JP2020525527A - アルコールからのオレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、接触脱水によるアルコールからのオレフィンの製造方法に関する。より具体的には、本発明は、2から6の間に含まれる、好ましくは2から4の間に含まれる炭素原子数を有する少なくとも1種のアルコール、より好ましくは炭素原子数3を有する少なくとも1種のアルコール、更により好ましくは2−プロパノールを、好ましくはBEA構造、MTW構造を有するゼオライト及びそれらの混合物からなる群より選択される酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトと、好ましくは少なくとも1種の無機バインダー、より好ましくはアルミナとを含む触媒材料の存在下で脱水させることによる、少なくとも1種のオレフィンの製造方法に関する。好ましくは、オレフィンは、出発アルコールと同じ炭素原子数を有する。更に好ましくは、オレフィンは共役二重結合を含まず、より好ましくは、オレフィンはモノオレフィンである。本発明の主題はまた、芳香族炭化水素のアルキル化法における上述のオレフィンの使用、特にベンゼンをアルキル化してクメンを得るためのプロピレンの使用である。上述のクメンは、Hock法に従ってフェノールとアセトンとを調製する統合された方法において使用することができ、その際、アセトンは2−プロパノールへと還元されて、本発明の方法に再循環されることで、再びプロピレンを得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、接触脱水によるアルコールからのオレフィンの製造方法に関する。
より具体的には、本発明は、2から6の間に含まれる、好ましくは2から4の間に含まれる炭素原子数を有する少なくとも1種のアルコール、より好ましくは炭素原子数3を有する少なくとも1種のアルコール、更により好ましくは2−プロパノールを、好ましくはBEA構造、MTW構造を有するゼオライト及びそれらの混合物からなる群より選択される酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトと、好ましくは少なくとも1種の無機バインダー、より好ましくはアルミナとを含む触媒材料の存在下で脱水させることによる、少なくとも1種のオレフィンの製造方法に関する。好ましくは、オレフィンは、出発アルコールと同じ炭素原子数を有する。更に好ましくは、オレフィンは共役二重結合を含まず、より好ましくは、オレフィンはモノオレフィンである。
本発明の主題はまた、芳香族炭化水素のアルキル化法における上述のオレフィンの使用、特にベンゼンをアルキル化してクメンを得るためのプロピレンの使用である。上述のクメンは、Hock法に従ってフェノールとアセトンとを調製する統合された方法において使用することができ、その際、アセトンは2−プロパノールへと還元されて、本発明の方法に再循環されることで、再びプロピレンを得ることができる。
エチレン、プロピレン及びブチレンのようなオレフィンは、化学産業における重要な中間体又は「構成単位」である。例えば、エチレンはスチレン、酢酸、アセトアルデヒド、エチレンオキシド、エチレングリコール等の合成方法における重要な中間体であり、ポリエチレン、ポリスチレン及びポリ塩化ビニル等のポリマーを得るための重要な中間体である。同様にプロピレンは、例えば燃料の配合において、又はポリプロピレンを得るために、又は例えばクメン、アクリロニトリル、アクリル酸及びプロピレンオキシド等の産業的に関心が持たれる種々の化合物の合成法において使用され得る。最後に、ブチレン及びイソブチレンは、とりわけ、燃料添加剤(例えば、メチル−t−ブチルエーテル、MTBE及びイソオクタン)の製造のために、そしてポリマー、コポリマー及び合成ゴムを得るために使用される。
これらのいわゆる「軽質」オレフィンは、特に炭化水素の分解により、特に天然ガス又はバージンナフサを含む供給物の水蒸気分解によって得られる。しかしながら、この分野では最近、ベンゼン、ブチレン、プロピレンを得ることを可能にする重質留分を含むフィラーから、特にエチレンの製造を促進するために軽質原料(例えば、エタン、プロパン、液化石油ガス(LPG))への転換が記録されていることに留意することが重要である。
いずれにせよ、一方では石油備蓄の減少、そして環境保護に関する問題への意識の高まりにより、炭化水素の分解の代替法に向けた研究、そして好ましくは再生可能な資源の使用に基づく代替法の開発が益々推し進められている。
この観点から、あらゆる起源のアルコールの脱水によりオレフィンを得ることは、大きな開発の可能性及び幅広い応用の見通しを示し、それ自体が経済的に持続可能であることが明らかである。
このために有利に使用することができるアルコールは、古典的な化学産業生成物の変換により得ることができることから、方法の統合及び生成物の活用も可能となる。
古典的な工業的合成法によって得ることができるアルコールは、例えばカルボニル基の水素化(例えば、アセトンからの2−プロパノール)若しくは対応するオレフィンの水和(例えば、エチレンからのエタノール、プロピレンからのプロパノール、n−ブテンからのsec−ブタノール及びイソブテンからのtert−ブタノール)によって、又は例えば非特許文献1で報告される当業者に知られる他の方法を用いて調製され得る。
例えば、1−プロパノール及び2−プロパノールの製造において通常使用される中間体はアセトンである。アセトンのプロパノールへの水素化に関連する特許の一覧は、非特許文献2に見出すことができる。
一方、アセトンは、発酵法又は古典的な合成法、例えばクメン(一般的にベンゼンをプロピレンでアルキル化することにより調製される)の酸化によりクメンヒドロペルオキシドを得て、それをフェノールとアセトンへと分解することを想定するHockによるフェノール合成法によって製造され得る。
一方で、単一の製造装置におけるフェノール及びアセトンの最新の製造が確かに工業的観点からプラスの側面を表すとしても、2つの生成物について需要に不均衡が存在すると、商業的な問題が生ずる場合がある。実際、クメンから1kgのフェノールが製造されるごとに、0.61kgのアセトンも製造されることに留意すべきである。
例えば、アセトンの主な用途の1つはメチルメタクリレート(MMA)の製造であるが、その市場の需要が減少している一方で、フェノールの主要な誘導体であるビスフェノールA(BPA)、フェノール樹脂及びカプロラクタムについての需要が増加していることを考慮すると、クメンを介してフェノールを得る方法における過剰なアセトンの生成に起因する問題を容易に理解することができる。
特許文献1は、クメン調製工程におけるプロピレンの使用を特徴とするクメンヒドロペルオキシドを介したフェノールの製造方法であって、上記プロピレンが部分的に又は完全に、アセトン(フェノールと一緒に生成する)を水素により2−プロパノールへと還元し、引き続き2−プロパノールをプロピレンへと脱水させることから得られる、方法を記載している。特に、特許文献1で提案される方法においては、アセトンの水素による還元により得られる2−プロパノールのプロピレンへの脱水工程は非常に費用のかかる工程である。
上述のフェノール合成法で使用されるクメンは、アセトンの水素化から得られた2−プロパノールで直接的にベンゼンをアルキル化することにより得ることができるとはいえ、アルコールをオレフィンへと脱水させるための経済的に実行可能な方法がもたらされることで、統合された方法内でプロピレンを再循環させることの直接の利点となることが明らかである。
本発明によるオレフィンの製造法のために、発酵により又はしかしながら生物学的起源の材料の変換により又は発酵により得られた材料の変換により得ることが可能である、生物学的起源の又は再生可能資源からのアルコール(バイオアルコール)を使用することも可能である。
近年では、イソブタノール等の工業用高級アルコールの製造のために多くの発酵法が開発されている。対応するオレフィンを得るための生物学的由来のアルコールの接触脱水は、プラスのマージンを生むことができ、市場価格に応じて従来の石油化学法と少なくとも同じくらい収益性の高いものになり得る。この手法は、例えばYu-Sin Jangらにより非特許文献3において記載された。
特に、プロパノールは、例えばE. M. Greenにより非特許文献4において記載され、そしてB.G. Hermann及びM. Patelにより非特許文献5において記載される、例えば既知の方法「アセトン−ブタノール−エタノール」(ABE)によって製造されたバイオアセトンの水素化により得ることもできる。
古典的に、アルコールの脱水によるオレフィンの製造は、上述のアルコールを硫酸、リン酸、過塩素酸等の強酸又はリンタングステン酸及びリンモリブデン酸等のヘテロポリ酸で処理することによって行われる。強酸を基礎とする触媒の使用は耐食性材料で作られた反応器の使用を強いると共に、またその後の上記酸の生成物からの分離及びその廃棄の問題を伴う。当業者は、得られたオレフィンが強酸の存在下で重合又は異性化する傾向があり、所望の生成物の収率を低下させるといった影響があることも認識している。
