JP2020531575A - 新規化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)の化合物および療法、例えば、マイコバクテリア感染症の治療または結核などのマイコバクテリウムにより生じる疾患の治療におけるそれらの使用に関する。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、新規化合物、それらを含有する組成物、および治療、例えば、マイコバクテリア感染症の治療または結核(TBとしても知られる)などのマイコバクテリウムにより生じる疾患の治療におけるそれらの使用に関する。
発明の背景
2014年に世界保健機関により発表された報告書によれば、毎年ほぼ1,000万人が結核(TB)に感染し、毎年150万例の死亡が生じている。結核に対する治療が利用可能であるにもかかわらず、この疾患の発生率は、TBの原因となる細菌病原体である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による感染症のために依然として上昇し始めており、この結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、イソニアジドおよびリファンピシンなどの多くの第一選択治療に対して耐性を示すようになってきている。
イソニアジドの構造類似体であるエチオナミドは、多剤耐性TB(MDR TB)の治療のために頻繁に処方されており、イソニアジドと同等の効果がある。しかしながら、エチオナミドの使用と関連する不利点として、許容可能な血中薬物濃度を得るためには最大1g/日が必要であるが、これは神経毒性および致死的な肝毒性を含む重度の副作用と関連することが挙げられる。従って、臨床用量およびエチオナミドへの曝露を減らす必要性が存在する。
従って、本発明の一つの目的は、TBの治療に使用される薬物、特に、エチオナミドなどのEthA経路を介して活性化され得る薬物の活性を増強できる可能性が高い新規化合物を提供することである。本発明のさらなる目的は、TBの治療のための新規化合物を提供することである。
PCT公開番号WO2014/096369は、アリール、シクロアルキルまたはヘテロアリール置換基を有するスピロイソオキサゾリン化合物を記載している。このような化合物は、TBの治療において有用であると言われている。
本発明の第1の側面では、下記式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される:
Figure 2020531575
[式中、Rは、ハロゲン;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメチル;1以上のフルオロにより置換されたエチル;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである]。
本発明の第2の側面では、治療での使用のための、特に、結核の治療における使用のための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本発明の第3の側面では、それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリア感染症の治療のための方法であって、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
本発明の第4の側面では、それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療のための方法であって、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法が提供される。
本発明の第5の側面では、マイコバクテリア感染症またはマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用が提供される。
本発明の第6の側面では、マイコバクテリア感染症の治療における使用のためのまたはマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本発明の第7の側面では、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、(b)薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物が提供される。
本発明の第8の側面では、(a)式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能なものと(b)少なくとも1つの他の抗マイコバクテリア剤の組合せが提供される。
発明の詳細な説明
上記のように、本発明の一つの側面は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
Figure 2020531575
[式中、Rは、ハロゲン;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメチル;1以上のフルオロにより置換されたエチル;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである]に関する。
一つの実施態様では、本発明は、式(I)の化合物に関する。
一つの実施態様では、Rは、フルオロ、クロロもしくはブロモ;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメチル;1以上のフルオロにより置換されたエチル;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、フルオロ、クロロもしくはブロモ;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;モノ、ジもしくはトリフルオロメチル;モノ、ジもしくはトリフルオロメトキシ;2−フルオロエチル;2,2−ジフルオロエチル;2,2,2−トリフルオロエチル;2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ;または2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、クロロもしくはブロモ;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;モノ、ジもしくはトリフルオロメチル;モノ、ジもしくはトリフルオロメトキシ;2−フルオロエチル;2,2−ジフルオロエチル;2,2,2−トリフルオロエチル;2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ;または2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、C1−6直鎖アルキル、C3−4分岐アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C3−4分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、クロロ、ブロモ、シアノ、C1−6直鎖アルキル、C3−4分岐アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C3−4分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、C1−6直鎖アルキル、C3−4分岐アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C3−4分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、クロロ、ブロモ、シアノ、C1−6直鎖アルキル、C3−4分岐アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C3−4分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、フルオロ、ブロモ、シアノ、C1−4直鎖アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、ブロモ、シアノ、C1−4直鎖アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである。
一つの実施態様では、Rは、フルオロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエトキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−ブトキシまたはヘキシルオキシである。
一つの実施態様では、Rは、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエトキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−ブトキシまたはヘキシルオキシである。
一つの実施態様では、Rはトリフルオロメチルである。
本発明において有用である特定の化合物は、
4,4,4−トリフルオロ−1−[3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル]ブタン−1−オン;
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−プロポキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−イソブトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−ヘキシルオキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
1−(3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン;
1−(3−エトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン;
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−メトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−メチル−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
1−(3−エチル−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン;
8−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−3−カルボニトリル;および
4,4,4−トリフルオロ−1−(3−フルオロ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン
を含む。
用語および定義
本明細書で使用する場合、用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを指す。しかしながら、より詳しくは、それは、フルオロ、クロロまたはブロモを指すものとする。
本明細書で使用する場合、用語「シアノ」は、−CNを指す。
本明細書で使用する場合、用語「C1−6直鎖アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を指す。従って、用語「C直鎖アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを含む。
本明細書で使用する場合、用語「C3−4分岐アルキル」は、3または4個の炭素原子を有する分岐アルキル基を指す。従って、用語「C3−4分岐アルキル」は、イソ−プロピル、sec−ブチルおよびイソ−ブチルを含む。
本明細書で使用する場合、用語「C1−6直鎖アルコキシ」は、1〜3個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ基を指す。従って、用語「C1−6直鎖アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシおよびn−ヘキシルオキシを含む。
本明細書で使用する場合、用語「C3−4分岐アルコキシ」は、3または4個の炭素原子を有する分岐鎖アルコキシ基を指す。従って、用語「C3−4分岐アルコキシ」は、イソ−プロポキシ、sec−ブトキシおよびイソ−ブトキシを含む。
