JP2021002898A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

回転電機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021002898A
JP2021002898A JP2019114025A JP2019114025A JP2021002898A JP 2021002898 A JP2021002898 A JP 2021002898A JP 2019114025 A JP2019114025 A JP 2019114025A JP 2019114025 A JP2019114025 A JP 2019114025A JP 2021002898 A JP2021002898 A JP 2021002898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inverter
control
electric machine
rotary electric
lower arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019114025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7284645B2 (ja
Inventor
亮太郎 岡本
Ryotaro Okamoto
亮太郎 岡本
博文 金城
Hirobumi Kaneshiro
博文 金城
貞洋 赤間
Sadahiro Akama
貞洋 赤間
中井 康裕
Yasuhiro Nakai
康裕 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2019114025A priority Critical patent/JP7284645B2/ja
Publication of JP2021002898A publication Critical patent/JP2021002898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7284645B2 publication Critical patent/JP7284645B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】各インバータにおいて、インバータ全体の損失を抑制するとともに、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる回転電機の制御装置を提供すること。【解決手段】回転電機システム100に適用される回転電機の制御装置50であって、第1インバータにスイッチング駆動を実施し、第2インバータの上アームスイッチをオン、下アームスイッチをオフ状態に維持する第1動作と、第2インバータにスイッチング駆動を実施し、第1インバータの上アームスイッチをオン、下アームスイッチをオフ状態に維持する第2動作と、第1インバータにスイッチング駆動を実施し、第2インバータの下アームスイッチをオン、上アームスイッチをオフ状態に維持する第3動作と、第2インバータにスイッチング駆動を実施し、第1インバータの下アームスイッチをオン、上アームスイッチをオフ状態に維持する第4動作と、を切り替えて各インバータを制御する。【選択図】 図7

Description

本発明は、回転電機の制御装置に関する。
従来、オープン巻線を有する回転電機を備える回転電機システムが知られている(例えば、特許文献1)。この回転電機システムでは、回転電機を構成する各相の巻線の両端のうち第1端には、第1インバータが接続され、第2端には、第2インバータが接続されている。また、第1インバータの高電位側と第2インバータの高電位側とが、高電位側接続線により接続され、第1インバータの低電位側と第2インバータの低電位側とが、低電位側接続線により接続されている。上述した回転電機システムでは、回転電機を駆動する際に、各インバータの上、下アームスイッチにPWM駆動を実施するHブリッジ駆動を実施できる。
Hブリッジ駆動では、第1インバータと第2インバータのうち、一方のインバータにPWM駆動を実施し、他方のインバータの上、下アームスイッチのうち、一方のアームスイッチをオフ状態とし、他方のアームスイッチをオン状態とする。そして、PWM駆動を実施するインバータを所定期間毎に切り替える。そのため、例えば第1インバータがPWM駆動を実施する期間が、第2インバータがPWM駆動を実施する期間よりも長いと、第1インバータにおける上、下アームスイッチにPWM駆動によるスイッチング損失が集中し、これらのスイッチの温度が過度に上昇する。特許文献1に記載の技術では、第1インバータと第2インバータとを、同じ振幅で極性を反転させた駆動信号で駆動する。これにより、インバータ間におけるスイッチング損失の集中が抑制される。
特開2017−93077号公報
各インバータにおいて、特定のスイッチにスイッチング損失や通電による損失等の損失が集中すると、このスイッチの温度が過度に上昇する。特許文献1に記載の技術では、特定のスイッチにおけるスイッチング損失や通電による損失集中を回避する一方、インバータを構成する全素子が常時PWM制御を実施するため、インバータ全体の損失が増加する問題が生じる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、各インバータにおいて、インバータ全体の損失を抑制するとともに、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる回転電機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための第1の手段は、多相の巻線を有する回転電機と、前記回転電機との間で電力の入出力を行う直流電源と、を備える回転電機システムに適用される回転電機の制御装置であって、前記回転電機システムは、直列接続された上アームスイッチと下アームスイッチとを相毎に有し、それら上アームスイッチと下アームスイッチとの接続点が各相の前記巻線の両端のうち第1端に接続される第1インバータと、直列接続された上アームスイッチと下アームスイッチとを相毎に有し、それら上アームスイッチと下アームスイッチとの接続点が各相の前記巻線の両端のうち第2端に接続される第2インバータと、前記直流電源の正極側、前記第1インバータの高電位側及び前記第2インバータの高電位側を接続する高電位側接続線と、前記直流電源の負極側、前記第1インバータの低電位側及び前記第2インバータの低電位側を接続する低電位側接続線と、を備え、前記第1インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第2インバータにおける上アームスイッチをオン状態に維持し、前記第2インバータにおける下アームスイッチをオフ状態に維持する第1動作と、前記第2インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第1インバータにおける上アームスイッチをオン状態に維持し、前記第1インバータにおける下アームスイッチをオフ状態に維持する第2動作と、前記第1インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第2インバータにおける下アームスイッチをオン状態に維持し、前記第2インバータにおける上アームスイッチをオフ状態に維持する第3動作と、前記第2インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第1インバータにおける下アームスイッチをオン状態に維持し、前記第1インバータにおける上アームスイッチをオフ状態に維持する第4動作と、を切り替えて設定する設定部と、前記設定部により設定された動作に基づいて前記第1インバータ及び前記第2インバータを制御する制御部と、を備える。
オープン巻線を有する回転電機を備える回転電機システムでは、第1インバータと第2インバータとを用いて回転電機を駆動する場合に、第1動作と第2動作との切り替えが適宜実施される。第1動作と第2動作とが実施されると、第1インバータと第2インバータとのうち、一方のインバータのみにPWM駆動を実施するため、インバータ全体の損失を抑制できる。一方、第1動作と第2動作のみが実施されると、各インバータの上アームスイッチに通電による損失が集中するため、上アームスイッチの温度が過度に上昇してしまう。この点、上記構成では、第1動作と第2動作とに加えて、第3動作と第4動作とが実施される。第3動作と第4動作とでは、各インバータの下アームスイッチに通電による損失が集中する。そのため、第1動作と第2動作と第3動作と第4動作とを切り替えて実施することで、特定のスイッチに損失が集中することを抑制でき、インバータ全体の損失を抑制するとともに、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
