JP2020520919A - 水混和性のシラン処理したナノサイズシリカ粒子を含む、グラスアイオノマー組成物及び方法。 - Google Patents

水混和性のシラン処理したナノサイズシリカ粒子を含む、グラスアイオノマー組成物及び方法。 Download PDF

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Abstract

第1ペースト及び第2ペーストを含む硬化性グラスアイオノマー組成物、並びに開示される組成物を使用する方法が開示される。第1ペーストは、水、ポリ酸、及び非酸反応性充填剤を含む。第2ペーストは、水、酸反応性充填剤、及びシランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。組成物は樹脂を本質的に含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペースト及び第2ペーストの含水率は、組成物の全重量を基準として20重量%未満である。

Description

従来型グラスアイオノマー(Glass Ionomer、GI)組成物は、フルオロアルミノシリケート(fluoroaluminosilicate、FAS)ガラスなどの酸反応性充填剤、カルボン酸基を有する水溶性ポリマーなどのポリ酸、及び水からなる歯科用材料である。ポリ酸中の酸基は、酸反応性充填剤からの金属カチオンと「凝結」反応で反応し、マトリックスを形成することができる。FASガラスが酸反応性充填剤として使用される場合、副産物としてフッ化物イオンが放出される。従来型GI組成物の多くにはまた、凝結反応を遅らせるために酒石酸などの錯化剤が組み込まれている。GI組成物においては、特定の酸反応性充填剤(例えば、組成物及び/又は粒径分布)を選択すること、特定のポリ酸(例えば、アクリル酸、マレイン酸、及び/又はイタコン酸をベースとする組成物並びに酸性基含有量)を選択すること、並びに酸反応性充填剤の充填濃度を選択することによりGI組成物の反応性を改良することができるが、成分の選択により、成分の混合のしやすさ並びに硬化組成物の強度及び審美性が大きく改善されることはなかった。
複合材料及び従来型GI組成物の両方を、修復材料として使用することができる。しかし、GI組成物は複合材料と比較して、フッ化物放出、過敏性の低下、及び歯への自己接着などの利点を提供することができる。しかし、複合材料と比較して機械的特性が低く審美性があまり望ましくないことにより、GI組成物の使用は多くの用途において制限されてきた。更に、従来型の粉末/液体GI組成物は、混合が困難な場合がある。
GI歯科用材料の改善が、引き続き必要とされている。
一態様では、本開示は、第1ペースト及び第2ペーストを含む硬化性グラスアイオノマー組成物を提供する。一実施形態では、硬化性グラスアイオノマー組成物は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含み、組成物は樹脂を本質的に含まない。
別の態様では、本開示は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む、本明細書に記載される硬化性グラスアイオノマー組成物を保存するためのデバイスであって、組成物は樹脂を本質的に含まない、デバイスを提供する。デバイスは、第1ペーストを収容した第1コンパートメント、及び第2ペーストを収容した第2コンパートメントを備える。いくつかの実施形態では、第1コンパートメント及び第2コンパートメントの双方が各々独立して、静的混合チップのエントランスオリフィスを受け入れるためのノズル又はインターフェースを備える。
別の態様では、本開示は、硬化組成物の調製方法を提供する。
一実施形態では、本方法は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む、本明細書に記載される硬化性グラスアイオノマー組成物を準備することであって、組成物は樹脂を本質的に含まない、準備すること、第1ペースト及び第2ペーストを組み合わせて混合物を形成すること、並びに混合物を硬化させて硬化組成物を形成すること、を含む。
別の実施形態では、本方法は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む、本明細書に記載される硬化性グラスアイオノマー組成物を保存するためのデバイスを準備することであって、組成物は樹脂を本質的に含まず、デバイスは第1ペーストを収容した第1コンパートメント、及び第2ペーストを収容した第2コンパートメントを備える、準備すること、第1ペースト及び第2ペーストを組み合わせて混合物を形成すること、並びに混合物を硬化させて硬化組成物を形成すること、を含む。
本明細書に開示される硬化性のペースト/ペーストGI組成物は、例えば含水率が低いために、既知のペースト/液体GI組成物由来の硬化組成物特有の機械的強度(例えば、曲げ強度及び破壊靭性)を維持しながらも、有利には、既知のペースト/ペーストGI組成物と比較して貯蔵安定性が向上し得る。
本明細書で使用する場合、語句「実質的に結晶性の無機繊維」は、鋭いX線回折(XRD)ピークによって明示されるような非晶性の特徴が最小限である(すなわち、実質的に非非晶性である)無機繊維を指す。語句「実質的に結晶性の無機繊維」は、ガラス繊維及びガラスセラミック繊維(glass ceramic fibers)を除外することを意図する。本明細書に記載されるXRD結晶性指数試験法により測定した際、いくつかの実施形態では、実質的に結晶性の無機繊維が少なくとも0.05の結晶性指数を有し、特定の実施形態では、少なくとも0.1の結晶性指数を有する。結晶性指数は、無機繊維サンプルにおける結晶性のレベルを特徴付けるために使用されるパラメータである。簡潔には、本明細書に更に記載されるXRD結晶性指数試験法では、内部標準としてタングステン粉末を使用する。内部又は質量標準は、サンプル中の存在量に基づいてX線強度値を正規化するために、結晶性指数を測定のため評価されるサンプルに組み込まれる材料を指す。試験する各無機繊維サンプルを、タングステン粉末と重量比4:1で混合する。各無機繊維サンプルの調製物をエタノールスラリーとして混合し、次いで乾燥させ、試験する各無機繊維サンプルに対して2つのサンプル調製を行う。次いで、各サンプル調製物を6回XRDスキャンする。結晶性指数は、14〜46度(2シータ)の散乱角範囲内での分析物の結晶相回折ピークにおいて観察されたピーク面積と、タングステン内部標準における(110)回折ピーク面積との比である。
本明細書で使用する場合、「歯科用組成物」又は「歯科で使用するための組成物」又は「歯科分野で使用されることになる組成物」は、歯科分野で使用され得る任意の組成物を指す。この点において、組成物は、患者の健康にとって有害であるべきでなく、したがって、組成物から出て移動することができる有害及び有毒な成分を含まない。歯科用組成物は、典型的には、硬化性組成物であり、これは、約15〜50℃又は約20〜40℃の温度範囲を含む周囲条件下において、約30分又は20分又は10分の時間枠内で硬化できる。より高い温度は推奨されない。なぜなら、患者に痛みを引き起こす可能性があり、患者の健康に害があり得るためである。歯科用組成物は、典型的に、同程度の小容量、すなわち、約0.1〜約100mL、又は約0.5〜約50mL、又は約1〜約30mLの範囲の容量で、施術者に提供される。したがって、有用なパッケージングデバイスの貯蔵容量は、これらの範囲内である。
本明細書で使用する場合、「重合性成分」は、例えば加熱により硬化又は固化され、重合又は化学架橋を引き起こし得る任意の成分を指す。
本明細書で使用する場合、用語「樹脂」は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の重合性基を含む重合性成分を指す。例示的な重合性基としては、(メチル)アクリレート基に見られるようなビニル基などの不飽和有機基が挙げられるが、これらに限定されない。樹脂は、多くの場合、放射線により誘導される重合若しくは架橋により、又はレドックス開始剤を使用することにより硬化され得る。
本明細書で使用する場合、用語「モノマー」は、オリゴマー又はポリマーに重合させることで分子量を増加させ得る、重合性基(例えば(メタ)アクリレート基)を有する化学式により特徴付けることができる任意の化学物質を指す。モノマーの分子量は、典型的には、所与の化学式から計算することができる。
本明細書で使用する場合、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を指す短縮語である。例えば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(すなわち、CH=CH−C(O)−O−)及び/又はメタクリルオキシ基(すなわち、CH=C(CH)−C(O)−O−)のいずれかを指す短縮語である。
本明細書で使用する場合、用語「開始剤」は、例えば、レドックス/自動硬化化学反応(redox/auto−cure chemical reaction)により、放射線により誘導される反応により、又は熱により誘導される反応により、樹脂又はモノマーの硬化プロセスを開始又は引き起こすことができる物質を指す。
本明細書で使用する場合、用語「粉末」は、振盪される又は傾けられる際に自由に流動することができる、きわめて微細な多数の粒子からなる乾燥したバルク固体を指す。
本明細書で使用する場合、用語「粒子」は、幾何学的に決定され得る形状を有する固体である物質を指す。粒子は、典型的には、例えば粒径(grain size or diameter)に関して解析できる。
粉末の平均粒径は、レーザー回折粒径分析を含む各種技術から得ることができる。粒径分布の累積曲線は、特定の粉末混合物における測定粒径の算術平均として得ることができ、定義することができる。それぞれの測定は、Beckman Coulter LS 13 320レーザー回折粒径分析器(Laser Diffraction Particle Size Analyzer)のような利用可能な回折レーザー粒径分析器(diffraction laser particle size analyzers)、又はCILASレーザー回折粒径分析装置(Laser Diffraction Particle Size Analysis Instrument)のような利用可能な粒度計を使用して行うことができる。
本明細書で使用する場合、粒径測定に関して、用語「dX」(μm)は、分析される体積中X%の粒子が、マイクロメートル単位で示された値を下回る径を有することを意味する。例えば100μm(d50)の粒径値は、分析される体積中50%の粒子が100μmを下回る径を有することを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「ペースト」は、液体中に分散した、軟らかく粘性の固体の塊を指す。
本明細書で使用する場合、用語「粘性の」は、(23℃において)約3Pasを超える粘度を有する材料を指す。
本明細書で使用する場合、用語「液体」は、周囲条件(例えば23℃)において成分を少なくとも部分的に分散又は溶解させることができる、任意の溶媒又は液体を指す。液体は、典型的には、約10Pasを下回る、又は約8Pasを下回る、又は約6Pasを下回る粘度を有する。
本明細書で使用する場合、「グラスアイオノマーセメント(glass ionomer cement)」又は「GIC」は、水の存在下、酸反応性ガラスとポリ酸との間の反応により硬化(curing or hardening)することができるセメントを指す。
本明細書で使用する場合、「樹脂変性グラスアイオノマーセメント(resin modified glass ionomer cement)」又は「RM−GIC」は、樹脂、開始剤系、典型的には2−ヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)を更に含むGICを指す。
本明細書で使用する場合、「従来型グラスアイオノマーセメント又は修復材料」は、樹脂を含まないか、又は樹脂を本質的に含まないグラスアイオノマーセメント又は修復材料を指す。
本明細書で使用する場合、組成物が特定の成分(例えば樹脂)を本質的な特徴として含まない場合、この組成物はこの成分を「本質的に含まない」又は「実質的に含まない」。したがって、この成分は、それ自体で、又は他成分若しくは他成分の含有物質との組み合わせでのいずれによっても、組成物に意図的に添加されない。
特定の成分(例えば樹脂)を本質的に含まない組成物は、通常、この成分を、組成物又は材料の全重量に対して、約5重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、又は約0.01重量%未満の量で含む。組成物は、この成分を一切含有しなくてもよい。しかし、時には、例えば用いる原料中に含まれる不純物のために、この成分が少量存在するのを避けることができないこともある。
本明細書で使用する場合、「酸反応性充填剤」は、ポリ酸の存在下で化学的に反応して硬化反応に至らせることができる充填剤を指す。
本明細書で使用する場合、「非酸反応性充填剤」は、ポリ酸と混合した場合に、(i)6分以内に化学反応を示さないか、又は(ii)硬化反応の低下(例えば、時間的な遅延)のみを示す充填剤を指す。
酸反応性充填剤を非酸反応性充填剤と区別するために、次の試験が行われ得るか、又は行われることになる。第1剤及び第2剤を質量比1:3で混合して組成物を調製し、ここで、第1剤ではポリ(アクリル酸−co−マレイン酸)(Mw:約20,000±3,000)が43.6重量%、水が47.2重量%、酒石酸が9.1重量%、及び安息香酸が0.1重量%を占め、第2剤では分析されることになる充填剤が100重量%を占める。
