JP2021001612A - ピストンリングの組み合わせ - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンリングの組み合わせにおいて、オイルシール性能を高め、オイル消費量を低減することが可能な技術を提供する。【解決手段】ピストンリングの組み合わせにおいて、セカンドリングは、アンダーカット面を有し、セカンドリングには、インナーカット面とアウターカット面とのうち、少なくとも一方が形成され、オイルリングにおける一対の摺動部の少なくとも一方における第3外周端面は、下側の縁が上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、第3頂部が第3外周端面において摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、【選択図】図2

Description

本発明は、ピストンリングの組み合わせに関する。
一般的な自動車に搭載される内燃機関は、トップリング及びセカンドリングを含む2本のコンプレッションリング(圧力リング)と1本のオイルリングとを組み合わせた3本のピストンリングを、シリンダに装着されたピストンに設けた構成を採用している。これら3本のピストンリングは、上側(燃焼室側)から順にトップリング、セカンドリング、オイルリングがピストンの外周面に形成されたリング溝に装着され、シリンダ内壁面を摺動する。燃焼室から最も遠いオイルリングは、シリンダ内壁面に付着した余分なエンジンオイル(潤滑油)をクランク側に掻き落とすことでオイルの燃焼室側への流出(オイル上がり)を抑制するオイルシール機能や、潤滑油膜がシリンダ内壁面に適切に保持されるようにオイル量を調整することで内燃機関の運転に伴うピストンの焼き付きを防止する機能を有する。コンプレッションリングは、気密を保持することで燃焼室側からクランク室側への燃焼ガスの流出(ブローバイ)を抑制するガスシール機能や、オイルリングが掻き落とし切れなかった余分なオイルを掻き落とすことでオイル上がりを抑制するオイルシール機能を有する。このようなピストンリングの組み合わせにより、内燃機関におけるブローバイガスの低減とオイル消費の低減が図られている。また、セカンドリングを、外周側の下部にステップ状の切欠(アンダーカット)が形成されたスクレーパリングとすることで、オイル掻き性能を向上させることが知られている。
ここで、スクレーパリングのようなセカンドリングでは、アンダーカットによってリングにおける全体的な応力のバランスが非対称となる。このようなセカンドリングをピストンに装着した場合、セカンドリングにねじれが生じ、ピストンの往復運動の際にセカンドリングの姿勢が不安定となりがちとなる。その結果、セカンドリング溝内において側面(リング溝内壁の上下面)、特に上面側への面接触シールが阻害されることによって、セカンドリングのオイルシール性能が低下し、オイル消費量の増大を招く虞がある。
この問題を回避するために、外周側の下部に形成されたアンダーカットによるねじれ方向と異なるねじれ方向となる位置に更に別の切欠を形成することで、セカンドリングをピストンに装着した場合に生じるねじれを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1)。このようなピストンリングの形状は、バランスカット形状とも呼ばれる。
実開昭63−141357号公報
上述のように、セカンドリングをバランスカット形状とすることで、良好なシール性能が期待できる。しかしながら、仮に、サードランドにオイルが多量(所定量以上)に存在すると、セカンドリング溝内に充満したオイルによって、セカンドリングをバランスカット形状にしたことによるシール性能が十分に発揮されず、オイル消費の低減効果が十分に得られ難いという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピストンリングの組み合わせにおいて、オイル消費量をより低減することが可能な技術を提供することである
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ね、サードランドのオイル量を低減することでセカンドリングのバランスカットによるシール性能をいかんなく発揮できる点に着目し、オイルリングの外周面形状を偏心バレル形状とすることで上記課題を解決することを見出した。
即ち、本発明は、
内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、該セカンドリングの外周端部に設けられた第2外周端面と、該セカンドリングの内周端部に設けられた第2内周端面と、前記第2外周端面と前記第2下面との間に段差状の切欠が形成されるように該第2外周端面と該第2下面とを接続するアンダーカット面と、を有し、
前記セカンドリングには、
前記第2内周端面を含むように延びる第2仮想内周面と前記第2下面を含むように延びる第2仮想下面とが交わることで形成される仮想下角部における、該第2仮想内周面と該第2仮想下面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2内周端面と前記第2下面とを接続するインナーカット面と、
前記第2外周端面を含むように延びる第2仮想外周面と前記第2上面を含むように延びる第2仮想上面とが交わることで形成される仮想上角部における、該第2仮想外周面と該第2仮想上面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2外周端面と前記第2上面とを接続するアウターカット面とのうち、少なくとも一方が形成され、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、ピストンリングの組み合わせである。
ここで、トップリング、セカンドリング、オイルリングの各ピストンリングについて、「外周面」とは、リング(又はセグメント若しくはレール)の幅(軸方向寸法)を規定する軸方向両端面の外周縁同士を接続する面のことを指す。「周長方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの周長方向のことを指す。「径方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの半径方向のことを指す。「内側」又は「径方向内側」とは、当該ピストンリングの内周面側のことを指し、「外側」又は「径方向外側」とは、その反対側(即ち、ピストンリングの外周面側)のことを指す。「軸方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの中心軸に沿う方向のことを指す。
なお、「バレル形状」とは、ピストンリングにおいて最大径となる頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した面形状のことを指し、対称バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状を含むものとする。「対称バレル形状」は、該頂部が該面における軸方向(リング幅方向)の中央に位置した面形状である。「偏心バレル形状」は、該頂部が該面において軸方向中央(リング幅の中央)よりも下側(クランク室寄り)に位置した外周面形状である。また、「テーパバレル形状」は、偏心バレル形状であって、下側(クランク室側)の形状がピストンリングの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲しており、そこから上側(燃焼室側)に向けて直線的に縮径したテーパ形状を形成する面形状である。トップリングの第1外周端面の形状としては、対称バレル形状や偏心バレル形状を含むことができる。
また、インナーカット面とアウターカット面のうち少なくとも何れか一方が形成された形状を「バランスカット形状」と称する。
本発明によると、アンダーカット面が形成されたセカンドリングにおいて、インナーカット面とアウターカット面とのうち少なくとも何れか一方を形成したバランスカット形状とすることで、セカンドリングがピストンに装着された場合のねじれを抑制することができ、セカンドリングのオイルシール性能を向上させることができる。更に、オイルリングを偏心バレル形状とすることで、オイルリングのオイル上がりの抑制効果を向上させることができる。仮に、サードランドにオイルが多量(所定量以上)に存在すると、該オイルがセカンドリング溝内にも流入してくる。セカンドリング溝内に充満したオイルが、バランスカット形状により期待されるセカンドリングの挙動を阻害してしまうため、セカンドリングをバランスカット形状にしたことによるシール性能が十分に発揮され難くなる。これに対して、本発明によれば、オイルリングを偏心バレル形状にしてサードランドへのオイル上がりを抑制することで、セカンドリングのバランスカット形状によるシール性能を十分に発揮させることができる。つまり、オイルリングの偏心バレル形状によるシール性能とセカンドリングのバランスカット形状によるシール性能の相乗効果によって、セカンドランドへのオイル上がりを更に抑制することができる。その結果、オイル消費量を低減することができる。
