JP2020526331A - 抗菌または創傷ケア材料、装置および使用 - Google Patents

抗菌または創傷ケア材料、装置および使用 Download PDF

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Abstract

放出面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクスと、抗菌添加剤または創傷ケア添加剤を含む粉末装薬成分とを含む、マトリクス成分の複合材である抗菌材料であって、該粉末装薬は一つの該面または該面の両方、および/または該セルネットワーク内に含まれ、該複合材は予め形成されたマトリクス成分と粉末装薬成分のアセンブリである、抗菌材料、およびその内部の該粉末装薬の分布に鑑みて非対称的である、非対称的な材料、および該粉末装薬が流動剤および/または増量剤および/または結合剤を含み、該添加剤および/または流動剤が該増量剤および/または該結合剤と共に配置される、材料、該複合材を含む装置、該マトリクスおよび該粉末装薬を組み立てることを含むその製造方法、およびその使用。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月12日に出願された英国仮出願第1711183.2号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が組み込まれる。
本出願は、抗菌または創傷ケア材料および装置、それらの製造方法、それらの使用およびそれらによる治療方法を開示している。材料および装置は、有効な放出速度、放出プロファイル、および/または放出の再現性のために、その上またはその中に非対称的に装填されるなど、その上またはその中に装填された抗菌添加剤粉末または創傷被覆材添加剤粉末を含む。
銀含浸抗菌創傷被覆材は、創傷から出る滲出液を処理する、繊布および不繊布繊維物品またはポリウレタン発泡体などの多孔質吸収性マトリクスと組み合わせられた、抗菌添加剤として、銀塩、特に硝酸銀、スルファジアジン銀または硫酸銀を含有する製品として存在する。銀塩は、通常、液相溶液または懸濁液を介して多孔質マトリクスに組み合わされる。これは、吸収性マトリクス自体の製造時、例えば、ポリウレタン発泡体の重合反応の間であってもよく、ここで銀塩は、水性反応相に懸濁または溶解されるか、または浸漬または反応浴で吸収性マトリクスを処理することからによる。
被覆材交換の間に長時間定位置にあり、抗菌銀イオンの持続的な放出を送達すると同時に、なおもその(アップフロントまたは急速な)ボーラス放出を送達し得る、創傷被覆材に対するますますのニーズがある。このことは、創傷被覆材における低溶解性の銀塩の使用につながってきた。しかしながら、こうした銀塩の低溶解性は、従来の溶液製造ルートによって導入され得る塩の量を制限する。こうした限定された量の低溶解性の塩からのボーラス放出は、細菌を阻害または殺すのに十分に高くない場合があり、また持続的な放出を制御することが困難な場合がある。
重合反応の間に溶解および分散させた銀塩とポリウレタン発泡体の組み合わせの導入、および親水性発泡体およびフィルムを含む多層創傷被覆材の複数の層への銀塩の導入などの、これらの制限に対処しようとする試みは、限定的にしか成功しなかった。
これらのニーズは、容易に利用可能である、すなわち、有効表面積が高いため、マトリクス内で容易にアクセス可能である、および/または高濃度で存在する低溶解性の銀塩を含む抗菌材料を提供することにより、および/または溶解性に関係なく、差別化または操作された利用可能性で、すなわち、ボーラスおよび持続的な放出に対する効率的かつ効果的な利用可能性のために該材料内で必要な場所に向けて銀塩を提供することによって満たされ得ることを発見した。
本明細書において、多孔質吸収性繊維または発泡体マトリクスを含み、該マトリクスが、予め形成されたマトリクス上および/または予め形成されたマトリクス内に粉末形態で装填された抗菌放出添加剤の粉末装薬を含む、抗菌材料を提供する。より具体的には、本明細書において、ポリウレタン(PU)発泡体マトリクス、または多孔質吸収性繊維マトリクスなどの多孔質吸収性発泡体マトリクス、および抗菌種放出添加剤、より具体的にはヨウ素放出添加剤または銀イオン放出添加剤の粉末装薬を含む、抗菌創傷被覆材材料を提供する。ヨウ素および銀イオンは非常に有効な抗菌剤である。
さらに、本明細書において、多孔質吸収性繊維または発泡体マトリクスを含み、該マトリクスが該予め形成されたマトリクス内に粉末形態で非対称的に装填された添加剤の粉末装薬を含む、創傷被覆材材料を提供する。
有利には、該粉末装薬は、該マトリクスの面および/またはセルに装薬された粉末形態添加剤であって、抗菌放出のために容易に利用可能である。粉末装薬は、乾燥装填される、すなわち、乾燥処理ルートによって該マトリクス上または該マトリクス内に装填される。粉末装薬は、装填中および装填後に粉末形態を保持する。本明細書の材料は、その上および/またはその中に乾燥装填された粉末装薬の添加剤特性を付与されている。例えば、本明細書の抗菌材料は、抗菌の高速放出および/または高放出、粉末装薬乾燥装填抗菌放出添加剤の特徴などの、抗菌放出プロファイルのものである。
有利には、添加剤は、密度または水溶解性に関係なく選択されてもよく、例えば、高密度または難水溶性であっても、有効な量、例えば、抗菌的に有効な量で本明細書の材料中に含まれ得る。より具体的には、添加剤は、制限された溶解性または液体中の非持続的な固体の懸濁の維持によって呈される問題なく、ポリウレタン(PU)発泡体または天然または合成繊維マトリクスなどの発泡体または繊維マトリクス上に装填され得る。有利には、本明細書の材料は、マトリクスの厚さまたは吸収性に関係のない、対称的または非対称的な添加剤装填などの高い再現性のある添加剤装填によって、および/または再現性のある添加剤投与において特徴付けられ得る。
実施形態では、本明細書において、
放出面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に、本明細書ではセル開口部またはセルウィンドウとも称される、細孔のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクス成分と、
抗菌添加剤を含む粉末装薬成分との複合材である、抗菌材料が提供されており、該添加剤は抗菌種放出添加剤であり、
該粉末装薬は、一つの該放出面または該面の両方に、および/または該セルネットワーク内に含まれる。
該抗菌種は、一つ以上の原子種および一つ以上の二原子種およびそれらの組み合わせから選択されることが好ましい。
該複合材は、予め形成されたマトリクスと予め形成された粉末装薬のアセンブリを含むことが好ましい、すなわち、該マトリクスおよび該粉末装薬のそれぞれは、本明細書に定義するように、複合材に組み立てられる予め形成された成分であり、より具体的には、複合材は、マトリクス形態の該マトリクスと、粉末形態の該抗菌添加剤のアセンブリである。
該粉末装薬は、該構造マトリクスフレームワークに存在しない、あるいは、該構造マトリクスフレームワーク内に不随的またはわずかな量で存在することが好ましい。該構造マトリクスフレームワーク内に付随的またはわずかな量で存在する粉末装薬は、好適には、該面または該複数の面および/または該セルネットワーク内に含まれる粉末装薬に対して局所的に存在する。
本明細書の細孔ネットワークは、少ない隙間および/低頻度の細孔またはセル開口部を有する蛇行性細孔ネットワークであってもよく、あるいは、多くの隙間および/または高頻度の細孔またはセル開口部を有する網状細孔ネットワーク、すなわち、ネット様細孔ネットワークであってもよい。
実施形態では、該マトリクスは蛇行性細孔ネットワークを提供し、該材料は、該放出面または複数の面の近位にある該セルネットワーク内に、および/または該面の一方または両方からの該セルネットワーク内の深さが増大するにつれて濃度が減少して、粉末装薬を含む。例えば、該マトリクスは、表面装填フィルタまたは深さ装填フィルタに似ている。代替的な実施形態では、該マトリクスは網状細孔ネットワークを提供し、該材料は、該セルネットワークに渡って均一に装填された粉末装薬を含む。例えば、該マトリクスは足場に似ている。
実施形態では、粉末装薬は、結合剤の作用によって、および/またはセルネットワークの蛇行によるその機械的保持によって、および/またはセルサイズ、および/またはセル間細孔サイズによって、該面または該複数の面および/または該セル内に保持される。例えば、セルの相互接続性は、セルサイズ自体よりも小さく、それによって装填された粉末装薬が、セルネットワークから、従って、マトリクスから脱落する可能性を制限する、セル間の「ウィンドウ」による。これはまた、マトリクス内の大きな蛇行につながるが、これは、粉末装薬が、マトリクスを貫通するよう蛇行性経路をナビゲートする必要があるため、装填における非対称性を達成するのに有利である。蛇行性セル相互接続の例は、ポリウレタン発泡体の文脈において非限定的に、セル壁内に小さな相互接続ウィンドウまたは細孔を含む「閉じたセル」、または、「開いたセル」または細孔を画定するストラットを含む網状に、図3aおよび図3cに図示されている。
さらに、本明細書において、
創傷に面する面および裏面、または二つの創傷に面する面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクスと、
創傷被覆材添加剤またはその組み合わせを含む粉末装薬と、を含む創傷ケア材料が提供され、
該マトリクスは蛇行性細孔ネットワークを提供し、
該粉末装薬は、該創傷に面する面または該裏面に、および該面の近位にあるセル内における該セルネットワーク内に、より具体的には、該ネットワーク内の深さが増大するにつれて量が減少して含まれる。
本明細書の創傷被覆材添加剤またはその組み合わせは、前記または下記に定義されるいずれかの抗菌種放出添加剤、および抗菌剤、細菌、静菌、耐火材、活性炭またはベントナイトなどの臭気制御、タンパク質破壊または変性、吸い上げ、伝導、構造支持の、超吸収性ポリマー(SAP)などの吸収剤、PU発泡体黄変防止などの色またはカラーマスキング(蛍光染料、酸化防止剤)等、および粘度変性剤との組み合わせ等から選択された創傷被覆材添加剤から選択されることが好ましい。
本発明の第一の有利な実施形態は、抗菌種放出添加剤に特有であり、銀塩などの添加剤粉末の粒径の制御を容易にする。これは、特定の粒径(例えば、ミクロン粒径)が銀イオンなどの抗菌種の放出を向上させる場合に特に対象となる。液相装填、すなわち、湿潤処理を使用する際、対象の塩または添加剤の粒径は、温度、濃度、および溶解性に応じて大きく変化し得る。マトリクスまたは完成した抗菌多孔質材料上またはそれらの中への装填中に粉末添加剤を乾燥させたままとすることで、本発明において、処理中の粒径の変化が回避される。本明細書の利点は、さらに、粒径、または含水量または水和または両方から影響を受ける創傷被覆材添加剤を含む材料および方法に対して該して有意であり得る。
本明細書の第二の特に有利な実施形態は、該マトリクス面および/または該セルネットワーク上に位置し、それによって部位において流体と接触するため、および例えば、該流体の吸収または抗菌種の放出のために容易に利用可能である、抗菌添加剤(例えば、銀塩)などの添加剤の粉末装薬を含む。したがって、使用される添加剤の用量が、例えば、多孔質マトリクスの製造時点において導入される、容易に利用可能ではない添加剤を用いる他の装填技術と比較して、潜在的に低減される、あるいは、より大きな、あるいはより速い効果で装填され得る。これは、性能を損なうことなく、創傷被覆材材料などの材料の安全性プロフィールの改善をもたらす、あるいは、微生物のより高いログ低減を提供する、またはより広範な微生物を殺すことができる抗菌材料などのより効果的な材料をもたらす。
本明細書のさらなる有利な実施形態は、多孔質マトリクス成分の坪量は装填量に影響しないため、推奨用量の制御を容易にする。例えば、これは、添加剤が多孔質マトリクスの製造時点で組み合わされる方法とは対照的である。
本明細書の有利な実施形態は、液相または湿潤処理を必要とすることなく、硫酸銀などの密度の高い、またはわずかに水溶性である添加剤を使用することを可能にする。材料の製造は、単純で費用効率が高く、内在する廃棄および処理課題を伴う、多量の溶媒の必要性を省く。
本明細書のさらに有利な実施形態は、高濃度の添加剤を提供する。例えば、乾燥装填された粉末は、任意の所望の濃度で、高速、単純、そして効果的に装填され得る。これは、従来技術の湿潤処理方法、すなわち溶液/分散方法とは対照的である。本発明は、溶解限界または非持続性の懸濁の対象ではない、またはこれらによって影響を受けない。
本明細書の複合材は、その通常の意味によって理解され得る。例えば、複合材料は、そのアセンブリを反転させることによって、分解およびその構成部品をそのまま復元する理論的能力によって定義され得る。本明細書のマトリクスの面および/またはセル内に含まれる粉末装薬は、その組立前の同一性を保持し、細孔ネットワークの蛇行またはセル表面への埋め込みによる保持などを無視することは、該細孔ネットワークによって該面からおよび該セルから脱落させることによって理論的に回復可能である。同様にマトリクスはその組立前同一性を保持し、また埋め込みを無視することは、マトリクス繊維、すなわち構造マトリクスフレームワークの破壊を必要とすることなく、該粉末装薬を脱落させることによって理論的に回復可能である。
複合抗菌材料は、予め形成された、または予め製造された成分の、および粉末装薬の特徴特性、例えば、可撓性または柔軟性のマトリクス特定、放出、吸収、溶解性、または表面積などの粉末装薬特性、または粉末装薬を構成する個々の粒子または粉末の水和または含水量を保持する。湿潤処理は一般に、柔軟性および可撓性のマトリクス特性および粒子表面積特性を低減する。
したがって、本明細書の複合材は、溶液中に溶解または分散し、マトリクスに適用されて原位置で乾燥されるか、以後のマトリクス形成において反応発泡体へと混合され、これによっていずれの場合でも、開始粉末の同一性が失われるか変更される、粉末を含む従来技術の材料とは異なる。後者の場合、開始マトリクスの同一性は、構造マトリクスネットワークからの添加剤の理論的復元においても失われ得る。
本明細書の複合材は、該マトリクスと、該粉末装薬、例えば、乾燥充填、固相充填または気中固相充填粉末装薬の密着した組み合わせとして簡便に定義され得る。
本明細書のセルおよびセルネットワークは、構造マトリクスフレームワーク内、例えば、ポリマー発泡体内または織布または不織布内に含まれる任意の相互接続セル、空隙または自由空間およびそのネットワークであり得る。本明細書の細孔および細孔ネットワークは、隣接するセルを相互接続する任意の細孔、セル開口部またはウィンドウ、およびそれらのネットワークを含む。本明細書の細孔および細孔ネットワークは、セル間の流体(液体および気体)透過を許容し、流体経路を提供する。該細孔ネットワークは、整列されていない配置を提供する限られた隙間および頻度の細孔を含み、それによって蛇行性流体経路における空気透過を妨げることが好ましい。
本明細書の抗菌種放出添加剤は、湿性媒体または水性媒体との接触を含む放出イベントによって、活性化されて定義される抗菌種を放出し得る添加剤である。従って、抗菌種放出添加剤またはその一部は可溶性または水中に浸出し、25Cで0.15mg/Lを超える溶解性を有することが好ましい。本明細書に定義される材料およびマトリクスは、湿性媒体または水性媒体から離して貯蔵される、例えば、非透水性包装にパッケージングされることが理想的である。それにより、抗菌種の早期放出が回避される。
本明細書の粉末はその通常の意味を取ることができ、第一の粒子および第二の粒子として定義される凝集および凝結を含む、微細な乾燥粒子と理解され得る。第一の粒子は、粒径によって、あるいは粒径の範囲の場合には、粒径分布によって特徴付けられる。
第二の粒子として定義される第一の粒子の凝集および凝結は、第一の粒子の累積表面積と同一または類似の表面積を有する。従って、個々の凝集、凝結または第二の粒子は一般に、対応するサイズの単一の第一の粒子よりも大きな表面積である。
本明細書における粉末装薬への言及は、マトリクスに送達され、マトリクス内に含まれる粉末装薬への言及である。粉末装薬は、非定量的な装薬であってもよく、または定量的な装薬であってもよい。例えば、マトリクスに送達される粉末装薬は、全部または一部が材料内に含まれてもよい。
粉末装薬は、バッチまたは不連続的な装薬であってもよく、または連続的な装薬であってもよく、例えば、シートマトリクスなどの不連続的なマトリクス上またはマトリクス中への装薬全体の装薬、あるいは、マトリクスのロールまたはウェブなどの連続的なマトリクス上またはマトリクス中への単位容積または面積ごとの装薬であってもよい。
添加剤の粉末装薬は、粉末装薬、粉末装填添加剤、または乾燥装填添加剤として本明細書において様々に言及され得る。本明細書において「乾燥装填された」または「粉末装填された」とは、例えば「固相装填された」添加剤、「気中固相装填された」添加剤等、粉末装薬の相および/またはその装填方法を示すものとして簡便に理解され、周囲含水量を示すことを意図しない。
本明細書の粉末装薬は、遊離かつ流動していてもよく、あるいは、例えば少なくとも部分的にセルネットワーク表面内に埋め込まれるなど、固定されていてもよい。ただし、重要なことに、埋め込むことは、第一の粒径に影響がないか、付随的な影響しかない。
実施形態では、該材料は、該添加剤に鑑みた非対称性を有し、ここで粉末装薬は、該マトリクス面の一方の面、例えば、放出面または創傷に面する面、または裏面および/またはそれの近位にあるセルネットワーク内に含まれ、該マトリクスの他方の面および/またはそれの近位にあるセルネットワーク内には存在しないか、付随的な量またはわずかな量で存在する。該放出面は、該裏面よりもより迅速な抗菌放出、流体吸収等を提供し、それによって該放出面は、微生物に面する面、あるいは第一の微生物に面する面として、例えば、創傷面に向かって配置されるように提供され得る。該創傷に面する面または該裏面は、より迅速な流体吸収、カラーマスキング、またはその他の本明細書に定義する添加剤特性を提供し得る。
別の方法として、該材料は、添加剤の分布に鑑みた対称性を有し、ここで該粉末装薬は、該面の両方および/またはそれらの近位にある該セルネットワーク内に含まれる。該材料は、マトリクス面のいずれかまたは両方において、迅速な抗菌放出、流体吸収、カラーマスキング等を提供し得る。いずれの面も、微生物に面した、あるいは創傷に面する面として、例えば、創傷表面などの部位に向かって配置されるように提供され得る。したがって、該材料は、微生物に面した面、部位に面した面、または創傷に面する面の選択を提供し得る。
実施形態では、該粉末装薬は、該面または複数の該面に存在し、該セルネットワーク内および該構造マトリクスフレームワーク内には存在しない、または付随的な量またはわずかな量で存在する。
実施形態では、該粉末装薬は、該面または複数の該面に、および該マトリクスに渡って該セルネットワーク内に存在する。
材料は、添加剤に鑑みた非対称性を有することが好ましく、ここで該粉末装薬は、該面の一方または両方および該面の一方の近位にある該セルネットワーク内に存在することが好ましい。該粉末装薬は、該裏面の近位にあるセルネットワーク内および該構造マトリクスフレームワーク内に存在しない、または付随的な量またはわずかな量で存在する。
別の方法として、該粉末装薬は、該面の両方および該面(対称)それぞれの近位にある該セルネットワーク内に存在する。
実施形態では、本明細書の材料は、抗菌放出面、創傷に面する面等の選択を提示する、すなわち、材料は手加工されず、部位を、直接または装置内で加工して、部位の近位にあるいずれかの面と接触させるように適合される。別の方法として、本明細書の材料は、手加工され、部位を、直接または装置内で加工して、部位の近位にある、または部位から遠隔にある、添加剤に富む面と接触させるように適合される。
本明細書の粉末装薬は、均一に装填される、非対称的に装填される、あるいは、該マトリクス内の深さが増大するにつれて該セルネットワーク内の量を減らして装填されてもよく、例えば、該面または各該面からの距離が増大するにつれて量または濃度を低減して存在してもよい。面における濃度は、連続プロファイルにあってもよく、または、該セルネットワーク内の濃度または量が、その組み立て中にそれぞれの濃度または量を独立して操作する機能を有する不連続プロファイルにあってもよい。
該粉末装薬は、該マトリクス面の一つまたはそれぞれからの、該面間の分離の5%〜100%(85%または50%など)に延びてもよく、例えば、該面または該複数の面から内方に2〜6の平均サイズのセルの直径に延びてもよい。
実施形態では、本明細書の材料は、抗菌添加剤および超吸収性ポリマー(SAP)を一緒に、または個々に含む、粉末装薬または複数の粉末装薬を含む。
実施形態では、本明細書の材料は、抗菌添加剤またはSAPと共に前記に定義する創傷被覆材添加剤を含む、粉末装薬または複数の粉末装薬を含む。複数の粉末装薬は、同一または異なる面に、および/またはそれらの近位にあるセルネットワーク内に含まれ得る。
実施形態において、本明細書のマトリクスは、同一または異なる添加剤、例えば、本明細書の材料の構造マトリクスフレームワーク内のバックグラウンド含有量または補足含有量に含浸された、同一または異なる抗菌種放出添加剤を含んでもよく、該バックグラウンドまたは補足含有量は、予め形成されたマトリクス内に含まれてもよい、すなわち、粉末装薬以外として予め形成されたマトリクスに導入される。バックグランド添加物含有量は含浸されたままであり、それによって該マトリクスおよび粉末装薬成分の本明細書に定義する材料への組み立て中に構造マトリクスフレームワークから浸出することから保護される。
実施形態において、粉末装薬は、該マトリクス一つの面または複数の面および/またはネットワーク表面内に位置し、または埋め込まれ、好ましくは部分的に組み込まれてそこから突出する。位置させること、または埋め込むことは、粉末装薬が該マトリクス面から、および/または該セルネットワークから脱落することを防止または制限する。
別の方法としてまたは追加的に、本明細書の材料は、一つ以上の粉末装薬保持流体透過性ネットと共に積層物を形成し得る。前記に定義するセルネットワーク内に提供される粉末装薬は、その蛇行によって、またはセルおよび/または細孔サイズによって、上記に定義するセルネットワーク内にさらに保持され得る。
本実施形態において、本明細書の材料は、100g/L(25℃)未満、より好ましくは10g/L(25℃)の溶解性を有する接着剤を含む。こうした添加剤は、飽和溶液からの該添加剤の吸収および乾燥によって提供され得る濃度を超える濃度で、面におよび/またはセルネットワーク内に存在することが好ましい。
実施形態において、マトリクス面およびセルネットワーク内の両方に含まれる本明細書の粉末装薬は、それぞれに独立して差別化された量、およびその放出プロファイルなどの必要な合計添加剤特性に適合された濃度で提供される。有利なことに、本明細書の複合材材料は、その組み立て中にマトリクス面およびセルネットワークそれぞれに含まれる粉末装薬を独立して差別化または操作する機能を提供する。例えば所与の材料について、マトリクス放出面における粉末装薬の割合は、該セルネットワーク内のその割合よりも大きくても、同等でも、あるいは未満でもよい。
本明細書のマトリクスまたはその一部は、好適には、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、フェノール重合体、シリコーン、ポリオレフィン、ゴムおよびエラストマー熱可塑性ポリマーおよびそれらの組み合わせおよび共重合体などの、天然および合成ポリマー発泡体から選択される発泡体マトリクスを含む。
本明細書のマトリクスまたはその一部は、好適には、セルロース、アルギン酸、キチン、キトサン、レーヨンおよびビスコースなどのその官能誘導体、およびそれらの混合物などの吸収剤および超吸収剤を含む、任意の天然または合成繊維の織布または不織布繊維マトリクスから選択される繊維マトリクスを含む。マトリクスは、発泡体および/または繊維二重層または多層を含み得る。
本明細書の原子種または二原子種は装填されても装填されなくてもよい。抗菌原子種は、抗菌イオンであることが好ましく、抗菌カチオンであることがより好ましく、銀カチオンであることが最も好ましい。抗菌性二原子種は装填されないことが好ましく、I2などの等核二原子種であることがより好ましい。前記に定義する抗菌種放出添加剤は、追加的な抗菌種、例えば、ヨウ素の水溶性分解形態を放出し得る。
該抗菌原子放出または二原子放出添加剤は、銀元素、銀塩、銀錯体、銀のケージド形態、およびケージドヨウ素およびそれらの組み合わせから選択されることが好ましく、より好ましくは、銀塩、銀錯体およびそのケージド形態から、およびケージドヨウ素から選択されることが好ましい。
好ましくは、したがって、本明細書において、放出面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクスと、
抗菌種放出添加剤を含む粉末装薬であって、種が抗菌原子種および抗菌二原子種から選択される、粉末装薬との複合材である抗菌材料が提供され、
該粉末装薬は、前記面または前記複数の面に、および/または前記セルネットワーク内に含まれ、該抗菌添加剤が、銀元素、銀錯体、銀塩、銀のケージド形態、ケージドヨウ素およびそれらの組み合わせから選択される。
銀錯体および銀塩は、コロイド銀、銀ゼオライト、スルファジアジン銀、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀、およびそれらの組み合わせから選択されることが好ましい。ケージドヨウ素は、カデキソマーヨウ素から選択されることが好ましい。
本明細書のSAPは、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋CMCまたはその他の吸収剤で官能化された(カルボキシル化またはスルホン化によって)セルロース誘導体、架橋ポリエチレンオキシドおよびPVA共重合体などの公知の医療グレードの超吸収性ポリマーから選択され得る。
本明細書の粉末装薬は追加的に、流動剤を含み得る。流動剤は、添加剤粒子と共に該装薬内に含まれ、改善された粉末処理を提供する。添加剤は、該流動剤と共に配置されることが好ましい。
流動剤は、添加剤凝集または凝結を低減または阻害し、粉末装薬の流動または潤滑に役立ち、ケーキングを阻害し得る。流動剤は、面に対する添加剤の均一な投与を容易にし、さらに、廃棄、洗浄および処理設備の保守を低減し得る。流動剤は、ステアリン酸塩、粘土、シリカ、炭、または黒鉛等の高融点不溶性粉末であってもよい。流動剤は、本明細書の添加剤と同一または異なる第一の粒径を有してもよい。
本明細書の材料または粉末装薬は、該マトリクス面に、および/またはその表面において該セルネットワーク内に、該粉末装薬と共に、該粉末装薬の一部として、あるいは固体溶融または部分溶融として含まれる増量剤を含み得る。添加剤は、該増量剤またはその固体溶融またはその部分溶融と共に配置されることが好ましい。
増量剤は粉末希釈剤であり、粉末装薬の容積を増大させる。増量剤は、本明細書のマトリクスへのおよびマトリクス内の粉末装薬の正確かつ再現性のある投与を容易にし得る。増量剤は、投与精度が求められる場合に特に有益であり得る。増量剤は、該セルネットワーク内の、そして特に該ネットワーク内の所与の深さに対して粉末装薬を向けることを容易にし得る。増量剤は、本明細書の添加剤よりも小さな粒径で、セルネットワーク内により深い深さで含まれてもよく、あるいは、該添加剤よりも大きな粒径で、セルネットワーク内により浅い深さで含まれてもよい。
増量剤は透水性である。透水性により、該セルネットワークにおける流体透過が許容される。増量剤は、PEG、PVP等の低軟化点または低融点材料であってもよい。増量剤は、粉末形態の粉末装薬成分と共に提供される。溶融形態の材料に含まれる増量剤は、マトリクスへの粉末装薬の結合を提供し得る。
本明細書の粉末装薬に含まれるSAPは、最終製品としての材料に、吸収剤機能に加えて製造中の増量剤機能を提供し得る。
本明細書の材料は、該マトリクス面に、および/または該セルネットワーク内に、該粉末装薬と共に結合剤を含み得る。結合剤は、固体溶融または部分溶融として含まれる。結合剤は、粉末装薬成分と共に粉末形態で提供され、前記に定義する増量剤と同一または異なる成分であってもよい。添加剤は、該固体溶融または部分溶融結合剤と共に配置される。
本明細書の結合剤は、周囲温度では非接着性であり、20℃〜90℃、例えば30℃〜90℃の高温で軟化する。結合剤は、遷移軟化によってマトリクスおよび該粉末装薬に接着する。結合剤を含む材料は、マトリクス面における流体透過性特性およびマトリクス面を介した流体吸収を保持する。
本明細書の実施形態では、
放出面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクスと、
抗菌添加剤、創傷ケア添加剤および創傷被覆材添加剤から選択される添加剤を含む、添加剤または粉末装薬成分と、を含む、マトリクス成分の複合材である材料が提供されており、該材料または該粉末装薬は追加的に流動剤および/または増量剤および/または結合剤を含み、
該添加剤および該流動剤および/または増量剤および/または結合剤は共に配置される、あるいは、該粉末装薬成分は、一つの該放出面または該面の両方におよび/または該セルネットワーク内に共に配置される。
共に配置された添加剤および流動剤および/または増量剤および/または結合剤は、SEMによって、例えば、図3gおよび図3hに図示するように、二次的な電子(トポグラフィ)および後方散乱電子によって立証され得る。
添加剤および/または流動剤は、溶融軟化され共に配置された増量剤および/または結合剤によって、該面または該複数の面および該セル内に部分的に埋め込まれて保持される。
さらなる態様では、
放出面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクス成分を提供することと、
抗菌添加剤を含む粉末装薬成分を提供することであって、添加剤は抗菌種放出添加剤である、提供することと、
該粉末装薬成分と該マトリクス成分を接触させることと、
該粉末装薬を、一つの該面または該放出面の両方、および/または該セルネットワーク内、好ましくは該面または該複数の面の近位に向けることと、を含む、抗菌材料を製造するための方法が提供されている。
さらなる態様において、
創傷に面する面および裏面、または二つの創傷に面する面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクス成分を提供することと、
創傷被覆材添加剤またはその組み合わせを含む粉末装薬成分を提供することであって、該マトリクスが蛇行性細孔ネットワークを提供する、提供することと、
該粉末装薬成分と該マトリクス成分を接触させることと、
該粉末装薬を、該創傷に面する面または該裏面に、および該面の近位にあるセル内における該セルネットワーク内に、より具体的には、該ネットワーク内の深さが増大するにつれて量が減少して、向けることと、を含む、創傷ケア材料を製造するための方法が提供されている。
該方法は、前記または下記に定義する抗菌材料または創傷ケア材料の製造のための方法であることが好ましく、前記および下記に定義するマトリクス成分および粉末装薬の複合材を組み立てることを含む材料の製造方法であることがより好ましい。
該方法は、前の、同時の、または以後のステップにおいて、マトリクスの、および/または該面における流体透過性積層ネットレイドアップの、および/または前記に定義する該粉末装薬と共に提供される結合剤の溶融軟化を含み得る。溶融軟化は、該マトリクス面で、および/または該セルネットワーク内で該粉末装薬を埋め込みまたは結合する。添加剤は該溶融軟化された結合剤と共に配置される。
