JP2020536121A - 駆出率が保持された心不全を治療する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、駆出率が保持された心不全(HFPEF)を治療又は予防する方法であって、HFPEFを有するか、又は発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミンを投与することを含む方法を提供する。

Description

本発明は、医学の分野、特に心臓学に関する。本発明は、駆出率が保持された心不全の新規の治療法を提供する。
心不全(HF)は、全世界での心臓血管系の罹患率及び死亡率の主因である。心不全は、西欧人集団の約2%及び75歳を超える成人の10%が罹患している(Lam et al.,2011,Eur.J.Heart Failure 13:18−28)。心不全は、65歳を超える成人の入院の最も一般的な原因である(Lam et al)。
HFは、影響を受ける心臓の側、疾患の重症度、影響を受ける心臓機能、又は障害される心臓周期の位相などの異なる基準により分類することができる。心臓周期は、2つの主要な位相、収縮期及び拡張期を含む。収縮期は、心臓が血液を身体、脳、及び肺に駆出するために収縮している心臓周期の位相であるのに対して、拡張期は、心臓が弛緩しており、下大静脈(IVC)及び上大静脈(SVC)を通って身体から送り返されている流入血液で満たされている心臓周期の位相である。より詳細に明らかにされたタイプの心不全は、収縮期の障害と関連付けられる。かかる心不全において、心室は、適切に収縮することができず、これは駆出率の減少をもたらす。このタイプの心不全は、駆出率が低下した心不全(HFREF)と称される。別のタイプの心不全は、拡張期の障害と関連付けられてきた。かかる心不全において、駆出率は、保持されている(駆出率が保持された心不全又はHFPEF)。HFPEFは、心臓左室の拡張期性能の低下と関連付けられる。実際、心筋が硬くなり、弛緩するその能力を喪失する場合、左室が収縮後に容易に血液で充満することができず、心拍出量が減少するか又は心室充満圧の上昇の結果として正常に保たれる。HFPEFは、多くの場合、心筋細胞の肥大並びに心筋内での間質コラーゲン沈着及びカルシウム沈着の増加によって組織学的に特徴付けられ、これらが合わさって伸展性及びLVコンプライアンスの減少をもたらすと想定される。
心不全患者の約半分は、HFPEFに罹患している。実際、心不全を有する患者の約54%(Lam et al、Redfield et al,2003,Jama 289:194−202、Kitzman et al,2001,Am.J.Cardiol.87:413−419、Devereux et al.,2000,Am.J.Cardiol.86:1090−1096、Ceia et al.,2002,Eur.J.Herat Failure 4:531−539)及び急性心不全で入院した患者の46〜51%は、HFPEFを有する(Lam et al、Fonarow et al.,2007,J.Am.College Cardiol.50:768−777、Yancy et al.,2006,J.Am.College Cardiol.47:76−84)。
毎年、心不全の新たな患者の数は、増加している。実際、米国における新規の心不全症例の数は、2000年の48,000件から2007年の670,000件に増加し(Lam et al、Lloyd−Jones et al.,2010,Circulation 121:586−613)、以前の予想を大きく上回っており、今後数十年間での更なる劇的な増加が予想されるべきであることを示唆している。心不全の患者数の半分がHFPEFから構成されると仮定すると、HFPEFによる負担の同等の増加が予測され得る。心不全症例の負担全体の割合としてのHFPEFの相対的な有病率は、人口の高齢化に伴い増加しており(Lam et al、Owan et al.,2005,Prog.Cardiofasc.Dis.47:320−332)、且つHFREFを有する患者の生存は改善しているが、HFPEFを有する患者の生存は改善していないため、これらでさえ内輪の見積もりであり得る。従って、すでに流行病ではあるが、HFPEFの有病率の更なる劇的な増加が予想される(Lam et al)。
今日では、HFREFにおけるかなりの臨床的有用性を提供する多数の治療法が利用可能である。しかしながら、これらの治療法は、HFPEFを治療又は予防するのに有効ではない(From et al.,Cardiovascular Therapeutics,2011,29:e6−21)。現在、HFPEFを有する患者の長期転帰を改善する有効な食事介入又は薬理学介入は、存在しない(Oghlakian et al.,2011,Mayo Clin Proc.86:531−539、Komajda M.et al,2014,Eur.Heart J,35:1022−1032)。患者が慢性的な症状を許容できる場合には、治療は、高血圧などの増悪因子を軽減することのみを目的とする。従って、HFPEFを治療する新規の方法の強い必要性が存在する。本発明は、これら及び他の必要性を満たそうとするものである。
驚くべきことに、本発明者らは、トリアジン誘導体であるイメグリミンがHFPEFの治療に非常に有効であることを発見した。実際、本発明者らは、心臓拡張機能障害、特にHFPEFの評価に使用される代謝症候群のモデルであるZucker fa/faラットモデルにおいて、イメグリミンを投与された場合に、ラットがそれらの拡張期パラメータの大きな改善を示すことを観察した。本発明者らは、9及び90日間の治療後のZucker fa/faラットにおける左室拡張末期圧−容積関係の有意な減少に特に注目した。左室拡張末期圧−容積関係は、拡張機能障害及び左室スティフネス、特にHFPEFの指標である。左室拡張末期圧−容積関係は、Zucker fa/faラットの9及び90日間のイメグリミンによる治療後に、それぞれ約26%及び58%にまでも減少した。
従って第1の態様では、本発明は、HFPEFを治療する方法であって、HFPEFを有するか、又は発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミンを投与することを含む方法に関する。
また本発明は、第2の態様では、HFPEFを治療する方法であって、HFPEFを有するか、又は発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミン及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む方法にも関する。
好ましくは、治療される患者は、ヒト、より好ましくは成人、好ましくは少なくとも50歳の、より好ましくは少なくとも60歳の、更により好ましくは少なくとも75歳の成人である。
好ましくは、患者の駆出率は、45%以上、より好ましくは50%以上、更により好ましくは55%以上である。
好ましくは、イメグリミンは、約10mg/体重kg/日と約100mg/体重kg/日との間、好ましくは約15mg/体重kg/日と約60mg/体重kg/日との間、好ましくは約20mg/体重kg/日と約50mg/体重kg/日との間、より好ましくは約30mg/体重kg/日と約45mg/体重kg/日との間に含まれる濃度で患者に投与される。
