JP2020531554A - 腫瘍微小環境のモジュレーションのためのtlr−9アゴニスト - Google Patents
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Abstract
腫瘍疾患、特に結腸がんの治療における使用のため、および腫瘍微小環境のモジュレーションのためのTLR−9アゴニスト。
Description
本発明は、腫瘍治療の分野、特に固形腫瘍の治療の分野に、特にヒトにおける結腸がんの治療に関する。本発明はさらに、TLR−9アゴニストおよび前記腫瘍疾患の治療におけるそれらの使用の分野に関する。さらに本発明のさらなる態様では、本発明は、腫瘍、特に固形腫瘍の腫瘍微小環境をモジュレートし、それにより腫瘍治療をサポートする分野に関する。
腫瘍微小環境(TME)は、周囲血管、免疫細胞、線維芽細胞、骨髄由来炎症細胞、リンパ球、シグナル伝達分子および細胞外マトリックスを含む、腫瘍が存在する細胞環境である。腫瘍と周囲微小環境は密接に関連しており、常に相互作用している。腫瘍は細胞外シグナルを放出し、腫瘍の血管新生を促進し、末梢免疫寛容を誘導することにより微小環境に影響を及ぼし得るが、一方、微小環境の免疫細胞はがん性細胞の増殖および進化に影響を及ぼし得る。
歴史的に、患者における黒色腫特異的T細胞の発見は、多数のin vitroで増殖させた腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を養子移入する方策につながり、免疫系にがんを調節する可能性があることを証明した。しかし、TILを用いた養子T細胞療法(ACT)では、ウイルス特異的CD8+ T細胞を用いたACTの成功には至っていない。固形がんのTMEは、白血病のTMEとは基本的に異なるようであり、キメラ抗原受容体T細胞を用いた臨床ACT試験において有効性が実証されている。
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、腫瘍に浸透する(すなわち、腫瘍に浸潤する)リンパ球である。前臨床マウス研究では、がん細胞の近くのT細胞蓄積が制限されることが示唆された。この制限の克服により、抗腫瘍効果が増強されることが明らかになった。T細胞は、循環系を介して腫瘍部位に到達する。TMEは、その系からのT細胞よりも他の免疫細胞を優先的に動員するように思われる。そのような機序の1つは、細胞型特異的ケモカインの放出である。別の機序は、翻訳後のケモカインを変化させるTMEの能力である。したがって、当業者には、TILが腫瘍細胞の死滅に関係していることと、腫瘍中のリンパ球の存在がより良好な臨床転帰と関連していることが多いことが知られている。
腫瘍関連マクロファージ(TAM)は、主として、腫瘍周囲組織または骨髄を起源とし、2つの主要なタイプ:M1およびM2に分類することができる。特に、M1マクロファージは抗腫瘍特性を有する。したがって、M2マクロファージのM1マクロファージへの変換、またはM1マクロファージの優先的な浸潤のいずれも、抗腫瘍免疫応答において有益である。
したがって、腫瘍治療を改善するためにTMEをモジュレートする手段および方法を特定することがさらに必要とされている。特に、TIL、特にT細胞、例えばCD3+ T細胞、およびマクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、それにより腫瘍治療をサポートするためのさらに改善された方法および手段が必要とされている。
一実施形態では、この目的は、腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療を必要とする対象の当該治療における使用のためのTLR−9アゴニストであって、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激する、TLR−9アゴニストを提供することによって解決される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激する、TLR−9アゴニストを提供することによって解決される。
好ましい実施形態では、浸潤性CD3+ T細胞は、CD4+またはCD8+ T細胞であり、より好ましい実施形態では、CD8+ T細胞である。別の好ましい実施形態では、前記TLR−9アゴニストによる治療は、腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイム(Grz)B+)の頻度を増加させる。また細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の集団は、細胞溶解能を有する活性化CD8+ T細胞とも呼ぶことができ、すなわち、この細胞集団は、好ましくは抗腫瘍形成能を有する。
別の好ましい実施形態では、前記TLR−9アゴニストによる治療は、CD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の制御性T細胞に対する比率を増加させる。制御性T細胞は、腫瘍形成促進能を有する。制御性T細胞は、例えば、抑制性サイトカインの分泌、IL−2の欠乏により、またはそれらの表面で発現される抑制性分子(例えばCTLA−4)により、T細胞の抗腫瘍効果を抑制することができる。
それに加えて、1つの目的は、前記TLR−9アゴニストによる治療が、CD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激するためのものであるということである。好ましい実施形態では、前記TLR−9アゴニストによる治療は、腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイム(Grz)B+)の頻度を増加させるため、および/またはCD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ Granzyme B+)対制御性T細胞の比率を増加させるためである。
一実施形態では、腫瘍は、その周辺および/またはその中心、好ましくはその中心に浸潤している。
それに加えて、1つの目的は、前記TLR−9アゴニストによる治療が、腫瘍にその周辺および/またはその中心、好ましくはその中心で浸潤させるためのものであるということである。
一実施形態では、腫瘍は固形腫瘍、好ましくは結腸がんであり、治療される対象はヒトである。
さらに、本発明の目的は、それを必要とする患者にTLR−9アゴニストを投与することを含む、CD3+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞の腫瘍、好ましくは結腸がんへの浸潤を増加させる方法であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法を適用することによって解決される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法を適用することによって解決される。
別の実施形態では、前記方法は、腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させるのに有用である。
別の実施形態では、前記方法は、CD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)対制御性T細胞の比率を増加させるのに有用である。
本発明者らは、そのようなTLR−9アゴニストがT細胞の腫瘍への輸送の増加をもたらすことができることを見出した。それに加えて、TMEおよび/または腫瘍におけるT細胞の局所濃度が上昇し、すなわち、T細胞は腫瘍に近接して蓄積し、そこで腫瘍に浸潤する。したがって、TMEによるT細胞の制限は克服されたように見える。したがって、T細胞は、それらの抗腫瘍効果を示すことができる。したがって、本発明の特定の一態様では、TLR−9アゴニストを使用して、CD3+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞の効力を増加させる。
別の実施形態では、本発明の目的は、それを必要とする対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のためのTLR−9アゴニストであって、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチと
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療が、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または前記TLR−9アゴニストによる治療が、腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、TLR−9アゴニストを提供することによって解決される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチと
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療が、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または前記TLR−9アゴニストによる治療が、腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、TLR−9アゴニストを提供することによって解決される。
それに加えて、1つの目的は、前記TLR−9アゴニストによる治療が、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激することであり、および/または前記TLR−9アゴニストによる治療が、腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させることである。
好ましくは、CD3+ T細胞および/もしくはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージによる腫瘍の浸潤は、TLR−9アゴニスト治療なしの浸潤と比較して刺激され、ならびに/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率は、TLR−9アゴニスト治療なしのM1マクロファージ対M2マクロファージの比率と比較して増加される。
別の実施形態において、本発明の目的は、それを必要とする対象にTLR−9アゴニストを投与することを含む、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍、好ましくは結腸がんへの浸潤を増加させる方法、および/または腫瘍、好ましくは結腸がん内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる方法であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法を適用することによって解決される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法を適用することによって解決される。
