷物を読み取ることにより、中間調の読取におけるS/N比の信号値Sに対してのみダイナミックレンジを広げることで、S/N比を改善した読取を行うことができる。これにより、ノズル個々の吐出特性を精度よく読み取ることができ、HS補正精度を向上することができる。
記録システムの概要図。 記録ユニットの斜視図。 記録ユニットの移動機構の図。 後処理ユニットのエンドレスプレス方式による加圧加熱手段の模式図。 読取ユニット例のスキャナ模式図。 図1の記録システムの制御系のブロック図。 画像処理部134で実行される印字フロー図。 図1の記録システムの制御系のブロック図。 図1の記録システムの動作例の説明図。 通常印字フロー図。 メンテナンスフロー図。 被記録媒体でのインク層図。 メンテナンスパターン図。 後処理なし/ありでの印字成果物の読取値を示したグラフ。 シャドウ領域の読取の様子を示す模式図。 ハイライト領域の読取の様子を示す模式図。 中間調領域の読取の様子を示す模式図。 パラメータ算出フロー図。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各図において、矢印XおよびYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。
<記録システム>
図1は本発明の一実施形態に係る記録システム1を概略的に示した正面図である。記録システム1は、転写体2を介して被記録媒体Pにインク像を転写することで記録物P’を製造する、枚葉式のインクジェットプリンタである。記録システム1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、記録システム1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。被記録媒体PはX方向に搬送される。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く被記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「被記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
<インク>
本発明におけるインクに用いることのできる各成分について説明する。
[色材]
本発明におけるインクは、公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等を溶解および/または分散させた色材を用いることができる。中でも各種顔料は印刷物の耐久性や品位に特徴があり好適である。
[顔料]
本発明に用いることのできる顔料としては特に限定されず、公知の無機顔料・有機顔料を用いることができる。具体的にはC.I.(カラーインデックス)ナンバーであらわされる顔料を用いることができる。また、黒色顔料としては、カーボンブラックを用いることも好ましい。インク中の顔料の含有量は、インク全質量に対し0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
[顔料分散剤]
顔料を分散させる分散剤としては、従来公知のインクジェットに用いられるものであればいずれも使用することができる。中でも本発明の態様においては構造中に親水性部と疎水性部とを併せ持つ水溶性の分散剤を用いることが好ましい。特に、少なくとも親水性のモノマーと疎水性のモノマーとを含んで共重合させた樹脂からなる顔料分散剤が好ましく用いられる。ここで用いられる各モノマーについては特に制限はなく、旧来公知の物が好適に用いられる。具体的には、疎水性モノマーとしてはスチレン、スチレン誘導体、アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられる。
該分散剤の酸価は50mgKOH/g以上550mgKOH/g以下であることが好ましい。また、該分散剤の重量平均分子量は1000以上50000以下であることが好ましい。
なお、顔料と分散剤との比としては1:0.1〜1:3の範囲であることが好ましい。
また分散剤を用いず、顔料自体を表面改質して分散可能としたいわゆる自己分散性顔料を用いることも本発明において好適である。
[樹脂微粒子]
本発明におけるインクは、色材を有しない各種微粒子を含有させて用いることができる。中でも樹脂微粒子は画像品位や定着性の向上に効果がある場合があり好適である。
本発明に用いることのできる樹脂微粒子の材質としては、特に限定されず公知の樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ尿素、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル、ポリジエン等の単独重合物が挙げられる。もしくはこれらを複数組み合わせた共重合物でもよい。該樹脂の質量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。またインク中における樹脂微粒子の量は、インク全質量に対して1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上40質量%以下である。
さらに本発明の態様においては、該樹脂微粒子が液中に分散した樹脂微粒子分散体として用いることが好ましい。分散の手法については特に限定はないが、解離性基を有するモノマーを単独重合もしくは複数種共重合させた樹脂を用いて分散させたいわゆる自己分散型樹脂微粒子分散体は好適である。ここで解離性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、この解離性基を有するモノマーとしてはアクリル酸やメタクリル酸等が挙げられる。また、乳化剤により樹脂微粒子を分散させたいわゆる乳化分散型樹脂微粒子分散体も、同様に本発明に好適に用いることができる。ここで言う乳化剤としては、低分子量、高分子量に関わらず公知の界面活性剤が好適に用いられる。該界面活性剤はノニオン性か、もしくは樹脂微粒子と同じ電荷を持つ物が好適である。
本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体は、10nm以上1000nm以下の分散粒径をもつことが望ましく、さらに100nm以上500nm以下が望ましい。
また本発明の態様に用いる樹脂微粒子分散体を作製する際に、安定化のために各種添加剤を加えておくことも好ましい。該添加剤は例えば、n−ヘキサデカン、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、クロロベンゼン、ドデシルメルカプタン、オリーブ油、青色染料(Blue70)、ポリメチルメタクリレート等が好適である。
[界面活性剤]
