JP2020533767A - Mbfex管 - Google Patents

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Abstract

X線装置のためのMBFEX管(1)は、真空管(20)中に、冷却フィンガーとして設計され、真空管中に固定配置されるアノード(30)と、複数の固定配置されたカソード(40、41、42)とを備え、この真空管(20)は、複数のカソード供給ライン(50)と、わずか2つの高電圧ブッシング(51、52)とを備え、高電圧ブッシング(52)中に冷却剤管(31)は、内部冷却剤内管(32)によって貫通され、冷却剤管(31)及び冷却剤内管(32)は、アノード(30)を液体冷却剤によって冷却するために提供され、カソード(40、41、42)は、電子の電界放出のために提供され、各事例においてX線源(Q)を生成するために前記アノード(30)に向けて指向される。

Description

本発明は、多焦点電界放出X線管とも称される、X線装置用のMBFEX(MBFEX=Multibeam Field Emission X−Ray(マルチビーム電界放出X線))管に関する。
これらのようなX線管は、例えば、論文:Yang Lu,Hengyong Yu,Guohua Cao,Jun Zhao,Ge Wang,Otto Zhou,Medical Physics 2010,Volume 37,pp.3773−3781から、またUS 7 751 528 B2から知られており、カソードは、電子の電界放出のためにカーボンナノチューブを含む。それらの中に記述されるMBFEX管は、コンピュータ断層撮影における使用のために提供され、その中でX線エミッタの回転の代替に、固定配置において個々のX線エミッタの連続的な電気スイッチングは、実行される。
ナノロッドを含む電子エミッタ、特にカーボンナノチューブについて、例えば、WO2018/086737A1、及びWO2018/086744A2という文書を参照する。
US7 751 528B2に記載される、さまざまなMBFEX管は、X線エミッタを固定配置に備え、これらのエミッタ中でカソードは、各事例においてアノードと関連付けられる。したがって、全体的に、複数のカソード、及び対応する複数のアノードが存在する。アノードは、高い直流電圧電位にあり、カソードは、個々に作動する。
したがって、本発明の目的は、従来技術と比較して、製造技術の観点から製造することが容易であり、技術的な設計の観点からコンパクトである、MBFEX管を提供することである。
この目的は、請求項1の特徴を有する、提案されたMBFEX管によって本発明に従い達成される。さらに、この目的は、請求項27に従い、複数のMBFEX管の配置によって達成される。MBFEX管は、請求項28に従い製造され、請求項30に従い操作されることができる。
提案されたMBFEX管は、X線装置のために提供され、真空管中で、それら真空管中に固定配置され、冷却フィンガーとして設計されるアノード、及びロウ中に固定配置される複数のカソードを備える。真空管は、順に、複数のカソード供給ラインと、わずか2つの高電圧ブッシングを備える。ここで、高電圧ブッシング中に、冷却剤管を配置し、この冷却剤管中に追加の管、すなわち、冷却剤内管を配置する。ここで、外管または内管のいずれか一方は、冷却剤供給管として機能することができ、その中でそれぞれの他の管は、冷却剤排出管として提供される。
冷却剤供給管及び冷却剤排出管は、アノードを液体冷却剤によって冷却するために提供される。カソードは、電子の電界放出のために提供され、各事例において、X線源の生成のために共通アノードに向かう、それらの主な電子放出方向に対して指向される。アノード上のX線源は、主なX線放出方向を各有する、X線ビームを放出する。X線源は、アノード上に、好ましくはロウ配置に配置される。
従来技術によるMBFEX管と関連するアノードを冷却する問題を解決するために、本発明の最初の根本的な発明思想は、冷却フィンガーの形態で冷却装置として、提案されたMBFEX管自体のアノードを設計することである。この目的のために、提案されたMBFEX管において、アノードは、中空であるように設計され、この中空空間は、冷却剤の供給と、そのうえ排出との両方を可能にするために二重胴設計を有する。例えば、内管は、冷却剤供給管であり、内管を同軸に囲む外管は、冷却剤排出管である。
冷却剤管を含むアノードは、1つの端部で閉じられる。細長いアノードのこの端部に、冷却剤供給管と冷却剤排出管との間の移行部を形成する。適切な液体冷却剤は、低粘度のシリコーンオイル、特に450℃より高い沸点を有するものを含む。「Shell Diala」という商品名で市販されている絶縁油も、アノードを冷却する冷却剤として使用されることができる。
冷却フィンガーとしてのアノードの設計は、特に有利なコンパクト設計に対応するだけではなく、冷却剤排出管と、そのうえ冷却剤供給管との両方が真空管を介する冷却剤循環装置への通路によってアノードの2つの端部のうちの1つに連結される場合があるという不利な点も有する。
このアノードは、例えば、モリブデン及び/またはタングステンを含み、X線放出に適しているコーティングを外面上に任意選択で含む。有利な開発によれば、細長い基部形状に対して傾斜している、アノードの表面部分は、アノードの突出部によって形成される。ここで、個々の突出部は、アノードの細長い基部本体に対して異なる傾斜角を有する。この方式において、MBFEX管を含むX線設置のアイソセンタの方向に、入射電子によって個々の突出部上に生成されるX線放射を指向することが特に高効率によって可能である。また、この結果は、前述の表面部分がアノードに接地しているという点において達成されることができる。アノードのコーティングは、その表面全体の上、またはこの表面部分のみの上、すなわち、突出部上、または接地部分のいずれかに位置していることができる。
X線管のアノードは、非回転アノードとして好ましくは設計される。冷却をさらに改善するために、アノードのそれ自体の軸の周囲での回転も、原理的に提供されることができる。
X線装置用の真空管を通る小さいブッシングの製造は、外気からのシーリングに関して単純な製造技術を使用して達成されることができる。提案されたMBFEX管のカソード供給ラインは、典型的に数kV、特に最大4kVの大きさの、電圧へのカソードの接続として提供され、例えばワイヤ供給ラインとして、設計される。例えば、真空管がガラス製である場合に、ワイヤの形態でカソード供給ラインは、真空管中で簡単に融解する可能性があり、これらのようなブッシングは、高い、そして長寿命の不透過性を有する。