第2の手段では、前記制御部は、前記第1動作と、前記第2動作及び前記第3動作の一方とを交互に実施する第1交流制御と、前記第2動作及び前記第3動作の他方と、前記第4動作とを交互に実施する第2交流制御と、を切り替えて実施する。
第1動作及び第4動作では、回転電機の各巻線において、第2インバータ側を高電位、第1インバータ側を低電位とする電圧が印加され、第2動作及び第3動作では、回転電機の各巻線において、第1インバータ側を高電位、第2インバータ側を低電位とする電圧が印加される。上記構成によれば、回転電機の交流制御が可能な2組の動作対を構成しつつ、これらを切り替えて実施する。これにより、回転電機に交流電流を流しつつ、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
第3の手段では、前記回転電機の回転速度を検出する回転速度検出部を備え、前記制御部は、前記回転速度検出部により検出された前記回転速度が閾値回転速度よりも大きい場合に、前記回転電機の電気角周期に基づいて前記第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替え、閾値回転速度よりも小さい場合に、前記電気角周期よりも短い基準期間に基づいて前記第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替える。
例えば回転電機のロック状態や極低回転状態など、回転電機の回転速度が閾値回転速度よりも小さい場合、電気角周期が長くなるため、電気角周期毎に第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられると、各交流制御の実施期間が長くなり、特定のスイッチにおける温度が過度に上昇する。上記構成によれば、回転電機の回転速度が閾値回転速度よりも小さい場合、電気角周期よりも短い基準期間に基づいて第1交流制御と第2交流制御とを切り替える。これにより、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
第4の手段では、前記各インバータにおける上、下アームスイッチの温度又は該温度と相関を有するパラメータのいずれかである温度パラメータを取得するパラメータ取得部を備え、前記制御部は、取得された前記温度パラメータに基づいて前記各インバータにおける上、下アームスイッチに、その温度が閾値温度よりも高い過熱スイッチが存在すると判定した場合に、前記過熱スイッチがオン状態とされるオン期間がそれ以外のスイッチにおけるオン期間よりも短くなるように、前記第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替える。
例えば第1交流制御では、各インバータの上アームスイッチに損失が集中するため、上アームスイッチの温度が上昇する。通常、第1交流制御において上アームスイッチの温度が上昇した場合でも、上アームスイッチの温度が閾値温度よりも高くならないように、予め定められた条件で第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられる。しかし、上アームスイッチの損失特性や冷却特性にはばらつきが存在するため、予め定められた条件で第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられても、上アームスイッチの温度が閾値温度よりも高くなり、過熱スイッチとなることがある。上記の構成では、損失特性や冷却特性のばらつきにより過熱スイッチが存在することとなった場合には、過熱スイッチにおけるオン期間がそれ以外のスイッチにおけるオン期間よりも短くなるように、第1交流制御と第2交流制御とを切り替える。これにより、過熱スイッチの温度上昇が抑制され、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
第5の手段では、前記第1交流制御は、前記第1動作と前記第2動作とを交互に実施する制御であり、前記第2交流制御は、前記第3動作と前記第4動作とを交互に実施する制御である。
各動作の切り替えにより損失が増加する場合がある。特に、オン状態に維持するスイッチを上アームスイッチから下アームスイッチに切り替える特定切り替えでは、発生する損失が大きくなるため、その回数が少ないことが望ましい。上記の構成では、第1交流制御において、第1動作と第2動作とが交互に実施され、オン状態に維持されるスイッチが上アームスイッチに限られる。また、第2交流制御において、第3動作と第4動作とが交互に実施され、オン状態に維持されるスイッチが下アームスイッチに限られる。そのため、第1交流制御及び第2交流制御を実施している期間には、特定切り替えが実施されず、第1交流制御と第2交流制御との切り替えにおいてのみ特定切り替えが実施される。そのため、各動作の切り替えにより発生する損失を抑制できる。
第6の手段では、前記制御部は、前記第1動作及び前記第2動作において、第1制御信号により前記第1インバータの上アームスイッチを制御するとともに、第2制御信号により前記第2インバータの上アームスイッチを制御し、前記第3動作及び前記第4動作において、前記第1制御信号により前記第2インバータの下アームスイッチを制御するとともに、第2制御信号により前記第1インバータの下アームスイッチを制御する。
上記構成によれば、第1交流制御に用いる制御信号を、異なるインバータであって、且つ接続点に対して異なる側のスイッチに用いることで、第2交流制御を実施する。これにより、第1交流制御と第2交流制御において、制御に用いる制御信号を共通化でき、制御信号を生成する構成を共通化することで、回転電機の制御装置の構成を簡略化できる。
第7の手段では、前記制御部は、前記回転電機への出力電圧の目標値である電圧指令値に基づいて、前記各インバータにおける上、下アームスイッチの制御を実施し、搬送波の振幅を前記電圧指令値に加算することにより第1電圧指令値を算出し、前記搬送波の振幅を前記電圧指令値から減算することにより第2電圧指令値を算出する指令値算出部と、前記第1電圧指令値と前記搬送波との大小比較に基づいて、前記第1制御信号を生成し、前記第2電圧指令値と前記搬送波との大小比較に基づいて、前記第2制御信号を生成する信号生成部と、を備える。
上記構成によれば、電圧指令値と搬送波とに基づいて第1制御信号と第2制御信号とを生成する。そのため、回転電機の動作状態に基づいて、各インバータのスイッチを制御できる。
第8の手段では、前記制御部は、前記回転電機への出力電圧の目標値である電圧指令値に基づいて、前記各インバータにおける上、下アームスイッチの制御を実施し、搬送波の振幅を該搬送波から減算することにより第1搬送波を算出し、前記搬送波の振幅を該搬送波に加算することにより第2搬送波を算出する搬送波算出部と、前記電圧指令値と前記第1搬送波との大小比較に基づいて、前記第1制御信号を生成し、前記電圧指令値と前記第2搬送波との大小比較に基づいて、前記第2制御信号を生成する信号生成部と、を備える。
上記構成によれば、電圧指令値と搬送波とに基づいて第1制御信号と第2制御信号とを生成する。そのため、回転電機の動作状態に基づいて、各インバータのスイッチを制御できる。
第9の手段では、前記第1動作、前記第2動作、前記第4動作、及び前記第3動作を所定の順番で繰り返し実施する。
上記構成によれば、回転電機に交流電流を流しつつ、各スイッチに発生する損失が平均化される。これにより、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
回転電機システムの全体構成図。 第1動作におけるU相巻線へのバッテリ電圧印加経路を示す図。 第2動作におけるU相巻線へのバッテリ電圧印加経路を示す図。 第3動作におけるU相巻線へのバッテリ電圧印加経路を示す図。 第4動作におけるU相巻線へのバッテリ電圧印加経路を示す図。 切替制御処理のフローチャート。 第1,第2インバータの各スイッチの状態の推移を示すタイムチャート。 第1実施形態に係る信号生成回路の回路構成を示す図。 第1実施形態に係る第1制御信号と第2制御信号との生成過程を示す図。 第1,第2インバータの各スイッチの温度の推移を示すタイムチャート。 第2実施形態に係る信号生成回路の回路構成を示す図。 第2実施形態に係る第1制御信号と第2制御信号との生成過程を示す図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る回転電機の制御装置を、車載の回転電機システム100に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る回転電機システム100は、回転電機10と、第1インバータ20と、第2インバータ30と、回転電機10を制御対象とする制御装置50と、を備えている。
回転電機10は、回生発電及び力行駆動の機能を有し、具体的には、MG(Motor Generator)である。回転電機10は、バッテリ40との間で電力の入出力を行うものであり、力行時には、バッテリ40から供給される電力により車両に推進力を付与し、回生時には、車両の減速エネルギーを用いて発電を行い、バッテリ40に電力を出力する。