本発明に用いることのできるインクは界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、具体的には、アセチレノ−ルEH(川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。インク中の界面活性剤の量は、インク全質量に対して0.01質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
[水及び水溶性有機溶剤]
本発明に用いるインクは溶剤として水および/または水溶性有機溶剤を含むことができる。水は、イオン交換等により脱イオンした水であることが好ましい。また、インク中の水の含有量は、インク全質量に対して30質量%以上97質量%以下であることが好ましい。
また用いる水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン等が挙げられる。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク全質量に対して3質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
[その他添加剤]
本発明に用いることのできるインクは上記成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、水溶性樹脂およびその中和剤、粘度調整剤など種々の添加剤を含有してもよい。
<記録装置>
記録装置1Aは、記録ユニット3、転写ユニット4および周辺ユニット5A〜5D、および、供給ユニット6を含む。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、キャリッジ31とを含む。図1と図2と図3を参照する。図2は記録ユニット3の斜視図である。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。
本実施形態の場合、各記録ヘッド30は、所定方向(ここではY方向)に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの被記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲にノズルが配列されている。記録ヘッド30は、その下面に、ノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の表面と対向している。本実施形態の場合、転写体2は円軌道上を循環的に移動する構成であるため、複数の記録ヘッド30は、放射状に配置されている。
各ノズルには吐出素子が設けられている。吐出素子は、例えば、ノズル内に圧力を発生させてノズル内のインクを吐出させる素子であり、公知のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの技術が適用可能である。吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録の観点からは電気−熱変換体を利用した吐出素子を用いることができる。
本実施形態の場合、記録ヘッド30は、9つ設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインクを吐出する。異なる種類のインクとは、例えば、色材が異なるインクであり、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク等のインクである。このように複数の記録ヘッド30を設けた場合、そのうちの一部が色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。
キャリッジ31は、複数の記録ヘッド30を支持する。各記録ヘッド30は、インク吐出面側の端部がキャリッジ31に固定されている。これにより、インク吐出面と転写体2との表面の隙間をより精密に維持することができる。キャリッジ31は、案内部材RL(図3)の案内によって、記録ヘッド30を搭載しつつ変位可能に構成されている。本実施形態の場合、案内部材RLは、Y方向に延設されたレール部材であり、X方向に離間して一対設けられている。キャリッジ31のX方向の各側部にはスライド部32が設けられている。スライド部32は案内部材RLと係合し、案内部材RLに沿ってY方向にスライドする。
案内部材RLは、転写体2の側方から回復ユニット12に渡って延設されている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により、実線で記録ユニット3を示した吐出位置POS1と、破線で記録ユニット3を示した回復位置POS3との間で変位可能であり、不図示の駆動機構により移動される。
吐出位置POS1は、記録ユニット3が転写体2にインクを吐出する位置であり、記録ヘッド30のインク吐出面が転写体2の表面に対向する位置である。回復位置POS3は、吐出位置POS1から退避した位置であり、記録ユニット3が回復ユニット12上に位置する位置である。回復ユニット12は記録ユニット3が回復位置POS3に位置した場合に、記録ヘッド30に対する回復処理を実行可能である。本実施形態の場合、記録ユニット3が回復位置POS3に到達する前の移動途中においても回復処理を実行可能である。吐出位置POS1と回復位置POS3の間には予備回復位置POS2が存在する。回復ユニット12は記録ヘッド30が吐出位置POS1から回復位置POS3へ移動している間に、予備回復位置POS2を用いて記録ヘッド30に対する予備的な回復処理を実行可能である。
<転写ユニット>
図1を参照して転写ユニット4について説明する。転写ユニット4は、転写胴41と圧胴42とを含む。これらの胴は、Y方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写胴41および圧胴42の各図形内に示した矢印は、これらの回転方向を示しており、転写胴41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。
転写胴41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写胴41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状に複数のセグメントに分けて形成され、各セグメントは転写胴41の外周面に等ピッチで円弧状に配置することができる。
転写胴41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写胴41の回転位相により、転写体2の位置は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3およびR4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別することができる。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。
