JP2021002596A - インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法 - Google Patents

インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】型の位置ずれによる不具合の発生を低減するために有利な技術を提供する。【解決手段】インプリント装置は、型を使って基板のショット領域の上にインプリント材のパターンを形成するインプリント処理を行う。インプリント装置は、前記型を保持する型保持部と、前記基板と前記型とを相対的に駆動する駆動機構と、前記基板のマークと前記型のマークとの相対位置を検出するための検出部と、前記相対位置に基づいて前記駆動機構を制御することによって前記インプリント処理を制御する制御部と、前記型保持部によって保持された前記型の位置ずれ量を計測するための計測部とを備える。前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が所定量より大きい場合、前記制御部は、前記検出部を使って前記相対位置の再検出を行い、前記再検出の結果に基づいて前記インプリント処理を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法に関する。
基板の上にインプリント材を配置し、インプリント材と型とを接触させ、インプリント材を硬化させ、硬化後のインプリント材と型とを分離することによって、基板の上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置がある。インプリント装置では、基板と型とのアライメント方式として、ダイバイダイアライメント方式が有利であると考えられている。ダイバイダイアライメント方式とは、基板と型とのアライメントを、基板のショット領域ごとに、当該ショット領域のマークと型のマークとの相対位置を検出することによって行う方式である。
特許文献1には、インプリント中に型の位置ずれがあっても効率的に型と基板との位置合わせを行うために、前のショット領域のダイバイダイアライメントにおける基板ステージの駆動量だけ、事前に基板ステージを駆動しておく方法が記載されている。
特開2016−76626号公報
インプリント装置におけるダイバイダイアライメントは、型を変形させる処理、および、基板の上のインプリント材と型とが接触した状態で基板と型との相対位置を調整する処理を含みうる。型を変形させる処理では、型保持部によって保持された型の側面に力が加えられうる。この際に、型保持部に対して型が位置ずれを起こす可能性がある。基板の上のインプリント材と型とが接触した状態で基板と型との相対位置を調整する処理では、基板と型との相対的な移動によって型に対してインプリント材を介して力が作用し、これによって型保持部に対して型が位置ずれを起こす可能性がある。
型保持部に対する型の位置ずれ量が大きくなると、型のマークがアライメントスコープの視野から外れてしまうので、エラーが発生したものとして処理が停止されうる。あるいは、型のマークがアライメントスコープの視野から外れても処理が続行される場合には、アライメントが正しく行われない状態でインプリント材が硬化され、不良品が発生しうる。
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、型の位置ずれによる不具合の発生を低減するために有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、型を使って基板のショット領域の上にインプリント材のパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置に係り、前記インプリント装置は、前記型を保持する型保持部と、前記基板と前記型とを相対的に駆動する駆動機構と、前記基板のマークと前記型のマークとの相対位置を検出するための検出部と、前記相対位置に基づいて前記駆動機構を制御することによって前記インプリント処理を制御する制御部と、前記型保持部によって保持された前記型の位置ずれ量を計測するための計測部と、を備え、前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が所定量より大きい場合、前記制御部は、前記検出部を使って前記相対位置の再検出を行い、前記再検出の結果に基づいて前記インプリント処理を制御する。
本発明によれば、型の位置ずれによる不具合の発生を低減するために有利な技術が提供される。
インプリント装置の構成を示す図。 インプリント処理を説明するための図。 インプリント装置の動作を示す図。 型変形部の動作を例示する図。 物品製造方法を例示する図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1(a)には、実施形態のインプリント装置IMPの構成が示されている。インプリント装置IMPは、型11を使って基板1のショット領域の上にインプリント材IMのパターン(インプリント材IMの硬化物からなるパターン)を形成するインプリント処理を行う。インプリント材としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられうる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、例えば、赤外線、可視光線、紫外線などでありうる。硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物でありうる。これらのうち、光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。インプリント材は、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に配置されうる。また、インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターによって基板上に膜状に供給されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下でありうる。基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられうる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。基板は、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスである。