好ましくは、患者は、代謝症候群、好ましくは肥満及び糖尿病、特に2型糖尿病、単一遺伝子性糖尿病、及び新生児一過性高血糖症からなる群から選択される代謝症候群に罹患している。
図1A及び1Bは、イメグリミン治療によるZucker fa/faラットにおける左室拡張機能障害の改善を示す。 図1Aは、9日間(左)又は90日間(右)の、非肥満ラットのビヒクルによる治療(白色のボックス)、Zucker fa/faラットのビヒクルによる治療(黒色のボックス)、又はZucker fa/faラットのイメグリミンによる治療(斜交平行線模様のボックス)後のLV拡張末期圧を示す。 図1Bは、9日間(左)又は90日間(右)の、非肥満ラットのビヒクルによる治療(白色のボックス)、Zucker fa/faラットのビヒクルによる治療(黒色のボックス)、又はZucker fa/faラットのイメグリミンによる治療(斜交平行線模様のボックス)後のLV弛緩定数τを示す。 9日間(左)又は90日間(右)の、非肥満ラットのビヒクルによる治療(白色のボックス)、Zucker fa/faラットのビヒクルによる治療(黒色のボックス)、又はZucker fa/faラットのイメグリミンによる治療(斜交平行線模様のボックス)後のLV拡張末期圧容積関係を示す。 *:p<0.05(非肥満に対して);†:p<0.05(Zuckerのビヒクルによる治療に対して) 図2A及び2Bは、イメグリミン治療によるZucker fa/faラットにおける心拍出量及び心筋灌流の改善を示す。 図2Aは、9日間(左)又は90日間(右)の、非肥満ラットのビヒクルによる治療(白色のボックス)、Zucker fa/faラットのビヒクルによる治療(黒色のボックス)、又はZucker fa/faラットのイメグリミンによる治療(斜交平行線模様のボックス)後の心拍出量を示す。 図2Bは、9日間(左)又は90日間(右)の、非肥満ラットのビヒクルによる治療(白色のボックス)、Zucker fa/faラットのビヒクルによる治療(黒色のボックス)、又はZucker fa/faラットのイメグリミンによる治療(斜交平行線模様のボックス)後の心筋灌流を示す。 *:p<0.05(非肥満に対して);†:p<0.05(Zuckerのビヒクルによる治療に対して) 図3は、イメグリミン治療によるZucker fa/faラットの中隔の冠状動脈のアセチルコリンによって誘発される弛緩の障害の予防を示す。 図3は、9日間(左)又は90日間(右)の、Zucker fa/faラットのビヒクルによる治療(黒丸)又はZucker fa/faラットのイメグリミンによる治療(黒色の三角形)後のアセチルコリンによって誘発される中隔の冠状動脈の弛緩を示す。24週齢の無治療の非肥満ラット(白丸)を、健常な対照として使用した。 *:p<0.05(非肥満に対して);†:p<0.05(Zuckerのビヒクルによる治療に対して)
本発明者らは、驚くべきことに、イメグリミンがHFPEFの治療に非常に有効であることを発見した。実際、HFPEFの評価に使用される代謝症候群のモデルであるZucker fa/faラットモデルにおいて、かかるラットは、イメグリミンを投与された場合に、それらの拡張期パラメータの大きな改善を示す。本発明者らは、イメグリミンによる治療後のZucker fa/faラットにおける左室拡張末期圧−容積関係のかなりの減少に特に注目した。左室拡張末期圧−容積関係は、HFPEFの重要な因子であるLVコンプライアンスの指標である。
定義
本明細書で使用する場合、用語「心不全(HF)」、「うっ血性心不全」、「慢性心不全」、及び「急性心不全」は、互換的に使用され、心臓が適切な速度で血液を汲み出すことができないか、又は増加した左室充満圧の存在下でのみ適切な速度で血液を汲み出すことができる任意の状態を指す。本明細書で使用する場合、用語「適切な速度」は、身体の需要に合う十分な血液を供給するのを可能にする速度を指す。心臓が正常な左室充満圧で身体の他の部位に血液を適切に汲み出すことができない場合、血液が肺に逆流し、肺が体液で充満した状態になり得る。心不全の代表的な症状としては、息切れ(呼吸困難)、疲労、衰弱、横になったときの呼吸困難、及び脚部、足首、又は腹部の腫脹(浮腫)が挙げられる。心不全の原因は、冠状動脈疾患、体高血圧、心筋症又は心筋炎、先天性心疾患、心臓弁の異常又は心臓弁膜症、重度の肺疾患、糖尿病、重度の貧血甲状腺機能亢進症、不整脈又はリズム障害、及び心筋梗塞を含む様々な障害と関連する。
心不全は、正常な又は減少した左室駆出率の存在下で起こり得る。本明細書で使用する場合、用語「駆出率が保持された心不全」、「正常な駆出率を伴う心不全」、又は「拡張期心不全(DHF)」)は、同意義であり、心不全に罹患しており、対照(例えば、健常な個体)の左室駆出率と比較して、又は健常な集団の平均値と比較して左室駆出率の有意な減少を示さない患者を指す。ある種の実施形態では、駆出率が、40%以上、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、なおより好ましくは55%以上、なおいっそうより好ましくは60%以上である場合に、その駆出率は正常であると分類され、HFに罹患している患者はHFPEFを有すると分類される。HFPEFは、通常、肥満、糖尿病及び高血圧などのリスク因子を有する高齢患者で起こり、女性により多く見られる。
本明細書で使用する場合、用語「駆出率」は、左室の一回拍出量のその拡張末期容積に対する割合を指す。換言すれば、用語「駆出率」は、充満した心室から各心拍動により汲み出される血液の百分率を指す。駆出率を、例えば心エコー図により測定する方法は、当業者に周知である。
本明細書で使用する場合、用語「対象」、「個体」又は「患者」は、互換性があり、動物、好ましくは哺乳動物、更により好ましくはヒトを指す。しかしながら、用語「対象」は、非ヒト動物、特に哺乳動物、例えば、とりわけイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、及び非ヒト霊長類をも指し得る。
本明細書で使用する場合、用語「治療」、「治療する」、又は「治療すること」は、疾患又は障害の治療、遅延、悪化を遅らせることなどの患者の健康状態を改善することを目的とする任意の行為を指す。ある種の実施形態では、かかる用語は、疾患若しくは障害又は前記疾患若しくは障害に関連する症状の寛解又は根絶を指す。他の実施形態では、この用語は、疾患又は障害を有する対象への1種以上の治療薬の投与に起因するかかる疾患又は障害の悪化を最小限にすることを指す。好ましい実施形態において、疾患又は障害は、HFPEFである。
本明細書で使用する場合、用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、疾患若しくは状態の発症及び/又はその付随する症状を予防する方法又は対象が疾患にかかるのを防ぐ方法を指す。本明細書で使用する場合、「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、疾患の発症及び/又はその付随する症状を遅延させること、並びに対象が疾患にかかるリスクを低減することも含む。用語「予防する」、「予防すること」、及び「予防」は、「予防治療」を含み得、これは、疾患若しくは状態を再発していないか、又は当該疾患若しくは状態の再発を有さないがそのリスクがある対象、又は疾患若しくは状態を再発しやすいか、又は当該疾患若しくは状態の再発を起こしやすい対象における、疾患若しくは状態を再発する確率又は以前に制御された疾患若しくは状態を再発する確率を低減することを指す。