吐出前処理領域R1は、記録ユニット3によるインクの吐出前に転写体2に対する前処理を行う領域であり、周辺ユニット5Aによる処理が行われる領域である。本実施形態の場合、反応液が付与される。吐出領域R2は記録ユニット3が転写体2にインクを吐出してインク像を形成する形成領域である。吐出後処理領域R3およびR4はインクの吐出後にインク像に対する処理を行う処理領域であり、吐出後処理領域R3は周辺ユニット5Bによる処理が行われる領域であり、吐出後処理領域R4は周辺ユニット5Cによる処理が行われる領域である。転写領域R5は転写ユニット4により転写体2上のインク像が被記録媒体Pに転写される領域である。転写後処理領域R6は、転写後に転写体2に対する後処理を行う領域であり、周辺ユニット5Dによる処理が行われる領域である。
本実施形態の場合、吐出領域R2は、一定の区間を有する領域である。他の領域R1、R3〜R6は、吐出領域R2に比べるとその区間は狭い。時計の文字盤に喩えると、本実施形態の場合、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
転写体2は、単層から構成してもよいが、複数層の積層体としてもよい。複数層で構成する場合、例えば、表面層、弾性層、圧縮層の三層を含んでもよい。表面層はインク像が形成される画像形成面を有する最外層である。圧縮層を設けることで、圧縮層が変形を吸収し、局所的な圧力変動に対してその変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。弾性層は表面層と圧縮層との間の層である。
表面層の材料としては、樹脂、セラミック等各種材料を適宜用いることができるが、耐久性等の点で圧縮弾性率の高い材料を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を縮合して得られる縮合物等が挙げられる。表面層には、反応液の濡れ性、画像の転写性等を向上させるために、表面処理を施して用いてもよい。表面処理としては、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、研磨処理、粗化処理、活性エネルギー線照射処理、オゾン処理、界面活性剤処理、シランカップリング処理などが挙げられる。これらを複数組み合わせてもよい。また、表面層に任意の表面形状を設けることもできる。
圧縮層の材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。このようなゴム材料の成形時には、所定量の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに発泡剤、中空微粒子或いは食塩等の充填剤を必要に応じて配合し、多孔質のゴム材料としてもよい。これにより、様々な圧力変動に対して気泡部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さく、より安定した転写性、耐久性を得ることができる。多孔質のゴム材料としては、各気孔が互いに連続した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のものがあるが、いずれの構造であってもよく、これらの構造を併用してもよい。
弾性層の部材としては、樹脂、セラミック等、各種材料を適宜用いることができる。加工特性等の点で、各種エラストマー材料、ゴム材料を用いることができる。具体的には、例えばフルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。また、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、スチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンのコポリマー、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。特に、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴムは、圧縮永久ひずみが小さいため、寸法安定性、耐久性の面で有利である。また、温度による弾性率の変化が小さく、転写性の点でも有利である。
表面層と弾性層の間、弾性層と圧縮層の間には、これらを固定するために各種接着剤や両面テープを用いることもできる。また、転写体2は、転写胴41に装着する際の横伸びの抑制や、コシを保つために圧縮弾性率が高い補強層を含んでもよい。また、織布を補強層としてもよい。転写体2は前記材質による各層を任意に組み合わせて作製することができる。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接される。圧胴42の外周面には、被記録媒体Pの先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。被記録媒体Pは圧胴42の外周面に密接して搬送されつつ、圧胴42と転写体2とのニップ部を通過するときに、転写体2上のインク像が転写される。この方式で印刷することで被記録媒体P上では、インクが層状になって画像形成が行われる。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写胴41の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、付与ユニット、吸収ユニット、加熱ユニット、清掃ユニットである。
付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する機構である。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。ここで、インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。このインクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。
インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、転写前に、転写体2上のインク像から液体成分を吸収する機構である。インク像の液体成分を減少させることで、被記録媒体Pに記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる。
