JP2021001612A - ピストンリングの組み合わせ - Google Patents
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Abstract
Description
。
内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、該セカンドリングの外周端部に設けられた第2外周端面と、該セカンドリングの内周端部に設けられた第2内周端面と、前記第2外周端面と前記第2下面との間に段差状の切欠が形成されるように該第2外周端面と該第2下面とを接続するアンダーカット面と、を有し、
前記セカンドリングには、
前記第2内周端面を含むように延びる第2仮想内周面と前記第2下面を含むように延びる第2仮想下面とが交わることで形成される仮想下角部における、該第2仮想内周面と該第2仮想下面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2内周端面と前記第2下面とを接続するインナーカット面と、
前記第2外周端面を含むように延びる第2仮想外周面と前記第2上面を含むように延びる第2仮想上面とが交わることで形成される仮想上角部における、該第2仮想外周面と該第2仮想上面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2外周端面と前記第2上面とを接続するアウターカット面とのうち、少なくとも一方が形成され、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、ピストンリングの組み合わせである。
内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、前記第2上面の外周縁と前記第2下面の外周縁とを接続する第2外周面と、前記第2上面の内周縁と前記第2下面の内周縁とを接続する第2内周面と、を有し、周長方向に直交する断面において矩形状に形成され、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央
位置よりも下側に位置するように形成されている、
ピストンリングの組み合わせであってもよい。
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、互いに独立して該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対のセグメントと、前記一対のセグメントを径方向外側に付勢するエキスパンダと、を有し、
前記一対の摺動部は、前記一対のセグメントとして形成されていてもよい。
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成されたオイルリング本体と、前記オイルリング本体を径方向外側へ付勢するエキスパンダと、を有し、
前記オイルリング本体には、径方向外側に突出する一対のレールが前記オイルリングの軸方向に並んで形成され、
前記一対の摺動部は、前記一対のレールとして形成されていてもよい。
前記セカンドリングのねじれ角は、前記セカンドリングを前記ピストンに装着し、且つ、前記ピストンをシリンダに装着した状態で、−20′〜20′の範囲内であることが好ましい。ここで、ねじれ角は、例えば、水平面(ピストンの軸と直交する平面)に対するリングの上面の傾斜角度として定義することができ、リング上面が径方向外側に向かって上方(燃焼室側)傾斜する場合に正の値とし、リング上面が径方向外側に向かって下方(クランク室側)傾斜する場合に負の値とすることができる。
前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面の上側の縁との間に、径方向外側に凸状に湾曲すると共に上側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有してもよい。
前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面における上側の縁との間に、上側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有してもよい。
図1は、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関100の全体図である。図2は、内燃機関100のリング溝付近の拡大図である。図1及び図2では、便宜上、各構成を簡略化して図示している。図1に示すように、実施形態に係る内燃機関100は、シリンダ20と、シリンダ20に装着されたピストン10と、を有する。内燃機関100において、符号30で示す燃焼室側を上側とし、符号40で示すクランク室側を下側とする。
01とセカンドリング溝102の間の領域をセカンドランドL2と称し、セカンドリング溝102とオイルリング溝103の間の領域をサードランドL3と称する。図2に示すように、トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103には、夫々、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3が装着される。本明細書において、トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103を区別せずに説明するときは、単に「リング溝」と称する。また、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3を区別しないで説明するときは、単に「ピストンリング」と称する。図2に示すように各ピストンリングがシリンダ20に装着されたピストン10の対応するリング溝に装着された状態を、「使用状態」と称する。
