JP2020530266A - T7 rnaポリメラーゼバリアント - Google Patents

T7 rnaポリメラーゼバリアント Download PDF

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Abstract

本発明は、操作されたT7 RNAポリメラーゼバリアントおよびその組成物を提供する。これらのバリアントは、インビトロ転写の開始においてGTPを超えて対称的にキャップされたGTPアナログを選択的に組み込むために考案された。本発明はまた、本明細書で提供されるバリアントを使用するための方法を提供する。本発明はさらに、本明細書で提供される組成物の使用を提供する。上記操作されたRNAポリメラーゼバリアントは、少なくとも1個の置換またはポリペプチド配列における置換セットを含み得る。

Description

本出願は、2017年6月30日に出願された米国仮特許出願番号第 62/527,764号、および2017年7月5日に出願された 米国仮特許出願番号第62/528,846号に基づく優先権を主張しており、その両方はすべての目的のために全体が参考として援用される。
発明の分野
本発明は、操作されたT7 RNAポリメラーゼバリアントおよびその組成物を提供する。これらのバリアントは、インビトロ転写の開始においてGTPを超えてm7G(5’)ppp(5’)m7Gキャップアナログを選択的に組み込むために考案された。本発明はまた、本明細書で提供されるバリアントを使用するための方法を提供する。本発明はさらに、本明細書で提供される組成物の使用を提供する。
配列表、表またはコンピュータープログラムへの言及
配列表の公式の写しは、ASCIIフォーマットのテキストファイルとしてEFS−Webを介して本明細書と同時に提出される(ファイル名「CX8−168CUSP1_ST25.txt」、作成日2017年7月5日、およびサイズ184,320バイト)。EFS−Webを介して提出された配列表は、明細書の一部であり、その全体において本明細書に参考として援用される。
発明の背景
T7 RNAポリメラーゼ(E.C. 2.7.7.6)は、5’から3’の方向においてRNAの形成を触媒する、モノマーの、バクテリオファージによってコードされるDNA指向性RNAポリメラーゼである。転写開始のプロセスにおいて、T7 RNAポリメラーゼは、特異的プロモーター配列(すなわち、T7プロモーター)を認識する。天然に存在するT7 RNAポリメラーゼは、883アミノ酸を含む。それは、T3 RNAポリメラーゼに高度に相同性であり、SP6 RNAポリメラーゼに幾分相同性である。T7は、多数のドメイン(N末端ドメイン、「thumb」、「palm」および「fingers」が挙げられる)から構成される(例えば、Sousa and Mukherjee, Prog. Nucl. Acid Res. Mol. Biol., 73:1−41 [2003]、および米国特許第9,193,959号を参照のこと)。N末端ドメインのコンホメーションは、機能している酵素の開始相と伸長相との間で変化する。
T7 RNAポリメラーゼをコードする遺伝子のクローニングおよび発現は、記載されている(例えば、米国特許第4,952,496号を参照のこと)。そのプロモーター特異性および高いRNAポリメラーゼ活性に起因して、T7は、種々の適用に使用されている。それはまた、E.coliにおける組換え遺伝子の高レベル発現のために有用である(Studier and Moffat, J. Mol. Biol., 18:113−130 [1986]を参照のこと)。T7はまた、種々の核酸増幅法(診断法において使用されるものを含む)において使用される。安定性および熱安定性はしばしば、診断法の構成要素の開発において重要な行旅事項であることから、T7の熱安定性および安定性を改善することに関する研究が報告されてきた(例えば、米国特許第9,193,959号、同第8,551,752号、および同第7,507,567号などを参照のこと)。にも関わらず、天然に存在する酵素と比較した場合、改善された特性を示すバリアントT7酵素が、当該分野で未だに必要である。
米国特許第4,952,496号明細書 米国特許第9,193,959号明細書 米国特許第8,551,752号明細書 米国特許第7,507,567号明細書
Sousa and Mukherjee, Prog. Nucl. Acid Res. Mol. Biol., 73:1−41 [2003] Studier and Moffat, J. Mol. Biol., 18:113−130 [1986]
発明の要旨
本発明は、操作されたT7 RNAポリメラーゼバリアントおよびその組成物を提供する。これらのバリアントは、インビトロ転写の開始においてGTPを超えて対称的にキャップされたGTPアナログを選択的に組み込むために考案された。本発明はまた、本明細書で提供されるバリアントを使用するための方法を提供する。本発明はさらに、本明細書で提供される組成物の使用を提供する。
本発明は、配列番号4および/または15の参照配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列、またはこれらの機能的フラグメントを含む操作されたRNAポリメラーゼを提供し、ここで上記操作されたRNAポリメラーゼは、上記ポリペプチド配列において少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号4または15を参照して番号付けされる。
いくつかの実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、32/357、49/642、97/357、136、137、160/643、167/514、250、302/513、314/401、357、392、393、394、397、401、404、444、446、478、513、514、582、635、636、637、639、642、643、645、653、656、660、660/806、661、および664、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、ここで上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、32V/357I、49G/642L、97D/357G、136E/I、137W、160L/643S、167N/514L、250D、302V/513G、314C/401V、357G/K/L/M/N/Q/R/S/T/V/W、392D、393L/Y、394A/L/R、397F/M/Q/W、401A/I/L/S/V、404E/Y、444F/H/I/V、446W/Y、478F/M/W、513C/F/K/L/R/T/W、514F/I/L/Y、582N、635W、636L、637G/P/S、639H、642L、643A、645V、653C、656F/W、660A/C/M/S/T/W、660N/806Y、661E/Y、および664W、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、ここで上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、A32V/E357I、E49G/M642L、E97D/E357G、A136E/I、D137W、R160L/T643S、K167N/S514L、T250D、A302V/D513G、R314C/R401V、E357G/K/L/M/N/Q/R/S/T/V/W、Y392D、R393L/Y、K394A/L/R、A397F/M/Q/W、R401A/I/L/S/V、S404E/Y、N444F/H/I/V、M446W/Y、D478F/M/W、D513C/F/K/L/R/T/W、S514F/I/L/Y、A582N、S635W、V636L、T637G/P/S、R639H、M642L、T643A、A645V、F653C、Q656F/W、D660A/C/M/S/T/W、D660N/H806Y、T661E/Y、およびP664W、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、ここで上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。
いくつかの実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、397/513/635、397/513/635/660、513/660/664、513/635/660、513/635/664、513/660/664、および660/664、ならびに/、またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、ここで上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、397F/513W/635W、397F/513Y/635W、397W/513Y/635W、397W/513W/635W、397W/513Y/635W/660F、397W/513W/635W/660W、397Y/513W/635W/660F、475V/513W/635W/660Y、513F/660W/664Y、513W/635W/660F、513W/635W/664W、513Y/635W/660F、513Y/635W/660Y、513Y/660W/664W、および660Y/664W、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、A397F/D513W/S635W、A397F/D513Y/S635W、A397W/D513Y/S635W、A397W/D513W/S635W、A397W/D513Y/S635W/D660F、A397W/D513W/S635W/D660W、A397Y/D513W/S635W/D660F、A475V/D513W/S635W/D660Y、D513F/D660W/P664Y、D513W/S635W/D660F、D513W/S635W/P664W、D513Y/S635W/D660F、D513Y/S635W/D660Y、D513Y/D660W/P664W、およびD660Y/P664W、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。
いくつかの実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、397、397/513、397/513/635、397/513/635、397/513/635/656、397/513/635/656/660、397/513/635/656/660/664、397/513/635/656/664、397/513/635/660、397/513/635/660/664、397/513/635/664、397/513/656/660、397/513/660、397/513/660/664、397/513/664、397/513、397/635、397/635/656/660/664、397/635/656/664、397/635/660、397/635/664、397/635/664/850、397/660、397/664、397/660/664、397/837、399/635/660、475/513/635/660、513、513/635、513/635/656、513/635/656/660、513/635/656/664、513/635/660、513/635/660/664、513/635/664、513/656/660、513/656/664、513/660、513/660/664、513/664、635、635/656、635/656/664、635/660、635/660/664、635/664、656/660/664、658、660、660/664、および664、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、397F、397F/513F、397F/513F/635F、397F/513F/635W、397F/513F/635W/660W、397F/513W/635W、397F/513W/635W/656F/664F、397F/513W/664W、397F/513Y、397F/513Y/635W、397F/513Y/635W/656W、397F/513Y/635W/664F、37F/513Y/656H/660W、397F/635F/660W、397F/635W、397F/660W、397F/664W、397W、397W/513F、397W/513F/635F/656F/660F/664W、397W/513F/635F/660W、397W/513F/635W、397W/513F/660F、397W/513F/660W、397W/513F/660Y/664F、397W/513W、397W/513W/635F、397W/513W/635F/656W/660F、 397W/513W/635W、397W/513W/635W/656Y、397W/513W/635W/660W、397W/513W/635W/660W/664Y、397W/513W/635W/660Y/664Y、397W/513W/660W、397W/513W/660W/664Y、397W/513W/664F、397W/513W/664W、397W/513Y/635F、397W/513Y/635W/656Y/660W/664W、397W/513Y/635W、397W/513Y/635W/656Y/664Y、397W/513Y/635W/660F、397W/635F、397W/635F/664F、397W/635W、397W/635W/656F/664F、397W/635W/656F/664W、397W/635W/656F/664Y、397W/635W/660W、397W/635W/660Y、397W/635W/664F、397W/635W/664W/850T、397W/660F/664F、397W/660F/664Y、397W/660W、397W/837K、397Y、397Y/513F/635W/656F/660W/664F、397Y/513F/635W/664W、397Y/513W/635F/664Y、397Y/513W/635W/660F、397Y/513W/656W/660W、397Y/513Y、397Y/513Y/635W、397Y/635F、397Y/635F/660W、397Y/635W、397Y/635W/656F/660Y/664W、397Y/635W/660F、397Y/660F/664W、397Y/664F、399E/635F/660W、475V/513W/635W/660Y、513F、513F/635F、513F/635W、513F/635W/656W、513F/635W/664W、513F/660W、513F/660W/664F、513F/660W/664Y、513W、513W/635F、513W/635W、513Y/635F/660F/664Y、513W/635W/656W/660F、513W/635W/660F、513W/635W/664W、513W/656W/664W、513W/656Y/660W、513W/660F、513W/660W、513Y/635F、513Y/635F/664W、513Y/635R/656F/664Y、513Y/635W、513Y/635W/660F、513Y/635W/660Y、513Y/635W/660Y/664F、513Y/660W、513Y/660W/664W、513Y/660Y/664F、513Y/664Y、635F/656F/664Y、635F/656Y/664W、635F/660W/664F、635W、635W/656W、635W/660F、 635W/660W、635W/664W、656W/660F/664Y、656W/660W/664Y、658P、660F、660F/664F、660F/664Y、660W/664F、660Y/664W、664F、および664W、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、A397F、A397F/D513F、A397F/D513F/S635F、A397F/D513F/S635W、A397F/D513F/S635W/D660W、A397F/D513W/S635W、A397F/D513W/S635W/Q656F/P664F、A397F/D513W/P664W、A397F/D513Y、A397F/D513Y/S635W、A397F/D513Y/S635W/Q656W、A397F/D513Y/S635W/P664F、A397F/D513Y/Q656H/D660W、A397F/S635F/D660W、A397F/S635W、A397F/D660W、A397F/P664W、A397W、A397W/D513F、A397W/D513F/S635F/Q656F/D660F/P664W、A397W/D513F/S635F/D660W、A397W/D513F/S635W、A397W/D513F/D660F、A397W/D513F/D660W、A397W/D513F/D660Y/P664F、A397W/D513W、A397W/D513W/S635F、A397W/D513W/S635F/Q656W/D660F、A397W/D513W/S635W、A397W/D513W/S635W/Q656Y、A397W/D513W/S635W/D660W、A397W/D513W/S635W/D660W/P664Y、A397W/D513W/S635W/D660Y/P664Y、 A397W/D513W/D660W、A397W/D513W/P664F、A397W/D513W/D660W/P664Y、A397W/D513W/P664W、A397W/D513Y/S635F、A397W/D513Y/S635W/Q656Y/D660W/P664W、A397W/D513Y/S635W、A397W/D513Y/S635W/Q656Y/P664Y、A397W/D513Y/S635W/D660F、A397W/S635F、A397W/S635F/P664F、A397W/S635W、A397W/S635W/Q656F/P664F、A397W/S635W/Q656F/P664W、A397W/S635W/Q656F/P664Y、A397W/S635W/D660W、A397W/S635W/D660Y、A397W/S635W/P664F、A397W/S635W/P664W/A850T、A397W/D660F/P664F、A397W/D660F/P664Y、A397W/D660W、A397W/E837K、A397Y、A397Y/D513F/S635W/Q656F/D660W/P664F、A397Y/D513F/S635W/P664W、A397Y/D513W/S635F/P664Y、A397Y/D513W/S635W/D660F、A397Y/D513W/Q656W/D660W、A397Y/D513Y、A397Y/D513Y/S635W、A397Y/S635F、A397Y/S635F/D660W、A397Y/S635W、A397Y/S635W/Q656F/D660Y/P664W、A397Y/S635W/D660F、A397Y/D660F/P664W、A397Y/P664F、K399E/S635F/D660W、A475V/D513W/S635W/D660Y、D513F、D513F/S635F、D513F/S635W、D513F/S635W/Q656W、D513F/S635W/P664W、D513F/D660W、D513F/D660W/P664F、D513F/D660W/P664Y、D513W、D513W/S635F、D513W/S635W、D513Y/S635F/D660F/P664Y、D513W/S635W/Q656W/D660F、D513W/S635W/D660F、D513W/S635W/P664W、D513W/Q656W/P664W、D513W/Q656Y/D660W、D513W/D660F、D513W/D660W、D513Y/S635F、D513Y/S635F/P664W、D513Y/S635R/Q656F/P664Y、D513Y/S635W、D513Y/S635W/D660F、D513Y/S635W/D660Y、D513Y/S635W/D660Y/P664F、D513Y/D660W、D513Y/D660W/P664W、D513Y/D660Y/P664F、D513Y/P664Y、S635F/Q656F/P664Y、S635F/Q656Y/P664W、S635F/D660W/P664F、S635W、S635W/Q656W、S635W/D660F、S635W/D660W、S635W/P664W、Q656W/D660F/P664Y、Q656W/D660W/P664Y、L658P、D660F、D660F/P664F、D660F/P664Y、D660W/P664F、D660Y/P664W、P664F/W、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる。