本明細書で使用する場合、用語「1以上のフルオロにより置換されたメチル」は、1、2または3個のフッ素原子により置換されたメチル基を指す。従って、用語「1以上のフルオロにより置換されたメチル」は、モノ−フルオロメチル(−CHF)、ジ−フルオロメチル(−CHF)およびトリフルオロメチル(−CF)を含む。
本明細書で使用する場合、用語「1以上のフルオロにより置換されたエチル」は、1、2、3、4または5個のフッ素原子により置換されたエチル基を指す。従って、用語「1以上のフルオロにより置換されたエチル」は、2−フルオロエチル(−CHCHF)、2,2−ジフルオロエチル(−CHCHF)および2,2,2−トリフルオロエチル(−CHCF)を含む。
本明細書で使用する場合、用語「1以上のフルオロにより置換されたメトキシ」は、メチル基の炭素が1、2または3個のフッ素原子により置換されたメトキシ基を指す。従って、用語「1以上のフルオロにより置換されたメチル」は、モノ−フルオロメトキシ(−OCHF)、ジ−フルオロメトキシ(−OCHF)およびトリフルオロメトキシ(−OCF)を含む。
本明細書で使用する場合、用語「1以上のフルオロにより置換されたエトキシ」は、エチル基の炭素が1、2、3、4または5個フッ素原子により置換されたエトキシ基を指す。従って、用語「1以上のフルオロにより置換されたエチル」は、2−フルオロエトキシ(−OCHCHF)、2,2−ジフルオロエトキシ(−OCHCHF)および2,2,2−トリフルオロエトキシ(−OCHCF)を含む。
式(I)の化合物は、異なる互変異性型で存在し得ることが認識されるであろう。総ての考えられる互変異性体が、本発明の範囲内にあることが企図される。
用語「本発明の化合物」は、本明細書で使用する場合、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を意味する。用語「本発明の化合物」は、上記で定義される本発明の化合物のいずれか一つを意味する。
さらに、「式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩」または「本発明の化合物」などの句は、式(I)の化合物、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはこれらの任意の薬学的に許容可能な組合せを包含するものとすることが理解されるであろう。従って、例示的目的のために本明細書で使用される限定されない例により、「式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩」は、溶媒和物として存在する式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を包含し、この句はまた、式(I)の化合物と式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩の混合物を包含する。
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に対する本明細書における言及は、遊離塩基としてのまたはその薬学的に許容可能な塩としての式(I)の化合物を含むと理解されるべきである。従って、一つの実施態様では、本発明は、式(I)の化合物を対象とする。別の実施態様では、本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を対象とし得る。
用語「薬学的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比と釣り合った、過剰な毒性、刺激、または他の問題もしくは合併症を生じることなく、ヒトおよび動物の組織に接触して使用するために好適なそれらの化合物(塩を含む)、材料、組成物、および剤形を指す。
薬学的に許容可能な塩としては、とりわけ、Berge, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載のもの、またはP H Stahl and C G Wermuth編, Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection and Use, Second Edition Stahl/Wermuth: Wiley- VCH/VHCA, 2011 (http://www.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-3906390519.html参照)に収載のものが含まれる。
好適な薬学的に許容可能な塩は、酸付加塩を含み得る。このような塩は、場合により、有機溶媒などの好適な溶媒中で、適当な酸との反応により形成することができ、結晶化および濾過により単離され得る塩を生じる。
代表的な薬学的に許容可能な酸付加塩としては、限定されるものではないが、4−アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(caprate)(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストール酸塩(硫酸ラウリル)、エタン−1,2−ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩(glycerophosphorate)、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’−ジ(デヒドロアビエチル)−エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン−2−スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p−アミノベンゼンスルホン酸塩、p−アミノサリチル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビタール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スバセチン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8−クロロテオフィリナート)、チオシアン酸塩、トリエチオダイド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸塩、および吉草酸塩が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「治療上有効な量」は、このような量を投与されていない対応する対象と比較して、疾患、障害、もしくは副作用の治療、治癒、予防、もしくは寛解の改善、または疾患もしくは障害の進行の速度の減少をもたらす任意の量を意味する。
適当な「治療上有効な量」は、例えば、対象の年齢および体重、治療を必要とする正確な病態およびその重症度、製剤の性質、ならびに投与経路を含む多数の因子に依存し、最終的に担当医の判断による。
化合物の調製
本発明の化合物は、標準化学を含む多様な方法により調製してよい。先に定義されたいずれの変数も、特に断りのない限り、先に定義された意味を継続して有する。例示的な一般的合成法を以下のスキームにおいて説明するが、これらは、本発明の他の化合物を調製するために容易に適合することができる。本発明の特定の化合物は、実施例の項に開示される実験手順に従って調製することができる。
式(I)の化合物を合成するために使用される一般的手順を、以下の反応スキーム1〜7に記載し、実施例において説明する。
式(Ia)の化合物の調製
Figure 2020531575
式(I)のアルコキシスピロ化合物である式(Ia)の化合物は、例えばTFAによる式(II)のアルコキシスピロ化合物のBoc保護基の脱保護、およびさらに4,4,4−トリフルオロブタン酸とのTFA塩アミノ基のカップリングにより、スキーム1(下記)に従って調製してよい。式(II)の中間体化合物は、式(IV)のハロゲン化スピロN−Boc保護化合物との対応する市販のアルコール(ROH)の反応により調製することができ、その合成を以下に記載する。
Figure 2020531575
スキーム1 − Rが、C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである、式(I)の化合物の調製
あるいは、アルコキシスピロ化合物である式(Ia)の化合物は、炭酸カリウムなどの好適な塩基の存在下で、式(IIIa)のハロゲン化スピロトリフルオロブタンアミド化合物との対応する市販のアルコール(ROH)の反応により、スキーム2(下記)に従って調製してよい。
Figure 2020531575
スキーム2 − Rが、C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである、式(I)の化合物の代替の調製
式(Ib)の化合物の調製
アルキルスピロ化合物である式(Ib)の化合物は、4,4,4−トリフルオロブタン酸との式(IV)の化合物のカップリングにより、スキーム3(下記)に従って調製してよい。式(IV)の化合物は、式(V)のオキシム化合物による市販の4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの環化、およびさらに塩化水素などの酸によるN−Boc保護基の切断により、調製してよい。
Figure 2020531575
スキーム3 − Rが、C1−6直鎖アルキルまたはC3−4分岐アルキルである、式(I)の化合物の調製
式(Ic)の化合物の調製
式(Ic)のシアノ化合物は、スキーム4(下記)に従って、DMFなどの好適な溶媒中で、例えばシアン化ナトリウムによる化合物(IIIa)の求核置換により、調製してよい。
Figure 2020531575
スキーム4 − RがCNである、式(I)の化合物の調製
式(Id)の化合物の調製
式(Id)のフッ素化合物は、スキーム5(下記)に従って、DMSOなどの好適な溶媒中で、例えばフッ化カリウムによる化合物(IIIa)のハロゲン置換により、調製してよい。
Figure 2020531575
スキーム5 − RがFである、式(I)の化合物の調製
中間体(IIIa)および(V)の調製
式(V)のオキシム中間体は、スキーム6(下記)に示されるように、NBSまたはNCSなどのN−ハロゲンスクシンイミドとの式(VI)の中間体化合物のハロゲン化反応により、調製してよい。Rがメチルまたはエチルである、式(VI)のオキシム中間体は、例えばヒドロキシルアミンとの式(VII)の対応するアルデヒドの反応により、調製してよい。あるいは、Rがトリフルオロメチルである、トリフルオロメチルオキシム中間体は、ヒドロキシルアミンとの2,2,2−トリフルオロ−1−メトキシエタノールの反応により、調製することができる。
Figure 2020531575
スキーム6 − 中間体Vの調製
式(III)のハロゲン化スピロN−Boc保護中間体は、例えば重炭酸ナトリウム(スキーム7)の存在下で、市販の4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルおよびヒドロキシカルボンイミド酸ジブロミドの反応により、調製してよい。
Figure 2020531575
スキーム7 − 中間体IIIの調製
同様に、中間体(IIIa)は、上記と同じ条件下で、ヒドロキシカルボンイミド酸ジブロミドとアルケン(VIII)の反応により、調製してよい。中間体(VIII)は、標準条件下で、4,4,4−トリフルオロブタン酸とのアミノ塩酸塩中間体(IX)のカップリング反応により、調製することができる。最後に、アミノ中間体(IX)は、塩化水素での処理により、市販の4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルから調製してよい。この点に関しては、下記のスキーム8を参照。
Figure 2020531575
スキーム8 − 中間体IIIaの調製
使用方法
一つの側面では、本発明は、治療での使用のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
別の側面では、本発明は、マイコバクテリア感染症の治療における使用のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。マイコバクテリア感染症は、マイコバクテリウムの感染により生じるものである。