本明細書および添付図面では、基板1の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。アライメント(位置合わせ)は、基板のショット領域と型のパターン領域とのアライメント誤差(重ね合わせ誤差)が低減されるように基板および型の少なくとも一方の位置および/または姿勢の制御を含みうる。また、アライメントは、基板のショット領域および型のパターン領域の少なくとも一方の形状を補正あるいは変更するための制御を含みうる。
インプリント装置IMPは、硬化部42と、型操作機構13と、基板操作機構6と、型変形部12と、基板変形部70と、ディスペンサ21と、アライメントスコープ(検出部)14と、オフアクシススコープ31と、計測部50と、制御部40とを備えうる。硬化部42は、インプリント処理の硬化工程において、型11を介してインプリント材IMに対して、硬化用のエネルギーとしての硬化光(例えば、紫外線)を照射する。硬化部42は、例えば、光源41と、光源41からの硬化光を偏向させるミラー43と、不図示の光学素子を含みうる。型11は、回路パターン等の凹凸パターンが形成されたパターン領域11aを有する。基板1のショット領域に対するインプリント処理において、パターン領域11aは、該ショット領域に対してインプリント材IMを介して対面する。凹凸パターンの表面は、基板1の表面との密着性を保つために、高い平面度を有しうる。型11は、例えば、硬化用のエネルギーを透過する材料、例えば、石英で構成されうる。
型操作機構13は、型11を保持する型保持部15と、型保持部15を駆動することによって型11を駆動する型駆動機構(不図示)とを含みうる。該型駆動機構は、型11を複数の軸(例えば、Z軸、θX軸、θY軸の3軸、好ましくは、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。
基板操作機構6は、基板1を保持する基板保持部2(微動ステージ)と、粗動ステージ4と、微動アクチュエータ3と、粗動アクチュエータ5とを含みうる。微動アクチュエータ3は、基板保持部2(基板1)を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。粗動アクチュエータ5は、基板保持部2(基板1)を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸)について駆動するように構成されうる。粗動アクチュエータ5は、ステージ定盤7によって支持されうる。微動アクチュエータ3と粗動アクチュエータ5とは、統合されてもよい。基板操作機構6は、例えば、基板保持部2(基板1)をX軸、Y軸、θZ軸の3軸についてのみ構成するような、より単純な構造とされてもよい。
型操作機構13および基板操作機構6は、基板1と型11との相対位置が調整されるように基板1と型11とを相対的に駆動する駆動機構60を構成する。駆動機構60は、基板1および型11の少なくとも一方を駆動しうる。駆動機構60による相対位置の調整は、基板1の上のインプリント材に対する型11の接触、および、硬化したインプリント材(硬化物のパターン)からの型11の分離のための駆動を含みうる。
型変形部12は、型11の側面に力を加えることによって型11のパターン領域11aを変形させうる。型11のパターン領域11aの変形は、パターン領域11aの倍率の変更を含みうる。基板変形部70は、例えば、基板1に熱分布を与えることによって基板1のショット領域を目標形状に変形させうる。目標形状は、例えば、高次成分(2次以上の関数で表現される成分)を含む形状を含みうる。基板変形部70は、特開2017−5239号公報に記載された加熱部を含みうる。基板変形部70は、例えば、基板1を加熱する光(加熱光)を空間変調する空間変調器としてDMD(Digital Micro−mirror Device)を含むことができ、DMDによって空間変調された加熱光を基板1に照射するように構成されうる。
ディスペンサ21は、基板1の上にインプリント材IMを配置する。ディスペンサ21は、例えば、液滴状態のインプリント材IMを吐出する吐出部を有し、基板操作機構6による基板1の駆動に応じて、吐出制御データに従って吐出部からインプリント材を吐出しうる。
アライメントスコープ(検出部)14は、基板1のマークと型11のマークとの相対位置を検出するために使用されうる。アライメントスコープ14は、基板1のマークと型11のマークとによって形成される像(例えば、個々のマークの光学像、2つのマークによって形成される干渉縞又はモアレ)を撮像しうる。基板1のマークと型11のマークとの相対位置は、例えば、アライメントスコープ14によって撮像された画像を処理することによって検出されうる。アライメントスコープ14によって撮像された画像を処理する処理部は、アライメントスコープ14に組み込まれてもよいし、制御部40に組み込まれてもよいし、アライメントスコープ14および制御部40とは別の構成要素として設けられてもよい。