本明細書で使用する場合、用語「疾患」は、対象の健康の状態であって、当該対象が恒常性を維持することができず、疾患が改善されない場合、当該対象の健康が悪化し続ける状態を指す。
本明細書で使用する場合、用語「障害」は、対象の健康の状態であって、当該対象が、恒常性を維持することができるが、当該対象の健康の状態が、障害が存在しない場合よりも良好でない状態を指す。障害は、治療されないまま放置されると、必ずしも対象の健康状態の更なる悪化を引き起こすわけではない。
本明細書で使用する場合、用語「有効成分」、「活性成分」「活性医薬成分」、及び「治療薬」は、同意義であり、治療効果を有する成分を指す。
本明細書で使用する場合、用語「治療効果」は、活性成分又は本発明による医薬組成物によって誘発され、HFPEFの発症又は発病を予防若しくは遅延することができるか、又はHFPEFを治療するか、若しくはHFPEFの効果を減弱することができる効果を指す。
本明細書で使用する場合、用語「賦形剤又は薬学的に許容される担体」は、活性成分を除く、医薬組成物中に存在する任意の成分を指す。その添加は、最終製品に特定の稠度又は他の物理的特性若しくは味覚特性を付与することを目的とし得る。
用語「含量」、「量」、及び「レベル」は、本明細書において互換的に使用され、分子又は成分の絶対定量化を指す。本明細書で使用する場合、用語「有効量」は、HFPEFに関連した疾患又は障害の有害効果を予防、除去又は低減するのに十分であるか、又は効果的である活性成分の量を指す。投与される量は、治療される対象、HFPEFの症状などに従って当業者により適合され得る。特に、用量及び投与計画は、治療されるHFPEFの性質、段階、及び重症度、並びに治療される対象の体重、年齢、及び全般的健康状態、並びに医師の判断に応じて異なり得る。
本明細書で使用する場合、用語「診断」は、対象がHFPEFに罹患している可能性があるかどうかに関する判定を指す。
用語「約」は、明記した値の±10%の値の範囲を指す。例えば、「約50」は、50±10%の値、すなわち45〜55の範囲の値を含む。好ましくは、用語「約」は、明記した値の±5%の値の範囲を指す。
第1の態様では、本発明は、HFPEFを治療する方法であって、HFPEFを有する患者に治療上有効量のイメグリミンを投与することを含む方法に関する。
また本発明は、第2の態様では、HFPEFを治療する方法であって、HFPEFを有する患者に治療上有効量のイメグリミンを含む医薬組成物を投与することを含む方法にも関する。幾つかの実施形態では、本発明は、HFPEFを治療する方法であって、HFPEFを有する患者に治療上有効量のイメグリミンを唯一の活性成分として含む医薬組成物を投与することを含む方法に関する。好ましくは、医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を更に含む。
HFPEF患者
本発明による方法は、HFPEFに罹患した患者を治療することを目的とする。
患者は、動物、好ましくは哺乳動物、更により好ましくはヒトである。しかしながら、患者は、治療を必要とする非ヒト動物、特に哺乳動物、例えば、とりわけイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ロバ、ウサギ、フェレット、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、ラット、マウス、モルモット、及び非ヒト霊長類でもあり得る。
本発明によるヒト患者は、小児、乳児、青年、又は成人、好ましくは成人であり得る。
本発明によるヒト患者は、好ましくは少なくとも40歳の成人、より好ましくは少なくとも50歳の成人、なおより好ましくは少なくとも60歳の成人、なおいっそうより好ましくは少なくとも65歳の成人、更により好ましくは少なくとも70歳の成人である。最も好ましい実施形態では、本発明によるヒト患者は、少なくとも75歳の成人である。幾つかの実施形態では、成人は約40歳以上であるか、成人は約50歳以上であるか、成人は約60歳以上であるか、成人は約65歳以上であるか、成人は約70歳以上であるか、又は成人は約75歳以上である。
好ましくは、患者は、女性である。
好ましくは、患者は、HFPEFと診断されている。
第1の実施形態では、患者は、その患者が心不全に罹患しており、保持された駆出率を示す場合、特にその患者が対照(例えば、健常な個体)の左室駆出率と比較して、又は健常な集団の平均値と比較して有意な減少を示さない場合にHFPEFに罹患しているとみなされる。好ましくは、HFPEFに罹患している患者の駆出率は、約40%以上、好ましくは約45%以上、より好ましくは約50%以上である。或いは、HFPEFに罹患している患者の駆出率は、約55%以上、好ましくは約60%以上である。
別の実施形態では、患者は、その患者が正常な駆出率と共に高いB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)レベルを示す場合に、HFPEFに罹患しているとみなされ得る。好ましくは、患者は、その患者が約35pg/mlより高い、好ましくは約50pg/mlより高い、より好ましくは約75pg/mlより高い、なおより好ましくは約100pg/mlより高い、更により好ましくは約200pg/mlより高いBNP血中濃度を示す場合に、高いBNPレベルを有する。
心エコー検査技術は、拡張機能障害を診断するために使用され得、HFPEF診断を確認するために複数の心エコーパラメータの測定を要求し得る。従って、組み合わせた手法が必要とされる。僧帽弁血流速度波形、肺静脈血流波形、E:Aの逆転、組織ドップラー測定(すなわち、E/E’比)及びMモードエコー測定(すなわち、左房サイズの)を含む複数の心エコーパラメータが、高感度且つ特異的であるとして提唱されている。更に、複数の心エコーパラメータを組み合わせるアルゴリズムが開発されている。当業者は、最適なパラメータ及び/又はアルゴリズムを選ぶことができる。
拡張機能障害には4つの基本的な心エコーパターンがあり、それらはI〜IVに等級分けされる:
− 最も軽度の形態は「弛緩異常パターン」又はグレードIの拡張機能障害と称される。僧帽弁血流のドップラー心エコー図では、正常なE/A比の逆転がある。このパターンは、通常、一部の患者において加齢と共に生じ得、多くのグレードIの患者は心不全のなんらの臨床的徴候又は症状を有さない。
− グレードIIの拡張機能障害は、「偽正常型充満動態」と称される。これは中等度の拡張機能障害と考えられ、左房充満圧の上昇と関連付けられる。これらの患者は、より一般的には心不全の症状を有し、多くは左心臓の高い圧力のために左房拡大を有する。
− グレードIII及びIVの拡張機能障害は「拘束型充満動態」と称される。これらはいずれも重度の拡張機能障害の形態であり、患者は進行した心不全の症状を有する傾向がある。
