JP2021003751A - 工作機械 - Google Patents
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Abstract
Description
ワークを加工する工作機械本体部と、
前記工作機械本体部が前記ワークを加工する加工室内に堆積した1以上の切りくずの粗輪郭形状及びその位置を定める切りくず画定部と、
流体を放出する流体放出部と、
前記粗輪郭形状及び前記位置に基づいて、前記流体放出部により流体を放出する条件を定める放出条件設定部と、を備えている。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示す場合があるが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態では前述の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
なお、図面には、X軸、Y軸、Z軸を示している。また、図1、図2及び図11に示す斜視図では、説明のため、中央から上側の領域を下側から見上げた状態で示し、中央から下側の領域を上から見降ろした状態で示してある。
はじめに、図1を参照しながら、本開示の第1の実施形態に係る工作機械の説明を行う。図1は、本開示の第1の実施形態に係る工作機械を模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る工作機械2は、工作機械本体部4と、工作機械本体部4によりワークの加工が行われる加工室Mを覆うカバー30とを備える。カバー30は、側方を覆う複数の側面部材30Aと、上方を覆う上面部材30Bとから構成されている、工作機械本体部4は、ワークの加工を行う装置を意味し、転削加工や旋削加工を行う任意の加工装置、マシニングセンタ、ターニングセンタ、研削機械等を用いることができる。本実施形態に係る工作機械本体部4は、一例として、横型の転削加工装置の場合を示し、図面には、加工テーブル4A及び主軸4Bが示されている。加工テーブル4Aの側方には切りくずCを搬出する切りくず回収部(コンベア)40が配置されている。
更に、ここでは、流体放出部10が2つの放出口10A及び10Bを有する場合を示す。放出口10A及び10Bは、切削液を放出する首振り可能なノズル10A1、10B1、ノズル10A1,10B1が取り付けられた本体10A2、10B2、及びノズル10A1、10B1を動かすアクチュエータを備える。放出口10A及び10Bの設置位置は固定されているが、放出ノズル10A1、10B1が首振り可能になっており、切削液の放出角度を変更できるようになっている。放出口1A、10Bは、カバー30に取り付けることもできるし、カバー30とは個別の構造部材に取り付けることもできる。
なお、本実施形態では、流体放出部10が2つの放出口10A及び10Bを有する場合を示したが、これに限られるものではなく、3つ以上の任意の数の放出口を有することもできる。
次に、図2を参照しながら、本開示の第2の実施形態に係る工作機械の説明を行う。図2は、本開示の第2の実施形態に係る工作機械を模式的に示す斜視図である。第2の実施形態に係る工作機械2では、流体放出部10が、複数の放出口ではなく、回転、移動自在な1つの放出口10Cを備えている点で上記の第1の実施形態と異なる。
流体放出部10には、放出口10C及びレール10Dに加えて、切削液を一時的に蓄えるタンク、切削液を吐出するポンプ、並びにタンク、ポンプ及び放出口10Cを繋ぐ配管、バルブ、ホース等を備える。更に、流体放出部10は、後述する制御部から受信した信号に基づいて、アクチュエータ、駆動モータ、ポンプ駆動部等を動かすための駆動回路を備える。
次に、図3を参照しながら、切りくずを除去するための制御部の説明を行う。図3は、切りくずを除去するための制御部の一例を示すブロック図である。図3に示す矢印は、信号の進む方向を示す。
切りくずを除去するための制御部100は、工作機械の制御装置の一部として存在する場合も、工作機械の制御装置とは個別の制御装置として存在する場合もあり得る。何れの場合にも、主軸、テーブル等の動き、ワークの状態、加工の状態を含む工作機械の制御の情報を受信可能に構成されている。
また、制御部100は、放出条件設定部400から受信する切削液を放出する条件に基づいて、流体放出部10に信号を送って、切削液の放出のための制御を行う流体放出制御部500を備える。更に、後述するような学習部600を備える場合もあり得る。
次に、図4A、図4B、図5A及び図5Bを参照しながら、切りくず画定部200により、切りくずCの粗輪郭形状を定める方法について説明する。図4Aは、検出部が検出した切りくずの形状の1つの例を示す図である。図4Bは、図4Aに示す形状に基づいて生成した粗輪郭形状の例を示す図である。図5Aは、検出部が検出した切りくずの形状のその他の例を示す図である。図5Bは、図5Aに示す形状に基づいて生成した粗輪郭形状の例を示す図である。
このような制御により、図4Aに示す検出部20が検出した切りくずCの形状では、細い鉄片部分p1、p2、p3が外側に延びた複雑な形状を有しているが、図4Bに示す粗輪郭形状Rでは、それらが修正された連続的な塊の形状になっている。
このような粗輪郭形状Rの定め方により、放出条件設定部400が、切りくずCの除去に最適な切削液の放出のための条件を定めることができる。
検出部20が撮影部の場合、切りくず画定部200は、撮影部によって取得される画像に基づいて、既知の様々な画像処理手段を用いて粗輪郭形状Rを定めることができる。検出部20がレーザセンサの場合であっても、同様に切りくずCの形状を得ることが可能であり、この形状に基づいて、切りくず画定部200は輪郭形状Rを定めることができる。