回転電機10は、オープン型の3相の巻線11を有する。巻線11は、U,V,W相巻線11U,11V,11Wを含む。回転電機10のロータは、車両の駆動輪と動力伝達が可能なように接続されている。回転電機10は、例えば同期機である。
回転電機10の各相の巻線11は、第1インバータ20を介して、直流の電源部であるバッテリ40に接続されている。バッテリ40は、充放電可能な蓄電池であり、具体的には、複数のリチウムイオン蓄電池が直列接続された組電池である。なお、バッテリ40は、他の種類の蓄電池であってもよい。本実施形態において、バッテリ40は「直流電源」に相当する。
第1インバータ20は、高電位側のスイッチング素子である上アームスイッチ22(22A,22B,22C)、及び低電位側のスイッチング素子である下アームスイッチ23(23A,23B,23C)の直列接続体が、並列に接続されて構成されている。各相上アームスイッチ22と下アームスイッチ23の接続点には、回転電機10の対応する相の巻線11の第1端が接続されている。なお、本実施形態では、スイッチ22,23として、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的にはIGBTを用いている。各スイッチには、フリーホイールダイオード24が逆並列にそれぞれ接続されている。また、各スイッチには、温度センサ25が設けられている。以下、温度センサ25が検出する上アームスイッチ22の温度をTU1といい、温度センサ25が検出する下アームスイッチ23の温度をTD1という。
第2インバータ30は、高電位側のスイッチング素子である上アームスイッチ32(32A,32B,32C)、及び低電位側のスイッチング素子である下アームスイッチ33(33A,33B,33C)の直列接続体が、並列に接続されて構成されている。各相上アームスイッチ32と下アームスイッチ33の接続点には、回転電機10の対応する相の巻線11の第2端が接続されている。なお、本実施形態では、スイッチ32,33として、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的にはIGBTを用いている。各スイッチには、フリーホイールダイオード34が逆並列にそれぞれ接続されている。また、各スイッチには、温度センサ35が設けられている。以下、温度センサ35が検出する上アームスイッチ32の温度をTU2といい、温度センサ35が検出する下アームスイッチ33の温度をTD2という。
バッテリ40の高電位側と第1インバータ20の高電位側とは、電源線LEにより接続されており、バッテリ40の低電位側と第1インバータ20の低電位側とは、接地線LGにより接続されている。また、第1インバータ20の高電位側と第2インバータ30の高電位側とは、高電位側接続線LUにより接続されており、第1インバータ20の低電位側と第2インバータ30の低電位側とは、低電位側接続線LDにより接続されている。これにより、第2インバータ30は、第1インバータ20を介してバッテリ40に接続される。
回転電機システム100は、バッテリ40の電源電圧Vbatを検出する電圧センサ51、回転電機10の各相の巻線11に流れる相電流を検出する電流センサ52、及び回転電機10の回転角を検出する角度センサ53(例えばレゾルバ)を備えている。各センサの検出値は、制御装置50に入力される。制御装置50は、取得した検出値に基づき、回転電機10の制御量をその指令値に制御すべく、第1インバータ20と第2インバータ30とを制御する。制御量は、例えばトルクである。
具体的には、制御装置50は、第1インバータ20の制御において、デッドタイムを挟みつつスイッチ22,23を交互にオン状態とすべく、スイッチ22,23それぞれに対応する第1駆動信号SG1を、スイッチ22,23に出力する。第1駆動信号SG1は、スイッチのオン状態への切り替えを指示するオン指令と、オフ状態への切り替えを指示するオフ指令とのいずれかをとる。
また、制御装置50は、第2インバータ30の制御において、デッドタイムを挟みつつスイッチ32,33を交互にオン状態とすべく、スイッチ32,33それぞれに対応する第2駆動信号SG2を、スイッチ32,33に出力する。
さらに、制御装置50は、取得した検出値に基づいて、回転電機10の動作状態を取得する。回転電機10の動作状態は、例えば高速回転状態や低速回転状態である。そして、取得した動作状態に基づいて、第1駆動信号SG1と第2駆動信号SG2とを生成する。
例えば、回転電機10が高速回転状態である場合、第1インバータ20と第2インバータ30とがHブリッジ駆動される。Hブリッジ駆動では、PWM駆動により第1インバータ20と第2インバータ30とが制御される。PWM駆動は、回転電機10への出力電圧の目標値である電圧指令値V*(図9参照)と、三角波信号等のキャリア信号SDとの大小比較に基づいて、各相の上,下アームスイッチの状態を制御する駆動である。なお、本実施形態において、PWM駆動が「スイッチング駆動」に相当する。
Hブリッジ駆動では、第1動作と第2動作とが交互に実施される。図2に、回転電機10の第1動作におけるU相巻線11Uへのバッテリ電圧印加経路を示し、図3に、回転電機10の第2動作におけるU相巻線11Uへのバッテリ電圧印加経路を示す。
図2に示すように、第1動作では、第1インバータ20の上,下アームスイッチ22A,23AがPWM駆動され、第2インバータ30の上アームスイッチ32Aがオン状態とされ、下アームスイッチ33Aがオフ状態とされるように制御される。これにより、回転電機10のU相の巻線11において、第2インバータ30側が高電位となり、第1インバータ20側が低電位となる。
また、図3に示すように、第2動作では、第2インバータ30の上,下アームスイッチ32A,33AがPWM駆動され、第1インバータ20の上アームスイッチ22Aがオン状態とされ、下アームスイッチ23Aがオフ状態とされるように制御される。これにより、回転電機10のU相の巻線11において、第1インバータ20側が高電位となり、第2インバータ30側が低電位となる。そのため、第1動作と第2動作とが交互に実施されることで、回転電機10の各相の巻線11に交流電流が流れる。以下、第1動作と第2動作とを交互に実施する制御を、第1交流制御という。
ところで、図2,3に示すように、第1動作及び第2動作では、PWM駆動が実施されないインバータにおいて、上アームスイッチ22A,32Aがオン状態とされ、下アームスイッチ23A,33Aがオフ状態とされる。そのため、各インバータ20,30の上アームスイッチ22A,32Aに通電による損失が集中し、上アームスイッチ22A,32Aの温度TU1,TU2が過度に上昇する問題が生じる。
そこで、本実施形態では、Hブリッジ駆動において、第1交流制御に加え、第3動作と第4動作とを交互に実施する第2交流制御を実施する。図4に、回転電機10の第3動作におけるU相巻線11Uへのバッテリ電圧印加経路を示し、図5に、回転電機10の第4動作におけるU相巻線11Uへのバッテリ電圧印加経路を示す。
図4に示すように、第3動作では、第1インバータ20の上,下アームスイッチ22A,23AがPWM駆動され、第2インバータ30の上アームスイッチ32Aがオフ状態とされ、下アームスイッチ33Aがオン状態とされるように制御される。これにより、回転電機10のU相の巻線11において、第1インバータ20側が高電位となり、第2インバータ30側が低電位となる。
図5に示すように、第4動作では、第2インバータ30の上,下アームスイッチ32A,33AがPWM駆動され、第1インバータ20の上アームスイッチ22Aがオフ状態とされ、第1インバータ20の下アームスイッチ23Aがオン状態とされるように制御される。これにより、回転電機10のU相の巻線11において、第2インバータ30側が高電位となり、第1インバータ20側が高電位となる。そのため、第3動作と第4動作とが交互に実施されることで、回転電機10の各相の巻線11に交流電流が流れる。
そして、本実施形態では、第1交流制御と第2交流制御とを切り替えて実施する切替制御処理を実施する。これにより、第1動作と第2動作と第3動作と第4動作とが切り替えて実施され、各インバータ20,30における上アームスイッチ22A,32Aへの損失の集中が抑制される。これにより、各インバータ20,30において、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
図6に本実施形態の切替制御処理のフローチャートを示す。本実施形態では、回転電機10の力行時における切替制御処理のフローチャートを示す。制御装置50は、回転電機10の力行動作中、所定期間毎に切替制御処理を繰り返し実施する。
切替制御処理を開始すると、まずステップS10において、回転電機10の交流制御が第1交流制御であるかを判定する。回転電機10の交流制御は、駆動信号SG1,SG2により判定されればよい。
