JP2020522588A - 被覆シリカ粒子 - Google Patents

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Abstract

本願は、被覆シリカ粒子、被覆シリカ粒子を含有する組成物、及びこれらの組成物を地下層で用いる方法に関する。被覆シリカ粒子は、粒子の外表面に非共有結合するカチオン種を有する。粒子はナノ粒子を含むことができる。

Description

[優先権の主張]
本願は、2017年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/514,314号の優先権を主張する。上記の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本願は、被覆シリカ粒子、被覆シリカ粒子を含む組成物、及び、これらの組成物を地下層で使用する方法に関する。
炭化水素(例えば、石油又は天然ガス)及び水などの可採流体は地下層で発見されることが多い。地下層には、地層を通る流体の流れによる地層の浸食を十分に防ぐには適わないものがある。こうした地層は、多くの場合、未固結層又はインコンピテント層と呼ばれ、土砂や岩石(例えば、砂岩、石灰岩、石英、ゼオライト、シルト岩、頁岩又は砂利)の、未硬結の又は緩く固結した粒を含有する。流体が地層中を流れると、緩い物質、特には砂粒が流体と共に移動して地層の浸食と崩壊が引き起こされる。緩い砂は、地層内、坑井内、及び掘削設備内に蓄積する可能性がある。こうした蓄積は詰まりを引き起こし、可採流体の流量を減らす可能性がある。これらの同伴する砂粒子は、地下の設備(例えば、ストレーナ、ライナ、バルブ、及びポンプ)の浸食を引き起こし、圧力を下げて流体の流れを抑制し、現地の貯蔵タンクを汚染する可能性がある。緩い砂は、流体の流れによって地表へ運び出され、採取された流体と共に坑井から除かれる。産出層から相当量の砂が運び出されると、地層は崩壊し、抗井に重大な損傷を引き起こすことがある。したがって、インコンピテント地下層からの可採流体の生産に伴う問題は、抗井の生産性を低下させ、抗井のメンテナンスコストを増加させる。
本願は、とりわけ、未固結層における砂の制御方法を開示する。本書で後述する方法は、未固結層の砂粒子の上に集合可能な、正電荷を帯びた改質シリカ粒子の使用を含む。正電荷を帯びた改質粒子は、未固結層全体に固結材の単分子層(monolayer)を形成して所望の透過特性による砂の制御を提供する。本願の砂の制御の処理材は、例えば、カチオン性ポリマーを用いて改質したコロイド状シリカ粒子と、オプションとしてのpH調整剤又はイオン強度調整剤とを含み、ダウンホール内に経口丸剤(pill)として配備される。この手当全体を、単ステップ操作で、ダウンホール内で施術することができる。この改質ケイ酸塩材料は、未固結砂粒子の周りに硬質ゲルの薄い単分子層を形成する。単分子層は、砂粒を一緒に固め、同時に処理材を通過する透過性を確実に維持して石油などの炭化水素の生産を促進する。
態様によっては、被覆シリカ粒子は、粒子の外表面に非共有結合したカチオン種を含む。粒子はナノ粒子を含むことができる。実施の形態によっては、ナノ粒子は、直径約1ナノメートル(nm)から約500nm、直径約1nmから約150nm、直径約5nmから約50nm、又は直径約5nmから約17nmである。
実施の形態によっては、カチオン種は金属カチオンを含む。実施の形態によっては、金属カチオンは2又は2超の酸化状態を含む。実施の形態によっては、金属カチオンはアルミニウム又は鉄を含むことができる。金属カチオンは、Al、Al(SO、KAl(SO、FeCl及びFe(SO、並びにこれらの水和物又は溶媒和物からなる群から選択される塩又は酸化物を形成することができる。
実施の形態によっては、カチオン種は、カチオン性ポリマーを含む。カチオン性ポリマーは、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ[N−(ジメチルアミノメチル)]−アクリルアミド、ポリ(2−ビニルイミダゾリニウムビスルファート)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(N−ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド、及びこれらの組合せからなる群から選択することができる。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を含む。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーの分子量の範囲は、約1,000ダルトン(Da)から約1,000,000Da、約1,500Daから約500,000Da、又は約1,500Daから約100,000Daである。
実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは水溶性とすることができる。
実施の形態によっては、カチオン種は、第四級アンモニウム化合物を含むことができる。実施の形態によっては、第四級アンモニウム化合物は、1,2−エタンジアミニウム, N,N’−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ジメチル−, テトラクロリドを含むことができる。
実施の形態によっては、シリカ粒子の重量に対するカチオン種の量の範囲は、約5重量%(wt.%)から約20wt.%である。被覆粒子は、正味の正電荷を含むことができる。カチオン種とシリカ粒子の外表面との間の非共有結合は静電相互作用を含むことができる。実施の形態によっては、静電相互作用は、シリカ粒子の負電荷を帯びた外表面と、正電荷を帯びたカチオン種との間の引力を含むことができる。実施の形態によっては、静電相互作用は、シリカ粒子の外表面上のシラノール基又はシリルオキシアニオンと、正電荷を帯びたカチオン種との間の引力を含むことができる。
態様によっては、シリカ粒子の外表面に非共有結合するカチオン種を含有する被覆シリカ粒子を製造する方法は、(i)分散相中の固体シリカ粒子と連続相中の溶媒とを含むコロイド分散物を得るステップと;(ii)カチオン種を得るステップと;(iii)ステップ(i)のコロイド分散物をステップ(ii)のカチオン種と組み合わせて被覆シリカ粒子を得るステップと;を含む。実施の形態によっては、固体シリカ粒子は、ナノ粒子とすることができる。ナノ粒子は、直径約1nmから約500nm、直径約1nmから約150nm、直径約5nmから約50nm、又は直径約5nmから約17nmとすることができる。
実施の形態によっては、コロイド分散物の連続相中の溶媒は水を含む。コロイド分散物中の分散相の量の範囲は、約5wt.%から約50wt.%とすることができる、又は、コロイド分散物中の分散相の量は、約15wt.%とすることができる。
実施の形態によっては、本書で述べる方法は、無機塩の溶液をコロイド分散物へ添加するステップを含む。無機塩はNaClを含有することができる。溶液中の無機塩の濃度範囲は、約1%重量/体積(w/v)から約30%w/vとすることができる。無機塩の溶液の量の範囲は、コロイド状分散物の量に対して約5wt.%から約15wt.%とすることができる。
実施の形態によっては、本書で述べる方法は、溶液の形態のカチオン種を含むことができる。溶液は水溶液を含むことができる。溶液中のカチオン種の濃度範囲は約10wt.%から約50wt.%である。カチオン種の量の範囲は、コロイド状分散物の量に対して約0.1wt.%から約2wt.%とすることができる。
実施の形態によっては、組み合わせるステップは、カチオン種をコロイド分散物へ添加するステップを含むことができる。組み合わせるステップに続き、被覆シリカ粒子を得るのに十分な時間にわたり連続して反応混合物を撹拌するステップを行うことができる。時間の範囲は、約1分から約15分とすることができる。実施の形態によっては、組み合わせるステップは、カチオン種をシリカ粒子の外表面へ非共有結合させることを含むことができる。
態様によっては、被覆シリカ粒子は、本書に記載する方法のいずれか1つによって調製される。
態様によっては、硬化性遅延ゲル化組成物が、本書で先に述べた被覆シリカ粒子を含んだ粒状物質を含む。組成物中の粒状物質の量の範囲は、約10wt.%から約50wt.%とすることができる、又は、組成物中の粒状物質の量は約15wt.%とすることができる。組成物は溶媒を含むことができる。溶媒は水を含むことができる。組成物は、約50wt.%から約90wt.%の水を含むことができる。組成物のpH範囲を、約9から約11とすることができる。組成物の粘度範囲は、約5センチポアズ(cP)(0.005Pa・s)から約10cP(0.01Pa・s)とすることができる。
実施の形態によっては、組成物は活性化剤を含有できる。活性化剤はpH調整剤を含有できる。pH調整剤はエステル化合物を含有できる。エステル化合物は、ギ酸エステル、乳酸エステル、及びポリラクチド樹脂からなる群から選択できる。エステル化合物は、二ギ酸ジエチレングリコール及び乳酸エチルからなる群から選択できる。エステル化合物は、加水分解して酸化合物を生成できる。エステル化合物の加水分解は、約75F(24℃)から約350(177℃)の範囲の温度で起こすことができる。エステル化合物の加水分解は、約150F(66℃)から約250F(121℃)の範囲の温度で起こすことができる。エステル化合物の加水分解は、組成物のpHを約5未満に下げることができる。組成物中のpH調整剤の量の範囲は、約0.25wt.%から約4wt.%とすることができる。
実施の形態によっては、組成物はイオン強度調整剤を含有できる。イオン強度調整剤は無機電解質を含有できる。無機電解質は、KCl、NaCl及びNaBrからなる群から選択できる。組成物中のイオン強度調整剤の量の範囲は、約1wt.%から約5wt.%とすることができる。活性化剤を、組成物の硬化を促進するように構成することができる。組成物は、組成物の形成から3時間又は3時間超経った後に硬固結ゲルを形成するようにできる。組成物は、約75Fから約350Fの範囲の温度で硬固結ゲルを形成するようにできる。組成物は、約150Fから約250Fの範囲の温度で硬固結ゲルを形成するようにできる。実施の形態によっては、組成物は、流動できない場合に硬固結ゲルであるとみなされる。
態様によっては、インコンピテント地下層を固結する方法は、インコンピテント層に、本書で述べる組成物のいずれか1つの硬化性遅延ゲル化組成物を接触させて地下粒子の固結塊を得るステップを含む。この接触ステップは、硬化性遅延ゲル化組成物を未固結地下粒子の表面に吸着するステップを更に含むことができる。組成物の硬化は、未固結地下粒子上に硬質ゲルの層として地下粒子を結合させるステップを含むことができる。地下粒子は砂粒を含むことができる。地下粒子の固結塊は、流体に対して透過性を有する。地下粒子の固結塊の強度は、約700重量ポンド(lbf)(3114N)又はそれを超える圧負荷に耐えることができる。地下粒子の固結塊の強度は、約700lbfから約1000lbf(4448N)の圧負荷に耐えることができる。インコンピテント地下層には坑井が貫通する可能性がある。接触ステップは、コイル配管設備を用いて硬化性遅延ゲル化組成物をインコンピテント地下層へ送達するステップを含むことができる。インコンピテント地下層は炭化水素貯留層を含むことができる。炭化水素は石油を含むことができる。この方法は、固結層から石油を生産するステップを更に含むことができる。
本書に述べる組成物の特定の実施の形態は、未固結層の緩い砂粒子を固結するように設計されている。本書に述べる様々な原材料(例えば、添加剤)の濃度範囲及び比率は、石油生産時に遭遇する望ましくない砂の生産の軽減に役立つことができる。
実施の形態によっては、本書で述べる組成物は、開示された特定の化学的活性化剤の存在下で効果を現す被覆ナノシリカ粒子を含有する。例えば、組成物は被覆ナノシリカ粒子を含むことができ、そこでは被覆ナノシリカ粒子の粘度が特定の化学的活性化剤に反応して上昇し、最終的にはゲルとなる。実施の形態によっては、上記のこのゲル化反応は、動的条件下だけでなく静的条件下で起こってもよい。様々な実施の形態において、ゲル化反応は、せん断条件、温度条件、又はその両条件に依存しない反応であってもよい。例えば、開示する化学的活性化剤が存在しない中で、被覆ナノ粒子の特定の実施の形態は、ナノ粒子がせん断に曝される、高温に曝される、又はその両方に曝される条件の下ではゲル化しない。したがって、実施の形態によっては、開示するナノ粒子のゲル化特性は一意である。というのは、ゲル化は、ナノ粒子が本書に述べる化学的活性化剤に曝露された後に限って、時間、温度、及び濃度に依存するからである。
