JP2020522865A - 封止フィルム - Google Patents

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Abstract

本出願は、封止フィルム、その製造方法、これを含む有機電子装置およびこれを利用した有機電子装置の製造方法に関し、外部から有機電子装置に流入する水分または酸素を遮断できる構造の形成が可能であり、有機電子装置の輝点発生を防止できる封止フィルムを提供する。

Description

関連出願との相互引用
本出願は、2017年6月9日付けの韓国特許出願第10−2017−0072500号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
技術分野
本出願は、封止フィルム、これを含む有機電子装置および前記有機電子装置の製造方法に関する。
有機電子装置(OED;organic electronic device)は、正孔および電子を用いて電荷の交流を発生する有機材料層を含む装置を意味し、その例としては、光電池装置(photovoltaic device)、整流器(rectifier)、トランスミッター(transmitter)および有機発光ダイオード(OLED;organic light emitting diode)等が挙げられる。
前記有機電子装置のうち有機発光ダイオード(OLED)は、従来の光源に比べて、電力消費量が少なく、応答速度が速く、表示装置または照明の薄型化に有利である。また、OLEDは、空間活用性に優れていて、各種携帯用機器、モニター、ノートパソコンおよびテレビを含む多様な分野において適用されるものと期待されている。
OLEDの商用化および用途拡大において、最も主要な問題点は、耐久性の問題である。OLEDに含まれた有機材料および金属電極などは、水分などの外部的要因により非常に容易に酸化する。また、OLED装置の内部で発生し得るアウトガスによりOLEDの輝点が発生する問題も存在する。すなわち、OLEDを含む製品は、環境的要因に大きく敏感である。これに伴い、OLEDなどのような有機電子装置に対する外部からの酸素または水分などの浸透を効果的に遮断し、同時に内部で発生するアウトガスを抑制するために多様な方法が提案されている。
本出願は、外部から有機電子装置に流入する水分または酸素を遮断できる構造の形成が可能であり、有機電子装置の輝点発生を防止できる封止フィルムを提供する。
本出願は、封止フィルムに関する。前記封止フィルムは、例えば、OLEDなどのような有機電子装置を封止またはカプセル化することに適用され得る。
本明細書で、用語「有機電子装置」は、互いに対向する一対の電極の間に正孔および電子を用いて電荷の交流を発生する有機材料層を含む構造を有する物品または装置を意味し、その例としては、光電池装置、整流器、トランスミッターおよび有機発光ダイオード(OLED)等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。本出願の一例において、前記有機電子装置は、OLEDであってもよい。
例示的な有機電子素子封止フィルムは、封止層を含むことができる。前記封止層は、基板上に形成された有機電子素子の前面を密封することができる。一例において、前記封止フィルムは、輝点防止剤を含むことができる。一具体例において、前記図1の(a)のように、封止フィルムは、少なくとも2以上の封止層を含み、前記封止層は、前記有機電子素子と接する第1層2と、前記有機電子素子と接しない第2層4とを含むことができる。また、前記第2層4は、密度汎関数理論近似法(Density Functional Theory)により計算された、アウトガスに対する吸着エネルギーが0eV以下の輝点防止剤3を含むことができる。前記吸着エネルギーの下限値は、特に限定されないが、−20eVであってもよい。前記アウトガスの種類は、特に制限されないが、H原子、H分子および/またはNHを含むことができる。本出願は、封止フィルムが前記輝点防止剤を含むことにより、有機電子素子に流入する水分を遮断すると同時に、有機電子装置で発生するアウトガスによる輝点を防止することができる。また、本出願の封止フィルムは、有機電子素子と接しない第2層に輝点防止剤を含むことにより、前記輝点防止剤に因る応力の集中による有機電子素子へのダメージを防止することができる。前記のような観点から、第1層は、封止フィルム内の全体輝点防止剤の質量を基準として15%以下で輝点防止剤を含んでもよく、含まなくてもよい。また、前記第1層を除いた、有機電子素子と接しない層に封止フィルム内の全体輝点防止剤の質量を基準として85%以上の輝点防止剤を含むことができる。すなわち、本出願で、有機電子素子と接する第1層に比べて有機電子素子と接しない他の封止層が輝点防止剤をより多くの含量で含むことができ、これにより、フィルムの水分遮断性と輝点防止特性を具現しながらも、素子に加えられる物理的な損傷を防止することができる。
本出願の具体例において、輝点防止剤と輝点原因原子または分子間の吸着エネルギーを密度汎関数理論(density functional theory)基盤の電子構造計算を用いて計算することができる。前記計算は、当業界における公知の方法で行うことができる。例えば、本出願は、結晶型構造を有する輝点防止剤の最密充填面が表面に露出する2次元スラブ構造を作った後、構造最適化を進め、この真空状態の表面上に輝点原因分子が吸着した構造に対する構造最適化を進めた後、これらの二つのシステムの総エネルギーの差異から輝点原因分子の総エネルギーを抜いた値を吸着エネルギーと定義した。それぞれのシステムに対する総エネルギー計算のために電子−電子間の相互作用を模写する交換相関(exchange−correlation)でGGA(generalized gradient approximation)系の関数であるrevised−PBE関数を使用し、電子運動エネルギーのカットオフは、500eVを使用し、逆格子空間の原点に該当するガンマ点のみを含ませて計算した。各システムの原子構造を最適化するために共役勾配法を使用し、原子間の力が0.01eV/Å以下となるまで反復計算を行った。一連の計算は、常用コードであるVASPを用いて行われた。
輝点防止剤の素材は、前記封止フィルムが有機電子装置に適用されて、有機電子装置のパネルにおいて輝点を防止する効果を有する物質であれば、その素材は制限されない。例えば、輝点防止剤は、有機電子素子の電極上に蒸着される酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素の無機蒸着層で発生するアウトガスとして、例えば、Hガス、アンモニア(NH)ガス、H、NH2+、NHRまたはNHRで例示される物質を吸着できる物質であってもよい。前記でRは、有機基であってもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などを例示することができるが、これに限らない。