マイコバクテリウムは、以下のマイコバクテリウムの群:結核菌群(mycobacterium tuberculosis complex)(MTC)、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(Mycobacterium avium complex)(MAC)、マイコバクテリウム・ゴルドナエ分岐群(Mycobacterium gordonae clade)、マイコバクテリウム・カンサシ分岐群(Mycobacterium kansasii clade)、マイコバクテリウム・ケロナエ分岐群(Mycobacterium chelonae clade)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム分岐群(Mycobacterium fortuitum clade)、マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム分岐群(Mycobacterium parafortuitum clade)またはマイコバクテリウム・バッカエ分岐群(Mycobacterium vaccae clade)のうちの一つのメンバーであってよい。マイコバクテリウムはまた、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)またはらい菌(Mycobacterium leprae)であってもよい。
結核菌群(Mycobacterium tuberculosis complex)(MTC)のメンバーには、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)BCG、マイコバクテリウム・カネッティ(Mycobacterium canetti)、マイコバクテリウム・カプラエ(Mycobacterium caprae)、マイコバクテリウム・ミクロティ(Mycobacterium microti)およびマイコバクテリウム・ピニペディイ(Mycobacterium pinnipedii)が含まれる。これらのマイコバクテリアは、ヒトおよび動物の結核の原因病原体である。結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、ヒトの結核の主原因である。
一つの実施態様では、マイコバクテリウムは、結核菌群(Mycobacterium tuberculosis complex)(MTC)のメンバーである。
一つの実施態様では、感染症は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染症である。すなわち、マイコバクテリア感染症は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の感染により生じる。
一つの実施態様では、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、多剤耐性である。別の実施態様では、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、エチオナミドに対して耐性である。
マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(Mycobacterium avium complex)(MAC)のメンバーには、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス(Mycobacterium avium paratuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム亜種シラチカム(Mycobacterium avium silaticum)、マイコバクテリウム・アビウム亜種ホミニスイス(Mycobacterium avium hominissuis)、マイコバクテリウム・コロンビエンス(Mycobacterium columbiense)およびマイコバクテリウム・インディカス・パラニ(Mycobacterium indicus pranii)が含まれる。
マイコバクテリウム・ゴルドナエ分岐群(Mycobacterium gordonae clade)のメンバーには、マイコバクテリウム・アジアティカム(Mycobacterium asiaticum)およびマイコバクテリウム・ゴルドナエ(Mycobacterium gordonae)が含まれる。
マイコバクテリウム・カンサシ分岐群(Mycobacterium kansasii clade)のメンバーには、マイコバクテリウム・ガストリ(Mycobacterium gastri)およびマイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)が含まれる。
マイコバクテリウム・ケロナエ分岐群(Mycobacterium chelonae clade)のメンバーには、マイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)、マイコバクテリウム・ボルレティイ(Mycobacterium bolletii)およびマイコバクテリウム・ケロナエ(Mycobacterium chelonae)が含まれる。
マイコバクテリウム・フォーチュイタム分岐群(Mycobacterium fortuitum clade)のメンバーには、マイコバクテリウム・ボエニッキイ(Mycobacterium boenickei)、マイコバクテリウム・ブリスベネンス(Mycobacterium brisbanense)、マイコバクテリウム・コスメティカム(Mycobacterium cosmeticum)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム亜種アセトアミドリティカム(Mycobacterium fortuitum subspecies acetamidolyticum)、マイコバクテリウム・ヒューストネンス(Mycobacterium houstonense)、マイコバクテリウム・マジェリテンス(Mycobacterium mageritense)、マイコバクテリウム・ニューオルレアンセンス(Mycobacterium neworleansense)、マイコバクテリウム・ペレグリナム(Mycobacterium peregrinum)、マイコバクテリウム・ポルシナム(Mycobacterium porcinum)、マイコバクテリウム・セネガレンス(Mycobacterium senegalense)およびマイコバクテリウム・セプティカム(Mycobacterium septicum)が含まれる。
マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム分岐群(Mycobacterium parafortuitum clade)のメンバーには、マイコバクテリウム・オーストロアフリカーナム(Mycobacterium austroafricanum)、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・ホドレリ(Mycobacterium hodleri)、マイコバクテリウム・ネオオーラム(Mycobacterium neoaurum)およびマイコバクテリウム・パラフォーチュイタム(Mycobacterium parafortuitum)が含まれる。
従って、マイコバクテリア感染症は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)BCG、マイコバクテリウム・カネッティ(Mycobacterium canetti)、マイコバクテリウム・カプラエ(Mycobacterium caprae)、マイコバクテリウム・ミクロティ(Mycobacterium microti)、マイコバクテリウム・ピニペディイ(Mycobacterium pinnipedii)、マイコバクテリウム・アビウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス(Mycobacterium avium paratuberculosis)、マイコバクテリウム・アビウム亜種シラチカム(Mycobacterium avium silaticum)、マイコバクテリウム・アビウム亜種ホミニスイス(Mycobacterium avium hominissuis)、マイコバクテリウム・コロンビエンス(Mycobacterium columbiense)、マイコバクテリウム・インディカス・パラニ(Mycobacterium indicus pranii)、マイコバクテリウム・アジアティカム(Mycobacterium asiaticum)、マイコバクテリウム・ゴルドナエ(Mycobacterium gordonae)、マイコバクテリウム・ガストリ(Mycobacterium gastri)、マイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)、マイコバクテリウム・ボルレティイ(Mycobacterium bolletii)、マイコバクテリウム・ケロナエ(Mycobacterium chelonae)、マイコバクテリウム・ボエニッキイ(Mycobacterium boenickei)、マイコバクテリウム・ブリスベネンス(Mycobacterium brisbanense)、マイコバクテリウム・コスメティカム(Mycobacterium cosmeticum)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・フォーチュイタム亜種アセトアミドリティカム(Mycobacterium fortuitum subspecies acetamidolyticum)、マイコバクテリウム・ヒューストネンス(Mycobacterium houstonense)、マイコバクテリウム・マジェリテンス(Mycobacterium mageritense)、マイコバクテリウム・ニューオルレアンセンス(Mycobacterium neworleansense)、マイコバクテリウム・ペレグリナム(Mycobacterium peregrinum)、マイコバクテリウム・ポルシナム(Mycobacterium porcinum)、マイコバクテリウム・セネガレンス(Mycobacterium senegalense)、マイコバクテリウム・セプティカム(Mycobacterium septicum)、マイコバクテリウム・オーストロアフリカーナム(Mycobacterium austroafricanum)、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)、マイコバクテリウム・フレデリクスバーゲンス(Mycobacterium frederiksbergense)、マイコバクテリウム・ホドレリ(Mycobacterium hodleri)、マイコバクテリウム・ネオオーラム(Mycobacterium neoaurum)、マイコバクテリウム・パラフォーチュイタム(Mycobacterium parafortuitum)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)およびらい菌(Mycobacterium leprae)から選択されるマイコバクテリウムの感染により生じ得る。
別の側面では、本発明は、マイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関し、ここで、マイコバクテリウムは、前述のものから選択される。
マイコバクテリウムの感染により生じる疾患としては、限定されるものではないが、結核(例えば、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)による)、ハンセン病(例えば、らい菌(Mycobacterium leprae)による)、ヨーネ病(例えば、マイコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス(Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis)による)、ブルーリもしくはベアンズデイル潰瘍(例えば、マイコバクテリウム・ウルセラン(Mycobacterium ulceran)による)、クローン病(例えば、マイコバクテリウム・アビウム亜種パラツベルクローシス(Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis)による)、肺疾患もしくは肺感染症、肺炎、嚢、滑膜、腱鞘、限局性膿瘍、リンパ節炎、皮膚および軟組織感染症、Lady Windermere症候群(例えば、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(Mycobacterium avium complex)(MAC)による)、MAC肺疾患、播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(disseminated Mycobacterium avium complex)(DMAC)、播種性マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレコンプレックス(disseminated Mycobacterium avium intraceullulare complex)(DMAIC)、ホットタブ肺(hot-tub lung)(例えば、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(Mycobacterium avium complex)による)、MAC乳腺炎、MAC化膿性筋炎、または肉芽腫疾患が含まれる。