いくつかの実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、113/137/513、136/357/404/514、136/357/514、136/394/404/446、136/401、136/401/404、136/404/446、136/404/514、136/446、136/514、137、137/401、137/401/513、137/401/513、137/513、137/513/621、137/635、137/656、357/394/401/404/514、357/394/446/514、357/514、394/446/514、401/404、401/404/514、401/513/635、401/635、513/635、513/635/656、513/660、635/656、635/660、および660、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号15を参照して番号付けされる。いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、113M/137W/513R,136E/357I/404Y/514I、136I/357I/514F、136I/357K/514F、136I/394R/404Y/446W、136I/401V、136I/401V/404Y、136E/404Y/446W、136E/404Y/514F、136I/446W、136E/514F、136I/514I、137W、137W/401I、137W/401S、137W/401S/513R、137W/401S/513W、137W/401V、137W/513W、137W/513R/621R、137W/635W、137W/656F、357N/394R/446W/514I、357R/394R/401V/404Y/514L、357R/514F、394R/446W/514I、401S/513R/635W、401S/635W、401V/404Y、401V/404Y/514L、513L/635W、513L/660W、513R/635W/656F、635W/656F、635W/660T、および660S/T、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号15を参照して番号付けされる。いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、L113M/D137W/D513R、A136E/E357I/S404Y/S514I、A136E/S404Y/M446W、A136E/S404Y/S514F、A136E/S514F、A136I/E357I/S514F、A136I/E357K/S514F、A136I/K394R/S404Y/M446W、A136I/R401V、A136I/R401V/S404Y、A136I/M446W、A136I/S514I、D137W、D137W/R401I、D137W/R401S、D137W/R401S/D513R、D137W/R401S/D513W、D137W/R401V、D137W/D513W、D137W/D513R/K621R、D137W/S635W、D137W/Q656F、E357N/K394R/M446W/S514I、E357R/K394R/R401V/S404Y/S514L、E357R/S514F、K394R/M446W/S514I、R401S/D513R/S635W、R401S/S635W、R401V/S404Y、R401V/S404Y/S514L、D513L/S635W、D513L/D660W、D513R/S635W/Q656F、S635W/Q656F、S635W/D660T、およびD660S/T、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1個の置換または置換セットを含み、上記アミノ酸位置は、配列番号15を参照して番号付けされる。
いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6に示される少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼバリアントの配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一であるポリペプチド配列を含む。いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6に提供されるバリアントの操作されたポリメラーゼである。
なおいくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、配列番号15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37および/または39に示される少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼバリアントの配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一であるポリペプチド配列を含む。いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、配列番号15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37または39に示されるバリアントの操作されたポリメラーゼである。
いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたポリメラーゼは、野生型T7 RNAポリメラーゼと比較して、少なくとも1つの改善された特性を含む。いくつかのさらなる実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、転写開始の間のGTPに対するキャップアナログに関して改善された選択性、改善されたタンパク質発現、貯蔵緩衝液中での改善された安定性、および反応条件下での改善された安定性から選択される少なくとも1つの改善された特性を示す。いくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは、RNA収量、転写忠実度、熱安定性、タンパク質発現、−20℃での安定性、または野生型T7 RNAポリメラーゼに等価な反応条件下での安定性を維持する。なおいくつかの追加の実施形態において、上記操作されたRNAポリメラーゼは精製される。なおいくつかのさらなる実施形態において、本発明は、少なくとも1つの本明細書で提供される操作されたRNAポリメラーゼを含む組成物を提供する。
本発明はまた、少なくとも1つの本明細書で提供される操作されたRNAポリメラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を提供する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼをコードする上記ポリヌクレオチド配列は、配列番号4および/または15の参照配列、またはこれらの機能的フラグメントと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を含み、ここで上記操作されたRNAポリメラーゼは、1またはこれより多くのアミノ酸位置において少なくとも1個の置換を含む。いくつかのさらなる実施形態において、本明細書で提供される操作されたRNAポリメラーゼをコードする上記ポリヌクレオチド配列は、配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37および/または39、またはその機能的フラグメントと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を含む。いくつかのさらなる実施形態において、少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼをコードする上記ポリヌクレオチド配列は、配列番号3、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36および/または38と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を含む。なおいくつかの追加の実施形態において、上記ポリヌクレオチド配列は、制御配列に作動可能に連結される。なおいくつかのさらなる実施形態において、上記ポリヌクレオチド配列は、コドン最適化される。
本発明はまた、少なくとも1つの本明細書で提供されるポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを提供する。本発明は、少なくとも1つの本明細書で提供される発現ベクターを含む宿主細胞をさらに提供する。本発明はまた、宿主細胞において、操作されたRNAポリメラーゼを生成するための方法を提供し、上記方法は、本明細書で提供される宿主細胞を、少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼが生成されるように、適切な培養条件下で培養する工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記培養物および/または宿主細胞から少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼを回収する工程を包含する。なおいくつかの追加の実施形態において、上記方法は、少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼを精製する工程をさらに包含する。
本発明はまた、キャップされたRNA転写物を生成するための方法を提供し、上記方法は、i)少なくとも1つの本明細書で提供される操作されたRNAポリメラーゼ、ジヌクレオチドキャップアナログ、およびii)DNAテンプレート、を含む組成物を提供する工程;上記DNAテンプレートを上記組成物に、上記操作されたRNAポリメラーゼがキャップされたRNA転写物を生成するような条件下で曝す工程を包含する。上記方法のうちのいくつかの実施形態において、上記ジヌクレオチドキャップアナログは、α,γ−ビス(N7−メチルグアノシン)トリホスフェート(m7G(5’)ppp(5’)m7G)またはアンチリバースキャップアナログ3’−O−Me−mG(5’)ppp(5’)Gである。上記方法のうちのいくつかのさらなる実施形態において、上記ジヌクレオチドキャップアナログは、α,γ−ビス(N7−メチルグアノシン)トリホスフェートである。上記方法のうちのいくつかの追加の実施形態において、無機ピロホスファターゼは、上記反応物に添加される。
図1は、「m7G(5’)ppp(5’)m7G」(「α,γ−ビス(N7−メチルグアノシン)トリホスフェート」、「キャップされたGTP」、「対称的キャップアナログ」、または「キャップ」ともいわれる)の化学構造を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、操作されたT7 RNAポリメラーゼバリアントおよびその組成物を提供する。これらのバリアントは、インビトロ転写の開始において、GTPを超えてm7G(5’)ppp(5’)m7Gキャップアナログを選択的に組み込むために考案された。本発明はまた、本明細書に提供されるバリアントを使用する方法を提供する。本発明は、本明細書に提供される組成物の使用をさらに提供する。
本発明は、キャップされたRNAの効率的生成のための組成物および方法を提供する。大部分の真核生物細胞のmRNA転写物および大部分の真核生物ウイルスのmRNA転写物、ならびに真核生物RNSの他の形態(例えば、小さな核RNA[snRNA]、およびプレ−マイクロRNA[pre−miRNA])は、それらの5’末端においてブロックされるかまたは「キャップされ(capped)」る(例えば、米国特許第8,846,348号(その全体において本明細書に参考として援用される)を参照のこと)。そのキャップは、グアニンヌクレオシドであり、これは、その5’−炭素を介してトリホスフェート基へと連結され、そのトリホスフェート基が、その一次mRNA転写物の最も5’側のヌクレオチドの5’炭素へと連結される。大部分の真核生物では、そのキャップヌクレオチドにおけるグアニンの7位にある窒素は、メチル化される。これらのRNA分子の5’キャップは、RNA安定性およびプロセシングにおいて重要な役割を果たす。そのキャップは、mRNA代謝において非常に重要な役割を果たし、核においてRNA転写物のプロセシングおよび成熟、核から細胞質へのmRNAの輸送、mRNA安定性、ならびにmRNAからタンパク質への効率的翻訳のために必要とされる(例えば、Lewis et. al., Eur. J. Biochem., 247:461−9 [1997]を参照のこと)。その5’キャップ構造は、真核生物およびウイルスmRNAのタンパク質合成の開始に関与する。その5’キャップはまた、5’−エキソヌクレアーゼ活性に抵抗性を提供し、その非存在は、mRNAの迅速な分解を生じる(例えば、米国特許第8,836,348号;およびFuriichi et. al., Nat, 266:235−9 [1997]を参照のこと)。キャッピングによって提供される利点に起因して、キャップされたRNA転写物の効率的合成は、種々の機能(インビトロおよびインビボでのタンパク質合成が挙げられるが、これらに限定されない)のためにかなりの価値を提供する。
キャップされたRNAのインビトロ合成は実際には、2つの酵素経路のうちの一方を通じて達成され得る。ワクシニアウイルスキャッピング酵素は、7−メチルグアノシンキャップ構造を、インビトロで転写されたRNAの5’ホスフェートに付加する2つのサブユニットおよび3つの酵素活性を有する(Mao and Shuman, J. Biol. Chem., 269:24472−9 [1994]を参照のこと)。
キャップされたRNAのインビトロ合成のための代替の方法は、キャップアナログの使用とともに、インビトロ転写の間にキャップ構造を組み込むことである。これらの7−メチルグアノシン含有ジヌクレオチドは、5’−5’トリホスフェート連結を含み、転写の開始部位において組み込まれ、7−メチルグアノシンキャップされたRNA生成物を生じる。T7 RNAポリメラーゼは、そのテンプレート上のシトシン残基に対向するグアノシンの組み込みに伴って、転写を自然に開始する。キャッピングの高効率を達成するために、そのグアノシンキャップアナログは、mRNAにおける第1の位置における組み込むに関して競合するGTPに対して高濃度でインビトロ転写反応物中に存在しなければならない。同時転写的なインビトロキャッピングの1つの有用な特徴は、キャップ組み込みが開始の間に達成されることから、全長mRNAの最終的配列または二次構造がキャッピングの程度に影響を及ぼさないことである。さらに、そのプロセスは、単一工程反応においてわずか1つの酵素(RNAポリメラーゼ)の使用を要する。化学合成されたキャップアナログの使用はまた、ワクシニアキャッピング酵素によるメチル化が十分に認識されていない代替のヌクレオチドキャップ構造を使用するための融通性を増大させる。しかし、そのキャップアナログは、ヌクレオチドおよび他の反応構成要素と比較して高価であり、その反応において高濃度で存在しなければならない。本発明は、キャップアナログの低減した濃度を使用して効率的キャッピングを可能にするために、転写の開始においてGTPを超えてキャップアナログを組み込むことに関して選択的であるT7 RNAポリメラーゼバリアントを提供し、キャップされたRNAのより費用効果的および拡張性のある生成プロセスを提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、無機ピロホスファターゼは、RNAポリメラーゼによる転写の生成物インヒビターであるピロホスフェートをオルトホスフェートへの分解するために、そのインビトロ転写反応の間に存在する。
略語および定義:
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、一般的に、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法、ならびに以下で記載される細胞培養、分子遺伝学、微生物学、生化学、有機化学、分析化学および核酸化学の実験手順は、当該分野で周知かつ一般に使用されるものである。このような技術は周知であり、多くのテキストおよび当業者に周知の参照研究の中で記載される。標準的な技術、またはその改変は、化学合成および化学分析のために使用される。本明細書で言及される全ての特許、特許出願、文献および刊行物(上記および下記ともに)は、本明細書に明示的に参考として援用される。
本明細書で記載されるものに類似または等価な任意の適切な方法および材料は、本発明の実施における使用を見出し得るが、いくつかの方法および材料は、本明細書で記載される。本発明は、記載される特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されないことは、理解されるべきである。なぜならこれらは、これらが当業者によって使用される状況に依存して、変動し得るからである。よって、直ぐ下で定義される用語は、全体としてその適用に言及することによって、より十分に記載される。本明細書で言及される全ての特許、特許出願、文献および刊行物(上記および下記ともに)は、本明細書に明示的に参考として援用される。
また、本明細書で使用される場合、単数形「1つの、ある(a)」、「1つの、ある(an)」、および「上記、この、その(the)」は、状況が明らかに別のことを示さなければ、複数形への言及を含む。
数値範囲は、その範囲を定義する数字の両端を含む。従って、本明細書で開示されるあらゆる数値範囲は、より狭い数値範囲が全て本明細書で明示的に記載されているかのように、このようなより広い数値範囲内に入るこのようなあらゆるより狭い数値範囲を包含することが意図される。本明細書で開示されるあらゆる最大の(または最小の)数値限定は、より低い(またはより高い)数値限定が、本明細書で明示的に書かれているかのように、このようなあらゆるより低い(またはより高い)数値限定を含むことも、意図される。
用語「約(about)」とは、特定の値に関する受容可能なエラーである。場合によっては、「約」は、所定の値の範囲の0.05%、0.5%、1.0%、または2.0%以内を意味する。場合によっては、「約」は、所定の値の1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、または4標準偏差以内を意味する。
さらに、本明細書で提供される見出しは、全体としてその適用に言及することによってもたらされ得る本発明の種々の局面または実施形態の限定ではない。
よって、直ぐ下で定義される用語は、全体としてその適用に言及することによって、より十分に記載される。にも関わらず、本発明の理解を容易にするために、多くの用語が、以下で定義される。
別段示されなければ、それぞれ、核酸は、5’から3’の配向において左から右へと書かれ;アミノ酸配列は、アミノからカルボキシの配向において左から右へと書かれる。
本明細書で使用される場合、用語「含む、包含する(comprising)」およびその同種の語は、それらの包括的な意味(すなわち、用語「含む、包含する(including)およびその相当する同種の語に対して等価なもの)において使用される。
「EC」番号は、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(NC−IUBMB)のEnzyme Nomenclatureに言及する。IUBMB生化学分類は、酵素が触媒する化学反応に基づいて、その酵素の数字分類システムである。
「ATCC」とは、アメリカンタイプカルチャーコレクションをいい、その生物貯蔵コレクションは、遺伝子および株を含む。
「NCBI」は、National Center for Biological Informationおよびそこで提供される配列データベースをいう。
本明細書で使用される場合、「T7 RNAポリメラーゼ(T7 RNA polymerase)」とは、5’から3’の方向においてRNAの形成を触媒するモノマーのT7 バクテリオファージによってコードされるDNA指向性RNAポリメラーゼをいう。
本明細書で使用される場合、用語「キャップ(cap)」とは、グアニンヌクレオシドであって、これは、その5’炭素を介してトリホスフェート基へと繋がれ、そのトリホスフェート基は、mRNA転写物の最も5’側のヌクレオチドの5’炭素へと繋がれる。いくつかの実施形態において、そのキャップにおけるグアニンの7位にある窒素は、メチル化される。