また、本発明は、
内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、前記第2上面の外周縁と前記第2下面の外周縁とを接続する第2外周面と、前記第2上面の内周縁と前記第2下面の内周縁とを接続する第2内周面と、を有し、周長方向に直交する断面において矩形状に形成され、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央
位置よりも下側に位置するように形成されている、
ピストンリングの組み合わせであってもよい。
これによると、セカンドリングを矩形断面の所謂レクタンギュラリングとすることで、セカンドリングがピストンに装着された場合のねじれを抑制することができ、セカンドリングのオイルシール性能を向上させることができる。更に、オイルリングを偏心バレル形状とし、オイル上がりを抑制することで、セカンドリングのオイルシール性能を十分に発揮させることできる。その結果、オイル消費量を低減することができる。
なお、本発明に係るオイルリングは、所謂3ピースのオイルリングであってもよい。即ち、本発明において、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、互いに独立して該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対のセグメントと、前記一対のセグメントを径方向外側に付勢するエキスパンダと、を有し、
前記一対の摺動部は、前記一対のセグメントとして形成されていてもよい。
また、本発明に係るオイルリングは、所謂2ピースのオイルリングであってもよい。即ち、本発明において、
前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成されたオイルリング本体と、前記オイルリング本体を径方向外側へ付勢するエキスパンダと、を有し、
前記オイルリング本体には、径方向外側に突出する一対のレールが前記オイルリングの軸方向に並んで形成され、
前記一対の摺動部は、前記一対のレールとして形成されていてもよい。
また、本発明において、
前記セカンドリングのねじれ角は、前記セカンドリングを前記ピストンに装着し、且つ、前記ピストンをシリンダに装着した状態で、−20′〜20′の範囲内であることが好ましい。ここで、ねじれ角は、例えば、水平面(ピストンの軸と直交する平面)に対するリングの上面の傾斜角度として定義することができ、リング上面が径方向外側に向かって上方(燃焼室側)傾斜する場合に正の値とし、リング上面が径方向外側に向かって下方(クランク室側)傾斜する場合に負の値とすることができる。
また、本発明において、
前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面の上側の縁との間に、径方向外側に凸状に湾曲すると共に上側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有してもよい。
また、本発明において、
前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面における上側の縁との間に、上側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有してもよい。
本発明によれば、ピストンリングの組み合わせにおいて、オイルシール性能を高め、オイル消費量をより低減することが可能となる。
実施形態1に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関の全体図である。 実施形態1に係る内燃機関のリング溝付近の拡大図である。 実施形態1に係るトップリングの周長方向に直交する断面図である。 実施形態1に係るセカンドリングを示す図であって、図4(a)は、セカンドリングの周長方向に直交する断面図であり、図4(b)は、セカンドリングの内周側下部を示す拡大図であり、図4(c)は、セカンドリングの外周側上部を示す拡大図である。 セカンドリングがバランスカット形状ではない場合にセカンドリングに生じるねじれを説明するための図である。 インナーカット面の一例を示す図である。 実施形態1に係るオイルリングの周長方向に直交する断面図である。 実施形態1に係るオイルリングに設けられたセグメントの周長方向に直交する断面図である。 実施例及び比較例1〜3のオイル消費量を示すグラフである。 実施例及び比較例1〜3における、オイルがトップリングからオイルリングまで到達するまでの時間を示すグラフである。 実施例のピストン外周面を示す図である。 比較例1のピストン外周面を示す図である。 比較例2のピストン外周面を示す図である。 比較例3のピストン外周面を示す図である。 図15は、実施例におけるオイルの挙動を示す図である。 図16は、比較例1におけるオイルの挙動を示す図である。 図17は、比較例2におけるオイルの挙動を示す図である。 図18は、比較例3におけるオイルの挙動を示す図である。 実施形態1の変形例1に係るセグメントの周長方向に直交する断面図である。 実施形態1の変形例2に係るオイルリングを示す図であって、図20(a)は、実施形態1の変形例2に係るオイルリングの周長方向に直交する断面図、図20(b)は、図20(a)に示す第3外周面の拡大図である。 実施形態2に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関を示す図である。 実施形態2に係るピストンリングの組み合わせに用いられるセカンドリングの周長方向に直交する断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るピストンリングの組み合わせの好ましい実施の形態について説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関100の全体図である。図2は、内燃機関100のリング溝付近の拡大図である。図1及び図2では、便宜上、各構成を簡略化して図示している。図1に示すように、実施形態に係る内燃機関100は、シリンダ20と、シリンダ20に装着されたピストン10と、を有する。内燃機関100において、符号30で示す燃焼室側を上側とし、符号40で示すクランク室側を下側とする。
図2に示すように、内燃機関100では、ピストン外周面10aとシリンダ内壁20aとの間に所定の離間距離が確保されることにより、ピストン隙間PC1が形成されている。また、ピストン外周面10aには、ピストン10の軸方向に所定の間隔を空けて上側(燃焼室側)から順にトップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103が形成されている。ピストン外周面10aは、トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103によって区画される。ピストン外周面10aにおいて、トップリング溝101よりも上方の領域をトップランドL1と称し、トップリング溝1
01とセカンドリング溝102の間の領域をセカンドランドL2と称し、セカンドリング溝102とオイルリング溝103の間の領域をサードランドL3と称する。図2に示すように、トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103には、夫々、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3が装着される。本明細書において、トップリング溝101、セカンドリング溝102、オイルリング溝103を区別せずに説明するときは、単に「リング溝」と称する。また、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3を区別しないで説明するときは、単に「ピストンリング」と称する。図2に示すように各ピストンリングがシリンダ20に装着されたピストン10の対応するリング溝に装着された状態を、「使用状態」と称する。
また、各ピストンリングの説明において、「周長方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの周長方向のことを指す。「径方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの半径方向のことを指す。「内側」又は「径方向内側」とは、当該ピストンリングの内周面側のことを指し、「外側」又は「径方向外側」とは、その反対側(即ち、ピストンリングの外周面側)のことを指す。「軸方向」とは、特に指定しない限りは当該ピストンリングの中心軸に沿う方向のことを指す。また、トップリング、セカンドリング、オイルリングの各ピストンリングについて、「外周面」とは、リング(又はセグメント若しくはレール)の幅(軸方向寸法)を規定する軸方向両端面の外周縁同士を接続する面のことを指し、「内周面」とは、該軸方向両端面の内周縁同士を接続する面のことを指す。