軟化またはネット積層の程度または結合剤の量は、埋め込みまたは結合の深さまたは程度を決定し得る。
本明細書に定義する粉末装薬を提供することは、その溶解性、および前記に定義する任意の流動剤、増量剤および結合剤を鑑みた添加剤、および添加剤粒径およびその必要な利用可能性を鑑み、定義するように接触および向けるために粉末装薬中に提供されるそれらのそれぞれの量の選択を含む。
利用可能な第一の添加剤は、部位における流体との第一の接触、および該部位への抗菌種の迅速な拡散、該部位またはその他の創傷被覆材プロパティからの流体の迅速な吸収のために利用可能である。利用可能な第二の添加剤は、部位から該セルネットワーク内に漸進的に吸収された流体との第二の接触、および例えば、該セルネットワークを介した該部位への抗菌種の拡散のために利用可能である。
実施形態では、本明細書の該方法においてマトリクス成分を提供することは、該構造マトリクスフレームワーク内に含まれる同一または異なる添加剤のバックグラウンド含有量または補足含有量を有するマトリクスを提供することを含む。このようなバックグラウンド含有量添加剤は、該セルネットワーク内、それゆえ構造マトリクスフレームワーク内の部位から漸進的に吸収された流体との第三の接触と、該セルネットワークを介した該部位への抗菌種の拡散のために利用可能である。
好ましくは、該方法は、該マトリクス成分または中間表面を所望の配向、例えば、投与面に対して水平または傾斜して上向きまたは下向きに提供することであって、垂直に面した配向も企図される、提供することと、
ホッパー、キャニスタ、カセット、ノズル、放出バケット、ドラムおよびこうした容器などの一つまたは複数の粉末装薬容器内の前述の粉末装薬を提供することと、
該マトリクス面に直接的に、あるいは該中間表面に間接的に投与することによって該粉末装薬を向け、その後、該マトリクス面を任意のこうした中間表面と接触させることと、を含み、
投与することが、該面または表面上への、散粉、粉末散布、粉末噴霧、粉末噴射、混入および堆積から選択される。
例えば、カルーセルまたはコンベヤー上に提供されるものなど、多くの形態の容器が公知である。放出バケットは、反転カルーセルまたはコンベア上の反転バケット、ヒンジ付バケット、およびホッパーバケットを含む。
中間表面は、投与用の放出ライナーおよびその上の任意の一過性接着粉末装薬、または粉末装薬を取り外し可能に含有するためのグラビアを含み得る。
該マトリクス面の両面に向けることは、一つ以上の該直接的または間接的投与方法によって同時または逐次的であってもよい。結果的に得られた材料は、非対称的であってもよく、あるいは対称的であることが好ましい。
投与することは、マトリクス面当たり、または該マトリクス面の単位表面積当たり、または該マトリクスの単位容積当たりの、粉末装薬の容積または重量において連続的または不連続的であってもよい。投与することは、なおも粘着性のある一部形成マトリクスの面への投与、または、投与された放出ライナーへのマトリクスのキャスティングを含む。
実施形態では、該方法は、先行するステップにおいて、本明細書の材料内の添加剤粒径およびその必要な利用可能性に鑑みた、前記に定義する添加剤またはその組み合わせ、および任意の流動剤、増量剤および/または結合剤、およびそのそれぞれの量の選択を含む、該粉末装薬を調製することと、任意のブレンドまたは混合と組み合わせることと、定義するように接触および向けるために、粉末装薬およびそれと共に提供される任意の増量剤および/または結合剤中に提供することと、を含む、該粉末装薬を調製することを含む。
実施形態において、粉末装薬を調製する該ステップはさらに、該添加剤または該粉末装薬を、粒径選択または低減プロセスに追加的にかけることを含む。粒径選択は、ふるい分け、遠心またはサイクロン質量分離、あるいは、市販の粉末から所望の粒径または質量分率を分離することを含み得る。該粒径減少プロセスは、必要な第一または第二の粒径、または添加剤または粉末装薬またはその成分の粒径分布に応じて選択され得る。第一の粒径低減技術は、制御された粒径再結晶のための公知のボトムアップ技法および粉砕または研磨などのトップダウン技法を含む。第二の粒径低減技術は、研磨または粉砕などの、添加剤または粉末装薬を解凝結または解凝集するためのトップダウン技法を含む。
実施形態において、本明細書の方法は、添加剤または粉末装薬を微粒化することを含む。微粒化は、例えば、2017年7月12日に出願された同時継続中の英国仮特許出願第1711179.0号にさらに記載されるように、自己衝突または他の固体粒子との衝突を用いる、例えば、高速空気噴射および高速窒素噴射などの該添加剤への不活性ガスの高速噴射を含む、気体および粒子媒体から選択される粉砕媒体、および該添加剤がその中に向けられる、例えば高密度マイクロビーズの乱流床、または例えば該マイクロビーズの噴射として、該添加剤に向けられる、マイクロビーズなどの高密度粉砕ビーズまたはボールの使用による、乾燥粉末衝突を含み得る。
高速ガス噴射粉砕媒体を使用した公知の乾燥粉砕装置および方法の例には、DEC(Dietrich Engineering Consulting)Conikaの乾燥ミル、IKA Pilotina MCの乾燥ミルおよびMCのジェットミルおよびFPS(Food Pharma Systems)スパイラルジェットミルが挙げられる。
好適には、該面の一つに、および該セルネットワーク内に向けることは、前記に定義する粉末装薬を投与し、同時またはその後に並進移動力を印加して、それによってその少なくとも一部を該セルネットワーク内で並進移動させることを含む。
並進移動は、該面間の距離とし得る。別の方法として、並進移動は、該他の面を含むマトリクス全体に渡ってもよい。結果として得られる材料は、非対称的または対称的であり得る。
並進移動力は、ニードリングなどの、粉末装薬に直接的に印加される、あるいは、例えば、該マトリクスをマングリングまたはローラリングし、それによって重力または吸引などによる並進移動により粉末装薬を変位することによって、該マトリクスを介して粉末装薬に間接的に印加される物理力を含む。
別の方法として、並進移動力は、該粉末装薬を投与された、または投与される該マトリクス全体に印加される場、より具体的には、該粉末装薬を流動化する、あるいは、該粉末装薬が流れなどの流体をとるように配置された流動場を含む。場は、交番静電場(AC電場)、音場、超音波場、エアローリック(aeraulic)場、空気場等が含まれる。
並進移動力は、該セルネットワーク内の並進移動の深さ等を操作するような方法で、所与の粉末装薬粒径、マトリクス多孔性などついて調節され得る。
実施形態では、本明細書の方法は、さらなるステップにおいて、そのそれぞれの量および第二の利用可能な部分が該セルネットワーク内および/または該裏面または第二の放出面に向けられる深さを操作するような方法で、それぞれの第一の利用可能性および第二の利用可能性について、該面に含まれる粉末装薬の一部および該セルネットワーク内に含まれる粉末装薬の一部を差別化することを含む。
投与および並進移動力を印加することは、逐次的または同時であってもよく、例えば、該セルネットワーク内にそのある量の同時または並進移動させる、該マトリクス面への該粉末装薬の空気噴射である。
さらなる態様において、本明細書によって取得される、または取得可能な抗菌材料または創傷ケア材料が提供されている。
さらなる態様では、部位に適用され、該部位に提供された水性媒体と接触することによって活性される、抗菌装置が提供されており、該装置は、
(a)部位接触表面または層および/または
(b)対向する非部位接触表面または層と共に、
(c)(a)および/または(b)の間またはそれらと組み合わせて含まれる水性媒体吸収層を含み、
ここで(c)は、本明細書に定義する抗菌材料を含む。
さらなる態様では、創傷滲出液などの、創傷部位に適用され、該創傷部位における流体との接触によって活性される、創傷被覆材またはその一部を含む装置が提供されており、該創傷被覆材は、
(a)創傷接触表面または層および/または
(b)対向する非創傷接触表面または層と共に、
(c)間またはそれらの一つとの組み合わせでそれらの間に含まれる一つ以上の任意の流体吸収層を含み、
ここで(c)は、本明細書に定義する抗菌材料または創傷ケア材料を含む。
層または表面(a)は、接着剤または非接着剤であってもよく、例えば、適合する弾性の隙間を有するフィルムである。
層または表面(b)は、好都合には、部位における流体および空気調節を可能にし、抗菌バリアを提供する、通気性のある上部フィルムであってもよく、連続蒸気透過性の適合するポリマーフィルムであることが好ましい。層(b)は、材料(c)の周辺部の周りに境界を含み得る。
該装置は、層(b)と層(c)との間に含まれるマスキング層(b’)、層(b)と層(c)との間に含まれる超吸収層(b’’)等から選択される追加的な層を含み得る。
層は、連続的かつ同一の広がりを有する関係で、外層によって形成されたパウチ内に積層および/または封止され得る。
本明細書の材料または装置は、銀箔パウチなど、減菌、最終減菌および/または水分封止および/または微生物不透過性パッケージングであり得る。
さらなる態様では、本明細書の装置の製造方法が提供されている。
実施形態において、以前に形成された個々の層は、一つ以上の積層プロセスにおいて層を一緒に結合することによって積層物に形成され得る。好適な結合方法は、ヒートシールまたは接着結合を含み、接着層は水蒸気透過性である。
代替的な実施形態では、発泡体層は、他の層または追加的な層のうちの一つまたは両方と接触して形成される。このプロセスは、特別な結合操作の回数を低減または除去するため、有利であり得る。
別の好ましいプロセスでは、適合する外側フィルム層は、例えば、ポリマーの溶液を噴霧することによって発泡体層上に形成される。
連続的なプロセスでは、創傷被覆材は連続的なストリップの形態で作製されてもよく、これはその後、適切なサイズの被覆材に切断される。
通常、層を接合することは積層プロセスであり得る。
発泡体層が外層と接触して生成される、被覆材の好ましい形成プロセスでは、良好な結合を得るために発泡体がなおも粘着性がある間に他の外層を発泡体に積層することが重要である。通常、発泡体を他の外層と接触させるのは、発泡体がキャスティングされた後の2.5〜5分、例えば、3〜3.5分が好適である。
さらなる態様において、部位を該部位の健康に有害な微生物がないようにするまたはないように維持するために部位を治療する方法が提供されており、これは、部位を本明細書に定義する抗菌材料または装置と接触させ、それによって抗菌種を該材料および/または該部位に放出することを可能にすることを含む。こうした方法は、創傷部位を治療し、それによって抗菌種を該創傷部位に放出することを可能にする方法であることが好ましい。有利には、本明細書の抗菌材料および装置は、抗菌種、特に銀イオンを、高濃度で高速に放出し、放出は、必要な期間、例えば、最大7、8、または10日以上持続する。
さらなる実施形態では、創傷部位を本明細書に定義する創傷ケア材料または装置と接触させることを含む、創傷ケア用の方法が提供されている。
別の態様では、創傷を治療する方法が提供されている。方法は、装填された創傷被覆材層を創傷の中または上に置くことを含み、装填された創傷被覆材層は、多孔質マトリクスおよびマトリクス内に装填された抗菌放出添加剤の粉末装薬を含み、粉末装薬は、少なくとも多孔質マトリクスの創傷に面した表面において濃縮されており、抗菌放出添加剤は、湿性または水性媒体との接触する際に創傷被覆材から抗菌剤を創傷に放出するために活性化される。
一部の実施形態ではさらに、方法は、該抗菌剤を一日より長く放出することをさらに含む。一部の実施形態ではさらに、該抗菌剤放出剤を一日当たり最大1.8mg/cmの量で放出することをさらに含む。一部の実施形態では、方法はさらに、抗菌剤の少なくとも一部を創傷に向けて放出する前に、創傷滲出液を装填された創傷被覆材層と接触させることを含み、ここで、抗菌剤は、創傷滲出液と接触する際に創傷滲出液中に拡散するように構成される。一部の実施形態では、方法は、陰圧を創傷被覆材に印加することをさらに含む。抗菌放出添加剤は、銀元素、銀塩、銀錯体、そのケージド形態、ヨウ素のケージド形態およびそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。抗菌放出添加剤は、スルファジアジン銀、銀ゼオライト、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀、カデキソマーヨウ素、銅塩および錯体、亜鉛塩および錯体、金塩および錯体、グルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、およびそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。一実施形態では、抗菌放出添加剤は、スルファジアジン銀、銀ゼオライト、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀、カデキソマーヨウ素、およびそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。抗菌剤は、銀イオンおよび/またはヨウ素を含み得る。一部の実施形態では、抗菌添加剤の粉末装薬は、超吸収性ポリマーをさらに含む。抗菌放出添加剤の粉末装薬は、約1ミクロン<D90<30ミクロン〜D50<10ミクロンの粒径を有し得る。抗菌添加剤の粉末装薬はさらに、ステアリン酸塩、粘土、シリカ、炭、黒鉛およびそれらの組み合わせからなる群から選択される流動剤を含んでもよく、ここで流動剤は、抗菌放出添加剤未満の粒径である。一部の実施形態では、創傷被覆材はさらに、創傷滲出液を吸収する吸収層、および/または装填された創傷被覆材層の下で創傷と接触して配置される創傷接触層を含む。
一部の実施形態では、創傷被覆材はさらに、抗菌放出添加剤の代わりに、またはこれに加えて、一つ以上の活性成分を含み得る。活性成分は、例えば、粉末成長因子および小さな活性有機分子(デブリードマン、例えばコラゲナーゼに有用である、あるいは、治癒応答、例えばMMP阻害剤の促進に有用)、局所的な酸素送達化合物(例えば、ヘモグロビンの変異体)、および任意のその他の有機または無機静菌剤、抗菌剤、防腐剤または抗菌材を含み得る。
開示の技術がスラリーの形態である場合、活性成分、例えば、スラリー中の活性成分は、成長因子、MMP阻害剤、コラゲナーゼ、ヘモグロビン変異体を除外し得る。
別の態様では、創傷被覆材が提供されている。創傷被覆材は、
装填された創傷被覆材であって、
創傷に面する面および裏面を含む多孔質マトリクスを含む装填された創傷被覆材と、
マトリクス内に装填された抗菌放出添加剤の粉末装薬と、を含み、粉末装薬は、少なくとも創傷に面する面からの距離が増大するにつれて量が低減する。
一部の実施形態では、マトリクスは、ポリマー発泡体、繊維マトリクスおよび/または親水性ポリマーを含む。抗菌放出添加剤は、銀元素、銀塩、銀錯体、そのケージド形態、ヨウ素のケージド形態およびそれらの組み合わせを含み得る。抗菌放出添加剤は、スルファジアジン銀、銀ゼオライト、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀、カデキソマーヨウ素、およびそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。抗菌放出添加剤は、創傷に面する面において1.4mg/cm〜4mg/cmの量であり得る。一部の実施形態では、創傷被覆材はさらに、装填された創傷被覆材層下の創傷接触層、装填された創傷被覆材層上のカバー層、カバー層を陰圧源に接続するように構成された流体コネクタ、および/または装填された創傷被覆材層上の吸収層を含み得る。吸収層は、超吸収性粒子を含み得る。一部の実施形態では、粉末装薬はさらに、超吸収性ポリマーを含む。一部の実施形態では、抗菌放出添加剤の粉末装薬は、約1ミクロン<D90<30ミクロン〜D50<10ミクロンの粒径を有し得る。一部の実施形態では、粉末装薬は、ステアリン酸塩、粘土、シリカ、炭、黒鉛およびそれらの組み合わせから選択される流動剤をさらに含んでもよく、ここで、流動剤は抗菌放出添加剤未満の粒径である。一部の実施形態では、マトリクスは複数のセルを含み、抗菌放出添加剤は、該セル内に少なくとも部分的に埋め込まれる。
これらの実施形態の変形および修正は、本開示をレビューした後で当業者に生じ得る。前述の特徴および態様は、本明細書に記載の一つ以上の他の特徴との任意の組み合わせおよびサブ組み合わせ(複数の従属的な組み合わせおよびサブ組み合わせを含む)で実施され得る。その任意の成分を含む、上記に記載または説明される様々な特徴は、その他のシステムに組み合わせられても一体化されてもよい。さらに、特定の特徴は省略されても実装されなくてもよい。
本開示の装置および方法の適用性のさらなる領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、特定の実施形態を示すものであり、例示のみを目的としており、本開示の範囲または追求され得る特許請求項の範囲のいずれかを限定することを意図していないことを理解されたい。
前述およびその他の目的および利点は、添付図面とともに下記の詳細な説明を考慮するとさらに十分に理解され得、同様の参照番号は同様の部分を指す。これらの図示された実施形態は、例示であって、いかなる方法でも限定されないと理解されるべきである。
図1a〜図1kは、本明細書の対称的な材料の変形を図示する。 図2は、従来技術の、製造時に装填されたポリウレタン発泡体を断面SEMによって図示する。 図3(a)〜(h)は、本明細書のポリマー発泡体の非対称的な装填である、蛇行性細孔ネットワークタイプを、ダイアグラムおよび断面SEMによって図示する。 図4a〜図4lは、本明細書の非対称的な材料の変形を図示する。 図4m及び図4nは、本明細書の非対称的な材料の変形を図示する。 図4oは、本明細書の非対称的な材料の変形を図示する。 図5a〜図5dは、本明細書の材料を含む創傷被覆材形態を図示する。 図6は、従来技術の多層被覆材および本明細書の多層被覆材からのイオン放出を図示する。 図7は、従来技術の多層被覆材および本明細書の多層被覆材からのイオン放出を図示する。 図8は、本明細書の裏面からの銀イオンの放出を図示する。 図9は、減菌前後の銀イオンの放出を実証する。 図10は、本明細書の異なる多層被覆材形態からの銀放出を図示する。 図11は、陰圧創傷療法システムの一実施例の概略図である。 図12Aは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図12Bは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図12Cは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、可撓性流体コネクタおよび創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図12Dは、創傷被覆材に接続された流体コネクタの一実施形態の断面を図示する。 図13A〜図13Dは、陰圧なしで使用される、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる創傷被覆材を用いる、創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図13Eは、陰圧なしで使用される、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる創傷被覆材を用いる、創傷治療システムの一実施形態の断面を図示する。 図14Aは、陰圧源および/またはその他の電子構成要素を創傷被覆材内に組み込んだ、創傷被覆材の一実施形態を図示する。 図14Bは、陰圧源および/またはその他の電子構成要素を創傷被覆材内に組み込んだ、創傷被覆材の一実施形態を図示する。 図14Cは、ポンプおよび電子構成要素が被覆材の吸収エリアからオフセットされた、創傷被覆材の層の一実施形態を図示する。 図15Aは、可撓性流体コネクタと、周囲に巻き付けられたスペーサ層を有する創傷被覆材とを使用し、創傷被覆材は創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図15Bは、可撓性流体コネクタと、周囲にまきつけられたスペーサ層を有する創傷被覆材とを使用し、創傷被覆材は創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、陰圧創傷治療システムの一実施形態の断面を図示する。 図15Cは、創傷滲出液を吸収し貯蔵できる、創傷被覆材を用いた、陰圧創傷治療システムの一実施形態を図示する。 図16Aは、創傷被覆材の別の実施形態の断面を図示する。 図16Bは、遮蔽層および視認窓を含む創傷被覆材の実施形態の斜視図を示す。 図17は、創傷被覆材の一例の一つのセクションの概略図である。 図18は、保持層の一例の概略図である。 図19Aは、創傷被覆材の別の例の一つのセクションの概略図である。図19Bは、図19Aの創傷被覆材の斜視図である。 図20は、創傷被覆材のさらなる例の概略図である。 図21は、創傷被覆材のなおさらなる例の概略図である。
本明細書に開示された実施形態は、減圧を伴うまたは伴わない創傷を治療する装置および方法に関し、任意選択で陰圧源および創傷被覆材構成要素および装置を含む。創傷に重ね、パッキングする材料を含む装置および構成要素があれば、本明細書では集合的に被覆材として称される場合がある。
本明細書で開示される好ましい実施形態は、ヒトまたは動物の体に対する創傷療法に関連する。そのため、本明細書における創傷へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体上の創傷を指すことができ、本明細書における体へのいかなる言及も、ヒトまたは動物の体を指し得る。本明細書で使用される用語「創傷」は、幅広い通常の意味を有するのに加えて、陰圧を使用して治療されてもよい、患者のいかなる体の一部を含む。創傷という用語は広く解釈され、皮膚が断裂、切開、もしくは穿孔される、または外傷によって挫傷が引き起こされる開放創および閉鎖創、あるいは患者の皮膚における任意の他の表面もしくは他の状態または欠陥、あるいは減圧治療によって利益を得る他のものを包含することを理解されたい。よって、創傷は、流体が生成されることもされないこともある、組織の任意の損傷領域として広く定義される。そのような創傷の例としては、腹部創傷、または手術、外傷、胸骨切開、筋膜切開、あるいは他の状態のいずれかの結果としての他の大規模または切開性の創傷、裂開創傷、急性創傷、慢性創傷、亜急性創傷および裂開創傷、外傷性創傷、フラップおよび皮膚移植片、裂傷、擦傷、挫傷、火傷、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、ストーマ、術創、外傷性潰瘍および静脈性潰瘍などが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で使用される場合、慢性創傷は、ほとんどの創傷が順序よく一連の段階で、予測可能な時間内で治癒するようには治癒しない創傷であり、三か月以内に治癒しない創傷は、多くの場合慢性とみなされる。例えば、慢性創傷は、糖尿病性潰瘍、褥瘡(または圧力損傷)、または静脈性潰瘍などの潰瘍を含み得る。
そのような創傷の治療は、陰圧創傷療法を使用して実施することができ、減圧または陰圧が、創傷の治癒を容易にして促進するように、創傷に適用され得る。本明細書に開示される創傷被覆材および方法は、身体の他の部分に適用されてもよく、創傷の治療に必ずしも限定されないことも、理解されるであろう。その他の実施形態は、創傷の治療または身体の他の部分に対して陰圧を利用しない。
本明細書で定義される材料またはマトリクス成分は、流体吸収剤、より具体的には、例えば創傷流体である体液などの水性流体およびその成分の対する吸収剤である。材料またはマトリクス成分は、液体、気体および蒸気透過性であり、例えば、該水性流体、水分および空気に対して透過性である。材料は、部位に塗布された時に、部位における水分および空気循環の調節に役立つ。該材料は、湿潤創傷環境などの湿潤環境を提供する。好ましい材料またはマトリクス成分はハイドロセルラーである、すなわち、湿潤環境を作り出し、多量の流体を吸収する能力によって特徴付けられる。ハイドロセルラー創傷被覆材材料は、湿潤創傷治癒環境を作り出し、多量の滲出液を吸収する能力によって特徴付けられる。
本明細書の材料またはマトリクス成分は、規則的または不規則な形状の、ブロック、層、スラブ、マットレス、シート、ストリップ、ウェブまたはそのロール等に形状付けられた、またはキャスティングされた連続的または不連続的な本体である。本明細書の材料およびマトリクスは非粒子状である。
本明細書の可撓性の材料またはマトリクスは、ともに適合し、かつ弾性的に伸展性である。本明細書の可撓性の材料またはマトリクスは、例えば、不規則または規則的、静的または可動性に形状付けられた表面に適合し得る。例えば、材料またはマトリクスは、体の一部の表面または創傷表面等に適合し、動作、摩擦抵抗、伸張、屈曲等に起因する変化に動的に適合する。こうした材料またはマトリクスは、接着剤または他の抑制を用いて、または用いずに、形状またはプロファイルを達成および保持し得る。
本明細書の材料は、好適には、微生物、酵母および真菌から選択され、それ故に抗真菌、抗菌、抗酵母、そして特に、殺菌剤、殺菌剤、静菌および/または静菌および組み合わせから選択される微生物を阻害または殺すのに使用されるものである。疑義を回避するため、本明細書の抗菌種放出添加剤は、抗菌剤の抗生物質クラス以外である。
抗菌材料は、該部位における、廃液、汚染流体、創傷流体等の体液などの水性流体などの水性媒体との接触が想定される。特に好適な部位は湿潤している。
抗菌材料は、創傷ケア材料、歯科材料、パーソナルケア材料などの医療材料、衣類材料や装飾材料、食品業界材料、包装材料などの衛生または公衆衛生材料であり得る。材料は、直接使用されても、装置内に含まれてもよい。
従って、例えば、創傷被覆材に対して有利な銀塩および/または創傷ケア添加剤は、乾燥粉末として、創傷被覆材に有用な多孔質マトリクスと組み合わされる。結果として得られる材料複合材は、その後、滲出または滲出しない湿潤創傷部位に対して適用するための創傷被覆材などの創傷ケア装置の製造において使用され得る。
実施形態では、創傷部位に適用される該材料は、滲出液および肉芽創傷の表面からの粒子状物質を吸収し、材料が湿潤するにつれて、イオン性銀または二原子およびイオンヨウ素種などの抗菌種が放出される。従って、材料は、創傷を洗浄すること、および抗菌作用を行うことの二重効果を有する。
有利には、本明細書の非対称的な抗菌材料は、最大量の抗菌添加剤が近くにあり、かつ必要な場所において最も容易に利用可能であるように、微生物による感染の恐れのある部位を、マトリクス放出面、すなわち、部位の近位にある材料の抗菌剤に富む側と接触させるように適合される。
有利には、本明細書の非対称的な創傷ケア材料は、例えば、添加剤が必要な場所に配置されるように、創傷を、創傷の近位にある材料の添加剤に富む側、または添加剤不良の側であり得る創傷に面する面と接触させるように適合される。
有利には、対称的な抗菌または創傷ケア材料は、部位または創傷に面する面の選択を提示する、すなわち、材料は手加工されず、部位を、直接または装置内で加工して、放出面または部位または創傷の近位にある材料の添加剤に富む側と接触させるように適合される。
図1a〜図1hおよび図1jは、マトリクス面の両面において、およびマトリクスセルネットワーク内に粉末装薬を含む本明細書の対称的な材料の変形を図示する。添加剤は、該面または該複数の面に存在しなくてもよく、これは、追加的な層を含む層状装置内の、または創傷などの部位における接着を妨害する。マトリクスは、例えば、薄い表面層を該マトリクスから除去する、またはマトリクス面を省略するマトリクスのスライスを選択することによって、面または複数の面における粉末装薬の装填を防止するように処理され得る。表面装填された添加剤を有する、または有さない変形は、a)該面の近位にあるセルネットワーク内、例えば、各面から少ないセル内の、均一な低濃度;b)該面の近位にあるセルネットワーク内、例えば、各面から少ないセル内の、均一な高濃度;c)およびd)該面の近位にあるセルネットワーク内、例えば、各面から少ないセルへの、高濃度から低濃度に減少する濃度であって、c)の場合は、中間セルネットワークまでの短い深さ、そしてd)の場合は、中間深さまで、e)該面の近位にあるセルネットワーク内の、各面からの中間マトリクスまでの短い深さまでの、均一な高濃度;g)セルネットワーク全体の低濃度;h)セルネットワーク全体の高濃度、を含み得る。i)は、両面のみに粉末装薬を含む対称的な変形を図示する。j)およびk)は、3b)および3i)の変形を図示しており、組み立て前のマトリクス成分は、マトリクス構造フレームワーク内に含まれる、同一または異なる抗菌添加剤などの添加剤のバックグラウンド含有量を含む。
図2は、a)本明細書の蛇行性細孔ネットワークを提供する、b)本明細書の網状セルネットワークまたは細孔ネットワークを提供する、マトリクスセルおよび細孔ネットワークアーキテクチャ、およびc)本明細書の蛇行性細孔ネットワークを提供するマトリクスの断面SEMを図示する。マトリクスタイプa)およびc)は、本明細書のセルネットワーク内に、非対称的に装填された、または濃度を減らして装填された粉末装薬を有する本明細書の非対称的な材料を提供し得る。マトリクスタイプb)は、本明細書のセルネットワーク内に対称的に装填された粉末装薬を有する本明細書の対称的な材料を提供し得る。両マトリクスタイプは、該面または該複数の面に装填された対称的または非対称的な材料を提供し得る。
図3aは、重合反応の水相に提供され、構造ポリウレタンフレームワークに渡って含まれる、硫酸銀(明るいスポット)を含む、従来の製造時点ポリウレタン発泡体の断面SEMである。
図3bおよび図3cは、蛇行性細孔ネットワークを提供し、発泡体面に、およびセルネットワーク内に硫酸銀(明るいスポット)の粉末装薬を含む、本明細書の抗菌ポリウレタン発泡体マトリクスを図示する。粉末装薬は、装薬が投与されるマトリクス面の近位に濃縮されていることが分かる。2mmの厚さの発泡体および(3c)発泡体/繊維積層中、最大1mmの深さでセルネットワーク内に濃縮された、硫酸銀の侵入がある。構造の深部にはいくつかの銀塩粒子が存在するが、これらは、投与および放出面の近位の濃度に付随する。
図4a〜図4oは、本明細書の非対称的な材料変形を図示する。図4a〜図4h、jおよびlは、一つのマトリクス面に、およびセルネットワーク内に粉末装薬を含む非対称的な変形を図示しており、該面または該複数の面に添加剤がない場合があり、この場合、これは、上記で図1の文脈で説明した通り、追加的な層を有する層状装置における、または創傷などの部位における接着を妨害する。表面装填された添加剤を有する、または有さない変形は、a)放出面の近位にあるセルネットワーク内の、該面から少ないセル深さへの均一な低濃度;b)該面の近位にあるセルネットワーク内の、各面から少ないセルへの均一な高濃度;c)該面の近位にあるセルネットワーク内の、該面から少ないセルへの高濃度から低濃度に減少する濃度;d)放出面の近位にあるセルネットワーク内の、該面からマトリクス中間深さまでの均一な低濃度;e)該面の近位にあるセルネットワーク内の、該面からマトリクス中間深さまでの均一な高濃度;f)該面の近位にあるセルネットワーク内の、該面からマトリクス中間深さまでの高濃度から低濃度に減少する濃度;g)該面の近位にあるセルネットワーク内の該面への高濃度、セルネットワークの残り全体から裏面への高濃度;h)セルネットワーク内からマトリクス中間深さまでの高濃度およびセルネットワークの残り全体から裏面への低濃度、を含み得る。4)およびk)は、該面のみに粉末装薬を含む非対称的な変形を図示する。4j)およびk)は、2b)および2i)の変形を図示しており、組み立て前のマトリクス成分は、マトリクス構造フレームワーク内に含まれる、同一または異なる添加剤などの添加剤のバックグラウンド含有量を含む。図4lは、該面の両面に、および該面の一つの近位にあるセルネットワーク内に含まれる粉末装薬を含む変形4a)を図示する。