本明細書で使用される場合、用語「キャップされたRNA(capped RNA)」、「5’キャップされたRNA(5’ capped RNA)」、および「キャップされたmRNA(capped mRNA)」は、それぞれそのキャップを含む、RNAおよびmRNAをいう。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド(polynucleotide)」および「核酸(nucleic acid)」とは、一緒に共有結合的に連結される2またはこれより多くのヌクレオシドをいう。そのポリヌクレオチドは、リボヌクレオチド(すなわち、RNA)から全体的に構成されてもよいし、2’デオキシリボヌクレオチド(すなわち、DNA)から全体的に構成されてもよいし、リボヌクレオチドおよび2’デオキシリボヌクレオチドの混合物からされてもよい。そのヌクレオシドは代表的には、標準的なホスホジエステル連結を介して一緒に連結される一方で、そのポリヌクレオチドは、1またはこれより多くの非標準的な連結を含み得る。そのポリヌクレオチドは、1本鎖または2本鎖であってもよいし、1本鎖領域および2本鎖領域の両方を含んでいてもよい。さらに、ポリヌクレオチドが代表的には、天然に存在するコードする核塩基(すなわち、アデニン、グアニン、ウラシル、チミンおよびシトシン)から構成される一方で、それは、1またはこれより多くの改変されたおよび/または合成の核塩基(例えば、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチンなどのような)を含み得る。いくつかの実施形態において、このような改変されたまたは合成の核塩基は、アミノ酸配列をコードする核塩基である。
「タンパク質(protein)」「ポリペプチド(polypeptide)」、および「ペプチド(peptide)」は、長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)に関わらず、アミド結合によって共有結合的に連結された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを示すために、本明細書で交換可能に使用される。
「アミノ酸(amino acid)」とは、それらの一般に公知の3文字記号によって、またはIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨される一文字記号のいずれかによって、本明細書で言及される。ヌクレオチドは、同様に、それらの一般に受容される一文字表記によって言及され得る。
その遺伝的にコードされるアミノ酸に関して使用される略語は、従来どおりであり、以下のとおりである:アラニン(AlaまたはA)、アルギン(AreまたはR)、アスパラギン(AsnまたはN)、アスパラギン酸(AspまたはD)、システイン(CysまたはC)、グルタミン酸(GluまたはE)、グルタミン(GlnまたはQ)、ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、ロイシン(LeuまたはL)、リジン(LysまたはK)、メチオニン(MetまたはM)、フェニルアラニン(PheまたはF)、プロリン(ProまたはP)、セリン(SerまたはS)、スレオニン(ThrまたはT)、トリプトファン(TrpまたはW)、チロシン(TyrまたはY)、およびバリン(ValまたはV)。
その三文字略語が使用される場合、「L」もしくは「D」が具体的に先行しなければ、またはその略語が使用される状況から明らかでなければ、そのアミノ酸は、α炭素(Cα)についてL配置またはD配置のいずれかにあり得る。例えば、「Ala」は、そのα炭素についての配置を特定することなくアラニンを指すのに対して、「D−Ala」および「L−Ala」は、それぞれ、D−アラニンおよびL−アラニンを指す。その一文字略語が使用される場合、大文字は、そのα炭素についてL配置にあるアミノ酸を指し、小文字は、そのα炭素についてD配置にあるアミノ酸を指す。例えば、「A」は、L−アラニンを指し、「a」は、D−アラニンを指す。ポリペプチド配列が、一文字または三文字の略語(またはこれらの混合)の繋がりとして表される場合、その配列は、一般的慣例に従うアミノ(N)からカルボキシ(C)の方向において表される。
遺伝的にコードしているヌクレオシドのために使用される略語は従来どおりであり、以下のとおりである:アデノシン(A);グアノシン(G);シチジン(C);チミジン(T);およびウリジン(U)。具体的に書かれなければ、その省略されたヌクレオシドは、リボヌクレオシドまたは2’−デオキシリボヌクレオシドのいずれかであり得る。そのヌクレオシドは、個別ベースでまたは集合物ベースでリボヌクレオシドまたは2’−デオキシリボヌクレオシドのいずれかであると特定され得る。核酸配列が一文字略語の繋がりとして表される場合、その配列は、一般的慣例に従う5’から3’方向において表され、そのホスフェートは示されない。
用語「操作された(engineered)」、「組換え(recombinant)」、「天然に存在しない(non−naturally occurring)」、および「バリアント(variant)」とは、細胞に言及して使用される場合、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、物質、あるいは他の状態で天然に存在しないか、またはそれと同じであるが、合成の材料から生成もしくは得られる様式で、および/または組み換え技術を使用する操作によって改変されている物質の天然のまたはネイティブの形態に相当する物質をいう。
本明細書で使用される場合、「野生型(wild−type)」および「天然に存在する(naturally−occurring)」とは、天然において見出される形態をいう。例えば、野生型ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然において供給源から単離され得、人の手による操作によって意図的に改変されていない生物に存在する配列である。
「コード配列(coding sequence)とは、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)のその一部をいう。
用語「パーセント(%)配列同一性(percent (%) sequence identity)」は、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの中での比較をいうために本明細書で使用され、比較ウインドウに対して2つの最適に整列された配列を比較することによって決定され、ここでその比較ウインドウにおけるポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の一部は、その2つの配列の最適なアラインメントのために参照配列と比較した場合に、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。そのパーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両方の配列において起こる位置の数を決定して、マッチした位置の数をもたらし、そのマッチした位置の数をその比較ウインドウにおける位置の総数で除算し、その結果に100をかけて、配列同一性のパーセンテージをもたらすことによって計算され得る。あるいは、そのパーセンテージは、その同一の核酸塩基もしくはアミノ酸残基が両方の配列において起こるか、または核酸塩基またはアミノ酸残基がギャップと整列されるかのいずれかの位置の数を決定して、マッチした位置の数をもたらし、そのマッチした位置の数をその比較ウインドウにおける位置の総数で除算し、その結果に100をかけて、配列同一性のパーセンテージをもたらすことによって計算され得る。当業者は、2つの配列を整列するために利用可能な多くの確立されたアルゴリズムが存在することを認識する。比較のための配列の最適なアラインメントは、当該分野で公知のように、例えば、Smith and Watermanの局所的相同性アルゴリズム(Smith and Waterman, Adv. Appl. Math., 2:482 [1981])によって、Needleman and Wunschの相同性アラインメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol., 48:443 [1970)によって、Pearson and Lipmanの類似性検索法(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 [1988])によって、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(例えば、GCG Wisconsin Software PackageのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、または目視検査によって実行され得る。パーセント配列同一性および配列類似性を決定するために適したアルゴリズムの例としては、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズム(これは、Altschul et al.によって記載される)が挙げられるが、これらに限定されない(それぞれ、Altschul et al., J. Mol. Biol., 215: 403−410 [1990];およびAltschul et al., Nucleic Acids Res., 25:3389−3402 [1977]を参照のこと)。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationウェブサイトを通じて公に入手可能である。このアルゴリズムは、問い合わせ配列における長さWの短いワード(これは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列させた場合に、いくつかの正の値の閾値スコアTにマッチするかまたは満たすかのいずれかである)を同定することによって、高スコアの配列ペア(HSPs)を先ず同定することを包含する。Tは、隣接ワードスコア閾値といわれる(Altschul et al.,前出を参照のこと)。これらの最初の隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPsを見出すために検索を開始するためのシードとして作用する。そのワードヒットは、次いで、累積アラインメントスコアが増大され得る限りにおいて、各配列に沿って両方向に延ばされる。累積スコアは、ヌクレオチド配列のために、パラメーターM(マッチする残基の対の報酬スコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基に関するペナルティースコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列に関しては、スコアリングマトリクスは、累積スコアを計算するために使用される。各方向におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:累積アラインメントスコアが、その最大達成値から量Xが減少する;1またはこれより多くの負のスコアの残基アラインメントの蓄積に起因して、累積スコアが0またはこれより小さくなる;またはいずれかの配列の末端に到達する。BLASTアルゴリズムパラメーターであるW、T、およびXは、そのアラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列に関して)は、デフォルトとして、ワード長(W)11、期待値(E)10、M=5、N=−4、および両方の鎖の比較を使用する。アミノ酸配列に関しては、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリクス(Henikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915 [1989]を参照のこと)を使用する。配列アラインメントおよび%配列同一性の例示的な決定は、提供されるデフォルトパラメーターを使用して、GCG Wisconsin Software package(Accelrys, Madison WI)の中のBESTFITまたはGAPプログラムを使用し得る。
「参照配列(reference sequence)」とは、配列比較のための基準として使用される規定された配列をいう。参照配列は、より大きな配列の部分セット、例えば、全長の遺伝子またはポリペプチド配列のセグメントであり得る。一般に、参照配列は、その核酸またはポリペプチドの全長において少なくとも20のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の長さ、少なくとも25残基の長さ、少なくとも50残基の長さ、少なくとも100残基の長さまたは全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、各々、(1)その2つの配列の間で類似である配列(すなわち、完全な配列の一部)を含み得る、および(2)その2つの配列の間で異なる配列をさらに含み得ることから、2つの(またはこれより多くの)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの間の配列比較は、代表的には、配列類似性の局所的領域を同定および比較するために、その2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を、「比較ウインドウ(comparison window)」に対して比較することによって行われる。いくつかの実施形態において、「参照配列」は、一次アミノ酸配列に基づき得、ここでその参照配列は、その一次配列における1またはこれより多くの変化を有し得る配列である。
「比較ウインドウ」とは、少なくとも約20の連続するヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念上のセグメントであって、ここで配列が少なくとも20の連続するヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較され得、その比較ウインドウの中の配列の一部が、その2つの配列の最適なアラインメントのために、その参照配列(これは、付加も欠失も含まない)と比較した場合、20%またはこれより低い付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得るものをいう。その比較ウインドウは、20より長い連続する残基であり得、必要に応じて、30、40、50、100、またはより長いウインドウを含む。
「に相当する(corresponding to)」、「への言及(reference to)」または「に対して、と比較して(relative to)」は、所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号付けの状況において使用される場合、その所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列が特定された参照配列と比較される場合に、その参照配列の残基の番号付けに言及する。言い換えると、所定のポリマーの残基数または残基位置は、その所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の多くの位置によるよりむしろ、その参照配列に関して指定される。例えば、所定のアミノ酸配列(例えば、操作されたT7 RNAポリメラーゼのもの)は、ギャップを導入して、その2つの配列の間の残基マッチを最適化することによって、参照配列に対して整列され得る。これらの場合に、そのギャップは存在するが、その所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列中の残基の番号付けは、これが整列されているその参照配列に関して行われる。
「アミノ酸差異(amino acid difference)」または「残基差異(residue difference)」は、参照配列における相当する位置でアミノ酸残基に対して、ポリペプチド配列の位置におけるアミノ酸残基の差異をいう。アミノ酸差異の位置は一般に、「Xn」として本明細書で言及され、ここでnは、その残基差異が基づく参照配列における相当する位置に言及する。例えば、「配列番号2と比較した場合に位置X93での残基差異(residue difference at position as compared to SEQ ID NO:2)」とは、配列番号2の93位に相当するポリペプチド位置のアミノ酸残基の差異をいう。従って、配列番号2の参照ポリペプチドが93位においてセリンを有する場合、「配列番号2と比較した場合に位置X93における残基差異」は、配列番号2の93位に相当するポリペプチドの位置でセリン以外の任意の残基のアミノ酸置換を有する。本明細書において大部分の場合、ある位置での具体的なアミノ酸残基差異は、「XnY」と示され、ここで「Xn」は、上記で記載されるとおりの相当する位置を特定し、「Y」は、その操作されたポリペプチドにおいて見出されるアミノ酸の一文字識別子(すなわち、その参照ポリペプチド中のものとは異なる残基)である。場合によっては(例えば、本明細書中の実施例において提供される表では)、本開示はまた、従来の註釈「AnB」(ここでAは、参照配列中の残基の一文字識別子であり、「n」は、その参照配列中の残基位置の番号であり、Bは、その操作されたポリペプチドの配列中の残基置換の一文字識別子である)によって示される具体的なアミノ酸差異を提供する。場合によっては、本開示のポリペプチドは、残基差異が参照配列と比較して存在するその特定された位置のリストによって示される、参照配列に対して1またはこれより多くのアミノ酸残基差異を含み得る。いくつかの実施形態において、1より多くのアミノ酸がポリペプチドの具体的な残基位置において使用され得る場合、使用され得る種々のアミノ酸残基は、「/」によって分けられ得る(例えば、X10H/X10PまたはX10H/P)。いくつかの実施形態において、その酵素バリアントは、1より多くの置換を含む。これらの置換は、読みやすさのためにスラッシュによって分けられる(例えば、C14A/K122A)。本出願は、保存的および非保存的なアミノ酸置換のいずれか/または両方を含む1またはこれより多くのアミノ酸差異を含む操作されたポリペプチド配列を包含する。
「保存的アミノ酸置換(conservative amino acid substitution)」とは、ある残基を、類似の側鎖を有する異なる残基で置換することをいい、従って代表的には、そのポリペプチド中のアミノ酸を、同じクラスまたは類似の規定されたアミノ酸クラス内のアミノ酸で置換することを含む。例示であって限定ではなく、脂肪族側鎖を有するアミノ酸は、別の脂肪族アミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン)で置換され得る;ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、セリンおよびスレオニン)で置換される;芳香族側鎖を有するアミノ酸は、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、およびヒスチジン)で置換される;塩基性側鎖を有するアミノ酸は、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、リジンおよびアルギニン)で置換される;酸性側鎖を有するアミノ酸は、酸性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)で置換される;そして/または疎水性もしくは親水性のアミノ酸は、それぞれ、別の疎水性もしくは親水性のアミノ酸で置換される。
「非保存的置換(non−conservative substitution)」とは、ポリペプチド中のアミノ酸を、顕著に異なる側鎖特性を有するアミノ酸で置換することをいう。非保存的置換は、その規定されたグループ内ではなく、そのグループの間でアミノ酸を使用し得、そして(a)置換の領域におけるペプチド骨格の構造(例えば、グリシンの代わりにプロリン)、(b)電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のかさ高さ、に影響を及ぼす。例示であって限定ではなく、例示的な非保存的置換は、塩基性または脂肪族アミノ酸で置換された酸性アミノ酸;小さなアミノ酸で置換された芳香族アミノ酸;および疎水性アミノ酸で置換された親水性アミノ酸であり得る。
「欠失(deletion)」とは、1またはこれより多くのアミノ酸を参照ポリペプチドから除去することによる、そのポリペプチドに対する改変をいう。欠失は、1もしくはこれより多くのアミノ酸、2もしくはこれより多くのアミノ酸、5もしくはこれより多くのアミノ酸、10もしくはこれより多くのアミノ酸、15もしくはこれより多くのアミノ酸、または20もしくはこれより多くのアミノ酸、酵素活性を保持するおよび/または操作された酵素の改善された特性を保持すると同時に、参照酵素を構成するアミノ酸の総数のうちの10%まで、もしくはアミノ酸の総数のうちの20%までの除去を含み得る。欠失は、そのポリペプチドの内部部分および/または末端部分に指向され得る。種々の実施形態において、その欠失は、連続するセグメントを含み得るか、または不連続であり得る。