また、ピストン10、シリンダ20、トップリング1、セカンドリング2、オイルリング3の夫々について、夫々の軸方向を上下方向と定義し、これらの使用状態における燃焼室30側を夫々の「上側」(図1及び図2における上方向)と定義し、その反対側(即ち、燃焼室から離れる側であり、クランク室40側)を夫々の「下側」と定義する。
また、本明細書において、「バレル形状」とは、ピストンリングにおいて最大径となる頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した面形状のことを指し、対称バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状を含むものとする。「対称バレル形状」は、該頂部が該面における軸方向(リング幅方向)の中央に位置した面形状である。「偏心バレル形状」は、該頂部が該面において軸方向中央(リング幅の中央)よりも下側(クランク室寄り)に位置した外周面形状である。また、「テーパバレル形状」は、偏心バレル形状であって、下側(クランク室側)の形状がピストンリングの周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲しており、そこから上側(燃焼室側)に向けて直線的に縮径したテーパ形状を形成する面形状である。対称バレル形状、偏心バレル形状、テーパバレル形状の詳細については後述する。
図2に示すように、各リング溝は、上下に対向する一対の内壁によって形成されており、これらのうち、上側の内壁を上壁W1と称し、下側の内壁を下壁W2と称する。各ピストンリングは、使用状態において、夫々の外周面がシリンダ内壁20aを押圧するように自己張力を有している。
以下、実施形態1に係るピストンリングの組み合わせにおける各ピストンリングの形状について説明する。
[トップリング]
図3は、実施形態1に係るトップリング1の周長方向に直交する断面図である。まず、実施形態1に係るトップリング1について説明する。図3に示すように、トップリング1は、上側に設けられた第1上面11と、下側に設けられた第1下面12と、第1上面11の外周縁E101と第1下面12の外周縁E102とを接続する第1外周面13と、第1
上面11の内周縁E103と第1下面12の内周縁E104とを接続する第1内周面14と、を有する。トップリング1が、トップリング溝101に装着された状態、即ち、使用状態にあるとき、第1上面11が上側に位置してトップリング溝101の上壁W1に対向し、第1下面12が下側に位置して下壁W2に対向し、第1外周面13がシリンダ内壁20aに摺接する。
図3に示すように、第1外周面13は、トップリング1の外周端部に設けられる第1外周端面S11と、第1外周端面S11と第1上面11及び第1下面12とをそれぞれ接続する一対の接続面S12,S12と、を含む。一対の接続面S12,S12の一方は、第1外周端面S11の上側(燃焼室30側)の周縁(以下、上縁)E11と第1上面11の外周縁E101とを接続する。一対の接続面S12,S12の他方は、第1外周端面S11の下側(クランク室40側)の周縁(以下、下縁)E12と第1下面12の外周縁E102とを接続する。第1外周端面S11は、トップリング1の周長方向と直交する断面において、トップリング1において最大径となる第1頂部P1を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲している。第1外周端面S11の第1頂部P1は、第1外周面13においてトップリング1の径方向最外に位置しており、第1外周端面S11は、使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接する。この第1外周端面S11は、全体として対称バレル曲面に形成されている。即ち、第1外周端面S11は、周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状となる円弧を形成すると共に該凸状の第1頂部P1が第1外周端面S11においてトップリング1の軸方向(上下方向)の中央に位置し、第1頂部P1を境に軸方向に対称な対称バレル形状を有している。該円弧は、上端が上側の接続面S12に接続し、下端が下側の接続面S12に接続している。なお、第1上面11、第1下面12、第1内周面14は、R加工等によって形成された断面円弧状の曲面を介して滑らかに接続されてもよく、曲面がなくてもよい。
図3に示す符号CL1は、トップリング1の中心軸A1に直交すると共に第1外周端面S11における軸方向中央位置を通る直線を示す。第1外周端面S11を形成する対称バレル曲面は、第1外周面13よりも径方向内側であって中央線CL1上に中心C1を有する所定の半径r1の円弧を中心軸A1回りに回転させることで形成される曲面とも捉えることができる。図3に示すように、第1頂部P1は、中央線CL1上に位置する。なお、本例では、第1外周端面S11が対称バレル形状に形成されているが、第1外周端面S11の形状はこれに限定されない。第1外周端面S11は、バレル形状であればよく、対称バレル形状でなくともよい。即ち、第1頂部P1は、第1外周端面S11において軸方向の中央(即ち、中央線CL1上)に位置しなくともよく、第1頂部P1が燃焼室30側又はクランク室40側にオフセットしていてもよい。つまり、第1外周端面S11は、トップリング1において最大径となる第1頂部P1を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した形状であればよい。また、本例では、第1外周端面S11を半径が一様な円弧により形成したが、第1外周端面S11は、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第1外周端面S11は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第1外周端面S11は、第1頂部P1において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。また、トップリング1は、一対の接続面S12,S12を有さずに、第1外周端面S11が第1上面11及び第1下面12に連なっていてもよい。即ち、第1外周面13の全域が第1外周端面S11であってもよい。
図3に示す符号a11及びa12は、バレル落差を表す。a11は、トップリング1における燃焼室30側のバレル落差、即ち、トップリング1の第1頂部P1と第1外周端面S11の上縁E11との径方向における距離を示す。a11は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第1外周端面S11の上縁E11までの距離と等しい。同様に、a12は、トップリング1におけるクランク室40側のバレル落差、即ち、トップリング1の第
1頂部P1と第1外周端面S11の下縁E12との径方向における距離を示す。a12は、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第1外周端面S11の下縁E12までの距離と等しい。本例では、第1外周端面S11が対称バレル曲面に形成されているため、第1外周端面S11の上縁E11と下縁E12とが径方向において揃っている。これにより、a11とa12とが等しくなっている。但し、本発明は、これに限定されない。また、図3に示す符号b11は、第1外周端面S11の第1頂部P1と第1外周端面S11の上縁E11との軸方向における距離を示す。また、b12は、第1外周面13の第1頂部P1と第1外周端面S11の下縁E12との軸方向における距離を示す。本例では、第1外周端面S11が対称バレル曲面に形成されているため、b11とb12とが等しい。但し、本発明は、これに限定されない。トップリング1の第1外周端面S11は、偏心バレル形状であってもよい。
[セカンドリング]
図4は、実施形態1に係るセカンドリング2を示す図であって、図4(a)は、セカンドリング2の周長方向に直交する断面図であり、図4(b)は、セカンドリング2の内周側下部を示す拡大図であり、図4(c)は、セカンドリング2の外周側上部を示す拡大図である。次に、実施形態1に係るセカンドリング2について説明する。図4(a)に示すように、セカンドリング2は、外周面側の下部に段差状(ステップ状)の切欠が形成された、所謂スクレーパリングである。セカンドリング2は、上側に設けられた第2上面21と、下側に設けられた第2下面22と、第2上面21の外周縁E201と第2下面22の外周縁E202とを接続する第2外周面23と、第2上面21の内周縁E203と第2下面22の内周縁E204とを接続する第2内周面24と、を有する。セカンドリング2が、セカンドリング溝102に装着された状態、即ち、使用状態において、第2上面21が上側に位置してセカンドリング溝102の上壁W1に対向し、第2下面22が下側に位置して下壁W2に対向し、第2外周面23がシリンダ内壁20aに摺接する。なお、第2上面21、第2下面22、第2外周面23、第2内周面24は、R加工等によって形成された断面円弧状の曲面を介して滑らかに接続されてもよく、曲面がなくてもよい。