特にヘテロポリ酸は、エタノールのエチレンへの転化法において効果的に使用されており、低い運転温度でも高い活性を示す。ヘテロポリ酸の不利点はその低い熱安定性であり、そのため、或る特定の使用時間後にその表面上に炭素残留物が蓄積したときに触媒に対する難しい再生作業が必要となる。
あるいは脱水は、固体酸触媒の存在下で実施することができる。例えば、M. Zhang及びY. Yuにより非特許文献6において述べられたアルコールの脱水によりオレフィンを得る方法の多数の例は、固体のアルミナを基礎とする触媒を、そのままで又はMgO/SiO(触媒「SynDol」)、Cr、Mn若しくはTiOを含む他の酸化物と組み合わせて使用することを想定している。
固体のアルミナを基礎とする触媒は比較的安価であるが、その使用には幾つかの特定の運転要件を考慮せねばならない。例えば、固体のアルミナを基礎とする触媒は空間速度が低く、反応温度が高いことが必要である。実際に、上述の固体酸触媒が使用される脱水法では、触媒の酸性度と、実際に吸熱性である反応が行われる温度との間の均衡が非常に重要であることが実証されている。
一方で、これらの触媒の酸性特性により、対応するアルコールの脱水により得られたオレフィンは、約300℃までの温度でオリゴマー化反応及び重合反応を受け、他方で、作業温度を450℃以上に高めることで分解反応が起こり、これが不所望な副生成物の形成の原因となる。
さらに、工業的慣行では、アルコールのオレフィンへの転化をできる限り最大の収率で行うことが最も重要である。実際、過剰な未反応のアルコールは、そうでなければ脱水反応器に再循環させる必要があることから、再循環のために追加の装置と関連の投資費用及び操業費用とが必要となる。脱水収率が低下して再循環分が増加するにつれて、未反応のアルコールと一緒にかなりの量の不純物も再循環され得ることから、脱水反応器に蓄積すると、得られるオレフィンの品質が実際に損なわれ得ることに留意することが重要である。
特許文献2は、アセトンの2−プロパノールへの水素化工程と、γ−アルミナを基礎とする触媒の存在下での、良好な転化率及び選択性が得られる290℃から320℃の間に含まれる値の温度でのアルコールの脱水工程とを含む、アセトンからプロピレンを作製する方法を記載している。この場合に、得られる収率は、著者らによれば、触媒材料中のアルカリ金属の含量の減少と、擬ベーマイトから出発して得られたγ−アルミナを基礎とする触媒の特定の細孔分布とに関係している。
この特許文献は、2−プロパノールのプロピレンへの脱水反応においては、選択性の観点から触媒として擬ベーマイトからのアルミナを使用することが好ましく、強酸触媒(シリカ−アルミナ、ゼオライト及び固体リン酸)に対して、反応を活性化するのに必要な温度でプロピレンの重合及び副生成物の形成を促進する傾向がより低いことも説明している。
他方で、R.J.J. Nel及びA. de Klerkは、非特許文献7において、300℃、大気圧及び0.026mol・h−1・g−1の流速で固定床反応器においてγ−アルミナ上で5から12の間に含まれる炭素原子数を有するアルコールを脱水させることによって、低い転化率及びオレフィンへの収率が得られ、特に1−ペンタノールの場合に、高温にもかかわらず、オレフィンへの69%の選択性及び対応するエーテルへの30%の選択性と69%の転化率とが得られることを報告している。温度の上昇は転化率及びオレフィンへの選択性の増加とエーテルへの選択性の減少とをもたらすが、90%より高い転化率及びオレフィン(あらゆる二量体を含む)への選択性の値は、350℃に等しい温度でのみ観察される。
アルコールのオレフィンへの脱水反応において、遷移アルミナの使用、すなわち当業者により無機バインダー又は無機担体としても使用されることは、T.K. Phungらにより非特許文献8において記載された。この場合に、転化率及びエチレンへの選択性は、過去に記載されたものより低い。例えば、UOP社によるVersal(商標)250等のγ−アルミナは、脱水反応が200℃で行われた場合に、2%の総転化率及びゼロのオレフィンへの選択性を示し、300℃でも77.8%の転化率及び47.6%のエチレンへの選択性が得られる。
HUSY型のゼオライトの使用は、V. Calsavara、N.R.C.F. Machado、J.L. Bernardi, Jr及びE.F. Sousa-Aguiarにより非特許文献9において記載された。この論文では、強塩基(例えば、NaOH溶液)で処理された酸性超安定Y型ゼオライトを含む触媒の存在下での2−プロパノールの脱水は、得られたゼオライトが更に酸性処理された後だけであるが、上述のように二次反応の確立を促進する400℃未満の温度で脱水反応を実施することによって、90%を超える転化収率で行われる。
FAU構造を有するゼオライト触媒を用いたアルコールの脱水法で直面する不利点はまた、ゼオライトの細孔への到達を妨げてその活性を大幅に減少させ得る炭素残留物(「コークス」)の形成である。コークスの形成は、例えば13C MAS NMRによってY型ゼオライトを使用して、M. Hunger及びT. Horvathにより非特許文献10において実証された。上述の触媒を使用して、著者らは120℃で2−プロパノールの高い転化率を報告しているが、2%までの量でアセトン及びジイソプロピルエーテル等の副生成物が形成することと、7時間の運転時間後に既にコークス前駆体が存在することとを報告しており、これらの触媒材料の産業上利用可能性が未だに限定されていることを強調している。
炭素残留物の蓄積は、特に高い転化率及び選択性に至るために必要な温度条件下で、MFI中細孔ゼオライトファミリーに属するゼオライトH−ZSM−5を触媒として使用するアルコールの脱水法の既知の不利点でもある。
他方で、H−ZSM−5がアルコールのオレフィンへの脱水反応を200℃から300℃の間に含まれる温度で触媒する能力が実証されたことで、このゼオライト触媒の特性を改善するための数多くの試みがなされた。
例えば、特許文献3は、SiO−Al比(シリカ−アルミナ比、SAR)が50から400の間に含まれ、粒径が100nmから500nmの間に含まれ、比表面積が160m/gから350m/gの間に含まれるように調製された酸形のゼオライトZSM−5を含む触媒の存在下での2−プロパノールのプロピレンへの脱水法を記載している。上述のゼオライトは、2−プロパノールの脱水によって240℃の温度でも高い転化率及び収率でプロピレンを得ることを可能にするが、そのような転化率は、0.5h−1に等しい特に低い「毎時重量空間速度」(WHSV)に限定されることを留意することが重要である。他方で、例えば2h−1のより高いWHSVで同じ転化率を得るためには、ずっと高い温度(280℃)で運転させる必要がある。しかしながら、この場合においても、プロピレンへの反応の選択性は98.7%以下である。
安定性及び炭素残留物の形成に対する抵抗性が乏しい原因となる触媒の酸性度を低下させるために、ゼオライトH−ZSM−5を含む数多くの配合物が従来技術に記載されている。上述のゼオライトは、例えばN. Zhan、Y. Hu、H. Li、D. Yu、Y. Han及びH. Huangにより非特許文献11において記載されるように金属、例えば亜鉛、ニッケル等又はリン及び/又はランタンの添加により改質され得る。この最後の場合に、含浸により既にリンで改質されたH−ZSM−5触媒へとランタンを少量加えることで、触媒材料の触媒特徴及び炭素残留物の抵抗性を改善することができ、こうしてそれを72時間の運転時間で250℃に至らしめることができるが、転化率(97.4%)及びエチレンへの選択性(96.4%)は損なわれる。
特許文献4はまた、50から400の間に含まれるSAR、100nmから500nmの間に含まれる粒径及び160m/gから350m/gの間に含まれる比表面積を有し、更に含浸又はランタン、セリウム若しくはプラセオジム等の希土類に属する元素の塩とのイオン交換により改質されたゼオライトZSM−5を基礎とする触媒を記載している。プロピレンを製造するための2−プロパノールの接触脱水法において試験された上述の触媒は、Znで改質された同じゼオライトを基礎とする触媒より効果的であることが示されている。しかしながら、選択性は99%より低いものの、比較的高い温度及び低いWHSVでの99%よりも高い転化率は、希釈剤としての窒素の存在と関係しており、この手法を工業的水準で適用することは困難である。