「挿入(insertion)」とは、1またはこれより多くのアミノ酸をその参照ポリペプチドから付加することによる、そのポリペプチドに対する改変をいう。挿入は、そのポリペプチドの内部部分に、またはカルボキシ末端もしくはアミノ末端にあり得る。挿入は、本明細書で使用される場合、当該分野で公知であるとおりの融合タンパク質を含む。その挿入は、アミノ酸の連続するセグメントであり得るか、または天然に存在するポリペプチド中のアミノ酸のうちの1またはこれより多くによって分離され得る。
「単離されたポリペプチド(isolated polypeptide)」とは、ポリペプチドに天然に付随する他の夾雑物(例えば、タンパク質、脂質、およびポリヌクレオチド)から実質的に分離されているそのポリペプチドをいう。その用語は、それらの天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはインビトロ合成)から除去または精製されているポリペプチドを包含する。その組換えT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、細胞内に存在してもよいし、細胞培地中に存在してもよいし、種々の形態(例えば、溶解物または単離された調製物)で調製されてもよい。このようにして、いくつかの実施形態において、その組換えT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、単離されたポリペプチドであり得る。
「実質的に純粋なポリペプチド(substantially pure polypeptide)」とは、そのポリペプチド種が、存在する優勢な種であり(すなわち、モルベースでまたは重量ベースで、組成物において任意の他の個々の高分子種より量が豊富な)、概して、他の種が、モルまたは%重量で存在する高分子種のうちの少なくとも約50%を構成する場合、実質的に精製された組成物である組成物に言及する。一般に、実質的に純粋なT7 RNAポリメラーゼ組成物は、その組成物中に存在するモルまたは%重量で全高分子種のうちの約60%もしくはこれより高く、約70%もしくはこれより高く、約80%もしくはこれより高く、約90%もしくはこれより高く、約95%もしくはこれより高く、および約98%もしくはこれより高くを含む。いくつかの実施形態において、目的の種は、本質的に均質になるまで精製される(すなわち、夾雑種は、従来の検出法によってその組成物中で検出できない)。ここでその組成物は、単一の高分子種から本質的になる。溶媒種、低分子(<500ダルトン)、および元素イオン種は、高分子種とみなされない。いくつかの実施形態において、その単離された組換えT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
T7 RNAポリメラーゼの「単離された酵素特性(improved enzyme property)とは、参照T7 RNAポリメラーゼポリペプチドおよび/または野生型T7 RNAポリメラーゼポリペプチドおよび/または別の操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドと比較した場合に、任意の酵素特性において改善を示す操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをいう。改善された特性としては、以下のような特性が挙げられるが、これらに限定されない:GTPを超えるキャップアナログに関する増大した選択性、複製の増大した忠実度、増大したRNA収量、増大したタンパク質発現、増大した熱活性(thermoactivity)、増大した熱安定性、増大したpH活性、増大した安定性、増大した酵素活性、増大した基質特異性もしくは親和性、増大した比活性、基質もしくは最終生成物阻害(ピロホスフェートを含む)に対する増大した抵抗性、増大した化学的安定性、改善された溶媒安定性、酸性もしくは塩基性のpHに対する増大された寛容性、タンパク質分解活性に対する増大した寛容性(すなわち、タンパク質分解に対して低減した感受性)、低減した凝集、増大した溶解性、および質変化した温度プロフィール。
「改善された酵素活性(increased enzymatic activity)」または「増強された触媒活性(enhanced catalytic activity)」とは、比活性(例えば、生成される生成物/時間/重量 タンパク質)の増大または基質から生成物へのパーセント変換(例えば、参照T7 RNAポリメラーゼと比較した場合に、バリアント T7 RNAポリメラーゼの特定された量を使用して、特定された期間において基質の出発量から生成物へのパーセント変換)の増大によって表され得る、操作されたT7 RNAポリメラーゼの改善された特性をいう。酵素活性を決定する例示的な方法は、実施例において提供される。酵素活性に関する任意の特性は、影響を及ぼされ得る。
「ハイブリダイゼーションストリンジェンシー(hybridization stringency)」とは、核酸のハイブリダイゼーショにおけるハイブリダイゼーション条件(例えば、洗浄条件)をいう。一般に、ハイブリダイゼーション反応は、より低いストリンジェンシーの条件下で行われ、続いて、種々であるが、より高いストリンジェンシーの洗浄が行われる。用語「温和なストリンジェントなハイブリダイゼーション(moderately stringent hybridization)」とは、標的DNAと約60% 同一性、好ましくは約75% 同一性、約85% 同一性を有する、標的−ポリヌクレオチドと約90%より高い同一性で、標的−DNAが相補的な核酸に結合することを可能にする条件をいう。例示的な温和なストリンジェントな条件は、42℃で50% ホルムアミド、5× デンハルト溶液、5×SSPE、0.2% SDS中でのハイブリダイゼーション、続いて、42℃で0.2×SSPE、0.2% SDS中での洗浄に等価な条件である。「高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション(high stringency hybridization)」とは概して、規定されたポリヌクレオチド配列の溶液条件下で決定されるとおりの熱溶融温度Tから約10℃もしくはこれより低い条件に言及する。いくつかの実施形態において、高ストリンジェンシー条件は、65℃の0.018M NaCl中で安定なハイブリッドを形成するそれら核酸配列のみのハイブリダイゼーションを可能にする条件をいう(すなわち、ハイブリッドは、65℃の0.018M NaCl中で安定でない場合、それは、本明細書で企図されるように、高ストリンジェンシー条件下で安定でない)。高ストリンジェンシー条件は、例えば、42℃の50% ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2% SDSに等価な条件でのハイブリダイゼーション、続いて、65℃での0.1×SSPE、および0.1% SDS中での洗浄に提供され得る。別の高ストリンジェンシー条件は、0.1%(w:v) SDSを含む5×SSC中で65℃においてハイブリダイズすることに等価な条件でハイブリダイズし、0.1% SDSを含む0.1×SSC中で65℃において洗浄することである。他の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、および温和なストリンジェント条件は、上記で引用される参考文献中に記載される。
「コドン最適化される(codon optimized)」とは、タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコドンを、そのコードされるタンパク質が特定の生物においてより効率的に発現されるように、その目的の生物において優先的に使用されるコドンに変更することに言及する。その遺伝コードは、大部分のアミノ酸がいくつかのコドンによって表される(「同義語(synonym)」または「同義の(synonymous)コドン」といわれる)という点で縮重しているが、特定の生物によるコドン使用法は、無作為ではなく、特定のコドン三つ組に偏っていることは周知である。このコドン使用法の偏りは、所定の遺伝子、共通機能もしくは祖先の遺伝子、高発現タンパク質 対 低コピー数タンパク質、および生物のゲノムの集合性のタンパク質コード領域に言及して、より高いこともある。いくつかの実施形態において、そのT7 RNAポリメラーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドは、発現のために選択される宿主生物から最適な生成のために最適化されたコドンであり得る。
「制御配列(control sequence)」とは、本明細書では、本出願のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現に必要なまたは有利な、全ての構成要素を含むことに言及する。各制御配列は、そのポリペプチドをコードする核酸配列に対して天然であってもよいし、外来であってもよい。このような制御配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター配列、シグナルペプチド配列、開始配列および転写ターミネーターが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも、その制御配列は、プロモーター、ならびに転写および翻訳停止シグナルを含む。その制御配列は、その制御配列とポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域とのライゲーションを促進する特定の制限部位を導入する目的で、リンカーとともに提供され得る。
「作動可能に連結される(operably linked)」とは、制御配列が、目的のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を指示または調節するように、目的のポリヌクレオチドに相対的な位置においてその制御配列が適切に(すなわち、機能的な関係性に)配置される構成として本明細書で定義される。
「プロモーター配列(promoter sequence)」とは、目的のポリヌクレオチド(例えば、コード配列)の発現のために宿主細胞によって認識される核酸配列をいう。そのプロモーター配列は、転写制御配列を含み、これは、目的のポリヌクレオチドの発現を媒介する。そのプロモーターは、変異、短縮化、およびハイブリッドプロモーターを含め、選択された宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列であり得、宿主細胞に対して相同または異種いずれかの細胞外または細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得られ得る。
「適切な反応条件(suitable reaction conditions)」とは、本出願のT7 RNAポリメラーゼポリペプチドが、基質を所望の生成物化合物に変換し得る、酵素変換反応溶液におけるそれらの条件(例えば、装填する酵素の範囲、装填する基質、温度、pH、緩衝液、共溶媒など)をいう。
酵素変換反応プロセスの状況における「基質(substrate)」は、T7 RNAポリメラーゼポリペプチドが作用する化合物または分子をいう。
酵素変換反応プロセスの状況における「生成物(product)」とは、基質に対するそのT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの作用から生じる化合物または分子をいう。
本明細書で使用される場合、用語「培養する(culturing)」とは、任意の適切な条件下で微生物細胞の集団を増殖させることに言及する(例えば、液体、ゲル、または固体培地を使用する)。
組換えポリペプチドは、当該分野で公知の任意の適切な方法を使用して生成され得る。その目的の野生型ポリペプチドをコードする遺伝子は、ベクター(例えば、プラスミド)においてクローニングされ得、望ましい宿主(例えば、E.coli、S.cerevisiaeなど)において発現される。組換えポリペプチドのバリアントは、当該分野で公知の種々の方法によって生成され得る。実際に、当業者に周知の広く種々の異なる変異誘発技術が存在する。さらに、変異誘発キットはまた、多くの市販の分子生物学供給業者から入手可能である。規定のアミノ酸における特定の置換(部位指向性)、遺伝子の局所的領域における特定のもしくは無作為の変異(領域特異的)、または遺伝子全体にわたる無作為の変異誘発(例えば、飽和変異誘発)を作製する方法が利用可能である。多くの適切な方法は、酵素バリアントを生成するために当業者に公知である(PCRを使用する1本鎖DNAまたは2本鎖DNAの部位指向性変異誘発、カセット変異誘発、遺伝子合成、エラープローンPCR、シャフリング、および化学飽和変異誘発、または当該分野で公知の任意の他の適切な方法が挙げられるが、これらに限定されない)。DNAおよびタンパク質操作のために使用される方法の非限定的な例は、以下の特許において提供される:米国特許第6,117,679号;米国特許第6,420,175号;米国特許第6,376,246号;米国特許第6,586,182号;米国特許第7,747,391号;米国特許第7,747,393号;米国特許第7,783,428号;および米国特許第8,383,346号。そのバリアントが生成された後、それらは、任意の所望の特性(例えば、高いもしくは増大した活性、または低いもしくは低減した活性、増大した熱活性、増大した熱安定性、および/または酸性pH安定性など)についてスクリーニングされ得る。
いくつかの実施形態において、「組換えT7 RNAポリメラーゼポリペプチド(recombinant T7 RNA polymerase polypeptide)」(「操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチド(engineered T7 RNA polymerase polypeptide)」、「バリアントT7 RNAポリメラーゼ酵素(variant T7 RNA polymerase enzyme)」、および「T7 RNAポリメラーゼバリアント(T7 RNA polymerase variants)ともいわれる」は、使用が見出される。
本明細書で使用される場合、「ベクター(vector)」は、DNA配列を細胞に導入するためのDNA構築物である。いくつかの実施形態において、そのベクターは、そのDNA配列の中でコードされるポリペプチドの適切な宿主において発現をもたらし得る適切な制御配列に作動可能に連結される発現ベクターである。いくつかの実施形態において、「発現ベクター(expression vector)」は、宿主細胞において発現を駆動するためにDNA配列(例えば、導入遺伝子)に作動可能に連結されるプロモーター配列を有し、いくつかの実施形態において、転写ターミネーター配列をも含む。
本明細書で使用される場合、用語「発現(expression)」は、そのポリペプチドの生成に関与する任意の工程を含む(転写、転写後修飾、翻訳、および翻訳後修飾が挙げられるが、これらに限定されない)。いくつかの実施形態において、その用語はまた、そのポリペプチドの細胞からの分泌を含む。
本明細書で使用される場合、用語「生成する(produce)」とは、細胞によるタンパク質および/または他の化合物の生成をいう。その用語が、ポリペプチドの生成に関与する任意の工程(転写、転写後修飾、翻訳および翻訳後修飾が挙げられるが、これらに限定されない)を包含することが意図される。いくつかの実施形態において、その用語はまた、細胞からのそのポリペプチドの分泌を包含する。
本明細書で使用される場合、アミノ酸またはヌクレオチド配列(例えば、プロモーター配列、シグナルペプチド、ターミネーター配列など)は、その2つの配列が天然において関連しない場合に、作動可能に連結される別の配列に対して「異種(heterologous)」である。
本明細書で使用される場合、用語「宿主細胞(host cell)」および「宿主系統(host strain)」とは、本明細書で提供されるDNA(例えば、そのT7 RNAポリメラーゼバリアントをコードするポリヌクレオチド)を含む発現ベクターに適した宿主をいう。いくつかの実施形態において、その宿主細胞は、当該分野で公知のとおりの組換えDNA技術を使用して構築されるベクターで形質転換またはトランスフェクトされている原核生物または真核生物の細胞である。
用語「アナログ(analogue)」とは、ポリペプチドに言及して使用される場合、参照ポリペプチドと70%を超える配列同一性であるが100%未満の配列同一性(例えば、75%を超える、78%、80%、83%、85%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性)を有するポリペプチドを意味する。いくつかの実施形態において、アナログは、1またはこれより多くの天然に存在しないアミノ酸残基(ホモアルギニン、オルニチンおよびノルバリンが挙げられるが、これらに限定されない)、ならびに天然に存在するアミノ酸を含むポリペプチドを意味する。いくつかの実施形態において、アナログはまた、1またはこれより多くのD−アミノ酸残基および2またはこれより多くのアミノ酸残基の間の非ペプチド連結を含む。
用語「有効量(effective amount)」とは、所望の結果を生じるために十分な量を意味する。当業者は、慣用的な実験を使用することによって何が有効量であるかを決定し得る。
用語「単離された(isolated)」および「精製された(purified)」とは、分子(例えば、単離された核酸、ポリペプチドなど)または天然に関連する少なくとも1つの他の構成要素から除去される他の構成要素をいうために使用される。用語「精製された」は、絶対的な純度を要求せず、むしろ、相対的な定義として意図される。
本明細書で使用される場合、「組成物(composition)」および「製剤(formulation)」とは、任意の適切な使用(例えば、研究、診断など)に関して意図された、少なくとも1つの本発明の操作されたT7 RNAポリメラーゼを含む生成物を包含する。
用語「転写(transcription)」とは、DNAテンプレートの一部が、RNAポリメラーゼ酵素の作用によってRNAへのコピーされるプロセスをいうために使用される。
用語「DNAテンプレート(DNA template)」とは、プロモーター配列および転写のRNA生成物をコードする配列を含む1本鎖または2本鎖のDNA分子をいうために使用される。
用語「プロモーター」とは、転写の開始部位としてRNAポリメラーゼによって認識されるDNA配列をいうために使用される。そのプロモーターは、RNAポリメラーゼを動員し、T7 RNAポリメラーゼの場合には、転写の開始部位を決定する。
用語「RNAポリメラーゼ(RNA polymerase)」とは、DNAテンプレートをRNAポリヌクレオチドへと、ヌクレオチドトリホスフェートを成長しつつあるRNAポリマーへと段階的に組み込むことによってコピーする、DNA指向性RNAポリメラーゼをいうために使用される。
用語「メッセンジャーRNA(messenger RNA)および「mRNA」とは、タンパク質をコードするRNA分子をいうために使用される。このタンパク質は、翻訳の作用を通じて解読される。
用語「7−メチルグアノシンキャップ(7−methylguanosine cap)」、「7meG」、「5プライムキャップ(five−prime cap)」、および「5’キャップ(5’cap)」は、真核生物mRNAの5’末端に存在する特定の改変されたヌクレオチド構造に言及して使用される。その7−メチルグアノシンキャップ構造は、5’−5’トリホスフェート連結を通じてそのmRNAにおける第1のヌクレオチドへと結合される。インビボでは、このキャップ構造は、多数の酵素の連続的な作用を通じて、発生しようとしているmRNAの5’末端に付加される。インビトロでは、そのキャップは、キャップアナログの使用によって、RNAポリメラーゼによる転写の開始において直接組み込まれ得る。
用語「キャップアナログ(cap analog)」とは、5’−5’ジ−、トリ−、またはテトラ−ホスフェート連結を含むジヌクレオチドをいう。そのジヌクレオチドの一方の末端は、グアノシンまたは置換されたグアノシン残基のいずれかにおいて終結する;RNAポリメラーゼが、3’ヒドロキシルから伸長することによって転写を開始する末端が、この末端である。そのジヌクレオチドの他方の末端は、真核生物のキャップ構造を模倣するグアノシンであり、代表的には、7−メチル−、7−ベンジル−、もしくは7−エチル-置換および/または7−アミノメチルもしくは7−アミノエチル置換を有する。いくつかの場合に、このヌクレオチドはまた、その分子のキャップ末端からの転写の開始を妨げるために3’ヒドロキシル基で置換されたメトキシである。