一例において、輝点防止剤の素材は、前記吸着エネルギー値を満たす限り、制限されず、金属または非金属であってもよい。前記輝点防止剤は、例えば、Li、Ni、Ti、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Zn、In、Pt、Pd、Fe、Cr、Siまたはそれらの配合物を含むことができ、前記素材の酸化物または窒化物を含むことができ、前記素材の合金を含むことができる。一例において、輝点防止剤は、ニッケル粒子、酸化ニッケル粒子、窒化チタン、鉄−チタンのチタン系合金粒子、鉄−マンガンのマンガン系合金粒子、マグネシウム−ニッケルのマグネシウム系合金粒子、希土類系合金粒子、ゼオライト粒子、シリカ粒子、炭素ナノチューブ、グラファイト、アルミノホスフェート分子体粒子またはメゾシリカ粒子を含むことができる。前記輝点防止剤は、封止層内の樹脂成分100重量部に対して3〜150重量部、6〜143重量部、8〜131重量部、9〜123重量部、10〜116重量部、10重量部〜95重量部、10重量部〜50重量部、または10重量部〜35重量部で含まれ得る。本出願は、前記含量範囲で、フィルムの接着力および耐久性を向上させると共に、有機電子装置の輝点防止を具現することができる。また、前記輝点防止剤の粒径は、10nm〜30μm、50nm〜21μm、105nm〜18μm、110nm〜12μm、120nm〜9μm、140nm〜4μm、150nm〜2μm、180nm〜900nm、230nm〜700nmまたは270nm〜400nmの範囲内であってもよい。本出願は、前記の輝点防止剤を含むことにより、有機電子装置内で発生する水素を効率的に吸着しながらも、封止フィルムの水分遮断性および耐久信頼性を共に具現することができる。本明細書で用語「樹脂成分」は、後述する封止樹脂および/またはバインダー樹脂であってもよい。
前述したように、前記封止層は、2以上の多層構造であってもよい。2以上の層が封止層を構成する場合、前記封止層の各層の組成は、同じでも異なっていてもよい。一例において、前記封止層は、封止樹脂および/または水分吸着剤を含むことかでき、前記封止層は、粘着剤層または接着剤層であってもよい。
図1に示されたように、前記封止層2、4は、第1層2および第2層4を含むことかでき、前記封止層のうち第2層4が輝点防止剤3を含むことができる。また、図1の(b)のように、第2層は、輝点防止剤3と水分吸着剤5を共に含むことができる。また、前記に限定されず、封止層は、図3および図4に示されたように、3層構造で形成され得る。本出願の封止フィルムにおいて、封止層が3層構造の場合、少なくとも一つの封止層が輝点防止剤および/または水分吸着剤を含むことができる。例えば、前記輝点防止剤および水分吸着剤は、一つの封止層に共に含まれてもよく、それぞれ、別の封止層に存在することができる。ただし、封止フィルムが有機電子素子上に適用されるとき、有機電子素子に向かう封止層である第1層2は、前記輝点防止剤および水分吸着剤を含まなくてもよく、含むとしても、少量含むことができる。
本発明の具体例において、前記封止樹脂は、ガラス転移温度が0℃未満、−10℃未満または−30℃未満、−50℃未満または−60℃未満であってもよい。前記でガラス転移温度とは、硬化後のガラス転移温度であってもよく、一具体例において、照射量約1J/cm以上の紫外線を照射した後のガラス転移温度;または紫外線の照射後に熱硬化をさらに進めた後のガラス転移温度を意味する。
一例において、前記封止樹脂は、スチレン系樹脂またはエラストマー、ポリオレフィン系樹脂またはエラストマー、その他エラストマー、ポリオキシアルキレン系樹脂またはエラストマー、ポリエステル系樹脂またはエラストマー、ポリ塩化ビニル系樹脂またはエラストマー、ポリカーボネート系樹脂またはエラストマー、ポリフェニレンスルフィド系樹脂またはエラストマー、炭化水素の混合物、ポリアミド系樹脂またはエラストマー、アクリレート系樹脂またはエラストマー、エポキシ系樹脂またはエラストマー、シリコン系樹脂またはエラストマー、フッ素系樹脂またはエラストマーまたはこれらの混合物などを含むことができる。
前記でスチレン系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレートブロック共重合体(ASA)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン系単独重合体またはこれらの混合物を例示することができる。前記オレフィン系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、高密度ポリエチレン系樹脂またはエラストマー、低密度ポリエチレン系樹脂またはエラストマー、ポリプロピレン系樹脂またはエラストマーまたはこれらの混合物を例示することができる。前記エラストマーとしては、例えば、エステル系熱可塑性エラストマー、オレフィン系エラストマー、シリコン系エラストマー、アクリル系エラストマーまたはこれらの混合物などが使用できる。そのうちオレフィン系熱可塑性エラストマーとしてポリブタジエン樹脂またはエラストマーまたはポリイソブチレン樹脂またはエラストマーなどが使用できる。前記ポリオキシアルキレン系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ポリオキシメチレン系樹脂またはエラストマー、ポリオキシエチレン系樹脂またはエラストマーまたはこれらの混合物などを例示することができる。前記ポリエステル系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂またはエラストマー、ポリブチレンテレフタレート系樹脂またはエラストマーまたはこれらの混合物などを例示することができる。前記ポリ塩化ビニル系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ポリビニリデンクロリドなどを例示することができる。前記炭化水素の混合物としては、例えば、ヘキサトリアコタン(hexatriacotane)またはパラフィンなどを例示することができる。前記ポリアミド系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ナイロンなどを例示することができる。前記アクリレート系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ポリブチル(メタ)アクリレートなどを例示することができる。前記エポキシ系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型およびこれらの水添加物などのビスフェノール型;フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型などのノボラック型;トリグリシジルイソシアヌレート型やヒダントイン型などの含窒素環形;脂環式型;脂肪族型;ナフタレン型、ビフェニル型などの芳香族型;グリシジルエーテル型、グリシジルアミン型、グリシジルエステル型などのグリシジル型;ジシクロペタジエン型などのジシクロ型;エステル型;エーテルエステル型またはこれらの混合物などを例示することができる。前記シリコン系樹脂またはエラストマーとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンなどを例示することができる。また、前記フッ素系樹脂またはエラストマーとしては、ポリトリフルオロエチレン樹脂またはエラストマー、ポリテトラフルオロエチレン樹脂またはエラストマー、ボリクロロトリフルオロエチレン樹脂またはエラストマー、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂またはエラストマー、ポリフルオリン化ビニリデン、ポリフルオリン化ビニル、ポリフルオリン化エチレンプロピレンまたはこれらの混合物などを例示することができる。
前記羅列した樹脂またはエラストマーは、例えば、マレイン酸無水物などとグラフトされて使用してもよく、羅列された他の樹脂またはエラストマー乃至樹脂またはエラストマーを製造するための単量体と共重合されて使用してもよく、その他、他の化合物により変性させて使用することもできる。前記他の化合物の例としては、カルボキシル−末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。