アルコールをオレフィンに転化させるために、他のファミリーのゼオライトが使用されている。例えば、特許文献5は、アルコールの脱水から軽質オレフィンを得るための、リン及び任意に金属、好ましくはアルカリ土類金属又は希土類に属する金属、例えばMg、Ca、Sr、Ba、La、Ceで改質された中細孔ゼオライトMFI、MTT、FER、MEL、TON、MWW、EUO、MFSのファミリーから好ましくは選択されるゼオライトを含むスチーム処理がなされた触媒の使用を記載している。特許文献5では、エタノールの脱水は、このアルコールの極めて希釈された水溶液から出発して行われるが、これはその加熱法及び精製法並びに廃液流の処理を複雑なものにする。さらに、触媒材料の調製のためにスチーム処理及び含浸が使用されるため、これらの後処理により触媒の調製は複雑になる。これに加えて、高い転化率値及び選択性値は、温度が380℃に等しい場合に報告される。
最後に、T.K. Phung、L. Proietti Hernandez、A. Lagazzo及びG. Buscaは、非特許文献12において、エチレンを得るためのエタノールの脱水反応における、ゼオライトファミリーH−MFI、H−BEA、H−FAU、H−FER及びH−MORに属し、したがって中細孔ゼオライト及び大細孔ゼオライトを含むゼオライト触媒の使用を記載している。記載された実験条件では、全ての酸性ゼオライトが、エタノールのジエチルエーテル及びエチレンへの転化において、アルミナ及びシリカ−アルミナよりも活性が高いことが示されているが、その実験条件は、工業的応用に適切ではない有機基質の大幅な希釈(フィラーの総体積に対して窒素中7.9体積%のエタノール)を特徴とする。
ゼオライトH−FER及びH−USYを使用すると、エチレンへの安定した99.9%の収率が、300℃で少なくとも405分間失活することなく得られた。それに対して200℃では、ゼオライトは、約80%の転化率を示し、ジエチルエーテルへの選択性が優勢である。著者らは、大細孔ゼオライトの良好な性能水準と、中細孔ゼオライトの表面上で得られる相当な量のコークスとを報告している。また、大細孔ゼオライトの中でも、使用された条件下でエタノールからエチレンを製造するのに最良の活性を示したものは、FAU構造を有するゼオライト、特にゼオライトH−Y及びゼオライトH−USYであったことを報告することも妥当である。
また、当業者に大細孔ゼオライトとして知られるH−BEA構造を有するゼオライト(例えばE.T.C. Vogtらにより非特許文献13において記載される)を使用すると、より低いエチレンへの選択性が得られ、触媒の耐久性を減らし得る相当な量の炭素残留物(コークス)を形成する傾向があった。
一般的に、引用された研究により、アルコールの脱水法では、一般的にゼオライトはアルミナより高い活性を示し得るので、改質されているが、安定性がより低くなる改質を有しない限り、ゼオライトを触媒として使用することが可能であることが実証された。しかしながら、記載される全ての改質は、研究室規模でのみ評価されているにすぎない。
したがって、既知の解決策は、高温又は希釈剤の存在下での運転の必要性、触媒系の時間に伴う低い安定性等のような不利点がないわけではないことが明らかなので、益々効果的かつ耐久性の、オレフィンの製造のためのアルコールの脱水反応において好都合に使用することができる新たな触媒系を特定することが依然として必要とされている。
米国特許第5,017,729号 米国特許第5227563号 中国公開特許第104549436号 中国公開特許第104549435号 国際公開第2013/017496号
"Industrial Organic Chemistry",Klaus Weissermel及びHans-Juergen Arpe著,第4版 2003年,John Wiley & Sons,第191頁〜第202頁 "Propanols - Advances in Research and Application",学術書面(Scholarly Briefs),Q. Ashton Acton編(2013年)学術編集版,第157頁〜第159頁 "Bio-based production of C2-C6 platform chemicals"(2012年),Biotechnology and Bioengineering,第109巻,第2437頁〜第2459頁(DOI: 10.1002/bit.24599) "Fermentative production of butanol - the industrial perspective"(2011年),Curr. Opin. Biotechnol.,第22巻,第337頁〜第343頁(DOI:10.1016/j.copbio.2011.02.004) "Today's and Tomorrow's Bio-Based Bulk Chemicals From White Biotechnology"(2007年),Appl. Biochem. Biotechnol.,第136巻,第361頁〜第388頁(DOI:10.1007/s12010-007-9031-9) "Dehydration of Ethanol to Ethylene"(2013年),Ind. Eng. Chem. Res.,第52巻,第9505頁〜第9514頁(DOI:10.1021/ie401157c) "Dehydration of C5-C12 Linear 1-Alcohols over η-Alumina to Fuel Ethers"(2009年),Ind. Eng. Chem. Res.,第48巻,第5230頁〜第5238頁(DOI:10.1021/ie801930r) "A study of commercial transition aluminas and of their catalytic activity in the dehydration of ethanol"(2014年),J. Catal.,第311巻,第102頁〜第113頁 "On the acidity and/or basicity of USY zeolites after basic and acid treatment"(2000年),Braz. J. Chem Eng.,第17巻,第91頁〜第98頁(DOI:10.1590/S0104-66322000000100008) "Conversion of Propan-2-ol on Zeolites LaNaY and HY Investigated by Gas Chromatography and in Situ MAS NMR Spectroscopy under Continuous-Flow Conditions"(1997年),J. Catal.,第167巻,第187頁〜第197頁(DOI:10.1006/jcat.1997.1562) "Lanthanum-phosphorous modified HZSM-5 catalysts in dehydration of ethanol to ethylene: A comparative analysis"(2010年),Catal. Commun.,第11巻,第633頁〜第637頁(DOI:10.1016/j.catcom.2010.01.011) "Dehydration of ethanol over zeolites, silica alumina and alumina: Lewis acidity, Bronsted acidity and confinement effects"(2015年),Appl. Catal. To: General,第493巻,第77頁〜第89頁 "Beyond twelve membered rings"(2001年) Studies in Surface Sci.and Catal.,第137巻,第1003頁〜第1027頁(DOI:10.1016/S0167-2991(01)80264-0)
したがって、本発明の課題は、上で詳述した従来技術の欠点を実質的に有さず、特に高い安定性を有する触媒系及び工業的規模にも適用しやすい方法条件を使用して当該技術分野において報告されるより低い温度で高い転化率及び選択性を示す、アルコールの脱水によってオレフィン、好ましくは出発アルコールに対して同じ炭素原子数を有するオレフィンを得る方法、そして好ましくはモノオレフィンを作製する方法、更により好ましくは2−プロパノールを脱水させることによってプロピレンを作製する方法を提供することである。
本発明は特に、BEA構造、MTW構造を有するゼオライト及びそれらの混合物からなる群より選択される酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトと、好ましくは少なくとも1種の無機バインダー、より好ましくはアルミナとを含む触媒材料の存在下で実施される、2から6の間に含まれる、好ましくは2から4の間に含まれる炭素原子数、より好ましくは炭素原子数3を有する少なくとも1種のアルコールの脱水による、少なくとも1種のオレフィンの製造方法に関する。
好ましい態様では、オレフィンは、出発アルコールと同じ炭素原子数を有し、更に好ましくは、オレフィンはモノオレフィンである。
