JP2020517699A - ジスルフィド結合の還元を最小限にする抗体製造法 - Google Patents

ジスルフィド結合の還元を最小限にする抗体製造法 Download PDF

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Abstract

本開示は、抗体を含む単回使用保存バッグにエアオーバーレイまたはヘッドスペースを提供する抗体の精製方法を開示する。特定の実施態様において、本願は、抗体22G2などのヒトTIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)に対する抗体の精製に関するものであり、これは、望ましくないジスルフィド結合の還元を減少させる。本願はまた、より低いスループットおよび/またはフラックスにおけるデプスろ過をさらに提供しこれはまた、望ましくないジスルフィド結合の還元を最小限にする。【選択図】図1

Description

本願は、望ましくないジスルフィド結合の還元を回避する治療用抗体を製造する方法を開示する。
抗体は、炎症性障害および癌を含む多くの疾患の処置において重要な治療薬となっている。大きく複雑なポリペプチド複合体として、治療用抗体は、製造および精製において多くの課題を示す。抗体効力を減少させ、その免疫原性を増加させ、バイオアベイラビリティを変化させ、および/または保存安定性を低下させる分解および化学的修飾(例えば)が、精製中に生じ得る。このような構造変化は、例えば、アミド分解(例えばAsnからAspへ、GlnからGluへ)、酸化、還元、クリッピング(例えばC末端リシンのクリッピング)、N末端ピログルタミン酸形成、改変グリコシル化、および凝集を含む。矛盾したことに生物学的活性を増加させる構造変化もまた、安定性および有効性について試験したときに有していた生物学的活性をもはや有しないため、問題である。機能的に不活性な構造変化でさえ、医薬品の不均一性をもたらし得て、これは、規制当局から拒否されるため望ましくない。理想的には、治療用抗体の1つの調製物は、単一種の抗体分子を含み、同一抗体の複数の調製物は、この単一種を含む。
治療用抗体のこのような構造的修飾の1つは、ジスルフィド結合の還元である。治療用抗体は、典型的に2つの重鎖および2つの軽鎖の複合体を含む。2つのジスルフィド結合は、2つの重鎖を一緒に保持し、1つの軽鎖は、ジスルフィド結合により各重鎖により結合している。これらの結合のいずれかの還元により、通常4つのポリペプチド鎖の1つ以上を書く部分抗体が生じ得る。標的特異性をもたらす抗体の2つの抗原結合ドメインは、1つの重鎖および1つの軽鎖のアミノ末端領域(「可変ドメイン」)を各々含むため、いずれかの鎖の解離は、少なくとも1つの抗原結合ドメインを破壊し、これは、結合親和性の低下、結合価の減少、治療効果の潜在的減少を生じる。
単回使用技術は、無菌状態および試料処理の維持が容易なため治療用抗体の製造においてますます使用される。しかしながら、部分精製抗体の保存を含む、単回使用技術を用いて抗体を製造する条件は、バッグ中の精製プロセスの様々な工程であり、抗体の分解および化学的修飾を防ぐために最適化しなければならない。望ましくないジスルフィド結合の還元を含む、このような分解および化学的修飾を減少させるかまたは排除する単回使用技術を用いて治療用抗体を製造する改善された方法が必要とされている。
本発明は、部分精製抗体が精製の工程間で使い捨てプラスチックバッグ中に保存されるときに、エアオーバーレイまたはヘッドスペースが提供される、mAb 22G2などのヒトTIGITに対する抗体を含む抗体を精製する改善された方法を提供する。
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、例えば使い捨ての清澄化採取バッグ中でデプスろ過後の清澄化バルク(clarified bulk)試料などの部分的に精製した抗体調製物上にエアオーバーレイを維持または導入することを含む。いくつかの実施態様において、エアオーバーレイ下で保存した抗体におけるインタクトmAbの割合は、保存中いずれの時点においても90%未満または95%未満に低下しない。
様々な実施態様において、エアオーバーレイまたはヘッドスペースの指定パーセント容積は、5〜50%、例えば10〜30%、例えば15〜25%であり、特定の実施態様において、約20%であるか、または20%である。一実施態様において、部分精製抗体は、デプスろ過とプロテインAクロマトグラフィー間で、例えば8、12もしくは16時間、または1、2、3、4、5、6、7日間もしくはそれ以上保存される。いくつかの実施態様において、部分に精製した抗体調製物は、保存容器(例えばバッグ)内でインペラを用いる撹拌など、本発明のエアオーバーレイまたはヘッドスペース下で保存しながら撹拌される。いくつかの実施態様において、エアオーバーレイまたはヘッドスペースは、保存期間の間断続的、実質的に連続的または連続的に、例えば清潔な圧縮空気が保存中に補充される。
いくつかの実施態様において、精製される抗体は、抗ヒトTIGIT mAb、例えばそのアイソタイプバリアントを含むmAb 22G2、例えばmAb 22G2 IgG1.1fである。いくつかの実施態様において、精製される抗体は、それぞれ配列番号20、21および22のCDRH1、CDRH2およびCDRH3、ならびにそれぞれ配列番号23、24および25のCDRL1、CDRL2およびCDRL3を含む。更なる実施態様において、精製される抗体は、配列番号7または8の重鎖可変ドメイン配列と配列番号9の軽鎖可変ドメイン配列、例えば配列番号7および48と含む重鎖と配列番号9および49を含む軽鎖を含む。
別の一態様において、本発明の抗体精製方法は、ジスルフィド結合の還元を最小限にするために、低いスループット、例えば80 L/m2以下、70 L/m2以下または60 L/m2以下のスループットでのデプスろ過を含む。別の一実施態様において、本発明の抗体精製方法は、低いフラックス、例えば50 LMH(L/m2/h)以下または25 LMH以下でのデプスろ過を含む。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および実施例から明らかであるが、これらは限定するものと解釈されるべきではない。
図1は、抗体調製物保存容器中にエアヘッドスペースを有しない「バッチ1」と、20%のエアヘッドスペース(スケールはほぼ正確である)を有する「バッチ2」を比較する本発明の略図である。丸い長方形は、封じ込め容器、例えば使い捨てバッグを表す。容器内側の黒色の長方形は、任意のインペラの羽根を表し、これは、保存中断続的または半連続的または連続的に撹拌(カーブしたリボンで表されている)を提供してもよく、容器外側の黒色の長方形は、撹拌機構(モーター)を表す。「空気が入る」/「空気が出る」のリボンは、保存中の任意の新鮮な空気の流れを表し、これは、保存中断続的、半連続的または連続的であり得る。
図2Aは、従来の方法(バッチ1、黒色バー)および本発明の方法(バッチ2、白色バー)により製造した場合のインタクト抗体の割合を示す。サイクル1、2、3および4のデータが表され、これは(以下でより詳細に説明する)、デプスろ過(サイクル1)直後(すなわち同日)のプロテインAカラムで実施した試料、次の日(サイクル2)に実施した試料などを表す。明らかなように、従来の方法により一晩以上保存した試料(バッチ1)は、ほぼすべてのインタクト抗体を失うが、本発明の方法により保存した試料(バッチ2)では失われない。
図2Bは、インタクトmAb(上パネル)を含む標準物質、およびエアオーバーレイまたはヘッドスペース無しで1日以上保存したプロテインAクロマトグラフィーおよびウイルス不活性化(PAVIB)後(VI後(以下で説明する)とも称される)の抗体製造の試料(下パネル)の非還元SDSキャピラリー電気泳動の結果を提供する。抗体のグラフ表示は、隣接ピークにより表される分子種を示す。種は、左から右に、軽鎖(L)、重鎖(H)、軽鎖/重鎖複合体(HL)、2つの重鎖複合体(HH)、1つの軽鎖(HHL)を欠くmAb、および完全にインタクトなmAbである。実施例1参照。PAVIB試料中の抗体の大部分は、抗体フラグメントに存在する。他に断らない限り、本明細書で提供されるすべての実験結果は、mAb BMS-986207に関するものであり、これは、国際公開第2016/106302号においてmAb 22G2として開示されている。このmAbの重鎖は、配列番号7および48を含み、軽鎖は、配列番号9および49を含む。