図4(a)に示すように、第2外周面23は、セカンドリング2の外周端部に設けられた第2外周端面S211と、第2外周端面S211の下縁E22と第2下面22の外周縁E202とを接続するアンダーカット面S212と、を含む。
第2外周端面S211は、下側に向かうに従って拡径するように傾斜したテーパ形状を有している。第2外周端面S211は、セカンドリング2の最外周部位を構成する面である。外周端面S211は、セカンドリング2の使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接することで、ピストン隙間PC1内のオイルを掻き落とす。なお、第2外周端面S211の形状は、テーパ形状に限定しない。第2外周端面S211は、軸方向に沿って延在するストレート形状を有してもよい。
アンダーカット面S212は、第2外周端面S211と第2下面22との間に段差状の切欠であるアンダーカット25が形成されるように、第2外周端面S211の下縁E22と第2下面22の外周縁E202とを接続する。これにより、セカンドリング2は、外周側の下部が切り欠かれたアンダーカット形状を有している。そのため、内燃機関100において、第2外周面23の下部とシリンダ20との間に、アンダーカット25による空間が形成される。この空間がオイル溜まりとなり、ピストン10の下降時においてセカンドリング2がピストン隙間PC1内のオイルを掻き落とす際に、オイルがバッファされ、油圧の上昇が抑制される。その結果、良好なオイル掻き性能が得られる。このようなセカンドリング2としては、スクレーパリングの他に、ナピアリングであってもよい。
また、図4(a)に示すように、第2内周面24は、セカンドリング2の内周端部に設
けられた第2内周端面S221を含む。第2内周端面S221は、軸方向に沿って延在するストレート形状を有しており、第2内周端面S221の上縁は、第2上面21の内周縁E203と接続されている。第2内周端面S221は、セカンドリング2の最内周部位を構成する面である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、セカンドリング2には、第2内周端面S221の下縁E23と第2下面22の内周縁E204とを接続するインナーカット面S222が形成されている。図4(b)の符号VP4は、第2内周端面S221を含むように延びる第2仮想内周面を示す。また、符号VP2は、第2下面22を含むように延びる第2仮想下面を示す。第2仮想内周面VP4と第2仮想下面VP2とが交わることで形成される仮想の角部を、仮想下角部と称し、符号VC1で示す。
図4(b)に示すように、インナーカット面S222は、仮想下角部VC1における、第2仮想内周面VP4と第2仮想下面VP2との交差部分VC11を含む所定部位がセカンドリング2に含まれないように、第2内周端面S221と第2下面22とを接続している。これにより、第2内周端面S221と第2下面22との間には、切欠であるインナーカット26が形成されている。その結果、セカンドリング2は、内周側の下部が切り欠かれた形状となっている。
また、図4(a)及び図4(c)に示すように、セカンドリング2には、第2外周端面S21の上縁E21と第2上面21の外周縁E201とを接続するアウターカット面S213が形成されている。図4(c)の符号VP3は、第2外周端面S211を含むように延びる第2仮想外周面を示す。また、符号VP1は、第2上面21を含むように延びる第2仮想上面を示す。第2仮想外周面VP3と第2仮想上面VP1とが交わることで形成される仮想の角部を、仮想上角部と称し、符号VC2で示す。
図4(c)に示すように、アウターカット面S213は、仮想上角部VC2における、第2仮想外周面VP3と第2仮想上面VP1との交差部分VC21を含む所定部位がセカンドリング2に含まれないように、第2外周端面S211と第2上面21とを接続している。これにより、第2外周端面S211と第2上面21との間には、切欠であるアウターカット27が形成されている。その結果、セカンドリング2は、外周側の上部が切り欠かれた形状となっている。以下、インナーカットとアウターカットとを区別しないで説明するときは、「バランスカット」と称する。また、セカンドリング2のようにバランスカットが形成されたセカンドリングの形状を、「バランスカット形状」と呼ぶことができる。バランスカット形状は、即ち、インナーカット面とアウターカット面のうち少なくとも何れか一方が形成された形状である。
ここで、図5は、セカンドリングにインナーカット面とアウターカット面の何れも形成されていない場合、即ち、セカンドリングがバランスカット形状ではない場合にセカンドリングに生じるねじれを説明するための図である。図5に示すセカンドリング2Xは、アンダーカット面S212が形成されている点でセカンドリング2と同じであり、インナーカット面S222とアウターカット面S213の何れも形成されていない点でセカンドリング2と異なる。図5に示すセカンドリング2Xのように、非バランス形状である場合、アンダーカット面S212により形成されるアンダーカット25によって、セカンドリング2Xにおける全体的な応力のバランスが非対称となる。このようなセカンドリング2Xをピストン10に装着し、且つ、シリンダ20に装着した場合、図中に示す矢印のようにセカンドリング2Xにねじれが生じる。仮に、使用状態におけるセカンドリング2Xのねじれが大きいものであると、ピストン10の往復運動の際にセカンドリング2Xの姿勢が不安定となりがちとなり、セカンドリング溝102内において側面(上壁W1及び下壁W2)、特に上壁W1への面接触シールが阻害される。その結果、セカンドリング2Xのオ
イルシール性能が低下し、オイル消費量の増大を招く虞がある。
一方、本実施形態に係るセカンドリング2には、インナーカット面S222により内周側の下部を切り欠いたようなインナーカット26が形成され、アウターカット面S213により外周側の上部を切り欠いたようなアウターカット27が形成されたバランスカット形状となっている。これにより、アンダーカット25が形成されたセカンドリング2において、全体的な応力のバランスが対称又は対称に近いものとなり、使用状態においてセカンドリング2に生じるねじれを減少させることができる。これにより、使用状態において、第2上面21及び第2下面22をピストン軸に対して略垂直なフラット面(平坦面)に保つことができる。例えば、膨張行程においてセカンドリング2に上向きの慣性力が作用したり、エンジンブレーキを利用した減速時において負圧となった燃焼室内のガス圧がセカンドリング2に作用したりすると、セカンドリング2がセカンドリング溝102の上壁W1に押し付けられることとなる。このとき、バランスカット形状としたセカンドリング2によれば、第2上面21が使用状態においてフラット面に保たれているため、セカンドリング2がセカンドリング溝102の上壁W1に押し付けられたときに第2上面21と上壁W1とが面接触となる。これにより、第2上面21と上壁W1との接触面積が十分に得られ、密着性が好適なものとなる。その結果、良好なシール性能が得られる。このように、本実施形態によれば、セカンドリング2をバランスカット形状とすることで、セカンドリング2のねじれを抑制し、第2上面21とセカンドリング溝102の上壁W1との密着性を高め、セカンドリング2のオイルシール性能を向上させることができる。
なお、セカンドリング2は、インナーカット面S222とアウターカット面S213とのうち少なくとも一方が形成されていていればよい。即ち、セカンドリング2は、バランスカット形状であればよい。これにより、アンダーカット面S212によるセカンドリング2のねじれを減少することができ、セカンドリング2がバランスカット形状でない場合と比較して、良好なオイルシール性能を得ることができる。
また、上述の説明では、インナーカット面S222を径方向内側に向かうに従って上方に傾斜した傾斜面として形成することで、内周側の下部が斜めに切り欠かれたようなインナーベベル型のインナーカットを形成したが、インナーカット面の形状はこれに限定しない。インナーカット面は、アンダーカット面によるねじれとは異なる方向のねじれ作用を生じさせるような形状であればよい。図6は、インナーカット面の一例を示す図である。インナーカット面は、図6に示すセカンドリング2Aのインナーカット面S222Aのように、段差状に形成されたインナーステップ型のインナーカットを形成するような形状であってもよい。同様に、アウターカット面も図4に示す形状に限定されず、アンダーカット面によるねじれとは異なる方向のねじれ作用を生じさせるような形状であればよい。
