JP2020518715A - セルロース誘導体 - Google Patents

セルロース誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JP2020518715A
JP2020518715A JP2020512090A JP2020512090A JP2020518715A JP 2020518715 A JP2020518715 A JP 2020518715A JP 2020512090 A JP2020512090 A JP 2020512090A JP 2020512090 A JP2020512090 A JP 2020512090A JP 2020518715 A JP2020518715 A JP 2020518715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose
derivatization
reaction
water
pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020512090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020518715A5 (ja
Inventor
パヒマノリス、ニコラオス
Original Assignee
ベトゥリウム オサケ ユキチュア
ベトゥリウム オサケ ユキチュア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベトゥリウム オサケ ユキチュア, ベトゥリウム オサケ ユキチュア filed Critical ベトゥリウム オサケ ユキチュア
Publication of JP2020518715A publication Critical patent/JP2020518715A/ja
Publication of JP2020518715A5 publication Critical patent/JP2020518715A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B5/00Preparation of cellulose esters of inorganic acids, e.g. phosphates
    • C08B5/14Cellulose sulfate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B1/00Preparatory treatment of cellulose for making derivatives thereof, e.g. pre-treatment, pre-soaking, activation
    • C08B1/02Rendering cellulose suitable for esterification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B1/00Preparatory treatment of cellulose for making derivatives thereof, e.g. pre-treatment, pre-soaking, activation
    • C08B1/06Rendering cellulose suitable for etherification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B11/00Preparation of cellulose ethers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B15/00Preparation of other cellulose derivatives or modified cellulose, e.g. complexes
    • C08B15/02Oxycellulose; Hydrocellulose; Cellulosehydrate, e.g. microcrystalline cellulose
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B5/00Preparation of cellulose esters of inorganic acids, e.g. phosphates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08HDERIVATIVES OF NATURAL MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08H8/00Macromolecular compounds derived from lignocellulosic materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