用語「ARCA」および「アンチリバースキャップアナログ(anti−reverse cap analog)」とは、そのキャップアナログが、正確な配向において転写物へと適切に組み込まれることを担保することによって、インビトロ翻訳の効率を最大化するために指定された、キャップアナログの化学的に改変された形態をいう。これらのアナログは、翻訳を増強するにあたって使用が見出される。いくつかの実施形態において、当該分野で公知のARCAは、使用が見出される(例えば、Peng et al., Org. Lett., 4:161−164 [2002])。
用語「リボスイッチ(riboswitch)」とは、リガンドの存在下で、そのRNA酵素自体または別のRNAを切断する自己触媒性RNA酵素をいうために使用される。
用語「忠実度(fidelity)」とは、DNAテンプレートをRNAポリヌクレオチドへと転写またはコピーするにあたって、RNAポリメラーゼの精度をいうために使用される。不正確な転写は、一ヌクレオチド多型(SNPs)またはインデルを生じ得る。
用語「一ヌクレオチド多型(single−nucleotide polymorphism)」または「SNP」とは、ポリヌクレオチドにおける1つの位置に存在するヌクレオチドの変化をいう。転写の状況において、SNPsは、DNAテンプレート上の1つの位置において、RNAポリメラーゼによって、非相補的リボヌクレオチド(A、C、G、またはU)の誤った組み込みから生じ得る。
用語「インデル(indel)」とは、1またはこれより多くのポリヌクレオチドの挿入または欠失をいうために使用される。RNAポリメラーゼによる転写の状況において、インデルエラーは、1またはこれより多くの余分なリボヌクレオチドの付加またはDNAテンプレート上の1つの位置における1またはこれより多くのヌクレオチドを組む混むことができないことから生じる。
用語「選択性(selectivity)」とは、一方の基質に対して、触媒された反応の間の別の基質と比較した場合により高い活性を有する酵素の形質をいうために使用される。同時転写キャッピングの状況において、そのRNAポリメラーゼは、GTPを超えるキャップアナログの高いまたは低い選択性を有し得る。
用語「無機ピロホスファターゼ(inorganic pyrophosphatase)」とは、無機ピロホスフェートをオルトホスフェートへと分解する酵素をいうために使用される。
操作されたT7 RNAポリメラーゼ活性:
いくつかの実施形態において、改善された特性を示す、操作されたT7 RNAポリメラーゼは、配列番号4および/または15と少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100% アミノ酸配列同一性、配列番号4および/もしくは15と比較した場合に、1またはこれより多くのアミノ酸位置(例えば、配列番号4および/もしくは15と比較して、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、14個、15個、20個もしくはこれより多くのアミノ酸位置)においてアミノ酸残基差異、または配列番号4および/もしくは15と少なくとも85%、少なくとも88%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくはこれより大きなアミノ酸配列同一性を有する配列を有する。いくつかの実施形態において、配列番号4と比較した場合に、1またはこれより多くの位置におけるその残基差異は、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはこれより多くの保存的アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、表5.3、表5.5、および/または表5.6に列挙されるポリペプチドである。いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、32、33、35、37、および/または39から選択される。いくつかの実施形態において、配列番号15と比較した場合に、1またはこれより多くの位置における残基差異は、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはこれより多くの保存的アミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、表5.4に列挙されたポリペプチドである。いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、32、33、35、37、および/または39から選択される。
いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、本発明によって包含される操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの機能的フラグメントを含む。機能的フラグメントは、得られた操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチド(すなわち、親の操作されたT7 RNAポリメラーゼ)の活性の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%を有する。機能的フラグメントは、その操作されたT7 RNAポリメラーゼの親配列の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%およびさらに99%を含む。いくつかの実施形態において、その機能的フラグメントは、5個未満、10個未満、15個未満、10個未満、25個未満、30個未満、35個未満、40個未満、45個未満、および50個未満のアミノ酸が短縮される。
操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、発現ベクターおよび宿主細胞:
本発明は、本明細書で記載される操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、そのポリペプチドを発現し得る組換えポリヌクレオチドを作製するために遺伝子発現を制御する1またはこれより多くの異種調節配列に作動可能に連結される。その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物は、その相当するT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを発現するために適切な宿主細胞へと導入され得る。
当業者に明らかであるように、タンパク質配列の利用可能性およびその種々のアミノ酸に相当するコドンの知識は、本発明のポリペプチドをコードし得るポリヌクレオチド全ての記載を提供する。その遺伝コードの縮重は、その同じアミノ酸が代替のまたは同義のコドンによってコードされる場合、極めて多数の核酸が作製されることを可能にし、そのうちの全てが、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードする。従って、特定のアミノ酸配列の知識があれば、当業者は、そのタンパク質のアミノ酸配列を変化させない方法で、1またはこれより多くのコドンの配列を単に改変することによって、任意の数の種々の核酸を作製し得る。この点において、本発明は、その可能なコドン選択に基づく組み合わせを選択することによって、本明細書で記載されるポリペプチドをコードする、作製され得るポリヌクレオチドの各々のおよびあらゆる可能なバリエーションを具体的に企図し、そして全てのこのようなバリエーションは、本明細書で記載される任意のポリペプチド(表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6に提供されるバリアントを含む)に関して具体的に開示されると見做されるべきである。
種々の実施形態において、そのコドンは好ましくは、そのタンパク質が生成されている宿主細胞に適合するように選択される。例えば、細菌において使用される好ましいコドンは、細菌における発現のために使用される。結論として、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするコドン最適化ポリヌクレオチドは、全長コード領域のコドン位置のうちの約40%、50%、60%、70%、80%、または90%超において好ましいコドンを含む。
いくつかの実施形態において、上記のように、そのポリヌクレオチドは、本明細書で開示される特性を有するT7 RNAポリメラーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、そのポリペプチドは、配列番号4および15から選択される参照配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはこれより高い同一性を有するアミノ酸配列、または表5.3、表5.4、表5.5、および/もしくは表5.6で開示されるとおりの任意のバリアントのアミノ酸配列、ならびに配列番号17、19、21、23、25、27、29、32、33、35、37、および/もしくは39の参照ポリペプチドと比較した場合に1もしくはこれより多くの残基差異、または表5.3、表5.4、表5.5、および/もしくは表5.6で開示されるとおりの任意のバリアントのアミノ酸配列(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくはこれより多くのアミノ酸残基位置)を含む。いくつかの実施形態において、その参照配列は、配列番号4および/または15から選択される。いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、本明細書で開示される特性を有するT7 RNAポリメラーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードし、ここでそのポリペプチドは、参照配列の配列番号4および/または15と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高い配列同一性、ならびに配列番号4および/または15のポリペプチドと最適に整列された場合に、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6で提供されるものから選択される残基位置において、配列番号4および/または15と比較した場合に1またはこれより多くの残基差異を有するアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、32、33、35、37、および39をコードするポリヌクレオチド配列から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、および38と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、93%、95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチド残基同一性を有する。いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、および38から選択されるポリヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドは、高度にストリンジェントな条件下で、配列番号3および/もしくは14から選択される参照ポリヌクレオチド配列、またはその相補体、または本明細書で提供されるバリアントT7 RNAポリメラーゼポリペプチドのうちのいずれかをコードするポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし得る。いくつかの実施形態において、高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るそのポリヌクレオチドは、配列番号4および/または15と比較した場合に、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6に示される任意の位置から選択される残基位置において1またはこれより多くの残基差異を有するアミノ酸配列を含むT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドのうちのいずれかをコードする単離されたポリヌクレオチドは、そのポリペプチドの発現を提供する種々の方法で操作され得る。いくつかの実施形態において、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、1またはこれより多くの制御配列が、そのポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を調節するために存在する発現ベクターとして提供される。ベクターへと挿入する前のその単離されたポリヌクレオチドの操作は、その発現ベクターに依存して、望ましいかまたは必要であり得る。組換えDNA法を利用してポリヌクレオチドおよび核酸配列を改変するための技術は、当該分野で周知である。
いくつかの実施形態において、その制御配列は、配列の中でも、プロモーター、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターが挙げられる。当該分野で公知であるように、適切なプロモーターは、使用される宿主細胞に基づいて選択され得る。糸状菌宿主細胞の例示的なプロモーターとしては、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus niger中性αアミラーゼ、Aspergillus niger酸安定性αアミラーゼ、Aspergillus nigerもしくはAspergillus awamoriグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieheiリパーゼ、Aspergillus oryzaeアルカリ性プロテアーゼ、Aspergillus oryzaeトリオースホスフェートイソメラーゼ、Aspergillus nidulansアセトアミダーゼ、およびFusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ(例えば、WO 96/00787を参照のこと)の遺伝子から得られるプロモーター、ならびにNA2−tpiプロモーター(Aspergillus niger中性αアミラーゼおよびAspergillus oryzaeトリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子に由来するプロモーターのハイブリッド)、ならびにこれらの変異した、短縮された、およびハイブリッドのプロモーターが挙げられる。例示的な酵母細胞プロモーターは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiaeガラクトキナーゼ(GAL1)、Saccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、ならびにSaccharomyces cerevisiae 3−ホスホグリセレートキナーゼの遺伝子に由来し得る。酵母宿主細胞の他の有用なプロモーターは、当該分野で公知である(例えば、Romanos et al., Yeast 8:423−488 [1992]を参照のこと)。哺乳動物細胞における使用のための例示的なプロモーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV)、サル液胞形成ウイルス40(Simian vacuolating virus 40)(SV40)に由来するもの、Homo sapiensホスホグリセレートキナーゼ、βアクチン、伸長因子−1aもしくはグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼに由来するもの、またはfrom Gallus gallus βアクチンに由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、その制御配列は、転写を終結するために、適切な転写ターミネーター配列(宿主細胞によって認識される配列)である。そのターミネーター配列は、そのペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。選択された宿主細胞において機能的な任意のターミネーターは、本発明において使用が見出される。例えば、糸状菌宿主細胞のための例示的な転写ターミネーターは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアントラニレートシンターゼ、Aspergillus niger αグルコシダーゼ、およびFusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得られ得る。酵母宿主細胞のための例示的なターミネーターは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ、Saccharomyces cerevisiaeシトクロムC(CYC1)、およびSaccharomyces cerevisiaeグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼの遺伝子から得られ得る。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、当該分野で公知である(例えば、Romanos et al.,前出を参照のこと)。哺乳動物細胞のための例示的なターミネーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV)、サル液胞形成ウイルス40(SV40)、またはHomo sapiens成長ホルモンに由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、その制御配列は、適切なリーダー配列、宿主細胞による翻訳にとって重要であるmRNAの非翻訳領域である。そのリーダー配列は、そのポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。選択された宿主細胞において機能的である任意のリーダー配列が、使用され得る。糸状菌宿主細胞のための例示的なリーダーは、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼおよびAspergillus nidulansトリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、Saccharomyces cerevisiaeエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiae 3−ホスホグリセレートキナーゼ、Saccharomyces cerevisiae α因子、およびSaccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)の遺伝子から得られるものが挙げられるが、これらに限定されない。
その制御配列はまた、ポリアデニル化配列(その核酸配列の3’末端に作動可能に連結され、転写される場合に、その宿主細胞によってポリアデノシン残基を転写されたmRNAに付加するシグナルとして認識される配列)であり得る。選択された宿主細胞において機能的である任意のポリアデニル化配列は、本発明において使用され得る。糸状菌宿主細胞のための例示的なポリアデニル化配列としては、Aspergillus oryzaeTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアントラニレートシンターゼ、Fusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ、およびAspergillus niger αグルコシダーゼの遺伝子に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列はまた、当該分野で公知である(例えば、Guo and Sherman, Mol. Cell. Bio., 15:5983−5990 [1995]を参照のこと)。