図3は、精製の様々な段階、すなわちプロテインAクロマトグラフィー(プロテインA溶離)後、ウイルス不活性化後(post-VI)、カチオン交換(CEX)後、アニオン交換(AEX)後、およびタンジェンシャルフロー(TFF)後に得られた原薬における、インタクトmAbの割合を示す。抗体の一部は、エアオーバーレイまたはヘッドスペース無しでプロテインAクロマトグラフィー前に使い捨てバッグ中で1日以上保存した従来の方法(「バッチ1」、GMP#1とも称する、黒色バー)で精製した試料、およびエアオーバーレイの使用を含む本発明の方法(「バッチ2」、GMP#2とも称する、白色バー)に従って保存した清澄化バルク(CB)試料についてのデータを提供する。実施例2および3参照。抗体の25%のみが、プロテインA溶離段階にて従来の方法で保存した試料中においてインタクトである。(注目すべき点は、図3におけるバッチ1のプロテインA溶離についての「25%インタクト抗体」の値は、CBサイクル1、2、3および4(以下で説明する)のすべての組合せの結果であり、ここで、CBサイクル1は、ほぼ100%インタクト抗体であるが、後のCBサイクルは、ほとんどまったくインタクト抗体を含まないことである。)従来の製造におけるインタクトmAbの割合は、精製中に回復するが、88%で横ばい状態に達する。対照的に、エアオーバーレイの使用を含む本発明の方法に従って保存した試料については、インタクトmAbの割合は、一貫して95%超を超えたままである。
図4A、4Bおよび4Cは、デプスろ過に供した抗体調製物における、スループットの圧力に対する効果、乳酸脱水素酵素(LDH)含有量およびチオール含有量をそれぞれ示す。実施例5参照。図4Aは、デプスろ過型の30SP02A(実線)について約50 L/m2超のスループットにて圧力の急速な増加を示している。図4Bおよび4Cは、LDHおよびチオール含有量の両方がより高いスループットにて増加することを示す。LDHの増加は、細胞溶解の増加を示し、チオール含有量の増加は、より還元的な環境を示す。
図5は、デプスろ過工程中の試料スループットの関数としてインタクトmAbのパーセントを示す。実施例5参照。デプスろ過直後の試料(黒色バー)およびエアヘッドスペース無しで7日間保存した後の試料(白色バー)についてのインタクトmAbパーセントのデータを提供する。デプスろ過中の高スループットは、保存時にインタクトmAbにおける顕著な還元を引き起こした。
図6は、キャップをしたシリンジ中でヘッドスペース無しで7日間保存したCB試料、およびヘッドスペース有りで保存した同様の試料について、溶解した酵素の関数としてチオール含有量を示す。実施例6参照。より低いチオールレベルは、酵素の増加と相関し、本質的にチオールは、15〜20%を超えるパーセントの酵素レベルで残っていなかった。ヘッドスペースを欠く試料は、典型的に、ヘッドスペースを有する試料と比較して極めて低いパーセントの酵素を示す。ヘッドスペースの無い試料の多くでは、酸素可能な酵素が無く、チオール含有量が増加していた。
図7Aおよび7Bは、ヘッドスペース有り(図7A)または無し(図7B)のいずれかで最大7日間4℃にて保存した清澄化採取製造におけるインタクト抗体の割合を示す。データ点は、種々のフラックス(25、50または75 LMH)にて異なるフィルター(30SP02Aまたは10SP02A)を用いてデプスろ過した試料におけるインタクト抗体の割合を表す。ヘッドスペース(図7B)で保存した試料の多く、特に高いフラックス(50または75 LMH)にてより小さな孔のフィルター(30SP02A)を用いて得られた試料は、早くも少なくとも2日の保存でインタクト抗体の劇的な減少を示し、一方、ヘッドスペース有りで保存したすべての試料は(図7A)、ろ過条件にかかわらず、少なくとも7日間にわたって高いレベルのインタクト抗体を維持した。
TIGITに対する抗体は、癌の免疫治療のために、単独治療としてまたはPD-1/PD-L1阻害剤との組合せで、臨床開発中である。したがって、このような抗体を製造する改善された方法が必要とされている。好ましくは、このような方法は、精製プロセス中に望ましくないジスルフィド結合の還元を受けない。
本発明は、単回使用技術を用いて治療的モノクローナル抗体を大規模製造するためのこのような改善された方法を提供する。当該方法は、抗体調製物を精製前に例えば1日以上保存するときに、使い捨て保存バッグ中に、エアオーバーレイまたはヘッドスペース、例えばエアオーバーレイを維持または導入することを含む。本発明はまた、より低いスループットにおけるデプスろ過を提供し、これはまた、望ましくないジスルフィド結合の還元を最小限にするのを助ける。
(定義)
本説明をより容易に理解できるようにするために、特定の用語を先ず定義する。更なる定義は、詳細な説明全体にわたって説明される。
TIGITは、免疫グロブリンタンパク質のPVR(ポリオウイルス受容体)ファミリーのメンバーであり、PVR/CD155およびNectin-2/CD112に結合する、「IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体」を指す。TIGITは、TIGIT、WUCAM、Vstm3およびVsig9とも称される。他に断らない限り、または文脈から明確でない限り、本明細書におけるTIGITは、ヒトTIGIT(「huTIGIT」)を指し、抗TIGIT抗体は、抗ヒトTIGIT抗体(抗huTIGIT抗体)を指す。ヒトTIGITは、GENE ID NO: 201633およびMIM (Mendelian Inheritance in Man) : 612859でさらに記載される。21アミノ酸シグナル配列を含むヒトTIGIT(NP_776160.2)の配列は、配列番号1で提供される。他に断らない限り、または文脈から明確でない限り、TIGITの「阻害」は、PVR結合およびシグナル伝達のブロックを指す。本発明の抗TIGIT抗体は、TIGITシグナル伝達の阻害、TIGIT/DNAM-1相互作用の遮断、および/または制御性T細胞の欠乏を指示するなどの他のメカニズムにより作用し得る。
PVR(ポリオウイルス受容体)は、TIGITと相互作用して、免疫抑制シグナルを誘導する。PVRはまた、PVS;HVED;CD155;NECL5;TAGE4;Necl-5とも称される。他に断らない限り、または文脈から明確でない限り、本明細書におけるPVR/CD155の言及は、ヒトPVR(「huPVR」)を指す。ヒトPVRは、GENE ID NO: 5817およびMIM: 173850でさらに記載される。アルファ(NP_006496.4)、ベータ(NP_001129240.1)、ガンマ(NP_001129241.1)およびデルタ(NP_001129242.2)の4つの公知なヒトPVR転写物バリアントがあり、これらの配列は、配列番号50〜53で提供される。他に断らない限り、PVRまたはヒトPVRへの言及は、アルファ転写物ポリペプチドに関する。
他に断らない限り、または文脈から明確でない限り、本明細書で用いられる用語「抗体」は、抗体全体および任意の抗原と結合するフラグメント(すなわち、「抗原結合部分」)またはその一本鎖を含み得る。一実施態様において、「抗体」は、ジスルフィド結合により相互接続した少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖、または抗原と結合するそのフラグメントを含む、糖タンパク質を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(VHと略記する)および重鎖定常領域から構成される。特定の自然に存在するIgG、IgDおよびIgA抗体において、重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3から構成される。特定の自然に存在する抗体において、各軽鎖は、軽鎖可変領域(VLと略記する)および軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLから構成される。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分し得る。各VHおよびVLは、3つのCDRおよび4つのフレームワーク領域(FR)から構成され、アミノ末端からカルボキシ末端へFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配置される。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(Clq)を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