本発明のさらに別の特に好ましい実施形態では、上記で定義されたTLR−9アゴニストを使用して、いわゆる「低免疫原性腫瘍(cold tumors)」−すなわち、免疫細胞浸潤が低度の腫瘍−を免疫原性腫瘍である「高免疫原性腫瘍(hot tumors)」、すなわち、免疫細胞浸潤が中度または高度の腫瘍に変換する。「低免疫原性」および「高免疫原性」腫瘍の概念は、当業者には周知である。低免疫原性腫瘍は、通常、免疫抑制性サイトカインに富んでおり、多数のTreg細胞および骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)を有する。低免疫原性腫瘍は、通常、TH1細胞、NK細胞、CD8+ T細胞は少数であり、機能性抗原提示細胞(APC)(例えば、樹状細胞/DC)はほとんど存在しない。対照的に、高免疫原性腫瘍はTH1型のケモカインに富んでおり、多数のエフェクター免疫細胞(TH1細胞、NK細胞、CD8+ T細胞)と多数のDCを有する。
免疫細胞浸潤度は、例えば、いわゆる「Immunoscore」によって測定することができ、これはがん患者における臨床転帰を予測するために使用されている。コンセンサスImmunoscoreは、腫瘍内およびその浸潤周縁部のCD3+およびCD8+ T細胞の密度をまとめたスコアリングシステムである。例えば、Immunoscoreは、CD3+/CD8+ T細胞密度に応じて、低度、中度、高度に分類することができるが、引用文献の研究において、0〜25%密度は、好ましくは低度としてスコアリングされ、25〜70%密度は、中度としてスコアリングされ、70〜100%密度は、好ましくは高度としてスコアリングされている(Pages F.ら (2018) Lancet 391(10135):2128〜2139を参照)。低免疫原性腫瘍は、低度の免疫細胞浸潤を有すると定義され、すなわち好ましくは、低度Immunoscoreを有すると定義される。高免疫原性腫瘍は、中度または高度の免疫細胞浸潤を有すると定義され、すなわち好ましくは、中度または高度Immunoscoreを有すると定義される。
いくつかの腫瘍タイプは、治療前であっても高免疫原性腫瘍のタイプに属し、例えば黒色腫である。これらの腫瘍は、通常、薬物、例えばチェックポイント阻害薬に良好に応答する。本発明は、これらの腫瘍におけるTLR−9アゴニストの投与によりT細胞の活性化および免疫細胞の腫瘍への浸潤がさらに増強されることを示唆している。またTLR−9アゴニストによる治療は、他の薬物、例えばチェックポイント阻害剤に対する腫瘍の応答性を増強し得る。
低免疫原性腫瘍は、通常、チェックポイント阻害薬などの薬剤には良好に応答しない。本発明は、TLR−9アゴニストが免疫細胞の腫瘍への浸潤を増加させ、それによりTMEにプラスに影響を及ぼすことによって、そのような応答性を改善することができることを示唆している。したがって、低免疫原性腫瘍に罹患している患者は、TLR−9アゴニストによる治療からとりわけ恩恵を受ける。腫瘍は、結果として、チェックポイント阻害薬などの薬物に対してより良好な応答性を示すことができる。低免疫原性腫瘍は、それにより高免疫原性腫瘍に変わり得る。
この特定の使用に対して特に好ましいTLR−9アゴニストは、Lefitolimodである。
一実施形態では、CD3+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞の腫瘍、好ましくは結腸がんへの浸潤を増加させるため、および/または腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させるため、および/またはCD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)対制御性T細胞の比率を増加させるため、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を増加させるため、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させるためのTLR−9アゴニストの使用であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、使用が提供される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、使用が提供される。
したがって、本発明の場合のTLR−9アゴニストの投与は、腫瘍増殖速度を低下させる。これは、以下の実施例の項目でより詳細に説明されているように、マウス結腸がんモデル(CT26)において本発明者らにより実証され得る。
本発明の好ましい実施形態では、TLR−9アゴニストは、直接腫瘍に、すなわち、腫瘍内に、または皮下に投与することができる。皮下注射は、好ましくは、総称して皮膚と呼ばれる、真皮および表皮の真下の皮膚層である皮下に投与される。下記の実施例の項目で示しているように、ヒトにおける皮下適用を模倣するために、マウスを、接種した腫瘍の流入リンパ領域から遠位の離れた部位で皮下処置した。腫瘍内注射は、腫瘍に、好ましくは腫瘍の中心に直接投与される。
皮下注射は多くの腫瘍タイプで可能であり、転移性腫瘍を標的とするために使用することもできる。腫瘍内注射については、腫瘍は、好ましくは非転移性であり、例えば、黒色腫または頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)に容易に利用可能である。しかし、肝転移は、腫瘍内注射により、好ましくは画像支援注射により標的とすることもできる。皮下注射は、長期間にわたり繰り返し使用することができる。腫瘍内注射は、TLR−9アゴニストが腫瘍に直接適用されるので、皮下注射と比較して低用量とすることができる。本発明のTLR−9アゴニスト、好ましくは、Lefitolimodは、ホスホロチオエートの欠如の結果、毒性が低いことから高用量で適用することができる。
トール様受容体(TLR)は、当業者には公知である。それらは免疫系の多くの細胞に存在し、自然免疫応答に関与していることが明らかになっている。脊椎動物において、このファミリーは、細菌、真菌、寄生虫、およびウイルスからの病原体関連分子パターンを認識することが知られているTLR−1からTLR−11と呼ばれる11個のタンパク質で構成されている。
TLRは、脊椎動物が外来分子を認識し、それに対する免疫応答を始める重要な手段であり、自然免疫応答と適応免疫応答が関連付けされる手段も提供する((Akira, S.ら (2001) Nature Immunol. 2:675〜680; Medzhitov, R. (2001) Nature Rev. Immunol. 1 : 135〜145))。いくつかのTLRは細胞表面に配置され、細胞外病原体に対する応答を検出および開始し、他のTLRは細胞の内部に配置されて、細胞内病原体に対する応答を検出および開始する。
TLR−9は、細菌DNAおよび合成オリゴヌクレオチドの非メチル化CpGモチーフを認識することが知られている(Hemmi, H.ら (2000) Nature 408:740〜745)。TLR−9の天然に存在するアゴニストは、抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖および血管新生)を生じ、有効な抗がん応答(例えば抗白血病)をもたらすことが明らかになっている(Smith, J.B.およびWickstrom, E. (1998) J. Natl. Cancer Inst. 90: 1146〜1154)。
本発明のTLR−9アゴニストは、少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチを含み、オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分はホスホジエステル結合によって連結されている。
好ましいTLR−9アゴニストは、少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、少なくとも3つの、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチとを含み、オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分は、ホスホジエステル結合によって連結されており、ここで、少なくとも1つのCGジヌクレオチドは配列N1N2CGN3N4の一部であり、N1N2はAA、TT、GG、GT、GAまたはATであり、N3N4はCT、TT、TGまたはGGであり、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンであり、Aはデオキシアデノシンであり、Tはデオキシチミジンである。
一実施形態では、オリゴデオキシリボヌクレオチドは、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含み、好ましくは、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドは、オリゴデオキシリボヌクレオチドの少なくとも一端の末端5ヌクレオチド以内に含まれており、好ましくはオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端の末端5ヌクレオチド以内に含まれている。
一実施形態では、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストは、1つまたは複数の以下の特徴を有する:
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 少なくとも3つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチが2つのCGジヌクレオチド間に位置しており、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置しており、
− 3つの3’末端および/または5’末端デオキシヌクレオチドの少なくとも1つがL−体であり、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 第1および第2の5’末端デオキシヌクレオチドがL−体である。
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 少なくとも3つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチが2つのCGジヌクレオチド間に位置しており、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置しており、
− 3つの3’末端および/または5’末端デオキシヌクレオチドの少なくとも1つがL−体であり、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 第1および第2の5’末端デオキシヌクレオチドがL−体である。
特に好ましい実施形態では、L−体に少なくとも1つのヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストにおいて、
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置している。
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置している。
一実施形態では、オリゴデオキシリボヌクレオチドは、少なくとも3つのCGジヌクレオチドを含む。
一実施形態では、オリゴデオキシリボヌクレオチドは、一本鎖および/または部分的もしくは完全二本鎖である。
一実施形態では、オリゴデオキシリボヌクレオチドは、2つの一本鎖ループを含み、ダンベルの形状を形成する。