このようなインナーカット面S222及びアウターカット面S213は、セカンドリング2のスチール線材製造時から形成されていてもよいし、切削、研削、又は研磨の加工によってセカンドリング2の基材に面取りを施すことで形成されてもよい。
[オイルリング]
図7は、実施形態1に係るオイルリング3の周長方向に直交する断面図である。図7では、オイルリング3がリング溝に設けられた状態を示している。次に、実施形態1に係るオイルリング3について説明する。図7に示すように、オイルリング3は、所謂3ピースのオイルリングである。より具体的には、オイルリング3は、オイルリング3の軸回りに環状に形成され、互いに独立してオイルリング3の軸方向に並んで設けられた一対のセグメント4,4と、一対のセグメント4,4を径方向外側(シリンダ内壁20a)に付勢するエキスパンダ・スペーサ5と、を含んで構成されている。本実施形態に係るオイルリング3は、一対のセグメント4,4を、同一の形状としている。一対のセグメント4,4は
、本発明における「一対の摺動部」の一例である。以下、一対のセグメント4,4のうち、上側(燃焼室30側)に配置されたセグメント4を上側セグメント4Uと称し、下側(クランク室40側)に配置されたセグメント4を下側セグメント4Lと称し、これらを区別しないときは、単にセグメント4と称する。
図7及び図8に示すように、セグメント4は、上側に設けられた第3上面41と、下側に設けられた第3下面42と、第3上面41の外周縁E401と第3下面42の外周縁E402とを接続する第3外周面43と、第3上面41の内周縁E403と第3下面42の内周縁E404とを接続する第3内周面44と、を有する。上側セグメント4Uは、オイルリング3が、オイルリング溝103に装着された状態、即ち、使用状態にあるとき、第3上面41がオイルリング溝103の上壁W1に対向し、第3下面42及び第3内周面44がエキスパンダ・スペーサ5に当接し、第3外周面43がシリンダ内壁20aに摺接するように、設けられる。下側セグメント4Lは、オイルリング3が使用状態にあるとき、第3下面42がオイルリング溝103の下壁W2に対向し、第3上面41及び第3内周面44がエキスパンダ・スペーサ5に当接し、第3外周面43がシリンダ内壁20aに摺接するように、設けられる。
図8は、セグメント4の周長方向に直交する断面を示す断面図である。図8に示すように、第3外周面43は、セグメント4の外周端部に設けられる第3外周端面S41と、第3外周端面S41と第3上面41及び第3下面42とをそれぞれ接続する一対の接続面S42,S42と、を含む。一対の接続面S42,S42の一方は、第3外周端面S41の上縁E41と第3上面41の外周縁E401とを接続する。一対の接続面S42,S42の他方は、第3外周端面S41の下縁E42と第3下面42の外周縁E402とを接続する。第3外周端面S41は、セグメント4の周長方向に直交する断面において、セグメント4において最大径となる第3頂部P4を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲している。第3外周端面S41の第3頂部P4は、第3外周面43においてセグメント4の径方向最外に位置しており、第3外周端面S41は、使用状態においてシリンダ内壁20aに摺接する。この第3外周端面S41は、全体として偏心バレル曲面に形成されている。具体的には、第3外周端面S41は、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し、且つ、第3頂部P4が第3外周端面S41においてセグメント4の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている。これにより、第3外周端面S41は、第3頂部P4を境に軸方向に非対称な偏心バレル形状を有している。また、図8に示すように、第3外周端面S41は、第3頂部P4を含んでセグメント4の径方向外側に凸状に湾曲する第3突出面431と、第3突出面431と上縁E41との間に形成され、セグメント4の周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状に湾曲すると共に燃焼室30側に向けて徐々に縮径した湾曲面432と、を含んで構成されている。湾曲面432は、第3突出面431の上端と第3外周端面S41の上縁E41とを接続する。
図8に示す符号δ4は、第3外周面43における軸方向中央からの第3頂部P4の偏心量を示す。また、図8に示す符号CL4は、セグメント4の中心軸A3に直交すると共に第3外周端面S41における軸方向中央位置を通る直線を示す。また、符号EL4は、セグメント4の中心軸A3に直交すると共に中央線CL4よりも偏心量δ4分下側(クランク室40寄り)に位置する直線を示す。図8に示すように、第3外周端面S41における第3突出面431は、周長方向に直交する断面において径方向外側に凸状となる円弧を形成している。該円弧の下端は、下側の接続面S42に接続している。第3突出面431は、第3外周面43よりも径方向内側に中心C41を有する所定の半径r41の円弧を中心軸A3回りに回転させることで形成される曲面とも捉えることができる。なお、図8では、直線EL4上に中心C41が位置しているが、中心C41の位置はこれに限定されない。また、第3突出面431は、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有
してもよい。また、第3外周端面S41は、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第3外周端面S41は、第3頂部P4において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。また、セグメント4は、一対の接続面S42,S42を有さずに、第3外周端面S41が第3上面41及び第3下面42に連なっていてもよい。即ち、第3外周面43の全域が第3外周端面S41であってもよい。なお、図8に示す例では、上側の接続面S42と下側の接続面S42とが中央線CL4を挟んで対称の形状となっているが、セグメントの形状はこれに限定されず、上側と下側の接続面S42は、中央線CL4を挟んで対称でなくともよい。即ち、上下の接続面S42,S42同士の軸方向の長さが異なってもよく、第3頂部P4から第3上面41の外周縁E401までの径方向の距離と第3頂部P4から第3下面42の外周縁E402までの径方向の距離とが異なってもよい。
図8に示す符号a41は、セグメント4における燃焼室30側のバレル落差である。バレル落差a41は、即ち、セグメント4の第3頂部P4と第3外周端面S41の上縁E41との径方向における距離であり、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第3外周端面S41の上縁E41までの距離と等しい。同様に、a42は、セグメント4におけるクランク室40側のバレル落差である。バレル落差a42は、即ち、セグメント4の第3頂部P4と第3外周端面S41の下縁E42との径方向における距離であり、使用状態におけるシリンダ内壁20aから第3外周端面S41の下縁E42までの距離と等しい。図8に示すように、第3外周端面S41においては、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置しているため、a42がa41よりも小さくなっている。また、図8に示す符号b41は、セグメント4の第3頂部P4と第3外周端面S41の上縁E41との軸方向における距離を示す。また、b42は、セグメント4の第3頂部P4と第3外周端面S41の下縁E42との軸方向における距離を示す。図8に示すように、第3外周端面S41においては、セグメント4の第3頂部P4が第3外周端面S41おける軸方向中央よりも下側に位置している。そのため、b42がb41よりも小さくなっている。
このようなオイルリング3によると、使用状態において、シリンダ内壁20aと第3外周端面S41との隙間を、第3頂部P4を境としてクランク室40側において燃焼室30側よりも小さくすることができる。これにより、ピストン10の下降時においては、オイルを好適に掻き落とすことができ、ピストン10の上昇時においては、くさび効果により第3外周端面S41がオイルに乗り上げるため、オイルの掻き上げを防止することができる。そのため、ピストン隙間PC1内のオイルがクランク室40側の隙間を通り抜けてクランク室40側からサードランドL3に流出し難くなる。即ち、オイル上がりの抑制において優れた効果を発揮する。その結果、オイルリング3は、一対のセグメントの第3外周端面を対称バレル形状とした場合と比較して、サードランドL3へのオイル上がりをより抑制することができる。例えば、厚み(径方向寸法)1.7mm、幅(軸方向寸法)0.4mmのセグメント4の場合、第3突出面431における半径r41、偏心量δ4、バレル落差a41,a42、第3頂部P4と上下縁との軸方向における距離b41,b42は、r41=約0.5mm、δ4=0.08mm、a41=0.06mm、a42=0.0