次に、図6を参照しながら、切削液の放出のための条件を更に詳しく説明する。図6は、 流体放出部及び粗輪郭形状の相対位置、及び流体放出部から放出される切削液の角度の一例を模式的に示す図である。以下では、制御処理に関する説明なので、切りくず画定部200により定められた粗輪郭形状Rを用いた説明を行うが、実際に切りくずCを除去する物理的な説明も含まれるため、粗輪郭形状R(切りくずC)という記載を用いる場合がある。
上記のように、切削液の放出のための条件には、流体放出部10及び粗輪郭形状Rの相対位置、流体放出部10から放出される切削液の角度θ、及び切削液の放出流量又は放出圧力のうちの少なくとも1つが含まれる。
なお、切削液の代わりに、気体を用いて切りくずCを移動させる場合でも、気体の特性に応じた適切な放出する条件を定めることにより、同様に加工室M内の切りくずCを効率的に除去することができる。
第2の実施形態ではあれば、流体放出部10の放出口10Cの最適な相対位置を定め、流体放出部10から放出される切削液の角度θ、切削液の放出流量又は放出圧力を定めることができる。
粗輪郭形状R(切りくずC)を移動し易くするために、パルス状に切削液を放出することも考えられる。また、粗輪郭形状Rを移動させたい方向とは異なる他の方向の方が動かし易い場合には、まず他の方向に切削液を放出して粗輪郭形状Rを移動させて、摩擦の状態を静摩擦から値の小さい動摩擦に変え、その後、移動させたい方向に切削液を当てて、粗輪郭形状R(切りくずC)を所望の方向に移動させることも考えられる。
以下、切りくずを効率的に除去するための制御処理について説明する
<長軸方向に対する角度>
はじめに、図7を参照しながら、流体放出部10が粗輪郭形状Rの長軸方向LAに対して角度θを有する方向へ切削液を放出する場合について説明する、図7は、粗輪郭形状(切りくず)の長軸方向及び切削液の放出方向がなす角度を模式的に示す図である。
次に、図8を参照しながら、粗輪郭形状R(切りくずC)に対して、切りくず回収部40とは反対側から切削液を放出する場合を説明する。図8は、粗輪郭形状(切りくず)に対して、切りくず回収部とは反対側から切削液を放出するところを模式的に示す図である。
切りくずCを切りくず回収部40へ移動させて、切りくず回収部40により切りくずCを処理するのが最も効率的な切りくずCの除去方法である。そのためには、流体放出部10が、粗輪郭形状R(切りくずC)に対して、切りくず回収部40とは反対側から切削液を放出することが効果的である。
次に、図9を参照しながら、切削液を他の部材に当てて、跳ね返った液体を粗輪郭形状R(切りくずC)に当てる場合を説明する。図9は、切削液が、加工テーブルに当たって跳ね返った後、ワークの影になった粗輪郭形状(切りくず)に当たるところを模式的に示す図である。
図9では、粗輪郭形状R(切りくずC)がワークWの影に隠れて、流体放出部10から、直接、切削液を粗輪郭形状R(切りくずC)に当てられない場合を示す。このような場合でも、切削液を加工テーブル4Aのような他の部材に当てることにより、跳ね返った液体を粗輪郭形状R(切りくずC)に当てることができる。
例えば、切りくず回収部40とは反対側から、切削液を粗輪郭形状R(切りくずC)に当てることが難しい場合に、一度、切削液を加工テーブルやワークWのような他の物体に当てて、跳ね返った切削液を切りくずに当てることも有効な方法である。これにより、効率的に粗輪郭形状R(切りくずC)を除去できる。
次に、図10を参照しながら、切削液の進行方向から見た粗輪郭形状R(切りくずC)の投影面が略最大になる方向に、流体放出部10が切削液を放出する場合を説明する。図10は、切削液の進行方向から見た粗輪郭形状(切りくず)の投影面を模式的に示す図である。
図10では、切削液の進行方向から見た粗輪郭形状R(切りくずC)の投影面が最も大きくなるAmaxと、投影面が最も小さくなるAminが示されている。この場合、粗輪郭形状R(切りくずC)の投影面が大きくなる方向に切削液を放出して粗輪郭形状R(切りくずC)に当てた方が、より大きな力を粗輪郭形状R(切りくずC)に加えることができるので、粗輪郭形状R(切りくずC)を移動させ易くなる。
次に、図11を参照しながら、工作機械2が、回転自在及び/又は移動自在なテーブルを有する場合について説明する。図11は、第1の実施形態に係る工作機械の変形例であって、自動回転可能なテーブルを有する工作機械を模式的に示す斜視図である。
この変形例では、上記の第1の実施形態に比べて、工作機械2が、加工テーブル4Aの代わりに、回転及び移動自在なテーブル50を備えている点で異なる。テーブル50は、レール52上をZ軸方向に移動可能な台車部50Aと、台車部50Aに対して回転可能な状態で取り付けられたテーブル部50Bから構成される。加工のため、テーブル部50B上にはワークWが載置される。図11では、切削加工により、テーブル部50B上にワークW及び切りくずCが存在する場合を示す。
また、一方の放出口10A(10B)から切削液を当てて、切りくずCを移動させた後、テーブル50を回転/移動させた後、他方の放出口10B(10A)から切削液を当てて、効率的に切りくずCを除去することもできる。
上記の制御部100において、機械学習を用いて、切りくずCを除去する制御処理の精度を高めていくこともできる。
