本出願は、2017年9月21日に出願された、「OLED Voltage Driver with Current−Voltage Compensation」と題する米国仮特許出願第62/561,529号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその内容全体が本明細書に組み入れられる。
以下の「発明を実施するための形態」を読了し、かつ以下の図面を参照することにより、本開示の様々な態様を、より良好に理解することができる。
一実施形態に係る、ディスプレイ感知及び補償を実行する電子デバイスの概略ブロック図である。
図1の電子デバイスの一実施形態を表すノートブックコンピュータの斜視図である。
図1の電子デバイスの別の実施形態を表すハンドヘルド端末の正面図である。
図1の電子デバイスの別の実施形態を表す別のハンドヘルド端末の正面図である。
図1の電子デバイスの別の実施形態を表すデスクトップコンピュータの正面図である。
図1の電子デバイスの別の実施形態を表す着用可能電子デバイスの正面図及び側面図である。
本開示の一実施形態に係る、ディスプレイ感知及び補償システムのブロック図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のシステムを使用するディスプレイ感知及び補償の方法を示すフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の電子ディスプレイのアクティブアレイ用の電源とは別個の基準アレイ用の電源を示す図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の電子ディスプレイ用の輝度制御スキームを示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、図7の電子ディスプレイ18用の固定電源電圧レベルを使用する電流−電圧曲線のグラフである。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイを使用する電圧劣化を補償する方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、温度変化に応答して電源電圧レベルを設定するために使用される図7の基準アレイの構成要素のブロック図を示す。
本開示の一実施形態に係る、温度変化の結果生じる電流−電圧曲線を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、目標電流を生成する電源電圧レベルを判断する図7の基準アレイの電源レベル検索回路を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、温度変化前の以前の電源電圧レベルから生成された以前の電流−電圧曲線を、温度変化後の電源電圧レベルの設定から生成された電流−電圧曲線と比較するグラフである。
本開示の一実施形態に係る、温度変化後に図7の電子ディスプレイの画素に目標電流を提供する電源電圧レベルを判断する方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、1組の電流値及び電圧値を判断するために使用される図7の基準アレイの感知回路の概略図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイを使用する感知動作の実行を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、1組の電流値及び電圧値から内挿された電流−電圧曲線の部分を、様々な輝度設定と関連付けることを示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、様々な輝度設定に関連付けられた図20の電流−電圧曲線の部分上のガンマタップ点を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、図21のガンマタップ点に対するグレートラッキング又はガンマ補正を実行する方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、システムオンチップ及びガンマデジタルアナログ変換器を使用して、ガンマレベルを電圧レベル変換と比較するグラフである。
本開示の一実施形態に係る、横漏洩及び/又はバイアス電流を減少させる特徴部を示す図7の基準アレイの図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイの画素の回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイの画素内の電流をより正確に感知する第1の技術を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイの画素内の電流をより正確に感知する第2の技術を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイの画素内の電流をより正確に感知する第3の技術を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイを較正する方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、基準アレイの動作を示すタイミング図である。
本開示の一実施形態に係る、電流−電圧感知を実行するシステムのブロック図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素の電流−電圧曲線のグラフである。
本開示の一実施形態に係る、異なる時間における図7のディスプレイの図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ用の電流及び電圧感知システムの概略図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素内の電流をより正確に感知するためにデータ保持を緩和するための1組のタイミング図である。
本開示の一実施形態に係る、補償が実行される前の、図7のディスプレイの画素内の電流をより正確に感知するためのデータ保持の緩和を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、補償が実行された後の、図7のディスプレイの画素内の電流をより正確に感知するためのデータ保持の緩和を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素の図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイのサブ画素から隣接するサブ画素への漏洩電流を緩和する第1の技術を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18のサブ画素から隣接するサブ画素に流れる漏洩電流及びバイアス電流を説明する第2の技術を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素から隣接する画素に流れる漏洩電流及びバイアス電流を説明する方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素の漏洩電流、バイアス電流、及びダイオード電流の合計の判断を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素の漏洩電流とバイアス電流との合計の判断を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18に電源電圧を動作させたときのコモンモード漏洩を打ち消すことを示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイに上昇した電源電圧が提供されたときのコモンモード漏洩を打ち消すことを示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、ソースフォロワ画素を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、A級増幅器を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、AB級増幅器画素を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図48のAB級増幅器画素のノイズ緩和を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、2つの画素間のバイアス不整合電流の判断を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、ダイオードを通る電流の判断方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、青色サブ画素のダイオードを通る電流の感知の結果としての、図49のAB級増幅器画素における横漏洩電流を示す。
本開示の一実施形態に係る、サブ画素内の電流を感知する際の横漏洩電流の緩和を示す回路図である。
本開示の一実施形態に係る、赤色サブ画素に対する感知動作の実行を示す例示的な回路図である。
本開示の一実施形態に係る、青色サブ画素に対する感知動作の実行を示す例示的な回路図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイのアクティブアレイの画素内の電流を感知するためのタイミング図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素グループの図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素内の電流感知を示す概略図である。
本開示の一実施形態に係る、デルタベースモデルを使用して図7のディスプレイの画素の電流−電圧曲線の生成を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、内挿ベースモデルを使用して図7のディスプレイの画素の電流−電圧曲線の生成を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素を駆動するために、劣化電流−電圧曲線を判断する方法のフロー図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイにおける電圧劣化を補償するシステムのブロック図である。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素の劣化比の線形関係を示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、2つの外挿された電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて電流−電圧曲線を再構築することを示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、画素を駆動し、電圧劣化を補償するために使用される出力電圧を判断することを示すグラフである。
本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイの画素を駆動するために、電流−電圧劣化を補償する方法の流れ図である。 特定の実施形態の詳細な説明
以下において、1つ以上の特定の実施形態を説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、本明細書には実際の実施態様の全ての特徴は示されていない。いずれの工学プロジェクト又は設計プロジェクトの場合とも同様に、いずれのそのような実際的な実装の開発に際しても、実装毎に異なり得る、システム関連及びビジネス関連の制約の準拠などの、開発者の具体的な目的を達成するために、実装に固有の多数の決定を行わなければならないことを理解するべきである。更には、そのような開発努力は、複雑で時間を要する場合もあるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の慣例的な仕事であることを理解するべきである。
本開示の様々な実施形態の要素を紹介するときに、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、1つ以上の要素があることを意味する。用語「を備える(comprising)」、「を含む(including)」、及び「を有する(having)」は、包括的であることを意図し、列挙した要素以外の付加的な要素がある可能性があることを意味する。更に、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」の参照は、列挙した特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外するように解釈されることを意図したものではないことを理解されたい。また、B「に基づく」Aというフレーズは、Aが少なくとも部分的にBに基づくことを意味するように意図されている。また、「又は」という用語は、包括的であること(例えば、論理OR)が意図され、排他的であること(例えば、論理XOR)は意図されていない。換言すれば、A「又は」Bというフレーズは、A、B、又はAとBの両方を意味するように意図されている。
電子ディスプレイは、現代の電子デバイスにおいて普及している。電子ディスプレイがより高い解像度及びダイナミックレンジ機能を得るにつれて、画質の値はますます高くなっている。一般に、電子ディスプレイは、画像データでプログラムされる多数の画素、すなわち「ピクセル」を収容する。各画素は、画像データに少なくとも部分的に基づいて、特定の量の光を放出する。異なる画像データで異なる画素をプログラミングすることにより、画像、ビデオ、及びテキストを含む画像コンテンツが表示され得る。
ディスプレイパネル感知により、電子ディスプレイの性能を改善するために、識別される電子ディスプレイの画素の動作特性が可能になる。例えば、電子ディスプレイ全体の(とりわけ)温度変化及び画素の経年劣化は、ディスプレイ上の異なる位置の画素を異なるように挙動させる。実際に、ディスプレイの異なる画素上にプログラムされた同じ画像データは、温度変化及び画素の経年劣化に起因して異なるように見える可能性がある。例えば、画素は、画素のダイオード(例えば、LED)に供給される電流の量に少なくとも部分的に基づいて、ある量の光、ガンマ、又は階調を放出する。電圧駆動画素については、(例えば、電流−電圧関係又は曲線によって表されるように)目標電圧を画素に印加して目標電流をダイオードに流し、目標ガンマ値を放出してもよい。ばらつきは、例えば、目標電圧を印加するとダイオードに流れる、結果として生じる電流を変化させることによって、画素に影響を及ぼし得る。適切な補償なしでは、これらのばらつきは、望ましくない視覚上のアーチファクトを生成する可能性がある。
従って、以下に説明する技術及びシステムは、電源電圧レベルに少なくとも部分的に基づいて電流−電圧関係を判断し、電流−電圧曲線に少なくとも部分的に基づいてディスプレイの各輝度設定に対するガンマタップ点をキャプチャする制御回路を有する基準アレイを使用して、ディスプレイ全体の動作のばらつきを補償するために使用されてもよい。基準アレイ制御回路は、ディスプレイの温度が変化するとき(例えば、特定の閾値と比較するとき)、電流−電圧関係を判断してもよい。更に、ディスプレイに結合された処理回路は、画素の電流−電圧関係と、基準アレイの基準画素の基準電流−電圧関係とに少なくとも部分的に基づいて、アクティブアレイの画素を駆動することができる。更に、処理回路は劣化比、入力電圧、及び入力基準電流を受信し、かつ補償電圧を出力するように構成された電流−電圧補償回路を含んでもよい。次いで、デジタルアナログ変換器は、補償電圧に少なくとも部分的に基づいて画素を駆動することができる。
このことを踏まえ、電子デバイス10の例示的なブロック図を図1に示す。以下により詳細に説明するように、電子デバイス10は、コンピュータ、携帯電話、ポータブルメディアデバイス、タブレット、テレビ、仮想現実ヘッドセット、車両用ダッシュボードなどの、任意の好適な電子デバイスを表してもよい。電子デバイス10は、例えば、図2に示すノートブックコンピュータ10A、図3に示すハンドヘルドデバイス10B、図4に示すハンドヘルドデバイス10C、図5に示すデスクトップコンピュータ10D、図6に示す装着型電子デバイス10E、又は同様のデバイスを表すことができる。
図1に示す電子デバイス10は、例えば、プロセッサコア複合体12、ローカルメモリ14、メインメモリ記憶装置16、電子ディスプレイ18、入力構造22、入出力(I/O)インタフェース24、ネットワークインタフェース26、及び電源28を含み得る。図1に示された様々な機能ブロックは、(回路を含む)ハードウェア要素、(ローカルメモリ14又はメインメモリ記憶装置16などの有形の非一時的媒体上に記憶された機械実行可能命令を含む)ソフトウェア要素、又はハードウェア要素及びソフトウェア要素の両方の組み合わせを含んでもよい。図1が、特定の実施態様の一実施例に過ぎず、電子デバイス10内にあることがある構成要素のタイプを示すものであることに注意されたい。実際、様々な図示された構成要素は、より数の少ない構成要素に組み合わされてもよく、あるいは追加の構成要素に分けられてもよい。例えば、ローカルメモリ14及びメインメモリ記憶装置16は、単一の構成要素に含めることができる。
プロセッサコア複合体12が、電子ディスプレイ18にディスプレイパネル感知を実行させること及び、フィードバックを使用して電子ディスプレイ18上に表示される画像データを調節することなどの、電子デバイス10の様々な動作を実行してもよい。プロセッサコア複合体12が、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上の特定用途向けプロセッサ(ASIC)又は1つ以上のプログラム可能な論理装置(PLD)などの、これらの動作を実行するための任意の好適なデータ処理回路を含んでもよい。一部の場合には、プロセッサコア複合体12が、ローカルメモリ14及び/又はメインメモリ記憶装置16などの好適な製造物品上に記憶された(オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムなどの)プログラム又は命令を実行してもよい。プロセッサコア複合体12のための命令に加えて、ローカルメモリ14及び/又はメインメモリ記憶装置16が、プロセッサコア複合体12によって処理されるデータを記憶してもよい。例えば、ローカルメモリ14が、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含んでもよく、メインメモリ記憶装置16が、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリなどのリライタブル不揮発性メモリ、ハードドライブ、光学ディスクなどを含んでもよい。
電子ディスプレイ18が、オペレーティングシステム又はアプリケーションインタフェース用のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)、静止画像又はビデオコンテンツなどの複数の画像フレームを表示してもよい。プロセッサコア複合体12が、複数の画像フレームのうちの少なくとも一部を供給してもよい電子ディスプレイ18が、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、マイクロOLED型ディスプレイなどの自発光ディスプレイであっても、又はバックライトによって発光された液晶ディスプレイ(LCD)であってもよい。いくつかの実施形態では、電子ディスプレイ18が、ユーザが電子デバイス10のユーザインタフェースと対話することを可能にするタッチスクリーンを有してもよい。電子ディスプレイ18が、ディスプレイパネル感知を使用して電子ディスプレイ18の動作のばらつきを識別してもよい。このことが、プロセッサコア複合体12が電子ディスプレイ18へと送信される画像データを調節してこれらのばらつきを補償することにより、電子ディスプレイ18上に出現する画像フレームの質を向上させることを可能にしてもよい。