特に好ましい態様では、上記アルコールは2−プロパノールであり、得られるオレフィンはプロピレンである。
さらに、特に好ましい態様では、上記触媒材料は、MTW構造を有するゼオライトのファミリーに属する酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトを含み、更により好ましくは、上記ゼオライトはZSM−12である。
本発明の方法で使用される触媒材料に含まれる酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトは、様々な形態で、例えば通常は微細な無制御の粒径を有する粉末形で使用することができるか、又は例えば押出、球状化、打錠、造粒等のような当該技術分野において知られる成形法のいずれか1つに従って操作して「成形」され得る。成形過程において、ゼオライトは通常、ゼオライト自体の触媒特性を大きく変えることなく固体の所望の最終形態を安定化するように適合された化合物又は組成物を含むいわゆる「バインダー」と混ぜ合わされる。
好ましくは、上述のゼオライトは、押出された形で使用され得る。さらに、上述のように、好ましくは、上記ゼオライトは、バインダー、通常は無機酸化物又はその前駆体、例えばアルミナ(Al)、シリカ(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、より好ましくはシリカ又はアルミナ、更により好ましくはアルミナの存在下で成形される。上記の従来のバインダーと同様に、ゼオライトの成形のために更なる化学薬品を添加することもでき、例えば押出の前に、解膠剤を活性相へと添加することも可能であり、その解膠剤は、触媒材料の上記活性相及びバインダーと均一なペーストが得られるまで混合され得る。成形過程の終わりに、得られた材料は、好ましくは焼成される。
本発明のために、本発明のオレフィンを製造する方法は、気相又は液相/気相混合物、好ましくは気相中で断続的に(例えば、撹拌及び加熱式のオートクレーブ中で)又は連続的に(例えば、直列の1つ以上の触媒反応器中で)、好ましくは連続的に実現され得る。
上述の触媒材料は、効果的で精選されたものであることが示されており、更に例えば固定床触媒反応器に基づいて、単純かつ安価な反応器の解決策を選択可能にする物理的特徴及び機械的特徴によって特徴付けられる。さらに、該触媒材料は、高い空間速度で方法を実施することを可能にし、希釈剤の不存在下で低温であっても、大きな性能低下を示すことなく特に長い運転時間を許容することも示されている。
本発明による方法は、特に、比較的低い温度で運転して運転エネルギーコストの抑制を促しても、アルコールの脱水から得られるべきオレフィン、好ましくは2−プロパノールから出発するプロピレンの高収率を可能にすることを特徴としている。
本発明は更に、芳香族炭化水素のアルキル化による、上述の転化法によって得られたオレフィンの使用、好ましくはベンゼンをアルキル化してクメンを得ることによる、上述の方法によって得られたプロピレンの使用に関する。こうして製造されたクメンは更に、Hock法によりフェノールと副生成物としてのアセトンの製造のために使用され得る。上記アセトンは、フェノールから分離された後に、更に有利には水素化して2−プロパノールを製造することができ、それは再び本発明の方法に供給され得ることから、上記副生成物の再循環と関連する明らかな経済的な利点を有する。
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本明細書及び特許請求の範囲のために、数値範囲の定義は特段の定めがない限り常に極値を含む。
本発明の実施の形態の説明において、「含む(comprising)」及び「含有する(containing)」という用語の使用は、例えば、方法の(of a method or of a process)工程又は物若しくは装置の構成要素に関して記載される選択肢が、必ずしも網羅的ではないことを示す。しかしながら、本出願は、例えば方法の工程又は物若しくは装置の構成要素に関して記載された選択肢に関連する「含む(comprising)」という用語が、明示されてなくとも「本質的にのみからなる(which essentially consists of)」又は「のみからなる(which consists of)」として解釈されねばならない実施の形態にも関することを留意することが重要である。
本発明のために、「実質的に不存在(substantially absent)」又は「実質的な不存在(substantial absence)」という用語は、物質又は化合物について言及される場合に、上記物質又は上記化合物が存在しないか又は無視することができる量でしか存在しないことを意味する。
本明細書及び特許請求の範囲のために、百分率は、他の規定がなされている場合を除き、常に重量基準である。
本明細書及び特許請求の範囲のために、「ゼオライト」とは一般に、酸素原子を介して共に結合された四面体TO(ここで、T=Si又はAl)の三次元骨格に基づく結晶構造のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水和アルミノケイ酸塩を意味し、陽イオン及び水分子により占有された一連の相互接続された空隙及びチャンネルが生ずることで、ゼオライトに特有の制御された多孔特性が与えられる。ゼオライトの更なる特性は、J.V. Smithにより"Definition of a zeolite"(1984年),Zeolites,第4巻,第309頁〜第310頁において報告されている。ゼオライトは、とりわけ、その結晶構造に存在するチャンネルのサイズ、特に上記チャンネルの空間の境界を定める上記定義のT原子により形成される環のサイズ、並びに上記チャンネルの一次元空間、二次元空間又は三次元空間での広がり、チャンネル系の相互接続、及びチャンネルの交差点での又はチャンネルに沿ったケージの存在によって互いに異なる(例えば"Atlas of zeolite Framework types"(2007年),C. Baerlocher、L.B. McCusker及びD.H. Olson編の第6版,Elsevier社に記載される)。知られているように、反応混合物の成分間の相互作用を促進するその能力のため、ゼオライトは数多くの触媒の活性相を構成し得る。
本明細書及び特許請求の範囲のために、「大細孔ゼオライト」とは、例えば"Molecular Sieves - Principles of Synthesis and Identification"(R. Szostak編)第2版 1998年,International Thomson Publishing,第31頁〜第33頁に報告された当業者に知られる分類によれば、最大12個のT原子(ここで、T=Si又はAl)で構成される環により境界が定められる細孔により特徴付けられるゼオライトを意味する。大細孔ゼオライトの一例は、MTW構造を有するファミリーのゼオライトZSM−12である。
同様に、同じ分類を参照して、本明細書及び特許請求の範囲のために、「中細孔ゼオライト」とは、10個のT原子(ここで、T=Si又はAl)で構成される環により境界が定められる細孔により特徴付けられるゼオライトを意味する。中細孔ゼオライトの一例は、MFIゼオライトファミリーのZSM−5である。
本明細書及び特許請求の範囲のために、ゼオライトは、上記ゼオライトの結晶格子に存在する陽イオンサイトの少なくとも80%が水素イオンによって占有されている場合に「酸形」であると定義され、又はその構造に存在する陽イオンサイトの少なくとも50%が水素イオンによって占有されている場合に「主として酸形」として定義される。
ゼオライトの酸性度は、当業者に知られる方法のいずれかにより測定され得る。例えば、ゼオライトの酸性度は、例えばC. A. Emeisにより"Determination of Integrated Molar Extinction Coefficients for Infrared Absorption Bands of Pyridine Adsorbed on Solid Acid Catalysts"(1993年),J. Catal.,第141巻,第347頁〜第354頁において記載されるように、触媒材料を塩基、例えばピリジンと接触させることにより測定され得る。
合成の終わりにゼオライト中に存在する金属陽イオンを水素イオンに置換するために、上記ゼオライトは、好ましくは当業者に知られる方法に従ってアンモニウムイオンとイオン交換され、洗浄され、引き続き焼成される。
本発明の方法で使用される触媒材料がMTWファミリーの少なくとも1種のゼオライト、特にゼオライトZSM−12を含む場合に、そのゼオライトは、好ましくはゼオライトの構造に存在する陽イオンサイトの少なくとも50%が水素イオンにより占有されている形、より好ましくは陽イオンサイトの少なくとも80%が水素イオンにより占有されている形、更により好ましくは陽イオンサイトの少なくとも90%が水素イオンにより占有されている形で使用される。