充填剤は、上記組成物の調製後6分以内に、以下の条件、8mmプレート、0.75mmギャップ、28℃、周波数1.25Hz、及び変形率1.75%の使用下で、レオメーターを用いて振動測定を実施することにより測定されるせん断応力が50,000Pa未満であった場合に、非酸反応性であると特徴付けられる。
本明細書で使用する場合、「ナノシリカ」は「ナノサイズシリカ粒子」と同義的に使用され、最大で200nmの平均サイズを有するシリカ粒子を指す。球状粒子に関して本明細書に使用されるとき、「サイズ」とは、粒子の直径を指す。非球状粒子に関して本明細書に使用されるとき、「サイズ」とは、粒子の最長寸法を指す。
本明細書で使用する場合、用語「シリカゾル」は、液体中、典型的には水中における、離散した非晶性シリカ粒子の安定分散体を指す。
本明細書で使用する場合、用語「焼成シリカ」及び「ヒュームドシリカ」は互換的に用いられ、気相中で形成された非晶性シリカを指す。焼成シリカには、例えば、融合して分鎖状の三次元凝集体となった数百個の一次粒子が含まれてもよい。焼成シリカの例としては、AEROSIL OX−50、AEROSIL−130、AEROSIL−150、及びAEROSIL−200の商標名で入手可能な、DeGussa AG,(Hanau,Germany)から入手可能な製品、並びにCabot Corp(Tuscola,Ill.)から入手可能なCAB−O−SIL M5が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「非焼成シリカ(non−pyrogenic silica)」は、気相中で形成されない非晶性シリカを指す。非焼成シリカの例としては、沈殿シリカ及びシリカゲルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「シラン処理された」とは、シランの適用により粒子表面が改質されたことを意味する。
本発明で使用する場合、「凝集シリカ」は、例えば、化学的残基処理(residual chemical treatment)、化学的共有結合、又は化学的イオン結合により共に結合し合うことの多い、一次シリカ粒子の会合を記述するものである。凝集シリカをより小さなものに完全に分解することは実現困難であり得るが、例えば、液体中で凝集シリカを分散させる間に生じるせん断力を含む条件下では、限定的又は不完全な分解が観察される場合がある。
本発明で使用する場合、「カチオン低減アルミノシリケートガラス」は、ガラス粒子の表面領域におけるカチオン含有量がガラス粒子の内側領域に比べて低いガラスを指す。このようなガラスは、典型的には、ポリアクリル酸水溶液との接触の際に、典型的な酸反応性充填剤と比べて、はるかにゆっくりと反応する。非酸反応性充填剤の例としては、石英ガラス又は酸化ストロンチウム系ガラスが挙げられる。更なる例が、本明細書に記載される。カチオン低減は、ガラス粒子の表面処理により達成できる。有用な表面処理としては、酸洗浄(例えばリン酸での処理)、ホスフェートでの処理、酒石酸などのキレート剤での処理、及びシラン又は酸性若しくは塩基性シラノール溶液での処理が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、用語「ポリ酸」及び/又は「ポリアルケン酸」は、複数の(例えば10個を上回る、又は20個を上回る、又は50個を上回る)酸性繰り返し単位を有するポリマーを指す。つまり、酸性繰り返し単位は、ポリマー主鎖に結合しているか、又はぶら下がっている。
本明細書で使用する場合、語句「錯化剤」は、例えばカルシウム及び/又はマグネシウムなどの金属イオンと錯体を形成することができる低分子試薬を指す。例示的な錯化剤は、酒石酸である。
本明細書で使用する場合、用語「硬化性(”hardenable”and/or“curable”)」は、例えば、化学架橋及び/又は放射線により誘導される重合若しくは架橋といった追加の硬化系の必要なしにグラスアイオノマーセメント反応を実施することにより、硬化又は固化できる組成物を指す。
本明細書で使用する場合、語句「周囲条件」は、典型的には、本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物が貯蔵及び取り扱い中にさらされる条件を指す。周囲条件には、例えば、約900mbar〜約1100mbarの圧力、約−10℃〜約60℃の温度、及び/又は約10%〜約100%の相対湿度が含まれてもよい。実験室では、周囲条件は、典型的には、約23℃及び約1気圧(例えば0.95〜1.05気圧)に調整される。歯科及び歯列矯正分野では、周囲条件には、例えば約950mbar〜約1050mbarの圧力、約15℃〜約40℃の温度、及び/又は約20%〜約80%の相対湿度が含まれると合理的に理解される。
用語「含む(comprises)」及びその変化形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲に現れる場合、限定的な意味を有するものではない。このような用語は、記載されたある1つの工程若しくは要素、又は複数の工程若しくは要素の群が含まれることを意味し、いかなる他の工程若しくは要素、又は複数の工程若しくは要素の群も排除されないことを意味するものと理解される。「からなる(consisting of)」により、この語句「からなる」に続くいかなるものも包み、これらに限定されることを意味する。したがって、語句「からなる」は、列挙された要素が必要又は必須であり、他の要素が存在し得ないことを示す。「から本質的になる(consisting essentially of)」により、この語句の後に列挙されるいかなる要素も含み、これらの列挙された要素に関して本開示で特定した作用若しくは機能に干渉又は寄与しない他の要素に限定されることを意味する。したがって、語句「から本質的になる」は、列挙された要素が必要又は必須であるが、他の要素は任意に含まれ、列挙された要素の作用若しくは機能に実質的に影響を及ぼすか否かに応じて存在してもよい、又は、しなくてもよいことを意味する。
「好ましい」及び「好ましくは」という言葉は、一定の状況下で一定の利益を提供できる、本開示の実施形態を指す。しかしながら、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況において好ましい場合がある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
本出願では、「a」、「an」、及び「the」等の用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、例示のために具体例が使用され得る一般的な部類を含むことを意図するものである。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と互換的に用いられる。
列挙に後続する「〜のうちの少なくとも1つ(at least one of)」及び「〜のうちの少なくとも1つを含む(comprises at least one of)」という語句は、列挙内の項目のうちのいずれか1つ、及び、列挙内の2つ以上の項目のいずれかの組み合わせを指す。
本明細書で使用する場合、用語「又は」は、内容がそうでない旨を特に明示しない限り、概して「及び/又は」を含む通常の意味で使用される。
用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
また、本明細書では、全ての数字が用語「約」によって修飾され、特定の場合では、用語「厳密に」によって修飾されるとする。測定された量に関して本明細書で用いる場合、用語「約」は、当業者によって、測定を行い、測定の目的及び用いた測定機器の精度に見合う程度の注意を払って予想され得る、測定された量のばらつきを指す。また、測定された量に関して本明細書で用いる場合、用語「およそ(approximately)」は、当業者によって、測定を行い、測定の目的及び用いた測定機器の精度に見合う程度の注意を払って予想され得る、測定された量のばらつきを指す。
また、本明細書では、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数及びその端点を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
本開示の上記の概要は、開示される各々の実施形態、又は本開示の全ての実装形態を説明することを目的としたものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本出願を通していくつかの箇所において、例を列挙することによって指針が示されるが、それらの例は様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合にも、記載された列挙は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。
粉末/液体GI組成物の多くは、粉末/液体比が高いため、混合が困難である。このような混合上の困難に直面した場合、歯科医は、混合特性を向上させるため、製造業者が推奨するよりも粉末/液体比を低くすることがある。粉末/液体比が低いと、典型的には、手での混合特性は向上し得るが、硬化組成物の機械的強度は低下する。
手でのより容易な混合を可能とするとともに、より再現性があり、かつ効果的な成分適用を可能とするペースト/ペーストGI組成物が、本明細書に開示される。更に、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物では、第2ペーストは、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含むペーストにより、結果として、室温で少なくとも1ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、又は少なくとも6ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である組成物を得ることができる。
既知のペースト/ペーストGI組成物は、典型的には同等の粉末/液体GI組成物よりも高い含水率を必要とし、含水率がより高いことで、多くの場合、硬化組成物の機械的強度が低下することになる。しかし、第2ペーストがシランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物では、硬化したGI組成物の機械的強度は、硬化した従来型の粉末/液体GI組成物の機械的強度と同等である、かつ場合によってはより優れることが見出されている。更に、第2ペーストがシランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物では、他の既知のペースト/ペーストGI組成物で観察される混合の容易性を維持することができる。
第1ペースト及び第2ペーストを含む硬化性グラスアイオノマー組成物が、本明細書に開示される。第1ペーストは、水、ポリ酸、及び非酸反応性充填剤を含む。第2ペーストは、水、酸反応性充填剤、及びシランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。特定の実施形態では、GI組成物は、樹脂を本質的に含まないか、又は樹脂を含まない(例えば、従来型GI組成物)。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペースト及び第2ペーストの含水率は、組成物の全重量を基準として20重量%未満である。いくつかの実施形態では、第1ペーストの含水率が、第1ペーストの全重量を基準として20重量%未満であり、第2ペーストの含水率が、第2ペーストの全重量を基準として20重量%未満である。
ポリ酸
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペーストは、ポリ酸を含む。多種多様なポリ酸を、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物に使用することができる。いくつかの実施形態では、ポリ酸は、グラスアイオノマー組成物の材料特性を良好にするとともに、貯蔵、取り扱い、及び混合特性を良好とするのに十分な分子量を有する。
一実施形態では、ポリ酸は、以下のパラメータ、(23℃において)固体であること、及び分子量(Mw)が約2,000〜約250,000又は約5,000〜約100,000(例えば、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用してポリアクリル酸ナトリウム塩標準に対して評価)であることのうち、少なくとも1つ以上又は全てにより特徴付けることができる。
ポリ酸の分子量が高すぎると、本明細書に記載されるGI組成物中に含まれる組成物を混合したときに得られるペーストの粘稠性を、作業可能なものとすることが難しくなり得る。更に、組成物の調製が困難になり得る。加えて、得られた混合物又は組成物は、粘着性が高くなりすぎることがある(例えば、適用に使用される歯科用器具に接着する)。
ポリ酸の分子量が低すぎる場合、得られたペーストの粘度は低すぎるものになり得、結果として機械的強度が低下し得る。
典型的には、ポリ酸は、複数の酸性繰り返し単位を有するポリマーである。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物に有用なポリ酸は、重合性基を実質的に含まないか、又は重合性基を含まない。
有用なポリ酸は完全に水溶性である必要はないが、他の水性成分と組み合わせた際に実質的に沈降することのないよう、典型的には、それらは少なくとも十分に水混和性である。
ポリ酸は、例えば酸反応性充填剤及び水の存在下で硬化性であるが、好ましくはエチレン性不飽和基を含まない。すなわち、ポリ酸は、不飽和酸を重合することにより得られるポリマーである。しかし本製造方法により、ポリ酸は、回避できない微量の(例えば、使用するモノマーの量に対して最大1、又は0.5、又は0.3重量%)遊離モノマーを依然として含み得る。典型的には、不飽和酸は、炭素、硫黄、リン、又はホウ素のオキシ酸(すなわち酸素含有酸)である。より典型的には、それは、炭素のオキシ酸である。有用なポリ酸としては、例えば、不飽和モノ−、ジ−、又はトリカルボン酸のホモポリマー及びコポリマーなどのポリアルケン酸が挙げられる。