04mm、b41=0.23mm、b42=0.06mmとすることが、オイルシール性能向上の観点から特に好ましい。但し、本発明は、上記の寸法に限定するものではない。
なお、本発明は、一対のセグメント4,4の両方の第3外周面43において第3外周端面S41を偏心バレル形状としつつも、上側セグメント4Uと下側セグメント4Lとで、半径r41、偏心量δ4、バレル落差a41,a42、第3頂部P4と上縁E41及び下縁E42との軸方向における距離b41,b42を異ならせてもよい。また、本発明は、一対のセグメント4,4のうち、少なくとも一方の第3外周端面S41が上述した偏心バレル形状であればよく、例えば、上側セグメント4Uの第3外周端面S41を上述の偏心バレル形状とし、下側セグメント4Lの第3外周端面S41を第3頂部P4が軸方向中央に位置した対称バレル形状としてもよく、その逆としてもよい。但し、本実施形態は、一
対のセグメント4,4の両方の第3外周端面S41を上述の偏心バレル形状とすることで、一方のみを偏心バレル形状とする場合よりもオイル上がりを抑制することができる。
[作用・効果]
以上のように、本実施形態に係るピストンリングの組合せでは、トップリング1は、外周端部に設けられると共にトップリング1において最大径となる第1頂部P1を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面S11を有している。また、セカンドリング2は、第2上面21と、第2下面22と、外周端部に設けられた第2外周端面S211と、内周端部に設けられた第2内周端面S221と、第2外周端面S211と第2下面22との間に段差状の切欠であるアンダーカット25が形成されるように第2外周端面S211と第2下面22とを接続するアンダーカット面S212と、を有している。そして、セカンドリング2は、バランスカット形状を有するスクレーパリングとなっている。即ち、セカンドリング2には、インナーカット26を形成するインナーカット面S222と、アウターカット27を形成するアウターカット面S213とのうち、少なくとも一方が形成されている。ここで、インナーカット面S222は、第2内周端面S221を含むように延びる第2仮想内周面VP4と第2下面22を含むように延びる第2仮想下面VP2とが交わることで形成される仮想下角部VC1における、第2仮想内周面VP4と第2仮想下面VP2との交差部分VC11を含む所定部位がセカンドリング2に含まれないように、第2内周端面S221と第2下面22とを接続するものであり、アウターカット面S213は、第2外周端面S211を含むように延びる第2仮想外周面VP3と第2上面21を含むように延びる第2仮想上面VP1とが交わることで形成される仮想上角部VC2における、第2仮想外周面VP3と第2仮想上面VP1との交差部分VC21を含む所定部位がセカンドリング2に含まれないように、第2外周端面S211と第2上面21とを接続するものである。また、オイルリング3に設けられた一対のセグメント4,4の夫々は、外周端部に設けられると共にセグメント4において最大径となる第3頂部P4を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面S41を有し、一対のセグメント4,4の少なくとも一方における第3外周端面S41は、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し、且つ、第3頂部P4が第3外周端面S41においてセグメント4の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている。
ここで、上述のように、セカンドリングをバランスカット形状とすることで、良好なシール性能が期待できる。しかしながら、仮に、サードランドL3にオイルが多量(所定量以上)に存在すると、セカンドリング溝102内に充満したオイルによって、セカンドリングをバランスカット形状にしたことによるシール性能が十分に発揮され難いという問題がある。
これに対して、本実施形態に係るピストンリングの組み合わせによると、オイルリング3を偏心バレル形状とすることで、サードランドL3へのオイル上がりを抑制することができる。これにより、バランスカット形状としたセカンドリング2のシール性能を十分に発揮することできる。つまり、オイルリングの偏心バレル形状によるシール性能とセカンドリングのバランスカット形状によるシール性能の相乗効果を得ることができる。その結果、このようなピストンリングの組み合わせによれば、従来よりもオイル消費量を低減することができる。
なお、セカンドリング2のねじれ角の大きさは、セカンドリング2をピストン10に装着し、且つ、ピストン10をシリンダ20に装着した状態で、−20′〜20′とすることが好ましい。これにより、セカンドリングにおいて、より良好なシール性能を得ることができる。更に、この場合において、ねじれ角の大きさを−15′〜15′とすることが、より好ましい。ここで、ねじれ角は、例えば、水平面(ピストンの軸と直交する平面)に対する第2上面21の傾斜角度として定義することができ、第2上面21が径方向外側
に向かって上方(燃焼室側)傾斜する場合に正の値とし、リング上面が径方向外側に向かって下方(クランク室側)傾斜する場合に負の値とすることができる。但し、ねじれ角の定義や大きさはこれに限定しない。
なお、本実施形態に係るセグメント4の第3外周端面S41は、第3頂部P4と第3外周端面S41の上縁E41との間に、径方向外側に凸状に湾曲すると共に上側に向けて徐々に縮径した湾曲面432を有する。これによれば、ピストン10の上昇時におけるくさび効果を高め、オイル上がりを更に抑制することができる。
[オイル吸い上げ実験]
本実施形態に係るピストンリングの組み合わせによるオイル消費の低減効果を確認すべく、可視化試験機を用いたオイル吸い上げ実験を行った。本実験に用いた可視化試験機は、透光部を備えたシリンダホルダと全体が透明ガラス製のシリンダとを用いた非燃焼式の内燃機関構造を備えている。可視化試験機は、蛍光物質を混合したオイルをシリンダとピストンとの間に介在させた状態でピストンを往復させ、その間にシリンダホルダの透光部にレーザ光を照射すると共に蛍光物質が発する蛍光強度分布を高速度カメラにより取得することで、ピストン外周面におけるオイルの分布を可視化する。
実験では、後述する実施例と比較例1〜3の夫々について、可視化試験機の内燃機関構造を運転させ、オイル消費量と、オイルがトップリングからオイルリングまで到達するまでの時間と、を測定した。実験条件は、クランク回転数を1500rpmとし、吸気管内のガス圧を絶対圧力で22kPaとし、オイルがサードランド側に吸い上げられる状況とした。
[実施例]
実施例では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングをバランスカット形状とし、オイルリングを偏心バレル形状とした。即ち、実施例に係るピストンリングの組み合わせは、図2に示したピストンリングの組み合わせと同様のものである。
[比較例1]
比較例1では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングを非バランスカット形状とし、オイルリングを対称バレル形状とした。即ち、比較例1に係るセカンドリングは、図5に示したセカンドリング2Xと同様の形状を有する。また、比較例1に係るオイルリングにおける一対のセグメントは、図7及び図8に示した一対のセグメント4,4と異なり、何れもが対称バレル形状となっている。
[比較例2]
比較例2では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングをバランスカット形状とし、オイルリングを対称バレル形状とした。即ち、比較例2に係るセカンドリングは、図4に示したセカンドリング2と同様の形状を有する。また、比較例2に係るオイルリングにおける一対のセグメントは、図7及び図8に示した一対のセグメント4,4と異なり、何れもが対称バレル形状となっている。
[比較例3]
比較例3では、トップリングを対称バレル形状とし、セカンドリングを非バランスカット形状とし、オイルリングを偏心バレル形状とした。即ち、比較例3に係るセカンドリングは、図5に示したセカンドリング2Xと同様の形状を有する。また、比較例3に係るオイルリングにおける一対のセグメントは、図7及び図8に示した一対のセグメント4,4と同様の形状を有する。
[実験結果]