本明細書は、セルロースパルプを誘導体化する方法、およびこの方法を使用して得られる生成物に関する。

Description

本発明は、誘導体化セルロースを製造する方法、およびこの方法を使用して得られる誘導体化セルロース生成物に関する。
化学的に誘導体化されたセルロースおよび誘導体化セルロースナノファイバーは、種々広範な用途、例えば材料科学、浄水、吸収剤、触媒担体、イオン交換材料、肥料、放出制御材料において、いくつかの例を挙げると食品および/または飼料バインダ、粘度調整剤または食品サプリメントとして使用される。通常、セルロースの化学的誘導体化には、マーセル化し、または結晶化度を低下させ、セルロース繊維内で誘導体化を進めるための熱的、機械的または化学的前処理、あるいは反応を促進するための過剰な試薬および/または有機溶媒の使用が必要である。以下の特許は、最新技術を表す。
US20100274001、US20130005957、およびUS9040681は、無溶媒条件で前処理されたセルロースのエーテル化について記載している。これらの方法では、機械的粉砕プロセスによりセルロースの結晶化度を低下させた。US4940785は、粉末の低結晶性セルロースのカチオン化のための半乾燥法を記載しているが、0.158より高いDS値および溶解性/分散性データは報告されていなかった。最近では、特許CN103936930には、高試薬フィードの存在下で反応媒体として水を使用して、前処理バガスピスから得られた柔細胞セルロースのカチオン化が記載されている。US5731259には、大過剰の試薬および触媒を使用したエポキシ化合物によるセルロースのエーテル化が記載されている。
EP0859011は、カチオン性ミクロフィブリル化セルロースを製造する方法を記載しているが、このプロセスは、水または有機溶媒媒体中の大過剰の試薬を使用する。ミクロフィブリルのセルロースナノ結晶について、いくつかの同様のカチオン化系が研究されている(Carbohydr.Polym.2016 135 239−247;Carbohydr.Polym.2012 89 1 163−170;Soft Matter 2008 4 2238−2244;Soft Matter 2013 9 2047−2055;Carbohydr Polym 2015,131,224−232)。セルロースナノ結晶のカチオン化は、反応媒体として水を使用するEP2428610に記載されており、加水分解による大量の試薬損失をもたらす。EP0869011は、アルカリ前処理されたセルロースのカチオン化のための反応媒体としてのイソプロパノールまたは他のヒンダードアルコールの使用を記載している。
ミクロフィブリルセルロースのカルボキシメチル化は、有機溶媒または半乾燥アルカリ前処理を使用したUS6602994に記載されている。さらに、US20150094464には、追加の水なしで、アルカリ処理された未乾燥セルロースを使用したセルロースのエーテル化が記載されている。
硫酸セルロースエステルは、アミン/アミドの組み合わせの有無にかかわらず、硫酸、三酸化硫黄、塩化スルフリル、クロロスルホン酸などを使用して得られうる(US4064342;US3528963;US3077373)。US2511229には、カルボン酸のアミド(尿素)と組み合わせたスルファミン酸の熱処理プロセスが記載されている。硫酸化セルロースナノ結晶は、65%硫酸加水分解処理を使用して製造され、組み合わせたナノフィブリル化セルロース/セルロースナノ結晶の製造方法がUS8710213に記載されている。最近では、塩化コリンベースの深共晶溶媒系と様々な酸とのスラリーを使用して、誘導体化セルロースナノ結晶が得られた(Biomacromol 2016,17,3025−3032)。さらに、酸化セルロースから、硫酸化セルロース繊維(US5522967)、ナノセルロースおよびセルロースナノ結晶が製造された(Cellulose 2008 15 489−496;Cellulose 2013 20(2)741−749)。硫酸/尿素混合物は、セルロース繊維を弱め、オリゴマーおよび糖を製造するために使用されている(US5252117;US4664717)。セルロースの有機酸エステルは古くから知られており、十分に確立されている。工業規模のアセチル化は、主に酢酸プロセス、すなわち溶媒としての酢酸中で、溶解木材パルプ、アセチル化試薬として過剰の無水酢酸、および触媒として硫酸または過塩素酸を使用して、行われる(Macromolecular Symposia,208(2004)49−60)。US20090111980は、様々な活性エステルを使用したエステル化のための有機触媒プロセスを記載している。
イオン液体、リン酸、アミン/DMSO、NMMO/H2O、銅エチレンジアミン(Cellulose Chem.Technol.2013 47(3−4)153−163;Cellulose Chem Technol 2014 47(9−10)671−679)およびそれらのナノフィブリル化の利用は、天然セルロース溶媒およびナノフィブリル化助剤として記載されている(CA2874414)。アルカリおよびLiCl/ジメチルアセトアミドと組み合わせた尿素水溶液は、セルロースを膨潤および溶解することが示されている(Macromol 2008 41 9345−9351;Cellulose 2013 20(1)97−103;Polymer 2003 44 4117−4126)。また、セルロースのナノフィブリル化の膨潤前処理として塩化コリン−尿素深共晶溶媒系が提案されている(Green Chem 2015 17 3401)。最近では、乾燥尿素/LiCl深共晶溶媒系が、溶解パルプのスクシニル化のための膨潤誘導体化反応媒体として使用されている(GreenSusChem 2016 9 3074−3083)。セルロースカルバマートは、ジメチル尿素/ZnCl2溶媒系を使用して得られたが、10倍過剰の試薬が使用された(GreenSusChem 2017 10 455−460)。
しかしながら、先行技術の誘導体化方法は、しばしば水中でのゲル構造の形成をもたらし、これは反応生成物の精製を困難にする。これは、ナノフィブリル化セルロースが誘導体化される場合に特に典型的な問題である。
現在のところ、誘導体化を促進するフィブリルレベルまでセルロース繊維を膨潤し、浸透できる試薬を用いてセルロースを誘導体化する一般的な乾燥、半乾燥、または高固形分の方法はない。
本発明は、セルロースを前処理することなく、高固形分またはさらには完全に乾燥した状態でセルロースパルプを誘導体化する方法を提供する。
この方法は、反応効率を高め、さらなるプロセス操作を容易にする。無害の反応条件および触媒/試薬の使用削減を達成でき、試薬および精製手順のコストを削減できる。特定の実施形態において、本発明は、同時にセルロース繊維に浸透/活性化することができ、誘導体化反応のための試薬/触媒として作用する試薬を利用する。
第1の態様によれば、以下を含むセルロースを誘導体化する方法が提供される:
a.尿素および少なくとも1つの誘導体化試薬を含む反応媒体を用意すること。
b.反応媒体と接触しているセルロースパルプを含む反応系において、少なくとも1つの誘導体化試薬とセルロースパルプとの間の化学的誘導体化反応を行うこと;ならびに
c.任意に、誘導体化セルロース生成物を精製および/または回収すること。
第2の態様によれば、第1の態様による方法によって得られ、100rpmの剪断速度にて1.0重量%の濃度で測定される場合少なくとも10cP、好ましくは少なくとも100cPのブルックフィールド粘度および/または0.1重量%濃度で測定される場合1000NTU未満、好ましくは0.1〜700NTUの範囲の濁度値を有する誘導体化セルロース生成物が提供される。
第3の態様によれば、第1の態様による方法によって得られた誘導体化セルロース生成物が提供され、ここで誘導体化の程度は0.05〜2.5mmol/g、好ましくは0.1〜1.5mmol/g、最も好ましくは0.5〜1.3mmol/gである。
第4の態様によれば、第1の態様による方法によって得られた誘導体化セルロース生成物が提供され、ここで生成物は、1重量%濃度で測定される場合0〜120℃の温度でpH2〜13にて水に不溶性である。
第5の態様によれば、第3の態様の誘導体化セルロース生成物を含む組成物が提供される。
第6の態様によれば、第3の態様の誘導体化セルロース生成物を含む錯化剤が提供される。一実施形態では、錯化剤は、銀または銀塩を錯化するためのものである。
第7の態様によれば、第2または第3の態様の誘導体化セルロース生成物を精製することにより得られる精製誘導体化セルロース生成物が提供される。
一実施形態では、本発明の上記の態様は、工業規模で行われる。
均質化前(左)および均質化後(右)の硫酸セルロースの交差偏光子間の光学顕微鏡画像。上から下へのサンプル:表2、エントリSUL−1、SUL−2、およびSUL−4。スケールバー100μm。 均質化された硫酸化セルロースの透過型電子顕微鏡画像。上から下へ、表2エントリSUL−1、SUL−2、およびSUL−4。 0.5重量%でのガラスバイアル中の均質化された硫酸化木材パルプの写真(サンプル表1、エントリSUL−2)、LCDディスプレイの偏光に対して偏光レンズを通して観察した場合に複屈折を示す。 漂白前後の均質化された硫酸化サンプルの透過型電子顕微鏡画像(表1、エントリ7)。
原料として利用される適切な「セルロースパルプ」は、セルロース、任意の微生物セルロース、またはセルロースパルプの製造に使用できる任意のセルロース原料源を含む任意の植物材料に基づいた任意のセルロース原料から得られ得る。
植物材料は、任意の木材由来または非木材由来の植物材料であってもよい。この木材は、スプルース、マツ、ファー、ラーチ、ダグラスファー、およびヘムロックなどの針葉樹(SW)樹木、バーチ、アスペン、ポプラ、アルダー、ユーカリ、およびアカシアなどの広葉樹(HW)樹木、および針葉樹と広葉樹との混合物から選択されてもよい。この非木材植物材料は、農業残渣、草、および他の植物材料、例えばわら、葉、樹皮、種子、外皮、花、野菜および果物から、綿、トウモロコシ、小麦、オート麦、ライ麦、大麦、米、亜麻、麻、マニラ麻、サイザル麻、ジュート、ラミー、ケナフ、バガス、竹およびアシから選択されてもよい。
セルロース含有原料は、細菌発酵プロセスから得られた材料などのセルロース産生微生物から誘導されてもよい。微生物は、アセトバクター属、アグロバクテリウム属、リゾビウム属、シュードモナス属およびアルカリゲネス属、適切にはアセトバクター属、特に適切にはアセトバクターキシリナム(Acetobacter xylinum)種またはアセトバクターパスツリアヌス(Acetobacter pasteurianus)種から選択されてもよい。セルロースは藻類からも得られてもよく、例えばセルロースは緑藻類、褐藻類、紅藻類の大部分、および黄金藻類の大部分の構造壁に見ることができる。
「セルロースパルプ」という用語はまた、化学、機械、熱機械、または化学熱機械パルプ化プロセスを使用して、任意のセルロース含有原料から単離されたセルロース繊維を指す。特にセルロースパルプ、これは植物起源のパルプ、特に木材(溶解パルプ、SWまたはHWパルプ)であることができる。
「セルロースナノファイバー」または「ミクロフィブリル化セルロース」という用語は、サブミクロン範囲の直径を有する単離されたセルロース繊維および繊維束を指す。セルロースナノファイバーの長さは200nmを超える場合があるが、数平均繊維直径は通常50nm未満である。最小のセルロースナノファイバーは、一般に直径2〜12nmのいわゆる基本フィブリルに類似する。ミクロフィブリル化セルロースは、通常、直径が通常7〜200nmで長さが数マイクロメートルの分岐した、しばしば凝集したセルロースナノファイバーの集合体である。生成物は、リファイナ、グラインダ、ホモジナイザ、コロイダ、摩擦グラインダ、超音波ソニケータ、フルイダイザ、例えばマイクロフルイダイザ、マクロフルイダイザまたはフルイダイザ型ホモジナイザなどの適切な機器を用いて、誘導体化セルロースパルプの機械的解繊により得られ得る。グレードは、製造方法、フィブリル化の程度、化学組成に応じて異なる特性を有する。グレードの化学組成も変動する。原料源、例えばHW対SWパルプに応じて、最終的なNFC生成物には異なる多糖類組成が存在する。通常、誘導体化の程度が低いグレードは直径が大きく、フィブリルのサイズ分布が広くなるが、高度に誘導体化されたグレードは直径が小さく、サイズ分布が狭くなる。
「誘導体化セルロース生成物」とは、共有結合した追加の官能基を有するように化学的に修飾されたセルロースパルプを指す。誘導体化は、例えばエーテル化またはエステル化に基づいていてもよく、特に適切な誘導体化は硫酸化およびカチオン化である。
硫酸化は、SO基を有機化合物に導入して硫酸エステルC−OSO配置を得る任意のプロセスとして規定され、ここで酸素が炭素骨格に結合する。アルコール基の硫酸化の場合、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、硫酸またはスルファミン酸が通常試薬として使用される。[Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology 4th edition,2004,Vol 23 pp 83]
誘導体化は不均一であり、主にセルロース基本フィブリルの表面を対象とし得る。この種の不均一誘導体化は、通常、高pH範囲であっても水に不溶性である生成物をもたらし、すなわち、個々のセルロース高分子を生成物から分離することができない。誘導体化の程度が高いと、誘導体化セルロース分子の完全な溶解さえ起こり得る。一実施形態では、さらなる誘導体化反応、または化学修飾反応を行って、水に可溶性または部分的に可溶性の誘導体化セルロース生成物を提供する。
セルロースの化学的誘導体化は、高温で形成される発色団、酸性、塩基性、または酸化条件によって引き起こされる、反応中の生成物の黄変および褐変を伴うことが多く、これらはセルロースおよび残留ヘミセルロースのキノンまたは共役構造への分解から形成される可能性がある。不飽和アルデヒドおよびケトンに代表されるこれらの電子豊富な化合物は、過酸化水素から形成されるヒドロペルオキシドアニオンなどの強力な求核試薬によって非発色性の対応物に変換できる。