電子デバイス10の入力構造22は、ユーザが、電子デバイス10と対話することを可能にすることがある(例えば、ボタンを押して音量レベルを増減する)。電子デバイス10とネットワークインタフェース26であってもよい様々な他の電子デバイスとのインタフェースを、I/Oインタフェース24が可能にしてもよい。ネットワークインタフェース26が、例えば、Bluetoothネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(PAN)用、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は802.11×Wi−Fiネットワークなどの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)用及び/又はセルラネットワークなどの広域ネットワーク(WAN)用のインタフェースを含んでもよい。ネットワークインタフェース26が、例えば、広帯域固定無線アクセスネットワーク(WiMAX)、移動広帯域無線ネットワーク(モバイルWiMAX)、(ADSL、VDSLなどの)非同期デジタル加入者回線、デジタルビデオ地上波放送(DVB−T)及びその拡張DVBハンドヘルド(DVB−H)、超広帯域(UWB)、交流(AC)電力線などのためのインタフェースも含んでもよい。電源28が、再充電可能なリチウムポリマー(Li−poly)バッテリ及び/又は交流(AC)電力変換器などの任意の好適な電源を含んでもよい。
特定の実施形態では、電子デバイス10が、コンピュータ、ポータブル電子デバイス、装着型電子デバイス、又は他の種類の電子デバイスの形態を取ってもよい。このようなコンピュータには、一般的にポータブルなコンピュータ(例えば、ラップトップ、ノートブック、及びタブレットコンピュータ)並びに一般的に1つの場所で使用されるコンピュータ(従来のデスクトップコンピュータ、ワークステーション及び/又はサーバなど)が挙げられる。特定の実施形態では、コンピュータの形態の電子デバイス10は、Apple Inc.から入手可能なMacBook(登録商標)、MacBook(登録商標)Pro、MacBook Air(登録商標)、iMac(登録商標)、Mac(登録商標)mini、又はMac Pro(登録商標)のモデルであってもよい。例として、本開示の一実施形態に係る、ノートブックコンピュータ10Aの形態を取る電子デバイス10が、図2に示される。図示されたコンピュータ10Aが、筐体又はエンクロージャ36、電子ディスプレイ18、入力構造22及びI/Oインタフェース24のポートを有してもよい。一実施形態では、入力構造22(キーボード及び/又はタッチパッドなど)が、コンピュータ10Aと対話して、コンピュータ10A上で動作するGUI又はアプリケーションの起動、制御、又は操作などを行うために使用されてもよい。例えば、キーボード及び/又はタッチパッドが、電子ディスプレイ18上に表示されたユーザインタフェース又はアプリケーションインタフェースをユーザがナビゲートすることを可能にしてもよい。
図3は、電子デバイス10の一実施形態を表すハンドヘルドデバイス10Bの正面図を示す。ハンドヘルドデバイス10Bは、例えば、携帯電話、メディアプレーヤ、パーソナルデータオーガナイザ、ハンドヘルドゲームプラットフォーム、又はそのようなデバイスの任意の組み合わせを表す。例として、ハンドヘルドデバイス10Bは、Apple Inc.(Cupertino,California)から入手可能なiPod(登録商標)又はiPhone(登録商標)のモデルである。ハンドヘルドデバイス10Bは、内部構成要素を物理的破損から守り、電磁干渉から遮蔽するエンクロージャ36を含んでもよい。エンクロージャ36は、電子ディスプレイ18を包囲し得る。I/Oインタフェース24は、エンクロージャ36を通して開放されてもよく、かつ例えば、Apple Inc.によって提供されているLightning(登録商標)コネクタ、ユニバーサルサービスバス(USB)などの標準的なコネクタ及びプロトコル、又は他の類似するコネクタ及びプロトコルを用いた充電及び/又は、コンテンツ操作のための配線接続を目的としたI/Oポートを含んでもよい。
ユーザ入力構造22は、電子ディスプレイ18との組み合わせで、ユーザがハンドヘルドデバイス10Bを制御することを可能にしてもよい。例えば、入力構造22が、ハンドヘルドデバイス:10Bを起動するか又は停止させ、ユーザインタフェースをホーム画面、ユーザ構成変更可能なアプリケーションスクリーンへとナビゲートし、及び/又はハンドヘルドデバイス:10Bの音声認識機能をアクティブにしてもよい別の入力構造22が、音量調節を行うか、又は振動モードと鳴音モードとの切換えを行ってもよい。入力構造22が、様々な音声関連機能のためにユーザの声を取得することの可能なマイクロフォン並びに、音声再生及び/又は何らかの電話機能を可能にするスピーカを更に有してもよい。入力構造22が、外部スピーカ及び/又はヘッドフォンへの接続を可能にするヘッドフォン入力を更に有してもよい。
図4は、電子デバイス10の別の実施形態を表す別のハンドヘルドデバイス10Cの正面図を示す。ハンドヘルドデバイス10Cは、例えば、タブレットコンピュータ、又はポータブルコンピューティングデバイスを表し得る。例として、ハンドヘルドデバイス10Cは、電子デバイス10のタブレットサイズの実施形態であってもよく、この実施形態は、例えば、カリフォルニア州クパチーノのApple Inc.から入手可能なiPad(登録商標)のモデルであってもよい。
図5に移ると、コンピュータ10Dは、図1の電子デバイス10の別の実施形態を表してもよい。コンピュータ10Dは、デスクトップコンピュータ、サーバ、又はノートブックコンピュータなどの任意のコンピュータであってもよいが、スタンドアロンのメディアプレーヤ又はビデオゲーミングマシンであってもよい。例として、コンピュータ10Dは、iMac(登録商標)、MacBook(登録商標)、又はApple Inc.の他の同様のデバイスであってもよい。コンピュータ10Dは、別の製造業者のパーソナルコンピュータ(personal computer、PC)も表してもよいことに留意されたい。同様のエンクロージャ36が、電子ディスプレイ18などのコンピュータ10Dの内部構成要素を保護及び収容するために提供されてもよい。特定の実施形態では、コンピュータ10Dのユーザが、コンピュータ10Dに接続可能な(例えばキーボード又はマウスなどの)入力構造22A又は22Bなどの様々な外付け入力装置を使用して、コンピュータ10Dとの対話を行ってもよい。
同様に、図6は、本明細書に記載の技術を使用して動作するように構成されていてもよい図1の電子デバイス10の別の一実施形態を表す装着型電子デバイス10Eを図示している。例として、リストバンド43を含み得る装着型電子デバイス10Eは、Apple,Inc.のApple Watch(登録商標)を含んでもよい。ただし、他の実施形態では、装着型電子デバイス10Eが、例えば、装着型運動監視デバイス(例えば、歩数計、加速度計、心拍数モニタ)などの任意の装着型電子デバイス、又は別の製造業者の他のデバイスを含んでもよい。装着型電子デバイス10Eの電子ディスプレイ18が、(例えばLCD、OLEDディスプレイ、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイなどの)タッチスクリーンディスプレイ18並びに、ユーザが装着型電子デバイス10Eのユーザインタフェースと対話を行うことを可能にする入力構造22を有してもよい。
図7は、本開示の一実施形態に係る、ディスプレイ感知及び補償のためのシステム50のブロック図である。システム50は、画像補正回路52を有するプロセッサコア複合体12を有する。画像補正回路52が、画像データ54を受信し、処理不均一性温度勾配、ディスプレイ18の経年劣化及び/又はその他のディスプレイ18上の要因に少なくとも部分的に基づいて、及びこれに起因するディスプレイ18の不均一性を補償して、ディスプレイ18の性能を(例えば目に見える異常を減少させることによって)向上させてもよい。ディスプレイ18の画素の不均一性が、(例えば2つの類似の電話、タブレット、装着型装置などの)同じ種類の装置間でばらつくか、使用により経時的に(例えば画素又はその他のディスプレイ18の構成要素の経年劣化及び/又は劣化などにより)ばらつくか、及び/又は温度に関連して並びに更なる要因に応じてばらついてもよい。
図示するように、システム50は、例えばディスプレイ18の画素又はその他の構成要素の経年劣化及び/又は劣化によるディスプレイ18の画素の不均一性を判断するか、又は判断を容易にすることの可能な、経年劣化/温度判断回路56を有する。経年劣化/温度判断回路56が、例えば温度に起因するディスプレイ18の画素の不均一性を判断するか、又は判断を容易にしてもよい。
画像補正回路52が、画像データ54を、(これについてのディスプレイ18の画素の不均一性が画像補正回路52によって補償されているか否かにかかわらず)ディスプレイ18のドライバ集積回路60のアナログデジタル変換器58へと送信してもよい。画像データ54がアナログフォーマットである場合には、アナログデジタル変換器58がこれをデジタル化してもよい。ドライバ集積回路60が、ディスプレイパネル61のゲート線を介して信号を送信して、画素63を含むディスプレイパネル61のアクティブアレイ62の画素行をアクティブかつプログラム可能とし、ここで、ドライバ集積回路68がデータ線を介して画像データ54を送信して、画素63を含む画素をプログラムし、(例えば個々の画素の輝度などの)特定の階調を表示してもよい。画像データ54を使用して異なる色の異なる複数の画素を供給して、異なる複数の階調を表示することにより、フルカラーの画像がディスプレイパネル61のアクティブアレイ62の画素内にプログラムされてもよい。
ドライバ集積回路60はまた、ゲート線を介して信号を送信して、画素65を含むディスプレイパネル61の基準アレイ64の画素行をアクティブかつプログラム可能としてもよい。基準アレイ64は、電子デバイス10のユーザに見えなくてもよい。例えば、基準アレイ64は、基準アレイ64を視界から遮断する不透明構造又は材料(例えば、黒色材料)によって覆われてもよい。いくつかの実施形態では、基準アレイ64は、視界から隠れるように、電子デバイス10の縁部又は背面に巻き付くことができる。ドライバ集積回路60はまた、感知アナログフロントエンド(AFE)66を含んで、データ入力(例えば、画像データ54)への画素の応答のアナログ感知を実行してもよい。いくつかの実施形態では、AFE66は、アクティブアレイ62及び基準アレイ64の両方で感知するために使用されてもよい。代替又は追加の実施形態では、アクティブアレイ62内で感知するために使用される少なくとも第1のAFEと、基準アレイ64内で感知するために使用される少なくとも第2のAFEとが存在してもよい。
プロセッサコア複合体12が更に、ディスプレイ18にディスプレイパネル感知を実行させるための感知制御信号68を送信してもよい。これに応じて、ディスプレイ18が、ディスプレイ18の動作のばらつきに関するデジタル情報を表すディスプレイ感知フィードバック70を送信してもよい。ディスプレイ感知フィードバック70が、経年劣化/温度判断回路56に入力され、任意の好適な形を取ってもよい。経年劣化/温度判断回路56の出力が、任意の好適な形を取り、また、画像データ54に適用されたときにディスプレイ18の動作の変化を適切に補償する補償値へと画像補正回路52によって変換されてもよい(例えば、ディスプレイ18に動作不均一性、又は大域的変化をもたらす)。このことが、画像データ54の忠実性を向上させると共に、ディスプレイ18の動作のばらつきによって発生し得る視覚上のアーチファクトを除去又は軽減させてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサコア複合体12が、ドライバ集積回路60の一部であり、従って、ディスプレイ18の一部であってもよい。
図8は、本開示の一実施形態に係る、図7のシステム50を使用するディスプレイ感知及び補償の方法80を示すフロー図である。方法80は、ディスプレイ18の動作のばらつきを感知し、ディスプレイ18及び/又はプロセッサコア複合体12などの動作のばらつきを補償することができる任意の好適なデバイスによって実行されてもよい。
ディスプレイ18が、ディスプレイ18自身の動作のばらつきを感知する(プロセスブロック82)。具体的には、プロセッサコア複合体12が、1つ以上の(感知制御信号68などの)命令をディスプレイ18に送信してもよい。これらの命令が、ディスプレイ18にディスプレイパネル感知を実行させてもよい。動作のばらつきが、処理不均一性温度勾配、ディスプレイ18の経年劣化などの、ディスプレイ18の不均一性を引き起こす任意の好適なばらつきを含んでもよい。
プロセッサコア複合体12は、次に、動作のばらつきに少なくとも部分的に基づいてディスプレイ18を調整する(プロセスブロック84)。例えば、感知制御信号68の受信に応じて、プロセッサコア複合体12が、ディスプレイ18から動作のばらつきに関するデジタル情報を表すディスプレイ感知フィードバック70を受信してもよい。ディスプレイ感知フィードバック70が、経年劣化/温度判断回路56に入力され、任意の好適な形を取ってもよい。経年劣化/温度判断回路56の出力が、任意の好適な形を取り、画像補正回路52によって補償値へと変換されてもよい。例えば、プロセッサコア複合体12が、補償値を画像データ54に適用し、これが次にディスプレイ18へと送信されてもよい。このような方法で、プロセッサコア複合体12が、(例えば目に見える異常を減少させることによって)ディスプレイ18の性能を向上させる方法80を少なくとも部分的に実行してもよい。
基準アレイ
画素63及び65において電流及び/又は電流駆動画素に変換される電圧入力を調整することによって画素が制御されるように、上記の画素65(及び63)は電圧駆動画素であってもよい。すなわち、画素63及び65は、電流入力を直接調整することによって制御されなくてもよい。代わりに、画素63及び65は、一部の特定の電圧値を画素63及び65に提供することによって電流入力を間接的に調整し、入力電圧から画素63及び65内で電流を生成することを可能にすることによって、制御されてもよい。実際、各画素65のルミナンスは、画素65に提供される電流に直接関連する。各画素65に提供される電流は、画素65への電圧入力依存し、温度などの動作のばらつきは、1組の電圧入力に対して画素65に提供される電流を変化させることができる。従って、各画素65についての(曲線として表される)電流−電圧関係をより正確にキャプチャ又は感知することにより、画素63、65が画像データ54をより正確に表示することを可能にする。追加又は代替の実施形態では、画素63及び65は、電流入力を直接調整することによって制御されてもよい。
従って、基準アレイ64は、各画素65についての電流−電圧関係をより正確に感知するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、基準アレイ64の制御回路は、特定のルミナンス設定を維持するために、電源(例えば、画素65の薄膜トランジスタ(TFT)のソースに結合されたELVSS電源)電圧レベル又は電流レベルを制御してもよい。基準アレイ制御回路は、電源電圧レベルに少なくとも部分的に基づいて電流−電圧曲線を生成し、電流−電圧曲線に少なくとも部分的に基づいてガンマタップ点をキャプチャしてもよい。基準アレイ制御回路は、ガンマタップ点でグレートラッキング又はガンマ補正を行い、ガンマタップ点をガンマデジタルアナログ変換器(DAC)にプログラムすることができる。
基準アレイ制御回路は、アクティブアレイ62用のELVSS電源とは別個のELVSS電源を有することにより、各画素65についての電流−電圧関係をより正確に感知することができる。更に、必ずしも全ての実施形態ではないが、いくつかの実施形態では、基準アレイ制御回路は、各輝度設定に対するELVSS電圧レベル又は電流レベルを感知、生成及び使用する代わりに、輝度設定の全範囲にわたって、固定されたELVSS電圧レベル又は電流レベル(特定の温度で設定され得る)を使用してもよい。基準アレイ64の感知回路は、画素65のダイオード(例えば、印加電圧感知電流)にわたる電流を感知するために電圧を印加して、1組の電流値及び電圧値を判断することができ、これを使用して、ELVSS電圧レベルに関連付けられた電流−電圧関係又は曲線を判断することができる。このようにして、基準アレイ制御回路は、アクティブアレイの放出に影響を及ぼすことなく、基準アレイ制御回路のELVSS電源86を調整することを可能にしてもよい。加えて、基準アレイ64は、(各輝度調整の前に感知動作を実行する代わりに)より速い、ほぼ瞬間的な輝度調整を可能にしてもよい。
図9は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイパネル61のアクティブアレイサブシステム71及び基準アレイサブシステム73を示す図である。基準アレイサブシステム73は、アクティブアレイサブシステム71のELVSS電源88(例えば、別の異なるカソード)とは別個のELVSS電源86(例えば、カソード)を含んでもよい。基準アレイ64は、任意の好適な数の画素65の列(例えば、1〜1000)を含んでもよい。従って、基準アレイサブシステム73のELVSS電源86は、アクティブアレイ62の発光に影響を及ぼすことなく調整されることができる。従って、分離されたELVSS電源86、88は、低ノイズ感知スキームを可能にすることができる。
基準アレイサブシステム73はまた、画素65に結合された基準アレイ制御回路89を含んでもよい。基準アレイ制御回路89は、処理回路、感知回路87などの基準アレイ64を制御するために使用される任意の好適な回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、基準アレイ制御回路89は、アクティブアレイ62の制御回路、プロセッサコア複合体12などの、基準アレイ64の外部に制御回路を含むことができる。基準アレイ感知回路87は、電圧測定値、電流測定値などの基準アレイ64の動作パラメータの感知を可能にしてもよい。基準アレイ感知回路87は、電圧センサ、電流センサなどの基準アレイ64の動作パラメータを感知するために使用される任意の好適な回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、基準アレイ感知回路87は、基準アレイ制御回路89の外部にあってもよい。一部の場合には、基準アレイ制御回路89は、図7に示すドライバ集積回路60の一部であってもよい。
同様に、アクティブアレイサブシステム71はまた、アクティブアレイ62を制御するために使用される画素63に結合された制御回路85を含んでもよい。アクティブアレイ制御回路85は、処理回路、感知回路83などのアクティブアレイ62を制御するために使用される任意の好適な回路を含むことができる。例えば、図示されるように、アクティブアレイ制御回路85は、電子ディスプレイ18における電圧劣化を補償するために使用される電流補償値を制限し得る電流ステップリミッタ回路72を含んでもよい。具体的には、電流ステップリミッタ回路72は、(例えば、電圧劣化を補償することによって、ディスプレイ18の観察者が電流値の変化を知覚しなくてもよいように)電流補償値を視認性閾値未満に制限するために使用されてもよい。代替又は追加の実施形態では、基準アレイ制御回路89は、電流ステップリミッタ回路72を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクティブアレイ制御回路85は、基準アレイ制御回路89、プロセッサコア複合体12などのアクティブアレイ62の外部に制御回路を含むことができる。アクティブアレイ感知回路83は、電圧測定値、電流測定値などのアクティブアレイ62の動作パラメータの感知を可能にしてもよい。アクティブアレイ感知回路83は、電圧センサ、電流センサなどのアクティブアレイ62の動作パラメータを感知するために使用される任意の好適な回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、アクティブアレイ感知回路83は、アクティブアレイ制御回路85の外部にあってもよい。一部の場合には、アクティブアレイ制御回路85は、図7に示すドライバ集積回路60の一部であってもよい。
図10は、本開示の一実施形態に係る、図7の電子ディスプレイ18用の輝度制御スキーム90を示すグラフである。輝度制御スキーム90は、デジタル輝度制御スキーム92及びアナログ輝度制御スキーム94の両方を使用することができる。具体的には、輝度制御スキーム90は、低度電流レベル(例えば、98)をほとんど測定不能な電流レベルに近づける可能性があるアナログ輝度制御スキーム94のみを(輝度範囲96全体にわたって)使用することを回避してもよい。
特定の輝度範囲100に関して、輝度制御スキーム90は、画素65への対応する(例えば、電流102をもたらすデータ信号の)電圧入力の一定のデューティサイクル又はパルス幅104を維持しながら、画素65への電流102を調整することによって、アナログ輝度制御スキーム94を使用して画素65の輝度を制御してもよい。特定の輝度範囲100は、データ電圧領域内にあってもよい。有利には、アナログ輝度制御スキーム94を使用すると、画素65の経年劣化が遅くなり得る。より低い輝度範囲101について(特定の輝度範囲100と比較した場合)、輝度制御スキーム90は、デジタル輝度制御スキーム92を使用し、画素65への対応する電圧入力のデューティサイクル又はパルス幅108を調整ながら一定の電流106を維持して、画素65の輝度を制御することができる。有利には、デジタル輝度制御スキーム92は、(アナログ輝度制御スキーム94と比較した場合)より小さい電流範囲を使用して、より低いバイアス電力使用をもたらすことができる。このようにして、電流103が低度電流レベルに制御され得るように、動作電流103の範囲を緩和することができる。