オフアクシススコープ31は、基板1の位置決め、および、基板1の複数のショット領域の位置を検出するために使用されうる。オフアクシススコープ31は、基板1に設けられたマークの位置を検出しうる。計測部50は、型保持部15によって保持された型11の位置ずれ量を計測するために使用される。制御部40は、硬化部42、型操作機構13、基板操作機構6、型変形部12、基板変形部70、ディスペンサ21、アライメントスコープ14、オフアクシススコープ31および計測部50を制御しうる。他の観点において、制御部40は、インプリント処理およびそれに付随する処理を制御しうる。制御部40は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
インプリント装置IMPは、更に、基板1を搬送する基板搬送系51、および、型11を搬送する型搬送系(不図示)を備えうる。基板搬送系51による基板1の搬送は、例えば、基板保持部2への基板1の搬送(ロード)および基板保持部2からの基板1の搬送(アンロード)を含みうる。型搬送系は、所定の位置に配置されうる型ストッカーと型保持部15との間で型11を搬送しうる。型ストッカーは、複数の型11を収容するキャリアである。
図1(b)には、型変形部12および計測部50が模式的に示されている。変形部12は、型11の側面111に力を加える複数の押圧部121を含みうる。各押圧部121は、例えば、リニアモータ、エアシリンダおよびピエゾアクチュエータの少なくとも1つを含みうる。複数の押圧部121は、型11の各側面111に対して少なくとも2つの押圧部121が割り当てられるように配置されうる。図1(b)の例では、複数の押圧部121は、型11の各側面111に対して4つの押圧部121が割り当てられるように配置されうる。
計測部50は、例えば、型11の側面111の位置を計測するように構成されうる。制御部40は、計測部50によって計測された型11の側面111の位置に基づいて、型11の位置ずれ量を検出することができる。例えば、制御部40は、第1時刻に計測部50によって計測された型11の側面111の位置と、該第1時刻の後の第2時刻に計測部50によって計測された型11の側面111の位置との差分に基づいて、型11の位置ずれ量を検出することができる。型11の位置ずれ量は、計測部50によって演算されて、その演算結果としての位置ずれ量が計測部50から制御部40に提供されてもよい。
インプリント装置IMPは、複数の計測部50を備えてもよい。図1(b)に示された例では、インプリント装置IMPは、型11の1つの側面111の2つの領域の位置をそれぞれ計測する2つの計測部50と、型11の他の1つの側面111の1つの領域の位置を計測する1つの計測部50とを備えている。図1(b)のような構成により、型11のX方向の位置、Y方向の位置およびθZ軸周りの回転を計測し、その計測結果に基づいて、型11のX方向の位置ずれ量、Y方向の位置ずれ量およびθZ軸周りの回転ずれ量を検出することができる。
図2を参照しながらインプリント処理の流れを説明する。このインプリント処理は、制御部40によって制御されうる。まず、基板搬送系51によって基板1が基板保持部2に搬送され、基板保持部2によって保持される。また、不図示の型搬送系によって型11が型保持部15に搬送され、型保持部15によって保持される。次いで、ディスペンサ21を使って基板1の上にインプリント材IMが配置される。次いで、アライメントスコープ14を使って型11の複数のマーク63の位置が計測される。また、オフアクシススコープ31を使って基板1のショット領域の複数のマーク62の位置が計測される。この際に、オフアクシススコープ31を使って位置が計測されるマーク62がオフアクシススコープ31の視野に入るように基板操作機構6によって基板1が駆動される。
次いで、インプリント処理の対象のショット領域がディスペンサ21によるインプリント材IMの供給開始位置に配置されるように基板操作機構6によって基板1が駆動される。そして、基板1が基板操作機構6によって駆動されながら該ショット領域にインプリント材IMが供給される。次いで、インプリント材IMが配置されたショット領域が型11の下に配置されるように基板1が基板操作機構6によって駆動される。この状態が図2(a)に示されている。次いで、アライメントスコープ14を使って基板1のマーク62と型11のマーク63との相対位置が検出され、その検出結果に基づいてショット領域と型11のパターン領域11aとのアライメント誤差が検出される。そして、アライメント誤差が許容範囲に収まるように型変形部12が制御され、これにより、型11のパターン領域11aは、検出されたアライメント誤差に応じて決定される目標形状に一致するように変更される。これと並行して、アライメント誤差が許容範囲に収まるように基板操作機構6が制御されうる。
次いで、基板1のショット領域の上のインプリント材IMと型11のパターン領域11aとが接触するように型操作機構13によって型11が下方(−Z方向)に駆動される。これにより、インプリント材IMが型11のパターン領域11aに形成された凹凸パターンを構成する凹部に充填される。この状態が図2(b)に示されている。これと並行して、アライメントスコープ14を使って基板1のマーク62と型11のマーク63との相対位置が検出され、その検出結果に基づいてショット領域と型11のパターン領域11aとのアライメント誤差が検出される。そして、アライメント誤差が許容範囲に収まるように基板操作機構6が制御される。このようなアライメントは、ダイバイダイアライメントと呼ばれる。