ポリアルケン酸は、不飽和脂肪族カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、アコニット酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、及びチグリン酸の単独重合及び共重合により調製できる。
有用なポリ酸としては、マレイン酸及びエチレンの交互コポリマー(例えばモル比1:1で)もまた挙げられる。
有用なポリ酸はまた、以下の文献、米国特許第4,209,434号(Wilsonら)、及び第4,360,605号(Schmittら)に記載されている。
有用なポリ酸はまた、例えば、KETAC FIL PLUS HANDMIXの商標名で3M ESPEから入手可能なものか、又はFUJI IX GP HANDMIXの商標名で日本、東京のG−C Dental Industrial Corp.から入手可能なものといった製品の液体成分における水溶液としても利用可能である。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物にて使用されるポリ酸の量は、酸反応性充填剤と反応し、所望の硬化特性を有するアイオノマー組成物を与えるのに十分であるべきである。
特定の実施形態では、ポリ酸は、第1ペーストの全重量を基準として、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%の量で第1ペースト中に存在する。特定の実施形態では、ポリ酸は、第1ペーストの全重量を基準として、最大で70重量%、60重量%、又は50重量%の量で第1ペースト中に存在する。特定の実施形態では、ポリ酸は、第1ペーストの全重量を基準として、3重量%〜70重量%、5重量%〜60重量%、又は10重量%〜50重量%の量で第1ペースト中に存在する。
ポリ酸の量が多すぎると、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物中に含まれる組成物を混合したときに得られるペーストの粘稠性を、作業可能なものとすることが難しくなり得る。更に、組成物の調製が困難になり得る。加えて、得られた混合物又は組成物は、粘着性が高くなりすぎることがある(例えば、適用のために使用する歯科用器具に接着する)。
ポリ酸の量が少なすぎる場合、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物中に含まれる組成物を混合した際に得られるペーストの粘稠性を、作業可能なものとすることが難しくなり得る。更に、所望の機械的特性を達成することが難しくなる。
非酸反応性充填剤
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペーストは、非酸反応性充填剤を含む。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第2ペーストもまた、第1ペースト中の非酸反応性充填剤と同じ又は異なる非酸反応性充填剤を含む。非酸反応性充填剤としては、例えば、粒子及び/又は繊維(例えば、本明細書で後述されるような実質的に結晶性の無機繊維)を挙げることができる。
非酸反応性充填剤は、水の存在下でポリ酸と合わせた場合に、(i)グラスアイオノマーセメント反応において全く硬化しないか、又は(ii)硬化反応の遅延のみを示す、いずれかの充填剤である。
多種多様な非酸反応性充填剤を、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物に使用することができる。特定の実施形態では、非酸反応性充填剤は無機充填剤である。特定の実施形態では、非酸反応性充填剤は非毒性で、ヒトの口腔内での使用に好適である。非酸反応性充填剤は、放射線不透過性又は放射線透過性であり得る。非酸反応性充填剤の粒子表面を、(例えばシランで)任意に表面処理することができる。
特定の実施形態では、非酸反応性充填剤としては、石英、窒化物、カオリン、ホウケイ酸ガラス、酸化ストロンチウム系ガラス、酸化バリウム系ガラス、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
特定の実施形態では、非酸反応性充填剤としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、又はこれらの組み合わせなどの金属酸化物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、金属酸化物としては、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ビスマス、又はこれらの組み合わせなどの改質剤又はドーパントを更に挙げることができる。
特定の実施形態では、非酸反応性充填剤が、0.005μm〜20μmの平均粒径を有する。いくつかの実施形態において、非酸反応性充填剤が、0.01μm〜10μmの平均粒径を有する。特定の実施形態では、非酸反応性充填剤は、10μm未満のd50を有する。第1ペースト及び第2ペーストの両方が非酸反応性充填剤を含む実施形態では、第2ペースト中の非酸反応性充填剤の平均粒径は、第1ペースト中の非酸反応性充填剤の平均粒径と同じである又は異なることができる。
例示的な非酸反応性充填剤は、例えば、国際公開第2017/015193(A1)号(Jahnsら)に更に記載されている。
特定の実施形態では、非酸反応性充填剤を、液体(例えば水)中の粒子の分散体又はゾルとして提供することができる。充填剤が水性分散体又はゾルとして提供される場合、水性分散体又はゾル中の水の量は、組成物中の水及び充填剤の量が算出される又は測定されるときに、考慮されなければならない。
特定の実施形態では、本明細書にて以下で更に論じられるように、非酸反応性充填剤は、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含むことができる。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、少なくとも10重量%の非酸反応性充填剤、少なくとも25重量%の非酸反応性充填剤、又は少なくとも35重量%の非酸反応性充填剤を含む。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、最大で80重量%の非酸反応性充填剤、最大で70重量%の非酸反応性充填剤、又は最大で60重量%の非酸反応性充填剤を含む。
本明細書に開示されるペースト/ペーストのGI組成物の場合、第2ペーストは非酸反応性充填剤を含み、非酸反応性充填剤は他の充填剤の中でも、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含んでもよい。第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、少なくとも1重量%の非酸反応性充填剤、少なくとも3重量%の非酸反応性充填剤、又は少なくとも5重量%の非酸反応性充填剤を含む。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、最大で50重量%の非酸反応性充填剤、最大で40重量%の非酸反応性充填剤、又は最大で30重量%の非酸反応性充填剤を含む。
ナノサイズシリカ粒子
本明細書に開示されるグラスアイオノマー組成物では、第2ペーストは、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。いくつかの実施形態では、非凝集性のナノサイズシリカ粒子は、ヒュームドシリカ(すなわち、焼成シリカ)を実質的に含まない。しかし、焼成充填剤(pyrogenic fillers)(例えば、ヒュームドシリカ)は、任意の添加剤として歯科用組成物に加えることができる。
本明細書に記載されるように、多種多様な非凝集性のナノサイズシリカ粒子を表面処理することができる。いくつかの実施形態では、非凝集性のナノサイズシリカ粒子は、シリカゾルとして入手可能である。特定の実施形態では、出発シリカゾルは、NALCO 2329又はLEVASIL 50/50である。
例示的な非凝集性のナノサイズシリカ粒子としては、NALCO COLLOIDAL SILICASの製品名でNalco Chemical Co.(Naperville,Ill.)から入手可能なもの(例えば、NALCO製品1040、1042、1050、1060、2327及び2329)、Nissan Chemical America Company,Houston,Texasから入手可能なもの(例えば、SNOWTEX−ZL、−OL、−O、−N、−C、−20L、−40及び−50)、日本の株式会社アドマテックスから入手可能なもの(例えば、SX009−MIE、SX009−MIF、SC1050−MJM及びSC1050−MLV)、Grace GmbH&Co.KG,Worms,Germanyから入手可能なもの(例えばLUDOXの製品名で入手可能なものであり、例えばP−W50、P−W30、P−X30、P−T40及びP−T40AS)、Akzo Nobel Chemicals GmbH,Leverkusen,Germanyから入手可能なもの(例えばLEVASILの製品名で入手可能なものであり、例えば50/50、100/45、200/30%、200A/30、200/40、200A/40、300/30及び500/15)、並びにBayer Material Science AG,Leverkusen,Germanyから入手可能なもの(例えばDISPERCOLL Sの製品名で入手可能なものであり、例えば5005、4510、4020及び3030)が挙げられる。非凝集性のナノサイズシリカ粒子を含む更なる例示的な充填剤、及び充填剤の調製方法は、例えば、国際公開第01/30307号(Craigら)に開示されている。
歯科用組成物が焼成充填剤(例えば、ヒュームドシリカ)を更に含む実施形態では、ヒュームドシリカなどの多種多様な焼成充填剤を使用することができる。例示的なヒュームドシリカとしては、例えば、Degussa AG(Hanau,Germany)から入手可能な、AEROSILシリーズOX−50、−130、−150、及び−200、Aerosil R8200の商標名で販売されている製品、Cabot Corp(Tuscola,Ill.)から入手可能なCAB−O−SIL M5、並びにWackerから入手可能なHDKタイプ、例えばHDK−H 2000、HDK H15、HDK H18、HDK H20、及びHDK H30が挙げられる。
一実施形態では、非凝集性のナノサイズシリカ粒子は最大で約200nmの平均粒径を有し、いくつかの実施形態では、最大で約150nmの平均粒径を有し、特定の実施形態では、最大で約120nmの平均粒径を有する。一実施形態では、非凝集性のナノサイズシリカ粒子は少なくとも約20nmの平均粒径を有し、いくつかの実施形態では、少なくとも約50nmの平均粒径を有し、特定の実施形態では、少なくとも約70nmの平均粒径を有する。これらの測定はTEM(透過型電子顕微鏡検査)法に基づくことができ、この方法により粒子集団を分析して平均粒径を得る。
粒子径を測定するための例示的な方法は、以下のように説明することができる。
およそ80nm厚のサンプルを、炭素安定化フォルムバール基板(Structure Probe,Inc.,West Chester,PAの一部門であるSPI Supplies)付き200メッシュの銅グリッド上に配置する。透過型電子顕微鏡写真(TEM)を、200KvでJEOL 200CX(JEOL,Ltd.of Akishima,Japan、及びJEOL USA,Inc.により販売)を使用して得る。約50〜100粒子の集団サイズを測定することができ、平均直径を求めることができる。
一実施形態では、非凝集性のナノサイズシリカ粒子の平均表面積は少なくとも約15m/gであり、いくつかの実施形態では、少なくとも約30m/gである。
いくつかの実施形態では、本出願に開示される歯科用ペーストに使用される非凝集性のナノサイズシリカ粒子は、実質的に球状であり、かつ実質的に非多孔質である。特定の実施形態では、シリカは本質的に純粋なものであり得るが、他の実施形態では、シリカはアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオンなどの少量の安定化イオンを含み得る。
非凝集性のナノサイズシリカ粒子は、シランで表面処理することができ、このシランにより、処理した粒子を水混和性とすることができる。歯科用材料中に充填する前にナノサイズシリカ粒子を表面処理することにより、ペースト中により安定して分散させることができる。好ましくは、表面処理により、粒子がペースト中に良好に分散するようにナノサイズシリカ粒子が安定化し、結果として実質的に均一な組成物が得られることになる。ナノサイズシリカ粒子を乾燥させる表面処理の例示的な方法は、米国特許第6,899,948(B2)号(Zhangら)及び欧州特許第0368657(A2)号(Okadaら)に記載されている。
特定の実施形態では、シランは、不飽和重合性基を本質的に含まない。
特定の実施形態では、シランは、式:
(RO)−Si−(CH−(O−R−OR[式中、RはC1〜C3アルキル基であり、RはC2〜C3アルキレン基であり、RはC1〜C10アルキル基であり、n=2〜6であり、かつx=0〜200である]のものである。特定の実施形態では、Rは−CHCH−を表す。特定の実施形態では、n=3である。
他の特定の実施形態では、シランは、式:
(RO)−Si−(CH−(O−R−OR[式中、RはC1〜C3アルキル基であり、RはC2〜C3アルキレン基であり、Rは2,3−エポキシプロピルであり、n=2〜6であり、かつx=0〜200である]のものである。