本明細書の材料は、面の近位にあるセルネットワーク内に、該面から任意の所望の深さ、例えば、二つの平均セル直径から中間マトリクス深さまたは全マトリクス深さまで、例えば、該セルネットワーク深さまたはマトリクス深さの5%〜50%または85%または100%(10%または20%〜50%または85%または100%)、または、1mmまたは2mmまたは3mm〜6mmまたは7mmまたは1cmの深さの材料またはマトリクスの0.2mmまたは0.3mmまたは0.4mmまたは0.5mm〜1mmまたは2mmまたは3mmまたは4mm、すなわち、それぞれの面の1mmまたは2mmまたは3mm〜6mmまたは7mmまたは1cmの分離、または1cm〜4cmの深さの材料またはマトリクスの0.5mmまたは1cm〜2cm、すなわち、それぞれの面の1cm〜4cmの分離で粉末装薬を有してもよい。
本明細書の材料は、例えば、その放出プロファイルなどの、粉末装薬または添加剤特性に影響しないか付随的な影響で、乾燥、平衡化、貯蔵または包装、減菌等、ポストアセンブリ調節されてもよい。従って、有利には、本明細書の抗菌材料は、例えば、減菌されていないプリアセンブリ粉末装薬に対応する放出プロファイルを用いて、調節、例えば、減菌され得る。したがって、このような効果がある場合、粉末装薬の量、その投与および/または向きを決定する際に考慮され得る。
本明細書の材料は、減菌または非減菌、好ましくは最終減菌または非最終減菌であってもよく、例えば蒸気、ガンマ放射、X線または電子ビームまたはエチレンオキシドによって滅菌され得る。図9に示すように、イオン性銀放出は、同一の粉末装薬および同一のマトリクスから組み立てられた材料複合材の一致するサンプルで同等であるが、その一方は減菌されており、その他方はエチレンオキシドで減菌されている。
本明細書の材料は、好適には10%(重量)未満の含水量を有し、8%(重量)未満の含水量を有することが好ましく、5%(重量)未満の含水量を有することが好ましい。本明細書の添加剤または粉末装薬は、典型的には、50℃の真空オーブンで4時間乾燥した際、本明細書のマトリクスへの装填前後に、0.5重量%以下(0.4重量%または0.3重量%以下など)の乾燥減量を有する。
本明細書のマトリクス成分は、0.5mm〜20mmの厚さ、より好適には0.8mm〜15mm、好ましくは1mm〜12mm、例えば、2mm、3mm、4mm、5mmまたは6mmの厚さを有し得るが、必要に応じてより少ないかまたはより大きい厚さであってもよい。
マトリクス成分は、30ミクロン〜1000ミクロン(30ミクロン〜700ミクロンまたは300ミクロン〜1000ミクロンなど)のセルサイズを有し得る。本明細書の多孔質発泡体マトリクス成分は、平均直径で、50ミクロン〜500ミクロンの範囲、例えば、200ミクロン〜250ミクロンの粒径を有することが好ましい。
本明細書のマトリクスは、開口部としてセルの総表面積の20%〜70%を有し得る。マトリクスは、例えば、約70%〜90%の、非常に高い自由内部容積であり得る。マトリクスは、所望のセルネットワークおよび細孔ネットワークアーキテクチャを有し得る。ポリウレタン(PU)発泡体の微細構造は、例えば図2aに図示するように、発泡体にわたる気流抵抗を提供する、細孔表面の中心における小さな円形孔を有する発泡体から、例えば図2bに図示するように、発泡体の全体にわたる自由気流を提供する、細孔表面が残っていない、網状で低密度の「開いた」発泡体におよぶ。対応する繊維マトリクスは、繊維間の、本明細書の不整列の空隙、セルおよび該空隙を相互接続する不整列の細孔を含み、マトリクス全体にわたる気流抵抗を提供するマトリクスから、繊維間の整列した空隙および該空隙を相互接続する整列した細孔を含み、マトリクス全体にわたる自由気流を提供するマトリクスにおよぶ。本明細書のマトリクスは、セル表面中の細孔のサイズ、それらの配向および間隔、セルサイズ、および細孔を含むセル表面の割合などの要素を含む、セルネットワークおよび/または細孔ネットワーク蛇行の関数としてのその面間の空気抵抗によって特徴付けられ得る。PU発泡体の気流抵抗は、セル内の最大の細孔の面積と、大きな細孔間のリンク付けされた経路の面積との関数であると考えられる。
実施形態では、マトリクス面に、およびそのセルネットワーク内に添加剤を含む材料は、面間の高い気流抵抗および/または低い空気透過、および/または高蛇行細孔ネットワークを含み、ここで材料は、上記に定義するように、非対称的である。本明細書の高蛇行ポリマー発泡体または繊維マトリクスは、ハイドロセルラーポリマー発泡体および創傷ケア適用での使用が意図される繊維マトリクスから選択されることが好ましく、ポリウレタン発泡体およびその組み合わせ、超吸収繊維フリースおよびセルロース繊維フリース等から選択されることがより好ましい。
こうしたマトリクス成分は市販されている、あるいは、当該技術分野で公知の技術によって製造されてもよく、全てSmith&Nephew,Inc.から市販されている、TENCELTM繊維(DurafiberTM)、ポリウレタン発泡体マトリクス(AllevynTMおよびAllevyn AgTM)、セルロースマトリクス(Post−opTM)、綿からみ織物ガーゼ繊維(BactigrasTM)、吸収性レーヨン/ポリエステルマトリクス(ActicoatTM)、およびMoelnlycke Health Careから入手可能なMepilexRおよびMepilexR Agを含む。セルロース超吸収性エアレイドなどの繊維マトリクスは市販されている(Glatfelter)。
マトリクス成分は、繊維と発泡体の組み合わせ、例えば、超吸収繊維などの上記の市販の繊維と発泡体マトリクスの組み合わせ、またはポリウレタン発泡体と超吸収繊維の積層二重層を含むMepilexR Border(およびAg)などの市販の組み合わせを含み得る。
ポリウレタン発泡体マトリクス成分は、例えば、EP0059049号およびEP1964580号に開示されているように製造されてもよく、共に、重合化前に抗菌剤を原始の発泡体に組み込むオプションを開示している。ポリウレタン発泡体成分は、親水性イソシアネート末端ポリエーテルプレポリマーを水、水性液体または水性界面活性剤と反応させて、成形ライナーなどの成形型またはライナーにキャスティングし、任意で乾燥させることによって製造され得る。マトリクス成分は最終製品であってもよく、また、予め混合され、本明細書の方法の原位置で上記に定義する粉末装薬を投与されるモールドまたはライナーにキャスティングされる半製品であってもよい。本明細書の高蛇行細孔ネットワークポリウレタン発泡体は、例えば、Hypol FHP2000、2001、3000、3001、2002または2000HDなどの100重量部のイソシアネートと、0.3〜7重量部の界面活性剤または界面活性剤の混合物および30〜300重量部の水および表面上にキャスティングされた発泡体混合物を混合することで製造され得る。典型的な発泡体混合物は、約20秒のクリーム時間、約250秒の立ち上がり時間、および約400秒の硬化時間を有する。
銀イオン放出添加剤は、好適には、本明細書に定義する材料の0.05mg〜3.5mg、または0.05mg〜4mgの銀イオン/cm(本明細書に定義する0.1mg〜3.5mgまたは4mgの銀イオン/cmまたは本明細書に定義する0.2mg〜3.5mgまたは4mgの銀イオン/cmなど)の量で、本明細書の材料に含まれる、または本明細書のマトリクス成分と組み立てられる。材料は、1.75mg/cm〜3.5mg/cmの範囲など、1.4mg/cmを超えて最大4mg/cm2までの量で硫酸銀などの添加剤を含み得る。
抗菌添加剤は、好適には、種放出プロファイル、すなわち、当該技術分野で公知の時間単位当たりの材料mg/cm2として得られる50mLの水性媒体中の放出量など、時間と共に放出される上記に定義する種の量によって特徴付けられる。実施形態では、放出プロファイルは、24時間内は急速な開始、すなわち、ボーラス放出であり、その後は、最大10日、例えば、最大7日〜8日間持続的な定常状態の第二の放出を維持する。
抗菌添加剤は、材料の寿命中、または起動から特定の時間間隔で、抗菌剤の必要な最小殺菌濃度(MBC)または最小発育阻止濃度(MIC)を提供し得る。MBCは、所与の流体中の所与の抗菌種の濃度の測定値、mg種/mL流体として得られる。
例えば、MBCは、当該微生物、選択された媒体、試験セットアップ、および殺傷の容易さに応じて、0.4mg〜50mgの銀イオン/50mLの創傷流体または模擬創傷流体または水性媒体、または、0.7mg〜2mgのヨウ素/mLであり得る。
放出は、例えば厚さ等に対する所与の吸収を有する所与の材料に対してmg salt/cmとして計算される同等の抗菌材料を提供する銀塩を含む材料で取得され得る。MBCは可能な限り迅速に達して、これを超えることが好ましい。
イオン放出を決定するための方法は、例えば、当該技術分野で公知の変更を加えたASTM E2149(微生物学試験)による。ASTM E2149は、多くの異なるタイプの材料および装置、および幅広い範囲の微生物を評価する能力を可能にする。材料および装置は、幅広い物理的/化学的応力または操作を受け、また、試験により、硬水、タンパク質、血液、血清、様々な化学物質およびその他の汚染物質などに起因する汚染の影響を試験する多様性が許容される。
本明細書の粉末装薬は、市販され、粉末装薬中に提供されるものとして含まれてもよく、または、例えば、乾燥によって、その所望の粒径グレードの選択などの粒径低減によって、または当該技術分野で公知の方法によって、加工されてもよい、本明細書の添加剤を含む。
本明細書の実施形態では、粉末装薬または添加剤は、2%未満の乾燥減量(L.O.D)を有する。
L.O.Dは、好適には、50℃の真空オーブンまたは105℃の非真空オーブンにおける4時間の間の、2%未満(例えば、1%未満)または0.5%未満(例えば、0.4%未満)、あるいは0.3%未満(例えば、0.2%または0.1%未満)の重量減少として、本明細書の粉末装薬または添加剤のサンプルにおいて判定される。
定義されるL.O.Dは、該投与された量における追加的または可変含水量を必要とすることなく、添加剤またはその粉末装薬の正確な投与を許容する。
L.O.Dは、粉末装薬または添加剤として判定され得る。別の方法として、L.O.Dは、添加剤を含む材料として判定されてもよく、マトリクスから、および添加剤からの湿り損失を含む。材料湿度は大気条件によって異なり、好適な方法で判定および分離され得る。
好ましくは、粉末装薬は、マトリクス成分セルサイズおよび細孔サイズおよび投与要件などのマトリクス成分および製造要件に適合する粒径およびその分布を有する添加剤を含む。硝酸銀などの高溶解性塩の粒径は、マトリクスセルおよび細孔サイズおよび投与などの製造要件との適合性のために選択されてもよく、例えば、200ミクロンのセルサイズマトリクスに適合する、約50〜1000ミクロン、例えば50〜200ミクロン(100ミクロンなど)であり得る。本明細書のマトリクスに充填するための添加剤は、約8ミクロン<D90<115ミクロン、または4ミクロン<D50<60ミクロン、または1ミクロン<D90<30ミクロンの粒径分布を有し得る。特定の有利な添加剤は、D50<10ミクロンの粒径分布を有する。
添加剤は、供給される添加剤として市販の、または当該技術分野で公知の、または同時継続中の2017年7月12に出願された未公開の米国仮特許出願番号第1711179.0号に開示される新規な方法による好適な微粒化である粒径低減による、任意の好適な粒径および粒径分布で提供され得る。
添加剤は微粒化されることが好ましく、該微粒化は、同時継続中の2017年7月12に出願された未公開の米国仮特許出願番号第1711179.0号に開示される新規な方法によるものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれており、例えば、添加剤または粉末装薬の提供、および、気相自己衝突および、高速空気噴射または高密度粉砕ビーズまたはマイクロビーズなどの気体または粒子粉砕力との接触などの、流動化した固体粒子との衝突から選択される粒子衝突によるその微粒化を含む。
粉末装薬は、ヒュームドシリカ、ステアリン酸塩、活性炭、ベントナイト、モンモリロナイト、雲母などの粘土から選択される上記に定義する流動剤を含み得る。流動剤は医学的に適合する。
流動剤は、添加剤について上記に定義される範囲の小さな粒径粉末として上記に定義される粉末装薬中に提供される。上記に定義する低溶解性の添加剤の場合、流動剤は、約D50<10ミクロンの粒径を有し、例えば、D50<10ミクロンの粒径分布を有する低ミクロン粒径の添加剤と共に粉末装薬内に含まれる。
流動剤は、最大20重量%の量(0.5〜8重量%または0.5〜4重量%、例えば2重量%)で存在し得る。量は、選択された薬剤の性質に依存し、軟化する際に、マトリクス気孔性を低減しないよう、屈曲/柔軟さに影響しないように選択される。
流動剤は追加的な機能を提供し得る。例えば、炭は、臭気制御剤として、または、光感受性の銀塩の場合のマトリクス変色をマスキングする着色剤、または創傷流体、血液などの色付きの水性媒体の吸収として機能する。粉末装薬は、PEGなどの不活性有機ポリマーから選択される増量剤を含み得る。増量剤は、最大80重量%(10〜80重量%または20〜80重量%など)、または20〜80重量%(例えば、25重量%または50重量%)、または75重量%の量で存在し得る。増量剤は、投与時の処理精度の少ない変化を確保するように支援する。
増量剤は、添加剤に対して上記で定義された範囲の添加剤の粒径未満、同一、またはこれを超える粒径を有し得る。上記に定義する低溶解性の添加剤の場合の特に有用な粒径は、50〜100ミクロンの範囲、例えば80ミクロンである。
一つ以上のさらなる添加剤は、本明細書に定義される該マトリクス成分に含まれる、または該粉末装薬内に含まれてもよく、例えば、上記に定義する創傷被覆材添加剤から選択される。
流体透過性の積層ネットは、添加剤が本明細書の材料から脱落することを阻害する。好適な積層ネットは、創傷被覆材内の隣接する層を相互作用させて接着するのに一般的に使用される、多孔質ポリマーシートまたはネットであり得る。押出成形されたポリマーメッシュ、不織布またはメルトブロー変形は、ポリアミド、ポリエステル、またはポリエチレン、例えばDelnetTM、(登録商標)Delpore(登録商標)、Stratex(登録商標)およびNaltex(登録商標)(Delstar)などが公知である。
流体透過性の積層ネットは、高温(150〜170℃など)で加熱積層可能である。
上記に定義される当該技術分野で公知の面に添加剤を向けるための方法は、例えば、
i)該マトリクスの面に粉末装薬を投与すること、または、
ii)粉末装薬を、シリコーン表面またはシリコーン被覆表面などのライナーに、または溶融ポリマー層に投与し、好適には発泡体マトリクス混合物または繊維混合物をキャスティングすることによってキャストマトリクスと接触させ、キャスト発泡体またはその面における繊維マトリクスを該ライナーに塗布する、または該ライナーをキャスト発泡体または繊維マトリクス面に塗布することを含む。
例えば、粉末装薬「貯蔵部」を提供するライナーおよびマトリクス面「受容部」は、バッチ式または連続プロセスで接合され、それによって粉末装薬がライナーからマトリクス面に接触して移動する。ライナーは、その上に粉末装薬の薄い層を有するベルトであってもよく、または、マトリクス面上に加熱積層され得る粘着性または非粘着性の溶融ポリマーフィルムまたは積層ネットであってもよい。マトリクスは、マトリクスのベルトまたは層であってもよい。
ライナーは、ホッパー、キャニスタまたは粉末装薬の貯蔵部の下の垂直面に配置され、該ホッパーまたは貯蔵部から粉末装薬を受け、その下に配置されたマトリクスに投与するための、正立および倒立に交互に存在するポケットを有する、閉ループコンベヤベルトの形態の連続ライナーであり得る。
好適には、方法は、例えば、二つの表面を接合する、または表面を転写式塗布するために当該技術分野で公知のグラビアを使用するベルトシステムまたはスタンプ印刷システムを使用する。こうした方法は、例えば、有機染料または無機焼結材料などの耐久性コーティング製造するための、例えば乾燥粉末被覆プロセスのための有機粉末塗布の文脈において公知である。
マトリクスは、新たにキャスティングされ、それによって粘着性があってもよく、または粉末装薬は、医学的に受容可能な接着剤粉末または軟質粘着性ゲルを含み得る。それによって、粉末装薬は該面に確実に保持され得る。
マトリクスは、粉末装薬投与と同時に、または投与後に加熱されて、マトリクス面または粉末装薬中に任意に含まれる結合剤の、または市販の溶融ポリマーライナーまたは上記に記載するように該面上に置かれた積層ネットの溶融軟化を生じさせ得る。
例えば、方法は、上記および下記に定義される投与後に、接触または積層プレートによるなど、熱および/または圧力を印加して、溶融ポリマーライナーまたは積層ネットを該マトリクス面に固定することを含み得る。
粉末装薬をマトリクスの面にi)、またはライナーにii)投与することは、例えば、乾燥粉末をライナーまたはマトリクスの面上に空気噴霧、散布、または散粉することによる。空気噴霧、散布または散粉は、ホッパー、キャニスタまたは粉末装薬の貯蔵部からであり得る。粉末装薬は、流動化されてもよく、または、空気噴射に混入することによって、またはホッパー等の貯蔵部から流動または放射することによって誘起される流体流である。
粉末装薬は、ii)に従って投与され、上記および下記に定義するようにセルネットワーク内の以後または同時の並進移動のためにマトリクス放出面において緩く保持または支持され得る。
当該技術分野で公知または本明細書に記載の並進移動用の方法は、例えば、面への投与および、I)物理力または、II)〜V)上記に定義される励起場/場の力によるセルネットワーク内の並進移動を含む。
I) 例えば、不繊布繊維をインターロックまたはメッシュ化してマトリクスを形成するための公知の技術によるマングリングまたはニードリング。好適には、マングリングは、ローラまたはその他の並進移動力を該放出面に、任意でそれらの間にライナーで、あるいは該裏面に印加することを含む。好適には、ニードリングは、一つ以上の微細な突起を該マトリクス内に挿入して侵入させ、それによって粉末装薬をそのセルネットワーク内で並進移動させることを含む。
II) 該セルネットワーク内におけるそのある量の同時並進移動によって粉末装薬を該マトリクス面に空気噴射するなどの、エアローリック(aeraulic)場。空気噴射は、該セルネットワークの方向に該面に適用される。空気噴射は、ホッパー、キャニスタまたは粉末装薬の貯蔵部からでもよい。粉末装薬は、空気噴射に混入させることによって流動化される。例えば、ホッパー、キャニスタまたは貯蔵部への供給ラインは、粉末装薬を空気と混入させ、マトリクス面において、好ましくは、調整可能な隙間を有し得る一つ以上のスプレーヘッドから、噴射する。ホッパー、キャニスタまたは供給ラインは、粉末装薬の所定の投与を計測する計測装置を含み得る。スプレーガンは、マトリクス面にわたって所望のレートで噴射する機構を用いて自動またはロボットによって操作されてもよい。別の方法として、エアースプレーは、例えばUS2017/098818号で公知の乾燥粉末技術によってもよく、この全ての内容は参照による本明細書に組み込まれる。空気スプレー装置は、例えば、Nordson.comで入手可能である。
III) 上記に定義される空気噴射技法を使用し、空気噴射速度および/または流動化した粉末装薬をセルネットワーク内に向けるのに十分な接触面積で操作される、高強度空気噴射。該方法は、複数の共に整列された空気噴射またはマトリクス面に向けられた空気噴射デフューザーヘッドによって、投与された粉末装薬を流動化することを含むことが好ましい。空気噴射デフューザーヘッドは、マトリクス表面積またはその一部に対応する拡散出口表面積を含んでもよく、該拡散ヘッドは、1mm〜5mmの分離またはそれ以上の好適な分離でそれに対して垂直またはある角度を有する該マトリクス面に面して整列され得る。該拡散ヘッドは、該マトリクス面またはデフューザーヘッドの周りに位置するフード内で窪んでいてもよく、または、真空バックなどの粉末装薬格納手段内で該マトリクスと一緒に封止されてもよい。真空は、本明細書の網状の対称装填の場合には該マトリクス内で、真空の適用下で崩壊する蛇行細孔ネットワークの場合には面装填において粉末装薬を引き出し得る。空気噴射ディフューザによる有利な流動化により、裁量乱流および粉末装薬の最小損失が可能になる。
高強度の空気ジェットは、粉末装薬用のホッパー、キャニスタまたは貯蔵部を備えてもよく、それによって投薬およびマトリクス内での指示は同時に可能である。
IV) 例えば、任意で市販のFibroline SAによって提供される含浸サービスによって、該面に垂直な該マトリクスにわたって印加される交番電場力である交番電場。方法は、交番静電高圧発生機に接続された2つの対面型電極を動作させるが、電極は誘電材料によって保護され、それらの間にマトリクスを通すことを可能にするのに好適な距離だけ離間している。マトリクスは、ロールなどの連続マトリクス、または好適な運搬装置上で該電極間に運搬されるマトリクスの不連続なセクションまたは長さとしてのいずれかで、10m/minから300m/minを超えるレートで該電極間を通過する。FibrolineのD−Preg、S−PregまたはT−Preg法が、必要な材料の尺度および寸法、およびその上に提供される粉末装薬の量および濃度に応じて選択され得る。T−Preg法は、低粉末装薬濃度を含む、または低粉末装薬容積を使用する材料の製造のために選択され得る。方法はUS2016/0228909号に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれている。
米国特許第US2016/0228909号は、基板全体にわたる粉末装薬の深部含浸を達成するための最適化を開示し、一つの面に投与された粉末の基体の厚さ全体にわたる均一な含浸を例証している。図3bおよび3cを参照すると、硫酸銀を含む粉末装薬は、それぞれの図面において最下層および最上層として示され、投与面に最も近いセルネットワークに向けられた放出面に投与された。塩の浸透があるが、ほとんどが、2mmの厚さの発泡体の最初の1mm内である。マトリクスの深部にいくらかの硫酸銀があるが、これは、投与面の近位にあるセルネットワーク内の硫酸銀と比較して、付随的な濃度である。これは、抗菌種放出添加剤を含む本明細書の材料において有利である。
V) 代替的な励起場は、電極の代わりに一連の自由回転バーによって生成される、US2016/0228909号に記載される振動励起場であってもよく、多角形断面の該バーは、マトリクスの厚さおよび該場を通って該場に入る該マトリクスの前進レートに応じて選択されるそれらの直径を有する。前述のバーは、マトリクスに対して可変圧力を印加し、その中に振動を生成し、その面に対して投与される粉末装薬を流動化し、それによって該流動化された装填は、マトリクスセルネットワーク内に向けられる。
実施形態では、流動化は、上記に定義される交番静電場(AC電場)、音場、超音波場、エアローリック(aeraulic)場、空気場等から選択される場における粉末励起によってもよい。方法は、上記に定義するマトリクス面に粉末装薬を投与することと、励起場を該面に印加することで粉末装薬を励起することとを含むことが好ましい。励起場は該面に対して垂直に印加されることが好ましい。場は、連続的また不連続的に印加され得る。連続的な場は、連続的なシートまたはロール、あるいは別個の部分として場を連続的に通過させてマトリクスに印加され得る。
上記のII)〜V)などの励起場/場の力は、好適には、本明細書のセルネットワーク内の粉末装薬を流動化して並進移動させるのに十分な期間印加される。流体化および並進移動は急速である。好適な持続時間は、1分未満、例えば、5、10、15、20または30秒など、3秒間〜30秒である。励起場は非乱流であることが好ましい。
好ましい一実施形態では、二つのマトリクス面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよび細孔ネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクス成分と、
上記に定義する粉末装薬と、を含む非対称的な材料を製造するための方法が提供されており、
該粉末装薬を該放出面に投与して励起場を印加して、該粉末装薬を流動化して該セルネットワーク内に向けることを含み、
該粉末装薬は、該放出面の近位で該セルネットワーク内に、該セルネットワーク内の深さが深くなるにつれて濃度が減少して含まれ、該粉末装薬は、該裏面および該裏面の近位にあるセルネットワークに付随的な量で存在し、
該マトリクスが蛇行性細孔ネットワークを提供することを特徴とする。
該マトリクス成分は、該発泡体マトリクス裏面に積層された超吸収繊維マトリクスを有する発泡体マトリクスを含む、および/または該粉末装薬が、該抗菌添加剤と共に超吸収性ポリマーを含むことが好ましい。
前述の方法は、溶融ポリマーラミネートネットを該放出面に積層することを含むことが好ましい。
本明細書の材料は、医療および歯科物品を含む物品の衛生および減菌および使用時減菌、ナプキン、おむつ、化粧品などのパーソナルケア品および物品の衛生および減菌、空気および水を含む食品または流体、または食品調製または包装プラントなどのそれらの調製および生成ためのシステム、換気システム、水管理システムの衛生および減菌、の管理から選択される使用のためのものであり、特に、微生物感染を防止または防衛するためのこうした使用が特に有益である。
材料は、特に細菌、酵母および真菌およびその組み合わせから選択される、該創傷または被験者の健康に有害な微生物の存在、汚染、または感染のリスクを伴う創傷への適用のためのものであり得る。
創傷管理には、浅い肉芽創傷、慢性及び急性滲出創傷、全体及び中間層創傷、滲出創傷、感染創傷、感染創傷、悪性創傷、外科的に離開創傷、第一および第二度の傷害、ドナー部位、菌状創傷などが含まれる。上記に定義した材料が特定の使用を有する創傷は、例えば、褥瘡、下肢潰瘍および糖尿病性下肢潰瘍などの潰瘍および褥瘡、手術創、外傷創傷、中間層熱傷、皮弁および皮膚移植ドナー部位の創傷、トンネルおよびフィステル創傷、二次治癒のために残された創傷、外科的または機械的に離開された創傷などの出血しやすい創傷、創腔、洞創傷、および開放創を含む。
本明細書の非対称材料は、最大量の抗菌種が必要な場所に近い放出のために用意に利用できる、または最大の量の創傷被覆材添加剤が創傷の近位または創傷から遠隔にあるように、添加剤に富む面などの創傷に面する面または放出面、または例えば銀に富む添加剤不良面、または部位または創傷に面するように配置するための銀に富む面の選択を提供するのに有用である。
本明細書の材料は、グラム陽性細菌および/またはグラム陰性細菌、例えば、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などのブドウ球菌およびMRSA、連鎖球菌、腸球菌、コリネ型細菌、およびディフィシル、同じくペプトストレプトコッカス属、ラクトバシラス属、プロピオニバクテリウム属、ビフィズス菌、およびアクチノミセス属から選択されるグラム陽性細菌、および/または、腸内細菌科などのプロテオバクテリア、例えば、大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、緑膿菌などのシュードモナス属、プロテウス、クレブシエラ属、同じくレジオネラ属、ヘモフィルス、ナイセリア属、アシネトバクター・バウマンニなどのアシネトバクター、バクテロイデス属、プレボテラ属、フソバクテリウム属、ポルフィロモナス属およびシアノバクテリアおよびスピロヘータから選択されるグラム陰性細菌を防衛するのに好適であり得る。
本明細書の材料は、創傷環境において遭遇する一つ以上の微生物、例えば、シュードモナス属、緑膿菌などのグラム陰性細菌、黄色ブドウ球菌、より具体的にはORSAとしても知られるMRSAなどのグラム陽性細菌、バクテロイデス フラジリスなどの嫌気性細菌、カンジダアルビカンスなどの酵母、アルビカンスおよびコウジカビなどの真菌類を防衛するのに特に有用である。
上記に定義する装置は、医療用または歯科用スポンジまたはワイプであってもよく、あるいは、追加的な機能材料と共にあるのは創傷被覆材である。
本明細書の好ましい装置では、層(a)および/または(b)は、シリコーン、ポリウレタン等から独立して選択される。
本明細書の装置は、複数の層に提供される上記に定義する同一または異なる抗菌または創傷ケア材料を含んでもよく、例えば、非対称的な材料の2または3層の非対称的な材料が、該装置内に添加剤の層を提供し得る。
この実施形態では、装置は、市販の創傷被覆材形態、例えば、ALLEVYNTMレンジの被覆材の形態、OPSITETMおよびOPSITETM POST−Op Visible、PICOTM、Algisite、DurafiberTM、Mepilexなどの被覆材の形態で製造された材料を含み得る。
図5は、本明細書の抗菌材料を含む創傷被覆材形式を図示する。図5aおよび5bには、上記層(a)、(b)および(c)を含む被覆材が図示されている。図5bにおいて、層は、その境界において外層(a)および(c)を加熱積層することによって一緒に保持される。図5cは、上記の追加的な層(b’)および(b’’)を含む変形5bを示す。図5dは、発泡体および繊維マトリクス二重層を含む、図5aの変形を図示する。二重層は、本明細書に定義する粉末装薬成分を含む二重層マトリクス成分を含む、本明細書に定義する二重層抗菌材料を構成し得る。別の方法として、二重層は、いずれかまたは両方が上記に定義する粉末装薬成分を含むマトリックス成分を含む、独立した抗菌材料層を構成し得る。
本明細書のパッケージ化された装置は、アルミ箔パウチなどの耐水パウチに好適に包装されている。
さらなる態様において、本明細書では、本明細書に記載の装置の製造方法が提供される。
実施形態において、以前に形成された個々の層は、一つ以上の積層プロセスにおいて層を一緒に結合することによって積層へと形成され得る。好適な結合方法は、ヒートシールまたは接着結合を含み、接着層は水蒸気透過性である。
代替的な実施形態では、発泡体層は、他の層または追加的な層のうちの一つまたは両方と接触して形成される。このプロセスは、特別な結合操作の回数を低減または除去するため、有利であり得る。
別の好ましいプロセスでは、適合する外側フィルム層は、例えば、ポリマーの溶液を噴霧することによって発泡体層上に形成される。
連続したプロセスでは、創傷被覆剤は、その後好適なサイズの被覆剤に切断される連続したストリップの形態で製造されることができる。
通常、層を接合することは積層プロセスであり得る。
発泡体層が外層と接触して生成される、被覆材の好ましい形成プロセスでは、良好な結合を得るために発泡体がなおも粘着性がある間に他の外層を発泡体に積層することが重要である。通常、発泡体を他の外層と接触させるのは、発泡体がキャスティングされた後の2.5〜5分、例えば、3〜3.5分が好適である。