いくつかの実施形態において、その制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードしかつそのコードされたポリペプチドを細胞分泌経路へと方向付けるシグナルペプチドコード領域である。その核酸配列のコード領域の5’末端は、その分泌されたポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳リーディングフレームにおいて天然に連結されたシグナルペプチドコード領域を本質的に含み得る。あるいは、そのコード配列の5’末端は、そのコード配列に対して外来であるシグナルペプチドコード領域を含み得る。その発現されたポリペプチドを選択された宿主細胞の分泌経路へと方向付ける任意のシグナルペプチドコード領域は、本明細書で提供される操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの発現のために使用が見出される。糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域としては、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger中性アミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola insolensセルラーゼ、およびHumicola lanuginosaリパーゼの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域が挙げられるが、これらに限定されない。酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドとしては、Saccharomyces cerevisiae α因子およびSaccharomyces cerevisiaeインベルターゼの遺伝子に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。哺乳動物宿主細胞のための有用なシグナルペプチドとしては、免疫グロブリンγ(IgG)の遺伝子に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、その制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域である。その得られたポリペプチドは、「プロエンザイム(proenzyme)」、「プロポリペプチド(propolypeptide)」、または「チモーゲン(zymogen)(いくつかの場合には)といわれ得る。プロポリペプチドは、そのプロペプチドをプロポリペプチドから触媒的にまたは自己触媒的に切断することによって、成熟活性ポリペプチドに変換され得る。
別の局面において、本発明はまた、操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、およびこれらが導入されるべき宿主のタイプに依存して、1またはこれより多くの発現調節領域(例えば、プロモーターおよびターミネーター、複製起点など)を含む組換え発現ベクターを提供する。いくつかの実施形態において、上記で記載される種々の核酸および制御配列は、1またはこれより多くの従来の制限部位を含めて。このような部位でバリアント T7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にする組換え発現ベクターを生成するために一緒に結合される。あるいは、本発明のポリヌクレオチド配列は、そのポリヌクレオチド配列またはそのポリヌクレオチド配列を含む核酸構築物を、発現のための適切なベクターへと挿入することによって発現される。その発現ベクターを作製するにあたって、そのコード配列は、そのコード配列が発現のための適切な制御配列と作動可能に連結されるように、そのベクターの中に位置する。
その組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に従来どおり供され得、そのバリアント T7 RNAポリメラーゼ ポリヌクレオチド配列の発現を生じ得る任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。そのベクターの選択は、代表的には、そのベクターとそのベクターが導入されるべき宿主細胞との適合性に依存する。そのベクターは、直線状または閉じた環状のプラスミドであり得る。
いくつかの実施形態において、その発現ベクターは、自律的に複製するベクター(すなわち、染色体外実体として存在するベクター)であり、その複製は、染色体複製(例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体)とは無関係である。そのベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含み得る。いくつかの代替の実施形態において、そのベクターは、その宿主細胞へと導入される場合に、ゲノムへと組み込まれかつ染色体と一緒に複製され、その染色体の中に組み込まれるものであり得る。さらに、宿主細胞のゲノムへと挿入されるべき全DNAを一緒に含む、単一のベクターもしくはプラスミド、または2もしくはこれより多くのベクターもしくはプラスミド、あるいはトランスポゾンが、使用され得る。
いくつかの実施形態において、その発現ベクターは好ましくは、1またはこれより多くの選択マーカーを含み、これらマーカーは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする。「選択マーカー(selectable marker)」とは、殺生物剤またはウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求株に対する原栄養などを提供する生成物の遺伝子である。酵母宿主細胞に適したマーカーとしては、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、およびURA3が挙げられるが、これらに限定されない。糸状菌宿主細胞における使用のための選択マーカーは、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(ニトレートレダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5’−ホスフェートデカルボキシラーゼ)、sC(スルフェートアデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アントラニレートシンターゼ)、ならびにこれらの等価物が挙げられるが、これらに限定されない。別の局面において、本発明は、本出願の少なくとも1つの操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供し、そのポリヌクレオチドは、その宿主細胞における操作されたT7 RNAポリメラーゼ酵素の発現のための1またはこれより多くの制御配列に作動可能に連結される。本発明の発現ベクターによってコードされるポリペプチドを発現することにおける使用のための宿主細胞は当該分野で周知であり、真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiaeおよびPichia pastoris[例えば、ATCCアクセッション番号201178]);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞)、植物細胞、動物細胞(例えば、CHO、COS、およびBHK)、およびヒト細胞(例えば、HEK293T、ヒト線維芽細胞、THP−1、JurkatおよびBowes黒色腫細胞株)が挙げられるが、これらに限定されない。
よって、別の局面において、本発明は、操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを生成するための方法を提供し、ここでその方法は、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現し得る宿主細胞を、そのポリペプチドの発現に適した条件下で培養する工程を包含する。いくつかの実施形態において、その方法はさらに、本明細書で記載されるように、T7 RNAポリメラーゼポリペプチドを単離および/または精製する工程を包含する。
上記の宿主細胞のための適切な培養培地および増殖条件は、当該分野で周知である。そのT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの発現のためのポリヌクレオチドは、当該分野で公知の種々の方法によって細胞へと導入され得る。技術としては、とりわけ、エレクトロポレーション、バイオリスティックパーティクルボンバードメント、リポソーム媒介性トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合が挙げられる。
本明細書で開示される特性を有する操作されたT7 RNAポリメラーゼは、天然に存在するまたは操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、当該分野で公知のおよび本明細書で記載されるとおりの、変異誘発および/または指向性進化法に供する工程によって得られ得る。例示的な指向性進化技術は、変異誘発および/またはDNAシャフリングである(例えば、Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747−10751 [1994]; WO 95/22625; WO 97/0078; WO 97/35966; WO 98/27230; WO 00/42651; WO 01/75767および米国特許第6,537,746号を参照のこと)。使用され得る他の指向性進化手順としては、とりわけ、千鳥状伸長プロセス(staggered extension process)(StEP)、インビトロ組換え(例えば、Zhao et al., Nat. Biotechnol., 16:258−261 [1998]を参照のこと)、変異誘発PCR(例えば、Caldwell et al., PCR Methods Appl., 3:S136−S140 [1994]を参照のこと)、およびカセット変異誘発(例えば、Black et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:3525−3529 [1996]を参照のこと)が挙げられる。
例えば、変異誘発および指向性進化法は、発現、スクリーニングおよびアッセイされ得るバリアントライブラリーを生成するためにポリヌクレオチドに容易に適用され得る。変異誘発および指向性進化法は、当該分野で周知である(例えば、US特許第5,605,793、5,811,238、5,830,721、5,834,252、5,837,458、5,928,905、6,096,548、6,117,679、6,132,970、6,165,793、6,180,406、6,251,674、6,277,638、6,287,861、6,287,862、6,291,242、6,297,053、6,303,344、6,309,883、6,319,713、6,319,714、6,323,030、6,326,204、6,335,160、6,335,198、6,344,356、6,352,859、6,355,484、6,358,740、6,358,742、6,365,377、6,365,408、6,368,861、6,372,497、6,376,246、6,379,964、6,387,702、6,391,552、6,391,640、6,395,547、6,406,855、6,406,910、6,413,745、6,413,774、6,420,175、6,423,542、6,426,224、6,436,675、6,444,468、6,455,253、6,479,652、6,482,647、6,489,146、6,506,602、6,506,603、6,519,065、6,521,453、6,528,311、6,537,746、6,573,098、6,576,467、6,579,678、6,586,182、6,602,986、6,613,514、6,653,072、6,716,631、6,777,218、6,917,882、6,946,296、6,961,664、6,995,017、7,024,312、7,058,515、7,105,297、 7,148,054、7,288,375、7,421,347、7,430,477、7,534,564、7,620,500、7,620,502、7,629,170、7,702,464、7,747,391、7,747,393、7,751,986、7,776,598、7,783,428、7,795,030、7,853,410、7,868,138、7,873,477、7,873,499、7,904,249、 7,957,912、8,014,961、8,029,988、8,058,001、8,076,138、8,018,150、8,170,806、8,377,681、8,383,346、8,457,903、8,504,498、8,589,085、8,762,066、8,849,575、8,876,066、8,768,871、9,593,326、9,665,694および全ての関連USおよび非US対応物; Ling et al., Anal. Biochem., 254(2):157−78 [1997]; Dale et al., Meth. Mol. Biol., 57:369−74 [1996]; Smith, Ann. Rev. Genet., 19:423−462 [1985]; Botstein et al., Science, 229:1193−1201 [1985]; Carter, Biochem. J., 237:1−7 [1986]; Kramer et al., Cell, 38:879−887 [1984]; Wells et al., Gene, 34:315−323 [1985]; Minshull et al., Curr. Op. Chem. Biol., 3:284−290 [1999]; Christians et al., Nat. Biotechnol., 17:259−264 [1999]; Crameri et al., Nature, 391:288−291 [1998]; Crameri, et al., Nat. Biotechnol., 15:436−438 [1997]; Zhang et al., Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A., 94:4504−4509 [1997]; Crameri et al., Nat. Biotechnol., 14:315−319 [1996]; Stemmer, Nature, 370:389−391 [1994]; Stemmer, Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 91:10747−10751 [1994]; US特許出願公開2008/0220990、US 2009/0312196、US2014/0005057、US2014/0214391、US2014/0221216; US2015/0050658、US2015/0133307、US2015/0134315および関連USおよび非US対応物;WO 95/22625、WO 97/0078、WO 97/35966、WO 98/27230、WO 00/42651、WO 01/75767、およびWO 2009/152336(これらは全て本明細書に参考として援用される)を参照のこと)。
いくつかの実施形態において、変異誘発処理後に得られる酵素バリアントは、その酵素バリアントを規定された温度(または他のアッセイ条件)に供し、熱処理または他のアッセイ条件後に残存している酵素活性の量を測定する工程によってスクリーニングされる。そのT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むDNAは、次いで、その宿主細胞から単離され、そのヌクレオチド配列変化(あるとすれば)を同定するために配列決定され、異なるまたは同じ宿主細胞においてその酵素を発現するために使用される。その発現ライブラリーから酵素活性を測定することは、当該分野で公知の任意の適切な方法を使用して行われ得る(例えば、標準的な生化学的技術(例えば、HPLC分析))。
公知の配列の操作されたポリペプチドのために、その酵素をコードするポリヌクレオチドは、公知の合成法に従って、標準的な固相法によって調製され得る。いくつかの実施形態において、約100塩基までのフラグメントは、個々に合成され得、次いで、繋げられて(例えば、酵素的または化学的ライゲーション法(litigation method)、またはポリメラーゼ媒介性方法によって)、任意の所望の連続する配列を形成し得る。例えば、本明細書で開示されるポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、自動化合成法において代表的に実施されるように、古典的なホスホロアミダイト法を使用する化学合成法によって調製され得る(例えば、Beaucage et al.、Tetra. Lett., 22:1859−69 [1981];およびMatthes et al., EMBO J., 3:801−05 [1984]を参照のこと)。ホスホロアミダイト法に従って、オリゴヌクレオチドは、合成され(例えば、自動DNA合成機において)、精製され、アニールされ、ライゲーションされ、適切なベクターの中にクローニングされる。
よって、いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを調製するための方法は、以下の工程を包含し得る:(a)表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6、ならびに配列番号15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、および39で提供される任意のバリアントのアミノ酸配列から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを合成する工程、ならびに(b)そのポリヌクレオチドによってコードされるT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを発現させる工程。その方法のうちのいくつかの実施形態において、そのポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列は、必要に応じて、1またはいくつかの(例えば、3個、4個、5個まで、または10個までの)アミノ酸残基欠失、挿入および/または置換を有し得る。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸配列は、必要に応じて、1〜2個、1〜3個、1〜4個、1〜5個、1〜6個、1〜7個、1〜8個、1〜9個、1〜10個、1〜15個、1〜20個、1〜21個、1〜22個、1〜23個、1〜24個、1〜25個、1〜30個、1〜35個、1〜40個、1〜45個、または1〜50個のアミノ酸残基欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸配列は、必要に応じて、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、30個、30個、35個、40個、45個、または50個のアミノ酸残基欠失、挿入および/、または置換を有する。いくつかの実施形態において、そのアミノ酸配列は、必要に応じて、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、18個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個のアミノ酸残基欠失、挿入および/または置換を有する。いくつかの実施形態において、その置換は、保存的または非保存的な置換であり得る。
その発現された。操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、任意の望ましい改善された特性(例えば、活性、選択性、安定性、耐酸性、プロテアーゼ感度など)について、当該分野で公知の任意の適切なアッセイ(本明細書で記載されるアッセイおよび条件が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して評価され得る。
いくつかの実施形態において、宿主細胞において発現される、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドのうちのいずれかは、タンパク質精製の周知の技術のうちのいずれか1またはこれより多く(とりわけ、リゾチーム処理、超音波処理、濾過、塩析、超遠心分離、およびクロマトグラフィーが挙げられる)を使用して、細胞および/または培養培地から回収される。