一実施形態では、すべてのヌクレオチドはD−体である。
本発明による好ましいTLR−9アゴニストは、特にEP1196178に開示されているオリゴデオキシリボヌクレオチドであり、最も好ましくは、INN Lefitolimod下で当業者に公知の免疫調節剤オリゴデオキシリボヌクレオチドである(CAS登録番号1548439−51−5;「MGN1703」としても知られている;図1;配列番号3を参照)。Lefitolimod(MGN1703)は、自然免疫系および適応免疫系に対して広範な免疫調節作用を有する、共有結合で閉じたダンベル様の免疫監視再活性化因子である。Lefitolimodは、現在、mCRC患者におけるフェーズ3試験(IMPALA試験)、SCLC患者におけるフェーズ2試験(IMPULSE試験)、ならびに(i)チェックポイント阻害剤イピリムマブと組み合わせにおける固形腫瘍、および(ii)HIV患者(TEACH試験)での2つのフェーズ1/2試験で評価されている。
本発明のTLR−9アゴニストにおいて、オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分は、ホスホジエステル結合により連結されている。これは、オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホロチオエート結合により連結されていないことを意味する。
本発明による使用に適し得るさらに好ましいTLR−9アゴニストは、EP2655623B1およびEP2999787B1に開示されている。本発明による他のさらに好ましいTLR−9アゴニストは、図2に示したような配列番号4および5および6〜14として開示されているTLR−9アゴニストである。しかし、本発明での使用において最も好ましいTLR−9アゴニストは、Lefitolimod(配列番号3)である。少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストのうち、配列番号5、8、9および10の配列が好ましい。配列番号5が最も好ましい。
本発明による腫瘍疾患とは新生物を指し、これは言い換えれば、組織の異常および過度の増殖のタイプを意味する。新生物は、良性新生物および悪性新生物を含む。悪性新生物または腫瘍は、がんと呼ばれる場合もある。固形腫瘍は、通常、嚢胞または液体の領域を含まない組織の異常な塊と呼ぶことができる。固形腫瘍は、良性または悪性であり得る。固形腫瘍の例は、肉腫、癌種、およびリンパ腫、例えば、乳癌、黒色腫、皮膚新生物、結腸癌を含む胃腸腫瘍、胃癌、膵臓癌、結腸がん、小腸がん、卵巣癌、子宮頸癌、肺がん、前立腺がん、腎細胞癌および/または肝転移である。白血病は、一般に固形腫瘍を形成しない。結腸がんまたは結腸直腸がんは、結腸または直腸の内壁から発生する悪性腫瘍である。結腸がんは固形腫瘍である。
好ましくは、本発明の腫瘍疾患は固形腫瘍であり、好ましくは結腸がんである。他の好ましい腫瘍は、結腸直腸がんおよび黒色腫である。
細胞、例えばT細胞またはマクロファージは、腫瘍に浸潤することができる。腫瘍浸潤は、例えばケモカインに応じた、腫瘍の外側から腫瘍組織への細胞の遊走を意味するものと理解されたい。
細胞が腫瘍に浸潤した場合、細胞は続いて腫瘍内に存在する。本発明の一実施形態では、TLR−9アゴニストは、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または前記TLR−9アゴニストによる治療は、腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる。本発明の意味における「腫瘍内」とは、腫瘍における細胞を意味する。腫瘍内の比率の増加は、それぞれの細胞の腫瘍への浸潤の増加、または、例えばM2マクロファージからM1マクロファージへの変換、またはM1マクロファージへのマクロファージ前駆体の分化のM2マクロファージを超える増加によって生じ得る。
腫瘍の「浸潤周縁部」または「周辺」は、悪性細胞巣を宿主組織から分ける境界を中心とする領域を意味するものとする。腫瘍の「中心」は、残りの腫瘍領域を表す。
本発明の意味において、細胞浸潤の「刺激」とは、腫瘍内のそれぞれの細胞型の量の増加を意味する。
頻度という用語は、親細胞集団内の特定の細胞集団の頻度を意味し、例えばCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイム(Grz)B+)の頻度を意味する。
比率という用語は、重複しない2つの定義した細胞集団間の関係または比率を意味し、例えばM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を意味する。
腫瘍へのCD3+ T細胞の浸潤は、CD3の検出により同定することができる。CD3は、腫瘍サンプル中のリンパ球を検出に使用されてきた(GI Cancersの「Immunotherapy Doubts Fading」、2016年4月)。マクロファージの浸潤は、マーカーCD11bおよびF4/80により検出することができる。次いで、M1マクロファージ(MHC−II/CD86高)とM2マクロファージ(MHC−II/CD86低)を区別することができる。
また腫瘍免疫浸潤は、マイクロアレイまたはRNAシーケンシングなどの遺伝子発現方法を使用して決定することができる。次いで、様々な種類の免疫細胞集団に特異的な遺伝子発現の検出を使用して、乳がんでリンパ球浸潤について明らかにされているように、リンパ球またはマクロファージ浸潤の程度を決定することができる(Bedognetti, Davide; Hendrickx, Wouter; Marincola, Francesco M.; Miller, Lance D. 「Prognostic and predictive immune gene signatures in breast cancer.」 Current Opinion in Oncology. 27 (6): 433〜444)。腫瘍内の活性免疫環境は、拒絶反応の免疫学的定数によって決定され得る場合、より良好な予後を示すことが多い。
上記のように、T細胞はマーカーCD3によって同定することができる。T細胞は、2つの主要な集団:CD4+ ヘルパーT細胞およびCD8+細胞傷害性T細胞に分けられる。CD4+ ヘルパーT細胞は、B細胞を活性化して抗体分泌プラズマ細胞またはメモリーB細胞に分化させるために必須である。またCD4+陽性T細胞は、免疫応答を形成するために、CD8+ T細胞の分化とサイトカイン(Th1サイトカイン−例えばIFN−γまたはTh2サイトカイン−例えばIL−4)の分泌を促進する。CD8+ T細胞は、腫瘍細胞(または感染細胞)によってMHC Iのコンテキストで提示される特定のペプチドを認識し、可溶性分子(パーフォリン、グランザイム、グラニュロシン)または膜結合分子(Fas−リガンド)によるそれらの破壊を誘導する。細胞傷害性エフェクターT細胞、すなわち、活性化され細胞溶解能を有するT細胞は、マーカーCD8、CD69およびグランザイムBによって検出することができる。制御性T細胞は、マーカーCD3、CD4およびFOXP3によって検出することができる。
CD3の代替マーカーとして、Thy1を使用することができるが、その理由は、CD3が細胞の活性化する際にダウンレギュレートされ得るからである。
CD3+ T細胞を同定する各種方法は当業者には公知であり、それらは、例えば、フローサイトメトリーまたは免疫組織学(IHC)によって同定することができる。フローサイトメトリーは複数のマーカーを並行して使用し細胞を詳細に分析することができるが、免疫組織学的分析は、細胞の局在に関する情報(腫瘍中心/腫瘍周辺/周囲の健康組織)を提供する。したがって、IHCを使用すると、当業者は腫瘍の周辺または中心におけるT細胞の局在を同定することができる。周辺または浸潤周縁部は、健康な組織に隣接する腫瘍の境界を意味する。T細胞が腫瘍の中心に浸潤することが好ましい。
本発明により使用されるオリゴデオキシリボヌクレオチドは、好ましくは、二本鎖ステムおよび2つの一本鎖ループを含み、ダンベルの形状を形成する。オリゴデオキシリボヌクレオチドは、好ましくは、共有結合で閉じられている。少なくとも1つのCGジヌクレオチドが一本鎖ループの1つまたはそれぞれに位置する場合に有利である。
本開示による「ステム」とは、同じDNA分子内(次いで部分的に自己相補的)または異なるDNA分子内(部分的にもしくは完全に相補的)のいずれかで塩基対合によって形成されるDNA二本鎖として理解されたい。分子内塩基対合は同一分子内の塩基対合を示し、異なるDNA分子間の塩基対合は分子間塩基対合と呼ばれる。
本開示の意味内の「ループ」とは、ステム構造の内部または末端のいずれかの対になっていない一本鎖領域として理解されたい。
「ダンベル形状」は、二本鎖ステム(同一オリゴヌクレオチド内の塩基対合)および二本鎖ステムの両末端の2つの一本鎖ループを含むオリゴヌクレオチドを意味する。
これらのダンベル形状のオリゴヌクレオチドでは、好ましくは、すべてのヌクレオチドがD−体である。さらに、オリゴデオキシリボヌクレオチドは、少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも80ヌクレオチド、最も好ましくは116ヌクレオチドを含むことが好ましい。このタイプのTLR−9アゴニストの2つの好ましい典型のヌクレオチド配列を図2に示す(配列番号3および配列番号4)。
本発明による最も好ましいTLRアゴニストは、Lefitolimod(配列番号3)である。
L−DNAまたはL−体のヌクレオチドは、天然に存在するD−デオキシリボースの代わりに糖残基としてL−デオキシリボースを含むヌクレオチドを意味する。L−デオキシリボースは、D−デオキシリボースのエナンチオマー(鏡像)である。L−体のヌクレオチドから部分的または完全に構成されるDNA構築物は、部分的または完全に一本鎖または二本鎖であり得る。L−DNAは、D−DNAと同等の溶解性および選択性がある。しかし、L−DNAは、天然に存在する酵素、特にエキソヌクレアーゼによる分解に対して耐性があり、そのため、L−DNAは生物学的分解から保護されている。したがって、L−DNAは非常に広範囲で適用することができる。
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む好ましいTLR−9アゴニストのヌクレオチド配列は、図2に示している(配列番号5〜14)。配列番号5、8、9および10のヌクレオチド配列がより好ましい。
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む最も好ましいTLR9−アゴニストは、配列番号5のヌクレオチド配列を有するTLR9−アゴニストである。
本発明のさらなる実施形態では、TLR−9アゴニスト、好ましくはすべてのヌクレオチドがD−体であるTLR−9アゴニストを含む医薬組成物が提供され、これは腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療に適し得る。この医薬組成物は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に、1mg/ml〜50mg/ml、好ましくは10mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは15mg/mlのTLR−9アゴニストを含み、PBSはpH6〜8、特に7.0〜7.5のpHを有し、
− 6mg/ml〜12mg/ml、好ましくは8.8mg/mlの塩化ナトリウム、