上記に定義される治療方法は、創傷などの部位を治療するためのものである。治療のための好適な部位は湿っているか、水性流体を含む。抗菌種の放出は、水分または水性流体と接触するときに、該部位または創傷内に活性化される。好適な創傷が滲出する。
本明細書の治療方法は、本明細書の材料または装置を該部位または創傷と接触させて定位置に追加的に固定することを含むことが好ましい。好適に固定する手段は、必要な期間、例えば、7、8または10日以上材料または装置を定位置に保持するのに十分に堅牢である。固定することは、該創傷を囲む皮膚などの該部位への、創傷接触面などの部位接触面の、またはカバー層のまたはさらなる接着層またはストリップまたは該材料または装置上に塗布された包帯の接着により得る。
本明細書の実施形態は、その非限定的な実施例を参照しながら以下に図示される。
比較例1:硫酸銀を製造時点(P.O.M)装填されたPU発泡体の調製
実施例 CE1.1:P.O.M.装填(水性)
硫酸銀(Alfa Aesar、40〜70ミクロンで供給された)を含むPU発泡体サンプルを、スルファジアジン銀水溶液を硫酸銀水溶液に置き換える、EP0059049号の実施例8の方法の変形を用いて調製した。
硫酸銀(1.5g)を、高速剪断ミキサーを用いてBrij 72乳剤(2.5%水溶液として30g)に混合した。
混合した乳剤添加剤をHypol 2002(20g)にビーカー内で添加し、Hypolが均一に分散するまで(およそ20秒)、金属へらを用いて、およびその後の機械的攪拌を用いた攪拌によって混合し、形状ライナーにキャスティングして、1.9mg/cm2の等価装填用量(TS)を有する発泡体を生成した。図2aおよび2bに示す、結果として得られる材料のSEM画像において、硫酸銀(明るいスポット)が2mmの厚さの発泡体に渡って細孔内に装填され(灰色の断面構造マトリクスフレームワークまたは灰色の断面セル表面に対して濃い灰色)、サブミクロンサイズで溶液から沈降した粒子の装填を示していることが分かる。
実施例 CE1.2:P.O.M.装填(水性懸濁液)
PU発泡体は、欧州特許第EP1964580号に開示されているように、ポリウレタン発泡体重合反応の水相に組み合わされた硫酸銀の組み合わせ溶液懸濁液から構造マトリクスフレームワーク内に装填された硫酸銀を含む。
比較例2 多層被覆材組成物の調製
実施例 CE1.1D(P.O.M.装填(水性))
比較例CE1.1の発泡体を、通気性のある上部フィルム層および接着創傷接触層を多層被覆材複合材形態で有する、対応するCE1.1Dと一緒に提供した。
実施例 CE1.2D(P.O.M.装填(水性懸濁液))
市販のMepilexR Border Ag(Moelnlycke Health Care)は、硫酸銀の実施例 CE1.2(P.O.M.装填(水性懸濁液))の方法を用いて製造されたハイドロセルラーPU発泡体、未知の硫酸銀と共に、超吸収繊維層、通気性のあるPU上部フィルムおよび1.3mg/cm2の等価装填用量(TS)を有する弱い接着創傷接触層を含む、多層被覆材CE1.2D(図5cの形態)である。硫酸銀は、発泡体の深さに渡ってPU発泡体構造マトリクスフレームワーク内に、40〜70ミクロンで供給される、15ミクロンの粒子を含む一つの母集団および約1ミクロンの微粉の第二の母集団の、部分沈殿/部分懸濁液由来の粒子として含まれる。
実施例1.1 微粒化された添加剤の調製
d=5の非常に高密度な硫酸銀(40〜70ミクロン、Alfa Aesar)を空気噴射粉砕装置(Dietrich Engineering Consulting、Conika乾燥ミル)の入口内に導入した。中央粒径を1〜10ミクロンに減少させるために、設定(射出および粉砕ラインガス圧力および硫酸銀供給速度)を調整した。粉末装薬をいくつかの等級で取得した。
微粒化された硫酸銀のサンプルを、例えば以下のように、メタノール中の粉末の分散を超音波処理した後に、Malvern Mastersizerによって測定した。
D50〜3ミクロン、
D50〜6ミクロン、
D50〜14ミクロン。
また、本明細書に開示する方法によって、例えば以下のように、粒径分布について、微粒化された硫酸銀を評価した。
平均1.6(0.4〜5.3)ミクロン、
平均1.9ミクロン(0.7〜5ミクロン)。
実施例1.2 粉末装薬の調製
粉末装薬を、実施例1.1から供給された、あるいは微粒化された硫酸銀から、単独で、あるいは、例えば、表1にあるように、PEG3350(増量剤、80ミクロン)、および/またはヒュームドシリカ(流動剤<1ミクロンの)、および/または炭(二次的添加剤)を組み合わせて調製した。
Figure 2020526331
実施例2 PU(粉末装薬)装填されたPU発泡体複合材の調製
ALLEVYNポリウレタン発泡体(厚さ2mm)、または超吸収繊維フリースを有する*二重層積層物をグラビアに投与された、実施例1からの粉末装薬と共に、Fibroline SAに提供した。
Fibroline SAは、多くのサンプルにおいて、
Ex.2.1〜2.4では、1.6mg/cmおよび(微粒化された)0.8mg/cm、1.1mg/cm、1.4mg/cmの、異なる等価装填用量(TS)で、
例えば、米国特許第2016/0229890号に記載される独自技術を使用して以下のように、抗菌材料の組み立てを行った。粉末装薬をマトリクスの放出面に、またはマトリクスの上または下に置かれたグラビアに投与し、AC静電場を投与されたマトリクスに印加して、粉末装薬を、装填された放出面の近位にあるPU発泡体のセルネットワーク内に侵入させる。
流動剤および/または増量剤を含むサンプルは、許容可能な量(ないことが理想的である)を投与グラビア上に残して、発泡体表面に正確に装填される。流動剤を含むサンプルは、流動剤を含まないサンプルよりもより効率的に装填される。
材料を加熱して粉末装薬中に含まれるマトリクスおよび/または増量剤を軟化させ、それによって硫酸銀粒子をセル壁内に位置させた。
図3c、図3dおよび図3e、図3fに示す、結果として得られる材料のSEM画像において、硫酸銀(明るいスポット)が細孔(灰色の断面構造マトリクスフレームワークまたは灰色の断面セル表面に対して濃い灰色)に装填されていることが分かる。図3cでは、細孔ネットワークの蛇行が図示されている。図3d〜図3hは、微粒化された硫酸銀を装填された材料のSEM画像である。図3d、図3eおよび3fにおいて、結果として得られる非対称的な粉末装薬装填は、深さが増大するにつれて硫酸銀の濃度を減少させて、2mmの厚い発泡体内の1mmの深さへと並進移動することが分かる。図3g(第二の電子(トポグラフィー))および3h後方散乱電子(明るいゾーン=重い元素、ここでは銀))では、共に配置された軟化された増量剤および位置付け/組み込まれた硫酸銀が分かる。
実施例3 多層被覆材組成物の調製
実施例2.1〜2.4の発泡体を、図5に図示する市販の様々な多層被覆材組成物の変形に対応する実施例2.1D〜2.4Dとして提供した。
ALLEVYN Gentle Border:5b
ALLEVYN Life:図5C
ALLEVYN Gentle:5b、境界なし
ALLEVYN Life Non−Bordered:5c、境界なし
実施例4 銀放出性能
多層組成物CE1.1D、CE1.2Dおよび実施例2.1D〜実施例2.4Dについて、本明細書に記載の方法、すなわち、単位時間当たりの材料mg/cmとして得られる、50mLの水性媒体中に放出される量を用いて、銀放出を判定した。放出は、7日間にわたってサンプリングされた同一の媒体について累積され、その特定の流体の飽和を遅くする。結果を図6に示す。
3つの多層組成物のすべてのタイプ、P.O.M(水性)、P.O.M(水性懸濁液)および複合材(粉末装薬)装填は、最初の6時間にボーラス放出を示し、その後定常状態に達し、170時間を超えて放出が続く。実施例2Dのサンプルは、以下のように、図6における低い等価装填用量で、より大きなボーラス、およびより高い持続的な放出を示した。
実施例2.2Dおよび実施例2.3Dの被覆材からの銀放出は、より低い装填(TS=銀元素の合計)で、CE1.2Dの銀放出を超えた。
実施例2.1Dの被覆材からの銀放出は、より低い装填(TS)で、CE2.1Dからの銀放出を超えた。
実施例5 日々の銀放出性能
また、銀の放出を、実施例4と同様の方法で、ただし日々により、毎日放出媒体を補充して判定した。図7に示す結果は、実施例2.4D(微粒化された複合材(粉末装薬)装填された))の被覆材の銀放出性能が、4日までは等価装填(TS)でCE1.2D (P.O.M.装填(水性懸濁液))を超え、その後は7日まで同等であることを示している。
実施例4および実施例5は、セル内に装填された、およびさらに実施例6に示すように、放出面の近位にある、必要な場所に近いセルネットワーク内の非対称的な装填における、添加剤の利用可能性の増大を示している。
また、実施例4は、微粒化された粒子(図6)からの、増大した粒子表面積によって達成される優れた放出を実証する。
実施例6 放出面
実験用途のみのために、実施例2に従って、およそ3mg/cmのTSの高い微粒化された硫酸銀において非対称的な材料を調製した。材料を二つの被覆材に組み立てた:
実施例6.1D:創傷接触層の近位にある銀に富む側(すなわち、装填および放出面)
実施例6.2D:創傷接触層の近位にある銀不良面(すなわち裏面)
実施例4の方法を使用して、両被覆材の創傷接触面からの銀放出を7日間測定し、結果を図8に示す。
被覆材6.1Dは非常に高い銀放出をもたらした。これは、溶解性が限定された従来技術の材料および方法とは対照的に、本明細書の材料および方法における装填を増加させることにより随意に放出を適合させ得ることを実証する。
被覆材6.2Dは、被覆材組成物からのわずかな放出を示し、銀イオンは被覆材内に保持され、被覆材を抗菌にしているが、一般的に創傷床である、放出部位上への影響が最小限であった。このことは、本明細書の非対称的な方法を使用して非対称的な材料における創傷接触面に戦略的に装填された合計銀含水量が、創傷床への放出のためにより容易に利用可能であり、改善された銀放出を提供し得る、または、材料または被覆材内の低減した量の銀塩の提供を容易にし得ることを実証した。
実施例7 滅菌
実施例2のサンプルをシリコーン創傷接触層で被覆し、2×2cmの正方形に切断し、本明細書の図5cによる層を用いて組み立て、積層のために高温で封止し、また、3つのサンプルそれぞれをエチレンオキシドサイクルによって減菌して、対応する非減菌サンプルに対してイオン性銀を判定した。図9に示す結果は、減菌がイオン性銀に影響しなかったことを示している。
実施例8 銀放出性能が異なる被覆材組成物形態
実施例2Dの異なる多層組成物を、実施例4の方法を使用して銀イオン放出について比較した。図10に示す結果は、ボーラスおよび持続的な銀イオン放出が、異なる形態の多層組成物において保持されることを実証する。
サンプルを、黄色ブドウ球菌およびP緑膿菌について正常にテストした。
添加剤表面富化の視覚化
一部の実施形態では、該粉末装薬を本明細書に記載する該マトリクスに投与または装填した後、該マトリクスが、該粉末装薬および/または該添加剤の不均一な空間分布を呈し得る。一部の実施形態では、例えば図4に示すように、粉末装薬および/または該添加剤の最大の富化は、一つ以上の発泡体表面(例えば、部位接触面、創傷接触面)に存在し得、バルク発泡体表面下の深さが増大するにつれて徐々に低減する。
硫酸銀などの装填された添加剤の表面富化は、発泡体の深さにわたる平面断面の後方散乱走査型電子顕微鏡(b−SEM)を使用して二次元で、および高解像度の(使用される器具は、35ミクロンの空間解像度よりも良好でなければいけない)マイクロフォーカスX線コンピュータ断層撮影(μ−XCT))を使用して三次元で視覚化され得る。両視覚化技術の使用は、マイクロフォーカスX線コンピュータ断層撮影器具の空間解像度に限界があるため、両視覚化技術を使用することは有益であり得る。マトリクスおよび装填された添加剤は、SEMおよびμ−XCTの両方によって同時に可視化され得る。
一部の実施形態では、顕微ラマン分光法などの二次元視覚化方法を用いて、発泡体の平面断面表面全体の装填された添加剤の空間的分布をマップし得る。ポリウレタン発泡体および硫酸銀は、顕微ラマン分光法によって同時にマップされ得る。
一部の実施形態では、ミクロ蛍光X線分析装置(μ−XRF)などの二次元視覚化方法を用いて発泡体の平面断面表面全体の銀および硫黄(硫酸銀の元素成分)の空間分布をマップし得るが、こうした元素マップは、マップされた領域のマクロ光画像上に重ねられる(ポリウレタン発泡体はμ−XRFによってマップできない)。
添加剤表面富化の定量化
添加剤富化の程度の定量化は、b−SEM画像のグレースケールセグメント化(後方散乱信号の輝度)に基づく画像分析によって達成され得る。断面画像中の異なる発泡体深さに位置する対象領域を分析して、硫酸銀の2D面積被覆率を取得し得る(b−SEM画像中、硫酸銀はポリウレタン発泡体よりも明るいコントラストを生じる)。
硫酸銀富化の程度の定量化は、μ−XCT画像のグレースケールセグメント化(X線不透過性)に基づく画像分析によって達成され得る。三次元画像データセット中の異なる発泡体深さに位置する対象容積を分析して、対象のより深部の容積内の硫酸銀の3D面積占有率を取得し得る(μ−XCT画像中、硫酸銀はポリウレタン発泡体よりも高いX線不透過性を生じる)。
実施例9(粉末装薬)装填された複合材を有するPU発泡体内の銀分布
実験用途のみのために、硫酸銀の装薬において実施例2に類似した方法により、別の4つの非対称的な材料を調製した。これらの実施例では、ポリウレタン(PU)発泡体層を、硫酸銀粉末(銀として約1〜2mg/cm)を用いて乾燥含浸させた。含浸プロセスの間、粉末結合剤(例えば、ポリエチレングリコール、PEG)と共に、少量の活性炭およびヒュームドシリカを添加し得る。さらに、銀は、粉砕させてその粒径を減少させてもよく、または、製造者によって供給された未粉砕として使用されてもよい。
これらのサンプルなどの材料は、以下についての、結合剤の存在の、および粉砕または未粉砕銀の影響を特定するために、PU発泡体サンプルの断面を通して含浸され得る。
・ 発泡体内への銀粒子の侵入の深さ。
・ 発泡体の深さ全体にわたる硫酸銀の分布の差につながる(例えば、他方ケースに比べて一方のケースにおける表面濃度が大きい)、含浸中の粒子の偏析(PEG粒子が硫酸銀粒子より大きい)があるかどうか。
4つの発泡体サンプルは以下の通りであった:
AD‐厚さ2mmのポリウレタン発泡体、48重量%の硫酸銀、48重量%のPEG100k、3重量%の炭、1重量%のシリカ。銀用量は0.76〜0.88mg/cmの範囲であった。
AC‐厚さ2mmのポリウレタン発泡体、48重量%の未粉砕硫酸銀、48重量%のPEG100k、3重量%の炭、1重量%のシリカ。銀用量は0.67〜0.88mg/cmの範囲であった。
AE‐厚さ2mmのポリウレタン発泡体、96重量%の乾燥粉砕された硫酸銀、3重量%の炭、1重量%のシリカ。銀用量は2.31〜2.59mg/cmの範囲であった。
AB‐厚さ2mmのポリウレタン発泡体、96重量%の未粉砕硫酸銀、3重量%の炭、1重量%のシリカ。銀用量は1.68〜1.96mg/cmの範囲であった。
乾燥粉砕された硫酸銀の粒径分布は、約2ミクロン<D10<約5ミクロン、約5ミクロン<D50<約10ミクロン、約10ミクロン<D90<約18ミクロンであった。未粉砕の硫酸銀の粒径分布は、約10ミクロン<D10<約25ミクロン、約30ミクロン<D50<約60ミクロン、約50ミクロン<D90<約90ミクロンであった。一部の実施形態では、粉砕された硫酸銀は、4ミクロン<D10<5ミクロン、8ミクロン<D50<11ミクロン、16ミクロン<D90<19ミクロンの粒径を有してもよく、未粉砕硫酸銀は、10ミクロン<D10<15ミクロン、20ミクロン<D50<40ミクロン、40ミクロン<D90<95ミクロンの粒径分布を有し得る。
上記のサンプルでは、PEG発泡体サンプルは、非PEG発泡体サンプルよりも2.5〜3.5倍少ない硫酸銀を含む。サンプルは、SEM画像、マイクロCT画像、またはその他任意の適切な技術を使用して分析され得る。
図4mは、上述の乾燥含浸硫酸銀発泡体サンプルから取得されたX線透過画像を示し、暗い領域は硫酸銀を示している。粉砕された硫酸銀のサンプル発泡体サンプルは、より画定された硫酸銀分布を有していたが、これは、供給された発泡体上で観察されたチェッカーボードパターンに配置されたノードと一致している。対照的に、未粉砕の硫酸銀発泡体サンプルは、比較的よりランダムな硫酸銀分布を有していた(図4mに示す平面透過画像を参照)。ノードにおいて未粉砕のサンプルABがより高い硫酸銀を有するとの何らかの表示があるが、これは、粉砕されたサンプルほど明確ではない。断面X線透過画像は、以下に考察するように、異なる深さへと発泡体中に侵入した硫酸銀を示す。したがって、一部の実施形態では、粉末装薬はランダム分布で装填されてもよく、その他の実施形態では、粉末装薬はチェッカーボードパターンなどのパターンを提供するよう装填されてもよい。
図4nは、本明細書に記載する方法によって取得された非対称的な材料のそれぞれの断面図SEM画像を図示しており、図4nは、本明細書に記載する方法によって取得された非対称的な材料のそれぞれのマイクロフォーカスX線コンピュータトモグラフィー(μ−XCT)画像を図示する。粉砕されたサンプルの断面画像は、およそノードの中心を通って取得された。図4n〜図4oに示すように、一部の実施形態では、硫酸銀は、複数の角錐形状に含浸されてもよく、角錐の基部はノードの表面にあり、角錐の点は、さらに発泡体中(例えば、発泡体内の0.4mm〜0.8mm)にある。一部の実施形態では、未粉砕の硫酸銀のサンプルに示されるように、硫酸銀がよりランダムに分布されてもよく、この場合、未粉砕の硫酸銀上のバルクは、発泡体内に約0.4mm〜約0.8mmでランダムに分散されているように見える。一部の実施形態では、硫酸銀は発泡体全体であるが、充填された表面上よりもずっと少ない濃度で分散され得る。一部の実施形態では、硫酸銀の50%、70%、または80%よりも多くが、発泡体の表面から0.8mm以内に存在してもよい。図4oに示すように、非PEG発泡体サンプル中の硫酸銀のバルクは、発泡体の約0.8mmの深さに入ったが、対照的に、PEG発泡体サンプル中のバルクは、発泡体の約0.4mmの深さに入った。4つの発泡体サンプルのすべてについて、発泡体全体を通して硫酸銀粒子が観察されたが、含浸された発泡体の表面上よりもはるかに少ない程度であった。したがって、一部の実施形態では、粉末装薬は、例えば、約0.4mm、または約0.8mm以内のマトリクスの表面の特定の距離内に提供される粒子のバルク(または上記の任意の割合)で装填されてもよい。
陰圧創傷療法(NPWT)
本開示の実施形態は、概して、局所陰圧(「TNP(topical negative pressure)」)治療システムで使用するように適用可能であることは理解されるであろう。手短に言えば、陰圧創傷療法は、組織の浮腫を減少させ、血流および顆粒組織形成を促し、過度の滲出液を除去することによって、「治癒が困難な」創傷の多くの形態を閉鎖および治癒するのを補助し、細菌負荷(および、それゆえ感染リスク)を低減し得る。加えて、治療によって、創傷の不安を減らすことが可能になり、より早期の治癒に導く。TNP療法システムはまた、流体を除去し、閉鎖の並列された位置で組織を安定化するのに役立つことで、外科的に閉じられた創傷の治癒を支援し得る。TNP治療のさらなる有益な使用は、過剰な流体を除去することが重要であり、組織の生存度を確保するために移植片が組織に近接していることが求められる、移植片およびフラップにおいて見出すことができる。
本明細書に使用する通り、−XmmHgなど、減圧または陰圧レベルは、760mmHg(または1atm、29.93inHg、101.325kPa、14.696psiなど)に相当し得る、平常の周囲気圧に対する圧力レベルを表す。従って、−XmmHgの陰圧値は、760mmHgよりもXmmHg低い絶対圧力、または、言い換えれば、(760−X)mmHgの絶対圧力を反映する。さらに、XmmHgよりも「低い」または「小さい」陰圧は、大気圧により近い圧力に相当する(例えば、−40mmHgは−60mmHgよりも低い)。−XmmHgよりも「高い」または「大きい」陰圧は、大気圧からより遠い圧力に相当する(例えば、−80mmHgは−60mmHgよりも高い)。いくつかの実施形態では、局所的な周囲大気圧は基準点として使用され、そのような局所的な気圧は、必ずしも、例えば、760mmHgでなくてもよい。
本開示の一部の実施形態に関する陰圧範囲は、約−80mmHg、または約−20mmHg〜−200mmHgとすることができる。これらの圧力は、760mmHgであり得る、平常の周囲大気圧に対して相対的であることには留意されたい。それゆえ、−200mmHgは、実質的には約560mmHgであろう。いくつかの実施形態では、圧力範囲は、約−40mmHgと−150mmHgとの間であり得る。あるいは、−75mmHg以下、−80mmHg以下、または−80mmHg超過の圧力範囲が使用され得る。また、他の実施形態では、−75mmHgを下回る圧力範囲が使用され得る。代替として、およそ−100mmHgまたはさらに−150mmHgより上の圧力範囲が、陰圧デバイスにより供給され得る。
本明細書に記載する創傷閉鎖装置の一部の実施形態では、創傷収縮の増加が、囲んでいる創傷組織における組織拡張の増加につながり得る。この影響は、場合により、創傷閉鎖装置の実施形態によって創傷に適用される引張力の増加と連動して、組織に適用される力を変化させること、例えば、時間と共に創傷に適用される陰圧を変化させることによって増大する場合がある。いくつかの実施形態では、陰圧は、例えば正弦波、方形波を使用して、又は、一つ又は複数の患者の生理的指標(例えば、心拍)と同期して、経時的に変化させられ得る。前述に関するさらなる開示を見出すことができる、そのような適用の例には、2012年8月7日に発行された名称「Wound treatment apparatus and method」の米国特許第8,235,955号、および2010年7月13日に発行された名称「Wound cleansing apparatus with stress」の米国特許第7,753,894号を含む。これら両特許の開示は、参照することによりその全体が本明細書に援用される。
本明細書に記載する創傷被覆材、創傷被覆材構成要素、創傷治療装置および方法の実施形態は、また、2013年5月22日に国際出願番号第PCT/IB2013/001469号で出願され、2013年11月28日に国際公開第2013/175306A2号として公開された、名称「APPARATUSES AND METHODS FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」、2013年7月31日に国際出願番号第PCT/IB2013/002060号で出願され、国際公開第2014/020440号として公開された、名称「WOUND DRESSING」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、それらの開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載する創傷被覆材、創傷治療装置および方法の実施形態は、また、2015年6月23日に発行された名称「WOUND DRESSING AND METHOD OF USE」の米国特許第9,061,095号、および2016年11月24日に米国特許公開第2016/0339158号として公開された、名称「FLUIDIC CONNECTOR FOR NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY」に記載されるものと組み合わせて、またはそれらに加えて使用されてもよく、それらの開示は、創傷被覆材、創傷被覆材の構成要素および原理、ならびに創傷被覆材に使用される材料の実施形態に関するさらなる詳細を含め、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
加えて、本明細書に記載する、ポンプまたは関連電子機器と組み合わせた、創傷被覆材を含むTNP創傷治療に関連する一部の実施形態は、また、2016年11月3日に国際公開第2016/174048 A1号として公開された、名称「REDUCED PRESSURE APPARATUSES」に記載されるものと組み合わせて、またはこれに加えて使用されてもよく、その全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。これらの実施形態の一部では、ポンプまたは関連する電子部品は、創傷被覆材に組み込まれて、創傷に適用される単一の物品を提供し得る。
多層創傷被覆材
任意の多層創傷被覆材は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または含んでもよい。こうした創傷被覆材は、装填されたマトリクスを含む、装填されたマトリクス層、複合材または積層物を組み込み得る。例えば、前述し、そして図1〜10に図示する通り、粉末装薬/添加剤装填ポリウレタン(PU)材料を含む装填された発泡体層は、多層創傷被覆材に組み込まれてもよい。本明細書で前述した通り、ポリウレタン(PU)材料上に装填された粉末装薬または添加剤は、例えば、湿性または水性媒体と接触することによって、活性化されて、化学種(例えば、抗菌種)を放出するように構成され得る。したがって、装填されたマトリクスは、例えば、湿性または水性媒体、例えば創傷滲出液と接触すると抗菌種を放出するように構成され得る。創傷への抗菌種の放出および拡散を容易にするために、装填されたマトリクスは、創傷被覆材内の創傷の近位に置かれてもよい。
一部の実施形態では、創傷または部位を治療する方法が提供されている。方法は、創傷被覆材が創傷に接触するように、創傷にわたって、本明細書に記載する粉末装薬/添加剤を含む繊維または発泡体層などの装填されたマトリクスを有する多層創傷被覆材を置くことを含み得る。こうした創傷被覆材の例は、上記で説明されており、以下にさらに説明されている。創傷被覆材は、創傷の周りの健康な皮膚に接着され得る。方法はさらに、創傷滲出液を装填されたマトリクス層に到達および/または接触させることを含み得る。一部の実施形態では、創傷滲出液が創傷被覆材内に吸引されるように、陰圧を創傷被覆材に印加してもよい。一部の実施形態では、創傷滲出液は創傷被覆材内に拡散または吸い上げられ得る。一部の実施形態では、創傷滲出液以外の任意の湿性または水性媒体が創傷被覆材に提供され得る。湿性または水性媒体と接触すると、創傷滲出液によって提供されていてもいなくても、装填されたマトリクス層は、上記の通り、抗菌種を放出し得る。放出された抗菌種の少なくとも一部分は、例えば、拡散によって創傷内に放出され得る。一部の実施形態では、抗菌種は銀イオンであり得る。一部の実施形態では、抗菌種は、長期間、例えば、最大1日、5日、7日、または10日以上創傷に放出され得る。一部の実施形態では、銀イオンは、1日当たり最大0.1mg/cm、1日当たり最大1.2mg/cm、1日当たり1.8mg/cm放出され得る。
NPWT用多層創傷被覆材
図11は、陰圧創傷療法システム700の一実施形態を図示する。システムは、本明細書に記載する実施例のいずれかによる被覆材であり得る創傷被覆材720によって覆われた創傷くぼみ710を含む。創傷くぼみ内に陰圧を維持することができるように、被覆材720は、創傷くぼみ710上またはその内部に位置付けられ、創傷くぼみをさらに封止し得る。例えば、創傷被覆材720のフィルム層は、創傷くぼみ710を覆う実質的に流体不浸透性のシールを提供することができる。一部の実施形態では、発泡体またはガーゼの層などの創傷充填剤を利用して、創傷を包み得る。創傷充填剤は、上記の装填されたマトリクスを含み得る。例えば、発泡体(RENASYS−F)またはガーゼ(RENASYS−G)を利用するSmith & Nephewの陰圧創傷療法システムなどの、発泡体またはガーゼを利用する従来の陰圧創傷療法システムでは、上述の通り、発泡体またはガーゼは、装填されたマトリクス層、複合材または積層物と置き換え、または補完され得る。発泡体またはガーゼの層あるいはその他の創傷パッキング材料と補完する際、装填されたマトリクス層、複合材または積層物は、創傷に別個に挿入されても、創傷に挿入するために、創傷パッキング材料に予め取り付けられてもよい。
単一または複数の内腔管または導管740は、創傷被覆材720を、減圧圧力を供給するように構成された陰圧装置750に接続する。陰圧装置750は、陰圧源を含む。陰圧装置750は、キャニスタなしの装置であってもよい(滲出液が、創傷被覆材に回収される、および/または別の場所に回収するために管740を介して移されることを意味する)。一部の実施形態では、陰圧装置750は、キャニスタを含む、またはキャニスタを保持するように構成され得る。さらに、本明細書で開示される実施形態のいずれかにおいて、陰圧装置750は、創傷被覆材720に完全にまたは部分的に埋め込まれる、創傷被覆材720に取り付けられる、または創傷被覆材720によって保持され得る。
導管740は、減圧圧力を創傷くぼみに供給するように、陰圧装置750と創傷くぼみ710との間に少なくとも実質的に封止された流体流路または経路を提供するように構成される、任意の好適な物品であることができる。導管740は、ポリウレタン、PVC、ナイロン、ポリエチレン、シリコーン、または任意のその他の好適な剛性または可撓性材料から形成され得る。一部の実施形態では、創傷被覆材720は、導管740の端を受けるように構成される、ポートを有し得る。例えば、ポートはフィルム層内に孔を含み得る。一部の実施形態では、導管740は、別のやり方では、創傷くぼみ内に所望のレベルの減圧圧力を維持するように、減圧圧力を創傷くぼみ710に供給するために創傷被覆材720のフィルム層を通る、および/またはその下を通過することができる。一部の実施形態では、導管740の少なくとも一部は、創傷被覆材720と一体型であるか、またはそれに取り付けられる。
図12A〜図12Bは、流体コネクタ110とともに創傷被覆材100を用いた、陰圧創傷治療システム10の実施形態を図示する。本明細書に記載されるポンプと組み合わせた創傷被覆材を含む陰圧創傷治療に関連する追加的な実施例は、その全体が参照により組み込まれる、米国特許第9,061,095号に記載されるものと組み合わせてまたは追加して使用され得る。図中、流体コネクタ110は細長い導管を含んでよく、より好ましくは、近位端130および遠位端140を有するブリッジ120、およびブリッジ120の遠位端140にアプリケータ180を含んでもよい。システム10は、ポンプまたは陰圧を供給できる陰圧ユニット150など、陰圧源を含んでもよい。ポンプは、創傷滲出液、および創傷から除去され得る他の流体を貯蔵する、キャニスタまたは他の容器を備えてもよい。キャニスタまたは容器はまた、ポンプとは別に提供され得る。一部の実施形態では、図12A〜図12Bに図示するように、ポンプ150は、Smith&Nephewより販売される、PICO(商標)ポンプなど、キャニスタなしのポンプであり得る。ポンプ150は、管190を介してブリッジ120に接続してもよく、またはポンプ150は、ブリッジ120に直接接続し得る。使用中、被覆材100は、一部の場合、上述の発泡体またはガーゼなどの創傷パッキング材料で満たされ得る、好適に準備された創傷の上に置かれる。流体コネクタ110のアプリケータ180は、被覆材100の隙間の上に置かれ、被覆材100の最上表面に封止される、封止面を有する。流体コネクタ110の被覆材100への接続の前、間、または後のいずれかに、ポンプ150は、管190を介してカップリング160へ接続されるか、またはブリッジ120へ直接接続される。その後ポンプが起動され、それによって陰圧を創傷に供給する。陰圧の印加は、所望するレベルの創傷治癒を達成するまで行われてもよい。