これに反して、例えば、高電圧電気接続のための、または真空管中のパイプのための、より大きなブッシングは、精巧なシーリングを必要とする。したがって、真空管上で多数のこれらのようなより大きなブッシングを避けることが有利である。第二の基本的な発明思想によれば、これは、冷却剤排出管が冷却剤供給管とともに高電圧ブッシングを貫通するという点で、提案されたMBFEX管において達成される。高電圧ブッシングは、高電圧へのアノードの接続のために提供される。高電圧へのアノードの接続は、好ましくは各事例において、前記アノード上の1つの端部に起こる。
カソードとアノードとの間に、集束電極は、真空管中で固定配置に配置され、例えばカソード供給ライン中の電気供給ラインを介して電圧に、接続されることができる。これらの集束電極は、カソードからわずかな距離を置く抽出グリッドと、アノードとの間の空間に位置している。
抽出グリッドの構造は、レーザ加工によって特に正確に製造されることができる。特に、ピコ秒またはフェムト秒のレーザは、抽出グリッドを構造化するのに適している。抽出グリッドの正確な製造は、カソードによってフラットパターンに放出される電子が高い透過度によってアノードに達することを確保するために重要な必要条件である。MBFEX管の動作中に、電子グリッドを含む電子源を特に熱応力に曝露する。これらの熱応力による抽出グリッドの変形を最小限にするために、抽出グリッドの特別な設計は、好ましくは実装される。
抽出グリッドは、関連した電子源、すなわちカソード、特に矩形基部形状の形に適合される基部形状を原理的に有する。この矩形の長辺は、抽出グリッドのいわゆるエッジストリップによって形成される。2つのエッジストリップを互いに連結し、前記エッジストリップに対して横方向に延伸するグリッドストリップによって単一部品を形成する。熱によって引き起こされた変形の吸収のために、グリッドストリップとエッジストリップとの間の移行領域は、特に重要である。グリッドストリップとエッジストリップとの間の湾曲した移行部は、特に有利であることがわかっている。ここで、グリッドストリップの2つの端部における曲率は、対向方向に好ましくは指向される。例えば、抽出グリッド上への上面図において、グリッドストリップの一方の端部は、エッジストリップへのその移行時に上向きに湾曲し、次いで、グリッドストリップの他方の端部は、対向するエッジストリップへの移行時に下向きに湾曲している。したがって、グリッドストリップは、細長いS形状を各有し、個々のグリッドストリップ間の間隔は、それらの全長にわたり少なくともほぼ一定である。ここで、各グリッドストリップは、非直角をエッジストリップによって取り囲む。グリッドストリップの細長いS形状の代替に、前記グリッドストリップは、長さ補正に適している別の形状も有することができる。例えば、特にエッジストリップへの移行領域に近い、各グリッドストリップにおいて、弓状、特に半円形に湾曲した部分を統合することができる。また、グリッドストリップの部分を、好ましくは丸い形の、単純な、またはZ形状の角度によって設計することが可能である。すべての事例において、隣接したグリッドストリップ間の間隔は、グリッドストリップの全長にわたり好ましくは一定である。
抽出グリッドの各ポイントと電子エミッタとの間の間隔は、MBFEX管の冷却状態中だけではなく、意図された使用による動作中でも非常によい近似によって一定である。抽出グリッドに加えて、集束装置の構成要素は、パルス化されたレーザ放射によって正確に機械加工されることもできる。抽出グリッドは、集束構成要素のように、例えば鋼、特にステンレス鋼から、製造されることもできる。
アノード上のX線源において生成されることができるX線ビームは、それぞれの主なX線放射方向に対応する、放出されたX線放射の最大強度を有する方向を各含む。このような主なX線放出方向は、球形のビーム源と異なるすべてのX線源に存在する。X線検出器によって取得されるX線ビームの幾何学的形状は、電子ビームの集束だけではなく、X線放射の照準にも依存する。ここで、X線窓は、真空管において照準装置及び/または照準器として設計され、これらの照準装置及び/または照準器は、真空管上のX線窓の前に取り付けられることができる。
MBFEX管により、例えばファン形状のX線ビーム(ファンビーム)及び/またはコーン形状のX線ビーム(コーンビーム)を生成することができる。アノード上に形成されるX線源の個々のX線源のそれぞれは、例えば、ほぼ点の形状に、平面の形状に、または線の形状にあることができる。X線設置、特に断層撮影設置のアイソセンタにおけるX線放射の断面輪郭は、X線源の形状だけではなく、とりわけX線放射の照準にも依存する。
提案されたMBFEX管において、カソードは、アノード上の集束電極と協働してX線源のロウ配置も生成するような方式において、ロウに固定配置で好ましくは配置される。これらのカソードは、連続的な電気作動のために提供される。コンピュータ断層撮影において、提案されたMBFEX管は、回転X線源の代替に使用されることができる。
以下に、提案されたMBFEX管の個々の有利な開発を考察する。
MBFEX管の好ましい実施形態において、高電圧ブッシング及びカソード供給ラインは、ロウに配置され、アノードを真空管上に対向して置かれている。これは、MBFEX管の断面にみられるように、一方ではカソード供給ライン及び高電圧ブッシングが、ならびに他方ではアノードが、互いに完全に対向していることを意味する。このような配置により、高電圧ブッシング及びカソード供給ラインは、二次電子またはイオンの最小限の放射に対してのみ曝露される。特に有利に、このような配置は、また、提案されたMBFEX管のX線装置中への、例えばコンピュータ断層撮影のガントリ中への、容易に達成された設置を可能にする。
提案されたMBFEX管の好ましい設計において、そのカソードは、カーボンナノチューブを含む。カーボンナノチューブの非常に高い電気及び熱の伝導率は、個々のカーボンナノチューブ自体の上に有意な熱の発生なく、高い電流伝導容量を可能にする。カーボンナノチューブは、電子の電界放出について2V/m未満の低い電界強度閾値を有する。カーボンナノチューブを含む、電子の放出についてカソードにおける電界強度閾値は、カーボンナノチューブがカソードの表面上に垂直な優先方向に配置されるという点で、さらに低下する場合がある。単層カーボンナノチューブが半導体を示すことにより、また多層カーボンナノチューブが金属導体を示すことにより、多層カーボンナノチューブは、提案されたMBFEX管のカソード上での電子エミッタとしての用途に特に適している。したがって、カーボンナノチューブを含有するカソードを含む提案されたMBFEX管の動作は、比較的に低い電力の電源に関して特に有利に達成されることができる。