− 0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.22mg/mlの塩化カリウム、
− 0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.22mg/mlのリン酸二水素カリウム、および
− 1.0mg/ml〜1.5mg/ml、好ましくは1.265mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む。
− 6mg/ml〜12mg/ml、好ましくは8.8mg/mlの塩化ナトリウム、
− 0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.22mg/mlの塩化カリウム、
− 0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.22mg/mlのリン酸二水素カリウム、および
− 1.0mg/ml〜1.5mg/ml、好ましくは1.265mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む。
特に好ましい実施形態では、PBSは、7.2〜7.6のpHを有し、
− 8.0mg/mlの塩化ナトリウム、
− 0.2mg/mlの塩化カリウム、
− 0.2mg/mlのリン酸二水素カリウム、および
− 1.15mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む。
− 8.0mg/mlの塩化ナトリウム、
− 0.2mg/mlの塩化カリウム、
− 0.2mg/mlのリン酸二水素カリウム、および
− 1.15mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む。
腫瘍内注射については、ヒト患者における好ましい週用量は、約10〜約30mg/週、好ましくは約15mg/週である。皮下注射については、ヒト患者における好ましい週用量は、約100〜約150mg/週、好ましくは約120mg/週であり、これは数回投与で、例えば約60mgを週2回、または約120mgを週に1回で適用することができる。
上記の好ましい医薬組成物では、TLR−9アゴニストはLefitolimod(配列番号3)である。
さらなる実施形態では、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを含む医薬組成物が提供され、これは腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療に適し得る。この医薬組成物は、グルコースを含む塩溶液中に少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを1mg/ml〜30mg/ml、好ましくは10mg/ml〜20mg/ml含む。グルコースは、好ましくは、3%〜7%の濃度、よりさらに好ましくは5%の濃度である。塩溶液は、好ましくは、0.1〜10mMのKCl、より好ましくは0.5〜3mMのKCl、よりさらに好ましくは1mMのKClである。
したがって、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを含む好ましい医薬組成物は、5%グルコースおよび1mMのKCl中に少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを10mg/ml〜20mg/ml含む。
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む好ましいTLR−9アゴニストは、配列番号5の配列を有するオリゴデオキシヌクレオチドである。
本発明の好ましい一実施形態によれば、TLR−9アゴニスト、好ましくは、Lefitolimodは、単剤療法として使用される。用語「単剤療法」とは、特定の障害または疾患を治療するための単一の活性医薬成分(API)としての薬物の使用を意味する。したがって、単剤療法では、薬物は別の薬物と組み合わせることなく投与される。
別の好ましい実施形態では、それを必要とする対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のためのTLR−9アゴニストならびに化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤を含む組合せであって、前記TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療が、CD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、組合せが提供される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療が、CD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、組合せが提供される。
組合せの成分、すなわち、TLR−9アゴニストならびに化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤は、したがって、同時におよび/または連続して一緒に適用することができる。したがって、一実施形態では、治療される対象は、別のがん治療を既に受けている、および/またはその後に別のがん治療を受ける。「別のがん治療」とは、例えば、放射線療法ならびに/または化学療法剤および/もしくはチェックポイント阻害剤の適用、好ましくは化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤の適用を意味し得る。
当業者には、適切な化学療法剤は公知である。前臨床データおよび臨床データは、特定の従来の化学療法が免疫刺激機序を介して部分的に作用し得ることを示唆している。そのような化学療法剤が好ましい。例えば、アントラサイクリンは、制御された免疫原性細胞死(ICD)表現型を駆動し、TMEにおける免疫抑制経路を直接的に遮断する。免疫原性細胞死を誘発するか免疫抑制経路を遮断する化学療法薬は、例えば、オキサリプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、エピルビシン(epirubucin)、イダルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ボルテゾミブである。
化学療法の代わりに、または化学療法に加えて、「標的抗がん剤」、例えばチロシンキナーゼ阻害剤を使用することができる。
放射線療法は免疫原性細胞死を誘発することが可能であり、瀕死の細胞から腫瘍抗原を放出させ、次にエフェクターT細胞の活性化を促進し、非照射の局在に対しても抗腫瘍免疫応答を追加免疫する(アブスコパル効果)。
チェックポイント阻害剤は、T細胞などのいくつかの免疫細胞およびいくつかのがん細胞によって発現される特定のタンパク質を阻害する。これらのいわゆるチェックポイントタンパク質は、免疫応答を抑制するために役立ち、T細胞ががん細胞を死滅させるのを防ぐことができる。これらのタンパク質が阻害された場合、免疫系に対する「ブレーキ」が解除され、T細胞はがん細胞を死滅させ得る。チェックポイント阻害剤は、例えば、PD−1、PD−L1、CTLA−4、TIM−3、またはLAG3の阻害剤である。さらに、OX−40、CD137(4−1 BB)またはGITRなどのいわゆる同時刺激分子を活性化させて免疫応答を増強し、T細胞活性化を最適化することができる。当業者には、有用なチェックポイント阻害剤が公知である。好ましいチェックポイント阻害剤は、PD−1の阻害剤、例えばペンブロリズマブおよびニボルマブ、ならびにPD−L1の阻害剤、例えばアテゾリズマブ、アベルマブおよびデュルバルマブである。CTLA−4の好ましい阻害剤は、イピリムマブである。また他の抗体も使用できる。
したがって、TLR−9アゴニストを適用する前の化学療法または放射線療法は、化学療法または放射線療法が腫瘍サイズの低減および腫瘍関連抗原の放出をもたらすので、有利であり得る。次いで、TLR−9アゴニストは、抗原提示細胞を活性化し、次に、放出された腫瘍関連抗原をT細胞に提示し、T細胞を刺激することができる。
チェックポイント阻害剤の前にTLR−9アゴニストを適用した場合、TLR−9アゴニストの適用によりT細胞が活性化され、次に腫瘍に浸潤することができるので、有利であり得る。次いで、チェックポイント阻害剤は、腫瘍内の既に活性化されたT細胞上の阻害分子を阻害することができる。T細胞はそれにより完全に活性化され、それらの抗腫瘍効果を及ぼすことができる。
TLR−9アゴニストの適用の前にチェックポイント阻害剤を適用した場合、TLR−9アゴニストがチェックポイント阻害剤に対する潜在的な非応答性を抑止する可能性があるので、有利であり得る。言い換えれば、腫瘍がチェックポイント阻害剤に良好に反応しない場合には、それが低免疫原性腫瘍である可能性があるので、TLR−9アゴニストは、チェックポイント阻害剤に対する応答性が回復するように腫瘍の微小環境をモジュレートすることができる。例えば、腫瘍は、T細胞上でアップレギュレートされた阻害分子によりチェックポイント阻害剤による治療に耐性を有し得る。TLR−9アゴニストによって活性化されたde novo活性化T細胞は、これらの阻害分子を発現しない可能性があり、したがって、チェックポイント阻害剤による治療に感受性があり得る。
一実施形態では、それを必要とする対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のためのTLR−9アゴニストならびに化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤を含む組成物であって、前記TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療が、CD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、組成物が提供される。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療が、CD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、組成物が提供される。
特定の実施形態
1.それを必要とする対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のためのTLR−9アゴニストであって、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激する、TLR−9アゴニスト。
1.それを必要とする対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のためのTLR−9アゴニストであって、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激する、TLR−9アゴニスト。
別の実施形態1では、前記TLR−9アゴニストによる治療は、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または前記TLR−9アゴニストによる治療は、腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる。