例示的なシランとしては、例えば、Momentive Performance Materials(Waterford,NY)から入手可能なSILQUEST A−1230、Gelest(Morrisville,PA)から入手可能な2−[メトキシ−(ポリエチレンオキシ)6−9プロピル]トリメトキシシラン、2−[メトキシ−(ポリエチレンオキシ)9−12プロピル]トリメトキシシラン、及び[3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(すなわち、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。
非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率は、少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率は、少なくとも50%である。特定の実施形態では、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率は、少なくとも75%である。いくつかの特定の実施形態では、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率は、少なくとも95%である。
「100%の理論被覆率」を得るためのシランのシリカゾルに対する比は、以下に示す数式1を用いて計算することができる。
Figure 2020520919
式中、dはシリカ粒子の直径(nm)であり、MWはシランの分子量(g/mol)であり、SiOw/wはシリカゾル中のシリカの重量分率(w/w)である。
例えば、シリカゾルとしてLevasil 50/50を使用し、シランとして3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを使用すると、「100%の理論被覆率」を得るための比は、以下のように計算される。
Figure 2020520919
例示的な方法では、計算量のシリカゾル及びシランを容器(例えば、ガラスバイアル又はガラスジャー)に加えることができ、溶液を反応させることができる。反応温度及び時間は、所望に応じて広く変化させることができるが、例示的な反応条件は、80〜85℃で17時間とすることができる。一旦反応が完了したら、シラン処理シリカゾルをそのまま使用することができる。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第2ペーストは、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、少なくとも1重量%、少なくとも3重量%、又は少なくとも5重量%の、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、最大で50重量%、最大で40重量%、又は最大で30重量%の、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子を含む。
酸反応性充填剤
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第2ペーストは、酸反応性充填剤を含む。
多種多様な酸反応性充填剤を、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物に使用することができる。酸反応性充填剤は、ポリ酸及び水とグラスアイオノマーセメント反応をすることができる。
有用な酸反応性充填剤としては、例えば、金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、酸反応性ガラス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、酸反応性充填剤としては、例えば、塩基性金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、1.5未満のSi/Al重量パーセント比を有するガラス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される無機充填剤が挙げられる。有用な金属酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
特定の実施形態では、酸反応性充填剤は、フルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスである。FASガラスは、典型的には、ガラスを硬化性組成物の他成分と混合する場合に硬化した歯科用組成物を得ることができるよう、十分な量の溶出性カチオンを含む。いくつかの実施形態では、FASガラスはまた、硬化組成物が抗齲蝕性を有するよう、十分な量の溶出性フッ化物イオンを含む。
FASガラスは、フッ化物、シリカ、アルミナ、及び他のガラス形成成分を含む融解物から、FASガラス製造技術における当業者によく知られている技術を用いて製造することができる。例えば、米国特許第4,376,835号(Schmittら)及び同第5,250,585号(Guggenbergerら)を参照のこと。いくつかの実施形態では、FASガラスは、シリカ、アルミナ、氷晶石及び蛍石の混合物を融合することにより調製することができる。FASガラスは、典型的には、十分に微細化された粒子の形態であるので、他のセメント成分とうまい具合に混合することができ、得られた混合物が口腔内に使用される場合に、良好に機能する。
有用なFASガラスは、当技術分野において既知であり、かつ多種多様な提供元から入手可能であり、多くは現在利用可能なグラスアイオノマーセメント、例えば、KETAC−MOLAR又はKETAC−FIL PLUSの商標名で3M ESPE Dentalから入手可能なもの、及びFUJI−IXの商標名で日本、東京のG−C Dental Industrial Corp.から入手可能なものなどに見出される。
特定の実施形態では、酸反応性充填剤が、3μm〜10μmの平均粒径を有する。酸反応性充填剤の平均粒径がこの範囲を超える場合、本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物中に含まれる組成物を混合する際に得られる組成物の粘稠性は所望より低くなり得、機械的特性は所望より劣り得る。酸反応性充填剤の平均粒径がこの範囲を下回る場合、本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物の凝結時間は、所望よりも速くなり得る。
例示的な酸反応性充填剤は、例えば、国際公開第2015/088956(A1)号(Peezら)に更に記載されている。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、少なくとも40重量%の酸反応性充填剤、少なくとも50重量%の酸反応性充填剤、又は少なくとも60重量%の酸反応性充填剤を含む。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の場合、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、最大で90重量%の酸反応性充填剤、最大で88重量%の酸反応性充填剤、又は最大で86重量%の酸反応性充填剤を含む。
酸反応性充填剤の量が高すぎる場合、本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物のペーストが適切に混合されない場合があり、得られる組成物の粘稠性を適切なものとし、機械的特性を許容可能なものとすることが難しくなり得る。
酸反応性充填剤の量が少なすぎる場合、本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物のそれぞれのペーストを混合することにより有用なペーストが得られない場合がある。更に、硬化組成物の機械的強度が低下し得る。
実質的に結晶性の無機繊維
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物のいくつかの実施形態では、第1ペースト及び第2ペーストのうちの少なくとも1つは、実質的に結晶性の無機繊維を含む。
実質的に結晶性の無機繊維としては、鋭いX線回折(XRD)ピークによって明示される非晶性の特徴が最小限である(すなわち、実質的に非非晶性である)無機繊維が挙げられる。ガラス繊維及びガラスセラミック繊維は、典型的には、実質的に結晶性の無機繊維ではない。本明細書に記載されるXRD結晶性指数試験法により測定した際、いくつかの実施形態では、実質的に結晶性の無機繊維が少なくとも0.05の結晶性指数を有し、特定の実施形態では、少なくとも0.1の結晶性指数を有する。結晶性指数は、無機繊維サンプルにおける結晶性のレベルを特徴付けるために使用されるパラメータである。簡潔には、本明細書に更に記載されるXRD結晶性指数試験法では、内部標準としてタングステン粉末を使用する。内部又は質量標準は、サンプル中の存在量に基づいてX線強度値を正規化するために、結晶性指数を測定のため評価されるサンプルに組み込まれる材料を指す。試験する各無機繊維サンプルを、タングステン粉末と重量比4:1で混合する。各無機繊維サンプルの調製物をエタノールスラリーとして混合し、次いで乾燥させ、試験する各無機繊維サンプルに対して2つのサンプル調製を行う。次いで、各サンプル調製物を6回XRDスキャンする。結晶性指数は、14〜46度(2シータ)の散乱角範囲内での分析物の結晶相回折ピークにおいて観察されたピーク面積と、タングステン内部標準における(110)回折ピーク面積との比である。
セラミック繊維及び/又は金属酸化物繊維を含む、多種多様な実質的に結晶性の無機繊維を使用することができる。実質的に結晶性の無機繊維が金属酸化物繊維を含む実施形態では、多種多様な金属酸化物を使用することができる。例示的な金属酸化物としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アルミノシリケートなどの混合金属酸化物は、典型的には、ガラス状ドメインが実質的に形成されることを避けるため、混合金属酸化物の全重量を基準として、20重量%以下のシリケートを含む。金属酸化物を、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ランタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ビスマス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分で任意に改質(例えばドープ)することができる。金属酸化物が改質剤又はドーパント成分を含む実施形態では、ガラス状ドメインが実質的に形成されることを避けるため、成分は、典型的には、金属酸化物の全重量を基準として10重量%以下で存在する。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、少なくとも3μmの平均直径を有する。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、最大で25μm、又は最大で20μmの平均直径を有する。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物のいくつかの実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、100:1以下、50:1以下、25:1以下、又は15:1以下の平均アスペクト比を有する。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、10:1〜50:1又は15:1〜25:1の平均アスペクト比を有する。本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物のいくつかの特定の実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、約10:1の平均アスペクト比を有する。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、1mm以下、又は0.5mm以下の平均長さを有する。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、少なくとも25μmの平均長さを有する。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、65重量%以下の実質的に結晶性の無機繊維を含む。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、65重量%以下の実質的に結晶性の無機繊維を含む。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、組成物は、組成物の全重量を基準として、40重量%以下の実質的に結晶性の無機繊維を含む。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、組成物は、組成物の全重量を基準として、10重量%〜15重量%の実質的に結晶性の無機繊維を含む。
含水率
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物中の水は、蒸留水、脱イオン水、又は普通の水道水とすることができる。典型的には、脱イオン水が使用される。水の量は、適切な取り扱い特性及び混合特性を提供するのに、並びに特にセメント反応において、イオン輸送を許容するのに、十分であるべきである。