そのT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの単離のためのクロマトグラフィー技術としては、とりわけ、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、およびアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。特定の酵素を精製するための条件は、部分的に、正味の電荷、疎水性、親水性、分子量、分子形状などのような因子に依存し、当業者に明らかである。いくつかの実施形態において、アフィニティー技術は、その改善されたバリアントT7 RNAポリメラーゼ酵素を単離するために使用され得る。アフィニティークロマトグラフィー精製を利用するいくつかの実施形態において、そのバリアントT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを特異的に結合する任意の抗体は、使用が見出される。アフィニティークロマトグラフィー精製を利用するいくつかの実施形態において、T7 RNAポリメラーゼに共有結合されるグリカンに結合するタンパク質は、使用が見出される。アフィニティークロマトグラフィー精製を利用するなお他の実施形態において、そのT7 RNAポリメラーゼ活性部位に結合する任意の低分子は、使用が見出される。抗体の生成に関しては、種々の宿主動物(ウサギ、マウス、ラットなどが挙げられるが、これらに限定されない)は、T7 RNAポリメラーゼポリペプチド(例えば、T7 RNAポリメラーゼバリアント)、またはこれらのフラグメントを注射することによって免疫される。いくつかの実施形態において、そのT7 RNAポリメラーゼポリペプチドまたはフラグメントは、側鎖官能基または側鎖官能基に結合されるリンカーによって、適切なキャリア(例えば、BSA)に結合される。
いくつかの実施形態において、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、本明細書で記載されるとおりの操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞(例えば、S.cerevisiae、Daucus carota、Nicotiana tabacum、H.sapiens(例えば、HEK293T)、またはCricetulus griseus(例えば、CHO))を、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの生成をもたらす条件下で培養する工程ならびにその操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを、その細胞および/または培養培地から回収する工程を包含する方法によって、宿主細胞において生成される。
いくつかの実施形態において、本発明は、操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを生成するための方法を包含し、上記方法は、配列番号4および/または15の参照配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性、ならびに配列番号4および/または15のアミノ酸配列で最適に整列された場合、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6で提供されるものから選択される、配列番号4および/または15と比較した場合に1またはこれより多くのアミノ酸残基差異、ならびに/またはこれらの組み合わせを有する操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む組換え真核生物細胞を、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドの生成を可能にする適切な培養条件下で培養する工程、ならびに必要に応じて、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを、培養物および/または培養された細菌細胞から回収する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、一旦その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドが組換え宿主細胞または細胞培養培地から回収された後、それらは、当該分野で公知の任意の適切な方法によってさらに精製される。いくつかの追加の実施形態において、その精製されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、種々の適用および使用に適切な場合に、その操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを含む組成物および製剤(例えば、薬学的組成物)を提供するために、他の成分および化合物と合わされる。いくつかの追加の実施形態において、その精製されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチド、または製剤化されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドは、凍結乾燥される。
組成物:
本発明は、種々の組成物および形式(以下で記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない)を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、診断目的で組成物における使用に適した操作されたT7 RNAポリメラーゼポリペプチドを提供する。
実験
以下の実施例は、達成された実験および結果を含め、例証目的で提供されるに過ぎず、本発明を限定すると解釈されるべきではない。
以下で開示される実験では、以下の略語が適用される: ppm(パートパーミリオン); M(モル濃度); mM(ミリモル濃度)、uMおよびμM(マイクロモル濃度); nM(ナノモル濃度); mol(モル); gmおよびg(グラム); mg(ミリグラム); ugおよびμg(マイクログラム); Lおよびl(リットル); mlおよびmL(ミリリットル); cm(センチメートル); mm(ミリメートル); umおよびμm(マイクロメートル); sec.(秒); min(s)(分); h(s)およびhr(s)(時間); U(ユニット); MW(分子量); rpm(回転/分); rcf(相対遠心力); ℃(摂氏温度); CDS(コード配列); DNA(デオキシリボ核酸); RNA(リボ核酸); E.coli W3110(一般に使用される実験用E.coli株であり、Coli Genetic Stock Center[CGSC]、New Haven, CTから入手可能);HPLC(高速液体クロマトグラフィー); MWCO(分子量カットオフ); SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミド・ゲル電気泳動); T7RNAP(T7 RNAポリメラーゼ); PES(ポリエーテルスルホン); CFSE(カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル); IPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド); PMBS(ポリミキシンB硫酸); NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート); GIDH(グルタメートデヒドロゲナーゼ); FIOPC(陽性コントロールに対する倍数改善); LB(ルリアブロス); MeOH(メタノール); Athens Research(Athens Research Technology, Athens, GA); NEB(New England Biolabs, Ipswich, MA); Ion Torrent(Ion Torrent, Gilford, NH); ProSpec(ProSpec Tany Technogene, East Brunswick, NJ); Sigma−Aldrich(Sigma−Aldrich, St. Louis, MO); Ram Scientific(Ram Scientific, Inc., Yonkers, NY); Pall Corp.(Pall, Corp., Pt. Washington, NY); Millipore(Millipore, Corp., Billerica MA); Difco(Difco Laboratories, BD Diagnostic Systems, Detroit, MI); Molecular Devices(Molecular Devices, LLC, Sunnyvale, CA); Kuhner(Adolf Kuhner, AG, Basel, Switzerland); Axygen(Axygen, Inc., Union City, CA); Toronto Research Chemicals(Toronto Research Chemicals Inc., Toronto, Ontario, Canada); Cambridge Isotope Laboratories,(Cambridge Isotope Laboratories, Inc., Tewksbury, MA); Applied Biosystems(Applied Biosystems, part of Life Technologies, Corp., Grand Island, NY)、Agilent(Agilent Technologies, Inc., Santa Clara, CA); Thermo Scientific(part of Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA); Ion Torrent NGS(Ion Torrent Next Generation Sequencing); Li−COR(Li−COR, Lincoln, NE); UVP(UVP, Upland, CA); Biotium(Biotium, Inc., Fremont, CA); Corning(Corning, Inc., Palo Alto, CA); Megazyme(Megazyme International, Wicklow, Ireland); Enzo(Enzo Life Sciences, Inc., Farmingdale, NY); GE Healthcare(GE Healthcare Bio−Sciences, Piscataway, NJ); Pierce(Pierce Biotechnology(現在はThermo Fisher Scientificの一部), Rockford, IL); LI−COR(LI−COR Biotechnology, Lincoln, NE); Amicus(Amicus Therapeutics, Cranbury, NJ); Phenomenex(Phenomenex, Inc., Torrance, CA); Optimal(Optimal Biotech Group, Belmont, CA);ならびにBio−Rad(Bio−Rad Laboratories, Hercules, CA)。
以下のポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列は、本発明における使用が見出される。いくつかの場合(以下で示されるとおり)、そのポリヌクレオチド配列の後に、そのコードされるポリペプチドが続く。
実施例1
T7 RNAポリメラーゼ遺伝子獲得および発現ベクターの構築
野生型(WT)T7 RNAポリメラーゼ酵素(配列番号2)は、バクテリオファージ T7のゲノム(配列番号1)によってコードされる。T7 RNAポリメラーゼの6−ヒスチジンタグ化バージョン(配列番号4)をコードする合成遺伝子(配列番号3)を構築し、Escherichia coli発現ベクターpCK100900iへとサブクローニングした(例えば、米国特許第7,629,157号および米国特許出願公開2016/0244787(ともに参考として援用される)を参照のこと)。これらのプラスミド構築物を、W3110に由来するE.coli株へと形質転換した。当業者によって一般に公知の指向性進化技術を、これらのプラスミドから遺伝子バリアントのライブラリーを生成するために使用した(例えば、米国特許第8,383,346号およびWO 2010/144103(これらはともに、参考として援用される)を参照のこと)。本明細書で記載される酵素バリアントにおける置換は、示されるように、6His標的化WT T7 RNAポリメラーゼ酵素(すなわち、配列番号4)またはそのバリアントを参照して示される。
実施例2
ハイスループット(HTP)でのT7 RNAポリメラーゼ発現および精製
この実施例では、T7 RNAポリメラーゼバリアントのT7 RNAポリメラーゼ発現および精製で行われる実験が記載される。
T7 DNAポリメラーゼおよびバリアントのハイスループット(HTP)増殖
形質転換されたE.coli細胞を、1% グルコースおよび30μg/ml クロラムフェニコールを含むLBアガープレート上にプレートすることによって選択した。37℃で一晩インキュベートした後、コロニーを、180μl/ウェル LB培地(1% グルコースおよび30μg/ml クロラムフェニコールを補充)を満たした96ウェル浅平底NUNCTM(Thermo−Scientific)プレートのウェルへと入れた。その培養物を、18〜20時間にわたって振盪機(200rpm、30℃、および85% 相対湿度; Kuhner)において一晩増殖させた。一晩増殖サンプル(20μL)を、380μLのTerrific Broth(30μg/ml クロラムフェニコールを補充)を満たしたCostar 96ウェルディーププレートに移した。そのプレートを、120分間、振盪機(250rpm、30℃、および85% 相対湿度; Kuhner)において、OD600が0.4〜0.8の間に達するまでインキュベートした。次いで、その細胞を、40μLの、滅菌水中10mM IPTGで誘導し、18〜20時間にわたって一晩、振盪機(250rpm、30℃、および85% 相対湿度; Kuhner)においてインキュベートした。その細胞をペレットにし(4000rpm×20分間)、その上清を廃棄し、その細胞を、分析する前に−80℃において凍結した。
HTPペレットの溶解
細胞ペレットを、400μLの溶解緩衝液(20mM Tris pH7.5、1mM MgSO4、1mg/ml リゾチーム、および0.5mg/ml ポリミキシンB硫酸)中に再懸濁し、その混合物を、1.5時間室温において撹拌した。次いで、溶解物をペレットにし(4000rpm×5分間)、その清澄にした上清を精製のためにとっておいた。
粗製溶解物からのT7RNAPのHTP精製
T7RNAPを、清澄にしたE.coli溶解物から、His−−Select((登録商標)高キャパシティ(HC)ニッケルコーティングされたプレート(Sigma)を使用する金属−アフィニティークロマトグラフィーによって、製造業者の説明書に従って精製した。His−Select(登録商標)プレートを、1ウェルあたり合計800μlの洗浄緩衝液(50mM リン酸ナトリウム pH7.5、300mM NaCl、25mM イミダゾール、0.1% v/v TWEEN−20(登録商標)試薬[Sigma])で平衡化した。次いで、T7RNAPを含む200μlのHTP溶解物と200μlの洗浄緩衝液を混合し、プレートに装填し、1分間、2000相対遠心力(rcf)および4℃において遠心分離した。そのプレートを、600μlの洗浄緩衝液/ウェルで2回洗浄した(各洗浄に関して、3000rcfおよび4℃において3分間の遠心分離)。酵素サンプルを、4℃において、3000rcfで1分間の遠心分離によって、200μl 溶離緩衝液(50mM リン酸ナトリウム pH7.5、300mM NaCl、250mM イミダゾール、0.1% v/v TWEEN(登録商標)−20試薬)を添加して溶離した。
溶離液を、ZebaTM Spin脱塩プレート(Thermo Fisher)を使用して緩衝液交換した。簡潔には、プレートを、1ウェルあたり375μlの2×T7RNAP貯蔵緩衝液(100mM Tris.HCl pH7.9、200mM NaCl、2mM DTT、2mM EDTA、0.2% w/v Triton X−100)で2回平衡化し、2分間、1100×gにおいて4℃で遠心分離した。脱塩プレートに、100μlのHis−Select(登録商標)プレートサンプル溶離液を装填し、2分間、1100×gにおいて4℃で遠心分離した。その脱塩プレートからの溶離液を保持し、50mM Tris HCl pH8.0、100mM NaCl、1mM DTT、1mM EDTA、0.1% v/v Triton X−100および50% グリセロール(v/v)の最終貯蔵緩衝液濃度のために等容積のグリセロールと混合した。
精製した調製物中のRNase夾雑の非存在を、RNase Alertアッセイ(IDT, Life Technologies)を使用して確認した。T7RNAPサンプルのSDS−PAGE分析は、大部分のサンプルに関して検出可能な夾雑バンドを示さなかった。
HTP精製T7RNAPを使用するインビトロ転写反応のために、精製ポリメラーゼを、全反応容積のうちの10%(振盪フラスコ培養物からの酵素に関しては5%)の最終濃度に添加した。
実施例3
T7 RNAポリメラーゼの振盪フラスコ発現および精製
この実施例では、T7RNAPの振盪フラスコ発現および精製を含む実験を記載する。
振盪フラスコ発現
実施例2に記載されるように増殖させた、選択されたHTP培養物を、1% グルコースおよび30μg/ml クロラムフェニコールを有するLBアガープレート上にプレートし、37℃で一晩増殖させた。各培養物からの単一コロニーを、1% グルコースおよび30μg/ml クロラムフェニコールを有する6mlのLBブロスに移した。その培養物を、18時間、30℃、250rpmにおいて増殖させ、30μg/mlのクロラムフェニコールを有する250mlのTerrific Brothへとおよそ1:10の希釈で0.2の最終OD600へと継代した。その培養物をおよそ3時間、30℃、250rpmにおいて、0.6〜0.8のOD600へとインキュベートし、次いで、1mMの最終濃度においてIPTGを添加して誘導した。その誘導した培養物を、20時間、30℃、250rpmにおいてインキュベートした。そのインキュベーション期間の後、その培養物を4000rpm×10分間で遠心分離した。その培養上清を廃棄し、そのペレットを、35ml 溶解緩衝液(50mM NaHPO、pH7.5、500mM NaCl、0.1% Tween−20、10mM イミダゾール)中に再懸濁した。この細胞懸濁物を、アイスバスの中で冷却し、Microfluidizer細胞破砕機(Microfluidics M‐110L)を使用して溶解した。その粗製溶解物を、遠心分離(16,000rpmで60分間、4℃)によってペレットにし、次いで、その上清を、0.2μm PES膜を通じて濾過して、その溶解物をさらに清澄にした。
振盪フラスコ溶解物からのT7 RNAポリメラーゼの精製
T7RNAP溶解物を、AKTA Start精製システムおよびAC Step HiF設定(実行パラメーターは、以下に提供される)を使用する5ml HisTrap FFカラム(GE Healthcare)を使用して精製した。そのSF洗浄緩衝液を、50mM リン酸ナトリウム pH7.5、500mM NaCl、0.1% v/v TWEEN−20(登録商標)試薬(Sigma)、および25mM イミダゾールから構成した。そのSF溶離緩衝液を、50mM リン酸ナトリウム pH7.5、500mM NaCl、0.1% v/v TWEEN−20(登録商標)試薬(Sigma)、および300mM イミダゾールから構成した。
Figure 2020530266
単一の5つの最も濃縮された3ml 画分を、UV吸収(A280)によって同定し、2× T7RNAP貯蔵緩衝液(100mM Tris HCl pH8.0、200mM NaCl、2mM DTT、2mM EDTA、0.2% v/v Triton X−100)中で一晩、10K Slide−A−LyzerTM透析カセット(Thermo Fisher)中で一晩、緩衝液交換のために、16時間、続いて、第2の緩衝液交換のために24時間、透析した。等容積のグリセロールを、その透析した物質に添加した。その調製物中の酵素濃度は、ゲルデンシトメトリーおよび280nmでの吸収によって測定した。
実施例4
転写反応
転写反応を、キャップアナログ α,γ−ビス (N7−メチルグアノシン)トリホスフェート(「m7G(5’)ppp(5’)m7G」、「キャップされたGTP」、または「キャップ」ともいわれる)で組み立てた(Grudzien et. al., RNA, 10:1479−87 [2004]を参照のこと)。操作された転写DNAテンプレートGlmS−16A(配列番号5)は、Bacillus anthracis GlmSリボスイッチのコード配列(配列番号6)に連結されたT7RNAPプロモーター配列を含む。そのリガンド、グルコサミン−6−ホスフェートで誘導すると、GlmSリボスイッチは自己切断し、16マーRNAヌクレオチド(配列番号7)をその転写物の5’末端から放出し、これは、キャップ構造またはキャップされていない5’ホスフェートを含む。この小さな16マーRNAオリゴヌクレオチド切断産物は、キャップされた種およびキャップされていない種を区別するために使用した、イオン化およびLC−MSによる分析を施すことができた。