2.CD3+ T細胞、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージによる腫瘍の浸潤が、TLR−9アゴニスト治療なしの浸潤と比較して刺激される、実施形態1に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
別の実施形態2では、腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率は、TLR−9アゴニスト治療なしのM1マクロファージ対M2マクロファージの比率と比較して増加している。
3.CD3+ T細胞がCD4+またはCD8+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞である、実施形態1または2に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
別の実施形態3では、前記TLR−9アゴニストによる治療は、腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させる。
別の実施形態3では、前記TLR−9アゴニストによる治療は、CD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)対制御性T細胞の比率を増加させる。
4.腫瘍がその周辺および/またはその中心、好ましくはその中心に浸潤している、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
5.腫瘍が固形腫瘍、好ましくは結腸がんであり、治療される対象はヒトである、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
6.TLR−9アゴニストが腫瘍内または皮下に投与される、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
7.少なくとも1つのCGジヌクレオチドが配列N1N2CGN3N4の一部であり、N1N2がAA、TT、GG、GT、GAまたはATであり、N3N4がCT、TT、TGまたはGGであり、Cがデオキシシチジンであり、Gがデオキシグアノシンであり、Aがデオキシアデノシンであり、Tがデオキシチミジンである、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
8.オリゴデオキシリボヌクレオチドが少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含み、好ましくは、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドがオリゴデオキシリボヌクレオチドの少なくとも一端の末端5ヌクレオチド以内に含まれており、好ましくはオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端の末端5ヌクレオチド以内に含まれている、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
一実施形態8では、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストは、1つまたは複数の以下の特徴を有する:
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 少なくとも3つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチが2つのCGジヌクレオチド間に位置しており、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置しており、
− 3つの3’末端および/または5’末端デオキシヌクレオチドの少なくとも1つがL−体であり、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 第1および第2の5’末端デオキシヌクレオチドがL−体である。
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 少なくとも3つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチが2つのCGジヌクレオチド間に位置しており、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置しており、
− 3つの3’末端および/または5’末端デオキシヌクレオチドの少なくとも1つがL−体であり、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 第1および第2の5’末端デオキシヌクレオチドがL−体である。
特に好ましい実施形態8では、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストにおいて、
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置している。
− 少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端に位置しており、
− 3つの3’末端デオキシヌクレオチドのうち2つがL−体であり、
− 少なくとも3つ、特に5つの連続したデオキシチミジンの1つのストレッチがオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端に位置している。
9.オリゴデオキシリボヌクレオチドが少なくとも3つのCGジヌクレオチドを含む、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
10.オリゴデオキシリボヌクレオチドが一本鎖および/または部分的もしくは完全二本鎖である、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
11.オリゴデオキシリボヌクレオチドが2つの一本鎖ループを含み、ダンベルの形状を形成する、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
12.すべてのヌクレオチドがD−体である、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
13.配列番号3の配列を有する実施形態11または12に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
14.配列番号5の配列を有する実施形態8に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
15.それを必要とする患者にTLR−9アゴニストを投与することを含む、CD3+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞の腫瘍、好ましくは結腸がんへの浸潤を増加させる方法であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法。
別の実施形態15では、前記方法は、腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させるのに有用である。
別の実施形態15では、前記方法は、CD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)対制御性T細胞の比率を増加させるのに有用である。
別の実施形態15では、前記方法は、マクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍内への浸潤を増加させる、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させるのに有用である。
16.オリゴデオキシリボヌクレオチドが少なくとも20ヌクレオチド、好ましくは30〜35ヌクレオチドを含む、実施形態8に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
17.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチがD−体であり、オリゴデオキシリボヌクレオチドの少なくとも1つの末端の末端6ヌクレオチド以内に、好ましくはオリゴデオキシリボヌクレオチドの5’末端の末端6ヌクレオチド以内に位置している、実施形態8または16に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
18.少なくとも3つ、特に4つの連続するデオキシグアノシンが2つのCGジヌクレオチドの間に位置している、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
19.デオキシグアノシンを除いて、少なくとも5つのヌクレオチドが2つのCGジヌクレオチドの間に位置している、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
20.少なくとも1つのCGジヌクレオチドがオリゴデオキシリボヌクレオチドの一本鎖および/または二本鎖領域に位置している、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
21.オリゴデオキシリボヌクレオチドが二本鎖ステムおよび少なくとも1つの一本鎖ループを含む、実施形態1から10のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
22.オリゴデオキシリボヌクレオチドが少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも80ヌクレオチド、最も好ましくは116ヌクレオチドを含む、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
23.オリゴデオキシリボヌクレオチドが多くとも200ヌクレオチド、好ましくは多くとも150ヌクレオチド、最も好ましくは116ヌクレオチドを含む、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
24.少なくとも1つのCGジヌクレオチドが、
i.一本鎖ループの1つまたはそれぞれに、好ましくは一本鎖ループのそれぞれに、または、
ii.二本鎖ステムに、または、
iii.一本鎖ループの1つまたはそれぞれに、および二本鎖ステムに、
位置している、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
i.一本鎖ループの1つまたはそれぞれに、好ましくは一本鎖ループのそれぞれに、または、
ii.二本鎖ステムに、または、
iii.一本鎖ループの1つまたはそれぞれに、および二本鎖ステムに、
位置している、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
25.オリゴデオキシリボヌクレオチドが二本鎖ステムおよび少なくとも1つの一本鎖ループを含み、少なくとも1つのCGジヌクレオチドが一本鎖ループに位置している、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
26.3つのCGジヌクレオチドが一本鎖ループのそれぞれに位置している、実施形態25に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