他に定義しない限り、本書で以後用いる技術用語及び科学用語の意味は全て、本願が属する分野の当業者が一般に理解する意味と同じである。方法及び材料は、本願での使用に関して本書で後述し、当技術分野で公知な他の適切な方法及び材料を用いることもできる。材料、方法、及び例は単なる例示であり、限定を意図するものではない。本書で後述する出版物、特許出願、特許、シーケンス、データベースエントリ、及びその他の参考文献は全て、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じた場合、定義を含む本明細書が優先する。
本願の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
本特許又は本願ファイルは、カラーで描いた少なくとも1つのカラー図面を含む。カラー図面を含む本願の特許出願公開公報は、請求とともに所定料金を納付して特許商標庁より入手できる。
図1は、正電荷を帯びたカチオン種で被覆されたシリカナノ粒子の概略図である。 図2Aは、図1のナノ粒子の外表面のシラノール基及びシリルオキシアニオンに結合するカチオン種を示すスキームである。 図2Bは、図1のナノ粒子の外表面のシラノール基及びシリルオキシアニオンに結合するカチオン種を示すスキームである。 図3は、カチオン性ポリマーポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDADMAC)を用いたシリカ粒子の改質を示すスキームである。 図4は、カチオン種(例えば、PDADMAC)で被覆されたナノシリカ粒子を含有する地下固結層の概略図である。 図5は、カチオン種(例えば、Baker HughesのClay Master(商標)5C)で被覆されたナノシリカ粒子を用いて固結させた詰め砂(sand pack)を収容した試験管を示す画像である。
インコンピテント地下層の効果的な固結は大きな課題である。望ましくない砂の生産を制御する最も一般的な方法は、(1)生産した流体を、ふるい(スクリーン)に保持された詰め砂利(a pack of gravel)を通してろ過するステップ、又は(2)樹脂硬化反応が起きるのに効果的な環境をつくるために、樹脂と硬化剤とを含有する固結化流体を他の化学物質と一緒に用いるステップを含む。詰め砂利処理(gravel packing treatment)は費用がかかり、特殊な器具及び設備を使用するのが普通である。更に、砂利とふるいは、時間と共にろ過した物質の蓄積によって詰まってしまうことがある。化学的固結による砂の制御は、粒同士を結合させるために、未固結層に化学物質を注入するステップを含む。化学試薬によるこれら従来の砂固結法における凝結時間は、比較的制御不能な傾向にある。凝結時間が長すぎると、流体が透過性の高いエリアに流入し、地層の処理が不均一になる可能性がある。凝結時間が短すぎると、樹脂が早期に硬化し、処理に失敗することになる。
したがって、本願は、可採流体に対する地下層の透過性を保持しながら、インコンピテント地下層の効果的な固結及びそうした地層における緩い砂の制御を行うための微粒子シリカ組成物、並びにそうした組成物の使用方法を提供する。シリカ組成物の実施の形態、並びにこれらの組成物の製造方法及び使用方法について本書で後述する。
[定義]
用語「例えば」及び「など」、並びにその文法的に等価な用語については、明示的に別段の定めのない限り「これに限定されない」という句が後に続くものと理解できる。
本書において以後用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明確に他様に指示していない限り、複数の指示対象を含むことができる。
本書において以後用いられる用語「約」は、「およそ」(例えば、示された値のプラスマイナスおよそ10パーセント(%))を意味する。
用語「実質的に」は、本書において以後用いられる場合、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、又は少なくとも約99.999%以上など、その大部分又はほとんどを指す。
用語「粒子」は以後用いられる場合、大きさが約1ナノメートル(nm)から約1,000ミクロン(μm)である構成を指すことができる。用語「ミクロ粒子」は、大きさが約1μmから約1,000μmである粒子を指すことができる。用語「ナノ粒子」は、大きさ(例えば、球形粒子の直径)が約1nmから約1,000nmである粒子を指すことができる。
用語「粒径」(又は「ナノ粒径」若しくは「ミクロ粒径」)は、本書において後に使用される場合、ナノ粒子又はミクロ粒子の分散(例えば、体積又は数に基づく)におけるメジアン径を指すことができる。メジアン径は、個々のナノ粒子の平均長さ寸法(average linear dimension)、例えば、球形ナノ粒子の直径から特定できる。粒径は、動的光散乱(DLS)及び透過型電子顕微鏡(TEM)手法を含む、当該分野における任意の数の方法によって特定してもよい。レーザー回折機器、又は当該分野で公知の同等な方法を用いて行う測定の場合、「メジアン粒径」という用語は、同等な球形粒子の体積に基づいて特定されるメジアン粒子径であると定義できる。用語「メジアン」を使用する場合、「メジアン」は、母集団の50%が大きくなるか小さくなるように母集団を半分に分割する粒径を記述する用語であると理解することができる。メジアン粒径は多くの場合、D50、D(0.5)若しくはD[0.5]又は同様に記述される。
「ポリマー」は、本書において以後用いられる場合、当該分野で用いられる通常の意味、即ち、共有結合によって結合された1つ又は複数の反復単位(モノマー)を含む分子構造を有する。
本書において以後用いられる場合、用語「非共有」は、成分間の結合が非共有結合である2つ又は2超の成分間の相互作用を指すことができる、つまり、1つの成分のどの原子も別の成分の原子と電子対を共有しないことを意味する。非共有結合としては、水素結合、静電効果、π効果、疎水性効果又はファン・デル・ワールス力などの弱い結合を挙げることができる。
本書において以後用いられる場合、用語「分散物」は、連続相内に分散相を含有する系を指すことができる。実施の形態によっては、分散相と連続相は、異なる状態(例えば、気体、固体、又は液体)であり得る。例えば、実施の形態によっては、分散相は固体であり、連続相は液体である。実施の形態によっては、分散相は固体粒状物質であり、連続相は液体である。実施の形態によっては、分散物はコロイド状である(例えば、分散相の粒子の大きさの範囲は1nmから1μmである)。
本書において以後用いられる場合、用語「カチオン」又は「カチオン性」は、カチオン種中の正電荷を持つ原子(又は複数の原子)が、原子核中の陽子の数よりも少ない数の電子を有する場合の正電荷を帯びた種を指すことができる。一例として、カチオンは、Fe2+、Fe3+、又はAl3+などの正電荷を帯びた金属イオンである。例によっては、カチオン性材料は、正電荷を帯びた窒素又はリン原子を有する有機分子である。例によっては、カチオン性分子は、正電荷を帯びた窒素又はリン原子を有するモノマーを含有するポリマーである。
[本開示の被覆シリカ粒子]
本願は、とりわけ、被覆シリカ粒子を含有する微粒子シリカ材料を提供する。実施の形態によっては、本開示は、カチオン種で被覆したシリカ粒子を提供する。
図1を参照すると、被覆シリカ粒子は、二酸化ケイ素(SiO)と外表面とを含むコアと、シリカ粒子の外表面に結合するカチオン種(+)とを含む。
図2A及び図2Bを参照すると、カチオン種に非共有結合するシラノール基(−Si−OH)とシリルオキシアニオン(−SI−O−)とを含む図1の粒子の外表面が示されている。
実施の形態によっては、カチオン種は、粒子の外表面に非共有結合している。引き続き図2A及び図2Bを参照すると、カチオン種とシラノール双極子/シリルオキシアニオンとの間の破線による結合は、カチオン種と外表面との非共有結合を表している。実施の形態によっては、カチオン種とシリカ粒子の外表面との間の非共有結合は、水素結合、静電相互作用、ファン・デル・ワールス力、又はこれらの任意の組合せを含む。実施の形態によっては、カチオン種とシリカ粒子の外表面との間の非共有結合は、正電荷を帯びたカチオン種と、シリカ粒子の負電荷を帯びた外表面との間の静電引力などの静電相互作用を含む。例えば、図2A及び図2Bに示すように、シリカ粒子の外表面は、粒子の表面上のシリルオキシアニオンとSi−OH双極子の存在ゆえに負電荷を帯びている。これらのシリルオキシアニオンとSi−OH基は、鉄若しくはアルミニウムのカチオン、又は第四級アンモニウム含有ポリマー(例えばポリクオタニウム)などの正電荷を帯びたカチオン種を引きつける。負電荷を帯びたシリカ粒子を含む微粒子シリカ材料の一例は、Cembinder(登録商標)50(Akzo Nobel)である。実施の形態によっては、微粒子シリカ材料は、カチオン性(正電荷を帯びた)シリカ粒子を含有する。カチオン性シリカの一例は、Levasil(登録商標)30−516P(Akzo Nobel)である。
実施の形態によっては、被覆シリカ粒子が正電荷を帯びている。これは、粒子の表面に結合したカチオン種の正味の正電荷が粒子の外表面の正味の負電荷を超えているからである。例えば、カチオン種は、幾つかの正電荷を帯びた原子を含んでもよく、これらの原子の一部(例えば、3つのうちの1つ、2つ)が粒子の外表面上のシリルオキシアニオン及びSi−OH双極子に非共有結合する一方で、カチオン種の残りの正電荷を帯びた原子は表面に直接結合せず、そのため、粒子の全体的な正味の正電荷に寄与する。2つ又は2超の正電荷を帯びた中心を有するカチオン種の一例は、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)(PDADMAC、又はポリクオタニウム−6)(CAS登録番号26062−79−3)である。こうしたカチオン種の別の例は、1,2−エタンジアミニウム, N,N’−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ジメチル−, テトラクロリドであり:
Figure 2020522588
分子中に4つの第四級アンモニウムの中心を有する。実施の形態によっては、カチオン種中の正電荷を帯びた中心の全てがシリカ粒子の表面に非共有結合している。他の実施の形態において、カチオン種は、2つ又は2超の正電荷を帯びた中心を含み、カチオン種中の正電荷を帯びた中心の一部(例えば、3つのうちの1つ、2つ)がシリカ粒子の表面に非共有結合している。実施の形態によっては、カチオン種中の正電荷を帯びた中心の一部が、シリカ粒子を被膜するカチオン種の総量の少なくとも約10%、約15%、約20%、約35%、約50%、約70%、約90%、又は約99%でシリカ粒子の表面に非共有結合しており、シリカ粒子を被膜するカチオン種の残りの量で、カチオン種中の正電荷を帯びた中心の全てがシリカ粒子の外表面に非共有結合している。先に述べたいずれの実施の形態においても、結果として得られる粒子は、負電荷を帯びた材料と正電荷を帯びた材料を含有しており、全体として正味の正電荷を有することができる。
実施の形態によっては、被覆シリカ粒子の重量に対するカチオン種の量の範囲は、約0.5重量パーセント(wt.%)から約50wt.%、約1wt.%から約40wt.%、約1wt.%から約30wt.%、約1wt.%から約20wt.%、約1wt.%から約10wt.%、約1wt.%から約5wt.%、約5wt.%から約50wt.%、約5wt.%から約40wt.%、約5wt.%から約30wt.%、約5wt.%から約20wt.%、又は約5wt.%から約10wt.%である。実施の形態によっては、シリカ粒子の外表面の面積の100%がカチオン種で被覆される。他の実施の形態において、シリカ粒子の外表面の面積の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約99%がカチオン種で被覆される。実施の形態によっては、シリカ粒子の外表面はカチオン種で均一に被覆される(例えば、粒子を被膜するカチオン種の量が、粒子の外表面上に等しく分布する)。実施の形態によっては、粒子は、カチオン種の2種又は2種超で被覆されており、例えば、被覆シリカ粒子は、粒子の表面に非共有結合した金属イオン(例えば、Al3+)とPDADMACを含む。