図3は、実施形態1に係るトップリング1の周長方向に直交する断面図である。まず、実施形態1に係るトップリング1について説明する。図3に示すように、トップリング1は、上側に設けられた第1上面11と、下側に設けられた第1下面12と、第1上面11の外周縁E101と第1下面12の外周縁E102とを接続する第1外周面13と、第1
上面11の内周縁E103と第1下面12の内周縁E104とを接続する第1内周面14と、を有する。トップリング1が、トップリング溝101に装着された状態、即ち、使用状態にあるとき、第1上面11が上側に位置してトップリング溝101の上壁W1に対向し、第1下面12が下側に位置して下壁W2に対向し、第1外周面13がシリンダ内壁20aに摺接する。
1頂部P1と第1外周端面S11の下縁E12との径方向における距離を示す。a12は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第1外周端面S11の下縁E12までの距離と等しい。本例では、第1外周端面S11が対称バレル曲面に形成されているため、第1外周端面S11の上縁E11と下縁E12とが径方向において揃っている。これにより、a11とa12とが等しくなっている。但し、本発明は、これに限定されない。また、図3に示す符号b11は、第1外周端面S11の第1頂部P1と第1外周端面S11の上縁E11との軸方向における距離を示す。また、b12は、第1外周面13の第1頂部P1と第1外周端面S11の下縁E12との軸方向における距離を示す。本例では、第1外周端面S11が対称バレル曲面に形成されているため、b11とb12とが等しい。但し、本発明は、これに限定されない。トップリング1の第1外周端面S11は、偏心バレル形状であってもよい。
図4は、実施形態1に係るセカンドリング2を示す図であって、図4(a)は、セカンドリング2の周長方向に直交する断面図であり、図4(b)は、セカンドリング2の内周側下部を示す拡大図であり、図4(c)は、セカンドリング2の外周側上部を示す拡大図である。次に、実施形態1に係るセカンドリング2について説明する。図4(a)に示すように、セカンドリング2は、外周面側の下部に段差状(ステップ状)の切欠が形成された、所謂スクレーパリングである。セカンドリング2は、上側に設けられた第2上面21と、下側に設けられた第2下面22と、第2上面21の外周縁E201と第2下面22の外周縁E202とを接続する第2外周面23と、第2上面21の内周縁E203と第2下面22の内周縁E204とを接続する第2内周面24と、を有する。セカンドリング2が、セカンドリング溝102に装着された状態、即ち、使用状態において、第2上面21が上側に位置してセカンドリング溝102の上壁W1に対向し、第2下面22が下側に位置して下壁W2に対向し、第2外周面23がシリンダ内壁20aに摺接する。なお、第2上面21、第2下面22、第2外周面23、第2内周面24は、R加工等によって形成された断面円弧状の曲面を介して滑らかに接続されてもよく、曲面がなくてもよい。
けられた第2内周端面S221を含む。第2内周端面S221は、軸方向に沿って延在するストレート形状を有しており、第2内周端面S221の上縁は、第2上面21の内周縁E203と接続されている。第2内周端面S221は、セカンドリング2の最内周部位を構成する面である。
イルシール性能が低下し、オイル消費量の増大を招く虞がある。
図7は、実施形態1に係るオイルリング3の周長方向に直交する断面図である。図7では、オイルリング3がリング溝に設けられた状態を示している。次に、実施形態1に係るオイルリング3について説明する。図7に示すように、オイルリング3は、所謂3ピースのオイルリングである。より具体的には、オイルリング3は、オイルリング3の軸回りに環状に形成され、互いに独立してオイルリング3の軸方向に並んで設けられた一対のセグメント4,4と、一対のセグメント4,4を径方向外側(シリンダ内壁20a)に付勢するエキスパンダ・スペーサ5と、を含んで構成されている。本実施形態に係るオイルリング3は、一対のセグメント4,4を、同一の形状としている。一対のセグメント4,4は
、本発明における「一対の摺動部」の一例である。以下、一対のセグメント4,4のうち、上側(燃焼室30側)に配置されたセグメント4を上側セグメント4Uと称し、下側(クランク室40側)に配置されたセグメント4を下側セグメント4Lと称し、これらを区別しないときは、単にセグメント4と称する。
してもよい。また、第3外周端面S41は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第3外周端面S41は、第3頂部P4において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。また、セグメント4は、一対の接続面S42,S42を有さずに、第3外周端面S41が第3上面41及び第3下面42に連なっていてもよい。即ち、第3外周面43の全域が第3外周端面S41であってもよい。なお、図8に示す例では、上側の接続面S42と下側の接続面S42とが中央線CL4を挟んで対称の形状となっているが、セグメントの形状はこれに限定されず、上側と下側の接続面S42は、中央線CL4を挟んで対称でなくともよい。即ち、上下の接続面S42,S42同士の軸方向の長さが異なってもよく、第3頂部P4から第3上面41の外周縁E401までの径方向の距離と第3頂部P4から第3下面42の外周縁E402までの径方向の距離とが異なってもよい。