加熱ユニット5Cは、転写前に、転写体2上のインク像を加熱する機構である。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、被記録媒体Pへの転写性を向上する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2上を清掃する機構である。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2に接触させる方式、ブラシで転写体2の表面を擦る方式、ブレードで転写体2の表面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
以上の通り、本実施形態では、付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dを周辺ユニットとして備えるが、これらの一部のユニットに転写体2の冷却機能を付与するか、あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。本実施形態では、加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。
冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。また、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する機構である。供給ユニット6は記録システム1の後部側に設けられていてもよい。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。貯留部TKは、メインタンクとサブタンクとによって構成されてもよい。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インク中の気泡を脱気する脱気機構を設けてもよい。流路6aの途中または貯留部TKには、インクの液圧と大気圧との調整を行うバルブを設けてもよい。貯留部TK内のインク液面が、記録ヘッド30のインク吐出面よりも低い位置となるように、貯留部TKと記録ヘッド30のZ方向の高さが設計されてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、被記録媒体Pを転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P’を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8cおよび回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各構成の図形の内側の矢印はその構成の回転方向を示し、外側の矢印は被記録媒体Pまたは記録物P’の搬送経路を示している。被記録媒体Pは給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P’は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の被記録媒体Pが積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ被記録媒体Pを、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、被記録媒体P(または記録物P’)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で被記録媒体Pを受け渡されるように、その把持動作および解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、被記録媒体Pの反転用の搬送胴である。被記録媒体Pを両面記録する場合、表面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ被記録媒体Pを渡さずに、搬送胴8aに渡す。被記録媒体Pは、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、被記録媒体Pの裏面が転写胴41に面することになり、裏面にインク像が転写される。
チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P’の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P’が渡され、グリップ機構に把持された記録物P’はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P’が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10が設けられている。後処理ユニット10は転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’に対して後処理を行う機構である。処理の内容としては、加熱加圧ローラを用いてインク層の平滑化を行う定着処理であり、それにより高光沢な印刷物を生成する。加熱加圧ローラを用いる代表的な定着方式であるエンドレスプレス方式があり、いずれも好適に用いられる。以下、図4を用いて各々の方式について詳細に説明する。
(ローラニップ方式)
ここでは、図4(a)を用いて、加熱加圧定着方式のひとつであるローラニップ方式について説明する。ローラニップ方式は、図4(a)に示すように、加熱ローラ102及び支持ローラ103が接触しており、これら2つのローラの間を被記録媒体31の上に形成されたインク凝集層106が通過する方式である。加熱ローラ102でインク凝集層106に熱が加えられることによりインク凝集層106が軟化し、インク凝集層は106加圧されることにより平滑になる。ここで、加熱ローラ102の表面は、記録画像で得たい所望の平滑性よりも、少なくとも平滑でなければならない。また、インク凝集層106が加熱された状態で加熱ローラ102と剥離することから、加熱ローラ102とインク凝集層106の剥離性が良好であるような加熱ローラ102の表面基材を選定する必要がある。
(エンドレスプレス方式)
続いて、図4(b)を用いて、加熱加圧定着方式のひとつであるエンドレスプレス方式について説明する。加熱ローラ102に巻きつけられている定着ベルト101及び支持ローラ103が接触しており、これら2つのローラの間を被記録媒1の上に形成されたインク凝集層106が通過する。定着ベルト101は、加熱ローラ102及び剥離ローラ104に巻きつけられており、剥離ローラ104の位置に達するまで、定着ベルト101と被記録媒体の上に形成されたインク凝集層106は接触したままとなっている。加熱ローラ102と剥離ローラ104の間には、冷却装置55が設置されている。それにより、被記録媒体31が剥離ローラ104の位置に達した時にはインク凝集層106は冷却されているため、定着ベルト101とインク凝集層106を低温で剥離することが可能となり、インク凝集層106は平滑になる。