本明細書及び特許請求の範囲のために、「比表面積」という表現は、当業者に知られているように、例えば−196.15℃(77K)の液体窒素温度での窒素(N)の静的吸着によって、例えばMicromeritics ASAP 2010機器を使用して、当業者に知られる標準的な方法、例えばASTM D3663−03(2008)に準拠して測定されるBET比表面積(ブルナウアー、エメット及びテラーの方法に従って測定される)を示す。
本明細書及び特許請求の範囲のために、XRDキャラクタリゼーション(X線回折測定)は、当業者に知られるように、例えばBragg-Brentanoジオメトリを有するPhilips社のX’Pert θ/2θ自動回折計を用いてλ=1.5416及び1.6kWの出力を有するCu−Kα Z線源を使用して実施される。
本明細書及び特許請求の範囲のために、ゼオライトの「SAR比」は、上記ゼオライトのマトリックスの主成分に特徴的なSiO/Alモル比(「シリカアルミナ比(Silica Alumina Ratio)」、SAR)を意味する。
ゼオライトのSAR比は、その化学的特徴及び物理的特徴、特に酸性サイトの数及び力に関連する特徴に影響を与える。
SAR比は、ロジウムアノードを有する4kWのX線管を備えたPANanalytical Axios Advanced分光計を用いて、例えばWD−XRF(「波長分散型X線蛍光」)によるゼオライトの元素分析によって測定され得る。
いずれにせよ、本明細書及び特許請求の範囲のために、SAR比は、ゼオライトが含まれる触媒材料中の、上記ゼオライトの形成のための無機バインダー及び/又は更なる添加剤のいかなる存在に関わらず、常にゼオライト単独に適用される。
本発明は、酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトを含む触媒材料の存在下で、2から6の間、好ましくは2から4の間に含まれる炭素原子数、更により好ましくは炭素原子数3を有する少なくとも1種のアルコールの脱水による、少なくとも1種のオレフィンの作製方法に関する。
本発明による方法は、2から6の間、好ましくは2から4の間に含まれる炭素原子数、更により好ましくは炭素原子数3を有する少なくとも1種のアルコールを、酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトを含む触媒材料と接触させて、少なくとも1種のオレフィンを得ることにより実現され得る。
触媒材料は、好ましくは成形され、最も好ましくは少なくとも1種の無機バインダーの存在下で成形される。
上記酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトは、上記触媒材料の活性相を構成する。
好ましい態様では、上記ゼオライトは、BEA構造、MTW構造を有するゼオライト及びそれらの混合物からなる群より選択される。
更に好ましい態様では、上記酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトは、BEA構造を有するゼオライトを含む群から選択される。
さらに、BEA構造を有するゼオライトは、15から60の間、より好ましくは20から30の間に含まれるSARを特徴とする。
好ましくは、BEA構造を有するゼオライトは、例えば米国特許第3,308,069号に記載されるベータ型ゼオライトであり得る。
米国特許第3,308,069号によれば、ベータ型ゼオライトの組成は、酸化物のモル比に関して、以下:
[(x/n)M(1±0.1−x)TEA]AlO・ySiO・wH
(式中、xは0から1までの値を有し得て、yは5から100の間に含まれ、wは4以下であり、Mはナトリウム等の金属イオンであり、nは金属イオンMの価数であり、TEAはテトラエチルアンモニウムイオンである)のように表すことができる。
第2の好ましい態様では、上記酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトは、MTW構造を有するゼオライトを含む群から選択される。
さらに、上記MTW構造を有するゼオライトは、40から200の間、より好ましくは70から150の間に含まれるSARを特徴とする。
好ましくは、上述のMTW構造を有するゼオライトは、例えば米国特許第4,552,739号に記載されるZSM−12ゼオライトであり得る。
米国特許第4,552,739号によれば、ゼオライトZSM−12の組成は、酸化物のモル比に関して、以下:
(1.0±0.4)M2/n/O・Al・XSiO・zH
(式中、Mは価数nを有する少なくとも1種の陽イオンであり、Xは20から無限大まで変動することができ、zは0から60まで変動することができる)のように表すことができる。
ゼオライトZSM−12及びその種々の合成方法は、従来技術、例えば米国特許第3,832,449号及び欧州特許第0018089号に記載されている。
好ましくは、本発明による方法で得られるオレフィンは共役二重結合を含まず、より好ましくは、上記オレフィンはモノオレフィン、すなわち二重結合を1つだけ有するオレフィンである。
さらに、オレフィンは、好ましくは出発アルコールと同じ炭素原子数を有する。
本発明のために特に有用なアルコールの具体例は、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ペンタノールである。
更に好ましい態様においては、出発アルコールは、プロパノール、更により好ましくは2−プロパノールである。
好ましくは、上記2−プロパノールはアセトンの水素化により得られる。
上述のように、本発明による方法で使用される酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトは、少なくとも1種の無機バインダーの存在下で成形され得る。
上述の無機バインダーは、触媒のためのバインダーとして慣例的に使用される材料を含み得る。無機バインダーの非限定的な例は、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、陰イオン性粘土及び陽イオン性粘土、サポナイト、ギブサイト、ベントナイト、カオリン、セピオライト、ハイドロタルサイト又はそれらの混合物を含み得る。好ましい態様では、無機バインダーは、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ及びそれらの混合物を含む群から選択され、より好ましくはアルミナである。アルミナ前駆体バインダー、更により好ましくはγ−アルミナも好ましい。当業者に知られているように、γ−アルミナは、擬ベーマイト又はベーマイトの焼成から得ることができ(例えば、既に述べたT.K. Phungらによる非特許文献8において記載される)、それはまたVersal(商標)の名称で市販されている。
上述の無機バインダーは、ゼオライトとバインダーとの間の重量比が、相対量範囲に関して95:5から5:95の間、好ましくは20:80から80:20の間、更により好ましくは35:65から65:35の間に含まれる触媒材料が製造されるような量で存在する。
触媒材料の成形操作を容易にするために、上記酸形態又は主として酸形態の大細孔ゼオライト及び上記少なくとも1種の無機バインダーに、好ましくは酢酸、硝酸、水酸化アンモニウムの水溶液から選択される少なくとも1種の解膠剤を添加することが可能である。上記解膠剤は、当業者に知られる方法に従って、均一なペーストが得られるまで、成形前に上記ゼオライト及び無機バインダーと混合され得る。
触媒材料のレオロジー特徴を改善するために、成形工程の間に1種以上の添加剤を添加することが可能である。これらの添加剤は、好ましくはデンプン、セルロース若しくはその誘導体、ステアリン酸塩、グリコール類、界面活性剤又はそれらの混合物を含み得る。
固定床反応器又は流動床反応器において利用するために、使用中に触媒がその物理的完全性を維持するために、少なくとも1種の無機バインダーの存在下で触媒材料を成形することが基本的に重要である。
本発明の方法において使用される酸形又は主として酸形の大細孔ゼオライトは、当業者に知られる方法のいずれか1つ、例えば押出、球状化、打錠、造粒等に従って無機バインダーの存在下で、例えば全て本出願人による欧州特許第0847802号又は国際公開第2015/056167号(それらの内容は、引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されるように操作して成形され得る。
成形工程の終わりに、触媒物質は、例えば球体、微小球、顆粒、ペレット、押出円柱形、三葉形、四葉形等のような種々の形であってよく、焼成されていてもよい。特に好ましい態様では、上記触媒材料は、1mm〜6mm、好ましくは1.5mm〜5mmの範囲の直径及び1mm〜50mmの範囲の長さを有するペレット形である。