粒子のコアは、二酸化ケイ素に加えて材料を含んでもよい。粒子のコアと粒子の外表面は、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、ケイ素、炭素、炭化ケイ素、ハロゲン化ケイ素、又は同様の材料を含有してもよい。実施の形態によっては、粒子は、約85wt.%から約99wt.%の二酸化ケイ素を含有する。実施の形態によっては、粒子は、CaO、MgO、NaO、KO、Al、Fe、SiC、Si、C、SiF又はSiCl、及びこれらの任意の組合せを含有してもよい。実施の形態によっては、被覆粒子中のこれらの材料の総量の範囲は、約1wt.%から約15wt.%である。実施の形態によっては、被覆シリカ粒子中の二酸化ケイ素以外の材料の総量の範囲は、約1wt.%から約5wt.%である。
実施の形態によっては、本開示の被覆シリカ粒子はミクロ粒子である。こうした実施の形態において、ミクロ粒子の大きさ(例えば、直径)の範囲は、約1ミクロン(μm)から約1000μm、約1μmから約800μm、約1μmから約500μm、約1μmから約250μm、約1μmから約100μm、又は約10μmから約50μmである。実施の形態によっては、被覆シリカ粒子はナノ粒子である。こうした実施の形態において、ナノ粒子の大きさ(例えば、直径)の範囲は、約1nmから約1000nm、約1nmから約900nm、約1nmから約800nm、約1nmから約700nm、約1nmから約600nm、約1nmから約500nm、約1nmから約400nm、約1nmから約300nm、約1nmから約200nm、約1nmから約150nm、約1nmから約100nm、約1nmから約50nm、約5nmから約100nm、約5nmから約50nm、約5nmから約25nm、約5nmから約20nm、又は約5nmから約17nmである。実施の形態によっては、被覆シリカ粒子は組成物を形成し、組成物中の粒子のメジアン径は、約1nm、約5nm、約10nm、約20nm、約25nm、約50nm、約100nm、又は約150nmである。粒子のメジアン径は、体積平均ベースに基づくことができ、これは、累積粒子分布における50%での粒子の大きさである。先に述べたいずれの実施の形態においても、粒子の大きさは、実際の粒子の直径又は等価な球形粒子の直径とすることができる。
実施の形態によっては、被覆シリカ粒子の形状は球形、円筒形、半球形、棒状、又は円錐形である。実施の形態によっては、粒子は球形又は実質的に球形である。
実施の形態によっては、例えば組成物中の、母集団内に存在する被覆シリカ粒子を単分散とすることができ、それは、母集団の粒子の形状又は大きさが実質的に同じであることを意味する。例えば、粒子は、粒子の約5%又は約10%以下が、粒子の平均直径より約10%を超えて大きい直径を有するような分布、場合によっては、約8%、約5%、約3%、約1%、約0.3%、約0.1%、約0.03%、又は約0.01%以下が粒子の平均直径より約10%を超えて大きい直径を有するような分布とすることができる。実施の形態によっては、粒子の25%以下の直径は、平均粒子径から平均粒子径の150%、100%、75%、50%、25%、20%、10%、又は5%を超えて異なる。多くの場合、ほとんどの粒子が同様の特性を有するように、大きさ、形状、及び組成の1つ又は複数に関して比較的均一な粒子の母集団を生成することが望ましい。例えば、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の被覆シリカ粒子の直径又は最大寸法を、母集団の平均直径又は最大寸法の5%、10%、又は20%以内とすることができる。実施の形態によっては、被覆シリカ粒子の母集団は、大きさ、形状、質量、及び組成に関して均質である。
実施の形態によっては、本願は、本書で後述する方法のいずれか1つにより調製される被覆シリカ粒子を提供する。
実施の形態によっては、シリカ粒子は、カチオン種で被膜する前に前処理されることはない。例えば、シリカ粒子は、シリカ粒子をカチオン種で被覆する前に安定剤で処理されない。実施の形態によっては、シリカ粒子は、シリカ粒子をカチオン種で被覆する前に中性親水性のポリマーで処理されない。実施の形態によっては、シリカ粒子は、シリカ粒子をカチオン種で被覆する前にクエン酸ナトリウム、没食子酸、ドデシル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、ゼラチン、D−ソルビトール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、又はこれらの組み合わせで処理されない。実施の形態によっては、シリカ粒子は、ポリビニルピロリドン(PVP)で被覆されない。
実施の形態によっては、シリカ粒子は多孔質ではない(例えば、メソ多孔質ではない)。実施の形態によっては、シリカ粒子は多孔質である(例えば、直径約1nmから約50nmの細孔を有するメソ多孔質である)。
[カチオン種]
実施の形態によっては、カチオン種は、カチオン性ポリマーを含む。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、少なくとも1つの正電荷を帯びた中心(例えば、原子又は原子団)、例えばアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、又はグアニジニウムカチオンを含む。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、約10から約2,000の正電荷を帯びたカチオン性の中心を含む。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、約100から約1,000、約100から約800、又は約100から約400のカチオン性の中心を含む。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーの体積平均又は数平均分子量の範囲は、約500Daから約2,000,000Da、約1,000Daから約1,500,000Da、約1,000Daから約1,000,000Da、約1,000Daから約800,000Da、約1,000Daから約500,000Da、約1,500Daから約500,000Da、約50,000Daから約400,000Da、約50,000Daから約350,000Da、約1,500Daから約100,000Da、約100,000Daから約350,000Da、又は約200,000Daから約350,000Daである。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは水溶性であり、例えば、カチオン性ポリマーの水溶解度の範囲は、約5wt.%から約80wt.%、約10wt.%から約70wt.%、約10wt.%から約60wt.%、約10wt.%から約50wt.%、又は20wt.%から約40wt.%である。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーの水溶解度は少なくとも約10wt.%である。
実施の形態によっては、カチオン種は、第四級アンモニウムカチオン性ポリマーである。実施の形態によっては、第四級アンモニウムカチオン性ポリマーは、PDADMACである。実施の形態によっては、PDADMACは、下記の構造反復単位を有する。
Figure 2020522588
実施の形態によっては、PDADMACは、下記の構造式を有し:
Figure 2020522588
式中、nは、10から5,000の範囲の整数である。モノマーであるジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)は、2当量の塩化アリルをジメチルアミンと反応させることによって形成される。次いで、PDADMACが、重合の触媒/活性剤(例えば、t−BuOOHのなどの有機過酸化物)を用いてDADMACのラジカル重合により合成される。重合反応は、例えば、スキーム1に示すように、高温で(例えば、摂氏50から75度(℃))で行ってもよい。
Figure 2020522588
スキーム1を参照すると、DADMACを重合する場合、N−置換ピペリジン構造又はN−置換ピロリジン構造の2種の高分子構造反復単位が可能であり、重合反応にはピロリジン構造が好ましい。実施の形態によっては、PDADMACは、ピペリジン含有反復単位を含まない。他の実施の形態において、PDADMACは、ピロリジン含有反復単位及びピペリジン含有反復単位の両方を含む。
実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、DADMACと、アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリルアミド、セルロース又はセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、及びこれらの任意の組合せとのコポリマーである(例えば、カチオン性ポリマーはco−DADMACである)。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウムポリマーである。実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、1,4−ジクロロ−2−ブテン及びN,N,N’,N’−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミンを含むエタノール, 2,2’,2’’−ニトリロトリス−, ポリマー(ポリクオタニウム−1)、ポリ[ビス(2−クロロエチル)エーテル−alt−1,3−ビス[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ウレア](ポリクオタニウム−2)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)−ヒドロキシエチルセルロースコポリマー(ポリクオタニウム−4)、アクリルアミドと四級化ジメチルアンモニウムエチルメタクリラートのコポリマー(ポリクオタニウム−5)、アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(P(AAm−co−DADMAC)又はポリクオタニウム−7)、硫酸ジメチルで四級化したメタクリル酸のメチル及びステアリルジメチルアミノエチルエステルのコポリマー(ポリクオタニウム−8)、ブロモメタンで四級化したメタクリル酸のN,N−(ジメチルアミノ)エチルエステルのホモポリマー(ポリクオタニウム−9)、四級化ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム−10)、ビニルピロリドンと四級化ジメチルアミノエチルメタクリラートのコポリマー(ポリクオタニウム−11)、硫酸ジメチルで四級化したエチルメタクリラート/アビエチルメタクリラート/ジエチルアミノエチルメタクリラートコポリマー(ポリクオタニウム−12)、硫酸ジメチルで四級化したエチルメタクリラート/オレイルメタクリラート/ジエチルアミノエチルメタクリラートコポリマー(ポリクオタニウム−13)、トリメチルアミノエチルメタクリラートホモポリマー(ポリクオタニウム−14)、アクリルアミド−ジメチルアミノエチルメタクリラートメチルクロリドコポリマー(ポリクオタニウム−15)、ビニルピロリドンと四級化ビニルイミダゾールのコポリマー(ポリクオタニウム−16)、アジピン酸、ジメチルアミノプロピルアミン及びジクロロエチルエーテルコポリマー(ポリクオタニウム−17)、アゼラニン(azelanic)酸、ジメチルアミノプロピルアミン及びジクロロエチルエーテルコポリマー(ポリクオタニウム−18)、ポリビニルアルコールと2,3−エポキシプロピルアミンのコポリマー(ポリクオタニウム−19)、ポリビニルオクタデシルエーテルと2,3−エポキシプロピルアミンのコポリマー(ポリクオタニウム−20)、アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(ポリクオタニウム−22)、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの第四級アンモニウム塩(ポリクオタニウム−24)、ポリクオタニウム−2とポリクオタニウム−17のブロックコポリマー(ポリクオタニウム−27)、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムのコポリマー(ポリクオタニウム−28)、プロピレンオキシドで改質しエピクロロヒドリンで四級化したキトサン(ポリクオタニウム−29)、メチル2−メチル−2−プロペノアートを含むエタンアミニウム, N−(カルボキシメチル)−N,N−ジメチル−2−[(2−メチル−1−オキソ−2−プロペン−1−イル)オキシ]−, 