水の量が少なすぎると、得られるペーストの粘稠性を作業可能なものとすることが難しくなり得る。水の量が多すぎると、同様に、得られるペーストの粘稠性を作業可能なものとすることが難しくなり得る。更に、所望の機械的特性を達成することが難しくなる可能性がある。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物のいくつかの実施形態では、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率は、組成物の全重量を基準として、20重量%未満、19重量%未満、18重量%未満、17重量%未満、16重量%未満、又は15重量%未満である。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率は、組成物の全重量を基準として、少なくとも10重量%であり、いくつかの実施形態では少なくとも15重量%である。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、第1ペーストの含水率が、第1ペーストの全重量を基準として、20重量%未満、19重量%未満、18重量%未満、17重量%未満、16重量%未満、又は15重量%未満である。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の特定の実施形態では、第2ペーストの含水率は、第2ペーストの全重量を基準として、20重量%未満、19重量%未満、18重量%未満、17重量%未満、16重量%未満、又は15重量%未満である。
任意の錯化剤
特定の実施形態では、第1ペーストは、錯化剤を任意に含んでもよい。
第1ペーストが錯化剤を含む実施形態では、多種多様な錯化剤を使用することができる。有用な錯化剤は、水溶性であること(23℃で少なくとも50g/lの水に)、50g/mol〜500g/molの分子量を有すること、又は75g/mol〜300g/molの分子量を有すること、のうちの1つ以上により特徴付けることができる。
例示的な錯化剤としては、酒石酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、サリチル酸、メリト酸、ジヒドロキシ酒石酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、2,4及び2,6ジヒドロキシ安息香酸、ホスホノカルボン酸、ホスホノコハク酸、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。錯化剤の更なる例は、例えば、米国特許第4,569,954号(Wilsonら)に見出すことができる。
第1ペーストが錯化剤を含む、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の実施形態では、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、少なくとも0.1重量%の錯化剤、少なくとも1.0重量%の錯化剤、又は少なくとも1.5重量%の錯化剤を含む。第1ペーストが錯化剤を含む、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物では、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、最大で12重量%の錯化剤、最大で10重量%の錯化剤、又は最大で8重量%の錯化剤を含む。
任意の添加剤
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物は、香味剤、フッ素化剤、緩衝剤、麻痺剤、再石灰化剤、脱感作剤、着色剤、指示薬、粘度調整剤、界面活性剤、安定剤、防腐剤(例えば安息香酸)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、当技術分野において既知の様々な添加剤を任意に含んでもよい。着色剤が存在すると、水性組成物により所望の口腔内表面全てがコーティングされたことを検出するのに役立つ場合がある。着色剤の色の濃さはまた、口腔内表面上のコーティングの均一性を検出するのに役立つ場合がある。
添加剤が第1ペースト中に存在する、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の実施形態では、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、少なくとも0.01重量%の添加剤、少なくとも0.05重量%の添加剤、又は少なくとも0.1重量%の添加剤を含む。添加剤が第1ペースト中に存在する、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物では、第1ペーストは、第1ペーストの全重量を基準として、最大で5重量%の添加剤、最大で3重量%の添加剤、又は最大で1重量%の添加剤を含む。
添加剤が第2ペースト中に存在する、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の実施形態では、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、少なくとも0.01重量%の添加剤、少なくとも0.05重量%の添加剤、又は少なくとも0.1重量%の添加剤を含む。添加剤が第2ペースト中に存在する、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物では、第2ペーストは、第2ペーストの全重量を基準として、最大で5重量%の添加剤、最大で3重量%の添加剤、又は最大で1重量%の添加剤を含む。
典型的には、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペースト及び第2ペーストのいずれも、以下の成分のどれも単独で、又は組み合わせて含まない。a)1重量%を超える又は0.5重量%を超える量のHEMA、b)1重量%を超える又は0.5重量%を超える量の樹脂、c)1重量%を超える又は0.5重量%を超える量の樹脂又はモノマーを硬化させるのに好適な開始剤成分、d)1重量%を超える又は0.5重量%を超える量のメトキシフェノール又は3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルオールのような阻害剤、e)1重量%を超える又は0.5重量%を超える量のゼオライトのような乾燥剤。
したがって、ペースト/ペーストGI組成物のペーストを混合した場合に得られる組成物は樹脂変性グラスアイオノマーセメント(RM−GIC)ではなく、したがって、重合に基づく硬化系を含まない。
したがって、特定の実施形態では、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物は、レドックス開始剤系又は熱的誘導開始剤系若しくは放射線に誘導開始剤系を含まない。
第1ペースト及び第2ペースト
第1ペーストは、典型的には、7未満のpHを有することにより特徴付けることができる。
第2ペーストは、典型的には、7より大きいpHを有することにより特徴付けることができる。
第1ペースト及び/又は第2ペーストは各々独立して、任意に溶媒を更に含み得る。いくつかの実施形態では、溶媒又は共溶媒の添加は、組成物の粘度及び粘稠性を調整するのに役立ち得る。
有用な溶媒の例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノール)、ポリアルコール/ポリオール(例えば、エチレングリコール及びグリセロール)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
デバイス
本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペースト及び第2ペーストは、様々な実施形態にて施術者に提供することができる。
一実施形態では、ペーストは、別々の封着可能な容器(例えばプラスチック又はガラスで製造された)中に収容され得る。使用のために、施術者は、適切な分量のペースト成分を容器から取り、その分量を混合プレート上で手で混合してもよい。
いくつかの実施形態では、ペーストは、貯蔵デバイスの別々のコンパートメント中に収容される。貯蔵デバイスは、典型的には、それぞれのペーストを保存するための2つのコンパートメントを備え、各コンパートメントには、それぞれのペーストを送達するためのノズルが備えられている。一旦、適切な分量が送達されたら、次いで、ペーストは、混合プレート上で手で混合され得る。
特定の実施形態では、貯蔵デバイスは、静的混合チップを受け入れるためのインターフェースを有する。混合チップは、それぞれのペーストを混合するために使用される。静的混合チップは、例えば、SulzerMixpac Companyから入手可能である。有用な貯蔵デバイスは、カートリッジ、シリンジ及びチューブを備える。
貯蔵デバイスは、典型的には2つのハウジング又はコンパートメントを備え、これは、ノズルを有する前端、及び後端、並びに少なくとも1つの、ハウジング又はコンパートメント中で移動可能なピストンを有する。
有用なカートリッジは、例えば、米国特許出願公開第2007/0090079(A1)号(Kellerら)及び米国特許第5,918,772号(Kellerら)に記載されている。有用なカートリッジは、例えば、SulzerMixpac AG(Switzerland)から入手可能である。有用な静的混合チップは、例えば、米国特許出願公開第2006/0187752(A1)号(Kellerら)及び米国特許第5,944,419号(Streiff)に記載されている。有用な混合チップは、例えば、SulzerMixpac AG(Switzerland)から入手可能である。
他の有用な貯蔵デバイスは、例えば、国際公開第2010/123800号(3M)、国際公開第2005/016783号(3M)、国際公開第2007/104037号(3M)、国際公開第2009/061884号(3M)に記載されている。
あるいは、本明細書に記載されるペースト/ペーストGI組成物は、2つの個々のシリンジ中にて提供することができ、その個々のペーストは、使用前に手で混合することができる。
特定の実施形態では、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物は、第1ペースト、第2ペースト、並びに第1ペースト及び第2ペーストを混合して硬化組成物を形成するための(本明細書に開示されるような)1つ以上の方法を記載する指示書を含むキットとして提供することができる。
一実施形態では、本開示は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む、本明細書に記載される硬化性グラスアイオノマー組成物を保存するためのデバイスであって、組成物は樹脂を本質的に含まない、デバイスを提供する。デバイスは、第1ペーストを収容した第1コンパートメント、及び第2ペーストを収容した第2コンパートメントを備える。いくつかの実施形態では、第1コンパートメント及び第2コンパートメントの双方が各々独立して、静的混合チップのエントランスオリフィスを受け入れるためのノズル又はインターフェースを備える。
いくつかの実施形態では、第1ペースト及び第2ペーストの混合比は、体積に関して1:3〜2:1であり、特定の実施形態では、体積に関して1:2〜2:1である。
他の実施形態では、第1ペースト及び第2ペーストの混合比は、重量に関して1:6〜1:1であり、特定の実施形態では、重量に関して1:4〜1:1である。
それぞれのペーストを混合したときに得られる又は得られたものであるか、又は得ることができる組成物は、歯科用セメント、歯科用充填材、歯科用コアビルドアップ材料、又は歯科用根管充填材料として、又はそれらを製造するために、特に有用である。
方法
施術者は、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物を多種多様な方法で使用し、硬化組成物を調製することができる。
一実施形態では、本方法は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む、本明細書に記載される硬化性グラスアイオノマー組成物を準備することであって、組成物は樹脂を本質的に含まない、準備すること、第1ペースト及び第2ペーストを組み合わせて混合物(例えば、硬化性組成物)を形成すること、並びに混合物を硬化させて硬化組成物を形成すること、を含む。
別の実施形態では、本方法は、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む、本明細書に記載される硬化性グラスアイオノマー組成物を保存するためのデバイスを準備することであって、組成物は樹脂を本質的に含まず、デバイスは第1ペーストを収容した第1コンパートメント、及び第2ペーストを収容した第2コンパートメントを備える、準備すること、第1ペースト及び第2ペーストを組み合わせて混合物(例えば、硬化性組成物)を形成すること、並びに混合物を硬化させて硬化組成物を形成すること、を含む。
特定の実施形態では、混合物(例えば、硬化性組成物)を歯牙硬組織表面に適用し、混合物(例えば、硬化性組成物)を硬化させて歯牙硬組織表面に硬化組成物を形成させる。
一実施形態によれば、本明細書に開示されるGI組成物の2つのペーストを混合することにより得られるか、又は得ることができるセメント組成物は、硬化前又は硬化中に、以下のパラメータのうちの少なくとも1つ、2つ以上、又は全てを満たすことができる。EN−ISO 9917−1:2007に従って測定した約5分、4分、又は3分以内の凝結時間、EN−ISO 9917−1:2007に従って測定した約4分、3分、2分、又は1分以内の作業時間、及び、貯蔵安定であること。所望する場合、凝結時間及び硬化挙動を、本明細書の実施例セクションでより詳細に記載のとおりに測定することができる。