04mm、b41=0.23mm、b42=0.06mmとすることが、オイルシール性能向上の観点から特に好ましい。但し、本発明は、上記の寸法に限定するものではない。
対のセグメント4,4の両方の第3外周端面S41を上述の偏心バレル形状とすることで、一方のみを偏心バレル形状とする場合よりもオイル上がりを抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係るピストンリングの組合せでは、トップリング1は、外周端部に設けられると共にトップリング1において最大径となる第1頂部P1を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面S11を有している。また、セカンドリング2は、第2上面21と、第2下面22と、外周端部に設けられた第2外周端面S211と、内周端部に設けられた第2内周端面S221と、第2外周端面S211と第2下面22との間に段差状の切欠であるアンダーカット25が形成されるように第2外周端面S211と第2下面22とを接続するアンダーカット面S212と、を有している。そして、セカンドリング2は、バランスカット形状を有するスクレーパリングとなっている。即ち、セカンドリング2には、インナーカット26を形成するインナーカット面S222と、アウターカット27を形成するアウターカット面S213とのうち、少なくとも一方が形成されている。ここで、インナーカット面S222は、第2内周端面S221を含むように延びる第2仮想内周面VP4と第2下面22を含むように延びる第2仮想下面VP2とが交わることで形成される仮想下角部VC1における、第2仮想内周面VP4と第2仮想下面VP2との交差部分VC11を含む所定部位がセカンドリング2に含まれないように、第2内周端面S221と第2下面22とを接続するものであり、アウターカット面S213は、第2外周端面S211を含むように延びる第2仮想外周面VP3と第2上面21を含むように延びる第2仮想上面VP1とが交わることで形成される仮想上角部VC2における、第2仮想外周面VP3と第2仮想上面VP1との交差部分VC21を含む所定部位がセカンドリング2に含まれないように、第2外周端面S211と第2上面21とを接続するものである。また、オイルリング3に設けられた一対のセグメント4,4の夫々は、外周端部に設けられると共にセグメント4において最大径となる第3頂部P4を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面S41を有し、一対のセグメント4,4の少なくとも一方における第3外周端面S41は、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し、且つ、第3頂部P4が第3外周端面S41においてセグメント4の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている。
に向かって上方(燃焼室側)傾斜する場合に正の値とし、リング上面が径方向外側に向かって下方(クランク室側)傾斜する場合に負の値とすることができる。但し、ねじれ角の定義や大きさはこれに限定しない。
本実施形態に係るピストンリングの組み合わせによるオイル消費の低減効果を確認すべく、可視化試験機を用いたオイル吸い上げ実験を行った。本実験に用いた可視化試験機は、透光部を備えたシリンダホルダと全体が透明ガラス製のシリンダとを用いた非燃焼式の内燃機関構造を備えている。可視化試験機は、蛍光物質を混合したオイルをシリンダとピストンとの間に介在させた状態でピストンを往復させ、その間にシリンダホルダの透光部にレーザ光を照射すると共に蛍光物質が発する蛍光強度分布を高速度カメラにより取得することで、ピストン外周面におけるオイルの分布を可視化する。
実施例では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングをバランスカット形状とし、オイルリングを偏心バレル形状とした。即ち、実施例に係るピストンリングの組み合わせは、図2に示したピストンリングの組み合わせと同様のものである。
比較例1では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングを非バランスカット形状とし、オイルリングを対称バレル形状とした。即ち、比較例1に係るセカンドリングは、図5に示したセカンドリング2Xと同様の形状を有する。また、比較例1に係るオイルリングにおける一対のセグメントは、図7及び図8に示した一対のセグメント4,4と異なり、何れもが対称バレル形状となっている。
比較例2では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングをバランスカット形状とし、オイルリングを対称バレル形状とした。即ち、比較例2に係るセカンドリングは、図4に示したセカンドリング2と同様の形状を有する。また、比較例2に係るオイルリングにおける一対のセグメントは、図7及び図8に示した一対のセグメント4,4と異なり、何れもが対称バレル形状となっている。