図12Cに示す通り、流体コネクタ110は、以下にさらに詳細に記載する通り、被覆材100と流体連通する拡大遠位端または頭部140を含むことが好ましい。一実施形態では、拡大遠位端は丸い形または円形を有する。頭部140は、図中、被覆材100の端近くに位置するように示しているが、被覆材上のいずれの場所に配置され得る。例えば、いくつかの実施形態は、被覆材100の端または角上または近くではない、中心または中心から外れた場所に提供され得る。いくつかの実施形態では、被覆材10は、二つ以上の流体コネクタ110を備えてもよく、各々、それと流体連通する一つまたは複数の頭部140を含む。好ましい実施形態では、頭部140は、最も幅の広い縁に沿って30mmあり得る。頭部140は、上に記載した、創傷被覆材の最上表面に対して封止されるように構成される、アプリケータ180を少なくとも一部形成する。
図12Dは、流体コネクタ110と共に図12Bに示される、創傷被覆材10に類似する創傷被覆材100の断面を示し、それは国際特許公開WO2013/175306A2に記載され、参照によってその全体が組み込まれる。代替として、本明細書に開示するいずれの創傷被覆材の実施形態、または本明細書に開示する創傷被覆材の実施形態のいずれの数の特徴のいかなる組み合わせでもあり得る、創傷被覆材100は、治療されることになる創傷部位の上に置かれ得る。被覆材100は、創傷部位の上に密封された空洞を形成するために設置され得る。好ましい実施形態では、被覆材100は、最上層もしくはカバー層、または任意の創傷接触層222に取り付けられる裏当て層220を含み、それらの両方について以下により詳細に記載する。これら二つの層220、222は、内部空間またはチャンバを画定するために、共に接合または封止されることが好ましい。この内部空間またはチャンバは、陰圧を分配または伝達し、創傷滲出液および創傷から除去された他の流体を貯蔵するように適応し得る追加構造と、以下により詳細に説明するであろう他の機能とを備えてもよい。以下に記載するそのような構造の例は、透過層226および吸収層221を含む。
本明細書で使用される通り、上部層、最上層または上方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面から最も遠い層を指す。従って、下面、下部層、最下層または下方の層は、被覆材が使用中で、創傷の上に位置する間、皮膚または創傷の表面に最も近い層を指す。
図12Dに図示するように、創傷接触層222は、ポリウレタン層、ポリエチレン層、または、例えば、ホットピンプロセス、レーザアブレーションプロセス、または超音波プロセスを介すか、またはその他のいくつかの方法で穴加工された、あるいは別の方法で液体および気体が透過するようにしたその他の可撓性のある層であってもよい。創傷接触層222は、下面224と上面223とを有する。パーフォレーション225は、創傷接触層222において貫通孔を含み、それによって流体が層222を通って流れることが可能となるのが好ましい。創傷接触層222は、創傷被覆材の他の材料中への組織内殖を防ぐのに役立つ。パーフォレーションは、その中を通って流体が流れるのを可能にしつつ、この要件を満たすのに十分小さいことが好ましい。例えば、0.025mm〜1.2mmの範囲の寸法を有するスリットまたは孔として形成された穿孔は、創傷滲出液が被覆材内に流れるのを可能にしつつ、創傷被覆材内に組織が内部成長するのを防止する一助となるには十分小さいと考えられる。一部の構成では、創傷接触層222は、陰圧を創傷に維持するために、吸収パッドの周りに気密状態をも作り出しながら、被覆材100全体の完全性を維持するのに役立つ場合がある。
創傷接触層222の一部実施形態はまた、任意の上部および下部接着層(図示せず)用の担体として働いてもよい。例えば、下部感圧接着剤が、創傷被覆材100の下面224上に提供され得る一方、上部感圧接着層は、創傷接触層の上面223上に提供され得る。シリコーン、ホットメルト、親水コロイドもしくはアクリルをベースとする接着剤、または他のそのような接着剤であり得る感圧接着剤は、創傷接触層の両面上、もしくは任意で選択された片面上に形成されてもよく、または創傷接触層のどちらの面上に形成されなくてもよい。下部感圧接着層を利用することが、創傷被覆材100を創傷部位の周りの皮膚に接着させる助けになってもよい。いくつかの実施形態では、創傷接触層は穿孔ポリウレタンフィルムを含んでもよい。フィルムの下面はシリコーン感圧接着剤を提供されてもよく、上面はアクリル感圧接着剤を提供されてもよく、それによって被覆材がその完全性を維持する事を助けてもよい。いくつかの実施形態では、ポリウレタンフィルム層の上面および下面の両面上に接着層を提供してもよく、全3層は共に孔加工されていてもよい。
透過層226は、創傷接触層222の上方に置かれ得る。一部の実施形態では、透過層を多孔質材料とすることができる。本明細書で使用される場合、透過層はスペーサ層と呼ぶことができ、本明細書で説明した同一の構成要素を意味するために用語を交換可能に使用することができる。この透過層226により、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。特に、透過層226によって、吸収層が相当量の滲出液を吸収しても創傷エリアの上に陰圧を伝えるよう、外気チャネルが確実に維持され得ることが好ましい。層226は、好ましくは、上述の通り、陰圧創傷療法時に適用されることになる通常の圧力の下で開放されたままになるべきであり、それによって、創傷部位全体が等しい陰圧を受ける。層226は、三次元構造を有する材料から形成され得る。例えば、編みもしくは織りスペーサ生地(例えば、Baltex 7970の横編ポリエステル)、または不織布が使用され得る。三次元材料は、国際特許公開第WO2013/175306A2号および国際特許公開第WO2014/020440号に記載される材料と類似した3Dスペーサ生地材料を含むことができ、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
創傷被覆材100は、本明細書に記載された通り、装填されたマトリクスを組み込む、または含み得る。例えば、本明細書に上記で記載した通り、および図1〜10に図示する通り、粉末装薬/添加剤装填ポリウレタン(PU)材料または繊維材料は、創傷被覆材100に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、透過層226の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷接触層222の上に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクス層が吸収層221(以下にさらに説明)と創傷接触層222との間に提供されるように、透過層226と置き換えられてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層221を補完または置き換えてもよく、あるいは、吸収層221は、上述の粉末装薬を装填されてもよい。一部の実施形態では、創傷被覆材100は創傷接触層222を有さず、装填されたマトリクス層は創傷被覆材100の最下層であってもよい。装填されたマトリクスは、透過層226および/または吸収層221と同一または実質的に類似のサイズおよび形状を有し得る。
装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクスが過剰に崩壊せず、それによって陰圧が創傷被覆材100に印加された時に創傷に陰圧を十分に伝達するように、可撓性であるが陰圧に耐えるのに十分に固いように構成され得る。装填されたマトリクス層は、それを通した陰圧の送達を可能にするのに十分な数またはサイズの細孔を含むように構成され得る。さらに、装填されたマトリクス層は、創傷に十分な陰圧を送達するのに好適な厚さを有し得る。例えば、装填されたマトリクス層は、1mm〜5mm、1.5mm〜4mm、または2mm〜3mmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、装填された発泡体マトリクスは、およそ2mmの厚さを有し得る。
一部の実施形態では、透過層226の上方に吸収性材料の層221が設けられる。発泡体もしくは不織りの自然または合成材料を含んでもよく、任意で超吸収性材料を含んでもよい吸収性材料は、流体、具体的には、創傷部位から除去される液体用の貯留部を形成する。一部の実施形態では、層221もまた、流体を裏当て層220の方へ引き寄せるのに役立ってもよい。
吸収層221の材料はまた、創傷被覆材100内に収集された液体が被覆材内で自由に流れるのを防止し得、好ましくは、収集されたいかなる液体も被覆材内に含むよう作用する。吸収層221はまた、流体を創傷部位から引き寄せ、吸収層中に渡って貯蔵するように、吸い上げ作用によって層全体に流体を分配するのを助ける。これによって、吸収層のエリアにおける凝集を防止するのを補助する。吸収材の容量は、陰圧を適用するとき、創傷の滲出液が流れる速度を管理するのに充分でなくてはならない。使用中、吸収層は陰圧を経験するため、吸収層の材料は、そのような状況下で液体を吸収するように選ばれる。例えば、超吸収体材料といった、陰圧下にあるとき液体を吸収できる、いくつかの材料が存在する。吸収層221は通常、ALLEVYN(商標)発泡体のFreudenberg 114−224−4またはChem−Posite(商標)11C−450より製造されてもよい。いくつかの実施形態では、吸収層221は、超吸収性粉末、セルロースなどの繊維材料、および結合繊維を含む複合材を含んでもよい。好適な実施形態では、複合材は、風成(airlaid)の、熱結合複合材である。
一部の実施形態では、吸収層221は、層中に渡って分散する乾燥粒子の形態である超吸収性材料を有する、不織布セルロース繊維の層である。セルロース繊維の使用によって、被覆材により吸収される液体を素早くかつ均等に分配するのに役立つ、高速吸い上げ要素が導入される。多数の撚糸様繊維を並列させることが、液体を分配するのに役立つ繊維パッドの、強い毛細管作用につながる。このように、超吸収材料に液体を効率的に供給する。また、吸い上げ作用によって、被覆材の蒸散率を増加させるのに役立つように、液体を上部カバー層と接触させるように支援する。
陰圧を被覆材100に印加することが可能になるように、隙間、孔またはオリフィス227が、好ましくは、裏当て層220に設けられる。流体コネクタ110は、被覆材100の中に作られるオリフィス227の上で、裏当て層220の最上部に取り付けられるか、または封止され、オリフィス227を通って陰圧を伝えることが好ましい。長いチューブが、被覆材から流体を汲み上げることが可能になるように、第一端部で流体コネクタ110に、第二端部でポンプユニット(図示せず)に連結され得る。流体コネクタが創傷被覆材の最上層に接着する場合、長いチューブは、チューブまたは導管が、流体コネクタから離れて平行に、または実質的に被覆材の最上表面へ延在するような、流体コネクタの第一端部で連結され得る。流体コネクタ110は、アクリル、シアノアクリレート、エポキシ、UV硬化性またはホットメルト接着剤などの接着剤を使用して、裏当て層220に接着および封止し得る。流体コネクタ110は、ショアAスケールで30から90の硬度を有する、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーンまたはポリウレタンといった柔らかいポリマーから形成され得る。いくつかの実施形態では、流体コネクタ110は、柔らかい材料または適合する材料から作られてもよい。
随意に、吸収層221は、流体コネクタ110の下にあるように配置される、少なくとも一つの貫通孔228を含む。貫通孔228は、いくつかの実施形態では、裏当て層の開口部227と同じサイズであってもよく、またはより大きいもしくは小さくてもよい。図12Dに図示する通り、単一の貫通孔は、流体コネクタ110の下にある開口部をもたらすように使用され得る。複数の開口部が、代替として利用され得ることは理解されるであろう。加えて、二つ以上のポートが、本開示の特定の実施形態に従って利用されるべき場合、一つまたは二つ以上の開口部が、各流体コネクタと位置を合わせて、吸収層に作られてもよい。本開示の特定の実施形態には必須ではないものの、超吸収層に貫通孔を使用することで、吸収層が飽和に近いとき特に、遮断されないままの流体流路を提供し得る。
隙間または貫通孔228は、図12Dに示す通り、オリフィスが透過層226に直接接続するように、オリフィス227の下方の吸収層221に提供されることが好ましい。これによって、流体コネクタ110に適用される陰圧を、吸収層221を通過することなく、透過層226へ伝えることが可能になる。これで、吸収層が創傷滲出液を吸収するとき、創傷部位に適用される陰圧が、吸収層によって阻害されないことが保証される。他の実施形態では、隙間は吸収層221に提供されなくてもよく、または、代替として、オリフィス227の下にある複数の隙間が提供され得る。さらなる代替の実施形態では、別の透過層などの追加層、または図16A〜図16Bを参照して説明されるような、および参照することによりその全体が援用される、国際特許公開第WO2014/020440号に記載されるような不明瞭化層が、吸収層221の上および裏当て層220の下方に提供されてもよい。
裏当て層220は、ガスを透過させないが、水蒸気を透過させるのが好ましく、創傷被覆材100の幅を横切って延び得る。例えば、片方の面に感圧接着剤を有するポリウレタンフィルム(例えば、Elastollan SP9109)であり得る、裏当て層220は、ガスに対して不透過性であり、それゆえ、この層は創傷を被覆し、上に創傷被覆材が置かれる創傷空洞を封止するように動作する。このように、効果的なチャンバが、陰圧が確立され得る、裏当て層220と創傷部位との間に作られる。裏当て層220は、被覆材の周囲の境界領域内において、創傷接触層222に対して封止され、例えば接着技術または溶接技術を介して、境界領域に空気が吸い込まれないようにするのが好ましい。裏当て層220によって、創傷が外部の細菌汚染から保護され(細菌バリア)、層を通って創傷滲出液からの液体を移動させ、フィルム外表面から蒸発させることが可能になる。裏当て層220は、二つの層、すなわちポリウレタンフィルムとこのフィルム上に広げられた接着パターンとを含むのが好ましい。ポリウレタンフィルムは透湿性であるのが好ましく、かつ、濡れると水透過速度が高くなる材料から製造され得る。いくつかの実施形態では、裏当て層の透湿性は、裏当て層が濡れると高くなる。濡れた裏当て層の透湿性は、乾いた裏当て層の透湿性の最大約10倍であり得る。
吸収層221は、透過層226の縁と重複するように、透過層226よりも大きい範囲から成ってもよく、それによって、透過層が裏当て層220に接触しないことを保証する。これにより、創傷接触層222と直接接触する、吸収層221の外側チャネルが提供され、滲出液の吸収層へのより急速な吸収に役立つ。さらに、この外側チャネルによって、液体が創傷空洞の外周に貯留できないことが保証され、そうでない場合には、被覆材の周囲の封止部から染み出して、漏出の形成につながる場合がある。図12C〜図12Dに図示する通り、吸収層221によって、境界線または境界領域が、吸収層221の端と裏当て層220の端との間に画定されるように、裏当て層220の周囲よりも小さい周囲を画定してもよい。
図12Dに示す通り、創傷被覆材100の一実施形態は、流体コネクタ110の下方に置かれる吸収層221に、隙間228を含む。使用中、例えば、陰圧が被覆材100に適用されるとき、流体コネクタの創傷に面する部分は、透過層226と接触してもよく、それゆえ、吸収層221が創傷流体で満たされているときでさえ、創傷部位に陰圧を伝達するのに役立ち得る。いくつかの実施形態によって、裏当て層220を透過層226に少なくとも一部接着させてもよい。いくつかの実施形態では、隙間228は、流体コネクタ11の創傷に面する部分またはオリフィス227の直径よりも、少なくとも1〜2mm大きい。
特に、単一流体コネクタ110および貫通孔を伴う実施形態では、図12Cに図示する通り、流体コネクタ110および貫通孔が、中心から外れた位置に置かれるのが好ましい場合がある。そのような場所では、流体コネクタ110が被覆材100の残余部と比較して持ち上げられるように、被覆材100を患者の上に配置することが可能になってもよい。そのように配置すると、流体コネクタ110およびフィルタ214は、創傷部位への陰圧の伝達を減じるために、時期を早めてフィルタ214を閉塞させ得る創傷流体と、接触する可能性が低くなる場合がある。
上記の創傷被覆材の実施形態に類似して、一部の創傷被覆材は、皮膚接触面上にシリコーン接着剤、および裏面上にアクリル接着剤を伴う穿孔創傷接触層を含む。一部の実施形態では、創傷接触層は、ポリウレタン、ポリエチレン、またはポリエステルから構成され得る。この縁取られた層の上方には、透過層が存在する。透過層の上方には吸収層が存在する。吸収層は超吸収不織(NW)パッドを含み得る。吸収層は、周囲をおよそ5mm越えて透過層に接し得る。吸収層は、一つの端部の方に向かう隙間または貫通孔を有し得る。隙間は直径約10mmであり得る。透過層および吸収層の上に、裏当て層がある。裏当て層は、アクリル接着剤でコーティングされた模様である、高水蒸気透過率(MVTR)フィルムであり得る。高MVTRフィルムおよび創傷接触層は、透過層および吸収層を被包して、およそ20mmの周囲境界を作り出す。裏当て層は、吸収層の隙間の上に重なる、10mmの隙間を有し得る。孔の上方には、前述したアパーチャの上に重なる、液体不透過性、気体透過性の半透過性膜(SPM:semi−permeable membrane)またはフィルタを含む、流体コネクタを結合し得る。
陰圧なしで使用するための多層被覆材
図13A〜図13Dは、陰圧なしで創傷を治癒するために使用されうる、創傷被覆材500の様々な実施形態を示す。図13Eは、図5cの構造と類似した、図13A〜図13Dの創傷被覆材の断面図を示す。図13A〜図13Eの被覆材に示す通り、創傷被覆材は、図13A〜図13Eの被覆材がポートも流体コネクタも含まないことを除いて、図12A〜図12Dを参照して説明した被覆材に類似する複数の層を有することができる。図13A〜図13Eの創傷被覆材は、本明細書に記載する通り、カバー層501および任意の創傷接触層505を含み得る。一部の実施形態では、カバー層501は、湿気および/または空気に対して透過性であり得る。創傷被覆材は、創傷接触層505とカバー層501との間に位置する様々な層を含み得る。例えば、被覆材は、図12A〜図12Dを参照して本明細書に説明する通り、一つ以上の吸収層または一つ以上透過層を含み得る。
図13A〜図13Eに示すように、被覆材500は、穿孔創傷接触層505および上部フィルム層501を含む。創傷被覆材500のさらなる構成要素は、選択された特定の被覆材サイズに対応する推奨された創傷の寸法を覆う好適なサイズのポリウレタンハイドロセルラー発泡体の層などの発泡体層504を含む。臭気制御を可能にするために、層504に類似または層504よりもわずかに小さい寸法の任意の活性炭布の層(図性せず)が提供されてもよい。層504よりもわずかに大きい寸法で、超吸収性材料の重複を可能にし、漏れ防止として機能する、セルロース繊維および超吸収性ポリアクリレート粒子を含む、超吸収性エアレイド材料の層などの吸収層502が、層504の上に提供される。三次元編みスペーサ繊維の層などの、色付きの滲出液が残る超吸収体の最上面の部分的なマスキングを可能にしながら、圧力からの保護を提供する、マスキングまたは遮、蔽層503が層502の上に提供される。この実施形態では、これは層502よりも小さな寸法(平面図で)であり、吸収層の縁部の可視性を可能にし、臨床医が被覆材を取り替える必要があるかどうかを評価するために使用できる。
創傷被覆材500は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または含んでもよい。例えば、本明細に前述し、そして図1〜10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材500内に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、カバー層501の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷接触層505の上に提供され得る。別の実施形態では、被覆材500は、装填されたマトリクス層が最下層の層となり、創傷表面に接触するように構成されるように、創傷接触層505を含まなくてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、発泡体層504の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層が発泡体層504と置き換えされてもよい。
前述する通り、装填されたマトリクス、および例えば、抗菌性粉末装薬/添加剤装填リウレタン(PU)材料を含む装填された発泡体は、ALLEVYN(商標)発泡体、ALLEVYN(商標)Life、ALLEVYN(商標)Adhesive、ALLEVYN(商標)Gentle Border、ALLEVYN(商標)Gentle、ALLEVYN(商標)Ag Gentle Border、ALLEVYN(商標)Ag Gentleなどの市販の被覆材に組み込まれ得る。一部の実施形態では、創傷被覆材500は、カバー層501およびカバー層501の下に配置され、図5aに関連して前述する創傷被覆材形態と類似した創傷上に配置されるように構成された装填された発泡体層を含み得る。装填された発泡体は、発泡体層が創傷の周りの健康な皮膚に接着され得るように接着剤を含み得る。一部の実施形態では、創傷被覆材500は、図5bに関連して前述した創傷被覆材形態と同様に、カバー層501、創傷接触層505およびそれらに間に挟まれた装填された発泡体層を含み得る。一部の実施形態では、創傷被覆材500は、図5cに関連して前述した創傷被覆材形態と同様に、カバー層501、吸収層502、吸収層502の下方の装填された発泡体層、および創傷接触層505を含み得る。
さらに、本明細書に記載する実施形態と組み合わせて、またはこれに追加して使用され得る創傷被覆材に関するさらなる詳細は、2018年1月30日に発行された「WOUND DRESSING AND METHOD OF TREATMENT」と題された米国特許第9,877,872号に見出され得るが、この開示は、創傷被覆材の実施形態、創傷被覆材の構成要素および原理、ならびに創傷被覆材に使用される材料に関係する、さらなる詳細を含め、参照することによって本明細書によりその全体が援用される。
一体化された陰圧源を備えた多層創被覆材
一部の実施形態では、陰圧源(ポンプ等)及び、電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(ボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン、等)等といった、TNPシステムのいくつか又はすべてのその他の構成要素は、創傷被覆材と一体になり得る。さらに、本明細書に記載された創傷被覆材を含む創傷治療に関連する一部の実施形態は、2017年3月6日に出願された、「WOUND TREATMENT APPARATUSES AND METHODS WITH NEGATIVE PRESSURE SOURCE INTEGRATED INTO THE WOUND DRESSING」と題する、国際出願第WO2016/174048号および国際特許出願第PCT/EP2017/055225号に記載されたものと組み合わせたりまたそれに加えたりして用いられてもよく、その開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、創傷被覆材の実施形態、創傷被覆材構成要素および原理、ならびに創傷被覆材に使用される材料および創傷被覆材構成要素に関するさらなる詳細を含む。
一部の実施形態では、ポンプおよび/またはその他の電子構成要素が未だ、ポンプおよび/またはその他の電子機器が創傷部位から離れて配置された状態で患者に適用されることになる単一の装置の一部であるが、ポンプおよび/またはその他の電子構成要素は、創傷被覆材の吸収体および/または透過層に隣接して、またはそれらの隣に配置されるよう構成され得る。図14A〜図14Bは、陰圧源および/またはその他の電子構成要素を創傷被覆材内に組み込んだ創傷被覆材を示す。図14A〜図14Bは、ポンプおよび/またはその他の電子機器が創傷部位から離れて位置決めされた創傷被覆材1200を図示する。創傷被覆材は、電子機器エリア1261と、吸収エリア1260とを具備し得る。被覆材は、創傷接触層(図示なし)と、被覆材のその接触層とその他の層の上方に位置決めされた透湿性フィルム、すなわちカバー層1213とを含み得る。創傷被覆材層および、電子機器エリアと吸収エリアの構成要素は、図14A〜図14Bに示すように、一つの連続したカバー層1213によって覆われ得る。
電子機器エリア1261は、陰圧源(ポンプ等)および、電源、センサ、コネクタ、ユーザインターフェース構成要素(ボタン、スイッチ、スピーカ、スクリーン、等)等といった、創傷被覆材と一体になりうるTNPシステムのいくつかまたはすべてのその他の構成要素を具備し得る。例えば、電子機器エリア1261は、図14A〜図14Bに示すように、ボタンまたはスイッチ1211を具備し得る。ボタン又はスイッチ1211は、ポンプを動作させる(例えば、ポンプをオン/オフする)ために使用され得る。
吸収エリア1260は、吸収性材料1212を具備し得、創傷部位の上に配置され得る。電子機器エリア1261は、吸収エリア1260から横にずらして配置することなどによって、創傷部位から離れて配置され得る。図14A〜図14Bに示すように、電子機器エリア1261は、吸収エリア1260に隣接するか、またはその隣に、その吸収エリア1260と流体連通して配置され得る。いくつかの実施形態では、電子機器エリア1261及び吸収エリア1260はそれぞれ、長方形状であってよく、互いに隣接して配置され得る。
一部の実施形態では、被覆材材料の追加層は、電子機器エリア1261、吸収エリア1260、またはその両エリア内に具備され得る。一部の実施形態では、被覆材は、接触層の上方、および被覆材の創傷カバー層1213の下方に配置された一つまたは複数のスペーサまたは透過層および/または一つまたは複数の吸収層を含み得る。
被覆材は、創傷接触層(図示なし)と、透過層(図示なし)と、透過層の上の吸収層1212と、創傷接触層、透過層、吸収層、または被覆材のその他の層の上方に位置決めされた透湿性フィルムまたはカバー層1213とを含み得る。創傷接触層は、創傷に接触するように構成され得る。創傷接触層は接着剤を、被覆材を周りの皮膚に固定するため、患者に対向する側に具備するか、又は、創傷接触層をカバー層又は被覆材のその他の層に固定するため、上側に具備し得る。動作時、創傷接触層は、滲出液が創傷に戻るのを阻止又は実質的に防止しつつ、創傷から滲出液を取り除きやすくするよう、一方向流をもたらすように構成され得る。一つまたは複数の透過層は、創傷部位の上に陰圧を分配し、創傷被覆材内へ創傷滲出液および流体を輸送しやすくするよう支援する。一部の実施形態では、透過層は、三次元(3D)繊維から少なくとも部分的に形成されうる。さらに、創傷から吸引された滲出液を吸収及び保持するための吸収層(層1212等)が利用され得る。いくつかの実施形態では、超吸収性材が、吸収層1212に使用され得る。一部の実施形態では、吸収体は、形状設定された超吸収層形態を具備する。電子機器エリアの創傷被覆材層及び吸収層は、一つの連続したカバー層1213によって覆われ得る。一部の実施形態では、カバー層は、ガスの通過を可能にしつつも、創傷から取り除かれた液体の滲出液及びその他の液体が通過するのを防止する透湿性材を具備し得る。
図14Cは、ポンプおよび電子構成要素が被覆材の吸収エリアからオフセットされた、創傷被覆材の層の実施形態を図示する。図14Cに図示されるように、被覆材は、創傷に接触して配置するための創傷接触層1310を具備し得る。下側スペーサ層または透過層1311および1311’は、創傷接触層1310の上方に設けられる。一部の実施形態では、図14Cに示すように、透過層1311は、スペーサ層1311’とは別の層であってもよい。下側透過層1311および/または1311’は、創傷表面に圧力を均等に分配し、および/または、流体を創傷から逃がすことを支援し得る。吸収層1322は、下側透過層1311の上方に位置決めされ得る。被覆材層1351は、電子構成要素1350を層1351内に埋め込むための切り欠き部又は凹部1328を具備し得る。いくつかの実施形態では、切り欠き部又は凹部1328は、ポンプ1327、電源1326、及び/又は、その他の電子構成要素を埋め込むようなサイズ又は形状とされ得る。一部の実施形態では、層1351は、共に積み重ねられた複数のスペーサ層または透過層を具備し得る。一部の実施形態では、層1351は、電子構成要素1350を取り囲むよう、共に継ぎ合わされた複数のスペーサ層または透過層を具備し得る。上部透過層1317は、吸収層1322、層1351、および/または、電子構成要素1350の上方に設けられ得る。
創傷被覆材1200、1300は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または装填されたマトリクスを含んでもよい。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、透過層1311の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷接触層1310の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクス層が吸収層1322と創傷接触層1310との間に提供されるように、透過層1311、1311’と置き換えられてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層1212、1322に補完または置き換えられてもよく、あるいは、吸収層1212、1322は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷被覆材の最下層とし得る。装填されたマトリクス層は、上記の透過層および/または吸収層と同一または実質的に類似のサイズおよび形状を有し得る。
装填されたマトリクス層は、装填された発泡体が過剰に崩壊し、それによって陰圧が創傷被覆材1200に印加された時に創傷に陰圧源陰圧源を十分に送達するように、可撓性であるが陰圧に耐えるのに十分に固いように構成され得る。装填されたマトリクス層は、それを通した陰圧の送達を可能にするのに十分な数またはサイズの細孔を含むように構成され得る。さらに、装填されたマトリクス層は、創傷に十分な陰圧を送達するのに好適な厚さを有し得る。例えば、装填されたマトリクス層は、1mm〜5mm、1.5mm〜4mm、または2mm〜3mmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層はおよそ2mmの厚さを有し得る。