ステップS10で肯定判定すると、ステップS12において、第1交流制御を開始してからの経過時間tを取得する。続くステップS14において、回転電機10の回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい低回転状態であるかを判定する。ここで、閾値回転速度Nthは、回転電機10のロック状態、又は極低速で回転電機10がトルクを発生させている状態における回転速度である。なお、回転速度NEは、例えば回転電機10の回転角を時間微分した電気角速度ωに基づいて算出することができる。
回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも大きいと判定された場合に、ステップS14で否定判定される。この場合、回転電機10の電気角周期TSに基づいて、第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替える。具体的には、ステップS16において、ステップS12で取得された経過時間tが、回転電機10の電気角N1周期よりも大きいかを判定する。ここで、周期数N1は、第1交流制御から第2交流制御に切り替えるための周期数であり、2以上の自然数に予め設定されている。
ステップS16で否定判定すると、ステップS26において、第1交流制御を継続するように設定する。続くステップS28において、第1交流制御を実施し、切替制御処理を終了する。なお、第1交流制御では、第1動作と第2動作とが交互に実施され、第1動作が実施される第1動作期間と、第2動作が実施される第2動作期間とが等しくなるように、各インバータ20,30が制御される。
ステップS16で肯定判定すると、ステップS20において、各インバータ20,30の上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2を取得する。続くステップS22において、ステップS20で取得された温度TU1,TU2のうち、その最高温度TUXが閾値温度Tthよりも大きいかを判定する。ここで、閾値温度Tthは、各スイッチの過熱による故障を抑制するための温度であり、各スイッチの使用上限温度以下に設定されている。
ステップS22で否定判定すると、ステップS30において、回転電機10の交流制御の設定を第2交流制御に切り替える。続くステップS32において、第2交流制御を実施し、切替制御処理を終了する。
ステップS22で肯定判定すると、ステップS24において、上アームスイッチ22,32がオン状態とされるオン期間が、下アームスイッチ23,33のオン期間よりも短くなるようにする。具体的には、周期数N1を減数し、ステップS30に進む。
一方、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さいと判定された場合に、ステップS14で肯定判定される。この場合、規定期間TKに基づいて、第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替える。ここで、規定期間TKは、回転速度NEが閾値回転速度Nthである場合における電気角周期TSである。そのため、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、規定期間TKは、電気角周期TSよりも短くなる。
具体的には、ステップS18において、ステップS12で取得された経過時間tが、規定期間TKよりも大きいかを判定する。ステップS18で否定判定すると、ステップS26に進む。また、ステップS18で肯定判定すると、ステップS30に進む。
一方、ステップS10で否定判定すると、ステップS34において、第2交流制御を開始してからの経過時間tを取得する。続くステップS36において、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい低回転状態であるかを判定する。なお、本実施形態において、ステップS14,S36の処理が「判定部」に相当する。
ステップS36で否定判定すると、ステップS38において、ステップS34で取得された経過時間tが、回転電機10の電気角N2周期よりも大きいかを判定する。ここで、周期数N2は、第2交流制御から第1交流制御に切り替えるための周期数であり、2以上の自然数に予め設定されている。なお、周期数N2は、周期数N1と等しくてもよければ、異なっていてもよい。
ステップS38で否定判定すると、ステップS48において、第2交流制御を継続するように設定する。続くステップS50において、第2交流制御を実施し、切替制御処理を終了する。なお、第2交流制御では、第3動作と第4動作とが交互に実施され、第3動作が実施される第3動作期間と、第4動作が実施される第4動作期間とが等しくなるように、各インバータ20,30が制御される。
一方、ステップS38で肯定判定すると、ステップS42において、各インバータ20,30の下アームスイッチ23,33の温度TD1,TD2を取得する。続くステップS44において、ステップS42で取得された温度TD1,TD2のうち、その最高温度TDXが閾値温度Tthよりも大きいかを判定する。なお、本実施形態において、ステップS20,S42の処理が「パラメータ取得部」に相当する。
ステップS44で否定判定すると、ステップS52において、回転電機10の交流制御の設定を第1交流制御に切り替える。続くステップS54において、第1交流制御を実施し、切替制御処理を終了する。なお、本実施形態において、ステップS26,S30,S48,S52の処理が「設定部」に相当し、ステップS28,S32,S50,S54の処理が「制御部」に相当する。
ステップS44で肯定判定すると、ステップS48において、下アームスイッチ23,33のオン期間が上アームスイッチ22,32のオン期間よりも短くなるようにする。具体的には、周期数N2を減数し、ステップS54に進む。
一方、ステップS36で肯定判定すると、ステップS40において、ステップS12で取得された経過時間tが、規定期間TKよりも大きいかを判定する。ステップS40で否定判定すると、ステップS52に進む。また、ステップS40で肯定判定すると、ステップS54に進む。
続いて、図7に、第1交流制御と第2交流制御における第1,第2インバータ20,30の各スイッチの状態の推移を示す。ここで、図7(A)は、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも大きい場合の各スイッチの状態の推移を示し、図7(B)は、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合の各スイッチの状態の推移を示す。
図7(A)に示すように、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも大きい場合、時刻t1に第1交流制御を開始すると、回転電機10の動作状態に対応する所定周期で第1動作と第2動作とが交互に切り替えられる。
第1動作及び第2動作において、第1インバータ20の上アームスイッチ22が、第1制御信号SC1(図9参照)により制御される。第1制御信号SC1は、第1動作期間において、オン指令が出力される状態(以下、オン出力状態)とオフ指令が出力される状態(以下、オフ出力状態)とが所定周波数で切り替えられ、第2動作期間において、オン出力状態に維持される。また、第1インバータ20の下アームスイッチ23は、第1制御信号SC1のオン出力状態とオフ出力状態とを反転させた第1反転信号SR1により制御される。つまり、第1動作及び第2動作において、第1制御信号SC1と第1反転信号SR1により、第1駆動信号SG1が構成されている。
また、第2インバータ30の上アームスイッチ32は、第2制御信号SC2(図9参照)により制御される。第2制御信号SC2は、第1動作期間において、オン出力状態に維持され、第2動作期間において、オン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられる。また、第2インバータ30の下アームスイッチ33は、第2制御信号SC2のオン出力状態とオフ出力状態とを反転させた第2反転信号SR2により制御される。つまり、第1動作及び第2動作において、第2制御信号SC2と第2反転信号SR2により、第2駆動信号SG2が構成されている。
その後、時刻t1から電気角N1周期が経過した時刻t2に、第1交流制御から第2交流制御に切り替えられる。第2交流制御では、回転電機10の動作状態に対応する所定周期で第3動作と第4動作とが切り替えられる。
第3動作及び第4動作において、第1インバータ20の上アームスイッチ22は、第2反転信号SR2により制御され、第1インバータ20の下アームスイッチ23は、第2制御信号SC2により制御されている。つまり、第3動作及び第4動作において、第2反転信号SR2と第2制御信号SC2により、第1駆動信号SG1が構成されている。