一実施形態では、過酸化物またはオゾンによる漂白などの漂白の前に化学的誘導体化が行われる。本漂白方法の利点は、塩素および二酸化塩素漂白で典型的に形成される有毒な塩素化化合物の形成を回避することである。したがって、セルロースナノファイバーの場合には困難である洗浄工程を省略することができる。さらに、本漂白方法は、誘導体化フィブリル化セルロースの漂白に驚くほど適しており、塩素系漂白剤を使用する場合に典型的に観察されるナノファイバーの著しい劣化を回避する。
一実施形態では、プロセスは、誘導体化セルロースの色が監視され、色が黄色または褐色の色調を有する場合に漂白が行われる工程を含む。
一実施形態では、誘導体化反応は硫酸化であり、漂白は、過酸化水素またはオゾンなどの穏やかな漂白剤で行われる。過酸化水素またはオゾンを使用する利点は、反応生成物が無毒であるため、漂白硫酸化生成物を洗浄する必要がないことである。一実施形態では、硫酸化の後、フィブリル化の前に漂白が行われる。別の実施形態では、フィブリル化後に漂白が行われる。別の実施形態では、硫酸化およびフィブリル化の後に漂白が行われる。
一実施形態では、セルロースミクロフィブリルおよび/または基本フィブリルは誘導体化される。別の実施形態では、セルロースの基本フィブリルの表面は誘導体化される。さらに別の実施形態では、誘導体化の程度は、セルロースミクロフィブリルおよび/または基本フィブリルの表面において、基本フィブリルの内側よりも高い。
本方法は、尿素および任意に使用される膨潤剤の作用により誘導体化試薬にさらされるグルコース単位を選択的に誘導体化するという点で有利である。これは、得られた生成物に対して、従来の方法を使用して得られる誘導体化セルロースと区別する化学構造を提供する。したがって、従来のセルロース誘導体と比較して、本誘導体化セルロース生成物は、その構造が異なり、特性も異なる。
一実施形態では、反応媒体は、尿素および少なくとも1つの誘導体化試薬からなる。
本方法の一実施形態では、化学的誘導体化反応は、
水含有量が0〜20重量%の反応系、または
水含有量が10〜20重量%の反応系
においてセルロースパルプで行われる。
本方法の一実施形態において、反応系は、マーセル化されていないまたは酵素的もしくは機械的に前処理されていないセルロースまたはセルロースパルプを使用して調製される。
本方法の一実施形態では、反応系は、天然セルロース、または機械的もしくは酵素的に前処理またはマーセル化されていないセルロースに匹敵する結晶化度を有するセルロースまたはセルロースパルプを使用して調製される。
本方法の一実施形態では、誘導体化試薬は硫酸化試薬であり、反応媒体または反応系は、0〜10重量%の水を含む。
一実施形態では、工程a.は硫酸を水に溶解させ、それをアルカリで少なくとも部分的に中和し、続いて尿素を添加することを含む。一実施形態では、アルカリはアンモニアまたはNaOHである。これには、水に分散させたときに生成物の繊維構造が維持されるという利点があり、有機溶媒を使用せずに水で生成物を洗浄することができる。
一実施形態では、硫酸化試薬は、アンモニア、アルキルアミン、ナトリウムもしくは他のアルカリ塩またはそれらの混合物の硫酸水素塩として中和された硫酸を含む。中和工程はまた、硫酸を対応する硫酸塩と混合することによって行われることができる。いずれかの成分の添加順序は特に限定されない。任意に、試薬媒体に水は含まれない。
一実施形態では、スルホン化試薬は硫酸水素塩および任意に硫酸を含む。
一実施形態では、工程c.は水で洗浄することを含み、洗浄された生成物はフィブリル化される。
一実施形態では、方法は、フィブリル化の前または後に行われる漂白工程を含む。
本方法の一実施形態では、誘導体化試薬はカチオン化試薬であり、反応媒体または反応系は10〜20重量%の水を含む。さらなる実施形態では、反応媒体または反応系は、NaOHなどのアルカリを含む。
一実施形態において、誘導体化試薬は、セルロース表面と反応することができる任意の化学物質である。
一実施形態では、任意に少なくとも1つの触媒とともに、1つを超える誘導体化試薬が使用される。
本方法の一実施形態では、工程b.の前または間に、水は、0〜20重量%の範囲から選択された水分含有量まで除去される。
一実施形態では、反応媒体が添加される前に、反応系から水が除去される。
一実施形態では、反応媒体が添加された後、誘導体化反応が開始される前に、反応系から水が除去される。
一実施形態では、誘導体化反応が開始される前に、反応系から水が除去される。
一実施形態において、誘導体化反応は、反応系の温度を上げることにより開始される。
本方法の一実施形態において、反応系は、反応媒体をセルロースまたはセルロースパルプに含浸させることにより調製される。別の実施形態では、セルロースは含浸されたセルロースシートである。
本方法の一実施形態では、工程aおよび工程bは、工程aおよび工程bで使用される成分を混合することにより同時に実施される。
本方法の一実施形態では、工程a、bおよびcの少なくとも1つは、連続プロセスを使用して実施される。
一実施形態では、反応系は、セルロースの無水グルコース単位と比較して過剰の誘導体化試薬を含まない。
本方法の一実施形態では、セルロースまたはセルロースパルプの無水グルコース単位に対する誘導体化試薬のモル比は、0.01〜8、好ましくは0.1〜2、最も好ましくは0.3〜1.5である。
本方法の一実施形態において、セルロースまたはセルロースパルプの無水グルコース単位に対する尿素のモル比は、0.01〜8、好ましくは0.1〜5、最も好ましくは0.3〜3である。
本方法の一実施形態において、セルロースまたはセルロースパルプの無水グルコース単位に対する水のモル比は、0〜20、好ましくは0.1〜10、最も好ましくは3〜7である。
本方法の一実施形態では、反応系は塩基触媒を含み、セルロースまたはセルロースパルプの無水グルコース単位に対する塩基触媒のモル比は、0〜20、好ましくは0.01〜10、最も好ましくは0.05〜2である。
一実施形態では、本方法は、反応媒体および/または反応系に、イオン液体;塩;深共晶溶媒;カルバミド部分、過酸化カルバミド部分、アラントイン部分、ヒドラトイン部分、ビウレットを含む化合物、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの膨潤剤を提供することをさらに含む。
一実施形態では、セルロースまたはセルロースパルプの化学修飾または誘導体化は、セルロース繊維に同時に浸透および/または活性化することができる少なくとも1つの膨潤剤の存在下で実施されることが好ましい。任意に膨潤剤はまた、誘導体化反応の試薬および/または触媒としても作用する。好ましい膨潤剤は、イオン液体;塩、深共晶溶媒;カルバミド部分、過酸化カルバミド部分、アラントイン部分、ヒドラトイン部分、ビウレットを含む化合物;アミド、カルバミト、ピリジン、芳香族アミン、アルカリ金属水酸化物、スルホキシド、スルホン、イミダゾリウム、ピリジニウムカチオンに関連する化学構造;Cl、CFSO 、CFCO 、CHCO 、HCOO、およびRPO と対になったカチオン;カボジイミド、およびチオカルバミド;セルロースポリマー、フィブリル、および/または繊維間の水素結合を破壊できる化合物;水素結合ドナー、例えば尿素、水、ポリオール、糖、オリゴマー糖、グリセロール、N−ジメチルスルホキシド、N−メチルモルホリンN−酸化物、および/またはエチレングリコールとともに、四級アンモニウムおよび/またはホスホニウムカチオンのハライド塩、酸ハライドの錯化によって得られる化合物;ならびにセルロースヒドロキシル基と反応する試薬と組み合わせて使用することができるこれらの化合物および/または化学基の組み合わせおよび/または複合体である。セルロースのヒドロキシルと反応する試薬は、好ましくは、アルキルハライド、カルボン酸、酸、無機酸およびそれらのエステル、エポキシド、ラクタム、環状化合物、環状アミド、環状エステル、環状エーテル、ビニレン、アルケン、アルキン、芳香族化合物、無水物、ケトン、アルデヒド、カーボナート、エステル、過酸化物、イミン、イミド、シアナート、イソシアナート、ニトリル、チオール、ジスルフィド、スルフィン酸、スルホン酸、硫酸、チオシアナート、チオン、チアール、ホスフィン、ホスホン酸、ホスファート、ホスホジエステル、リン酸、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボリン酸、ボリン酸エステル;セルロースヒドロキシルを反応および/または酸化する化学基;ならびに前述の化合物の塩を含有する。
一実施形態では、セルロースヒドロキシルと反応する膨潤化合物および試薬の適用は、中または高稠度で適用される。例えば、セルロースシートは、適切な膨潤化合物および/または試薬を含む水溶液に含浸させることができる。セルロースシートは、膨潤前および/または後のいずれかで、より小さな断片、好ましくは等しいサイズのストリップに細断、切断、および/または粉砕することができる。含浸セルロースシートは、適切な条件で反応することができる。反応前および/または反応中に、セルロース繊維が膨潤または部分的に膨潤する。本開示の文脈における「膨潤」とは、膨潤化合物がセルロース繊維ネットワーク全体に伝播すること、すなわち、セルロースフィブリル、繊維、および/またはポリマー間の水素結合を部分的に破壊することを意味するが、フィブリル構造はそのまま残すことが好ましい。
一実施形態では、膨潤はフィブリル構造をそのままにする、すなわち、膨潤剤はフィブリル構造を破壊しない。
一実施形態では、膨潤剤は尿素を含む。別の実施形態では、さらなる膨潤剤が使用される。
一実施形態では、セルロース単位に対する膨潤剤のモル比は、0.01〜8、好ましくは0.1〜5、最も好ましくは0.3〜3である。
本方法の一実施形態において、誘導体化反応は、セルロース生成物の水保持が増加するまで行われる。
本方法の一実施形態では、誘導体化反応はセルロースカルバマート反応ではなく、および/または尿素は試薬または試薬の前駆体ではない。
本方法の一実施形態では、誘導体化の程度は、試薬の量および/または反応パラメータによって制御される。
本方法の一実施形態において、誘導体化反応は、0.05〜2.5mmol/g、好ましくは0.1〜1.5mmol/g、最も好ましくは0.5〜1.3mmol/gの誘導体化の程度まで行われる。
一実施形態では、セルロースパルプは木材パルプであり、誘導体化は、少なくとも0.2、1.3、1.4または1.7であるが2.5mmol/g以下のDSまで行われる。
本方法の一実施形態では、誘導体化反応は、セルロースまたはセルロースパルプの基本フィブリルの表面上で主に不均一に行われる。
一実施形態では、本方法は、誘導体化の程度を高めるため、または追加の官能基を導入するために、好ましくはエステル化およびエーテル化から選択されるさらなる化学修飾工程を含む。
一実施形態では、本方法は、好ましくはエステル化およびエーテル化から選択されるさらなる化学修飾工程を含む。
一実施形態では、本方法は、好ましくはカチオン化または硫酸化から選択されるさらなる化学修飾工程を含む。
本方法の一実施形態では、セルロースパルプは、セルロース含有原料の一次細胞壁、二次細胞壁、または一次および二次細胞壁の両方から抽出される。
本方法の一実施形態では、セルロースパルプは、広葉樹パルプもしくは針葉樹パルプ、溶解パルプ、または柔細胞セルロースパルプを含む任意の適切な植物材料から抽出されたセルロースパルプである。
一実施形態では、本方法は、精製工程またはフィブリル化工程をさらに含み、誘導体化セルロースナノファイバーまたは誘導体化ミクロフィブリル化セルロースを得る。
精製またはフィブリル化は、低(乾物含有量5重量%未満)、中(乾物含有量5〜15重量%)、または高稠度(乾物含有量15重量%以上)で行うことができる。
一実施形態において、セルロース誘導体は、好ましくは2〜100nm、より好ましくは2〜10nmの数平均直径を有するセルロースナノファイバーを含むように精製またはフィブリル化される。
誘導体化後に精製またはフィブリル化を行う利点は、必要な試薬が少なくなり、ゲル形成を回避できることである。さらに、フィブリル化セルロースを誘導体化する従来技術のプロセスと比較して、本発明は、セルロースナノフィブリルではなくセルロースパルプを出発材料として使用し、それにより本プロセスは経済的により効率的になる。
一実施形態では、本方法は、中稠度生成物、高稠度生成物、または乾燥生成物を得るための乾燥工程をさらに含む。
本方法の一実施形態では、少なくとも1つの触媒を使用して、誘導体化反応を実施する。
本方法の一実施形態では、誘導体化反応に水が使用される。
本方法の一実施形態では、脂肪族または芳香族アルコール、エーテル、塩素化溶媒、ヘキサン、アセトン、トルエン、ピリジン、DMF、DMA、DMSO、乳酸エチル、またはそれらの組み合わせから選択される任意の有機溶媒は、溶媒または誘導体化反応の懸濁助剤としては使用されない。別の実施形態では、反応系または反応媒体は上記の有機溶媒のいずれも含まない。
一実施形態では、本方法は、連続プロセス、半連続プロセス、またはバッチプロセスを使用して実施される。
本方法の一実施形態では、セルロースパルプなどのセルロースの化学的、酵素的、および/または機械的前処理は、誘導体化の前に行われていない。
第1の態様の一実施形態では、セルロース単位に対する水のモル比は、0〜20、好ましくは0.1〜10、最も好ましくは3〜7である。
本開示の文脈における精製セルロースは、本明細書に記載の方法を使用し、精製工程またはフィブリル化工程を含んで得られたセルロースナノファイバーを意味する。ナノファイバーのアスペクト比は通常非常に高く;ナノファイバーの長さは1マイクロメートルを超える場合があり、数平均直径は通常、200nm未満、例えば2〜100nmである。ナノファイバーの束の直径はそれより大きくてもよいが、通常は1μm未満である。最小のナノファイバーは、いわゆる基本フィブリルに似ており、その直径は通常2〜12nmである。この文脈において、セルロースナノファイバーはまた、典型的にはサブミクロン範囲、典型的には600nm未満の長さ、および50nm未満の直径を有するナノ結晶セルロースまたはセルロースナノ結晶を指す。精製セルロースには、ペクチンなどの他の多糖類も含まれる場合があり、その量は、使用する原材料および処理方法に依存する。精製セルロースは、本明細書に記載された誘導体化方法の後に、目的に適した装置、例えばグラインダ、粉砕機、ロータ・ステータ・ミキサまたはグラインダ、例えばUltra−Turrax,Masuko(Masuko Sangyoから)、ロータ・ロータ・ミキサまたはグラインダ、例えばAtrex型デバイス、ホモジナイザ、例えばAriete型またはPanda型(GEA Niro−Soaviから)、フルイダイザ、マイクロまたはマイクロフルイダイザ、例えばMicrofluidicsからのマイクロフルイダイザおよび/または超音波ディスインテグレータを用いて上記で記載のセルロース含有原料から単離できる。