カーボンナノチューブに加えて、別のタイプのナノロッドは、一般にナノスティックと称され、MBFEX管内の電子放出にも適している。好ましい設計において、X線管のカソードとして電界放出カソードは、これらのようなナノスティックから形成される。
カソードのナノスティックは、量子力学的電界放出機構の効果に関して、電子の電界放出について最低の可能な電子仕事関数を提供する材料から好ましくは製造される。ここで、ナノスティックは、均一な、または不均一な組成物を含み、中空体、すなわちチューブとして設計されるか、固体であるかのいずれかである。ここで、これらのカソードは、同一のタイプのナノスティック、または異なるタイプのナノスティックの混合物を含むことができ、その中でナノスティックのタイプは、それらの物質の組成、及び物質の修飾に関係する。
電子の電界放出のために純粋な、または添加した形態にある適切な材料は、単層または多層カーボンナノチューブに加えて、本明細書に、単層または多層の、窒素カーボンナノチューブ、希土類ホウ化物、特に六ホウ化ランタン及び六ホウ化セリウム、金属酸化物、特にTiO2、MnO、ZnO及びAl23、金属硫化物、特に硫化モリブデン、窒化物、特に窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化炭素、窒化ガリウム、炭化物、特に炭化ケイ素、シリコンでもある。ポリマー材料から作製される棒状の、任意選択で中空の要素は、カソードの動作中に電子を放出するナノスティックを生成するための開始生成物としても適している。カソードのナノスティックは、ポリマー材料を、特にコーティングの形態で、部分的にのみ含む開始生成物から任意選択で生成される。
特に好ましい設計において、カソードは、垂直な優先方向において、すなわちアノード方向において、表面上にナノスティックを含む。X線エミッタの動作中に、そして十分な相互間隔の事例において、非常に強い電界は、ナノスティックの先端部に生成されることができることにより、電子放出は、相当に促進される。
提案されたMBFEX管の可能な実施形態において、1つより多いタイプのカソードは、真空管中に配置され、用語「タイプ」は、カソードの幾何学的形状と、そのうえカソードの他の特性との両方に、例えば材料に関連することができる。同一の、または異なるタイプのカソードは、原理的に、いずれかの所望の方式において連続して、電気的に作動することができる。カソード自体に加えて、また、集束について差異がある可能性がある。個々のカソードの表面の幾何学的形状などの特性と組み合わせて、異なる電子ビーム、したがって、最終的に異なるX線ビームを生成することができる。
カソードのナノロッドは、例えば、20μm未満の長さと、10nm未満の直径とを有し、1cm2あたり少なくとも106ナノロッドのカソードの表面積に関する密度をもたらす。
ナノロッドを含むカソードを生成するために、シルクスクリーン印刷方法が適している。ここで、従来の方法と比較して、特に電気泳動堆積(EPD)方法と比較して、エミッタの比較的に滑らかな表面と同様に、特に均一な層密度を達成することができる。好ましくは、20μm未満の密度と、2.5μm未満の平均粗さ(Ra)を有する電子の放出のために設計される層は、少なくとも1タイプのカソードによって形成される。抽出グリッドに関して一定の間隔を有するとともに、高品質のエミッタ層は、最大90%、そして90%を上回るX線管の電子源の高い透過率に寄与する。また、高い透過率は、シルクスクリーン印刷方法によってもたらされる、エミッタ層が位置している基板面に対して垂直方向におけるナノチューブの優先方向によって促進される。
1つの、そして同一のMBFEX管内で、カーボンナノチューブを含むカソードと、完全に異なるカソード、例えば原理的に既知の別の方式において機能するタングステン先端部を含むカソードとの両方を使用することも可能である。ディスペンサカソードもMBFEX管内で使用することができる。この文脈において、DE10 2011 076 912B4及びDE10 2010 043 561A1という文書を参照する。
カソードが電界放出カソードとして設計されている限り、完全なエミッタ配置は、以下の層状構造を好ましくは有する。
エミッタ配置の最下位層として、平らな支持要素は、特にセラミックプレートの形状で提供される。例えば、セラミックプレートをコランダムから生成する。エミッタ層は、このセラミックプレート上に位置している。平らなエミッタに隣接する領域において、セラミックプレートは、スペーサと称される金属中間プレートによって覆われる。所定の電位にある金属中間プレート上に、個々のエミッタと関連する抽出グリッドを含む、いわゆるグリッドプレートが位置している。グリッドプレートは、一般に上位絶縁層と称される、電気的絶縁材料、特にセラミックから作られるプレートによって順に覆われる。ここで、用語「上位」層は、空間内の電子エミッタの方向と関係がないが、言及された層がX線管のアノードの最も近くに配置されていることを意味するに過ぎない。記述された層状構造は、全体として特許請求されていない他のX線管にも適している。
提案されたMBFEX管の特に好ましい開発において、アノードは、指定された検査領域を少なくとも部分的に取り囲む。ここで、X線源及び主なX線放出方向も、検査領域を少なくとも部分的に取り囲む。検査領域は、X線装置中に検査対象物を位置決めするために提供される。
例えば、MBFEX管は、全体として湾曲していることにより、個々のX線管として、すでに検査領域を部分的に取り囲む。検査領域のさらなる取り囲みは、異なる方式において実施されることができる。例えば、MBFEX管は、非常に大きな角度、極端な事例において最大約360°にわたり延伸することができる、つまり、ほぼ閉じた環状形状を有することができる。代替に、環状形状を個々のMBFEX管から構成することが可能である。ここで、個々のMBFEX管のそれぞれは、それ自体が湾曲しているか、真っ直ぐであるかのいずれかであることができる。最後に言及された事例において、この結果は、すべてのMBFEX管からなる配置の多角形の形状である。不完全な多角形の形状、または環状の形状、例えばL形状、U形状、または半円形の形状は、複数のMBFEX管を組み合わせることによって製造されることができ、これらのような配置のすべてのMBFEX管は、必ずしも同一の形状のものである必要がない。