特定の実施形態では、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペースト及び第2ペーストを混合することから形成される混合物(例えば、硬化性組成物)は、施術者が組成物を十分に混合するだけでなく、組成物を、例えば、クラウン、ブリッジ、根管、又は形成した歯の表面に適用することも可能な十分な作業時間を有する。更に、混合物(例えば、硬化性組成物)は、施術者の時間を節約し患者の利便性を高めることができる、都合よく短い凝結時間を有する。
別の実施形態によれば、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物の第1ペースト及び第2ペーストを混合することから形成される混合物(例えば、硬化性組成物)は、硬化後、以下のパラメータのうちの1つ、2つ以上、又は全てを満たすことができる。組成物を被覆するために箔の代わりにガラススラブを使用することを条件として、EN−ISO 9917−2:2010に従って測定する、約20MPaを超える又は約25MPaを超える曲げ強度。組成物を被覆するために箔の代わりにガラススラブを使用することを条件として、EN−ISO 9917−1/2007に従って測定する、約100MPaを超える、約120MPaを超える、又は約150MPaを超える圧縮強度。所望する場合、これらのパラメータを、本明細書の実施例セクションに記載のとおりに測定することができる。
本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物は、当技術分野におけるグラスアイオノマーセメントの市販の状態と比較して、容易に混合することができ、凝結時間などの他の重要なパラメータに影響を与えることなく、曲げ強度及び破壊靭性といった適切な機械的特性を実現することができる。典型的には、本明細書に開示されるペースト/ペーストGI組成物は、エナメル質及び象牙質といった歯の表面に対して適切に接着することができる。
本開示の例示的実施形態
硬化性グラスアイオノマー組成物及びその使用方法を提供することが可能な、様々な実施形態が開示される。
実施形態1Aは、水と、ポリ酸と、非酸反応性充填剤とを含む第1ペースト、及び水と、酸反応性充填剤と、シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペーストを含む硬化性グラスアイオノマー組成物であって、組成物は樹脂を本質的に含まない、硬化性グラスアイオノマー組成物である。
実施形態2Aは、組成物が樹脂を含まない、実施形態1Aに記載の硬化性グラスアイオノマー組成物である。
実施形態3Aは、シランが不飽和重合性基を本質的に含まない、実施形態1A又は2Aに記載の組成物である。
実施形態4Aは、シランが、式:(RO)−Si−(CH−(O−R−OR[式中、RはC1〜C3アルキル基であり、RはC2〜C3アルキレン基であり、RはC1〜C10アルキル基であり、n=2〜6であり、かつx=0〜200である]のものである、実施形態1A〜3Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態5Aは、シランが、式:(RO)−Si−(CH−(O−R−OR[式中、RはC1〜C3アルキル基であり、RはC2〜C3アルキレン基であり、Rは2,3−エポキシプロピルであり、n=2〜6であり、かつx=0〜200である]のものである、実施形態1A〜3Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態6Aは、Rが−CHCH−を表す、実施形態4A又は5Aに記載の組成物である。
実施形態7Aは、n=3である、実施形態4A〜6Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態8Aは、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率が、少なくとも50%である、実施形態1A〜7Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態9Aは、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率が、少なくとも75%である、実施形態1A〜8Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態10Aは、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率が、少なくとも95%である、実施形態1A〜9Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態11Aは、非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子が、ヒュームドシリカを実質的に含まない、実施形態1A〜10Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態12Aは、第1ペースト及び第2ペーストのうちの少なくとも1つが、焼成シリカ粒子を更に含む、実施形態1A〜11Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態13Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として20重量%未満である、実施形態1A〜12Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態14Aは、第1ペーストの含水率が、第1ペーストの全重量を基準として20重量%未満であり、第2ペーストの含水率が、第2ペーストの全重量を基準として20重量%未満である、実施形態1A〜13Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態15Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として19重量%未満である、実施形態1A〜14Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態16Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として18重量%未満である、実施形態1A〜15Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態17Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として17重量%未満である、実施形態1A〜16Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態18Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として16重量%未満である、実施形態1A〜17Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態19Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として15重量%未満である、実施形態1A〜18Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態20Aは、第1ペースト及び第2ペーストを合わせた含水率が、組成物の全重量を基準として10重量%〜15重量%である、実施形態1A〜19Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態21Aは、非酸反応性充填剤が、粒子及び/又は繊維を含む、実施形態1A〜20Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態22Aは、非酸反応性充填剤が、石英、窒化物、カオリン、ホウケイ酸ガラス、酸化ストロンチウム系ガラス、酸化バリウム系ガラス、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1A〜21Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態23Aは、非酸反応性充填剤が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属酸化物を含む、実施形態1A〜22Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態24Aは、非酸反応性充填剤が、0.005μm〜10μmの平均粒径を有する、実施形態1A〜23Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態25Aは、非酸反応性充填剤が、実質的に結晶性の無機繊維を含む、実施形態1A〜24Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態26Aは、実質的に結晶性の無機繊維が、セラミック及び/又は金属酸化物を含む、実施形態25Aに記載の組成物である。
実施形態27Aは、実質的に結晶性の無機繊維が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属酸化物を含む、実施形態25A又は26Aに記載の組成物である。
実施形態28Aは、金属酸化物が、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ビスマス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される成分で改質される、実施形態27Aに記載の組成物である。
実施形態29Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、少なくとも3μmの平均直径を有する、実施形態25A〜28Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態30Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、最大で25μmの平均直径を有する、実施形態25A〜29Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態31Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、最大で20μmの平均直径を有する、実施形態25A〜30Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態32Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、約10:1の平均アスペクト比を有する、実施形態25A〜31Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態33Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、1mm以下の平均長さを有する、実施形態25A〜32Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態34Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、0.5mm以下の平均長さを有する、実施形態25A〜33Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態35Aは、ペースト中に含まれる実質的に結晶性の無機繊維が、少なくとも25μmの平均長さを有する、実施形態25A〜34Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態36Aは、XRD結晶性指数試験法により測定した際、実質的に結晶性の無機繊維が少なくとも0.05の結晶性指数を有する、実施形態25A〜35Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態37Aは、XRD結晶性指数試験法により測定した際、実質的に結晶性の無機繊維が少なくとも0.1の結晶性指数を有する、実施形態25A〜35Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態38Aは、第1ペーストが、第1ペーストの全重量を基準として、65重量%以下の実質的に結晶性の無機繊維を含む、実施形態25A〜37Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態39Aは、第2ペーストが、第2ペーストの全重量を基準として、65重量%以下の実質的に結晶性の無機繊維を含む、実施形態25A〜38Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態40Aは、組成物が、組成物の全重量を基準として、40重量%以下の実質的に結晶性の無機繊維を含む、実施形態25A〜39Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態41Aは、組成物が、組成物の全重量を基準として、10重量%〜15重量%の実質的に結晶性の無機繊維を含む、実施形態25A〜40Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態42Aは、酸反応性充填剤が、塩基性金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、1.5未満のSi/Al重量パーセント比を有するガラス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される無機充填剤を含む、実施形態1A〜41Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態43Aは、酸反応性充填剤が、3μm〜10μmの平均粒径を有する、実施形態1A〜42Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態44Aは、第1ペーストが錯化剤を更に含む、実施形態1A〜43Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態45Aは、組成物が、室温で少なくとも1ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である、実施形態1A〜44Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態46Aは、組成物が、室温で少なくとも3ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である、実施形態1A〜45Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態47Aは、組成物が、室温で少なくとも6ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である、実施形態1A〜46Aのいずれか1つに記載の組成物である。
