JP2020529446A - モノ保護二官能性プロドラッグを合成するための方法およびそれをベースとする抗体−薬物コンジュゲートならびに抗体−薬物コンジュゲートを調製するための方法 - Google Patents

モノ保護二官能性プロドラッグを合成するための方法およびそれをベースとする抗体−薬物コンジュゲートならびに抗体−薬物コンジュゲートを調製するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)の調製において有用な化合物、すなわち、デュオカルマイシンのアナログをベースとするモノ保護二量体二官能性プロドラッグを合成するための方法に関する。さらなる側面において、本発明による方法によって得られる化合物が提供される。モノ保護二官能性プロドラッグは、抗体部分およびモノ保護二官能性プロドラッグから構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製するために使用される。そうして得られる抗体−化合物コンジュゲートが提供される。さらに、2つの同一か、または2つの異なる抗体部分から構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製する方法、したがってさらに、2つの異なる抗体部分を含有する抗体−化合物コンジュゲートが提供される。これらのコンジュゲートは、医薬組成物において、特に、腫瘍の処置において使用するために、たとえばADC療法において使用するために使用され得る。

Description

本発明は、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)の調製において有用な化合物、すなわち、デュオカルマイシンのアナログをベースとするモノ保護二量体二官能性プロドラッグを合成するための方法に関する。さらなる側面において、本発明による方法によって得られる化合物が提供される。モノ保護二官能性プロドラッグは、抗体部分およびモノ保護二官能性プロドラッグから構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製するために使用される。そうして得られる抗体−化合物コンジュゲートが提供される。さらに、2つの同一か、または2つの異なる抗体部分から構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製する方法、したがってさらに、2つの異なる抗体部分を含有する抗体−化合物コンジュゲートが提供される。これらのコンジュゲートは、医薬組成物において、特に、腫瘍の処置において使用するために、たとえばADC療法において使用するために使用され得る。
癌疾患の多様な形態は個別の治療コンセプトを必要とする。腫瘍性疾患の複雑さに対応して、臨床に現在用いられている大部分の処置方法は異なる治療手段の組合わせである。外科的処置が可能で明瞭な境界をもつ腫瘍については、外科的切除が選択方法であり得る。しかしながら、腫瘍が、アクセスがより難しいか、または生命に関わる構造体に関係していれば、放射線療法および化学療法による処置が選択方法である。転移が既に形成されているか、または少なくとも転移のリスクがある、より進行したステージでは、通常は直ちに化学療法が行なわれる。加えて、腫瘍の療法においては、ホルモン療法、免疫療法、ならびに血管新生阻害薬およびキナーゼ阻害薬による療法の方法が用いられる。
実際に、転移の場合、または全身性腫瘍の場合にも、しばしば重篤な副作用、たとえば血球像の乱れ、免疫不全、粘膜炎、発熱、吐き気、嘔吐などを伴うにもかかわらず、化学療法が現在では最も重要な処置方法である。すなわち、大部分の化学療法薬は血液循環を介して全身に分布するので、すべての細胞に到達する可能性がある。しかしながら、化学療法薬は一般にヒトの細胞に対して全身的に作用する、すなわち、それらは細胞増殖を阻止する、または細胞毒として作用する、すなわち、それらは細胞死をもたらし得る。典型的には、化学療法薬が癌細胞と正常細胞とを識別することはない。相違点は、腫瘍細胞が急速増殖細胞型である一方で、正常細胞が低速増殖細胞であることにある。しかしながら、処置される者の急速成長非腫瘍細胞、特に骨髄の細胞、毛根、および腸管上皮細胞も影響を受けるので、重篤な副作用が生じる。化学療法で用いられる細胞傷害性薬物の一例には、アルキル化剤が含まれる。アルキル化剤は、多数の構造的にきわめて多様なクラスの著しく反応性の物質である。その医薬品またはプロドラッグが場合により予め活性化されてカルボカチオンになった後に、活性化合物は求電子試薬として特に核酸と反応して共有結合を形成する。その結果、DNAの架橋、異常な塩基対合、または鎖の破断が生じて複製が阻害され、最終的に細胞死に至る。アルキル化剤の代表例はシクロホスファミド、他にもシスプラチンである。特に有効なアルキル化剤のグループには、天然抗生物質CC1065、シクロプロピルピロロインドール(CPI)誘導体、デュオカルマイシンおよびシクロプロピルベンゾインドール(CBI)誘導体、ヤテケマイシン(yatekemycin)、ならびにこのクラスの天然プロドラッグの誘導体およびアナログが含まれる。化学療法処置の必要性、臨床的に用いられている大部分の薬物の強い副作用、および多くの既知の化学療法薬に対する耐性の出現により、化学療法薬の分野における継続した開発が必要である。
化学療法における副作用を緩和するために、腫瘍細胞の遺伝子型および表現型の特性を利用して可逆的プロドラッグを作用部位で直接ターゲティッド活性化できる新たなコンセプトが開発された。このようなターゲティッド活性化は、いわゆるADEPTコンセプト(antibody-directed enzyme prodrug therapy(抗体指向性酵素プロドラッグ療法))において存在する。この場合、抗体−酵素集合物(congregate)が利用され、これは、腫瘍を直接に無毒性プロドラッグから薬物への変換へと向かわせ、高い選択性が達成される。この二元療法アプローチは2工程からなる。まず、一定量の抗体−酵素コンジュゲートを投与すると、それは血液循環によりその生物全体に分布する。
このコンジュゲートは腫瘍細胞表面にある特異的抗原に結合するか、あるいは身体により分解または排出される。結合していない抗体−酵素集合物がもはや検出できなくなると、第2工程でプロドラッグの投与が生じる。典型的な無毒性プロドラッグも生物全体に分布し、腫瘍組織において、抗体−酵素集合物の形で通常は腫瘍表面にのみ存在する酵素により選択的に有毒化される。次いで、放出された薬物は、細胞膜を透過した後にその毒性作用を展開し、その間、酵素は腫瘍細胞の外側で活性を維持し、さらなるプロドラッグ分子を活性化することができる。このアプローチに関して、身体特異的酵素系によるプロドラッグの開裂は可能な限り起きてはならない。それというのも、さもなければこの療法の活性が低減または排除されるであろうからである。しかし、以前から既知のプロドラッグのこれらの利点は、プロドラッグとそれから生成する薬物との細胞毒性の差(QIC50)が過度に小さいことと、生成する薬物自体の細胞毒性(IC50)も過度に低いことである。
ガイドラインとして:酵素の存在下でのプロドラッグのQIC50値は、1000を超えるべきであり、かつベースの薬物の細胞毒性は、10nM未満のIC50値を有するべきである。
ADEPTコンセプトについては、臨床試験が既に実施されている。ADEPTコンセプトは選択的腫瘍療法に適していることが判明しているが、選択的かつ効率的な療法を可能にするためには様々な点において改良がさらに必要とされている。
悪性腫瘍をターゲティッド処置する状況における別のアプローチは、プロドラッグ単剤療法である。その場合、腫瘍に過剰発現しており対応するプロドラッグを開裂させて対応する薬物を放出させることができる酵素の存在が望ましい。可能性のあるこの酵素の一例は、腫瘍組織の壊死領域に高濃度で検出され得るβ−D−グルクロニダーゼである。別法では、薬物と腫瘍特異的リガンドからなるコンジュゲートも、癌療法における選択的ターゲティングのために使用され得る。改良が望まれる問題の1つは、プロドラッグと対応する薬物との高い細胞毒性差、薬物の高い細胞毒性、および薬物の短い血漿半減期を有する、新規な有効プロドラッグの提供である。加えて、ADC療法(抗体−薬物コンジュゲート)のための、デュオカルマイシンのアナログをベースとする新たな種類の二官能性プロドラッグが必要とされている。