27.一本鎖ループの1つまたはそれぞれが少なくとも20ヌクレオチドを含み、好ましくは30ヌクレオチドから構成される、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
28.一本鎖ループのそれぞれが30ヌクレオチドから構成され、同一の配列である、実施形態27に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
29.二本鎖ステムが少なくとも15塩基対、好ましくは少なくとも20塩基対を含み、最も好ましくは28塩基対から構成される、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
30.二本鎖ステムが最大90塩基対、好ましくは最大60塩基対を含み、最も好ましくは28塩基対から構成される、実施形態11または21に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
31.一本鎖ループのそれぞれが30ヌクレオチドから構成され、二本鎖ステムが28塩基対から構成され、3つのCGジヌクレオチドが一本鎖ループのそれぞれに位置している、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
32.TLR−9アゴニストが、二度の配列番号1の部分的にハイブリダイズした配列から構成される、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
33.TLR−9アゴニストが、二度の配列番号2の部分的にハイブリダイズした配列から構成される、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
34.TLR−9アゴニストが、配列番号4の配列から構成される、実施形態11に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
35.少なくとも1つのヌクレオチドが、カルボキシル、アミン、アミド、アルジミン、ケタール、アセタール、エステル、エーテル、ジスルフィド、チオールおよびアルデヒド基を含む群から選択される官能基で修飾されている、前記実施形態のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
36.修飾ヌクレオチドが、ペプチド、タンパク質、炭水化物、抗体、脂質、ミセル、小胞、合成分子、ポリマー、マイクロ発射体、金属粒子、ナノ粒子、および固相を含む群から選択される化合物に連結されている、実施形態35に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
37.TLR−9アゴニストが先行する実施形態のいずれかにおいて定義されている通りである、実施形態15に記載の方法。
38.腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のための、PBS中に、1mg/ml〜50mg/ml、好ましくは10mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは15mg/mlのTLR−9アゴニストを含み、好ましくは、すべてのヌクレオチドがD−体であるTLR−9アゴニストを含む医薬組成物であって、PBSがpH6〜8、特に7.2〜7.6のpHを有し、
・6mg/ml〜12mg/ml、好ましくは8.0mg/mlの塩化ナトリウム、
・0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.2mg/mlの塩化カリウム、
・0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.2mg/mlのリン酸二水素カリウム、
・1.0mg/ml〜1.5mg/ml、好ましくは1.15mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む、医薬組成物。
・6mg/ml〜12mg/ml、好ましくは8.0mg/mlの塩化ナトリウム、
・0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.2mg/mlの塩化カリウム、
・0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.2mg/mlのリン酸二水素カリウム、
・1.0mg/ml〜1.5mg/ml、好ましくは1.15mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む、医薬組成物。
好ましい実施形態38では、TLR−9アゴニストはLefitolimod(配列番号3)である。
別の実施形態38では、医薬組成物は、グルコースを含む塩溶液に少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを1mg/ml〜30mg/ml、好ましくは10mg/ml〜20mg/ml含む。グルコースは、好ましくは、3%〜7%の濃度、よりさらに好ましくは5%の濃度である。塩溶液は、好ましくは、0.1〜10mMのKCl、より好ましくは0.5〜3mMのKCl、よりさらに好ましくは1mMのKClである。
したがって、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを含む好ましい医薬組成物は、5%グルコースおよび1mMのKCl中に少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストを10mg/ml〜20mg/ml含む。
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む好ましいTLR−9アゴニストは、配列番号5の配列を有するオリゴデオキシヌクレオチドである。
39.TLR−9アゴニストを投与することを含む、対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんを治療する方法であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、方法。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、方法。
好ましくは、TLR−9アゴニストは、Lefitolimodである。
40.それを必要とする対象の腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のためのTLR−9アゴニストならびに化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤を含む組合せであって、前記TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、組合せ。
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率を増加させる、組合せ。
好ましくは、TLR−9アゴニストは、Lefitolimodである。
TLR−9アゴニストは腫瘍微小環境をモジュレートする
本発明のようなTLR9アゴニストの使用の利点は、2つのTLR9アゴニスト、Lefitolimod(配列番号3)およびL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)により例示される。腫瘍微小環境(TME)をモジュレートするLefitolimodおよびL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)の可能性を抗腫瘍免疫応答に必要な免疫細胞の浸潤に関して評価した。LefitolimodおよびL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)は両方とも本発明の特に好ましい実施形態である。
本発明のようなTLR9アゴニストの使用の利点は、2つのTLR9アゴニスト、Lefitolimod(配列番号3)およびL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)により例示される。腫瘍微小環境(TME)をモジュレートするLefitolimodおよびL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)の可能性を抗腫瘍免疫応答に必要な免疫細胞の浸潤に関して評価した。LefitolimodおよびL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)は両方とも本発明の特に好ましい実施形態である。
同系マウス結腸がんモデル(CT26)を使用して、これらの効果を実証した。TMEの生物学的モジュレーションは、免疫組織化学(IHC)およびフローサイトメトリーを使用して評価した。
材料/方法
1.)腫瘍内投与後の免疫組織化学(IHC)
Balb/cマウスに、0日目に0.05×106個のCT26腫瘍細胞をマトリゲルと共に側腹部に皮下接種した。マウスは、腫瘍の体積によってケージイコライザーソフトウェアを用いて治療群に無作為化した。化合物(PBSに溶解したもの)またはビヒクル(PBS)は、腫瘍が約140mm3の体積に達した10日目に腫瘍内経路により投与した。200μgのLefitolimodまたは200μgのL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)を週に3回適用した。21日目にマウスを安楽死させ、腫瘍をIHC用に回収した。CD3染色およびマクロファージマーカーF4/80の染色については、組織をホルマリンで固定し、パラフィンに包埋した。CD8染色については、凍結切片を実施した。IHC染色は、標準的な方法により実施した。免疫細胞の染色は、腫瘍の中心および浸潤周縁部について分析した。CD3染色はDefiniensソフトウェア(Definiens AG、 Munich、 Germany)によって定量化し、CD8染色はスコアリング方法によって手動で定量化した:
1から4までのCD8に関するスコアリング方法:
1=ラベリングなし
2=ラベリングわずか
3=ラベリング中程度
4=ラベリング強い
1.)腫瘍内投与後の免疫組織化学(IHC)
Balb/cマウスに、0日目に0.05×106個のCT26腫瘍細胞をマトリゲルと共に側腹部に皮下接種した。マウスは、腫瘍の体積によってケージイコライザーソフトウェアを用いて治療群に無作為化した。化合物(PBSに溶解したもの)またはビヒクル(PBS)は、腫瘍が約140mm3の体積に達した10日目に腫瘍内経路により投与した。200μgのLefitolimodまたは200μgのL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)を週に3回適用した。21日目にマウスを安楽死させ、腫瘍をIHC用に回収した。CD3染色およびマクロファージマーカーF4/80の染色については、組織をホルマリンで固定し、パラフィンに包埋した。CD8染色については、凍結切片を実施した。IHC染色は、標準的な方法により実施した。免疫細胞の染色は、腫瘍の中心および浸潤周縁部について分析した。CD3染色はDefiniensソフトウェア(Definiens AG、 Munich、 Germany)によって定量化し、CD8染色はスコアリング方法によって手動で定量化した:
1から4までのCD8に関するスコアリング方法:
1=ラベリングなし
2=ラベリングわずか
3=ラベリング中程度
4=ラベリング強い