また、第2インバータ30の上アームスイッチ32は、第1反転信号SR1により制御されており、第2インバータ30の下アームスイッチ33は、第1制御信号SC1により制御されている。つまり、第3動作及び第4動作において、第1反転信号SR1と第1制御信号SC1により、第2駆動信号SG2が構成されている。
つまり、本実施形態では、第1交流制御と第2交流制御とにおいて、各制御信号SC1,SC2を入力するインバータ20,30だけでなく、上,下アームを入れ替える。これにより、同一の制御信号SC1,SC2を用いて、第1,第2インバータ20,30の各スイッチの状態を制御できる。回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合も同様である。
図7(B)に示すように、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、時刻t11に第1交流制御を開始すると、電気角周期TSよりも短い規定期間TK毎に第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられる。本実施形態では、規定期間TKは電気角周期TSの1/4の期間となっている。
本実施形態では、この規定期間TKにおいて、第1〜第4動作のうちの1つの動作のみが実施される。具体的には、時刻t11に第1交流制御を開始すると、第2動作のみが実施され、その後、時刻t11から規定期間TKが経過した時刻t12に、第1交流制御から第2交流制御に切り替えられると、第3動作のみが実施される。また、時刻t12から規定期間TKが経過した時刻t13に、第1交流制御に切り替えられると、第1動作のみが実施され、時刻t13から規定期間TKが経過した時刻t14に、第2交流制御に切り替えられると、第4動作のみが実施される。
つまり、本実施形態では、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、第2動作、第3動作、第1動作、及び第4動作が、この順に繰り返し実施される。なお、本実施形態において、第2動作、第3動作、第1動作、及び第4動作の順番が「所定の順番」に相当する。
続いて、図8,9を用いて、第1制御信号SC1と第2制御信号SC2との生成方法について説明する。図8に、第1制御信号SC1と第2制御信号SC2とを生成する信号生成回路60(図1参照)の回路構成を示す。第1制御信号SC1と第2制御信号SC2とは、電圧指令値V*とキャリア信号SDとに基づいて生成される。また、図9に、第1制御信号SC1と第2制御信号SC2との生成過程を示す。図9(A),(B)に示すように、本実施形態のキャリア信号SD(搬送波)は、振幅がVAであり、その中心電圧がゼロである三角波信号である。
第1加算回路61は、電圧指令値V*を取得し、取得した電圧指令値V*にキャリア信号SDの振幅であるVAを加算する。第1加算回路61は、加算後の第1電圧指令値V1*を、第1オペアンプ62の正極側入力端子62Aに出力する。図9(C)に示すように、第1電圧指令値V1*は、その中心電圧がVAである信号となる。
第1オペアンプ62の負極側入力端子62Bには、キャリア信号SDが入力されている。第1オペアンプ62は、第1電圧指令値V1*がキャリア信号SDよりも大きい場合にオン指令となり、第1電圧指令値V1*がキャリア信号SDよりも小さい場合にオフ指令となる第1制御信号SC1(図9(D)参照)を、出力端子62Cから出力する。
また、第2加算回路63は、電圧指令値V*を取得し、取得した電圧指令値V*からキャリア信号SDの振幅であるVAを減算する。第2加算回路63は、減算後の第2電圧指令値V2*を、第2オペアンプ64の負極側入力端子64Bに出力する。図9(C)に示すように、第2電圧指令値V2*は、その中心電圧が−VAである信号となる。なお、本実施形態において、第1加算回路61及び第2加算回路63が「指令値算出部」に相当する。
第2オペアンプ64の正極側入力端子64Aには、キャリア信号SDが入力されている。第2オペアンプ64は、キャリア信号SDが第2電圧指令値V2*よりも大きい場合にオン指令となり、キャリア信号SDが第2電圧指令値V2*よりも小さい場合にオフ指令となる第2制御信号SC2(図9(E)参照)を、出力端子64Cから出力する。なお、本実施形態において、第1オペアンプ62及び第2オペアンプ64が「信号生成部」に相当する。
そのため、第1制御信号SC1は、第1電圧指令値V1*が中心電圧VAよりも大きくなる半周期において、オン出力状態に維持され、第1電圧指令値V1*がその中心電圧VAよりも小さくなる半周期において、オン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられる。第1制御信号SC1がオン出力状態に維持される期間は、第1交流制御において第2動作期間に相当し、第2交流制御において第3動作期間に相当する。また、第1制御信号SC1のオン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられる期間は、第1交流制御において第1動作期間に相当し、第2交流制御において第4動作期間に相当する。
また、第2制御信号SC2は、第2電圧指令値V2*がその中心電圧−VAよりも大きくなる半周期において、オン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられ、第2電圧指令値V2*が中心電圧−VAよりも小さくなる半周期において、オン出力状態に維持される。つまり、第1制御信号SC1と第2制御信号SC2とでは、オン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられる期間と、オン出力状態に維持される期間とが互いに異なっている。第2制御信号SC2のオン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられる期間は、第1交流制御において第2動作期間に相当し、第2交流制御において第3動作期間に相当する。また、第2制御信号SC2がオン出力状態に維持される期間は、第1交流制御において第1動作期間に相当し、第2交流制御において第4動作期間に相当する。
続いて、図10に、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも大きい場合における第1,第2インバータ20,30の各スイッチの温度の推移を示す。なお、図10において、各インバータ20,30の上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2を実線で示し、下アームスイッチ23,33の温度TD1,TD2を破線で示している。
図7(A)に示すように、第1交流制御と第2交流制御とでは、第1,第2インバータ20,30の各スイッチの切り替え回数が略等しい。そのため、切り替えに伴う各スイッチの温度上昇量は等しくなる。
一方、第1交流制御では、第2動作期間に第1インバータ20の上アームスイッチ22がオン状態となり、第1インバータ20の下アームスイッチ23がオフ状態となる。また、第1動作期間に第2インバータ30の上アームスイッチ32がオン状態となり、第2インバータ30の下アームスイッチ33がオフ状態となる。つまり、第1交流制御では、通電に起因して、上アームスイッチ22,32の温度上昇量が下アームスイッチ23,33の温度上昇量よりも大きくなる。そのため、第1交流制御では、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が、下アームスイッチ23,33の温度TD1,TD2よりも高くなる。
第1交流制御において上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が上昇し、第1交流制御を終了する時刻t2において、その最高温度TUXが閾値温度Tthよりも大きくなると、最高温度TUXに対応する上アームスイッチ22,32が過熱により劣化する。周期数N1は、最高温度TUXが閾値温度Tthよりも小さくなるように予め設定されている。しかし、上アームスイッチ22,32の特性には個体差があり、この個体差により、時刻t2において最高温度TUXが閾値温度Tthよりも大きくなることがある。なお、第1交流制御において、上アームスイッチ22,32が「過熱スイッチ」に相当し、下アームスイッチ23,33が「それ以外のスイッチ」に相当する。
そこで、本実施形態では、時刻t2において最高温度TUXが閾値温度Tthよりも大きくなっている場合には、周期数N1を減数する。これにより、上アームスイッチ22,32の特性に応じて、上アームスイッチ22,32が過熱により劣化することを抑制できる。なお、この場合に、周期数N2を増数して、上アームスイッチ22,32の放熱時間を延長してもよい。