検査領域周囲に凹状方式で配置される、MBFEX管の弓状アノードの手段により、低い集束スポット解像度は、従来の設計と比較してコンピュータ断層撮影において改善されることができ、一定なだけではなく、より高い画像解像度は、特にアノードが円弧として設計されるときに、達成されることができる。アノードが円弧として設計される場合に、つぎにすべてのX線は、同一の方式において、検査対象物に向かい指向される。高電圧ブッシング数を最小にすることにより、特に、検査対象物は、単一のMBFEX管によって特にすべての周辺位置からX線放射されることができる。
提案されたMBFEX管は、従来技術と比較して製造技術の点で実装するのが特に容易であり、回転X線源の代替としてコンピュータ断層撮影に特に適している、コンパクトでロバストな設計を特徴とする。X線放射を生成する真空管は、金属から好ましくは製造される。
1つの同じMBFEX管に配置される、異なるタイプのカソードによって、線量により互いに異なる、異なるX線写真を単純な方式で生成することができる。それにより、線量変調の単純な可能性を提供する。互いに関してMBFEX管の幾何学的配置と同様に、個々のMBFEX管の単に形状として、X線設置に存在するMBFEX管の数は、原則としていかなる制限も受けない。同一の方式において、このMBFEX管または複数のMBFEX管は、X線設置内で別の設計のX線管と組み合わされることができる。概して、異なる波長のX線は、マルチエナジーまたはデュアルエナジー撮像のために提供される場合、アノード電圧の異なる設定によって生成されることができる。
カソードの設計とは無関係に、MBFEX管による、好ましい手順において、異なる波長の連続したX線パルスを生成することができる。したがって、検査ボリューム内の異なる材料は、特に高い信頼性によって、短い撮影持続時間と同時に互いに区別されることができる。
擾乱に対して低い感受性を達成し、損害を防ぐ、または少なくとも最小限にするために、可能な擾乱の事例では、異なる方式においてゼロ電位に設定されるMBFEX管の異なる構成要素を接地させることが特に有利であることがわかっている。具体的に、これは、カーボンナノチューブまたは他のナノスティックを含む電子エミッタの直前に位置している抽出グリッドだけではなく、集束電極に関する。
受動集束電極は、好ましい設計においてハウジングを介して接地するが、抽出グリッドの接地は、例えば、電子エミッタを作動させるためのユニットと関連することができる別個の接地ラインを介して、前記ハウジングから独立して起こる。
集束電極及び抽出グリッドの別個の接地の利点は、アーク放電により、アノードに印加される非常に高い電位によって、集束電極の電位が短時間に上昇する(接地の存在にかかわらず)場合に適用される。その時点で、抽出グリッドを集束電極とともに接地した場合、次いで、これは、抽出グリッドの対応する上昇した電位、したがって、カーボンナノチューブと抽出グリッドとの間で上昇した電圧差をもたらす。カーボンナノチューブの電子放出の既存の非常に顕著な電圧依存性により、結果として、電子放出は、極端な方式において増加し、X線管に損害を与えるリスクを伴う。このような損害リスクは、一方で集束電極の、そして他方で抽出グリッドの別々の接地によって回避される。
下記に、異なる実施形態の実施例が要約されている図面を参照して、提案されたMBFEX管をさらに詳細に説明する。図面において、部分的に、大まかに簡略化された表現である。
円弧として形成されるアノード30上へのMBFEX管1の第一実施形態の実施例を線図に示す。 MBFEX管1の第一実施形態の実施例を側面線図に示す。 真っ直ぐな線形設計のアノード30を含むMBFEX管1の第二実施形態の実施例を示す。 アノード30の断面図によってMBFEX管1の第二実施形態の実施例を示す。 図3に従い、MBFEX管1の高電圧ブッシング52を示す。 コンピュータ断層撮影の第一実施形態の実施例のMBFEX管1のグリッド装置43の部分図を示す。 コンピュータ断層撮影の第一実施形態の実施例のMBFEX管1のグリッド装置43の部分図を示す。 コンピュータ断層撮影の第二実施形態の実施例のMBFEX管1のグリッド装置43の部分図を示す。 コンピュータ断層撮影の第二実施形態の実施例のMBFEX管1のグリッド装置43の部分図を示す。 MBFEX管1のグリッド装置43の代替の設計の部分図を示す。 MBFEX管1のグリッド装置43の代替の設計の部分図を示す。 分解図にMBFEX管1のエミッタ配置33を示す。 図12に従い、エミッタ配置44の上位絶縁層48を示す。 図12に従い、エミッタ配置44のグリッドプレート47を示す。 図14に従い、グリッドプレート47の抽出グリッド電極71を示す。 図12に従い、エミッタ配置44の金属中間プレート46を示す。 図12に従い、エミッタ配置44のセラミックプレート45の前側を示す。 図12に従い、エミッタ配置44のセラミックプレート45の前側を示す。 図12に従い、エミッタ配置44のセラミックプレート45の後側を示す。 セラミックプレート45の詳細を示す。 2つの異なるタイプのカソード41、42を含むMBFEX管1の詳細を示す。 2つの異なる図面に複数のMBFEX管1の環状配置全体の実施例を示す。 2つの異なる図面に複数のMBFEX管1の環状配置全体の実施例を示す。 図22及び23に類似した2つの図面に複数のMBFEX管1の多角形配置全体の実施例を示す。 図22及び23に類似した2つの図面に複数のMBFEX管1の多角形配置全体の実施例を示す。 X線源として各機能する、複数の突出部33を含む、MBFEX管1のアノード30を示す。 X線源として各機能する、複数の突出部33を含む、MBFEX管1のアノード30を示す。 比較のための従来のカソード形状だけではなく、MBFEX管1のカソード40の形状を三次元の図に示す。 MBFEX管1の動作中の電流及び電圧パルスを図面に示す。
下記に説明される提案されたMBFEX管1のすべての実施形態の実施例は、コンピュータ断層撮影のために提供され、X線窓21を備える真空管20を含む。すべての実施形態の実施例の真空管20に、冷却フィンガーとして設計されるアノード30を固定配置する。アノード30は、タングステンを含む。