カバー層または裏当て層1313は、上部透過層1317の上に配置され得る。裏当て層1313は、透過層1311、1311’、及び1317、吸収層1322、層1351、電子構成要素1350を取り囲む周縁領域において、創傷接触層1310に対して封止を形成し得る。いくつかの実施形態では、バッキング層1313は、被覆材構成要素が創傷に適用されるとき、その被覆材構成要素周りで形成及び成型する、柔軟性のある材料のシートであり得る。その他の実施形態では、裏当て層1313は、図14Cに示すような、被覆材構成要素周りに嵌合するようあらかじめ形成され、または、あらかじめ成型された材料であり得る。
透過層の周りに巻き付けられたNPWT用多層創傷被覆材
図15Aは、創傷被覆材を含むTNP創傷治療デバイスの一実施形態を図示する。上術の通り、創傷被覆材400は、本明細書で開示される任意の創傷被覆材実施形態であってもよいし、または本明細書で開示される任意の数の創傷被覆材実施形態の特徴の任意の組み合わせを有してもよい。例えば、創傷被覆材400は、前述のようにSmith&Nephewから入手可能なPICO単一ユニット被覆材と類似していてもよい。創傷被覆材400および関連システムもまた、図12A〜図12Dに前述のシステムと類似していてもよい。図15A〜図15Cを参照して本明細書に記載する、創傷被覆材、創傷被覆材構成要素、創傷治療装置および方法の実施形態は、2017年7月6日に公開された、「NEGATIVE PRESSURE WOUND THERAPY APPARATUS」と題する、国際特許公開第WO2017/114745A1号と組み合わせたり、これに加えたりして使用されてもよく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
被覆材400は、創傷の上に配置されてもよく、ポート460は、真空源から創傷への陰圧を提供するために使用されてもよい(図12A〜図12Dに関連して説明した通り、導管401と共に流体コネクタを形成してもよい)。図12Aに示す実施形態では、被覆材400は、ポート460に予め取り付けられた導管401の少なくとも一部分を備えてもよい。例えば、ポート/導管の組み合わせは、図12A〜図12Dを参照しながら本明細書に記載されるように可撓性の吸引アダプタとしてもよい。一部の実施形態では、事前に取り付けられた導管401は、管延長部、例えば、チューブ(図示せず)に接続できる。被覆材400にはすべての創傷被覆材要素(ポート460および導管401を含む)があらかじめ取り付けられ、単一のユニットに一体化された、単一の物品として設けられるのが好ましい。次いで、創傷被覆材400は、導管401および/または導管延長部を介して、図12A〜図12Dを参照して説明したポンプなどの陰圧源に接続され得る。
図15B〜図15Cによりはっきりと見られるカバー層430、320は、フィルムといった、実質的に流体不透過の材料で形成されてもよい。カバー層430、320は、図12A〜図12Dに前述したカバー層または裏当て層と類似していてもよい。フィルムは、図15Aの上面図からカバー層の下の他の層も見えるように、透明であってもよい。カバー層は、被覆材を周りの皮膚または創傷接触層に固定するための接着剤を具備し得る。被覆材は、被覆材内の創傷接触層440、322および吸収層450、321を利用し得る。創傷接触層および吸収層は、図12A〜12Dに前述した創傷接触層および吸収層と同様であり得る。創傷接触層は、創傷に接触するように構成され得る。創傷接触層は接着剤を、被覆材を周りの皮膚に固定するため、患者に面する側に具備するか、または、創傷接触層440、322をカバー層430、320または被覆材のその他の層に固定するため、上側に具備し得る。動作時、一部の実施形態では、創傷接触層は、滲出液が創傷に戻るのを阻止または実質的に防止しつつ、創傷から滲出液を取り除きやすくするよう、一方向流をもたらすように構成され得る。さらに、創傷から吸引された滲出液を吸収および保持するための吸収層(層450、321等)が利用され得る。一部の実施形態では、吸収層は、吸収性材料、例えば、超吸収性材料、または当該技術分野で公知のその他の吸収性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、吸収体は、ポンプ、電子機器、及び付帯構成要素のための凹部又はコンパートメントを有する、形状化された超吸収層形態を具備し得る。一部の実施形態では、創傷被覆材は、複数の吸収層を含み得る。
発泡体もしくは不織の天然または合成材料であってもよく、任意で超吸収性材料を含むかまたは超吸収性材料であってもよい図15Aに示す吸収性材料450は、創傷部位から除去される流体、具体的には液体用の貯留部を形成し、それらの流体をカバー層430に引き寄せる。吸収層の材料は、図12A〜図12Dを参照して説明した吸収性材料と類似し得る。吸収層の材料はまた、創傷被覆材に収集された液体が、スロッシング様式で流れるのを防ぐ。吸収層450はまた、流体を創傷部位から引き寄せ、吸収層中に渡って貯蔵するように、吸い上げ作用によって層全体に流体を分配するのを助ける。これによって、吸収層のエリアにおける凝集を防止するのを補助する。
一部の実施形態では、吸収層450は、層中に渡って分散する乾燥粒子の形態である超吸収性材料を有する、不織布セルロース繊維の層である。セルロース繊維の使用によって、被覆材により吸収される液体を素早くかつ均等に分配するのに役立つ、高速吸い上げ要素が導入される。多数の撚糸様繊維を並列させることが、液体を分配するのに役立つ繊維パッドの、強い毛細管作用につながる。このように、超吸収材料に液体を効率的に供給する。また、吸収層のすべての領域に液体が提供される。
また、吸い上げ作用によって、被覆材の蒸散率を増加させるのに役立つように、液体を上部カバー層と接触させるように支援する。
吸い上げ作用はまた、滲出が遅くなるまたは停止するときに液体を創傷床に向かって下向きに送達するのを助ける。この送達プロセスは、被覆材(閉塞につながる可能性がある)内のクラスト形成を防止し、創傷治癒に最適化された環境維持に役立つ、透過層または下部スペーサ層および下部創傷床領域を維持するのに役立つ。
一部の実施形態では、吸収層450はエアレイド材料であってもよい。熱可塑性繊維は、パッドの構造を一緒に保持するのを助けるために随意に使用され得る。当然のことながら、本発明の特定の実施形態によれば、超吸収性粒子を使用するよりも、またはそのような使用に加えて、超吸収繊維を利用することができる。適切な材料の例には、米国のEmerging Technologies Inc(ETi)から入手可能なProduct Chem−Posite(商標)11Cがある。
随意に、本発明の特定の実施形態によると、吸収層450は、合成安定繊維および/または二成分安定繊維および/または天然安定繊維および/または超吸収繊維を含み得る。吸収層内の繊維は、ラテックス結合または熱結合または水素結合または任意の結合技術またはその他の固定機構の組み合わせによって一緒に固定され得る。一部の実施形態では、吸収層は、超吸収性粒子を吸収層内にロックするように作動する繊維によって形成される。これは、超吸収性粒子が吸収層の外部および下にある創傷床に向かって移動しないことを確実にするのに役立つ。陰圧が加えられた時には、吸収性パッドが下向きに崩壊する傾向があり、この作用により、吸収層の繊維状構造によってロックされていない場合、超吸収性粒子物質が創傷床に向かう方向に押しだされるので、これは特に役立つ。
吸収層450は、複数の繊維の層を含み得る。繊維はストランド様であり、セルロース、ポリエステル、ビスコースまたはこれに類するものから作製されることが好ましい。乾燥吸収性粒子は、使用の準備が整った吸収層に渡って分布されることが好ましい。一部の実施形態では、吸収層は、セルロース繊維および複数の超吸収性粒子のパッドを含む。さらなる実施形態では、吸収層は、無作為に配向されたセルロース繊維の不織り層である。
超吸収体粒子/繊維は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムまたはカルボメトキシセルロース料などであってもよく、または液体中でそれ自体の重量を何倍も吸収する能力を有する任意の材料であってもよい。一部の実施形態では、材料は、それ自体の重量の0.9%W/W生理食塩水などの五倍以上を吸収することができる。一部の実施形態では、材料は、それ自体の重量の0.9%W/W生理食塩水などの15倍以上を吸収することができる。一部の実施形態では、材料は、それ自体の重量の0.9%W/W生理食塩水などの20倍以上を吸収する能力を有する。好ましくは、材料は、それ自体の重量の0.9%W/W生理食塩水などの30倍以上を吸収する能力を有する。
好ましくは、超吸収体の粒子は、非常に親水性であり、被覆材に入る際に流体をつかみ、接触すると膨張する。被覆材コア内に平衡が確立され、それによって水分が超吸収体からドライヤー周囲領域に通過し、上部フィルムに当たると、フィルムが切り替わり、流体蒸気が発生し始める。被覆材内に水分勾配を確立して、創傷床から流体を継続的に除去し、被覆材が滲出液で重くならないようにする。
吸収層450は、少なくとも一つの貫通孔を含み得る。貫通孔は、図12Dを参照して説明した吸引ポートの下にあるように位置することができる。単一の貫通孔を使用して、ポート460の下に開口部を作成することができる(図15Bには図示せず)。複数の開口部が、代替として利用され得ることは理解されるであろう。加えて、二つ以上のポートが、本発明の特定の実施形態に従って利用されるべき場合、一つまたは二つ以上の開口部が、各ポートと位置を合わせて、超吸収層に作られてもよい。本発明の特定の実施形態に必須ではないが、超吸収層内の貫通孔の使用は、特に妨げられない流体流路を提供し、これは特定の状況で有用である。
吸収層の一つまたは複数の貫通孔を使用すると、使用中に吸収層450が超吸収体などのゲル形成材料を含む場合、その材料が膨張して液体を吸収するときに、さらなる液体の動きおよび流体の動きが一般に通過できないバリアが形成されないという利点も有する。このようにして、吸収層の各開口部は、下部透過層またはスペーサ層と上部透過層またはスペーサ層との間に、フィルタの創傷に面する表面への流体経路を提供し、次にポートの内部へと進む。
これらの層は、単層のフィルムまたはカバー層430で覆われ得る。カバー層は、吸収層の上に位置付けることができるフィルタを含むことができ、またはフィルタは、ポート460に組み込まれてもよく、国際出願公開番号第WO 2013/175306 A2号、米国公開番号第US2011/0282309号、および米国公開番号第2016/0339158号に記載されるように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。図7Aに示すように、気体を透過させないが、透湿性であるカバー層430は、創傷被覆材の幅を横切って延びる。カバー層は、図12A〜図12Dを参照して説明したカバー層または裏当て層に類似し得る。例えば、片方の側面に感圧接着剤を有するポリウレタンフィルム(例えば、Elastollan SP9109)であってもよい、カバー層430は、気体に対して不透過性であり、それゆえ、この層は創傷を被覆し、上に創傷被覆材が置かれる創傷空洞を封止するように動作する。このように、効果的なチャンバが、陰圧が確立されうる、カバー層と創傷部位との間に作られる。カバー層430は、例えば接着技術または溶接技術を介して、被覆材の周囲の境界領域410内において、創傷接触層440に対して封止され、境界領域に空気が吸い込まれないようにする。カバー層430によって、創傷が外部の細菌汚染から保護され(細菌バリア)、層を通って創傷滲出液からの液体を移動させ、フィルム外表面から蒸発させることが可能になる。カバー層430は、典型的には、二つの層、すなわちポリウレタンフィルムとこのフィルム上に広げられた接着パターンとを含む。ポリウレタンフィルムは透湿性であり、かつ、濡れると透水率が高くなる材料から製造されてもよい。
カバー層は、陰圧源またはポンプとの流体連通を提供するために、カバー層内に隙間を含み得る。フィルタは、創傷カバー4 430の隙間と連通して配置され得る。創傷カバー430の隙間は、ポート460によって覆われ得る。一部の実施形態では、ポート460は、陰圧源またはポンプと連通するために導管に接続される。ポート460は、カバー層430の隙間を覆うために提供されるフィルタ420を含み得る。一部の実施形態では、フィルタ420は、ポート460に一体型であり得る。フィルタ420は、ポンプおよび/またはその他の構成要素を液体滲出物から保護するための疎水性材料を含み得る。フィルタ420は、気体の透過は可能にしつつ、流体を阻止し得る。一部の実施形態では、フィルタは、図12A〜12Dに前述したフィルタまたはフィルタシステムと類似していてもよい。一部の実施形態では、カバー層430およびポート460の隙間は、創傷被覆材とポンプとの間の流体連通を提供する。一部の実施形態では、ポンプ、電子機器、スイッチおよび電池は、被覆材の遠隔位置に配置することができる。一部の実施形態では、ポンプ、電子機器、スイッチおよび電池を第一のカバー層の上に位置付けることができ、第二のフィルタおよび第二のカバー層は代替的または追加的に使用できる。例えば、第二のフィルタは、ポンプが大気中に気体を排出し得るように抗菌性(antibacterialおよび/またはantimicrobial)材料から構成され得る。また、第二のフィルタは、ポンプにより発生する騒音の軽減の一助となり得る。
被覆材に自由吸収性容量が残っていると、陰圧は創傷床で失われる可能性がある。これは、フィルタ内の細孔の一部またはすべてが液体または粒子で塞がれているため発生し得る。一部の実施形態では、陰圧源と創傷床との間の空気経路を維持しながら、被覆材吸収層の全容量を利用できるようにする解決策が利用されている。
吸収層の上に直接的にカバー層を利用する被覆材実施形態では、被覆材は、液体で充填できるフィルタの下の空隙を有し、これによってフィルタ細孔を塞ぎ、創傷床への気流を防止することができる。スペーサ層または透過層490を使用して、吸収層450の上方に流体流路を提供し、ポート460の遮断を阻止することができる。一部の実施形態では、被覆材の透過層490を吸収層の上および下に提供することができる。透過層は、非圧縮性であり、陰圧源と創傷床との間の流体流の経路を、フィルタを介して維持することができる。一部の実施形態では、透過層は、図15Aおよび15Bに示すように、吸収層を封入または吸収層に巻き付くことができる。巻き付けられた透過層は、フィルタ420から創傷床への連続的な長さの透過性材料を提供することができる。透過層は、吸収層の最上面の長さを横断して、吸収層の少なくとも片側の周りを包み、吸収層の底面(創傷に面する表面)の長さを横断することができる。一部の実施形態では、透過層は、図15Aに示すように、吸収層の二つの側面に巻き付けることができる。
一部の実施形態では、透過層は、創傷部位の上に陰圧を分配し、創傷被覆材内へ創傷滲出液および流体を輸送しやすくするよう支援するように利用することができる。
多孔質材料の透過層490の下部は、創傷接触層の上方および吸収層の下方に位置し、吸収層の縁の周りに巻き付けることができる。透過層が吸収層の少なくとも一つの縁の周りに巻き付けられると、透過層は、カバー層と吸収層との間に位置付けられうる透過層の上部分を有する。本明細書で使用される場合、吸収層の縁または被覆材は、創傷表面に対して実質的に垂直であり、材料の高さに沿って延びる、材料の側面を指す。
一部の実施形態では、透過層を多孔質層とすることができる。このスペーサ層または透過層490により、図12Dを参照して説明するように、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。特に、透過層490によって、吸収層がかなりの量の滲出液を吸収したときでさえ、外気チャネルが、創傷範囲全体に陰圧を伝えるように維持されうることを保証する。層は、前述の通り、陰圧創傷療法時に適用されることになる通常の圧力の下で開放されたままになるべきであり、それによって、創傷部位全体が等しい陰圧を受ける。透過層490は、三次元構造を有する材料から形成されてもよい。例えば、編みもしくは織りスペーサ生地(例えば、Baltex 7970の横編ポリエステル)、または不織布が使用され得る。本明細書で前述したものなどのその他の材料は、もちろん利用することができる。
創傷被覆材400は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または装填されたマトリクスを含んでもよい。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜図10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材400内に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、透過層490の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷接触層440の上に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、例えば、装填されたマトリクス層が吸収層450(以下にさらに説明)および創傷接触層440の縁部の周りに巻かれるように、透過層490の全体または一部と置き換えられてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層450を補完または置き換えてもよく、あるいは、吸収層450は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。
装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクスが過剰に崩壊せず、それによって陰圧が創傷被覆材400に印加された時に創傷に陰圧を十分に伝達するように、可撓性であるが陰圧に耐えるのに十分に固いように構成され得る。装填されたマトリクス層は、それを通した陰圧の送達を可能にするのに十分な数またはサイズの細孔を含むように構成され得る。さらに、装填されたマトリクス層は、創傷に十分な陰圧を送達するのに好適な厚さを有し得る。例えば、装填された発泡体層は、1mm〜5mm、1.5mm〜4mm、または2mm〜3mmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層はおよそ2mmの厚さを有し得る。
ポートと吸収層との間に透過層を設けることで、創傷から除去される流体または滲出液が、ポートおよび/またはポート内のフィルタを塞ぐのを防止する。フィルタの下に位置付けられた吸収層の孔にいくらかの自由粒子があり得る。孔の中の遊離した粒子はゲル化し、孔および/またはフィルタ領域を塞ぐ可能性がある。従って、上部透過層は、超吸収体粒子がフィルタにないように保つことができ、被覆材が完全に充填されることを可能にする。一部の実施形態では、吸収層の周りに巻かれた透過層は、ポートが重力に関して任意の場所に配置されることを可能にする。吸収層の上方に位置付けられた透過層は、創傷から取り除かれた流体または滲出液が、最初に充填される吸収層のセクションのポートおよび/またはポート内のフィルタを塞ぐという懸念を排除できる。
図15Cに示すように、創傷被覆材300は、創傷接触層322を含み得る。創傷接触層322は、図12Dを参照して説明した創傷接触層225と類似してもよい。一部の実施形態では、創傷接触層322は、両面コーティング(シリコーン‐アクリル)穿孔接着創傷接触層であり得る。透過層326aおよび吸収層321は、図12Dを参照して記述される被覆材と同様に提供され得るが、透過層326aは吸収層の上にある。創傷被覆材300は、吸収層と、吸収層の上にある裏当て層との間に、第二の透過層326bを含み得る。第一および第二の透過層326aおよび326bは、周囲で吸収層を5mm越えて接し得る。これは、前述のように、被覆材の切断形状の逆とすることができる。一部の実施形態では、吸収層321または第二の透過層326bに貫通孔または隙間はない。一部の実施形態では、吸収層の孔は、超吸収性粒子またはその他の材料で充填され、標準物質被覆材のフィルタを遮断する可能性があるため、不利になる可能性がある。裏当て層320は、第二の透過層326bの上に位置し、また裏当て層は、流体コネクタの連結を可能にするオリフィス327を含み、被覆材に陰圧を伝達することができる。一部の実施形態では、第一および第二の透過層326a、326bは、3D布を含み得る。
創傷被覆材300は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または含んでもよい。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜図10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材300内に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、第一の透過層326aの下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷接触層322の上に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、第一の透過層326aに置き換えられ得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層321を補完またはそれに置き換えられもよく、あるいは、吸収層321は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。
装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクスが過剰に崩壊せず、それによって陰圧が創傷被覆材300に印加された時に創傷に陰圧を十分に伝達するように、可撓性であるが陰圧に耐えるのに十分に固いように構成され得る。装填されたマトリクス層は、それを通した陰圧の送達を可能にするのに十分な数またはサイズの細孔を含むように構成され得る。さらに、装填されたマトリクス層は、創傷に十分な陰圧を送達するのに好適な厚さを有し得る。例えば、装填されたマトリクス層は、1mm〜5mm、1.5mm〜4mm、または2mm〜3mmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層はおよそ2mmの厚さを有し得る。
遮蔽層を含むNPWT用多層創傷被覆材
図16Aは、本開示の実施形態による、図12A〜図12Dの創傷被覆材に類似した創傷被覆材2100を通した断面を図示する。代替として、創傷被覆材110を含むがこれに限定されない、本明細書に開示するいずれの創傷被覆材の実施形態、または本明細書に開示する創傷被覆材の実施形態のいずれの数の特徴のいかなる組み合わせでもありうる、創傷被覆材2100は、治療されることになる創傷部位の上に置かれ得る。被覆材2100は、創傷部位の上に密閉された空洞を形成するように配置され得る。好ましい実施形態では、被覆材2100は、図12A〜12Dを参照して説明したカバー層および創傷接触層と類似した、創傷接触層2102に取り付けられた裏当て層2140を含む。これら二つの層2140、2102は、内部空間またはチャンバを画定するために、共に接合または封止されることが好ましい。この内部空間またはチャンバは、陰圧を分配または伝達し、創傷滲出液および創傷から除去された他の流体を貯蔵するように適応してもよい追加構造と、本明細書に記載の他の機能とを備えてもよい。下記の構造の例には、図12A〜12Dを参照しながら説明した透過層および吸収層と類似した透過層2105および吸収層2110が含まれる。
多孔質材料の層2105は、創傷接触層2102の上方に置かれ得る。この多孔質層または透過層2105により、液体および気体を含む流体が、創傷部位から離れて創傷被覆材の上部層中へと透過することが可能になる。特に、透過層2105によって、吸収層が相当量の滲出液を吸収しても創傷エリアの上に陰圧を伝えるよう、外気チャネルが確実に維持され得ることが好ましい。層2105は、好ましくは、上述の通り、陰圧創傷療法時に適用されることになる通常の圧力の下で開放されたままになるべきであり、それによって、創傷部位全体が等しい陰圧を受ける。
一部の実施形態では、層2105は、三次元構造を有する材料から形成され得る。例えば、編みもしくは織りスペーサ生地(例えば、Baltex 7970の横編ポリエステル)、または不織布が使用され得る。
吸収性材料の層2110は、透過層2105の上に設けられる。発泡体もしくは不織の自然または合成材料を含み、任意で超吸収材料を含んでもよい吸収材は、流体、具体的には、創傷部位から除去される液体用の貯留部を形成する。一部の実施形態では、層2100もまた、流体を裏当て層2140の方へ引き寄せるのに役立ってもよい。
図16Aを参照すると、マスキング層または遮蔽層2107は、裏当て層2140の少なくとも一部の下に位置付けられ得る。一部の実施形態では、遮蔽層2107は、任意の視認窓または孔を有するがこれらに限定されない、本明細書に開示される遮蔽層の他の実施形態の同一の特徴、材料、または他の詳細のいずれかを有することができる。遮蔽層および視認窓を有する創傷被覆材の例は、国際特許公開第WO2014/020440号に記載されており、その全体は参照によりその全体が組み込まれる。さらに、遮蔽層2107は、裏当て層に隣接して位置付けられてもよく、または所望の任意の他の被覆材層に隣接して位置付けられてもよい。一部の実施形態では、遮蔽層2107は、裏当て層に接着されるか、または裏当て層と一体的に形成され得る。遮蔽層2107は、吸収層2110とほぼ同じサイズおよび形状を有し、それを覆うように構成されることが好ましい。そのため、これらの実施形態では、遮蔽層2107は、裏当て層2140よりも小さい領域である。
吸収層2110の材料はまた、創傷被覆材2100内に収集された液体が被覆材内で自由に流れるのを防止することができ、好ましくは、収集されたいかなる液体も吸収層2110内に含むよう作用する。吸収層2110はまた、流体を創傷部位から引き寄せ、吸収層中に渡って貯蔵するように、吸い上げ作用によって層全体に流体を分配するのを助ける。これによって、吸収層のエリアにおける凝集を防止するのを補助する。吸収材の容量は、陰圧を適用するとき、創傷の滲出液が流れる速度を管理するのに充分でなくてはならない。使用中、吸収層は陰圧を経験するため、吸収層の材料は、そのような状況下で液体を吸収するように選ばれる。例えば、超吸収体材料といった、陰圧下にあるとき液体を吸収できる、いくつかの材料が存在する。吸収層2110は通常、ALLEVYN(商標)発泡体のFreudenberg114−224−4および/またはChem−Posite(商標)11C−450より製造されてもよい。一部の実施形態では、吸収層2110は、超吸収性粉末、セルロースなどの繊維材料、および結合繊維を含む複合材を含んでもよい。好適な実施形態では、複合材は、風成(airlaid)の、熱結合複合材である。
オリフィス2144を、好ましくは、裏当て層2140に設け、被覆材2100に陰圧を印加することを可能にする。吸引ポート2150は、被覆材2100の中に作られるオリフィス2144の上で、裏当て層2140の最上部に取り付けられるか、または封止され、オリフィス2144を通って陰圧を伝えることが好ましい。長いチューブが、被覆材から流体を汲み上げることが可能になるように、第一端部で吸引ポート2150に、第二端部でポンプユニット(図示せず)に連結されてもよい。ポートは、アクリル、シアノアクリレート、エポキシ、UV硬化性またはホットメルト接着剤などの接着剤を使用して、裏当て層2140に接着および封止してもよい。ポート2150は、ショアAスケールで30から90の硬度を有する、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、シリコーンまたはポリウレタンといった柔らかいポリマーから形成される。一部の実施形態では、ポート2150は、柔らかい材料または適合する材料から作られてもよい。
好ましくは、吸収層2110および遮蔽層2107は、ポート2150の下にあるように配置される、少なくとも一つの貫通孔2145を含む。もちろん、これらの様々な層2107、2140、および2110を通るそれぞれの孔は、互いに対して異なるサイズであってもよい。図16Aに図示する通り、単一の貫通孔は、ポート2150の下にある開口部をもたらすように使用され得る。複数の開口部が、代替として利用され得ることは理解されるであろう。加えて、二つ以上のポートが、本開示の特定の実施形態に従って利用されるべき場合、一つまたは二つ以上の開口部が、各ポートと位置を合わせて、吸収層および遮蔽層に作られてもよい。本開示の特定の実施形態には必須ではないものの、超吸収層に貫通孔を使用することで、吸収層2110が飽和に近いとき特に、遮断されないままの流体流路を提供してもよい。
隙間または貫通孔2144は、オリフィスが透過層2105に直接接続するように、オリフィス2144の下方の吸収層2110および遮蔽層2107に設けられることが好ましい。これによって、ポート2150に印加される陰圧を、吸収層2110を通過することなく、透過層2105へ伝えることが可能になる。これで、吸収層が創傷滲出液を吸収するとき、創傷部位に適用される陰圧が、吸収層によって阻害されないことが保証される。他の実施形態では、吸収層2110および/または遮蔽層2107に隙間を設けなくてもよく、または、代替として、オリフィス2144の下にある複数の開口部を設けてもよい。
裏当て層2140は、ガスを透過させないが、水蒸気を透過させるのが好ましく、創傷被覆材2100の幅を横切って延び得る。例えば、片方の面に感圧接着剤を有するポリウレタンフィルム(例えば、Elastollan SP9109)であり得る、裏当て層2140は、ガスに対して不透過性であり、それゆえ、この層は創傷を被覆し、上に創傷被覆材が置かれる創傷空洞を封止するように動作する。このように、効果的なチャンバが、陰圧が確立されうる、裏当て層2140と創傷部位との間に作られる。裏当て層2140は、被覆材の周囲の境界領域2200内において、創傷接触層2102に対して封止され、例えば接着技術または溶接技術を介して、境界領域に空気が吸い込まれないようにするのが好ましい。裏当て層2140によって、創傷が外部の細菌汚染から保護され(細菌バリア)、層を通って創傷滲出液からの液体を移動させ、フィルム外表面から蒸発させることが可能になる。裏当て層2140は、二つの層、すなわちポリウレタンフィルムとこのフィルム上に広げられた接着パターンとを含むのが好ましい。ポリウレタンフィルムは透湿性であるのが好ましく、かつ、濡れると水透過速度が高くなる材料から製造され得る。
一部の実施形態では、吸収層2110は、吸収層が透過層2105の縁と重複するように、透過層2105よりも大きい面積から成ってもよく、それによって、透過層が裏当て層2140に接触しないことを保証する。これにより、創傷接触層2102と直接接触する、吸収層2110の外側チャネル2115が提供され、滲出液の吸収層へのより急速な吸収に役立つ。さらに、この外側チャネル2115によって、液体が創傷空洞の外周に貯留できないことが保証され、そうでない場合には、被覆材の周囲の封止部から染み出して、漏出の形成につながる場合がある。