図9は、実施例及び比較例1〜3のオイル消費量を示すグラフである。グラフ中、縦軸はオイル消費量の比を示している。図10は、実施例及び比較例1〜3における、オイルがトップリングからオイルリングまで到達するまでの時間を示すグラフである。グラフ中、縦軸は到達時間の比を示している。図11〜図14は、ピストン外周面の蛍光強度分布の計測例を表示したものである。図11〜図14に示す白黒画像は、可視化試験機の内燃機関構造を300サイクル運転させたときの、ピストン外周面の蛍光強度分布(即ち、油膜厚さ分布)を示す。図中、上下方向がシリンダ軸方向であり、上方側が燃焼室側、下方側がクランク室側であり、左右方向がシリンダの周方向である。図11は、実施例のピストン外周面を示し、図12は、比較例1のピストン外周面を示し、図13は、比較例2のピストン外周面を示し、図14は、比較例3のピストン外周面を示す。
図9から分かるように、実施例においてオイル消費量が最も少なく、次いで、比較例3、比較例2、比較例1の順で、オイル消費量が少ないという結果となった。これにより、実施例に係るピストンリングの組み合わせとすることで、オイル消費量を最も低減できることが確認できた。
図10から分かるように、実施例においてトップリングへのオイル到達時間が最も長く、次いで、比較例3、比較例2、比較例1の順で、到達時間が長いという結果となった。これにより、実施例に係るピストンリングの組み合わせとすることで、トップリングまでのオイルの上昇を最も遅くできることを確認できた。
図11〜図14を比較することで、トップランドに存在するオイル量は、実施例において最も少なく、次いで、比較例3、比較例2、比較例1の順で、少ないことが分かる。
ここで、図9において、比較例1と比較例2とのオイル消費量の差よりも、比較例3と実施例とのオイル消費量の差の方が大きいことが分かる。また、図10において、比較例1と比較例2との到達時間の差よりも、比較例3と実施例との到達時間の差の方が大きいことが分かる。また、トップランドに存在するオイル量においても、比較例1と比較例2との差よりも、比較例3と実施例との差の方が大きいことが分かる。これにより、オイルリングが対称バレル形状の場合よりも、オイルリングを偏心バレル形状とした場合の方が、セカンドリングをバランスカット形状としたことによるオイルシール効果を大きく得られることが分かる。
ここで、図15〜図18は、実施例及び比較例1〜3のオイルの挙動を模式的に説明するための図である。図15は、実施例におけるオイルの挙動を示し、図16は、比較例1におけるオイルの挙動を示し、図17は、比較例2におけるオイルの挙動を示し、図18は、比較例3におけるオイルの挙動を示す。図中の矢印はオイルの流れを示しており、矢印の数量がオイルの量を表している。但し、図15〜図18は、本発明を限定するものではない。まず、図16に示すように、比較例1では、ピストンスカートからオイルリングまで上昇してきたオイルの一部がオイルリングによって掻き落されるものの、比較的多量のオイルがサードランドまで上昇する。そして、セカンドリングで掻き落されずにセカンドランドまで上昇したオイルのうち、トップリングでも掻き落し切れずにトップランドに至ったオイルが燃焼室側へ流出し、オイル上がりとなる。次に、図17に示すように、比較例2では、比較例1と同様にオイルリングを対称バレル形状としているため、比較例1と概ね同量のオイルがサードランドまで上昇する。そのため、比較例2では、比較例1とは異なりセカンドリングをバランスカット形状としているものの、セカンドリング溝内に充満したオイルにより、そのシール性能が十分に発揮されず、結果として、トップランドに至るオイル量が比較例1よりも若干少ない程度となる。次に、図18に示すように、比較例3では、比較例1と異なりオイルリングを偏心バレル形状としているため、サードラ
ンドまで上昇するオイル量は比較例1に対して減少する。但し、比較例3では、セカンドリングをバランスカット形状としていないため、バランスカット形状によるオイルシールの効果は得られない。結果として、比較例3では、トップランドまで至るオイル量が比較例2よりも少なくなる。そして、実施例では、比較例2と同様にセカンドリングをバランスカット形状としながらも、オイルリングを偏心バレル形状としている。そのため、図15に示すように、サードランドまで上昇するオイル量が比較例2よりも少なくなり、セカンドリング溝内のオイル量が比較例2よりも少なくなる。これにより、セカンドリングをバランスカットとしたことによるシール性能が十分に発揮される。その結果、実施例では、トップランドまで至るオイル量が比較例3よりも少なくなる。
以上の実験により、ピストンリングの組み合わせにおいて、セカンドリングをバランスカット形状とし、オイルリングを偏心バレル形状とすることによって、オイル消費量の低減において顕著な効果が得られることを確認できた。
[変形例1]
図19は、実施形態1の変形例1に係るセグメント4Aの周長方向に直交する断面を示す断面図である。図19に示すように、セグメント4Aは、第3外周端面S41Aがテーパバレル形状を有する点で、セグメント4と相違する。より具体的には、セグメント4Aの第3外周端面S41Aは、第3頂部P4を含む第3突出面431と、第3突出面431と第3外周端面S41Aの上縁E41との間に形成され、オイルリング3の周長方向に直交する断面において燃焼室30側に向けて徐々に縮径したテーパ面432Aと、を含んで構成されている。即ち、第3外周端面S41Aは、第3頂部P4と上縁E41との間に、テーパ面432Aを有している。セグメント4Aにおいても、第3外周端面S41Aは、周長方向に直交する断面において、半径が一様な円弧形状ではなく、半径の異なる複数の円弧が連なることで径方向外側に凸となった曲線形状を有してもよい。また、第3外周端面S41Aは、平坦な領域を含んでいてもよい。例えば、第3外周端面S41Aは、第3頂部P4において、軸方向と平行な平坦部を形成してもよい。
[変形例2]
図20は、実施形態1の変形例2に係るオイルリング3Bを示す図であって、図20(a)は、実施形態1の変形例2に係るオイルリング3Bの周長方向に直交する断面図、図20(b)は、図20(a)に示す第3外周面43Bの拡大図である。本発明に係るオイルリングは、図20に示すオイルリング3Bのように、所謂2ピースのオイルリングであってもよい。オイルリング3Bは、オイルリング3Bの軸回りに環状に形成されたオイルリング本体6と、オイルリング本体6を径方向外側へ付勢するコイル・エキスパンダ8と、を有する。また、オイルリング本体6には、径方向外側に突出する一対のレール7,7がオイルリング3Bの軸方向に並んで形成されている。一対のレール7,7のうち、上側のレール7をレール7Uと称し,下側のレール7をレール7Lと称する。一対のレール7U,7Lは、オイルリング3における一対のセグメント4U,4Lに相当する部位であり、本発明における「一対の摺動部」の一例である。
図20(a)に示す符号CL7は、レール7の軸方向と直交すると共にレール7の第3外周端面S41Bにおける軸方向中央位置を通る直線を示す。また、符号EL7は、レール7の軸方向に直交すると共に中央線CL7よりも偏心量δ4分下側(クランク室40寄り)に位置する直線を示す。図20(b)に示すように、一対のレール7U,7Lの第3外周端面S41Bは、レール7U,7Lの周長方向に直交する断面において、レール7U,7Lにおいて最大径となる第3頂部P4を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲している。更に、一対のレール7U,7Lの第3外周端面S41Bは、一対のセグメント4U,4Lの第3外周端面S41と同様の偏心バレル形状を有している。即ち、レール7,7の第3外周端面S41Bは、夫々、下縁E42が上縁E41よりも径方向外側に位置し
、且つ、第3頂部P4が第3外周端面S41においてレール7の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている。なお、オイルリング3Bは、一対のレール7U,7Lのうち、一方の第3外周端面S41Bのみが上述の偏心バレル形状であってもよい。例えば、レール7Uの第3外周端面S41Bを上述の偏心バレル形状とし、レール7Lの第3外周端面S41Bを対称バレル形状としてもよく、その逆としてもよい。
<実施形態2>
図21は、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせが設けられた内燃機関200を示す図である。図22は、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせに用いられるセカンドリング2Bの周長方向に直交する断面図である。実施形態2に係るピストンリングの組み合わせは、バランスカット形状を有するスクレーパリングであるセカンドリング2に代えて、レクタンギュラ形状を有するセカンドリング2Bを用いる点で実施形態1に係るピストンリングの組み合わせと相違し、その他の点では同じである。