提案されたMBFEX管の最初の2つの実施形態の実施例は、真空管20中に、ロウ配置に配置される均一なタイプの複数のカソード40を備え、そして図21に従う実施形態の実施例は、2つの異なるタイプのこれらのようなカソード41、42を備え、そこでカソード40、41、42は、電子の電界放出のために提供される。これらのカソード40、41、42は、X線源Qを生成するために、共通アノード30に向かい生成されることができる電子ビームEの主な電子放出方向eに関して各指向される。カソード40、41、42は、X線源Qの配置が同様にロウ配置にあると、アノード30上に生成されることができるような方式で、ロウ配置に固定配置される。カソード40、41、42は、連続的な電気作動のために提供される。X線ビームXは、主なX線放出方向xを各有する。
すべての実施形態の実施例において、各事例で、グリッド装置43は、各X線源Qに向かい指向される。グリッド装置43は、真空管20において、カソード40、41、42と、アノード30との間に固定配置される。各グリッド装置43は、抽出グリッドを備える。これらの抽出グリッドは、カソード40、41、42の前にわずかな間隔によって配置され、カソード40、41、42から電子ビームEの形態で電子抽出のために提供される。抽出グリッドは、図1から4に描かれない。
すべての実施形態の実施例の真空管20は、複数のカソード供給ライン50、及び2つの高電圧ブッシング51、52を順に備える。カソード供給ライン50は、数kVの電圧に対する、カソードの、そしてグリッド装置43の接続として提供され、ワイヤ供給ラインとして設計される。高電圧ブッシング51、52は、数10kVの高電圧へのアノードのそれぞれの端側接続のために提供される。一般に、高電圧は、10kVから420kVの範囲にある。例えば非医療分野において大きな対象物を検査するためのX線設置のために、この間隔の上位範囲における値を選択する。
高電圧ブッシング52において、冷却剤排出管31は、内部冷却剤供給管32によって貫通されている。冷却剤排出管31及び冷却剤供給管32は、循環装置を用いて、液体の、電気的に非導電性の冷却剤によってアノード30を冷却するために提供される。
提案されたMBFEX管1のすべての実施形態の実施例において、カソード40、41、42によって、アノード30と協働して、均一な、または交互に変化するエネルギーのX線パルスを生成することができる。例えば、図29において、エミッタ電流EC、アノード電流AC、及びグリッドエミッタ電圧GEVの時間経過を描く。図29による図解は、実際の測定データを示す。アノード電流AC対エミッタ電流ECの比率を示す、約90%の高い透過度を重視する。本発明の事例において、測定された電圧値から決定されるアノード電流ACは、52.2mAであり、エミッタ電流ECは、58.2mAである。アノード電流ACとエミッタ電流ECとの間のこの非常に特に好ましい比率は、以下にさらに詳細に説明される、X線管1の高品質なエミッタ配置44に基本的に起因する。
提案されたMBFEX管1の第一実施形態の実施例は、図1及び図2を参照して以下にさらに詳細に説明される。第一実施形態の実施例において、アノード30は、円弧として設計される。
図1は、アノード30上への線図を示し、そこで真空管20、グリッド装置43及び高電圧ブッシング51、52をみることができない。図1は、縮尺通りではない。アノード30、カソード40及びグリッド装置43は、真空管20内に配置される。ここで、カソード40は、メタライズされたセラミックから作られる支持体6上にある。アノード30は、真空管20においてカソード40から独立して固着される。X線源Qは、生成されるX線ビームXが検査領域Uに向かいそれらのそれぞれの主なX線放出方向xに指向されるように配置される。
検査領域Uは、検査対象物、特に患者を位置決めするために提供される。
図2は、断面中の側面図において、提案されたMBFEX管1をその第一実施形態の実施例に示す。図2において、冷却剤供給管32、カソード供給ライン50及び高電圧ブッシング51、52をみることができない。カソード40は、それらの表面上で、多層カーボンナノチューブを垂直な優先方向に備える。この文脈において「垂直な」は、アノード30に向かい指向される方向を意味することが理解される。
提案されたMBFEX管1の第二実施形態の実施例は、図3及び図4を参照して以下により詳細に説明される。第二実施形態の実施例は、アノード30が線形設計のものであるという点でのみ第一実施形態の実施例と異なる。
図3は、第二実施形態の実施例のMBFEX管1上への部分断面図を示す。図3において、冷却剤供給管32、カソード40及びグリッド装置43をみることができない。MBFEX管1の第一実施形態の実施例として、カソード供給ライン50及び高電圧ブッシング51、52は、ロウに配置され、アノード30を真空管20上に対向して置かれている。
図4は、提案されたMBFEX管1をその第二実施形態の実施例にアノード30の断面図によって示す。図3において、カソード40及びグリッド装置43もみることができない。高電圧ブッシング52の個々の特徴は、図5から明らかであろう。
図5から11において異なる変形形態で詳細に表される、すべての実施形態の実施例に存在するグリッド装置43は、アノード6に向かい指向される、すなわち、真空管20においてカソード40、41、42とアノード6との間に配置される。グリッド装置43は、定義により、少なくとも1つの抽出グリッド電極71、73、74と、集束電極72、75、76の少なくとも1つの形状とを備える。
抽出グリッド電極71、73、74は、カソード40、41、42の直上に固定配置され、カソード40、41、42から電子の電界抽出のために提供される。また、集束電極72、75、76は、各抽出グリッド電極71、73、74より上に固定配置され、アノード6に対向し、生成されるそれぞれのX線源Q上に、抽出された電子を電子ビームEとして集束させるために提供される。抽出グリッド電極71、73、74は、集束電極72、75、76から独立して接地する。集束電極72、75、76は、受動または能動集束電極として動作することができる。