分子内塩, ポリマー(ポリクオタニウム−30)、ポリアクリロニトリルのブロックに結合した硫酸ジエチルで四級化したN,N−ジメチルアミノプロピル−N−アクリルアミジン(ポリクオタニウム−31)、ポリ(アクリルアミド2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム−32)、トリメチルアミノエチルアクリラート塩とアクリルアミドのコポリマー(ポリクオタニウム−33)、1,3−ジブロモプロパンとN,N−ジエチル−N’,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミンのコポリマー(ポリクオタニウム−34)、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムとメタクリロイルオキシエチルジメチルアセチルアンモニウムのコポリマーのメトスルファート(ポリクオタニウム−35)、硫酸ジメチルで四級化したN,N−ジメチルアミノエチルメタクリラートとブチルメタクリラートのコポリマー(ポリクオタニウム−36)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリクオタニウム−37)、アクリル酸、アクリルアミド及びジアリルジメチルアンモニウムクロリドのターポリマー(ポリクオタニウム−39)、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロリド](ポリクオタニウム−42)、アクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、2−アミドプロピルアクリルアミドスルホナート及びジメチルアミノプロピルアミンのコポリマー(ポリクオタニウム−43)、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムメチルスルファート−N−ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム−44)、硫酸ジメチルで四級化した(N−メチル−N−エトキシグリシン)メタクリラートとN、N−ジメチルアミノエチルメタクリラートのコポリマー(ポリクオタニウム−45)、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、及び四級化ビニルイミダゾールのターポリマー(ポリクオタニウム−46)、アクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルアクリラートのターポリマー(ポリクオタニウム−47)、並びにこれらの組合せからなる群から選択される。
実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)(CAS登録番号25988−97−0)である。これらの実施の形態の態様によっては、カチオン性ポリマーは、下記の構造反復単位を有する。
Figure 2020522588
実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、ポリ(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリラート)メチルクロリド第四級塩(MADQUAT、CAS登録番号26161−33−1)である。これらの実施の形態の態様によっては、カチオン性ポリマーは、下記の構造反復単位を有する。
Figure 2020522588
実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、任意選択で四級化されたポリ(N−ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド(例えば、塩化メチル第四級塩)である。これらの実施の形態の態様によっては、カチオン性ポリマーは、下記の構造反復単位を有する。
Figure 2020522588
実施の形態によっては、カチオン性ポリマーは、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ[N−(ジメチルアミノメチル)]−アクリルアミド、又はポリ(2−ビニルイミダゾリニウムビスルファート)である。
実施の形態によっては、カチオン種は、分子量が典型的には約2,000Da又はそれ未満である正電荷を帯びた化合物を含む。これらの実施の形態の態様によっては、カチオン性の正電荷を帯びた化合物の体積平均又は数平均分子量の範囲は、約50Daから約2,000Da、約100Daから約1,800Da、約150Daから約1,600Da、約100Daから約1,400Da、約150Daから約1,200Da、約100Daから約1,000Da、約150Daから約800Da、約150Daから約600Da、約150Daから約500Da、又は約150Daから約400Daである。実施の形態によっては、カチオン性化合物は、少なくとも1つの正電荷を帯びた中心(例えば、正電荷を帯びた原子又は原子団)、例えば、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、又はグアニジニウムカチオンを含む。実施の形態によっては、カチオン性化合物は、1から20の正電荷を帯びたカチオン性の中心を含む。例えば、カチオン性化合物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の正電荷を帯びた原子又は原子団を含む。
実施の形態によっては、正電荷を帯びた化合物は、第四級アンモニウム化合物を含む。実施の形態によっては、第四級アンモニウム化合物は、クオタニウム(例えば、単一の第四級アンモニウムの中心を含む化合物)である。例えば、クオタニウム化合物は、ヘキサメチレンテトラミンクロロアリルクロリド)(CAS登録番号4080−31−3)(クオタニウム−15)又はジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド(CAS登録番号61789−80−8)(クオタニウム−18)を含む。
実施の形態によっては、第四級アンモニウム化合物は、2つ又は2超の第四級アンモニウムの中心(例えば、化合物中に2、3、4又はそれ以上の第四級アンモニウムカチオン)を含む。実施の形態によっては、第四級アンモニウム化合物は、下記の化学構造を有する1,2−エタンジアミニウム, N,N’−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ジメチル−, テトラクロリド(CAS登録番号138879−94−4)(Clay Master(商標)5C)を含む。
Figure 2020522588
実施の形態によっては、第四級アンモニウム化合物は、以下からなる群から選択される。
Figure 2020522588
実施の形態によっては、カチオン種は、金属カチオンである。実施の形態によっては、金属カチオンは2又は2超の酸化状態を含み、例えば、金属カチオンは、M2+、M3+、M4+、M5+又はM6+である。例によっては、金属カチオンは、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び鉛(Pb)からなる群から選択される金属を含む。
実施の形態によっては、金属カチオンは、Fe2+、Fe3+、Al3+、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Cr2+、Cr3+、Cr4+、Cr5+、Cr6+、V4+、V5+及びTi4+からなる群から選択される。実施の形態によっては、金属カチオンは、Fe3+又はAl3+である。実施の形態によっては、金属カチオンは、塩、又はその溶媒和物若しくは水和物を形成している。例えば、金属塩は、FeCl、FeCl、FeF、FeSO、Fe(SO、KFe(CN)、Fe(P、FePO、Fe(ClO、Fe(C、Fe(NO、FeBr、AlBr、AlCl、AlF、Al(PO、Al(NO、AlNH(SO、Al(SO、KAl(SO(ミョウバン)、CaBr、CaCl、Ca(NO、MgCl、及びMgBr、並びにこれらの溶媒和物又は水和物からなる群から選択してもよい。他の実施の形態において、金属カチオンは、酸化物若しくは金属水酸化物、又は、その溶媒和物若しくは水和物を形成している。例えば、金属酸化物又は水酸化物は、Fe、FeO、FeNiO、Fe、Fe(OH)、Fe(OH)、FeOOH、アルモシリカート(SiO)x(Al、Al、Al/ZnO、ZnO、CaO、Mg(OH)、及びAl(OH)、並びにこれらの水和物又は溶媒和物からなる群から選択される。実施の形態によっては、金属カチオン、又は金属カチオンを含む化合物(例えば、金属塩、酸化物若しくは水酸化物)は、水溶性である。例えば、実施の形態によっては、化合物の水溶解度の範囲は、水溶液の約5wt.%から約75wt.%とすることができる(例えば、化合物の水溶解度は、水溶液の約10wt.%、約15wt.%、約20wt.%、又は約30wt.%である)。
[本開示の被覆シリカ粒子を含む組成物]
本開示はまた、本書で先に述べた被覆シリカ粒子を含む組成物を提供する。実施の形態によっては、本開示は、被覆シリカ粒子を含む粒状物質を含む組成物を提供する。例えば、粒状物質は、カチオン種で被覆していないシリカと、カチオン種で被覆した少なくとも1種のシリカ粒子とを含んでもよい。別の例において、組成物は、複数種の被覆シリカ粒子を含有する。実施の形態によっては、組成物は、カチオン種で被覆したシリカ粒子のみを含む粒状物質を含み、非被覆シリカを含まない。実施の形態によっては、組成物は、重量で少なくとも約25%、約35%、約50%、約60%、約75%、約90%、又は約99%のカチオン種で被覆したシリカ粒子を含む粒状物質を含み、粒状物質の残量が非被覆シリカ粒子である。他の実施の形態において、組成物は、重量で100%の複数種の被覆シリカ粒子を含む粒状物質を含む。
実施の形態によっては、組成物中の粒状物質の量の範囲は、約1wt.%から約90wt.%、約1wt.%から約80wt.%、約1wt.%から約70wt.%、約1wt.%から約60wt.%、約1wt.%から約50wt.%、約1wt.%から約40wt.%、約1wt.%から約35wt.%、約1wt.%から約25wt.%、約1wt.%から約20wt.%、又は約1wt.%から約15wt.%である。実施の形態によっては、組成物中の粒状物質の量の範囲は、約5wt.%から約50wt.%、約10wt.%から約50wt.%、約5wt.%から約40wt.%、約10wt.%から約35wt.%、約5wt.%から約35wt.%、約10wt.%から約25wt.%、約5wt.%から約15wt.%、又は約15wt.%から約35wt.%である。実施の形態によっては、組成物中の粒状物質の量は、約5wt.%、約7.5wt.%、約10wt.%、約12.5wt.%、約15wt.%、約20wt.%、約25wt.%、約30wt.%、約35wt.%、約40wt.%約50wt.%、約60wt.%、又は約75wt.%である。
実施の形態によっては、組成物は水性溶媒などの溶媒を含む。実施の形態によっては、水性溶媒は水を含む。実施の形態によっては、水性溶媒は、水以外の溶媒、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン又はこれらの混合物などのアルコールを更に含む。実施の形態によっては、水性溶媒は、重量又は体積で約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、若しくは約90%又はそれ以上の量の水を含み、残量は水以外の溶媒である。実施の形態によっては、水のみが組成物中の溶媒である。
実施の形態によっては、組成物は、重量又は体積で約10%から約90%、約10%から約80%、約10%から約70%、約10%から約60%、約10%から約50%、約50%から約90%、又は約50%から約75%の範囲の溶媒を含む。これらの実施の形態の態様によっては、溶媒は水である。
実施の形態によっては、組成物のpHは、約7から約12、約7.5から約12、約8から約12、約8から約11、約9から約12、又は約9から約11である。組成物のpHは、例えば、組成物の安定性を確保し、組成物中の粒状物質の凝集を防ぎ、組成物の早期硬化を防ぐのに十分である。実施の形態によっては、組成物の粘度範囲は、約1センチポアズ(cP)から約20cP、約1cPから約18cP、約1cPから約15cP、約1cPから約12cP、約1cPから約10cP、約1cPから約8cP、約1cPから約5cP、約5cPから約20cP、約5cPから約15cP、約5cPから約10cP、又は約8cPから約10cPである。組成物の粘度は、組成物を従来の坑井設備を使用して(例えば、コイル配管設備を使用して)地下層の対象ゾーンに簡便かつ適時に配置できるよう、例えば、組成物の流動性を確保するのに十分である。