上記の焼成は、マッフル炉内で250℃から1200℃の間に含まれる、好ましくは450℃から800℃の間に含まれる温度で1時間から36時間の間に含まれる、好ましくは2時間から24時間の間に含まれる、更により好ましくは4時間から18時間の間に含まれる時間にわたり実施され得る。上記の通り焼成されている場合は、空気中で又は不活性ガス(例えば、窒素)の存在下で実施され得て、好ましくは空気中で実施される。
本発明に従ってアルコールを脱水させることによりオレフィンを作製する方法は、100℃から300℃の間に含まれる、好ましくは150℃から250℃の間に含まれる、より好ましくは175℃から220℃の間に含まれる温度で実施され得る。
本発明の特に好ましい態様では、上記方法は、180℃から210℃の間に含まれる温度で実施される。
さらに、上記方法は、0.01kPaから2kPaの間に含まれる、より好ましくは0.05kPaから1.5kPaの間に含まれる、更により好ましくは0.08kPaから0.5kPaの間に含まれる圧力で実施され得る。本発明の特に好ましい態様では、上記方法は、0.09MPaから0.2MPaの間に含まれる圧力で実現される。
したがって、本発明の特に好ましい態様では、上記方法は、180℃から210℃の間に含まれる温度で0.09MPaから0.2MPaの間に含まれる圧力で実現され得る。
更に好ましい態様では、上記方法は、気相中で又は液相/気相混合物中で実施され得て、より好ましくは気相中で実施される。
本発明の方法は、好ましくは、あらゆる溶剤又は不活性希釈剤の実質的な不存在下で実施され得る。特に本発明の方法は、好ましくは、芳香族化合物の実質的な不存在下で実施される。
本発明の方法は、連続的に(例えば、直列の1つ以上の触媒反応器中で)又は断続的に(例えば、加熱及び撹拌式のオートクレーブ中で)実現することができ、好ましくは連続的に実現される。
上記方法は、任意の型の反応器、好ましくは固定床反応器、移動床反応器又は流動床反応器中で実施され得る。
本発明の好ましい態様では、上記方法は固定床反応器中で実施され得る。この場合に、触媒材料は、単一の床で又は様々な床に分けて維持され得る。
反応器の配置は、「再循環」型の反応器構成において、反応廃液又は触媒材料の一部の再循環を含み得る。
更に好ましい態様では、本発明の方法が液相/気相混合物中で実施され、したがって液相が存在する場合に、触媒材料を分散して収容する1つ以上の連続流撹拌槽型反応器(CSTR)が使用され得る。
本発明による方法は、一方の反応器が運転しているときにもう一方の反応器では触媒材料が再生され得る、並列の少なくとも2つの反応器、好ましくは並列の2つの固定床反応器を想定する反応器配置で連続的に実施することもできる。
上記の温度条件及び圧力条件で方法が連続的に実施される場合に、WHSV(毎時重量空間速度)、すなわち反応器に供給される試薬の重量基準の量と反応器自体における触媒の重量基準の量との間の比率は、0.5h−1から10h−1の間に含まれ得て、好ましくは0.7h−1から7h−1の間に含まれ、更により好ましくは0.7h−1から4h−1の間に含まれる。本発明の特に好ましい態様では、WHSVは、0.8h−1から3h−1の間に含まれる。
本発明の方法で製造されるオレフィンは、主に、産業的に関心が持たれる種々の化合物の合成法における中間体として、そしてポリマーを得るために使用される。
特に、上述の方法により得られるオレフィンは、芳香族炭化水素のアルキル化のために使用され得る。
上述の方法により得られたオレフィンがプロピレンである場合に、上記プロピレンは、ベンゼンをアルキル化してクメンを得るために使用され得る。こうして製造されたクメンは更に、当業者に知られるHock法によりフェノールと副生成物としてのアセトンの製造のために使用され得る。上記アセトンは、フェノールから分離された後に更に有利には水素化して2−プロパノールを製造することができ、それは再び本発明の方法に供給され得る。
したがって、本発明の主題は、BEA構造、MTW構造を有するゼオライト及びそれらの混合物を含む群から選択される酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトを含み、好ましくは少なくとも1種の無機バインダーの存在下で成形される触媒材料の存在下で実施される2−プロパノールの脱水によるプロピレンの製造方法であって、上記2−プロパノールが、Hock法によりフェノールの合成の副生成物として得られるアセトンの水素化から得られる、方法である。
本発明は最終的に、統合されたフェノールの製造方法であって、
(a)上述のように本発明による少なくとも1種のアルコールを脱水させることによる少なくとも1種のオレフィンの作製方法を使用することにより、2−プロパノールをプロピレンへと転化させる工程と、
(b)ベンゼンを工程(a)で得られたプロピレンを用いて、好ましくはBEA構造を有する酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトを含む触媒材料の存在下でアルキル化してクメンを得る工程と、
(c)工程(b)で得られたクメンを酸化させて、クミルヒドロペルオキシドを形成させる工程と、
(d)クミルヒドロペルオキシドを酸で処理することで、フェノールとアセトンとの混合物を得る工程と、
(e)フェノールをアセトンから分離する工程と、
(f)工程(e)で分離されたアセトンを水素化することで2−プロパノールを得て、それを少なくとも部分的に工程(a)に再循環させる工程と、
を含む、方法に関する。
本発明のために、「少なくとも部分的に再循環される」とは、2−プロパノールの総量の50%から100%の間に含まれる量が上記方法の工程(a)に供給されて、100%までの補足分は新たな2−プロパノールから構成されることを意味する。
本発明を実施し、本発明をより明確に説明するために、以下は幾つかの非限定的な実施例である。
実施例1(ゼオライトZSM−12を含む触媒材料の調製)
2.4gのアルミン酸ナトリウム(56%のAl)を35重量%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドの84gの水溶液中に溶解させた。こうして得られた澄明な溶液を、40重量%の懸濁液での200gのLudox(商標)HS 40コロイダルシリカと混合した。混合後に均一で澄明なゲルが得られ、アンカー型撹拌機を備えたAISI 316鋼製オートクレーブ中にそのゲルを入れた。そのゲルを160℃の水熱条件において約70時間結晶化させた。最後に冷却した後に、固相を、得られた懸濁液の母液から濾過により分離した。上述の固相を、9未満のpHを有する洗浄水が得られるまで、脱塩水により洗浄した。
次いで、その固体を空気雰囲気中、550℃で5時間焼成した。得られた固体を、酢酸アンモニウムの水溶液中に分散させた。その溶液中の酢酸アンモニウムの濃度は、アンモニウムイオンと分散された固体中に存在するアルミニウムとの間のモル比が5以上であるように選択された。固体を濾過により回収し、脱塩水で洗浄した。酢酸アンモニウム溶液とのイオン交換法及び脱イオン水での洗浄を2回繰り返した。最後に、固体を水相から分離し、100℃の炉内に空気雰囲気下で3時間置いて乾燥させた。50ppm未満の残留ナトリウムを含むアンモニウム形のゼオライトが得られる。当業者に知られる方法を適用することにより実施したX線回折(XRD)により、MTW構造に特徴的な単結晶性ゼオライト相の存在が確認され、その一方で、材料の化学分析により99に等しいゼオライトのSARが測定された。記載された方法に従って実施されたゼオライトの種々の調製物を一緒に混合することで、均一な構造的特徴、形態学的特徴及び組成的特徴を有する試料を得た。
上記プロトコルに従って調製されたアンモニウム形の545gのゼオライトを、600gのVersal(商標)150擬ベーマイトとプラネタリーミキサー中で30分間混合することで、粉末の均一な分布を得た。
最後に、その粉末混合物に300mLの2重量%の酢酸溶液を、絶えず混合しながら30分間かけて添加した。添加後にペースト状の混合物をミキサーから取り出し、直径2mmの穴を有するドロープレートを備えたローラー押出機に移した。触媒材料を約2mmの直径と約10mmの長さとを有するペレットの形で押出した。引き続き、その材料を空気雰囲気下、350℃で2時間焼成し、その後に550℃で更に3時間焼成した。焼成後にゼオライト及びアルミナ(ガンマ型)の押出物は、出発成分の550℃での重量損失に基づいて決定される55:45の相互重量比で得られ、その中のゼオライトは酸形で存在する。
こうして得られた最終触媒材料は、246m/gの表面積とTBH 30(Erweka社)硬さ試験機により測定された7kgの半径方向の圧縮抵抗とを有する。
実施例2(ベータ型ゼオライトを含む触媒材料の調製)
酸形のベータ型ゼオライトを基礎としてアルミナで結合された触媒材料押出物を、欧州特許第0847802号の実施例4に報告されているように調製する。