次いで、インプリント材IMと型11のパターン領域11aとが接触した状態で、硬化部42によって硬化用のエネルギーとしての硬化光が型11を介してインプリント材IMに照射され、インプリント材IMが硬化する。次いで、基板1のショット領域の上の硬化したインプリント材IMと型11のパターン領域11aとが分離されるように型操作機構13によって型11が上方(+Z方向)に駆動される。この状態が図2(c)に示されている。このようなインプリント処理によって基板1の1つのショット領域の上にインプリント材IMの硬化物からなるパターンが形成される。以上の処理が基板1の複数のショット領域のそれぞれに対して実行されることによって、基板1の複数のショット領域のそれぞれの上にインプリント材IMのパターンが形成される。
型変形部12が型11の側面111に力を加えることによって型11のパターン領域11aを変形させた時、型変形部12の複数のアクチュエータ121が型11の側面111に加える力によって、型保持部15に対する型11の相対位置がずれる可能性がある。また、ダイバイダイアライメント中は基板1の上のインプリント材IMと型11のパターン領域11aとが接触した状態で基板1が駆動されるので、型保持部15に対する型11の相対位置がずれる可能性がある。型保持部15に対して型11の相対位置がずれると、型11のマーク63がアライメントスコープ14の視野から外れうる。
型11のマーク63がアライメントスコープ14の視野から外れてしまうと、そのままでは、アライメントスコープ14を使って型11のマーク63と基板1のマーク62との相対位置を検出することができなくなる。そのため、基板1のショット領域と型11のパターン領域11aとのアライメントができなくなる。スループットを重視したシーケンスでは、インプリント材IMと型11のパターン領域11aとが非接触の状態でのショット領域とパターン領域11aとの相対位置検出およびアライメントは、例えば、ジョブの先頭の基板1の第1ショット領域でしか行われない。そのため、一度、型11のマーク63がアライメントスコープ14の視野から外れてしまうと、以降のショット領域に対するインプリント処理においても同様の状態が続いてしまい、大規模な不良品を生み出しうる。
図3には、インプリント装置IMPの動作が例示されている。この動作は、制御部40によって制御される。工程S01では、制御部40は、インプリント処理の対象のショット領域が基板1の第1ショット領域であるかどうかを判断し、インプリント処理の対象が基板1の第1ショット領域であれば工程S03に進み、そうでなければ工程S02に進む。工程S02では、制御部40は、直前のショット領域に対する処理の後において、型保持部15によって保持されている型11の位置ずれ量が所定量より大きかったかどうかを判断する。そして、制御部40は、直前のショット領域に対する処理の後において、型保持部15からの型11の位置ずれ量が所定量より大きかった場合は工程S03に進み、そうでなければ工程S04に進む。
工程S03では、制御部40は、アライメントスコープ14(検出部)を使って基板1のショット領域のマーク62と型11のパターン領域11aのマーク63との相対位置を検出し、その検出結果に基づいてアライメント誤差を検出する。また、工程S03では、制御部40は、検出したアライメント誤差に基づいて、アライメント誤差が第1許容範囲に収まるように基板操作機構6によって基板1を移動させる。
工程S04では、制御部40は、工程S03で検出したアライメント誤差のうち型変形部12で補正すべきアライメント誤差が低減されるように型変形部12を動作させる。この時、型変形部12の複数のアクチュエータ121が型11の側面111に加える力によって、型保持部15に対する型11の相対位置がずれる可能性がある。図4(a)には、型変形部12が型11に加える力が左右で異なり、バランスが取れていない状態が例示されている。このような状態では、図4(b)に破線で例示されるように、型11の位置ずれが発生する可能性がある。このようにして起こる位置ずれの量(位置ずれ量)は、計測部50を使って計測されうる。
工程S05では、制御部40は、型11の位置ずれ量が所定量より大きいかどうかを判断し、型11の位置ずれ量が所定量より大きい場合は工程S13に進み、そうでなければ工程S06に進む。型11の位置ずれ量は、前述のように、計測部50を使って計測することができる。ここで、一例において、アライメントスコープ14を使ってマーク62とマーク63との相対位置を検出できなくなる位置ずれ量を所定量として定めることができる。
工程S06では、制御部40は、ディスペンサ21を使って基板1のインプリント対象のショット領域の上にインプリント材IMが配置されるようにディスペンサ21および基板操作機構6を制御する。次いで、工程S07では、制御部40は、基板1のショット領域の上のインプリント材IMと型11のパターン領域11aとが接触するように、即ち型11が下方(−Z方向)に駆動されるように型操作機構13を制御する。
次いで、工程S08では、制御部40は、アライメントスコープ14を使って基板1のマーク62と型11のマーク63との相対位置を検出し、その検出結果に基づいてショット領域と型11のパターン領域11aとのアライメント誤差を検出する。そして、制御部40は、アライメント誤差が第2許容範囲に収まるように基板操作機構6を制御する。つまり、工程S08では、制御部40は、ダイバイダイアライメントを実行する。ここで、第2許容範囲は、第1許容範囲より狭く設定されうる。
工程S09では、制御部40は、インプリント材IMと型11のパターン領域11aとが接触した状態で、硬化用のエネルギーとしての硬化光が型11を介してインプリント材IMに照射されるように硬化部42を制御する。これにより、インプリント材IMが硬化する。工程S10では、制御部40は、基板1のショット領域の上の硬化したインプリント材IMと型11のパターン領域11aとが分離されるように、即ち型11が上方(+Z方向)に駆動されるように型操作機構13を制御する。