一つの実施態様では、疾患は結核である。従って、本発明の一つの側面は、結核の治療における使用のための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一つの実施態様では、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリア感染症の治療の方法であって、前記治療は、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法に関する。本明細書に記載の通り、マイコバクテリア感染症は、マイコバクテリウムの感染により生じるものである。マイコバクテリウムは、前述の通りである。
一つの実施態様では、マイコバクテリア感染症は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染症である。
別の実施態様では、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療の方法であって、前記治療は、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法に関する。
一つの実施態様では、疾患は結核である。従って、それを必要とする哺乳動物における結核の治療の方法であって、前記治療は、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法も、本明細書に記載される。
一つの実施態様では、哺乳動物はヒトである。
治療に対する本明細書における言及は、確立された病態の治療を指すことが、当業者により認識されるであろう。しかしながら、本発明の化合物は、病態に応じて、特定の疾患の予防においても有用であり得る。従って、一つの実施態様では、TBなどの疾患の治療または予防が提供される。別の実施態様では、TBなどの疾患の治療が提供される。さらなる実施態様では、TBなどの疾患の予防が提供される。
別の実施態様では、本発明は、マイコバクテリア感染症の治療またはマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
結核の治療における使用のための薬剤の製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用も、本明細書に記載される。
一つの実施態様では、TBの治療における使用のための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、チオアミドと併用投与される。さらなる実施態様では、チオアミドはエチオナミドである。代替実施態様では、チオアミドはプロチオナミドである。
従って、一つの実施態様では、TBの治療における使用のための医薬組成物が提供され、ここで、前記組成物は、(a)式(I)の化合物と、(b)チオアミド、例えばエチオナミドまたはプロチオナミドと、場合により、(c)薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる。
別の実施態様では、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリア感染症の治療の方法であって、前記治療は、チオアミドと組み合わせて、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法に関し、ここで、前記チオアミドはエチオナミドであってよい。代替実施態様では、チオアミドはプロチオナミドである。本明細書に記載の通り、マイコバクテリア感染症は、マイコバクテリウムの感染により生じるものである。マイコバクテリウムは、前述の通りである。
一つの実施態様では、マイコバクテリア感染症は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染症である。
別の実施態様では、本発明は、それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療の方法であって、前記治療は、チオアミドと組み合わせて、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法に関し、ここで、前記チオアミドはエチオナミドであってよい。代替実施態様では、チオアミドはプロチオナミドである。
一つの実施態様では、疾患は結核である。従って、それを必要とする哺乳動物における結核の治療の方法であって、前記治療は、チオアミドと組み合わせて、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる方法も、本明細書に記載され、ここで、前記チオアミドはエチオナミドであってよい。代替実施態様では、チオアミドはプロチオナミドである。
別の実施態様では、本発明は、マイコバクテリア感染症の治療またはマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための薬剤の製造における、チオアミド(例えば、エチオナミド)と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。代替実施態様では、チオアミドはプロチオナミドである。
結核の治療における使用のための薬剤の製造における、チオアミド(例えば、エチオナミド(ethioamide))と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用も、本明細書に記載される。代替実施態様では、チオアミドはプロチオナミドである。
ある実施態様では、上記の方法および治療における使用のための式(I)の化合物は、以下の構造:
Figure 2020531575
を有する4,4,4−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オンである。
医薬組成物
式(I)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩は、通常、必ずしもそうではないが、患者に投与する前に医薬組成物に処方される。従って、別の側面では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物が提供される。
医薬組成物は、任意の適当な経路、例えば、経口(口腔(buccal)もしくは舌下を含む)、直腸、吸入、鼻腔内、局所(口腔、舌下もしくは経皮を含む)または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内)経路により、投与してよい。特に、本発明の医薬組成物は、経口または静脈内経路により投与してよい。
好適な薬学的に許容可能な賦形剤としては、以下の種類の賦形剤:担体、希釈剤、充填剤(filler)、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤(glidant)、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶剤、共溶剤、懸濁剤、乳化剤、甘味剤、香味剤、フレーバーマスキング剤、着色剤、固化防止剤、保湿剤、キレート化剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、保存剤、安定剤、界面活性剤および緩衝剤が含まれる。
本発明の化合物を処方するための好適な方法は、当業者にはよく知られているであろうが、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第21版 2006に記載されている。
医薬組成物は、単位用量あたり所定の量の有効成分を含有する単位剤形で提示されてよい。好ましい単位用量の組成物は、有効成分の一日量もしくは部分用量(sub-dose)、またはその適当な分割量を含有するものである。従って、このような単位用量は、1日2回以上投与してよい。好ましい単位用量の組成物は、有効成分の、本明細書において上記で列挙したような一日量もしくは部分用量(sub-dose)(1日2回以上の投与用)、またはその適当な分割量を含有するものである。
本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が結核の治療において使用される場合、それらは単独で用いてもよいし、または、さらなる抗マイコバクテリア剤、例えば、抗結核剤および/または抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤などのさらなる治療薬と組み合わせて用いてもよい。
例えば、本発明は、さらなる抗結核剤と組み合わせた、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。ある実施態様では、組合せは、2、3、4、5、6または7種のさらなる抗結核剤を含んでなる。例えば、多剤耐性結核の治療においては、4種以上の薬物の組合せが患者に投与されることが一般的である。例えば、薬剤感受性結核の治療においては、3または4種の薬物の組合せが患者に投与されることが一般的である。
さらなる抗結核剤は、結核の治療のために開発中の、承認されたまたは推奨された剤であり、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、モキシフロキサシン、リファペンチン、クロファジミン、エチオナミド、プロチオナミド、イソキシル、チアセタゾン、リファブチン、ジアリルキノリン、例えば、ベダキリン(TMC207)もしくはTBAJ−587、ニトロイミダゾ−オキサジンPA−824、デラマニド(OPC−67683)、オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、ステゾリド(PNU−100480)、ポジゾリド(AZD−5847)もしくはTBI−223、EMB類似体SQ109、OPC−167832、GSK3036656(GSK070としても知られる)、GSK2556286、GSK3211830、ベンゾチアジノン、例えば、BTZ043もしくはPBTZ169、アザインドール、例えば、TBA−7371、ジニトロベンズアミド、またはβラクタム、例えば、メロペネム、ファロペネム、エルタペネム、テビペネムまたはβラクタムの組合せ、例えば、オーグメンチン(アモキシシリン−クラブラン酸)から選択され得る。
ある実施態様では、抗結核剤は、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、モキシフロキサシン、リファペンチン、クロファジミン、エチオナミド、プロチオナミド、イソキシル、チアセタゾン(thiazetazone)、ベダキリン(TMC207)、ニトロイミダゾ−オキサジンPA−824、デラマニド(OPC−67683)、オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、ステゾリド(PNU−100480)、もしくはポジゾリド(AZD−5847)、EMB類似体SQ109、OPC−167832、GSK3036656A(GSK070としても知られる)、GSK2556286、GSK3211830およびベンゾチアジノンまたはジニトロベンズアミドから選択され得る。
本発明による組合せは、抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤をさらに含んでなってもよい。