実施の形態によっては、微粒子シリカ材料と溶媒のみが、組成物中の原材料である。他の実施の形態において、組成物は、活性化剤を更に含む。実施の形態によっては、本開示の組成物は硬化性であり、即ち、組成物は、一定時間後に硬質ゲルを形成する(例えば、組成物は、遅延ゲル化組成物である)。実施の形態によっては、組成物は、流動できない場合に硬質ゲルであるとみなされる。実施の形態によっては、組成物は、組成物の形成から約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約8時間、約10時間、若しくは約12時間又はそれ以上後に硬質ゲルを形成する。実施の形態によっては、組成物は、活性化剤なしで硬質ゲルを形成してもよい。他の実施の形態において、組成物は、組成物中の活性化剤の存在に起因して硬質ゲルを形成する。硬質ゲルの形成が可能であるのは、シリカ粒子(例えば、被覆シリカ粒子)が凝集して固結材料を形成するからである。実施の形態によっては、硬化性組成物は、組成物のpHが、例えば7未満のpHに変化すると硬質ゲルを形成する。例によっては、組成物は、約7、約6.5、約6、約5.5、約5、又は約4のpHで硬質ゲルを形成する。酸性のpH範囲では、シリカ粒子は凝集して固結材料を形成する。実施の形態によっては、硬化性組成物は、周囲温度で硬質ゲルを形成する。実施の形態によっては、硬化性組成物は、周囲温度未満の温度で(例えば、地下温度が周囲温度未満である場合)硬質ゲルを形成する。実施の形態によっては、硬化性組成物は、高温で(例えば、地下温度が周囲温度より高い場合)硬質ゲルを形成する。これらの実施の形態の態様によっては、硬化性組成物は、華氏約50度(F)から約500F、約50Fから約450F、約50Fから約400F、約50Fから約350F、約75Fから約500F、約75Fから約350F、約75Fから約250F、約150Fから約500F、約150Fから約350F、又は約150Fから約250Fの範囲の温度で硬固結ゲルを形成する。
実施の形態によっては、組成物は、活性化剤を含む。活性剤の適切な例としては、ケイ酸ナトリウム(Naケイ酸塩)又はケイ酸カリウム(Kケイ酸塩)などのアルカリケイ酸塩が挙げられる。Naケイ酸塩は、本開示で用いる場合、式(NaSiOOの化合物を指す。実施の形態によっては、Naケイ酸塩は、メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)又は式(NaSiOOの高分子ケイ酸塩化合物である。同様に、Kケイ酸塩は、本開示で用いる場合、式(KSiOOの化合物を指す。実施の形態によっては、Kケイ酸塩は、メタケイ酸カリウム(KSiO)又は式(KSiOOの高分子ケイ酸塩化合物である。実施の形態によっては、活性剤は、シリカ粒子のカチオン性被膜と砂粒子との間の相互作用を促進する。
組成物中の活性剤の量は、例えば、組成物中の被覆シリカを活性化し、組成物の被覆シリカによる砂固結速度を高めるのに十分な量である。実施の形態によっては、活性剤は、約100℃から約200℃などの高温で活性化する。実施の形態によっては、活性化剤は組成物の硬化を促進する。実施の形態によっては、組成物が含む活性化剤の量の範囲は、約0.1wt.%から約10wt.%、約0.1wt.%から約8wt.%、約0.1wt.%から約5wt.%、約0.25wt.%から約10wt.%、約0.25wt.%から約5wt.%、約0.25wt.%から約4wt.%、約0.5wt.%から約10wt.%、約0.5wt.%から約7.5wt.%、約0.5wt.%から約5wt.%、約1wt.%から約10wt.%、約1wt.%から約7.5wt.%、約2wt.%から約5wt.%、又は約1wt.%から約5wt.%である。実施の形態によっては、組成物は、約0.1wt.%、約0.25wt.%、約0.5wt.%、約1wt.%、約2wt.%、約3wt.%、約4wt.%、約5wt.%、約7.5wt.%、又は約10wt.%の活性化剤を含む。
実施の形態によっては、活性化剤はpH調整剤である。例えば、pH調整剤は、組成物のpHを下げることができる化学物質である。一例では、pH調整剤はエステル化合物である。エステル化合物は、次の化学式:R−C(=O)O−R’で表すことができ、式中、R及びR’は、それぞれ独立して任意選択で置換されたC1−10アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)であるか、又は、任意選択で置換されたC6−10アリール(例えば、フェニル)、C3−7シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)若しくはC3−7ヘテロシクロアルキル(例えば、テトラヒドロフラニル)である。任意選択の置換基としては、OH、NH、SH、CN、ハロ(halo、halogen)、及び同様の基が挙げられる。実施の形態によっては、エステル化合物は、ギ酸、イソ酪酸、酢酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸及びこれらの組合せからなる群から選択される有機酸のエステルである。実施の形態によっては、エステル化合物は、ギ酸エチル、ギ酸メチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリメチル、二ギ酸ジエチレングリコール、二ギ酸エチレングリコール、二ギ酸ジプロピレングリコール、乳酸エチル、乳酸メチル、及びこれらの組合せからなる群から選択される。実施の形態によっては、エステル化合物は、高分子材料(例えば、ポリラクチド樹脂)である。実施の形態によっては、エステル化合物は、組成物の形成から一定時間(例えば、約3時間)後に組成物中で加水分解して対応する酸(例えば、ギ酸又は乳酸)を生成し、それによって組成物のpHを下げ、組成物の硬化を活性化する。実施の形態によっては、エステル化合物の加水分解は、組成物のpHを約6、約5、又は約4に下げる。実施の形態によっては、組成物中のエステル化合物は、地下温度で加水分解する。実施の形態によっては、エステル化合物は、約50Fから約500F、約50Fから約350F、約50Fから約250F、約75Fから約500F、約75Fから約350F、約75Fから約250F、約150Fから約500F、又は約150Fから約250Fの温度で加水分解する。実施の形態によっては、組成物は、組成物の約0.1wt.%から約10wt.%、約0.1wt.%から約5wt.%、約0.25wt.%から約10wt.%、約0.25wt.%から約4wt.%、又は約1wt.%から約5wt.%の量のエステル化合物を含む。
実施の形態によっては、組成物は、イオン強度調整剤を含む活性化剤を含む。実施の形態によっては、イオン強度調整剤は、アルカリ又はアルカリ土類金属塩などの無機電解質である。これらの実施の形態の態様によっては、金属塩は、KCl、NaCl、NBr、NaBr、CaCl、CaBr、LiCl、KNO、Na(SO、及びこれらの組合せからなる群から選択される。実施の形態によっては、イオン強度調整剤は、シリカ粒子の凝集を促進し、それによって組成物の硬化及び固結を促進する。実施の形態によっては、組成物は、組成物の約0.1wt.%から約10wt.%、約0.1wt.%から約5wt.%、約0.25wt.%から約10wt.%、約0.25wt.%から約5wt.%、又は約1wt.%から約5wt.%の量のイオン強度調整剤を含む。
実施の形態によっては、組成物は、本書で先に開示したいずれかの量でpH調整剤とイオン強度調整剤とを含む。実施の形態によっては、本願は、本書で後述する方法のいずれかによって調製された被覆シリカ粒子を含む組成物を提供する。
[被覆シリカ粒子及び組成物の製造]
本願はまた、(i)固体シリカ粒子と溶媒とを含むコロイド分散物を得るステップと;(ii)カチオン種を得るステップと;(iii)被覆シリカ粒子を得るために、ステップ(i)のコロイド分散物をステップ(ii)のカチオン種と組み合わせるステップとを含む、本書で先に述べた被覆シリカ粒子を製造する方法を提供する。実施の形態によっては、コロイド分散物は、分散相と連続相を含み、分散相は固体シリカ粒子(例えば、複数種の固体シリカ粒子)を含み、連続相は溶媒(例えば、水)を含む。
分散物中の固体シリカ粒子はコアと外表面とを含む。シリカ粒子のコアはSiOを含み、任意選択で他の材料(例えば、本書で被覆シリカ粒子に関して先に述べたAl、Si、C、SiC、SiCl)を含む。シリカ粒子の外表面は、シラノール基とシリルオキシアニオンと(例えば、図2A及び2B参照)を含む。実施の形態によっては、固体シリカ粒子の外表面は負電荷を帯びている。例えば、シリカ粒子の外表面上のシラノール双極子とシリルオキシアニオンが、外表面の正味の負電荷に寄与する。コロイド分散物は、微粒子シリカ材料(例えば、複数種の固体シリカ粒子)を含む。実施の形態によっては、シリカ粒子は単分散である(例えば、被覆シリカ粒子に関して先に述べたように、均一な大きさ、形状、及び組成を有する)。実施の形態によっては、微粒子シリカ材料のみが、分散物の分散相の構成要素である。他の実施の形態において、分散物の分散相は、微粒子シリカ以外の材料(例えば、砂、クレイ、又はセメント)を含む。分散物の連続相中の溶媒は、水以外の溶媒(本書で先に述べたアルコール他の溶媒など)を含んでもよい。実施の形態によっては、水のみが分散物中の溶媒である。実施の形態によっては、分散物中の微粒子シリカは、約10平方メートル毎グラム(m/g)から約2,000m/g、約20m/gから約1,500m/g、又は約30m/gから約1,000m/gの範囲の分散物の単位質量当たりの表面積を有する。実施の形態によっては、分散物中の固体シリカ粒子は、ミクロ粒子又はナノ粒子(例えば、被覆シリカ粒子に関して先に述べたような)である。実施の形態によっては、固体シリカ粒子は、約1nmから約1,000nm、約1nmから約500nm、約1nmから約150nm、約1nmから約50nm、約4nmから約50nm、又は約5nmから約17nmの範囲の大きさ(例えば、直径)のナノ粒子である。実施の形態によっては、分散物中の微粒子シリカ材料の量の範囲は、約1wt.%から約90wt.%、約5wt.%から約75wt.%、約10wt.%から約75wt.%、約5wt.%から約50wt.%、又は約10wt.%から約50wt.%である。実施の形態によっては、分散物中の微粒子シリカ材料の量は、約5wt.%、約10wt.%、約15wt.%、約20wt.%、約35wt.%、又は約50wt.%である。Akzo Nobelが供給するCembinder(登録商標)50はコロイドシリカ分散物の例であるが、これに限定されない。
実施の形態によっては、カチオン種は、溶媒に溶解させた溶液、例えば、PDADMACを、水、又は、水と本書において先に述べたアルコールとの混合物に溶解させた溶液として得てもよい。実施の形態によっては、カチオン種は、水の中の混合物(例えば溶液)として得てもよい。実施の形態によっては、溶液中のカチオン種の濃度は、約5wt.%から約75wt.%、約10wt.%から約75wt.%、約5wt.%から約50wt.%、又は約10wt.%から約50wt.%である。実施の形態によっては、溶媒との混合物中のカチオン種の濃度は、約5wt.%、約10wt.%、約15wt.%、約20wt.%、約35wt.%、又は約50wt.%である。実施の形態によっては、ステップ(ii)で得られるカチオン種の量の範囲は、固体微粒子シリカを含むコロイド状分散物の量に対して約0.01wt.%から約5wt.%、約0.05wt.%から約5wt.%、約0.1wt.%から約5wt.%、約0.25wt.%から約5wt.%、約0.5wt.%から約5wt.%、約1wt.%から約5wt.%、約0.1wt.%から約4wt.%、又は約0.1wt.%から約2wt.%である。