抗体は、Nおよび/またはC末端アミノ酸残基において修飾を示し得る。例えば、本発明の抗体は、例えば重鎖における、C末端リシン残基をコードするコンストラクトから製造され得るが、このようなC末端リシンは、販売または投与される治療用抗体において部分的または完全に存在しなくてもよい。あるいは、治療用抗体が由来する親抗体にリシンが存在したとしても、C末端リシン残基を特異的にコードしない、コンストラクトから抗体を製造し得る。別の例において、本発明の抗体におけるN末端グルタミンまたはグルタミン酸残基は、販売または投与される治療用抗体においてピログルタミン酸に部分的または完全に変換され得る。ピログルタミン酸を含む、抗体鎖のN末端に存在するグルタミンまたはグルタミン酸のいずれかの形態は、本明細書で用いられる用語「グルタミン」に含まれる。したがって、N末端グルタミンまたはグルタミン酸残基を有する本明細書で提供される抗体鎖配列は、ピログルタミン酸形成レベルにかかわらず抗体鎖を含む。
他に断らない限り、「インタクト」抗体、または「インタクトmAb」は、重鎖に互いに結合するジスルフィド結合の通常のペアにより一緒に結合されている2つの重鎖および2つの軽鎖(HHLL)を含む抗体を指し、ここで、1つのジスルフィド結合は、各軽鎖を個々の重鎖に結合するものである。「インタクトmAb」の割合は、存在するHHLL種の数を、すべての重鎖および軽鎖がHHLL種(H、L、HH、HL(「halfmer」)、HHLなどの代替種よりではなく)に存在する場合形成されるHHLL種の数で除して、100を乗じて計算される。1つ上の抗体鎖を欠く種は、本明細書において「低分子」(LMW)種とも称される。インタクトmAbの割合は、任意の適切な方法により測定され得るが、他に断らない限り「インタクトmAb」は、Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析または同一原理(マイクロ流体キャピラリー電気泳動)に基づく方法により測定される。
本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」または「mAb」は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示す抗体、特定のエピトープに対する単一の結合特異性および親和性を示すすべての抗体の組成物を指す。典型的には、このようなモノクローナル抗体は、抗体をコードする単一の細胞または核酸に由来し、いずれかの配列の変更を意図的に誘導することなく増殖する。したがって、用語「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変および任意の定常領域を有するモノクローナル抗体を指す。一実施態様において、ヒトモノクローナル抗体は、ハイブリドーマにより製造され、例えば、トランスジェニックまたはトランスクロモソーマル非ヒト動物(例えば、ヒト重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むゲノムを有するトランスジェニックマウス)から得られるB細胞を不死化細胞に融合することにより得られる。
「ヒト」抗体(HuMAb)は、フレームワークおよびCDR領域の両方がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を指す。さらに、抗体が、定常領域を含む場合、定常領域はまた、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列(例えば、インビトロにおけるランダムまたは部位特異的変異導入またはインビボにおける体細胞突然変異により誘導される変異)によってコードされていないアミノ酸残基を含み得る。しかしながら、本明細書で用いられる用語「ヒト抗体」は、マウスなどの別の哺乳類種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体を含むことを意図しない。用語「ヒト」抗体および「完全ヒト」抗体は、同義的に用いられる。
「ヒト化」抗体は、マウス抗体などの非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分またはすべてが、ヒト免疫グロブリンに由来する対応するアミノ酸に置き換えられた抗体を指す。抗体のヒト化形態の一実施態様において、CDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分またはすべてが、ヒト免疫グロブリンからのアミノ酸で置き換えられるが、1つ以上のCDR領域内の一部、大部分またはすべてのアミノ酸は、変化していない。アミノ酸のわずかな付加、欠失、挿入、置換または修飾は、特定の抗原に結合する抗体の能力を無効にしない限り許容される。「ヒト化」抗体は、元の抗体と同様の抗原特異性を保持する。
「キメラ抗体」は、可変領域が1つの種に由来し、定常領域が別の種に由来する抗体、例えば可変領域がマウス抗体に由来し、定常領域がヒト抗体に由来する抗体を指す。「ハイブリッド」抗体は、異なるタイプの重鎖および軽鎖、例えばマウス(親)重鎖およびヒト化軽鎖、またはその逆を有する抗体を指す。
本明細書で用いられる「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によりコードされる抗体クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgE抗体)を指す。
「アロタイプ」は、アイソタイプグループ内の自然に存在するバリアントを指し、ここでバリアントは1つまたはいくつかのアミノ酸が異なる。例えば、Jefferis et al. (2009) mAbs 1:1参照。
語句「抗原を認識する抗体」および「抗原に特異的な抗体」は、用語「抗原に特異的に結合する抗体」と相互交換可能に用いられる。
本明細書で用いられる「単離抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、TIGITに特異的に結合する単離抗体は、TIGIT以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、ヒトTIGITのエピトープに特異的に結合する単離抗体は、異なる種からの他のTIGITタンパク質に対する交差反応性を有し得る。
「Fc領域」(結晶化可能フラグメント領域)または「Fcドメイン」または「Fc」は、免疫系(例えば、エフェクター細胞)の様々な細胞に位置するFc受容体または古典的補体系の第1成分(Clq)への結合を含む、宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介する抗体の重鎖のC末端領域を指す。したがって、Fc領域は、第1定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1またはCL)を除く抗体の定常領域を含む。IgG、IgAおよびIgD抗体アイソタイプにおいて、Fc領域は、抗体の2つの重鎖であるIgMおよびIgEの各々においてCH2およびCH3定常ドメインを含む。Fc領域は、各ポリペプチド鎖において3つの重鎖定常ドメイン(CHドメイン2〜4)を含む。IgGについては、Fc領域は、免疫グロブリンドメインCγ2およびCγ3ならびにCγ1とCγ2との間のヒンジを含む。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、C226またはP230の一のアミノ酸残基(またはこれらの2つのアミノ酸間のアミノ酸)から重鎖のカルボキシ末端まで伸びていると定義され、ここで番号付けは、KabatにおけるようなEUインデックスに従っている。Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, National Institutes of Health, Bethesda, MD;米国特許出願公開第2008/0248028号の図3c〜3fもまた参照。ヒトIgGのFc領域のCH2ドメインは、約アミノ酸231から約アミノ酸340まで伸びているが、CH3ドメインは、Fc領域におけるCH2ドメインC末端側に位置し、すなわち、IgG(C末端リシンを含む)の約アミノ酸341から約アミノ酸447まで伸びている。本明細書で用いられるFc領域は、任意のアロタイプバリアントを含む天然配列Fc、またはバリアントFc(例えば、自然に存在しないFc)であり得る。Fcはまた、単独でまたは、「Fc融合タンパク質」(例えば、抗体またはイムノアドヘシン)とも称される「Fc領域を含む結合タンパク質」などのFc含有タンパク質ポリペプチドの文脈でこの領域を指し得る。