● グレードIIIの拡張機能障害患者は、患者がバルサルバ操作を行うときに、心エコー図において患者の拡張期異常の逆転を示す。これは、「可逆的拘束型拡張機能障害」と称される。
● グレードIVの拡張機能障害患者は、患者の心エコー図の異常の可逆性を示さないので、「固定拘束型拡張機能障害」に罹患していると言われる。
グレードIII又はIVの拡張機能障害のいずれかの存在は、著しく不良な予後と関連付けられる。これらの患者は、左房拡大を有することとなる。
従って、特定の実施形態では、患者は、患者が心不全及び、好ましくは少なくともグレードIの、より好ましくは少なくともグレードIIの、更により好ましくは少なくともグレードIIIの拡張機能障害を呈する場合に、HFPEFに罹患しているとみなされ得る。最も好ましい実施形態では、患者は、患者が心不全及びグレードIVの拡張機能障害を呈する場合に、HFPEFに罹患しているとみなされる。
特定の実施形態では、患者は、以下の場合にHFPEFに罹患しているとみなされる:
a)患者が、1つ又は幾つかの心不全の典型的症状、好ましくは少なくとも2つの心不全の典型的症状、より好ましくは少なくとも3つの心不全の典型的症状、なおより好ましくは少なくとも4つの心不全の典型的症状、なおいっそうより好ましくは少なくとも6つの心不全の典型的症状、更により好ましくは少なくとも8つの心不全の典型的症状を呈し、前記症状が、好ましくは息切れ又は呼吸困難、特に単独の労作の呼吸困難、疲労、意識朦朧、横になったときの呼吸困難、慢性の咳又は喘鳴、脚部、足首、又は腹部の腫脹(浮腫)、悪心、食欲減退、錯乱又は思考障害、及び高心拍数からなる群から選択され、好ましくは、患者が、これらの症状全てを呈する;且つ
b)約40%以上、好ましくは約45%以上、より好ましくは約50%以上、なおより好ましくは約55%以上、なおいっそうより好ましくは約60%以上の駆出率;且つ
c)任意に、特に駆出率が約40%と50%との間に含まれる場合の、正常な拡張末期容積、好ましくは97ml/mより低い、より好ましくは50ml/mと97ml/mとの間に含まれる拡張末期容積;且つ
d)任意に、特に駆出率が約40%と50%との間に含まれる場合の、好ましくは以下の異常な心エコーパラメータによって証明される拡張機能異常:
− 8超のE/E’、好ましくは12超のE/E’、更により好ましくは13超のE/E’;及び
− 任意に、特にE/E’が8超12未満の場合の、以下のパラメータのうちの1つ、好ましくは以下のパラメータのうちの2つ、より好ましくは以下のパラメータうちの全て:
● 肺静脈血流に関して、20ms超のAp−Am、好ましくは30ms超のAp−Am;及び
● 好ましくは40ml/mより高い左房の拡張;及び
● 好ましくは男性について149g/mより高く、女性について122g/mより高い左室心筋重量係数を伴う左室肥大;及び
● 0.5未満のE/A且つ280ms超のTDM;及び
● 心房細動;又は
− 任意に、特にE/E’が8超12未満の場合の、35pg/mlより高い、好ましくは50pg/mlより高い、より好ましくは75pg/mlより高い、なおより好ましくは100pg/mlより高い、更により好ましくは200pg/mlより高いBNP血中濃度。
好ましくは、患者は、更に代謝症候群、例えば、肥満又は糖尿病、特に2型糖尿病、単一遺伝子性糖尿病、及び新生児一過性高血糖症に罹患している。幾つかの実施形態では、患者は、更に2型糖尿病に罹患している。
好ましくは、患者は、更に高血圧、高い空腹時血漿グルコース、高い血清トリグリセリド、低い高密度リポタンパク質(HDL)レベル、又はこれらの組み合わせに苦しんでいる。患者は、更に冠状動脈疾患、体高血圧、心筋症又は心筋炎、先天性心疾患、心臓弁の異常又は心臓弁膜症、重度の肺疾患、重度の貧血甲状腺機能亢進症、不整脈又はリズム障害、及び心筋梗塞に罹患している。
好ましくは、患者は、更に内皮機能不全に罹患している。
好ましくは、患者は、心不全の治療をすでに受けている。
特定の実施形態では、患者は、HFPEFを有さないが、HFPEFを発症するリスクがある。HFPEFを発症するリスクがある患者は、必ずしも心不全に罹患しているわけではない。しかしながら、その患者は、やはり心不全の症状のうちの1つ又は幾つかを呈し得る。
HFPEFを発症するリスクがある患者は、例えば、上記に定義したグレードI又はII、好ましくはグレードIの拡張機能障害を呈し、心不全に罹患していない患者であり得る。
またHFPEFを発症するリスクがある患者は、例えば、息切れ、脚部の腫脹、及び運動耐容能低下を含むがこれに限定されない、上記のような心不全の幾つかの症状、好ましくは2つ以下の心不全の症状並びに/又は以下を含むが、それらに限定されない1つ以上の他のリスク因子を呈する患者でもあり得る:
− HFPEFの遺伝的素因;
− HFPEFを有する家族;
− 心筋梗塞;
− 心筋症;
− 心室拡張機能障害;
− 心室収縮機能障害;
− 収縮期心室硬化;
− 血管硬化及び血管機能障害;
− 内皮機能不全;
− 左房機能障害;
− 肺高血圧;
− 自律神経機能障害(例えば、変時性不全;交感神経の過剰活性化);
− 骨格筋機能障害(例えば、血管拡張障害;交感神経の過剰活性化及びエルゴ受容体反射亢進);若しくは
− 貧血。
従って特定の態様では、本発明は、HFPEFを予防する方法であって、HFPEFを発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミンを投与することを含む方法にも関する。
別の特定の態様では、本発明は、HFPEFを予防する方法であって、HFPEFを発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミンを含む治療上有効量の医薬組成物を投与することを含む方法にも関する。別の態様では、本発明は、HFPEFを予防する方法であって、HFPEFを発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミンを唯一の活性成分として含む治療上有効量の医薬組成物を投与することを含む方法に関する。好ましくは、医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を更に含む。
イメグリミン、医薬組成物、用量、投与計画、及び投与
本発明による方法は、患者に治療上有効量のイメグリミン又は治療上有効量のイメグリミンを含む医薬組成物を投与することを含む。
イメグリミンは、gliminsという化合物クラスに属するトリアジン誘導体(テトラヒドロトリアジン)であり、(+)−2−アミノ−3,6−ジヒドロ−4−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン又は(6R)−(+)−4−ジメチルアミノ−2−イミノ−6−メチル−1,2,5,6−テトラヒドロ−1,3,5−トリアジンに該当し、例えば、国際公開第2009/095159号パンフレット、同第2012/072663号パンフレット、同第2010/012746号パンフレット、同第2009/141040号パンフレット、又はこれらの組み合わせにおいて記載されるように合成され得る。またイメグリミンは、米国特許第7034021号明細書、同第7452883号明細書、同第7767676号明細書、同第7501511号明細書、同第8227465号明細書、同第8791115号明細書、同第8217040号明細書、同第8461331号明細書、同第8846911号明細書、同第9035048号明細書、同第8742102号明細書、同第8592370号明細書、同第8980828号明細書、同第8742103号、同第9271984号明細書、及び同第8937066号明細書にも記載されている。