比較例3では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングを非バランスカット形状とし、オイルリングを偏心バレル形状とした。即ち、比較例3に係るセカンドリングは、図5に示したセカンドリング2Xと同様の形状を有する。また、比較例3に係るオイルリングにおける一対のセグメントは、図7及び図8に示した一対のセグメント4,4と同様の形状を有する。
図9は、実施例及び比較例1〜3のオイル消費量を示すグラフである。グラフ中、縦軸はオイル消費量の比を示している。図10は、実施例及び比較例1〜3における、オイルがトップリングからオイルリングまで到達するまでの時間を示すグラフである。グラフ中、縦軸は到達時間の比を示している。図11〜図14は、ピストン外周面の蛍光強度分布の計測例を表示したものである。図11〜図14に示す白黒画像は、可視化試験機の内燃機関構造を300サイクル運転させたときの、ピストン外周面の蛍光強度分布(即ち、油膜厚さ分布)を示す。図中、上下方向がシリンダ軸方向であり、上方側が燃焼室側、下方側がクランク室側であり、左右方向がシリンダの周方向である。図11は、実施例のピストン外周面を示し、図12は、比較例1のピストン外周面を示し、図13は、比較例2のピストン外周面を示し、図14は、比較例3のピストン外周面を示す。
ンドまで上昇するオイル量は比較例1に対して減少する。但し、比較例3では、セカンドリングをバランスカット形状としていないため、バランスカット形状によるオイルシールの効果は得られない。結果として、比較例3では、トップランドまで至るオイル量が比較例2よりも少なくなる。そして、実施例では、比較例2と同様にセカンドリングをバランスカット形状としながらも、オイルリングを偏心バレル形状としている。そのため、図15に示すように、サードランドまで上昇するオイル量が比較例2よりも少なくなり、セカンドリング溝内のオイル量が比較例2よりも少なくなる。これにより、セカンドリングをバランスカットとしたことによるシール性能が十分に発揮される。その結果、実施例では、トップランドまで至るオイル量が比較例3よりも少なくなる。
図19は、実施形態1の変形例1に係るセグメント4Aの周長方向に直交する断面を示す断面図である。図19に示すように、セグメント4Aは、第3外周端面S41Aがテーパバレル形状を有する点で、セグメント4と相違する。より具体的には、セグメント4Aの第3外周端面S41Aは、第3頂部P4を含む第3突出面431と、第3突出面431と第3外周端面S41Aの上縁E41との間に形成され、オイルリング3の周長方向に直交する断面において燃焼室30側に向けて徐々に縮径したテーパ面432Aと、を含んで構成されている。即ち、第3外周端面S41Aは、第3頂部P4と上縁E41との間に、テーパ面432Aを有している。セグメント4Aにおいても、第3外周端面S41Aは、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第3外周端面S41Aは、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第3外周端面S41Aは、第3頂部P4において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。
図20は、実施形態1の変形例2に係るオイルリング3Bを示す図であって、図20(a)は、実施形態1の変形例2に係るオイルリング3Bの周長方向に直交する断面図、図20(b)は、図20(a)に示す第3外周面43Bの拡大図である。本発明に係るオイルリングは、図20に示すオイルリング3Bのように、所謂2ピースのオイルリングであってもよい。オイルリング3Bは、オイルリング3Bの軸回りに環状に形成されたオイルリング本体6と、オイルリング本体6を径方向外側へ付勢するコイル・エキスパンダ8と、を有する。また、オイルリング本体6には、径方向外側に突出する一対のレール7,7がオイルリング3Bの軸方向に並んで形成されている。一対のレール7,7のうち、上側のレール7をレール7Uと称し,下側のレール7をレール7Lと称する。一対のレール7U,7Lは、オイルリング3における一対のセグメント4U,4Lに相当する部位であり、本発明における「一対の摺動部」の一例である。
、且つ、第3頂部P4が第3外周端面S41においてレール7の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている。なお、オイルリング3Bは、一対のレール7U,7Lのうち、一方の第3外周端面S41Bのみが上述の偏心バレル形状であってもよい。例えば、レール7Uの第3外周端面S41Bを上述の偏心バレル形状とし、レール7Lの第3外周端面S41Bを対称バレル形状としてもよく、その逆としてもよい。
図21は、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関200を示す図である。図22は、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせに用いられるセカンドリング2Bの周長方向に直交する断面図である。実施形態2に係るピストンリングの組み合わせは、バランスカット形状を有するスクレーパリングであるセカンドリング2に代えて、レクタンギュラ形状を有するセカンドリング2Bを用いる点で実施形態1に係るピストンリングの組み合わせと相違し、その他の点では同じである。