開示されたセルロース誘導体、誘導体化セルロース生成物、および精製セルロース誘導体、ならびにセルロース誘導体を含む組成物は、組成物に組み込まれるまたは混合される場合、物質の組成物のレオロジ特性を変更することができる。したがって、本セルロース誘導体を使用して、粘度、抗菌特性、懸濁液安定性、温度に対するゲル非感受性、剪断可逆的ゲル化、降伏応力、および物質の組成物の液体保持から選択される1つ以上の特性を変更および改善することができる。このようにレオロジ特性が変更される可能性のある物質の組成物には、食品、医薬品、栄養補助食品、パーソナルケア製品、繊維、紙、塗料、コーティング、建設用組成物が含まれる。より具体的には、物質の適切な組成物にはオーラルケア製品;保湿、夜間、アンチエイジ、または日焼け止めクリームもしくはローションを含む、表皮適用のためのクリームまたはローション;低脂肪、ローファット、または無脂肪の食品スプレッド(例えばマヨネーズ)を含む食品スプレッド;掘削および破砕液が含まれる。レオロジ特性の変更は、精製セルロース誘導体またはそれを含む組成物を使用することによりさらに改善することができる。
開示されたセルロース誘導体およびフィブリル化セルロース誘導体は、用途のサイジング、強度、スケール制御、排水、脱水、保持、清澄化、形成、吸着性、フィルム形成、膜形成、および高分子電解質錯化を変えることができる。開示されたセルロース誘導体はまた、エマルジョン、分散液、またはフォーム系の安定性も変えることができる。安定性は、精製セルロース誘導体またはそれを含む組成物を使用することによりさらに改善できる。
開示された化学的に修飾されたセルロースは、例えば紙および紙製品、難燃性材料および製品、生物医学製品、ホームおよびパーソナルケア製品、浄水製品、塗料製品、建設資材および製品、食品および飼料製品の製造において、サイジング、強度、スケール制御、排水、脱水、保持、浄化、形成、吸収性、フィルム形成、膜形成、および製造中の高分子電解質錯化のうち少なくとも1つを改善するためにさらに使用されてもよい。フィブリル化セルロースは、この方法での使用に特に好ましい。
一実施形態では、誘導体化セルロース生成物は、吸収剤または超吸収剤として使用される。
開示された誘導体化セルロース生成物は、以下のうちの1つ以上の存在下で使用されてもよい:コロイダルシリカ;コロイド状アルミニウム変性シリカ;コロイド粘土、カルボン酸官能基、ヒドロキシル基、カチオン基、アミンおよびその他の極性および非極性官能基を含むデンプンの誘導体;カルボン酸官能基、ヒドロキシル基、アミンおよび他の極性および非極性官能基を含むグアーガムの誘導体;カルボン酸官能基、ヒドロキシル基、アミンおよびその他の極性および非極性官能基を含む天然ゴムまたは誘導体化天然ゴム;カルボン酸官能基、ヒドロキシル基、アミン、およびその他の極性および非極性官能基を含むポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリラート、ポリメタクリラートおよびポリスチレン;ならびにそれらの組み合わせ。本発明による精製セルロースは、この方法での使用に特に好ましい。この化学物質および/または成分は、精製の前または後に、開示されたセルロース組成物に添加することができる。
一実施形態では、本方法で使用されるセルロースは、セルロース含有原料に存在する。別の実施形態では、原料の乾物は少なくとも18%のセルロース、より好ましくは少なくとも50%のセルロース、最も好ましくは少なくとも90%のセルロースを含む。
本誘導体化セルロース生成物は、低、中、高、または乾燥の稠度での用途に適用できる。ここで、乾燥稠度は、粉末、ペレット、または顆粒の形態であることが好ましい。一実施形態では、誘導体化反応は、−50〜300℃;好ましくは30〜200℃;最も好ましくは50〜150℃から選択される温度で行われる。一実施形態において、誘導体化反応は、反応系から水を除去することにより反応系の所望の水分含有量に到達した後、反応系の温度を上昇させることにより開始される。
一実施形態では、セルロースシートが使用され、反応系は、最初にセルロースシートに反応媒体を含浸させることによって調製され、含浸されたセルロースシートは最初に20℃未満に冷却され、次いで20℃以上に加熱される。この方法を使用すると、反応速度論の正確な制御が容易になる。別の実施形態において、反応系は最初に20℃未満の温度で調製され、反応を開始するために20℃以上に加熱される。
一実施形態では、適切な反応条件は10−3mBar〜100Barである。
一実施形態では、セルロースシートが使用され、含浸されたセルロースシートが乾燥される、すなわち、水が選択的に除去される。
一実施形態では、誘導体化反応は、1〜14で選択されるpH値にて行われる。
一実施形態では、反応後、化学修飾セルロース化合物を水または適切な溶媒および/または溶液で洗浄して、不要な化学物質、副産物、膨潤化合物、未反応試薬、遊離小分子化合物、遊離オリゴマー化合物、遊離ポリマー化合物、遊離コロイド化合物を洗い流す。
一実施形態では、誘導体化反応は硫酸化であり、誘導体化セルロースはフィブリル化の前に水で洗浄される。部分的に中和された硫酸試薬を使用する場合、セルロース材料の大部分は誘導体化反応後も巨視的な形状(>20μm)であり、アルコールなどの有機溶媒の代わりに水を洗浄液として利用できる。
一実施形態では、少なくとも1つの溶媒を使用して、誘導体化セルロース生成物または精製誘導体化セルロースを濃縮する。
開示された方法は、バッチプロセス、連続、または半連続、最も好ましくは連続として実行できる。
一実施形態では、精製誘導体化セルロース生成物または誘導体化セルロース生成物はさらに濃縮され、続いて乾燥される。得られた乾燥セルロースサンプルは、水を添加し、任意に混合することにより再水和できる。
一実施形態では、化学修飾された精製セルロースまたは非精製セルロースは、ゲル様懸濁液、ペースト、顆粒、ペレット、および/または粉末として適切な用途に添加される。
一実施形態では、化学修飾された精製セルロースまたは非精製セルロースは、0.01%〜100%の乾物含有量で適切な用途に添加することができる。
精製または非精製の化学修飾セルロースは、ゲル状の分散液または懸濁液を形成でき、すなわち天然の繊維構造が失われ得る。セルロース、試薬、および任意に触媒を含むこの材料は、ペレットなどの規定された形態に湿式処理することができ、その後さらに、例えばドラムドライヤ、フロートベッド乾燥、または同様の従来の装置においてさらに処理されて、水の量を所望のレベルに減らすことができる。
一実施形態では、繊維は、誘導体化後にその天然の繊維構造を保持する。
一実施形態では、第1の態様による方法によって得られた誘導体化セルロース生成物が提供され、誘導体化の程度は0.05〜2.5mmol/g、好ましくは0.1〜1.5mmol/g、最も好ましくは0.5〜1.3mmol/gである。
以下の例は、本発明の様々な態様を説明するために提供される。それらは、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明を限定することを意図したものではない。
例1:誘導体化セルロースの特性評価
カチオン性サンプルのDSは、0.01MのAgNOによる塩化物イオンの導電率滴定によって決定され、通常、40gの均質化された0.5%カチオン性セルロース懸濁液を蒸留水で250mlに希釈した。滴定は、1〜5mlの0.01MのAgNO溶液を添加することによって絶えず撹拌しながら実施し、1分後に導電率を記録した。滴定は、導電率の最小値に達するまで実施され、最小値を通過した後、少なくとも5回のAgNOの添加が記録された。最小点は、サンプル中の塩化物イオンの総量を表し、上昇および下降の導電率傾向線の交点から計算された。
リン酸化サンプルのDSは、0.01MのHClを使用したpH滴定によって決定され、通常、30〜40gの均質化0.5〜1%サンプル懸濁液を蒸留水で150mlに希釈した。滴定は、0.01MのHCl溶液0.5〜1mlを添加して絶えず撹拌しながら実施し、0.5〜1分後にpHを測定した。滴定は、1〜3のpHに達するまで実施された。DSは、低塩基性リン酸ナトリウム基の1つの緩衝効果を克服するために必要なHClの消費に対して計算された。
ナノフィブリル化:サンプルを0.5%に希釈し、500Barで4回均質化した(PandaPlus)。
フィブリル化サンプルの粘度は、ベーン形状(V−72またはV−73)を装備したBrookfield DV3T粘度計(Brookfield Engineering Laboratories,Middleboro、USA)で測定された。サンプルは、50および100rpmの剪断速度で0.5または1.0重量%で測定された。すべての懸濁液は、高剪断混合(17000rpm、250mlビーカにおいてインターバルの間は20秒の休止時間で10秒間の3回)により所望の乾物含有量に希釈し、真空で脱気した。
濁度は、Hach 2100P濁度計を使用して、0.5または1.0%脱気したナノフィブリル化誘導体化セルロースから測定した。
例2:溶解パルプセルロースのカチオン化
カチオン化は、カチオン化試薬と組み合わせた膨潤剤を使用して行われた。尿素プリル(6.0g)(99%)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド溶液(10.1g)(73%活性エポキシ)および水(2.5g)を計量し、溶液が形成されるまで撹拌した。NaOH(0.5g)(50重量%)を添加し、得られた溶液18.8gを溶解パルプ(10.2g)(Borregaard Ice−Bear P Aceta)のシートに含浸させ、セルロース(34.5%)、GTMA(25.0%)、尿素(20.3%)、NaOH(0.9%)および水(19.3%)の反応組成物を得た。膨潤/反応は、密閉されたポリエチレンバッグ内で40℃で3日間行われた。誘導体化セルロースは最終的に蒸留水に懸濁され、繰り返し濾過により洗浄された。次いで、サンプルを高圧均質化によりナノフィブリル化した。
表1に、このプロセスによるカチオン化の選択された実験条件を示す。尿素なしで、または不十分な量の尿素で行われた実験では、不均質な誘導体化およびより高い試薬フィードを必要とする比較的低い反応効率が得られた。このプロセスのもう1つの重要な態様は、DS=0.25でも繊維モルホロジが保持され、濾過洗浄が可能なため、カチオン化セルロースの洗浄が容易なことである。
例3:柔細胞セルロースのカチオン化
誘導体化反応は、溶解パルプをシュガー・ビート・パルプに置き換えて例1として行う。誘導体化溶液は、混練によりパルプに混合され、ペレット形態に押し出され、水分含有量が20〜30%になるまで乾燥される。次いで、反応を40℃で3日間進行させて、カチオン性柔細胞セルロースを得る。
例4:溶解パルプセルロースの硫酸化
硫酸(9.0g)(96%)を5mlの蒸留水に注意深く溶解した。尿素プリル(11.0g)(99%)を添加し、溶液が形成されるまで撹拌した。得られた溶液23gを木材パルプ(10g)のシートに浸し、室温で一晩乾燥させて、セルロース(34.0%)、硫酸(27.6%)、尿素(35.1%)および水(3.2%)の組成物を得た。得られたシートを対流式オーブンにて150℃で15分間加熱した。得られた誘導体化セルロースをアセトン/水2:1で2回洗浄し、アセトン/水/NaOH pH=12で1回洗浄し、再びアセトン/水2:1で2回洗浄し、最後に蒸留水に分散させ、高圧均質化でフィブリル化して、硫酸化セルロースナノ結晶の無色透明懸濁液を得た。
硫酸を尿素なしで使用すると、炭化した分解生成物のみが生じた。この例は、高稠度でセルロース繊維を膨潤および誘導体化する尿素/硫酸混合物の能力を示す。
例5:柔細胞セルロースの硫酸化
誘導体化反応は、溶解パルプをシュガー・ビート・パルプに置き換えて、例4として行う。誘導体化溶液は、混練によりパルプに混合され、ペレット形態に押し出され、水分含有量が3〜10%になるまで乾燥される。次いで、反応を150℃で15分間進行させて、硫酸化柔細胞セルロースを得る。
例6:溶解パルプセルロースの硫酸化
硫酸を蒸留水で希釈した(サンプルSUL−1)。別のサンプル(SUL−2、SUL−3、SUL−4))では、希釈液をNaOHまたはアンモニア溶液で少なくとも部分的に中和した。尿素プリルを添加し、溶液が形成されるまで撹拌した。得られた溶液を木材パルプのシートに浸し、水分含有量が2重量%未満になるまで室温で乾燥させて、表2に記載の試薬比を得た。次いで、材料を対流式オーブンで所望の温度および時間で加熱して、硫酸セルロースを得た(スキーム1)。得られた誘導体化セルロースをエタノール/水2:1で3回洗浄し、最後に蒸留水に分散させ、高圧均質化でフィブリル化した。
硫酸化サンプルの誘導体化の程度は、HCl溶液中の硫酸塩の加水分解により重量測定により決定された。手短に言えば、1グラムの30〜35重量%硫酸化パルプを50mlのファルコンチューブで正確に計量し、30mlの12%HCl溶液を添加して、しっかりと蓋をした。サンプルを激しく振とうしてパルプを分散させ、次いで室温で4日間加水分解させた。次いで、サンプルを4500rpmで10分間遠心分離し、分離された水を収集し、計量した50mlファルコンチューブに移した。次いで、水酸化バリウム八水和物1.0gを添加し、5分間激しく撹拌し、2時間放置した。沈殿物を4500rpmで10分間の遠心分離により収集し、水を捨てた。沈殿物を蒸留水/遠心分離で1回洗浄し、最後に105℃で一晩乾燥させた。硫酸塩の量は、沈殿した硫酸バリウムの重量から計算された。