1.9gのアルミン酸ナトリウム(56%のAl)を40重量%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシドの58.8gの水溶液中に溶解させた。その溶液に58.4gの脱塩水を添加した。その混合物を80%に加熱し、粉末が完全に溶解するまで撹拌を続けた。こうして得られた澄明な溶液を、40重量%の懸濁液での37.5gのLudox(商標)HS 40コロイダルシリカと混合した。混合後にpH=14を有する均一なゲルが得られ、アンカー型撹拌機を備えたAISI 316鋼製オートクレーブ中にそのゲルを入れた。そのゲルを150℃の水熱条件において静的条件下でかつ自生圧力で約10日間結晶化させた。最後に冷却した後に、固相を、得られた懸濁液の母液から濾過により分離した。上述の固相を脱塩水により洗浄した。
イオン交換のために、湿った板状物を酢酸アンモニウムの水溶液(200gの水及び16gの酢酸アンモニウム)中に再び分散させた。その懸濁液を1時間にわたり80℃に加熱した。次いで、懸濁液を濾過し、得られた固体を洗浄のために脱塩水(150mL)中に再分散させた。その懸濁液を再濾過することで、アンモニウム/アルキルアンモニウム形のベータ型ゼオライトの湿った板状物が得られた。アルミニウム含量は3.38%である。
XRD分析により、BEA構造に特徴的な単結晶性ゼオライト相の存在が確認され、その一方で、材料の化学分析により19であるゼオライトのSAR及び112ppmである残留ナトリウム含量が測定された。こうして調製された材料を、事前に焼成せずに、欧州特許第0847802号の実施例4に記載のようにアルミナ前駆体としての擬ベーマイト及び解膠剤としての酢酸溶液と一緒に押出することで、50%のゼオライト材料及び482m/gの表面積が得られた。
実施例3(比較用):(Y型ゼオライトを含む触媒材料の調製)
その調製は、欧州特許第1572357号の実施例1に報告されているように実施する。
260gのアンモニウム形の市販のY型ゼオライト(CBV 712、Zeolyst International(商標)社)を、ミキサー中で278gのVersal(商標)V250擬ベーマイト(UOP LLC社)と約60分間にわたり乾式混合した。
最後に、その粉末混合物に310mLの0.5重量%の酢酸溶液を、絶えず混合しながら36分間かけて添加した。添加後にペースト状の混合物を更に400rpmで12分間混合し、次いでミキサーから取り出し、押出機に移し、そして直柱体ペレットの形で押出した。
25℃の通風炉内で48時間乾燥させた後に、触媒材料のペレットをマッフル炉に入れ、空気雰囲気下で以下の勾配:6時間で室温から120℃まで、2時間にわたり120℃で一定、6時間で120℃から350℃まで、4時間にわたり350℃で一定、4時間で350℃から550℃まで、8時間にわたり550℃で一定に従ってプログラムされた温度で焼成した。
完成した触媒は、およそ7mmの長さ及びおよそ2.1mmの直径を有する直柱体ペレットの形である。
出発成分に対して測定された550℃での重量損失に基づいて、ゼオライト及びγ−アルミナの押出物は50:50の重量比で得られ、その中のゼオライトは酸形で存在する。こうして得られた材料は、499m/gの表面積を有する。
実施例4(比較用):(アルミナを基礎とする触媒材料の調製)
高純度、高結晶密度を有する市販のバイヤライト(Versal(商標)B、UOP社)を使用することで、焼成後に高い表面積及びγ−アルミナに対してより高い酸性度を特徴とする触媒組成物が得られた。バイヤライトの焼成は、アルミナ相を通じてη及びθ等の高表面積で進展する。
1000gのVersal(商標)B(UOP社)を、500mLの1重量%の酢酸溶液と60分間かけて混合した。添加後にペースト状の混合物を周囲温度で24時間ねかせた後に、直径2mmの穴を有するドロープレートを備えたローラー押出機に移した。その材料を約2mmの直径を有するペレットの形で押出した。次いで、その材料を空気雰囲気下、350℃で2時間焼成し、その後に550℃で更に3時間焼成した。こうして得られた材料は、212m/gの表面積を有する。
実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9(酸形のゼオライトZSM−12を含む触媒材料を用いた2−プロパノールの接触脱水試験)
2−プロパノールの脱水試験を、制御された温度及び圧力で強制空気循環を伴う恒温室中で垂直らせん形の挿入物を伴う2.98mmの断面を有する長さ3mの管形反応器を使用して実施した。
実施例1に従って調製された、アルミナ系バインダーの存在下で成形された酸形のZSM−12ゼオライトを基礎とする約10gの触媒材料を反応器に装入した。
この試験は、2−プロパノールを反応器にHPLCポンプを使用して下から上へと(上向流)連続的に供給することにより実施した。
この試験は、1h−1から2h−1の間に含まれる空間速度条件(WHSV)で、200℃から205℃の間に含まれる温度及び0.1MPaから0.2MPaの間に含まれる圧力で実施した。
反応器を出る反応廃液を、外側ジャケット中に5℃に冷えた流体が流れるガラスカラム中で冷却する。このカラムは、液相(主に水を含む)と気相(実質的にプロピレンを含む)とを分離し、その気相はガラスマニホールドを通過した後に、或る体積流量で測定機器を通過し、その体積流量から生成物の重量を測定することが可能である。
冷却されたガラスカラムの底部で回収された液相を採取して秤量し、PONAカラム(50m)及び水素炎イオン化型検出器を備えたHP 6890ガスクロマトグラフにおいてガスクロマトグラフィー分析した。液相の分析のために0.5μlの試料を使用し、そこに内部標準としてメチルエチルケトンを添加した。
気相を分析するために、ガラスマニホールドによって収集された上記気相の0.5mlの試料を、上記のようにガスクロマトグラフィー分析した。
試験結果を以下の表1に示す。
Figure 2020525527
「回収不可能な」生成物は、慣例的には、プロピレンを得るために利用することができない生成物、例えばイソブタン、アセトン及びオレフィン並びにCパラフィン、Cパラフィン及びCパラフィンを含む。それに対してイソプロピルエーテル(IPE)は、回収することでプロピレンを得ることができる生成物であるため、「回収不可能な」生成物には含まれず、したがってその選択性が示されている。生産性は、所望の生成物の重量(kg)と触媒の重量(kg)との比率として定められる。
大幅な減衰過程なく、収率の低下又は流量の損失なしに、反応は1008時間の運転後に自発的に停止した。
実施例9からは、205℃に等しい温度、0.1MPaの圧力及び2h−1に等しいWHSVで、ゼオライトZSM−12を含む触媒材料を使用することにより、99.6%の2−プロパノールの転化率及び99.0%のプロピレンの収率が、1008時間の運転後でさえも99.4%の選択性で、かつ触媒1kg当たり1243kgのプロピレンの総生産性で得られることを推測することができる。
実施例5、実施例6、実施例8のデータ間の比較からは、大幅な減衰過程がないことが強調される。実施例7及び実施例9は、空間速度及び温度が変動しても、特許請求の範囲の間隔内では、失活の証拠が示され始める場合があるものの、例示されたものより長い運転時間であっても、上述の触媒系が依然として優れた結果を伴って使用され得ることを示している。
したがって、本発明による触媒及び反応条件は、産業に適用可能であるとともに、当該技術分野で記載される触媒に対して新規かつ驚くほど効率的である。
実施例10、実施例11、実施例12(酸形のベータ型ゼオライトを含む触媒材料を用いた2−プロパノールの接触脱水試験)
実施例2に従って調製された、アルミナ系バインダーの存在下で成形された酸形のベータ型ゼオライトを基礎とする約10gの触媒材料を、上記実施例5で使用したものと同様の反応器に装入した。
この試験は、実施例5、実施例6及び実施例7について先に記載されたのと同様であるが、1h−1から2h−1の間に含まれる空間速度条件(WHSV)で、185℃から200℃の間に含まれる温度及び0.1MPaから1.5MPaの間に含まれる圧力で実施した。
試験結果を以下の表2に示す。
Figure 2020525527
酸形のベータ型ゼオライトを含む触媒材料を200℃の温度、0.1MPaの圧力及び2h−1のWHSVで使用することで、408時間の運転後でも99.0%の選択性で、99.5%の2−プロパノールの転化率が得られる(実施例11)。
空間速度の増加、圧力の増加(実施例10)及び温度の低下(実施例12)等の運転条件の変動は、特許請求の範囲内で、システムの性能レベルを実質的に犠牲にすることなく、運転条件自体の適切な組み合わせを使用して管理することができる。
670時間の運転後であるが、大幅な減衰過程なく、収率の低下又は流量の損失なしに、反応は自発的に停止した。
0.1MPaに等しい圧力を維持して温度を185℃に下げることが可能であり、そして工業用途と適合可能な1h−1の空間速度で十分な2−プロパノールの転化率値(97.6%)を得ることが可能であることを留意することが重要である。