実施の形態によっては、組み合わせるステップは、ステップ(ii)で得られたカチオン種を、ステップ(i)で得られたコロイド分散物に添加するステップを含む。他の実施の形態において、組み合わせるステップは、ステップ(i)で得られたコロイド状分散物を、ステップ(ii)で得られたカチオン種へ添加するステップを含む。実施の形態によっては、組み合わせるステップは、カチオン種をコロイド状分散物へ均等に分散させるステップを含む。図3を参照すると、カチオン種(例えば、PDADMAC)とコロイド分散物とを組み合わせるステップに続き、カチオン種が、例えば、シリカ粒子の外表面のシラノール双極子とシリルオキシアニオンとに非共有結合することにより分散物中の固体シリカ粒子を被覆して、本書で先に述べた被覆シリカ粒子を形成する。カチオン種中の正電荷を帯びたカチオン性の中心が、正電荷を帯びた原子と、シリカ粒子の外表面上の負電荷を帯びたシラノール基及びシリルオキシアニオンとの間の静電引力ゆえに、結合を促進する。実施の形態によっては、組み合わせるステップは、シリカ分散物とカチオン種との混合物(例えば、反応混合物)を連続して撹拌するステップを含む。撹拌するステップは、かき混ぜ、かき回し、振とう、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。反応混合物の撹拌は、当該分野で公知な任意の従来の設備及びプロトコル、例えば従来の混合器を用いて行ってもよい。反応混合物は、典型的には本書で先に述べた被覆シリカ粒子の生成に十分な時間(例えば、約1分間から約30分間、約1分間から約20分間、約1分間から約15分間、約1分間から約10分間、又は約1分間から約5分間)、撹拌される。
実施の形態によっては、本方法は、活性剤を得るステップを含む。実施の形態によっては、活性剤は、溶媒に溶解させた溶液、例えば水、又は、水とアルコールとの混合物に溶解させたNaケイ酸塩又はKケイ酸塩の溶液として得てもよい。実施の形態によっては、本方法は、活性剤をステップ(i)で得られた固体シリカ粒子のコロイド分散物と組み合わせるステップを含む。実施の形態によっては、本方法は、活性剤をステップ(ii)で得られたカチオン種と組み合わせるステップを含む。実施の形態によっては、本方法は、活性剤をステップ(iii)で得られた被覆シリカ粒子と組み合わせるステップを含む。
実施の形態によっては、本方法は、反応混合物から溶媒(例えば水)を除去してカチオン種で被覆した固体シリカ粒子(例えば、被覆粒子を含む粉末粒状物質)を得るステップを更に含む。溶媒は、回転蒸発又は凍結乾燥のような任意の従来の手法によって除去してもよい。
実施の形態によっては、本願は、先に述べた被覆シリカ粒子を含む組成物(例えば、硬化性遅延ゲル化組成物)を製造する方法を提供する。実施の形態によっては、組成物を製造する方法は、カチオン種で被覆した固体シリカ粒子(例えば、複数種の被覆粒子を含む粒状物質)と溶媒(例えば、水、又は、水/アルコール混合物)とを組み合わせるステップを含む。他の実施の形態において、先に述べた被覆シリカ粒子を製造する方法のいずれかを用いて被覆粒子を含む硬化性遅延ゲル化組成物を調製してもよい。これらの実施の形態の態様によっては、組成物を製造する方法は、(i)固体シリカ粒子と溶媒を含むコロイド分散物を得るステップと;(ii)カチオン種を得るステップと;(iii)ステップ(i)のコロイド分散物をステップ(ii)のカチオン種と組み合わせて、被覆シリカ粒子を含む硬化性組成物(例えば、被覆シリカ粒子又は複数種の被覆シリカ粒子を含む粒状物質)を得るステップとを含む。こうした方法の非限定的な実施の形態は、本書において被覆シリカ粒子を調製する方法に関して先に述べた実施の形態である。実施の形態によっては、硬化性組成物を製造する方法は、少なくとも1種の活性化剤を組成物/分散物/反応混合物に添加するステップを含む。例えば、本書において先に述べた活性化剤のいずれか1種を、先に述べたいずれかの量で組成物へ添加できる。活性化剤は、溶液の形態で組成物/分散物/反応混合物へ添加してもよい。例えば、活性化剤がNaClのようなイオン強度調整剤である場合、溶液中のイオン強度調整剤の濃度範囲は、約1重量対体積パーセント(%w/v)から約30%w/v、約5%w/vから約25%w/v、又は約5wt.%から約15wt.%とすることができる。実施の形態によっては、本方法は、少なくとも2種の活性化剤(例えば、イオン強度調整剤とpH調整剤)を組成物へ添加するステップを含む。組成物の成分を、従来の破砕用混合器を用いるその使用場所(例えば坑井近傍)で混合してもよい。
[地下層を固結するための被覆粒子及び組成物を用いる方法]
実施の形態によっては、本願は、インコンピテント層に、本書で先に述べた被覆シリカ粒子を含む組成物を接触させるステップを含む、インコンピテント地下層を固結させる方法を提供する。実施の形態によっては、接触させるステップは、地下粒子の固結塊を提供する。インコンピテントな未固結地下層は、可採流体が地層を通って流れる際に地層から運ばれ得る緩く結合した粒子を含有する。地層は、構造的支持を失い、浸食され、崩壊して坑井及び設備の損傷につながる可能性がある。緩い地下粒子は、砂岩、砂利、石灰岩、石英、ゼオライト、シルト岩若しくは頁岩、又はこれらの任意の組合せなどの、砂、クレイ、又は岩の粒を含む可能性がある。最も頻繁には、インコンピテント地下層は、緩く固結した砂粒を含有する。地層の未固結砂粒子に本硬化性遅延ゲル化組成物を接触させるステップにより、接触点で砂粒を結合させることができる。これにより、地層を固結させる強固に固結したマトリクスが創出される。
未固結砂粒(又は粒子)の表面は正味の負電荷を有する。カチオン種で被覆した正電荷を帯びたシリカ粒子は、静電引力ゆえに未固結層砂粒子上で自己集合して固結材の層を形成できる。図4を参照すると、正負界面(3)の地層(1)において組成物が硬化すると、未固結砂粒子(2)の周囲に固結シリカナノ粒子(4)を含有する硬質ゲルの薄層が形成される。この硬質ゲルは、処理された固結材料を通る所望の気孔率も維持したまま砂粒を結合して、炭化水素のような可採流体の生産を促すことができる。被覆シリカ粒子の同様の正電荷は、被覆粒子間の反発につながり、組成物の低粘度(例えば、約5cPから約10cPの粘度)を維持し、組成物が、例えばコイル配管で送達される間での早期硬化阻止に役立つ。組成物は、対象ゾーンへ送達される場合、砂制御経口丸剤(sand control pill)と呼ばれる。正電荷を帯びた個々のカチオン種と被覆シリカ粒子との間の電荷反発が、被覆シリカの望ましくない凝集を防ぐ。更に、同様の電荷反発力により、未固結層における砂粒の表面の単分子層被膜が確保される。正電荷を帯びたシリカ粒子は、地層中の負電荷を帯びた砂粒に対して親和性があり、未固結層の負電荷を帯びた粒の表面に薄層被膜を生成する。
実施の形態によっては、インコンピテント層には坑井が貫通する。硬化性組成物を、例えば、従来のコイル配管設備を用いて、処理を要する対象インコンピテントゾーンへ送達してもよい。実施の形態によっては、地層は、可採流体、例えば、水、又は、石油若しくは天然ガスなどの炭化水素を含んでいる。実施の形態によっては、本書において先に述べた組成物及び方法を用いてインコンピテント層を固結させると、結果として得られる固結層は、採取される流体に対して透過性を保つ。実施の形態によっては、本方法は、固結層から流体(例えば油、オイル)を生産するステップを更に含む。坑井からの流体の生産は、当該分野で一般的に公知な任意の従来設備を用いて達成できる。
実施の形態によっては、地下粒子の固結塊を含む固結層は、約700重量ポンド(lbf)、約800lbf、約900lbf、約100lbf、又は約1,200lbfを超える圧負荷に耐えることができる。実施の形態によっては、粒子の固結塊は、約700lbfから約1000lbfの範囲の負荷圧力を保持し得る。実施の形態によっては、単一の砂制御経口丸剤で送達される硬化性組成物の量の範囲は、約100ガロンから約5,000ガロン、約200ガロンから約4,500ガロン、約300ガロンから約4,000ガロン、約400ガロンから約4,000ガロン、又は約500ガロンから約3750ガロンであってもよい。対象ゾーンへ送達し得る組成物の量は、貯留層の厚さ(例えば、地層の垂直方向厚さが約20フィート(ft.)から約150ft.)など、熟練した石油エンジニアによって特定される様々な要因に依存する。実施の形態によっては、地層厚さ20フィート毎の硬化性組成物の体積を約500ガロンとすることができる。
[実施例1−被覆シリカナノ粒子の調製]
5ミリリットル(mL)のCembinder(登録商標)50(Akzo Nobel)コロイド状ナノシリカをビーカーに添加した。
表1:Cembinder(登録商標)50コロイド状製品はAkzo Nobelから供給されたもので、下記特性を有していた:
Figure 2020522588
Cembinder(登録商標)50を容れたビーカーに、0.5mLの25%NaCl水溶液を絶えず撹拌しながら滴加した。結果として得た混合物を5分間混合した。これに続き、ナノシリカをカチオン性調整剤で改質した。使用したカチオン性調整剤は、Clay Master(商標)5C(Baker Hughes)であり、これは、Baker Hughesが供給するポリアミン錯塩である。Clay Master(商標)5Cは、化学名1,2−エタンジアミニウム, N,N’−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ジメチル−, テトラクロリドのポリアミンである(Baker Hughesが市販する調合物は、活性成分の30wt.%から60wt.%溶液である)。ナノシリカ改質は、0.1mLのClay Master(商標)5CをナノシリカとNaClの混合物へ添加することにより、その場で行った(ナノシリカとNaCl溶液との量に対して2v/v%のClay Master(商標)5C)。
[実施例2−砂固結のための被覆シリカナノ粒子の使用]
実施例1において調製した溶液を更に5分間撹拌した後、5グラムの100メッシュ砂を連続撹拌しながら溶液へゆっくり添加した。これにより、砂をカチオン性改質ナノシリカで均一に被覆した。ナノシリカ被覆砂を試験管に詰め、100℃のオーブンに入れて24時間にわたって硬化させた。24時間の後、砂は、図5に示すように、完全に固結していることが認められた。固結した砂粒子は、700lbfから1000lbfの間の印加された圧負荷に耐える強度を有していた。固結砂粒子の一軸圧縮強度(UCS)を測定するため、圧縮強度を一軸応力負荷フレームによって特定した。寸法が直径1インチ、長さ2インチである円筒形固結コアを用いた。周りを拘束せずに平坦な両端に負荷をかけた。固結コアの破壊時点の応力が固結砂粒子のUCSである(例えば、700lbfから1000lbfの間の圧負荷)。
固結砂詰めが透過性を持つか否か確認するため、先に述べたもの同じ調合物を以下のように10mLシリンジに詰めた。緩い砂粒子をシリンジに詰めた。続いて処理溶液を注入した。処理したシリンジを、温度100℃のオーブンに24時間放置した。指定時間後、シリンジから取り出した固結砂詰めを得た。2mLの2%NaCl水溶液を、固結砂詰めを通して注入した。砂詰めがNaCl溶液を吸収することが観察された。
[実施例3−カチオン性ナノシリカのゲル化]
34.5mLのLevasil(登録商標)30−516Pナノシリカ(Akzo Nobel)をビーカーに容れた。Levasil(登録商標)30−516Pナノシリカは、全体に正の表面電荷を帯びている。
表2:Levasil(登録商標)30−516Pコロイド状製品はAkzo Nobelから供給され、下記特性を有していた:
Figure 2020522588
このビーカーに、0.5mlの25%NaCl水溶液を絶えず撹拌しながら滴加した。結果として得られた混合物を、5分間混合した。続いて、5mLのClay Master(商標)5Cを添加した。混合物を5分間撹拌した。撹拌後、20:40メッシュと100メッシュの砂の1:1混合物40グラムを、連続撹拌しながら溶液にゆっくりと添加した。これにより、砂をカチオン種で均一に被覆した。被覆砂を試験管に詰め、100℃のオーブンに入れた。被覆砂の硬化に関し、1時間毎に試験管を観察した。砂は、試験管を反転させても流動しなければ、完全に硬化したとみなした。
別の実験では、37mLのLevasil(登録商標)30−516Pをビーカーに容れた。このビーカーに、0.5mlの25%NaCl水溶液を絶えず撹拌しながら滴加した。結果として得られた混合物を5分間混合した。これに続き、2.5mLのClay Master(商標)5Cを添加した。混合物を5分間撹拌した。撹拌後、20:40メッシュ及び100メッシュの砂の1:1混合物40グラムを、連続撹拌しながらゆっくりと溶液へ添加した。被覆砂を試験管に詰め、100℃のオーブンに入れた。被覆砂の硬化に関し、1時間毎に試験管を観察した。
上記の両実験では、24時間後に砂は完全に硬化したことが観察された。
[実施例4−代替活性剤によるナノシリカのゲル化]