つまり、制御部100が、図3に示すような、学習部600を備える場合もあり得る。学習部600は、一定の条件で流体放出部10により切削液を放出する工程を実施する度に、切削液の放出前における切りくずCの初期位置と、当該切削液の放出前における当該粗輪郭形状Rと、この条件とを含む入力データ、及び当該切削液の放出後における当該切りくずCの位置を学習データとして機械学習を行い、入力データの適正条件を学習して学習モデルを生成する。この場合には、放出条件設定部400は、この学習モデルを利用して、新たに入力された切りくずCの初期位置及び粗輪郭形状Rについて、適正条件を満たす条件を定めることができる。
4 工作機械本体部
4A 加工テーブル
4B 主軸
10 流体放出部
10A、10B、10C 放出口
10A1、10B1、10C1 ノズル
10A2、10B、10C2 本体
10D レール
20 検出部
30 カバー
30A 側面部材
30B 上面部材
40 切りくず回収部
50 テーブル
50A 台車部
50B テーブル部
52 レール
100 制御部
200 切りくず画定部
300 長軸方向画定部
400 放出条件設定部
500 流体放出制御部
600 学習部
M 加工空間
C 切りくず
W ワーク
R 粗輪郭形状
G 重心
LA 長軸
Claims (16)
- ワークを加工する工作機械本体部と、
前記工作機械本体部が前記ワークを加工する加工室内に堆積した1以上の切りくずの粗輪郭形状及びその位置を定める切りくず画定部と、
流体を放出する流体放出部と、
前記粗輪郭形状及び前記位置に基づいて、前記流体放出部により流体を放出する条件を定める放出条件設定部と、
を備えることを特徴とする、工作機械。
- 前記流体が切削液であることを特徴とする、請求項1に記載の工作機械。
- 前記流体が気体であることを特徴とする、請求項1に記載の工作機械。
- 前記条件に、前記流体放出部及び前記粗輪郭形状の相対位置と、前記流体放出部から放出される流体の角度と、流体の放出流量又は放出圧力と、のうちの少なくとも1つが含まれることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の工作機械。
- 前記粗輪郭形状の長軸方向を定める長軸方向画定部を更に備え、
前記流体放出部が前記長軸方向に対して角度を有する方向へ流体を放出するように、前記条件を定めることを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載の工作機械。
- 前記切りくずを廃棄するための切りくず回収部を備え、
前記流体放出部が、前記切りくずに対して、前記切りくず回収部とは反対側から流体を放出するように、前記条件を定めることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記流体放出部から放出された流体が、他の物体に当たって跳ね返った後、前記切りくずに当たるように、前記条件を定めることを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載の工作機械。
- 流体の進行方向から見た前記粗輪郭形状の投影面が略最大になる方向に、前記流体放出部が流体を放出するように、前記条件を定めることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記放出条件設定部が、前記ワークの配置を考慮して、前記条件を定めることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記流体放出部は、2つ以上の放出口を含み、
前記流体放出部及び前記粗輪郭形状の相対位置は、前記2つ以上の放出口から少なくとも1つの放出口を選択することによって決定されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記流体放出部は、移動自在な放出口を含み、
前記流体放出部及び前記粗輪郭形状の相対位置は、前記移動自在な放出口の位置を定めることによって決定されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記ワークが配置される回転自在及び/又は移動自在なテーブルを含み、
前記流体放出部及び前記ワークの前記相対位置は、前記テーブルの回転の度合い及び/又は移動位置を定めることによって決定されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記切りくず画定部は、撮影部を含み、前記撮影部によって取得される画像に基づいて前記粗輪郭形状を定めることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記切りくず画定部は、レーザセンサを含み、前記レーザセンサによって取得されるデータに基づいて前記粗輪郭形状を定めることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の工作機械。
- 前記流体放出部の放出口は、前記加工室の上部に取り付けられている、請求項1から14のいずれか1項に記載の工作機械。
- 一定の前記条件で前記流体放出部により流体を放出する工程を実施する度に、流体の放出前における前記切りくずの初期位置と、当該流体の放出前における当該粗輪郭形状と、前記条件とを含む入力データ、及び当該流体の放出後における当該切りくずの位置を学習データとして機械学習を行い、前記入力データの適正条件を学習して学習モデルを生成する学習部を備え、
前記放出条件設定部は、前記学習モデルを利用して、新たに入力された切りくずの初期位置及び粗輪郭形状について、前記適正条件を満たす前記条件を定めることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の工作機械。
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