また、第2交流制御では、第3動作期間に第2インバータ30の下アームスイッチ33がオン状態となり、第2インバータ30の上アームスイッチ32がオフ状態となる。また、第4動作期間に第1インバータ20の下アームスイッチ23がオン状態となり、第1インバータ20の上アームスイッチ22がオフ状態となる。つまり、第2交流制御では、通電に起因して、下アームスイッチ23,33の温度上昇量が上アームスイッチ22,32の温度上昇量よりも大きくなる。そのため、第2交流制御では、下アームスイッチ23,33の温度TD1,TD2が、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2よりも高くなる。
第2交流制御において下アームスイッチ23,33の温度TD1,TD2が上昇し、第2交流制御を終了する時刻t3において、その最高温度TDXが閾値温度Tthよりも大きくなると、最高温度TDXに対応する下アームスイッチ23,33が過熱により劣化する。周期数N2は、最高温度TDXが閾値温度Tthよりも小さくなるように予め設定されている。しかし、下アームスイッチ23,33の特性には個体差があり、この個体差により、時刻t3において最高温度TDXが閾値温度Tthよりも大きくなることがある。なお、第2交流制御において、下アームスイッチ23,33が「過熱スイッチ」に相当し、上アームスイッチ22,32が「それ以外のスイッチ」に相当する。
そこで、本実施形態では、時刻t3において最高温度TDXが閾値温度Tthよりも大きくなっている場合には、周期数N2を減数する。これにより、これにより、下アームスイッチ23,33の特性に応じて、下アームスイッチ23,33が過熱により劣化することを抑制できる。なお、この場合に、周期数N1を増数して、下アームスイッチ23,33の放熱時間を延長してもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・オープン型の巻線11を有する回転電機10を備える回転電機システム100では、第1インバータ20と第2インバータ30とを用いて回転電機10を駆動する場合に、第1動作と第2動作との切り替えが適宜実施される。第1動作と第2動作とが実施されると、第1インバータ20と第2インバータ30とのうち、一方のインバータのみにPWM駆動を実施するため、インバータ全体の損失を抑制できる。一方、第1動作と第2動作のみが実施されると、各インバータ20,30の上アームスイッチ22,32に損失が集中するため、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が過度に上昇してしまう。
この点、本実施形態では、第1動作と第2動作とに加えて、第3動作と第4動作とが実施される。第3動作と第4動作とでは、各インバータ20,30の下アームスイッチ23,33に損失が集中する。そのため、第1動作と第2動作と第3動作と第4動作とを切り替えて実施することで、特定のスイッチに損失が集中することを抑制でき、インバータ全体の損失を抑制するとともに、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。具体的には、第1動作と第2動作と第3動作と第4動作とにおいて、オフ状態とされるスイッチを切り替える。オフ状態とされるスイッチでは、スイッチング損失や通電による損失が発生しない。そのため、温度の上昇を抑制できる。
・本実施形態では、第1動作と第2動作とが交互に実施される第1交流制御と、第3動作と第4動作とが交互に実施される第2交流制御とが切り替えて実施される。つまり、回転電機10の交流制御が可能な2組の動作対を構成しつつ、これらを切り替えて実施する。これにより、回転電機10に交流電流を流しつつ、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
各動作の切り替えにより損失が増加する場合がある。特に、オン状態に維持するスイッチを、上アームスイッチ22,32から下アームスイッチ23,33に切り替える特定切り替えでは、発生する損失が大きくなるため、その回数が少ないことが望ましい。本実施形態では、第1交流制御において、第1動作と第2動作とが交互に実施され、オン状態に維持されるスイッチが上アームスイッチ22,32に限られる。また、第2交流制御において、第3動作と第4動作とが交互に実施され、オン状態に維持されるスイッチが下アームスイッチ23,33に限られる。そのため、第1交流制御及び第2交流制御を実施している期間には、特定切り替えが実施されず、第1交流制御と第2交流制御との切り替えにおいてのみ特定切り替えが実施される。そのため、各動作の切り替えにより発生する損失を抑制できる。
・第1交流制御と第2交流制御とは、例えば電気角周期TSに基づいて切り替えられる。しかし、回転電機10のロック状態や極低回転状態など、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、電気角周期TSが長くなる。そのため、電気角周期TSに基づいて第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられると、各交流制御の実施期間が長くなり、特定のスイッチにおける温度が過度に上昇する。本実施形態では、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、電気角周期TSよりも短い規定期間TKに基づいて第1交流制御と第2交流制御とを切り替える。これにより、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
・例えば第1交流制御では、各インバータ20,30の上アームスイッチ22,32に通電による損失が集中するため、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が上昇する。そのため、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも大きい場合、第1交流制御から第2交流制御に切り替えるための周期数N1が予め設定されており、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が閾値温度Tthよりも高くならないようにしている。しかし、上アームスイッチ22,32の損失特性や冷却特性にはばらつきが存在するため、回転電機10の電気角N1周期で第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられても、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が閾値温度Tthよりも高くなることがある。
本実施形態では、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2が閾値温度Tthよりも高くなった場合には、周期数N1を減数し、上アームスイッチ22,32におけるオン期間が、下アームスイッチ23,33におけるオン期間よりも短くなるようにする。これにより、上アームスイッチ22,32の温度TU1,TU2の過度な上昇を抑制できる。第2交流制御における下アームスイッチ23,33の温度TD1,TD2についても同様である。
・本実施形態では、第1交流制御と第2交流制御とにおいて、各制御信号SC1,SC2を入力するインバータ20,30だけでなく、上,下アームを入れ替える。これにより、同一の制御信号SC1,SC2を用いて、第1,第2インバータ20,30の各スイッチの状態を制御でき、制御信号SC1,SC2を生成する信号生成回路60を共通化することで、制御装置50の構成を簡略化できる。
特に、本実施形態では、電圧指令値V*とキャリア信号SDとに基づいて各制御信号SC1,SC2を生成する。これにより、回転電機10の動作状態に応じた各制御信号SC1,SC2を生成でき、回転電機10の動作状態に基づいて、各インバータ20,30のスイッチを制御できる。
・本実施形態では、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、第2動作、第3動作、第1動作、及び第4動作が、この順に繰り返し実施される。そのため、回転電機10に交流電流を流しつつ、各インバータ20,30のスイッチに発生する損失が平均化される。これにより、特定のスイッチにおける温度の過度な上昇を抑制できる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図11,12を参照しつつ説明する。
本実施形態では、信号生成回路60の構成が第1実施形態と異なる。図11に、本実施形態の信号生成回路60の回路構成を示す。また、図12に、第1制御信号SC1と第2制御信号SC2との生成過程を示す。図12(A),(B)に示すように、本実施形態では、キャリア信号SDは、振幅が1/2VAであり、その中心電圧がゼロである信号である。
第3加算回路71は、キャリア信号SDを取得し、取得したキャリア信号SDからキャリア信号SDの振幅である1/2VAを減算する。第3加算回路71は、減算後の第1キャリア信号SD1を、第3オペアンプ72の負極側入力端子72Bに出力する。図11(C)に示すように、第1キャリア信号SD1は、振幅が1/2VAであり、その中心電圧が−1/2VAである信号となる。なお、本実施形態において、第1キャリア信号SD1が「第1搬送波」に相当する。