比較用実施例13、比較用実施例14、比較用実施例15(酸形のY型ゼオライトを含む触媒材料を用いた2−プロパノールの接触脱水試験)
比較用実施例3に従って調製された、アルミナ系バインダーの存在下で成形された酸形のY型ゼオライトを基礎とする約10gの触媒材料を、上記実施例5で使用したものと同様の反応器に装入した。
この試験は、実施例5、実施例6及び実施例7について記載されたのと同様であるが、2h−1に等しい空間速度条件(WHSV)で、200℃の温度及び0.1MPaから1.5MPaの間に含まれる圧力で実施した。
試験結果を以下の表3に示す。
Figure 2020525527
Y型ゼオライトを含む触媒材料を使用すると、ゼオライトZSM−12又はベータ型ゼオライトを含む触媒材料を用いて得られる触媒に対して、より低い2−プロパノールの転化率が得られる。場合によっては、特に高い圧力で十分な選択性が得られるけれども、しかしながらこれらの結果は、長期的に一定ではなく、運転時間に応じて安定性がより低くなることが強調される。実施例6と実施例8との間の比較からは、ZSM−12を基礎とする触媒の生産性336kg/kgの後に2−プロパノールへの収率の減衰は目立たず(−0.1%の転化率)、実施例14と実施例15との間の比較からは、Y型ゼオライトを基礎とする触媒の生産性255kg/kgの後に既に、パーセントポイント近くで2−プロパノールへの収率の減衰が目立つ(−1.0%の転化率)。
比較用実施例16及び比較用実施例17(アルミナを含む触媒材料を用いた2−プロパノールの接触脱水試験)
比較例4に従って調製された約10gのアルミナを基礎とする触媒材料を、反応器中に装入した。
この試験は、表4に示される運転条件において実施例5、実施例6及び実施例7について記載されたように実施した。
Figure 2020525527
比較試験から、以下のことが判る。
良好な転化率を得るためにアルミナを基礎とする触媒材料を用いて300℃付近の温度で運転することが重要であるという意味で、技術水準が確認される。240℃未満の温度では、低い空間速度(WHSV)値であっても、良好な転化率値を得ることができない。アルミナは、ゼオライトを含む触媒の反応温度よりも少なくとも50℃高い温度で大幅に活性になり始める。したがって、本発明による実施例で使用された結合用アルミナの示された運転条件下での触媒的寄与は、ゼロ又は副次的なものとみなされ得る。
驚くべきことに、MTW構造及びBEA構造のゼオライト、例えばゼオライトZSM−12及びベータ型ゼオライトを含む触媒材料の使用は、エタノールの脱水(T.K. Phung、L. Proietti Hernandez、A. Lagazzo及びG. Buscaにより非特許文献12において記載される)のための最良の触媒の1つとして当該技術分野において知られる大細孔Y型ゼオライトよりも良好に工業的使用のために適切な期間にわたり高い収率を維持することが裏付けられた。
最後に、しかしながら特許請求の範囲により規定される保護範囲から逸脱せずに、本明細書で記載及び説明された方法に、更なる変更及び変化を加えることができると理解されるべきである。

Claims (19)

  1. BEA構造、MTW構造を有するゼオライト及びそれらの混合物からなる群より選択される酸形又は主として酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトを含む触媒材料の存在下で、2から6の間に含まれる、好ましくは2から4の間に含まれる炭素原子数、更により好ましくは炭素原子数3を有する少なくとも1種のアルコールを脱水させることによる、少なくとも1種のオレフィンの製造方法。
  2. 前記アルコールが2−プロパノールである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記触媒材料は、好ましくは少なくとも1種の無機バインダーの存在下で成形される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ゼオライトは、BEA構造を有するゼオライトからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記BEA構造を有するゼオライトは、15から60の間、好ましくは20から30の間に含まれるSARを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記BEA構造を有するゼオライトがベータ型ゼオライトである、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記ゼオライトは、MTW構造を有するゼオライトからなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記MTW構造を有するゼオライトは、40から200の間に含まれる、好ましくは70から150の間に含まれるSARを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  9. 前記MTW構造を有するゼオライトがゼオライトZSM−12である、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記オレフィンは、共役二重結合を含まず、好ましくはモノオレフィンである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記オレフィンは、出発アルコールと同じ炭素原子数を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記無機バインダーは、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ及びそれらの混合物からなる群より選択され、好ましくはアルミナである、請求項3〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記無機バインダーは、ゼオライトとバインダーとの間の比が、95:5から5:95の間、好ましくは20:80から80:20の間、より好ましくは35:65から65:35の間に含まれる触媒材料が製造されるような量で存在する、請求項3〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 100℃から300℃の間、好ましくは150℃から250℃の間、より好ましくは175℃から220℃の間、更により好ましくは180℃から210℃の間の温度で実施される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 0.01MPaから2MPaの間、好ましくは0.05MPaから1.5MPaの間、より好ましくは0.08MPaから0.5MPaの間、更により好ましくは0.09MPaから0.2MPaの間に含まれる圧力で実施される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 気相又は液相/気相中で実施され、好ましくは気相中で実施される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記WHSV空間速度は、0.5h−1から10h−1の間に含まれ、好ましくは0.7h−1から7h−1の間に含まれ、より好ましくは0.8h−1から3h−1の間に含まれる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 芳香族化合物の実質的な不存在下で実施される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 統合されたフェノールの製造方法であって、
    (a)請求項1〜18のいずれか一項に記載される、少なくとも1種のアルコールを脱水させることによる少なくとも1種のオレフィンの作製方法を使用することにより、2−プロパノールをプロピレンへと転化させる工程と、
    (b)ベンゼンを工程(a)で得られたプロピレンを用いて、好ましくはBEA構造を有する酸形の少なくとも1種の大細孔ゼオライトを含む触媒材料の存在下でアルキル化してクメンを得る工程と、
    (c)工程(b)で得られたクメンを酸化させて、クミルヒドロペルオキシドを形成させる工程と、
    (d)工程(c)で得られたクミルヒドロペルオキシドを酸で処理することで、フェノールとアセトンとの混合物を得る工程と、
    (e)フェノールをアセトンから分離する工程と、
    (f)工程(e)で分離されたアセトンを水素化することで2−プロパノールを得て、それを少なくとも部分的に工程(a)に再循環させる工程と、
    を含む、方法。
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