一例において、前記封止層は、封止樹脂として前記言及した種類のうちオレフィン系エラストマー、シリコン系エラストマーまたはアクリル系エラストマーなどを含むことができるが、これらに制限されるものではない。
本発明の一具体例において、前記封止樹脂は、オレフィン系樹脂であってもよい。一例において、オレフィン系樹脂は、ブチレン単量体の単独重合体;ブチレン単量体と重合可能な他の単量体を共重合した共重合体;ブチレン単量体を利用した反応性オリゴマー;またはこれらの混合物であってもよい。前記ブチレン単量体は、例えば、1−ブテン、2−ブテンまたはイソブチレンを含むことができる。
前記ブチレン単量体あるいは誘導体と重合可能な他の単量体は、例えば、イソプレン、スチレンまたはブタジエンなどを含むことができる。前記共重合体を使用することにより、工程性および架橋度のような物性を維持することができ、有機電子装置に適用するとき、粘着剤自体の耐熱性を確保することができる。
また、ブチレン単量体を利用した反応性オリゴマーは、反応性官能基を有するブチレン重合体を含むことができる。前記オリゴマーは、重量平均分子量500〜5,000の範囲を有することができる。また、前記ブチレン重合体は、反応性官能基を有する他の重合体と結合されていてもよい。前記他の重合体は、アルキル(メタ)アクリレートであってもよいが、これに限定されるものではない。前記反応性官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基または窒素含有基であってもよい。また、前記反応性オリゴマーと前記他の重合体は、多官能性架橋剤により架橋されていてもよく、前記多官能性架橋剤は、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤および金属キレート架橋剤よりなるグループから選択された一つ以上であってもよい。
一例において、本出願の封止樹脂は、ジエンと一つの炭素−炭素二重結合を含むオレフィン系化合物の共重合体であってもよい。ここで、オレフィン系化合物は、ブチレンなどを含むことかでき、ジエンは、前記オレフィン系化合物と重合可能な単量体であってもよく、例えば、イソプレンまたはブタジエンなどを含むことができる。例えば、一つの炭素−炭素二重結合を含むオレフィン系化合物およびジエンの共重合体は、ブチルゴムであってもよい。
封止層において前記樹脂またはエラストマー成分は、粘着剤組成物がフィルム形状に成形可能な程度の重量平均分子量(Mw:Weight Average Molecular Weight)を有することができる。例えば、前記樹脂またはエラストマーは、約10万〜200万、12万〜150万または15万〜100万程度の重量平均分子量を有することができる。本明細書で用語「重量平均分子量」は、GPC(Gel Permeation Chromatograph)で測定した標準ポリスチレンに対する換算数値を意味する。ただし、前記言及された重量平均分子量を前記樹脂またはエラストマー成分が必ず有しなければならないものではない。例えば、樹脂またはエラストマー成分の分子量がフィルムを形成するほどの水準にならない場合には、別のバインダー樹脂が粘着剤組成物に配合され得る。
さらに他の具体例において、本出願による封止樹脂は、硬化性樹脂であってもよい。封止樹脂が硬化性樹脂の場合、前記封止樹脂は、硬化後にガラス転移温度が85℃以上の樹脂であってもよい。前記ガラス転移温度は、前記封止樹脂を光硬化または熱硬化させた後のガラス転移温度であってもよい。本発明で使用できる硬化性樹脂の具体的な種類は、特に制限されず、例えば、この分野において公知となっている多様な熱硬化性または光硬化性樹脂が使用できる。用語「熱硬化性樹脂」とは、適切な熱の印加または熟成(aging)工程を用いて硬化することができる樹脂を意味し、用語「光硬化性樹脂」は、電磁気波の照射により硬化することができる樹脂を意味する。また、前記硬化性樹脂は、熱硬化と光硬化の特性を共に含むデュアル硬化型樹脂であってもよい。
本出願で硬化性樹脂の具体的な種類は、前述した特性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、硬化して接着特性を示すことができるものであって、グリシジル基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、カルボキシル基またはアミド基などのような熱硬化可能な官能基を一つ以上含むか、あるいはエポキシド(epoxide)基、環状エーテル(cyclic ether)基、スルフィド(sulfide)基、アセタール(acetal)基またはラクトン(lactone)基などのような電磁気波の照射により硬化可能な官能基を一つ以上含む樹脂が挙げられる。また、前記のような樹脂の具体的な種類には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂またはエポキシ樹脂などが含まれ得るが、これらに制限されるものではない。
本出願では、前記硬化性樹脂として、芳香族または脂肪族;または直鎖状または分岐鎖状のエポキシ樹脂が使用できる。本発明の一具現例では、2個以上の官能基を含有するものであって、エポキシ当量が180g/eq〜1,000g/eqのエポキシ樹脂が使用できる。前記範囲のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を使用して、硬化物の接着性能およびガラス転移温度などの特性を効果的に維持することができる。このようなエポキシ樹脂の例には、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、四官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタンエポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペタジエン型エポキシ樹脂またはジシクロペタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂の一種または二種以上の混合が挙げられる。
本出願では、硬化性樹脂として分子構造内に環形構造を含むエポキシ樹脂が使用でき、芳香族基(例えば、フェニル基)を含むエポキシ樹脂が使用できる。エポキシ樹脂が芳香族基を含む場合、硬化物が優れた熱的および化学的安定性を有すると共に、低い吸湿量を示して、有機電子装置の封止構造の信頼性を向上させることができる。本発明で使用できる芳香族基含有エポキシ樹脂の具体的な例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、クレゾール系エポキシ樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂、キシロック(xylok)系エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂およびアルキル変性トリフェノールメタンエポキシ樹脂などの一種または二種以上の混合であってもよいが、これらに制限されるものではない。
また、一例において、本出願の封止層は、封止樹脂と相溶性が高く、前記封止樹脂とともに特定の架橋構造を形成できる活性エネルギー線重合性化合物を含むことができる。この場合、前記封止樹脂は、架橋可能な(cross−linkable)樹脂であってもよい。
例えば、本出願の封止層は、封止樹脂とともに活性エネルギー線の照射により重合され得る多官能性の活性エネルギー線重合性化合物を含むことができる。前記活性エネルギー線重合性化合物は、例えば、活性エネルギー線の照射による重合反応に参加できる官能基、例えば、アクリロイル基またはメタクリロイル基などのようなエチレン性不飽和二重結合を含む官能基、エポキシ基またはオキセタン基などの官能基を2個以上含む化合物を意味する。