他に断らない限り、または文脈から明確でない限り、抗体のFc領域におけるアミノ酸残基の番号付けは、配列表で配列における残基を具体的に指すとき(この場合、番号付けは必ず連続する)を除き、EU番号付け規則に従う。例えば、Fc領域におけるアミノ酸置換の効果に関する文献の参照は、典型的には、EU番号付けを用い、これは、結合する可変ドメインの長さにかかわらず、同一番号により抗体のFc領域におけるいずれかの所与の残基への言及を可能にする。まれに、参照されている正確なFc残基を確認するために参照されている文書を言うことが必要である場合がある。
用語「エピトープ」または「抗原決定基」は、免疫グロブリンまたは抗体が特異的に結合する抗原(例えば、TIGIT)における部位を指す。タンパク質抗原内のエピトープは、連続したアミノ酸(通常、線形エピトープ)、またはタンパク質の三次折り畳みにより並列する非連続のアミノ酸(通常、立体的エピトープ)の両方から形成され得る。連続したアミノ酸から形成されるエピトープは、常にではないが、典型的に変性溶媒への曝露で保持されるが、三次折り畳みにより形成されるエピトープは、典型的に変性溶媒での処理で失われる。エピトープは、典型的に、独特な空間立体配座で少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個のアミノ酸を含む。
本明細書で用いられる、試料の上のエアオーバーレイまたはヘッドスペースの指定パーセント容積は、保存バッグ中の空気の容積を、オーバーレイ/ヘッドスペースおよび抗体試料で満たされたときのバッグの総内容積で除することにより計算される。総内容積は、オーバーレイ/ヘッドスペースの容積とバッグ中の抗体溶液の容積の合計である。
用語「オーバーレイ」および「ヘッドスペース」は、CBなどの抗体溶液と共に、バッグなどの容器中に含まれる空気の容積を指すために本明細書で用いられる。本明細書で用いられる、エア「オーバーレイ」は、抗体溶液の上の空気の容積であり、その空気の容積は、例えばバッグにおける入口および出口ポートを介して、新しい空気で経時的に補充される。これは、補充されないバッグ中に密封される空気の単一ボーラスを含むエア「ヘッドスペース」とは対照的である。典型的に、本明細書(例えば図4〜6)で提供されるデータを作るために用いられるベンチトップスケールの実験は、静的ヘッドスペースを用いるが、より大きいスケールのGMP製造(例えば図3)は、エアオーバーレイを用いる。
エアオーバーレイまたはヘッドスペースは、典型的には、ジスルフィド結合の還元を防ぐのに適切な酸素をCBに提供するのに十分な大きさであるが、CBを保存するバッグの容積を過度に浪費するほど大きくない。オーバーレイまたはヘッドスペースの所望のサイズは、バッグの最終総容積の割合として表されるとき、指定パーセント容積として称される。様々な実施態様において、指定パーセント容積は、5〜50%、または10〜30%、例えば15〜25%であり、特定の実施態様において、約20%、または20%である。この文脈における「約」は、記載される値の当該技術分野における通常の実験誤差範囲内の値を意味し、例えば、約20%の指定パーセント容積は、合理的な注意を払って、20%を達成しようと試みる科学者または技術者により得られる可能性がある値を指す。
本明細書で用いられる、試料の上のエアヘッドスペースまたはヘッドスペースの指定パーセント容積を「維持する」とは、バッグを閉じたときオーバーレイ/ヘッドスペースが指定パーセント容積と等しくなるポイントまで液体試料でバッグを部分的に満たすことを指す。典型的には、抗体試料、例えば清澄化バルク(CB)抗体の保存のための使い捨てバッグは、CBを加える前に、空気で満たされる。液体CBが、バッグに加えられるが、液体CBが(100% - 指定パーセント容積)となると、満たすことを停止する。あるいは、試料の上のエアヘッドスペースまたはヘッドスペースの指定パーセント容積を「導入する」とは、例えばバッグに空気を加えることにより、指定パーセント容積のオーバーレイ/ヘッドスペースに達するまでバッグ中の空気の量を増加させることを指す。このような「導入」は、ヘッドスペース/オーバーレイ容積のごく一部からヘッドスペース/オーバーレイの全ての、すなわち最初はヘッドスペース/オーバーレイがないバッグにおける容積まで及び得る。エアオーバーレイまたはヘッドスペースは、バッグが最初に所望の最終ヘッドスペース/オーバーレイより多い空気を含む場合「維持」され、バッグが最初に所望の最終ヘッドスペース/オーバーレイより少ない空気を含む場合「導入」される。
物体に適用される本明細書で用いられる用語「自然に存在する」は、物体が自然界で見つけることができるという事実を指す。例えば、自然界で供給源から単離され得る生物体(ウイルスを含む)に存在し、実験室で人により意図的に改変されていないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列が、自然に存在するものである。
「ポリペプチド」は、少なくとも2つの連続して結合したアミノ酸残基を含む鎖を指し、鎖の長さに上限はない。タンパク質における1つ以上のアミノ酸残基は、制限されるものではないが、グリコシル化、リン酸化またはジスルフィド結合などの就職を含み得る。「タンパク質」は、1つ以上のポリペプチドを含み得る。
本明細書で用いられる用語「結合」は、2つ以上の分子の集合を指す。結合は、共有結合でもよく、または非共有結合でもよい。結合はまた、遺伝的であり得る(すなわち、組換えで融合されていてもよい)。このような結合は、当該技術分野の認められている広い様々な技術、例えば化学的コンジュゲーションおよび組み換えタンパク質製造を用いて達成され得る。
本明細書に記載の様々な態様を、以下のサブセクションでより詳細に説明する。
(本発明の方法)
単回使用技術を用いた治療用モノクローナル抗体の製造のための上流処理は、抗体を発現する細胞、しばしばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含むマスターセルバンクで開始する。一実施態様において、細胞培養を、使い捨てフラスコ中の増殖培地において開始し、続いて、WAVE Bioreactorにおいて増殖させる。培養物を、化学的に定義された培地中において、200Lシード単回使用バイオリアクター(SUB)、500L SUB、および最終的に2000L製造SUBを通過させる。2000L培養物を、14日間、または最大生存細胞密度(例えば2600万細胞/mLまで)に達した後約7日間培養するし、そのときまでに細胞生存率が約80%まで低下する。その後、培養物をデプスろ過に供し、細胞および細胞残屑を除去する。
デプスろ過は、ジスルフィド結合の還元から生じる低分子量(LMW)種の形成を最小限にする条件下(例えば40%溶存酸素を維持し、培養物を10℃未満で冷やしたままにし、せん断を回避するために低速ポンプ速度を用いる)で実施される。Cura et al. (17 March 2016) 251st Amer. Chem. Soc. Meeting, San Diego, California, Presentation 545 ("End-to-end approach to monitoring and reducing LMW Formation during mAb process development")参照。2g/lの力価が得られる場合がある。
得られた清澄化バルク(CB)抗体溶液を採取し、場合により使い捨ての清澄化採取バッグにおいて保存する。その後、CBをプロテインAカラムにかけて、CBの4分の1が各日精製される、4つの1日「サイクル」にわたり抗体を採取する。プロテインA工程を完了するのに4日かかるため、CBの一部を、プロテインA工程の前に使い捨ての清澄化採取バッグ中で1、2および3日間保存する。本明細書で用いられる「CBサイクル1」は、ろ過される同じ日にプロテインAクロマトグラフィーに供されるCBを指し、「CBサイクル2」は、翌日にプロテインAクロマトグラフィーに供されるCB(すなわち、1日間保存した試料)を指し、「CBサイクル3」は、2日間保存したCBを指し、「CBサイクル4」は、3日間保存したCBを指す。営業日が実際的であるために、CB試料の保存の文脈で用いられる用語「日」は、正確に24時である必要はない。「一晩」保存が、前日のデプスろ過に必ず行われるCBサイクル1より早い日にCBサイクル2のプロテインAクロマトグラフィーを開始することを要し得るため、CBサイクル1試料の「翌日」に処理されるCBサイクル2試料を、実際には、24時間未満、例えば少なくとも8、12または16時間保存され得る。結果として、CBサイクル3および4をまた、対応して48および72時間未満保存してもよいが、典型的にはそれぞれ36時間および60時間以上である。