図22に示すように、セカンドリング2Bは、上側に設けられた第2上面21と、下側に設けられた第2下面22と、第2上面21の外周縁E201と第2下面22の外周縁E202とを接続する第2外周面23と、第2上面21の内周縁E203と第2下面22の内周縁E204とを接続する第2内周面24と、を有する。セカンドリング2Bは、所謂レクタンギュラリングであり、周長方向に直交する断面において矩形状に形成されている。なお、「矩形状」とは、「略矩形状」を含むものであり、第2上面21、第2下面22、第2外周面23、第2内周面24は、R加工等によって形成された断面円弧状の曲面を介して滑らかに接続されてもよい。また、セカンドリング2Bは、レクタンギュラ形状であればよく、セカンドリング2Bの第2外周面23の形状は、ストレート形状、テーパ形状等、種々の形状とすることができる。
セカンドリング2Bを矩形断面とすることで、セカンドリング2Bにおける全体的な応力のバランスが対称又は対称に近いものとなり、使用状態においてセカンドリング2Bに生じるねじれを減少させることができる。これにより、第2上面21とセカンドリング溝102の上壁W1との密着性を高め、良好なオイルシール性能が得られる。
実施形態2に係るピストンリングの組み合わせにおいても、オイルリング3を偏心バレル形状とすることで、サードランドL3へのオイル上がりを抑制することができる。これにより、矩形断面としたセカンドリング2Bのシール性能を十分に発揮することできる。その結果、実施形態2に係るピストンリングの組み合わせによれば、従来よりもオイル消費量を低減することができる。
なお、セカンドリング2Bのねじれ角の大きさは、セカンドリング2Bをピストン10に装着し、シリンダ20に装着した状態で、−20′〜20′とすることが好ましい。これにより、より良好なシール性能を得ることができる。更に、この場合において、ねじれ角の大きさを−15′〜15′とすることが、より好ましい。但し、ねじれ角の大きさはこれに限定しない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した種々の形態は、可能な限り組み合わせることができる。
100,200 :内燃機関
10 :ピストン
20 :シリンダ
30 :燃焼室
40 :クランク室
1 :トップリング
P1 :第1頂部
S11 :第1外周端面
2,2A,2B :セカンドリング
21 :第2上面
22 :第2下面
23 :第2外周面
24 :第2内周面
P2 :第2頂部
S211 :第2外周端面
S212 :アンダーカット面
S213 :アウターカット面
S221 :第2内周端面
S222 :インナーカット面
VP1 :第2仮想上面
VP2 :第2仮想下面
VP3 :第2仮想外周面
VP4 :第2仮想内周面
VC1 :仮想下角部
VC2 :仮想上角部
3,3B :オイルリング
4 :セグメント(摺動部の一例)
41 :第3上面
42 :第3下面
P4 :第3頂部
S41 :第3外周端面
5 :エキスパンダ・スペーサ(エキスパンダの一例)
6 :オイルリング本体
7 :レール(摺動部の一例)
8 :コイル・エキスパンダ(エキスパンダの一例)

Claims (7)

  1. 内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
    前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
    前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、該セカンドリングの外周端部に設けられた第2外周端面と、該セカンドリングの内周端部に設けられた第2内周端面と、前記第2外周端面と前記第2下面との間に段差状の切欠が形成されるように該第2外周端面と該第2下面とを接続するアンダーカット面と、を有し、
    前記セカンドリングには、
    前記第2内周端面を含むように延びる第2仮想内周面と前記第2下面を含むように延びる第2仮想下面とが交わることで形成される仮想下角部における、該第2仮想内周面と該第2仮想下面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2内周端面と前記第2下面とを接続するインナーカット面と、
    前記第2外周端面を含むように延びる第2仮想外周面と前記第2上面を含むように延びる第2仮想上面とが交わることで形成される仮想上角部における、該第2仮想外周面と該第2仮想上面との交差部分を含む所定部位が該セカンドリングに含まれないように、前記第2外周端面と前記第2上面とを接続するアウターカット面とのうち、少なくとも一方が形成され、
    前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
    前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
    前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、
    ピストンリングの組み合わせ。
  2. 内燃機関のピストンに装着されるトップリングとセカンドリングとオイルリングとを含むピストンリングの組合せであって、
    前記トップリングは、該トップリングの外周端部に設けられると共に該トップリングにおいて最大径となる第1頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第1外周端面を有し、
    前記セカンドリングは、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合に燃焼室側に位置する第2上面と、該セカンドリングが前記ピストンに装着された場合にクランク室側に位置する第2下面と、前記第2上面の外周縁と前記第2下面の外周縁とを接続する第2外周面と、前記第2上面の内周縁と前記第2下面の内周縁とを接続する第2内周面と、を有し、周長方向に直交する断面において矩形状に形成され、
    前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対の摺動部を有し、
    前記一対の摺動部の夫々は、該摺動部の外周端部に設けられると共に該摺動部において最大径となる第3頂部を含んで径方向外側に凸状となるように湾曲した第3外周端面を有し、
    前記一対の摺動部の少なくとも一方における前記第3外周端面は、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記クランク室側である下側の縁が、前記オイルリングが前記ピストンに装着された場合における前記燃焼室側である上側の縁よりも径方向外側に位置し、且つ、前記第3頂部が第3外周端面において前記摺動部の軸方向の中央位置よりも下側に位置するように形成されている、
    ピストンリングの組み合わせ。
  3. 前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成され、互いに独立して該オイルリングの軸方向に並んで設けられた一対のセグメントと、前記一対のセグメントを径方向外側に付勢するエキスパンダと、を有し、
    前記一対の摺動部は、前記一対のセグメントとして形成されている、
    請求項1又は2に記載のピストンリングの組み合わせ。
  4. 前記オイルリングは、該オイルリングの軸回りに環状に形成されたオイルリング本体と、前記オイルリング本体を径方向外側へ付勢するエキスパンダと、を有し、
    前記オイルリング本体には、径方向外側に突出する一対のレールが前記オイルリングの軸方向に並んで形成され、
    前記一対の摺動部は、前記一対のレールとして形成されている、
    請求項1又は2に記載のピストンリングの組み合わせ。
  5. 前記セカンドリングのねじれ角度は、前記セカンドリングをピストンに装着し、且つ、前記ピストンをシリンダに装着した状態で、−20′〜20′の範囲内である、
    請求項1から4の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
  6. 前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面の上側の縁との間に、径方向外側に凸状に湾曲すると共に上側に向けて徐々に縮径した湾曲面を有する、
    請求項1から5の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
  7. 前記第3外周端面は、前記第3頂部と該第3外周端面における上側の縁との間に、上側に向けて徐々に縮径したテーパ面を有する、
    請求項1から5の何れか一項に記載のピストンリングの組み合わせ。
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