幾つかの実施形態では、イメグリミンは、塩酸塩の形態で投与される。本明細書に記載されるように、対象に投与されるイメグリミンの量は、イメグリミン遊離塩基の量を指す。本明細書に記載の実施形態は、イメグリミン塩酸塩が使用される場合、「イメグリミン」を指し得る。
好ましくは、医薬組成物は、少なくとも1種の賦形剤又は薬学的に許容される担体を含む。従来の賦形剤が、当業者に周知の技術によって使用され得る。イメグリミンを含む医薬組成物は、当業者に既知の標準的な製薬技法(Lippincott Williams & Wilkins,2000 and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology,eds.J.Swarbrick and J.C.Boylan,1988−1999,Marcel Dekker,New York)によって製剤化される。
好ましくは、イメグリミン又は本発明による医薬組成物による治療は、HFPEFが診断された後の1ヵ月以内、好ましくは1週間以内に開始される。最も好ましい実施形態では、治療は、診断の当日又は診断の翌日に開始される。
イメグリミン又は本発明による医薬組成物による治療は、単一用量として又は複数用量で、好ましくは複数用量で施され得る。
好ましくは、治療は、定期的に、好ましくは毎日〜毎週、より好ましくは毎日施される。一実施形態では、治療は、1日1回施される。特定の実施形態では、治療は、1日に数回、好ましくは1日に2又は3回、更により好ましくは1日に2回施される。
イメグリミン又は本発明による医薬組成物による治療期間は、好ましくは1日間と50週間との間に、より好ましくは1日間と24週間との間に含まれる。特定の実施形態では、HFPEFが存続する限り治療は継続される。最も好ましい実施形態では、治療は、生涯にわたる治療である。
投与されるイメグリミンの量は、当業者に周知の標準的な手順によって決定される必要がある。患者の生理学的データ(例えば年齢、サイズ、体重、及び全身的な身体状態)及び投与経路が、適切な投与量を決定するために考慮される必要があり、従って、治療上有効量が患者に投与される。
好ましい実施形態では、イメグリミン又は本発明による医薬組成物による治療の1日当たりの投与されるイメグリミン総用量は、約500mgと約5000mgとの間、好ましくは約1000と約4000との間、より好ましくは約1500mgと約3500mgとの間、更により好ましくは約2000mgと約3000mgとの間に含まれる。
別の好ましい実施形態では、イメグリミンは、約10mg/体重kg/日と約100mg/体重kg/日との間に、好ましくは約15mg/体重kg/日と約60mg/体重kg/日との間に、好ましくは約20mg/体重kg/日と約50mg/体重kg/日との間に、より好ましくは約30mg/体重kg/日と約45mg/体重kg/日との間に含まれる量で患者に投与される。
一実施形態では、イメグリミンは、約500mg、約1000mg、約1500mg、約2000mg、約2500mg、約3000mg、約3500mg、約4000mg、約4500mg、約5000mg、又は上記値のうちの任意の2つの間の範囲の1日量で患者に投与される。
一実施形態では、イメグリミンは、1000mg、1500mg、2000mg、2500mg、又は3000mgの1日量で患者に投与される。
イメグリミン又は本発明による医薬組成物は、任意の従来の投与経路、例えば、局所、腸内、特に経口又は直腸、非経口、特に静脈内、鼻腔内、筋肉内、皮膚、皮下、又は眼内投与経路などによって投与され得る。
好ましくは、イメグリミン又は本発明による医薬組成物は、腸内又は非経口投与経路によって投与され得る。非経口的に投与される場合、イメグリミン又は本発明による医薬組成物は、好ましくは静脈内投与経路によって投与される。経腸的に投与される場合、イメグリミン又は本発明による医薬組成物は、好ましくは経口投与経路によって投与される。最も好ましい実施形態では、イメグリミンは、経口投与される。
経口投与に関して、医薬組成物は、錠剤、カプセル、散剤、粒剤、ゲルカプセルなどの従来の経口剤形、並びにシロップ剤、エリキシル剤、溶液、エマルション、懸濁液、及び濃縮ドロップなどの液状製剤に製剤化され得る。無毒性の固体担体又は希釈剤が、経口投与に使用され得る。幾つかの実施形態では、イメグリミンは、錠剤として投与される。
圧縮錠剤については、粉末材料に凝集特性を付与する薬剤である結合剤も必要とされる。錠剤においては、通常、錠剤の崩壊を促進するための崩壊剤も必要とされる。更に、製造プロセスにおける錠剤材料の表面への付着を防止するため、及び製造時の粉材の流動特性を改善するために、滑沢剤及びグリダントが錠剤中に含まれ得る。必要に応じて、錠剤は、味をマスクするために、又は有効成分の腸内での溶解若しくは持続放出を可能にするために既知の技術によりコーティングされ得る。
経口投与用の液体剤型としては、溶液、懸濁液、及びエマルションが含まれる。水溶液は、有効成分を水に溶解させ、続いて必要に応じて、香味剤、着色剤、安定剤、及び/又は増粘剤を添加することによって得られ得る。溶解度を改善するために、薬学的に許容される非水性溶媒が添加され得る。経口的使用のための水性懸濁液は、微粉化された有効成分を粘性製品と共に水中に分散させることによって得られ得る。
注射用の剤型は、例えば、以下のプロセスによって得られ得る。有効成分を、分散剤、保存剤、等張剤、及び任意に他の添加剤、例えば、必要に応じて可溶化剤又は安定剤と共に、水性媒体又は油性媒体のいずれかに溶解、懸濁、又は乳化させる。
外用のための剤型は、有効成分を含有する固体、半固体、又は液体組成物から得られ得る。例えば、固体形態を得るために、有効成分は、それらを散剤に変換するために賦形剤及び増粘剤で処理され得る。液体医薬組成物は、注射用の形態と実質的に同じ方法で前述のように調製される。半固体剤型は、好ましくは、水性若しくは油性ゲル形態又はポマードの形態である。これらの組成物は、pH調節剤及び保存剤を任意に含有し得る。
経皮投与に関して、医薬組成物は、軟膏、クリーム、又はゲル形態に製剤化され得、適切な浸透剤又は界面活性剤が、浸透を容易にするために使用され得る。
経粘膜投与に関して、点鼻薬、肛門坐剤、又は膣坐剤が使用され得る。活性化合物は、既知の坐剤基剤のいずれかに組み込まれ得る。
本発明による医薬組成物は、投与のほぼ直後に又は投与後の任意の所定時間若しくは所定期間に活性薬物を放出するように製剤化され得る。
本発明の医薬組成物は、持続放出によって患者に投与され得る。持続放出投与は、特定の時間にわたる一定レベルの薬物を達成するための薬物伝達方法である。
特定の実施形態では、イメグリミン又は本発明による医薬組成物による治療は、身体の運動、特に有酸素運動トレーニング、好ましくは最大酸素消費量の有酸素運動トレーニングと併用して、且つ/又は特定の食事、特にカロリー制限食及び/又は高硝酸塩食と共に使用される。