スキーム1。生成された硫酸セルロースの化学構造。
試薬のモル比 尿素/HSO/AGU 2:1:1(表1、エントリSUL−1)で行われた反応では、水でゲル様状態に膨潤した硫酸セルロースが生成された。均質化前の水中でのこのサンプルの光学顕微鏡画像(図1)から、サイズが20μm未満のかなりの量の解繊した構造を伴う膨潤した断片化繊維が明らかである。均質化後、厚さ5〜50nm、長さ50〜500nmの範囲の電子顕微鏡でのみ見える実体が得られる(図2)。この材料はまた、水に分散した場合の粘度および濁度も低かった(表2)。
NaOHまたはアンモニアによる硫酸の部分中和(表1、エントリSUL−2、SUL−3、およびSUL−4)により、反応後に水に分散した場合にセルロースパルプの繊維構造が保持され、したがって洗浄工程は、有機溶媒を使用する代わりに、濾過により水で行うことができたことに留意した。さらに、HSO/無水グルコース(AGU)のモル比を下げると、均質化後に形成されたセルロース実体のサイズに影響を与えた。図1は、均質化前後のサンプルの光学顕微鏡画像を示す。機械的処理の前に、NaOH/尿素/HSO/AGU1:1:1:1を含む硫酸化セルロース(表1、エントリSUL−2)は、平均長さが20μmを超える膨潤した繊維状の外観を有するが、均質化後は、厚さおよび長さがそれぞれ5〜50nmおよび50〜500nmの範囲で電子顕微鏡でのみ実体が見える。さらに、交差偏光子でカイラルネマティック構造を観察できる(図3)。HSO/AGU=0.5(表2、エントリSUL−4)では、5nm〜100μmの範囲の粒子(図1および図2)が観察できる。これらの均質化された材料の特性を表3に示す。