ADCは、たとえば癌に罹患している対象を処置するためのターゲット療法としてデザインされたきわめて有効な重要なクラスの生物製剤である。ADCにおいて、抗体は、ペイロードまたはプロドラッグ/薬物とも呼ばれる生物学的活性成分に結合している。薬物は、ターゲティッド細胞において活性成分に変換されるプロドラッグの形態であり得るか、またはターゲットに結合した後に有効になる薬物として存在し得る。
ADCでは、モノクローナル抗体のターゲティング能力が活性薬剤または前記活性薬剤のプレフォームの細胞毒性活性と組み合わされている。モノクローナル抗体の特異性により、癌細胞への指向ターゲティングが可能である。したがって、重篤な副作用、すなわち、健康な細胞に対する重篤な副作用は少ないが、癌細胞のより有効な処置が可能である。
既に数種のADC生成物が市販されているが、ADC医薬品は多大な可能性を有すると予測されている。抗体部分を抗癌剤もしくは活性成分またはその前駆体に結合する開裂可能および開裂不可能なリンカーが存在する。しかしながら、その結合は、活性成分の毒性に影響を及ぼし得る。
抗体部分または他の結合パートナーをペイロードに、特にCBI構成成分に結合するための様々な態様が当技術分野で記載されている。
たとえばWO2009/017394は、置換CC−1065アナログおよびそれらのコンジュゲートを記載している。他の二官能性化合物が、たとえばドイツ特許第10 2015 118 490号に記載されており、これはCC−1065アナログをベースとする新たな二官能性プロドラッグおよび薬物を同定している。
Tietze,L.F.ら(Chem.Eur.J.2013、19、1726〜1731)は、選択的癌治療にきわめて効力のあるデュオカルマイシンのアナログの光活性化可能なプロドラッグを記載している。ここでは、二量体セコ−薬物の光化学的活性化のスキームが提供されている。理論反応スキームが提示されており、モノ保護二官能性プロドラッグの中間体理論化合物16が示されている。留意すべきことに、示されているのは、モノ−セコ−薬物の理論中間体を介してセコ−薬物となる二官能性プロドラッグの理論反応である。放射線を適用したときに、反応が直接、二官能性プロドラッグからセコ薬物への反応となる場合にだけ、スキームに示されているモノ−セコ−薬物は理論的性質を有する。したがって、モノ−セコ薬物である化合物16は、単離されなかった、または特徴づけられなかった。このスキームに示されているとおり、二官能性生成物の1つだけの保護基を選択的に開裂することは不可能であるが、スキーム4に示されているとおり、反応は直接的にセコ−薬物を生成し、これは直ちにさらに反応して、薬物18になる。
しかしながら、当技術分野に記載の二官能性化合物は、抗体のような結合部分に対称に、すなわち、二官能性化合物の両方のCBIサブユニット上で結合する。しかしながら、2つのサブユニットの両方のコンジュゲーション側に異なる官能基を有する二官能性プロドラッグを提供することが望ましい。
本発明の目的は、ADC療法に適した不均一な誘導体化を可能にする、デュオカルマイシンのアナログをベースとするADC療法用の新たな二官能性プロドラッグを提供することである。
したがって、本発明は、ADC療法のための前記アナログの合成について記載する。二官能性プロドラッグの1つのサブユニットに抗体をコンジュゲートすることは可能であることは認められているので、プロドラッグを有効薬物に変換するために必要な必要とされるWinstein環化のために他方のOH基を欠くことなく、2個のOH基のうちの少なくとも1個への結合を達成することは、他の目的のためにも利用可能である。したがって、第2のサブユニットの第2のOH基では、抗体または任意の結合部分が二官能性プロドラッグに結合していながらも、後続のWinstein環化を可能にする必要な部分を含む二官能性プロドラッグを提供することが可能である。さらに、異なるように官能基でコンジュゲートされる、したがって、異なる時点での2つのCBIサブユニットのWinstein環化が可能である不均一な二官能性プロドラッグを提供することも企図し得る。
本発明による化合物は、たとえば抗体を結合させるために、ペイロードまたは薬物へのいずれの追加の官能基の導入も必要としない。ドイツ特許第10 2015 118 490号の教示に反して、抗体のような結合部分の結合は、リンカー部分においてではなく、プロドラッグの2つのサブユニットのうちの少なくとも1個においてである。
従来技術に記載の化合物はすべて、コンジュゲーション側に同じ官能基を有し、したがって、開裂および癌細胞の動員において同じ分子機構を有するであろう。
ところが本発明は、有効薬物へのプロドラッグの活性化および変換にはその開裂が必要である2つのサブユニットの2個のOH基を独立して異なるように修飾することを可能にする。
したがって、第1側面において、一般式Iの化合物
Figure 2020529446
[式中、
Halは、F、Cl、Br、またはIである;
Rは、H、または置換されていてもよいC〜Cアルキル基、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいC〜CアルキルカルボキシC〜Cアルキル基、Hal、CN、置換されていてもよいC〜Cアルキルスルホニル基、置換されていてもよいアリールスルホニル基、または後記で定めるNR基である;
は、HまたはC〜Cアルキル基もしくはC〜Cアルコキシ基である;
は、保護基である;
Lは、共有結合のための連結基であり、Lは一般構造Z−Y−Z’を有する;
ZおよびZ’は相互に独立に、C=O、OC=O、SO、NRz、NRC=O、C=ONRから選択され、各Rは相互に独立に、H、置換されていてもよいC〜Cアルキル基または置換されていてもよいC〜Cアシルから選択される;
Yは、置換されていてもよいC〜C10アルキル基、構造(VIII)
Figure 2020529446
の基であり、
式中のoおよびpは、相互に独立に、1〜20の整数から選択され、それによって、oおよびpは、同じ整数または異なる整数であってよく、Xは、i)N、SもしくはO、またはii)アリール基もしくはヘテロアリール基であり、[C(Rおよび[C(Rは、前記アリール基または前記ヘテロアリール基のメタ位に存在する、
各Rは相互に独立に、Hまたは置換されていてもよいC〜Cアルキル基または置換されていてもよいC〜Cアシル基から選択される]
を合成するための方法であって、
式IIの化合物
Figure 2020529446
[式中、
R、R、およびHalは、上記のとおりに定義され、Xは、上記のXと同一でも異なってもよい保護基である]
を脱保護剤と反応させて、式IIの化合物からX基を脱保護する工程と;
続いて、脱保護された式IIの化合物を式IIIの化合物
Figure 2020529446
[式中、
置換基Hal、R、XおよびRは上記のとおりに定義され、Lは、上記で定義したとおりの連結基であり、Rは、Hal、特に、ClおよびBr、およびOHから選択される]と、カップリング剤および塩基の存在下で反応させて、式Iの化合物を得る工程とを含む方法を提供する。
さらなる一側面において、本発明は、第2のサブ基の他方のOH基は保護されているままで、二官能性化合物の一方のサブユニットの遊離OH基を介して抗体部分のような結合部分のカップリングを可能にする化合物を提供する。
別の側面では、本発明による式Iの化合物を使用してADCを調製するための方法が記載される。加えて、本発明による方法によって得られる前記抗体化合物コンジュゲートを提供する。さらに、2つの同一か、または2つの異なる抗体部分および式Iによる化合物から構成されるADCコンジュゲートを調製するための方法、さらに、この方法によって得られる前記ADCを提供する。
最後に、本発明による化合物および本発明によるADCを含有する医薬組成物、さらに、腫瘍を処置するための、たとえばADEPT療法またはADC療法で使用するための本発明による化合物または本発明によるADCの使用が記載される。
スキーム1は、一般式Iの化合物に到達するための本発明による方法の反応を示している。
本発明者らは、癌治療に適切な化合物のための新たな中間体およびプロドラッグを合成するための方法を提供することを目的としている。
第1側面において、一般式Iの化合物
Figure 2020529446
[式中、
Halは、F、Cl、Br、またはIである;
Rは、H、または置換されていてもよいC〜Cアルキル基、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいC〜CアルキルカルボキシC〜Cアルキル基、Hal、CN、置換されていてもよいC〜Cアルキルスルホニル基、置換されていてもよいアリールスルホニル基、または後記に定めるNR基である;