幾つかの実施形態では、イメグリミンは、第2の医薬品と共に投与される。幾つかの実施形態では、イメグリミンは、第2の医薬品と同時に投与される。幾つかの実施形態では、イメグリミンは、第2の医薬品に続いて投与される。第2の医薬品は、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬、Iチャネル遮断薬、利尿薬、アルドステロン拮抗薬、β遮断薬、スタチン、及びアセチルサリチル酸を含むが、これらに限定されない駆出率が低下した心不全を治療するための薬物であり得る。患者が2型糖尿病に罹患している場合、第2の医薬品は、抗糖尿病薬であり得る。幾つかの実施形態では、第2の医薬品は、インスリン、αグルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、ドーパミンアゴニスト、DPP−4阻害剤、グルカゴン様ペプチド、メグリチニド、ナトリウム・グルコース輸送体(SGLT2又はSGLT1/2)阻害剤、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
医薬組成物の形態、イメグリミン又は本発明による医薬組成物の投与経路及び投与量は、疾患のタイプ及び重症度、並びに患者、特にその年齢、体重、性別、及び全身的な身体状態に応じて当業者により調整され得る。
科学論文及び要約、公開特許出願、登録特許、又は任意の他の参照文献を含む本出願において引用された全ての参照文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、これには、論文参照文献の全ての結果、表、図、及び本文が含まれる。
異なる意味を有するが、用語「含む」、「有する」、及び「含有する」は、本出願全体で互いに置き換えられ得る。
本発明の更なる態様及び利点が、以下の実施例において記載されるが、これらは例示とみなされるべきであり、限定するものとしてみなされるべきではない。
材料及び方法
動物及び治療
実験を、Ch.River(US)から購入した12週齢の雄性のZucker fa/faラット又は非肥満対照ラットに対して実行した。
動物を標準実験室条件下で、1ケージ当たり2匹で飼育し、薬物を経管栄養(午前9時及び午後6時)によって150mg/kgの用量で1日2回投与し、9又は90日間投与した。心機能障害に対するイメグリミンの効果を評価した。
● 第1の実験プロトコール:
Zucker fa/fa動物を、それらの体重に基づいて2群に無作為化割り付けし、次いで、以下の3群を構成した:
− 非肥満ラット(ビヒクルによる治療、n=12)
− 対照のZucker fa/faラット(ビヒクルによる治療、n=18)
− 150mg/kgの用量で1日2回、イメグリミンにより治療されたZucker fa/faラット(n=18)
短期の治療(9日間)後、全てのラットについて心機能(心エコー検査及びMRI)及び心臓の血行動態を評価した(最後の治療の1時間後)。
● 第2の実験プロトコール:
Zucker fa/fa動物を、それらの体重に基づいて2群に無作為化割り付けし、次いで、以下の3群を構成した:
− 非肥満ラット(ビヒクルによる治療、n=18)
− 対照のZucker fa/faラット(ビヒクルによる治療、n=24)
− 150mg/kgの用量で1日2回、イメグリミンにより治療されたZucker fa/faラット(n=24)
長期の治療(90日間)後、全てのラットについて心機能(心エコー検査及びMRI)及び心臓の血行動態を評価した(最後の治療の1時間後)。
ビヒクル及び薬物懸濁液の調製
ビヒクル:5gのメチルセルロースを秤量し、撹拌(18h〜24h)によって1リットルの蒸留水中に完全に均質化した。原液を、4℃で保存した。
イメグリミン懸濁液を、研究において使用される濃度(150mg/kg)で調製し、10mLのメチルセルロース溶液中に均質化した。薬物懸濁液は、投与日に調製した。
体重及び食物摂取
イメグリミン治療濃度の調整のために体重を週1回測定した。
心エコー検査
研究を、9及び90日間の治療後にラットに対して実行した。この目的のために、ラットにメトヘキシタールで麻酔をかけ、胸部を剃毛し、14MHzで動作するM12Lリニアプローブを備え、Echopac PCソフトウェア(GE medical)を搭載したVivid 7超音波検査器を用いて、心エコー検査を以前に記述されたように実行した(Gomez E et al,J Mol Cell Cardiol,2012,52:1257−1264、Vercauteren M et al,Circulation,2006,114:2498−2507)。要約すると、Mモードトレーシングを記録するために、乳頭筋レベルで左室の二次元短軸像を取得した。LV径は、少なくとも3つの連続した心臓周期からAmerican Society of Echocardiographyのリーディングエッジ法によって測定された。
LV流出路血流速度を、パルス波によって測定し、心拍出量(CO)を、CO=大動脈VTI×[π×(LV流出路径/2)]×心拍数(式中、VTIは血流速度時間の積分値である)として算出した。
測定は、前の結果及び治療群を知らされていない観察者によって実行された。
心筋灌流
9及び90日間の治療後に、Bruker Biospec 4.7 Tesla MRIを使用し、造影剤の適用を必要としないT1撮像シーケンスを使用して、以前に記載されたようにメトヘキシタールにより麻酔された動物における基礎心筋灌流を評価した(Merabet N et al,J Mol Cell Cardiol,2012,52:660−666、Banquet S et al,Circulation,2011,124:1059−1170)。要約すると、動物を、能動的にデカップリングされたの上にうつ伏せに配置し、動物の生理的温度を維持するために温水が循環する加温パッドを使用した。2つの皮下電極をラットの両側面に胸部の高さで留置することによってECGシグナルをモニタリングした。電極は、ECGトリガーユニットに接続した。このトリガーユニットの特徴として、ECGトリガーパルス及び呼吸トリガーパルスは、ECGシグナル及び呼吸のEMGシグナルを含む観察されたシグナルに由来した。標準的な調整の後、灌流イメージングシーケンスのための短軸断面を決定するためにスカウト画像を取得した。RFシグナルの最適化後、イメージング体積から上流の動脈の血液が磁気的に「標識」される動脈スピン標識法(ASL)技術により、心筋組織灌流の測定を可能にする灌流シーケンスを実行した。結果として、画像強度の変化が、撮像断面内の組織への血液供給に依存して発生する。スピン標識法を用いずに取得された画像を差し引くことにより、静的スピンによるバックグラウンドシグナルが除去され、差分画像を、灌流を定量化するために使用することができる。次いで、見かけのT1画像の反転の差により、局所心血流量(rCBF)の測定値が、rCBF=L(1/T1sel−1/T1nonsel)(式中、Lは組織−血液間分配係数である)に従って得られる。
心臓の血行動態