第一実施形態の実施例において、グリッド装置43は、すべてのカソード40に共通である抽出グリッド電極71を備え、そこで個々の集束電極72は、個々のカソード40のそれぞれと別々に関連付けられる。第二実施形態の実施例において、グリッド装置43は、第一タイプのカソード41に共通である第一形状の抽出グリッド電極73、及び第二タイプのカソード42に共通である第二形状の抽出グリッド電極74を含み、その中で各事例において、第一形状の個々の集束電極75は、第一タイプの個々のカソード41のそれぞれと別々に関連付けられ、各事例において、第二形状の個々の集束電極76は、第二タイプの個々のカソード42のそれぞれと関連付けられる。抽出グリッド電極71、73、74、及び集束電極72、75、76は、図1から4に描かれない。
トモシンセシスによるコンピュータ支援X線撮像のために、一般に40kVの一時的に一定の電位をアノード6に印加し、その中でアノード6と、それぞれのスイッチを入れられたカソード40、41との間で30mAの均一にパルス化された直流が流れる。一方、HPECトモシンセシスによるコンピュータ支援X線撮像のために、問題のアノード上に、一般に120kVの一時的に一定の電位を印加し、その中でアノード6と、それぞれのスイッチングされたカソード40、42との間に、0.5mAの共通のパルス化された直流が流れる。
すべての実施形態の実施例において、提案されたコンピュータ断層撮影は、電流コントローラ、装置制御部、電子制御システム(ECS=Electric Control System)、カソード高電圧源(CPS=Cathode Power Supply(カソード電源))、アノード高電圧源(APS=Anode Power Supply(アノード電源))、及び装置制御部を備える。電流コントローラ、装置制御部、電子制御システム、カソード高電圧源、アノード高電圧源及び装置制御部は、電子閉ループ制御装置の部分である。電流コントローラ、装置制御部及び電子制御システムは、1つの電子制御システムを表す。
電子閉ループ制御装置は、電気主回路及び制御ループを備え、その中で主回路及び制御ループは、直流回路に統合される。主回路において、アノード高電圧源は、アノード6及び電流コントローラに電気的に接続され、電流コントローラは、装置制御部に電気的に接続され、装置制御部は、電子制御システムに電気的に接続され、電子制御システムは、カソード高電圧源に電気的に接続され、そしてカソード高電圧源は、カソード40、41、42に、そのうえそれぞれのグリッド装置43に並列接続で接続される。制御ループにおいて、アノード高電圧源は、フィードバックによって制御システムに電気的にリンクされる。ここで、制御システムは、カソード40、41、42の連続的なスイッチングのためにも、それぞれのグリッド装置43の抽出グリッド電極71、73、74及び集束電極72、75、76の閉ループ制御の両方のためにも、そのうえ主回路電流の閉ループ制御のためにも提供されることができ、その中でカソード高電圧源の電圧は、制御システムによって予め決定されている主回路電流に印加されることができる。
図21に、実施例として、MBFEX管1の8個のカソード41、42の略図を描く。第一タイプのカソード41と、そのうえ第二タイプのカソード42との両方は、カーボンナノチューブを含むが、それらの幾何学的形状が異なる。カソード41、42は、交互にオフセットのロウ配置において、真空管20中に配置され、その中で第一タイプのカソード41の数は、第二タイプのカソード42の数に等しい。各事例において、第一形状のカソード41、及び各事例において、第二形状のカソード42は、グリッド装置43と、すなわち、X線源Qと関連付けられることができる。図21によるMBFEX管1において、第一タイプのカソード41、または第二タイプのカソード42は、要望通りに連続して作動することができる。この方式において、MBFEX管1によるデュアル線量X線画像取得を実施することができる。
図22から25に明らかであるように、複数のMBFEX管1を組み合わせて、固定された環状配置または多角形配置を形成することができ、これらの配置は、コンピュータ断層撮影において回転配置に置き換えられる。これは、すでに説明された、または下記に説明される、MBFEX管1のいかなる設計にも適用される。
MBFEX管1のエミッタ配置44の層状構造を図12から20に示す。エミッタ配置44は、最下位層として、コランダムから作られているセラミックプレート45を備える。カソード40は、セラミックプレート45の伝導性コーティング上に位置し、高い幾何学的精度を備えるシルクスクリーン印刷で生成される。セラミックプレート45の後側上に、導体構造66をみることができる。
セラミックプレート45上に、金属中間プレート46を位置決めする。この金属中間プレート46は、カソード40に対して矩形開口部61を備える。加えて、金属中間プレート46において、開口部61と比較してより小さく、より長いストリップ形状の開口部62は、開口部61の長手側上に位置している。ストリップ形状の開口部62は、真空管20を脱気する機能を有する。これは、各事例においてセラミックプレート45と協働して、操作のための準備と、X線管1の操作を実行するための準備との両方に適用される。
セラミックプレート45において、カソード40に加えて、異なるストリップ形状の開口部64、65をみることができる。ここで、各事例において、3つの短くて小さい開口部64は、各カソード40の長手側に直接に隣接して置かれている。加えて、カソード40は、いくぶんより遠くに置かれ、同様にストリップ形状である開口部65を両側に置かれている。ここで、各事例において、2つのストリップ形状の開口部65は、交互に一列に配置される。2組のこれらのような列のストリップ形状の開口部65は、カソード40と、合計6個のより小さいストリップ形状の開口部64とからなる間に置かれている配置とともに、全体的にH形状に描写される。これは、より長いタイプのストリップ形状の開口部65を1つの側面にのみ置かれている2つの最も外側にあるカソード40を除き、セラミックプレート45上のすべてのカソード40に適用される。
特に、ここで、カソード40の非常に近くに置かれている内部開口部64は、電子の放出中に、わずかな粒子のみの非常に低濃度の気体もエミッタ配置44の後側に向かい排気することができるという事実に寄与する。したがって、本質的な寄与は、真空管20内のアーク放電を防ぐために行われる。X線管1の生成中に、特に加熱中に、吸引することによって気体を除去するために、比較的に大きいストリップ形状の開口部65は、より大きな程度まで必要とされる。
金属中間プレート46は、エミッタ配置44から外方向に通じる電気接続部としての接続ストリップ63を必須部分として含む。金属中間プレート46上に、グリッドプレート47は、位置し、0.224mmの正確に画定された間隔でカソードの前に各置かれている抽出グリッド電極71を取り囲む(図12による実施例において)。