特定の電子ディスプレイは、輝度設定を制御するために、ELVSS電圧レベルを調整することができる。しかしながら、ELVSS電圧レベルが調整されると、各画素65の電流−電圧関係が変化する可能性がある。従って、(ELVSS電圧レベルを調整した結果として)輝度設定が変化するたびに、特定の電子ディスプレイは、(目に見える変化を防ぐために、新しい輝度設定及び1つ以上の中間輝度設定において)各画素65の(曲線として表現及び記憶され得る)電流−電圧関係を感知又は再スキャンすることができる。その結果、これらの電子ディスプレイの輝度設定を変更することは、非効率的であり、(例えば、数十秒のスケールで)遅い可能性がある。
この時間のかかるプロセスを回避するために、図7の基準アレイ64は、輝度設定の全範囲にわたって(特定の温度に設定され得る)固定されたELVSS電圧レベルを使用することができる。その結果、各画素65の電流−電圧関係又は曲線は、一定のままであってもよい(そして各輝度設定及び中間輝度設定についての別個の電流−電圧関係又は曲線の再スキャンを回避できる)。いくつかの実施形態では、基準アレイ制御回路89は、異なる温度に対するELVSS電圧レベルを調整することができる。
図11は、本開示の一実施形態に係る、図7の電子ディスプレイ18用の固定されたELVSS電圧レベルを使用する電流−電圧曲線110のグラフである。電流(例えば、IDiode)は画素65のダイオード(例えば、LED)に提供されてもよく、電圧(VData)は画素65のTFTのゲートに提供されてもよい。電流−電圧曲線110は、基準アレイ64を介して提供される1組の電流値及び電圧値に少なくとも部分的に基づいてもよい。更に、電流−電圧曲線110はまた、基準アレイ64を介して提供される1組の電流値及び電圧値の内挿及び/又は外挿を含んでもよい。電流−電圧曲線110は、各輝度設定の階調(G0〜G255)と関連付けることができる。例えば、電流−電圧曲線110の第1の部分112は、画素65の第1の輝度設定(例えば、50nit)に対する階調の範囲(例えば、最小階調1(G1)から最大階調255(G255))に対応してもよい。電流−電圧曲線110の第2の部分114は、画素65の第2の輝度設定(例えば、150nit)の階調の範囲に対応してもよい。
電流−電圧曲線110が、任意の輝度設定に対してキャプチャ又は実現されると、電流−電圧曲線110からデータを生成して関連するガンマ値を瞬時に更新することができる。従って、輝度設定の変化に対する電子ディスプレイの応答は、新しい電流−電圧関係又は曲線を再スキャンすることを回避することによって、実質的に改善され得る。
使用される内挿技術は、対数空間スプライン、線形スプライン、指数などの曲線として1組の電流値及び電圧値を表す任意の好適な技術であってもよい。画素電流は、大きい(例えば、6〜8)桁の範囲の大きさを含んでもよく、1組の電流値及び電圧値は、限定された数(例えば、5〜14)の電流値と電圧値対を含んでもよい。対数空間スプライン内挿は、いくつかの値対からのガンマ生成のための好適に有効な内挿技術の一例である。具体的には、対数空間スプライン内挿を使用すると、様々な温度にわたってかなり小さい誤差(例えば、0〜12%、8〜10%など)が生じる。例えば、内挿は、以下のように表すことができる。
等式1は、8〜10組の電流値及び電圧値対を内挿して、画素65の輝度設定にわたって各階調電圧(G1〜G255)を提供することを可能にし得る。
いくつかの実施形態では、第2の電源(例えば、画素65のTFTのドレインに結合されたELVDD電源)を調整して、電力節約を増加させることができる。ELVSS電源は、画素65の(LEDに)ダイオード電流を供給することができるが、画素65にバイアス電流を供給しない。しかしながら、ELVDD電源は、ダイオード電流及びバイアス電流の両方を画素65に供給してもよい。従って、(ELVDD電源によって提供される画素65への電流を減少させることができるように)画素65に可変ELVDD電圧レベルを供給して一定のELVSS電圧レベルを維持することにより、画素65を動作させる際の電力節約を可能にすることができる。
図12は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64を使用する電圧劣化を補償する方法130のフロー図である。方法130は、温度変化を判断し、ELVSS電圧レベルを設定し、電流値及び電圧値を判断し、電流−電圧曲線を生成し、1組のガンマタップ点を判断し、グレートラッキング補正を実行し得る、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法130は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法130の行程の少なくとも一部は、以下に記載されるように、基準アレイ制御回路89によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、アクティブアレイ62の制御回路、プロセッサコア複合体12などの方法130を実行することが意図されることを理解されたい。
基準アレイ制御回路89は、温度変化があるか否かを判断することができる(決定ブロック132)。温度変化は、周囲温度の変化の結果であってもよく、電子デバイス10などを動作させることができる。いくつかの実施形態では、基準アレイ制御回路89は、温度変化を閾値温度変化と比較することによって温度変化があると判断することができる。
温度変化がない場合、基準アレイ制御回路89は決定ブロック132に戻ることができる。温度変化がある場合、基準アレイ制御回路89は、ELVSS電圧レベルを設定又は判断することができる(プロセスブロック134)。具体的には、基準アレイ制御回路89は、目標電流が目標電圧を介して画素65に提供されるまで、一連の異なるELVSS電圧レベルを介して反復することができる。例えば、目標輝度設定(例えば、ピーク輝度設定、150nitなど)に対するピーク電流(例えば、G255のピーク階調に対応するI255)が目標電圧(例えば、V255)を使用して提供されるように、ELVSS電圧レベルは設定されてもよい。
基準アレイ制御回路89は、ELVSS電圧レベルに関連付けられた1組の電流値及び電圧値を判断することができる(プロセスブロック136)。具体的には、基準アレイ制御回路89は、画素65に提供された電圧(例えば、VData)に少なくとも部分的に基づいて、画素65のLEDに提供される複数の電流値(例えば、6〜14個)を測定することができる。
次いで、基準アレイ制御回路89は、1組の電流値及び電圧値に少なくとも部分的に基づいて、電流−電圧関係又は曲線110を生成してもよい(プロセスブロック138)。すなわち、基準アレイ制御回路89は、1組の電流値及び電圧値を使用して、電流−電圧関係又は曲線110を内挿及び/又は外挿することができる。いくつかの実施形態では、対数空間スプライン内挿技術を使用してもよい。
基準アレイ制御回路89は、画素65の1つ以上の輝度設定に対する電流−電圧関係又は曲線110の一部分を判断することができる。電流−電圧曲線110の一部分に少なくとも部分的に基づいて、基準アレイ制御回路89は、1組のガンマタップ点を判断してもよい(プロセスブロック140)。いくつかの実施形態では、1組のガンマタップ点は、それぞれの階調を生成するためにマップされ、使用されてもよい。
次いで、基準アレイ制御回路89は、システムオンチップ(SoC)及び/又はプロセッサコア複合体12などの集積回路を使用して、ガンマタップ点でグレートラッキング又はガンマ補正を実行してもよい(プロセスブロック142)。例えば、プロセッサコア複合体12の画像補正回路52は、ガンマタップ点でグレートラッキング又はガンマ補正を行ってもよい。
アクティブアレイ64は、ガンマタップ点に少なくとも部分的に基づいて画像データを表示することができる(プロセスブロック144)。具体的には、アクティブアレイ64は、ガンマタップ点によって提供又は定義されたような階調に対応するデータ電圧を使用して、画像データの階調を表示することができる。いくつかの実施形態では、アクティブアレイ制御回路85の電流ステップリミッタ回路72は、データ電圧を提供するために使用される電流補償値を制限することができる。具体的には、電流ステップリミッタ回路72を使用して、データ電圧を提供する電流補償値を視認性閾値未満に制限することができる。視認性閾値は、(電流補償値を適用する前にデータ電圧を使用して画像データの階調を表示することと比較して)データ電圧に適用されたときにディスプレイ18の観察者が知覚しない可能性がある電流値変化に対応し得る。このようにして、観察者は、適用された補償に気付かず、ディスプレイ18の全体的な観察体験を改善することができる。
次いで、別の温度変化がある場合、方法130を繰り返すことができる。このようにして、基準アレイ制御回路89は、電子ディスプレイ18内の電圧劣化を補償することができる。
図13は、本開示の一実施形態に係る、温度変化に応答して、ELVSS電圧レベル(例えば、VSS150)を設定するために使用される図7の基準アレイ64の構成要素のブロック図を示す。アナログデジタル変換器(ADC)152は、画素65のダイオード156(例えば、LED又はOLED)に提供されるアナログ電流(IDiode)154を感知又は受信し、アナログ電流(IDiode)154をデジタル信号158に変換することができる。
次いで、比較回路160は、デジタル電流信号158を基準電流(IRef)162と比較し、デジタル電流信号158と基準電流(IRef)162との差に関連付けられた差分信号164を生成する。基準電流(IRef)162は、例えば、ELVSS電圧レベルが(温度変化の前に)以前に設定された以前の温度において、目標輝度設定(例えば、150nit)で目標階調(例えば、G255のピーク階調)を生成するために使用される目標データ電圧に関連付けられた電流(例えば、I255)であってもよい。
ELVSS電圧レベル検索回路166は、差分信号164を受信し、目標データ電圧が印加されたときに目標輝度設定において基準電流162を生成するELVSS電圧レベル(従って、目標階調)を判断することができる。バイナリサーチ方法、ステップ検索方法などの任意の好適な検索方法を使用して、ELVSS電圧レベルを判断することができる。
ELVSS電圧レベル検索回路166は、デジタルアナログ変換器(DAC)170によって受信され得るデジタルELVSS電圧レベル信号168を生成することができる。DAC170は、デジタルELVSS電圧レベル信号168をアナログ形式に変換し、結果172をバッファ174に送信して、バッファリングされたアナログELVSS電圧レベル信号176を生成してもよい。バッファリングされたアナログELVSS電圧レベル信号176は、新しいソース電圧を提供するために、基準アレイ64の画素65及び/又はアクティブアレイ62の画素63に送信されてもよい。
図14は、本開示の一実施形態に係る、温度変化の結果生じる電流−電圧曲線を示すグラフである。第1の電流−電圧曲線190は、以前の温度に設定された第1のELVSS電圧レベル192に関連付けられる。第1の電流−電圧曲線190を使用して、(目標輝度設定で)G1〜G255の階調を生成することに対応する第1のVG1194〜第1のVG255196の第1のデータ電圧レベルを生成してもよい。階調G255を生成するために、第1のデータ電圧レベルVG255196を供給することは、電流レベルIG255197をダイオード156に提供することをもたらす。
温度変化後、第1の電流−電圧曲線190は第2の電流−電圧曲線198に移動し、一方、ELVSS電圧レベルは第1のELVSS電圧レベル192に留まる。第1の電流−電圧曲線190は、温度変化に起因して移動するため、データ電圧レベルはそれに応じて変化する。具体的には、第1のVG1194は第2のVG1'200に移動し、第1のVG255196は第2のVG255'202に移動する。
図15は、本開示の一実施形態に係る、目標データ電圧が印加されたときに、目標輝度設定における目標階調に関連付けられた目標電流(例えば、基準電流162)を生成するELVSS電圧レベルを判断する、図7の基準アレイ64のELVSS電圧レベル検索回路166を示すグラフである。第1のELVSS電圧レベル192は、以前の温度に設定され、温度の変化により目標電圧(例えば、VG255196)が供給されたときに目標電流(例えば、階調G255を生成することに関連するIG255198)をもはや生成しない電流−電圧曲線198を生成するために使用された。
検索方法は、第2の電流−電圧曲線206を生成するために使用され得る第2のELVSS電圧レベル204を判断することができる。しかしながら、図示のように、V255196の目標電圧が供給されると、結果として生じる電流は、階調G255の生成に関連付けられた目標電流IG255198ではない。探索方法は、第3の電流−電圧曲線210を生成するために使用され得る第3のELVSS電圧レベル208を判断することができる。第2のELVSS電圧レベル204と同様に、V255196の目標電圧が供給されると、第3のELVSS電圧レベル208に関連付けられた結果として生じる電流は目標電流IG255198ではない。検索方法はまた、第4の電流−電圧曲線214を生成するために使用され得る第4のELVSS電圧レベル(ELVSS')212を判断することができる。図示のように、V255196の目標電圧が供給されると、第4のELVSS電圧レベル212に関連付けられた結果として生じる電流は目標電流IG255198である。検索方法は、バイナリサーチ方法、ステップ検索方法などの、任意の好適な検索方法であってもよい。
図16は、本開示の一実施形態に係る、温度変化の前に以前のELVSS電圧レベル192から生成された以前の電流−電圧曲線190を、温度変化後にELVSS電圧レベル(ELVSS')212を設定することから生成された電流−電圧曲線214と比較するグラフである。図示のように、V255196の目標電圧が供給されると、温度変化の前に以前の電流−電圧曲線190に関連付けられた結果として生じる電流と、温度変化後に電流−電圧曲線214に関連付けられた結果として生じる電流とは、両方とも目標電流IG255198である。
図17は、本開示の一実施形態に係る、目標電圧(例えば、V255196)が供給されたときに、温度変化後に、図7の電子ディスプレイ18の画素65に目標電流(例えば、IG255198)を提供するELVSS電圧レベルを判断する方法220のフロー図である。方法220は、ダイオード電流及び目標ダイオード電流を供給するELVSS電圧レベルを判断し、かつELVSS電圧レベルを印加し得る、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法220は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法220の行程の少なくとも一部は、以下に記載されるように、基準アレイ制御回路89によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、アクティブアレイ62の制御回路、プロセッサコア複合体12などの方法220を実行することが意図されることを理解されたい。
基準アレイ制御回路89は、以前のELVSS電圧レベルを受信してもよい(プロセスブロック222)。以前のELVSS電圧レベルは、以前の温度に対する基準アレイ制御回路89によって設定されてもよい。
いくつかの実施形態では、基準アレイ制御回路89は、画素の温度特性に少なくとも部分的に基づいて検索範囲を推定することができる。すなわち、基準アレイ制御回路89は、画素65に関連付けられた温度を受信し、その温度に少なくとも部分的に基づいてELVSS電圧レベルが設定され得る電圧範囲を推定することができる。
次いで、基準アレイ制御回路89は、第1のダイオード電流(例えば、画素65に供給される電流)を判断又は感知することができる(プロセスブロック224)。具体的には、第1のダイオード電流は、目標電圧レベルをダイオード156に提供する結果であってもよい。目標電圧レベルは、以前の温度において目標電流レベルをダイオード156に提供することをもたらした、ダイオード156に供給された電圧であってもよい。いくつかの実施形態では、目標電圧レベル(例えば、V255)は、ダイオード156がピーク階調(例えば、G255)を放出ように、ピーク電流レベル(例えば、I255)を提供することをもたらしてもよい。
基準アレイ制御回路89は、第1のダイオード電流が目標ダイオード電流(例えば、Iref162)に等しいか否かを判断することができる(決定ブロック226)。比較回路160は、判断を実行してもよい。いくつかの実施形態では、ダイオード156がピーク階調(例えば、G255)を放出するように、目標ダイオード電流はピーク電流レベル(例えば、IG255)であってもよい。
そうでない場合、基準アレイ制御回路89は、目標ダイオード電流(例えば、Iref162)をダイオード156に供給するELVSS電圧レベル(例えば、図16に示すようなELVSS'212)を判断する(プロセスブロック228)。例えば、ピーク階調(例えば、G255)を放出するダイオード156に関連付けられた目標電圧レベル(例えば、V255)が印加されたときに、ELVSS電圧レベルは、ピーク電流レベル(例えば、I255)に等しい目標ダイオード電流を供給することができる。検索は、バイナリサーチ方法、ステップサーチ方法などを使用して、ELVSS電圧レベル検索回路166によって実行することができる。
基準アレイ制御回路89がプロセスブロック228においてELVSS電圧レベルを判断した後、又は第1のダイオード電流が決定ブロック226において目標ダイオード電流に等しい場合、基準アレイ制御回路89は、ELVSS電圧レベルを画素65に印加する(プロセスブロック230)。従って、目標ダイオード電流(例えば、ピーク電流レベルI255)は、ダイオード156に(例えば、目標電圧レベル(例えば、V255)を使用して)流されてもよく、その結果、ダイオード156はピーク階調(例えば、G255)を放出する。このようにして、温度変化後(例えば、目標電圧が供給されたとき)、電子ディスプレイ18の画素65に目標電流を提供するELVSS電圧レベルを判断することができる。
ELVSS電圧レベル(例えば、図16に示すようなELVSS'212)が判断されると、基準アレイ制御回路89は、1組の電流値及び電圧値を判断することができる。図18は、本開示の一実施形態に係る、1組の電流値及び電圧値を判断するために使用される図7の基準アレイ制御回路89の感知回路240の概略図である。感知回路240は、感知回路240がデータ電圧Vdata242を印加し、ELVSS電圧レベル246に対して画素65のダイオード156の両端で電流Idiode244を判断又は感知し得るように、印加電圧感知電流技術を実装するために使用されてもよい。感知回路240によって提供されるデータ電圧242は、感知電圧Vsense248と呼ばれることがあり、結果として生じる電流244は、感知された電流Isense250と呼ばれ得る。有利には、感知回路240は、1つの電流値及び電圧値対を判断するために単一の感知動作を実行してもよく、同じ技術は、オフ時間感知(例えば、電子デバイス10がオフであるか、又はアクティブに使用されていない間の感知)のために実行されてもよい。
感知電圧Vsense248は、感知電圧発生器252を使用して判断されてもよい。図19は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64を使用する感知動作の実行を示すグラフである。2つの感知動作間の温度変化は比較的小さい(例えば、約5℃以下)ため、以前の電流−電圧曲線260(例えば、温度変化前)と現在の電流−電圧曲線262(例えば、温度変化後)との間の湾曲の変化もまた、比較的小さい可能性がある。従って、感知電圧発生器252は、以前の電流−電圧曲線260から感知電圧(例えば、Vsense248)を導出してもよい。以前の電流−電圧曲線260の場合、感知電圧Vsense248は、目標電流Itarget262に対応した。基準アレイ制御回路89は、以前の電流−電圧曲線260から同じ感知電圧Vsense248を使用し、ダイオード156にわたる対応する電流(IDiode244)を判断及び/又は測定することができ、これは電流Isense250である。このようにして、基準アレイ制御回路89は、電流−電圧曲線262を内挿するために使用される1組の電流値及び電圧値を判断するために、感知動作を実行することができる。