多官能性の活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、多官能性アクリレート(MFA;Multifunctional acrylate)が使用できる。
また、前記活性エネルギー線重合性化合物は、封止樹脂100重量部に対して5重量部〜30重量部、5重量部〜25重量部、8重量部〜20重量部、10重量部〜18重量部または12重量部〜18重量部で含まれ得る。本出願は、前記範囲内で、高温高湿など苛酷条件でも耐久信頼性に優れた封止フィルムを提供する。
前記活性エネルギー線の照射により重合され得る多官能性の活性エネルギー線重合性化合物は、制限なしに使用できる。例えば、前記化合物は、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオール(dodecanediol)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(dicyclopentanyl)ジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)ジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、アダマンタン(adamantane)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートまたはこれらの混合物を含むことができる。
多官能性の活性エネルギー線重合性化合物としては、例えば、分子量が1,000未満であり、官能基を2個以上含む化合物が使用できる。この場合、分子量は、重量平均分子量または通常の分子量を意味する。前記多官能性の活性エネルギー線重合性化合物に含まれる環構造は、炭素環式構造または複素環式構造;または単環式または多環式構造のいずれであってもよい。
本出願の具体例において、封止層は、ラジカル開始剤をさらに含むことができる。ラジカル開始剤は、光開始剤または熱開始剤であってもよい。光開始剤の具体的な種類は、硬化速度および黄変可能性などを考慮して適宜選択され得る。例えば、ベンゾイン系、ヒドロキシケトン系、アミノケトン系またはホスフィンオキシド系光開始剤などが使用でき、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン(thioxanthone)、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタル、アセトフェノンジメチルケタル、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]および2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシドなどが使用できる。
ラジカル開始剤は、活性エネルギー線重合性化合物100重量部に対して0.2重量部〜20重量部、0.5〜18重量部、1〜15重量部、または2重量部〜13重量部の割合で含まれてもよい。これにより、活性エネルギー線重合性化合物の反応を効果的に誘導し、また、硬化後に残存成分に起因して封止層組成物の物性が悪化するのを防止することができる。
本出願の具体例において、封止フィルムの封止層は、含まれる樹脂成分の種類によって、硬化剤をさらに含むことができる。例えば、前述した封止樹脂と反応して、架橋構造などを形成できる硬化剤をさらに含むことができる。本明細書で用語「封止樹脂および/またはバインダー樹脂」は、樹脂成分と同じ意味で使用できる。
硬化剤は、樹脂成分またはその樹脂に含まれる官能基の種類によって適切な種類が選択および使用できる。
一例において、樹脂成分がエポキシ樹脂である場合、硬化剤としては、この分野において公知となっているエポキシ樹脂の硬化剤として、例えば、アミン硬化剤、イミダゾール硬化剤、フェノール硬化剤、リン硬化剤または酸無水物硬化剤などの一種または二種以上が使用できるが、これらに制限されるものではない。
一例において、前記硬化剤としては、常温で固相であり、融点または分解温度が80℃以上のイミダゾール化合物が使用できる。このような化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールまたは1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどを例示することができるが、これらに制限されるものではない、
硬化剤の含量は、組成物の組成、例えば、封止樹脂の種類や比率によって選択され得る。例えば、硬化剤は、樹脂成分100重量部に対して、1重量部〜20重量部、1重量部〜10重量部または1重量部〜5重量部で含むことができる。しかし、前記重量比は、封止樹脂またはその樹脂の官能基の種類および比率、または具現しようとする架橋密度などによって変更され得る。
樹脂成分が活性エネルギー線の照射により硬化することができる樹脂である場合、開始剤としては、例えば、カチオン光重合開始剤が使用できる。
カチオン光重合開始剤としては、オニウム塩(onium salt)または有機金属塩(organometallic salt)系のイオン化カチオン開始剤または有機シランまたは潜在性スルホン酸(latent sulfonic acid)系や非イオン化カチオン光重合開始剤が使用できる。オニウム塩系の開始剤としては、ジアリールヨードニウム塩(diaryliodonium salt)、トリアリールスルホニウム塩(triarylsulfonium salt)またはアリールジアゾニウム塩(aryldiazonium salt)等を例示することができ、有機金属塩系の開始剤としては、鉄アレン(iron arene)等を例示することができ、有機シラン系の開始剤としては、o−ニトリルベンジルトリアリールシリルエーテル(o−nitrobenzyl triaryl silyl ether)、トリアーリルシリルペルオキシド(triaryl silyl peroxide)またはアシルシラン(acyl silane)等を例示することができ、潜在性スルホン酸系の開始剤としては、α−スルホニルオキシケトンまたはα−ヒドロキシメチルベンゾインスルホネートなどを例示することができるが、これらに制限されるものではない。
一例において、カチオン開始剤としては、イオン化カチオン光重合開始剤が使用できる。
一例において、封止層は、粘着付与剤をさらに含むことかでき、前記粘着付与剤は、好ましくは水素化した環形オレフィン系重合体であってもよい。粘着付与剤としては、例えば、石油樹脂を水素化して得られる水素化した石油樹脂が使用できる。水素化した石油樹脂は、部分的にまたは完全に水素化し得、このような樹脂の混合物であってもよい。このような粘着付与剤は、粘着剤組成物と相溶性が良いながらも、水分遮断性に優れ、有機揮発成分が低いものを選択することができる。水素化した石油樹脂の具体的な例としては、水素化したテルペン系樹脂、水素化したエステル系樹脂または水素化したジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)などが挙げられる。前記粘着付与剤の重量平均分子量は、約200〜5,000であってもよい。前記粘着付与剤の含量は、必要に応じて適宜調節することができる。例えば、粘着付与剤の含量は、一例によれば、樹脂成分100重量部に対して5重量部〜100重量部、8〜95重量部、10重量部〜93重量部または15重量部〜90重量部の割合で含まれ得る。
前述したように、封止層は、水分吸着剤をさらに含むことができる。本明細書で用語「水分吸着剤(moisture absorbent)」とは、例えば、後述する封止フィルムに浸透した水分乃至湿気との化学的反応を用いて前記を除去できる化学反応性水分吸着剤を意味する。