10 :ピストン
20 :シリンダ
30 :燃焼室
40 :クランク室
1 :トップリング
P1 :第1頂部
S11 :第1外周端面
2,2A,2B :セカンドリング
21 :第2上面
22 :第2下面
23 :第2外周面
24 :第2内周面
P2 :第2頂部
S211 :第2外周端面
S212 :アンダーカット面
S213 :アウターカット面
S221 :第2内周端面
S222 :インナーカット面
VP1 :第2仮想上面
VP2 :第2仮想下面
VP3 :第2仮想外周面
VP4 :第2仮想内周面
VC1 :仮想下角部
VC2 :仮想上角部
3,3B :オイルリング
4 :セグメント(摺動部の一例)
41 :第3上面
42 :第3下面
P4 :第3頂部
S41 :第3外周端面
5 :エキスパンダ・スペーサ(エキスパンダの一例)
6 :オイルリング本体
7 :レール(摺動部の一例)
8 :コイル・エキスパンダ(エキスパンダの一例)
Claims (7)
- 内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、該セカンドリングの外周端部に設けられた第2外周端面と、該セカンドリングの内周端部に設けられた第2内周端面と、前記第2外周端面と前記第2下面との間に段差状の切欠が形成されるように該第2外周端面と該第2下面とを接続するアンダーカット面と、を有し、
前記セカンドリングには、
前記第2内周端面を含むように延びる第2仮想内周面と前記第2下面を含むように延びる第2仮想下面とが交わることで形成される仮想下角部における、該第2仮想内周面と該第2仮想下面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2内周端面と前記第2下面とを接続するインナーカット面と、
前記第2外周端面を含むように延びる第2仮想外周面と前記第2上面を含むように延びる第2仮想上面とが交わることで形成される仮想上角部における、該第2仮想外周面と該第2仮想上面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2外周端面と前記第2上面とを接続するアウターカット面とのうち、少なくとも一方が形成され、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、
ピストンリングの組み合わせ。 - 内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、前記第2上面の外周縁と前記第2下面の外周縁とを接続する第2外周面と、前記第2上面の内周縁と前記第2下面の内周縁とを接続する第2内周面と、を有し、周長方向に直交する断面において矩形状に形成され、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、
ピストンリングの組み合わせ。 - 前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、互いに独立して該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対のセグメントと、前記一対のセグメントを径方向外側に付勢するエキスパンダと、を有し、
前記一対の摺動部は、前記一対のセグメントとして形成されている、
請求項1又は2に記載のピストンリングの組み合わせ。 - 前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成されたオイルリング本体と、前記オイルリング本体を径方向外側へ付勢するエキスパンダと、を有し、
前記オイルリング本体には、径方向外側に突出する一対のレールが前記オイルリングの軸方向に並んで形成され、
前記一対の摺動部は、前記一対のレールとして形成されている、
請求項1又は2に記載のピストンリングの組み合わせ。 - 前記セカンドリングのねじれ角度は、前記セカンドリングをピストンに装着し、且つ、前記ピストンをシリンダに装着した状態で、−20′〜20′の範囲内である、
請求項1から4の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。 - 前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面の上側の縁との間に、径方向外側に凸状に湾曲すると共に上側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有する、
請求項1から5の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。 - 前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面における上側の縁との間に、上側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有する、
請求項1から5の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
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