この例では、硫酸中和度および試薬/AGU比を調整することにより、均質化された硫酸セルロースの粘度および粒子寸法の制御性を示す。この反応は、様々な温度および時間で実施でき、簡単な反応プロセス装置のセットアップおよび低コストの試薬で、高いセルロース収率および誘導体化度を得る。さらに、この例は、硫酸水素ナトリウムまたは硫酸水素アンモニウムなどの硫酸水素塩を試薬として使用できることを示しており、尿素フィードおよびアンモニア廃棄物を削減する。部分中和はまたセルロースパルプの繊維構造も保持するため、洗浄工程で有機溶媒を避けることができる。
例7:セルロース誘導体の漂白
漂白実験は、NaOH溶液をセルロース誘導体の水懸濁液に添加し、混練して混合してpHを10〜11に調整することで行った。濃Hを添加し、次いで懸濁液に混合した。次いで、サンプルを室温で24時間または80℃で1時間反応させた。前の例で説明した方法で生成された均質化および非均質化硫酸セルロースサンプル両方を試験した。
表4に、漂白実験および条件の選択例を示す。H漂白は、非均質化サンプルおよび均質化サンプルの両方に効果的であるが、フィブリル化サンプルは、非フィブリル化サンプルと比較して、より低い過酸化物負荷でより効率的に漂白するようである。また、過酸化物処理を使用して、漂白し、フィブリル化されたサンプルの粘度を低下させることが同時に可能であることに留意した。漂白前後の均質化された硫酸セルロースサンプルの透過型電子顕微鏡(図4)では、顕著な変化は見られない。
この例は、過酸化水素が硫酸セルロースを効果的に漂白でき、ナノフィブリル化の前または後に適用できることを示す。所望により、漂白後に追加の洗浄工程は必要ない。さらに、ナノフィブリル化誘導体の粘度は、過酸化物処理により低下させることができた。
本発明の異なる非拘束的な例の態様および実施形態が上記で説明された。上記の実施形態は、本発明の実装において利用され得る選択された態様または工程を説明するためにのみ使用される。いくつかの実施形態は、本発明の特定の態様への参照のみで提示され得る。実施形態は他の態様にも同様に適用できることを理解されるべきである。実施形態および態様の任意の適切な組み合わせが形成され得る。