プロテインAクロマトグラフィー後の下流処理は、CBのウイルス不活性化(VI)、続いてカチオン交換(CEX)クロマトグラフィー、アニオン交換(AEX)膜の通過、更なるウイルス不活性化、タンジェンシャルフロー(TFF)による限外ろ過/ダイアフィルトレーションおよび容器詰めを含む。最初のウイルス不活性化工程後に得られる材料は、「ウイルス不活性化後」(post-VI)または「プロテインA/ウイルス不活性化後バルク」(PAVIB)のいずれかで称される。
1つの抗体製造(GMP#1)において、CBサイクル1からのPAVIBは、Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析(実施例2に記載)により決定される>97%インタクトmAbであるが、他のすべてのPAVIB試料(CBサイクル2〜4から)は、<15%インタクトであった。図2A(バッチ1)参照。プールされた調製物全体は、40%インタクトmAbであった(図3、Post-VI、左カラム)。深刻な望ましくないジスルフィド結合の還元が、デプスろ過とプロテインAクロマトグラフィーとの間に一晩または1日以上清澄化採取バッグ中で保存した試料について起こったことがこれらの結果から明らかである。図2Bは、インタクトmAbを含む標準抗体調製物(上パネル)およびCBサイクル2(下パネル)からのPAVIB試料のクロマトグラムを提供し、これは、インタクトmAbの著しい損失がジスルフィド結合の還元により引き起こされ、インタクトmAbが本質的に残らないことを示している。抗体活性は必ずしも損なわれないが、原薬(DS)の還元は、製品の適合性およびプロセスの一貫性に悪影響を有する。
望ましくないジスルフィド結合の還元が使い捨ての清澄化採取バッグ中での保存時に生じるが、インタクトmAbの割合は、残りの精製工程の間に回復する。図3参照。それにもかかわらず、インタクトmAbの割合は、88%を超えることはない。同上。
対照的に、プロテインA精製前に使い捨てバッグ中において保存中に抗体の上にエアオーバーレイ(またはヘッドスペース)を提供することを含む、本発明の方法により精製した抗体本発明(GMP#2)は、この望ましくない還元を経験しない。図2Aおよび3(バッチ2)、実施例3参照。実際に、インタクトmAbのパーセントは、本発明の方法により精製されるとき、すべての下流工程にて97%以上のままである。同上。
ベンチ試験は、低いパーセントの溶存酸素が望ましくないジスルフィド結合の還元の原因となり、それ故にインタクトmAbが失われることを確認した。実験を実施例4で説明する。結果を表1に示す。通気無しで0、1、2または3日間保存した試料は、DOの大きな減少およびインタクトmAbの減少を示した。100%DOまで続いて通気された対応する試料(示されているように)は、表1に示すように、90%超のインタクトmAbを維持した。
Figure 2020517699
ベンチ試験からの結果は、大スケールの抗体精製の結果と一致し、高い溶存酸素を維持する通気が望ましくないジスルフィド結合の還元を防止することを確認する。
驚くべきことに、単に、保存中撹拌と共に使い捨て保存バッグ中にエアオーバーレイを提供することが、ジスルフィド結合の還元を防止するのに十分な通気を提供する。抗体精製中に高い溶存酸素を維持する先行技術の方法は、例えば金属タンク内で、空気または酸素を試料に通気することを提案する。Mun et al. (2014) Biotechnol. Bioeng. 112:734;米国特許第8,574,869号。使い捨てバッグ中における通気は、より高い製造コストでより洗練されたデザインを必要とするため、通常使い捨てCBバッグに実現可能ではない。通気はまた、バッグ内でよりひどい泡立ちを引き起こし得て、または抗体製品の過酸化を引き起こし得る。
デプスろ過中の試料スループットがインタクトmAbのパーセントに影響を及ぼすこともまた見出された。59 L/m2以下のスループットでのろ過は、ジスルフィド結合の還元の増加を示さなかったが、88および118 L/m2は、インタクトmAbを40%未満に低下させた。理論によって限定されることを意図するものではないが、より高いスループットおよび/または高いフラックスでのせん断力が、細胞破壊、およびジスルフィド結合の還元を触媒する因子および酵素の放出を引き起こすことが可能である。Mun et al. (2014) Biotechnol. Bioeng. 112:734。結果として、本発明は、望ましくないジスルフィド結合の還元を最小限にするために約88 L/m2未満、例えば80 L/m2以下、75 L/m2以下、70 L/m2以下、または60 L/m2以下のスループットにおける抗体のデプスろ過を提供する。本発明は、望ましくないジスルフィド結合の還元を最小限にするために約50 LMH未満、例えば25 LMH未満のフラックスにおける抗体のデプスろ過を提供する。
更なる実験は、エアヘッドスペースを有する試料が、典型的に、より高い酸素化およびより低いチオール含有量を示し、抗体調製物中で観察されるジスルフィド結合の還元のレベルの低下と一致することを確認した。結果を図6に示す。実施例6参照。また更なる実験は、高いスループットおよび/または高いフラックスにて製造した抗体が、4℃におけるわずか数日間の保存でインタクト抗体の著しい損失を受けやすいが(図7B)、本発明の方法がこのような望ましくない還元を防止する(図7A)ことを示す。
(TIGIT - IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)
本発明の方法は、抗huTIGIT mAb、例えばmAb 22G2、(そのアイソタイプバリアントを含む)、例えばmAb 22G2 IgG1.1f(配列番号7および48を含む重鎖、および配列番号9および49を含む軽鎖)で特に有用であることを見出した。抗体22G2は、疎水性抗原結合ドメインを有し、Chennamesetty et al. (2010) J. Phys. Chem. B 114:6614のモデルによる高い「空間的凝集傾向」(SAP)スコアを有する。この特性を共有する他の抗体は、本発明の方法による精製に特によく適合し得る。
TIGIT(IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体)は、WUCAM、Vstm3またはVsig9としても知られる共阻害受容体タンパク質である。TIGITは、T細胞に特異的に発言するタンパク質についてのゲノム探索において発見され、免疫グロブリン可変ドメイン、膜貫通ドメイン、および免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を有し、PVRタンパク質ファミリーの特徴的な配列要素を含む。ポリオウイルス受容体(PVR;CD155)およびnectin2(CD112)と相互作用することが知られている。例えば、Stengel et al. (2012) Proc. Nat'l Acad. Sci. (USA) 19:5399;国際公開第2006/124667号;国際公開第2009/126688号参照。PVRが、共活性化受容体DNAM-1(CD226)と相互作用して、腫瘍の死滅を促進し得るが、高親和性TIGIT/PVR相互作用は、そのような死滅を阻害し、PVRを発言する正常な(自己)細胞の死滅を防止するよう働き得る。Stanietsky et al. (2009) Proc. Nat'l Acad. Sci. (USA) 106:17858。この阻害相互作用の優位性は、抗自己免疫応答の抑制に重要であり得るが、腫瘍の状況では、腫瘍の根絶を抑制する。同上。