例えば、水分吸着剤は、封止層または封止フィルム内に均一に分散した状態で存在することができる。ここで、均一に分散した状態は、封止層または封止フィルムのいずれの部分でも同一または実質的に同じ密度で水分吸着剤が存在する状態を意味する。前記で使用できる水分吸着剤としては、例えば、金属酸化物、硫酸塩または有機金属酸化物などが挙げられる。具体的に、前記硫酸塩の例としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムまたは硫酸ニッケルなどが挙げられ、前記有機金属酸化物の例としては、アルミニウムオキシドオクチレートなどが挙げられる。前記で金属酸化物の具体的な例としては、五酸化リン(P)、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)または酸化マグネシウム(MgO)等が挙げられ、金属塩の例としては、硫酸リチウム(LiSO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸コバルト(CoSO)、硫酸ガリウム(Ga(SO)、硫酸チタン(Ti(SO)または硫酸ニッケル(NiSO)等のような硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化ストロンチウム(SrCl)、塩化イットリウム(YCl)、塩化銅(CuCl)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化タンタル(TaF)、フッ化ニオビウム(NbF)、臭化リチウム(LiBr)、臭化カルシウム(CaBr)、臭化セシウム(CeBr)、臭化セレニウム(SeBr)、臭化バナジウム(VBr)、臭化マグネシウム(MgBr)、ヨウ化バリウム(BaI)またはヨウ化マグネシウム(MgI)等のような金属ハロゲン化物;または過塩素酸バリウム(Ba(ClO)または過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO)等のような金属塩素酸塩などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。封止層に含まれ得る水分吸着剤としては、前述した構成のうち1種を使用してもよく、2種以上を使用してもよい。一例において、水分吸着剤として2種以上を使用する場合、焼成ドロマイト(calcined dolomite)等が使用できる。
このような水分吸着剤は、用途によって適切なサイズに制御され得る。一例において、水分吸着剤の平均粒径が100〜15,000nm、500nm〜10,000nm、800nm〜8,000nm、1μm〜7μm、2μm〜5μmまたは2.5μm〜4.5μmに制御され得る。前記範囲のサイズを有する水分吸着剤は、水分との反応速度があまり速くないため、保管が容易であり、封止しようとする素子に損傷を与えず、前述した輝点防止剤との関係から水素吸着過程を妨害することなく、効果的に水分を除去することができる。また、本出願の具体例において、水分吸着剤の粒径に対する輝点防止剤の粒径の比率が0.01〜1.5または0.1〜0.95の範囲内であってもよい。本明細書で、粒径は、平均粒径を意味し、D50粒度分析器にて公知の方法で測定したものであってもよい。本出願は、フィルムの内部に存在する輝点防止剤と水分吸着剤の粒径の比率を調節することにより、輝点防止と同時に、封止フィルムの本来の機能である水分遮断性と素子の信頼性を具現することができる。
水分吸着剤の含量は、特に制限されず、目的とする遮断特性を考慮して適宜選択され得る。一例において、本出願の封止フィルムは、前記水分吸着剤に対する輝点防止剤の重量比が0.05〜0.8または0.1〜0.7の範囲内であってもよい。本出願は、輝点を防止するために、輝点防止剤をフィルム内に分散させるが、前記輝点防止のために添加された輝点防止剤は、封止フィルムの本来の機能である水分遮断性と素子の信頼性の具現を考慮すれば、前記水分吸着剤と特定の含量比率で含まれ得る。
封止層は、必要な場合、水分遮断剤をさらに含むことができる。本明細書で用語「水分遮断剤(moisture blocker)」とは、水分との反応性がないか、または低いが、物理的に水分乃至湿気のフィルム内での移動を遮断したり、妨害したりすることができる物質を意味する。水分遮断剤としては、例えば、クレー、タルク、針状シリカ、板状シリカ、多孔性シリカ、ゼオライト、チタニアまたはジルコニアのうち1種または2種以上が使用できる。また、水分遮断剤は、有機物の浸透が容易となるように有機改質剤などにより表面処理が施されてもよい。このような有機改質剤としては、例えば、ジメチルベンジル水素化タロー4次アンモニウム(dimethyl benzyl hydrogenated tallow quaternaty ammonium)、ジメチル水素化タロー4次アンモニウム(dimethyl dihydrogenated tallow quaternary ammonium)、メチルタロービス−2−ヒドロキシエチル4次アンモニウム(methyl tallow bis−2−hydroxyethyl quaternary ammonium)、ジメチル水素化タロー2−エチルヘキシル4次アンモニウム(dimethyl hydrogenated tallow 2−ethylhexyl quaternary ammonium)、ジメチル脱水素化タロー4次アンモニウム(dimethyl dehydrogenated tallow quaternary ammonium)またはこれらの混合物である有機改質剤などが使用できる。
水分遮断剤の含量は、特に制限されず、目的とする遮断特性を考慮して適宜選択され得る。
封止層には、前述した構成の他にも、用途および後述する封止フィルムの製造工程によって多様な添加剤が含まれ得る。例えば、封止層は、硬化性物質、架橋剤またはフィラーなどを目的とする物性によって適正範囲の含量で含むことができる。
前記封止層は、2層以上の層で形成される場合、有機電子素子と接触しない第2層が前記水分吸着剤を含むことができる。例えば、2層以上の層で形成される場合、前記封止層のうち有機電子素子と接触する層は、水分吸着剤を含まないか、または、封止樹脂100重量部に対して5重量部未満または4重量部未満の少量で水分吸着剤を含むことができる。
具体的に、前記水分吸着剤の含量は、前記封止フィルムが有機電子素子の封止に適用される点を考慮すれば、素子の損傷などを考慮して制御することができる。例えば、素子と接触する第1層に少量の水分吸着剤を構成するか、または水分吸着剤を含まなくてもよい。一例において、素子と接触する封止層の第1層は、封止フィルムが含有する水分吸着剤の全体質量に対して0〜20%の水分吸着剤を含むことができる。また、素子と接触しない封止層は、封止フィルムが含有する水分吸着剤の全体質量に対して80〜100%の水分吸着剤を含むことができる。
本出願の具体例において、封止フィルムは、前記封止層上に形成されたメタル層をさらに含むことができる。本出願のメタル層は、50W/m・K以上、60W/m・K以上、70W/m・K以上、80W/m・K以上、90W/m・K以上、100W/m・K以上、110W/m・K以上、120W/m・K以上、130W/m・K以上、140W/m・K以上、150W/m・K以上、200W/m・K以上または210W/m・K以上の熱伝導度を有することができる。前記熱伝導度の上限は、特に限定されず、800W/m・K以下であってもよい。このように高い熱伝導度を有することにより、メタル層の接合工程時に接合界面で発生した熱をより速く放出させることができる。また、高い熱伝導度は、有機電子装置の動作中に蓄積される熱を迅速に外部に放出させ、これに伴い、有機電子装置自体の温度は、より低く維持させることができ、クラックおよび欠陥の発生は減少する。前記熱伝導度は、15〜30℃の温度範囲のうちいずれか一つの温度で測定したものであってもよい。