このような抗レトロウイルス剤は、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン、トドキシル、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビリデ、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761、TMC−278、TMC−125、エトラビリン、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、エンフビルチド、T−20、T−1249、PRO−542、PRO−140、TNX−355、BMS−806、BMS−663068およびBMS−626529、5−ヘリックス、ラルテグラビル、エルビテグラビル、GSK1349572、GSK1265744、ビクリビロック(Sch−C)、Sch−D、TAK779、マラビロク、TAK449、ジダノシン、テノホビル、ロピナビルならびにダルナビルから選択され得る。
本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)は、EthA経路を介して活性化され得る抗結核剤と組み合わせて使用してよい。当業者ならば、例えば、以下の刊行物:“Activation of the prodrug ethionamide is regulated by mycobacteria” A. R. Baulard et al., Journal of Biological Chemistry, 2000, 28326-28331頁に記載の方法を適用することにより、特定の化合物がEthA経路を介して活性化され得るかどうかを決定することができる。
より詳しくは、抗結核剤は、エチオナミド、プロチオナミド、イソキシルおよびチアセタゾンなどのチオアミドファミリーから選択され得る。
一つの実施態様では、本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)は、エチオナミドと組み合わせて使用される。この実施態様では、本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)は、エチオナミドの活性を増強することが示されている。
組合せは、好都合には、医薬組成物または製剤の形態での使用のために提示されてよい。従って、(a)本明細書に記載の本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)とともに、(b)本明細書に記載の1以上の薬学的に許容可能な担体と、(c)少なくとも1つの他の抗結核剤と、(d)場合により、抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤とを含んでなる医薬組成物も、本明細書で企図される。
本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)およびさらなる治療薬は、一緒に投与してもよいし、または別々に投与してもよく、別々に投与する場合、これは、任意の順序で別々にまたは逐次的に行ってよい(同じまたは異なる投与経路により)。本発明の化合物(すなわち、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩)およびさらなる治療上有効な薬剤の量、ならびに投与の相対的タイミングは、所望の併用治療効果を達成するために選択される。
ここで本発明を以下の限定されない実施例により説明する。本発明の特定の実施態様を以下に記載するが、当業者ならば、種々の変更および改変を行うことができると認識するであろう。他の調製と同様に、または他の調製の一般的な方法により実施される調製に対する言及は、時間、温度、ワークアップ条件などの慣例的パラメーターの変動、試薬量の軽微な変更などを包含し得る。
略語
以下の一覧は、本明細書で使用される特定の略語および記号の定義を示す。この一覧は網羅的ではないが、本明細書で以下に定義されない略語および記号の意味は、当業者には容易に明らかであろうと認識されるであろう。本発明の記載において、化学元素は、元素周期表に従って同定される。
ACN アセトニトリル
anh 無水
CDCl 重水素化クロロホルム(Deuterated chlorofom)
CDCl 重水素化ジクロロメタン
CyHex シクロヘキサン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン(Diisoproylethylamine)
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO−d 重水素化ジメチルスルホキシド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
Ex. 例
HBTU ヘキサフルオロリン酸N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
lnt. 中間体
M モル
MS 質量分析
min 分
N 規定
NaH 水素化ナトリウム
NMR 核磁気共鳴
TFA トリフルオロ酢酸
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
rt 室温
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルを記録し、化学シフトを、内部標準テトラメチルシラン(TMS)から低磁場側の百万分率(δ)で報告する。NMRデータに関する略語は、以下の通りである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重線の二重線、dt=三重線の二重線、app=見かけ、br=幅広。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)イオン化法を用いて得た。総ての温度は、摂氏度で報告する。
以下の特定の中間体および例において、出発材料は、他の中間体または例の数字を参照することにより、同定される。これは、いずれかの特定の中間体または例に由来する実際の材料が、本明細書に例示される後の工程で必ず使用されたことを意味するわけではないが、関連する化合物名を示す簡略表現手段として使用される。
中間体
中間体1:3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2020531575
EtOAc(50mL)中、4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(FLUOROCHEM、2g、10.14mmol)および重炭酸ナトリウム(8.52g、101.38mmol)の懸濁液に、ジブロモホルムアルドキシム(FLUOROCHEM、5g、24.74mmol)を加えた。反応混合物を、室温で5日間撹拌した。セライトを加え、得られたスラリーを真空下で濾過し、EtOAcで洗浄した。溶媒を蒸発させ、残渣を、溶離液としてCyHex/EtOAcのグラジエント(CyHex/EtOAc 95/5〜90/10)を用いたシリカクロマトグラフィーカラムにより精製し、標題化合物(7.29g、92%)を白色固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 3.72-3.64 (m, 2H), 3.40-3.31 (m, 2H), 2.95 (s, 2H), 1.92-1.84 (m, 2H), 1.72-1.65 (m, 2H), 1.45 (s, 9H)。[ES+ MS] m/z 319, 321 (MH+)。
中間体2:3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2020531575
0℃での2mL THF中2,2,2−トリフルオロエタノール(SIGMA−ALDRICH、282mg、2.82mmol)の溶液に、NaH(SIGMA−ALDRICH、112,8mg、2,82mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。次に、中間体1である3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−カルボン酸tert−ブチル(300mg、0.94mmol)を0℃で加え、混合物を80℃で2日間撹拌した。この溶液を塩化アンモニウムの飽和溶液で洗浄し、EtOAcにより抽出した(2回)。有機層を(無水)MgSOで乾燥させ、濾過した。溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を、溶離液としてCyHex/EtOAcのグラジエント(0〜20%EtOAcを30分間および20%EtOAcを10分間)を用いたシリカクロマトグラフィーカラムにより精製し、標題化合物(200mg、63%)を得た。[ES+ MS] m/z 339 (MH+)。
中間体2に関して記載したものと類似した方法によってであるが、アルコール(2,2,2−トリフルオロエタノール)を表1に示したものと置き換えることにより、中間体3〜5を調製した。生成物を、溶離液としてCyHex/EtOAcのグラジエント(0〜10%EtOAcを30分間および10%EtOAcを10分間)を用いたシリカクロマトグラフィーカラムにより精製した。
Figure 2020531575
中間体6:4−メチレンピペリジン塩酸塩
Figure 2020531575
0℃でのジオキサン(130mL)中4−メチレンピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(APOLLO、10g、50.7mmol)の溶液に、ジオキサン(ALFA−AESAR、130mL、507mmol、10当量)中HCl 4Mの溶液を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。UPLCおよびTLCによるモニタリングは、反応が完了したことを示した。溶媒を真空下で除去し、所望の化合物4‐メチリデンピペリジン塩酸塩を得、これをさらに精製することなく次の工程に用いた(7.6g、100%)。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.19 (br s, 2H), 4.86 (s, 2H), 3.06 (t, J = 6.0 Hz, 4H), 2.41 (t, J = 6.0 Hz, 4H)。
中間体7:4,4,4−トリフルオロ−1−(4−メチレンピペリジン−1−イル)ブタン−1−オン
Figure 2020531575
DCM(200mL)中、EDC.HCl(ALFA−AESAR、19.4g、101.3mmol)、TEA(ALFA−AESAR、28mL、202.5mmol)および4,4,4‐トリフルオロ酪酸(ALFA−AESAR、14.4g、101.3mmol)の溶液を室温で10分間撹拌し、次に、中間体6(6.77g、50.6mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。次に、混合物を水で洗浄し、2相を分離し、水相をDCMでさらに抽出した。回収した有機層を(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた粗物をフラッシュクロマトグラフィー(Si SNAP 340、CyHex/EtOAc 9/1〜6/4)により精製し、所望の生成物(10.34g、92%)を淡黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 4.83 (s, 2H), 3.70-3.59 (m, 2H), 3.51-3.44 (m, 2H), 2.65-2.47 (m, 4H), 2.30-2.21 (m, 4H)。[ES+ MS] m/z 222 (MH+)。
中間体8:2,2,2−トリフルオロアセトアルデヒドオキシム
Figure 2020531575
メタノール(30mL)中、2,2,2−トリフルオロ−1−メトキシエタノール(ALFA−AESAR、20g、153.8mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(AVRA、12.8g、184.5mmol)の撹拌溶液に、0℃で水(70mL)を加え、次いで、50%水酸化ナトリウム(FINAR、36mL)の溶液を0℃で徐々に加えた。反応混合物の温度を26℃に上昇させ、同じ温度で16時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。反応完了時、n−ヘキサン(250mL)を反応混合物に加え、層を分離した。水層を6M HClで酸性化し(pH=3)、次に、ジエチルエーテル(3×500mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を無色の液体(18g、粗)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 9.11 (br s, 1H), 7.54-7.46 (m, 1H)。