Claims (28)

  1. セルロースパルプを誘導体化する方法であって、
    a.尿素および少なくとも1つの誘導体化試薬を含む反応媒体を用意すること、
    b.前記反応媒体と接触している前記セルロースパルプを含む反応系において、前記少なくとも1つの誘導体化試薬と前記セルロースパルプとの間の化学的誘導体化反応を行うこと、ならびに
    c.任意に、誘導体化セルロース生成物を精製および/または回収すること
    を含む、方法。
  2. 前記化学的誘導体化反応が、
    水含有量が0〜20重量%の反応系、または
    水含有量が10〜20重量%の反応系
    において前記セルロースパルプで行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応系が、マーセル化されていないか、または酵素的もしくは機械的に前処理されていないセルロースパルプを使用して調製される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記誘導体化試薬が硫酸化試薬であり、前記反応媒体が0〜10重量%の水を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程a.が、硫酸を水に溶解させ、それをアルカリで少なくとも部分的に中和し、続いて尿素を添加することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記スルホン化試薬が硫酸水素塩および任意に硫酸を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記工程c.が水で洗浄することを含み、洗浄された生成物がフィブリル化される、請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  8. フィブリル化の前または後に行われる漂白工程を含む請求項7に記載の方法。
  9. 前記誘導体化試薬がカチオン化試薬であり、前記反応媒体が10〜20重量%の水を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  10. 前記工程b.の前または間に、水が、0〜20重量%の範囲から選択された水分含有量まで除去される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記セルロースパルプに前記反応媒体を含浸させることにより前記反応系が調製される、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記工程a、bおよびcの少なくとも1つが連続プロセスを使用して実施される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記セルロースパルプの無水グルコース単位に対する前記誘導体化試薬のモル比が、0.01〜8、好ましくは0.1〜2、最も好ましくは0.3〜1.5である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記セルロースパルプの無水グルコース単位に対する尿素のモル比が、0.01〜8、好ましくは0.1〜5、最も好ましくは0.3〜3である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記セルロースパルプの無水グルコース単位に対する水のモル比が、0〜20、好ましくは0.1〜10、最も好ましくは3〜7である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記反応系が塩基触媒を含み、前記セルロースパルプの無水グルコース単位に対する前記塩基触媒のモル比が、0〜20、好ましくは0.01〜10、最も好ましくは0.05〜2である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. イオン液体;塩;深共晶溶媒;カルバミド部分、過酸化カルバミド部分、アラントイン部分、ヒドラトイン部分、ビウレットを含む化合物、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの膨潤剤を前記反応系に提供することをさらに含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記誘導体化の程度が、前記試薬の量および/または反応パラメータによって制御される、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記誘導体化反応が、0.05〜2.5mmol/g、好ましくは0.1〜1.5mmol/g、最も好ましくは0.5〜1.3mmol/gの誘導体化の程度まで行われる、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記誘導体化反応が、セルロースパルプの基本フィブリルの表面上で主に不均一に行われる、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記誘導体化の程度を高めるための、または追加の官能基を導入するための、さらなる化学修飾工程−好ましくはエステル化およびエーテル化から選択される−を含む、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 好ましくはカチオン化または硫酸化から選択されるさらなる化学修飾工程を含む、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記セルロースパルプが、広葉樹パルプもしくは針葉樹パルプ、溶解パルプ、または柔細胞セルロースパルプを含む任意の適切な植物材料から抽出されたセルロースパルプである、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 誘導体化セルロースナノファイバーまたは誘導体化ミクロフィブリル化セルロースを得るための精製工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 中稠度生成物、高稠度生成物、または乾燥生成物を得るための乾燥工程をさらに含む、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られ、100rpmの剪断速度にて1.0重量%の濃度で測定される場合少なくとも10cP、好ましくは少なくとも100cPのブルックフィールド粘度および/または0.1重量%濃度で測定される場合1000NTU未満、好ましくは0.1〜700NTUの範囲の濁度値を有する誘導体化セルロース生成物。
  27. 請求項1〜25のいずれかに記載の方法によって得られた誘導体化セルロース生成物であって、前記誘導体化の程度が0.05〜2.5mmol/g、好ましくは0.1〜1.5mmol/g、最も好ましくは0.5〜1.3mmol/gである、生成物。
  28. 請求項1〜25のいずれかに記載の方法によって得られた誘導体化セルロース生成物であって、前記生成物が、1重量%濃度で測定される場合0〜120℃の温度でpH2〜13にて水に不溶性である、生成物。
JP2020512090A 2017-05-05 2018-05-04 セルロース誘導体 Pending JP2020518715A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FI20175394 2017-05-05
FI20175394 2017-05-05
PCT/FI2018/050328 WO2018202955A1 (en) 2017-05-05 2018-05-04 Cellulose derivatives

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020518715A true JP2020518715A (ja) 2020-06-25
JP2020518715A5 JP2020518715A5 (ja) 2021-05-06

Family

ID=62200472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020512090A Pending JP2020518715A (ja) 2017-05-05 2018-05-04 セルロース誘導体

Country Status (8)

Country Link
US (1) US11840585B2 (ja)
EP (1) EP3619239A1 (ja)
JP (1) JP2020518715A (ja)
CN (1) CN110799548B (ja)
BR (1) BR112019023093A2 (ja)
CA (1) CA3062261C (ja)
WO (1) WO2018202955A1 (ja)
ZA (1) ZA201907397B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021188245A (ja) * 2020-05-28 2021-12-13 丸住製紙株式会社 再分散性パルプおよび再分散性パルプ組成物

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7036565B2 (ja) * 2017-10-10 2022-03-15 第一工業製薬株式会社 化学修飾セルロース繊維の製造方法
CN112004833B (zh) * 2018-04-25 2022-09-20 丸住制纸株式会社 磺化纸浆纤维及其制造方法、磺化微细纤维素纤维及其制造方法
JP6582111B1 (ja) * 2018-04-25 2019-09-25 丸住製紙株式会社 スルホン化微細セルロース繊維の製造方法およびスルホン化パルプ繊維の製造方法
JP6966606B2 (ja) * 2019-07-31 2021-11-17 丸住製紙株式会社 C6位にスルホ基が導入したスルホン化微細セルロース繊維およびc6位にスルホ基が導入したスルホン化微細セルロース繊維の製造方法
US20220340688A1 (en) * 2019-09-11 2022-10-27 Marusumi Paper Co., Ltd. Sulfonated fine cellulose fiber and method for producing same
JP7427889B2 (ja) * 2019-09-12 2024-02-06 王子ホールディングス株式会社 硫酸エステル化繊維状セルロース、組成物、シート及び硫酸エステル化繊維状セルロースの製造方法
CN111073458B (zh) * 2019-12-31 2021-07-30 广州中海涂装科技有限公司 一种提高水性环氧底漆干燥速度的制备方法
JP6835270B1 (ja) * 2020-02-17 2021-02-24 王子ホールディングス株式会社 硫酸エステル化繊維状セルロース、組成物、シート及び硫酸エステル化繊維状セルロースの製造方法
JP7039748B2 (ja) * 2020-04-30 2022-03-22 丸住製紙株式会社 パルプ、パルプ分散液および透明シート
JP7039750B2 (ja) * 2020-04-30 2022-03-22 丸住製紙株式会社 パルプおよびパルプ分散液
JP7039749B2 (ja) * 2020-04-30 2022-03-22 丸住製紙株式会社 パルプの製造方法
DE102021202590A1 (de) * 2021-03-17 2022-09-22 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung eingetragener Verein Agrarmittel zur bedarfsgerechten Anwendung in der Agrarwirtschaft
EP4059351A1 (en) * 2021-03-18 2022-09-21 Georg-August-Universität Göttingen Dry pet food article and method for making the same
WO2023180633A1 (en) 2022-03-24 2023-09-28 Betulium Oy Plant-based wax composition
CN115975253B (zh) * 2023-03-22 2023-06-20 之江实验室 可拉伸压电薄膜和超声换能器
CN116769460B (zh) * 2023-08-17 2023-11-03 山东德坤工贸有限公司 一种防止物料堆积的压裂用稠化剂及制备方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2511229A (en) * 1948-04-22 1950-06-13 Du Pont Process for the preparation of cellulose sulfate
WO2009123148A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭化成せんい株式会社 セルロース誘導体微粒子、その分散液、その分散体及び診断薬
JP2012021119A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Jnc Corp セルロース誘導体又はその塩及びその製造方法ならびにそれを含む化粧料組成物
JP2016199770A (ja) * 2016-09-07 2016-12-01 王子ホールディングス株式会社 微細繊維状セルロース