スコアリングは1名のIHCオペレーターによって実施され、この試験に参加しなかった別のIHCオペレーターによってチェックされた。
2.)腫瘍内投与後のフローサイトメトリー
生存部分(CT 26マウス)は、250μgのLefitolimodを使用したことを除き、上記のとおりであった。21日目にマウスを安楽死させ、フローサイトメトリーによる腫瘍浸潤白血球を分析するため腫瘍を回収した。T細胞およびマクロファージの評価については、フルオロフォア結合抗体の2つのパネルを使用した。
生存部分(CT 26マウス)は、250μgのLefitolimodを使用したことを除き、上記のとおりであった。21日目にマウスを安楽死させ、フローサイトメトリーによる腫瘍浸潤白血球を分析するため腫瘍を回収した。T細胞およびマクロファージの評価については、フルオロフォア結合抗体の2つのパネルを使用した。
以下のマーカーを使用して以下の細胞タイプを検出した:
3.)皮下投与後のIHC
Balb/cマウスに対し、0日目に、右下腹部に0.5×106個のCT26腫瘍細胞を皮下接種した。マウスは、StudyDirector(商標)ソフトウェア(Studylog Systems、Inc.、South San Francisco、CA、USA)を使用して、体重に基づき無作為化され、治療群に入れられた。Lefitolimod(PBSに溶解したもの)またはビヒクル(PBS)を2日目に離れた皮下経路(腋窩リンパ節の近位の左前腹部)により投与した。250μgのLefitolimodを16日目まで週に3回適用した。17日目にマウスを安楽死させ、腫瘍をIHC用に回収した。組織をホルマリンに固定し、パラフィンに包埋した。CD8に対するIHC染色は、当業者に公知の標準的な方法により実施された。すべての染色された切片は、NanoZoomer−HT 2.0画像システム(浜松ホトニクス株式会社)でスキャンした。各サンプルの5つの代表的なフィールドを分析用に選択した。スキャンした領域の定量化は、ImageJソフトウェア(https://imagej.net/)を使用して実施した。IHCスコアは、フィールド内の細胞総数に対する5つのフィールド内の陽性細胞数の平均の比率として示されている。腫瘍周縁部および腫瘍中心のIHCスコアリングは別々に行った。
Balb/cマウスに対し、0日目に、右下腹部に0.5×106個のCT26腫瘍細胞を皮下接種した。マウスは、StudyDirector(商標)ソフトウェア(Studylog Systems、Inc.、South San Francisco、CA、USA)を使用して、体重に基づき無作為化され、治療群に入れられた。Lefitolimod(PBSに溶解したもの)またはビヒクル(PBS)を2日目に離れた皮下経路(腋窩リンパ節の近位の左前腹部)により投与した。250μgのLefitolimodを16日目まで週に3回適用した。17日目にマウスを安楽死させ、腫瘍をIHC用に回収した。組織をホルマリンに固定し、パラフィンに包埋した。CD8に対するIHC染色は、当業者に公知の標準的な方法により実施された。すべての染色された切片は、NanoZoomer−HT 2.0画像システム(浜松ホトニクス株式会社)でスキャンした。各サンプルの5つの代表的なフィールドを分析用に選択した。スキャンした領域の定量化は、ImageJソフトウェア(https://imagej.net/)を使用して実施した。IHCスコアは、フィールド内の細胞総数に対する5つのフィールド内の陽性細胞数の平均の比率として示されている。腫瘍周縁部および腫瘍中心のIHCスコアリングは別々に行った。
結果
腫瘍内投与されたLefitolimodによる治療は、ビヒクル対照と比較して腫瘍増殖の低下をもたらした(図3、図4および図5)。これには、腫瘍中心へのCD3+ T細胞の浸潤の増強が伴った(図6)。またLefitolimod治療は、細胞傷害性CD8+ T細胞の腫瘍中心への浸潤をもたらした(図7)。CD8+ T細胞浸潤と腫瘍増殖の低下との間に相関があった(p=0.022;図8および図9)。
腫瘍内投与されたLefitolimodによる治療は、ビヒクル対照と比較して腫瘍増殖の低下をもたらした(図3、図4および図5)。これには、腫瘍中心へのCD3+ T細胞の浸潤の増強が伴った(図6)。またLefitolimod治療は、細胞傷害性CD8+ T細胞の腫瘍中心への浸潤をもたらした(図7)。CD8+ T細胞浸潤と腫瘍増殖の低下との間に相関があった(p=0.022;図8および図9)。
L−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)による治療(腫瘍内投与)は、ビヒクル対照と比較して腫瘍増殖の低下をもたらした(図10、図11および図12)。腫瘍へのCD3+ T細胞の中程度の浸潤が観察された(図13)。またL−ヌクレオチドを含むTLR−9アゴニスト(配列番号5)による治療は、腫瘍中心への細胞傷害性CD8+ T細胞の浸潤ももたらした(図14)。CD8+ T細胞浸潤と腫瘍増殖の低下との間に相関の傾向があった(図15および図16)。
Lefitolimod(腫瘍内投与)によるCD3+ T細胞およびCD8+ T細胞の浸潤をフローサイトメトリーにより確認した。全腫瘍細胞内の両細胞集団の増加が観察された。(図17)。
さらに、Lefitolimod(腫瘍内投与)により抗腫瘍形成性細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ GrzB+)対腫瘍形成促進性制御性T細胞の比率が有意に増加した。細胞傷害性エフェクターT細胞は、細胞溶解性分子、例えばグランザイムB(Grz B)を発現し、したがって腫瘍細胞を破壊することが可能である。同様のことがCD8+ T細胞集団全体においても観察された。制御性T細胞の頻度は変化しないままであった(図18)。
Lefitolimod治療(腫瘍内投与)は、マクロファージの腫瘍への誘引をもたらした(図19)。
フローサイトメトリー分析からの結果は、M1マクロファージの増加(CD86およびMHC II高)、M2マクロファージの減少(CD86およびMHC II低)、ならびにLefitolimod(腫瘍内投与)による腫瘍内のM1マクロファージ対M2マクロファージの比率の増加を示した(図20)。
図17、図18、および図20のデータの統計分析は、コルモゴロフ・スミルノフ検定を使用して行った。
腫瘍体積は、腫瘍内投与後だけでなく、Lefitolimodの遠位皮下投与後にも減少した(図21〜23)。またLefitolimod治療(皮下投与)は、腫瘍中心および周縁部への細胞傷害性CD8+ T細胞の浸潤をもたらした(図24〜25)。
したがって、本発明によるTLR−9アゴニストは、TMEをモジュレートするため、また、M2マクロファージのM1マクロファージへの変換が促進され、ならびに/またはM1マクロファージおよび/もしくはCD8+ T、例えば細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ GrzB+)の腫瘍への浸潤が刺激される抗腫瘍応答を促進するために有益である。
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストは、免疫系を活性化する
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む異なるTLR−9アゴニストを、免疫系を活性化する、特に腫瘍微小環境をモジュレートする可能性について試験した。
少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む異なるTLR−9アゴニストを、免疫系を活性化する、特に腫瘍微小環境をモジュレートする可能性について試験した。
方法
匿名の健康なドナー由来のバフィーコートは、「DRK−Blutspendedienst−Ost」から入手した。末梢血単核細胞(PBMC)は、Ficoll(Biochrom)を使用して、密度勾配遠心分離により単離した。細胞を、平底プレート(PBMC、600万個細胞/ml)中の完全培地(10%[v/v]ウシ胎仔血清[Linaris]、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン[Lonza]を補充し2mMのUltraGlutamine[Lonza]を入れたRPMI1640[Lonza])で培養した。
匿名の健康なドナー由来のバフィーコートは、「DRK−Blutspendedienst−Ost」から入手した。末梢血単核細胞(PBMC)は、Ficoll(Biochrom)を使用して、密度勾配遠心分離により単離した。細胞を、平底プレート(PBMC、600万個細胞/ml)中の完全培地(10%[v/v]ウシ胎仔血清[Linaris]、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン[Lonza]を補充し2mMのUltraGlutamine[Lonza]を入れたRPMI1640[Lonza])で培養した。
細胞を氷上で10%(v/v)のヒト血清、2.5%(v/v)のFBSおよび0.1%(w/v)のアジドを含むPBS中のモノクローナル抗体により表面染色した。以下の抗体をpDC活性化の分析に使用した:抗系列カクテル1、抗CD123(7G3)、抗HLA−DR(L243)、すべてBD Biosciences製。細胞のすべてのフローサイトメトリーパラメーターは、FACSCalibur(BD Biosciences)で取得した。pDCフラクション内のHLA−DRの平均蛍光強度(MFI)を推定した。データはFlowJoソフトウェアを用いて分析した。
分泌されたサイトカインは、2日間、細胞増殖培地に蓄積された。IFN−アルファ(eBioscience)、およびIP−10(インターフェロン誘導タンパク質10、CXCL10(R&D Systems))のELISAは、メーカーの指示に従って2連で実施した。光学密度を450nmで測定した;データは、MicroWinソフトウェア(Berthold Technologies)で分析した。
結果
図26:PBMCを、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む異なるTLR−9アゴニストで、48時間、最終濃度3μM(A、B、C)、または0.04〜3μΜの濃度範囲(D)で刺激した。細胞培養培地を対照として使用した。A:配列番号5、7、8、10、および11を有する分子を標準のTLR9アゴニストと比較した。B:示した分子により刺激した後のpDCのHLD−DR発現の比較。C:配列番号6を有する分子と配列番号5を有する分子との比較。配列番号5は既にAにおける比較で使用した。D:配列番号9を有する分子と配列番号5を有する分子との比較。配列番号5は既にAにおける比較で使用した。調査した濃度範囲内の各分子についての最大効果を示している。
図26:PBMCを、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む異なるTLR−9アゴニストで、48時間、最終濃度3μM(A、B、C)、または0.04〜3μΜの濃度範囲(D)で刺激した。細胞培養培地を対照として使用した。A:配列番号5、7、8、10、および11を有する分子を標準のTLR9アゴニストと比較した。B:示した分子により刺激した後のpDCのHLD−DR発現の比較。C:配列番号6を有する分子と配列番号5を有する分子との比較。配列番号5は既にAにおける比較で使用した。D:配列番号9を有する分子と配列番号5を有する分子との比較。配列番号5は既にAにおける比較で使用した。調査した濃度範囲内の各分子についての最大効果を示している。