本明細書で用語「熱伝導度」とは、物質が伝導により熱を伝達できる能力を示す程度であり、単位は、W/m・Kで示すことができる。前記単位は、同じ温度と距離で物質が熱伝達する程度を示すものであって、距離の単位(メートル)と温度の単位(カルビン)に対する熱の単位(ワット)を意味する。
本出願の具体例において、前記封止フィルムのメタル層は、透明であってもよく、不透明であってもよい。前記メタル層の厚さは、3μm〜200μm、10μm〜100μm、20μm〜90μm、30μm〜80μmまたは40μm〜75μmの範囲内であってもよい。本出願は、前記メタル層の厚さを制御することにより、放熱効果が十分に具現されると共に、薄膜の封止フィルムを提供することができる。前記メタル層は、薄膜のメタルホイル(Metal foil)または高分子基材層にメタルが蒸着されていてもよい。前記メタル層は、前述した熱伝導度を満たし、金属を含む素材であれば、特に制限されない。メタル層は、金属、酸化金属、窒化金属、炭化金属、オキシ窒化金属、オキシホウ化金属、およびそれらの配合物のうちいずれか一つを含むことができる。例えば、メタル層は、一つの金属に1以上の金属元素または非金属元素が添加された合金を含むことかでき、例えば、ステンレススチール(SUS)を含むことができる。また、一例において、メタル層は、鉄、クロム、銅、アルミニウムニッケル、酸化鉄、酸化クロム、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化スズインジウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、およびこれらの配合物を含むことができる。メタル層は、電解、圧延、加熱蒸発、電子ビーム蒸発、スパッタリング、反応性スパッタリング、化学気相蒸着、プラズマ化学気相蒸着または電子サイクロトロン共鳴ソースプラズマ化学気相蒸着手段により蒸着することができる。本出願の一実施例において、メタル層は、反応性スパッタリングにより蒸着することができる。
従来、封止フィルムとしてニッケル−鉄合金(Invar)を通常多く使用しているが、前記ニッケル−鉄合金は、価格が高価であり、熱伝導度に劣り、カット性が悪いという短所がある。本出願は、メタル層として前記ニッケル−鉄合金を使用しないながらも、有機電子装置の輝点発生を防止し、放熱特性に優れ、磁性による工程便宜を具現する封止フィルムを提供する。
本出願の具体例において、封止層は、磁性体粒子を含む磁性層を含むことができる。本明細書で磁性体粒子を含む封止層は、磁性層と称することができる。前記磁性層は、第2層とメタル層との間に形成されるか、前記メタル層上に形成されていてもよい。前記磁性層を含む場合、封止フィルムに含まれる輝点防止剤は、磁性層に存在することができるが、これに限定されるものではない。磁性体粒子が含まれる場合、前記輝点防止剤は、封止フィルム内で磁性体粒子100重量部に対して1〜120重量部、5〜109重量部、7〜100重量部、9〜92重量部または10〜83重量部で含まれ得る。本出願は、磁性体粒子を含む磁性層を含むことにより、磁力による工程が可能になる。具体的に、本出願による封止フィルムは、十分な磁力で磁石により前記フィルムが固定され得、これに伴い、フィルムを固定するために追加工程を必要とせず、生産性が向上する。
一例において、封止層が磁性層を含む場合、図2に示されたように、封止フィルムは、第1層2と、輝点防止剤3および水分吸着剤5を含む第2層4と、磁性体粒子7を含む封止層(磁性層)6とを含むことができる。
前記磁性層は、磁性体粒子を含む限り、その素材は特に制限されない。一例において、磁性層は、粘着剤組成物または接着剤組成物を含む粘着剤層または接着剤層であってもよい。
磁性層は、バインダー樹脂をさらに含むことができる。前記バインダー樹脂を構成する素材は、特に制限されない。一例において、前記バインダー樹脂として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリオキシアルキレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアミド樹脂またはこれらの混合物を含むことができるが、これらに限定されるものではない。前記バインダー樹脂は、ガラス転移温度が0℃未満、−10℃未満または−30℃未満、−50℃未満または−60℃未満であってもよい。前記でガラス転移温度とは、硬化後のガラス転移温度であってもよく、一具体例において、照射量約1J/cm以上の紫外線を照射した後のガラス転移温度;または紫外線の照射後に熱硬化をさらに進めた後のガラス転移温度を意味する。
一例において、前記磁性体粒子は、磁性を有する限り、その種類は、特に制限されず、当業界における公知の材料であってもよい。例えば、磁性体粒子は、Cr、Fe、Pt、Mn、Zn、Cu、Co、Sr、Si、Ni、Ba、Cs、K、Ra、Rb、Be、Y、B、これらの合金またはこれらの酸化物であってもよく、本出願の具体例において磁性体粒子は、Cr、Fe、Fe、Fe、MnFe、BaFe1219、SrFe1219、CoFe、CoPt、またはFePtを含むことができる。一例において、磁性体粒子のサイズは、10nm〜200μm、90nm〜180μm、120nm〜130μm、280nm〜110μm、450nm〜100μm、750nm〜90μm、950nm〜70μm、990nm〜30μmまたは995nm〜20μmの範囲内であってもよい。磁性体粒子は、粉末形態で磁性層のバインダー樹脂とともに磁性層を構成することができる。また、本出願の具体例において、前記バインダー樹脂は、磁性体粒子100重量部に対して5〜30重量部、8〜28重量部、9〜23重量部、10〜18重量部、または11〜14重量部で含まれ得る。前記バインダー樹脂および磁性体粒子が前記割合で含まれることにより、十分な磁力で磁石によりフィルムが固定され得、これに伴い、フィルムを固定するために追加工程を必要とせず、生産性が向上する。なお、本出願の封止フィルムの内部で、磁性、輝点防止性能および/または水分吸着性能を共に有する粒子が存在することができ、この場合、前記粒子は、輝点防止剤、磁性体粒子および/または水分吸着剤としての機能を全て行うことができる。また、本出願で、前記粒子が2以上存在する場合、吸着エネルギーがさらに低い粒子を輝点防止剤と定義することができる。
一例において、磁性層の厚さは、5μm〜200μm、10μm〜150μm、13μm〜120μm、18μm〜90μm、22μm〜70μmまたは26μm〜50μmの範囲内であってもよい。本出願は、前記磁性層の厚さを前記範囲に制御することにより、十分な磁性特性を付与しつつ、薄膜の封止フィルムを提供することができる。
封止フィルムは、基材フィルムまたは離型フィルム(以下、「第1フィルム」ということがある)をさらに含み、前記封止層が前記基材または離型フィルム上に形成されている構造を有することができる。また、前記構造は、前記メタル層上に形成された基材または離型フィルム(以下、「第2フィルム」ということがある)をさらに含むことができる。