Levasil(登録商標)30−516Pナノシリカの代替活性剤としてNaケイ酸塩とKケイ酸塩をそれぞれ用いた。これらの活性剤を用いた様々な調合物を調べた。これらの調合物を用いた硬化時間に関する結果を表3に示す。
下記の混合手順を用いて調合物を混合した。すなわち、Levasil(登録商標)30−516Pナノシリカをビーカーに容れた。このビーカーに、Naケイ酸塩又はKケイ酸塩溶液を絶えず撹拌しながら滴加した。結果として得た混合物を5分間混合した。続いて、Clay Master(商標)5Cを添加した。混合物を5分間撹拌した。撹拌後、20:40メッシュと100メッシュの砂の1:1混合物40グラムを連続撹拌しながら溶液へゆっくりと添加した。被覆砂を試験管に詰め、100℃のオーブンに入れた。被覆砂の硬化に関し、1時間毎に試験管を観察した。
表3:Naケイ酸塩、Kケイ酸塩及びClay Master(商標)5Cを用いたLevasil(登録商標)30−516Pナノシリカの硬化時間:
Figure 2020522588
硬化した砂詰めが透過性を有するか否か確認するため、実施例2で述べたように、調合物を10mLシリンジに詰めた。砂詰めを処理流体で処理した後、シリンジを100℃のオーブンに24時間保持した。指定時間後、シリンジから固結砂詰めを得た。2%NaCl水溶液を、固結砂詰めを通して連続注入した。NaCl溶液が抵抗なく砂詰めを通過することが観察され、砂詰めが透過性を有することが示された。
[特定の実施の形態]
実施の形態1.被覆シリカ粒子であって、粒子の外表面に非共有結合したカチオン種を含む粒子。
実施の形態2.粒子はナノ粒子を含む、実施の形態1の粒子。
実施の形態3.粒子の外表面は負電荷を帯びている、実施の形態1又は実施の形態2の粒子。
実施の形態4.粒子の外表面は正電荷を帯びている、実施の形態1又は実施の形態2の粒子。
実施の形態5.ナノ粒子の直径は約1nmから約500nmである、実施の形態2乃至実施の形態4のいずれか1つの粒子。
実施の形態6.ナノ粒子の直径は約1nmから約150nmである、実施の形態2乃至実施の形態4のいずれか1つの粒子。
実施の形態7.ナノ粒子の直径は約5nmから約50nmである、実施の形態2乃至実施の形態4のいずれか1つの粒子。
実施の形態8.ナノ粒子の直径は約5nmから約17nmである、実施の形態2乃至実施の形態4のいずれか1つの粒子。
実施の形態9.カチオン種は金属カチオンを含む、実施の形態1乃至実施の形態8のいずれか1つの粒子。
実施の形態10.金属カチオンは2又は2超の酸化状態を含む、実施の形態9の粒子。
実施の形態11.金属カチオンはアルミニウム又は鉄を含む、実施の形態9又は実施の形態10の粒子。
実施の形態12.金属カチオンは、Al、Al(SO、KAl(SO、FeCl及びFe(SO、並びにこれらの水和物又は溶媒和物からなる群から選択される塩又は酸化物を形成する、実施の形態9乃至実施の形態11のいずれか1つの粒子。
実施の形態13.カチオン種はカチオン性ポリマーを含む、実施の形態1乃至実施の形態8のいずれか1つの粒子。
実施の形態14.カチオン性ポリマーは、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ[N−(ジメチルアミノメチル)]−アクリルアミド、ポリ(2−ビニルイミダゾリニウムビスルファート)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(N−ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド、及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施の形態13の粒子。
実施の形態15.カチオン性ポリマーは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を含む、実施の形態13の粒子。
実施の形態16.カチオン性ポリマーの分子量の範囲は、約1,000Daから約1,000,000Daである、実施の形態13乃至実施の形態15のいずれか1つの粒子。
実施の形態17.カチオン性ポリマーの分子量の範囲は、約1,500Daから約500,000Daである、実施の形態13乃至実施の形態15のいずれか1つの粒子。
実施の形態18.カチオン性ポリマーの分子量の範囲は、約1,500Daから約100,000Daである、実施の形態13乃至実施の形態15のいずれか1つの粒子。
実施の形態19.カチオン性ポリマーは水溶性である、実施の形態13乃至実施の形態18のいずれか1つの粒子。
実施の形態20.カチオン種は第四級アンモニウム化合物を含む、実施の形態1乃至実施の形態8のいずれか1つの粒子。
実施の形態21.第四級アンモニウム化合物は、1,2−エタンジアミニウム, N,N’−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ジメチル−, テトラクロリドを含む、実施の形態20の粒子。
実施の形態22.シリカ粒子の重量に対するカチオン種の量の範囲は、約5wt.%から約20wt.%である、実施の形態1乃至実施の形態21のいずれか1つの粒子。
実施の形態23.被覆粒子は正味の正電荷を含む、実施の形態1乃至実施の形態22のいずれか1つの粒子。
実施の形態24.カチオン種とシリカ粒子の外表面との間の非共有結合は静電相互作用を含む、実施の形態1乃至実施の形態23のいずれか1つの粒子。
実施の形態25.静電相互作用は、シリカ粒子の負電荷を帯びた外表面と正電荷を帯びたカチオン種との間の引力を含む、実施の形態24の粒子。
実施の形態26.静電相互作用は、シリカ粒子の外表面上のシラノール基又はシリルオキアニオンと正電荷を帯びたカチオン種との間の引力を含む、実施の形態25の粒子。
実施の形態27.シリカ粒子の外表面に非共有結合するカチオン種を含む被覆シリカ粒子を製造する方法であって、
(i)分散相中の固体シリカ粒子と連続相中の溶媒とを含むコロイド分散物を得るステップと;
(ii)カチオン種を得るステップと;
(iii)ステップ(i)のコロイド分散物をステップ(ii)のカチオン種と組み合わせて被覆シリカ粒子を得るステップと;を含む方法。
実施の形態28.固体シリカ粒子はナノ粒子である、実施の形態27の方法。
実施の形態29.ナノ粒子の直径は、約1nmから約500nmである、実施の形態28の方法。
実施の形態30.ナノ粒子の直径は、約1nmから約150nmである、実施の形態28の方法。
実施の形態31.ナノ粒子の直径は、約5nmから約50nmである、実施の形態28の方法。
実施の形態32.ナノ粒子の直径は、約5nmから約17nmである、実施の形態28の方法。
実施の形態33.コロイド分散物の連続相中の溶媒は水を含む、実施の形態27乃至実施の形態32のいずれか1つの方法。
実施の形態34.コロイド分散物中の分散相の量の範囲は、約5wt.%から約50wt.%である、実施の形態27乃至実施の形態33のいずれか1つの方法。
実施の形態35.コロイド分散物中の分散相の量は、約15wt.%である、実施の形態27乃至実施の形態33のいずれか1つの方法。
実施の形態36.無機塩の溶液をコロイド分散物へ添加するステップを更に含む、実施の形態27乃至実施の形態35のいずれか1つの方法。
実施の形態37.無機塩はNaClを含む、実施の形態36の方法。
実施の形態38.溶液中の無機塩の濃度範囲は、約1%w/vから約30%w/vである、実施の形態36又は実施の形態37の方法。
実施の形態39.無機塩の溶液の量の範囲は、コロイド状分散物の量に対して約5wt.%から約15wt.%である、実施の形態34乃至実施の形態36のいずれか1つの方法。
実施の形態40.カチオン種は金属カチオンを含む、実施の形態27乃至実施の形態39のいずれか1つの方法。
実施の形態41.金属カチオンは2つ又は2超の酸化状態を含む、実施の形態40の方法。
実施の形態42.金属カチオンはアルミニウム又は鉄を含む、実施の形態40又は実施の形態41の方法。
実施の形態43.金属カチオンは、Al、Al(SO、KAl(SO、FeCl及びFe(SO、並びにこれらの水和物又は溶媒和物からなる群から選択される塩又は酸化物を形成する、実施の形態40乃至実施の形態42のいずれか1つの方法。
実施の形態44.カチオン種はカチオン性ポリマーを含む、実施の形態27乃至実施の形態39のいずれか1つの方法。
実施の形態45.カチオン性ポリマーは、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ[N−(ジメチルアミノメチル)]−アクリルアミド、ポリ(2−ビニルイミダゾリニウムビスルファート)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(N−ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド、及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施の形態44の方法。
実施の形態46.カチオン性ポリマーは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を含む、実施の形態44の方法。
実施の形態47.カチオン性ポリマーの分子量の範囲は、約1,000Daから約1,000,000Daである、実施の形態44乃至実施の形態46のいずれか1つの方法。
実施の形態48.カチオン性ポリマーの分子量は、約1,500Daから約500,000Daである、実施の形態44乃至実施の形態46のいずれか1つの方法。
実施の形態49.カチオン性ポリマーの分子量は、約1,500Daから約100,000Daである、実施の形態44乃至実施の形態46のいずれか1つの方法。
実施の形態50.カチオン性ポリマーは水溶性である、実施の形態44乃至実施の形態49のいずれか1つの方法。
実施の形態51.カチオン種は第四級アンモニウム化合物を含む、実施の形態27乃至実施の形態39のいずれか1つの方法。
実施の形態52.第四級アンモニウム化合物は、1,2−エタンジアミニウム, N,N’−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N,N’−ジメチル−, テトラクロリドを含む、実施の形態51の方法。
実施の形態53.カチオン種は溶液の形態である、実施の形態27乃至実施の形態52のいずれか1つの方法。
実施の形態54.溶液は水溶液を含む、実施の形態53の方法。
実施の形態55.溶液中のカチオン種の濃度範囲は、約10wt.%から約50wt.%である、実施の形態53又は実施の形態54の方法。
実施の形態56.カチオン種の量の範囲は、コロイド状分散物の量に対して約0.1wt.%から約2wt.%である、実施の形態27乃至実施の形態55のいずれか1つの方法。
実施の形態57.組み合わせるステップは、カチオン種をコロイド分散物へ添加するステップを含む、実施の形態27乃至実施の形態56のいずれか1つの方法。
実施の形態58.組み合わせるステップに続き、被覆シリカ粒子を得るのに十分な時間連続して反応混合物を撹拌するステップを行う、実施の形態27乃至実施の形態57のいずれか1つの方法。
実施の形態59.時間は約1分間から約15分間の範囲である、実施の形態58の方法。
実施の形態60.組み合わせるステップは、カチオン種のシリカ粒子の外表面への非共有結合を含む、実施の形態27乃至実施の形態59のいずれか1つの方法。
実施の形態61.カチオン種とシリカ粒子の外表面との間の非共有結合は静電相互作用を含む、実施の形態60の方法。
実施の形態62.静電相互作用は、シリカ粒子の負電荷を帯びた外表面と正電荷を帯びたカチオン種との間の引力を含む、実施の形態61の方法。
実施の形態63.静電相互作用は、シリカ粒子の外表面上のシラノール基又はシリルオキシアニオンと正電荷を帯びたカチオン種との間の引力を含む、実施の形態62の方法。
実施の形態64.活性剤を、固体シリカ粒子を含むコロイド分散物と組み合わせるステップを更に含む、実施の形態27乃至実施の形態63のいずれか1つの方法。
実施の形態65.活性剤はアルカリケイ酸塩である、実施の形態64の方法。
実施の形態66.アルカリケイ酸塩は、Naケイ酸塩及びKケイ酸塩から選択される、実施の形態65の方法。
実施の形態67.実施の形態27乃至実施の形態66のいずれか1つの方法により調製される被覆シリカ粒子。
実施の形態68.実施の形態1乃至実施の形態26及び67のいずれか1つの被覆シリカ粒子を含む粒状物質を含む硬化性遅延ゲル化組成物。