図27:PBMCを、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含む異なるTLR−9アゴニストで、48時間、示した濃度範囲で刺激した。A:配列番号13を有する分子と配列番号7を有する分子との比較。配列番号7は既に図26Aにおける比較で使用した;B:配列番号12を有する分子と配列番号8を有する分子との比較。配列番号8は既に図26Aにおける比較で使用した;C:配列番号14を有する分子と配列番号9を有する分子との比較。配列番号9は既に図26Dにおける比較で使用した。
すべての試験した少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストは、TLR9を有する形質細胞様細胞(pDC)およびB細胞を活性化することを示している。IFN−アルファはpDCにより分泌され、自然免疫系および適応免疫系の広範な活性化をもたらす。活性化プロファイルは、試験した分子間で異なる:異なる分子によりPBMCを刺激した後に得られるIFN−アルファの個々のレベルは多様であり(図26A、C、Dおよび図27)、またpDCに対する活性化分子のアップレギュレーションも多様であった(図26B)。しかし、調査したすべての分子は、NK細胞およびCD8+ T細胞の腫瘍微小環境への誘引に関与するケモカインである、IP−10(CXCL10、図26A、C、Dおよび図27)の強力な分泌を誘発した。
また、IFN−ガンマ遊離により測定される抗原特異的CD8+ T細胞の活性化も増強された(データは示さず)。
すべての試験した少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含むTLR−9アゴニストは、腫瘍微小環境をモジュレートする可能性を有する。
Claims (22)
- 腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療を必要とする対象の当該治療における使用のためのTLR−9アゴニストであって、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチと
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージのM2マクロファージに対する比率を増加させる、TLR−9アゴニスト。 - CD3+ T細胞、および/もしくはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージによる腫瘍の浸潤が、TLR−9アゴニスト治療なしの浸潤と比較して刺激され、ならびに/または腫瘍内のM1マクロファージのM2マクロファージに対する比率が、TLR−9アゴニスト治療なしのM1マクロファージのM2マクロファージに対する比率と比較して増加される、請求項1に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- CD3+ T細胞がCD4+またはCD8+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞である、請求項1または2に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 前記TLR−9アゴニストによる治療が、腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させ、および/またはCD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の制御性T細胞に対する比率を増加させる、請求項3に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 腫瘍がその周辺および/またはその中心、好ましくはその中心に浸潤している、請求項1から4のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 腫瘍が固形腫瘍、好ましくは結腸がんであり、治療される対象がヒトである、請求項1から5のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- TLR−9アゴニストが腫瘍内または皮下に投与される、請求項1から6のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 少なくとも1つのCGジヌクレオチドが配列N1N2CGN3N4の一部であり、N1N2がAA、TT、GG、GT、GAまたはATであり、N3N4がCT、TT、TGまたはGGであり、Cがデオキシシチジンであり、Gがデオキシグアノシンであり、Aがデオキシアデノシンであり、Tがデオキシチミジンである、請求項1から7のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- オリゴデオキシリボヌクレオチドが少なくとも1つのL−体のヌクレオチドを含み、好ましくは、少なくとも1つのL−体のヌクレオチドがオリゴデオキシリボヌクレオチドの少なくとも一端の末端5ヌクレオチド以内に含まれており、好ましくはオリゴデオキシリボヌクレオチドの3’末端の末端5ヌクレオチド以内に含まれている、請求項1から8のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- オリゴデオキシリボヌクレオチドが少なくとも3つのCGジヌクレオチドを含む、請求項1から9のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- オリゴデオキシリボヌクレオチドが一本鎖および/または部分的もしくは完全二本鎖である、請求項1から10のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- オリゴデオキシリボヌクレオチドが2つの一本鎖ループを含み、ダンベルの形状を形成する、請求項1から11のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- すべてのヌクレオチドがD−体である、請求項12に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 配列番号3の配列を有する、請求項12または13に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 配列番号5〜配列番号14のうちのいずれかの配列、好ましくは配列番号5の配列を有する、請求項9に記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 治療される対象が別のがん治療、好ましくは化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤を既に受けている、および/またはその後に受ける、請求項1から15のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 前記TLR−9アゴニストによる治療が低免疫原性腫瘍を高免疫原性腫瘍に変換させる、請求項1から16のいずれかに記載の使用のためのTLR−9アゴニスト。
- 低免疫原性腫瘍を高免疫原性腫瘍に変換するためのTLR−9アゴニストであって、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、腫瘍が好ましくは結腸がんである、TLR−9アゴニスト。 - TLR−9アゴニストをその投与を必要とする患者に投与することを含む、CD3+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞の腫瘍、好ましくは結腸がんへの浸潤を増加させるため、および/または腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させるため、および/またはCD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の制御性T細胞に対する比率を増加させるため、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を増加させるため、および/または腫瘍内のM1マクロファージのM2マクロファージに対する比率を増加させるための方法であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、方法。 - CD3+ T細胞、好ましくはCD8+ T細胞の腫瘍、好ましくは結腸がんへの浸潤を増加させるため、および/または腫瘍中のCD8+ T細胞集団内の細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の頻度を増加させるため、および/またはCD8+ T細胞、好ましくは細胞傷害性エフェクターT細胞(CD8+ CD69+ グランザイムB+)の制御性T細胞に対する比率を増加させるため、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を増加させるため、および/または腫瘍内のM1マクロファージのM2マクロファージに対する比率を増加させるためのTLR−9アゴニストの使用であって、TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されている、使用。 - 腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療を必要とする対象の当該治療における使用のためのTLR−9アゴニストならびに化学療法剤および/またはチェックポイント阻害剤を含む組成物であって、前記TLR−9アゴニストが、
i.少なくとも1つの非メチル化CGジヌクレオチド(ここで、Cはデオキシシチジンであり、Gはデオキシグアノシンである)を含むオリゴデオキシリボヌクレオチドと、
ii.少なくとも3つ、特に4つの連続したデオキシグアノシンの少なくとも1つのストレッチ
と
を含み、
オリゴデオキシリボヌクレオチドのデオキシリボース部分がホスホジエステル結合によって連結されており、前記TLR−9アゴニストによる治療がCD3+ T細胞の腫瘍への浸潤を刺激し、および/またはマクロファージ、好ましくはM1マクロファージの腫瘍への浸潤を刺激し、および/または腫瘍内のM1マクロファージのM2マクロファージに対する比率を増加させる、組成物。 - 腫瘍疾患、好ましくは結腸がんの治療における使用のための、PBS中に、1mg/ml〜50mg/ml、好ましくは10mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは15mg/mlのTLR−9アゴニスト、好ましくは、すべてのヌクレオチドがD−体であるTLR−9アゴニストを含む医薬組成物であって、PBSがpH6〜8、特に7.2〜7.6のpHを有し、
・6mg/ml〜12mg/ml、好ましくは8.0mg/mlの塩化ナトリウム、
・0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.2mg/mlの塩化カリウム、
・0.1mg/ml〜0.3mg/ml、好ましくは0.2mg/mlのリン酸二水素カリウム、および
・1.0mg/ml〜1.5mg/ml、好ましくは1.15mg/mlのリン酸水素二ナトリウム
を含む、医薬組成物。
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