Family Cites Families (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2194956A (en) * 1939-01-10 1940-03-26 Mathieson Alkali Works Inc Bleaching pulp
US3077373A (en) 1960-04-12 1963-02-12 Corn Products Co Sulfation of cellulose
US3563241A (en) * 1968-11-14 1971-02-16 Du Pont Water-dispersible nonwoven fabric
US3528963A (en) 1969-03-24 1970-09-15 Hercules Inc Process for preparing cellulose sulfate salts
US4064342A (en) 1974-07-30 1977-12-20 Lion Fat And Oil Co., Ltd. Method of manufacturing sulfated cellulose
US4664717A (en) 1982-11-26 1987-05-12 Union Oil Company Of California Methods for hydrolyzing polysaccharides and compositions useful therein
US5252117A (en) 1982-11-17 1993-10-12 Union Oil Company Of California Cellulosic compositions
DE3733507A1 (de) 1987-10-03 1989-04-13 Degussa Verfahren zur herstellung von tertiaeren oder quaternaeren stickstoffenthaltenden celluloseethern
US5731259A (en) 1991-05-03 1998-03-24 Societa Consortile Ricerche Angelini S.P.A. Cationic polysaccharides
US5522967A (en) 1994-05-27 1996-06-04 Kimberly-Clark Corporation Sulfonated cellulose and method of preparation
FR2759376B1 (fr) 1997-02-12 1999-04-16 Ard Sa Procede pour obtenir des microfibrilles de cellulose cationiques ou leurs derives solubles, ainsi que celluloses obtenues par ce procede
DE19713430C1 (de) 1997-04-01 1998-12-03 Pelikan Produktions Ag Farbband für den Thermosublimationsdruck, Verfahren zu seiner Herstellung und dessen Verwendung
DE19742165A1 (de) * 1997-09-24 1999-04-01 Cellcat Gmbh Verfahren zur Herstellung von Cellulosepartikeln
US6602994B1 (en) 1999-02-10 2003-08-05 Hercules Incorporated Derivatized microfibrillar polysaccharide
US6849156B2 (en) * 2001-07-11 2005-02-01 Arie Cornelis Besemer Cationic fibers
US20060016568A1 (en) * 2004-07-20 2006-01-26 Gillette Paul C Process for sheeting raw cotton linters
CN101098893A (zh) 2004-12-23 2008-01-02 有机点击股份公司 胺和醇的改性
CN101835805B (zh) 2007-10-25 2012-11-28 花王株式会社 纤维素醚衍生物的制造方法
CN101168602B (zh) 2007-11-29 2010-09-08 武汉大学 一种玉米蛋白/纤维素混合溶液及其制备方法和用途
FI124724B (fi) * 2009-02-13 2014-12-31 Upm Kymmene Oyj Menetelmä muokatun selluloosan valmistamiseksi
EP2543681B1 (en) 2010-03-02 2017-03-29 Kao Corporation Method for producing cationized cellulose and method for producing cationized hydroxyalkyl cellulose
FI126649B (fi) 2010-06-07 2017-03-31 Aalto Univ Found Uusi menetelmä mikroselluloosan valmistamiseksi
EP2428610A1 (en) 2010-09-13 2012-03-14 Södra Skogsägarna ekonomisk förening Modified cellulose fibres
NZ700627A (en) 2012-04-05 2016-09-30 Stora Enso Oyj Method for the preparation of cellulose ethers with a high solids process, product obtained and uses of the product
US8710213B2 (en) 2012-05-14 2014-04-29 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture Methods for integrating the production of cellulose nanofibrils with the production of cellulose nanocrystals
CN104470951B (zh) 2012-07-13 2017-11-07 赛佩荷兰服务有限公司 制备非衍生化纳米纤维素的低能耗方法
FI129086B (en) 2012-09-14 2021-06-30 Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy Method for producing soluble pulp
CA2803863A1 (fr) 2013-01-25 2014-07-25 9198-4740 Quebec Inc. (D.B.A. Ventix Environnement Inc.) Procede d'extraction de cellulose
CN103936930B (zh) 2014-04-08 2016-06-08 昆明理工大学 蔗髓薄壁细胞网状季铵盐阳离子纤维素的制备方法
CN105111318A (zh) 2015-08-17 2015-12-02 浙江理工大学 一种阴离子型二羧基纤维素绿色絮凝材料的制备方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2511229A (en) * 1948-04-22 1950-06-13 Du Pont Process for the preparation of cellulose sulfate
WO2009123148A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 旭化成せんい株式会社 セルロース誘導体微粒子、その分散液、その分散体及び診断薬
JP2012021119A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Jnc Corp セルロース誘導体又はその塩及びその製造方法ならびにそれを含む化粧料組成物
JP2016199770A (ja) * 2016-09-07 2016-12-01 王子ホールディングス株式会社 微細繊維状セルロース

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021188245A (ja) * 2020-05-28 2021-12-13 丸住製紙株式会社 再分散性パルプおよび再分散性パルプ組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CA3062261C (en) 2024-06-04
WO2018202955A1 (en) 2018-11-08
RU2019136162A (ru) 2021-07-19
CA3062261A1 (en) 2018-11-08
RU2019136162A3 (ja) 2021-11-23
US20210155716A1 (en) 2021-05-27
BR112019023093A2 (pt) 2020-05-26
CN110799548B (zh) 2022-09-06
US11840585B2 (en) 2023-12-12
EP3619239A1 (en) 2020-03-11
CN110799548A (zh) 2020-02-14
ZA201907397B (en) 2020-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11840585B2 (en) Cellulose derivatives
Heinze et al. Cellulose derivatives: synthesis, structure, and properties
Noremylia et al. Recent advancement in isolation, processing, characterization and applications of emerging nanocellulose: A review
Khalil et al. Production and modification of nanofibrillated cellulose using various mechanical processes: a review
Levanič et al. Analyzing TEMPO-oxidized cellulose fiber morphology: New insights into optimization of the oxidation process and nanocellulose dispersion quality
Barba et al. Synthesis and characterization of carboxymethylcelluloses (CMC) from non-wood fibers I. Accessibility of cellulose fibers and CMC synthesis
Börjesson et al. Crystalline nanocellulose—preparation, modification, and properties
Heinze et al. Cellulose derivatives
Liimatainen et al. Sulfonated cellulose nanofibrils obtained from wood pulp through regioselective oxidative bisulfite pre-treatment
Saito et al. TEMPO-mediated oxidation of native cellulose. The effect of oxidation conditions on chemical and crystal structures of the water-insoluble fractions
Hu et al. Preparation and characterization of nanofibrillated cellulose from bamboo fiber via ultrasonication assisted by repulsive effect
Kishani et al. Solubility of softwood hemicelluloses
JP6254335B2 (ja) セルロースザンテートナノファイバー
Milanovic et al. Influence of TEMPO-mediated oxidation on properties of hemp fibers
Ye et al. Investigation of pretreatment methods for improving TEMPO-mediated oxidation and nanofibrillation efficiency of α-chitin
Pitaloka et al. Water hyacinth for superabsorbent polymer material
Cheng et al. Preparation of acetylated nanofibrillated cellulose from corn stalk microcrystalline cellulose and its reinforcing effect on starch films
JP2018199753A (ja) ハイドロゲル及びその製造方法
WO2016075371A1 (en) Anionic parenchymal cellulose
Isogai TEMPO-catalyzed oxidation of polysaccharides
JP5875323B2 (ja) 多糖類ナノファイバー分散液の製造方法、および、該製造方法で得られた多糖類ナノファイバー分散液
RU2781048C2 (ru) Производные целлюлозы
Plackett et al. Preparation of nanofibrillated cellulose and cellulose whiskers
WO2020235669A1 (ja) 新規なセルロースナノファイバーおよびその乾燥体の製造方法
Samyn et al. Algae for nanocellulose production

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210329

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220412

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230331

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230901