また、この後処理のON/OFFはユーザによって制御することが可能である。ON/OFFの制御手段の例としては、ユーザが印刷UI上で後処理のON/OFFを切り替えることで制御を行う手段やデジタル印刷機用デジタルフロントエンド(DFE)で後処理のON/OFFを設定する手段などが存在する。
<読取ユニット>
搬送装置1Bには、読取ユニット9A、9Bが設けられている。読取ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P’の読取を行う機構である。
本実施形態の場合、読取ユニット9Aは、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む。読取ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。読取ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。本実施形態の場合、読取ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮像範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。読取ユニット9Aにより全ての記録画像の読取を行ってもよいし、所定数毎に読取を行ってもよい。
本実施形態の場合、読取ユニット9Bも、記録物P’に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を含む読取ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。読取ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、読取ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。本実施形態の場合、チェーン8cで搬送される記録物P’を撮影する位置に配置されている。読取ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。読取ユニット9Bは、記録物P’上を走査するスキャナであってもよい。但し、これらの読取装置は入射光と読取の角度が異なる読取ユニットとする。つまり、正反射光ではなく、拡散光を読み取る読取ユニットである。
図5は、検査ユニット9Bの例としてスキャナの構成を説明する図である。
スキャナは被記録媒体Pが乗る原稿台702と被記録媒体を上から挟んで押さえる圧板701、光源703、ミラー704、集光レンズ705、センサ706から成る。
X方向に搬送されてきた被記録媒体Pが原稿台702に乗るとチェーン8cの走行を一時的に停止して、光源703、ミラー704、集光レンズ705、センサ706のユニットがY方向に走査する。
光源703は白色LEDとし、ガラスの原稿台702を通過して被記録媒体から反射した光がミラー704で曲げられ集光レンズ705に集光されたのちセンサ706で検知される。
センサ706はRGB3チャンネルの信号として反射光を読み取る。
図7では1枚のミラーでの光学系を説明したが、複数のミラーを組み合わせて集光してもよい。
<制御ユニット>
次に、記録システム1の制御ユニットについて説明する。図6および図8は記録システム1の制御ユニット13およびその周辺のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。ここでの原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。この原稿データは、上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2では、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
本実施形態の場合、制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136および通信I/F137を含む。
処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、処理部131が実行するプログラムや、データを格納し、また、処理部131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。
画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行い、通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。図6において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図7は、画像処理部134での処理を説明するフロー図である。
入力部901は、バッファ136から送信された画像データを入力し、画像処理部134へ渡す。この画像処理部134は、入力色変換処理部902、インク色変換処理部903、HS(Head Shading)処理部904、トーンカーブ補正部905、量子化処理部906で構成される。
入力色変換処理部902は、入力部901からの入力画像データを、記録装置1Aの色再現領域に対応した画像データに変換する。入力する画像データは、本実施形態では、モニタの表現色であるsRGB等の色空間座標中の色座標(R,G,B)を示す各8ビットのデータである。この入力画像データ(R,G,B)を、マトリクス演算処理や三次元ルックアップテーブルを用いた処理等の既知の手法によって、記録装置1Aの色再現領域の画像データ(R’,G’,B’)各8ビットに変換する。本実施形態では、三次元ルックアップテーブルを用い、これに補間演算を併用して変換処理を行う。画像処理部134において扱われる8ビットの画像データの解像度は600dpiもしくは1200dpiであり、量子化処理部906の量子化によって得られる2値データの解像度は後述のように1200dpiである。
インク色変換処理部903は、入力色変換処理部902によって処理された(R’,G’,B’)各8ビットの画像データを記録装置1Aで用いるインクの画像データに変換する。本実施形態の記録装置1Aはブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを用いることから、RGB信号の画像データは、K、C、M、Yの各8ビットの色信号からなる画像データに変換される。この色変換も、上述の入力色変換処理部と同様、三次元ルックアップテーブルに補間演算を併用して行う。上述のマトリクス演算処理等の手法を用いてもよい。