創傷被覆材2100は、上記の通り、マトリクスを組み込むか、またはそれを含み得る。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材2100内に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、透過層2105の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷接触層2102の上に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクス層が吸収層2110(以下にさらに説明する)と創傷接触層2102との間に提供されるように、透過層2105と置き換えられてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷被覆材2100の最下層とし得る。装填されたマトリクスは、透過層2105および/または吸収層2110と同一または実質的に類似のサイズおよび形状を有し得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層2110を補完または置き換えてもよく、または、吸収層2110は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。
装填されたマトリクス層は、装填されたマトリクスが過剰に崩壊せず、それによって陰圧が創傷被覆材2100に印加された時に創傷に陰圧を十分に伝達するように、可撓性であるが陰圧に耐えるのに十分に固いように構成され得る。装填されたマトリクス層は、それを通した陰圧の送達を可能にするのに十分な数またはサイズの細孔を含むように構成され得る。さらに、装填されたマトリクス層は、創傷に十分な陰圧を伝達するために適切な厚さを有し得る。例えば、装填されたマトリクス層は、1mm〜5mm、1.5mm〜4mm、または2mm〜3mmの厚さを有し得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層はおよそ2mmの厚さを有し得る。
図16Bは、くびれた部分、遮蔽層、および視認窓を有する創傷被覆材の実施形態を図示する。図16Bは、創傷被覆材1400の実施形態の斜視図を示す。創傷被覆材1400は、ポート1406を含むことが好ましい。ポート1406は、ポンプと流体連通するように構成されることが好ましく、ポートに予め取り付けられた管または導管を含み得る。別の方法として、陰圧は、図12A〜図12Dで後述するタイプの流体コネクタを含むがこれに限定されない、他の好適な流体コネクタを介して創傷被覆材に供給することができる。
創傷被覆材1400は、上記の図16Aの実施形態と類似して構成されてもよく、裏当て層1405の下または内部の吸収性材料1402を含んでもよい。随意に、図16Aを参照して上述したように、創傷接触層および透過層は、創傷被覆材1400の一部として提供されてもよい。吸収性材料1402は、皮膚表面に対する創傷被覆材の柔軟性およびなじみ性を向上させるために、狭められた中央部分またはくびれた部分1408を含むことができる。裏当て層1405は、吸収性材料料1402の周辺を越えて延在する境界領域1401を有してもよい。裏当て層1405は、半透明または透明裏当て層であってもよく、その結果、裏当て層1405から作成される境界領域1401は、半透明または透明であり得る。裏当て層405の境界面領域1401の面積は、境界領域の面積がより大きい、中央部分が狭まっていることを除き、被覆材全体の周囲でほぼ等しくすることができる。境界領域1401のサイズが、被覆材の全寸法および他の設計選択に依存することを認識するであろう。
図16Bに図示するように、少なくとも吸収層1402の上またはこれを覆うように、および裏当て層1405の下に、任意選択的に一つまたは複数の視認窓1403を有する遮蔽層1404が提供され得る。遮蔽層1404は、創傷被覆材1400および/または吸収性材料(すなわち、吸収性材料1402内または裏当て層1405の下)の中に含まれる内容物(流体など)を部分的にまたは完全に遮蔽することができる。遮蔽層は、吸収性材料の色付き部分であってもよく、または吸収性材料を覆う別個の層であってもよい。一部の実施形態では、吸収性材料1402は、上述のものと類似の方法で、美容的および/または審美的改善を提供するように、遮蔽層1404を介して、隠され(部分的または完全に)、着色され、または色づけされてもよい。その他の構成が可能であるが、遮蔽層は最上の裏当て層1405と吸収性材料1402との間に提供されることが好ましい。図16Aの断面図は、マスキングまたは遮蔽層2107に関するこの配置を図示する。その他の層およびその他の創傷被覆材構成要素を、本明細書に記載されるように被覆材に組み込むことができる。
蔽層1404は、吸収性材料1402の上に少なくとも部分的に位置付けられ得る。一部の実施形態では、遮蔽層1404は、裏当て層に隣接して位置付けられてもよく、または望ましい任意の他の被覆材層に隣接して位置付けられてもよい。一部の実施形態では、遮蔽層1404は、裏当て層および/または吸収性材料に接着されるか、または裏当て層および/または吸収性材料と一体的に形成され得る。
図16Bに示すように、遮蔽層1404は、吸収性材料1402と実質的に同一の周辺形状およびサイズを有し得る。遮蔽層1404および吸収性材料1402は、吸収性材料1402全体が遮蔽層1404によって遮られうるように、等しいサイズであり得る。遮蔽層1404は、創傷から放出される創傷滲出液、血液、またはその他の物質を遮ることを可能にし得る。さらに、遮蔽層1404は、切り抜き視認窓または穿孔を有しながら、完全にまたは部分的に不透明であり得る。
一部の実施形態では、遮蔽層1404は、被覆材表面の部分的な遮蔽またはマスキングを加える材料を使用して、使用中に被覆材の見苦しい外観を減少させるのに役立ち得る。一実施形態における遮蔽層1404は、被覆材を部分的にのみ遮蔽し、臨床医が被覆材表面にわたる滲出物の拡散を観察することによって、要求される情報にアクセスできるようにする。遮蔽層のこの実施形態の部分的マスキング性質により、熟練した臨床医は被覆材の滲出物、血液、副産物などによって生じる異なる色を知覚し、被覆材全体にわたる広がりの程度の視覚的評価およびモニタリングを可能にする。しかしながら、その清浄な状態から滲出液を含有する状態まで、被覆材の色の変化はわずかであるため、患者が審美的な差異に気付く可能性は低い。患者の創傷からの創傷滲出液の視覚的インジケータを低減または除去することは、患者の健康に対する肯定的な効果を有する可能性が高く、例えば、ストレスの低減につながる。
一部の実施形態では、遮蔽層を不織布(例えば、ポリプロピレン)から形成することができ、19%の結合面積を有するダイヤモンドパターンを使用して熱接合され得る。さまざまな実施形態において、遮蔽層は疎水性または親水性であり得る。用途に応じて、一部の実施形態では、親水性遮蔽層は、さらに透湿性を提供し得る。ただし、一部の実施形態では、疎水性の遮蔽層は、依然として十分な透湿性(すなわち、適切な材料選択、遮蔽層の厚さ)を提供しながら、遮蔽層内での染料または色のより良い保持も可能にし得る。このように、染料または色は遮蔽層の下に閉じ込められ得る。一部の実施形態では、これにより、遮蔽層がより薄い色または白に着色されることを可能にし得る。好ましい実施形態において、遮蔽層は疎水性である。一部の実施形態では、遮蔽層材料をエチレンオキシドを使用して滅菌することができる。その他の実施形態は、ガンマ線照射、電子ビーム、蒸気またはその他の代替的滅菌方法を使用して滅菌され得る。さらに、さまざまな実施形態では、遮蔽層は例えば、例えば医療用青色で、色付けまたは着色できる。遮蔽層は、より強い無着色の層に積層されたまたは融合された着色層を含む、複数の層からも構成され得る。好ましくは、遮蔽層は臭いがなく、繊維の最小限の脱落を示す。
しかし、一部の実施形態では、吸収層1402自体を色付けまたは着色してもよく、その結果遮蔽層は必要ない。被覆材には、随意に最上面を部分的に遮蔽する手段が含まれ得る。これはまた、吸収性構造からの流体蒸発を依然として可能にする場合、開口部のないテキスタイル(編み、織り、または不織布)層を使用して達成され得る。また、適切なインクまたはカラーパッド構成要素(織り糸、縫い糸、コーティング)をそれぞれ使用して、上部フィルムまたは最上部のパッド構成要素の最上面に遮蔽パターンを印刷することによって、達成することもできる。これを達成する別の方法は、完全に不透明な最上面を有することであり、これは臨床医によって被覆材状態(例えば、窓を通して)を検査するために一時的に開かれ、創傷の環境を損なうことなく再度閉じられ得る。さらに、図16Bは、一つまたは複数の視認窓1403を含む、創傷被覆材の実施形態を図示する。一つまたは複数の視認窓1403は、遮蔽層1404を通って延びることが好ましい。これらの視認窓1403は、臨床医または患者による、遮蔽層の下の吸収性材料中の創傷滲出液の視覚化を可能にし得る。図16Bは、創傷被覆材の遮蔽層1404の視認窓1403としての役割を果たすことができる、ドットの配列(例えば、一つまたは複数の並列行の)を図示する。好ましい実施形態では、二つ以上の視認窓1403は、被覆材1400の一つまたは複数の側面と平行であってもよい。一部の実施形態では、一つまたは複数の視認窓は、0.1mm〜20mm、好ましくは0.4mm〜10mm、さらにより好ましくは1mm〜4mmの範囲で測定できる。視認窓1403は、遮蔽層1404を通して切り抜かれてもよく、または遮蔽層1404の無着色の領域の一部であってもよく、したがって、吸収性材料1402の視覚化を可能にしてもよい。一つまたは複数の視認窓1403は、遮蔽層1404にわたって繰り返しパターンで配置されてもよく、または遮蔽層にわたって無作為に配置されてもよい。さらに、一つまたは複数の視認窓は、円形形状またはドットとすることができる。好ましくは、一つまたは複数の視認窓1403は、飽和の程度だけでなく、流体の流体ポート1406への進行または拡散も許容するように構成され、一部の実施形態では、被覆材の性能は、流体のレベルがポート1406に近接した流体を飽和させた時に、悪影響を受ける可能性がある。一部の実施形態では、ポート1406の周りに出現する視認窓1403の「星形」配列は、この進行を示すために適切でありうるが、もちろんその他の構成は可能である。一部の実施形態では、視認窓1403は、遮蔽層1404によって覆われない吸収性材料1402の面積に対応する。そのため、吸収性材料1402は、この領域の裏当て層1405に直接隣接する。遮蔽層1404は部分的な遮蔽層として機能するため、視認窓1403は、臨床医またはその他の訓練を受けたユーザによって使用され、被覆材全体にわたる創傷滲出液の拡散を評価することができる。一部の実施形態では、視認窓1403は、ドットの配列または三日月形切り抜きを含むことができる。例えば、視認窓1403としてのドットの配列は、図16Bに図示されており、ドットの配列は5×2配列に配列されている。さらに、一部の実施形態では、ドットパターンは、遮蔽層全体にわたって、かつ遮蔽層の表面全体または実質的に表面全体を横切って均等に分布され得る。一部の実施形態では、視認窓1403は、遮蔽層を通して無作為に分布され得る。一つまたは複数の視認窓1403によって覆われていない遮蔽層1404の領域は、被覆材1400および/または吸収性材料1402の点検を可能にしつつ、滲出液の外観を最小限にするようバランスを取ることが好ましい。一部の実施形態では、一つまたは複数の視認窓1403によって露出される面積は、遮蔽層1404の面積の20%、好ましくは10%、さらにより好ましくは5%を超えない。
視認窓1403は、いくつかの構成を取り得る。一部の実施形態では、視認窓1403は、遮蔽層1404に作られる規則正しい間隔を置いた無着色のドット(孔)の配列を含み得る。ここで図示したドットは特定のパターンであるが、ドットは異なる構成で配置されてもよく、またはランダムに配置されてもよい。視認窓1403は、患者または介護者が吸収層の状態の確認を可能にするように、特にその飽和レベルおよび滲出液の色(例えば、過剰な血液が存在するかどうか)を決定できるように構成されることが好ましい。一つまたは複数の視認窓を有することによって、吸収層の状態は、患者にとって審美的に不愉快でない、目立たない様式で決定され得る。吸収層の大部分は遮蔽される可能性があるため、滲出液の総量は隠される場合がある。したがって、吸収層1402の状態および飽和レベルは、患者の恥ずかしさおよび視認性を低減し、それによって患者の快適性を高めるように、より目立たない外観を呈し得る。一部の構成では、一つまたは複数の視認窓1403は、被覆材1400の飽和度の数値評価を提供するために使用され得る。これは、電子的に(例えば、デジタル写真評価を介して)、または手動で行われてもよい。例えば、飽和度は、滲出液またはその他の創傷流体によって遮られまたは着色されうる視認窓1403の数をカウントすることによって監視され得る。
一部の実施形態では、吸収層1402、または遮蔽層1404、特に吸収層の色付き部分は、(またはそれにより着色される)補助化合物の存在を含んでもよい。補助化合物は、一部の実施形態では、臭いを吸収するように作用することができる活性炭であってもよい。抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、およびその他のそのような治療化合物の使用も可能である。一部の実施形態では、被覆材が飽和している場合、または被覆材が有害物質の特定量を吸収した場合(例えば、感染病原体の存在を示すために)、色は時間の関数として(例えば、被覆材を変更する必要があると表示するために)変化し得る。一部の実施形態では、一つまたは複数の視認窓1403を電子的に監視してもよく、コンピュータプログラムまたはシステムと併せて使用して、被覆材1400の飽和レベルを患者または医師に警告することができる。
保持層を含む多層創傷被覆材
図17は、多層創傷被覆材3100の一実施例を示す。創傷被覆材3100は、創傷被覆材3100の上部に位置する液体不透過性フィルム層3102を含む。使用時、フィルム層3102は、創傷部位から最も遠位の、創傷被覆材3100の上部層である。フィルム層3102はまた、気体および蒸気透過性であり、創傷被覆材3100からの液体または創傷滲出物の蒸発を可能にして、創傷の浸軟を防止するのに役立つ。この例では、フィルム層3102はポリウレタン混合物から形成されるが、その他の好適な材料はその他の高分子材料、例えばポリエチレン、またはポリプロピレンを含み得る。
吸収層3108は、フィルム層3102の下にある。吸収層3108は、創傷部位から滲出液を吸収するための繊維状構造を有する。この例では、吸収層3108は超吸収繊維を含む。吸収層3108はまた、他の繊維を含む。この例では、吸収層は、超吸収繊維、ビスコース繊維およびポリエステル繊維を含む。この例では、吸収層3108は、約40%の超吸収繊維、40%のビスコース繊維、および20%のポリエステル繊維を含む。他の実施例では、吸収層は、約0〜50%の超吸収繊維、0〜100%のビスコース繊維、および0〜50%のポリエステル繊維を含み得る。適切な超吸収繊維には、ナトリウム塩に部分的に中和された架橋アクリレート共重合体繊維が含まれるが、その他の超吸収繊維も利用可能である。吸収層3108は、繊維が一緒に機械的にもつれさせられる、ニードリングプロセスを使用して製造され得る。他の実施例では、吸収層3108は、他の比の超吸収繊維、ビスコース繊維、およびポリエステル繊維を含み得る。例えば、吸収層は、約50%の超吸収繊維、35%のビスコース繊維、および20%のポリエステル繊維を含み得る。別の方法として、吸収層は、40%の超吸収繊維および60%のビスコース繊維を含み得る。 フィルム層3102は、吸収層3108内に回収された創傷滲出液が、フィルム層3102を通して創傷被覆材3100から蒸発することができるように、吸収層3108の上に位置する。
保持層3106は、フィルム層3102と吸収層3108との間に位置する。保持層3106は、吸収層3108の構造を補強し、それによって創傷被覆材3100の収縮を減少させるのに役立つ。保持層3102はまた、フィルム層3102に追加の機械的強度を提供し、フィルム層3102の経時的なしわを低減または防止するのに役立つ。機械的強度はまた、被覆材変形またはロールアップが圧力ポイントの原因となる可能性を減少させる。適切には、保持層3106は、0.05〜0.06 Nmの引張強さを有して、創傷被覆材3100の可撓性を損なうことなく、周囲の層(例えば、フィルム層3102および吸収層3108)に機械的強度を提供するように構成される。保持層3106は50〜150μmの厚さを有し得る。適切には、保持層3106は約100〜110μmの厚さを有し得る。
創傷被覆材3100は、上記の通り、装填マトリクスを組み込んでもよく、または含んでもよい。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜図10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填発泡体または繊維層は、創傷被覆材3100に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、カバー層3102の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層3108の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、創傷被覆材3100の最下層とし得る。装填された発泡体は、カバー層3102および/または吸収層3108と同一または実質的に類似したサイズまたは形状を有し得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層3108を補完または置き換えてもよく、あるいは、吸収層3108は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。
図18を参照すると、保持層3106は、創傷被覆材3100の収縮を減少するように構成されたネット3200を含む。適切には、ネット3200は、吸収層3108および/またはフィルム層3102の収縮を減少して、フィルム層3102のしわを減少させるのに役立つように構成される。この例では、ネット3200は、それを通って延びる複数の実質的に三角形の形状の隙間3202を含む実質的に六角形(またはハニカム)構造3204を有する。六角形構造3204は、ポリマーストランド3208によって結合された複数のドット(または突起部)3206から形成される。ドット3206は、相互に対して実質的に均等に間隙を介している。各ドットは、構造3204内に六角形のパターンの頂点を形成する。各ドット3206は、ポリマーストランド3208によって周囲の6つのドット3206に結合される。すなわち、6つのポリマーストランド3208は各ドット3206から延び、それぞれがそれぞれの周囲のドット3206に接続して、ポリマーストランド3208間に三角形の隙間3202を有する六角形構造3204を形成する。三角形の隙間3202のそれぞれは、0.005〜0.32mm2の面積Aを有し得る。これは、創傷から液気が隙間を通して自由に通過することを可能にしつつ、保持層3106に十分な強度を提供する。構造3204は、結合されると複数の三角形を形成する複数のストランドまたはストラットを含む構造であると言うこともできる。この例では、三角形は、モザイク状に列をなす。ストランドまたはストラットは、その他の形態、例えば、正方形、菱形、または異なる幾何学的形状の長方形に、そしてそれ故に異なる開放面積に配置され得る。
この例では、保持層3106は、吸収層3108に直接隣接して位置する。そのため、保持層3106は、吸収層3108のトップ面における繊維に対して追加的な機械的強度を効果的に提供し得る。これは、繊維の移動を防止して、吸収層3108の収縮を低減するのに役立ち得る。適切には、保持層3106は、吸収層3108のトップ面の繊維に結合される。これは、繊維を定位置にロックし、移動を防止または低減するのに役立ち得る。この例では、保持層3106は、ネット3200を吸収層3108に加熱積層するための結合層をさらに含む。こうして保持層3106は、結合層を介して吸収層108の繊維に加熱積層される。
ネット内に含まれる結合層は、ネット3200の構造を維持しながら、保持層3106が吸収層3108に加熱積層され得るように、ネット3200よりも低い融解温度を有する。結合層は、低融点ポリマー、例えば低融点エチレンビニル酢酸塩から形成されてもよく、ネット3200は、結合層よりも高い温度で溶融する、高密度ポリエチレンから形成され得る。ネット3200よりも低い融点を有するその他のポリマーも適切であり得る。例えば、結合層は別個の層であってもよく、または別の方法として、エチレンアクリレートまたは熱可塑性ポリウレタン系接着剤を含んでもよい。ネット3200および接着層は、共押出しされて保持層3106を形成してもよい。適切には、接合層は、ネット3200内の隙間3202が結合層によって塞がれないように、ネット3200に類似の構造形状で押し出される。これは、吸収層3108の滲出液が保持層を通過し、フィルム層3102を通して創傷被覆材3100から蒸発することを確実にするのに役立つ。
図19A〜図19Bは、多層創傷被覆材3300の別の例を示す。創傷被覆材3300は、フィルム層3302、保持層3306および吸収層3308を含み、図17に関連して説明したフィルム層3102、保持層3106および吸収層3108と同一である。また、創傷被覆材3300は、フィルム層3302を保持層3306に取り付けるために、フィルム層3302と保持層3306との間に位置する第一の接着層3304も含む。第一の接着層3304は、フィルム層3302の創傷に面する面(下側)に塗布されたホットメルト接着剤である。適切には、第一の接着層3304は、気体および液気が第一の接着層3304内の孔を通過することができるように、孔を含むようにフィルム層3302上にパターン被覆される。他の例では、フィルム層3302は、その間に接着層3304を必要とすることなく、保持層3306上に直接積層(例えば、加熱積層)されてもよい。この例では、創傷被覆材3300はまた、流体輸送層である発泡体層3312も含む。発泡体層3312は、吸収層3306の下に位置する。発泡体層3312は、創傷部位から流体を引き出し、流体を吸収層3308に輸送する役目をする。発泡体層は、当業者によって認識されるように、開放セルポリウレタン発泡体から形成されてもよく、他の方法も可能である。
接着ウェブ層3310は、発泡体層3312と吸収層3108との間に位置して、発泡体層3312を吸収層3308に接着する。接着剤ウェブ層は、二成分ポリプロピレン/ポリエチレン繊維から形成され得る。こうした二成分繊維は当業界で公知であり、そのため簡潔とするために、詳細には説明しない。接着剤ウェブ層3310は、それを通って延びる複数の隙間を含み、これにより発泡体層3312から吸収層3108への滲出液の通過が許容される。
創傷被覆材3300はまた、穿孔フィルム3316を含む、創傷接触層3320も含む。穿孔フィルム3316は、発泡体層3312の下に位置して、創傷が治癒するのにつれて創傷被覆材3100が創傷に付着することを防止するのに役立つ。例えば、創傷被覆材3300が発泡体層3112を含む場合、穿孔フィルム316は、新たな組織が発泡体層3312内で増殖するのを防止し得る。その他の例では、発泡体層3312が存在しない場合があるが、穿孔フィルム3316は、吸収層3308が創傷内に埋め込まれるのを防止するのに役立ち得る。穿孔フィルム3316中の穿孔は、実質的に均一に分布し、そして滲出液の創傷被覆材3300への通過を可能にする好適なサイズのもの、例えば直径1〜2.5 mmの孔を有することが適切である。適切には、穿孔フィルム3316は、ポリウレタンから形成される。また、創傷接触層3320は、創傷被覆材3300を皮膚に接着するために、穿孔フィルム3316の下(すなわち、穿孔フィルム3316の創傷に面する面上)に位置する接着剤3318を含み得る。この場合、接着剤はシリコーン3318であり、好適には、約30〜200g/mのコート重量を有する穿孔フィルムの下側上に広がる。その他の一部の実施例では、例えば、包帯、テープのストリップ、または圧縮包帯などの追加的な取り付け要素を使用して、創傷被覆材3300を患者に固定してもよい。
穿孔フィルム3316の上側(すなわち、創傷から遠位側)は、さらなる接着層3314で被覆され得る。さらなる接着層3314は、創傷接触層3320を発泡体層3312に接着する。適切には、さらなる接着層3314はアクリル接着剤であってもいが、その他の好適な接着剤も使用され得る。その他の例では、創傷接触層3320は、その間にさらなる接着層3314を必要とすることなく、発泡体層3312に直接積層(例えば、加熱積層)されてもよい。
創傷被覆材3300は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または含んでもよい。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜図10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材3300内に組み込まれてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、カバー層3302の下に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層3308と創傷接着層3320との間に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、発泡体層3312と創傷接触層3320との間に提供され、したがって接触層3314に接着されてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層3308および/または発泡体層3312に補完または置き換えられてもよく、あるいは、吸収層3308および/または発泡体層3312は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。装填されたマトリクスは、カバー層3302および/または吸収層3308と同一または実質的に類似のサイズおよび形状を有し得る。
別の実施例では、図20に示すように、フィルム層3502は、創傷被覆材の他の層よりもさらに外方に延びるように、創傷被覆材3500の残りの部分よりも大きな表面積を有し得る。フィルム層の創傷に面する面(下側)は、創傷周辺の周りに被覆材を患者に付着するための感圧接着剤3504(またはその他の好適な接着剤)で被覆され得る。感圧接着剤3504はまた、フィルム層3502を創傷被覆材3500の保持層3506に接着してもよい。また、創傷被覆材は、吸収層3508、接着ウェブ層3510、発泡体層3512、さらなる接着層3514および創傷接触層3520を含み得る。この例の各層は、図19Aおよび19Bに関連して上述した対応する層と類似している場合があり、そのため簡潔とするために、繰り返して詳細には説明しない。
さらなる例では、図21に示すように、創傷接触層3620およびフィルム層3602の両方は、創傷被覆材3600の残りの層を越えて延びてもよい。創傷接触層3620およびフィルム層は、創傷被覆材の残りの層が創傷接触層3620とフィルム層3602との間に挟まれるように、周辺部の周りに一緒に接着され得る(例えば、接着層3604を介して)。言い換えれば、保持層3606、吸収層3608、接着剤ウェブ層3610および発泡体層3612は、フィルム層3602と創傷接触層3620との間のくぼみ3622内に封止され得る。この例では、さらなる接着層3614は、発泡体層3612を創傷接触層3620に接着するが、他の実施例ではさらなる接着層614を必要としない場合がある。この例の各層は、図19Aおよび19Bに関連して上述した対応する層と類似している場合があり、そのため簡潔とするために、繰り返して詳細には説明しない。
この例の創傷被覆材3600は、創傷被覆材3300と同様に製造され得るが、フィルム層3602および創傷接触層3620は、周辺部の周りに一緒に積層されて(例えば、接着層3604を介して)、フィルム層3602と創傷接触層620の間の残りの層を挟んでいる。別の方法として、フィルム層3602は、追加的接着層3604を必要とすることなく、創傷接触層3620に周辺部の周りに直接積層(例えば、加熱積層)されてもよい。
図19A〜図19Bに関連して記述した創傷被覆材3300と類似の方法で、創傷被覆材3500および3600は、上記の通り、装填されたマトリクスを組み込んでもよく、または含んでもよい。例えば、本明細書に前述し、そして図1〜10に図示する通り、粉末装薬/添加剤を含む装填された発泡体または繊維層は、創傷被覆材3500および3600内に組み込まれてもよい。例えば、装填されたマトリクス層は、吸収層と創傷接着層との間に提供され得る。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、発泡体層と創傷接触層との間に提供され、したがって接触層に接着されてもよい。一部の実施形態では、装填されたマトリクス層は、吸収層3508および/または発泡体層3512に補完または置き換えられてもよく、あるいは、吸収層3508および/または発泡体層3512は、上記の通り、粉末装薬を装填されてもよい。装填された発泡体は、カバー層、吸収層および/または発泡体層3312と同一または実質的に類似のサイズおよび形状を有し得る。
創傷被覆材3300、3500、3600は、いくつかの接着層を有するものとして記載されるが、これらの層の一つ以上が存在しない場合がある。例えば、穿孔フィルム自体は、発泡体層上に加熱積層され得るように、ホットメルト接着材料から形成されてもよく、その場合、さらなる接着層は必要とされない場合がある。別の実施例では、接着剤ウェブ層は、発泡体および吸収層が別の方法で接着されている場合、存在しない場合がある。例えば、発泡体および吸収層は、直接化学的に一緒に結合されてもよい。同様に、第一の接着層は必要ない場合がある。例えば、保持層が接着材料を含む場合、またはフィルム層自体がホットメルト接着剤から形成される場合、フィルム層および保持層は直接的に一緒に接着され得る。
別の実施例では、創傷被覆材は発泡体層を有さずに提供されてもよい。発泡体層は、創傷から滲出物を移動させるのに役立つ。ところが、一部の場合では、創傷の重度に応じて、吸収層は発泡体層を必要とせずに、創傷からの滲出液を十分に引き出し得る。
上述の実施例では、保持層は結合層を介して吸収層に加熱積層されるが、その他の積層技術が適切であり得る。例えば、結合層は、感圧接着剤を含み得る。この場合、保持層および接着層を一緒に積層するために熱を必要としない場合がある。
上述の例では、ネット層は実質的に六角形の構造を有すると説明されているが、その他の幾何学的構造も適切であり得る。また、その他の幾何学的構造では、隙間は異なる幾何学的形状を有してもよい。
別の実施例では、創傷被覆材は、複数の保持層を含んで、創傷被覆材中のその他の層への保持を提供してもよい。例えば、第一の保持層は、液体不透過性フィルム層と吸収層との間に位置してもよく、さらなる保持層が、吸収層と流体輸送層(発泡体層)との間に位置してもよい。これは、両側から吸収層を保持して吸収層の収縮をさらに減少させるのに役立ち得る。
本明細書に記述した例のいずれかは、陰圧ポンプなどの陰圧源を含む陰圧システム(減圧システムとも呼ばれる)での使用のために適合され得る。例えば、フィルム層は、陰圧供給管が接続され得るポートなどの陰圧インターフェースを含んでもよい。供給管は、使用時に、陰圧源が、フィルム層と創傷との間の創傷被覆材に陰圧を印加して、創傷滲出液を創傷から被覆材の吸収層内に引き出すのに役立つように、陰圧源に接続され得る。
用語