左室機能を、9又は90日間の治療後に、以前に記載されたように左室圧容積曲線を使用して評価した(Fang Y et al,J Mol Cell Cardiol.,2011,51:168−176、Fang YH et al,Journal of Cardiovascular Pharmacology,2012,59:260−267)。要約すると、圧−コンダクタンスユニット(MPCU−200、Millar)に接続された2F小型複合コンダクタンスカテーテル−微圧計(モデルSPR−819、Millar Instruments)を、頸動脈を介して左室へと逆行性に進めた。このカテーテルは、4つの白金電極によって囲まれた微圧計を有し、最外部の2本の電極は、20kHzの周波数で0.1mAの電流を生じ、これは、最内部の2本の電極によって検出される。圧−容積(PV)ループを、ベースライン時、及び綿棒で腹大動脈を穏やかに閉塞することによる負荷の間に記録した。データを、Millarコンダクタンスデータ収集及び解析ソフトウェアを使用して保存及び解析した。最後に、以下のパラメータを、圧容積曲線から測定/算出した:
− 左室拡張末期圧;
− 左室収縮末期圧;
− 左室弛緩定数τ;
− 左室拡張末期圧−容積関係;及び
− 左室収縮末期圧−容積関係。
冠動脈内皮機能
冠動脈内皮機能を、9又は90日間の治療後に、以前に記述されているように評価した(Fang YH et al,Journal of Cardiovascular Pharmacology,2012,59:260−267、Mulder et al.,Eur Heart J.,2008,29:2171−2179)。要約すると、左室機能の評価終了後、心臓を取り除き、直ちに酸素化された冷クレブス緩衝液に入れた。動脈の長さ1.5〜2mmのセグメントを慎重に解剖し、小血管ミオグラフにマウントした。標準化手順を、平衡化時間後に実行した。170μm未満の内径を有するセグメントは、機械的な内皮損傷及び非特異的機能障害を回避するために除外した。セロトニンにより事前に収縮させたセグメント(10−5mol/L)におけるアセチルコリン(10−8〜3×10−5mol/L)への濃度−反応曲線を作成した。
心臓組織学的検査
治療期間終了後、心臓を取り出した。固定後、左室を同じ厚さの3つの切片に切断した。心臓の切片を、脱水し、パラフィン中に包埋した。各ブロックから3μm厚の切片を切り出し、スライドガラスにマウントした。コラーゲンの測定のために、切片をシリウスレッドで染色した。スライドを、以前に記載されたように、画像解析システムに接続された顕微鏡を使用して500倍に拡大した(Mulder et al.,J.Am.Coll.Cardiol.,1997)。左室のコラーゲン密度を、コラーゲンによって占められた面積を画像の面積で除算して算出した。
血漿亜硝酸レベル
NO産生のマーカーとして血漿亜硝酸の測定を、三ヨウ化物ベースの化学発光を使用して実行した。NOシグナルを、一酸化窒素分析装置(NOA(商標) 280、Sievers Instruments Inc.、Boulder、CO、USA)を使用して定量化した。
左室酸化ストレス
左室の活性酸素種産生レベルを、以前に記載されたように、スピンプローブである1−ヒドロキシ−3−メトキシカルボニル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン(CMH、Noxygen、Germany)を使用した電子常磁性共鳴分光法(EPR)により、左室ホモジネート(9又は90日間の治療後に採取される)において評価した(Mulder P,Eur Heart J.2008;29:2171−2179)。CMH(50mM)の原液を、25μMのデフェロキサミン及び5μMのジエチルジチオカルバミン酸を含有するクレブス−HEPES緩衝液(0.1MのNaCl、5mMのKCl、2.5mMのCaCl2、1.2mMのMgSO4、25mMのNaHCO3、1mMのKH2PO4、5.6mMのD(+)−グルコース、20mMのNa−HEPES、pH 7.4)中に調製した。CMHの酸化を防止するために、CMHのこの原液を実験前に脱酸素化した。2mMのADP並びにミトコンドリア呼吸基質である10mMのグルタミン酸及び4mMのリンゴ酸を含有するクレブス−HEPES緩衝液中での1時間のインキュベーション後、試料を液体窒素中のシリンジ内で凍結させ、解析まで−80℃で維持した。スーパーオキシド及び過酸化亜硝酸による反応によって主に駆動されるCMHの安定な3−メトキシカルボニル−PROXYL(CM・)への酸化を、MiniScope MS−200 Xバンド分光計を使用して記録した(Magnettech、Germany)。フィールドスキャンのためのEPR機器の設定は、以下の通りだった:3356.98GのBo磁場、1mWのマイクロ波電力、20dBのマイクロ波減衰、9.74GHzの変調周波数、5Gの振幅変調、60秒のスキャンタイム。スペクトル強度は、中心線の高さから測定した。CM・の産生を、CP゜標準物質を使用して定量化し、総タンパク質量1mg当たりのCM・のμmolで表現した。
統計解析
全ての結果を、平均±SEMとして示す。
代謝症候群の効果を評価するために、無治療のZucker fa/faラット及び非肥満ラットにおいて得られた全てのパラメータを、独立両側スチューデントt検定によって比較した。長期又は短期のイメグリミン治療の効果を評価するために、独立両側スチューデントt検定を使用して、9及び90日間治療されたZucker fa/faラットにおいて得られた全てのパラメータを、時間を一致させた無治療のZucker fa/faと比較した。
独立両側スチューデントt検定としてパラメトリック検定を適用する前に、データのガウス分布を、シャピロ−ウィルク正規性検定及びコルモゴロフ−スミルノフ検定によって評価し、QQplot及び正規確率プロットにより視覚的に評価した。
結果
代謝症候群のラットモデルでのこの前臨床試験を、HFPEFに対するイメグリミンの保護効果を調べるために設計した。実際、Zucker fa/fa肥満ラットは、HFPEF患者のものと非常に類似した心機能障害を発症することが知られている。Zucker fa/faラットは、150mg/kgのイメグリミンを1日2回、9又は90日間投与された。
13及び24週齢の無治療のZucker fa/faラットは、以下を呈する:
● 左室拡張機能障害:
− LV拡張末期圧の増加(図1Aを参照のこと);
− LV弛緩定数τの増加(図1Bを参照のこと);及び
− LV拡張末期圧容積関係の増加(図1Cを参照のこと)。
● 心拍出量(図2Aを参照のこと)及び心筋灌流(図2Bを参照のこと)の減少を伴う。
これらのパラメータは、HFPEFに特有である。
Zucker fa/faラットがイメグリミンを90日間投与された場合、LV拡張末期圧(図1A)、LV弛緩定数τ(図1B)、及びLV拡張末期圧容積関係(図1C)の有意な減少、並びに心拍出量及び心筋灌流の増加(図2A及び2Bを参照のこと)が、観察された。
特に、心筋灌流の増加及び左室拡張末期圧−容積関係の減少は、わずか9日間の治療後ですでに有意であった。
LVコンプライアンスは、90日間の治療後に約50%増加した。
更に、イメグリミン治療は、冠状動脈内皮依存性弛緩を改善することを示した。実際、9及び90日間のイメグリミン投与は、無治療のZucker fa/faラットにおいて90日時点で観察される中隔の冠状動脈のアセチルコリンによって誘発される弛緩の障害を予防した(図3を参照のこと)。