図20は、本開示の一実施形態に係る、1組の電流値及び電圧値(例えば272)から内挿された電流−電圧曲線270の部分を、様々な輝度設定と関連付けることを示すグラフである。VG1274からVDBV1276への電流−電圧曲線270の第1の部分は、第1の輝度設定に対応し得る。VG1274は、第1の輝度設定で画素65に供給されると、階調1を放出する電圧レベルに対応し得る。VG1274は、異なる輝度設定(例えば、50nit〜150nit)にわたる、小さい範囲(例えば、約100ミリボルト)のばらつきを含んでもよいことに留意されたい。VG1274は、第1の輝度設定を使用して最低階調(G1)を生成する電圧に関連付けることができるが、VDBV1276は、第1の輝度設定を使用して最も高い階調(G255)を生成する電圧に関連付けることができる。一例として、第1の輝度設定は、50nitであってもよい。
VG1274からVDBV2278への電流−電圧曲線270の第2の部分は、第2の輝度設定に対応し得る。VG1274は、第2の輝度設定を使用して最低階調(G1)を生成する電圧に関連付けることができ、VDBV2278は、第2の輝度設定を使用して最も高い階調(G255)を生成する電圧に関連付けることができる。一例として、第2の輝度設定は、70nitであってもよい。
VG1274からVDBV3280への電流−電圧曲線270の第3の部分は、第3の輝度設定に対応し得る。VG1274は、第3の輝度設定を使用して最低階調(G1)を生成する電圧に関連付けることができ、VDBV3280は、第3の輝度設定を使用して最も高い階調(G255)を生成する電圧に関連付けることができる。一例として、第3の輝度設定は、90nitであってもよい。
VG1274からVDBV4282への電流−電圧曲線270の第4の部分は、第4の輝度設定に対応し得る。VG1274は、第4の輝度設定を使用して最低階調(G1)を生成する電圧に関連付けることができ、VDBV4282は、第4の輝度設定を使用して最も高い階調(G255)を生成する電圧に関連付けることができる。一例として、第4の輝度設定は、110nitであってもよい。
VG1274からVDBV5284への電流−電圧曲線270の第5の部分は、第5の輝度設定に対応し得る。VG1274は、第5の輝度設定を使用して最低階調(G1)を生成する電圧に関連付けることができ、VDBV5284は、第5の輝度設定を使用して最も高い階調(G255)を生成する電圧に関連付けることができる。一例として、第5の輝度設定は、130nitであってもよい。
VG1274からVDBV6286への電流−電圧曲線270の第6の部分は、第6の輝度設定に対応し得る。VG1274は、第6の輝度設定を使用して最低階調(G1)を生成する電圧に関連付けることができ、VDBV6286は、第6の輝度設定を使用して最も高い階調(G255)を生成する電圧に関連付けることができる。一例として、第6の輝度設定は、150nitであってもよい。
図21は、本開示の一実施形態に係る、様々な輝度設定に関連付けられた図20の電流−電圧曲線270の部分上のガンマタップ点を示すグラフである。第1の曲線300は、VG1274〜VDBV1276までのデータ電圧範囲にわたる図20の電流−電圧曲線270の第1の部分に対応してもよい。第1の曲線300は、第1の輝度設定(例えば、50nit)に対応してもよい。従って、階調1のガンマタップ点は、電圧VG1274を含み、階調255のガンマタップ点は、(第1の輝度設定に対して)電圧VDBV1276を含む。基準アレイ制御回路89は、第1の輝度設定に対する各階調について、第1の曲線300を使用して、ガンマタップ点を関連付けるか、又はマッピングすることができる。
例えば、第2のガンマタップ点302は、第2の階調(例えば、G8)に関連付けられ、第2の対応する電圧304を含んでもよい。第3のガンマタップ点306は、第3の階調(例えば、G18)に関連付けられ、第3の対応する電圧308を含んでもよい。第4のガンマタップ点310は、第4の階調(例えば、G188)に関連付けられ、第4の対応する電圧312を含んでもよい。第5のガンマタップ点314は、第4の階調(例えば、G231)に関連付けられ、第5の対応する電圧316を含んでもよい。
基準アレイ制御回路89は、他の輝度設定のために、図20の電流−電圧曲線270の他の部分を使用して、ガンマタップ点を同様に関連付けるか、又はマッピングすることができる。第2の曲線318は、VG1274〜VDBV6286までのデータ電圧範囲にわたる図20の電流−電圧曲線270の第6の部分に対応してもよい。第2の曲線318は、第2の輝度設定(例えば、150nit)に対応してもよい。従って、階調1のガンマタップ点は、電圧VG1274を含み、階調255のガンマタップ点は、(第2の輝度設定に対して)電圧VDBV6286を含む。例えば、第2のガンマタップ点320は、第2の階調(例えば、G8)に関連付けられ、第2の対応する電圧322を含んでもよい。第3のガンマタップ点324は、第3の階調(例えば、G18)に関連付けられ、第3の対応する電圧326を含んでもよい。第4のガンマタップ点328は、第4の階調(例えば、G188)に関連付けられ、第4の対応する電圧330を含んでもよい。第5のガンマタップ点332は、第4の階調(例えば、G231)に関連付けられ、第5の対応する電圧334を含んでもよい。このようにして、基準アレイ制御回路89は、画素65の輝度設定毎にデータ電圧と階調との間にガンマタップ点を生成することができる。VG1274は、異なる輝度設定(例えば、50nit〜150nit)にわたる、小さい範囲(例えば、約100ミリボルト)のばらつきを含んでもよいことに留意されたい。
図22は、本開示の一実施形態に係る、図21のガンマタップ点に対してグレートラッキング又はガンマ補正を実行するための方法350のフロー図である。方法350は、階調を電圧値に変換し、逆もまた同様であってもよく、内挿された電圧レベルを階調にマッピングし、電圧劣化を補償し、ディザを階調に適用することができる任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法350は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法350の行程の少なくとも一部は、基準アレイ制御回路89又は基準アレイ64のシステムオンチップ(SoC)によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、アクティブアレイ62の制御回路、プロセッサコア複合体12などの方法350を実行することが意図されることを理解されたい。
基準アレイ制御回路89は、1組のガンマタップ点を受信又は判断することができる(プロセスブロック352)。1組のガンマタップ点は、データ電圧値を階調にマッピングすることができる。例えば、1組のガンマタップ点は、図20の電流−電圧曲線270によって図21で特定されたものであってもよい。1組のガンマタップ点は、1つ以上の輝度設定に対するガンマタップ点を含んでもよい。
次いで、基準アレイ制御回路89は、1組のガンマタップ点の1組の階調を、第1の1組の電圧値に変換することができる(プロセスブロック354)。具体的には、基準アレイ制御回路89は、階調に対応するデータ電圧値を受信、判断、及び/又は記憶することができる。255個の階調(G1〜G255)が存在するため、基準アレイ制御回路89は、255個のデータ電圧値を受信、判断、及び/又は記憶し得る。同じ組の階調は、ガンマタップ点として各輝度設定のために選択されてもよい。
具体的には、基準アレイ64のシステムオンチップ(SoC)は、例えばガンマDACの代わりにこの工程を実行してもよく、これは、より大きい内挿エラーを有し得る。これは、ガンマDACが、区分的線形ガンマレベルを電圧レベル変換に実行し得るのに対し、SoCは、記憶された電流−電圧曲線(例えば、270)のためにより正確な電圧レベルを計算することができるためである。例えば、図23は、本開示の一実施形態に係る、SoC360及びガンマDAC362を使用してガンマレベル(例えば、階調)を電圧レベル変換と比較するグラフである。グラフは、2つのタップ点364、366を含み、曲線368は2つのタップ点364、366を接続する。曲線368は、図20の電流−電圧曲線270の一部分であってよく、SoC360に記憶されていてもよい。ガンマDAC362は、2つのタップ点364、366を接続する内挿された線370を生成してもよい。階調Gn374を有するガンマタップ点372については、ガンマDAC362は、「真」の電圧Vn378の代わりに、内挿された線370に少なくとも部分的に基づいて、内挿されたデータ電圧Vn,interp376を記憶してもよい。代わりに、より正確なガンマタップ点を生成するために、SoCは、真の電圧Vn378により近い内挿された線370上の電圧を、階調Gn374にマッピングしてもよい。例えば、SoCは、(内挿された線370上のGm382の別の階調に対応する)内挿されたデータ電圧Vm,interp380を、Vm,interp380がVn,interp376よりも真の電圧Vn378に近いため、階調Gn374にマッピングしてもよい。
従って、1組の階調のそれぞれの階調の各々について、基準アレイ制御回路89は、それぞれの階調に関連付けられた線形に内挿された電圧レベルよりも、電流−電圧曲線(SoC360に記憶されている)によって提供されるそれぞれの階調の電圧レベルに近い1組の階調の別の階調に関連付けられた(ガンマDAC362によって内挿されるような)線形に内挿された電圧レベルがあるか否かを判断してもよい(決定ブロック390)。電流−電圧曲線は、様々な輝度設定(例えば、線形内挿よりも高い精度で)で、1組の電流値及び電圧値から内挿されてもよい。
そうである場合、基準アレイ制御回路89は、他の階調に関連付けられた線形に内挿された電圧レベルをそれぞれの階調にマッピングして、第2の組の電圧値を生成することができる(プロセスブロック392)。そうでない場合、基準アレイ制御回路89は、それぞれの階調に関連付けられた線形に内挿された電圧レベルをそれぞれの階調にマッピングして、第2の組の電圧値を生成することができる(プロセスブロック394)。
基準アレイ制御回路89は、第2の組の電圧値における電圧劣化を補償することができる(プロセスブロック396)。様々な画素、ワイヤ、接続、相互接続、バス、回路構成要素などにおける電圧は、通常動作により経時的にばらつく(例えば、増加又は減少)可能性がある。例えば、電圧劣化は、アクティブアレイ62における通常使用による経時的な構成要素の劣化に起因し得る。任意の好適な電圧補償技術を使用して、第2の組の電圧値における電圧劣化を補償することができる。
基準アレイ制御回路89は、第2の組の電圧値を1組の階調に変換してもよい(プロセスブロック398)。基準アレイ制御回路89が、別の階調に関連付けられた線形に内挿された電圧レベルを(プロセスブロック392から)それぞれの階調にマッピングした場合、それぞれの階調を出力することにより、他の階調を出力することができる。すなわち、(内挿された線370上の別の階調Gm382に対応する)内挿されたデータ電圧Vm,interp380が、階調Gn374にマッピングされた場合、Gn374を出力することにより、Gm382を出力することができる。
次いで、基準アレイ制御回路89は、1組の階調にディザを適用して(プロセスブロック400)、グレートラッキング又はガンマエラーを更に低減することができる。ディザは、任意の量子化エラーをランダム化するために1組の階調に適用されるノイズであってもよく、従って、画像内の色バンディングなどの望ましくないパターンであってもよい。4ビットのディザリングなど、任意の好適な形態のディザリングが適用されてもよい。基準アレイ制御回路89は、得られた1組の階調をガンマDAC362にプログラムすることができる。ガンマDAC362は、画素65の輝度設定が変化するときに、(350の方法を繰り返すことによって)新しい1組の階調でプログラムされてもよい。このようにして、基準アレイ制御回路89は、図21のガンマタップ点に対してグレートラッキング又はガンマ補正を実行してもよい。
画素65のダイオード(例えば、156)の上の電流を正確に感知するために、基準アレイ制御回路89は、画素65の横漏洩電流及び/又はバイアス電流を減少及び/又は打ち消すことができる。図24は、本開示の一実施形態に係る、横漏洩及び/又はバイアス電流を減少させる特徴部を示す図7の基準アレイ64の図である。図示されるように、基準アレイ64は、それぞれが色(例えば、赤色、緑色、又は青色)に関連付けられたサブ画素412を有し得る画素65の12列400を含む。いくつかの実施形態では、色感知のために、列400の対が使用されてもよい。例えば、第1の対の列400を使用して赤色を感知することができ、第2の対の列400を使用して緑色を感知することができ、第3の対の列400を使用して青色を感知することができる。代替又は追加の実施形態では、基準アレイ64内の任意の好適な数の列400及び画素65が意図される。基準アレイ制御回路89は、以下に説明する技術を使用して、画素65間の横漏洩電流(例えば、414)及び/又はバイアス電流(例えば、416)を減少させることができる。図25は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64の画素65の回路図である。横漏洩電流Ilk414は、画素65が動作中(例えば、発光中)であるときに、他の画素65に漏洩し得る電流を指す。同様に、バイアス電流Ibias、In,bias416は、他の画素65のバイアス電流に少なくとも部分的に基づいて画素65から排流し得る電流を指す。従って、電流(例えば、Isense250)を感知するとき、横漏洩電流Ilk414及び/又はバイアス電流Ibias、In,bias416が存在する場合、Isense250は、ダイオード156(IDiode154)上の電流に等しくない場合がある。従って、Isense250を使用してダイオード156上の電流を感知することは正確ではない場合がある。
図24に戻って参照すると、演算増幅器420、コンデンサ422、及びコモンモードフィードバック回路424を含むことができる差動感知回路418を使用して、画素列410間のノイズ及び/又は干渉を減少させ、ダイナミックレンジを増大させることができる。基準アレイ64は、画素65の1つ以上の列410の間に差動感知回路418を含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、一対の画素列410は、画素65の各色に対する差動感知用の基準(例えば、電源(例えばVDD)からの各極性(正、負)に対して1つ)として使用することができる。代替又は追加の実施形態では、相関二重サンプリング及び/又はチョッパを使用して、漏洩電流、不整合、及び/又はオフセットを減少させることができる。
図26は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64の画素内の電流をより正確に感知する第1の技術を示す回路図である。ELVSS電源は、VSSEL434の電源電圧を基準アレイ64の2つの画素430、432に供給することができる。図示のように、ELVSS電源は、まず、2つの画素430、432に動作電源電圧436(例えば、約−1.6V(ボルト))を提供してもよい。動作電源電圧436を提供することにより、動作漏洩電流Ilk438と、動作バイアス電流Ibias440と、第1の画素430のダイオード444にわたる動作ダイオード電流Idiode442とをもたらすことができる。従って、電流(例えば、Isense446)を感知することにより、3つの電流の合計電流(例えば、Isense=Ilk+Ibias+Idiode)をもたらし得る。
次いで、ELVSS電源は2つの画素430、432へ上昇した電圧448(例えば、約3V)を提供し、これは2つの画素430、432のダイオード(例えば、LED)444、450の両端に電流が流れるのを停止し、漏洩電流I* lk452及びバイアス電流I* bias452をもたらしてもよい。従って、電流(例えば、I* sense456)を感知することにより、2つの電流の合計電流(I* sense=I* lk+I* bias)をもたらし得る。このようにして、Isense446からI* sense456を減算することにより、Idiodeのより正確な値をもたらし得る(例えばIdiode=Isense−I* sense)。図26の第1の技術は、画素430、432内の感知又はサンプリング時間を二重にすることができることに留意されたい。
図27は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64の画素内の電流をより正確に感知する第2の技術を示す回路図である。第2の技術は、画素に流れる電流が、画素から流出する電流に等しいことが分かる利点を有する。従って、画素472のダイオード470は、そのダイオード470にわたる電流がゼロになるように、低(例えば、0V)データ電圧474をダイオード470に提供することによって強制的にオフにすることができる。次いで、基準アレイ制御回路89は、ドレイン電源(ELVDD)によって隣接する画素480及び画素472にそれぞれ提供される電流IVDD1476及びIVDD2478を感知することができる。基準アレイ制御回路89はまた、隣接する画素480及び画素472のバイアス電流IBias1482及びIBias2484をそれぞれ感知してもよい。画素に流れ込む電流は、画素から流出する電流と等しくてもよく、ダイオード470にわたる電流はゼロであるため、隣接する画素480のダイオード486にわたる電流IDiode486は、2つの画素480、472に流入する電流の合計と、2つの画素480、472から流出する電流の合計の差を判断することによって、より正確に判断することができる可能性がある(例えば、IDiode=(IVDD1+IVDD2)−(IBias1+IBias2)。
図28は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64の画素内の電流をより正確に感知する第3の技術を示す回路図である。図示のように、画素502の(赤色、緑色、青色に対応する)各サブ画素500は、ソース電圧供給(VSS)を画素502に供給するELVSSポート504に結合されてもよい。各画素502にわたる電流IPixel506は、ELVSSポート504から直接測定され得る。各ELVSSポート504は、カソード508に結合されてもよい。一対のカソード508は、演算増幅器510及びコンデンサ512に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ELVSSポート504は差動感知回路418に結合されてもよい。このようにして、基準アレイ制御回路89は、各画素にわたって電流をより正確に感知することができる。
図29は、本開示の一実施形態に係る、図7の基準アレイ64を較正する方法520のフロー図である。方法520は、階調に関連するピーク電流及びデータ電圧を判断し得る任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法520は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法520の行程の少なくとも一部は、以下に記載されるように、基準アレイ制御回路89によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、アクティブアレイ62の制御回路、プロセッサコア複合体12などの方法520を実行することが意図されることを理解されたい。
基準アレイ制御回路89は、1つ以上の画素の輝度設定を選択することができる(プロセスブロック522)。例えば、基準アレイ制御回路89は、1つ以上の画素の最大輝度設定(例えば、150nit、750nitなど)を選択してもよい。
次いで、基準アレイ制御回路89は、1つ以上の画素のピーク電流を判断することができる(プロセスブロック524)。具体的には、ピーク電流は、1つ以上の画素に提供される電流に関連付けることができ、これは255の階調を表示又は放出することをもたらす。いくつかの実施形態では、基準アレイ制御回路89は、ピーク電流を推定し、1つ以上の画素に対して光学測定を実行して、G255が特定の閾値内で1つ以上の画素によって放出されているか否かを判断することができる。そうでない場合、基準アレイ制御回路89は、G255が1つ以上の画素によって放出されるまで、推定ピーク電流を調整することができる。