TIGITは、成熟した免疫制御性樹状細胞の生成を促進することによりT細胞の活性化を抑制する。Yu et al. (2009) Nat. Immunol. 10:48。TIGITおよび他のこのような共阻害分子(例えば CTLA-4、PD-1、Lag3およびBTLA)は、腫瘍細胞による免疫監視の回避において役割を果たす。実験により、PVR/CD155は、黒色腫細胞(Inozume et al. (2014) J. Invest. Dermatol. 134:S121 - Abstract 693)および様々な他の腫瘍において過剰発現することが示されている。TIGIT/PVR相互作用は、TおよびNK細胞の抗腫瘍応答を抑制することにより、免疫介在性根絶からこのような腫瘍細胞を保護し得ることが可能である。Stanietsky et al. (2009) Proc. Nat'l Acad. Sci. (USA) 106:17858およびLozano et al. (2012) J. Immunol. 188:3869。他の実験では、Th1およびTh17応答を選択的に抑制する制御性T細胞(Tregs)のTIGIT+サブセット(Joller et al. (2014) Immunity 40:569)が特定され、これは、抗腫瘍免疫応答を増強させ得る抗TIGIT抗体による代替メカニズムを示唆している。
TIGITは、他の共阻害受容体、例えばCTLA-4、PD-1およびBTLAと同様に免疫応答を「オフにする」ように働き得る。CTLA-4(イピリムマブ)およびPD-1(ニボルマブ、ペムブロリズマブ)を標的とする抗体は、ヒト癌の処置に承認されており、このアプローチを検証している。ヒトTIGITに結合する抗体はまた、癌の処置に用いられ得る。例えば国際公開第2006/124667号参照。マウスモデルにおいて、PD-L1およびTIGITの両方の抗体遮断は、CD8+ T細胞介在性腫瘍拒絶の相乗的増強をもたらす。Grogan et al. (2014) J. Immunol. 192(1) Suppl. 203.15; Johnston et al. (2014) Cancer Cell 26:1-15。同様の結果が、黒色腫の動物モデルにおいて観察された。Inozume et al. (2014) J. Invest. Dermatol. 134:S121 - Abstract 693。いくつかの実験は、TIGIT遮断が、PVR/CD155と結合するTIGITと競合する、共活性化受容体DNAM-1/CD226の存在下でのみ抗腫瘍CD8+ T細胞応答を増強するのに有効であることを示唆する。Johnston et al. (2014) Cancer Cell 26:1-15。
本発明の様々なアゴニスト抗huTIGIT抗体についてのアミノ酸配列を、表2に要約する配列表に提供する。上記理由により、C末端リシンは、重鎖または重鎖定常ドメインの配列表の配列のいずれにも含まれない。しかしながら、代替実施態様において、本発明の抗huTIGIT抗体の各重鎖、および/またはこのような抗体またはその重鎖または軽鎖をコードする遺伝子コンストラクトは、重鎖のC末端にて更なるリシン残基を含む。
本発明の方法により精製され得る更なる抗TIGIT mAbは、国際公開第2017/053748号、例えばその中のmAb 4.1D3(IgG1重鎖定常ドメインを有する配列番号34および36の可変ドメイン)で見つけ得る。他の抗TIGIT mAbは、US 2009/0258013、例えばその中のmAb 10A7(IgG1重鎖定常ドメインを有する配列番号21および22の可変ドメイン)で見つけ得る。さらに他の抗TIGIT mAbは、国際公開第2017/059095号、国際公開第2016/191643号、国際公開第2017/037707号、国際公開第2017/048824号、および国際公開第2016/028656号で見つけ得る。
(本発明の方法で用い得る他のmAb)
他の実施態様において、本発明は、ヒトTIGITに特異的に結合しない、治療用抗体を含む抗体を精製するための改善された方法を提供する。例としては、以下の特許および刊行物に開示される以下の抗体が挙げられる。
例示的な抗PD-1抗体は、OPDIVO(登録商標)/ニボルマブ(BMS-936558)または抗体17D8、2D3、4H1、5C4、7D3、5F4および4A11の1つのCDRまたは可変領域を含む抗体(国際公開第2006/121168号に記載)である。特定の実施態様において、抗PD-1抗体は、国際公開第2012/145493号に記載されるMK-3475(KEYTRUDA(登録商標)/ペムブロリズマブ/以前はランブロリズマブ);国際公開第2012/145493号に記載されるAMP-514/MEDI-0680;およびCT-011(ピジリズマブ;以前はCT-AcTibodyまたはBAT;例えば、Rosenblatt et al. (2011) J. Immunotherapy 34:409参照)である。更なる公知のPD-1抗体および他のPD-1阻害剤としては、国際公開第2009/014708号、国際公開第03/099196号、国際公開第2009/114335号、国際公開第2011/066389号、国際公開第2011/161699号、国際公開第2012/145493号、米国特許第7,635,757号および米国特許第8,217,149号、および米国特許出願公開第2009/0317368号に記載のものが挙げられる。国際公開第2013/173223号に記載される抗PD-1抗体のいずれかを用い得る。
一実施態様において、抗PD-L1抗体は、BMS-936559(国際公開第2007/005874号および米国特許第7,943,743号において12A4とも称される)、MSB0010718C(国際公開第2013/79174号)、または3G10、12A4、10A5、5F8、10H10、1B12、7H1、11E6、12B7および13G4のCDRまたは可変領域を含む抗体(国際公開第07/005874号および米国特許第7,943,743号に記載)である。特定の実施態様において、抗PD-L1抗体は、MEDI4736(抗B7-H1としても知られる)またはMPDL3280A(RG7446としても知られる)である。国際公開第2013/173223号、国際公開第2011/066389号、国際公開第2012/145493号、米国特許第7,635,757号および米国特許第8,217,149号および米国特許出願公開第2009/145493号に記載される抗PD-L1抗体のいずれかを用い得る。
別の一態様において、抗体は、GITRアゴニストである。適切なGITR抗体としては、例えば、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(国際公開第06/105021号、国際公開第09/009116号)およびMK-4166(国際公開第11/028683号)が挙げられる。
特定の実施態様において、抗CTLA-4抗体は、YERVOY(登録商標)(イピリムマブまたは抗体10D1、国際公開第01/14424号に記載される)、トレメリムマブ(以前はチシリムマブ、CP-675,206)、ならびに国際公開第98/42752号;国際公開第00/37504号;米国特許第6,207,156号;Hurwitz et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95(17):10067-10071;Camacho et al. (2004) J. Clin. Oncology 22(145): Abstract No. 2505 (antibody CP-675206);およびMokyr et al. (1998) Cancer Res. 58:5301-5304の刊行物に記載される抗CTLA-4抗体からなる群より選択される抗体である。国際公開第2013/173223号に記載される抗CTLA-4抗体のいずれかを用い得る。
抗LAG3抗体の例としては、抗体25F7、26H10、25E3、8B7、11F2または17E5のCDRまたは可変領域を含む抗体(米国特許第2011/0150892号および国際公開第2014/008218号に記載)が挙げられる。一実施態様において、抗LAG-3抗体は、BMS-986016である。用い得る当該技術分野で認識されている他の抗LAG-3抗体としては、米国特許出願公開第2011/007023号に記載のIMP731が挙げられる。IMP-321もまた用い得る。
(抗体の製造)
配列が提供される特定の抗体および他の関連する抗TIGIT抗体の両方を含む本発明の抗体は、例えば、当該技術分野で周知である組み換えDNA技術および遺伝子トランスフェクション法の組合せ(Morrison, S. (1985) Science 229:1202)を用いて、宿主細胞トランスフェクトーマで産生され得る。