中間体9:臭化2,2,2−トリフルオロ−N−ヒドロキシアセチミドイル
Figure 2020531575
DMF(90mL)中、中間体8(18g、159.2mmol)の撹拌溶液に、DMF(90mL)中N−ブロモスクシンイミド(AVRA、31.1g、175.2mmol)の溶液を0℃で加えた。反応混合物を26℃で3時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。反応完了時、反応混合物を氷水(300mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×400mL)で抽出した。有機層をブライン(300mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物(25g、粗)を褐色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 11.55 (br s, 1H)。
中間体10:プロピオンアルデヒドオキシム
Figure 2020531575
DCM(30mL)中、プロピオンアルデヒド(ALFA−AESAR、2g、34.43mmol)およびKCO(CHEMLABS、9.36g、68.87mmol)の撹拌溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(AVRA、2.86g、41.32mmol)を加え、得られた反応混合物を26℃で16時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を水(200mL)で希釈し、DCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物(1.0g)を白色固体として得た。粗化合物を、さらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.50 (br s, 1H), 6.70 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 2.26-2.22 (m, 2H), 1.14-1.09 (m, 3H)。
中間体11:塩化N−ヒドロキシプロピオンイミドイル
Figure 2020531575
DMF(10mL)中、中間体10(1g、13.681mmol)の撹拌溶液に、N−クロロスクシンイミド(AVRA、2.19g、16.41mmol)をロット毎に(lot wise)26℃で加え、反応混合物を26℃で30分間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、標題化合物を無色の液体(1.0g、68.4%)として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 8.32 (br s, 1H), 2.53 (q, J = 7.4 Hz, 2H), 1.21 (t, J = 7.4 Hz, 3H)。
中間体12:塩化N−ヒドロキシアセチミドイル
Figure 2020531575
DMF(10mL)中(E)−アセトアルデヒドオキシム(TCI、1g、16.949mmol)の溶液に、N−クロロスクシンイミド(AVRA、2.9g、22.03mmol)を0℃で少量ずつ加えた。反応混合物の温度を26℃に上昇させ、同じ温度で3時間とした。反応をTLCによりモニタリングした。反応完了時、反応混合物を氷水(100mL)で希釈し、ジエチルエーテル(2×300mL)で抽出した。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、標題化合物(1.2g、粗)を無色の液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 8.48 (br s, 1H), 2.27 (s, 3H)。
中間体13:3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2020531575
DCM(60mL)中、中間体9(6g、30.41mmol)の撹拌溶液に、重炭酸カリウム(ALFA−AESAR、6.09g、60.83mmol)を0℃で少量ずつ加えた。次いで、4−メチレンシクロヘキサンカルボン酸tert−ブチル(OAKWOOD、5.86g、30.415mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を26℃で16時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を水(200mL)に注ぎ、EtOAc(3×250mL)で抽出した。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、次に、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)により精製し、石油エーテル中0〜10%EtOAcで溶出させた。純画分を回収し、減圧下で濃縮し、標題化合物(6.5g、56%)を淡黄色液体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 3.80-3.63 (m, 2H), 3.42-3.35 (m, 2H), 2.91 (q, J = 1.5 Hz, 2H), 1.94-1.89 (m, 2H), 1.77-1.67 (m, 2H), 1.47 (s, 9H). [ES- MS] m/z 307 (M-H)。
中間体14および15は、中間体13に関して記載したものと類似した方法によってであるが、中間体9を表2に示したものと置き換えることにより、また、重炭酸カリウムをTEAに変えることにより、調製した。
Figure 2020531575
中間体16:3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン塩酸塩
Figure 2020531575
EtOAc(30mL)中、中間体13(3g、9.73mmol)の撹拌溶液に、EtOAc(SYMAX、30mL)中4M HClを0℃で滴下した。反応混合物を26℃で2時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(150mL)で洗浄し、乾燥させ、標題化合物(2.21g、粗)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.42 (br s, 2H), 3.28 (s, 2H), 3.20-3.04 (m, 4H), 2.14-2.00 (m, 4H). [ES+ MS] m/z 209 (MH+)。
中間体17および18は、中間体16に関して記載したものと類似した方法によってであるが、中間体13を表3に示したものと置き換えることにより、調製した。
Figure 2020531575

例1:4,4,4−トリフルオロ−1−[3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル]ブタン−1−オン
Figure 2020531575
中間体2(200mg、0.59mmol)を2mLのDCMに溶かし、TFA(2mL)を0℃で滴下した。混合物を0℃で10分間撹拌した。重炭酸ナトリウムの飽和溶液を反応混合物に加え、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を(無水)MgSOで乾燥させ、濾過し、次に、濃縮して乾燥させ、黄色残渣を得た。
0℃でのアルゴン下のDMF(5mL)中DIPEA(ALFA−AESAR、0.3ml、1.76mmol)の溶液に、HBTU(SIGMA−ALDRICH、669mg、1.76mmol)および4,4,4−トリフルオロブタン酸(ALFA−AESAR、125mg、0.88mmol)を加えた。次に、上記の残渣を加え、混合物をアルゴン下で室温にて一晩撹拌した。次に、DMFを真空下で除去した。残渣をHPLC(アイソクラティックグラジエント、ACN/HOギ酸アンモニウムpH3.8:36/64)により精製し、標題化合物(137mg、64%)を得た。1H NMR (300 MHz, CD2Cl2) δ ppm: 4.54 (q, J = 8.3 Hz, 2H), 4.13-4.05 (m, 1H), 3.66-3.45 (m, 2H), 3.35-3.26 (m, 1H), 2.87 (s, 2H), 2.68-2.37 (m, 4H), 2.10-1.84 (m, 2H), 1.78-1.66 (m, 2H). [ES+ MS] m/z 363 (MH+)。
例2〜4は、例1に関して記載したものと類似した方法によってであるが、中間体2を表4に示したものと置き換えることにより、調製した。精製工程の改変も示す。
Figure 2020531575
HPLC(pH3.8、アイソクラティックグラジエント、ACN/HOギ酸アンモニウム:33/67)による精製
HPLC(pH3.8、アイソクラティックグラジエント、ACN/HOギ酸アンモニウム:39/61)による精製
HPLC(pH3.8、アイソクラティックグラジエント、ACN/HOギ酸アンモニウム:54/46)による精製
例5および中間体19:1−(3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン
Figure 2020531575
EtOAc(300ml)中、中間体7(9.3g、42mmol)および重炭酸ナトリウム(ALFA−AESAR、35.3g、420mmol)の懸濁液に、ジブロモホルムアルドキシム(COMBI−BLOCKS、10.2g、50mmol)を加え、反応混合物を室温で2日間撹拌した。次に、セライトを加え、得られたスラリーを真空下で濾過し、EtOAcで洗浄し、溶媒を蒸発させ、残渣(約20g)をフラッシュクロマトグラフィー(Si SNAP 340、CyHex/EtOAc 8/2〜1/1)により精製し、標題化合物(12.23g、85%)を無色の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 4.32-4.20 (m, 1H), 3.69-3.60 (m, 1H), 3.59-3.47 (m, 1H), 3.31-3.20 (m, 1H), 3.00 (s, 2H), 2.67-2.43 (m, 4H), 2.07-1.96 (m, 2H), 1.78-1.68 (m, 2H). [ES+ MS] m/z 343, 345 (MH+)。
例6:1−(3−エトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン
Figure 2020531575
EtOH(4mL)中、中間体19(0.100g、0.29mmol)の撹拌溶液に、固体炭酸カリウム(ALFA−AESAR、0.101g、0.73mmol)を加え、得られた懸濁液を密閉バイアル中で70℃にて20時間激しく撹拌した。UPLCチェックでは、出発材料が依然として存在していたことを示した。次に、反応混合物にKPO(ALFA−AESAR、0.168g、0.73mmol)を加え、出発材料が消費されるまで、70℃で延長して4時間加熱した。懸濁液を濾過し、濾液を蒸発させ、粗材料を得、これをセミ分取LCMSによる精製に供し、標題化合物(0.0427g、47%)を淡黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 4.08 (q, J = 7.03 Hz, 2H), 3.65-3.55 (m, 1H), 3.50-3.37 (m, 3H), 2.84 (s, 2H), 2.65-2.56 (m, 2H), 2.49-2.40 (m, 2H), 1.78-1.56 (m, 4H), 1.27 (t, J = 7.03 Hz, 3H). [ES+ MS] m/z 309 (MH+)。
例7:4,4,4−トリフルオロ−1−(3−メトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン
Figure 2020531575