基準アレイ制御回路89は、ピーク電流に少なくとも部分的に基づいて、各輝度設定に対する1組の階調に関連付けられた1組のデータ電圧を判断することができる(プロセスブロック526)。具体的には、各輝度設定の各階調(G1〜G255)について、基準アレイ制御回路89は、輝度設定で階調を放出するデータ電圧を推定し、1つ以上の画素に対して光学測定を実行して、階調が特定の閾値内で1つ以上の画素によって放出されているか否かを判断することができる。基準アレイ制御回路89は、基準アレイ64によって判断及び/又は記憶された電流−電圧曲線、及びピーク電流に少なくとも部分的に基づいて、データ電圧を推定することができる。具体的には、基準アレイ制御回路89は、ピーク電流に少なくとも部分的に基づいて、各輝度設定に関連付けられた電流−電圧曲線の一部分を判断することができる。階調が特定の閾値内の1つ以上の画素によって放出されていない場合、基準アレイ制御回路89は、階調が1つ以上の画素によって放出されるまで、推定データ電圧を調整することができる。このようにして、基準アレイ64は、より良好な性能のために較正され得る。
図30は、本開示の一実施形態に係る、基準アレイ64の動作を示すタイミング図である。図示のように、輝度設定540(例えば、ディスプレイ輝度値(DBV))が(例えば、DBV1からDBV2へ、DBV3へ、DBV4へ)変化するとき、ELVSS電圧値542(例えば、ELVSS0)は一定のままである。更に、基準アレイ64の輝度設定540の変更に対応するガンマレベル又は階調544を計算することは、時間の1フレーム546のレイテンシを含むことができる。ガンマレベル544が計算されると、アクティブアレイ62は、(548に示すように)ガンマレベル544を使用して、画像データを表示及び/又は放出することができる。
更に、電子ディスプレイ18の温度550が特定の閾値552に達すると、基準アレイ制御回路89は、感知動作554の後に、ELVSS電圧値542(例えば、ELVSS1)を変更してもよい。基準アレイ64及びアクティブアレイ62のELVSS電圧供給部が分離されているため、アクティブアレイ62の放出に影響を及ぼすことなく、基準アレイ64に対するELVSS電源を調整することができる。アクティブアレイ62は、そのガンマレベル548を(例えば、ELVSS1に関連付けられたガンマレベルに)更新することを、ELVSS電源542を更新する基準アレイ制御回路89と同期させることができる。同様に、アクティブアレイ62は、そのELVSS電源レベルを更新することを、そのELVSS電源542を更新する基準アレイ制御回路89と同期させることができる。
アクティブアレイにおける電流−電圧感知
画素は、画素のダイオード(例えば、LED)に供給される電流の量に少なくとも部分的に基づいて、ある程度の光、ガンマ、又は階調を放出する。電圧駆動画素については、(例えば、電流−電圧関係又は曲線によって表されるように)目標電圧を画素に印加して目標電流をダイオードに流し、目標ガンマ値を放出してもよい。ばらつき(例えば、温度、画素の経年劣化などによる)は、例えば、目標電圧を印加するとダイオードに流れる、結果として生じる電流を変化させることによって、画素に影響を及ぼし得る。これらのばらつきは、画素の劣化の結果であってもよく、ディスプレイの複数の画素に影響を及ぼす可能性があり、その結果、画素間の不均一性は、適切な補償を伴わず視覚上のアーチファクトをもたらし得る。
ダイオードにわたる電流を正確に感知することは、ばらつきが画素に影響を及ぼす場合、より正確に識別することができる。図31は、本開示の一実施形態に係る、電流−電圧感知を実行するシステム570のブロック図である。システム570は、基準アレイ64及びアクティブアレイ62を有するディスプレイ18を含む。アクティブアレイ62は、デジタルアナログ変換器572、1つ以上の画素574、並びに感知及び/又は予測回路576を含んでもよい。感知及び/又は予測回路576は、電流−電圧関係又は曲線における偏移を感知又は予測することができる。本開示の残りの部分は、電流−電圧関係又は曲線を感知するための感知回路576を使用して論じている。しかしながら、感知データ収集に少なくとも部分的に基づいて予測ベースの追跡を実行する予測回路が意図されることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、感知回路576は、アクティブアレイ62の1つ以上の画素574に対して周期的に(例えば、約2週間毎に)感知動作を実行してもよい。追加又は代替の実施形態では、感知動作は、「オフ時間」の間に実行されてもよい(例えば、電子デバイス10がアクティブな使用ではない場合、電源が入っているがアクティブな使用ではない場合、不活性に関連付けられた特定の時間の間など)。基準アレイ64はまた、デジタルアナログ変換器577、1つ以上の画素578、並びに感知及び/又は予測回路579を含んでもよい。
感知動作が実行された後、タイミングコントローラ581のバッファ580は、感知動作の結果(例えば、電流−電圧特性、値、測定など)を好適な期間(例えば、約2週間毎に)記憶してもよい。タイミングコントローラ581は、プロセッサコア複合体12、ディスプレイ18又は電子デバイス10の構成要素であってもよい。次いで、感知動作の結果は、プロセッサコア複合体12(例えば、システムオンチップ)のルックアップテーブル582に送信及び記憶され得る。ルックアップテーブル582はまた、基準アレイ64の1つ以上の画素578の電流−電圧特性、値、測定などを記憶してもよい(例えば、基準アレイ64の感知回路579から受信される)。電圧比較回路584は、アクティブアレイ62の1つ以上の画素574に対して、(ルックアップテーブル582に記憶された感知動作の以前の結果及び基準アレイ64の画素の電流−電圧特性に少なくとも部分的に基づいて)補正する電圧の量を判断してもよい。次いで、電流−電圧補償回路586は、補正する電圧の量に少なくとも部分的に基づいて(例えば、1つ以上の画素574に対する)電流−電圧曲線を生成し、電流−電圧曲線に少なくとも部分的に基づいて、デジタルアナログ変換器572を介してそれぞれの画素574を駆動することができる。図31の矢印は、システム570における感知及び補償目的のための電流及び電圧データフローを示す電流−電圧感知及び補償パイプライン588を示す。
図32は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素(例えば、574)の電流−電圧曲線590のグラフである。電流−電圧曲線590は、ディスプレイ18又は画素574をN時間動作させた後、特定の時間TNで生成されてもよい。感知回路576は、TNにおいて2つ(又はそれ以上)の電流−電圧値592、594を判断又は感知してもよく、電圧比較回路584は、2つの電流−電圧値を内挿して電流−電圧曲線590を生成してもよい。基準電流−電圧曲線596はまた、ディスプレイ18の基準アレイの制御回路によって生成されてもよい。基準電流−電圧曲線596は、基準アレイがディスプレイ18のアクティブアレイよりも低頻度で動作するか、又は最小化されてもよい(例えば、従って、より少ない経年劣化を受ける)が、アクティブアレイと類似の温度で動作するという点で、電流−電圧曲線590の「初期状態」バージョンを表すことができる。
図示のように、ΔV1598は、画素574のダイオードにおいて目標電流I1602を生成するために、電流−電圧曲線590及び基準電流−電圧曲線596に従うデータ電圧の差を示す。同様に、ΔV2600は、ダイオードにおいて目標電流I2604を生成するために、電流−電圧曲線590及び基準電流−電圧曲線596に従うデータ電圧の差を示す。
図33は、本開示の一実施形態に係る、異なる時間T0〜TNにおける図7のディスプレイ18の図である。ディスプレイは、画像データを表示するようにプログラムされ得るアクティブアレイ62と、アクティブアレイ62の初期状態の複製であってもよい基準アレイ64とを含む。異なる時間T0〜TNにおいて、基準アレイ64の制御及び/又は感知回路は、(例えば、電流I1〜I8に関連付けられた)1組624の電流−電圧値(例えば、8対)を感知してもよく、これは例えば、ルックアップテーブル582に記憶されるようにプロセッサコア複合体12に送信され得る。同時に、アクティブアレイ62の感知回路576は、アクティブアレイ62の各画素(I、J)628に対して1組626(例えば、2対)の電流−電圧値を感知することができ、これは例えば、ルックアップテーブル582に記憶されるようにプロセッサコア複合体12に送信され得る。アクティブアレイ62の感知回路576によって感知された1組の電流−電圧値626は、I1、I2及び/又はVData1、VData2に関連付けられてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、1組の電流−電圧値626は、(基準アレイ64の感知回路によって感知された1組の電流−電圧値の)I1及びI2と、アクティブアレイ62の各画素(I、J)628においてI1及びI2を生成するデータ電圧とを含んでもよい。代替又は追加の実施形態では、1組の電流−電圧値626は、(基準アレイ64内にI1及びI2を生成する)VData1及びVData2と、アクティブアレイ62の各画素(I、J)628においてVData1及びVData2によって生成される結果として生じる電流とを含んでもよい。
プロセッサコア複合体12の電圧比較回路584は、アクティブアレイの各画素I、J628のそれぞれの電流−電圧曲線590を生成し、基準電流−電圧曲線596を生成し、それぞれの電流−電圧曲線590を基準電流−電圧曲線596と比較する630ことができる。次いで、電圧比較回路584は、各画素628に対して、それぞれの電流−電圧曲線590と基準電流−電圧曲線596との間の電圧差632を判断して補正してもよい。次いで、電流−電圧補償回路586は、電圧差632に少なくとも部分的に基づいて各画素628に対する補償電流−電圧曲線を生成し、デジタルアナログ変換器572を介してそれぞれの画素628を駆動することができる。
図34は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18用の電流及び電圧感知システム640の概略図である。システム640は、感知及び補償パイプライン588を含み、これは(例えば、電流値及び電圧値及び/又は電流−電圧曲線に少なくとも部分的に基づいて)基準アレイ64のガンマ及び/又は階調情報642を感知、判断、及び/又は受信し得る。感知及び補償パイプライン588はまた、感知アナログフロントエンド(AFE)650を介して、電源(例えば、ELVDD)ルーティング648からのアクティブアレイ62の各画素(例えば、644、646)の電流値及び電圧値を感知、判断、及び/又は受信してもよい。図示のように、ELVDDルーティング648は、アクティブアレイ62が通常動作にある(例えば、画像データを表示する)ときに、各画素644、646のVDD供給線652をELVDD電源654に結合することができる。アクティブアレイ62が感知動作を実行しているとき、感知AFE650のスイッチ656は、各画素644、646のVDD供給線652を感知AFE650に結合することができる。
各画素(例えば、644、646)のガンマ情報642並びに電流値及び電圧値の感知が実行された後、電圧比較回路584は、ガンマ情報642並びに電流値及び電圧値に少なくとも部分的に基づいて電圧差を生成することができる。次いで、電流−電圧補償回路586は、1つ以上の列ドライバ666によって各画素に印加され得る電圧差を補償するために、1組のデータ電圧664を生成し得る。
加えて、温度及び/又は輝度変化により、グローバルELVSS電源668の調整、続いてガンマ点感知が可能になってもよい。図示されるように、電流及び電圧感知システム640は、画素658などの異なる種類の画素に適用されてもよい。図示した電流及び電圧感知システム640は、電流値及び電圧値を感知するためにELVDD電源を使用するが、任意の好適な代替又は追加の電源(例えば、ELVSS662)を使用することが意図されることに留意されたい。
ダイオード670(例えば、LED、OLEDなど)にわたる電流を、アクティブアレイ62の画素644、646及び/又は基準アレイ64の画素において感知するとき、データ保持が一貫していない場合がある。具体的には、画素644、646をプログラムすると、電流がデータ電圧提供ゲート又は金属酸化物半導体672から漏洩する場合があり、これは、次いで、蓄積コンデンサ674内の電圧漏洩又は降下を引き起こす場合がある。これは、(例えば、基準アレイ64のダイオードにわたる電流を感知し、アクティブアレイ64の画素644、646のダイオード670にわたる電流を感知し、アクティブアレイ64の画素644、646のダイオード670を使用して画像データを表示するときに)画素644、646の動作中にダイオード670にわたる電流の異なる量又は平均を生じさせ、一貫しないデータ保持をもたらす場合があり、従って、画素644、646の正確な電流感知(例えば、ダイオード670にわたる)に影響を及ぼす可能性がある。
更に、(例えば、アクティブアレイ62及び/又は基準アレイ64内の)画素が極めて近接しているため、画素内(又は画素のダイオードの両端)の電流を感知又は判断しようとすることは、1つの画素から別の画素へ漏洩する電流(例えば、横漏洩電流)を感知又は受信することを含む場合がある。更に、バイアス電流はまた、画素内の電流を感知又は判断する際のエラー源である場合がある。
1 データ保持を維持する
データ保持を維持するために、基準アレイ64の各画素のデータ電圧提供ゲート又は金属酸化物半導体は、感知動作を実行しながらデータ電圧を提供することができる。同様に、アクティブアレイ62の各画素のデータ電圧提供ゲート又は金属酸化物半導体(例えば、672)は、感知動作を実行しながらデータ電圧を提供することができる。それぞれのアレイの画素内の平均電流は、類似していてもよい。それぞれのアレイの画素内の平均電流間の差を判断し、アクティブアレイ62の通常動作(例えば、画像データの表示)に適用されてもよい。具体的には、それぞれのアレイの画素内の平均電流間の差は、(例えば、製造業者によって、ディスプレイ18を製造する工場においてなど)光学較正によってキャプチャされてもよい。光学較正は、(例えば、アクティブアレイ62の)画素を常に駆動することと、サンプリング及び保持(例えば、2ミリ秒などの目標時間で駆動し、画素から電流が漏洩することを可能にすること)によって画素を駆動することとの間の差をキャプチャすることができる。
図35は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素内の電流をより正確に感知するためにデータ保持を緩和するための1組のタイミング図である。第1のタイミング図680は、基準アレイ64の画素のゲートにおいて、データ電圧を約300マイクロ秒にわたって直接駆動(例えば、維持)し、従って、画素のダイオードの両端に第1の電流682を提供することを示す。第2のタイミング図684は、アクティブアレイ62の画素のゲートにおいて、(例えば、感知動作を実行しながら)データ電圧を約1〜2ミリ秒にわたって直接駆動する(例えば、維持する)ことを示し、従って、画素のダイオードの両端で第1の電流682を提供することを示す。第3のタイミング図686は、アクティブアレイ62の画素のゲートにおいて、(例えば、通常の表示動作を実行しながら)データ電圧を約2ミリ秒にわたってサンプリング及び保持し、画素から電流を漏洩させ、従って、画素のダイオードの両端で第2の平均電流688を提供することを示す。
図36は、本開示の一実施形態に係る、補償が実行される前の、図7のディスプレイ18の画素内の電流をより正確に感知するためのデータ保持の緩和を示すグラフである。第1の電流−電圧曲線702は、ディスプレイ18の動作の初期時間T0において、基準アレイ64の画素のゲートにおいてデータ電圧VDataを直接駆動することを示す。具体的には、第1の電流−電圧曲線702は、第1のデータ電圧706において目標電流Itarget704を提供することを示す。第2の電流−電圧曲線708は、アクティブアレイ62の画素のゲートにおいて、(例えば、通常の表示動作を実行しながら)データ電圧をサンプリング及び保持することを示す。第2の電流−電圧曲線708は、光学較正712の前に、第1のデータ電圧706において目標電流Itarget704未満の電流710を提供し、光学較正712の後に、第2のデータ電圧714において目標電流Itarget704を提供することを示す。
図37は、本開示の一実施形態に係る、補償が実行された後の、図7のディスプレイ18の画素内の電流をより正確に感知するためのデータ保持の緩和を示すグラフである。第1の電流−電圧曲線702は、ディスプレイ18の動作の初期時間T0において、基準アレイ64の画素のゲートにおいてデータ電圧VDataを直接駆動することを示す。具体的には、第1の電流−電圧曲線702は、第1のデータ電圧706において目標電流Itarget704を提供することを示す。第2の電流−電圧曲線722は、電流及び電圧のオフ時間感知中に、アクティブアレイ62の画素のゲートにおいて、データ電圧VDataを直接駆動することを示す。第2の電流−電圧曲線722は、第1のデータ電圧706において目標電流Itarget704未満の電流724、及び較正712後の第1の電流−電圧曲線702と第2の電流−電圧曲線722との間の補償データ電圧726の差を提供することを示す。第3の電流−電圧曲線728は、補償及び較正後に、アクティブアレイ62の画素のゲートにおいて、(例えば、通常の表示動作を実行しながら)データ電圧をサンプリング及び保持することを示す。すなわち、第3の電流−電圧曲線728は、アクティブアレイ62の画素を常に駆動することと、サンプリング及び保持によって画素を駆動することとの間の差をキャプチャすることによって較正することに加えて、電流−電圧特性を感知し、電圧劣化を補償することに少なくとも部分的に基づいて生成される。結果として、第3の電流−電圧曲線728は、第2のデータ電圧730において、目標電流Itarget704を提供することを示す。
2 横漏洩及び/又はバイアス電流を緩和する
(例えば、アクティブアレイ62及び/又は基準アレイ64内の)画素及びサブ画素が極めて近接しているため、画素及びサブ画素内(又は画素及びサブ画素のダイオードの両端)の電流を感知又は判断しようとすることは、1つの画素及びサブ画素から別の画素へ漏洩する電流(例えば、横漏洩電流)を感知又は受信することを含む場合がある。図38は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素740の図である。画素740は、アクティブアレイ62又は基準アレイ64のいずれかに含まれ得る。画素740は、赤色サブ画素742、緑色サブ画素744、青色サブ画素746などのサブ画素を含み得る。本開示における画素(例えば、740)への言及は、サブ画素(例えば、742、744、746)に等しく適用することができ、逆もまた同様であることに留意されたい。
画素又はサブ画素内の電流を感知するとき、周囲の画素又はサブ画素を電源オフにするか、又はゼロにプログラムすることができる。例えば、赤色サブ画素742内の電流を感知する場合、周囲のサブ画素744、746を電源オフにすることができる。赤色サブ画素742からの横漏洩電流が緩和又は低減されない場合、赤色サブ画素742のアノードと周囲のサブ画素744、746のアノードとの間に電圧差が生じ得る。赤色サブ画素742と周囲のサブ画素744、746との間に有限のインピーダンスが存在し得るため、赤色サブ画素742のアノード及び周囲のサブ画素744、746のアノードからの漏洩電流が存在し得る。電流は、「上」側748から(例えば、サブ画素742のTFTのドレインに結合されたELVDD電源などの、上部の電源から)感知され得るため、結果として生じる感知された電流は、サブ画素742のダイオードにわたる電流だけでなく、漏洩電流も含む場合がある。
図39は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18のサブ画素742から隣接するサブ画素(例えば、744)への漏洩電流を緩和する第1の技術を示す回路図である。隣接するサブ画素(例えば、744)をオフ又はゼロにプログラムする代わりに、デジタルアナログ変換器572は、隣接するサブ画素のアノード760の電圧(例えば、Vanode,adj)が、サブ画素742のアノード762の電圧(例えば、Vanode)とほぼ一致し得るように、隣接するサブ画素を駆動することができる。いくつかの実施形態では、デジタルアナログ変換器572は、隣接するサブ画素のアノード760の電圧(例えば、Vanode,adj)が、サブ画素742のアノード762の結果として生じる電圧(例えば、Vanode)とほぼ一致し得るように、隣接するサブ画素内の電流を駆動することができる。これにより、サブ画素742と隣接するサブ画素744との間に同じ電位を有し、サブ画素742から隣接するサブ画素744への電流漏洩764の減少、最小化、及び/又は緩和をもたらし得る。いくつかの実施形態では、隣接するサブ画素のアノード760のVanode、adjの電圧又は電流を制御するために、画素又はサブ画素の各列は、(例えば、ELVDD電源748に結合された)専用の電源線766を含むことができる。