反応物(30ul)を、50mM Tris HCl pH7.9、30mM MgCl、10mM DTT、6mM ATP、6mM CTP、6mM UTP、4.8mM GTP、1.2mM m7G(5’)ppp(5’)m7G、50ng/μl GlmS−16A転写テンプレート、1U/μl RNasinインヒビター、および6.4mM グルコサミン−6−ホスフェートの最終濃度で組み立てた。m7G(5’)ppp(5’)m7GおよびGTPの合計を、6mMで保持した。グルコサミン−6−ホスフェートを反応の開始時に含め、リボスイッチの切断を4時間のインビトロ転写の間に進めさせた。HTPスクリーニングのために、反応物を等しい(30μl)容積の40mM EDTAでクエンチした。m7G(5’)ppp(5’)m7GおよびGTPの合計を6mMで維持した。
実施例5
LC−MS活性アッセイ
この実施例はより短いキャップされた5’−およびキャップされていない5’ よりホスフェート切断生成物の分析のために、、Thermo LTQ MSシステムを使用してより小さなRNAフラグメントの分離のために開発されたLC−MS法を記載する。
その7meG−キャップされたおよび5’トリホスフェート非キャップ16マー切断生成物(配列番号7)を、質量分析法に関してオリゴヌクレオチドの分離のために一般に使用されるC18カラムおよびHFIP移動相を使用して、逆相イオン対HPLC法で反応物およびより高いMW RNAからクロマトグラフィーで分離した(図1を参照のこと)(表5.1を参照のこと)。
Figure 2020530266
キャップされたおよびキャップされていない16マー切断生成物に関するベースピーク抽出を、多数の負に荷電したイオンおよび金属付加物を含め、各種に関して7つのイオンを使用して行った。これらの7つのイオンのピーク強度を使用して、そのキャップされたおよびキャップされていない16マー切断生成物の各々のシグナルを導出した。これらのイオンは、多数の荷電した状態ならびにナトリウム付加物およびカリウム付加物を含んだ(表5.2を参照のこと)。全てのイオンを、その予測された値の1質量単位内で観察した。
Figure 2020530266
WT T7RNAPに対するキャッピング性能(すなわち、「親に対する倍数改善」、または「FIOP」)を、各サンプルに関するキャップされた/キャップされていないピーク強度比を、各プレート上に存在するWT親コントロールに関して計算された比で除算することによって計算した(n=6〜10)。そのFIOP値を使用して、WT T7RNAPまたはライブラリー親(これをあらゆるプレート上にコントロールとして含めた)に対するバリアント性能をランク付けした。この相対的定量法を使用することによって、そのキャップされた種とキャップされていない種との間で本質的であったイオン化における差異、ならびにHFIP移動相のバッチおよびEDTA濃度によって引き起こされるシグナルのバリエーションを相殺することは可能であった。インビトロ転写反応を、以下の表に示されるとおりの反応時間およびm7G(5’)ppp(5’)m7G濃度で、実施例4で記載されるように行った。表5.3、表5.4、および表5.5は、3〜6つの複製の平均活性改善を報告する。表5.6は、複製された情報が利用可能なバリアントに関する平均活性改善を報告する。
Figure 2020530266
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Figure 2020530266
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バリアント85は、LC−MSアッセイにおいてキャップされていないmRNAの検出不能レベルを有することが注記された。
Figure 2020530266
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Figure 2020530266
Figure 2020530266
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実施例6
RNA収量の決定
インビトロ転写反応を、ルシフェラーゼテンプレート(配列番号10)を使用することを除いて、実施例4に記載されるとおりに行った。インビトロ転写反応からのmRNA収量を、Quant−iT RNA Assayキット(広範囲、Q−33140, Thermo Fisher)に関する製造業者のプロトコルに従って行った。mRNA存在量を、アッセイキットに伴って提供されるmRNA標準に関して導出される標準曲線を使用して計算した。
Figure 2020530266
実施例7
T7RNAPバリアント転写忠実度の決定
ポリメラーゼ忠実度を、バリアントポリメラーゼから転写されたmRNAに由来する多数のRT−PCRクローンを直接配列決定することに基づいて測定した。インビトロ転写反応を、0.5mM m7G(5’)ppp(5’)m7G、5.5mM GTPを使用し、グルコサミン−6−ホスフェートを省略して、実施例4に記載されるとおりに行った。m7G(5’)ppp(5’)m7Gを含めることは、プロセス関連条件下で、WTおよびバリアントポリメラーゼのエラー率へのこのキャップアナログ(あるとすれば)の寄与の測定を可能にした。1.7kb ルシフェラーゼテンプレートDNA(配列番号8)は、全長mRNA転写物を生成するために、野生型およびバリアントT7 RNAPを使用する転写のためのDNAテンプレートとして働いた。RNAを、Zymo RNA Clean and concentrator−25キット(Zymo Research)を使用して単離し、残留DNAを、DNA非含有DNAase Iキット(Ambion/ Thermo Fisher)での2連続処理によって、RNAサンプルから除去した。サンプルを、オリゴ−(dT)25プライマー(配列番号40)を使用してAccuprime Reverse Transcriptase(Agilent)で逆転写し、そのルシフェラーゼテンプレート上のポリ(A)テールにアニールした。次いで、そのRT反応を、HF緩衝液(New England Biolabs)を使用して、PCRを介してPHUSION(登録商標)高忠実度DNAポリメラーゼを使用して増幅して、1675−bpアンプリコンを、ルシフェラーゼコード配列にアニールする遺伝子特異的プライマー(配列番号12、配列番号13)を使用して生成した。増幅したフラグメントを、BglI(New England Biolabs)で消化し、クローニングベクターへとライゲーションし、形質転換して、E.coliにおいて単一クローンを生成した。
個々のクローンを拾い上げ、多重バーコード化ストラテジーを使用して、Ion Torrent PGMプラットフォーム(Thermo Fisher)で配列決定した。バーコード読み取りをデコンボリューションし、次いで、個々のクローンの配列を、配列番号12と配列番号13との間の1632−bp領域のその予測されたテンプレート配列に対して組み立てた。小さな挿入、欠失(すなわち、インデル)、および一ヌクレオチド多型を含む変異を一致させた。大部分の観察された変異は置換であったが、挿入および欠失も観察された。配列決定されたmRNA由来クローンの塩基ごとの変異の総数を計算し、表7.1および表7.2に報告する。文献に基づいて塩基ごとの変異のその予測された全体的割合は、T7RNAP(1×10−4)(Huang et al., Biochem., 39:11571−11580 [2000])、Accuscript逆転写酵素(6×10−5)(Agilent;製品文献を参照のこと)、およびPhusion DNAポリメラーゼ(1.2×10−5)(20サイクル;NEB製品文献を参照のこと)に起因するエラーの合計、または全体で1.72×10−4である。大部分のバリアントポリメラーゼは、0.5mM m7G(5’)ppp(5’)m7Gの存在下であっても、T7RNAPの報告された文献値に近い全体的なエラー率を示した。
片側(右側)二項検定を使用して、実験における実際のエラー率が、表7.1および表7.2において示される別個の実験において、T7RNAP−WTの観察された全体的なエラー率に等しい場合、配列決定された塩基数を与えたその観察されたエラー数(またはこれより多い)をサンプリングする確率を計算した。所定のバリアントの忠実度は、0.05より大きいp値に関してこのアッセイにおいてWT T7RNAPから区別不能と見做された。表7.1では、観察されたエラー率結果列において、「+」は1.7*10−4未満であり、「−」は1.7*10−4超である一方で、二項検定結果カラムでは、「+」はp>0.05であり、「−」は0<0.05である。表7.2では、観察されたエラー率結果列において、「+」は1.5×10−4未満であり、「−」は1.5×10−4超である一方で、二項検定結果列において、「+」はp>0.05であり「−」はp<0.05である。
Figure 2020530266
Figure 2020530266
本発明は、その具体的実施形態を参照して記載されてきた一方で、種々の変更がなされ得、均等物は、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの工程に適合させるために置換され得、それによって、本発明の利益は、特許請求されるものの範囲から逸脱することなく達成され得る。
米国での全ての目的のために、本出願において引用された各々のおよびあらゆる刊行物および特許文献は、各々のこのような刊行物または文献が具体的にかつ個々に本明細書に参考として援用されることが示されたかのように、本明細書に参考として援用される。刊行物および特許文献の引用は、任意のこのような文書が、関連する先行技術であるという指摘として意図されず、その内容または日付に関しての承認を構成しない。

Claims (28)

  1. 配列番号4および/もしくは15の参照配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を有するポリペプチド配列、またはその機能的フラグメントを含む操作されたRNAポリメラーゼであって、ここで該操作されたRNAポリメラーゼは、少なくとも1個の置換または該ポリペプチド配列における置換セットを含み、ここで該ポリペプチド配列のアミノ酸置換は、配列番号4もしくは15を参照して番号付けされる、操作されたRNAポリメラーゼ。
  2. 少なくとも1個の置換または置換セットは、397/513/635、397/513/635/660、513/660/664、513/635/660、513/635/664、513/660/664、および660/664、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択され、ここで該アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  3. 少なくとも1個の置換または置換セットは、397、397/513、397/513/635、397/513/635、397/513/635/656、397/513/635/656/660、397/513/635/656/660/664、397/513/635/656/664、397/513/635/660、397/513/635/660/664、397/513/635/664、397/513/656/660、397/513/660、397/513/660/664、397/513/664、397/513、397/635、397/635/656/660/664、397/635/656/664、397/635/660、397/635/664、397/635/664/850、397/660、397/664、および/またはこれらの任意の組み合わせから選択され、ここで該アミノ酸位置は、配列番号4を参照して番号付けされる、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  4. 少なくとも1個の置換または置換セットは、113/137/513、136/357/404/514、136/357/514、136/394/404/446、136/401、136/401/404、136/404/446、136/404/514、136/446、136/514、137、137/401、137/401/513、137/401/513、137/513、137/513/621、137/635、137/656、357/394/401/404/514、357/394/446/514、357/514、394/446/514、401/404、401/404/514、401/513/635、401/635、513/635、513/635/656、513/660、635/656、635/660、および660、ならびに/またはこれらの任意の組み合わせから選択され、ここで該アミノ酸位置は、配列番号15を参照して番号付けされる、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  5. 前記操作されたRNAポリメラーゼは、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6に示される少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼバリアントの配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一であるポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  6. 前記操作されたRNAポリメラーゼは、表5.3、表5.4、表5.5、および/または表5.6で提供されるバリアントの操作されたポリメラーゼである、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  7. 前記操作されたRNAポリメラーゼは、配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、および/または39に示される少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼバリアントの配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはこれより高く同一であるポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  8. 前記操作されたRNAポリメラーゼは、配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、または39に示されるバリアントの操作されたポリメラーゼを含む、請求項1に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  9. 前記操作されたポリメラーゼは、野生型T7 RNAポリメラーゼと比較して、少なくとも1つの改善された特性を示す、請求項1〜8のいずれかに記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  10. 前記少なくとも1つの改善された特性は、転写開始の間のGTPに対するキャップアナログの改善された選択性、改善されたタンパク質発現、貯蔵緩衝液中の改善された安定性、および反応条件下での改善された安定性から選択される、請求項9に記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  11. 前記ポリメラーゼは、RNA収量、転写忠実度、熱安定性、タンパク質発現、−20℃での安定性、または野生型T7 RNAポリメラーゼに等しい反応条件での安定性を維持する、請求項1〜10のいずれかに記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  12. 前記操作されたポリメラーゼは、精製されている、請求項1〜11のいずれかに記載の操作されたRNAポリメラーゼ。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼをコードするポリヌクレオチド配列。
  14. 配列番号4および/もしくは15の参照配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を含む少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼ、またはその機能的フラグメントをコードするポリヌクレオチド配列であって、ここで該操作されたRNAポリメラーゼは、1またはこれより多くのアミノ酸位置において少なくとも1個の置換を含む、ポリヌクレオチド配列。
  15. 配列番号4、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37および/もしくは39と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を含む少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼ、またはその機能的フラグメントをコードするポリヌクレオチド配列。
  16. 少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼをコードするポリヌクレオチド配列であって、ここで該ポリヌクレオチド配列は、配列番号3、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、および/もしくは38と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはこれより高い配列同一性を含む、ポリヌクレオチド配列。
  17. 前記ポリヌクレオチド配列は、制御配列に作動可能に連結される、請求項13〜16のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  18. 前記ポリヌクレオチド配列は、コドン最適化される、請求項13〜16のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  19. 請求項13〜18のいずれかに記載の少なくとも1つのポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
  20. 少なくとも1つの請求項19に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  21. 操作されたRNAポリメラーゼを宿主細胞において生成するための方法であって、該方法は、請求項20に記載の宿主細胞を適切な培養条件下で培養する工程であって、少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼを生成する工程を包含する方法。
  22. 前記培養物および/または宿主細胞から少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼを回収する工程をさらに包含する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記少なくとも1つの操作されたRNAポリメラーゼを精製する工程をさらに包含する、請求項21および/または22に記載の方法。
  24. 少なくとも1つの請求項1〜12のいずれかに記載の操作されたRNAポリメラーゼを含む組成物。
  25. キャップされたRNA転写物を生成するための方法であって、該方法は、i)少なくとも1つの請求項1〜12のいずれかに記載の操作されたRNAポリメラーゼ、ジヌクレオチドキャップアナログ、およびii)DNAテンプレートを含む組成物を提供する工程;該DNAテンプレートを該組成物に、該操作されたRNAポリメラーゼがキャップされたRNA転写物を生成するような条件下で曝す工程を包含する方法。
  26. 前記ジヌクレオチドキャップアナログは、α,γ−ビス(N7−メチルグアノシン)トリホスフェート(m7G(5’)ppp(5’)m7G)またはアンチリバースキャップアナログ3’−O−Me−mG(5’)ppp(5’)Gである、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ジヌクレオチドキャップアナログは、α,γ−ビス(N7−メチルグアノシン)トリホスフェートである、請求項25および/または26に記載の方法。
  28. 無機ピロホスファターゼの添加をさらに包含する、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
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