は、HまたはC〜Cアルキル基もしくはC〜Cアルコキシ基である;
は、保護基である;
Lは、共有結合のための連結基であり、Lは、一般構造Z−Y−Z’を有する;
ZおよびZ’は相互に独立に、C=O、OC=O、SO、NRz、NRC=O、C=ONRから選択され、各Rは相互に独立に、H、置換されていてもよいC〜Cアルキル基または置換されていてもよいC〜Cアシルから選択される;
Yは、置換されていてもよいC〜C10アルキル基、構造(VIII)
Figure 2020529446
の基であり、
式中のoおよびpは相互に独立に、1〜20の整数から選択され、それによって、oおよびpは、同じ整数または異なる整数であってよく、Xは、i)N、SもしくはO、またはii)アリール基もしくはヘテロアリール基であり、[C(Rおよび[C(Rは、前記アリール基または前記ヘテロアリール基のメタ位に存在する、
各Rは、相互に独立に、Hまたは置換されていてもよいC〜Cアルキル基または置換されていてもよいC〜Cアシル基から選択される]
を合成するための方法であって、
式IIの化合物
Figure 2020529446
[式中、
R、R、およびHalは、上記のとおりに定義され、Xは、上記のXと同一でも異なってもよい保護基である]
を脱保護剤と反応させて、式IIの化合物からX基を脱保護する工程と;
続いて、脱保護された式IIの化合物を式IIIの化合物
Figure 2020529446
[式中、
置換基Hal、R、XおよびRは上記のとおりに定義され、Lは、上記で定義したとおりの連結基であり、Rは、Hal、特に、ClおよびBr、およびOHから選択される]と、カップリング剤および塩基の存在下で反応させて、式Iの化合物を得る工程とを含む方法を提供する。
ここで、本発明は、二官能性CBIをベースとするプロドラッグの2つのサブユニットのベンゾインドールの5’位にある2個のOH基を独立に、かつ異なるように修飾することを可能にする。前記2個のOH基の少なくとも1個の開裂が、有効薬物への前記1つのサブユニットの活性化および変換に必要とされる。
本発明を用いて調製することができるADCはたとえば抗体部分および本発明による式Iの化合物、またはXがHであるか、またはたとえばXがテトラアセチル−ベータ−D−ガラクトシドであるときには、X残基が脱保護され、脱保護されたXがベータ−D−ガラクトシドである脱保護される化合物から構成される。
結合した抗体は最初に、リソソーム内の低pHでpH不安定基を介して開裂され得、続いて、毒性CBIユニットへの最初の再編成が生じる。第2の工程において、第2の毒性CBIユニットの再編成は、リソソームにおける、しかし同じく他の細胞構成要素、たとえば小胞体におけるβ−ガラクトシダーゼ活性に基づくXユニット、たとえばガラクトースユニットの酵素的開裂によって開始され得、それによって、細胞毒を誘発する。2工程活性化、すなわち、第1の有毒相、続く、第2の有毒相は、より良好か、またはより長期の有効性をもたらすことによって、または副作用がほとんどないか、またはより少ないことで、有利であり得るであろう。
式Iによる化合物は、抗体を1個のみのフェノールOH基に、または両方の基に結合することを可能にする。たとえば両方のOH基が抗体とコンジュゲートされる場合、本発明は、両側に異なる抗体をコンジュゲートすることを可能にする。これは、2種の異なる腫瘍特異的エピトープを用いることができるという利点を有し、ADC療法の特異性をさらに上昇させるであろう。
したがって、本発明による方法が、工程を概説するスキーム1に示されている。すなわち、式IVによる化合物(13)[式中、Xは、保護ガラクトシドである、すなわち、アセチル基によって保護されており、Xは、Bocであり、Rは、Hであり、かつRは、Hである一方で、Halは、Clである]は、化合物11を化合物12と反応させることによって得られ、したがって、2個の保護基XおよびXを有する構造IIIの化合物13が生じる。化合物13を、構造VIIを例示している化合物14[式中、RおよびRは、Clであり、ZおよびZ’は、C=Oであり、Yは、プロピル基である]と反応させる。
得られた化合物15は、式IIIの一例であり、この場合、RおよびRは、Hであり、Halは、Clであり、およびLはZおよびZ’と共に、C=Oであり、Yは、(CHであり、Rは、OHであり、Xは、テトラ−アセチル−ベータ−D−ガラクトシドである。
次いで、初めに11をCHCl中でBFOEtで脱保護し、その後、脱保護された化合物11を塩基およびカップリング剤、この場合はDIPEAおよびPyBroPの存在下で化合物15と反応させることによって、式IIIの構造に対応する化合物15を、構造IIに対応する化合物11[式中、RおよびR=H、X=BocおよびHal=Cl]と反応させて、Xがテトラ−アセチル−ベータ−D−ガラクトシドであり、RおよびRがHであり、HalがClであり、LがZであり、Z’がC=Oであり、Yはが(CHである一般式Iの化合物に到達する。
特に、本発明者らは、化合物15を化合物11と選択的に反応させて、化合物16を高い収率で得ることができることが可能であることを認めた。
本発明の一態様において、XおよびXの保護基は相互に独立に、酸化によって開裂可能なtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、トシル、ノシル、トリメチルシリル、ジメチルtertブチルシリル、炭水化物単位、たとえばフラノース、ピラノース、ガラクトシドを含む保護された単糖、二糖または三糖、たとえばベータ−D−ガラクトシド、ベータ−D−グルクロン酸、ベータ−D−グルコシド、アルファ−D−マンノシド、フコース、カルバメート含有部分、アセタール含有部分、またはエーテル含有部分から選択される。
本明細書で使用される場合、用語「抗体」は、天然に存在するまたは組換え抗体を、他にも抗体フラグメントを指す。本発明の一態様において、抗体は、ヒト化抗体または抗体フラグメントである。当業者は、適切な抗体および抗体フラグメントならびにその作成を十分に知っている。必要な場合には、抗体または抗体フラグメントは、同じベンゾインドール(benzolindol)OH基を介しての結合も、そこでの開裂も可能にするように修飾される。さらに、抗体または抗体フラグメントは、同じベンゾインドール基を介しての結合も、そこでの開裂も可能にする適切なリンカー領域を含んでもよい。その例は、当技術分野で、たとえばWO2017/072295A1で公知である。
「抗体−化合物コンジュゲート」という用語では、抗体と本発明による化合物とのコンジュゲートが意味されている。その化合物は、プロドラッグまたは薬物であってもよい。したがって、本発明による抗体−化合物コンジュゲートの一態様は、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)である。
特に、本明細書で使用される場合のアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリルスルホニル、アリールスルホニル、アルコキシおよびアシルに関する用語「置換された」は、前記基が、OH、=O、=S、=NR、=N−OR、S、NH、NO、NO、N、CF、CN、OCN、SCN、NCO、NCS、C(O)NH、C(O)H、C(O)OH、ハロゲン、R、SR、S(O)R、S(O)OR、S(O)、S(O)OR、OS(O)R、OS(O)OR、OS(O)、OS(O)OR、OP(O)(OR)(OR)、P(O)(OR)(OR)、OR、NHR、N(R)RN(R)(R)R、Si(R)(R)R、Si(R)(R)(R)、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)N(R)R、N(R)C(O)R、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)N(R)Rおよびこれらの置換基のチオ誘導体またはこれらの置換基のプロトン化もしくは脱プロトン化形態から選択される1個または複数の置換基で置換されていることを指し、ここで、R、R、およびRは、Hおよび置換されていてもよいC1〜15アルキル、C1〜15ヘテロアルキル、C3〜15シクロアルキル、C3〜15hヘテロシクロアルキル、C4〜15アリール、もしくはC4〜15ヘテロアリール、またはそれらの組合わせから相互に独立に選択され、R、RおよびRのうちの2個以上は相互に結合して、シクロアルキル(cylcoalkyl)アリルまたはヘテロ環を形成していてもよい。