図40は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18のサブ画素742から隣接するサブ画素(例えば、744)に流れる漏洩電流及びバイアス電流を説明する第2の技術を示す回路図である。第2の技術は、図26の基準アレイ64の画素に関して記載された技術と類似している。図示されるように、0V781のデータ電圧は、隣接するサブ画素744に印加されてもよく、一方、VData782のデータ電圧がサブ画素742に印加されてもよい。ELVSS電源780は、まず、2つのサブ画素742、744に動作電源電圧783(例えば、約−1.6V(ボルト))を供給してもよい。動作電源電圧783を提供することにより、動作漏洩電流Ilk784と、動作バイアス電流Ibias786と、サブ画素744のダイオード790にわたる動作ダイオード電流Idiode788とをもたらすことができる。従って、電流(例えば、Isense790)を感知することにより、3つの電流の合計電流(例えば、Isense=Ilk+Ibias+Idiode)をもたらし得る。
次いで、ELVSS電源780は、サブ画素744、742のダイオード790、794が逆方向にバイアスをかけられ、電流がダイオード790、794を流れることを停止し、漏洩電流I* lk796及びバイアス電流I* bias798をもたらすように、2つのサブ画素742、744に上昇した電圧792(例えば、約3V)を提供してもよい。従って、電流(例えば、I* sense800)を感知することにより、2つの電流の合計電流(I* sense=I* lk+I* bias)をもたらし得る。このようにして、Isense790からI* sense800を減算することにより、Idiodeのより正確な値をもたらし得る(例えばIdiode=Isense−I* sense)。上昇した電圧792は、温度に少なくとも部分的に基づいてもよく、基準アレイ64の制御回路によって生成されてもよい。例えば、上昇した電圧792を考慮して、基準アレイ64の画素に印加される最大電圧が目標ルミナンスを達成することができるように、基準アレイ制御回路は上昇した電圧792を生成してもよい。図40の第2の技術は、サブ画素742、744内の感知又はサンプリング時間を二重にすることができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、ELVSS電源780は代わりに、サブ画素744、742のダイオード790、794が逆方向にバイアスをかけられ、電流がダイオード790、794を流れることを停止し、漏洩電流I* lk796及びバイアス電流I* bias798をもたらすように、2つのサブ画素742、744に増加した電流を提供してもよい。上記の上昇電圧792と同様に、電流(例えば、I* sense800)を感知することにより、2つの電流の合計電流(I* sense=I* lk+I* bias)をもたらし得る。このようにして、Isense790からI* sense800を減算することにより、Iダイオードのより正確な値をもたらし得る(例えばIdiode=Isense−I* sense)。増加した電流は、温度に少なくとも部分的に基づいてもよく、基準アレイ64の制御回路によって生成されてもよい。
図41は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素から隣接する画素に流れる漏洩電流及びバイアス電流を説明する方法801のフロー図である。方法801は、画素に電圧を供給し、(例えば、画素の薄膜トランジスタのソースに結合されたELVSS電源を介して)画素にELVSS電圧レベル又は電流レベルを供給し、画素内の電流を判断し、画素を駆動することができる任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法801は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法801のステップの少なくとも一部は、以下に記載されるように、プロセッサコア複合体12によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、図31のデジタルアナログ変換器572、感知回路576、ELVSS電源780、ディスプレイ18などの方法801を実行することが意図されることを理解されたい。
プロセッサコア複合体12は、第1のデータ電圧を画素に供給する(プロセスブロック802)。例えば、図40に示すように、プロセッサコア複合体12は、デジタルアナログ変換器572に、データ電圧VData782を画素744に供給するように命令することができる。プロセッサコア複合体12はまた、隣接する画素(例えば、画素に隣接する画素)にゼロデータ電圧を供給する(プロセスブロック803)。例えば、図40に示すように、プロセッサコア複合体12は、デジタルアナログ変換器572に、0V781を隣接する画素742に供給するように命令することができる。
プロセッサコア複合体12は、動作ELVSS電源電圧又は電流を画素及び隣接する画素に供給する(プロセスブロック804)。例えば、図40に示すように、プロセッサコア複合体12は、ELVSS電源780に、動作電源電圧783(例えば、約−1.6V(ボルト))又は電流を2つの画素742、744に提供するように命令してもよい。
次いで、プロセッサコア複合体12は、画素内の第1の電流を判断する(プロセスブロック805)。例えば、図40に示すように、プロセッサコア複合体12は、感知回路576に、動作漏洩電流Ilk784、動作バイアス電流Ibias786、及び画素744のダイオード790にわたる動作ダイオード電流Idiode788を含み得る第1の電流を判断するように命令することができる。従って、感知回路576は、画素744内の第1の電流(例えば、Isense790)を、3つの電流の合計電流(例えばIsense=Ilk+Ibias+Idiode)として判断することができる。
プロセッサコア複合体12は、上昇したELVSS電源電圧又は電流を画素及び隣接する画素に供給する(プロセスブロック806)。例えば、図40に示すように、プロセッサコア複合体12は、ELVSS電源780に、上昇したELVSS電源電圧792(例えば、約3V(ボルト))又は電流を2つの画素742、744に提供するように命令してもよい。上昇したELVSS電源電圧792は、画素744、742のダイオード790、794に逆方向にバイアスをかけることができ、従って、電流がダイオード790、794の両端を流れるのを停止させることができる。いくつかの実施形態では、ELVSS電源780は、2つの画素742、744に増加した電流を提供して、画素744、742のダイオード790、794に逆方向のバイアスをかけ、次いで電流がダイオード790、794の両端を流れることを停止させることができる。
次いで、プロセッサコア複合体12は、画素内の第2の電流を判断する(プロセスブロック807)。例えば、図40に示すように、プロセッサコア複合体12は、感知回路576に、漏洩電流I* lk796及びバイアス電流I* bias798を含み得る第2の電流を判断するように命令することができる。従って、感知回路576は、画素742内の第2の電流(例えば、I* sense800)を、2つの電流の合計電流(例えばI* sense=I* lk+I* bias)として判断することができる。
次いで、プロセッサコア複合体12は、第1の電流及び第2の電流に少なくとも部分的に基づいて、画素742を駆動する(プロセスブロック808)。例えば、プロセッサコア複合体12は、デジタルアナログ変換器572に、第1の電流及び第2の電流に少なくとも部分的に基づいて画素742を駆動するよう命令することができる。具体的には、Isense790からI* sense800を減算することにより(例えばIdiode=Isense−I* sense)、ダイオードIdiodeにわたる電流に対するより正確な値をもたらし得る。プロセッサコア複合体12は、データ電圧VDataに対するダイオードにわたる電流、他のデータ電圧に対するダイオードの両端で感知された電流、及びそれぞれのデータ電圧をバッファ580に格納してもよい。特定の時間(例えば、約2週間)後、これらの電流値及び電圧値は、バッファ580からルックアップテーブル582に送信され得る。電圧比較回路584は、電流値及び電圧値に少なくとも部分的に基づいて、画素744に対する電流−電圧曲線を生成し、電流−電圧曲線を、基準アレイ制御回路によって生成された別の電流−電圧曲線と比較することができる。電圧比較回路584は、比較に少なくとも部分的に基づいて1組の電圧差を生成することができ、電流−電圧補償回路586は、(1組の電圧差を補償するために)デジタルアナログ変換器572に、1組の電圧差に少なくとも部分的に基づいて画素744を駆動するように命令することができる。
いくつかの実施形態では、アクティブアレイ制御回路85の電流ステップリミッタ回路72は、1組の電圧差に対応する電流補償値を制限し得る。具体的には、電流ステップリミッタ回路72を使用して、1組の電圧差に対応する電流補償値を視認性閾値未満に制限することができる。視認性閾値は、(電流補償値を適用する前に画素744を駆動することと比較して)画素744を駆動するために適用されたときにディスプレイ18の観察者が知覚しない可能性がある電流値変化に対応し得る。このようにして、観察者は、適用された補償に気付かず、ディスプレイ18の全体的な観察体験を改善することができる。
図42及び43は、本開示の一実施形態に係る、画素810から複数の隣接する画素812に流れる漏洩電流及びバイアス電流を説明する第2の技術を更に示す回路図である。図42は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素810の漏洩電流、バイアス電流、及びダイオード電流の合計の判断を示す回路図である。具体的には、ELVSS電源は、画素810及び隣接する画素812に動作電源電圧814(例えば、約−1.6V)又は電流を供給する。図示されるように、画素810のダイオード816は、ダイオード816に階調GX820を放出させるデータ電圧VX818を供給されてもよい。隣接する画素812のダイオード822は、ダイオード822に階調G0826を放出させるデータ電圧V00824を供給されてもよい。これにより、漏洩電流Ilk−L828、Ilk−Y830、Ilk−H832、バイアス電流Ibias834、及びダイオード電流Idiode836を生成することができる。従って、画素810内の電流(例えば、Isense)を感知することは、3種類の電流の合計電流をもたらす(例えば、Isense=Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−H+Ibias+Idiode)。
図43は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素810の漏洩電流とバイアス電流の合計の判断を示す回路図である。具体的には、ELVSS電源は、画素810及び隣接する画素812に増加した電圧850(例えば、約3V)又は電流を提供することができ、それにより、それぞれ画素810及び隣接する画素812のダイオード816、822は逆方向のバイアスをかけられ、電流はダイオード816、822の両端を流れることを停止され、漏洩電流Ilk−L828、Ilk−Y830、Ilk−H832及びバイアス電流Ibias834を生成してもよい。従って、電流(例えば、I* sense)を感知することは、2種類の電流の合計電流をもたらしてもよい(I* sense=Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−H+Ibias)。このようにして、(図42からの)IsenseからI* senseを減算することは、Idiodeのより正確な値をもたらし得る(例えば、Idiode=Isense−I* sense)。
図44及び45は、本開示の一実施形態に係る、画素810から複数の隣接する画素812に流れる漏洩電流及びバイアス電流を説明する第2の技術を使用するコモンモード漏洩打ち消しを示す回路図である。図44は、本開示の一実施形態に係る、動作電源電圧814が図7のディスプレイ18に提供されるときに、コモンモード漏洩を打ち消すことを示す回路図である。具体的には、ELVSS電源は、画素810及び隣接する画素812に動作電源電圧814(例えば、約−1.6V)を供給する。画素810、812は、コモンモード増幅器860及びセンス増幅器862(例えば、感知アナログフロントエンド66などの差動感知増幅器)に結合されてもよい。差動感知を行うとき、コモンモード増幅器860及びセンス増幅器862の正の分岐部864及び負の分岐部866における電流は、バイアス電流の観点から大きなコモンモード信号を含んでもよい。コモンモード増幅器860は、残りの差動信号がセンス増幅器862で受信され得るように、コモンモード信号を打ち消す又は吸収することができる。
例えば、正の分岐部864における電流は、それぞれの漏洩電流Ilk−L828、Ilk−Y830Ilk−H832、Ilk−V868、バイアス電流Ibias834及びダイオード電流Idiode836を含んでもよい(例えば、Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−H+Ilk−V+Ibias+Idiode)。負の分岐部866における電流は、それぞれの漏洩電流Ilk−L'870、Ilk−Y'872、Ilk−H832、Ilk−V'874及びバイアス電流Ibias834を含んでもよい(例えばIlk−L'+Ilk−Y'−Ilk−H+Ilk−V+Ibias)。コモンモード増幅器860を介して正の分岐部864における電流を通過させると、正の分岐部864における電流内のコモンモード信号876を打ち消すことをもたらしてもよく、(例えば、Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−V+Ibias+(Idiode+ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2))、その結果、残りの差動信号878はセンス増幅器862で受信され得る(例えば、(Idiode+ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2+Ilk−H)。同様に、コモンモード増幅器860を介して正の分岐部866における電流を通過させると、正の分岐部866における電流内のコモンモード信号880を打ち消すことをもたらしてもよく(例えば、Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−V+Ibias+(Idiode+ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2))、その結果、残りの差動信号882はセンス増幅器862で受信され得る(例えば、(Idiode+ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2−Ilk−H)。結果として、差動信号878及び882を介してセンス増幅器862で受信される全電流884は、Idiode+ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V+2*Ilk−Hであってもよい。
図45は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18に増加した電源電圧850が提供されたときのコモンモード漏洩をキャンセルすることを示す回路図である。具体的には、ELVSS電源は、画素810及び隣接する画素812に上昇した電源電圧850(例えば、約3V)を供給する。正の分岐部864における電流は、それぞれの漏洩電流Ilk−L828、Ilk−Y830、Ilk−H832、Ilk−V868及びバイアス電流Ibias834を含んでもよい(例えばIlk−L+Ilk−Y+Ilk−H+Ilk−V+Ibias)。負の分岐部866における電流は、それぞれの漏洩電流IIlk−L'870、Ilk−Y'872、Ilk−H832、Ilk−V'874及びバイアス電流Ibias834を含んでもよい(例えばIlk−L'+Ilk−Y'−Ilk−H+Ilk−V+Ibias)。コモンモード増幅器860を介して正の分岐部864における電流を通過させると、正の分岐部864における電流内のコモンモード信号900を打ち消すことをもたらしてもよく、(例えば、Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−V+Ibias+(ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2))、その結果、残りの差動信号902はセンス増幅器862で受信され得る(例えば、(ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2+Ilk−H)。同様に、コモンモード増幅器860を介して負の分岐部866における電流を通過させると、負の分岐部866における電流内のコモンモード信号904を打ち消すことをもたらしてもよく、(例えば、Ilk−L+Ilk−Y+Ilk−V+Ibias+(ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2))、その結果、残りの差動信号906は、センス増幅器862で受信され得る(例えば、(ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V)/2−Ilk−H)。結果として、差動信号878及び882を介してセンス増幅器862で受信される全電流908は、ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V+2*Ilk−Hであってもよい。従って、動作電源電圧814が画素810、812に提供されるとき、センス増幅器862で受信される全電流884と、上昇した電源電圧850が画素810、812に提供されるとき、センス増幅器862で受信される全電流908との差は、IDiodeであってもよい(例えば、(Idiode+ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V+2*Ilk−H)−(ΔIlk−L+ΔIlk−Y+ΔIlk−V+2*Ilk−H))。
図示されているように、本開示の実施形態に係る図42〜45の回路図の画素810、812は、図46の回路図に例示されるソースフォロワ画素909などのソースフォロワ画素であってもよい。しかしながら、本開示は、本開示の実施形態に係る図47の回路図に示されるようなA級増幅器画素910、又は図48の回路図に示されるようなAB級増幅器画素911などの任意の好適な種類の画素を含んでもよい。
AB級増幅器画素911(又はB級増幅器画素)などのように、画素が(データ電圧VData913線の側に)最上部電流源912及び(データ電圧VData913線の他方側又は反対側に)最下部電流源914を含む実施形態では、図42〜45の回路図は、最上部の電流源912からの電流を感知することができるが、最下部電流源914は感知できない。これは、センス増幅器(例えば、図44の862)が最上部電流源912に結合されることができるが、最下部電流源914には結合されることができないためである。従って、センス増幅器862は、最下部電流源914によって生成される電流及びノイズは測定できないため、最下部電流源914から生成されたノイズの補償又は緩和を容易にできない。
図49は、本開示の一実施形態に係る、図48のAB級増幅器画素911のノイズ緩和を示す回路図である。図44の回路図と同様に、AB級増幅器画素911のそれぞれの最上部電流源912に結合された最上部センス増幅器915が存在する。図49の回路図はまた、AB級増幅器画素911のそれぞれの最下部電流源914に結合された最下部センス増幅器916を含む。各AB級増幅器画素911のデータ電圧VData913線の両側から感知することにより、センス増幅器915、916は、各AB級増幅器画素911からのノイズが相関し得るため、電流源912、914からのノイズの低減又は緩和を容易にすることができる。
例えば、1つのAB級増幅器画素911のダイオード917は、ダイオード917にわたる電流がゼロになるように、低(例えば、0V)データ電圧913をダイオード917に提供することによって強制的にオフにすることができる。従って、それぞれの画素911にわたる電流I1918は、それぞれの電流源912からのノイズを含む可能性があるが、ダイオード917にわたる電流は含まない可能性がある。他のAB級増幅器画素911のダイオード919は、そのダイオード919にわたる電流がゼロではないように動作することができる。従って、それぞれの画素911にわたる電流I2920は、ダイオード919にわたる電流と、それぞれの電流源914からのノイズの両方を含んでもよい。電流I2920から電流I1918を減算することにより、ダイオード919にわたる電流の正確な測定又は推定を提供し得る。実際に、いくつかの実施形態では、このように電流源912、914からのノイズを低減又は緩和することは、1画素当たり20〜70デシベル(例えば、最大55デシベル)で電流源912、914から供給される電流の信号対ノイズ比を延ばすことができる。