HS(Head Shading)処理部904は、K、C、M、Yの各8ビットの色信号を入力して、インク色ごとにそれぞれ8ビットデータを、記録ヘッドを構成する各ノズルの吐出量等の特性に応じたインク色信号の画像データに変換する処理を行う。これにより、各ノズルの吐出量等の特性に起因する濃度むらに応じて均一に記録を行うための画像データに変換される。本実施形態では、一次元ルックアップテーブルを用いて処理を行う。
トーンカーブ補正部905は、HS処理された各8ビットのインク色信号からなる画像データに対して、インク色毎に、出力部907で記録されるドットの数を調整する。被記録媒体に記録されるドットの数と明度との関係が線形にならないことがあり、トーンカーブ補正部905は、この関係が線形になるよう各8ビットの画像データを補正して、被記録媒体に記録されるドットの数を調整する。
量子化処理部906は、トーンカーブ補正部905で処理された各8ビットのインク色の画像データに対して、量子化処理を行い、1ビット2値データを得る処理である。この際、本実施形態では、先ず、0〜4の3ビット5値のインク色ごとのインデックスデータに変換する。このインデックスデータ0〜4は、0〜4個のドットを1200dpiの解像度の2画素×2画素に配置するパターンに対応している。量子化処理部906の形態はこの例に限られず、例えば8ビットの画像データを直接2値化してインク吐出の有無を得る形態でもよい。また、量子化処理方法として本実施形態はディザ法を用いるが、誤差拡散法など他の量子化手法を用いてもよい。
出力部907は、量子化によって得られたドットデータに基づいて、記録ヘッドを駆動し各色のインクを吐出して記録を行う。出力部907は、具体的には、図1に示した、記録システム1によって構成される。
また、画像処理部134では、読取ユニットBで取得した読取画像を入力としてHSパラメータの算出も行う。このHSパラメータの算出処理は、たとえば特開平10−13674のようなノズル吐出特性と平均的ノズル吐出特性の関係から各ノズルに与える信号レベルを増減するパラメータを決定する処理である。但し、目標とする信号値は平均値だけでなく外部から指定することもできる。この算出されたパラメータを上述のHS(Head Shading)処理部904で各ノズルに対応するように適用し画像データにHS処理を施す。その際、HSパラメータの算出単位をノズル単位とすると演算や適用に時間を要するため、1ノズル単位でなくノズルの配列方向に隣接する複数のノズルをまとめてHSパラメータの算出及び適用を行ってもよい。
図8に示すように、エンジンコントローラ13Bは、メインコントーラ13A と共通のバスで接続された制御部14、15A〜15Eを含み、記録システム1が備えるセンサ群およびアクチュエータ群16の検知結果の取得および駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データをラスタデータ等、記録ヘッド30の駆動に適したデータ形式に変換する。記録制御部15Aは、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。
転写制御部15Bは、付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、および清掃ユニット5Dの制御を行う。
信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニット12の制御、および記録ユニット3を吐出位置POS1と回復位置POS3との間で移動させる駆動機構の制御を行う。
搬送制御部15Dは、搬送装置1Bの制御を行う。読取制御部15Eは、読取ユニット9Bの制御、および読取ユニット9Aの制御を行う。
センサ群およびアクチュエータ群16のうち、センサ群には、可動部の位置や速度を検知するセンサ、温度を検知するセンサ、撮像素子等が含まれる。アクチュエータ群にはモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等が含まれる。
<動作例>
図9は記録動作の例を模式的に示す図である。転写胴41および圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写胴41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bにより転写体上のインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより被記録媒体Pが搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと被記録媒体Pとが転写体2と圧胴42とのニップ部に到達し、被記録媒体Pにインク像IMが転写され、記録物P’が製造される。ニップ部を通過すると、記録物P’に記録された画像が読取ユニット9Aにより撮影され、記録画像が読取される。記録物P’は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
図10は本発明の実施形態における通常印刷フローを示す。ユーザーがホスト装置HC1から入力した原稿データに基づく通常印刷のフローでは基本的には後処理ONであるが、図10のように、後処理ONとOFFとを設定によって切り替えることができるようにすることができる。
また、それに対し図11は本発明の実施形態におけるメンテナンスのフローを示している。図11のように、メンテナンスのフローにおいて後処理は、自動的に行われる処理である。
次いで、本実施形態のメンテナンスフローについて、図11を用いて詳細に説明する。
ユーザ操作をトリガーとしてメンテナンスを開始する。
ユーザがホスト装置HC1等からメンテナンスの指示を入力することでメンテナンス開始となる。
ステップST21では、メンテナンスパターンとして階調パッチの印刷を行う。印字の際には上述の少なくとも色材である顔料、水、樹脂を含む水性顔料インクを用いて転写記録プロセスで印字を行う。図12は転写プロセス後の被記録媒体の図である。図12のように、転写後のインクは被記録媒体上で層構造を形成する。ここでの被記録媒体とはユーザの指定した被記録媒体であり、ホスト装置HC1等のUIから指定するようにすることも可能である。インク層Aは印字した単色インクの層である。また、複数色で印字を行った場合には、吐出した各色が積層構造をなした後に転写が行われるため、先に吐出した色インクが層の上側になる層構造をなす。図13は印刷された階調パッチの一例である。階調パッチは記録ヘッドの色ごとに印刷し、各色の階調パッチは所定の階調のパターンであり、メンテナンスを行うヘッド数分だけパターン印刷を行う。メンテナンスパターンがRGB8bit画像とした場合、RGB信号値が255となるインクを吐出しない階調、つまり紙白から、RGB信号値が0となるインクを最も吐出する階調までの、異なる所定の濃度に対応する入力信号値に基づく階調パッチを含む。この階調パッチは最低2階調以上をもつパターンであり、中間調の階調パッチを含んでいる。本実施形態では、階調パッチの階調数が16であるとする。紙白からRGB信号値が0となるインクを最も吐出する階調までを均等に、ハイライト領域、中間調領域、シャドウ領域に3分割した場合の中間調領域の階調パッチを複数含むことが有用である。この階調パッチは1ラインヘッドに対してノズル単位での補正を行うためのパターンであるため、単色で形成している。また、メンテナンスパターンのY幅は印字幅と同サイズである必要がある。このY幅とは搬送方向と法線方向であり、ヘッド長方向のメンテナンスパターンサイズを指す。