別段に同定されていない限り、本明細書で使用される場合の用語「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和炭化水素を指し、好ましくは、アルキル基は、1〜12個、たとえば1〜10個の炭素原子、すなわち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子、たとえば1〜6個または1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ビニル(venyl)、アリル(alyl)、1−ブテニル、2−ブテニル(butenly)、イソブテニル、ペンチニルなどである。
用語「アリール」または「芳香環」は、芳香族環式炭化水素のモノラジカルを指す。好ましくは、アリール基は、3〜14個(たとえば5〜10個、たとえば5、6または10個)の炭素原子、より好ましくは6〜10個の炭素原子を含有する。これらは、1つの環、たとえばフェニル、または2つ以上の縮合環(たとえばナフチル)に配置されていてよい。好ましくはアリールは、6個の炭素原子を含有する単環式環または10個の炭素原子を含有する芳香族二環式環系を指す。一部の態様において、アリールは非置換であり、一部の態様において、アリールは置換されている。
本明細書で使用される場合の用語「シクロアルキル」は、1、2またはそれ以上の環を含む飽和または不飽和、非芳香族シクロアルキルを指す。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキソニル(cyclohexonyl)などが含まれる。
本明細書で使用される場合の用語「ヘテロアルキル」は、炭素の少なくとも1個がヘテロ原子で置換されている直鎖または分枝鎖の飽和または不飽和炭化水素を指す。ヘテロ原子は好ましくは、S、N、O、およびPから選択される。
用語「ヘテロアリール」は、1つまたは複数の縮合芳香環系から構成される芳香族モノラジカルを指す。その際、炭素原子の少なくとも1個が、ヘテロ原子で置換されている。適切なヘテロ原子には、O、N、SまたはPが含まれる。
本明細書で使用される場合の用語「アシル」は、一般式Rac−CH=O−[式中、Racは、置換されていてもよい炭化水素ラジカル、特に、C〜C炭素原子を有する炭化水素鎖を指す]を有する官能基を指す。
用語「アルキルスルホニル」または「アリールスルホニル」は、SO残基を含有するアルキルまたはアリール基を指す。
本明細書で使用される場合、本明細書全体を通じて、用語「ハロゲン」または「ハロ」または「Hal」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
保護基は、官能基を有するか、または官能基であってもよい。Xの官能基は、開裂可能な基質であってもよく、本明細書で使用される場合の開裂可能な基質は、適切な条件下で、すなわち、後記で同定されるとおりに、酵素的消化または他の物理的もしくは化学的開裂によって開裂可能である構造を指す。すなわち、置換基Xが基質の形態の官能基である場合、前記基質の開裂は、それに応じて、細胞内で、プロドラッグを有効薬物に変換するリソソームまたは他の細胞コンパートメントのような特定のコンパートメント内においての開裂であってよい。官能基は、フラノースおよびピラノースまたはフコースのような炭水化物単位を含む。さらに、官能基は、二糖または三糖である。本発明の一態様において、官能基は、ガラクトシダーゼによって開裂可能なガラクトシドである。
本発明の一側面において、置換基Halは、Cl(クロロ)であり、および/またはRは、Hであり、および/または各Rは、Hである。
別の本発明の態様において、保護基Xは、tert−ブチルオキシカルボニルであり、Xは、テトラ−アセチル−ベータ−D−ガラクトシドである。加えて、本発明の一態様において、保護基Xは、tert−ブチルオキシカルボニルである。
本明細書で定義される場合の保護基X、XおよびXは、官能基、保護された単糖、二糖もしくは三糖またはオリゴ糖、特に、そのデオキシ誘導体またはアミノ誘導体であってもよいヘキソース、ペントースまたはヘプトースから相互に独立に選択されてよい。これらの置換基は、ハロゲン、Cアルキル、C1〜8アシル、C1〜8ヘテロアルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7ヘテロシクロアルキル、C4〜12アリールまたはC4〜12ヘテロアリール、アミノまたはアミド基の置換基でさらに置換されていてもよい。もちろん、セミアセタールおよびアセタール、ベンジル基および置換ベンジル基から選択される不安定な置換基のような他の適切な置換基も可能であり得る。
さらなる一態様において、前記方法は、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させるために存在する塩基がジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミンまたはピリジンから選択される方法である。
もちろん、他の適切な塩基が本発明によって使用され得、相応して当業者は、適切な塩基を十分に知っている。
さらに、カップリング剤は、ホスホニウム剤を含む公知のカップリング剤から選択され得る。適切なホスホニウム剤には、PyCloP、PyBroP、PyBoP、PyAoPとして公知の化合物が含まれる。
別の態様において、本発明の方法では、部分Lは、一般構造VI[式中、nは、1〜10の整数である]を有する。一態様では、nは、1〜5の整数、たとえば1、2、3、4および5、特に3である。
別の態様では、本発明は、式IIIの化合物が、IVの化合物
Figure 2020529446
[式中、X、R、RおよびHalは、上記のとおり定義され、Xは、Xについて定義されたとおりの保護基であり、XおよびXは、相互に異なる]を一般式VIIの化合物
VII R−L−R
[式中、Lは、一般構造Z−Y−Z’を有し、
Z、YおよびZ’は、上記のとおり定義され、RおよびRは相互に独立に、ClまたはBrのようなハロゲン、またはOH基から選択される]と反応させることによって得られ、その際、第1の工程で、式IVの化合物を脱保護剤と反応させることによって、式IVの化合物をX基で脱保護し、続いて、脱保護された式IVの化合物を塩基の存在下で式VIIの化合物と反応させて式IIIの化合物を得る、本発明による方法に関する。
上記のスキーム1に関して論述したとおり、保護基XをたとえばBocの形態で含有する一般式IVによる化合物は、公知の方法によって、たとえばルイス酸を使用することによって脱保護される。
すなわち、保護基を含有する化合物の脱保護は、ルイス酸またはブレンステッド酸を用いることによって達成され得る。当業者は、適切な酸を十分に知っている。別法では、カルボキシベンジル基(cbz基)のような保護基は、Pd含有触媒のような触媒の存在下でHを用いて脱保護され得る。
次いで、脱保護された構造IVは、一般式VIIの化合物と反応し得る。
一般式VIIでは、ZおよびZ’、さらにYの定義は、上記で定義されたとおりであり、たとえば構造Z−Y−Z’は、一般構造VIに関して定義されたとおりのLである。
およびRは、脱離基、たとえばClおよびBrが含まれるハロゲンまたはカルボキシル基の一部としてのヒドロキシル基である。
塩基は、ジイソプロピルアミン(DIPEA)、トリエチルアミンまたはピリジンのような、上記で定義したとおりの塩基であってよい。当業者は、この反応に有用な適切な塩基を十分に知っている。
さらなる一側面において、本発明は、本発明による方法によって得られる式Iの化合物に関する。
本発明による化合物は、一般式Iの二官能性化合物の一方のベンゾインドール基に遊離ヒドロキシル基を有する一方で、ベンゾインドール基の第2の部分上の対応する置換基は保護基を介して保護されていることにおいて特徴づけられる。
本発明による式Iの化合物は、X自体が保護または非保護形態にある、たとえば単糖または二糖または三糖またはオリゴ糖の場合には、糖が保護されているか、または保護されていない化合物を包含する。たとえば保護基テトラ−アセチル−ベータ−D−ガラクトシドの場合、テトラ−アセチル置換基は存在しなくてもよく、したがって、Xは、遊離ベータ−D−ガラクトシドである。