軽鎖および重鎖の発現のために、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクターが、標準的技術により宿主細胞へトランスフェクトされる。用語「トランスフェクション」の様々な形態は、外来性DNAを原核または真核宿主細胞へ導入するために一般的に用いられる多種多様な技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE-デキストラントランスフェクションなどを含むことが意図される。原核または真核宿主細胞のいずれかにおいて本明細書に記載の抗体を発現することが理論的には可能であるが、このような真核細胞、特に哺乳類細胞が、より適切に折り畳まれた免疫学的に活性な抗体を構築し、分泌する可能性が原核細胞より高いため、真核細胞、最も好ましくは哺乳類宿主細胞における抗体の発現が、最も好ましい。抗体遺伝子の原核生物発現は、高収率の活性抗体の産生には効果的でないことが報告されている((Boss, M. A. and Wood, C. R. (1985) Immunology Today 6:12-13)。本発明の抗体はまた、酵母ピキア・パストリスの糖鎖改変株においても産生され得る。Li et al. (2006) Nat. Biotechnol. 24:210。
本明細書に記載の組み換え抗体を発現する好ましい哺乳類宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin, (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220に記載のdhfr-CHO細胞を含み、例えばR. J. Kaufman and P. A. Sharp (1982) Mol. Biol. 159:601-621に記載される、DHFR選択可能マーカーと用いられる)、NSO骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞が挙げられる。特に、NSO骨髄腫細胞での使用のために、別の好ましい発現系は、国際公開第87/04462号、国際公開第89/01036号および欧州特許第338,841号に記載のGS遺伝子発現系である。遺伝子をコードする組み換え発現ベクターを哺乳類宿主細胞に導入するとき、抗体は、宿主細胞における抗体の発現、より好ましくは、宿主細胞が増殖する培養培地への抗体の分泌を可能にするのに十分な時間、宿主細胞を培養することにより産生される。抗体は、標準的なタンパク質精製法を用いて培養培地から回収され得る。
本発明の抗体ポリペプチド鎖のNおよびC末端は、一般的に観察される翻訳後修飾のために予測される配列と異なりうる。例えば、C末端リシン残基は、しばしば抗体重鎖から欠落している。Dick et al. (2008) Biotechnol. Bioeng. 100:1132。N末端グルタミン残基、および程度は低いがグルタミン残基は、頻繁に治療用抗体の軽鎖および重鎖の両方でピログルタミン酸残基に変換される。Dick et al. (2007) Biotechnol. Bioeng. 97:544;Liu et al. (2011) JBC 28611211;Liu et al. (2011) J. Biol. Chem. 286:11211。
本開示を、以下の実施例によりさらに説明するが、これは更なる限定として解釈されるべきでない。本願全体で引用されるすべての図およびすべての参照、Genbank配列、特許および公開された特許出願の内容は、出典明示により本明細書の一部とする。
実施例1
非還元キャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(CE-SDS)
mAbのインタクト割合を決定するために、試料をキャピラリー電気泳動ドデシル硫酸ナトリウム(CE-SDS)により分析した。非還元条件下で、抗体ジスルフィド結合を、ヨードアセトアミド(IAM)を用いて安定化させ、熱変性工程中に熱誘発部分還元から保護した。試料を、フォールディングされていないタンパク質をコーティングするイオン性界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の存在下で調製した。SDSは、正味の負電荷を提供するタンパク質の負電荷をマスクし、これによりタンパク質分子のサイズのみにほぼ基づいた電気泳動移動度分離が可能になる。電気泳動分離を電気的注入により行い、続いて裸のフューズドシリカキャピラリーに分離電圧を40分間かけた。タンパク質を220 nmの吸光度により検出した。補正相対パーセント面積(A%corr)を計算し、各検出ピークについて示す。この方法を用いて、図2に示すデータを得た。
実施例2
Caliper LabChip(登録商標)GX/GXIIマイクロ流体システム分析
実施例1に記載の代替CE-SDS法は、Caliper LabChip(登録商標)GX/GXIIマイクロ流体システム(Caliper LifeSciences、Waltham Mass.、USA)の使用である。このシステムは、典型的には、多数の試料のより高いスループット分析のために使用され非、還元SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を実施して、抗体がインタクトかを決定する。タンパク質試料を、マイクロタイタープレートにおいてヨードアセトアミド(IAM)およびSDSを含有するバッファーで希釈し、熱インキュベートにより変性させた。試薬をLabChip(登録商標)GX IIマイクロ流体チップ上にピペットで移し、チップを装置に取り付けた。各タンパク質試料をチップ上に吸引し、蛍光色素と混合し、電気泳動により分離した。その後、分離された脱色工程をチップ上で実施した。装置内の光学系は、各試料の蛍光シグナルを検出した。データをシステムソフトウェアで分析し、インタクトタンパク質パーセントおよび濃度を決定した。
Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析システムを用いて、図3および5、および表1に報告するインタクトmAbの割合を決定した。図5および表1については、試料をクエンチング剤20 mM NEM(N-エチルマレイミド)で予め処理して、後の測定のために抗体が還元状態のままであることを確保した。GMP実施から得られた図3の試料を短時間で分析したため、試料保存中の再酸化はほとんど懸念されなかった。
実施例3
エアオーバーレイによるジスルフィド結合の還元の防止
細胞培養採取物のデプスろ過を実施して、清澄化バルク(CB)抗体調製物(GMP#2、バッチ2)を得た。CBの4分の1を、ろ過の同日にプロテインAクロマトグラフィーおよびウイルス不活性化に供した。残りのCBを3つの使い捨ての清澄化採取バッグに採取し、バッグの各々を、20%エアオーバーレイを持たせて密封した。使い捨ての清澄化採取バッグを、バッグ内でインペラを用いて撹拌しながら20℃にて保存した。その後、使い捨ての清澄化採取バッグの1つを、各連続した日に、または「サイクル」で、CB全体が精製されるまで、プロテインAクロマトグラフィーおよびウイルス不活性化に供した。得られた試料は、CBサイクル1 PAVIB、CBサイクル2 PAVIB、CBサイクル3 PAVIB、およびCBサイクル4 PAVIBとも称される。インタクトmAbのパーセントを、実施例2に記載のCaliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析を用いて各試料について決定した。別の実験(GMP#1、バッチ1)をまた、本発明のエアオーバーレイまたはヘッドスペースがない以外同じ方法を用いて実施した。
GMP#1(バッチ1)試料については、CBサイクル1 PAVIBは、>97%インタクトmAbを有したが、他のすべてのサイクルは、<15%インタクトmAbを有した。対照的に、GMP#2(バッチ2)については、最大3日間近く保存した試料を含む4つすべてのサイクル試料は、>97%インタクトmAbを示した。図2A参照。本発明の方法(バッチ2)により製造されたプールされたCB材料(すべてのサイクルを組み合わせた)についてのインタクトmAbのパーセントをまた、それぞれそれに続く下流の精製工程後に決定し、これは、ジスルフィド結合の還元が下流プロセスのいずれの時点においても生じなかったことを示した。図3参照。
実施例4
ベンチスケールの酸素化試験