抽出グリッド電極71の詳細は、図15から明らかである。全体的に、抽出グリッド電極71は、矩形形状を有し、この矩形形状の長辺は、完全に真っ直ぐなエッジストリップ78によって形成される。2つのエッジストリップは、複数のグリッドストリップ77によって互いに接続され、グリッド構造全体をもたらす。しかしながら、エッジストリップ78とは対照的に、グリッドストリップ77は、完全に真っ直ぐではない。代替に、各グリッドストリップ77の2つの端部において、すなわち、エッジストリップ78への移行部において、丸い移行領域79を形成する。丸い移行領域79は、熱が引き起こした変形がカソード40と抽出グリッド71との間の間隔における変化につながるのではなく、代替に適所に置かれている抽出グリッド71内に吸収され、エミッタ配置44の放出特性に影響しないことを基本的に確保する。
グリッドプレート47は、セラミック材料から作られるプレートの形で上位絶縁層48によって覆われることにより、エミッタ配置44は、完成する。上位絶縁層48は、図12から明らかであるように、電子の通過を可能にするために、カソード40の形状に適合される開口部49を含む。
エミッタ配置44に繰り返し含まれるような、カソード40の幾何学的特徴を図28に表す。良好な近似によって、カソード40は、立方状構造を有する。カソード40の電子放出面全体の上に、したがって、カソード40と、図28に描かれていない抽出グリッド電極71との間の間隔にほとんどいかなる変化もない。比較のために、図28は、破線で描かれている、電気泳動堆積(EPD)方法によって生成される従来のカソードの表面構造を示す。この比較実施例において、もはや滑らかな表面について語ることができない。代替に、特にEPD方法によって生成されるカソードの縁部において、放出カソードの表面内に明白なポイントがある。電子は、これらのポイントで主に放出される。これは、一方では寿命が制限され、他方では電子の透過率を制限する。対照的に、本発明に従いX線管1に使用されるような、カソード40は、ほぼ一定の放出速度でその表面の各表面部分に電子を放出する。
エミッタ配置44と協働するアノード30の実施形態の実施例を図26及び27に示す。アノード30の円筒形状の基部本体上に、複数の突出部品33が位置し、アノード突出部とも称される、または略して突出部とも称される。これらの突出部33のそれぞれは、基部本体に対して傾斜し、X線源に適しているタングステンまたは別の材料によってコーティングされる表面34を含む。異なる表面34の傾斜は、図27に示されるように、放出されたX線放射Xが検査領域Uに置かれているX線配置10のアイソセンタの方向に集束されるような方式において、互いに異なる。
参照番号のリスト
1 MBFEX管
6 支持体
10 X線配置
20 真空管
21 X線窓
30 アノード
31 冷却剤排出管
32 冷却剤供給管
33 突出部品
34 コーティング面
40 カソード
41 第一タイプのカソード
42 第二タイプのカソード
43 グリッド装置
44 エミッタ配置
45 セラミックプレート
46 金属中間プレート
47 グリッドプレート
48 上位絶縁層
49 上位絶縁層中の開口部
50 カソード供給ライン
51 高電圧ブッシング
52 高電圧ブッシング
61 金属中間プレート中の開口部
62 金属中間プレート中のストリップ形状の開口部
63 接続ストリップ
64 小さいストリップ形状の開口部
65 より幅広いストリップ形状の開口部
66 導体構造
71 抽出グリッド電極
72 集束電極
73 第一形状の抽出グリッド電極
74 第二形状の抽出グリッド電極
75 第一形状の集束電極
76 第二形状の集束電極
77 グリッドストリップ
78 エッジストリップ
79 丸い移行領域
80 セラミック支持体
81 金属層
AC アノード電流
E 電子ビーム
e 主な電子放出方向
EC エミッタ電流
GEV グリッドエミッタ電圧
Q X線源
X X線ビーム
x 主なX線放出方向
U 検査領域

Claims (30)

  1. X線装置のためのMBFEX管(1)であって、
    真空管(20)中に、
    冷却フィンガーとして設計され、前記真空管中に固定配置されるアノード(30)、及び
    複数の固定配置されたカソード(40、41、42)、
    を備え、
    前記真空管(20)は複数のカソード供給ライン(50)と、わずか2つの高電圧ブッシング(51、52)を含み、
    前記高電圧ブッシング(52)において冷却剤管(31)は内部冷却剤内管(32)によって貫通され、
    前記冷却剤管(31)及び前記冷却剤内管(32)は前記アノード(30)を液体冷却剤によって冷却するために提供され、
    前記カソード(40、41、42)は電子の電界放出のために提供され、各事例においてX線源(Q)を生成するために前記アノード(30)に向けて指向される、
    前記MBFEX管(1)。
  2. 前記カソード供給ライン(50)及び前記高電圧ブッシング(51、52)がロウに配置され、前記アノード(30)を前記真空管(20)上に対向して置かれていることを特徴とする、請求項1に記載のMBFEX管(1)。
  3. 前記X線源(Q)が前記アノード(30)上でロウ配置に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のMBFEX管(1)。
  4. 前記X線源(Q)が前記アノード(30)の中心軸に対して傾斜する前記アノード(30)の表面部分上に各位置していることを特徴とする、請求項3に記載のMBFEX管(1)。
  5. 前記傾斜した表面部分が前記アノード(30)の突出部によって形成されることを特徴とする、請求項4に記載のMBFEX管(1)。
  6. 前記傾斜した表面部分が前記アノード(30)中の接地部分によって形成されることを特徴とする、請求項4に記載のMBFEX管(1)。
  7. 前記アノード(30)の前記傾斜した表面部分はコーティングされることを特徴とする、請求項5または6に記載のMBFEX管(1)。
  8. 前記カソード(40、41、42)がナノロッドを含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  9. 前記ナノロッドのうちの少なくともいくつかが単層もしくは多層カーボンナノチューブとして、または単層もしくは多層ヘテロ窒素カーボンナノチューブとして設計されることを特徴とする、請求項8に記載のMBFEX管(1)。