有利には、AB級増幅器画素911内の電流は、ELVSS電源921によって供給される電力が変化するときなど、AB級増幅器画素911におけるバイアス条件が変化する場合であっても、センス増幅器915、916によって正確に感知され得る。更に、センス増幅器915、916の出力は、追加のアナログデジタル変換器152を回路に追加することなく、既存のアナログデジタル変換器(例えば、152)の入力で追加されてもよい。
しかしながら、一部の場合には、製造の欠陥などの画素911間の非理想的な差のため、第2の画素911にわたる電流I2920から第1の画素911にわたる電流I1918を減算することは、ダイオード919にわたる電流の正確な測定又は推定を提供しない場合がある。実際、2つの画素911が同じ量の電圧を供給される可能性がある場合でも、それぞれのダイオード917、919にわたる電流値は異なる可能性がある。このように、第2の画素911にわたる電流I2920から第1の画素911にわたる電流I1918を減算することは、ダイオード919にわたる電流だけでなく、画素911間の非理想的な差による追加の電流値も生じる場合があり、これは(2つの画素911間の)バイアス不整合電流と呼ばれることがある。
従って、ダイオード919にわたる電流を正確に判断するために、バイアス不整合電流は、第2の画素911にわたる電流I2920と第1の画素911にわたる電流I1918との間の差から減算され得る。図50は、本開示の一実施形態に係る、2つの画素1500間のバイアス不整合電流の判断を示す回路図である。バイアス不整合電流を判断するために、電流がダイオード1506を通って流れないように、信号電流1502は、(例えば、ELVSS電源1504によって供給される電圧などの、カットアウト電圧を高電圧にすることによって)無効にすることができる。このようにして、センス増幅器1508によって測定された電流は、画素1500のトランジスタを流れる電流、すなわちバイアス電流(例えば、図26の440)であり、ダイオード1506を流れる電流ではない。これらのバイアス電流間の差は、センス増幅器1508で測定されるように、バイアス不整合電流である。回路図の側方トランジスタ1510は、バイアス不整合電流を緩和又は排除することができ、従って、ダイオード1506を通る電流のより正確な判断を可能にする。
図51は、本発明の一実施形態に係る、ダイオード(例えば、1506)を通る電流の判断方法1520のフロー図である。具体的には、方法1520は、図50に示す回路図を使用して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、ダイオードは、図48に示すようなAB級増幅器画素911の一部であってもよい。方法1520は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法1520のステップの少なくとも一部は、以下に記載されるように、プロセッサコア複合体12によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、図31のデジタルアナログ変換器572、感知回路576、ELVSS電源780、ディスプレイ18などの方法1520を実行することが意図されることを理解されたい。
プロセッサコア複合体12は、2つの画素1500内の信号電流を無効にする(プロセスブロック1522)。例えば、プロセッサコア複合体12は、ELVSS電源1504によって供給される電圧などのカットアウト電圧を高電圧にすることができる。従って、ダイオード1506を通って電流は流れない可能性がある。
次いで、プロセッサコア複合体12は、2つの画素1500間のバイアス不整合電流を判断する(プロセスブロック1524)。具体的には、プロセッサコア複合体12は、図50に示す回路を構成して、側方トランジスタ1510を使用してバイアス不整合電流を判断してもよい。例えば、側方トランジスタ1510は、電流源1502のゲートにおけるバイアス電流をサンプリングしてもよく、プロセッサコア複合体12は、バイアス電流間の差を判断してもよい。
プロセッサコア複合体12は、画素911における信号電流を可能にする(プロセスブロック1526)。具体的には、プロセッサコア複合体12は、対応するダイオード1506にわたる電流を判断することが望ましいそれぞれの画素911における信号電流を可能にし得る。そのため、プロセッサコア複合体12は、ELVSS電源1504によって供給される電圧などのカットアウト電圧を低電圧に引き下げてもよい。
次いで、プロセッサコア複合体12は、画素911を通る電流間の差を判断する(プロセスブロック1528)。すなわち、プロセッサコア複合体12は、信号電流がプロセスブロック1526から提供されるダイオード1506を有する画素911を通る電流1512と、信号電流が提供されないダイオード1506を有する画素911を通る電流1514とを判断してもよい。例えば、プロセッサコア複合体12は、出力コンデンサ1516で電流を測定することによって電流1512、1514を判断してもよい。次いで、プロセッサコア複合体12は、これら2つの電流1512、1514間の差を判断してもよい。従って、差は、画素911のダイオード1506にわたる望ましい電流と、バイアス不整合電流の両方を含んでもよい。
プロセッサコア複合体12は、画素911を通る電流間の差からバイアス不整合電流を抽出する(プロセスブロック1530)。すなわち、プロセッサコア複合体12は、画素911を通る電流間の差からバイアス不整合電流を減算してもよい。従って、残りの電流は、画素911のダイオード1506にわたる電流である。このようにして、図50の方法1520及び回路図は、AB級増幅器画素911(電圧データ線913の両側に電流源を有する他の画素)内のダイオードにわたる電流を正確に測定することができる一方でまた、画素911間のバイアス不整合を補償することができる。
図38を参照して説明されるように、画素又はサブ画素内の電流を感知する際に、周囲の画素又はサブ画素を電源オフにするか、又はゼロにプログラムすることができる。このようにして、画素又はサブ画素から電流が漏洩し、周囲の画素又はサブ画素に感知されてもよい。図38に示す画素740の構成では、サブ画素の左列は、赤色サブ画素742の最上行サブ画素と、緑色サブ画素744の下部行サブ画素とを含む。画素740はまた、青色サブ画素746の右列を含む。
特定の画素(例えば、図47に示されるA級増幅器画素910)について、横漏洩電流は、電圧ドレイン(例えば、VDD)から電圧ソース(例えば、VSS)に流れることができる。しかしながら、AB級増幅器画素911などのデータ電圧線の両側に電流源を有する画素は、図52の矢印によって示されるように、VDD及びVSSからの横漏洩電流を循環させる。具体的には、図52は、本開示の一実施形態に係る、青色サブ画素1540のダイオードを通る電流の感知の結果としての、図49の画素911における横漏洩電流を示す。従って、青色サブ画素1540は(データ電圧線1542を介して)データを送信されて、青色サブ画素1540に、階調X(「GX」、Xは任意の好適な階調(例えば、G100)であり得る)を放出させる。加えて、画素911の赤色サブ画素1544及び緑色サブ画素1546が電源オフにされ、その結果、赤色サブ画素1544及び緑色サブ画素1546が(それぞれのデータ電圧線1542を介して)データを送信されることにより、赤色サブ画素1544及び緑色サブ画素1546に、階調ゼロ(「G0」)を放出させ、見えなくなる。赤色の矢印1548は、青色サブ画素1540から赤色サブ画素1544及び緑色サブ画素1546への漏洩電流の流れを示す。
漏洩経路用のVDD及びVSS線(例えば、感知されているサブ画素の隣のサブ画素)が組み合わされた場合には、横漏洩電流は考慮されるか、又は除去されてもよい。図53は、本開示の一実施形態に係る、サブ画素内の電流を感知する際の横漏洩電流の緩和を示す回路図である。図示されるように、VDD/VSS電力ルーティング又は供給線1560は、画素911の各列1562の間に配置されてもよい。そのため、各サブ画素は、三方スイッチ又はマルチプレクサ1564に連結され得る電力ルーティング線1560に隣接してもよく、電力ルーティング線は次にセンス増幅器1566に結合される。いくつかの実施形態では、各電力ルーティング線1560は、2つの三方マルチプレクサ1564、1568(1つは画素911の第1の行1570の上方に配置され、1つは画素911の最後の行1572の下に配置されている)に連結される。第1のマルチプレクサ1564は最上部センス増幅器1566に結合されてもよく、一方、第2のマルチプレクサ1568は最下部センス増幅器1568に結合されてもよい。2つのセンス増幅器1566、1568は、図49に関して論じたように、データ電圧線(例えば、913)の両側に配置された2つの電流源(例えば、912、914)からのノイズを低減又は緩和することができる。
画素911の電流を感知すると、マルチプレクサ1564は、漏洩電流を受信し得るサブ画素に、VDD/VSS信号を供給するそれらの電力ルーティング線1560を接続することができる。例えば、図54の例示的な回路図では、本開示の一実施形態に係る感知動作が赤色サブ画素1580上で実行される。具体的には、赤色サブ画素1580は、赤色サブ画素1580に階調Xを放出させるデータを(データ電圧線を介して)送信され、他方のサブ画素(例えば、1540、1544、1546)は、他のサブ画素にゼロの階調を放出させるデータを送信される。結果として、マルチプレクサ1564は、ノード1582(マルチプレクサ1564をセンス増幅器1566に接続する)を電力ルーティング線1584、1586に結合するスイッチを閉じるように(例えば、プロセッサコア複合体12によって)命令され、この電力ルーティング線は、VDD/VSS信号を、赤色サブ画素1580内の電流を感知するとき漏洩電流を受信し得るサブ画素(例えば、赤色サブ画素1580の隣のサブ画素)に供給する。図示されるように、赤色サブ画素1580内の電流を感知するときに漏洩電流を受信し得るサブ画素にVDD/VSS信号を供給する電力ルーティング線1584、1586は、赤色サブ画素1580に最も近い2つの電力ルーティング線1584、1586であり得る。最下部センス増幅器1568は図54に示されていないが、最下部センス増幅器1568が図54で使用される場合、この同じ技術が適用されることを理解されたい。
同様に、図55の例示的な回路図では、本開示の一実施形態に係る感知動作が青色サブ画素1590上で実行される。具体的には、青色サブ画素1590は、青色サブ画素1590に階調Xを放出させるデータを(データ電圧線を介して)送信され、他方のサブ画素(例えば、1540、1544、1546)は、他のサブ画素にゼロの階調を放出させるデータを送信される。結果として、マルチプレクサ1564は、ノード1592(マルチプレクサ1564をセンス増幅器1566に接続する)を電力ルーティング線1594、1596に結合するスイッチを閉じるように(例えば、プロセッサコア複合体12によって)命令され、この電力ルーティング線は、VDD/VSS信号を、青色サブ画素1590内の電流を感知するとき漏洩電流を受信し得るサブ画素(例えば、青色サブ画素1590の隣のサブ画素)に供給する。図示されるように、青色サブ画素1590内の電流を感知するときに漏洩電流を受信し得るサブ画素にVDD/VSS信号を供給する電力ルーティング線1594、1596は、青色サブ画素1590に最も近い2つの電力ルーティング線1594、1596であり得る。最下部センス増幅器1568は図55に示されていないが、最下部センス増幅器1568が図55で使用される場合、この同じ技術が適用されることを理解されたい。このようにして、図53〜55の回路図は、AB級増幅器画素911などのデータ電圧線の両側に電流源を有する画素内の電流を感知するときに、考慮されるか、又は除去されてもよい。
図56は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18のアクティブアレイ62の画素922、923内の電流を感知するためのタイミング図である。ELVSS電源は、まず、動作電源電圧924(例えば、約−1.6V)を提供し、次いで、上昇した電源電圧926(例えば、約3V)を画素922、923に供給することができる。タイミング図は、画素922、画素922、923内のソース増幅器チョッパ極性932、画素922、923内のエミッション信号934、及び画素922、923におけるアナログフロントエンド(AFE)動作936に提供されるデータ値928及びデータ電圧930を示す。
図示されるように、各感知動作938、940は約2ミリ秒かかってもよく、2対の電流−電圧値は、画素922(又はサブ画素)毎に感知されてもよい。タイミング図はまた、相関二重サンプリング942、ソース増幅器オフセットキャンセル944、並びに横漏洩及びバイアス電流キャンセル946のタイミングも示す。
感知動作は、定期的に(例えば、約2週間毎に)実行されてもよく、及び/又は特定の条件に少なくとも部分的に基づいてもよい。プロセッサコア複合体12のルックアップテーブル582は、感知結果に少なくとも部分的に基づいて更新され、次の感知動作まで使用されるようにディスプレイ18に適用されてもよい。全ての画素922、923又はサブ画素の感知は、目標時間で実行され得ることに留意されたい。感知動作を実行するアナログフロントエンドチャネルの数は、目標時間に依存し得る。例えば、感知されるサブ画素の数が7,875,000個であり、その数のサブ画素を感知するための時間が4200分であると仮定すると、30分で感知を実行するアナログフロントエンドチャネルの数は、140であってもよい。90分で感知を実行するために、アナログフロントエンドチャネルの数は50であってもよい。
感知動作をより少ない時間で実行することにより、(例えば、デバイス10を起動又は使用することによって)感知動作が中断される可能性が低くなる場合がある。温度は、中断後、(例えば、デバイス10の次のオフ時間で)感知動作が継続されたときに温度が変化し得るため、中断された感知動作は、より不正確であり、よりエラーを起こしやすい場合がある。しかしながら、ディスプレイ18の解像度が高くなり得るため、ディスプレイ18の画素を目標リフレッシュレートで駆動することは、大量の帯域幅を使用することができる。同様に、ディスプレイ18の画素を駆動することは、大量の電力を消費し、高解像度ディスプレイ18用の感知スキームを実装することは、複雑であり得る。従って、いくつかの実施形態では、グループの各個々の画素ではなく、画素をグループ化し、グループ化された画素の代表的な画素を感知することができる。
図57は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素グループの図である。画素950は、アクティブアレイの画素であり、画素グループ952は、4つの画素950の2×2の構成であり、画素グループ954は、16個の画素950の4×4の構成である。各グループの画素は、互いに隣接しているため、それぞれのグループの画素は、同様の経年劣化、使用、及び動作状態(温度など)を受ける。従って、グループ952、954のそれぞれの画素950の各々を感知する代わりに、グループの代表的な画素を感知することができ、グループの残りの画素は感知されなくてもよい。このようにして、各感知動作において、より少ない画素950を感知することができ、従って、感知動作中の電力消費、帯域幅使用、及び複雑性を低減することができる。
いくつかの実施形態では、グループ分けの画素の位置に少なくとも部分的に基づいて、様々なグループ分けが使用されてもよい。例えば、ディスプレイ18の中心付近などのディスプレイ18の部分に(例えば、観察者が)集中する可能性が高い場合、画素950は個別に、又は2×2の構成952などのより小さいグループを介して感知することができる。ディスプレイ18の周辺部又は境界付近などのディスプレイ18のより集中されない部分では、画素950は4×4の構成954などのより大きなグループを介して感知され得る。従って、各感知動作において、更に少ない画素950を感知することができ、感知動作中の電力消費、帯域幅使用、及び複雑性を更に低減することができる。2×2及び4×4の画素グループのみを示す図57にもかかわらず、画素950の任意の好適なグループ分けが想到されることを理解されたい。
電流感知は、図38の要素748によって示されるように、「上」側から(例えば、画素のTFTのドレインに結合されたELVDD電源などの上部の電源から)実行されるものとして論じられてきたが、いくつかの実施形態では、電流感知は、画素のTFTのソースに結合されたELVSS電源などの下部の電源から実行されてもよい。図58は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素970内の電流感知を示す概略図である。具体的には、画素970内で感知された電流は、画素970の(オンにされる)ダイオード974を通る電流972と、1つ以上の隣接する画素980の1つ以上のダイオード978を通る1つ以上の電流976との合計として判断することができる。
電流−電圧補償方法
図31の感知回路576が、アクティブアレイ62の各画素に対する(ルックアップテーブル582に格納され得る)それぞれの1組の電流−電圧値を感知又は予測した後、電圧比較回路584は、それぞれの1組の電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて各画素に対する電流−電圧曲線を生成することができる。曲線全体、又は各画素に対する過剰な1組の電流−電圧値(例えば、画像フレーム毎)を電圧比較回路584に提供することは、メモリ又は帯域幅使用の観点から非実用的であり得、感知回路576は、代わりに低減された数(例えば、2対)の電流−電圧値を送信してもよく、電圧比較回路584は、それぞれの1組の電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて、各画素に対する電流−電圧曲線を(例えば、リアルタイムに)生成することができる。電圧比較回路584は、各画素に対して生成された電流−電圧曲線を、基準アレイ制御回路から受信した基準電流−電圧曲線と比較し、(例えば、結果として生じる電流値に対応する)1組の電圧差又は劣化を生成することができる。次いで、電流−電圧補償回路586は、デジタルアナログ変換器572に、(例えば、特定の対応する電流値用の上昇したデータ電圧を提供することによって)1組の電圧差又は劣化を補償するように命令することができる。
デルタベースモデル又は内挿ベースモデルなど、各画素に対して電流−電圧曲線を生成するために、電圧比較回路584によって任意の好適な方法を使用することができる。図59は、本開示の一実施形態に係る、デルタベースモデル992を使用して図7のディスプレイ18の画素の電流−電圧曲線990の生成を示すグラフである。グラフは、基準アレイ制御回路から受信された1組の基準電流−電圧値から生成され得る「初期状態」基準電流−電圧曲線994を含む。例えば、電圧比較回路584は、8対の電流−電圧値を受信し、8対の電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて基準電流−電圧曲線994を内挿することができる。
グラフはまた、画素用の感知回路576から受信された2対の感知された電流−電圧値996、998も含む。電圧比較回路584は、対応する電流1002における第1の対の感知された電流−電圧値996の電圧と、対応する電流1002における基準電流−電圧曲線994の基準電圧との間の第1の電圧差又はデルタ値1000を判断してもよい。電圧比較回路584はまた、対応する電流1006における第2の対の感知された電流−電圧値998の電圧と、対応する電流1006における基準電流−電圧曲線994の基準電圧との間の第2の電圧差又はデルタ値1004を判断してもよい。
デルタベースモデル992を使用して、電圧比較回路584は次に、第1の電圧差1000と第2の電圧差1004との間の線形関係を判断し、線形関係を基準電流−電圧曲線994に適用して、電流−電圧曲線990を再構築してもよい。電流−電圧補償回路586は、次に、デジタルアナログ変換器572に、電流−電圧曲線990に少なくとも部分的に基づいて、電圧劣化を補償するように命令してもよい。例えば、電流−電圧補償回路586は、電流−電圧曲線990と基準電流−電圧曲線994との間の(例えば、第1の電圧差1000及び第2の電圧差1004を含む)1組の電圧差を判断し、1組の電圧差に少なくとも部分的に基づいて、対応する電流値で画素のデータ電圧又は電流を増加させてもよい。