加えて、結果は、非肥満ラットと比較した場合に、24週齢のZucker fa/faラットにおいてLVの間質コラーゲンが有意に増加したことを示す(表1を参照のこと)。イメグリミンの90日間の投与は、LVコラーゲン密度を有意に減少させた(表1を参照のこと)。このLVコラーゲン蓄積の減少は、おそらくイメグリミンによる長期治療後のLVコンプライアンスの更なる改善に寄与するであろう。
また13及び24週齢の無治療のZucker fa/faラットにおいて、非肥満ラットと比較した場合に、LVの活性酸素種(ROS)産生も増加したが、血漿亜硝酸レベルは低下した(表1を参照のこと)。9及び90日間の両方のイメグリミン治療は、ROSレベルを低下させ、血漿亜硝酸レベルを上昇させた(表1を参照のこと)。
LV組織でのROS産生のこの観察された減少は、NOの中和を制限し、これにより、血漿亜硝酸の増加によって示唆されるようにNOの生物学的利用能の増加をもたらす。NOの生物学的利用能のこの増加は、おそらく直接的及び間接的なメカニズムを介したLV拡張機能不全の即時の改善に寄与するであろう。実際、心筋でのNOの生物学的利用能の減少は、筋細胞の静止張力を増加させて、LV機能障害を障害する(Van Heerebeek et al.,Circulation.,2008,117:43−51、Gillebert et al.,Am J Physiol.,1992,263:H857−865、Van Heerebeek et al.,Curr Diab Rep.,2009,9:79−86)が、その補因子であるテトラヒドロビオプテリン、NOドナー、又は内皮NO合成酵素促進剤の投与により引き起こされるNO生物学的利用能/産生の増加は、LV拡張機能不全を改善する(Silberman et al.,Circulation.,2010,121:519−528、Matter et al.,Circulation.,1999,99:2396−2401、Fraccarollo et al.,Circulation.,2008,118:818−827)。更に、冠血管系レベルでのNOの生物学的利用能の改善は、冠動脈内皮依存性拡張の改善により示されるように、イメグリミン治療後に観察された心筋組織灌流の増加を介してLV拡張機能不全の改善に寄与するかもしれない。実際、イメグリミンによる心筋灌流の正常化は、おそらくZucker fa/faラットにおいて観察されたLV組織の低酸素状態及びその後のLV機能障害を引き起こすメカニズムの活性化を予防するであろう。
Figure 2020536121
この研究は、治療の非常に早い段階で、イメグリミンが、無治療のZucker fa/faラットと比較してZucker fa/faラットのLV拡張機能不全のパラメータを強く改善したことを実証し、このことは、HFPEFの進行に対するイメグリミンの明らかな有益効果の基礎をなす。

Claims (21)

  1. 駆出率が保持された心不全(HFPEF)を治療又は予防する方法であって、HFPEFを有するか、又は発症するリスクがある患者に治療上有効量のイメグリミンを投与することを含む方法。
  2. HFPEFを治療又は予防する方法であって、HFPEFを有するか、又は発症するリスクがある患者に、治療上有効量のイメグリミン及び少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を投与することを含む方法。
  3. 前記患者がヒト、好ましくは成人である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記患者が女性のヒトである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記患者が、少なくとも50歳、好ましくは少なくとも60歳、より好ましくは少なくとも75歳である、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記患者の駆出率が、45%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記イメグリミンが、約10mg/体重kg/日〜約100mg/体重kg/日、好ましくは約15mg/体重kg/日〜約60mg/体重kg/日、好ましくは約20mg/体重kg/日〜約50mg/体重kg/日、より好ましくは約30mg/体重kg/日〜約45mg/体重kg/日の量で前記患者に投与される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. イメグリミンの前記量が、1日当たり約500mg〜約3000mgである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. イメグリミンの前記量が、1日当たり約1000mg〜約3000mgである、請求項8に記載の方法。
  10. イメグリミンが経口投与される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. イメグリミンが、1日当たり1回、2回、又は3回投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. イメグリミンが1日に1回投与される、請求項11に記載の方法。
  13. イメグリミンが、その遊離塩基又は薬学的に許容される塩の形態で投与される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. イメグリミンが、塩酸塩の形態で投与される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記患者が、代謝症候群、好ましくは、肥満及び糖尿病、特に2型糖尿病、単一遺伝子性糖尿病、及び新生児一過性高血糖症からなる群から選択される代謝症候群に罹患している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記患者が、2型糖尿病に罹患している、請求項15に記載の方法。
  17. イメグリミンが第2の医薬品と共に投与される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. イメグリミンが前記第2の医薬品と同時に投与される、請求項17に記載の方法。
  19. イメグリミンが前記第2の医薬品に続いて投与される、請求項17に記載の方法。
  20. 前記第2の医薬品が抗糖尿病薬である、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第2の医薬品が、インスリン、αグルコシダーゼ阻害剤、ビグアニド、ドーパミンアゴニスト、DPP−4阻害剤、グルカゴン様ペプチド、メグリチニド、ナトリウム・グルコース輸送体(SGLT2又はSGLT1/2)阻害剤、スルホニル尿素、チアゾリジンジオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
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