工程S11では、制御部40は、型11の位置ずれ量が所定量より大きいかどうかを判断し、型11の位置ずれ量が所定量より大きい場合は工程S15に進み、そうでなければ工程S12に進む。ここで、一例において、アライメントスコープ14を使ってマーク62とマーク63との相対位置を検出できなくなる位置ずれ量を所定量として定めることができる。工程S11における所定量は、工程S05における所定量と同じでありうる。
工程S12では、制御部40は、基板1の全てのショット領域についての処理が終了したかどうかを判断し、基板1の全てのショット領域についての処理が終了した場合は当該基板1の処理を終了し、そうでなければ工程S02に戻る。工程S02に戻る場合、未処理のショット領域を対象として工程S02以降の処理が実行される。
工程S05で型11の位置ずれ量が所定量より大きいと判断された場合に実行される工程S13では、制御部40は、型変形部12による型11の変形を制御するためのデータ(以下、変形制御データという)を変更する。第1の例において、工程S05では、制御部40は、図4(c)に例示されるように、型変形部12が型11に加える力が前回よりも小さくなるように変更制御データを変更しうる。第2の例において、工程S05では、制御部40は、型変形部12が型11に加えるモーメントが前回よりも小さくなるように変更制御データを変更しうる。第3の例において、工程S05では、制御部40は、型11の位置ずれを起こさせる力が型変形部12によって型11に加えられる時間が前回よりも短くなるように変更制御データを変更しうる。
次いで、工程S14では、制御部40は、型11が位置ずれを起こしているためにアライメントを実行できないエラー状態から回復するための回復処理を実行する。回復処理は、例えば、アライメントスコープ14を使って基板1のマーク62および型11のマーク63を再検出する処理(S03)の前に実行される。回復処理は、例えば、計測部50を使って計測される型11の位置ずれ量に基づいて、型11のマーク63がアライメントスコープ14の視野に入るようにアライメントスコープ14を移動させる処理を含みうる。回復処理は、計測部50を使って計測される型11の位置ずれ量に基づいて、基板操作機構6によって基板を移動させる処理を含んでもよい。回復処理は、アライメントスコープ14が検出を行う検出領域を照明する照明部がアライメントスコープ14とは別に設けられている場合に、計測部50を使って計測される型11の位置ずれ量に基づいて該検出領域を移動させる処理を含みうる。回復処理は、計測部50を使って計測される型11の位置ずれ量に基づいて基板変形部70による光の照射領域を変更する処理を含んでもよい。あるいは、回復処理は、アライメントスコープ14の視野に型11のマーク63が収まるまでマーク63を探索する処理を含んでもよい。
工程S14の終了後、工程S03が実行される。工程S14の終了後に実行される工程S03では、制御部40は、工程S13で変更された変形制御データに基づいて、型変形部12による型11の変形を再度実行する。ここで、工程S14の終了後に実行される工程S03では、制御部40は、型保持部15が型11を保持する力を前回よりも大きくして、変更後の変形制御データに基づいて、型変形部12による型11の変形を再度実行してもよい。工程S11で型11の位置ずれ量が所定量より大きいと判断された場合に実行される工程S15では、制御部40は、工程S14と同様の回復処理を実行し、工程S12に進む。
以上のように、型の位置ずれ量を所定量より大きい場合に、工程S13および/または工程S14を実行することによって、型11の位置ずれによる不良品の発生が低減されうる。
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、インプリント装置によって基板にパターンを形成し、該パターンが形成された基板を処理し、該処理が行われた基板から物品を製造する物品製造方法について説明する。図5(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図5(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図5(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを介して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図5(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図5(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図5(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
IMP:インプリント装置、1:基板、11:型、12:型変形部、14:アライメントスコープ(検出部)、15:型保持部、40:制御部、50:計測部、60:駆動機構、70:基板変形部

Claims (15)

  1. 型を使って基板のショット領域の上にインプリント材のパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント装置であって、
    前記型を保持する型保持部と、
    前記基板と前記型とを相対的に駆動する駆動機構と、
    前記基板のマークと前記型のマークとの相対位置を検出するための検出部と、
    前記相対位置に基づいて前記駆動機構を制御することによって前記インプリント処理を制御する制御部と、
    前記型保持部によって保持された前記型の位置ずれ量を計測するための計測部と、を備え、
    前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が所定量より大きい場合、前記制御部は、前記検出部を使って前記相対位置の再検出を行い、前記再検出の結果に基づいて前記インプリント処理を制御する、