いくつかの実施形態では、線形関係は、各画素に対する電流−電圧曲線を正確にモデル化しない場合がある。例えば、ディスプレイ18を作製するために使用される特定の材料は、各画素に対する電流−電圧曲線の関係を非線形にする傾向がある場合がある。従って、電圧比較回路584は、各画素に対する電流−電圧曲線を生成するために、内挿ベースモデルを使用することができる。図60は、本開示の一実施形態に係る、内挿ベースモデル1022を使用して図7のディスプレイ18の画素の電流−電圧曲線1020を生成することを示すグラフである。グラフは、基準アレイ制御回路から受信された1組の基準電流−電圧値から生成され得る「初期状態」基準電流−電圧曲線1024を含む。グラフはまた、経時的にディスプレイの1つ以上の画素に応力をかけることによって生成され得る「経年劣化された」電流−電圧曲線1026を含み、経年劣化電流−電圧曲線1026は、1つ以上の画素の電流−電圧関係がどのように経年劣化するかについて正確な表現を表す。
いくつかの実施形態では、経年劣化電流−電圧曲線1026は、製造されたディスプレイの各バッチに対して(例えば、製造業者によって)生成されてもよい。代替又は追加の実施形態では、経年劣化電流−電圧曲線1026は、各ディスプレイ18に対して生成されてもよい。例えば、デジタルアナログ変換器572は、ディスプレイ18の周辺又は境界に沿うなど、ある期間にわたってディスプレイ18のより非アクティブ及び/又は(例えば、ユーザによって)より集中されないエリアの1つ以上の画素に応力をかけ、応力がかけられた1つ以上の画素に少なくとも部分的に基づいて、経年劣化電流−電圧曲線1026を生成してもよい。経年劣化電流−電圧曲線1026は、ローカルメモリ14、メインメモリ記憶装置16などの任意の好適な記憶装置に記憶されてもよい。
グラフは、画素用の感知回路576から受信された2対の感知された電流−電圧値1028、1030を含む。電圧比較回路584は、対応する電圧1034における第1の対の感知された電流−電圧値1028の電流と、対応する電圧1034における基準電流−電圧曲線1024の電流との間の第1の差d11032を判断してもよい。電圧比較回路584はまた、対応する電圧1034における基準電流−電圧曲線1024の電流と、対応する電圧1034における経年劣化電流−電圧曲線1026の電流との間の第1の総差D11036を判断してもよい。電圧比較回路584は、次いで、第1の差1032と第1の総差1036との間の第1の劣化比r1(例えば、r1=d1/D1)を判断してもよい。
電圧比較回路584はまた、対応する電圧1040における第2の対の感知された電流−電圧値1030の電流と、対応する電圧1040における基準電流−電圧曲線1024の電流との間の第2の差d21038を判断してもよい。電圧比較回路584はまた、対応する電圧1040における基準電流−電圧曲線1024の電流と、対応する電圧1040における経年劣化電流−電圧曲線1026の電流との間の第2の総差D21042を判断してもよい。電圧比較回路584は、次いで、第2の差1038と第2の総差1042との間の第2の劣化比r2(例えば、r2=d2/D2)を判断してもよい。
内挿ベースモデル1022を使用して、電圧比較回路584は次に、第1の比と第2の比との間の線形関係を判断し、線形関係を基準電流−電圧曲線1024に適用して、電流−電圧曲線1020を再構築してもよい。電流−電圧補償回路586は、次に、デジタルアナログ変換器572に、電流−電圧1020に従って、少なくとも部分的に基づいて、電圧劣化を補償するように命令してもよい。例えば、電流−電圧補償回路586は、電流−電圧曲線1020と基準電流−電圧曲線1024との間の1組の電圧差を判断し、1組の電圧差に少なくとも部分的に基づいて、対応する電流値で画素のデータ電圧又は電流を増加させてもよい。
線形電圧差ではなく、劣化比を使用して電流−電圧曲線を再構築することは、ディスプレイ18の材料及び/又は温度に対する電流−電圧関係の依存性を低減又は除去することができる。すなわち、典型的には、デバイス10が非アクティブであるため、感知はより低い温度で実行されるが、感知結果に少なくとも部分的に基づいて補償を適用することは、デバイスがアクティブであるため、より高い温度で実行される。劣化比を使用することは、(例えば、線形電圧差を使用することとは対照的に)より普遍的に適用可能であるため、電流−電圧曲線の内挿ベースの再構築は、より正確であり得る。これは、少なくとも部分的には、画素の電流−電圧曲線は、劣化比を用いて表されるときに電圧が線形に劣化するように見えるためである。
図61は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素を駆動するために、劣化電流−電圧曲線を判断する方法1043のフロー図である。方法1043は、電流−電圧曲線を生成し、劣化比を判断し、画素を駆動し得る、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法1043は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法1043のステップの少なくとも一部は、以下に記載されるように、図31の電流−電圧補償回路586によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、デジタルアナログ変換器572、電圧比較回路584、プロセッサコア複合体12、ディスプレイ18などの方法1043を実行することが意図されることを理解されたい。
電流−電圧補償回路586は、1組の基準電流−電圧値を受信する(プロセスブロック1044)。1組の基準電流−電圧値は、基準アレイ制御回路から受信されてもよく、基準電流−電圧値の任意の好適な数(例えば、8対)を含んでもよい。電流−電圧補償回路586は、次いで、1組の基準電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて、基準電流−電圧曲線1024を生成する(プロセスブロック1045)。
電流−電圧補償回路586は、経年劣化電流−電圧曲線1026を受信する(プロセスブロック1046)。いくつかの実施形態では、電流−電圧補償回路586は、感知回路576及び/又はローカルメモリ14、メインメモリ記憶装置16、ルックアップテーブル582などの任意の好適な記憶装置若しくは機構から、一組の経年劣化電流−電圧値を受信してもよい。次いで、電流−電圧補償回路586は、1組の経年劣化電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて、経年劣化電流−電圧曲線1026を生成してもよい。
次いで、電流−電圧補償回路586は、画素に対する1組の劣化電流−電圧値を受信する(プロセスブロック1047)。1組の劣化電流−電圧値は、感知回路576から受信されてもよく、画素がある期間動作していることにより、劣化される可能性がある。
電流−電圧補償回路586は、1組の劣化電流−電圧値、基準電流−電圧曲線1024、及び経年劣化電流−電圧曲線1026に少なくとも部分的に基づいて、1組の劣化比を判断する(プロセスブロック1048)。具体的には、一組の劣化電流−電圧値の各劣化電流−電圧値について、電流−電圧補償回路586は、対応する電圧1034におけるそれぞれの劣化電流−電圧値1028の電流と、対応する電圧1034における基準電流−電圧曲線1024の電流との間の差d1032を判断してもよい。電圧比較回路584はまた、対応する電圧1034における基準電流−電圧曲線1024の電流と、対応する電圧1034における経年劣化電流−電圧曲線1026の電流との間の総差D1036を判断してもよい。電圧比較回路584は、次いで、第1の差1032と第1の総差1036との間の劣化比rを判断してもよい(例えば、r=d/D)。
電流−電圧補償回路586は、1組の劣化比に少なくとも部分的に基づいて、劣化電流−電圧曲線1020を生成する(プロセスブロック1049)。具体的には、電圧比較回路584は、次に、1組の劣化比間の線形関係を判断し、線形関係を基準電流−電圧曲線1024に適用して、劣化電流−電圧曲線1020を再構築することができる。次いで、電流−電圧補償回路586は、劣化電流−電圧曲線1020に少なくとも部分的に基づいて、画素574を駆動するか、又はデジタルアナログ変換器572に、画素574を駆動するように命令することができる(プロセスブロック1050)。例えば、電流−電圧補償回路586は、電流−電圧曲線1020と基準電流−電圧曲線1024との間の1組の電圧差を判断し、1組の電圧差に少なくとも部分的に基づいて、対応する電流値で画素のデータ電圧又は電流を増加させてもよい。
いくつかの実施形態では、アクティブアレイ制御回路85の電流ステップリミッタ回路72は、1組の電圧差に対応する電流補償値を制限し得る。具体的には、電流ステップリミッタ回路72を使用して、1組の電圧差に対応する電流補償値を視認性閾値未満に制限することができる。視認性閾値は、(電流補償値を適用する前に画素574を駆動することと比較して)画素574を駆動するために適用されたときにディスプレイ18の観察者が知覚しない可能性がある電流値変化に対応し得る。このようにして、観察者は、適用された補償に気付かず、ディスプレイ18の全体的な観察体験を改善することができる。
図62は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18における電圧劣化を補償するシステム1051のブロック図である。システム1051のいくつか又は全ては、プロセッサコア複合体12、タイミングコントローラ581、ディスプレイ18、又はデバイス10の任意の他の好適な構成要素に含まれてもよい。図示されるように、システム1051は、図31の電流−電圧補償回路586を含み、これは、入力として、劣化比r11052、r21054、入力電圧Vin1056及び入力電流Iin1058を受信する。
各画素の劣化比r11052、r21054は、ローカルメモリ14、メインメモリ記憶装置16、ルックアップテーブル582などの任意の好適な記憶装置又は機構に保存されてもよい。入力電圧Vin1056は、入力ガンマ又は階調Gin1062に少なくとも部分的に基づいて、ガンマ−電圧変換器1060から受信されてもよい。入力ガンマGin1062は、画素によって表示されることを意図した目標ガンマであってもよく、入力電圧Vin1056は、補償前に入力ガンマGin1062を生成することに対応するデータ電圧であってもよい。入力電流Iin1058は、基準アレイルックアップテーブル1064から受信されてもよく、基準アレイルックアップテーブル1064は、基準アレイ64の1つ以上の画素のデータ電圧及び対応する画素電流を記憶してもよい。基準アレイルックアップテーブル1064は、ルックアップテーブル582の一部であってもよく、入力電圧Vin1056に少なくとも部分的に基づいてもよい。具体的には、入力電流Iin1058は、入力電圧Vin1056のデータ電圧が画素に提供されるときに、基準アレイ64の画素によって生成される結果として生じる電流であってもよい。
電流−電圧補償回路586は、入力に少なくとも部分的に基づいてVout1066を出力してもよく、これは補償データ電圧に対応して、劣化比r11052、r21054を使用して生成された(例えば、内挿された)電流−電圧曲線に少なくとも部分的に基づいて、画素において入力電流Iin1058を生成することができる。出力電圧Vout1066は、電圧−ガンマ変換器1068によってガンマ値Gout1070に変換されてもよく、これは、画素574を駆動するためにデジタルアナログ変換器572に送られてもよい。画素574を駆動してガンマ値Gout1070を放出させることにより、画素574が実際にほぼ入力ガンマ値Gin1062を放出することにより、画素574内の電流−電圧劣化を補償することができる。
図63は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素の劣化比の線形関係1080を示すグラフである。2つの劣化比r11052、r21054を使用して、電流−電圧補償回路586は、(例えば、電圧に関して)線形関係1080を生成又は外挿することができる。電流−電圧補償回路586はまた、線形関係1080に少なくとも部分的に基づいて、劣化比又はタップ点1082を判断又は外挿してもよい。
図64は、本開示の一実施形態に係る、2つの外挿された電流−電圧値1092、1094に少なくとも部分的に基づいて電流−電圧曲線I(V)1090を再構築することを示すグラフである。図示のように、グラフは、基準電流−電圧曲線IT0(V)1024と、Vin1056における基準電流−電圧曲線の電流である入力電流Iin1058(例えば、IT0(Vin))を含む。電流−電圧補償回路586は、外挿された劣化比又はタップ点1082を、外挿された電流−電圧値に変換してもよい。電流−電圧補償回路586は次に、それぞれの電流値に少なくとも部分的に基づいて、2つの外挿された電流−電圧値(Vj、Ij)1092、(Vk、Ik)1094を判断してもよく、これは、I(Vj)<Iin<I(Vk)の条件を満たす。
図65は、本開示の一実施形態に係る、画素を駆動し、電圧劣化を補償するために使用される出力電圧Vout1066を判断することを示すグラフである。電流−電圧補償回路586は、I(Vj)及びI(Vk)から出力電圧Vout1066を内挿してもよい。例えば、電流−電圧補償回路586は、2つの外挿された電流−電圧値(Vj、Ij)1092と(Vk、Ik)1094との間に曲線1096を生成し、入力電流Iin1058にほぼ対応する曲線1096上の出力電圧Vout1066を選択してもよい。出力電圧Vout1066は、電圧−ガンマ変換器1068によってガンマ値Gout1070に変換されてもよく、これは、画素574を駆動するためにデジタルアナログ変換器572に送られてもよい。画素574を駆動してガンマ値Gout1070を放出させることにより、画素574が実際にほぼ入力ガンマ値Gin1062を放出することにより、画素574内の電流−電圧劣化を補償することができる。
図66は、本開示の一実施形態に係る、図7のディスプレイ18の画素を駆動するために、電流−電圧劣化を補償する方法1110の流れ図である。方法1110は、データを外挿し、電流−電圧曲線を生成し、画素を駆動し得る、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせによって実行されてもよい。方法1110は、特定の順序の行程を用いて説明されているが、本開示は、説明した行程は、図示した順序とは異なる順序で実行することができ、特定の説明した行程は、スキップする又は全く実行しないことができることを意図していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、方法1110のステップの少なくとも一部は、以下に記載されるように、図31の電流−電圧補償回路586によって実行されてもよい。しかしながら、任意の好適なデバイス又はデバイスの組み合わせが、デジタルアナログ変換器572、電圧比較回路584、プロセッサコア複合体12、ディスプレイ18などの方法1110を実行することが意図されることを理解されたい。
電流−電圧補償回路586は、1組の劣化比を受信する(プロセスブロック1112)。1組の劣化比(例えば、1052、1054)は、各画素について受信されてもよく、ローカルメモリ14、メインメモリ記憶装置16、ルックアップテーブル582などの任意の好適な記憶装置又は機構に保存されてもよい。
次いで、電流−電圧補償回路586は、1組の劣化比に少なくとも部分的に基づいて、1組の外挿された劣化比を外挿する(プロセスブロック1114)。例えば、電流−電圧補償回路586は、1組の劣化比に少なくとも部分的に基づいて、(例えば、電圧に関して)線形関係1080を生成又は外挿することができる。電流−電圧補償回路586はまた、線形関係1080に少なくとも部分的に基づいて、1組の外挿された劣化比又はタップ点1082を判断又は外挿してもよい。
電流−電圧補償回路586は、1組の外挿された劣化比を、1組の外挿された電流−電圧値に変換してもよい(プロセスブロック1116)。具体的には、外挿された劣化比の電流−電圧関係は、I(Vx)=IT0(Vx)−rxDxとして表すことができ、ここでIT0は基準電流−電圧曲線1024であり、rxは、データ電圧xにおける劣化比、及びDxは基準電流−電圧曲線1024と経年劣化電流−電圧曲線1026との間の電流差である。
電流−電圧補償回路586は、入力基準電流を受信してもよい(プロセスブロック1118)。入力電流Iin1058は、ルックアップテーブル582の一部であってもよい基準アレイルックアップテーブルから受信されてもよく、入力電圧Vin1056に少なくとも部分的に基づいてもよい。具体的には、入力電流Iin1058は、入力電圧Vin1056のデータ電圧が画素に提供されるときに、基準アレイ64の画素によって生成される結果として生じる電流であってもよい。
電流−電圧補償回路586は、入力基準電流未満の電流で第1の外挿された電流−電圧値を判断することができる(プロセスブロック1120)。電流−電圧補償回路586はまた、入力基準電流より大きい電流で第2の外挿された電流−電圧値を判断することができる(プロセスブロック1122)。図65は、第1の外挿された電流−電圧値(Vj、Ij)1092及び第2の外挿された電流−電圧値(Vk、Ik)1094の一例を示す。いくつかの実施形態では、第1の外挿された電流−電圧値は、入力基準電流よりも小さく、かつ入力基準電流に最も近い1組の外挿された電流−電圧値における外挿された電流−電圧値であってもよい。同様に、第2の外挿された電流−電圧値は、入力基準電流よりも大きく、かつ入力基準電流に最も近い1組の外挿された電流−電圧値における外挿された電流−電圧値であってもよい。
次いで、電流−電圧補償回路586は、第1の外挿された電流−電圧値及び第2の外挿された電流−電圧値に少なくとも部分的に基づいて、外挿された電流−電圧曲線を生成してもよい(プロセスブロック1124)。例えば、図65は、第1の外挿された電流−電圧値(Vj、Ij)1092及び第2の外挿された電流−電圧値(Vk、Ik)1094に少なくとも部分的に基づく、外挿された電流−電圧曲線1096の例を示す。
電流−電圧補償回路586は、外挿された電流−電圧曲線及び入力基準電流に少なくとも部分的に基づいて、補償電圧又は電流を判断することができる(プロセスブロック1126)。電流−電圧補償回路586は、入力基準電流(例えば、Iin1058)における外挿された電流−電圧曲線1096によって与えられる補償電圧(例えば、出力電圧Vout1066)又は電流を判断してもよい。
次いで、電流−電圧補償回路586は、補償電圧又は電流を使用して、画素(例えば、574)を駆動するか、又はデジタルアナログ変換器572に、画素574を駆動するように命令することができる(プロセスブロック1128)。補償電圧又は電流は、デジタルアナログ変換器572が入力基準電流(例えば、Iin1058)を画素にほぼ供給することを可能にし、従って、入力ガンマ1062により近いガンマを放出することができる(補償なしの動作と比較したとき)。このようにして、方法1110は、画素内の電流−電圧劣化を補償することができる。
いくつかの実施形態では、アクティブアレイ制御回路85の電流ステップリミッタ回路72は、補償電流又は補償電圧に対応する電流を制限し得る。具体的には、電流ステップリミッタ回路72は、補償電流又は補償電圧に対応する電流を視認性閾値未満に制限するために使用されてもよい。視認性閾値は、(補償電流又は補償電圧に対応する電流を印加する前に画素574を駆動することと比較して)画素574を駆動するために適用されたときにディスプレイ18の観察者が知覚しない可能性がある電流値変化に対応し得る。このようにして、観察者は、適用された補償に気付かず、ディスプレイ18の全体的な観察体験を改善することができる。
上述の具体的な実施形態は、例として示されたものであり、これらの実施形態は、様々な修正形態及び代替形態の影響を受けやすいものであり得ることを理解するべきである。更に、特許請求の範囲が、開示された特定の形態に限定されず、むしろ本開示の趣旨及び範囲内にある全ての修正物、均等物、及び代替物を対象として含むことを意図していることを理解されたい。
本明細書で提示され特許請求された技術は、本技術分野を明らかに向上する実用的な性質の有形物及び具体例を参照して適用され、そのように、抽象的な、実体のない、又は単なる理論上のものではない。更に、本明細書の最後に添付された特許請求の範囲のいずれかが、「〜[機能]を[実行]する手段」又は「〜[機能]を[実行]するステップ」として示された1つ以上の要素を含む場合、そのような要素が、米国特許法第112条(f)に従って解釈されることになることを意図している。しかし、任意の他の方法で示された要素を含む特許請求の範囲のいずれかに関して、そのような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されることにならないことを意図している。