上記のとおりの式Iの化合物は、たとえば一般に少なくとも1個の官能基を含む抗体または結合部分が存在する抗体−化合物コンジュゲートを調製するために適している。本明細書で定義する場合の結合部分には、結合パートナーへの特異的結合を可能にする抗体または抗体フラグメントが含まれる。一般に、結合部分は、リガンド受容体のような結合対を含む結合対をもたらす結合パートナーへの結合、癌特異的エピトープへの結合、および老化細胞特異的エピトープへの結合を可能にする任意のリガンドを含んでよい。
さらに、保護基は、プラスミン、カテプシン、カテプシンB、ベータ−グルクロニダーゼ、ガラクトシダーゼ、マンノシダーゼ、グルコシダーゼ、ノイラミダーゼ、サッカロシダーゼ、マルターゼ、フルクトシダーゼ、グリコシラーゼ、前立腺特異的抗原、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(u−PA)、メタロプロテイナーゼ、シトクロムP450またはADEPTのような酵素産物療法(enzyme product therapy)で使用される他の酵素を含む酵素による酵素消化、たとえばタンパク質分解、酸化または還元開裂で放出され得る基質の形態の官能基であってもよい。
さらなる一側面において、本発明は、抗体部分を式Iによる化合物に、式Iのベンゾインドール基の5位にある遊離OH基を介してカップリングする工程を含む、抗体部分および式Iによる、特に本明細書で定義するとおりの化合物から構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製するための方法に関する。
前記方法は、2つの部分の一方には、遊離OH基が式Iのベンゾインドール基の5位に存在する一方で、第2の部分の第2のベンゾインドール基の5位にある他のOH基は保護基、たとえば官能基で保護されていて、その際、前記保護基自体も保護されていても保護されていなくてもよい式Iの化合物を出発物質として使用することを含む。
加えて、本発明は、本発明による方法によって得られる抗体−化合物コンジュゲートに関する。一側面では、この抗体−化合物コンジュゲートは、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)である。
さらなる一側面において、本発明は、2つの同一か、または2つの異なる抗体部分およびXが存在しないか、または存在する式Iによる化合物から構成されるADCを調製するための方法であって、本発明による抗体−化合物コンジュゲートを供給する工程と、任意選択で、本明細書に記載のとおりにX基を脱保護剤で脱保護する工程と、第2の抗体部分を本発明による抗体−薬物コンジュゲートに、式Iのベンゾインドール基の5位にある脱保護OH基を介して、またはXが存在するならば、脱保護X保護基を介してカップリングする工程とを含む方法に関する。たとえばXがガラクトシドである場合には、第2の抗体部分は、脱保護ガラクトシドを介して結合される。
一側面では、本発明による方法により得られる本発明による抗体−化合物コンジュゲートは、2つの異なる抗体部分を含有する。
さらなる一側面において、本発明は、少なくとも1つの本発明による化合物を含有する化合物を含有する医薬組成物に関する。
一部の態様では、本明細書に開示のとおりに使用するための医薬組成物はさらに、少なくとも1種の医学的に許容される担体を含む。一部の態様では、本発明による化合物またはその医学的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物は、医学的に許容される担体中に含まれてもよい。
本明細書で使用される場合、本明細書全体を通じて、用語「担体」および「賦形剤」は、本明細書において互換的に用いられる。医学的に許容される担体または賦形剤には、希釈剤(充填剤、増量剤、たとえばラクトース、微結晶性セルロース)、崩壊剤(たとえばデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム)、結合剤(たとえばPVP、HPMC)、滑沢剤(たとえばステアリン酸マグネシウム)、流動促進剤(たとえばコロイド状SiO)、溶媒/補助溶媒(たとえば水性ビヒクル、プロピレングリコール、グリセロール)、緩衝剤(たとえばクエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩)、防腐剤(たとえば安息香酸Na、パラベン(Me、PrおよびBu)、BKC)、抗酸化剤(たとえばBHT、BHA、アスコルビン酸)、湿潤剤(たとえばポリソルベート、ソルビタンエステル)、消泡剤(たとえばシメチコン)、増粘剤(たとえばメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース)、甘味剤(たとえばソルビトール、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム)、香味剤(たとえばペパーミント、レモンオイル、バタースコッチなど)、保湿剤(たとえばプロピレン、グリコール、グリセロール、ソルビトール)が含まれる。当業者は、たとえば製剤および医薬組成物の投与経路に応じて、適切な医学的に許容される担体または賦形剤を容易に選択することができるであろう。
例示的な医学的に許容される担体または賦形剤の非排他的リストには、(生分解性)リポソーム;生分解性ポリマーポリ(D,L)−乳酸−コグリコール酸(PLGA)から作製されたマイクロスフェア、アルブミンマイクロスフェア;合成ポリマー(可溶性);ナノファイバ、タンパク質−DNA複合体;タンパク質コンジュゲート;赤血球;またはウイロゾームが含まれる。様々な担体ベースの剤形は、固体脂質ナノ粒子(SLN)、ポリマーナノ粒子、セラミックナノ粒子、ヒドロゲルナノ粒子、共重合ペプチドナノ粒子、ナノ結晶およびナノ懸濁液、ナノ結晶、ナノチューブおよびナノワイヤ、官能化ナノキャリア、ナノスフェア、ナノカプセル、リポソーム、脂質エマルジョン、脂質マイクロチューブ/マイクロシリンダー、脂質マイクロバブル、リポスフェア、リポポリプレックス、逆脂質ミセル(inverse lipid micelle)、デンドリマー、エトソーム(ethosome)、多成分の超薄カプセル、アクアソーム(aquasome)、ファーマコソーム(pharmacosome)、コロイドソーム(colloidosome)、ニオゾーム(niosome)、ディスコーム(discome)、プロニオソーム(proniosome)、マイクロスフェア、マイクロエマルジョンおよび高分子ミセルを含む。他の適切な医学的に許容される賦形剤は特に、Remington’s Pharmaceutical Sciences、15th Ed.、Mack Publishing Co.、New Jersey(1991)およびBauerら、Pharmazeutische Technologie、5th Ed.、Govi−Verlag Frankfurt(1997)に記載されている。
本発明の医薬組成物は一般に、特に生物学的利用能および持続性などの範囲で、特定の投与経路および方法のために、特定の投薬量および投与頻度のために、特定の疾患の特定の処置のために設計されるであろう。組成物の材料は好ましくは、投与部位で許容される濃度で製剤化される。
したがって製剤および組成物は、本発明に従って、任意の適切な投与経路による送達のために設計され得る。本発明の文脈では、投与経路には、
局所経路(皮膚上、吸入、経鼻、点眼、耳介/耳、膣、粘膜など)およびエアロゾル;
経腸経路(経口、胃腸、舌下、唇の下、頬側、直腸など);および
非経口経路(静脈内、動脈内、骨内、筋肉内、脳内、脳室内、硬膜外、髄腔内、皮下、腹腔内、羊膜外、関節内、心臓内、皮内、病巣内、子宮内、膀胱内、硝子体内、経皮、鼻腔内、経粘膜、滑液嚢内、管腔内など)が含まれる。
一部の態様において、投与は、非経口経路、特に静脈内または筋肉内であってもよい。
一部の態様では、本明細書に開示のとおりの医薬組成物は、それを必要とする対象に、癌を処置するために有効な量で投与される。対象は好ましくは、哺乳類である。
本明細書で使用される場合、本明細書全体を通じて、用語「対象」は、動物のような真核生物を意味し、温血哺乳類、たとえば、ヒトおよび霊長類;トリ;ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマおよびブタなどの家庭内動物または家畜;マウス、ラットおよびモルモットなどの実験動物;サカナ;爬虫類;動物園および野生の動物などを含む。対象は好ましくは、哺乳類、より好ましくはヒトである。