100% DOの清澄化採取試料(プロテインA負荷)が、プロテインAサイクルの期間(4日間)を通して製造から毎日得られた。受け取る際に、試料を500 mLボトルへ無菌的に移し、最上部まで充填し、空気を無くした。製造における最後のプロテインAサイクルが完了するまで、試料を周囲温度(18〜22℃)にて開発ラボにおいて保持した。精製の前に、試料をNova Biomedical Stat プロファイル(登録商標)pHOxにより溶存酸素(DO)濃度について測定した。各試料の一部を20 mM NEM(N-エチルマレイミド)でクエンチし、Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析のためにプロテインAを用いて精製した。残りの試料を空気に曝露し、撹拌プレートを用いて4時間「酸素化」(通気)して、空気を導入した。酸素化試料をNEMでクエンチし、Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析のためにプロテインAを用いて精製した。Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析については実施例2参照。結果を表1に示す。
実施例5
試料に対するデプスろ過中のスループットの影響
細胞培養採取物のデプスろ過を試験スケールで実施し、スループットの影響を決定した。試料を、それぞれ100 L/m2/hおよび200 L/m2/hのフラックス(LMH)にて、30SP02A二層デプスフィルター(公称孔径10〜1μmの上流フィルターおよび公称孔径2〜0.6μmの下流フィルターを含む)または90ZB08A二層デプスフィルター(公称孔径0.8〜0.45μmの上流フィルターおよび公称孔径0.65〜0.2μmの下流フィルターを含む)に通した。Zeta PlusTM Encapsulated System、3M Purification Inc.、Meriden Conn.、USA。様々なスループット位置にて両方のデプスフィルターについて差圧読取りを取得した。結果を図4Aに示す。また、30SP02Aでろ過した試料についてLDH含有量およびチオール含有量の検出のために30、60、90および120 L/m2にて試料を採取した。結果を図4Bおよび4Cに示す。より高いスループットは、高圧の構築、高い細胞溶解(LDH含有量により測定される)およびより還元的な環境(チオール含有量により測定される)と相関した。
他の実験において、試料を29、59、88および118 L/m2にてデプスろ過の過程で採取した。各試料の一部をインタクトmAbの割合についてCaliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析により即時に分析した。各試料の別の一部をヘッドスペース無しで、すなわち空気を避けて、キャップをしたシリンジにおいた。調製した試料を20℃にて7日間保持した(静的)。試料を20 mM NEMでクエンチし、Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析のためにプロテインAを用いて精製した。結果を図5に示す。すべての試料が、最初はほぼ90%インタクトmAb(黒色バー)であったが、より高いスループット(88および118 L/m2)にて得られた試料は、7日間保存後に<40%インタクトmAbを示し(白色バー)、これは、高いスループットは保存中に望ましくないジスルフィド結合の還元を防止するために避けるべきであることを示唆する。
実施例6
酸素化の関数としてのチオール含有量
デプスろ過を、ベンチトップスケールにて10SP02A二層デプスフィルターまたは30SP02A二層デプスフィルターを用いて、細胞培養採取物に対して実施した。10SP02Aフィルターは、公称孔径10〜1μmの上流フィルターおよび公称孔径4〜0.8μmの下流フィルターを含み、30SP02Aフィルターは、公称孔径10〜1μmの上流フィルターおよび公称孔径2〜0.6μmの下流フィルターを含む。様々な流速(フラックス)、例えば25、50および75 LMH(L/m2/hr)を評価して、還元に対するフラックスおよびフィルタータイプの影響をモニターし、細胞溶解に対するせん断の影響を解明した。チオールおよびLDH含有量をエンドポイントのろ過試料(ろ過プール)において測定し、ヘッドスペース有りおよび無しのキャップをしたシリンジ中で4℃にて7日間においた。ヘッドスペース無しの試料は、空気を避けた。ヘッドスペース有りの試料は、シリンジの目盛りにより測定されるように20%ヘッドスペース(v/v)を有した。試料を20 mM NEMでクエンチし、Caliper LabChip(登録商標)マイクロ流体分析のためにプロテインAを用いて精製した。7日目に、チオール含有量および残留酸素含有量を、光学酸素メーター(Firesting O2、Pyroscience Sensor Technology GmbH、Aachen、Germany)を用いて直接測定した。チオール含有量を図6に%酸素関数として示す。
Figure 2020517699

Figure 2020517699
抗体配列に関して、配列表は、重鎖および軽鎖の成熟可変領域の配列を提供する。すなわち、配列は、シグナルペプチドを含まない。
均等物:
当業者は、本明細書に記載の特定の実施態様の多くの均等物を認識するか、または日常的な実験のみを用いて確認することができるだろう。このような均等物は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (15)

  1. 部分的に精製した清澄化バルク抗体の一部を少なくとも12時間使い捨てバッグ中で保存することを含む、抗体を精製する方法であって、該方法が、保存中に使い捨てバッグ中にエアオーバーレイまたはヘッドスペースを維持することを含み、インタクトmAbの割合が、保存中いずれの時点においても90%未満に低下しない、方法。
  2. 保存前に使い捨てバッグ中にエアオーバーレイを維持することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. エアオーバーレイが、使い捨てバッグの内容積の5〜50%を構成する、請求項2に記載の方法。
  4. エアオーバーレイが、使い捨てバッグの内容積の約20%を構成する、請求項3に記載の方法。
  5. 保存が、デプスろ過工程後、プロテインA精製工程前に行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 保存中に部分的に精製した清澄化バルク抗体を撹拌することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. インタクトmAbの割合が、保存中いずれの時点においても95%未満に低下しない、請求項6に記載の方法。
  8. 抗体が、抗huTIGIT抗体である、請求項6に記載の方法。
  9. 抗体が:
    a)それぞれ配列番号20、21および22のCDRH1、CDRH2およびCDRH3、ならびに
    b)それぞれ配列番号23、24および25のCDRL1、CDRL2およびCDRL3
    を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 抗体が:
    a)配列番号7または8の重鎖可変ドメイン配列、および
    b)配列番号9の軽鎖可変ドメイン配列
    を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 抗体が:
    a)配列番号7および48を含む重鎖配列、ならびに
    b)配列番号9および49を含む軽鎖配列
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 抗体が:
    a)配列番号8および48を含む重鎖配列;ならびに
    b)配列番号9および49を含む軽鎖配列
    を含む、請求項10に記載の方法。
  13. デプスろ過を80 L/m2以下のスループットにて行う、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. デプスろ過を70 L/m2以下のスループットにて行う、請求項13に記載の方法。
  15. デプスろ過を60 L/m2以下のスループットにて行う、請求項14に記載の方法。
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