メタノール(10mL)中、中間体19(1g、2.914mmol)の撹拌溶液に、ナトリウムメトキシド(AVRA、786mg、14.5mmol)を0℃で少量ずつ加えた。反応混合物を70℃に16時間加熱した。反応をTLCによりモニタリングした。反応完了時、反応混合物を水(100mL)で急冷し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)により精製し、石油エーテル中0〜30%EtOAcで溶出させた。純画分を回収し、減圧下で濃縮し、標題化合物(800mg、93%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 4.24-4.17 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.63-3.49 (m, 2H), 3.30-3.21 (m, 1H), 2.75 (s, 2H), 2.62-2.44 (m, 4H), 2.08-1.95 (m, 2H), 1.71-1.61 (m, 2H). [ES+ MS] m/z 295 (MH+)。
例8:4,4,4−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン
Figure 2020531575
DMF(25mL)中、中間体16(2.2g、9.016mmol)および4,4,4−トリフルオロブタン酸(OAKWOOD、1.53g、10.819mmol)の撹拌溶液に、EDC.HCl(SILVERY、4.3g、22.54mmol)およびDMAP(AVRA、3.2g、27.04mmol)を0℃で加えた。反応混合物を26℃で16時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を氷冷水(200mL)に注ぎ、EtOAc(3×250mL)で抽出した。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗物(3.2g)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)により精製し、石油エーテル中0〜20%EtOAcで溶出させた。純画分を回収し、減圧下で濃縮し、標題化合物(1.7g、56%)を白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 4.33-4.25 (m, 1H), 3.74-3.62 (m, 1H), 3.60-3.49 (m, 1H), 3.33-3.21 (m, 1H), 2.94 (s, 2H), 2.64-2.45 (m, 4H), 2.07-1.94 (m, 2H), 1.80-1.68 (m, 2H). [ES+ MS] m/z 333 (MH+)。
例9および10は、例8に関して記載したものと類似した方法によってであるが、中間体16を表5に示したものと置き換えることにより、調製した。
Figure 2020531575
例11:8−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−3−カルボニトリル
Figure 2020531575
EtOAc(50mL)中、中間体1(5.5g、17.231mmol)の撹拌溶液に、EtOAc(SYMAX、50mL)中4M HClを0℃で加えた。次に、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(3×20mL)で摩砕し、固体を乾燥させ、3−クロロ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン塩酸塩(主(mayor)、[ES+ MS] m/z 175 (MH+))および3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン塩酸塩(副(minor)、[ES+ MS] m/z 219, 221 (MH+))の混合物(4.0g、粗)を淡黄色固体として得た。
DMF(10mL)中、この混合物(500mg)および4,4,4−トリフルオロブタン酸(MATRIX、500mg、3.554mmol)の撹拌溶液に、DMAP(AVRA、860mg、4.109mmol)およびEDC.HCl(ASHVARSHA、1.13g、5.92mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応をTLCによりモニタリングした。完了時、反応混合物を氷冷水(50mL)に注ぎ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を1N HCl(50mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で蒸発させ、600mgの以下の化合物の混合物:1−(3−クロロ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オンおよび1−(3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オンを褐色濃厚液体として得た。
DMF(5mL)中、先の化合物の混合物(200mg)の溶液に、シアン化ナトリウム(ASHVARSHA、65mg、1.342mmol)を26℃で加えた。反応混合物を100℃に加熱し、同じ温度で8時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。反応完了時、反応混合物を氷冷水(5mL)で急冷し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層をブライン(2×50mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)により精製し、石油エーテル中80%EtOAcで溶出させた。純画分を回収し、減圧下で濃縮し、標題化合物(150mg、78%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 4.35-4.25 (m, 1H), 3.75-3.63 (m, 1H), 3.59-3.49 (m, 1H), 3.32-3.21 (m, 1H), 2.96 (s, 2H), 2.64-2.43 (m, 4H), 2.05-1.92 (m, 2 H), 1.80-1.68 (m, 2 H). [ES+ MS] m/z 290 (MH+)。
例12:4,4,4−トリフルオロ−1−(3−フルオロ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン
Figure 2020531575
DMSO(20mL)中、例11と同じ中間体の混合物(1−(3−クロロ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オンおよび1−(3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン)(3g)に、フッ化カリウム(COMBIBLOCKS、1.7g、30.131mmol)を26℃で少量ずつ加えた。反応混合物を150℃に加熱し、マイクロ波条件下で3時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。反応完了時、反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(2×150mL)で抽出した。有機層をブライン(150mL)で洗浄し、(無水)NaSOで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗物を分取HPLC(Kromosilカラム)グラジエント16分0%〜100%ACN/HO(0.2%ギ酸)により精製した。純画分を回収し、溶媒を凍結乾燥下で除去し、標題化合物(11mg、0.4%)を淡黄色ガム状物として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 3.61-3.41 (m, 4H), 3.14 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 2.68-2.58 (m, 2H), 2.55-2.44 (m, 2H), 1.84 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 1.74 (t, J = 5.9 Hz, 2H). [ES+ MS] m/z 283 (MH+)。
生物活性
エチオナミド(ETH)と例1〜11の組合せによる結核菌(M. tuberculosis)GFP株の成長阻害の測定
1. マイコバクテリア組換え株の構築
結核菌(M. tuberculosis)H37Rv−GFP株。緑色蛍光タンパク質を発現する結核菌(M. tuberculosis)H37Rvの組換え株(H37Rv−GFP)を、組込みプラスミドpNIP48のトランスフォーメーションにより得た(Abadie et al., 2005; Cremer et al., 2002)。Ms6マイコバクテリオファージに由来するこのプラスミドにおいて、GFP遺伝子を強力マイコバクテリアプロモーターpBlaFの下でクローン化し、GFPを構成的に発現させた。このプラスミドは、ハイグロマイシン耐性遺伝子も含有していた。
結核菌(M. tuberculosis)W4−E1−GFP株(変異体)。結核菌(M. tuberculosis)株E1は、エチオナミド含有寒天プレート(20μg/ml)上で選択されたBeijing株W4の誘導体であった。この株は、EthAにおけるGly343Ala変異を有する。W4−E1株を、上記のようにpNIP48を用いてトランスフォームさせ、蛍光株W4−E1−GFPを得た。
2. 蛍光マイコバクテリアの成長および調製
−80℃で保存した細菌ストックを用いて、25cm組織培養フラスコ中で、オレイン酸−アルブミン−デキストロース−カタラーゼ(OADC、Difco、スパークス、メリーランド州、米国)および50μg ml−1ハイグロマイシン(Invitrogen、カールスバッド、カリフォルニア州、米国)を添加したミドルブルック7H9培地5mlを接種した。フラスコを振り混ぜずに37℃で7日間インキュベートした。次に、培養液を新鮮培養培地で希釈し、OD600を0.1とした。培養フラスコ(75cm)をこの希釈培養液50mlで満たし、振り混ぜずに37℃で7日間培養した。
3. マイクロプレートの調製
エチオナミド(Sigma、E6005)を、0.1mg/mLおよび0.8mg/mlでDMSOに希釈し、アリコートを−20℃で凍結保存した。試験化合物を終濃度10μMでDMSOに再懸濁した。エチオナミドおよび試験化合物を384ウェル低容量ポリプロピレンプレート(Corning、no.3672)に移し、これを用いて、アッセイプレートを調製した。化合物の10回の3倍段階希釈(一般に、30〜4.5e−3μMの範囲)を、Echo 550 Liquid Handler(Labcyte)を用いて、黒色のGreiner384ウェル透明ボトムポリスチレンプレート(Greiner、no.781091)の中に行った。全ウェルにわたる濃度が等しくなる(0.3%)ように、DMSO量を補った。
次に、Echoを用いて、エチオナミドを384ウェルプレートに移した。ETHの終濃度は、H37Rv−GFPが関与するアッセイでは0.1μg/ml、W4−E1−GFPが関与するアッセイでは0.8μg/mlであった。アッセイプレート中のDMSOの最終量は、各ウェルに対して1%v/v未満のままであった。
アッセイプレート中の対照は、0.3%のDMSO(陰性対照)および1μg/mlのINH(陽性対照)を含む。参照プレートは、30〜1.8e−3μg/ml(15点、2倍希釈)の範囲のリファンピシン、INHおよびETHを含んだ。
アッセイプレートに添加するH37Rv−GFPまたはW4−E1−GFPの培養液を、PBS(Gibco、14190)中で2回洗浄し、新鮮培養培地(ハイグロマイシン不添加)に再懸濁し、37℃で5日間成長させた。
最後に、培養液を0.02のOD600nmまで希釈し、(ハイグロマイシン不添加新鮮培養培地を用いて)、50μLを各アッセイプレートに移した。アッセイプレートを37℃で5日間インキュベートした。exc=485nm/em=535nmを用いたVictor 3マルチラベルプレートリーダー(Perkin Elmer)で、蛍光シグナルを得た。
結果
EC50_H37Rvは、H37Rv株に対するエチオナミド活性を増強する本発明の化合物の能力を測定し、一方、EC50_変異体は、エチオナミドに耐性を示すTBの株に対するエチオナミド活性を増強する本発明の化合物の能力を測定する。
例1〜12は、基本的に上記の手順に従って試験し、総てが0.75μM未満の平均EC50_H37Rvおよび3.0μM未満の平均EC50_変異体を有することが認められた。