本明細書で使用される場合、本明細書全体を通じて、対象に投与するための組成物または剤形の文脈における用語「有効量」は、癌の処置において利益を得るために、癌と関連する症状を遅延させる、もしくは最小限にするために、または癌を治癒または改善させるために十分な組成物または剤形の量を指す。特に、治療有効量は、インビボで治療効果を提供するために十分な量を意味する。本発明の化合物の量と関連して使用される場合、好ましくは、という用語は、治療全体を改善する、疾患の症状もしくは原因を減少させる、もしくは回避する、または別の治療薬の治療効力もしくはそれとの相乗効果を増強する非毒性量を含む。
有効量はもちろん、処置を受ける特定の対象;状態、疾患または障害の重症度;年齢、身体状態、体格および体重を含む個々の患者パラメーター;処置の持続期間;同時療法(もしあるなら)の性質;特定の投与経路ならびに衛生従事者(health practitioner)の知識および経験の範囲内の同様の因子に依存するであろう。これらの因子は、当業者に周知であり、慣用的実験までで対処することができる。最大用量、すなわち、適正な医学的判断による最大の安全用量が使用されることが一般に好ましい。しかしながら、患者が医学的理由、精神的理由または実際には任意の他の理由で、より低い用量または許容可能な用量を主張することもあることは当業者に理解されるであろう。
さらなる一側面において、本発明は、老化関連障害または疾患を処置するための本発明による化合物の使用に関する。
本明細書で使用される場合、老化関連障害または疾患には、加齢性疾患および障害を含む、細胞老化と関連するか、またはそれに起因する障害または疾患が含まれる。老化関連疾患または障害は、老化細胞関連疾患または障害とも呼ばれ得る。老化の顕著な特徴は、分子、細胞、組織、および生物レベルで生じる段階的な機能低下、または変性である。加齢性変性は、サルコペニア、アテローム硬化症および心不全、骨粗鬆症、肺動脈弁閉鎖不全症、腎不全、神経変性(黄斑変性、アルツハイマー病、およびパーキンソン病を含む)、ならびに多くの他の病態などのよく認識されている病態を生じさせる。
老化関連疾患および障害には、これに限定されないが、心臓血管疾患および障害、炎症性疾患および障害、自己免疫疾患および障害、肺疾患および障害、眼疾患および障害、代謝性疾患および障害、神経疾患および障害(たとえば神経変性疾患および障害);老化によって誘導される加齢性疾患および障害;皮膚状態;加齢性疾患;皮膚疾患および障害;ならびに移植関連疾患および障害が含まれる。
好ましくは、対象は、哺乳類、好ましくはヒトである。
本発明の好ましい一態様において、老化関連疾患または障害は、リンパ腫を含む癌または白血病などの増殖性障害である。別の好ましい態様において、老化関連疾患または障害は、心臓血管疾患である。老化関連疾患または障害の本発明のさらなる態様は、炎症性または自己免疫疾患または障害である。
別の態様は、老化関連疾患または障害としての神経疾患または障害に関する。さらなる老化関連疾患または障害には、眼疾患および障害、ならびに代謝性疾患および肺疾患または障害が含まれる。
さらなる老化関連疾患または障害は、加齢関連障害、さらには皮膚疾患または障害ならびに寿命(lifespan)および加齢性疾患または状態に関する。さらに、本出願、すなわち、Xがたとえばガラクトシドである本発明による化合物の使用は、β−ガラクトシダーゼ活性の上昇と相関または関連する疾患または障害に関する。
さらに、本発明は、特に哺乳類において腫瘍を処置するための本発明による化合物の使用に関し、その使用は特に、ADEPT療法において可能である。
さらに、本発明は、抗体−薬物コンジュゲートを調製するための式Iによる化合物の使用に関する。
本発明がさらに、例として記載されるが、それらは、本発明をその例に限定するものではない。
実験手順
一般方法
別段に述べられていない限り、実験を大気下で行った。試薬は市販品供給元から入手し、精製せずに使用した。無水CHCl(分析グレード、Fischer Scientific)およびTHF(AnalR NORMAPUR、VWR)を、真空炉(Heraeus Instruments製のVacutherm 6025)乾燥した3Å分子ふるいをアルゴンフラッシュしたボトルに添加することによって得た。DMF(ペプチド合成グレード、Fischer Scientific)を終始、使用した。NMRスペクトルをVarian製のMercury−300、Unity−300、Inova−500およびInova−600分光計およびBruker製のAMX−300分光計で記録した。化学シフトは、百万分率(ppm)で高周波から低周波まで、内部基準として残留溶媒ピーク(DMSO=2.50ppm)を用いて報告される。
すべてのH共鳴は、最近接0.01ppmまで報告される。Hシグナルの多重性は次のとおり示されている:s=一重項;d=二重項;t=三重項;q=四重項;sept=七重項;m=多重項;br=ブロード;app=見掛け;またはそれらの組合わせ。結合定数(J)はHzで示され、最近接0.1Hzまで報告される。適切な場合には、多重性を示すピークからのシグナルの平均を使用して、結合定数の値を計算した。13C NMRスペクトルを同じ分光計で、内部基準としての溶媒ピーク(DMSO=39.52ppm)の中心共鳴と共に記録したが、13C共鳴は最近接0.01ppmまで報告される。構造決定およびスペクトル指定を助けるために、DEPT、COSY、HSQCおよびHMBC実験を使用した。完全に特徴づけられた化合物はクロマトグラフィーによると均質であった。フラッシュカラムクロマトグラフィーを自動システム(Biotage製のIsolera One)で、Biotage SNAP Flash Cartridges KP−Sil(Silica 55Å、53μm、96.95%が30〜90μm)またはInterchim PF−15SIHP(高性能球形シリカ、15μm)を固定相として使用して実施した。分取TLCを、Silica Gel GF UV254 20×20cm 2000ミクロンプレート(Analtech)またはRP−18W/UV254 5×20cm 250ミクロンプレート(Macherey−Nagel)を使用して行い、より少量(<10mgの粗製の物質)を分析用TLCシリカゲル60 F254プレート(Merck、ドイツ)で精製した。TLCを、短波および長波紫外線の両方を標準実験室用染色液(酸性過マンガン酸カリウム、酸性モリブデン酸アンモニウムおよびニンヒドリン)と組合わせて使用して可視化した。ESI−MSおよびESI−HRMSスペクトルをBruker Daltronik製のApex IV分光計で記録した。EI−MSおよびEI−HRMSスペクトルをFinnigan製のMAT95分光計で記録した。融点(Mp)を、Standford Research Systems製のEZ−Melt Automated Melting Point Apparatusを使用して決定したが、補正していない。IRスペクトルを、Jasco製のFT/IR−4100分光計で記録した。すべての物質を無溶媒でATRユニットに施与した。UVスペクトルをJasco製のV−630分光計で記録した。旋光性をJASCO P−2000旋光計で測定した。測定を、ナトリウムランプ(λ589nm、D線)を使用して行い;
Figure 2020529446
値を、10deg cm−1、100mlあたり1gの濃度(c)で記録した。分取HPLCをKromasil 100 C18(粒径7.5μm、250×200mm、Dr.Maisch GmbH)カラムで、二成分ポンプ(binary pump)およびUV−検出器を備えたJasco HPLCシステムで行った。分析用HPLCをKromasil 100 C18(粒径5.0μm、250×4mm、Dr.Maisch GmbH)またはChiralpak IA(粒径5μm、250×4.6mm、Daicel Corporation)カラムで、UV−およびDAD−検出器を備えたJasco HPLCシステムで行った。
別段に記述のない限り、水素化を室温で、ThalesNano Nanotechnology H−Cubeシステム(Pd/C10重量%担持セル)で、完全水素モードにおいて1.0mL/分の流速で実施した。
tert−ブチル(S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−カルボキシレート(11)
Figure 2020529446