ステップST22では、メンテナンスパターンが印刷された被記録媒体に対し後処理を行う。具体的には前述した後処理ユニットを用いて、転写記録プロセスを経た被記録媒体に対して後処理を行うことで、被記録媒体上のインク層に対して平滑化処理を行う。
ステップST23では後処理後の被記録媒体を前述の読取ユニットを用いて読取を行うことで、読取値Rを取得する。また読取りの際、後処理ユニットが読取ユニットの後に存在する場合には、後処理後の被記録媒体をもう一度通紙を行う、後処理後に読取ユニット間で引き戻す、などの処理を行い後処理後に読取を行う。
図14は黒インクで印字した被記録媒体に対し後処理を行った場合(後処理ON)と後処理を行わない場合(後処理OFF)、それぞれで読取ユニットを用いた読み取りを行った結果のグラフである。この図においてグラフの横軸が記録媒体へのインクの打ち込み量、縦軸が明度L(読取値Rに対応する)となっている。この図では読取値Rとして明度Lを用いているが、RGB値などでもよい。図14によると後処理ONの場合は後処理OFFの場合と比べて読取値Rは暗く読み取られており、中間調のダイナミックレンジを広げることができている。
図15はシャドウ領域(暗部)における後処理OFFでの読取ユニットの読取の様子((a))と後処理ONの際の読取ユニットによる読取の様子の模式図((b))である。図15(b)のように後処理によってインク層表面を平滑化することで、正反射光を増加させ拡散光を低減させるため、読取値Rは後処理ONの方がより暗く読み取られる。図14のシャドウ領域に注目すると後処理のON/OFFで読取値Rが大きく変化しているが、グラフの曲線はオフセット処理のように並行移動しており、ダイナミックレンジは変化していない。これは、シャドウ領域のような被記録媒体全面をインク層が覆った場合の読み取りでは、それ以上平滑化できる領域が存在しないため平滑化処理の効果は飽和してしまい、打ち込み量を増やしても読取値Rの変化量は一定となるためである。
図16(a)および図16(b)はハイライト領域での後処理OFFでの読取ユニットの読取の様子である。また、図16(c)および図16(d)は模式図と後処理ONの際の読取ユニットにおける読取の様子を示している。図16(c)および図16(d)に示すように、後処理ユニット10による平滑化処理はインクAの存在する領域のみに適用され、インクが被記録媒体を覆っていない領域は平滑化されない。図16(c)は、インク層の存在する領域で、前述した正反射光を増加させ拡散光を低減させている様子を示している。図16(a)に示す後処理OFFの場合と比較して、拡散光が低減され、正反射光が増加している。一方、記録媒体の紙白部は平滑化されていないので、図16(d)に示す後処理ONの場合の紙白部では、図16(a)に示す後処理OFFの場合の紙白部と同様、拡散光は低減されない。しかし、ハイライト領域では、平滑化処理によって平滑化されるインクAの存在する領域がそもそも少なく、多くは紙白領域である。そのため、平滑化処理によって正反射光を増加させ拡散光を低減させる効果が小さい。そのため、読取値Rの変化量も小さくなる。そのため、図14のハイライト領域では後処理のON/OFFで読取値Rはほとんど変化していない。図17(a)、図17(b)は中間調領域における後処理OFFでの読取ユニットの読取模式図と後処理ONの際の読取ユニットの読取模式図である。図17(a)、図17(b)のようなインク層の存在する領域が十分に存在する場合には、インク層の平滑化によって正反射光を増加させ拡散光を低減させるという効果が読取値Rの変化として表れる。また、上述したように被記録媒体全面がインクで埋まるまではこのインク層の平滑化による効果は飽和しないため、読取値Rの変化量が打ち込み量に応じて変動する。そのため、図14の中間調領域では後処理のON/OFFで、ONの場合の方がダイナミックレンジ(中間調領域でのL値の最大と最小値の差)が広がっている。このダイナミックレンジの広がりは読取におけるS/N比の信号値Sのレンジを広げることと等価であるため、読取誤差等のノイズの影響割合を相対的に小さくすることができ、S/N比が改善した読み取りが可能になる。
ステップST24では読み取った画像を用いてHSパラメータの算出を行う。HSパラメータの算出では、前述のようにノズル吐出特性と平均的ノズル吐出特性の関係から各ノズルでの印字結果のムラを低減するように信号レベルを増減するHSパラメータを決定する。具体的には、図18のフロー図のようにHSパラメータの算出を行う。
HSパラメータ算出を開始すると、まず一つの入力色(例えばシアン)についてのHSパラメータの算出を行う。
ステップST31では、平均的ノズル吐出特性となる目標読取値Tを取得する。上述のように目標読取値Tは、全ノズルについての読取値Rの各階調の平均値などを用いてもよいし、外部から目標読取値Tを与えてもよい。本実施形態では、目標読取値Tを16階調分与えたとする。他の例として、目標読取値Tを与えるのではなく目標読取値Tを算出する式を与えて目標読取値Tを演算から求めるとしてもよい。
ステップST32では、実際の読取値Rと目標読取値Tを所望の階調数と同じ数だけ値を持つように補間を行う。本実施形態では、読取値Rと目標読取値Tを16階調から4080の階調に補間を行う。補間後の実際の読取値をINTRとし、補間後の目標読取値をINTTとする。また、もしメンテナンスパターンで所望の階調数分の印刷を行っている場合や外部から所望の階調数分の目標読取値Tを与えている場合にはこの補間処理を行う必要はない。