例1、2、5〜8、10および11は、0.20μM未満の平均EC50_H37Rvおよび1.0μM未満の平均EC50_変異体を有していた。
例6〜8は、0.04μM未満の平均EC50_H37Rvおよび0.45μM未満の平均EC50_変異体を有していた。例8は、0.038μMの平均EC50_H37Rvおよび0.14μMの平均EC50_変異体を有していた。
比較のために、WO2014/096369の例10を上記と同じアッセイで試験し、0.89μMのEC50_H37Rvおよび3.5μMのEC50_変異体を有することが認められた。
In vitroにおけるヒトマクロファージTHP−1阻害アッセイ(細胞内アッセイ)における結核菌(Mycobacterium tuberculosis)H37Rv
細胞内スクリーニングは、ヒトマクロファージにおいて活性を示す新規抗結核化合物を同定するために有用なツールである。この生体外アッセイは、疾患を模倣し、宿主細胞の好ましい寄与を考慮した生理学的条件を表し得る(Sorrentino, F. et al. (2016) Antimicrob. Agents Chemother. 60 (1), 640-645.)。
手順は、THP−1感染細胞を384ウェルプレートに播種する前に、感染マクロファージを、40μmセルストレーナーを用いた洗浄工程の最終工程において濾過し、細胞集塊を除去し、単一細胞懸濁液を得たことを除き、Sorrentino, F. et al. (2016) Antimicrob. Agents Chemother. 60 (1), 640-645(補足資料)に記載の通りに行った。
例の化合物は、基本的に上記のアッセイ(エチオナミドの存在なし)に従って試験し、例1、2および4〜10は、0.5μM未満のIC50を有することが認められた。例5、6、7、8および10は、0.1μM未満のIC50を有することが認められた。例6、7および8は、0.05μM以下のIC50を有することが認められた。

Claims (22)

  1. 下記式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩:
    Figure 2020531575
    [式中、
    は、ハロゲン;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメチル;1以上のフルオロにより置換されたエチル;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである]。
  2. が、フルオロ、クロロもしくはブロモ;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;1以上のフルオロにより置換されたメチル;1以上のフルオロにより置換されたエチル;1以上のフルオロにより置換されたメトキシ;または1以上のフルオロにより置換されたエトキシである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  3. が、フルオロ、クロロもしくはブロモ;シアノ;C1−6直鎖アルキル;C3−4分岐アルキル;C1−6直鎖アルコキシ;C3−4分岐アルコキシ;モノ、ジもしくはトリフルオロメチル;モノ、ジもしくはトリフルオロメトキシ;2−フルオロエチル;2,2−ジフルオロエチル;2,2,2−トリフルオロエチル;2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ;または2,2,2−トリフルオロエトキシである、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  4. が、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、C1−6直鎖アルキル、C3−4分岐アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C3−4分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  5. が、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、C1−6直鎖アルキル、C3−4分岐アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C3−4分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  6. が、フルオロ、ブロモ、シアノ、C1−4直鎖アルキル、C1−6直鎖アルコキシ、C分岐アルコキシ、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  7. が、フルオロ、ブロモ、シアノ、メチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエトキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−ブトキシまたはヘキシルオキシである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  8. 4,4,4−トリフルオロ−1−[3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル]ブタン−1−オン;
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−プロポキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−イソブトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−ヘキシルオキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
    1−(3−ブロモ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン;
    1−(3−エトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン;
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−メトキシ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−メチル−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン;
    1−(3−エチル−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)−4,4,4−トリフルオロブタン−1−オン;
    8−(4,4,4−トリフルオロブタノイル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−3−カルボニトリル;および
    4,4,4−トリフルオロ−1−(3−フルオロ−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オン
    から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  9. 化合物が、以下の構造:
    Figure 2020531575
    を有する4,4,4−トリフルオロ−1−(3−(トリフルオロメチル)−1−オキサ−2,8−ジアザスピロ[4.5]デカ−2−エン−8−イル)ブタン−1−オンである、請求項8に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  10. 治療での使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  11. マイコバクテリア感染症の治療における使用のための、またはマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  12. マイコバクテリア感染症が結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染症である、請求項11に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  13. 結核の治療における使用のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  14. それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリア感染症の治療のための方法であって、治療上有効な量の請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  15. それを必要とする哺乳動物におけるマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療のための方法であって、治療上有効な量の請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  16. マイコバクテリア感染症またはマイコバクテリウムの感染により生じる疾患の治療における使用のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
  17. (a)請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、(b)薬学的に許容可能な賦形剤と
    を含んでなる医薬組成物。
  18. (a)請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、(b)さらなる抗マイコバクテリア剤との組合せ。
  19. 少なくとも1つの他の抗マイコバクテリア剤が抗結核剤である、請求項18に記載の組合せ。
  20. 抗結核剤が、イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール、モキシフロキサシン、リファペンチン、クロファジミン、エチオナミド、プロチオナミド、イソキシル、チアセタゾン、リファブチン、ジアリルキノリン、例えば、ベダキリン(TMC207)もしくはTBAJ−587、ニトロイミダゾ−オキサジンPA−824、デラマニド(OPC−67683)、オキサゾリジノン、例えば、リネゾリド、テジゾリド、ラデゾリド、ステゾリド(PNU−100480)、ポジゾリド(AZD−5847)もしくはTBI−223、EMB類似体SQ109、OPC−167832、GSK3036656(GSK070としても知られる)、GSK2556286、GSK3211830、ベンゾチアジノン、例えば、BTZ043もしくはPBTZ169、アザインドール、例えば、TBA−7371、ジニトロベンズアミド、またはβラクタム、例えば、メロペネム、ファロペネム、エルタペネム、テビペネムまたはβラクタムの組合せ、例えば、オーグメンチン(アモキシシリン−クラブラン酸)から選択される、請求項19に記載の組合せ。
  21. 抗レトロウイルス剤を含む抗ウイルス剤をさらに含んでなる、請求項18〜20のいずれか一項に記載の組合せ。
  22. 抗レトロウイルス剤が、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン、トドキシル、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビリデ、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、レルシビリン、GSK2248761、TMC−278、TMC−125、エトラビリン、サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、ダルナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル、エンフビルチド、T−20、T−1249、PRO−542、PRO−140、TNX−355、BMS−806、BMS−663068およびBMS−626529、5−ヘリックス、ラルテグラビル、エルビテグラビル、GSK1349572、GSK1265744、ビクリビロック(Sch−C)、Sch−D、TAK779、マラビロク、TAK449、ジダノシン、テノホビル、ロピナビル、またはダルナビルから選択される、請求項21に記載の組合せ。
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