    ことを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記計測部は、前記型の側面の位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記再検出の前に、前記位置ずれ量に基づいて、前記型のマークが前記検出部の視野に入るように前記検出部を移動させる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記再検出の前に、前記位置ずれ量に基づいて前記基板を移動させる、
    ことを特徴とする請求項3に記載のインプリント装置。
  5. 前記検出部が前記相対位置の検出を行う検出領域を照明する照明部を更に備え、
    前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記再検出の前に、前記位置ずれ量に基づいて、前記照明部によって照明される前記検出領域を移動させる、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のインプリント装置。
  6. 前記基板の前記ショット領域に光を照射することによって前記ショット領域を変形させる基板変形部を更に備え、
    前記検出部を使って前記相対位置の検出を行った後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記位置ずれ量に基づいて前記基板変形部による光の照射領域を変更する、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記型を変形させる型変形部を更に備え、
    前記型変形部が前記型を変形させた後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記型変形部による前記型の変形を制御するためのデータを変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記型変形部が前記型を変形させた後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、変更後の前記データに基づいて、前記型変形部による前記型の変形を再度実行する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
  9. 前記型変形部が前記型を変形させた後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記型変形部が前記型に加える力が前回よりも小さくなるように前記データを変更する、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のインプリント装置。
  10. 前記型変形部が前記型を変形させた後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記型変形部が前記型に加えるモーメントが前回よりも小さくなるように前記データを変更する、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のインプリント装置。
  11. 前記型変形部が前記型を変形させた後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記型の位置ずれを起こさせる力が前記型変形部によって前記型に加えられる時間が前回よりも短くなるように前記データを変更する、
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のインプリント装置。
  12. 前記型変形部が前記型を変形させた後における前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合、前記制御部は、前記型保持部が前記型を保持する力を前回よりも大きくして、変更後の前記データに基づいて、前記型変形部による前記型の変形を再度実行する、
    ことを特徴とする請求項8に記載のインプリント装置。
  13. 型を使って基板のショット領域の上にインプリント材のパターンを形成するインプリント処理を行うインプリント方法であって、
    前記基板のマークと前記型のマークとの相対位置を検出する検出工程と、
    前記検出工程の後に、型保持部によって保持された前記型の位置ずれ量を計測する計測工程と、
    前記位置ずれ量が所定量より大きい場合に、前記基板のマークと前記型のマークとの相対位置を再検出する再検出工程と、
    前記位置ずれ量が前記所定量より大きくない場合には前記検出工程による検出の結果に基づいて前記インプリント処理を実行し、前記位置ずれ量が前記所定量より大きい場合には前記再検出工程による再検出の結果に基づいて前記インプリント処理を実行するインプリント工程と、
    を含むことを特徴とするインプリント方法。
  14. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板の上にパターンを形成する工程と、
    前記工程において前記パターンが形成された基板の加工を行う工程と、
    を含み、前記加工が行われた前記基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
  15. 請求項13に記載のインプリント方法によって基板の上にパターンを形成する工程と、
    前記工程において前記パターンが形成された基板の加工を行う工程と、
    を含み、前記加工が行われた前記基板から物品を製造することを特徴とする物品製造方法。
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