第3オペアンプ72の正極側入力端子72Aには、電圧指令値V*が入力されている。第3オペアンプ72は、電圧指令値V*が第1キャリア信号SD1よりも大きい場合にオン指令となり、電圧指令値V*が第1キャリア信号SD1よりも小さい場合にオフ指令となる第1制御信号SC1(図11(D)参照)を、出力端子72Cから出力する。
また、第4加算回路73は、キャリア信号SDを取得し、取得したキャリア信号SDにキャリア信号SDの振幅である1/2VAを加算する。第4加算回路73は、加算後の第2キャリア信号SD2を、第4オペアンプ74の正極側入力端子74Aに出力する。図11(C)に示すように、第2キャリア信号SD2は、振幅が1/2VAであり、その中心電圧が1/2VAである信号となる。なお、本実施形態において、第2キャリア信号SD2が「第2搬送波」に相当し、第3加算回路71及び第4加算回路73が「搬送波算出部」に相当する。
第4オペアンプ74の負極側入力端子74Bには、電圧指令値V*が入力されている。第4オペアンプ74は、電圧指令値V*が第2キャリア信号SD2よりも大きい場合にオン指令となり、電圧指令値V*が第2キャリア信号SD2よりも小さい場合にオフ指令となる第2制御信号SC2(図11(E)参照)を、出力端子74Cから出力する。なお、本実施形態において、第3オペアンプ72及び第4オペアンプ74が「信号生成部」に相当する。
そのため、第1制御信号SC1は、電圧指令値V*がその中心電圧(ゼロ)よりも大きくなる半周期において、オン出力状態に維持され、電圧指令値V*がその中心電圧よりも小さくなる半周期において、オン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられる。また、第2制御信号SC2は、電圧指令値V*がその中心電圧よりも大きくなる半周期において、オン出力状態とオフ出力状態とが所定周波数で切り替えられ、電圧指令値V*がその中心電圧よりも小さくなる半周期において、オン出力状態に維持される。
・以上説明した本実施形態によれば、電圧指令値V*とキャリア信号SDとに基づいて各制御信号SC1,SC2を生成する。これにより、回転電機10の動作状態に応じた各制御信号SC1,SC2を生成でき、回転電機10の動作状態に基づいて、各インバータ20,30のスイッチを制御できる。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、次のように実施されてもよい。
・回転電機10としては、3相のものに限らず、2相のものまたは4相以上のものであってもよい。第1インバータ20と第2インバータ30としては、回転電機10が有する相数分の上,下アームスイッチの直列接続体を備えるインバータであればよい。
・第1インバータ20と第2インバータ30とが備えるスイッチとしては、IGBTに限らず、例えばMOSFETであってもよい。この場合、スイッチに逆接続されるダイオードとしてMOSFETのボディダイオードを用いることができ、MOSFETとは別にフリーホイールダイオードを用いる必要がない。
・上記実施形態では、第1動作と第2動作とが交互に実施される第1交流制御と、第3動作と第4動作とが交互に実施される第2交流制御例とが切り替えて実施される例を示した。しかし、交流制御はこれに限られない。例えば、第1動作と第3動作とが交互に実施される第3交流制御と、第2動作と第4動作とが交互に実施される第4交流制御例とが切り替えて実施されてもよい。
・上記実施形態では、各インバータ20,30のスイッチの温度を取得する際に、その温度を直接検出する例を示したが、これに限られない。例えば、各スイッチに流れる電流を検出し、検出された電流からスイッチの温度を推定してもよい。この場合、各スイッチに流れる電流が「温度パラメータ」に相当する。
また、回転速度NEが閾値回転速度Nthよりも小さい場合、第2動作、第3動作、第1動作、及び第4動作が、この順に繰り返し実施される例を示したが、これに限られない。例えば、第3動作、第2動作、第4動作、及び第1動作がこの順に繰り返し実施されてもよい。なお、回転電機10の各相の巻線11において、第1インバータ20側が高電位となる期間では、第2動作と第3動作とを何度切り替えてもよいし、第2インバータ30側が高電位となる期間では、第1動作と第4動作とを何度切り替えてもよい。
・上記各実施形態では、回転電機10の力行時における制御処理について説明したが、制御処理は回転電機10の発電時に実施されてもよい。回転電機10の発電時においても、回転電機10の動作状態により第1交流制御と第2交流制御とが切り替えられ、これにより第1動作と第2動作と第3動作と第4動作とが切り替えて実施されてもよい。
・上記各実施形態では、スイッチング駆動としてPWM駆動を例示したが、これに限られない。例えば、過変調駆動が実施されてもよい。過変調駆動は、回転電機10への出力電圧を高めるように、複数のキャリア周期にわたって各相の上,下アームスイッチをオンにし続ける制御である駆動である。
10…回転電機、11…巻線、20…第1インバータ、30…第2インバータ、40…バッテリ、50…制御装置、100…回転電機システム、LD…低電位側接続線、LU…高電位側接続線。

Claims (9)

  1. 多相の巻線(11)を有する回転電機(10)と、前記回転電機との間で電力の入出力を行う直流電源(40)と、を備える回転電機システム(100)に適用される回転電機の制御装置(50)であって、
    前記回転電機システムは、
    直列接続された上アームスイッチ(22)と下アームスイッチ(23)とを相毎に有し、それら上アームスイッチと下アームスイッチとの接続点が各相の前記巻線の両端のうち第1端に接続される第1インバータ(30)と、
    直列接続された上アームスイッチ(32)と下アームスイッチ(33)とを相毎に有し、それら上アームスイッチと下アームスイッチとの接続点が各相の前記巻線の両端のうち第2端に接続される第2インバータ(20)と、
    前記直流電源の正極側、前記第1インバータの高電位側及び前記第2インバータの高電位側を接続する高電位側接続線(LU)と、
    前記直流電源の負極側、前記第1インバータの低電位側及び前記第2インバータの低電位側を接続する低電位側接続線(LD)と、を備え、
    前記第1インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第2インバータにおける上アームスイッチをオン状態に維持し、前記第2インバータにおける下アームスイッチをオフ状態に維持する第1動作と、
    前記第2インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第1インバータにおける上アームスイッチをオン状態に維持し、前記第1インバータにおける下アームスイッチをオフ状態に維持する第2動作と、
    前記第1インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第2インバータにおける下アームスイッチをオン状態に維持し、前記第2インバータにおける上アームスイッチをオフ状態に維持する第3動作と、
    前記第2インバータにおける上、下アームスイッチのスイッチング駆動を実施し、前記第1インバータにおける下アームスイッチをオン状態に維持し、前記第1インバータにおける上アームスイッチをオフ状態に維持する第4動作と、
    を切り替えて設定する設定部と、
    前記設定部により設定された動作に基づいて前記第1インバータ及び前記第2インバータを制御する制御部と、を備える回転電機の制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第1動作と、前記第2動作及び前記第3動作の一方とを交互に実施する第1交流制御と、
    前記第2動作及び前記第3動作の他方と、前記第4動作とを交互に実施する第2交流制御と、
    を切り替えて実施する請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記回転電機の回転速度(NE)が閾値回転速度(Nth)よりも小さいかを判定する判定部を備え、
    前記制御部は、前記判定部により前記回転速度が前記閾値回転速度よりも大きいと判定された場合に、前記回転電機の電気角周期(TS)に基づいて前記第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替え、前記閾値回転速度よりも小さいと判定された場合に、前記電気角周期よりも短い規定期間(TK)に基づいて前記第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替える請求項2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記各インバータにおける上、下アームスイッチの温度又は該温度と相関を有するパラメータのいずれかである温度パラメータを取得するパラメータ取得部を備え、