本出願で使用できる前記第1フィルムの具体的な種類は、特に限定されない。本出願では、前記第1フィルムとして、例えば、この分野における一般的な高分子フィルムが使用できる。本出願では、例えば、前記基材または離型フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリテトラフルオルエチレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−ビニルアセテートフィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体フィルム、エチレン−アクリル酸メチル共重合体フィルムまたはポリイミドフィルムなどが使用できる。また、本出願の前記基材フィルムまたは離型フィルムの一面または両面には、適切な離型処理が行われていてもよい。基材フィルムの離型処理に使用される離型剤の例としては、アルキド系、シリコン系、フッ素系、不飽和エステル系、ポリオレフィン系またはワックス系などを使用でき、このうち耐熱性の側面からアルキド系、シリコン系またはフッ素系離型剤を使用することが好ましいが、これらに制限されるものではない。
本出願で前記のような基材フィルムまたは離型フィルム(第1フィルム)の厚さは、特に限定されず、適用される用途によって適宜選択され得る。例えば、本出願で前記第1フィルムの厚さは、10μm〜500μm、好ましくは20μm〜200μm程度であってもよい。前記厚さが10μm未満なら、製造過程で基材フィルムの変形が容易に発生する恐れがあり、500μmを超過すれば、経済性に劣る。
本出願の封止フィルムに含まれる封止層の厚さは、特に制限されず、前記フィルムが適用される用途を考慮して下記の条件によって適宜選択することができる。封止層の厚さは、5μm〜200μm、好ましくは5μm〜100μm程度であってもよい。前記封止層の厚さは、多層の封止層の全体の厚さであってもよい。封止層の厚さが5μm未満の場合、十分な水分遮断能力を発揮することができず、200μmを超過する場合、工程性を確保することが難しく、水分反応性に起因して厚さの膨張が大きくて、有機発光素子の蒸着膜に損傷を与えることができ、経済性に劣る。
また、本出願は、有機電子装置に関する。前記有機電子装置は、図5に示されたように、基板21と;前記基板21上に形成された有機電子素子23と;前記有機電子素子23を封止する前述した封止フィルム1とを含むことができる。前記封止フィルムは、基板上に形成された有機電子素子の前面、例えば上部および側面を全て封止していてもよい。前記封止フィルムは、粘着剤組成物または接着剤組成物を架橋または硬化した状態で含有する封止層を含むことができる。また、前記封止層が基板上に形成された有機電子素子の前面に接触するように密封して、有機電子装置が形成されていてもよい。
本出願の具体例において、有機電子素子は、一対の電極と、少なくとも発光層を含む有機層およびパッシベーション膜を含むことができる。具体的に、前記有機電子素子は、第1電極層と、前記第1電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機層と、前記有機層上に形成される第2電極層とを含み、前記第2電極層上に電極および有機層を保護するパッシベーション膜を含むことができる。前記第1電極層は、透明電極層または反射電極層であってもよく、第2電極層も、透明電極層または反射電極層であってもよい。より具体的に、前記有機電子素子は、基板上に形成された透明電極層と、前記透明電極層上に形成され、少なくとも発光層を含む有機層と、前記有機層上に形成される反射電極層とを含むことができる。
前記で有機電子素子は、例えば、有機発光素子であってもよい。
前記パッシベーション膜は、無機膜と有機膜を含むことができる。一具体例において前記無機膜は、Al、Zr、Ti、Hf、Ta、In、Sn、ZnおよびSiよりなる群から選択された一つ以上の金属酸化物または窒化物であってもよい。前記無機膜の厚さは、0.01μm〜50μmまたは0.1μm〜20μmまたは1μm〜10μmであってもよい。一例において、本出願の無機膜は、ドーパントが含まれていない無機物であるか、またはドーパントが含まれた無機物であってもよい。ドープされ得る前記ドーパントは、Ga、Si、Ge、Al、Sn、Ge、B、In、Tl、Sc、V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiよりなる群から選択された1種以上の元素または前記元素の酸化物であってもよいが、これに限らない。前記有機膜は、発光層を含まない点から、前述した少なくとも発光層を含む有機層とは区別され、エポキシ化合物を含む有機蒸着層であってもよい。
前記無機膜または有機膜は、化学気相蒸着(CVD、chemical vapor deposition)により形成され得る。例えば、前記無機膜は、シリコンナイトライド(SiNx)が使用できる。一例において、前記無機膜として使用されるシリコンナイトライド(SiNx)を0.01μm〜50μmの厚さで蒸着することができる。一例において、前記有機膜の厚さは、2μm〜20μm、2.5μm〜15μm、2.8μm〜9μmの範囲内であってもよい。
また、本出願は、有機電子装置の製造方法を提供する。前記製造方法は、上部に有機電子素子が形成された基板に前述した封止フィルムが前記有機電子素子をカバーするように適用する段階を含むことができる。また、前記製造方法は、前記封止フィルムを硬化する段階を含むことができる。前記封止フィルムの硬化段階は、封止層の硬化を意味し、前記封止フィルムが有機電子素子をカバーする前または後に進行され得る。
本明細書で用語「硬化」とは、加熱またはUV照射工程などを経て本発明の粘着剤組成物が架橋構造を形成して粘着剤の形態で製造することを意味する。または、接着剤組成物が接着剤として固化および付着することを意味する。
具体的に、基板として使用されるガラスまたは高分子フィルム上に真空蒸着またはスパッタリングなどの方法で電極を形成し、前記電極上に例えば、正孔輸送層、発光層および電子輸送層などで構成される発光性有機材料の層を形成した後、その上部に電極層をさらに形成して、有機電子素子を形成することができる。次に、前記工程を経た基板の有機電子素子の前面を、前記封止フィルムの封止層が覆うように位置させる。
本出願の封止フィルムは、OLEDなどのような有機電子装置の封止またはカプセル化に適用され得る。前記フィルムは、外部から有機電子装置に流入する水分または酸素を遮断できる構造の形成が可能であり、有機電子装置の輝点発生を防止することができる。
図1は、本出願の一例による封止フィルムを示す断面図である。 図2は、本出願の一例による封止フィルムを示す断面図である。 図3は、本出願の一例による封止フィルムを示す断面図である。 図4は、本出願の一例による封止フィルムを示す断面図である。 図5は、本出願の一例による有機電子装置を示す断面図である。
以下、本発明による実施例および本発明によらない比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲が下記提示された実施例により制限されるものではない。
実施例1
封止層の製造
第1層溶液を製造するためにブチルゴム樹脂(BT−20、Sunwoo Chem−tech)180gおよびDCPD(dicyclopentadiene)系石油樹脂(SU5270、Sunwoo Chem−tech)60gをトルエンで希釈した溶液(固形分33%)を製造した後、溶液を均質化した。前記均質化した溶液に多官能性アクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート、MIWON)10gおよび光開始剤(Irgacure 819、Ciba)3gを投入して均質化した後、1時間の間高速撹拌して、第1層溶液を製造した。