実施形態によっては、本明細書に記載されるプロセスのいずれかの特定の操作、作用、事象、または機能は、異なる順序で実施され得、また全体として、(プロセスの実践に必要なもの等)、追加、融合、または除外され得る(例えば、本プロセスの実践にすべてが必要となるわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作、作用、機能、または事象は、例えば、マルチスレッド処理、割込処理、または複数のプロセッサもしくはプロセッサコアを通じて、または他のパラレルアーキテクチャー上で、シーケンシャルにではなく、同時に実行することができる。
図示されたシステムのさまざまな構成要素の処理は、複数の機械、ネットワーク、およびその他の演算リソースにわたって分配され得る。さらに、システムの二つ以上の構成要素を、より少ない構成要素に組み合わせることができる。図示されたシステムの様々な構成要素を、専用コンピュータハードウェアシステムおよび/またはコンピューティングデバイスではなく、一つまたは複数の仮想マシンに実装することができる。同様に、図示されたデータレポジトリは、例えば、ストレージエリアネットワークまたはその他の分散ストレージシステムを含む、物理的および/またはロジカルデータストレージを表し得る。さらに、一部の実施形態において、示される構成要素の間の接続は、ハードウエア間の実際の接続というよりはむしろデータの流れの経路を示す。さらに、いくつかの実施形態では、図示した構成要素間の接続は、ハードウエア間の実際の接続ではなく、データフローの可能な経路を表す。
可能な接続の一部の例が示されているが、図示された構成要素のサブセットのいずれかは、様々な実施の構成要素のその他任意のサブセットと通信できる。添付の出願書類に記載されている可能性のあるものを含む、上記の特許および用途およびその他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して説明される特性、物質、特徴、または群は、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態、または実施例に、これらと両立できないことがない限り、適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)に開示する特徴のすべて、または同様に開示するいずれの方法もしくは過程のステップのすべては、そのような特徴またはステップの少なくとも一部が、互いに排他的である組み合わせを除き、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。本発明の保護するものは、前述の任意の実施形態の詳細に限定されない。保護するものは、本明細書(添付の任意の特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及び、または同様に開示される任意の方法またはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの、もしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
特定の実施形態が説明されてきたが、これらの実施形態は、単に例として提示されており、保護範囲を限定することを意図するものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法及びシステムの形態において、様々な省略、置換、及び変形がなされ得る。実施形態によっては、図示または開示されたプロセスにおいて実施される実際のステップは、図に示されたステップとは異なりうることを、当業者は認識するであろう。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。例えば、開示されるプロセスで実施される実際のステップまたはステップの順序は、図で示したものとは異なっていてもよい。実施形態によっては、上述したステップのうちの特定のステップが除去される場合があり、別のものが加えられる場合もある。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性は、様々な方法で組み合わせることができ、さらなる実施形態を形成することができるが、その全てが本開示の範囲内に収まることになる。
本開示には、特定の実施形態、実施例、及び用途が含まれるが、本開示は、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態または使用ならびにその明らかな変更形及びその等価物にまで及び、これには本明細書に記載された特徴および利点の全てを提供しているとは限らない実施形態が含まれることは、当業者に理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、実施形態によって限定されることを意図するものではなく、本明細書に提示されるまたはこの後に提示される特許請求の範囲によって定義され得る。
「し得る(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、または「場合がある(may)」などの条件付き言い回しは、別途具体的に記載されない限り、または使用される文脈の範囲内で別途解釈されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、またはステップを含む一方で、他の実施形態は含まないということの伝達を意図するのが通例である。したがって、こうした条件付き言い回しは、特徴、要素、またはステップが一つまたは複数の実施形態に多少なりとも必要とされるという示唆、またはこれらの特徴、要素、もしくはステップが特定の任意の実施形態に含まれているかどうか、もしくは該実施形態で実施されるべきかどうかを、ユーザ入力または命令の有無にかかわらず決定するためのロジックが、一つまたは複数の実施形態に必然的に含まれているという示唆を必ずしも意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」等の用語は、同義語であり、包含的に非限定様式で用いられ、追加の要素、特徴、行為、及び動作等を排除するものではない。また、用語「または(or)」は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)用いられることで、例えば要素の列記をつなぐのに使用される場合、列記の要素のうちの一つ、一部、または全てを意味することになる。同様に、「および(and)/または(or)」という用語は、二つ以上の項目の列挙に関して、言葉の以下の解釈のすべて:列挙内の項目も任意の一つ、列挙内のすべての項目、および列挙内の項目の任意の組み合わせ、を網羅する。さらに、用語「各々」は、本明細書で使用される場合、通常の意味を有するのに加えて、用語「各々」が適用されている一連の要素の任意のサブセットも意味し得る。さらに、本明細書で使用される場合、「本明細書での(herein)」、「上記(above)」、「下記(below)」および類似する言葉は、本出願で使用される場合、本明細書の全体を指し、本明細書の特定の部分を指すものではないことを意味する。
語句「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」などの連言的言い回しは、別途具体的に記載されない限り、ある項目や用語などが、Xか、Yか、Zのいずれかでありうることを伝えるのに一般的に用いられる文脈と共に、別途解釈されるものである。したがって、こうした連言的言い回しは、特定の実施形態が、少なくともXのうちの一つと、少なくともYのうちの一つと、少なくともZのうちの一つとを含むことを必要とするという示唆を通常意図しない。
本明細書で使用される「およそ」、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語などの、本明細書で使用される程度を表す言い回しは、所望の機能を依然として果たすかまたは所望の結果をもたらす所定の値、量、または特性に近い値、量、または特性を表すものである。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、所定の量の10%未満以内、5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内、及び0.01%未満以内の量を意味し得る。別の例として、一定の実施形態において、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、丁度平行である状態から15度以下、10度以下、5度以下、3度以下、1度以下、または0.1度以下ずれている値、量、または特性を意味する。
本明細書に記載の実施形態のいずれも、キャニスタあり、または、キャニスタなしで使用することができる。本明細書に記載される被覆材実施形態のいずれかも、創傷滲出液を吸収および保存することができる。
本開示の範囲は、特定の実施形態の説明によって制限されることは意図されておらず、請求項によって定義されてもよい。本特許請求の範囲の言い回しは、本特許請求の範囲で用いられている言い回しに基づいて広い意味で解釈されるべきであり、本明細書で説明されている例または本出願の手続きの間に説明される例に限定されるものではなく、それらの例は非排他的なものとして解釈されるべきである。

Claims (73)

  1. 創傷ケア材料である材料であって、
    創傷に面する面および裏面、または二つの創傷に面する面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクスと、
    創傷被覆材添加剤またはその組み合わせを含む粉末装薬と、を含み、
    前記マトリクスが蛇行性細孔ネットワークを提供し、
    前記粉末装薬が、前記創傷に面する面または前記裏面に、および前記面の近位にあるセルにおける前記セルネットワーク内に、より具体的には、前記ネットワーク内の深さが増大するにつれて量が減少して含まれる、材料。
  2. 創傷被覆材添加剤またはその組み合わせが、前記または下記に定義されるいずれかの抗菌種放出添加剤、および抗菌剤、細菌、静菌、耐火材、活性炭またはベントナイトなどの臭気制御、タンパク質破壊または変性、吸い上げ、伝導、構造支持の、超吸収性ポリマー(SAP)などの吸収剤、PU発泡体黄変防止などの色またはカラーマスキング(蛍光染料、酸化防止剤)から選択される創傷被覆材添加剤から選択される、請求項1に記載の材料。
  3. 前記粉末装薬が、前記面の一つまたは両方に存在し、前記セルネットワーク内および前記構造マトリクスフレームワーク内には存在しない、または付随的な量またはわずかな量で存在する、請求項1または2に記載の材料。
  4. 該粉末装薬が、前記面の一つまたは両方、および前記面または前記複数の面の近位にある前記セルネットワーク内に存在し、前記構造フレームワーク内には存在しない、または付随的な量またはわずかな量で存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の材料。
  5. 前記粉末装薬が、前記面の両方、および一つの前記放出面の近位にある前記セルネットワーク内に存在し(非対称的に)、前記裏面および前記構造フレームワークの近位にあるセルネットワーク内には存在しない、または付随的な量で存在する、請求項1〜2および4のいずれかに記載の材料。
  6. 前記粉末装薬が、非対称的に装填される、または前記マトリクス内の深さが増大するにつれて量が減少して装填される、請求項1〜2および4〜5のいずれかに記載の材料。
  7. 前記粉末装薬が、前記放出面または前記放出面それぞれからの、前記面間の分離の5%〜50%に、例えば、前記面または前記複数の面から内方に2〜6の平均サイズのセルの直径に延びる、請求項1〜2および4〜6のいずれかに記載の材料。
  8. 抗菌添加剤および超吸収性ポリマー(SAP)を一緒に、または個々に含む、粉末装薬または複数の粉末装薬を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の材料。
  9. 抗菌添加剤またはSAPを請求項3に定義する創傷被覆材添加剤と共に含む、粉末装薬または複数の粉末装薬を含み、複数の粉末装薬が、同一または異なる面に、および/またはそれらの近位にあるセルネットワーク内に含まれる、請求項1〜8のいずれかに記載の材料。
  10. マトリクスが、前記構造マトリクスフレームワーク内のバックグラウンド含有量または補足含有量に含浸された、同一または異なる添加剤を含み、前記バックグラウンド含有量または補足含有量が、前記予め形成されたマトリクス内に含まれる、請求項1〜9のいずれかに記載の材料。
  11. 一つ以上の粉末装薬保持流体透過性ネットと共に積層物として形成される、請求項1〜10のいずれかに記載の材料。
  12. マトリクスまたはその一部が、ポリスチレン、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、フェノール重合体、シリコーン、ポリオレフィン、ゴムおよびエラストマー熱可塑性ポリマーおよびそれらの組み合わせおよび共重合体などの、天然および合成ポリマー発泡体から選択される発泡体マトリクスを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の材料。
  13. マトリクスまたはその一部が、セルロース、アルギン酸、キチン、キトサン、レーヨンおよびビスコースなどのその官能誘導体、およびそれらの混合物の織布および不織布繊維マトリクスから選択される繊維マトリクスを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の材料。
  14. 抗菌原子種放出添加剤が、銀元素、銀塩、銀錯体およびそのケージ形態、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1〜13のいずれかに記載の材料。
  15. 抗菌原子種放出添加剤が、スルファジアジン銀、銀ゼオライト、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の材料。
  16. 二原子種が、ヨウ素、例えばカデキソマーヨウ素などのケージドヨウ素を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の材料。
  17. 超吸収性ポリマーが、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋CMCまたはその他の吸収剤で官能化された(カルボキシル化またはスルホン化によって)セルロース誘導体、架橋ポリエチレンオキシドおよびPVA共重合体から選択される、請求項1〜16のいずれかに記載の材料。
  18. 約1ミクロン<D90<30ミクロン〜D50<10ミクロンの粒径を有する添加剤を含む、請求項1〜17のいずれかに記載の材料。
  19. 粉末装薬が、ステアリン酸塩、粘土、シリカ、炭または黒鉛およびそれらの組み合わせから選択され、添加剤粒径未満の粒径である流動剤を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の材料。
  20. 前記マトリクス面に、および/または前記セルネットワーク内に、前記粉末装薬と共に、前記粉末装薬の一部として、あるいは固体溶融または部分溶融として、請求項18に定義されるPEGおよびPVPおよび超吸収性ポリマーから選択される、透水性増量剤および/または結合剤を含む、請求項1〜19のいずれかに記載の材料。
  21. マトリクス成分の複合材である材料であって、
    創傷面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクスと、
    抗菌添加剤、創傷ケア添加剤および創傷被覆材添加剤から選択される添加剤を含む、添加剤または粉末装薬成分と、を含み、前記材料または前記粉末装薬が追加的に流動剤および/または増量剤および/または結合剤を含み、
    前記添加剤および前記流動剤および/または増量剤および/または結合剤が共に配置される、あるいは、前記粉末装薬成分が、一つの前記放出面または前記面の両方におよび/または前記セルネットワーク内に共に配置されており、好ましくは、添加剤および/または流動剤が、溶融軟化され共に配置された増量剤および/または結合剤によって、前記面または前記複数の面および前記セル内に部分的に埋め込まれて保持される、材料。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の材料を製造するための方法。
  23. 放出面および裏面を提供する二つのマトリクス面、または二つの放出面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクス成分と、
    抗菌種放出添加剤を含む粉末装薬成分であって、種が一つ以上の抗菌原子種および一つ以上の抗菌二原子種から選択される、粉末装薬成分と、含む材料を製造するための方法であって、
    前記方法が、前記マトリクス成分を提供することと、
    前記粉末装薬成分を提供することと、
    前記粉末装薬成分と前記マトリクス成分を接触させることと、を含み、
    前記接触させることが、前記粉末装薬を、一つの前記放出面または前記放出面の両方に、および/または前記面または前記複数の面の近位にある前記セルネットワーク内に向けることを含む、方法。
  24. 創傷に面する面および裏面、または二つの創傷に面する面、およびそれらの間に、セルネットワーク表面を有するセルのネットワークおよびその中に細孔またはセル開口部のネットワークを画定する構造マトリクスフレームワーク、を含む、可撓性の親水性ポリマー発泡体または繊維マトリクス成分と、
    創傷被覆材添加剤またはその組み合わせを含む粉末装薬成分であって、前記マトリクスが蛇行性細孔ネットワークを提供する、粉末装薬成分と、を含む創傷ケア材料である材料を製造するための方法であって、前記方法が、
    前記マトリクス成分を提供することと、
    前記粉末装薬成分を提供することと、
    前記粉末装薬成分と前記マトリクス成分を接触させることと、
    前記創傷に面する面または前記裏面に、および前記面の近位にあるセルにおける前記セルネットワーク内に、前記ネットワーク内の深さが増大するにつれて量を減少して、前記粉末装薬を向けることと、を含む、方法。
  25. 先行する、同時の、または以後のステップにおいて、マトリクスの、および/または前記面における流体透過性積層ネットレイドアップの、および/または請求項1〜22のいずれかに定義する前記粉末装薬と共に提供される結合剤を溶融軟化し、それによって前記マトリクス面に、および/または前記セルネットワーク内に前記粉末装薬を埋め込みまたは結合することを含む、請求項23または24に記載の方法。
  26. 前記マトリクス成分または中間表面を所望の配向、例えば、投与面に対して水平または傾斜して上向きまたは下向きに提供することと、
    一つ以上のホッパー、キャニスタ、カセット、ノズルまたは放出バケットに前記粉末装薬を提供することと、
    前記マトリクス面に直接的に、あるいは前記中間表面に間接的に前記粉末装薬を投与することによって向け、その後、前記マトリクス面を任意のこうした中間表面と接触させることと、を含み、投与することが、散粉、粉末散布、粉末噴霧、粉末噴射、または堆積から選択される、請求項23〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 先行するステップにおいて、添加剤粒径およびその必要な利用可能性に鑑みた、添加剤および任意の流動剤、増量剤および/または結合剤、およびそれらのそれぞれの量の選択を含む、該粉末装薬を調製することと、任意のブレンドまたは混合と組み合わせることと、特許請求するように接触および向けるために、粉末装薬中に提供することと、を含み、前記ステップが、追加的に、前記添加剤または前記粉末装薬を、ふるい分けまたは質量分離を含む粒径選択プロセスまたは微粒化を含む粒径低減プロセスにかけることを含む、請求項23〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 一つの前記面に、および前記セルネットワーク内に向けることが、粉末装薬を直接的または間接的にそれに投与し、同時またはその後に並進移動力を印加して、それによってその少なくとも一部を前記セルネットワーク内で並進移動させることを含む、請求項23〜27のいずれかに記載の方法。
  29. 並進移動力が、ニードリングなどの、粉末装薬に直接的に印加される、あるいは、例えば、前記マトリクスをマングリングまたはローラリングし、それによって重力または吸引などによる並進移動により粉末装薬を変位することによって、前記マトリクスを介して粉末装薬に間接的に印加される物理力を含む、請求項23〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 並進移動力が、前記粉末装薬を投与された、または投与される前記マトリクス全体に印加され、前記粉末装薬を流動化する、あるいは、前記粉末装薬が流れなどの流体をとるように配置された場を含み、場が、交番静電場(AC電場)、音場、超音波場、エアローリック(aeraulic)場、空気場等から選択される、請求項23〜29のいずれかに記載の方法。
  31. それらのそれぞれの量および第二の利用可能な部分が前記セルネットワーク内に、および/または前記裏面または第二の放出面に向けられる距離を操作するように、さらなるステップにおいて、それぞれの第一の利用可能性および第二の利用可能に対して、面における粉末装薬部分とセルネットワーク内の粉末装薬部分とを差別化することを含む、請求項23〜30のいずれかに記載の方法。
  32. 請求項22〜31のいずれかに記載の方法によって取得される、または取得可能な材料。
  33. 部位に適用され、前記部位に提供された水性媒体との接触によって活性される装置であって、前記装置が、
    (a)部位接触表面または層および/または
    (b)対向する非部位接触表面または層と共に、
    (c)(a)および/または(b)の間またはそれらと組み合わせて含まれる水性媒体吸収層を含み、
    (c)が、請求項1〜21または32のいずれかに記載の材料を含む、装置。
  34. 創傷滲出液などの、創傷部位に適用され、前記創傷部位における流体との接触によって活性される、創傷被覆材またはその一部を含む装置であって、
    (a)創傷接触表面または層および/または
    (b)対向する非創傷接触表面または層と共に、
    (c)間またはそれらの一つとの組み合わせでそれらの間に含まれる一つ以上の任意の流体吸収層を含み、
    (c)が、請求項1〜24または35のいずれかに記載の抗菌材料または創傷ケア材料を含む、装置。
  35. 層または表面(a)が接着剤または適合する非接着性で弾性の隙間を有するフィルムである、請求項33および34のいずれかに記載の抗菌装置。
  36. 層または表面(b)が、前記部位における流体および空気調節を可能にし、抗菌バリアを提供する、好ましくは適合する連続蒸気透過性ポリマーフィルムである、請求項33〜35のいずれかに記載の抗菌装置。
  37. 層(b)と層(c)との間に含まれるマスキング層(b’)、層(b)と層(c)との間に含まれる超吸収層(b’’)から選択される追加的な層を含む、請求項33〜36のいずれかに記載の抗菌装置。
  38. 減菌、最終減菌および/または水分封止および/または微生物不透過性パッケージングである、請求項1〜21および32、または33〜37のいずれかに記載の抗菌材料または装置。
  39. 請求項33〜38のいずれかに記載の装置を製造するための方法。
  40. 部位を前記部位の健康に有害な微生物がないようにするまたはないように維持するために部位を治療する方法であって、前記部位を請求項1〜22および32または33〜38のいずれかに記載の抗菌材料または装置に接触させ、それによって抗菌種を材料および/または前記部位に放出することを可能にすることを含む、方法。
  41. 請求項40に記載の方法であって、創傷部位を治療し、それによって必要な期間のその持続的な放出で、抗菌種を前記創傷部位に高濃度で高速に放出することを、可能にする、方法。
  42. 創傷部位を、請求項1〜22および32または33〜38のいずれかに記載の創傷ケア材料または装置に接触させることを含む、創傷ケアのための方法。
  43. 医療および歯科物品を含む物品の衛生および減菌および使用時減菌、ナプキン、おむつ、化粧品などのパーソナルケア品および物品の衛生および減菌、空気および水を含む食品または流体、または食品調製または包装プラントなどのそれらの調製および生成ためのシステム、換気システム、水管理システムの衛生および減菌、の創傷の管理から選択される使用のためのものであり、特に、微生物感染を防止または防衛するためのこうした使用が特に有益である、請求項1〜22および32または33〜38のいずれかに記載の材料または装置。
  44. 創傷を治療する方法であって、
    装填された創傷被覆材層を含む創傷被覆材を前記創傷の中または上に置くことを含み、前記装填された創傷被覆材層が、多孔質マトリクスおよび前記マトリクス内に装填された抗菌放出添加剤の粉末装薬を含み、前記粉末装薬が、少なくとも前記多孔質マトリクスの創傷に面した表面において濃縮されており、
    前記抗菌放出添加剤が、湿性または水性媒体との接触時に前記創傷被覆材から抗菌剤を前記創傷に放出するために活性化される、方法。
  45. 前記抗菌剤を一日より長く放出することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記抗菌剤放出剤を一日当たり最大1.8mg/cmの量で放出することをさらに含む、請求項44または45に記載の方法。
  47. 前記抗菌剤の少なくとも一部を前記創傷に向けて放出する前に、創傷滲出液を前記装填された創傷被覆材層と接触させることをさらに含み、前記抗菌剤が、創傷滲出液と接触する際に創傷滲出液中に拡散するように構成される、請求項44〜46のいずれかに記載の方法。
  48. 陰圧を前記創傷被覆材に印加することをさらに含む、請求項44〜47のいずれかに記載の方法。
  49. 前記抗菌放出添加剤が、銀元素、銀塩、銀錯体、そのケージド形態、ヨウ素のケージド形態、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項44〜48のいずれかに記載の方法。
  50. 前記抗菌放出添加剤が、スルファジアジン銀、銀ゼオライト、炭酸銀、硫酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀、カデキソマーヨウ素、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項44〜49のいずれかに記載の方法。
  51. 前記抗菌剤が銀イオンを含む、請求項44〜46のいずれかに記載の方法。
  52. 前記抗菌剤がヨウ素を含む、請求項44〜46のいずれかに記載の方法。
  53. 抗菌添加剤の前記粉末装薬が超吸収性ポリマーをさらに含む、請求項44〜52のいずれかに記載の方法。
  54. 抗菌放出添加剤の前記粉末装薬が、約1ミクロン<D90<30ミクロン〜D50<10ミクロンの粒径を有する、請求項44〜53のいずれかに記載の方法。
  55. 抗菌添加剤の前記粉末装薬がさらに、ステアリン酸塩、粘土、シリカ、炭、黒鉛およびそれらの組み合わせから成る群から選択される流動剤を含み、前記流動剤が前記抗菌放出添加剤未満の粒径である、請求項44〜54のいずれかに記載の方法。
  56. 前記創傷被覆材が創傷滲出液を吸収する吸収層をさらに含む、請求項44〜55のいずれかに記載の方法。
  57. 前記創傷被覆材が、前記装填された創傷被覆材層の下で前記創傷と接触して配置される創傷接触層をさらに含む、請求項44〜56のいずれかに記載の方法。
  58. 創傷被覆材であって、
    創傷に面する面および裏面を含む多孔質マトリクスと、
    前記マトリクス内に装填された抗菌放出添加剤の粉末装薬と、を含む、装填された創傷被覆材層を含み、前記粉末装薬が、少なくとも前記創傷に面する面からの距離が増大するにつれて量が低減する、創傷被覆材。
  59. 前記マトリクスがポリマー発泡体を含む、請求項58に記載の創傷被覆材。
  60. 前記マトリクスが繊維マトリクスを含む、請求項58に記載の創傷被覆材。
  61. 前記マトリクスが親水性ポリマーを含む、請求項58〜60のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  62. 前記抗菌放出添加剤が、銀元素、銀塩、銀錯体、そのケージド形態、ヨウ素のケージド形態およびそれらの組み合わせを含む、請求項58〜61のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  63. 前記抗菌放出添加剤が、スルファジアジン銀、銀ゼオライト、硫酸銀、炭酸銀、塩化銀、硝酸銀、酸化銀、リン酸銀、クエン酸銀、酢酸銀、乳酸銀、カデキソマーヨウ素、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項58〜61のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  64. 前記抗菌放出添加剤が、前記創傷に面する面において1.4mg/cm〜4mg/cmの量である、請求項58〜63のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  65. 前記装填された創傷被覆材層の下に創傷接触層をさらに含む、請求項58〜64のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  66. 前記装填された創傷被覆材層上にカバー層をさらに含む、請求項58〜65のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  67. 前記カバー層を陰圧源に接続するように構成された流体コネクタをさらに含む、請求項58〜66のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  68. 前記装填された創傷被覆材層上に吸収層をさらに含む、請求項58〜67のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  69. 前記吸収層が超吸収性粒子を含む、請求項68に記載の創傷被覆材。
  70. 前記粉末装薬が、超吸収性ポリマーをさらに含む、請求項58〜69のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  71. 抗菌放出添加剤の前記粉末装薬が、約1ミクロン<D90<30ミクロン〜D50<10ミクロンの粒径を有する、請求項58〜70のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  72. 前記粉末装薬が、ステアリン酸塩、粘土、シリカ、炭、黒鉛およびそれらの組み合わせから選択される流動剤をさらに含み、前記流動剤が前記抗菌放出添加剤未満の粒径である、請求項58〜71のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
  73. 前記マトリクスが複数のセルを含み、前記抗菌放出添加剤が、前記セル内に少なくとも部分的に埋め込まれる、請求項58〜72のいずれか一項に記載の創傷被覆材。
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