CBI11のベンジルエーテル(200mg、0.472mmol)およびPd/C(10重量%担持、100mg、0.940mmol)を含有するアルゴン充填フラスコに、乾燥THF(20mL)を添加した。アルゴンをバルーンで水素に慎重に置き換え、反応混合物を10時間40℃に加熱した。混合物をセライト上で濾過し、残渣をEtOAc(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc、94:6)によって精製して、標題化合物(113mg、0.340mmol)を白色の固体として収率72%で得た。
0.45(CHCl/EtOAc、92:8)、脱塩素化生成物では0.39。
(2R,3S,4S,5R,6S)−2−(アセトキシメチル)−6−(((S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(13)
Figure 2020529446
ナフトール11(138mg、0.413mmol)、テトラアセチル−β−D−ガラクトシルトリクロロアセトイミデート12(265mg、0.537mmol)および3Å分子ふるいを装入したフラスコに、乾燥CHCl(21mL)をアルゴン雰囲気下で添加した。混合物を30分間撹拌し、乾燥CHCl(2.0mL)中の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(26μL、0.21mmol)溶液を−10℃で添加した。反応混合物を3時間、−10℃で撹拌し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(PET/EtOAc、1:0〜1:1)によって精製して、所望の化合物(223mg、0.336mmol)を白色の固体として収率81%で得た。
5−((S)−1−(クロロメチル)−5−(((2S,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリアセトキシ−6−(アセトキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル)−5−オキソペンタン酸(15)
Figure 2020529446
CBIテトラアセチル−β−D−ガラクトシド13(50mg、0.075mmol)をCHCl(3.0mL)に入れ、2滴の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを0℃で添加した。反応混合物を室温にまで昇温させ、さらに2時間撹拌した。完了したら、混合物を減圧下で濃縮し、ペプチドグレードDMF(1mL)に溶解した。得られた溶液を0℃に冷却し、新たに調製したペプチドグレードDMF(1mL)中の二塩化グルタリル14(0.19g、1.1mmol)の溶液に0℃でゆっくり添加した。DIPEA(0.20mL)を滴下添加した後に、反応混合物を30分間撹拌し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、100:0〜96:4)によって、標題化合物(41mg、0.061mmol)を淡茶色の固体として収率80%で得た。
0.74(EtOAc)
Mp 155℃
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 8.29 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.56 (見かけ上t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.41 (見かけ上t, J = 7.4 Hz, 1H), 5.57 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 5.45-5.38 (m, 3H), 4.55 (dd, J = 7.5, 4.5 Hz, 1H), 4.34 (見かけ上t, J = 9.8 Hz, 1H), 4.26-4.14 (m, 3H), 4.07 (dd, J = 11.5, 7.8 Hz, 1H), 4.01 (dd, J = 10.9, 3.0 Hz, 1H), 3.88 (dd, J = 11.0, 7.4 Hz, 1H), 2.66-2.46 (m, 2H), 2.34 (見かけ上t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.83 (m, 2H)
13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 174.39, 170.69, 170.38, 170.12, 169.76, 169.56, 153.04, 141.77, 129.61, 127.74, 124.11, 122.99, 122.03, 121.97, 117.92, 101.43, 98.83, 70.92, 69.83, 68.53, 67.54, 61.84, 52.62, 47.73, 40.66, 34.24, 32.97, 20.59, 20.47, 20.43, 20.43, 19.57
HRMS(ESI)m/z計算値C3235ClNO13[M−H]:676.1797、実測値676.1797
(2R,3S,4S,5R,6S)−2−(アセトキシメチル)−6−(((S)−1−(クロロメチル)−3−(5−((S)−1−(クロロメチル)−5−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]インドール−3−イル)−5−オキソペンタノイル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]インドール−5−イル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート(16)
Figure 2020529446
CBI−テトラアセチル−β−D−ガラクトシド−ペンタ二酸モノアミド15(12mg、0.035mmol)をCHCl(2mL)に入れ、3滴の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを0℃で添加した。反応混合物を室温にまで昇温させ、脱保護をTLCによってモニターした。2時間後、反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製の固体を高真空下でさらに1時間維持した。酸5(20mg、0.030mmol)、分子ふるい(3Å)およびDMF(0.30mL)を溶液にアルゴン雰囲気下で添加した。得られた混合物を−20℃に冷却し、PyBroP(16mg、0.035mmol)およびDIPEA(15μL、0.089mmol)を順に添加した。反応混合物を−20℃で一夜維持し、翌日、0℃にまで昇温させた。反応物をさらに8時間、その温度で撹拌し、続いて、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PET/EtOAc、1:0〜3:7)によって精製して、16を淡茶色の固体(14mg、0.016mmol)として収率44%で得た。
0.51(EtOAc/PET、2:1)
Mp 155℃
旋光性
Figure 2020529446
1H-NMR (600 MHz, DMSO-d6): δ 10.31 (s, 1H), 8.33 (br s, 1H), 8.09 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.02 (br s, 1H), 7.94 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.56 (m, 1H), 7.49 (m, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.32 (m, 1H), 5.56 (m, 1H), 5.43-5.41 (m, 2H), 5.40 (m, 1H), 4.54 (dd, J = 7.1, 4.8 Hz, 1H), 4.38 (見かけ上t, J = 10.2 Hz, 1H), 4.33 (見かけ上t, J = 10.0 Hz, 1H), 4.27-4.21 (m, 2H), 4.20-4.13 (m, 3H), 4.10 (dd, J = 11.4, 7.7 Hz, 1H), 4.03 (dd, J = 11.1, 3.1 Hz, 1H), 3.99 (dd, J = 11.1, 3.0 Hz, 1H), 3.89 (dd, J = 11.1, 7.4 Hz, 1H), 3.79 (dd, J = 10.8, 8.3 Hz, 1H), 2.77-2.67 (m, 2H), 2.66-2.57 (m, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.08 (br s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.01-1.95 (m, 2H), 1.97 (s, 3H)