第2層溶液を製造するために、水分吸着剤として焼成ドロマイト(Calcined dolomite、平均粒径3μm)溶液(固形分50%)を製造した。また、これとは別に、ポリイソブチレン樹脂(重量平均分子量45万)140g、輝点防止剤としてNi粒子(粒径約300nm)14g、および粘着付与剤として水素化したジシクロペンタジエン系樹脂(軟化点125℃)60gをトルエンで希釈した溶液(固形分50%)を製造した後、溶液を均質化した。前記均質化した溶液に光硬化剤(TMPTA、MIWON)10gおよび光開始剤(Irgacure 819、Ciba)15gを投入して均質化した後、前記水分吸着剤溶液100gを投入した後、1時間の間高速撹拌して、第2層溶液を製造した。
前記で製造された封止層溶液を第1層および第2層それぞれ別に離型PETの離型面にコンマコーターを使用して塗布し、乾燥器にて130℃で3分間乾燥して、それぞれ厚さが50μmの封止層を形成した後、二つの層をラミネートした。
封止フィルムの製造
あらかじめ準備されたメタル層(アルミニウム箔、厚さ70μm)上に、封止層の第2層に付着した離型処理されたPETを剥離させ、ロール・ツー・ロール(Roll−to−Roll)工程で70℃でラミネーションして、第2層がメタル層と接するように封止フィルムを製造した。
前記製造された封止フィルムを木型裁断機を用いてナイフカッターにて四角シート状にカットして、有機電子素子封止用フィルムを製造した。
実施例2〜9および比較例1〜5
輝点防止剤を表1のように変更したことを除いて、実施例1と同じ方法で封止フィルムを製造した。
Figure 2020522865
実験例1−吸着エネルギーの計算
実施例および比較例で使用した輝点防止剤のアウトガスに対する吸着エネルギーを密度汎関数理論(density functional theory)基盤の電子構造計算を用いて計算した。結晶型構造を有する輝点防止剤の最密充填面が表面に露出する2次元スラブ構造を作った後、構造最適化を進め、この真空状態の表面上に輝点原因分子が吸着した構造に対する構造最適化を進めた後、これらの二つのシステムの総エネルギーの差異から輝点原因分子の総エネルギーを抜いた値を吸着エネルギーと定義した。それぞれのシステムに対する総エネルギー計算のために電子−電子間の相互作用を模写する交換相関(exchange−correlation)でGGA(generalized gradient approximation)系の関数であるrevised−PBE関数を使用し、電子運動エネルギーのカットオフは、500eVを使用し、逆格子空間の原点に該当するガンマ点のみを含ませて計算した。各システムの原子構造を最適化するために共役勾配法を使用し、原子間の力が0.01eV/Å以下となるまで反復計算を行った。一連の計算は、常用コードであるVASPを用いて行われた。
実験例2−暗点または輝点発生の有無
ガラス基板上に有機電子素子を蒸着した後、前記実施例および比較例で製造した封止フィルムを真空接合器を用いて50℃、真空度50mTorr、0.4MPaの条件で前記素子上に接合して、有機電子パネルを製造した。
前記製造したパネルを85℃、85%の恒温除湿チャンバーに入れて保管する。1,000時間後に取り出して、点灯して、輝点発生の有無、素子の収縮の有無を確認する。輝点および素子収縮が全く発生しない場合、◎、輝点および素子収縮がきわめて一部発生した場合、O、輝点不良が発生し、素子の収縮が発生した場合、Xに分類した。
Figure 2020522865
1 封止フィルム
2、4、6 封止層
3 輝点防止剤
5 水分吸着剤
7 磁性体粒子
21 基板
23 有機電子素子

Claims (20)

  1. 少なくとも2以上の封止層を含む有機電子素子封止フィルムであり、前記封止層は、前記有機電子素子と接する第1層と、前記有機電子素子と接しない第2層とを含み、前記第2層は、密度汎関数理論近似法(Density Functional Theory)により計算された、アウトガスに対する吸着エネルギーが0eV以下の輝点防止剤を含む有機電子素子封止フィルム。
  2. アウトガスは、Hガス、HガスまたはNHガスを含む、請求項1に記載の有機電子素子封止フィルム。
  3. 第1層は、封止フィルム内の全体輝点防止剤の質量を基準として15%以下で輝点防止剤を含むか、または含まない、請求項1または2に記載の有機電子素子封止フィルム。
  4. 封止層は、封止樹脂および/または水分吸着剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電子素子封止フィルム。
  5. 水分吸着剤は、化学反応性水分吸着剤を含む、請求項4に記載の有機電子素子封止フィルム。
  6. 水分吸着剤に対する輝点防止剤の重量比が0.05〜0.8の範囲内である、請求項4または5に記載の有機電子素子封止フィルム。
  7. 水分吸着剤は、粒径が100〜15,000nmの範囲内である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の有機電子素子封止フィルム。
  8. 輝点防止剤の粒径は、10nm〜30μmの範囲内である、請求項1に記載の有機電子素子封止フィルム。
  9. 輝点防止剤は、封止層内の樹脂成分100重量部に対して3〜150重量部で含まれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機電子素子封止フィルム。
  10. 封止層が基板上に形成された有機電子素子の前面を密封する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機電子素子封止フィルム。
  11. 第2層上に形成されたメタル層をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機電子素子封止フィルム。
  12. メタル層は、50〜800W/m・Kの熱伝導度を有する、請求項11に記載の有機電子素子封止フィルム。
  13. メタル層は、金属、酸化金属、窒化金属、炭化金属、オキシ窒化金属、オキシホウ化金属、およびそれらの配合物のうちいずれか一つを含む、請求項11に記載の有機電子素子封止フィルム。
  14. メタル層は、鉄、クロム、アルミニウム、銅、ニッケル、酸化鉄、酸化クロム、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化スズインジウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、およびこれらの配合物のうちいずれか一つを含む、請求項11に記載の有機電子素子封止フィルム。
  15. 封止層は、磁性体粒子を含む磁性層をさらに含み、前記磁性層は、第2層とメタル層との間に形成されるか、または前記メタル層上に形成される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の有機電子素子封止フィルム。
  16. 磁性層は、バインダー樹脂を含む、請求項15に記載の有機電子素子封止フィルム。
  17. バインダー樹脂は、磁性体粒子100重量部に対して5重量部〜30重量部で含まれる、請求項16に記載の有機電子素子封止フィルム。
  18. 基板と;基板上に形成された有機電子素子と;前記有機電子素子を封止する請求項1〜17のいずれか一項に記載の封止フィルムとを含む有機電子装置。
  19. 有機電子素子は、一対の電極と、少なくとも発光層を含む有機層と、パッシベーション膜とを含む、請求項18に記載の有機電子装置。
  20. 上部に有機電子素子が形成された基板に請求項1〜18のいずれか一項に記載の封止フィルムが前記有機電子素子をカバーするように適用する段階を含む有機電子装置の製造方法。
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