実施形態1Bは、実施形態1A〜47Aのいずれか1つに記載の硬化性グラスアイオノマー組成物を準備すること、第1ペースト及び第2ペーストを組み合わせて混合物を形成すること、並びに混合物を硬化させて硬化組成物を形成すること、を含む、硬化組成物を調製する方法である。
実施形態1Cは、第1ペーストを収容した第1コンパートメント、及び第2ペーストを収容した第2コンパートメントを備える、実施形態1A〜47Aのいずれか1つに記載の組成物を保存するためのデバイスである。
実施形態2Cは、第1コンパートメント及び第2コンパートメントの双方が各々独立して、静的混合チップのエントランスオリフィスを受け入れるためのノズル又はインターフェースを備える、実施形態1Cに記載のデバイスである。
実施形態1Dは、実施形態1C又は2Cに記載のデバイスを準備すること、第1ペースト及び第2ペーストを組み合わせて混合物を形成すること、並びに混合物を硬化させて硬化組成物を形成すること、を含む、硬化組成物を調製する方法である。
本開示の目的及び利点は以下の非限定的な実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な材料及びそれらの量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないものと解釈されるべきである。
以下の実施例は本発明の範囲を例示するために示すものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書で使用する場合、別段の指定がない限り、全ての部及び百分率は重量によるものであり、全ての水は脱イオン水であったものとする。別段の指定がない限り、材料は、Sigma−Aldrich Corp.(St.Louis,MO)から入手することができる。全ての市販材料は、販売元から入手したまま使用した。フッ化アンモニウムは、Alfa Aesar(Tewksbury,MA)から入手した。酒石酸はFisher Scientific(Waltham,MA)から入手し、3−ホスホノプロピオン酸はAlfa Aesar(Tewksbury,MA)から入手した。
XRD結晶性指数試験法
結晶性指数は、無機繊維サンプルにおける結晶性のレベルを特徴付けるために使用されるパラメータである。簡潔には、本明細書で使用するXRD結晶性指数試験法では、内部標準としてタングステン粉末を使用する。内部又は質量標準は、サンプル中の存在量に基づいてX線強度値を正規化するために、結晶性指数を測定のため評価されるサンプルに組み込まれる材料を指す。試験する各無機繊維サンプルを、タングステン粉末と重量比4:1で混合する。各無機繊維サンプルの調製物をエタノールスラリーとして混合し、次いで乾燥させ、試験する各無機繊維サンプルに対して2つのサンプル調製を行う。次いで、各サンプル調製物を6回XRDスキャンする。結晶性指数は、14〜46度(2シータ)の散乱角範囲内での分析物の結晶相回折ピークにおいて観察されたピーク面積と、タングステン内部標準における(110)回折ピーク面積との比である。以下の手順を使用して、試験した実質的に結晶性の無機繊維に関するXRD結晶性指数を測定した。
325メッシュのふるいを通過させるため、ボールミル粉砕並びに/又は炭化ホウ素乳鉢及び乳棒による手の粉砕により、相の標準の粒径を減少させた。0.400グラムの各サンプル及び0.100グラムのタングステン内部標準(すなわち、General Electricから入手可能な<3ミクロンのタングステン金属粉末、ロットU−1.35−8808D)からなる個々の混合物を調製した。混合物を乳鉢及び乳棒でエタノール下にてブレンドし、窒素気流下で乾燥させた。乾燥した混合物をスパチュラ及び微細なブラシにより乳鉢及び乳棒から取り除き、最後に個々のサンプル容器に移した。
各サンプルの一部を、シリコンからなるゼロバックグラウンド標本ホルダー(zero background specimen holders)上で、エタノールスラリーとして調製した。銅Kα放射線、可変入口スリット、固定された出口スリット、及び散乱放射線のピクセル検出器レジストリ(Pixcel detector registry)を採用するBragg−Bretano型のtheta−theta型回折計(Bragg−Bretano theta−theta diffractometer)(Empyrean、Almelo,The NetherlandsのPANalyticalにより製造)を使用することにより、各サンプルから複数のX線回折スキャンを得た。14〜46度(2θ)で、0.026度のステップ幅及び10秒の放置時間(dwell time)を採用し、スキャンを実施した。X線発生器を40kV及び40mAの設定で作動させ、固定された入射ビームスリットを使用した。
14〜46度(2θ)の散乱角範囲内にて観察された回折ピークをプロファイルフィッティングすることにより、サンプル及びタングステン質量標準内の結晶相により観察された回折極大のピーク面積を測定した。内部質量標準のX線散乱は、(1 1 0)ピーク面積を使用した立方晶タングステンの測定により評価した。プロファイルフィッティング作業中、必要に応じて十分な数の適切に幅広い散乱ピークを含めることにより、非晶質相による散乱を考慮した。全ての場合において、Pearson VIIピーク形状モデル及び線形バックグラウンドモデル(linear background model)を使用した。プロファイルフィッティングは、JADE(バージョン9、Materials Data Inc.Livermore,CA)回折ソフトウェア一式の機能を用いて実施した。
サンプル中に存在する結晶相により生成された極大ピーク面積を合計し、各サンプルに関して、全サンプル結晶相(total sample crystalline phase)の散乱強度値[(全結晶面積)サンプル]を求めた。プロファイルフィッティング中に非晶質相を考慮するために使用した幅広いピークはいずれも、結晶性指数の計算には含めなかった。これら全サンプル結晶相の散乱強度値をそれぞれの立方晶タングステン(1 1 0)ピーク面積で割り、各サンプルに関して結晶性指数[X]を求めた。
=[(全結晶面積)サンプル]/[(タングステン面積)サンプル
平均のX値は、個々のX値から計算した。
C(平均)=[εXC(i)]/Nサンプル
式中、Nサンプル=サンプルのスキャン回数。サンプルの複数回のXRD実施を報告した。
この手順に従って測定した結晶性指数結果を、表1に報告する。
Figure 2020520919
Nextel 312サンプルに関しては、検出可能な回折ピークは観察されなかった。
材料
「NALCO 2329」は、40重量%のSiOを含み、ナトリウム対イオン(およそ0.25%のNaO)を含み、25℃においてpH=8.4であり、粒径が75nmである、Ecolab(Naperville,IL)から入手可能な水性コロイドシリカゾルを指す。
「LEVASIL 50/50」は、50重量%のSiOを含み、塩基安定化されたコロイドシリカゾル(base−stabilized colloidal silica sol)を含み、pH=9〜10であり、粒径が50nmである、Akzo Nobel(Bohus,Sweden)から入手可能な水性コロイドシリカゾルを指す。
「PA 1」は、およそ20,000のMWを有する、アクリル酸及びマレイン酸(1:1コポリマー)の水溶性ポリ酸コポリマー(water soluble polyacid copolymer)(KETAC−FIL PLUS(3M ESPE Dental Products))を指す。
「FAS 1」は、(X線蛍光分析に基づく)以下の元素組成、10〜15重量%のSi、10〜15重量%のAl、23〜26.5重量%のSr、2.0〜4.0重量%のNa、11.0〜14.5重量%のF、2〜3.5重量%のP、4.5〜7重量%のLa、26〜30重量%のOを有する、平均粒径4.8μm(1.6μmのd10、8.0μmのd50、30μmのd90)の、酸反応性フルオロアルミノシリケートガラス粉末(acid−reactive fluoroaluminosilicate glass powder)を指す。酸反応性ガラス粉末は、ガラスフリットを溶融し、続いてフリットを4.8μmの粒径にまで粉砕及び研削し、その後1Mの塩酸で1時間洗浄し、濾過し、乾燥させ、200〜300℃で12時間焼き戻すことにより調製する。
「FAS 2」は、(X線蛍光分析に基づく)以下の元素組成、7.5〜12.5重量%のSi、7.5〜12.5重量%のAl、15.0〜20.0重量%のLa、7.5〜12.5重量%のCa、1.0〜3.0重量%のNa、0.5〜3.0重量%のP、12.0〜17.0重量%のF、30.0〜35.0重量%のOを有する、平均粒径4.8μmの、酸反応性フルオロアルミノシリケートガラス粉末を指す。酸反応性ガラス粉末は、ガラスフリットを溶融し、続いてフリットを4.8μmの粒径にまで粉砕及び研削し、その後1Mの塩酸で1時間洗浄し、濾過し、乾燥させ、200〜300℃で12時間焼き戻すことにより調製する。
「NEXTEL 720」は、3Mから入手可能な、α−Al及びムライト結晶相(85重量%のAl、15重量%のSiO)を有する、直径10〜12μmのアルミノシリカセラミック繊維(aluminosilica ceramic fibers)を指し、これを更に200μmの均一な長さに細断した。「S/T NEXTEL 720」は、以下のように表面処理したNEXTEL 720を指す。細断繊維の水(細断繊維の5倍重量)中の撹拌混合物に、3−ホスホノプロピオン酸(繊維重量を基準として2重量%)を加えた。混合物を100℃に加熱し、最低2時間撹拌した。繊維をおよそ30分間沈降させ、上澄み液をデカントした。繊維を過剰な水で(2回)洗浄し、湿った繊維を85℃でおよそ2時間乾燥させ、Nextel 720細断繊維を得た。
「Silquest A−1230」は、Momentive Performance Materials(Waterford,NY)から入手した、分子量およそ600g/molのポリアルキレンオキシドアルコキシシランを指す。
「メトキシプロピルトリメトキシシラン」は、Gelest,Inc(Morrisville,PA)から入手した、分子量194g/molの親水性シランを指す。
「カルボキシエチルシラントリオール」は、Gelest,Inc(Morrisville,PA)から入手した、分子量196g/molの親水性シランを指す。
「アセトキシエチルトリメトキシシラン」は、Gelest,Inc(Morrisville,PA)から入手した、分子量208g/molの親水性シランを指す。
「Aerosil 300 Pharma」は、Evonik Industries(Essen,Germany)から入手した、表面積が約300m/gのヒュームドシリカを指す。
方法
シラン処理シリカゾルの調製
シリカゾル(Levasil 50/50又はNalco 2329など)の溶液をシラン(Silquest A−1230など)と反応させることにより、シラン処理を実行した。「100%の理論被覆率」を得るためのシランのシリカゾルに対する比を、以下に示す数式1を用いて計算した。
Figure 2020520919
式中、dはシリカ粒子の直径(nm)であり、MWはシランの分子量(g/mol)であり、SiO2w/wはシリカゾル中のシリカの重量分率(w/w)である。例えば、Levasil 50/50が使用されているシリカゾルで、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがシランであった場合、「100%の理論被覆率」を得るための比を以下のように計算したことになる。
Figure 2020520919
適正な量のシリカゾル及びシランを容器(通常はガラスバイアル又はガラスジャー)に加えたところ、溶液が反応することとなった。最も一般的な反応条件は80〜85℃で17時間であった。しかし、温度及び時間を厳密にすることはそれほど重要ではない。反応時間が完了すると、シラン処理が終了し、ゾルを使用する準備が整った。
グラスアイオノマーペーストの一般的な調製
高せん断速度ミキサー(high shear speed mixer)(FlackTek Inc.Speed Mixer,DAC 150 FVZ&150.1 FVZ)を用いて、全ペーストを作製した。全成分を加えて2000〜2500RPMで1分間混合することで、塩基ペーストを作製した。これは、塩基ペーストを完全に混合するのに十分である傾向があった。水、酒石酸及びPA 1を加えることにより、酸ペーストを作製した。次いで、溶液を3500RPMで1分間高速混合(speed mixed)し、固体を破砕した。次いでS/T Nextel 720繊維を加え、ペーストを3500RPMで1分間高速混合した。次いでその後、手で一連のへら操作(spatulating)を行った後、均質なペーストとなるまで、3500RPMで1分間高速混合した。