13C-NMR (126 MHz, DMSO-d6): δ 170.62, 170.37, 169.94, 169.72, 169.35, 169.16, 154.03, 152.79, 141.81, 141.53, 129.77, 129.41, 127.44, 126.98, 123.82, 122.90, 122.71, 122.42, 122.30, 121.90, 121.78, 121.46, 117.75, 113.56, 101.50, 99.70, 98.78, 70.75, 69.75, 68.48, 67.38, 61.57, 52.58, 52.58 47.53, 47.53 40.74, 40.74, 34.39, 25.03, 20.48, 20.34, 20.34, 20.30, 19.15
LRMS(ESI)m/z計算値C4546ClNaO13[M+Na]:915.3、実測値915.3(100)、C4547Cl13[M+H]:893.3、実測値893.2(24)
HRMS(ESI)m/z計算値C4546ClNaO13[M+Na]:915.2269、実測値915.2263

Claims (15)

  1. 一般式Iの化合物
    Figure 2020529446
    [式中、
    Halは、F、Cl、Br、またはIである;
    Rは、H、または置換されていてもよいC〜Cアルキル基、置換されていてもよいC〜Cアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいC〜CアルキルカルボキシC〜Cアルキル基、Hal、CN、置換されていてもよいC〜Cアルキルスルホニル基、置換されていてもよいアリールスルホニル基、または後記で定めるNR基である;
    は、HまたはC〜Cアルキル基もしくはC〜Cアルコキシ基である;
    は、保護基である;
    Lは、共有結合のための連結基であり、Lは、一般構造Z−Y−Z’を有する;
    ZおよびZ’は相互に独立に、C=O、OC=O、SO、NRz、NRC=O、C=ONRから選択され、各Rは相互に独立に、H、置換されていてもよいC〜Cアルキル基または置換されていてもよいC〜Cアシルから選択される;
    Yは、置換されていてもよいC〜C10アルキル基、構造(VIII)
    Figure 2020529446
    の基であり、
    式中のoおよびpは相互に独立に、1〜20の整数から選択され、oおよびpは、同じ整数または異なる整数であってよく、Xは、i)N、SもしくはO、またはii)アリール基もしくはヘテロアリール基であり、[C(Rおよび[C(Rは、前記アリール基または前記ヘテロアリール基のメタ位に存在し、
    各Rは相互に独立に、Hまたは置換されていてもよいC〜Cアルキル基または置換されていてもよいC〜Cアシル基から選択される]
    を合成するための方法であって、
    式IIの化合物
    Figure 2020529446
    [式中、
    R、R、およびHalは、上記のとおりに定義され、Xは、上記のXと同一でも異なってもよい保護基である]
    を脱保護剤と反応させて、式IIの化合物からX基を脱保護する工程と;
    続いて、脱保護された式IIの化合物を式IIIの化合物
    Figure 2020529446
    [式中、
    置換基Hal、R、XおよびRは上記のとおりに定義され、Lは、上記で定義したとおりの連結基であり、Rは、Hal、特に、ClおよびBr、およびOHから選択される]と、カップリング剤および塩基の存在下で反応させて、式Iの化合物を得る工程とを含む方法。
  2. およびXの保護基が相互に独立に、酸化によって開裂可能なtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、トシル、ノシル、トリメチルシリル、ジメチルtertブチルシリル、ベータ−D−ガラクトシド、ベータ−D−グルクロン酸、ベータ−D−グルコシド、アルファ−D−マンノシド、フコースを含む保護された単糖、二糖もしくは三糖、カルバメート含有部分、アセタール含有部分、またはエーテル含有部分を含む官能基から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. Halが、Clであり、および/またはRが、Hであり、および/またはRが、Hである、請求項1または2に記載の方法。
  4. が、tert−ブチルオキシカルボニルであり、Xが、テトラアセチル−ベータ−D−ガラクトシドである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 塩基が、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンから選択される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. カップリング剤がホスホニウム剤である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. Lが、一般構造VI
    Figure 2020529446
    [式中、nは、1〜10の整数である]を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 式IIIの化合物を、IVの化合物
    Figure 2020529446
    [式中、X、X、R、RおよびHalは、上記のとおり定義され、Xは、Xについて定義されたとおりの保護基であり、XおよびXは、相互に異なる]を一般式VIIの化合物
    VII R−L−R
    [式中、Lは、Z−Y−Z’であり、Z、YおよびZ’は、上記のとおり定義され、RおよびRは相互に独立に、ClまたはBrのようなハロゲン、またはOH基から選択される]と反応させることによって得、
    第1の工程で、式IVの化合物を脱保護剤と反応させることによって、式IVの化合物をX基で脱保護し、続いて、脱保護された式IVの化合物を塩基の存在下で式VIIの化合物と反応させて式IIIの化合物を得る、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法によって得られる式Iの化合物。
  10. 抗体部分と、式Iによる、特に請求項9による化合物とから構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製するための方法であって、抗体部分を式Iによる化合物に、式Iのベンゾインドール基の5位にある遊離OH基を介してカップリングする工程と、
    任意選択で、X1基またはXに存在する保護基を脱保護する工程とを含む方法。
  11. 請求項10に記載の方法によって得られる抗体−化合物コンジュゲート。
  12. 2つの同一か、または2つの異なる抗体部分および本明細書で定義するとおりの式Iによる化合物から構成される抗体−薬物コンジュゲートを調製するための方法であって、
    請求項11に記載の化合物を供給する工程と、
    任意選択で、脱保護剤でX1基を、またはX基に存在する保護基を脱保護する工程と、
    第2の抗体部分を請求項11に記載の抗体−薬物コンジュゲートに、式Iのベンゾインドール基の5位にある脱保護OH基を介して、またはXが存在するならば、脱保護されたX保護基を介してカップリングする工程とを含む方法。
  13. 2つの異なる抗体部分を含有する、請求項12に記載の方法により得られる抗体−化合物コンジュゲート。
  14. 請求項10に記載の化合物または請求項11もしくは13に記載の抗体−化合物コンジュゲートを含有する医薬組成物。
  15. 抗体−薬物コンジュゲート(ADC)を調製するための、式Iによる化合物の使用。
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