  10. 前記ナノロッドのうちの少なくともいくつかが希土類ホウ化物、金属酸化物、金属硫化物、窒化物、炭化物またはシリコンを含むことを特徴とする、請求項8または9に記載のMBFEX管(1)。
  11. 前記ナノロッドが20μm未満の長さ、及び10nm未満の直径を有することを特徴とし、前記カソード(40、41、42)の表面積に関する密度は1cm2あたり少なくとも106ナノロッドである、請求項8から10のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  12. 集束電極(72)が前記カソード(40、41、42)より上に位置している少なくとも1つの抽出グリッド(71)と前記アノード(30)との間に配置されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  13. 前記集束電極(72)が前記抽出グリッド(71)から離れて接地することを特徴とする、請求項12に記載のMBFEX管(1)。
  14. 前記集束電極(72)及び/または前記抽出グリッド(71)が鋼、特にステンレス鋼から製造されることを特徴とする、請求項12または13に記載のMBFEX管(1)。
  15. 前記抽出グリッド(71)がグリッドストリップ(77)によって互いに接続され、単一部品を形成する相互に平行なエッジストリップ(78)を含む矩形形状を表すことを特徴とし、前記グリッドストリップ(77)と前記エッジストリップ(78)との間の前記移行部において、丸い移行領域(79)は形成され、各事例において、前記丸い移行領域(79)によって前記グリッドストリップ(77)は細長いS形状を表す、請求項12から14のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  16. 前記真空管(20)はパラメータ群からの少なくとも1つのパラメータが異なる、異なるタイプのカソード(40、41、42)を含むことを特徴とし、前記パラメータ群は幾何学的形状パラメータ及び材料パラメータを有する、請求項1から15のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  17. 20μm未満の厚さ、及び2.5μm未満の平均粗さ(Ra)を有する電子の前記放出のために設計される層が少なくとも1つのタイプのカソード(40、41、42)によって形成されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  18. 複数のカソード(40、41、42)が平らな支持要素(45)上に配置されることを特徴とする、請求項1から17のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  19. 前記平らな支持要素(45)がコランダムを含むことを特徴とする、請求項18に記載のMBFEX管(1)。
  20. 前記平らな支持要素が第一タイプのストリップ形状の開口部(64)、及び第二タイプのストリップ形状の開口部(65)を含むことを特徴とし、前記第一タイプのストリップ形状の開口部(64)の群は前記第二タイプのストリップ形状の開口部(65)の群よりカソード(40)の近くに配置され、前記第一タイプの前記ストリップ形状の開口部(64)は前記第二タイプの前記ストリップ形状の開口部(65)より小さい、請求項18または19に記載のMBFEX管(1)。
  21. 前記平らな支持要素(45)が層状エミッタ配置(44)の部分であり、さらに金属中間プレート(46)、抽出グリッド(71)を含むグリッドプレート(47)、及び上位絶縁層(48)を含むことを特徴とする、請求項18から20のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  22. 前記平らな支持要素(45)の前記ストリップ形状の開口部(64、65)が前記金属中間プレート(46)において開口部(62)と少なくとも部分的にアライメントを取ることを特徴とする、請求項21に記載のMBFEX管(1)。
  23. 前記アノード(30)が冷却剤の双方向の供給及び排出のために設計されることを特徴とし、各事例において、前記アノード(30)の前記2つの端部に冷却剤供給ライン及び関連した冷却剤排出ラインは配置される、請求項1から22のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  24. 前記アノード(30)が検査領域(U)を少なくとも部分的に取り囲むことを特徴とし、前記X線源(Q)も前記検査領域(U)を少なくとも部分的に囲む、請求項1から23のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  25. 前記アノード(30)が弓状設計を有することを特徴とする、請求項24に記載のMBFEX管(1)。
  26. 前記アノード(30)が回転アノードとして設計されることを特徴とする、請求項1から24のいずれか1項に記載のMBFEX管(1)。
  27. 前記検査領域(U)を少なくとも部分的に取り囲む環状の、弓状の、多角形の、LまたはU形状は、前記MBFEX管(1)の全体によって形成される、請求項1に従い設計される複数のMBFEX管(1)の配置。
  28. 真空管(20)と、前記真空管(20)中に置かれ電子の電界放出のために設計されるアノード(30)と、そのうえ前記真空管(20)中に配置されるカソード(40、41、42)とは、提供され、
    前記カソード(40、41、42)と前記アノード(30)との間に配置され、抽出グリッド(71)及び集束電極(72)を含む前記要素群から選択される少なくとも1つの要素は、レーザによって機械加工される、
    請求項1に記載のMBFEX管(1)を製造するための方法。
  29. 前記要素(71、72)の前記レーザ加工が前記レーザのピコ秒またはフェムト秒のタイミングによって起こることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. 前記アノード(30)は、異なる波長の連続したX線パルスの前記放出のために使用される、請求項1に記載のMBFEX管(1)を操作するための方法。
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