実施の形態69.組成物中の粒状物質の量は、約10wt.%から約50wt.%である、実施の形態68の組成物。
実施の形態70.組成物中の粒状物質の量は、約15wt.%である、実施の形態68の組成物。
実施の形態71.溶媒を更に含む、実施の形態68乃至実施の形態70のいずれか1つの組成物。
実施の形態72.溶媒は水を含む、実施の形態71の組成物。
実施の形態73.組成物は約50wt.%から約90wt.%の水を含む、実施の形態72の組成物。
実施の形態74.組成物のpH範囲は約9から約11である、実施の形態68乃至実施の形態73のいずれか1つの組成物。
実施の形態75.組成物の粘度範囲は約5cPから約10cPである、実施の形態68乃至実施の形態74のいずれか1つの組成物。
実施の形態76.活性化剤を更に含む、実施の形態68乃至実施の形態75のいずれか1つの組成物。
実施の形態77.活性化剤はpH調整剤を含む、実施の形態76の組成物。
実施の形態78.pH調整剤はエステル化合物を含む、実施の形態77の組成物。
実施の形態79.エステル化合物は、ギ酸エステル、乳酸エステル、及びポリラクチド樹脂からなる群から選択される、実施の形態78の組成物。
実施の形態80.エステル化合物は、二ギ酸ジエチレングリコール及び乳酸エチルからなる群から選択される、実施の形態78の組成物。
実施の形態81.エステル化合物は加水分解して酸化合物を生成する、実施の形態78乃至実施の形態80のいずれか1つの組成物。
実施の形態82.エステル化合物の加水分解は、約75Fから約350Fの範囲の温度で起こる、実施の形態81の組成物。
実施の形態83.エステル化合物の加水分解は、約150Fから約250Fの範囲の温度で起こる、実施の形態81の組成物。
実施の形態84.エステル化合物の加水分解は、組成物のpHを約5未満に下げる、実施の形態81乃至実施の形態83のいずれか1つの組成物。
実施の形態85.組成物中のpH調整剤の量の範囲は、約0.25wt.%から約4wt.%である、実施の形態76乃至実施の形態84のいずれか1つの組成物。
実施の形態86.イオン強度調整剤を更に含む、実施の形態76の組成物。
実施の形態87.イオン強度調整剤は無機電解質を含む、実施の形態86の組成物。
実施の形態88.無機電解質は、KCl、NaCl及びNaBrからなる群から選択される、実施の形態87の組成物。
実施の形態89.組成物中のイオン強度調整剤の量の範囲は、約1wt.%から約5wt.%である、実施の形態86乃至実施の形態88のいずれか1つの組成物。
実施の形態90.活性化剤はアルカリケイ酸塩を含む、実施の形態76の組成物。
実施の形態91.アルカリケイ酸塩は、Naケイ酸塩及びKケイ酸塩から選択される、実施の形態90の方法。
実施の形態92.活性化剤は、組成物の硬化を促進するように構成される、実施の形態76乃至実施の形態91のいずれか1つの組成物。
実施の形態93.組成物は、組成物の形成から3時間又は3時間超後に硬固結ゲルを形成するようになされる、実施の形態68乃至実施の形態92のいずれか1つの組成物。
実施の形態94.組成物は、約75Fから約350Fの範囲の温度で硬固結ゲルを形成するようになされる、実施の形態93の組成物。
実施の形態95.組成物は、約150Fから約250Fの範囲の温度で硬固結ゲルを形成するようになされる、実施の形態93の組成物。
実施の形態96.インコンピテント地下層を固結させる方法であって、インコンピテント層に実施の形態68乃至実施の形態95のいずれか1つの硬化性遅延ゲル化組成物を接触させて地下粒子の固結塊を得るステップを含む方法。
実施の形態97.接触させるステップは、硬化性遅延ゲル化組成物を未固結地下粒子の表面に吸着させるステップを更に含む、実施の形態96の方法。
実施の形態98.組成物を硬化させるステップは、地下粒子を未固結地下粒子上に硬質ゲルの層として結合させるステップを含む、実施の形態97の方法。
実施の形態99.地下粒子が砂粒を含む、実施の形態96乃至実施の形態98のいずれか1つの方法。
実施の形態100.地下粒子の固結塊は流体に対して透過性を有する、実施の形態96乃至実施の形態99のいずれか1つの方法。
実施の形態101.地下粒子の固結塊は、約700lbf又は700lbf超の圧負荷を保持する強度を有する、実施の形態100の方法。
実施の形態102.地下粒子の固結塊は、約700lbfから約1000lbfの圧負荷を保持する強度を有する、実施の形態101の方法。
実施の形態103.坑井はインコンピテント地下層を貫通する、実施の形態96乃至実施の形態102のいずれか1つの方法。
実施の形態104.接触させるステップは、コイル配管設備を用いて硬化性遅延ゲル化組成物をインコンピテント地下層へ送達するステップを含む、実施の形態103の方法。
実施の形態105.インコンピテント地下層は炭化水素貯留層を含む、実施の形態96乃至実施の形態104のいずれか1つの方法。
実施の形態106.炭化水素は石油を含む、実施の形態105の方法。
実施の形態107.方法は、固結層から石油を生産するステップを更に含む、実施の形態106の方法。
[他の実施の形態]
本願をその詳細な説明と併せて述べた、先の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本願の範囲を例示することを意図し、限定するものではないことを理解すべきである。他の態様、利点、及び改変は、添付の特許請求の範囲に包含される。

Claims (29)

  1. インコンピテント地下層を固結する方法であって、
    地下粒子の固結塊を得るために、インコンピテント層に、粒子の外表面に非共有結合するカチオン種を有する被覆シリカ粒子を含む硬化性遅延ゲル化組成物を接触させるステップ;を備える、
    インコンピテント地下層を固結する方法。
  2. 前記シリカ粒子は、直径が約5nmから約50nmであるナノ粒子である、
    請求項1に記載の固結する方法。
  3. 前記カチオン種は、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(2−ヒドロキシプロピル−1−1−N−ジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ[N−(ジメチルアミノメチル)]−アクリルアミド、ポリ(2−ビニルイミダゾリニウムビスルファート)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(N−ジメチルアミノプロピル)−メタクリルアミド、及びこれらの組合せからなる群から選択されるカチオン性ポリマーである、
    請求項1又は請求項2に記載の固結する方法。
  4. 前記カチオン性ポリマーは、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を備える、
    請求項3に記載の固結する方法。
  5. 前記組成物中の前記シリカ粒子の重量に対する前記カチオン性ポリマーの量の範囲は、約5wt.%から約20wt.%である、
    請求項3又は請求項4に記載の固結する方法。
  6. 前記カチオン性ポリマーと前記シリカ粒子の外表面との間の前記非共有結合は、前記シリカ粒子の外表面上の負電荷を帯びたシラノール基又はシリルオキシアニオンと正電荷を帯びた前記カチオン性ポリマーとの間の静電相互作用を備える、
    請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の固結する方法。
  7. 前記硬化性遅延ゲル化組成物は、水を備え、
    前記組成物中の粒状物質の量は、約10wt.%から約50wt.%である、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の固結する方法。
  8. 前記硬化性遅延ゲル化組成物のpH範囲は、約9から約11である、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の固結する方法。
  9. 前記カチオン種は、アルミニウム又は鉄を備える金属カチオンを備える、
    請求項1又は請求項2に記載の固結する方法。
  10. 前記金属カチオンは、Al、Al(SO、KAl(SO、FeCl及びFe(SO、並びにこれらの水和物又は溶媒和物からなる群から選択される塩又は酸化物を形成する、
    請求項9に記載の固結する方法。
  11. 前記硬化性遅延ゲル化組成物の前記pH範囲は、約3から約5である、
    請求項9又は請求項10に記載の固結する方法。
  12. 前記硬化性遅延ゲル化組成物は、前記組成物の硬化を促進するように構成された活性化剤を備える、
    請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の固結する方法。
  13. 前記活性化剤は、エステル化合物を備えるpH調整剤であり、
    前記エステル化合物は、約75Fから約350Fの範囲の温度で加水分解して酸化合物を生成する、
    請求項12に記載の固結する方法。
  14. 前記組成物中の前記pH調整剤の量の範囲は、約0.25wt.%から約4wt.%である、
    請求項13に記載の固結する方法。
  15. 前記エステル化合物は、ギ酸エステル、乳酸エステル、及びポリラクチド樹脂からなる群から選択される、
    請求項14に記載の固結する方法。
  16. 前記活性化剤は、無機電解質を備えるイオン強度調整剤であり、
    前記組成物中の前記イオン強度調整剤の量の範囲は、約1wt.%から約5wt.%である、
    請求項12に記載の固結する方法。
  17. 前記活性化剤は、アルカリケイ酸塩を備える、
    請求項12に記載の固結する方法。
  18. 前記アルカリケイ酸塩は、Naケイ酸塩及びKケイ酸塩からなる群から選択される、
    請求項17に記載の固結する方法。
  19. 前記インコンピテント層に、硬化性遅延ゲル化組成物を接触させる前記ステップは、
    前記硬化性遅延ゲル化組成物を未固結地下粒子の表面に吸着させるステップを備える、
    請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の固結する方法。
  20. 前記未固結地下粒子は、砂粒を備える、
    請求項19に記載の固結する方法。
  21. 前記地下粒子の固結塊は、流体に対して透過性を有し、約700lbf又は700lbf超の圧負荷を保持する強度を有する、
    請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の固結する方法。
  22. 前記インコンピテント層に、硬化性遅延ゲル化組成物を接触させる前記ステップは、
    コイル配管設備を用いて前記硬化性遅延ゲル化組成物をインコンピテント地下層へ送達するステップを備える、
    請求項1乃至請求項21のいずれか1項に記載の固結する方法。
  23. 前記インコンピテント地下層は、炭化水素貯留層を備え、
    固結層から前記炭化水素を生産するステップを備える、
    請求項1乃至請求項22のいずれか1項に記載の固結する方法。
  24. インコンピテント地下層を固結する方法であって、
    地下粒子の固結塊を得るために、インコンピテント層に、粒子の外表面に非共有結合するカチオン性ポリマーを有する被覆シリカ粒子と、組成物の硬化を促進するように構成された活性化剤とを備える硬化性遅延ゲル化組成物を接触させるステップを備える、
    インコンピテント地下層を固結する方法。
  25. 前記活性化剤は、アルカリケイ酸塩を備える、
    請求項24に記載の固結する方法。
  26. 前記アルカリケイ酸塩は、Naケイ酸塩及びKケイ酸塩からなる群から選択される、
    請求項25に記載の固結する方法。
  27. 前記活性化剤は、ポリアミンを備える、
    請求項24に記載の固結する方法。
  28. 前記ポリアミンは、1,2−エタンジアミニウム, N1,N2−ビス[2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]エチル]−N1,N2−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N1,N2−ジメチル−, クロリドを備える、
    請求項27に記載の固結する方法。
  29. 前記活性化剤は、アルカリケイ酸塩とポリアミンとを備える、
    請求項24に記載の固結する方法。
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