曲げ強度
2つの要素を下表に示す比率で混合し、混合した材料を、両側にポリエステルフィルムを備えた2mm×2mm×25mmのPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)型に入れることにより、グラスアイオノマー試験標本を調製した。ポリカーボネートスライドを、両ポリエステルフィルム片の外側に配置した。次いで、型をパワーハンドクランプで固定し、温度及び湿度が制御されたチャンバーに、37℃及び相対湿度95%で約1時間入れた。次いで、サンプルを型から取り出して脱イオン水に入れ、37℃のオーブンに約24時間入れた。次いで、端部を滑らかにし、幅及び長さを正確に測定するため、サンプルをBuehler Ecomet 4 Variable Speed Grinder−Polisher上で600グリットのサンドペーパーを用いて研磨した。曲げ強度を、ANSI/ADA(American National Standard/American Dental Association)の規格番号27(1993)に準拠して、Instron試験機(Instron 5944,Instron Corp.,Canton,MA,USA)で0.75mm/分のクロスヘッド速度で測定した。
貯蔵安定性
実施例組成物のペーストをBD Slip Tipシリンジ(5又は10mL)に入れ、ヒートシール可能なアルミニウムパウチに分配した。パウチをヒートシールして気密かつ水密とし、ラベル付けして質量を測定した(massed)。各配合物について、10〜15パウチのペーストにした。パウチをプラスチック製のジッパー密閉袋(zipper−closing bag)に入れ、25℃、相対湿度50%の環境に配置した。様々な時点で、サンプルの劣化(aging:エージング)を観察した。水分の損失が発生していないことを確認するため、観察前にサンプルの質量を測定した。各貯蔵期間の終了時に実施例を開封し、プローブを用いて、許容可能なペーストとしての軟度及び作業可能性を評価した。サンプルの結果を3つの評価区分に分類した:(1)「++」はサンプルが貯蔵条件の間中目立った変化を呈さなかったことを示したものであって、サンプルは依然として軟らかく、作業可能で混合可能なペーストであり、許容可能であると考えられた。(2)「+」は実施例がある程度の変化を呈したことを示したものであって、実施例はそれほど軟らかくはないが、依然として作業可能で混合可能なペーストであり、少しばかり許容可能であった。(3)「−」はサンプルが明らかに許容不可能な変化を呈したことを示したものであって、サンプルは硬化したペーストであり、作業可能なものではなかった。安定性の結果を表30〜32に示す。
配合物
シラン処理シリカゾル
実験に使用したシラン処理シリカゾルは、以下の表2〜5で確認できる。
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
ペースト配合物
貯蔵安定性試験用に作製した塩基ペーストは、以下の表6〜23で確認できる。
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
曲げ強度を試験するために使用した配合物を、以下の表24〜29に示す。
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
Figure 2020520919
物理的特性の測定
安定性を、例示的な実施例及び比較例について本明細書に記載されるように測定した。結果を表30〜32に示す。
Figure 2020520919
上表では、サンプルの結果を3つの評価区分に分類した:(1)「++」はサンプルが貯蔵条件の間中目立った変化を呈さなかったことを示したものであって、サンプルは依然として軟らかく、作業可能で混合可能なペーストであり、許容可能であると考えられた。(2)「+」は実施例がある程度の変化を呈したことを示したものであって、実施例はそれほど軟らかくはないが、依然として作業可能で混合可能なペーストであり、少しばかり許容可能であった。(3)「−」はサンプルが明らかに許容不可能な変化を呈したことを示したものであって、サンプルは硬化したペーストであり、作業可能なものではなかった。
Figure 2020520919
メトキシプロピルトリメトキシシランを含む全実施例では、劣化の兆候を示さなかったことが確認できる。
Figure 2020520919
曲げ強度を、例示的な実施例及び比較例について本明細書に記載されるように測定した。結果を表33に示す。
Figure 2020520919
理論被覆率が高くなるにつれて曲げ強度が低くなる傾向がきわめてわずかにあるが、シリカゾルのシラン処理に基づく曲げ強度には統計的有意性がないことが確認できる。
実施例17
以下の量にて実施例17を調製した。最初に、Akzo NobelからのLevasil 50/50を、米国特許第6,899,948(B2)号(Zhangら)のセクション「Filler C Nano−sized Silica.」に記載された手順に従ってエポキシシラン化した。シランは、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランであった。15.2%の量のエポキシシラン処理したLevasil 50/50(水50%及びシラン化した粒子50%を含む)を、83.1%の量のKetac Fil Plus ionomer glass powder(3M Company,Seefeld Germanyから入手可能なKETAC Fil Plus Glass Ionomer Filling Material)、1.6%の量のOX−50ヒュームドシリカ、及び0.1%の量の安息香酸に加えた。
上記の特許出願において引用された全ての参考文献、特許文献又は特許出願は、一貫した形でその全文が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。前述の記載は、特許請求の範囲に記載の開示を当業者が実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びその全ての等価物によって定義される。

Claims (31)

  1. 水と、
    ポリ酸と、
    非酸反応性充填剤と
    を含む第1ペースト、及び
    水と、
    酸反応性充填剤と、
    シランによる粒子の表面被覆率が少なくとも25%である非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子とを含む第2ペースト
    を含む硬化性グラスアイオノマー組成物であって、
    前記組成物は樹脂を本質的に含まない、
    硬化性グラスアイオノマー組成物。
  2. 前記組成物が樹脂を含まない、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記シランが不飽和重合性基を本質的に含まない、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記シランが、式:
    (RO)−Si−(CH−(O−R−OR
    [式中、
    はC1〜C3アルキル基であり、
    はC2〜C3アルキレン基であり、
    はC1〜C10アルキル基であり、
    n=2〜6であり、かつ
    x=0〜200である]のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記シランが、式:
    (RO)−Si−(CH−(O−R−OR
    [式中、
    はC1〜C3アルキル基であり、
    はC2〜C3アルキレン基であり、
    は2,3−エポキシプロピルであり、
    n=2〜6であり、かつ
    x=0〜200である]のものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  6. が−CHCH−を表す、請求項4又は5に記載の組成物。
  7. n=3である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率が、少なくとも50%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率が、少なくとも75%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子のシランによる粒子の表面被覆率が、少なくとも95%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記非凝集性かつ水混和性のナノサイズシリカ粒子が、ヒュームドシリカを実質的に含まない、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記第1ペースト及び前記第2ペーストのうちの少なくとも1つが、焼成シリカ粒子を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記第1ペースト及び前記第2ペーストを合わせた含水率が、前記組成物の全重量を基準として20重量%未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記第1ペーストの含水率が、前記第1ペーストの全重量を基準として20重量%未満であり、前記第2ペーストの含水率が、前記第2ペーストの全重量を基準として20重量%未満である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記非酸反応性充填剤が、粒子及び/又は繊維を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記非酸反応性充填剤が、石英、窒化物、カオリン、ホウケイ酸ガラス、酸化ストロンチウム系ガラス、酸化バリウム系ガラス、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記非酸反応性充填剤が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属酸化物を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記非酸反応性充填剤が、実質的に結晶性の無機繊維を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記実質的に結晶性の無機繊維が、セラミック及び/又は金属酸化物を含む、請求項18に記載の組成物。
  20. XRD結晶性指数試験法により測定した際、前記実質的に結晶性の無機繊維が少なくとも0.05の結晶性指数を有する、請求項18又は19に記載の組成物。
  21. XRD結晶性指数試験法により測定した際、前記実質的に結晶性の無機繊維が少なくとも0.1の結晶性指数を有する、請求項18又は19に記載の組成物。
  22. 前記酸反応性充填剤が、塩基性金属酸化物、金属水酸化物、ヒドロキシアパタイト、アルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、1.5未満のSi/Al重量パーセント比を有するガラス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される無機充填剤を含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記酸反応性充填剤が、3μm〜10μmの平均粒径を有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記第1ペーストが錯化剤を更に含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記組成物が、室温で少なくとも1ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組成物。
  26. 前記組成物が、室温で少なくとも3ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 前記組成物が、室温で少なくとも6ヶ月間貯蔵後も、硬化性グラスアイオノマー組成物を形成するのに十分に作業可能、又は混合可能な状態である、請求項1〜26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 硬化組成物を調製する方法であって、
    請求項1〜27のいずれか一項に記載の硬化性グラスアイオノマー組成物を準備すること、
    前記第1ペースト及び前記第2ペーストを組み合わせて混合物を形成すること、並びに
    前記混合物を硬化させて前記硬化組成物を形成すること、
    を含む、方法。
  29. 前記第1ペーストを収容した第1コンパートメント、及び
    前記第2ペーストを収容した第2コンパートメント
    を備える、請求項1〜27のいずれか一項に記載の組成物を保存するためのデバイス。
  30. 前記第1コンパートメント及び前記第2コンパートメントの双方が各々独立して、静的混合チップのエントランスオリフィスを受け入れるためのノズル又はインターフェースを備える、請求項29に記載のデバイス。
  31. 硬化組成物を調製する方法であって、
    請求項29又は30に記載のデバイスを準備すること、
    前記第1ペースト及び前記第2ペーストを組み合わせて混合物を形成すること、並びに
    前記混合物を硬化させて前記硬化組成物を形成すること、
    を含む、方法。
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