ステップST33では、ある階調の目標読取値INTTに対して実際の読取値INTRが最もよく似た読取値となっている階調を探索する。具体例として階調128の目標読取値INTTに対しての実際の読取値INTRの探索例を示す。また、階調128のINTTをINTT[128]のように記述する。この目標読取値INTT[128]に最も近い実際の読取値INTR[X]を探索する。ここで[X]は0から最大階調数である4080までを取りうる変数である。最も近い値を探索する評価値として目標読取値INTT[128]と読取値INTR[X]間での二乗誤差値を用いる。この二乗誤差値が最小となる信号を、実際の読取値INTRの中から探索することで、目標読取値INTT[128]と最も近い実際の読取値INTR[X]、つまり二乗誤差最少となる階調Aを探索できる。ここで、探索結果の階調が150であったとする。この探索結果を用いて128の信号値で印刷する命令がされた際に、128の信号値をこの探索結果である150に変換して印字を行うことで、目標としている濃度に近い印刷を行うことができる。このような目標読取値INTTと読取値INTRの対応を探索する際に、後処理を行うことで上述のように中間調における読取値S/N比が改善するため、目標読取値Tと読取値Rの二乗誤差を精度よく求めることができる。これにより実印字において、各ノズルで目標濃度に近い信号値で印刷できるため中間調のムラ補正の精度を高めることができる。
ステップST34では、ST33で求めた二乗誤差最少となる階調150がHS処理後の信号値となるように信号値128を変換するHSパラメータを決定する。このHSパラメータは、HSパラメータ=150―128のように補正量をパラメータとしてもよいし、128が入力されたとき150を出力とするようなルックアップテーブルとしてもよい。
このST33とST34を所望の階調数分だけ探索を行い1色1ノズル分のHSパラメータの決定を行う。本実施形態では、所望の階調数である4080階調分探索を行う。他の例として、階調数よりも少ない探索を行い、探索結果に対し所望の階調数となるように補間をしてHSパラメータを決定してもよい。
同様の処理をHSパラメータ作成対象全ノズルに対して行い、1色全ノズル分のHSパラメータの決定を終了する。
その後、全ての入力色、すなわちメンテナンスを行うヘッド数分のHSパラメータが決定されれば、算出処理を終了とする。全入色が終了していない場合には、ST31の手前に戻り、未実施の別の入力色について、ST1から処理を開始し、ST31〜ST34の処理を、メンテナンスを行うヘッド数分(全入力色分)行い、HSパラメータの算出を終了する。
この算出されたHSパラメータは印刷の際にHSパラメータと各ノズルが対応するように適用し、印刷する画像データにHS補正を施す。
評価値として二乗誤差を例としたが、補間後の目標読取値INTTと補間後の実際の読取値INTRの対応づけができる評価値、例えば絶対値差分などを用いてもよい後処理ユニットでの平滑化処理は、加熱加圧ローラを用いない平滑化処理でもインク表面部を平滑化することができる処理であれば同様の効果を得ることができる。
<他の実施形態>
記録媒体Pの搬送機構は、ローラ対によって記録媒体Pを挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体Pを搬送する方式等においては、記録媒体Pとしてロールシートを用いてもよく、転写後にロールシートをカットして記録物P’を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写胴41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
また、本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。

Claims (7)

  1. インク像の形成領域および転写領域を通過する転写体と、
    所定方向に並ぶ、インクを吐出するための複数のノズルを有し、前記形成領域においてインク像を形成するための画像データに基づいて前記転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される記録媒体に、前記転写体から前記インク像を転写する転写手段と、
    前記インク像が転写された前記記録媒体を読み取る読み取り部と、
    を備えた記録装置であって、
    前記インク像が転写され、搬送されてきた前記記録媒体に対して、前記インク像を平滑化するように前記記録媒体を加圧する後処理を行う後処理手段と、
    前記複数のノズルそれぞれからインクを吐出して前記転写体上にインク像として形成され、前記転写手段によって前記記録媒体に転写された複数の階調パッチを含む所定のメンテナンスパターンを前記読み取り部が読み取った結果に従って、前記所定方向における画像の濃度むらを抑制するための画像データの補正を行う補正手段と、
    を更に有し、
    前記メンテナンスパターンが形成された記録媒体に対しては前記後処理手段による前記後処理を行うことを特徴とする記録装置。
  2. 前記読み取り部で読み取りを行わない記録媒体に対しても前記後処理手段による加圧を行う特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記読み取り部で読み取りを行わない記録媒体に対しては前記後処理手段による加圧を行わないことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記後処理手段は、ローラによって前記インク像が転写された前記記録媒体の加圧を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記後処理手段は、前記インク像が転写された前記記録媒体を加圧しながら加熱した後、冷却することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記階調パッチは中間調のパッチを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. インク像の形成領域および転写領域を通過する転写体と、
    所定方向に並ぶ、インクを吐出するための複数のノズルを有し、前記形成領域においてインク像を形成するための画像データに基づいて前記転写体にインクを吐出し、前記転写体上にインク像を形成する記録手段と、
    記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段により搬送される記録媒体に、前記転写体から前記インク像を転写する転写手段と、
    を備えた記録装置を用いた記録方法であって、
    前記複数のノズルからインクを吐出して前記転写体上にインク像を形成し、前記転写手段によって前記記録媒体に転写することで、複数の階調パッチを含む所定のメンテナンスパターンを前記記録媒体に形成した後、搬送されてきた前記メンテナンスパターンが形成された前記記録媒体に対して、前記インク像を平滑化するように前記記録媒体を加圧する後処理を行い、
    前記後処理を行った後に、前記メンテナンスパターンを読み取り部で読み取り、読み取った結果に従って前記複数のノズルが配列する方向における画像の濃度むらを抑制するための画像データの補正を行うことを特徴とする記録方法。
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