    前記制御部は、取得された前記温度パラメータに基づいて前記各インバータにおける上、下アームスイッチに、その温度が閾値温度(Tth)よりも高い過熱スイッチが存在すると判定した場合に、前記過熱スイッチがオン状態とされるオン期間がそれ以外のスイッチにおけるオン期間よりも短くなるように、前記第1交流制御と前記第2交流制御とを切り替える請求項2又は請求項3に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記第1交流制御は、前記第1動作と前記第2動作とを交互に実施する制御であり、
    前記第2交流制御は、前記第3動作と前記第4動作とを交互に実施する制御である請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記制御部は、前記第1動作及び前記第2動作において、第1制御信号(SC1)により前記第1インバータの上アームスイッチを制御するとともに、第2制御信号(SC2)により前記第2インバータの上アームスイッチを制御し、前記第3動作及び前記第4動作において、前記第1制御信号により前記第2インバータの下アームスイッチを制御するとともに、第2制御信号により前記第1インバータの下アームスイッチを制御する請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記制御部は、前記回転電機への出力電圧の目標値である電圧指令値(V*)に基づいて、前記各インバータにおける上、下アームスイッチの制御を実施し、
    搬送波(SD)の振幅(VA)を前記電圧指令値に加算することにより第1電圧指令値(V1*)を算出し、前記搬送波の振幅を前記電圧指令値から減算することにより第2電圧指令値(V2*)を算出する指令値算出部(61,63)と、
    前記第1電圧指令値と前記搬送波との大小比較に基づいて、前記第1制御信号を生成し、前記第2電圧指令値と前記搬送波との大小比較に基づいて、前記第2制御信号を生成する信号生成部(62,64)と、を備える請求項6に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記制御部は、前記回転電機への出力電圧の目標値である電圧指令値(V*)に基づいて、前記各インバータにおける上、下アームスイッチの制御を実施し、
    搬送波(SD)の振幅(1/2VA)を該搬送波(SD)から減算することにより第1搬送波(SD1)を算出し、前記搬送波の振幅を該搬送波に加算することにより第2搬送波(SD2)を算出する搬送波算出部(71,73)と、
    前記電圧指令値と前記第1搬送波との大小比較に基づいて、前記第1制御信号を生成し、前記電圧指令値と前記第2搬送波との大小比較に基づいて、前記第2制御信号を生成する信号生成部(72,74)と、を備える請求項6に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記制御部は、前記第1動作、前記第2動作、前記第3動作、及び前記第4動作を所定の順番で繰り返し実施する請求項1に記載の回転電機の制御装置。
JP2019114025A 2019-06-19 2019-06-19 回転電機の制御装置 Active JP7284645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019114025A JP7284645B2 (ja) 2019-06-19 2019-06-19 回転電機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019114025A JP7284645B2 (ja) 2019-06-19 2019-06-19 回転電機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021002898A true JP2021002898A (ja) 2021-01-07
JP7284645B2 JP7284645B2 (ja) 2023-05-31

Family

ID=73994321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019114025A Active JP7284645B2 (ja) 2019-06-19 2019-06-19 回転電機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7284645B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024027218A1 (zh) * 2022-08-05 2024-02-08 广东美的制冷设备有限公司 开关绕组电机驱动系统及其控制方法、装置、存储介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093077A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社明電舎 オープン巻線システムの制御装置および制御方法
JP2017163733A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社Soken 電力変換装置
WO2018056045A1 (ja) * 2016-09-26 2018-03-29 日本電産株式会社 電力変換装置、モータ駆動ユニットおよび電動パワーステアリング装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017093077A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社明電舎 オープン巻線システムの制御装置および制御方法
JP2017163733A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社Soken 電力変換装置
WO2018056045A1 (ja) * 2016-09-26 2018-03-29 日本電産株式会社 電力変換装置、モータ駆動ユニットおよび電動パワーステアリング装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024027218A1 (zh) * 2022-08-05 2024-02-08 广东美的制冷设备有限公司 开关绕组电机驱动系统及其控制方法、装置、存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP7284645B2 (ja) 2023-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5857394B2 (ja) インバータ装置及びインバータ制御方法
US11942875B2 (en) Drive system
CN104753407A (zh) 马达控制系统、控制装置及控制方法
JP5082495B2 (ja) 電動回転機の電源制御装置
CN111953265B (zh) 用于旋转电机的控制装置
JP6896159B2 (ja) 交流回転機装置
JP7284645B2 (ja) 回転電機の制御装置
WO2020116226A1 (ja) 電力変換装置
JP5391696B2 (ja) 回転機の制御装置及び制御システム
JP7169952B2 (ja) 電力変換装置
JP2022096905A (ja) 回転電機の制御装置
JP2001224191A (ja) 誘導電動機の制御装置
US11632070B2 (en) Drive system
JP2021090238A (ja) 制御装置
JP6464924B2 (ja) 回転電機の制御装置
JP6908303B2 (ja) 電力変換装置
JP6132934B2 (ja) 電力変換装置
JP7196450B2 (ja) モータシステム
JP2017112647A (ja) 回転機の制御装置
JP2021197890A (ja) 回転電機制御装置
JPWO2016185601A1 (ja) モータ制御装置とモータ制御方法
Foito et al. Diametrical inversion of a single-phase induction motor with a multilevel AC drive
JP2021078263A (ja) 回転電機の制御装置
JP5879821B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230519

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7284645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150